あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「たった一人の監視者」で検索した結果
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たった一人の監視者
...れている。 たった一人の監視者-01 たった一人の監視者-02 たった一人の監視者-03 -
たった一人の監視者-02
前ページ次ページたった一人の監視者 chapter6 “ロールシャッハ記 十二月五日” “鳥の骨の葬儀が終わってもアンリエッタは嘗ての王宮に居座っている” “あれの気が変わらない内に話を進めてしまわなければならない” “鳥の骨に手紙を通した連中を探した” “ここ数年で無様に膨れ上がった外国人居留街。屯するごろつき共が口を割った。ガリア商館で鳥の骨と使者が会っている” “商館の荷役夫は指を三本折るまで我慢していた。口止めされていたと見ていいだろう” “使者はトリスタニアの司教館で受け取ったと言っている” “この裏に居るのはガリアか? それともロマリア?” “あるいは両方かもしれない。私はやるべきことをやるだけだ” 夜の帳が落ちて夜灯りがまばらに町を浮かびあげる。 その中でぽっかりと暗い区画があった。 ジュノー管区。... -
たった一人の監視者-01
前ページ次ページたった一人の監視者 chapter0 その“事件”について、当時の学院教授ジャン・コルベールの日記にはこのように書かれている。 “その日、私が監督した春の使い魔召喚の儀式において、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、一冊の本と覆面を召喚した” “それはまったくの未知の言語で書かれた書物で、また覆面は成人男性用の布製と見られたが、具体的な製法等において、同じく未知の物質であった” “私は、特殊な事例ではあるものの、使い魔の召喚としてこれを認め、ルイズは覆面に契約の口づけをした” “ルイズ自身から、幾種類かの抗議が上がったが、私は彼女を説得し、最終的に彼女はこれを認めてくれた” “しかし翌日、彼女が寮から失踪したと聞いた時、私は最初深い後悔を感じたが、次の報告を聞いて、一種の不気味さを感じざるを... -
たった一人の監視者-03
前ページたった一人の監視者 chapter10 それは飽きた玩具を送りつけるような無作法だった。 皇帝アルブレヒト三世から、皇妃アンリエッタへのトリステイン旧王国領における三権裁可権限の委任状。 公文書の束には皇帝自らの私信が付け加えてある。 どうやら降臨祭の贈り物を前渡ししているつもりらしい。 歓心を買うつもりなのかもしれない。が、かくしてアンリエッタの手に、トリステインは戻った。 委任状が届いた日から時間は飛ぶように流れる。アニエスと、そしてエレオノールの手を借りて、アンリエッタは荒され尽くしていたトリステインの政務に着手した。 鳥の骨が昔一人で行っていた事を三人がかりでやり直すのは、十年の月日を思うとさらに困難なものだった。 しかし、アンリエッタは身を燃やすように現実と向き合った。 十年の虚ろな時間を取り戻そうと、もがいていた。... -
長編(完結)
...ーガール 全03話 たった一人の監視者 Watchmen ロールシャッハ(の覆面と日記) 全03話 -
長編(五十音順)-01
... 37 (Sun) たった一人の監視者 Watchmen ロールシャッハ(の覆面と日記) 2010-01-04 20 03 19 (Mon) アノンの法則 うえきの法則 地獄人アノン 2010-11-08 09 20 24 (Mon) るいずととら うしおととら とら 2009-10-11 19 29 56 (Sun) つかわれるもの うたわれるもの トウカとカルラ 2009-10-11 17 28 07 (Sun) 白き使い魔への子守唄 うたわれるもの ハクオロ 2009-09-27 18 54 08 (Sun) ZEROのスペシャリスト 宇宙英雄ローダンシリーズ USOスペシャリスト レミー・デンジャー 2008-12-20 10 13 34 (Sat) ルイズのおとーさん 宇宙家族カールビンソン おとーさん 2009-09-26 21 58 52 (Sat) ハルケギニアの騎士... -
もう一人の『左手』-29
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「いい匂いだな」 「ええ」 風見の声に、厨房で子供たちに囲まれながらシチューをかき混ぜていたティファニアが笑顔で答える。 「“ブイスリー”、そろそろ夕食の時間ですよ」 ティファニアは、彼をあくまで『風見志郎』とは呼ばない。 それでいい、と風見も思うし、好きに呼べばいいとも言った。彼女が召喚した使い魔と、ここにいる自分とは、あくまで別人であるという事実は、やはり二人を並べて見せない限り、少女にとって理解も納得もできない事象なのだろう。 なにより自分が『V3』である事も、決して間違いではないのだから。 「――さ、ジム、そろそろ、そのチェスを片付けちゃいなさい。シチューが置けないでしょう?」 かまどにかけられた大鍋。そこには風見とティファニア、そして孤児たちの分を含めた十二人前のシチユーが、ぐつぐつと煮込まれ... -
ゼロのしもべ第3部-11
11話 怨怨怨怨怨、と地鳴りとも鳴動ともつかぬ叫びをあげながら現れたのはポセイドンほどもある巨人。 手は馬を握りつぶせるほどに大きく、足は並みの家ほどもある。 血のように赤く、ギラギラと輝く目。大きく開かれた口。そして、右手に握られた巨大な鐘。 「なによ!これ」 とつじょ現れた巨人を見上げてキュルケが叫ぶ。思わず足がすくむ大きさだ。 「命の鐘!」 水の精霊がビンの内側に顔を寄せた。 「まずいぞ。あれは媒介としている単なるものを飲み込んでしまったのだ!」 「どういうことなの!?」 モンモンが大声で問う。戦い向きではない水の魔法を得意とするため1人残っていたのだ。 「命の鐘は操者の生命を消費し力へ変えるというたのを覚えておるか?それの意味するところは、生命の消費量に応じて威力が変化 するということ。見よ、あの単なるものの周囲を!... -
もう一人の『左手』-19
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「さあ、聞かせてもらいましょうか。あんたが一体、どういうつもりなのか」 そう、押し殺した声で言ったキュルケは、怒っていた。 ここは酒場だ。周囲の喧騒からして、盗み聞きされるとは思えないが、それでも、最低限の用心だけは欠かすわけにはいかない。 キュルケが、眼前の人物を怒鳴りつけたいのを、必死になってこらえているのは、話の内容だけではなく、いま自分が会っている人物が誰であるか、絶対に周囲に知られるわけにはいかないからでもあった。 そのため、目立ち過ぎる貴族のマントを脱ぎ捨て、町娘の扮装までしているのだが、しかし、キュルケ持ち前の雰囲気と、庶民の娘にしては派手なコーディネイトのおかげで――哀しいかな、街の娼婦しかに見えなかった。 そんな彼女が、目深にフードを被った、いかにも済まなさそうな、ワケあり風の女性を睨み... -
マジシャン ザ ルイズ 2章 (1)
マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (1)堅牢なる監獄チェルノボーグ チェルノボーグ監獄。 トリステイン城下において、最も厳重な警備と監視が行われている犯罪者の収容施設。 今、土くれのフーケはそこにいた。 「土くれのフーケ!裁判は来週中に行われる予定だ。 お前もチェルノボーグ監獄の噂くらいは知っているだろう。 妙な気など起こさず大人しくしていることだ!」 「……杖が無くちゃ、何も出来ないわよ」 看守に返すフーケの口調も何処か弱々しい。 ベットで横になる、その頭に過ぎるのは先ほど自分が言った言葉だった。 (杖が無くちゃ、魔法は使えないわよ……なのに、なぜあの男は使えたの?) 脳裏に過ぎるのは、この場所に来る直接の原因となった男の姿。 あの時、ウルザは確かに... -
もう一人の『左手』-15
前ページ次ページもう一人の『左手』 <フリッグの舞踏会から9時間前> ユニコーンと杖を組み合わせた紋章をつけた馬車が、護衛たる魔法衛士隊の一団とともに、魔法学院の門をしずしずとくぐり、学院長オスマン以下、教員生徒、御目見え以上の資格をもつメイジたちはこぞって居並び、杖を掲げた。 従者に手をとられ、馬車から降りた女性は、いまだ少女と呼ぶべき幼さを、その顔に残していたが、そのあどけなさこそが、彼女の容貌に華を添えていることを、誰もが認めていた。 トリステイン王国第一位王位継承者・アンリエッタ・ド・トリステイン姫殿下。 その可憐で清楚な美貌は、国民の間に絶大な人気を誇り、その支持率は、実際に政務を執る宰相のマザリーニはおろか、国家の最高主権者たる太后マリアンヌさえも凌ぐという。 毎年開催される『使い魔品評会』の最大の主賓であり、その御前に使い魔... -
もう一人の『左手』-07
前ページ次ページもう一人の『左手』 「だめか……」 ぼそりと呟くフーケ。 まあ、ここは仮にも王立魔法学院の宝物庫なのだ。 王宮ほどでは無かろうが、それでも歴史的にも貴重な“お宝”の数々が貯蔵されているはずだ。 『アンロック』や『練金』ごときで、容易く扉が開くとは思ってはいない。 だから、彼女は焦らない。 これでも『土くれ』のフーケといえば、トリステインはおろか、ハルケギニア全土に跨る神出鬼没の怪盗として鳴らしたものだ。 この程度の警備は何度も潜り抜け、無事標的を手中に収めている。 焦らず、逸らず、じっくりと機会を待てばいい。なんせ、今の自分は学院長の秘書なのだから。 フーケは、そう思い、きびすを返した。 その時だった。 廊下の窓から、何かが見えた。 何か、打ち上げ花火のようなものが、深夜の上空に発射される... -
もう一人の『左手』
「仮面ライダーSPIRITS」の風見志郎(仮面ライダーV3)が召喚される話 もう一人の『左手』-01 もう一人の『左手』-02 もう一人の『左手』-03 もう一人の『左手』-04 もう一人の『左手』-05 もう一人の『左手』-06 もう一人の『左手』-07 もう一人の『左手』-08 もう一人の『左手』-09 もう一人の『左手』-10 もう一人の『左手』-11 もう一人の『左手』-12 もう一人の『左手』-13 もう一人の『左手』-14 もう一人の『左手』-15 もう一人の『左手』-16 もう一人の『左手』-17 もう一人の『左手』-18 もう一人の『左手』-19 もう一人の『左手』-20 もう一人の『左手』-21 もう一人の『左手』-22 もう一人の『左手』-23 もう一人の『左手』-24 もう一人の『左手』-25 もう一人の『左手... -
もう一人の『左手』-14
前ページ次ページもう一人の『左手』 <フリッグの舞踏会から43時間前> 「サイトぉぉぉっ!!」 地獄のような業火が渦巻く森の中から、空中に飛び出した一個の物体。 それが、タンデムに才人を載せた、風見志郎が駆るハリケーンであると気付いた瞬間、シルフィードの背から、ルイズは思わず叫んでいた。 それは絶望の声ではない。 それは喜悦の、感激の、感涙の絶叫だった。 結局、彼女たちは、脱出しなかった。 森の遥か上空から風竜に跨り、炎の中に姿を消した少年と青年を待ったのだ。 無論、同乗者たち――キュルケやフーケは難色を示した。 いくら上空とはいえ、こんな場所に留まっていては、カメバズーカが自爆したら絶対に助からない。 いや、純粋に命の問題だけではない。 そうなったら、自分たちを逃がすために、自ら身体を張って時... -
Jackal00
アルビオン軍七万を前に、たった一人の男が立ち塞がった。 その姿を使い魔の眼で見たメイジは、その姿を滑稽に思った。見慣れない形の白い鎧を纏ったその姿。あれではロクに動けまいと、完全に侮っていた。同時に、罠の可能性を疑った。 それを上官に報告すると、 「総員戦闘用意!」 の掛け声が瞬時にかけられた。 彼は偵察兵は上官──総指揮官の顔が汗だくなのを不思議に思いながら下がった。 そして────死神が動き出す。 偵察兵が先程まで見ていた鎧が消え、数瞬後に使い魔とのリンクが切れた。何が起きたのか判らない彼は、「敵襲!」の声と同時に自分の使い魔が死んだ事に考えが至る前に、使い魔と同じ運命を辿った。 ハイパー・ヴェロシティ・アームガン。初撃でレールガンを放ち、その男は七万の兵に切り込んだ。60口径徹甲重機関銃を性格に撃ち、肉薄する。 『戦場の死神』と称される化... -
もう一人の『左手』-21
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「てめえら、こいつらも運びな。身代金がたんまり貰えるだろうぜ」 派手な格好の空賊の頭が、ルイズとワルドを指して言い、去って行く。 それに合わせて、周囲の賊たちも、下卑た笑い声を上げるが、――ワルドは妙な違和感を覚えた。 賊たちの立居振舞いから、何と言うか、――演技のような、わざとらしさを感じるのだ。 魔法衛士隊の束ねとしてワルドが知る、本物の『賊』たちは、こんなに無駄なバカ騒ぎ――油断と言い換えてもいいだろう――を獲物の前では決してしないからだ。 なぜなら賊たちにとって、“略奪行為”という時間は、少なくとも傭兵たちにとっての戦闘と同じく、命を賭けた『職業的戦場』なのだから。 彼らのやり方はもっと酷薄だ。要求だけをシンプルに突きつけ、逆らうような素振りを見せれば、人質の一人や二人は、躊躇せずに殺す。人... -
零と異界の英雄たち
「何?使い魔について話して欲しいの?」 その女性は一つため息をつくとやがて静かに語り始めた 「呼び出した時は正直がっかりしたわ だって見た目は平民だったんですもの」 彼女の語る平民の使い魔、その噂を確かめるべく彼女への突撃取材は以外な方向へと向かっていった 彼女の口から語られるのは魔法とは違う『ニンジュツ』と言う技を駆使する超人の活躍だった あの『土くれのフーケ』を退け、レコン・キスタに組みしたグリフォン隊の元隊長ワルド子爵を圧倒したと言う 噂の使い魔、そしてレコン・キスタ7万の軍勢の奇跡に話は進んだ 「そろそろ、あの奇跡についてお聞かせ頂けませんか?」 今、貴族から平民まで噂になっているある噂、それは ヴァリエール家の三女の使い魔とその一党がたった数名の数で7万の軍を破ったと言うものだった 正直に当事者本人から話を聞いた今でもその様な事があるのか と... -
0G-09
G達の乗った船が、海賊に扮した皇太子達に襲われた… G一人ならば、容易く殲滅出来るのだが、船の操縦法が解らぬ上、ワルドは兎も角ルイズまで死んでは面倒だと何もせず… ただGは黙って寝ていただけなのでこの話は…省略… 「栄光ある敗北? 敗北になんの栄誉がある!」 ウェールズ皇太子から手紙を預かり、少しGと会って話しをしておこうとGの居る部屋の扉の前に立つと 中から、Gのそんな言葉が聞こえた。 死を選ぶ愚か者達に対して……Gも同じ考えを持っているのだと思うと少しだけルイズも嬉しくなる… 同じ思いの者も、この場には確かに居るのだと 「カイン、入るわね」 「好きにすれば良い」 素っ気無く返された返事を気にせずルイズは扉を開けると、ゆっくりと入って行く 「ねぇ…G。彼等は大事な物を守る為に闘うって言ってたけ... -
もう一人の『左手』-26
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「離して子爵さまぁっ!! いたのよっ!! サイトがっ、わたしの使い魔がっ」 そう叫びながら、ルイズは甲板に飛び出そうともがく。 だが、彼女を取り押さえるワルドの逞しい腕は、まるで微動だにせず、ルイズの抵抗を空しくさせる。 しかし、――確かに彼女は見たのだ。『イーグル』号の艦橋舷窓から。 地面の中から泥まみれになって、のそのそとモグラのように貴族派の陣中に這い出してきた少年を。 たとえ双月が夜空を煌煌と照らしていたとしても、そして『マリーガラント』号の自沈攻撃によって、戦場が紅蓮の炎に包まれていたとしても、――それでも今は、夜だ。『イーグル』号の小さな舷窓から、一人の少年を視認したというには、やや無理がある。 だが、それでも、ルイズは……才人を見たのだ。 しかし、それを主張する少女の姿は、... -
ご主人様は承認せず! 前編
トリステインの平民ならば、当然知っているだろう! 巷を騒がす“あの噂”ッ! 魔力の限り好き勝手! ふんぞり返った貴族が今や、揃って肝を冷やしていると! ……『土くれ』のフーケ? そうそうまさにその通り! メイジ崩れの盗賊に、貴族の宝が大ピンチ! 愉快痛快我らの土くれっ! しかし! しかしだ諸君っ! その噂には続きがあるのだっ! 悪逆非道の貴族の屋敷! 抜き足差し足忍び足! 侵入を果たす謎の人影……ッ! 始祖をも恐れぬ悪行の確かな証拠を握り締め、寝ぼけ眼の貴族に向かい胸のすくような啖呵を一つ! 「狂った王国を監査するッ!」 君は見たかっ!? 月光を背に堂々たる、其はイーヴァルディの勇者の再来ッ! しかしてその姿はあまりに異様! 黒蝿のような奇怪なマスク! 腹に巻きたるレザーメイル! 亜人だ! 魔人だ! ... -
もう一人の『左手』-20
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「なぜ知っているだと……? テメエ一体、さっきから何言ってやがるんだ」 じわりと声に殺気を込めて、平田がそのままカウンターから立ち上がり、風見ににじり寄る。それはまるで、猫科の大型肉食獣が威嚇するような迫力があった。 ――が、そんな見る者の目さえ背けさせるような圧力を、風見は無言のまま、弾き返すような鋭い眼光で睨み返している。口元の冷笑さえも、いまだ浮かべたままだ。 (――ちがう) 不意にフーケは気付いた。 この男は確かに、風見志郎だ。 顔と体格が同じというだけではない。そんな外見的特徴など、魔法を使えば、いくらでも似せられる。だが、そんなことでは、絶対に解決出来ない内面的特徴というものがある。 そういう意味では、この男は紛れもなく風見志郎本人だ。 この雰囲気、体臭、なにより余人には絶対に... -
帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!-13b
前ページ次ページ帝王(貴族)に逃走はない(のよ)! 翌朝。 馬の蹄や怒号が振動となって宴の余韻の残るニューカッスル城を揺らす。 岬の向こう側からニューカッスルへ進撃するのは傭兵が主力の部隊。 数はおよそ五千と言ったところ。 城の一角が崩れ、門が破れているのを見て、あわよくば城に雪崩れ込もうというつもりだろう。 レキシントンが制圧された事を知らずにいるため、遊弋するサザンクロスを見て空軍に獲物を横取りされるものかと焦ったのかもしれない。 だが、城の中には何も残ってはいない。 あるのはマチルダが贋作であると鑑定した物ばかりだ。 後は、女子供といった非戦闘員が脱出用の船に乗り込むのを待つのみ。 それまで敵兵を一兵たりとも中に入れるわけにはいかない。 傭兵と言っても貴族から身を落した者も多く、門が破れている以上は三百では物量に抗いきれず破られてしまう。 進入され... -
もう一人の『左手』-01
前ページ次ページもう一人の『左手』 ――これは……!? コルベールは、思わず身体を堅くした。 ディティクト・マジックでその男の肉体を走査した瞬間、これまで見たことも無い反応が起こるのを感じたからだ。 その長身の男は人間だった。 生物学的に言えば、それは疑いようも無い。 黒革の上下に、襟元からスカーフをなびかせたその男は、見るからに精悍な相貌をしていた。 だが、――同時に、男は『ただの』人間ではなかった。 皮膚、筋肉、神経・骨格をはじめ、ありとあらゆる内臓器官が、コルベールの見たことも無い物質によって組成され、代替され、全身の肉体を構成している。 しかし、しかしそれでも、“彼”は人間なのだ。 それはコルベール自身のディティクト・マジックの反応が証明している。 一体……何者……なんだ!? コルベールは、『サモン・サーヴ... -
もう一人の『左手』-35
前ページもう一人の『左手』 . 「貴族の方々が、平民に何をしようが、我々に何が出来ると言うんだ。たとえどれだけ理不尽であっても、これが始祖ブリミルの定めし世界の理(ことわり)であり、法(のり)なのだ」 その悲痛な台詞に、才人は返す言葉を持たなかった。 彼女の父親は、次の瞬間にはハッと我に返り、済まなさそうな表情を向けたが、詫びの言葉は来なかった。――だが、そんなことは才人にはどうでもよかった。彼が言った台詞は、まぎれもない真実なのだから。 足元がふらつくような感覚をこらえ、才人はシエスタを追って厨房に入る。 「シエスタ……」 何を言えばいいのか、まったく整理もつかないまま才人は口を開く。 「はい?」 シエスタの笑顔に取り乱したところはない。もうパニックは脱したというところなのだろうが、帰省の理由を訊かれたときの彼女の反応を鑑みれば、シエ... -
もう一人の『左手』-33
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「撤退だそうだ」 「撤退って、……どっちが?」 「信じられんが、我が軍の方らしい」 「――はあっ!? 何で!? 貴族派の連中は白旗挙げたんだぜっ!?」 「俺が知るかっ!! とにかくクロムウェルのクソ坊主と直接話したウェールズ殿下が、その指示を出したんだってよっ!!」 「……何でそうなるんだよ……? 王子様、『レコン・キスタ』の国賊どもに毒でも一服盛られちまったんじゃねえの?」 「かもな。あのクソ坊主は特に一筋縄じゃいかねえって聞くしな。停戦交渉で盃に毒を盛るくらいはやりかねないぜ」 「――で、撤退ってどこへ行くんだ? 地下道に穴あけちまったから、もうニューカッスルには戻れねえぞ」 「いや、それがな……どうもトリステインらしい」 「じゃあ、撤退っていうのは……アルビオンからの……って意味なのか……ッッッ!?」 ... -
もう一人の『左手』-12
前ページ次ページもう一人の『左手』 「逃げろ?」 ルイズが、きょとんとした表情で、V3が言った言葉を鸚鵡返しに聞き返す。 当然、その言葉に従うための復唱ではない。 言われた言葉の内容を、さらに確認し直すための質問である。 ルイズだけではない。 残りの二人も、その瞬間、何を言われたのか分からない顔をし、そしてキュルケが口を尖らせた。 「なに言ってるのよ、あんた? さっきまでフーケの小屋に着いてからの段取りを、散々話し合って――」 「それは中止だ」 「ちゅっ、中止って、――分かるように言いなさいよっ!!」 そう言われて、V3は、彼女たち三人に向き直るが、無論、少女たちに、その赤い仮面の下にある表情は伝わらない。 ここは地上数十mの上空にある、風竜の背の上。 ハリケーンを乗り捨てたV3は、タバサに頼み、シ... -
もう一人の『左手』-06
前ページ次ページもう一人の『左手』 『ゼロ』のルイズが召喚した、もう一人の“平民”。 黒革の上下に身を包んだ、目付きの悪い長身の男。 確かにさっきの、一人目の平民とは、何やら纏う雰囲気が違うが、それでも所詮、平民は平民。 いや、考えようによっては、ルイズを相手に大人気ない真似をするよりは、見世物としては、はるかにマシだろう。―― そう思って、ワルキューレによる攻撃を開始した瞬間、 「――なっ!!?」 ワルキューレは宙を舞っていた。 それも、三つの鉄槐に寸断されて。 ギーシュには、何が起こったのか分からない。 彼がその目に捉えるには、あまりにも、風見の剣さばきが速過ぎたからだ。 無造作に繰り出されたワルキューレの拳、風見はそれを首を振って躱すと、そのままワルキューレとすれ違うように踏み込みながら、その胴を寸断し、返す刀で、燕返しに戦乙... -
もう一人の『左手』-17
前ページ次ページもう一人の『左手』 <フリッグの舞踏会から7時間30分前> 途端に客席がざわめく。 なに、あいつ? 一体何をする気なんだ? ってか、あいつ平民だろ? 自分が王族に口を利ける身分と思ってるのか? そういう声が会場に溢れる。 見ると、ギトーやシュヴルーズが、いや、アンリエッタの近侍らしい金髪の女性も、真っ青になって舞台へ向かっている。 無断の闖入者である才人をつまみ出す気らしい。 しかし、才人はまったく動じない。 傍らに突き立てた剣を振り返ると、 「そして、こいつがおれの相方。インテリジェンス・ソードのデルフ君です。――デルフ君、挨拶」 「どっ、どうも、インテリのデルフリンガーです。……って、本当にやる気かよ相棒?」 デルフの声が震えている。 どうやら、才人に比べて、剣の方はまだ覚悟が決まっていないようだ。... -
もう一人の『左手』-16
前ページ次ページもう一人の『左手』 <フリッグの舞踏会、PM9:15> 「――あのばか犬……!!」 ルイズは、一人呟いた。 ドレスに着飾り、普段あまり熱を入れない化粧にも時間をかけ、持ち前の高飛車オーラを、普段余り見せない淑やかさでカバーした彼女は、確かに美しかった。いつもの彼女を知らない者たちには、――神々しい、とさえ見えるほどに。 それまで彼女を、ただの劣等生としか見ていなかった、この学院の男子生徒たちが色めきたったのも、むべなるかな。彼らは、この少女・ルイズ・ラ・ヴァリエールが、元来、校内屈指の美少女であった事実を、ようやく思い出したのだ。 当然、紳士たちによるダンスの誘いが殺到したが、ルイズは、それらの甘い言葉を、普段はまるで垣間見せぬ優雅な振る舞いで、――拒絶し、壁の花に甘んじた。 「ちっ、なんだい。『ゼロ』のくせに、お高... -
もう一人の『左手』-27
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「敵突入部隊、接近してきます!!」 「指揮官は分かるか!?」 「そっ、それが……」 「どうしたっ!?」 「ウェールズ殿下本人が率いているようですっ!!」 その瞬間、『レキシントン』の幕僚たちを、沈黙が包み込んだ。 ――ウェールズ殿下が、来る……!! かつての自分たちの主君にして上司。 アルビオン史上類を見ないほどの大反乱を巻き起こした国王ジェームズ1世の虐政。だが、失望させられ続けてきたアルビオンの国民にとって、皇太子ウェールズは、王家に残された最後の希望だった。 その若き王子が、自らこのフネに乗り込んでくる。叛徒逆賊として、我々を殺すために。 ならば我々はどうだ? ボーウッドは自問する。 いかに敵とはいえ、杖を向けることが出来るか!? あのウェールズ殿下を、直接その手に掛ける事が出来るか!? ... -
もう一人の『左手』-28
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 固唾を飲んで成り行きを見守る『イーグル』号に、その鷹が飛来したのは、そのときであった。 「ファルコニア」 パリーが、不意に現れたその猛禽を、驚きの目で見る。 老メイジの言葉が確かならば、この猛々しい、それでいて気品さえ感じさせる見事な翼を持った鷹こそが、ウェールズの使い魔であるという。戦闘に際して、ウェールズはこの使い魔を、常に自分の身辺から離さぬらしい。 (これがウェールズ殿下の使い魔……!!) メイジの実力を知りたくば、その使い魔を見よというが、ルイズはなるほどと納得してしまった。周囲を圧する猛気を発していながら、その鷹の目元はあくまで涼やかな知性の輝きを宿している。ただ凶暴なだけの鳥類ではないことは、一目瞭然だ。 このファルコニアという鷹こそ、まさしく四海に名高きプリンス・オブ・ウェールズの使い魔に相応しい... -
もう一人の『左手』-10
前ページ次ページもう一人の『左手』 「カザミ……本当なの? サイトが生きてるって……信じていいのねっ!?」 先程まで悪鬼のような形相で、風見の腹筋にグーパンチを打ち込んでいたルイズが、いきなりふにゃっと歓喜に緩んだ。――この使い魔は、愛想こそ無いが、嘘はつかないという事を知っていたからだ。 「ああ。いま奴は、この学校から南南西の方角に約5kmのポイントを馬車で移動中だ。目的地がどこかまでは、分からんがな」 「5……“きろ”?」 「ああ、こっちの言い方だと5“リーグ”と言った方がいいのか」 「サイトは?」 「ロープで縛られて、荷台に転がされている。……無事だよ。呼吸も顔色も変化は無い」 「でっ、でも、何で分かるのよ、そんな事まで……!? まるで、見てきたような言い方じゃない!?」 風見の正体を知らないキュルケが、ルイズやコルベールを振り返る... -
もう一人の『左手』-05
前ページ次ページもう一人の『左手』 「サイトぉっ!!」 「どいてぇっ! ――いいから――どきなさいよぉっっ!!」 人垣の中から、野次馬を掻き分けて、桃色がかったブロンドの少女が飛び出し、才人のもとへと走り寄り、その血まみれの頭を抱きかかえる。 「しっかりしてサイトっ!! 死んじゃダメ、死んだら……死んだら、絶対に、許さないんだからねっ!!」 「……よお」 才人は、うっすら右目を開くと、ほんの少しだけだが、微笑んだ。 ギーシュに見せた、唇を歪ませた皮肉な笑みではない。人が心落ち着かせたときに見せる、安らかな表情。 ――それは、ルイズが見る、彼の初めての笑顔だった。 ルイズには何故か、才人の、その笑顔の意図を正確に汲み取る事が出来た。 お互い出会ってから、まだ数時間しか経っていないというのに。いや、それどころか、口を開けば、諍いばかりだった... -
もう一人の『左手』-04
前ページ次ページもう一人の『左手』 「ガンダールヴ?」 「ああ、やはり思った通りだ。カザミさん、このルーンは間違いなく、伝説の始祖の使い魔ガンダールヴのものだよ!!」 「分かるように言ってくれ。あんたも知っての通り、俺はこの世界の常識が無い」 「あ、――ああ、そうだったね。では始祖ブリミルの説明からした方がよさそうだ」 始祖ブリミル――フルネームを、ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ。 六千年前、東方の聖地よりこの地に降臨し、風火地水の四大系統からなる『系統魔法』の技術を人々に伝え、現在のハルケギニア文明の、ほぼ根幹を創り上げた大聖者。 だが、本人はその四つの系統のいずれでもない、零番目の系統『虚無』の使い手であったとされ、その力は、生命の組成から時空間への干渉まで及んだという、伝説のメイジ。 また、三人の子と弟子の一人に... -
プレデター・ハルケギニア-18
前ページ次ページプレデター・ハルケギニア 壮絶なる捕獲劇の翌日、ルイズ、エレオノール等の乗った船は港を出港した。 亜人によって屠られた隊員たちと竜は海へと埋葬された。港を出る際に死体を持ち込んでは 何かとやっかいなことになりかねない。 そしてこの浮遊大陸で数百を超える人間を殺戮した人外の戦士は 今、船内の一室に拘束されていた。 両手足は強固な拘束具が付けられ、全身に身に付けていた武器の殆どは今、亜人の身からは外されている。 「これで、大体全部ね」 エレオノールが机の上に並べられた武器類を眺める。 肩に付けられたいた黒い筒状の武器。折りたたまれたグレイブ。 棒状のグリップに巨大な一枚刃が取り付けられた武器。形状としてはトンファーに似ているか。 三十セントほどに収縮された長槍。円周部分がギザギザのノコギリ状に削られた円盤。 ... -
もう一人の『左手』-18
前ページ次ページもう一人の『左手』 「アルビオン……だと?」 「ええ、いま言った通りよ」 「本気で言ってるのか、ヴァリエール?」 風見は、普段ルイズの部屋ではなく、コルベールの部屋に居候している。 だから、今では、ハルケギニアの世情に、少しは詳しくなっている。そして、彼の知識によると、いまアルビオンは確か……。 「当たり前でしょう! こんな名誉ある任務をお断りするバカがどこにいるの!?」 ルイズが、えへんと胸を張る。 まあ、その気持ちは、風見にも分からないではない。 幼馴染みとはいえ、王家の象徴たる姫殿下が、自分を頼ってくれた事が、ルイズにとっては誇らしくてたまらないのだろう。 だから、コルベールを通じて、自分を呼び出したルイズが、嬉々として、王女に個人的な任務を命じられたことを話されたとき、風見は純粋にルイズのため... -
もう一人の『左手』-08
前ページ次ページもう一人の『左手』 「冗談じゃねえ! 冗談じゃねえ!! 今度こそ本気で冗談じゃねえぞ!!」 「はあ……まあ、たしかに、そうかもねえ……」 才人の怒声に、褐色の肌と豊満な肉体を持つ女性――キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・ツェルプストーが、溜め息を洩らしながら、呟くように同意する。 こんなはずではなかったのだ。 今頃この自室は、本来ならば濃密な色気と媚香が漂う、愛の空間と化しているはずだったのに。 才人の意識が回復してから、はや一週間。 もはや恒例行事と化した観のある、ルイズと才人の大喧嘩。 その怒声は、本来、分厚い石壁で遮られているはずの隣室にまで聞こえて来る。 キュルケは、そのおぼろげに伝わってくる罵声を、聞くとも無く聞きながら、改めて、あの平民の少年は大したものだと思った。 少なくと... -
創世の使い魔-00
前ページ次ページ創世の使い魔 創世の使い魔 第0章 ―とある酒場にて― ――『彼』の話を聞きたいって? 珍しい事もあったものだ。『彼』の話を聞きに来たのは君が初めてだ。 おっと、気を悪くしたかな。いつもは船に関係することばかり話してるものでね。 ああ、『彼』の事はよく知ってるよ。『彼』の事を調べるのはとても興味深いからね、まぁ私の数少ない趣味さ。 『彼の伝説』の伝説は至る所に存在する。 例えばフランスの昔からあるおとぎ話で、杖を携えた少年が暴君を倒すというお話は、とても有名だ。絵本にもなっているね。 実のところ、かの王を殺したのは『彼』ではないのだけれど、少なくとも関係者であるという資料は残されている。 そも『彼』の伝承を遡ると、実は文明発祥の時代まで遡ることができる。 いや正確には、それ以上遡るための資料がないと... -
もう一人の『左手』-22
前ページ次ページもう一人の『左手』 雲と霧の白い闇を抜けると、一抹の光さえ差さない、真の闇がそこに待っていた。 浮遊大陸アルビオンの“真下”である。 四人の少年少女を乗せたシルフィードは、ためらうことなく、その暗黒の中に身を紛れ込ませた。 「タバサ! 待ってくれっ!! 風見さんを置いて行く気かっ!?」 才人が必死に叫んでいる。 だが、待つわけには行かない。 自分たちが大陸の下側に逃げ込んだのは、確実に目撃されているだろう。 少なくとも、先程のフネを乗艦とする竜騎士が追って来れない程度の距離を、この暗闇の中で稼がねばならない。 貴族派の空軍は、大陸の下側には入って来ないと風見は言っていたが、いくら何でも、100メイルや200メイル程度の距離なら、たちまち竜騎士に臭いを辿られ、追いつかれてしまう。少なくとも3~4リーグは距離を稼がねば、安全と... -
もう一人の『左手』-09
前ページ次ページもう一人の『左手』 「かっ、風見さんっ!! おっ、おれの事はいいから、このクソ女を……うぁぁぁぁ!!」 ゴーレムが、少し手に力を込めただけで、才人が、その勇ましい発言内容を、あっさり覆す呻き声を上げる。 「余計なこと言うんじゃないよ坊や」 女は、そう言いながら、ゴーレムの肩から地上のV3を睨みつけた。 V3は己の迂闊さに、ほぞを噛んだ。 眼前のミス・ロングビルが戦いを挑んで来たのは、あくまで、この自分――V3を、学院に仇なす不審な亜人と判断したからだ、そう思っていた。 だが……違う! 仮にも教育機関の構成員たる者が、不審人物を取り押さえる為の戦闘中に、人質を取るような真似をするはずが無い。 この女は、もとより、ただの秘書などではなかったのだ。 なぜ気付けなかったのだ!? もし、もっと早く気付いていれば、……こん... -
その者 青き衣をまといて
――その者 青き衣をまといて―― その人は、強い人だった。 ――金色の野に降り立つべし―― その人は、優しい人だった。 ――失われし大地との絆を結び―― その人は、賢い人だった。 ――ついに人々を青き清浄の地に導かん―― 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!!」 そう、なるはずであった一人の少女は…… 「こ、ここはど…ガフッ…」 「ちょ、アンタ一体!?」 「ゼロのルイズが平民を召喚したー!?」 「しかも血を吐いて倒れたぞ! 病持ちだ!」 「で、伝染病だったらマズイ! 逃げろー!!」 生まれ育った世界とは違う、毒を全く含まない異世界の清浄な空気に耐えられず… 召喚早々に、死亡した。 -
SERVANT'S CREED 0 ―Lost sequence― -22b
前ページ次ページSERVANT S CREED 0 ―Lost sequence― 一方その頃……、造船所の離れに備え付けられた赤レンガの空軍発令所にて、共の者を下がらせたクロムウェルはとある貴族と談笑をしていた。 発令所の一室から『レキシントン』号の雄大な姿を眺めながら、これからの計画について話し合っている。 「……と、いうわけだ、きみには期待をしているよ、艦隊司令長官」 「ハッ! お任せ下さい閣下! このジョンストン、閣下の理想のため、微力を尽くさせていただきます!」 トリステイン侵攻軍総司令官に任命されたばかりのサー・ジョンストンは感激した面持ちを浮かべた。 貴族議会議員でもある彼は、クロムウェルの信任厚い人物である。 クロムウェルはそんな彼を見つめ、にっこりとほほ笑むと、肩を叩き、窓の外の『レキシントン』号を指さした。 「... -
もう一人の『左手』-03
前ページ次ページもう一人の『左手』 四人が学院長室を辞した後、風見はコルベールの部屋に誘われていた。どうやら彼は、二人が元いた“異世界”に多大なる興味があるらしい。 才人も、風見について行くべきか迷ったが、やめておいた。 彼にとっては、自分がTVの再放送で観ていたヒーローが、一人の人間として、当然のように自分の隣にいるという現実は、この魔法の国以上に受け入れがたいものだったからだ。 ――ひょっとして俺は、本当は今頃、病院の集中治療室で、植物状態になって、覚めない悪夢でも見ている最中なんじゃないか? 風見を見ていると、そんな想像が頭をよぎり、気が狂ってしまいそうになってくる。 だったら、かなりムカつく女ではあるが、まだコイツと一緒にいる方がマシかも知れない。そう思ってしまう。 幸い――かどうかはともかく、少女は部屋までついてこい、... -
もう一人の『左手』-11
前ページ次ページもう一人の『左手』 「キュルケ」 「なによ」 「あんた、……確か、風竜を使い魔にしている、あの娘と仲が良かったわよね?」 「タバサのこと? まあ、付き合いはあるけど……それが?」 「その娘、まだ起きてる?」 「まあ、宵っ張りで本の虫だから、ひょっとしたら、まだ起きてるかも……って、どこ行くのよアンタ!?」 「決まってるでしょっ!! その娘のところに行って、ドラゴンを借りるのよっ!!」 そう叫ぶや否や、ルイズは宝物庫を飛び出した。……それから15分後、紆余曲折の果てに、魔法学院の上空に、赤・青・桃の3色の頭を乗せたシルフィードが飛び立って行くのが見えた。誰も見ている者はいなかったが。 夜風が身にしみる。 寒風吹きすさぶ冬の夜空を駆けるドラゴンの背は、恐ろしく寒い。本来なら、暖かいベッドの中で布団にくるまれている時間であるだけに... -
使い魔は妖魔か或いは人間か00
前ページ次ページ使い魔は妖魔か或いは人間か 今日、私の愛した『人』が死んだ。 彼女は私の城から逃げ出し、自殺した。 「アセルス様は変わってしまわれました」 それが彼女の遺言。 自分の頬に流れるのが、涙なのか雨の滴なのかはわからない。 なぜ彼女が私の元を去ろうとしたのか私には理解できなかった。 私が変わった?一体何が? 確かに彼女と初めて出会ったのはまだ自分が妖魔だと言う自覚が少なかった頃だ。 半妖の私は人間の頃の感覚が捨てきれなかった。 人からは化け物と嫌悪されるか利用しようとする者しか近寄ってこない。 妖魔からは半人と蔑まれる。 半分人間、半分妖魔というこの世でたった一人の中途半端な存在。 人間として生きられないならばと、妖魔として生きる為に力をつけた。 そして私を半妖にした張本人『オルロワージュ』を討ち滅ぼした。... -
コノ身ハ平和ノ礎トナロウ
浮遊大陸アルビオンの首都ロンディニム。その郊外にはかつて軍港と呼ばれたロサイスと言う港がある。 この港が軍港では無くなった日から、港の中心に一つの銅像が建てられていた。 「ママ、あれなあに?」 一人の子供が銅像を指差しながら母親に尋ねた。 「あれはね、皆を守ってくれた天使さまなのよ」 母親は笑いながら子供に答えた。 『彼』は、後に虚無のルイズと呼ばれる少女に召喚された。 そして後世において彼は始祖ブリミルが遣わした天使と呼ばれ、平和の象徴とされた。 「でもてんしさまなのにはねがないよ?」 その銅像は人では無く、丸っこい変な物体を象っていた。確かに、子供で無くてもこの奇妙なオブジェを見掛けたら首をかしげるだろう。 「そうね。不思議な姿をしているわね」 『彼』は何とも形容し難い姿をしていて、全身は金属で作られていた。 誰もが変人の作... -
もう一人の『左手』-02
前ページ次ページもう一人の『左手』 「やめろっ!! やめるんだ風見ぃっ!!」 結城丈二――ライダーマンが、血を吐くような絶叫を上げるのが聞こえた。 だが、戦友には申し訳ないが、風見志郎――仮面ライダーV3には、もはや引き返す気はなかった。 ――V3火柱キック。 レッドボーン、レッドランプ、ダブルタイフーン。 その肉体に仕込まれた三つの動力装置を、ほぼ暴走状態に近いまでにフル回転させ、そのパワーを全て右足に乗せる。理論上では『逆ダブルタイフーン』のさらに数倍の威力を発生させる事が出来る。 ――だが、それゆえに、肉体にかかる負担は半端なものではなく、例え改造された肉体と言えど、その衝撃に耐えられるかどうかは定かではない。 つまり、命と引き換えに放つ、文字通り『最期』の技。 だが、いまの風見には、そんなことなどどうでもい... -
伝説の使い魔(悪い意味で)
「え……と」 静まりかえったその場で、ルイズは召喚してしまった手前、その使い魔に近寄った。 あまり近づきたくはなかった。 女性なら本能的に距離をおく存在がそこにはいたからだ。 「おおっ!? なんだここは!」 「こ、ここはトリステイン魔法学院よ。それからあなたは私の使い魔なの」 その男は半裸に下半身は黒タイツというエキセントリック極まりない格好をしていた。 歳はコルベールに近いといっていい。頭も寂しくなりかけているのがうかがえる。 お世辞にもナイスミドルとはいいがたい。 平民らしいけれど……というか貴族にはまずみえないし、かといって平民とよんでいいものか。 かけるべき言葉のみつからないルイズをきょとんと見つめていた半裸の平民は、次の瞬間何を思ったか突然その場にひっくり返った。 「おぅおああぁあああああああああーーーーーっ!!?」 ... -
とある魔術の使い魔と主-18
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「なぁ僕の使い魔を連れてっていいかい?」 ギーシュの質問に、当麻とルイズは互いの視線を向けあった。 そういえばギーシュの使い魔って見たことがないな、と両者は思いながらもルイズが応え、当麻が質問をする。 「えぇ、使い魔なんだし別に構わないよ」 「てか使い魔持ってたのか?」 当麻の一言に、ギーシュはムッとなる。 「失礼な、そもそも召喚出来なければ進級出来ないんだぞ」 そういわれても俺わからんからなー、と両手を後頭部に持って行き口笛を吹き始める。 「……君はそんなに僕を挑発したいのかい?」 ギーシュのこめかみがひくひくと動いてる。べっつにー、と当麻は視線を逸らし、ギーシュの事など興味なさそうに振る舞う。 ブチッ、と何かがちぎれる音が聞こえると、ギーシュは当麻へと薔薇の杖を振り回した。 「き、貴様! ... -
Zeroの使い魔
――アルビオン軍、その数7万。 対するは一騎。虚無の守護者。虚無の盾。ガンダールヴ。 勝ち目なぞ、最初から無かった。 自明の理だ。ゆえに、後悔は無い。 突貫し、暴れまわり、少しでも長く敵をひきつける。 捨て駒だ。 自覚していた。 自覚した上で、それを――。 それを、彼女に任せるわけには、いかなかったのだ。 傷ついた身体をひきずって、少年は立ち上がる。 怪我をしていない場所を探すほうが大変なありさま。 あちこちに矢が突き刺さり、剣で切り裂かれた傷もある。 そして何より、魔法の直撃を受けた腹部。 ロクな医療知識なぞない、彼でもわかった。 そこから流れ出た血は、もはや致命的な量に達している。 ――だけど。 「おでれーた!凄い眺めだなぁ、相棒。 この数相手に一騎駆けなんざ、... - @wiki全体から「たった一人の監視者」で調べる