あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「ゼロと桃色の魔法使い」で検索した結果
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ゼロと桃色の魔法使い
...ジピンク) ゼロと桃色の魔法使い-01 -
ゼロと桃色の魔法使い-01
ゼロと桃色の魔法使い 一話 その日、急いで部屋のドアを開けたらでっかい鏡があった。 大きなお腹を抱えた妹は鏡の中へ消えていく姉を引きとめようと手を掴んだが、結局彼女は鏡の中へと消えてしまった……。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ! 神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! 我が導きに、応えなさい!!」 もう百度も繰り返された呪文。空では星が輝き始め、いつものように爆発が起きたが、煙の向こうに影が見える。 「やった!成功したわ!」 しかし……煙が晴れた先に居たのは……… 「ここどこー?麗ちゃーん?あれー?おかしいなー。さっきまで家に居たはずなのに………」 少しとぼけた表情をした女が一人。服装は制服に見えなくも無いが、きっと平民だろう。 顔は結構な... -
長編(五十音順)-07
... 46 (Fri) ゼロと桃色の魔法使い 魔法戦隊マジレンジャー 小津芳香 2008-02-20 17 04 12 (Wed) ゼロの守護月天 まもって守護月天! シャオリン 2007-08-15 23 31 08 (Wed) マリア様が使い魔 マリア様がみてる 小笠原祥子 2011-08-31 10 50 07 (Wed) カメの使い大魔王 マリオシリーズ クッパ 2015-08-02 16 37 55 (Sun) 虚無と金の卵 マルドゥックヴェロシティ ウフコック 2009-01-02 23 27 11 (Fri) クライムプランナー Mr.クィン ジェラード・クィン 2008-03-06 16 11 59 (Thu) Missing zero 魔法使いと魔女の物語 Missing 十叶詠子 2008-06-01 00 05 26 (Sun) ゼロノマキバオー みどりのマキバオー... -
ルイズと夜闇の魔法使い
召喚キャラは「ナイトウィザード」から柊蓮司と志宝エリス 基本TRPG「ナイトウィザード」の各種設定をふまえて ただし宝玉の少女の件に関してはアニメ版準拠 シェローティアの空砦は起こらない エル=ネイシアについては起こるかもしれない 下二つについて、一応分類として「セブン=フォートレス」のものなので除外 ルイズと夜闇の魔法使い-01 ルイズと夜闇の魔法使い-02 ルイズと夜闇の魔法使い-03 ルイズと夜闇の魔法使い-04 ルイズと夜闇の魔法使い-05 ルイズと夜闇の魔法使い-06 ルイズと夜闇の魔法使い-07 ルイズと夜闇の魔法使い-08 ルイズと夜闇の魔法使い-09 ルイズと夜闇の魔法使い-10a ルイズと夜闇の魔法使い-10b ルイズと夜闇の魔法使い-11 ルイズと夜闇の魔法使い-12 ルイズと夜闇の魔法使い-13 ルイズと夜闇の魔法使... -
へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い
新ソード・ワールドRPGリプレイよりへっぽこ冒険隊の「イリーナ、ヒース」。 第一部~ハルケギニアの魔法の国~ へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第0話 へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第1話 へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第2話(前編) へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第2話(後編) へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第3話 へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第4話 第一・五部~ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドの憂鬱~ へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第5話(前編) へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第5話(後編) 第二部 へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第六話(前編) へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第六話(後編) -
虚無と夜闇の魔法使い
――――――――――予告―――――――――――― ―――空に浮かぶは二つの月 ―――世界を統べるは魔法の力 今、ハルケギニアを舞台に新たな物語が始まろうとしていた。 少女の声に呼ばれ、異世界から召喚されし一振りの魔剣を持つ少年。 彼は侵魔から地球を守る為、過去に忘れ去られし古の力―魔法―を駆使して戦う魔法使い"ウィザード" ――その少年の名は柊蓮司。またの名を「下がる男」―― 柊蓮司「そのネタはもういいんだよっ!」 ≪虚無と夜闇の魔法使い≫ ――少年と少女が出会った時、世界は新たな歴史を紡ぎ出す。 異世界の住人である彼は、この世界に何を齎すのか! 柊蓮司「お、俺の魔剣がーっ!?」 ... -
ルイズと再生の魔法使い
「アリアンロッドリプレイ・ルージュ」よりトラン=セプターが召喚される話 ルイズと再生の魔法使い・プロローグ -
ゼロの使い魔は魔法使い(童貞)-03
前ページ次ページゼロの使い魔は魔法使い(童貞) このトリステイン魔法学院には宝物庫というものが存在する。 その中ある宝物を盗もうと企んでいる盗賊がいた。その名も『変わり身のフーケ』 彼女からトリステイン学院に予告状が送られてきたのが先日の話だ。 『あなたの学院の宝物庫からあるものを盗みます フーケ』 変わり身のフーケという二つ名は周りの人物が畏怖をこめてそう呼んでいるものだ。 彼女は戦闘中にある姿に変わりその姿を見たものの命はないという。 「ねえ……どっかで聞いたことある事と思わない?」 「……っえ?」 ルイズとエイジは宝物庫の見張りをしていた。 二人して扉の前に座り込み、ルイズはフーケによる被害状況がかかれた紙を眺めていてエイジにそんな質問をしたのだ。 「あんたの"魔法"と似ている気がするのよ。戦闘中に姿を変えるとか、魔法を見た... -
ゼロの使い魔は魔法使い(童貞)-04
前ページゼロの使い魔は魔法使い(童貞) 「………なるほど。」 学院長であるオールド・オスマンはルイズ達から話を聞くと大きく頷いた。 「とうとう奴の言っておった者が復活したか………これは厄介じゃのう。」 「オールド・オスマン! そんな悠長なことを言ってないで早くフーケを…」 「残念だがお主ら相手でも勝てんじゃろう。たとえどれだけ数があろうとも。」 「そんな………」オスマンはルイズの声を退けた。そしてルイズ達の顔を見渡し、こう続けた。 「じゃが、対抗する方法がひとつだけある。それはおぬしの力を復活させることじゃ。」 「…………えっ?」 オスマンが杖を向けた相手はすでに魔法が使えなくなったド変態である使い魔のエイジであった。 翌日、ルイズ達とオスマンは宝物庫の中にいた。 はじめてみたそれは見たところガラクタばかりで、ルイズには価値がわかりかねるものばかりで... -
ゼロの使い魔は魔法使い(童貞)-01
前ページ次ページゼロの使い魔は魔法使い(童貞) 「あんたわかってるの!? 相手は貴族なのよ、平民が勝てるわけないじゃない!」 「しかし……自分で蒔いた種は自分で摘まねばなりません。どうかわかって下せぇ……」 「あっ、あんたね……」 ルイズは使い魔である彼の強情さにたじたじになってしまう。彼はこう続けた。 「お嬢さん……ここは逃げてください。」 「でも……」 「魔法を使います」 遂にルイズの使い魔である彼の口からその言葉が発せられた。 それを聞いたルイズは彼に言われたとおりの事を行った。 「みんな逃げて!! でないとみんな死んじゃうわよ!!」 そう言ってルイズ達は皆この場から逃げる事にした。そして今、ここにいるのは決闘相手であるギーシュ・ド・グラモンとルイズの使い魔であるエイジだけである。 「そんなに魔法を使うのが嫌なのかね。全くもっ... -
ゼロの使い魔は魔法使い(童貞)
「ドスペラード」のエイジを召喚 ゼロの使い魔は魔法使い(童貞)-01 ゼロの使い魔は魔法使い(童貞)-02 ゼロの使い魔は魔法使い(童貞)-03 ゼロの使い魔は魔法使い(童貞)-04 -
魔法使いと召喚師
「サモンナイト」よりクラレット召喚 魔法使いと召喚師-1 魔法使いと召喚師-2 魔法使いと召喚師-3 魔法使いと召喚師-4 -
ゼロの使い魔は魔法使い(童貞)-02
前ページ次ページゼロの使い魔は魔法使い(童貞) 「信じらんない! なんで私の下着なんか待ち歩いてんのよっ!!! あんた頭おかしいんじゃないの!?」 部屋に戻るとルイズの叱責が始まった。エイジは頭を下げたまま黙って聞いている。 「その分だと……私の上着とかも持ってそうね!!」 「……これのことで?」 エイジの手にはルイズのネグリジェがあった。よりによって彼女のお気に入りのものだった。 「この腐れド変態がッ………」 ルイズは握り拳をわなわなとふるわせて思いっきりエイジの顔を殴った。 エイジはよけることなくそれを受けた。鼻から少しだけ血が出た。 「お嬢さん誤解です。これは好きでもっている訳じゃあありやせん。」 エイジは言い訳を始めた。さっきのルイズの下着も好きでもっている訳ではないらしい。 「自分の"萌"属性にはMPと... -
ランス外伝~ゼロと鬼畜な使い魔~-03
前ページ次ページランス外伝~ゼロと鬼畜な使い魔~ 翌日、シィルが目覚める。 とても清清しい朝である、洗濯物を干すにはぴったりと言うべきだろう。 ランスはまだ寝ている、隣にいた謙信は散歩に言ってるようだ。――というか知らない土地の散歩は迷わないのか。 横には洗濯をする下着が丁寧に置いてある。 シィルはまず、ルイズが寝てる元に向かう。 ルイズの寝顔はかわいいが、正直言うと起きてるとがやがや五月蝿いのでそのまま寝てて欲しかった。 だが起こせと命令されたので、起こす。 「ルイズさん、朝ですよー。」 中々起きない、まだ寝息をたてている。 そこでシィルは思いつく、乱暴に布団を剥がすときっと怒られる。 まずシィルはゆっくりと布団を剥ぐ 次に呪文を唱える。 「ぷち氷の矢、ぷち氷の矢」 徐々にルイズの顔が寝苦しそうになる、当たり前であるネグ... -
ゼロと迷宮職人-02
前ページ次ページゼロと迷宮職人 ゼロと迷宮職人 第二「階」 これからのご主人様にはダンジョンがあります /1/ 朝。ルイズにしては珍しく、すっきりと目が覚めた。昨日一日のことが怒涛のように 思い出される。平民、アレン、ダンジョン。ダンジョン! 「アレンッ!」 記憶の刺激に思わず名前を呼んでみれば。 「ふあっ!? ……おはようございます」 寝ぼけ眼の少年が飛び起きた。ほっと無い胸をなでおろすルイズ。とてもスムーズに 撫で下ろせた。それはさておき。夢ではなかったのだ。 「さ。さっさと支度をしなさい。授業終わらせてダンジョンへ行くんだから!」 早くしたところで授業は時間通り進むだけなのだが、気が逸っているルイズには それすらどうでもいいらしかった。 さっそくクローゼットから服やら下着やらを取り出す。貴族たる... -
魔法使いと召喚師-1
荒野の果て。 本来ならば誰も近寄らぬその場で、その儀式行われていた。 その径、数十メートルはあろうかという魔法円。 その数、数十人からなら召喚師の集団。 この世ならざるもの、魔を司る王を呼び寄せる儀式である。 世界の再生のために、世界を破壊する者達。 それが彼ら。 少女は諦めていた。 自分が器とされることに。 自分が贄とされることに。 これが自分の宿命であると、自分を騙していた。 子に親を選ぶ権利はなく、彼女の親は召喚師だった。 それだけのこと。 だけど、最後の瞬間、彼女は願ってしまった。 生きたい、と。 助けて欲しい、と だから、それはきっと奇跡ではなく必然。 精緻に編まれた術に、他所からの召喚という楔を打ち込まれた。 輝ける鏡が捕らえた獲物は、儀式の要、魔王の依り代、捧げられし娘。 全ての意味は崩壊し、織りこまれた式は意味を... -
長編(話数順)-01
... 44 (Sun) ゼロと桃色の魔法使い 魔法戦隊マジレンジャー 小津芳香 2008-02-20 17 04 12 (Wed) カメの使い大魔王 マリオシリーズ クッパ 2015-08-02 16 37 55 (Sun) クライムプランナー Mr.クィン ジェラード・クィン 2008-03-06 16 11 59 (Thu) Missing zero 魔法使いと魔女の物語 Missing 十叶詠子 2008-06-01 00 05 26 (Sun) ゼロノマキバオー みどりのマキバオー マキバオーとチュウ兵衛 2009-10-02 21 16 23 (Fri) ハルケギニア外伝 機忍・零 未来忍者・慶雲機忍外伝 白怒火 2009-09-14 15 20 57 (Mon) ムシウタzero-紫電の使い魔- ムシウタ 獅子堂戌子 2008-01-05 15 53 41 (Sat) わかり... -
へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第1話
第1話「使い魔は猛女」 トリステイン魔法学院に、今日も今日とて爆音が響き渡る。 「今度こそ、来なさい!」 桃色の髪の少女が一心不乱に呪文を唱え、手にした小さな杖を振る。爆発、轟音。 二年生に進級した際行われる、使い魔召喚の儀式。彼女はそれを失敗し続けていた。 「ゼロのルイズがまた1ゾロを振ったぞ!」 「魔法を失敗するたびに10点貰ってたらゼロのルイズは今頃10レベルだぜ!」 「1ゾロとか10レベルって何だよ?」 ルイズと呼ばれた桃色の髪の少女と似たような格好をした少年少女たちが、彼女を嘲笑する。 だがそれもごく一部、数人程度のことだ。それ以外の少年少女は白けた雰囲気を出していた。 「あー、ミス・ヴァリエール。もうすぐ日が暮れる、一先ず切り上げ明日にしてはどうだろう? 何も今日呼び出さなければ駄目、というわけでもないのだから」 一人だけ年齢も着ているものも違う、教... -
ルイズと夜闇の魔法使い-13
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 「ヒ、ヒイラギ……」 柊の腕に抱きかかえられたまま、ルイズは呆然と声を漏らした。 そんな彼女をよそに柊は僅かに眉を顰めて手にした魔剣――デルフリンガーを睨みつけて唸る。 「お前……"喰い"すぎだ」 『すまねえ。何しろ初めてだもんで加減がわからんかった』 言葉とは裏腹にデルフリンガーは愉しそうに漏らすと、くつくつと笑い声を上げた。 『しかし《生命の刃》か……こいつはゴキゲンだな。まさかこのカラダで食事なんてモンができるとは思わなかったぜ』 生命力を流し込まれてご満悦のデルフリンガーに柊は苦々しく舌打ちすると、改めてルイズを見やった。 「てか、お前も一体何やってんだよ」 溜息混じりに漏らしながら柊は抱きかかえたルイズを降ろそうと身を屈めたが、彼女は柊にしがみついて頭を胸に埋めた。 「お、おい... -
ゼロとヲタ少女 03
前ページ次ページゼロとヲタ少女 翌日。ルイズにパソコンを爆破され鬱状態のこなたはダラダラと通学路を歩いていた。 内心、学校どころではなかったが父は仕事上常に家にいるのでサボるわけにもいかず、 こうしてどんよりとした空気を纏い登校している。 「おーっす」 「こなちゃんおはよー」 のろのろと振り返ると友達の柊かがみとその妹、柊つかさがいた。 「…ふたりとも、おはこんばんちはー…」 「あ、朝から暗いわね。つか何よその挨拶」 「こなちゃんどうしたの?」 「実は昨夜、かくかくしかじかでさぁ…」 「いや、わかんねーよ。漫画じゃないんだから」 ツッコミを入れるかがみ。呆れる姉に代わり、つかさが問いただす。 「ほんとにどうしたの?」 「どうせ深夜番組の録画に失敗したとか、そんなんでしょ?」 「…昨日の夜にパソコンが爆発してね、... -
ゼロと魔砲使い-01
前ページ次ページゼロと魔砲使い プロローグ・被召喚者の事情 0077.9.18 第64管理外世界。 ここ第64管理外世界は、放棄世界……星としての生命力が尽きかけた、見捨てられた荒野の広がる世界である。 荒野と廃墟だけは無数にあるが、かつてはいたと思われる住民も遙か昔より行方は知れず、動植物もきわめてまれである。 入植しようにも地力すら尽きたこの地においては再生費用がとうてい採算ラインに及ばず、ということで現在もただの空き地として事実上野放しになっている世界である。 ただ、残された遺跡の調査や、犯罪者達に対する警戒は怠りなく行われており、また、管理局武装隊関連の演習場としても活用されている。遺跡も文明の進化度合いから一部の学者がある意味興味本位で行っている程度のものであり、特に危険視はされていない。 だが、ある意味それが... -
ルイズと夜闇の魔法使い-18
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 「さて、それでは本題に入るとしようか」 正面の椅子に座りなおした柊を見やりながらフール=ムールは何事もなかったかのように切り出した。 ちなみに今までその席に座っていたルイズは――卒倒したシエスタと共にベッドに身を横たえ、涙で枕を濡らしている。 ……そっとしておいた方がよさそうだ。 「ん~……本題っつってもなあ」 フール=ムールの言葉に柊は困ったように眉根を寄せて頭をかく。 何しろ今までのやりとりで事実上ここにきた目的は果たしてしまったと言ってもいいぐらいなのだ。 「とりあえず確認しとくが、お前はこの世界で物騒な事をする気はないんだな?」 「世界をどうこうするつもりは毛頭ないよ。無銘の神として少しばかりの信仰を受けつつのんびり暮らせればそれでいい」 「……本当だな?」 「私は百年前にこの世界に召喚され、そして... -
ゼロと魔砲使い-29a
前ページ次ページゼロと魔砲使い ルイズ達が帰ったその日の夜、ラ・ヴァリエール公爵は、久々に愛する妻を己の寝室に迎え入れていた。 元々公爵も昨日まで国境付近の視察に出ていたので、この事自体はごく当たり前のことである。だが今夜の彼女は、いつもと違っていることに公爵は気がついた。 長年連れ添った愛妻である。情の交歓も、お互いに慣れた者同士の、しっとりとしたものになっている。 だが、今宵の妻の様子は、いつものそれとは一変していた。二つ名の如く荒れ狂う嵐のような、名前とは裏腹の猛り狂う業火のような、そう……それは二人が初めて出会ったときのような、激情を胸に秘めていた乙女の頃のようであった。 「どうしたんだい? 今の君は、まるで結婚する前の君のようだ」 そんな彼女の様に引かれたのか、公爵の言葉も、今の歳にはあまりに合わない、若々しいものになっている。 ... -
ゼロと人形遣い-8
前ページ次ページゼロと人形遣い ゼロと人形遣い 8 トリステイン魔法学院2年生の教室。 そこでは、昨日念願の春の使い魔召喚の儀式を行なったばかりの生徒達が、授業前の時間を利用して話しに花を咲かしていた。 当然、昨日の事で盛り上がっている・・・かと思いきや、実際は別の話題で盛り上がっていた。 「おい、見たかよ。食堂の」 「当たり前だろ。それにしても」 「あの時のルイズの顔といったら」 「さすがはゼロよね~」 「あんなのが公爵家の」 「本当に笑わせてくれるよ」 そう、生徒達の話題の大半は朝の食堂での事件だった。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 通称「ゼロのルイズ」と呼ばれる彼女は 、貴族のみが通えるトリステイン魔法学院の中でも特に身分が高い名門ヴァリエール家の三女である。 なぜ彼女がこのような悪口を言わ... -
ゼロと聖石-23
前ページ次ページゼロと聖石 店が開いてからの魅惑の妖精亭は修羅場だ。 客にサービスしながらオーダーを取り、場合によっては自分で調理。 隙を見て皿洗いやその他雑用。 店を出るお客様のお会計にお見送り。 忙しい、ああ忙しい、忙しい。 今日も今日とてがんばって働いてます。 と言いたかった所だが――― 「この店の女だってのは分かってるんだ、出て来い!!」 外から響く、無粋な声。 ここはお酒を楽しむところであって、貴族が杖を抜く場所ではない。 ジェシカと目が合い、頷きを持って返す。 ―――万が一の場合はお願い。 ―――了解。 下準備は整ったので、ホールを抜けて店の前に出る。 目の前に居るのは昨日の貴族に、雇われの傭兵達。 その数、しめて十人。 ………あー、人間できることと出来ないことの二種類あるんだよね。... -
ゼロと魔王-08
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第8話 聖剣杯 第一回戦 「さ〜〜あ!やって参りましたよ聖剣杯第一回戦!!実況はコルベール!」 「解説は学院長であるわしがやるぞ」 なぜかノリノリなコルベールとオールドオスマンが実況解説をしている中で、対戦者同士が睨み合っていた。 「まさか、初戦の相手があなたとはね・・・ツェルプストー!!」 そう言って今にも噛みつきそうなルイズ。 それとは対照的に、余裕そうな態度を崩した様子もなくキュルケは言う。 「初戦があなたとはね・・・これは楽勝なんじゃないかしら?」 「なんですって!?」 「だって、あなた魔法使えないでしょう?」 「ラハール!!あんた絶対に・・・・あんたなんか顔色悪いわよ?」 「初戦の相手はあれか・・・?」 「そうよ!だから絶対に勝たないといけないのよ!」 「オレ様はこの戦... -
一覧テスト02
...50 (Tue) ゼロと桃色の魔法使い 魔法戦隊マジレンジャー 小津芳香 2008-02-20 17 04 12 (Wed) 使い魔はPSI能力者 MOTHER3 リュカ 2008-02-12 18 26 19 (Tue) クライムプランナー Mr.クィン ジェラード・クィン 2008-03-06 16 11 59 (Thu) ムシウタzero-紫電の使い魔- ムシウタ 獅子堂戌子 2008-01-05 15 53 41 (Sat) ルイズ・キングダム!! 迷宮キングダム 『小鬼小王』クロビスと宮廷メンバー一行 2007-11-29 19 18 32 (Thu) SnakeTales Z 蛇の使い魔 メタルギアソリッド ソリッドスネーク 2009-04-30 23 41 00 (Thu) ゼロノマキバオー... -
魔法使いと召喚師-4
自身が貴族であるために必要な召喚だった。 彼女はそれに応えてくれた。 だから彼女が胸を張って『主』だと言えるようにありたい。 ~魔法使いと召喚師~その4 逃げ出したくて手を伸ばした。 魔法使いがそれを掴んでくれた。 その瞬間から、魔法使いは彼女の『主』になった。 ――使い魔は主と一心同体 そんな大嘘をついたのはどこの誰なのだろう。 * * * ギーシュ・ド・グラモンは、自身を『薔薇』と定義している。 彼曰く、薔薇は多くの人を楽しませるために咲くものだ。 故に彼は、悲しそうな女性を無視することなどできないのであり、 その考え方は、相手が某『ゼロ』の使い魔であっても変わらなかったのである。 で、その使い魔といえば、アルヴィーズの食堂の隅っこでションボリしている最中であった。 ルイズが後始末完了の報告を済ましにい... -
ゼロと魔王-01
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第1話 召喚された魔王 そこはどんな海よりも深く、どんな闇よりも暗い場所にあるという。 闇に魅入られた禍々しい者どもが集う暗黒世界――――― 彼の地がどこにあるのか。 それは定かではない。 しかし、誰もがその存在を信じ、畏れていた。 それが魔界。 天界、そして、人間界と共に3界を構成する闇の世界。 長い間そう信じられてきた。 もっともこれは、魔界で起きる事件ではなく、とある魔王が、ゼロと呼ばれる少女に召喚されるお話である。 ラハールは、雲の中を飛んでいた。 というのも、誰かに仕事をさぼって抜け出ていたことを知られるのは都合が悪いからだ。 「いくら今魔王城にエトナやフロン、そしてシャスとサクラがおらんとは言え誰かに見られて、抜け出ていたことがエトナにバレたら、何を言われるか... -
ゼロと獅子-01
前ページ次ページゼロと獅子 「アルケオダイノスが大繁殖していたから討伐してほしい」 その依頼はスコールにとっては鬱になることこの上ない話だった。 どのくらいなのか? そう聞いても要領を得ず、結局自ら出向くことになった訳だが具体的な回答ができないという時点で終わっている。 地下に続く洞窟の奥に異常な数のアルケオダイノスが生息しており、異常で対処できないから倒してくれ、という話なのだが何故そんな所に行く事になったのか非常に気になる問題だ。 自ら進んで人間を襲うモンスターは討伐を良しとするが、人間の方から近寄って襲われ、それを討伐してくれという話は正直な所好ましくない。 ではあるが、具体的な数を挙げないというのはやはり見逃せないところだった。 誰かが犠牲になってからでは遅い訳であり、どの程度の数がいるのか正確に知っていれば対処のしようもある。 依頼主との... -
ゼロと電流-04
前ページ次ページゼロと電流 ルイズの虚無曜日の朝は爽やかに始まった。 大きく伸びをして外を見ると良い天気。出かけ日和だ。 夜の内に汲んでおいた水で顔を洗い、服を着て出かける準備を整える。 数日前まで壁に立たせていたザボーガーはいない。 ザボーガーがルイズの部屋からいなくなった日、学生寮となっている塔のすぐ外に、小さな馬小屋のようなものが建てられた。そこにザボーガーは、マシンザボーガーの形で停められている。 小屋を建てたのはコルベールである。 別にルイズが要求したわけではない。コルベール、いや、学園側から言い出したのだ。 まず最初に、ルイズが依頼した。ザボーガーに固定化の魔法をかけてもらえるように、コルベールに頼んだのである。 ルイズにとって、ザボーガーの仕組みは謎である。しかし、メットから流れ込んできた感覚と情報から、少なくとも自分たちが思っ... -
ゼロと妖精
ゼロと妖精 あのレコン・キスタとの戦いから二年後のラ・ロシェールの街の酒場。 「……あたしだって…あたしだってこれでも二年前は「土くれ」と呼ばれていた盗賊だったのさ。」 フーケを自称するポニーテールの女性が頼んだウイスキーをクイッと一気飲みしてそう言った。 「フフフ…二年前はいろいろな貴族からいろんな宝盗んだりしてさぁ…」 「お前にとっては、そのときが十分に生き甲斐を感じられた時だったのか?」 隣に座っているフードを被った赤いロングヘアーの女性が酔い覚めのために頼んだ水をちょびっと飲みながら言った。 「ええ、だって私には娘同然の子を養うために大金が必要だったのよ…。でも色々あって……今はまともに働いて養ってるわ。」 「そうか…足を洗ったというわけか。」 ロングヘアーの女性はそう言って水を一気飲みすると... -
ゼロと疾風-01
前ページ次ページゼロと疾風 黒い壁があった。それは、例外なく目の前に現れる。ストリートのガキにも、大統領でさえ。 ほとんどのモノは、それを砕くことは出来ず、乗り越えようとするモノは爪が剥がれ、赤い筋を残すことになる。 ほとんどのモノはその壁から目をそらす。しかし、その壁に真っ向から向かい合っているモノもいる。 その黒き壁にあがこうとする人間がいる。この物語はそんな人間の物語。 現在、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは医務室にて頭を抱えて一人の男を見ていた。男はベッドの上で気を失っている。 ルイズは二年生へ進学する際のサモン・サーヴァントによってこの男を召喚・契約したのだ。 「なんで、こんな奴召喚しちゃったのよ・・・・・・」 先日、「サモン・サーヴァントには自信がある」と言ってしまったばかりである。 その結果がこれ。... -
ルイズと夜闇の魔法使い-02
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 未知の場所を訪れるにあたってまず重要な事。それは情報収集。 そんな訳でルイズに連れられてトリステイン魔法学院に辿り着いた柊達は、ルイズにこの世界がどんな場所なのかを聞いた。 当然それに返って来るルイズの反応は懐疑と憤懣ばかりだった訳だが、召喚直後の興奮状態からは幾分落ち着いたのか何とかまともに話をする事ができた。 そしてわかったのはこれらのこと。 この世界はハルケギニアという世界であること。 その住人は貴族と平民に分類されていること。 系統魔法と呼ばれる魔法があること。 ……要するに、ハルケギニアはごくごく普通の中世風ファンタジー世界であること。 異世界に来るのが初めてになるエリスは一つ一つ興味深げに聞いていたが、すでにそういった世界を経験している柊にとっては別段驚くような事はなかった。 ... -
ルイズと夜闇の魔法使い-12
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 『――この世のすべての物質は、小さな粒より為る』 彼女はそう言って、少女へと歩み寄った。 少女は鳶色の瞳を大きく見開き、魅入られたように立ち竦む。 『土、水、火、風。 四の系統はその小さき粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり』 言の葉を紡ぐ彼女から、光が零れる。 夜着の上から鮮やかに浮かぶその光は彼女の全身を満たしなお溢れ出す。 『四の系統が影響を与えし小さな粒は、さらに小さな粒より為る』 青く青く輝く彼女の左眼。 そこに追従するように左半身から光が零れだした。 放たれる光の尾は七筋。 夜闇を切り裂くような七翼を纏う、悪魔(シャイターン)が其処にいる。 『万物を構成する小さき粒、その根源と為る粒』 彼女はゆっくり... -
ゼロと帽子と本の使い魔01
桃色の髪の少女が起こすそれが、何度目の爆発なのか、それを数えているものは一人も居なかった。 周りを囲む少年少女達は、繰り返される爆発を囃し立てる者、早く終わって欲しいとうんざりした表情をしている者、興味を向けずに居る者、の三者に大別されていた。 中央に立ち集団を監督する男性、魔法使いにして学院の教師であるコルベールは当然心無い生徒達と同じようにそれを囃し立てることはない。そして立場からくる責任感と生来の気性から、無関心でもいられなかった。 彼は事態の終結を願う集団の一人だった。 彼がその集団の他の者達と違うのは、他の者が少女に対し「早く諦めろ」と言った思いでいるのに対し「なんとか成功して欲しい」と願っている事だった。 彼は特別その生徒に思い入れがあるわけではない。その彼をして思わず応援させてしまうほどに桃色の髪の少女、ルイズは懸命だった。 使い魔召喚の儀式の... -
ルイズと夜闇の魔法使い-23a
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 「なるほどなあ……」 手にしたシャベルの刃を蹴りつけながら、柊は嘆息交じりに言った。 柊達と同じくファー・ジ・アースから召喚された少年、平賀 才人との邂逅を果たした後、柊は何故かサイトと共に部屋の掃除をやらされていた。 部屋の中にこんもりと積もっている土山をシャベルで削り、床に空いた謎の大穴に放り込む。 それこそ魔法を使って片付けろという話なのだが、当のフーケ――本名はマチルダというらしい――は全く取り合ってくれなかった。 そんな訳で柊は押し付けられた土木作業をこなす傍ら、マチルダから一年前にサイトが召喚された話をかいつまんで聞いたのだった。 ……ちなみにサイトは、出会った直後こそどうやってここに来たのかとか地球は今どんな感じとか根掘り葉掘り色々と聞いてきたのだが、 柊がサイトと同じように召喚されて帰る手段もな... -
ゼロとヲタ少女 01
前ページ次ページゼロとヲタ少女 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!!」 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの詠唱に応え、眼前に 鏡のような門が開いた。彼女の魔法は成功したのである。後はこの門をくぐり、召喚に 応じた使い魔が現れるのを待つのみ。ルイズは期待に満ちた目で門を見つめる。周囲の 生徒と教師も、彼女が初めて成功させた魔法の結果が出るのを固唾を飲んで見守ってい る。 待つ。変化なし。 まだ待つ。さらに変化なし。 まだまだ待つ。やはり変化なし。 まだまだまだ…。 「あーもう! さっさと出てきなさい!!」 いつまで経っても出てこない使い魔にルイズは癇癪を起こし、つかつかと門に歩み寄 っていく。門を覗き込も... -
ルイズと夜闇の魔法使い-14
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 柊がフーケを捕らえた夜が明け、日が巡り、再び夜が訪れて。 生徒教員を問わず学院のほぼ全員がアルヴィーズの食堂の上階にあるダンスホールに集まっていた。 新入生の歓待を兼ねた毎年恒例のパーティ『フリッグの舞踏会』が行われるためである。 フーケのゴーレムによってつけられた(という事になっている)本塔の亀裂はダンスホールの内壁にまで及んでいたが、教員達の応急処置によってとりあえずは元の景観を取り戻していた。 その応急処置や捕らえたフーケの処置などのせいでその日の授業は完全に休講となってしまった訳だが、仮に授業が行われていたとしても実質はないのと同じだっただろう。 なぜならその日の生徒達の関心は夜に行われるフリッグの舞踏会と、トリスタニアで噂の"土くれ"のフーケを捕らえた事に向いてしまっていたからだ。 ... -
ルイズと夜闇の魔法使い-06
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い ――『コントラクト・サーヴァント』で使い魔とする。 それを聞いても心が揺れなかった、と言えば嘘になるだろう。 人間だったとはいえ柊達はルイズ自身が召喚したのは紛れもない事実であり、それと契約を交わして使い魔にするのは当然の事だ。 加えて言えば、召喚した二人の内の片方――柊はドットとはいえメイジを軽く一蹴するほどの人間である。 そんな強力な人間を召喚したとあれば(現状はともかく)彼女の才を周囲に認めさせる事ができるだろうし、彼を使い魔として従わせればつい先程のギーシュのような侮蔑の声もなくなるはずだ。 そして何より……『コントラクト・サーヴァント』を済ませれば、紆余曲折があったとはいえ使い魔の儀式は完了する。 つまり、これまで何一つ満足に魔法が使えなかった彼女が、生まれて初めて『成功』した事になるのだ。 たっ... -
へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い 第3話
第三話「世界トリステイン買物記」 イリーナは、日の出と共に目を覚ます。 規則正しい生活を常日頃から心がけているためか、目を覚ます時間は測ったかのようにぴたっと一致していた。 寝巻きを着替え、準備もそこそこにまずルイズを起こす。 寝起きでぐずる年下の主を着替えさせ、シーツを洗うシエスタに洗濯物を手渡し、シーツを干すのを手伝った後、早朝トレーニングを済ます。 そうして時間も丁度よくなった頃桶に井戸の水を汲み上げ、部屋に戻りまだボーっとしている寝ぼすけなルイズの顔を洗う。 これがギーシュとの決闘から六日間、変わらぬイリーナの朝であった。 あの決闘騒ぎから、周囲の目が変わったと、ルイズは思った。 決闘の発端がルイズを馬鹿にしたギーシュに、イリーナが謝罪を迫ったということが広まり。 「ゼロのルイズを馬鹿にしたらあの使い魔に決闘を迫られる」 という噂が流れたためだ。 ... -
ルイズと夜闇の魔法使い-01
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 「だったかたったったー! おっす、俺柊 蓮司!」 秋葉原の町並みに陽気な歌声が響き渡る。 周囲の人々が怪訝そうな顔で、あるいは胡散臭げに向けてくる視線をものともせず、柊 蓮司は我が物顔で歩みを進めていた。 昨年の四月から巻き起こった大規模なウィザードと侵魔の闘い――『マジカルウォーフェア』を潜り抜け、更には一部で それ以上の奇跡と噂されていた輝明学園高等部の卒業を果たし、訪れた自由を思う存分謳歌していた。 マジカルウォーフェアが一応の収束を向かえる契機になった三月の事件――七徳の宝玉を巡る一連の闘いが終結した後、 彼はメンテナンスとバージョンアップのために魔剣をメーカー送りにし、ウィザードを休業する事になったのである。 三月下旬にちょっとした依頼で出張ったこともあったがそれ以後は特に何事もなかった。 ... -
ルイズと夜闇の魔法使い-07
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 遠ざかっていく青髪の少女を、ルイズは呆然と見つめている事しかできなかった。 そして柊とエリスも、そんなルイズを言葉なく見守っている事しかできない。 もはや力一杯声を出しても届かない程に離れてしまった小さな背中に、ルイズは隣にいても聞き逃してしまいそうなほど小さな声で、呟く。 「……なんなのよ……ワケわかんない事言って……」 顔を俯けて、肩を震わせる。 声を漏らした事で、心の裡に留めていたモノがぼろぼろと零れ出してくる。 それが一日前のこの場所から始まったことと、回りにほとんど人がいないこともあったのだろう、彼女は誰に言うでもなく叫んだ。 「ワケ分かんない事言わないでよっ!! あの子も、あんた達も、誰も彼も!! 知った風な顔で勝手な事言ってっ!!」 流れるようなピンクブロンドの髪を苛立たしげにかきむしり、子供... -
ルイズと夜闇の魔法使い-04
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 「……えーと」 ここは『ヴェストリの広場』と呼ばれる学院の中庭である。 二つの塔に挟まれ西側に位置し日中でもあまり日の差さないその広場は、たとえ昼休みであっても、人の気配がほとんどない。 本来ならばそういった場所であるはずのそこは、今現在喧騒のさなかだった。 寮暮らしで娯楽に乏しい学院生活に刺激を求めて集まった生徒達が輪になってあれこれとはやしたてている。 その輪の中心にいる二人の内の一人、巻き毛の金髪の少年が手にした薔薇を高々と掲げ、謳った。 「諸君、決闘だ!」 宣言に生徒達がわっと歓声を上げる。 そして二人の内のもう一人――柊 蓮司はぽかんとした表情のまま立ち尽くしていた。 午前中の授業での大爆発の後、ルイズと柊、エリスは教室の後片付けを命じられた。 昼休みが始まろうかと言う頃合になってよ... -
ルイズと夜闇の魔法使い-05
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 「お、ぐふぅ!?」 想定外の事態に完全に我を忘れていた柊は突進してきたワルキューレにまったく反応ができず、文字通りの鉄拳を叩き込まれた。 たたらを踏んで傾いだ身体を立て直すと同時、追撃の拳が視界を掠める。 柊は反射的にそれを――"魔剣で"受けようとした。 (――やべっ) 当然ながら今の柊が魔剣を持っているはずもなく、拳はうなりを上げて柊を打ち据えた。 身体は殴られるに任せて、地を蹴って後退する。 距離を取ろうとしたが、できなかった。 追いすがってくるワルキューレに僅かに対応できない。 別に目の前のワルキューレが恐るべき性能を持っていると言う訳ではない。 むしろ強さで言えば、かつて一山いくらで闘った事もあるクリーチャー ――侵魔達が使役する魔物――程度のものだ。 にも関わらず柊... -
ゼロと聖石-11
前ページ次ページゼロと聖石 聖堂。 テンプルとも言うニューカッスル城のそこは、城にふさわしい規模を誇っていた。 絢爛豪華に造られた其処は、アルビオンにおける生誕から葬儀まで喜びと悲しみを見届けた場所。 ここだけ空気が澄んでいる気がする。 同時に死者の臭いも感じることが出来る不思議な空間だ。 そんな神聖な場所の祭壇前にウェールズ皇子が祈りを捧げていた。 私もそれに習い、始祖に祈りを捧げる。 祈るのは私にとっての平穏な日常。 ちょうど、あの時のやさしい夢。 全員がほほえましく笑いながら過ごしたあの夢を。 不意に、ウェールズ皇子が立ち上がり、指から指輪を抜いた。 それを私に握らせ、 「これを、アンに。これを渡せば分かってくれるはずだから」 泣きそうな私を叱責し、その指輪を懐に収める。 必ず、アンリエッタ様に、何があっても渡そう。そ... -
ゼロと雪姫
「オーバーマン キングゲイナー」のアナ・メダイユとリンク・リンス・リンナ ゼロと雪姫-1 ~ゼロの雪姫~ ゼロと雪姫-2 ~ルイズとアナ~ ゼロと雪姫-3 ~魔法が使えないって、本当かい?~ -
ゼロと魔砲使い-40
前ページゼロと魔砲使い その問いかけは、あまりにも重かった。 万単位の命を両側に乗せた天秤。現在釣り合っているそれを、どちらか取り除かねばならない。 どちらを選ぶも地獄。そして相手は、生きることではなく、その地獄こそを望んでいる。 その選択を突きつけられたとき、なのはははっきりと彼の狂気の有り処を理解した。 彼の狂気はこのような虐殺を企てたことではない。それはどんなに非道でも、そこにはきちんとした理由がある。 だが彼はもはや、長き思索と実験の果てに得られた結論を疑うことが出来なくなっている。 それこそが彼の狂気。変われないのではなく、変えることが出来ない思い。 ここにもはや言葉はない。そこにあるのは従うか拒絶するかの二択。 他の道はすべて封じられている。 なのはは考える。 はっきり言おう。選ぶ道などはじめから一つ... -
ルイズと夜闇の魔法使い-21a
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 「アルビオンか……」 空に向かって昇り始めた朝日を全身で受けながら、柊は切り立った崖の端に立っていた。 眼下に広がっているのは霧のように立ち込めた雲と、その隙間に垣間見える青色。 この崖の底は存在しない。 あるのは今彼の天上を覆っているのと同じ空であり、そこから更に数千メートル下にある海面が底と言えば底なのだろう。 浮遊大陸アルビオン。 ファンタジー世界ここに極まれりといったそれを実際眼にしそこにたっている事に、柊は少なからずの感動と興奮を覚えていた。 「凄えな――」 嘆息交じりに柊はそう呟き、 「――シルフィードは」 振り返って少し離れた場所にぶっ倒れているシルフィードを見やった。 結局あれからシルフィードは何かに取り憑かれたように空を走り続け、ついには柊達の駆る箒の後塵を拝する事なくアルビオン... -
魔法使いと召喚師-3
「使い魔の仕事を自分の使い魔にたらい回しにするのは、正直どうかと思うのよ、クラレット」 二度寝の悪魔というのは実在すると思う。 たとえばどこぞのメイジもどきの偽使い魔とか。 ~魔法使いと召喚師~ 参考までに……、ルイズの着替えは本人によるものである。 クラレットの「妹ができたみたい」という発言に、少しばかり傷ついたからだ。 * * * 「無駄に楽しそうよね、あんた」 対して、言の主は酷く機嫌が悪かった。 二度寝している間に、『貴族令嬢を暗殺から救った』ということになっていたからである。 本来なら喜ぶべきなのかもしれない。何しろ彼女の評価は『ゼロ』である。 が、しかし、これを広めたのはキュルケ・フォン・ツェルプストーなのだと言われれば 素直に受け取れない。 絶対、何かロクでもないことをたくらんでいる。使い魔略奪とか……... - @wiki全体から「ゼロと桃色の魔法使い」で調べる