ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1351 雨宿り
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ankoss
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書いた人 ヤリまむあき
書いたもの
ふたば系ゆっくりいじめ 703 ゆー具
ふたば系ゆっくりいじめ 708 売ゆん婦
ふたば系ゆっくりいじめ 717 売ゆん婦2
ふたば系ゆっくりいじめ 723 売ゆん婦3
ふたば系ゆっくりいじめ 730 ゆー具 鬼畜眼鏡編
ふたば系ゆっくりいじめ 772 情けはゆっくりの為ならず
ふたば系ゆっくりいじめ 798 売ゆん婦4 絵×2
ふたば系ゆっくりいじめ 962 他ゆん事
ふたば系ゆっくりいじめ 1063 売ゆん婦5
ふたば系ゆっくりいじめ 1130 世界一頭のいいれいむと、それを生んだれいむの話
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完結作品
ふたば系ゆっくりいじめ 867 Can ゆー defend? 前編
ふたば系ゆっくりいじめ 960 Can ゆー defend? 中編
ふたば系ゆっくりいじめ 1011 Can ゆー defend? 後編
ふたば系ゆっくりいじめ 867 Can ゆー defend? 前編
ふたば系ゆっくりいじめ 960 Can ゆー defend? 中編
ふたば系ゆっくりいじめ 1011 Can ゆー defend? 後編
『雨宿り』
一、
天候というものは、中々こちらの都合のいいようにいかないものである。
人間も、動物も、植物も、生あるものは等しくその影響下にあるのだ。
それは生物としてカテゴライズできるかどうか怪しいゆっくりも例外ではなく、いや、寧ろ生死すら左右されるほど強く影響を受ける。
天候というものは、中々こちらの都合のいいようにいかないものである。
人間も、動物も、植物も、生あるものは等しくその影響下にあるのだ。
それは生物としてカテゴライズできるかどうか怪しいゆっくりも例外ではなく、いや、寧ろ生死すら左右されるほど強く影響を受ける。
「ゆぅ、あめさんはゆっくりしないではやくやんでね! まりさがゆっくりできないよ!!」
このまりさも気まぐれな空模様に悩まされていた。
もう季節は春だというのに、気温は温暖にならず寒い日が続きゆっくりできなかった挙句突然の雨。
この日は食料を調達に少しおうちから遠い狩場へ行っていた事が災いした。
もう季節は春だというのに、気温は温暖にならず寒い日が続きゆっくりできなかった挙句突然の雨。
この日は食料を調達に少しおうちから遠い狩場へ行っていた事が災いした。
「このままじゃおうちにつくまえにずっとゆっくりしちゃうよぉ……」
まりさ種はゆっくりの中でも雨に強い。
そんなに長時間でなければ水にも浮かべるほど耐水性の強い帽子がある程度の雨を防いでくれるからだ。
ただそれにも限度がある。
加えて、雨に濡れた地面はまりさのあんよをじわじわと、だが確実にふやけさせていった。
地面を蹴るあんよにも段々と力が入らなくなってしまう。
そんなに長時間でなければ水にも浮かべるほど耐水性の強い帽子がある程度の雨を防いでくれるからだ。
ただそれにも限度がある。
加えて、雨に濡れた地面はまりさのあんよをじわじわと、だが確実にふやけさせていった。
地面を蹴るあんよにも段々と力が入らなくなってしまう。
「ゆゆ? あれは……」
そんな時だった、まりさが雨を凌げそうなゆっくりプレイスをみつけたのは。
二、
男は安堵していた。
会社帰りに雨に降られ、どこかで雨宿りをしようと思っていたところに丁度良い場所があったからである。
男は安堵していた。
会社帰りに雨に降られ、どこかで雨宿りをしようと思っていたところに丁度良い場所があったからである。
「しかし、まだ残ってたんだなぁ」
遠目に公衆電話ボックスを確認したからだ。
携帯電話が普及した今ではその数を減らしていたが、ここは依然として健在なそれに感謝すべきだろう。
雨足が落ち着くまでここで一休みするとしよう。
そう思って足を電話ボックスに向け早めると、その前で丸い物が飛び跳ねていた。
携帯電話が普及した今ではその数を減らしていたが、ここは依然として健在なそれに感謝すべきだろう。
雨足が落ち着くまでここで一休みするとしよう。
そう思って足を電話ボックスに向け早めると、その前で丸い物が飛び跳ねていた。
「いじわるしないでまりさをなかにいれてね! どうしてなかがみえてるのにはいれないのぉおおおおお!?」
透明なガラスの扉一枚、それだけしか外側と内側を隔てる物はないというのに、まりさにはどうすることもできない。
体当たりで強行突破も試みたがそれでもびくともしないのだ。
このもどかしさは筆舌に尽くし難いものがあった。
刻一刻と迫る自らの命が終わるまでの期限にまりさは焦る。
体当たりで強行突破も試みたがそれでもびくともしないのだ。
このもどかしさは筆舌に尽くし難いものがあった。
刻一刻と迫る自らの命が終わるまでの期限にまりさは焦る。
「ちょっとごめんよ」
「ゆ?」
「ゆ?」
聞こえた声に上を向くと、男の手が伸びて難攻不落かと思われた扉があっさりと開いたのでまりさは狂喜した。
男がまるでゆっくりできない状況下に置かれた自分を助けにきてくれた正義の味方のように思えたのである。
男がまるでゆっくりできない状況下に置かれた自分を助けにきてくれた正義の味方のように思えたのである。
「ゆわぁあああい! たすかったよぉ、ゆっくりできるよぉおおお!! にんげんさん、ありが……ゆ?」
この感謝の気持ちを伝えようと後ろに振り向いた一瞬、信じられない事が起きた。
男が素早く電話ボックスの中に駆け込み、再び扉は閉ざされたのである。
差し伸べられたと思った救いの手が振り払われたかのように感じた。
男が素早く電話ボックスの中に駆け込み、再び扉は閉ざされたのである。
差し伸べられたと思った救いの手が振り払われたかのように感じた。
「どうじでぇええええええ!? なんでぇええええ!?」
野良生活で染み付いた汚れに加え、濡れた地面を駆け回ったことで泥水が浸透した肌。
雨で湿ったそれは閉鎖された空間に一緒にいれば強い悪臭を発することだろう。
一言で言えば、まりさは汚れていた。
さらに電話ボックスは広くなく、男一人が入るので精一杯だった。
男はまりさをちらりと見てこう考えたのである。
雨で湿ったそれは閉鎖された空間に一緒にいれば強い悪臭を発することだろう。
一言で言えば、まりさは汚れていた。
さらに電話ボックスは広くなく、男一人が入るので精一杯だった。
男はまりさをちらりと見てこう考えたのである。
(このゆっくり汚いな、臭そうだし。それにこの中は狭い。こいつが中に入ってきたらズボンや靴が汚れるだろうなぁ……)
成体ゆっくりであるまりさの大きさはバスケットボールほど。
そんなものと一緒に電話ボックスに入れば必然的に自分の靴やズボンと接触することになる。
そうなれば臭いが自分にも移ってしまうかもしれない。
もしまりさが犬や猫だったら、男も可哀想に思って中に入れてやったことだろう。
もしも自分が原因でその犬や猫が後で病気になったり死んだりしたら、例えそれが自分とは関わりのない所で起こったとしても後味が悪い。
男自身は動物が嫌いではなかったし、普通にそういった窮地に陥った生き物を見ると哀れむ気持ちもある。
積極的に助けはしないが、自分の目の前にいる生き物は助ける。
大多数の人間はそんなものだ。
そんなものと一緒に電話ボックスに入れば必然的に自分の靴やズボンと接触することになる。
そうなれば臭いが自分にも移ってしまうかもしれない。
もしまりさが犬や猫だったら、男も可哀想に思って中に入れてやったことだろう。
もしも自分が原因でその犬や猫が後で病気になったり死んだりしたら、例えそれが自分とは関わりのない所で起こったとしても後味が悪い。
男自身は動物が嫌いではなかったし、普通にそういった窮地に陥った生き物を見ると哀れむ気持ちもある。
積極的に助けはしないが、自分の目の前にいる生き物は助ける。
大多数の人間はそんなものだ。
まりさは、残念なことにゆっくりだった。
野良ゆっくりは嫌われ者である。
それが善良かゲスかということは問題ではない。
野良ゆっくりはゴミのくせに勝手に増え、既にあるゴミを散らかすというのが社会的な認識だった。
ゆっくりが子供を生むのがゴミを増やすということだということは乱暴な言い方かもしれない、しかし彼女達は人間の捨てた食物、つまりゴミだ―――それを食べなければ街では生きていけないのだ。
従ってゴミ捨て場等がよく荒らされ、それに伴ってゆっくりの悪評が定説化してしまったのである。
野良ゆっくりは嫌われ者である。
それが善良かゲスかということは問題ではない。
野良ゆっくりはゴミのくせに勝手に増え、既にあるゴミを散らかすというのが社会的な認識だった。
ゆっくりが子供を生むのがゴミを増やすということだということは乱暴な言い方かもしれない、しかし彼女達は人間の捨てた食物、つまりゴミだ―――それを食べなければ街では生きていけないのだ。
従ってゴミ捨て場等がよく荒らされ、それに伴ってゆっくりの悪評が定説化してしまったのである。
男はゆっくりのことなど心底どうでもよく、ただ見敵必殺するほど嫌いというわけではないだけだ。
そこで彼はまりさを電話ボックスの中に入れないという選択をしたのである。
そこで彼はまりさを電話ボックスの中に入れないという選択をしたのである。
「にんげんざん、おねがいでず!! ばりざをながにいれでぐだざぃいいいいい!!!」
どんどんと、まりさが電話ボックスの扉に無駄な体当たりを繰り返す。
砂糖水の涙がガラスにつき、流れ落ちる。
砂糖水の涙がガラスにつき、流れ落ちる。
「あけてぇえええええ!! まりさをたすけてぇえええええ!!!」
それを一瞥した男は携帯電話を取り出してイヤホンを耳に付けて耳障りなまりさの声をシャットダウンし、ニヤニヤ動画に接続して雨が止むまでの暇つぶしを始めた。
それから彼の脳裏から雨に晒されているまりさのことは完全に消える事になる。
それから彼の脳裏から雨に晒されているまりさのことは完全に消える事になる。
「あげでぇ、あげでぇ!! ばりざじんじゃぅうううううう!!!」
勢いを増した雨がまりさを容赦なく打ち据え、風がお帽子を吹き飛ばす。
「まりざのおぼうじぃいいいい!! まっでぇええええ!!」
命と同じ位大事なお帽子を追いかけようとあんよに力を入れると、ぶじゅっという音が聞こえた。
雨水があんよを最早手遅れなほどふやけさせ、まりさが動こうとする度に黒い餡子が漏れ出していくのだ。
そして餡子は漏れるとすぐさま雨に洗い流されてまりさから離れていく。
雨水があんよを最早手遅れなほどふやけさせ、まりさが動こうとする度に黒い餡子が漏れ出していくのだ。
そして餡子は漏れるとすぐさま雨に洗い流されてまりさから離れていく。
「おぼうじがぁああああああ!! まりざのあんごさんがぁあああああ!!!」
お帽子を追いかける事も餡子の流出を防ぐことも叶わず、まりさはその場に縫い付けられる。
更に強くなっていく雨はまりさの身に無数の穴を穿ち、強風が空いた穴から入り込み身体全体を吹き飛ばそうとする。
まりさに抗う術は、ない。
更に強くなっていく雨はまりさの身に無数の穴を穿ち、強風が空いた穴から入り込み身体全体を吹き飛ばそうとする。
まりさに抗う術は、ない。
「いやだぁあああああああああああ!! ばりざはごんなどごろでじんでいいゆっぐりじゃないんだぁああああああああ!!
にんげんざん、にんげんざん、ばりざをだずげでぇええええええええええええ!!!」
にんげんざん、にんげんざん、ばりざをだずげでぇええええええええええええ!!!」
眼球も、悲鳴を発する舌も、まりさの全てが雨に削られていく。
まりさは最後まで電話ボックスの中でゆっくりしていた青年に助けを求めていた。
まりさは最後まで電話ボックスの中でゆっくりしていた青年に助けを求めていた。
三、
ニヤニヤ動画の視聴を止めるとと日は落ちていて、すっかり暗くなっていた。
ニヤニヤ動画の視聴を止めるとと日は落ちていて、すっかり暗くなっていた。
「お、やっと止んだか」
そういえばあのゆっくりどうしたかなと男がようやくまりさの存在を思い出すと、電話ボックスの入り口近くにまりさの姿はなかった。
「あれ、いなくなってる。死んだら死骸が残ってるだろうけど……。まあいいか」
途中で諦めて何処かに行ったのかなとだけ考えると、不快な死骸を見ずに済んでよかったと思いながら男は帰路に着く。
吹き飛んだまりさの帽子、その一部が溶けずに側溝に被さっている網に引っかかっていたが、それもひらひらと風に煽られて何処かへと飛んでいく。
雨が止んだ後、まりさがいたという痕跡は何処にも見受けられなかった。
雨が止んだ後、まりさがいたという痕跡は何処にも見受けられなかった。
引越しや大学の入学式といったイベントも終わり、ようやくリハビリがてら短編を仕上げられました。
餡コンペ春で、でいぶをどう料理したらいいかネタが浮かばねぇ……。
餡小話にも読んでない新作さんがいっぱい生えてて嬉しい悲鳴。
忘れられた頃にやってくるヤリまむあきでした。
餡コンペ春で、でいぶをどう料理したらいいかネタが浮かばねぇ……。
餡小話にも読んでない新作さんがいっぱい生えてて嬉しい悲鳴。
忘れられた頃にやってくるヤリまむあきでした。
挿絵:車田あき
挿絵:車田あき