あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「ウルトラ5番目の使い魔、第三部-12」で検索した結果
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ウルトラ5番目の使い魔、第三部-12
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第十二話 最強の雷! 陸上自衛隊決戦兵器出撃 (後編) 再生怪獣 サラマンドラ 登場! 「くふふ、こんなチャチな武器で、このヨルムンガントに挑もうなんて、とんだ物笑いだったわねぇ。あなたたち?」 「くっくそぉ、離せっ! ぼくはお前みたいな女は好みじゃないぞ」 「おのれっ、わたしとしたことが不覚をとった。やめろっ、わたしはいい、こいつらに手を出すんじゃない!」 ガリア軍の攻撃によって戦場と化し、煙をたなびかせるロマリアの森に絶叫が響き渡った。 木々がなぎ倒された森の中に傲然と立ち誇る十体のヨルムンガント。その手には、首だけが動くありさまでギーシュとミシェルが 人形のように握られ、周りには、うめき声をあげて倒れ伏す水精霊騎士隊と銃士隊が、死屍累々たる無残な惨状をさらしている。 「ち、ちくしょう……ギ... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-32b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 「もう、行っちゃうの? おねえちゃん」 村はずれで、休む間もなく旅立とうとしている一行を見送りに来たアリスがミシェルに向けて言った。 あれからすぐに、戻ってきたティファニアとも合流した一行は、そのまま旅立つことを決めた。なごりは惜しいし疲れも癒したかったが、ここにいてはまたサビエラ村が戦いに巻き込まれるかもしれなかったからだ。 村の男たちは、まだ気を失ったままでいる。それでも一行の旅立ちを、アリスだけでなく村の娘たちのほとんどが見送りに来てくれた。 しかし急な別れに、せっかく仲良くなれたのにと、アリスは半泣きになっている。そんなアリスに対して、ミシェルは寂しそうにしながらも優しく笑いかけた。 「ごめんな、おねえちゃんたちは急ぎの旅の途中なんだ。でも、わたしたちは君のことを忘れない。サビエラ村を救うために力いっぱいがんば... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-39b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 「女王陛下、ロマリア巡礼団……ただいま、ただいま帰還いたしました!」 「ミシェル、それに皆さん。よくぞ、よくぞ帰ってきてくれました」 そう、あのサビエラ村での戦い以来、帰路を急ぎに急いできたミシェルたち一行がとうとう母国への帰還を果たしたのだ。 ミシェル以下銃士隊、ギーシュ以下の水精霊騎士隊の誰もが薄汚れた姿とボロボロの身なりのままで、一目見ただけでアンリエッタにも彼女たちの苦労が忍ばれた。 隣に控えているアニエスも感無量といった様子で、表情こそ抑えているものの、後ろに回した手がわずかに震えている。反対側に控えたカリーヌは感情が見えないが、帰ってきた彼女たちを見る目は穏やかだ。 ミシェル、ギーシュらはアンリエッタにロマリアであったことの詳細をすべて報告した。ロマリアがもはや闇の勢力の手の中にあること、そして消息不... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-62b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 「おお、これだこれだ。これさえあれば、どんな敵も恐れるに足らずだ。フフ、フハハハ!」 森の中に横たわる機械の巨人、侵略兵器獣ワンゼット。それはかつてデハドー星人が地球侵略のため送り込んできたロボット怪獣であり、ウルトラマンダイナを正面から完封するほどの強さを持っている。 ミジー星人たちは、地球でいろいろあってワンゼットをコントロールする手段を手に入れ、ダイナにとどめを刺す寸前まで追い込んだことがあった。が、やっぱり最後のツメが甘く、ワンゼットはレボリュームウェーブで消滅させられ、ミジー星人たちもその後、逃亡生活の末にワンゼットと同じく時空を超えてこの世界に流れ着いてしまった。 以来、ミジー星人。というかドルチェンコは、このワンゼットさえ再起動させられれば、ハルケギニアを征服できるとして野望の火を絶やさずにいた。その点、アスカ... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-42b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 砂塵の織り成す紀元一年のハルケギニアの地に旅立った才人は、自分の撒いた種が未来でどのように花開いたかを知る由もない。しかし、時空を超えて、ブリミルの遺産はまさに大きく花開いていた。 衝撃を受ける人々に対して、アンリエッタとウェールズはそれぞれ民に向かって誠心誠意の訴えを続けている。 「皆さん、わたしは始祖のお言葉を聞き、改めて始祖への信仰を深くしました。そして、始祖の血統を受け継ぐわたくしは、父たる始祖の思いを受け継ごうと誓いました。この世界に、本当の平和をもたらすことを!」 アンリエッタの宣言に、トリステイン中から歓呼の声があがる。 「ですが皆さん、平和とはなんでしょう? 誰とも争わないことを平和というのでしょうか? 思い出してください。始祖は、平和のためにその生涯を戦いに尽くしました。始祖は、平和とは戦って... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-33b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 だが、明日のささやかな期待すらも奪おうと、闇の中からロマリアの放った刺客が迫りつつある。 コルベールとベアトリスが伊403潜で語り合っているのと時を同じくして、この街を一望できる丘の上で、一組の若い男女が物珍しそうに街を見下ろしていた。 「やれやれ、やっと着いたかい。割のいい仕事だから張り切ってみたけど、ガリアからロマリアに出向いて、さらにこんな僻地までやってきたらさすがにうんざりするなあ」 「まあ、ドゥドゥー兄さまったら、仕事が始まる前はいつもぼやいているくせに。今回はダミアン兄さまもジャック兄さまも抜きなんだから、しっかりしてよね」 「わかってる、わかってるよジャネット。お前と仕事をするといつも小言ばかりだ」 ドゥドゥーと呼ばれた少年は、肩をすくめて答えて見せた。年の頃は才人たちとほぼ同じで、華美とは言わないが貴族ら... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-17
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第十七話 導かれる世界 超空間波動怪獣 メザード 登場! なにを考えたわけではない。迷いの答えを見出したわけではない。 だが、彼の者の体は意思を超えて動いていた。 馬鹿と言うなら言え、陳腐な正義感と呼ぶなら笑え。しかし、極限に追い詰められたときにその人間の本性が現れるのだとすれば、 それが彼の真実であったのだろう。 「おれはどうなったっていい! だから」 弱きを救おうと、我が身を投げ出したときに希望は応えた。 光を失っていたウルトラリングが輝き、ふたりの手のひらが合わされる。 光芒一閃、ウルトラタッチ! 砂漠と化し、崩壊しつくそうとしている街。砂塵が舞い、人の営みがすべて砂の中に埋没しようとしている無機質な世界に、 正義の意思を持つ戦士が立ち上がる。その姿を知らないロマリアの民は... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-49b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 青い光があふれ出し、波動球ははじき返された。そして、その輝きの中から青き巨人が姿を現す。 「シュワッ!」 ウルトラマンコスモス・ルナモード。優しき光をまとったその姿は、生命を慈しみ見守る月のごとき守護者。彼はティファニアの見つけた戦う意思に応えてついに現れた。 人はなにかを守るために戦う。だが守るために戦う人も、また失われてよいものではない。ならば、そんな人たちを守りたい。 ロングビルとルクシャナを押さえつけていた瓦礫はいつの間にか取り除かれていた。そしてふたりは、自分たちを救ってくれたコスモスの姿に、自然とティファニアを重ねて見ていた。 「テファ、まさか……あんたなのかい?」 「あのウルトラマンは。そっか、またあんたに助けられちゃったか。ごめん、わたしのほうが年上なのにあんたにばっか世話かけさせちゃって」 守る... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-15
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第十五話 遠い母の記憶 ウルトラマンダイナvs金属生命体 金属生命体 アルギュロス ニセウルトラマンダイナ 登場! 今から、ハルケギニアの時間でさかのぼること三十年前。ルイズたちが生を受けるずっと前に、アルビオン大陸で人々には 知られないが、とても重要な戦いがあった。 それが起きたのは、ルイズの母カリーヌも巻き込まれたタルブ村での吸血怪獣ギマイラとの戦いの後のこと。 ギマイラを倒した後、後のティファニアの母シャジャルことティリーはアスカ・シンとともにラ・ロシュールからアルビオンへと旅立った。 そこを起点にしてティファニアは才人に語る。 「お母さんたちは、何事もなくアルビオンにたどり着きました。けれども、もうそこから始まっていたんです」 真剣な眼差しに、ただならぬ気配を感じ取った才人は黙... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-60b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 ふたりのウルトラマンの参戦によって、戦いは一気に流れを変えだした。 だが、この戦いを見守る黒幕は、この状況を見てむしろ楽しそうに笑っていた。 「すごいすごい、さっそくウルトラマンがふたりも駆けつけてきましたよ。まったくこの星は恐ろしいですねえ、ひ弱な私にはとても侵略など思いもできませんよ」 まるで他人事のような気楽な態度。自分が送り出した怪獣がやられそうだというのに、まるで気にした様子を見せていない。 隣のジョゼフは無言で、なにかをじっと考え込んでいる。シェフィールドが心配そうにのぞき込んでいるが、まるで気づいている様子さえない。 ジョゼフにここまで深刻に考えさせるものとはなにか? そして黒幕の宇宙人は、手を叩いて愉快そうにしながらクライマックスを告げた。 「おやおや、そろそろ決着みたいですね。王様、見逃すと損をし... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-01
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 ウルトラ5番目の使い魔 第三部 第一話 ロマリアからの招待、新たなる闇の予兆 超古代竜 メルバ 登場! 流れ出す溶岩、草木も寄せ付けない灼熱の岩石の大地。 鳥も簡単には近寄れない標高を持つ高山がつらなる大山脈。 ガリア王国と、ロマリア連合皇国の中間に、人間の非力を笑うように聳え立つ巨峰の群れはある。 『火竜山脈』 ハルケギニアの屋根ともいえるそれを、人々は太古より畏れと敬意を持ってその名で呼び、夜空にも赤々と燃え滾る威容を見上げてきた。 その峰峰の環境はハルケギニアでもっとも苛酷と言われ、頂上付近には火を吹く凶暴な火竜が住み、並の人間は近づくことさえできない。 だが、その過酷な自然の要害の奥地に、不敵な笑みを浮かべて立つ一組の男女の姿があった。 「この場所で... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-54b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 マギ族の精神的退廃はその後も急激に進み、彼らはもはや傲慢な支配者以外の何者でもなくなってしまっていた。 そして、彼らはついに戦争ごっこにも賭けにも飽きてきた。 もっと刺激を! もっと楽しいことを! 欲というものは満たされ続ける限り、無限に肥大化して終わりがない。そして歯止めの利かない欲望は、ついに彼らの良心を深奥まで蝕んでいった。 自分より多く領地を持っているあいつが憎い。嫉妬はついに爆発し、戦争ごっこはとうとう惑星の支配権を賭けたマギ族同士の本物の覇権戦争へと拡大していったのだ。 「武器は実弾に変わり、戦闘は完全に奪い合いに変わった。僕自身も例外じゃなく、自分の領地で近隣の同胞と争っていたよ」 ブリミルの領土はどこかの湖のほとりで、若い彼はそこで多くの同胞と同じように住民を駆り立てていた。それは現在の温厚な彼か... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-14
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第十四話 戦い終わって、はじまりへ 金属生命体 アルギュロス 登場! 『聖マルコー号』を先頭にして、大艦隊が粛々とロマリアの空を進んでいる。 艦隊の名はガリア両用艦隊。いや、今は元とつけるべきだろう。そのマストの頂上に高らかに翻るのは、ガリア王国旗ではなく ロマリア連合の旗。両用艦隊は、その全艦、一将、一兵にいたるまでガリア王ジョゼフへの忠誠を捨て去り、ロマリア教皇 ヴィットーリオ・セレヴァレにひざを屈して頭を垂れていた。 「尊き神の子、ガリアの臣民たちよ。私はすべてを見ていました。苦しい戦いだったでしょう。神に杖を向けるなどと、望まぬ暴挙に 心が痛んだことでしょう。しかし安心してください。神は常に正しき者の味方です。脅迫され、仕方なく撃たざるを得なかった 子羊たちを罪に問おうなどとはもっ... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-61b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 そして時間はあっというまに過ぎ、昼前になって目的地のヴォジョレーグレープの自生している山に到着した。 「うわー、こりゃまたジャングルみたいな山だな」 ふもとから見上げて、才人は呆れたようにつぶやいた。高尾山登山みたいなものを想像していたがとんでもない、まるで中国の秘境で仙人が住んでいそうなすさまじく険しい高山だった。 これはさぞかし荘厳な名前がつけられた山なんだろうなと才人は思った。しかし。 「ついたわよ、アラヨット山!」 ルイズが大声で叫んだ名前のあまりに珍奇な響きに、才人は盛大にずっこけてしまった。 「ル、ルル、ルイズなんだよ、その山の名前はよぉ?」 「ん、あんた知らなかったの? この山にはじめて登頂して解禁日のヴォジョレーグレープを持ち帰ってきた平民の探検家がつけた名前よ。その勇敢さには貴族ですら敬意を表した... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-13
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第十三話 シェフィールド侵攻兵団全滅! 怒りに焦げる正邪の攻防 再生怪獣 サラマンドラ 登場! ロマリアを壊滅させようとするガリア軍は、すでに聖都のすぐそばまで迫ってきていた。 破壊と殺戮を振りまきながら進軍する、悪魔のようなガリア軍と、それを先導し扇動するシェフィールド。 銃士隊・水精霊騎士隊は、避難民が逃げ延びるまでの足止めをするため、地雷による作戦を図った。 しかし、細心の注意をはらって待ち伏せたはずの作戦は、最新の魔法技術を組み込んで作られたヨルムンガントの前に敗れてしまう。 捕らわれ、なぶり殺しにされようとしているギーシュとミシェル。だが彼らを、死の淵から異形の超兵器が救った。 六六式メーサー殺獣光線車。陸上自衛隊が開発した対怪獣用決戦兵器。地球ではすでに伝説と化している... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-56b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 「ブリミルさん! サーシャさんも……」 「みんな、遅くなってすまない。サーシャを頼む、後はまかせてくれ」 回復魔法の使えるメイジにサーシャを託し、ブリミルはガモスの前に立った。 仲間たちは、もう十人足らずにまで減ってしまった。バラバラに逃げた者がまだいるかもしれないが、数多くの仲間がこいつに殺されてしまった。 絶対に許せない。ブリミルは胸の奥から湧き上がってくる憎悪を込めて、奴にふさわしい呪文の詠唱を始めた。 「エオルー・スーヌ・イス・ヤルンクルサ……」 心の底から果てしない力が湧いてくるのをブリミルはわかった。旅の途中で出会った仲間たち、ほんの数ヶ月のあいだだったが、彼らからは多くの思い出をもらった。 「オス・ベオーク・イング・ル・ラド」 わずかな食べ物をわけあったこともあった。老人のうさんくさい武勇伝に付き... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-50
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第50話 帰ってきたタバサ 高次元捕食王 アークボガール 深海竜 ディプラス 根源破滅天使 ゾグ(幻影) 登場! 「間もなく、セレファイス海溝深度八千メートル。高山さん、藤宮さん、もうすぐですよ」 「これがリナールの海底都市……なんて神秘的な」 「藤宮は、見るの初めてだったね。僕も、もう一度ここを訪れられるとは思わなかった。本当に美しい……でも今回は、この先に行かなきゃいけない」 「見えました! 高山さん、あれに間違いありません」 「以前ガクゾムが通ってきたワームホールの残り。あの奥に、破滅招来体の最後の残党がいる。藤宮、準備はいいかい?」 「いつでもいい。あのワームホールは、セイレーンが通るにじゅうぶんな広さと安定性を持っている。あとは、リナールの光が俺たちを導... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-57b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 「蛮人ーっ! ここにいるんでしょーっ! 返事をしなさい! 怒らないから出てきなさい。ブリミルーっ!」 澄んだ声は反響して奥へ奥へと響いていくが、返事はなかった。 いいわ、ならこっちから行くから。と、サーシャは歩を早めて通路を進んでいく。幸い施設はほぼ一本道で、迷う心配はなさそうだ。 やがて水産物試験場の最奥部まで進むと、目の前に大きなエレベーターが現れた。ゴンドラは最下層で止まっている。サーシャはゴンドラを呼び出して乗り込むと、迷わず最下層のスイッチを押した。 ゴンドラはゆっくりと地下へと下がっていく。どうやら階層ごとに水産物や畜産物、その他の動物や昆虫や植物の研究施設になっていたらしく、ガラス張りのエレベーターからは、かつては動物園や植物園のようになっていたらしい光景が透けて見えた。 ここはまさに、かつてのマギ族に... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-44
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第44話 再来の捕食王 超巨大天体生物 ディグローブ 高次元捕食体 ボガールモンス 高次元捕食王 アークボガール 登場! ロマリア・ガリア軍がトリステインに進撃を開始し、かつてない動乱を迎えつつあるハルケギニア。 トリステインに大挙して侵入したガリア・ロマリア連合軍。彼らはトリステイン軍が最初から防衛戦をおこなうつもりがなかったことで、道中の町や村を占領しつつ、無傷のまま侵攻を続けた。 侵攻開始から五日。戦争が始まったというのに、一部の事故を除いては犠牲者は出ていない。これは、ロマリアが「トリステインを真の信仰の元へと解放する」ことを大義名分として、暴行や略奪を厳禁していたからだ。 しかしトリスタニアに集まる者には、異端者アンリエッタ女王に加担するものとして容赦ない攻撃が加えられるに違いない。 全世界が... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-27
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第27話 届けられた誇りのメッセージ ロボット怪獣 ガメロット 登場! 「これで、終わりです!」 カトレアの叫び声が戦いで荒れ果てた森の中に響き、なかば崩れかけたゴーレムが大きく身をよじって最後の拳を繰り出す。 ゴーレムの拳は『硬化』によって強度を高められ、目の前で棒立ちになり、手足をガクガクと震わせているガメロットの腹部に突き刺さっていった。 刹那、メカがむき出しになった腹部を貫通されたガメロットは、内部の歯車や電装系をめちゃめちゃに破壊されて大きく全身を震わせる。いかに宇宙金属製のボディといえども、体の内部への攻撃にはさしものガメロットも無防備だった。 「やった、やったのね!」 かつて、その防御力と破壊力でウルトラマンレオを絶対絶命の危機に追い込んだロボット怪獣ガメロット。しかし、この世に... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-57a
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第57話 虚無を超えて カオスリドリアス 友好巨鳥 リドリアス 登場! ハルケギニアの伝説に語られる偉人にして聖人、始祖ブリミル。 しかし、彼の人生は決して平坦なものではなかった。彼は宇宙船の中でマギ族の人間として故郷を知らずに生まれ、たどりついた惑星でなに不自由ない少年時代を送った。 マギ族の繁栄の日々は、そのまま彼の人生の絶頂期そのものであり、それはマギ族の凋落とも一致する。 そして青年時代、本当のブリミルの人生はここから始まったと言ってもいいかもしれない。何も知らないでマギ族の仲間のなすがままに自分も流されていた子供の時代から、己の足で土を踏みしめて生きていかねばならない時代に入った。 少年時代とは比べ物にならない過酷な旅の日々。けれど、それはブリミルに温室の中では決して得られな... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-02
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第二話 闇に包まれたハルケギニア 超古代竜 メルバ 破滅魔虫 ドビシ 登場! 〔いくぞ、怪獣!〕 噴煙と溶岩をたぎらせる火竜山脈の上空で、ウルトラマンAと超古代竜メルバが激突して火花が散った。 空中衝突で大気がはじかれ、衝撃波が噴煙を吹き飛ばし、山肌を揺るがす。その威力にはじかれたのは本人たちも同じで、 ウルトラマンAは空中で体勢を立て直すと、きりもみから持ち直して旋回してくるメルバを見据えた。 〔やるな、てごわいぞ〕 翼竜型の怪獣の例に漏れず、この怪獣は空中戦にはかなりの自信を持っているようだとエースは判断した。翼の皮膜を いっぱいに広げて、巨体からは似つかわしくないほど小さい旋回半径で進路をこちらに向けてくる。 こいつは、今まで自分たちのいた地球には出現したことのない怪獣だと才人は... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-45
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第45話 守護者なき世界 カプセル怪獣 ミクラス カプセル怪獣 ウインダム 高次元捕食王 アークボガール 登場! その日、ベアトリスが街を離れていたのも、偶然という名の運命であったかもしれない。 急を要する東方号の改造。しかし始まってしまった戦争は、トリスタニアから遠く離れたラグドリアン近辺にも影響を及ぼし、資材の不足や工員の逃亡などで、その調整に責任者であるベアトリスは頭を悩ませていた。 もとより、クルデンホルフ本国でも、東方号には莫大な予算がかかるために快く思っていない者が少なくない。それに加えて、戦争の勃発によりクルデンホルフ本国からも帰国指示が来ていて、ベアトリスの心労は増える一方であった。 そんなやつれていく姿を見かねたエーコたちが、少しの気分転換にとラグドリアン湖への遠乗りを提... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-19
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第19話 はるかな時代へ 剛力怪獣 シルバゴン 友好巨鳥 リドリアス 登場! 聖マルコー号の突然の爆発は、眼下で勝利の喜びに湧いていた信徒たちに大きな衝撃を与えていた。 「なっ、なんだ! 聖マルコー号が、聖マルコー号がぁ」 「教皇陛下のお召し艦が。そ、そうだ教皇陛下は、教皇陛下はご無事なのか!」 天使の奇跡の余韻も吹き飛ぶ衝撃に、ロマリアの将兵たちは一時完全なパニックに襲われた。 教皇、ヴィットーリオ・セレヴァレ陛下。ブリミル教徒にとっての象徴であり、いまや神の祝福をその身に受けた偉大なる聖人である。 迷える子羊を優しく教え導き、ゆくべき道筋を明るく照らし出してくださるその存在は信徒たちにとって太陽にも等しい。その敬愛すべき お方のおわす船が砕け散ったことは、親兄弟を失ったも同... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-04
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第四話 涙の逃亡 飛べシルフィード! 金属生命体 アパテー 超古代怪獣 ゴルザ 登場! 東方号の不時着したエギンハイム村を襲った邪悪な意思を持つ者、金属生命体アパテー。 ウルトラマンAは必死に立ち向かうものの、メルバとの戦いの疲れに襲われてついに倒されてしまう。 エネルギー切れ寸前のエースにとどめを刺さんと、アパテーは巨大な槍を振りかざして迫る。 〔この野郎、もう勝ったと思ってやがるな。余裕綽々ってか、ムカつく野郎だぜ〕 才人がエースの視線を通して、近づいてくるアパテーに対して毒づいた。 ウルトラマンAのカラータイマーの点滅は二度の戦いによって限界に近づき、活動時間は急激になくなりつつあった。 〔危ない! 来るわよ〕 ルイズの叫びにエースはとっさに身をひねる。 「ヘヤッ!」... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-62a
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第62話 そのとき、ウルトラマンたちは 超空間波動怪獣 メザード 渓谷怪獣 キャッシー 宇宙有翼怪獣 アリゲラ 宇宙斬鉄怪獣 ディノゾール 知略宇宙人 ミジー星人 三面ロボ頭獣 ガラオン 合体侵略兵器獣 ワンゼット 登場! 「さあ、皆さん。どうもどうも、私の顔は覚えていただけたでしょうか? 今、ハルケギニアで起きている出来事の黒幕でございます」 「さて、さっそくですが先ほどお見せいたしました魔法学院の遠足はいかがでしたでしょうか? 実にみんな楽しそうでしたねえ、人間の寿命はとても短いと言いますが、あれが青春というものなのでしょうか? 私にはちょっとわかりづらいことです」 「うん? そんな怖い顔をしないでくださいよ。私が手を加えなければ、彼らは今頃遠足どころじゃなかったはず... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-05
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第五話 王者の情 超古代怪獣 ゴルザ どくろ怪獣 レッドキング 登場! ギジェラとの戦い以降、タバサと離れ離れになってしまったキュルケとシルフィードは、タバサの母と共にジョゼフに捕らえられていた。 幽閉されること数ヶ月。しかし外の世界の異変を察知した彼女たちは、キュルケの機転でなんとかシルフィードだけは脱出に成功させた。 シルフィードは、いまだ囚われの身であるキュルケとタバサの母を救うために、タバサの恩師であるジルに助力を求めに向かう。 だが、ジョゼフはシルフィードのわずかな希望の芽も摘み取らんと怪獣ゴルザを差し向ける。 追い詰められるジルとシルフィード。しかし、ジルはゴルザを山に誘い込み、切り札を発動させた。 爆薬で崩れ落ちる山、その中から現れる巨大な影。ジルの切り札とは、山に眠って... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-11
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第十一話 最強の雷! 陸上自衛隊決戦兵器出撃 (前編) 再生怪獣 サラマンドラ 登場! それらは、才人にとって、まさに夢のようなといえる光景であった。 ロマリア大聖堂の地下深くにある広大な空間。かつての地下墓地を利用して作られたという、その場所に収められていたのは かつて地球で活躍していた鋼鉄の獣たちの、在りし日そのままの勇姿であった。 ドイツの名戦車タイガー、小山のような巨大重戦車スターリン。時代を上り、現在なお一線にあるチャレンジャーやメルカバまで、 古今東西を問わない様々な戦車が所狭しと並べられ、才人の中の少年の血を騒がせる。 だが、才人の視線を釘付けにしたのはそれら戦車群ではなかった。大砲を構えた無骨な姿ではなく、一見すると兵器には 見えない巨大なパラボナを備え、しかしそこから... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-59
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第59話 予期せぬ刺客 UFO怪獣 アブドラールス 円盤生物 サタンモア 登場! 「さて皆さん、ここで質問です。あるスポーツで、とても強いチームと戦わねばならないとします。まともに試合をしてはとても敵いません。さて、あなたならどうしますか?」 「ふむふむ、『あきらめない』『必死に練習をする』。ノンノン、そんなことじゃとても敵わない相手です。たとえばあなた、ウルトラ兄弟を全員いっぺんに相手にして勝てますか? 無理でしょう」 「では、『反則をする』『審判を買収する』『相手チームに妨害をかける』。なるほどなるほど、よくある手段ですが、発想が貧困ですねぇ」 「いいですか? 本当の強者は、もっとエレガンツな方法で勝利を掴むものなのですよ。それをこれからお見せいたしましょう」 「んん? ... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-20
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第20話 彼の人はブリミル 友好巨鳥 リドリアス カオスヘッダー 古代怪獣 ドルバ カオスドルバ 登場! 「それでは、君は未来から来たというのかい?」 「ええ、自分でも頭沸いてんじゃないかなーとは思うんですが。おれの……ぼくのいた世界の六千年ほど前に、あなたと同じ名前の 偉人がいちゃったりするんですよね」 才人は、自分でも何言ってるんだと思うようなことを、なかばため息交じりで説明するはめに陥っていた。 ヴィットーリオの虚無魔法で次元を飛ばされてやってきたこの世界。初めて訪れるはずなのに、次々と既視感のある出来事に 出くわして、あげくの果てにブリミルという名前の青年まで現れてしまった。 ここまで来ると、いくら鈍い才人でも気がつく。この世界が、ハルケギニアの過去なのではないかということ... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-58b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 舞台は現代に戻り、現代のブリミルは、長い語りを終えてイリュージョンのビジョンを消して言った。 「以上が、僕とサーシャが体験してきたことの全てだ。わかってもらえたかな?」 伝説の謎が明かされ、場にほっとした空気が流れた。 まるで大作の映画を見終わったような感じだ。しかし、今見たのはすべてフィクションではない現実なのだ。 ハルケギニアはああして作られ、六千年の時を越えて今につながっている。それを成し遂げたのは誰のおかげなのか、その場にいた者たちは自然とその最大の功労者の前にひざまづいて頭を垂れた。 「ミス・サーシャ、あなたが聖女だったのですね」 「は?」 「あれー?」 いっせいにサーシャに礼を向ける一同に、サーシャはきょとんとした顔をするしかなかった。 ブリミルはといえば、わけがわからないよというような顔をする... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-34b
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 「やっほーっ! 先輩ー、おっそくなりましたぁ」 「ティア、遅刻したのにそれじゃ失礼よ。申し訳ありません、エーコ様、ビーコ様、シーコ様」 「ティラ、ティア!? あなたたち、また来たの」 広場の入り口から駆け込んできて、三人の前で止まったふたりの少女を見て、エーコたちは肩を落として困った様子を見せた。 その二人は、年のころはエーコたちと同じか少し上くらいに見えて、二人とも新春の若草のような鮮やかな緑色の髪を持っている。ただ、ぱちりと開いた瞳と整った顔立ちの美少女であったが、なんと二人はまったく同じ容姿をしていた。つまり双子である。 ただ、見分けられないかと言えばそうでもなく、ティアと呼ばれたほうは髪が肩までと短く、ティラのほうは腰まで伸びている。また、雰囲気もティアのほうがどこかふてぶてしいが、ティラのほうは小さな丸眼鏡をか... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-61a
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第61話 魔法学院新学期、アラヨット山大遠足! えんま怪獣 エンマーゴ 登場! 透き通るような青い空、カッと照り付けてくる日差し、そして背中に背負っている弁当の重み。 「夏だ! 新学期だ! 遠足だ! いえーい!」 「いえーい!」 早朝のトリステイン魔法学院にギーシュたち水精霊騎士隊と才人の能天気な叫び声がこだまする。その様子を、ルイズやモンモランシーら女子生徒たちはいつもながらの呆れた眼差しで見つめていた。 「まったくあいつらと来たら、これがカリキュラムの一環の校外実習だってわかってるのかしら?」 「ほんと、男っていくつになっても子供ね。あの連中、落第しないでちゃんと卒業できるのかしらね?」 校庭に集まっている全校生徒。彼らはがやがやと騒ぎながら、待ちに待ったこの日が晴天になったことを感謝して... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-16
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第十六話 空飛ぶ海月 超空間波動怪獣 メザード 登場! 「あそこが、通報のあった、なんとかって街かい?」 「ああ、ロマリア連合に属する自治領都市のひとつさ。平時であれば、風光明媚な観光地として賑わっているところなんだけどねえ」 「観光地って……これはもう、人が住めるようなもんじゃないだろう。廃墟……いや、街の半分が砂漠になってるじゃねえか」 寒風吹きすさぶ竜籠のゴンドラから見下ろす中、寒々しく痛々しい光景が目に映る。眼下の街は一千年来放置され続けていた かのように荒れ果て、その街を取り囲むロマリア軍の華々しく勇壮な姿とは天と地の悲しい風景画を描いていた。 「次から次へと……大っ嫌いな国だが、どれだけ関係ない人が苦しめられればいいんだ」 才人が、ロマリアに来てから嵐のように続く、無関係な人... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-60a
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第60話 ジョゼフからの招待状 UFO怪獣 アブドラールス 円盤生物 サタンモア 登場! 「ルイズ、それに使い魔の少年。悪いが、今度はお前たちが死んでもらおうか!」 「ふざけるんじゃないわよ! この卑劣な裏切り者。トリステインの面汚しのあんたに、トリステインの空を飛ぶ資格はないことを、お母様に代わって今度はわたしが思い知らせてあげるわ」 「俺は今はガンダールヴじゃねえけど、てめえに名前を呼ばれたくもねえな。二度とおれたちの前に現れないようにギッタギタにしてやるぜ、ワルド!」 互いに武器を抜き放ち、因縁の対決が幕を開けた。 ジョゼフの下に現れた謎の宇宙人の”デモンストレーション”により、トリステインにいるシャルロット派のガリア軍宿営地を襲った怪獣たち。アブドラールス、サタンモア、しかしそれらはいず... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-63
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第63話 魅惑の妖精亭は今日も繁盛Ⅱ 知略宇宙人 ミジー星人 三面ロボ頭獣 ガラオン 宇宙三面魔像 ジャシュライン デハドー星人のアンドロイド 登場! 見つめあう目と目。その視線の先には、それぞれみっつの顔が並んでいる。 「じー……」 横に、怒り、泣き、笑いのでかい顔が並んでいる三面ロボ頭獣ガラオン。 縦に、怒り、笑い、無表情の顔が胴体についている宇宙三面魔像ジャシュライン。 ガラオンを見つめるジャシュライン。ジャシュラインを見つめるガラオン。 トリスタニアの街のド真ん中で、こんな変な顔同士のにらめっこが起こるなどと誰が想像しえたであろうか? トリスタニアの市民は唖然とし、ウルトラマンダイナに変身しようとしていたアスカも、思わず変身を忘れて呆然としていた。 「なんだ... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-10
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第十話 ひび割れた誇り、才人を待つ地下墓地の槍 再生怪獣 サラマンドラ 登場! ガリアとロマリアの間で始まった理不尽で身勝手な戦争。ロマリアの陰謀に端を発し、ジョゼフがその企みに乗る形で開始された この戦いは、開幕の序章からすでに狂乱と本能の赴くままに暴れる惨状をなしていた。 ロマリアの軍と、越境してくるガリア軍との戦い。それは時をおかずに、立ち上る煙や大気を震わす轟音を持って、何も知らずに 今日の日を過ごしていた民人に、戦争が始まったのだという事実を知らしめた。 最初はときたまある国境でのものごとや、他国への示威行為の景気づけの大砲だと気にも留めていなかった近隣の住人も、 轟音がいつまで経っても収まらず、むしろ大きく近づいてくると平静ではいられなくなった。 ”これはいつもの遊びではない... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-69
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第69話 その呪いも抱き留めて 奇機械竜 ギャラクトロン 登場! リュシーの罠にかかり、意識を奪う洗脳針を今まさに打ち込まれようとしていたコルベール。しかし、まさに寸前のその瞬間、轟音をあげて室内に踊りこんできた者たちがいた。 『ライトニング・クラウド!』 突然室内に稲光が走り、たけり狂う電撃の奔流が部屋の物を破壊しながら轟音を後にして迫る。 「なっ!?」 閃光に目を奪われたリュシーは、思わず刺す寸前だった針を持ち上げながら顔を上げた。 魔法の電撃は部屋のあらゆるものを破壊しながら刹那に迫ってくる。しかし、直撃の寸前でジャックが魔法で空気の防壁を張り、空気中に電気の通りやすい抜け道を作ったことで電撃は逸らされてしまった。 だが、電撃と間髪入れずに部屋に飛び込んできた小柄な影が、ジャック目が... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-43
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第43話 勝者なき戦争のはじまり バリヤー怪獣 ガギⅡ カプセル怪獣 ミクラス 登場! ついに始まってしまったトリステイン・アルビオン連合とロマリア及びガリアの戦争。 聖戦を行うべきか否か、教皇は正義かはたまた悪か。ハルケギニアは二つに割れ、さらに形勢を貪欲に見守るゲルマニアも加えて、世界は激動の時を見守っている。 しかし、ハルケギニアを二分する大戦は見せかけで、裏では闇の勢力と光の守護者が激しくぶつかり合っていた。 トリステインの各地に出現した三体のガギ。以前確認されたガギの子供であるこの三個体は、本来ならば成熟にまだ時間がかかるところをジュリオにエネルギーを与えられて一気に成長し、それぞれが親同様に繁殖のために動き出したのだ。 ガギは、子供を育てるために、人間の子供の成長ホルモンを狙って... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-58a
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第58話 この星に生きるものたちへ カオスヘッダー カオスヘッダー・イブリース カオスヘッダー・メビュート カオスダークネス カオスウルトラマン カオスウルトラマンカラミティ カオスリドリアス 友好巨鳥 リドリアス 登場! 「泣かないで、ブリミル……」 自分の体が冷たくなり、意識が深い眠りの中に落ちていく中でサーシャは思っていた。 あなたをひとりにしてごめんなさい。けれど、わたしはいなくなっても、あなたは残る。あなたには、人が持っていない特別な力がある。その力を正しく使えば、きっと多くの人を救える。 さよなら……わたしの大嫌いな蛮人。さよなら、わたしの大好きなブリミル。 けれどそのとき、サーシャの心に不思議な声が響いた。 「君は、本当にそれでいいのか... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-18
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第十八話 引きちぎられた絆 剛力怪獣 シルバゴン 登場! 竜から降り、足を着けた聖マルコー号は異様なほど静まり返っていた。 「まるで幽霊船ね……」 ふたりを乗せてきた竜が飛び去り、甲板にルイズの声と、ふたりの靴底が船板を叩く乾いた音が小さく響く。 だが、それだけで、船の上には生気のかけらすら感じられない。船べりから覗けば、まだ地上では天使の奇跡に湧く人々の 騒ぎが見て取れ、歓声がここまで聞こえてくるというのに、まるで別世界のようだ。 「船員はどこに行ったんだ……? 前は、大勢いたはずだろ」 「気をつけてサイト、人の気配がまったくないわ。この船、ほとんど無人で動いてるみたい……教皇陛下のお召し艦に、そんなことがあると思う?」 「おれでもそんなヘマはしねえよ。どうやらもう罠だということを隠す気も... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-40
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第40話 才人からの贈り物 隕石小珍獣 ミーニン 隕石大怪獣 ガモラン 毒ガス幻影怪獣 バランガス 登場! 時に、ブリミル暦紀元前……この惑星は死の星と化していた。 ルイズたちが生まれる、六千年以上もさかのぼるはるかな過去の時代。平賀才人は、この時代の大地を踏みしめて歩いていた。 「サハラから西へ旅を続けて、もう一ヶ月は経つな……けど、今日も見えるのは砂嵐と荒地ばっかりか。ほんとにここが将来ハルケギニアになるなんて信じられないぜ」 汚れた空に、乾ききった大地がどこまでも連なる光景に、才人のつぶやきが流れて消えていく。 才人の周りでは、彼の属するキャラバンが、砂ぼこりを避けるためのぼろに似た外套をすっぽりとかぶって粛々と隊列をなしている。彼らは将来、この地がアルビオンと呼ばれる... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-48
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第48話 あの闇の中へ進め 深海竜 ディプラス 根源破滅天使 ゾグ(幻影) 登場! この世界の行く先を左右するであろうトリスタニアでの戦いを、全ハルケギニアや東方のエルフたちも注視している。 しかし、確かにそれは過去数世紀来の大事件であろうが、同等の重要さを持つ戦いが同じトリステインですでに始まっていることを知る者は少ない。 高次元捕食王アークボガール。惑星すら軽く食い尽くす恐るべき宇宙の悪魔を止めるべく、東方号は異世界からの救援を求めにラグドリアン湖の底へと潜行した。 だが、ラグドリアン湖の底はいまだハルケギニアの何人もたどり着いたことのない未知の領域である。どんどんと深さを増していく中で、水圧という悪魔は少しずつ東方号を握る手を強めていっていた。 深度千メイル、二千メイル、三千メイル。... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-46
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第46話 深淵への出発 深海竜 ディプラス 登場! 「一度潜れば、もう二度と浮かんでくることはできない」 コルベールから告げられた残酷な真実は、それを聞いていた者たちを例外なく絶句させた。 未完成の東方号。それであと十二時間以内にラグドリアン湖の底へと辿りつくためには、潜るため以外の全て、乗り込む人間の命すらも捨てなくてはいけないのだという。 定員は六名。その六名は、作戦成功と引き換えに確実に命はなくなる。 コルベールは、この方法だけは言いたくなかったというふうに、説明を終えるとうつむいて口をつぐんでしまった。この作戦では必ず犠牲が出てしまう。気の優しい彼は決してこれは使いたくなかったのだろう。 が、ほかに手段があるかといえば否だ。あったとしても準備をしている時間がない。 その、あまりに... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-26
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第26話 魂のリレー ロボット怪獣 ガメロット 登場! 異世界ハルケギニアを舞台にした、ウルトラマンAと異次元人ヤプールの戦いが始まって、一年あまりの月日が流れた。 その戦いを顧みてみて、エースは苦しい戦いを、多くの人々の助力を得て乗り越えてきた。 そう、ウルトラマンといえど限界はある。圧倒的な闇の力に対抗するためには、仲間の力が欠かせないのだ。 ヤプールを倒すため、ハルケギニアの人々は勇敢に立ち向かい、さらに地球と光の国からもエースを救うべく勇者たちが立ち上がった。 だが、次元を超えて地球からハルケギニアへと渡ろうとしたCREW GUYSの試みはヤプールによって妨害され、亜空間ゲートは完全に封じられた。 その後、才人たちは地球からの援軍を失ったことで苦戦を強いられながらも、エルフの都アデ... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-75
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第75話 嵐を呼ぶ怪獣エレキング 宇宙怪獣 エレキング 登場! ド・オルニエールで温泉を楽しむ少年少女たち。 しかし、突然温泉が沸騰し、ド・オルニエールの水という水が熱湯に変わるという異変が起こった。 異変の元凶は、湖の中に潜んでいた宇宙怪獣エレキング。 しかし、通常のエレキングとは違って、こいつは信じられないほどの高熱を体から放つ特殊個体だった。 「あの怪獣、一匹だけじゃなかったのか!」 「どうするんだいギーシュ隊長? 命令をくれよ」 「決まってるさ。一度倒した相手に臆したとあっては騎士の恥、水精霊騎士隊全員、杖取れーっ!」 ギーシュの掛け声で、水精霊騎士隊は表情を引き締めて、今まさに自分たちに向かって湖面を進んで来る怪獣を睨みつけた。 エレキングを放っておけば、ド・オルニエールは... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-32a
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第32話 君の名は勇者 吸血魔獣 キュラノス 登場! 「わたし、ずっとあなたに会いたかった。また……来てくれたんですね。ウルトラマンコスモス」 「それは違う……私を呼んだのは、ティファニア、君だ。君のどんなときでもあきらめない勇気が、輝石を通して私を再び導いてくれたのだ」 光の中での再会。それは運命でも偶然でもなく、未来を信じる強い心が呼んだ奇跡であった。 そう、奇跡はあきらめない人間のところにしか降りてこない。しかし、心を強く持ち、どんな困難にも立ち向かう勇気があれば、新たな奇跡を呼び寄せることもできるのだ。 ただし、奇跡はただ起こすだけではいけない。奇跡を糧にして、なにかをやりとげることが大事なのだ。ティファニアはコスモスの作り出した精神世界の中で、心からの願いを込めてコスモスに訴えた。 「... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-81
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第81話 世紀末覇王誕生 古代怪獣 EXゴモラ ロボット怪獣 メカゴモラ 登場! トリスタニアへ買い物に来ていたルイズたち一行は、かつて倒したはずのEXゴモラに襲われた。 才人がいないのでウルトラマンAにはなれない。しかし、ティファニアの変身したウルトラマンコスモスがEXゴモラに立ち向かう。 そのとき、地底からゴモラが現われてEXゴモラに挑みかかっていった。 激突する二匹のゴモラ。だが、ゴモラは味方のはずのコスモスにまで攻撃を仕掛けて倒してしまう。 明らかにおかしいゴモラの行動。さらに、戦闘ではがれ落ちたゴモラの表皮の中から機械のボディが現れた。 偽物の表皮を焼き捨てて、その正体を表すメカゴモラ。 圧倒的なパワーを振りまくメカゴモラにルイズたちは戦慄し、EXゴモラを操っている宇宙人... -
ウルトラ5番目の使い魔、第三部-52
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第52話 ハルケギニアの夜明け 破滅魔人 ゼブブ 精神寄生獣 ビゾーム 破滅魔虫 カイザードビシ 登場! 異世界ハルケギニア。その精神の根幹を成してきたのは、六千年前にハルケギニアを作ったという聖人・始祖ブリミルの教えを語り継いできたというブリミル教である。 しかし、六千年という時間は、その原初の精神が残され続けるにはあまりにも長い時であった。 どんな精密なコピーでも百回、千回と繰り返せばデータが磨耗していくように、ブリミル教の内容も幾星霜の中で変化してきた。 しかも、本来ならば正しい精神を継承すべきそれに、悪意が潜んでいたことが、後の世に混沌を生むことになる。 「僕は自分の考えを宗教にしてほしいなんて思ったことは一度もないよ」 才人からブリミル教というものがあることを教えられたとき... -
ウルトラ5番目の使い魔-23
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第23話 無限と光の旅立ち!! ウルトラの父 ゾフィー ウルトラマンタロウ ウルトラマンメビウス ウルトラマンヒカリ 登場! 双月も山影に沈み、しんしんと、優しい闇が学院を包んでいた。 フリッグの舞踏会は、魔法学院始まって以来例を見ない盛り上がりのうちに幕を下ろした。 踊り疲れて、草原に人々が倒れ伏したとき、オルフィの歌も終わり、チンペもパンドラに迎えられて母親も元へと 戻っていった。 そのとき、あのベアトリスがパンドラに向かって深く頭を下げていたのは、彼女を見る大勢の人の目を別のもの に変えていた。 そうして、パンドラとオルフィは、再び草原の土を掘り返すと、地底の怪獣の世界へと帰っていき、大勢の人々が 「またこいよー」と手を振って見送った。 ガラ... - @wiki全体から「ウルトラ5番目の使い魔、第三部-12」で調べる