ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1736 クレイモア・ユン前篇
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ankoss
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・独自設定並びにパロディ有り
・高性能ゆっくり有り
・一部、人間いじめシーン有り
・制裁・駆除がメインです
職あき復帰第一弾SSとなります。後編は推敲の後にアップします。
ゆっくり―――近年、日本で発見された言葉を話す知性を持つ新種の生物は、ここ数年の間で、日本各地に現れるようになった。
同時に、ゆっくり達による周辺地域の環境破壊、農作物の被害、お家宣言による住居侵入など様々な問題を引き起こし、人々から忌み嫌われるようになった。
そして、希少種保護区域への被害並びに、野良ゆっくりによる人的被害を受け、政府は、警察庁並びに自衛隊共同の対ゆっくりを想定した新設部隊:YWATが創られることになった。
だが、<恐怖による抑止力>という大剣を振るうその部隊を人々はこう呼んだ―――
クレイモア・ユン
=クレイモア・ユン部隊車両=
「…状況を確認するぞ、副隊長」
黒い装備服とフェイスガードで顔を隠した隊員達を見まわしながら、指揮官の証であるカーキ色の装備服を身にまとった部隊長・大尉が、隣に座る浅黄色の装備服を着た副隊長・中尉に任務の再確認を促した。
「ん?ああ、確か、どっかの村潰して、建設したゆっくりピースの交流センターに、山に住んでいた大型ドス1頭と中堅サイズのドス3頭率いる300匹ほどの群れが、施設内を占拠。現在、逃げ遅れた金バッチ付普通種20匹をゆん質に立てこもり中―――んで、現在、ゆっくりピースの皆さんが、説得している最中だと…こんなところですかね?」
「そうだ。現在のところ、交渉は難航していると言っているが…馬鹿どもが、劣等種風情に交渉など、高度なやり取りが分かるはずがなかろうに」
「ま、そこのところは、信条的なもんですかね…んで、今回のお仕事は?」
劣等種―――れいむ、まりさ、ありす、ちぇん、みょん、ぱちゅりーの基本種に対する蔑称―――風情に軟弱な姿勢を示すセンターの職員に対し忌々しげに愚痴をこぼす大尉に、 いつもの癖が始まったと頭をかきながら、中尉は軽口を叩きつつ、話を勧めた。
「簡単なことだ。いつもどうり―――」
この後続く大尉の言葉の続きを、いつもどおり心得た隊員達は、各々の武器を握りしめた。
そう、日頃の任務どうり、いつもどうり―――
「軟弱者どもと馬鹿ども、そして、劣等種どもに、国家の強大さと恐怖をしめす!!人質など無視してかまわん!!生け取りなど一切考えるな!!脆弱な劣等種共を、無残に無情に徹底的に叩き潰せ!!」
「「「「「「「はっ!!」」」」」」
―――皆殺しにするだけだ。
=ゆっくり交流センター玄関広場前=
「「「ゆっくりしないでさっさとでていってね!!」」」
「「「ここは、まりさたちのゆっくりプレイスなんだぜ!!」」」
「「「いなかもののにんげんさんは、ゆっくりしないでかえってね!!」」」
「ここは、ドス達、皆のゆっくりプレイスだよ!!人間さんは帰ってね!!」
広場の前で、センターを占拠したゆっくり達の一団が、なんとか説得を試みるゆっくりピースの一団や、今にも飛び出そうとする飼い主、それを抑える警察官らに対し、口々に罵詈雑言を並べ立ていた。
「うぜぇ…先輩、あいつら、どうにかできませんかね?」
「無理だな…ここは人目につきすぎる。それに俺達の仕事じゃない」
そんなゆっくり達の様子に、青筋を立てる金髪の血気盛んな若い青年に対し、落ち着いた様子の青年はやれやれといった表情で宥めた。
この二人の青年―――ゆっくり達を取り締まる公餡課の若手コンビも、このゆっくり達による占拠事件の対応の為に、駆り出されていた。
「んでも、俺らの仕事は、ゲス共を取り締まる事じゃ…」
「…だから、畑違いなんだよ。俺達の仕事は取り締まる事―――」
不意に後ろから、数台のトラックが停車し、後ろから続々と、銃を装備したフェイスガード顔を隠した隊員達が、降りてきた。
その光景を見た瞬間、彼らを嫌う者は不快な顔をし、彼らのこれから行う行動を知る者は不安げな顔をし、そして、その結末がどうなるかを知る者は、絶望の表情を顔に浮かべた。
「―――殲滅は、あいつらの仕事だ」
「まさか、クレイモア・ユン―――!!」
ついに事態を早急に決着させるために、到着した部隊に、やっと来たかと肩をすくめる先輩の青年に対し、後輩の青年は、驚きの声を上げながら、その部隊名を口にした。
クレイモア・ユン―――近年、創設された新部隊だが、公餡でも何度か、共同で作戦を張る事も多かった。
同時に―――
「御苦労、公餡諸君。状況報告を頼む」
「おいっす。お二人さん、御苦労さま」
「ああ、分かった…」
「お、お疲れ様です!!」
この公餡の二人は、何度も同じ現場で、クレイモア・ユンの司令官にして部隊長である大尉と副隊長の中尉とは、顔を合わせる機会も多かった。
「現在のところ、中堅サイズのドスが3頭、まりさ、ちぇん、みょんを中心とした戦闘部隊であろうと思われる集団が180匹ほど、センター前の広場で威嚇行動を取っている」
「残りの120は?」
「れいむ、ありす、ぱちゅりー並びに子ゆっくりや赤ゆっくりなどの非戦闘ゆっくりだろう。群れのリーダーである大型ドスもいるはずだ」
「んーこりゃ、骨が折れる仕事だね…どうします、隊長?あれ?」
ふと、大尉の姿がないことに気付いた中尉が、あたりを探すと、大尉は既に、交流センターの敷地内の最前線へと歩き出していた。
とそこへ、一匹のれいむが、大尉の前に跳び出してきた。
「ゆっ、ここは、れいむたちのゆっくりプレイスだよ!!さっさとでていってね!!」
「…」
「きこえないの?ばかなの?しぬの?ゆっくりしないででていってね!!」
まるで、れいむの存在に気付かないような大尉の態度に、苛立ったれいむが、大尉の足に体当たり―――とよぶのも微妙な、ポヨンという音を立て、一応、攻撃行動を取った瞬間―――
「抵抗確認―――」
それまで、れいむを無視していた大尉が、仮面越しから、れいむを睨みつけ、左腕に拳銃を持ち、れいむに拳銃を向け、右腕を振り上げ、一気に振り下ろした。
「―――排除ぉ!!」
「ゆびぃ!!」
放たれた弾丸によって、はじけ飛んだれいむの断末魔と咆えるような大尉の命令と共に、突撃の任を受けた隊員達が飛び出し―――皆殺しの大剣は振り下ろされた。
「でいぶうううううう!!ゆがああああ!!」
「ゆっくりできないにんげんさんだみょん!!」
「わかるよー!!でいぶのかたきをうつんだよー!!」
「「「「「ゆっくりせいっさいするよおおおおお!!!」」」」」
「抵抗確認」
れいむの仇打ちだと、隊員達に一斉に向かってくるゆっくり達に対し、既存の銃とは大きく異なる外見を持つ<ジャック・ハンマー>―――フルオートで、散弾を次々とまき散らす、オートマッチク式大型散弾銃を手にした隊員が、れいむを殺されたことに気付き、突撃を仕掛けてくるゆっくり達に向かって、容赦なく発射した。
「排除」
「むれのあいどるでいぶをごろじだにんげんざんは、ゆっぐ、ゆびゃちゃ!!」
「ま、ま、ばり、みょぎゃぁ!!」
「わがらないよぉおおお!!ぜんぜん、わが、ゆぎゃぁ!!」
銃口からまき散らされた数百にも及ぶ小さな玉が、次々にゆっくりたちに命中し、頭を、口を、ほっぺを、あんよを吹き飛ばされながら、餡子やチョコクリームをまき散らしていく。
とある事情により、新素材で開発された特殊な素材で作られたゴム弾ではあるものの、まんじゅうボディのゆっくりにとって、実弾とさほど変わらない殺傷能力を持っていた。
さらに、命中こそすれど、致命傷にはいたらなかったゆっくり達にもさらなる地獄が待ち受けていた。
「いじゃいいいいい!!あづいいいいい!!ばりざの、ながみがやげづいぢゃううううう!!」
「ぢん―――エレエレエレエレ…」
「だずげで、らんじゃまぁああああ!!ぼえ、ぼえぢゃあううううう!!」
体の中を襲う焼けつくような痛みに、ジタバタともだえ苦しむまりさ、痛みのあまり、中身をすべて吐き出すようむ、いもしないらんに助けを求めながら、断末魔の悲鳴を上げるちぇん…あちこちで、ゆっくりたちの阿鼻叫喚地獄絵図が展開されていた
この惨状を生み出したのは、先ほどのゴム弾の中に仕込まれたハバネロ成分が染み出し、ゆっくりたちの中身に浸透し、辛さという毒でもって、死に至らしめていた。
ただし、至近距離では殺傷能力は高い散弾銃も、射程距離が短いという弱点はある。
故に…
「ゆー!!ゆっくり、うしろからえんごするよ!!」
「いしさんをくわえて、ぶつけるんだよ―!!わかるよー!!」
「はんげきだみょん!!」
実質、仲間を盾にして、石を咥えて、発射しようとする投石(?)部隊のゆっくりたちには、弾が届いていなかった。
所詮は、ゆっくりと甘くみてはいけない。
ある事例によれば、群れを狙った熊を、ゆっくりの投石によって、熊を撃退したということもあるらしく、人間だって、もし、打ち所が悪ければ、大けがをする可能性もあるのだ。
もっとも、隊員達の場合、ある程度の防具は身につけているので、効果は薄いのだろうが。
そして、攻撃行動には変わりないので…
「抵抗確認、排除」
「「「ゆぼばぁ!!!??」」」
用意された装甲車の上で伏せた状態で、<バレットM82>―――12.7mm弾を使用する対装甲車用スナイパーライフルで狙いを見事打ち抜いた隊員によって、投石部隊のゆっくりたちも次々と撃ち抜かれていった。
コンクリートすらも粉砕するこの怪物スナイパーライフルにかかれば、ゆっくりの体などまともに残るはずもなく、命中した後には餡子だけが飛び散っていた。
「もうおうぢがえるうううううう、ゆぶっ!!」
あるまりさは、敵前逃亡しようとした瞬間、後ろに振り向いた瞬間、アサルトライフルを構えた隊員の一人に後頭部を撃たれて、ずりずりと数センチ這いずり、そこで力尽きて永遠にゆっくりした。
「わぎゃらないよおおおお!!わがらないよおおおお!!わがっ!?」
あるちぇんは、周りの惨状に正気を失い、分からないと喚き散らしている最中に、ハンドガンを手にした隊員の一人にハンドガンを押し付けられ、額を撃ち抜かれ、即死した。
「ひきょうものー!!せいせいどうどうたたかうみょ、ぢんでっ!!」
あるようむは、一対一の勝負をしろと要求するも、複数の隊員に取り囲まれ、至近距離からの一斉射撃を受け、跡形もなくなった。
もはや、ゆっくり達のゆっくりプレイスはそこにはなく、悲鳴と断末魔が響き渡る人間達による一方的な虐殺プレイスと化していた。
「はぁ~いつものことだけど、やりすぎじゃない、これ?」
「戯け。最大の攻撃力でもって、敵を迎え撃つのは、戦場の鉄則だ。容赦など掛ける必要もない。ましてや、劣等種が相手だ。いくら死のうが問題はない。というか、お前もさっさと仕事に行け!!」
「ちょ、勘弁してくださいよ…あぁ、もう…」
「ゆがぁああああああ!!よぐも皆を殺したなぁああ!!絶対に許さないよおおおおお!!」
「もう容赦しないよ!!」
「皆の仇ぃいいいい!!」
苦労を共にした群れの仲間達が無残に殺されていくことに、激怒した中型ドス3体が、憤怒の雄たけびをあげ、仲間を殺した隊員達に襲いかかってきた。
しかし、大尉に背中をけられながら、大型の単発式拳銃を手にした隊員を引き連れ、渋々現場に赴いた中尉は、やれやれといった表情で中型ドス3体を見やった。
「つうか、お前らが悪いんだろうが…どうせ、馬鹿みたいに喰って、馬鹿みたいに増やして、餌なくなって、どうしよー?ってくだらねぇ理由だろ。自業自得っていうやつじゃね?」
「ごぢゃごぢゃうるざいいいいいいい!!ゲスな人間はざっざどおおおお!!」
一応、無駄とは分かっていても、中尉はお前らが悪いんだと言ってみるものの、仲間を殺され、怒りで我を失った中型ドスの一体は、問答無用で、攻撃をしようと襲いかかろうとするが…
「抵抗確認」
「ゆっ?」
いつの間にか、自分のすぐそばまで近づいていた単発式大型拳銃を携えた隊員に、拳銃を押し付けられ―――
「排除」
「ゆぎぃ!?」
避けようのない零距離射撃を受け、中枢餡を撃ち抜かれ、短い悲鳴を上げ、ほぼ即死で絶命した。
「どずううううううう!!よぐも、どずのおねえぢゃんをおおおお!!ごれでも、ぐらええええええ!!」
姉であったであろう中型ドスを殺され、激高した妹で当たる残りの2体の片割れである中型ドスが、帽子の中に隠した魔法キノコを取り出し、口の中に入れると、もはや、ドスの代表ともいえる必殺技―――
「ドススパーク!!」
人間でさえ死に至らしめる強力な熱線―――ドススパークを、姉ドスを殺した隊員に向けて、放った。
「…」
「ゆっ?!」
しかし、隊員は迫りくるドススパークを紙一重で避けると、ドススパークが着弾し、飛び散った地面のかけらが、体に刺さるのも構わず、そのままドススパークを撃ったドスにむかって前進した。
「ゆ?ゆ?どぼじで、怖がらないの!?ドズなんだよ!!どぼじで、怖がらないのぉおおお!!」
迫りくる隊員を前に、ドススパークを放った次女である中型ドスは、恐怖で混乱した。
これまで、ドスである自分を恐れない生き物はいなかった―――少なくともドススパークの威力を知るものであれば…
しかし、近づいてくる姉ドスを撃ち殺したこの隊員には、まったく恐怖というものを感じられない。
それ故に、恐怖で足がすくむといった動きが止まるようなことは一切ない。
絶対に当らない―――そのことに気付いた次女ドスはガタガタと震えながら、苦し紛れに、相手を殺すのでなく、自分の身を守る事を優先した。
「あ、アストロン!!」
アストロン―――一部のドスまりさが、使用する饅頭ボディを、身体機能の停止を代償に、鉄壁ともいえる鋼のボディに変化させる防御呪文である。
ただの銃弾ですら、はじき返す硬さならば、どうすることもできないであろう。
…ただの銃弾であるならばだが。
「ゆっ!!これで、もう、ドスを倒せないよ!!さっさと諦めてね!!」
「抵抗確認」
「無駄だよ!!さっさと…」
大型拳銃の銃口を、鋼の皮膚となった次女ドスの額に密着させた隊員に対し、無駄なことをすると思いつつも、次女ドスは挑発しつつ、あきらめるようながした。
しかし、次女ドスは知らなかった。
隊員の持つ大型単発式13mm拳銃―――通称<ドス・ノッカー>こそ、アストロン化したドスを、ロケットランチャーなどの重火器を用いることなく、拳銃で撃ち殺す為に開発された―――
「排除」
「ねっぎぃ!!?」
絶対零距離射撃用拳銃だということに!!
これまで絶対の防御を誇った鋼鉄の体を蹂躙し、13mm弾丸は次女ドスの中枢餡を見事に打ち抜いた。
もはや、そこにいるのはドスではなく、苦悶の表情を浮かべたまま、立ち尽くす、ただの鉄の塊だった。
「ゆっゆぎゃあああああああ!!もういやだぁああああ!!おうぢがえるううううう!!」
姉である2体を無残に殺され、もはや恐慌状態に陥った最後の中型ドス―――末っ子ドスは、わき目も振らず、大声を上げて、逃げだそうとするが、その行く手を遮るように、中尉が立ちはだかった。
「まぁ待て…そんなに焦らなくても、送ってやるから」
「ゆっ!?」
ドスを許してくれるの?―――そんな期待を抱いている末っ子ドスに対し、中尉は、フェイスガード越しに笑みを浮かべながら…
「死んだお前の兄弟のところに。喰らえ、俺的必殺・問答無用拳」
「ゆっ」
…ふざけた台詞とともに、ただ思い切り力任せに、末っ子ドスの顔面を―――正確には中枢餡がある部分を殴りつけた。
ただ、それだけで、皮には目立った外傷もなく、一言だけ呟いて、見事に中枢餡を殴られた末っ子ドスは土下座をするように倒れながら、絶命した。
「はい、おしまい…んで、他の方はと…聞くまでもないか」
そこには、いつもの見慣れた光景が広がっていた。
見渡す限りの、餡子とチョコクリームとウグイス餡と飾りの残骸に埋め尽くされた地面が広がり、その中で「ゆっゆっゆっ…」「いぢゃ…いい…」「もっど…ゆっぐ…」などの断末魔の合唱と、あちこちで聞こえる断末魔を終わらせる銃声が聞こえてきた。
ここにいたり、総勢180匹のゆっくりと中型ドス三姉妹は、文字通り容赦なく慈悲なく一匹残らず殲滅された。
しかし…
「さて、外が片付いたようだが…どうするつもりだ?さすがに、愛護団体の前では派手な行動は…」
「愚問だな。そして、無論、決まっている」
周囲にいる愛護団体のメンバーに目を配らせていた公餡の青年に対し、大尉は獰猛な笑みを浮かべながら、ゆっくり達に占拠された交流センターに目を向けた。
今頃、群れの仲間達を殺され、ガタガタと震える劣等種どもの無様な姿を想像しながら、大尉は次の作業に取り掛かった。
まだ、駆除していない残存120匹を始末する作業を。
「古今東西で失陥寸前の城砦でやることなど、ただ一つ―――ただただ、一方的な虐殺あるのみ―――!!」
その後、外に出ていたドス三姉妹を含むゆっくり180匹を殲滅したクレイモア・ユンの部隊は、ただちに、交流センター内に立て籠もった残りの群れを殲滅せんと、配置につき、突入の合図を待っていた。
「んじゃ、突入開始といきますかね、大尉」
「うむ。いや、待て。ドアから何匹か出てくるぞ」
突入の合図を出すよう進言した中尉を、一度は頷いた大尉が、交流センターのドアから出てくる数十匹のゆっくり達の姿を見つけ、待ったをかけた。
見たところ、ぱちゅりーを先頭に、枝を咥えた他のゆっくりが、痛めつけられたのか傷だらけのゆっくり達を前に押しやり、脅すように歩かせていた。
そして、傷だらけのゆっくり達には、金バッチが付けられていた。
「金バッチってことは、ゆん質にされた連中ですかね?」
「らしいな…あれで、全部かは知らんがな」
やがて、金バッチをつけたゆっくりが横に並ばされると、先頭を歩いていたぱちゅりーが、大きな声で、その場にいる人間に向かって呼びかけを始めた。
「むきゅ!!にんげんさんたち、きこえるかしら!!むれのなかまをゆっくりさせないつもりだろうけど、もうすきかってさせないわよ!!もし、これいじょう、ぱちぇたちをゆっくりさせないなら、こっちにもかんがえがあるわよ!!」
「ゆっへっへっへ!!うごくんじゃないんだぜ!!もし、こっちにきたら、にんげんさんのゆっくりをえいえんにゆっくりさせるんだぜ!!」
「わかるよー!!にんげんさんは、きんばっちさんつけたゆっくりをきずつけたくないのは、しってるよー!!」
「こいつらのいのちがおしかったら、さっさとでていくみょん!!」
いやらしい笑みをうかべるぱちゅりーが合図を出すと、枝を咥えたゆっくりたちが、ゆん質である金バッチをつけたゆっくりの頬に枝を突き付けた。
「ゆええええええん!!だずげで、おねぇざあああああん!!」
「ごんないながものにごろざれだぐないいいいいいい!!」
「おねがいだぜぇえええ!!ばりざがしんじゃうんだぜえええ!!」
「おにーしゃん!!れいみゅ、しにちゃくないよおおお!!」
下手をすれば、すぐにでも殺されると分かり、金バッチゆっくりたちは、口々に飼い主に向かって助けを求めた。
これには、事件を見守っていた飼い主たちも、「ああ…」「くそぉ!!」「だれか、あの子を!!」と、思わず悲鳴を上げるしかなかった。
もっとも、公餡の二人とクレイモア・ユンの隊員達は、逆に呆れ交じりの表情を浮かべながら、首を振るしかなかった。
さすが、もりけん(笑)っと。
「むきゅきゅきゅきゅ!!わかったからしら、こいつらをかいほうして、ほしいなら、たくさん、あまあまさんをもってきて、さっさと、ぱちぇたちのゆっくりぷれいすからでていきなさい!!」
そんな人間達に対し、まんまとかんっぺきな作戦が上手くいったと思い込んだぱちゅりーは、このまま要求を押し切ろうとした瞬間―――
「はやくしないと、このこたちがしん―――「「ゆびぃ!!?」」―――ゆっ?」
それは一瞬の出来事だった。
ぱちゅりーの隣で、金バッチれいむをゆん質に取っていたまりさが、前にいたゆん質である金バッチれいむと共に、金ばっちとお飾りの残骸を残して、水風船のように弾けとんだ。
これには、得意げな顔をしていたぱちゅりーも、同伴していた他のゆっくりも、ゆん質にされた金バッチ達も、そして、彼らの飼い主である人間でさえ、唖然となった。
平然としていたのは、硝煙を上げるスナイパーライフルを構えた、金バッチれいむとまりさを撃ち抜いた狙撃担当の隊員を含めたクレイモア・ユンの隊員らと、クレイモア・ユンとの付き合いの長い公餡の二人だけだった。
「ゆっ、に、にんげんさん…?」
「ゆん質か。なるほど、悪くはないな。ゆっくりぴーすの馬鹿どもなら有効だったろうな。だが、相手を間違えたな、劣等種。そんな手が通じると思うな」
「むぎゅうううううううう!!どぼぢで、金ばっちさんをづけだゆっぐりをうっだのおおおおお!!??」
これには、ぱちゅりーも思わずゲロを吐き出しながら、叫ぶしかなかった。
ぱちゅりーにとって、金バッチ付のゆっくりとは、人間に保護されたゆっくりというのが常識であった。
無論、金ゲスなどの一部に飼いゆっくりを除いては、人間に愛される金バッチ付ゆっくりはいる。
しかし、ぱちゅりーにとっての不幸は、相手が皆殺しの大剣という異名を持つ部隊だったということだ。
「なぜ?当然だ。なぜ、たかだか金メッキのバッチを付けた劣等種を助けてやらねばならん。悪いが、ゆん質なんぞ、意味はないぞ」
「むぎゅううううう!!ぞんな、ぞんなぁあああああ!!」
「相手が悪かったな、劣等種」
あっさりとゆん質を切り捨てた大尉は、あっさりと自分のたくらみが打ち砕かれ、悶えるぱちゅりーを冷たい目で見た。
クレイモア・ユンには、設立の際に、他のゆっくり対策部署にはない、二つの権限を与えられていた。
その一つが、金バッチ付ゆっくりが、ゆん質として囚われた際、そのゆん質ごと犯ゆっくりを殺しても良いということであった。
これは、とある事件で、犯ゆんに懐柔された金バッチ付ゆっくりが、わざとゆん質にされ、事件解決をおくらせたり、また、ある事件では、飼いゆっくりが放し飼いにされた際、近くに住むゆっくりの群れを先導して、希少種保護区域に侵攻したという事態がおこった。
このため、政府は、事件解決の障害となるなら、金バッチ付ですら容赦なく裁くという飼いゆっくりと飼い主への見せしめとするための権限を、新設部隊:YWATに与えたのだ。
そして、大尉は、いつも通り、金バッチ付ゆっくり射殺権限を行使することを躊躇することはなかった。
「そして、さよならだ。精々、ごめんなさいと、鳴いて死ね」
「「「「抵抗、確認」」」」
フェイスガード越しで凶悪な笑みを浮かべる大尉の指揮の元、隊員達が一斉に銃を構えるに至って、群れのゆっくり達は、自分達もろとも、ゆん質ごと殺すのだと理解すると、ゆん質らとともに一斉に命乞いをし始めた。
「までぇええええ!!ごめんなざい、あやばりまずがら!!だすげでぐだざいいい!!」
「いやぢゃああああ!!じにだぐないいいいい、おねえざあああああん、だずげでぇえええ!!」
「わぎゃらないよおおおお!!わぎゃらないよおおおおお!!」
「でいぶだぢ、なにもわるいごどじでないのいいいい!!」
「お、おねがいじまず!!おねがいだがら、うだ…<<<排除>>>―――ゆちゃばぁ!!」
数十秒後…
「手間を取らされたな。これより任務を再開するぞ」
饅頭の皮の一部、餡子とクリームと、かざり、そして、拉げたバッチが散乱した玄関から、ゴルフバックほどの大きな荷物を肩に掛けた大尉は他の隊員を引き連れ、残りのゆっくりを殲滅する為に、堂々と正面から突入した。
・高性能ゆっくり有り
・一部、人間いじめシーン有り
・制裁・駆除がメインです
職あき復帰第一弾SSとなります。後編は推敲の後にアップします。
ゆっくり―――近年、日本で発見された言葉を話す知性を持つ新種の生物は、ここ数年の間で、日本各地に現れるようになった。
同時に、ゆっくり達による周辺地域の環境破壊、農作物の被害、お家宣言による住居侵入など様々な問題を引き起こし、人々から忌み嫌われるようになった。
そして、希少種保護区域への被害並びに、野良ゆっくりによる人的被害を受け、政府は、警察庁並びに自衛隊共同の対ゆっくりを想定した新設部隊:YWATが創られることになった。
だが、<恐怖による抑止力>という大剣を振るうその部隊を人々はこう呼んだ―――
クレイモア・ユン
=クレイモア・ユン部隊車両=
「…状況を確認するぞ、副隊長」
黒い装備服とフェイスガードで顔を隠した隊員達を見まわしながら、指揮官の証であるカーキ色の装備服を身にまとった部隊長・大尉が、隣に座る浅黄色の装備服を着た副隊長・中尉に任務の再確認を促した。
「ん?ああ、確か、どっかの村潰して、建設したゆっくりピースの交流センターに、山に住んでいた大型ドス1頭と中堅サイズのドス3頭率いる300匹ほどの群れが、施設内を占拠。現在、逃げ遅れた金バッチ付普通種20匹をゆん質に立てこもり中―――んで、現在、ゆっくりピースの皆さんが、説得している最中だと…こんなところですかね?」
「そうだ。現在のところ、交渉は難航していると言っているが…馬鹿どもが、劣等種風情に交渉など、高度なやり取りが分かるはずがなかろうに」
「ま、そこのところは、信条的なもんですかね…んで、今回のお仕事は?」
劣等種―――れいむ、まりさ、ありす、ちぇん、みょん、ぱちゅりーの基本種に対する蔑称―――風情に軟弱な姿勢を示すセンターの職員に対し忌々しげに愚痴をこぼす大尉に、 いつもの癖が始まったと頭をかきながら、中尉は軽口を叩きつつ、話を勧めた。
「簡単なことだ。いつもどうり―――」
この後続く大尉の言葉の続きを、いつもどおり心得た隊員達は、各々の武器を握りしめた。
そう、日頃の任務どうり、いつもどうり―――
「軟弱者どもと馬鹿ども、そして、劣等種どもに、国家の強大さと恐怖をしめす!!人質など無視してかまわん!!生け取りなど一切考えるな!!脆弱な劣等種共を、無残に無情に徹底的に叩き潰せ!!」
「「「「「「「はっ!!」」」」」」
―――皆殺しにするだけだ。
=ゆっくり交流センター玄関広場前=
「「「ゆっくりしないでさっさとでていってね!!」」」
「「「ここは、まりさたちのゆっくりプレイスなんだぜ!!」」」
「「「いなかもののにんげんさんは、ゆっくりしないでかえってね!!」」」
「ここは、ドス達、皆のゆっくりプレイスだよ!!人間さんは帰ってね!!」
広場の前で、センターを占拠したゆっくり達の一団が、なんとか説得を試みるゆっくりピースの一団や、今にも飛び出そうとする飼い主、それを抑える警察官らに対し、口々に罵詈雑言を並べ立ていた。
「うぜぇ…先輩、あいつら、どうにかできませんかね?」
「無理だな…ここは人目につきすぎる。それに俺達の仕事じゃない」
そんなゆっくり達の様子に、青筋を立てる金髪の血気盛んな若い青年に対し、落ち着いた様子の青年はやれやれといった表情で宥めた。
この二人の青年―――ゆっくり達を取り締まる公餡課の若手コンビも、このゆっくり達による占拠事件の対応の為に、駆り出されていた。
「んでも、俺らの仕事は、ゲス共を取り締まる事じゃ…」
「…だから、畑違いなんだよ。俺達の仕事は取り締まる事―――」
不意に後ろから、数台のトラックが停車し、後ろから続々と、銃を装備したフェイスガード顔を隠した隊員達が、降りてきた。
その光景を見た瞬間、彼らを嫌う者は不快な顔をし、彼らのこれから行う行動を知る者は不安げな顔をし、そして、その結末がどうなるかを知る者は、絶望の表情を顔に浮かべた。
「―――殲滅は、あいつらの仕事だ」
「まさか、クレイモア・ユン―――!!」
ついに事態を早急に決着させるために、到着した部隊に、やっと来たかと肩をすくめる先輩の青年に対し、後輩の青年は、驚きの声を上げながら、その部隊名を口にした。
クレイモア・ユン―――近年、創設された新部隊だが、公餡でも何度か、共同で作戦を張る事も多かった。
同時に―――
「御苦労、公餡諸君。状況報告を頼む」
「おいっす。お二人さん、御苦労さま」
「ああ、分かった…」
「お、お疲れ様です!!」
この公餡の二人は、何度も同じ現場で、クレイモア・ユンの司令官にして部隊長である大尉と副隊長の中尉とは、顔を合わせる機会も多かった。
「現在のところ、中堅サイズのドスが3頭、まりさ、ちぇん、みょんを中心とした戦闘部隊であろうと思われる集団が180匹ほど、センター前の広場で威嚇行動を取っている」
「残りの120は?」
「れいむ、ありす、ぱちゅりー並びに子ゆっくりや赤ゆっくりなどの非戦闘ゆっくりだろう。群れのリーダーである大型ドスもいるはずだ」
「んーこりゃ、骨が折れる仕事だね…どうします、隊長?あれ?」
ふと、大尉の姿がないことに気付いた中尉が、あたりを探すと、大尉は既に、交流センターの敷地内の最前線へと歩き出していた。
とそこへ、一匹のれいむが、大尉の前に跳び出してきた。
「ゆっ、ここは、れいむたちのゆっくりプレイスだよ!!さっさとでていってね!!」
「…」
「きこえないの?ばかなの?しぬの?ゆっくりしないででていってね!!」
まるで、れいむの存在に気付かないような大尉の態度に、苛立ったれいむが、大尉の足に体当たり―――とよぶのも微妙な、ポヨンという音を立て、一応、攻撃行動を取った瞬間―――
「抵抗確認―――」
それまで、れいむを無視していた大尉が、仮面越しから、れいむを睨みつけ、左腕に拳銃を持ち、れいむに拳銃を向け、右腕を振り上げ、一気に振り下ろした。
「―――排除ぉ!!」
「ゆびぃ!!」
放たれた弾丸によって、はじけ飛んだれいむの断末魔と咆えるような大尉の命令と共に、突撃の任を受けた隊員達が飛び出し―――皆殺しの大剣は振り下ろされた。
「でいぶうううううう!!ゆがああああ!!」
「ゆっくりできないにんげんさんだみょん!!」
「わかるよー!!でいぶのかたきをうつんだよー!!」
「「「「「ゆっくりせいっさいするよおおおおお!!!」」」」」
「抵抗確認」
れいむの仇打ちだと、隊員達に一斉に向かってくるゆっくり達に対し、既存の銃とは大きく異なる外見を持つ<ジャック・ハンマー>―――フルオートで、散弾を次々とまき散らす、オートマッチク式大型散弾銃を手にした隊員が、れいむを殺されたことに気付き、突撃を仕掛けてくるゆっくり達に向かって、容赦なく発射した。
「排除」
「むれのあいどるでいぶをごろじだにんげんざんは、ゆっぐ、ゆびゃちゃ!!」
「ま、ま、ばり、みょぎゃぁ!!」
「わがらないよぉおおお!!ぜんぜん、わが、ゆぎゃぁ!!」
銃口からまき散らされた数百にも及ぶ小さな玉が、次々にゆっくりたちに命中し、頭を、口を、ほっぺを、あんよを吹き飛ばされながら、餡子やチョコクリームをまき散らしていく。
とある事情により、新素材で開発された特殊な素材で作られたゴム弾ではあるものの、まんじゅうボディのゆっくりにとって、実弾とさほど変わらない殺傷能力を持っていた。
さらに、命中こそすれど、致命傷にはいたらなかったゆっくり達にもさらなる地獄が待ち受けていた。
「いじゃいいいいい!!あづいいいいい!!ばりざの、ながみがやげづいぢゃううううう!!」
「ぢん―――エレエレエレエレ…」
「だずげで、らんじゃまぁああああ!!ぼえ、ぼえぢゃあううううう!!」
体の中を襲う焼けつくような痛みに、ジタバタともだえ苦しむまりさ、痛みのあまり、中身をすべて吐き出すようむ、いもしないらんに助けを求めながら、断末魔の悲鳴を上げるちぇん…あちこちで、ゆっくりたちの阿鼻叫喚地獄絵図が展開されていた
この惨状を生み出したのは、先ほどのゴム弾の中に仕込まれたハバネロ成分が染み出し、ゆっくりたちの中身に浸透し、辛さという毒でもって、死に至らしめていた。
ただし、至近距離では殺傷能力は高い散弾銃も、射程距離が短いという弱点はある。
故に…
「ゆー!!ゆっくり、うしろからえんごするよ!!」
「いしさんをくわえて、ぶつけるんだよ―!!わかるよー!!」
「はんげきだみょん!!」
実質、仲間を盾にして、石を咥えて、発射しようとする投石(?)部隊のゆっくりたちには、弾が届いていなかった。
所詮は、ゆっくりと甘くみてはいけない。
ある事例によれば、群れを狙った熊を、ゆっくりの投石によって、熊を撃退したということもあるらしく、人間だって、もし、打ち所が悪ければ、大けがをする可能性もあるのだ。
もっとも、隊員達の場合、ある程度の防具は身につけているので、効果は薄いのだろうが。
そして、攻撃行動には変わりないので…
「抵抗確認、排除」
「「「ゆぼばぁ!!!??」」」
用意された装甲車の上で伏せた状態で、<バレットM82>―――12.7mm弾を使用する対装甲車用スナイパーライフルで狙いを見事打ち抜いた隊員によって、投石部隊のゆっくりたちも次々と撃ち抜かれていった。
コンクリートすらも粉砕するこの怪物スナイパーライフルにかかれば、ゆっくりの体などまともに残るはずもなく、命中した後には餡子だけが飛び散っていた。
「もうおうぢがえるうううううう、ゆぶっ!!」
あるまりさは、敵前逃亡しようとした瞬間、後ろに振り向いた瞬間、アサルトライフルを構えた隊員の一人に後頭部を撃たれて、ずりずりと数センチ這いずり、そこで力尽きて永遠にゆっくりした。
「わぎゃらないよおおおお!!わがらないよおおおお!!わがっ!?」
あるちぇんは、周りの惨状に正気を失い、分からないと喚き散らしている最中に、ハンドガンを手にした隊員の一人にハンドガンを押し付けられ、額を撃ち抜かれ、即死した。
「ひきょうものー!!せいせいどうどうたたかうみょ、ぢんでっ!!」
あるようむは、一対一の勝負をしろと要求するも、複数の隊員に取り囲まれ、至近距離からの一斉射撃を受け、跡形もなくなった。
もはや、ゆっくり達のゆっくりプレイスはそこにはなく、悲鳴と断末魔が響き渡る人間達による一方的な虐殺プレイスと化していた。
「はぁ~いつものことだけど、やりすぎじゃない、これ?」
「戯け。最大の攻撃力でもって、敵を迎え撃つのは、戦場の鉄則だ。容赦など掛ける必要もない。ましてや、劣等種が相手だ。いくら死のうが問題はない。というか、お前もさっさと仕事に行け!!」
「ちょ、勘弁してくださいよ…あぁ、もう…」
「ゆがぁああああああ!!よぐも皆を殺したなぁああ!!絶対に許さないよおおおおお!!」
「もう容赦しないよ!!」
「皆の仇ぃいいいい!!」
苦労を共にした群れの仲間達が無残に殺されていくことに、激怒した中型ドス3体が、憤怒の雄たけびをあげ、仲間を殺した隊員達に襲いかかってきた。
しかし、大尉に背中をけられながら、大型の単発式拳銃を手にした隊員を引き連れ、渋々現場に赴いた中尉は、やれやれといった表情で中型ドス3体を見やった。
「つうか、お前らが悪いんだろうが…どうせ、馬鹿みたいに喰って、馬鹿みたいに増やして、餌なくなって、どうしよー?ってくだらねぇ理由だろ。自業自得っていうやつじゃね?」
「ごぢゃごぢゃうるざいいいいいいい!!ゲスな人間はざっざどおおおお!!」
一応、無駄とは分かっていても、中尉はお前らが悪いんだと言ってみるものの、仲間を殺され、怒りで我を失った中型ドスの一体は、問答無用で、攻撃をしようと襲いかかろうとするが…
「抵抗確認」
「ゆっ?」
いつの間にか、自分のすぐそばまで近づいていた単発式大型拳銃を携えた隊員に、拳銃を押し付けられ―――
「排除」
「ゆぎぃ!?」
避けようのない零距離射撃を受け、中枢餡を撃ち抜かれ、短い悲鳴を上げ、ほぼ即死で絶命した。
「どずううううううう!!よぐも、どずのおねえぢゃんをおおおお!!ごれでも、ぐらええええええ!!」
姉であったであろう中型ドスを殺され、激高した妹で当たる残りの2体の片割れである中型ドスが、帽子の中に隠した魔法キノコを取り出し、口の中に入れると、もはや、ドスの代表ともいえる必殺技―――
「ドススパーク!!」
人間でさえ死に至らしめる強力な熱線―――ドススパークを、姉ドスを殺した隊員に向けて、放った。
「…」
「ゆっ?!」
しかし、隊員は迫りくるドススパークを紙一重で避けると、ドススパークが着弾し、飛び散った地面のかけらが、体に刺さるのも構わず、そのままドススパークを撃ったドスにむかって前進した。
「ゆ?ゆ?どぼじで、怖がらないの!?ドズなんだよ!!どぼじで、怖がらないのぉおおお!!」
迫りくる隊員を前に、ドススパークを放った次女である中型ドスは、恐怖で混乱した。
これまで、ドスである自分を恐れない生き物はいなかった―――少なくともドススパークの威力を知るものであれば…
しかし、近づいてくる姉ドスを撃ち殺したこの隊員には、まったく恐怖というものを感じられない。
それ故に、恐怖で足がすくむといった動きが止まるようなことは一切ない。
絶対に当らない―――そのことに気付いた次女ドスはガタガタと震えながら、苦し紛れに、相手を殺すのでなく、自分の身を守る事を優先した。
「あ、アストロン!!」
アストロン―――一部のドスまりさが、使用する饅頭ボディを、身体機能の停止を代償に、鉄壁ともいえる鋼のボディに変化させる防御呪文である。
ただの銃弾ですら、はじき返す硬さならば、どうすることもできないであろう。
…ただの銃弾であるならばだが。
「ゆっ!!これで、もう、ドスを倒せないよ!!さっさと諦めてね!!」
「抵抗確認」
「無駄だよ!!さっさと…」
大型拳銃の銃口を、鋼の皮膚となった次女ドスの額に密着させた隊員に対し、無駄なことをすると思いつつも、次女ドスは挑発しつつ、あきらめるようながした。
しかし、次女ドスは知らなかった。
隊員の持つ大型単発式13mm拳銃―――通称<ドス・ノッカー>こそ、アストロン化したドスを、ロケットランチャーなどの重火器を用いることなく、拳銃で撃ち殺す為に開発された―――
「排除」
「ねっぎぃ!!?」
絶対零距離射撃用拳銃だということに!!
これまで絶対の防御を誇った鋼鉄の体を蹂躙し、13mm弾丸は次女ドスの中枢餡を見事に打ち抜いた。
もはや、そこにいるのはドスではなく、苦悶の表情を浮かべたまま、立ち尽くす、ただの鉄の塊だった。
「ゆっゆぎゃあああああああ!!もういやだぁああああ!!おうぢがえるううううう!!」
姉である2体を無残に殺され、もはや恐慌状態に陥った最後の中型ドス―――末っ子ドスは、わき目も振らず、大声を上げて、逃げだそうとするが、その行く手を遮るように、中尉が立ちはだかった。
「まぁ待て…そんなに焦らなくても、送ってやるから」
「ゆっ!?」
ドスを許してくれるの?―――そんな期待を抱いている末っ子ドスに対し、中尉は、フェイスガード越しに笑みを浮かべながら…
「死んだお前の兄弟のところに。喰らえ、俺的必殺・問答無用拳」
「ゆっ」
…ふざけた台詞とともに、ただ思い切り力任せに、末っ子ドスの顔面を―――正確には中枢餡がある部分を殴りつけた。
ただ、それだけで、皮には目立った外傷もなく、一言だけ呟いて、見事に中枢餡を殴られた末っ子ドスは土下座をするように倒れながら、絶命した。
「はい、おしまい…んで、他の方はと…聞くまでもないか」
そこには、いつもの見慣れた光景が広がっていた。
見渡す限りの、餡子とチョコクリームとウグイス餡と飾りの残骸に埋め尽くされた地面が広がり、その中で「ゆっゆっゆっ…」「いぢゃ…いい…」「もっど…ゆっぐ…」などの断末魔の合唱と、あちこちで聞こえる断末魔を終わらせる銃声が聞こえてきた。
ここにいたり、総勢180匹のゆっくりと中型ドス三姉妹は、文字通り容赦なく慈悲なく一匹残らず殲滅された。
しかし…
「さて、外が片付いたようだが…どうするつもりだ?さすがに、愛護団体の前では派手な行動は…」
「愚問だな。そして、無論、決まっている」
周囲にいる愛護団体のメンバーに目を配らせていた公餡の青年に対し、大尉は獰猛な笑みを浮かべながら、ゆっくり達に占拠された交流センターに目を向けた。
今頃、群れの仲間達を殺され、ガタガタと震える劣等種どもの無様な姿を想像しながら、大尉は次の作業に取り掛かった。
まだ、駆除していない残存120匹を始末する作業を。
「古今東西で失陥寸前の城砦でやることなど、ただ一つ―――ただただ、一方的な虐殺あるのみ―――!!」
その後、外に出ていたドス三姉妹を含むゆっくり180匹を殲滅したクレイモア・ユンの部隊は、ただちに、交流センター内に立て籠もった残りの群れを殲滅せんと、配置につき、突入の合図を待っていた。
「んじゃ、突入開始といきますかね、大尉」
「うむ。いや、待て。ドアから何匹か出てくるぞ」
突入の合図を出すよう進言した中尉を、一度は頷いた大尉が、交流センターのドアから出てくる数十匹のゆっくり達の姿を見つけ、待ったをかけた。
見たところ、ぱちゅりーを先頭に、枝を咥えた他のゆっくりが、痛めつけられたのか傷だらけのゆっくり達を前に押しやり、脅すように歩かせていた。
そして、傷だらけのゆっくり達には、金バッチが付けられていた。
「金バッチってことは、ゆん質にされた連中ですかね?」
「らしいな…あれで、全部かは知らんがな」
やがて、金バッチをつけたゆっくりが横に並ばされると、先頭を歩いていたぱちゅりーが、大きな声で、その場にいる人間に向かって呼びかけを始めた。
「むきゅ!!にんげんさんたち、きこえるかしら!!むれのなかまをゆっくりさせないつもりだろうけど、もうすきかってさせないわよ!!もし、これいじょう、ぱちぇたちをゆっくりさせないなら、こっちにもかんがえがあるわよ!!」
「ゆっへっへっへ!!うごくんじゃないんだぜ!!もし、こっちにきたら、にんげんさんのゆっくりをえいえんにゆっくりさせるんだぜ!!」
「わかるよー!!にんげんさんは、きんばっちさんつけたゆっくりをきずつけたくないのは、しってるよー!!」
「こいつらのいのちがおしかったら、さっさとでていくみょん!!」
いやらしい笑みをうかべるぱちゅりーが合図を出すと、枝を咥えたゆっくりたちが、ゆん質である金バッチをつけたゆっくりの頬に枝を突き付けた。
「ゆええええええん!!だずげで、おねぇざあああああん!!」
「ごんないながものにごろざれだぐないいいいいいい!!」
「おねがいだぜぇえええ!!ばりざがしんじゃうんだぜえええ!!」
「おにーしゃん!!れいみゅ、しにちゃくないよおおお!!」
下手をすれば、すぐにでも殺されると分かり、金バッチゆっくりたちは、口々に飼い主に向かって助けを求めた。
これには、事件を見守っていた飼い主たちも、「ああ…」「くそぉ!!」「だれか、あの子を!!」と、思わず悲鳴を上げるしかなかった。
もっとも、公餡の二人とクレイモア・ユンの隊員達は、逆に呆れ交じりの表情を浮かべながら、首を振るしかなかった。
さすが、もりけん(笑)っと。
「むきゅきゅきゅきゅ!!わかったからしら、こいつらをかいほうして、ほしいなら、たくさん、あまあまさんをもってきて、さっさと、ぱちぇたちのゆっくりぷれいすからでていきなさい!!」
そんな人間達に対し、まんまとかんっぺきな作戦が上手くいったと思い込んだぱちゅりーは、このまま要求を押し切ろうとした瞬間―――
「はやくしないと、このこたちがしん―――「「ゆびぃ!!?」」―――ゆっ?」
それは一瞬の出来事だった。
ぱちゅりーの隣で、金バッチれいむをゆん質に取っていたまりさが、前にいたゆん質である金バッチれいむと共に、金ばっちとお飾りの残骸を残して、水風船のように弾けとんだ。
これには、得意げな顔をしていたぱちゅりーも、同伴していた他のゆっくりも、ゆん質にされた金バッチ達も、そして、彼らの飼い主である人間でさえ、唖然となった。
平然としていたのは、硝煙を上げるスナイパーライフルを構えた、金バッチれいむとまりさを撃ち抜いた狙撃担当の隊員を含めたクレイモア・ユンの隊員らと、クレイモア・ユンとの付き合いの長い公餡の二人だけだった。
「ゆっ、に、にんげんさん…?」
「ゆん質か。なるほど、悪くはないな。ゆっくりぴーすの馬鹿どもなら有効だったろうな。だが、相手を間違えたな、劣等種。そんな手が通じると思うな」
「むぎゅうううううううう!!どぼぢで、金ばっちさんをづけだゆっぐりをうっだのおおおおお!!??」
これには、ぱちゅりーも思わずゲロを吐き出しながら、叫ぶしかなかった。
ぱちゅりーにとって、金バッチ付のゆっくりとは、人間に保護されたゆっくりというのが常識であった。
無論、金ゲスなどの一部に飼いゆっくりを除いては、人間に愛される金バッチ付ゆっくりはいる。
しかし、ぱちゅりーにとっての不幸は、相手が皆殺しの大剣という異名を持つ部隊だったということだ。
「なぜ?当然だ。なぜ、たかだか金メッキのバッチを付けた劣等種を助けてやらねばならん。悪いが、ゆん質なんぞ、意味はないぞ」
「むぎゅううううう!!ぞんな、ぞんなぁあああああ!!」
「相手が悪かったな、劣等種」
あっさりとゆん質を切り捨てた大尉は、あっさりと自分のたくらみが打ち砕かれ、悶えるぱちゅりーを冷たい目で見た。
クレイモア・ユンには、設立の際に、他のゆっくり対策部署にはない、二つの権限を与えられていた。
その一つが、金バッチ付ゆっくりが、ゆん質として囚われた際、そのゆん質ごと犯ゆっくりを殺しても良いということであった。
これは、とある事件で、犯ゆんに懐柔された金バッチ付ゆっくりが、わざとゆん質にされ、事件解決をおくらせたり、また、ある事件では、飼いゆっくりが放し飼いにされた際、近くに住むゆっくりの群れを先導して、希少種保護区域に侵攻したという事態がおこった。
このため、政府は、事件解決の障害となるなら、金バッチ付ですら容赦なく裁くという飼いゆっくりと飼い主への見せしめとするための権限を、新設部隊:YWATに与えたのだ。
そして、大尉は、いつも通り、金バッチ付ゆっくり射殺権限を行使することを躊躇することはなかった。
「そして、さよならだ。精々、ごめんなさいと、鳴いて死ね」
「「「「抵抗、確認」」」」
フェイスガード越しで凶悪な笑みを浮かべる大尉の指揮の元、隊員達が一斉に銃を構えるに至って、群れのゆっくり達は、自分達もろとも、ゆん質ごと殺すのだと理解すると、ゆん質らとともに一斉に命乞いをし始めた。
「までぇええええ!!ごめんなざい、あやばりまずがら!!だすげでぐだざいいい!!」
「いやぢゃああああ!!じにだぐないいいいい、おねえざあああああん、だずげでぇえええ!!」
「わぎゃらないよおおおお!!わぎゃらないよおおおおお!!」
「でいぶだぢ、なにもわるいごどじでないのいいいい!!」
「お、おねがいじまず!!おねがいだがら、うだ…<<<排除>>>―――ゆちゃばぁ!!」
数十秒後…
「手間を取らされたな。これより任務を再開するぞ」
饅頭の皮の一部、餡子とクリームと、かざり、そして、拉げたバッチが散乱した玄関から、ゴルフバックほどの大きな荷物を肩に掛けた大尉は他の隊員を引き連れ、残りのゆっくりを殲滅する為に、堂々と正面から突入した。