ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1090 落語「善行れいむ」
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ankoss
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・二作目です。
・元ネタは落語「後生鰻」です。
・幻想郷的な何かが若干混ざっています。
・行間等で読みずらい点はご容赦下さい。本人も試行錯誤中です。
・需要? んなもなぁ、書いてから考えりゃいいのよ。
えー、世の中には、信心深い方ってのがいらっしゃいますな。
商売を息子夫婦に譲ってしまった隠居さんで、この人がまた、凝り固まってしまって大変なもんで。
まあ、もうやることといえばお迎えが来るのを待つばかりなんでこれに押さえが利かない。
もう毎日のようにお参りに行っちゃあ、なにかしら善行を積もうとする。
中でもものを殺す、殺生ってぇもんが大っ嫌いで、これをしないってのが一番の善行だって信じちまってる。
お参りに行く途中、屋台の前を通るたんびに蒲焼にされそうな八目鰻を買い取っちゃあ川に逃がして
「ああ、いい善行をした」
なんつってるようなお人で。どっか微妙にずれてるんですが、本人は気づいちゃいない。
んで、いつものようにお参りに行った帰りにふっと見ると妖精がなんかやってる。
近づいてみるってえと、子れいむを鷲づかみにして棒で刺そうとしてんだから隠居さん慌てて駆け寄った。
「おいおい、おいっ、」
「なによ、じいさん」
「なによじゃないよ、このガキは、何するんだ、それ」
「何って、饅頭を捕まえたから棒に刺してみすちーのとこであぶってもらうのよ」
「あぶってもらうじゃありませんよ! まったく……そんな棒ッ切れで刺してあぶったらどうなるかわかってんのかい!?」
「うまくなる!」
「なにいってやがる、えぇ、お前さんが棒に刺されて火あぶりにされたと思えばどうだ、そんな死に様は極悪人しかしないよ?
子供の時分からそんな了見じゃあ、後生が悪くてしょうがねえじゃねか、可哀想だとは思わねえのか!?」
「うーん、熱いのはあたいも嫌だねえ、んじゃ、凍らせて食べる!」
「喰い方を言ってるんじゃないよ! ものを殺すのが良くないってんだ。喰ってもいいが、殺しちゃいけない」
「何言ってるのよ!? 死なない程度にかじって捨てたらもったいないじゃない!
食べ物は粗末にしちゃいけないってれてぃが言ってた!」
「あー、それも確かに道理だな、じゃあ喰わねぇで逃がしてやんな。まだ子供なのに可哀想だろ?」
「いやだよ! この饅頭はあたいがつかまえたんだからあたいんだよ!
あたいがおやつ食べれなくなるのは可哀想じゃないってのかい!?」
「そう言われりゃしょうがない…… じゃ、こうしよう、ちょうどここに、牡丹餅があるから代わりにこれをお食べ。
帰って婆さんと食べようと思ってたんだが、お前さんに半分あげようじゃないか。
え、こうすれば、あたしは命を助けてやることができた、お前さんは命を奪わずにすんだってことで、
お互いに善行を積んだことになるじゃねえかな? 善行ってのは積んどけば、回り回ってきっとお前さんを幸せにしてくれる、そういうもんだよ。うん、どうだ?」
「うーん…… あたい、ぜんこーってのはよくわかんないから嫌いだけど、牡丹餅は大好き!」
「よーしよし、いい子だ。じゃ、これをもってお行き、…………ってもう行っちまったか。ずいぶんと足が速いね、近頃の子供は。
……おうおう、ずいぶん弱っちまってるなあ、お前、動けるかい? 動けねえ? しょうがねえ、ちっとお前にも牡丹餅食わしてやろう。
……しあわせー、か。そりゃあよかったよかった。お前も俺に助けられて幸せだろう?
これが善行だからな。善行ってのは、幸せになるんだ。それを忘れちゃいけねえよ、もう捕まるんじゃないぞ。
……ああ、いい善行をした」
ってんで、隠居さんはいい気分になって家に帰っちまいました。
子れいむの方も、命ィ助けられたばかりか、あまあまを食わせてもらってしあわせーな余韻に浸りながら、森ん中のお家に転がるようにして帰った。
家ん中ではしんぐるまざーのれいむが大事なおちびちゃんが帰ってくるのをハラハラしながら待ってる。
動いて探しにいきゃあいいものを
「おちびちゃぁぁぁああぁあぁぁん! どこにいっちゃったのぉおぉぉぉぉぉ!」
とか家ん中で叫んでるだけだったあたり、どうにも相当な餡子脳なようで……
それでも大事な一粒種のれいむが無事に帰ってきたってんで感動のご対面。
「おかあしゃん! ただいま!」
「どこいってたのぉぉぉ! おちびちゃぁぁぁあぁぁん!!!」
「あのね! れいみゅ、あまあまさんをいっぱいたべたよ!」
「ゆ゛!? あまあま!?」
「れいみゅがいじめられてたら、おじいさんがきてあまあまさんをくれたよ! れいみゅをいじめてたやつもあまあまさんをもらったよ!
あまあまさんをくれるのはぜんこーなんだよ! おじいさんはあまあまさんをあげるのがぜんこーでしあわせー! なんだよ!」
なにせ、子供の言う事な上に親譲りの餡子脳だ。見事なまでに都合のいいことしか覚えちゃいねぇ。
あまあまと聞いて母れいむの目ン色ォ変わる、
母一ッ匹子一ッ匹で厳しいゆっくり生を歩んできたんだ、あまあまなんざ滅多に喰えねえ、
もうね、聞いてる方も都合のいいことしか耳に入らない、親子そろっておめでたい頭ァしてるもんだから、
「ゆゆ! おかあさんもゆっくりりかいしたよ! おちびちゃんをいじめたらぜんこーであまあまさんをもらえるんだね!」
「れいみゅをいじめてたやつのほうがいっぱいあまあまさんをもらってたよ!
だからおかあしゃんもいっぱいあまあまさんをむーしゃむーしゃできるにぇえ!」
「じゃあおかあさんがぜんこーするから、いっぱいあまあまさんむーしゃむしゃーしようねえ!」
「ゆわーい! たのしみだにぇえ! いじめるのはぜんこーであまあまーでしあわせー!」
……善は急げってんで、早速家ん中でけっかい用の棒を引っ張り出してきて、口で咥えておちびちゃんに向かい合った。
最初のうちはちょいと突付いてみたり、転がしてみたりしてんだけど、なかなかお爺さんは来てくれない。
「おきゃあしゃん! きっとぜんこーがたりないんだよ! しっかりれいみゅにぜんこーしてね! ぷんぷん!」
「ごめんねぇぇえ! おかあさんいじめたりなくてごめべんねぇぇぇ!」
「ぜんこーだよ! はやくあまあまさんをもってちぇね! たっくさんでいいよ!」
いじめる方が泣いていじめられる方が怒ってるなんて訳のわからないことになる。
しょうがないもんだから、棒で打ったり、体当たりで壁まで飛ばしたりしても、まだまだお爺さんは来てくれない。
「どぼじであまあまざんこないのぉぉぉおぉ!!」
「お、おきゃあさん、れいみゅいたいよ! もっとゆっくりいじめてね!」
「なにいっでるのぉ!! ぜんこーがたりないとゆっくりできないでしょぉ!! ゆっくりがまんしてね!!」
親れいむの方も来てくれないのにだんだん腹ぁ立ってきたのか手加減ができなくなってくる。
これでも足りないか、とばかりに子れいむをグッと咥えて壁にずーりずーり擦り付けた。
もっちりした肌も土と餡子にまみれ、お飾りもボロッボロになったってのに、どうにもお爺さんは来てくれない。
「れいみゅのおかじゃりぎゃぁあぁぁぁ!!!」
「じじぃぃぃいぃい!!! さっさとあまあまもってごいぃぃぃいぃ!!! 」
「おきゃあしゃんもうやべでぇぇぇぇえぇぇ!!!」
ここまで来てもうやめるわけにはいかない。
完全に餡子が沸騰しちまってる親れいむは棒でもって大事なおちびちゃんの目ん玉ァ抉り出して、返す刀であにゃるにぶっすり突き立てた。
ここまでやってんのにまるっきりお爺さんは来てくれない。
んなこたあ、当たり前のこと。
隠居さんは今頃家で婆さんと茶でも飲んでるだろうし、なにより、道ぃ歩いてて見かけたなら後生が悪いから助けるかも知れねぇが、
わざわざ森ん中へえって、ゆっくりのお家の中ぁ覗き込んでまで善行するほどは暇じゃない。
ちょいと考えればわかることでも、じじいはかってにはえてくるとでも思ってるようなれいむには、「なにかおかしいよ」、と薄っすら浮かぶのが精一杯だ。
もう八つ当たり以外の何もんでもない勢いで、
「やベるわけないでしょぉぉぉおぉぉ!!! どおじでじじいはあまあまをもってごないのぉぉぉおぉお!!!
ごんなにぜんこーしてるのにこないなんて、おちびちゃんはうそをづいてるんだねぇぇえぇ!!!
うそづきはせいっさいするよ!!!」
「うぞじゃないよぉぉぉ!!! れいみゅはおじいさんにあまあましゃんをもらっちぇいっぱいだべたよぉぉおぉぉ!!!」
「じゃあなんでれいむにはごないのぉぉぉおぉぉ!!! れいむもあまあまさんだべだいのにぃぃいぃぃ!!!
あまあまさんをひとりじめするげすはゆっくりじね!!!」
あにゃるに突き立てた棒をグイッと押し込むってえと、頭のてっぺんをスポーンっと突き破ってとうとうくたばっちまった。
「ぜんごーだよ!!! でいぶはぜんごーをしたんだよ!!! はやぐあまあまもっでごいぃぃいぃぃ!!!
おちびちゃんのぶんもだよ!!! たっくさんでいいよ!!!」
「そこまでよ!!!」
……こんだけ大声ェだしてもおじいさんはこないけど、「なんかさわいでんな」って集まってくんのは群れの連中。
家ん中ヒョイっと覗くってえと、目ん玉血走らせた大饅頭と串団子の出来損ないだ。
さあ一大事と長の一声でしんぐるまざー改めでいぶを取り囲んで裁判に。
お白州に上がっても
「おちびをいじめるのはぜんこーだよ!! れいむはあまあまをもらえるんだよ!! だからおちびちゃんはしあわせー!!」
なんて訳のわかんないことしか言わないでいぶに下った判決はもちろん
「くろっ!!!」
「むっきゅん、このれいむはどめすてぃっく・ばいおれんす・でいぶ、りゃくしてでぃーぶいでぃーのつみがかくていしたわ!」
「ゆがぁぁあぁぁ!!! でいぶはしんぐるまざーなんだよ!!! でぃーぶいでぃーじゃないぃぃぃいぃぃ!!!」
「だめよ! だったらこのおちびちゃん、くっつけてうごけるようにしてみなさいよ!」
「「「「でぃー・ぶい・でぃー!! でぃー・ぶい・でぃー!!」」」」
よってたかってお飾りを奪った上、おちびちゃんとおんなじように、あにゃるから頭のてっぺんまで棒でぶち抜かれて群れから追放、道に放り出されちまった。
そこにたまたまやってきたのが、さっきの妖精、
「あー! また饅頭見つけた! さっきのよりでけぇ! しかも最初から棒が刺さってる!
ぜんこーすげぇ! まったくあたいったらぜんこーね!」
善行の 巡りて末の 因果かな
お後がよろしいようで。
これまでの口演
ふたば系ゆっくりいじめ 951 落語「ゆ虐指南」
・元ネタは落語「後生鰻」です。
・幻想郷的な何かが若干混ざっています。
・行間等で読みずらい点はご容赦下さい。本人も試行錯誤中です。
・需要? んなもなぁ、書いてから考えりゃいいのよ。
えー、世の中には、信心深い方ってのがいらっしゃいますな。
商売を息子夫婦に譲ってしまった隠居さんで、この人がまた、凝り固まってしまって大変なもんで。
まあ、もうやることといえばお迎えが来るのを待つばかりなんでこれに押さえが利かない。
もう毎日のようにお参りに行っちゃあ、なにかしら善行を積もうとする。
中でもものを殺す、殺生ってぇもんが大っ嫌いで、これをしないってのが一番の善行だって信じちまってる。
お参りに行く途中、屋台の前を通るたんびに蒲焼にされそうな八目鰻を買い取っちゃあ川に逃がして
「ああ、いい善行をした」
なんつってるようなお人で。どっか微妙にずれてるんですが、本人は気づいちゃいない。
んで、いつものようにお参りに行った帰りにふっと見ると妖精がなんかやってる。
近づいてみるってえと、子れいむを鷲づかみにして棒で刺そうとしてんだから隠居さん慌てて駆け寄った。
「おいおい、おいっ、」
「なによ、じいさん」
「なによじゃないよ、このガキは、何するんだ、それ」
「何って、饅頭を捕まえたから棒に刺してみすちーのとこであぶってもらうのよ」
「あぶってもらうじゃありませんよ! まったく……そんな棒ッ切れで刺してあぶったらどうなるかわかってんのかい!?」
「うまくなる!」
「なにいってやがる、えぇ、お前さんが棒に刺されて火あぶりにされたと思えばどうだ、そんな死に様は極悪人しかしないよ?
子供の時分からそんな了見じゃあ、後生が悪くてしょうがねえじゃねか、可哀想だとは思わねえのか!?」
「うーん、熱いのはあたいも嫌だねえ、んじゃ、凍らせて食べる!」
「喰い方を言ってるんじゃないよ! ものを殺すのが良くないってんだ。喰ってもいいが、殺しちゃいけない」
「何言ってるのよ!? 死なない程度にかじって捨てたらもったいないじゃない!
食べ物は粗末にしちゃいけないってれてぃが言ってた!」
「あー、それも確かに道理だな、じゃあ喰わねぇで逃がしてやんな。まだ子供なのに可哀想だろ?」
「いやだよ! この饅頭はあたいがつかまえたんだからあたいんだよ!
あたいがおやつ食べれなくなるのは可哀想じゃないってのかい!?」
「そう言われりゃしょうがない…… じゃ、こうしよう、ちょうどここに、牡丹餅があるから代わりにこれをお食べ。
帰って婆さんと食べようと思ってたんだが、お前さんに半分あげようじゃないか。
え、こうすれば、あたしは命を助けてやることができた、お前さんは命を奪わずにすんだってことで、
お互いに善行を積んだことになるじゃねえかな? 善行ってのは積んどけば、回り回ってきっとお前さんを幸せにしてくれる、そういうもんだよ。うん、どうだ?」
「うーん…… あたい、ぜんこーってのはよくわかんないから嫌いだけど、牡丹餅は大好き!」
「よーしよし、いい子だ。じゃ、これをもってお行き、…………ってもう行っちまったか。ずいぶんと足が速いね、近頃の子供は。
……おうおう、ずいぶん弱っちまってるなあ、お前、動けるかい? 動けねえ? しょうがねえ、ちっとお前にも牡丹餅食わしてやろう。
……しあわせー、か。そりゃあよかったよかった。お前も俺に助けられて幸せだろう?
これが善行だからな。善行ってのは、幸せになるんだ。それを忘れちゃいけねえよ、もう捕まるんじゃないぞ。
……ああ、いい善行をした」
ってんで、隠居さんはいい気分になって家に帰っちまいました。
子れいむの方も、命ィ助けられたばかりか、あまあまを食わせてもらってしあわせーな余韻に浸りながら、森ん中のお家に転がるようにして帰った。
家ん中ではしんぐるまざーのれいむが大事なおちびちゃんが帰ってくるのをハラハラしながら待ってる。
動いて探しにいきゃあいいものを
「おちびちゃぁぁぁああぁあぁぁん! どこにいっちゃったのぉおぉぉぉぉぉ!」
とか家ん中で叫んでるだけだったあたり、どうにも相当な餡子脳なようで……
それでも大事な一粒種のれいむが無事に帰ってきたってんで感動のご対面。
「おかあしゃん! ただいま!」
「どこいってたのぉぉぉ! おちびちゃぁぁぁあぁぁん!!!」
「あのね! れいみゅ、あまあまさんをいっぱいたべたよ!」
「ゆ゛!? あまあま!?」
「れいみゅがいじめられてたら、おじいさんがきてあまあまさんをくれたよ! れいみゅをいじめてたやつもあまあまさんをもらったよ!
あまあまさんをくれるのはぜんこーなんだよ! おじいさんはあまあまさんをあげるのがぜんこーでしあわせー! なんだよ!」
なにせ、子供の言う事な上に親譲りの餡子脳だ。見事なまでに都合のいいことしか覚えちゃいねぇ。
あまあまと聞いて母れいむの目ン色ォ変わる、
母一ッ匹子一ッ匹で厳しいゆっくり生を歩んできたんだ、あまあまなんざ滅多に喰えねえ、
もうね、聞いてる方も都合のいいことしか耳に入らない、親子そろっておめでたい頭ァしてるもんだから、
「ゆゆ! おかあさんもゆっくりりかいしたよ! おちびちゃんをいじめたらぜんこーであまあまさんをもらえるんだね!」
「れいみゅをいじめてたやつのほうがいっぱいあまあまさんをもらってたよ!
だからおかあしゃんもいっぱいあまあまさんをむーしゃむーしゃできるにぇえ!」
「じゃあおかあさんがぜんこーするから、いっぱいあまあまさんむーしゃむしゃーしようねえ!」
「ゆわーい! たのしみだにぇえ! いじめるのはぜんこーであまあまーでしあわせー!」
……善は急げってんで、早速家ん中でけっかい用の棒を引っ張り出してきて、口で咥えておちびちゃんに向かい合った。
最初のうちはちょいと突付いてみたり、転がしてみたりしてんだけど、なかなかお爺さんは来てくれない。
「おきゃあしゃん! きっとぜんこーがたりないんだよ! しっかりれいみゅにぜんこーしてね! ぷんぷん!」
「ごめんねぇぇえ! おかあさんいじめたりなくてごめべんねぇぇぇ!」
「ぜんこーだよ! はやくあまあまさんをもってちぇね! たっくさんでいいよ!」
いじめる方が泣いていじめられる方が怒ってるなんて訳のわからないことになる。
しょうがないもんだから、棒で打ったり、体当たりで壁まで飛ばしたりしても、まだまだお爺さんは来てくれない。
「どぼじであまあまざんこないのぉぉぉおぉ!!」
「お、おきゃあさん、れいみゅいたいよ! もっとゆっくりいじめてね!」
「なにいっでるのぉ!! ぜんこーがたりないとゆっくりできないでしょぉ!! ゆっくりがまんしてね!!」
親れいむの方も来てくれないのにだんだん腹ぁ立ってきたのか手加減ができなくなってくる。
これでも足りないか、とばかりに子れいむをグッと咥えて壁にずーりずーり擦り付けた。
もっちりした肌も土と餡子にまみれ、お飾りもボロッボロになったってのに、どうにもお爺さんは来てくれない。
「れいみゅのおかじゃりぎゃぁあぁぁぁ!!!」
「じじぃぃぃいぃい!!! さっさとあまあまもってごいぃぃぃいぃ!!! 」
「おきゃあしゃんもうやべでぇぇぇぇえぇぇ!!!」
ここまで来てもうやめるわけにはいかない。
完全に餡子が沸騰しちまってる親れいむは棒でもって大事なおちびちゃんの目ん玉ァ抉り出して、返す刀であにゃるにぶっすり突き立てた。
ここまでやってんのにまるっきりお爺さんは来てくれない。
んなこたあ、当たり前のこと。
隠居さんは今頃家で婆さんと茶でも飲んでるだろうし、なにより、道ぃ歩いてて見かけたなら後生が悪いから助けるかも知れねぇが、
わざわざ森ん中へえって、ゆっくりのお家の中ぁ覗き込んでまで善行するほどは暇じゃない。
ちょいと考えればわかることでも、じじいはかってにはえてくるとでも思ってるようなれいむには、「なにかおかしいよ」、と薄っすら浮かぶのが精一杯だ。
もう八つ当たり以外の何もんでもない勢いで、
「やベるわけないでしょぉぉぉおぉぉ!!! どおじでじじいはあまあまをもってごないのぉぉぉおぉお!!!
ごんなにぜんこーしてるのにこないなんて、おちびちゃんはうそをづいてるんだねぇぇえぇ!!!
うそづきはせいっさいするよ!!!」
「うぞじゃないよぉぉぉ!!! れいみゅはおじいさんにあまあましゃんをもらっちぇいっぱいだべたよぉぉおぉぉ!!!」
「じゃあなんでれいむにはごないのぉぉぉおぉぉ!!! れいむもあまあまさんだべだいのにぃぃいぃぃ!!!
あまあまさんをひとりじめするげすはゆっくりじね!!!」
あにゃるに突き立てた棒をグイッと押し込むってえと、頭のてっぺんをスポーンっと突き破ってとうとうくたばっちまった。
「ぜんごーだよ!!! でいぶはぜんごーをしたんだよ!!! はやぐあまあまもっでごいぃぃいぃぃ!!!
おちびちゃんのぶんもだよ!!! たっくさんでいいよ!!!」
「そこまでよ!!!」
……こんだけ大声ェだしてもおじいさんはこないけど、「なんかさわいでんな」って集まってくんのは群れの連中。
家ん中ヒョイっと覗くってえと、目ん玉血走らせた大饅頭と串団子の出来損ないだ。
さあ一大事と長の一声でしんぐるまざー改めでいぶを取り囲んで裁判に。
お白州に上がっても
「おちびをいじめるのはぜんこーだよ!! れいむはあまあまをもらえるんだよ!! だからおちびちゃんはしあわせー!!」
なんて訳のわかんないことしか言わないでいぶに下った判決はもちろん
「くろっ!!!」
「むっきゅん、このれいむはどめすてぃっく・ばいおれんす・でいぶ、りゃくしてでぃーぶいでぃーのつみがかくていしたわ!」
「ゆがぁぁあぁぁ!!! でいぶはしんぐるまざーなんだよ!!! でぃーぶいでぃーじゃないぃぃぃいぃぃ!!!」
「だめよ! だったらこのおちびちゃん、くっつけてうごけるようにしてみなさいよ!」
「「「「でぃー・ぶい・でぃー!! でぃー・ぶい・でぃー!!」」」」
よってたかってお飾りを奪った上、おちびちゃんとおんなじように、あにゃるから頭のてっぺんまで棒でぶち抜かれて群れから追放、道に放り出されちまった。
そこにたまたまやってきたのが、さっきの妖精、
「あー! また饅頭見つけた! さっきのよりでけぇ! しかも最初から棒が刺さってる!
ぜんこーすげぇ! まったくあたいったらぜんこーね!」
善行の 巡りて末の 因果かな
お後がよろしいようで。
これまでの口演
ふたば系ゆっくりいじめ 951 落語「ゆ虐指南」