あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「ゼロと魔獣のような悪魔」で検索した結果
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ゼロと魔獣のような悪魔
...ビーニャ。 ゼロと魔獣のような悪魔-00 ゼロと魔獣のような悪魔-01 ゼロと魔獣のような悪魔-02 ゼロと魔獣のような悪魔-03 -
ゼロと魔獣のような悪魔-00
前ページ次ページゼロと魔獣のような悪魔 プロローグ 激しい激戦の前に見るも無残に破壊されたギエン砦。 虚言と姦計をつかさどる大悪魔メルギトス。 その配下として、気の向くままに暴れ、壊し、殺しを行っていた 悪魔ビーニャ。 彼女はそこで因果応報という形で、最後の時を迎えようとしていた。 呼び出した手駒の魔獣をことごとく失い 召喚のすべとなる魔力も尽きて そして体からとめどなく流れる血 「レイムさまぁ・・・っ アタシを・・・たすッけ・・・ ぎッ!?ヤあアァぁ~ッ!!」 自分達だけが最高なのだと 他は利用して 弄んで 壊して 捨ててしまえばいい それだけを考えて生きてきた なのに 「戻ってきただけだよビーニャ・・・ アナタが魔獣達に与えた苦しみが回りまわって、戻ってきたの・・・」 ... -
ゼロと魔獣のような悪魔-01
前ページ次ページゼロと魔獣のような悪魔 「悪魔がきたりて牙をむく」 トリステイン魔法学園。 そこでは学園の恒例行事である使い魔召喚の儀が順調に進んでいた。 そう、一人を除いては・・・ チュド―――ン・・・ 爆発が起きる。 そこに爆発の産物である大きな穴が開く。 その横には同じぐらいの穴が開いているが、一つや二つではない。 大小に差はあれど、ざっと30はその穴が出来上がっているのである。 新しく空いた穴の前で、それを作った人物が肩を震わせていた。 桃色がかったブロンドの美しい少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ ヴァリエール。 彼女は肩・・・いや、全身を微妙に震わせながら、泣きそうになる自分を必死に抑えていた。 周りの生徒達は次々と召喚を成功させ、コントラクト・サーヴァントもすいすいと進めていく。 ... -
ゼロと魔獣のような悪魔-03
前ページゼロと魔獣のような悪魔 ゼロと魔獣のような悪魔―3 使い魔生活の始まりー1 うっすらと夜が明け、カーテンの隙間から光が差し込んでくる。 「……」 眩しさを感じ顔をしかめてビーニャは寝返りをうつ。 光に背を向けてまた寝ようかとも考えたが、床の硬さが寝るに至るまでに意識を安らかにさせてくれない。 薄眼を開けてしばらくぼけっとしていたが、こうしていても仕方がないのでやむなく起きようと上半身を起こす。 ぴき…ごきぐき…… 「あいったたた…」 硬い床の上に寝ていた所為だろう。 身体の各所が変に固まっていて少し動かすだけで痛みが走る。 それでもそのままにはしておけないので我慢しながらゆっくりと体をほぐしていく。 手足をほぐし、首をまわして寝違いを正す。 そして背伸びを ビキッ 「!!!!!... -
ゼロと魔獣のような悪魔-02
前ページ次ページゼロと魔獣のような悪魔 ゼロと魔獣のような悪魔-2 見知らぬ世界で大騒ぎ 「……?」 いつまで気を失っていたのだろう。 目を閉じていても光の眩しさを感じる。今は朝か昼か。 霊界サプレスの住人は魔力が満ちる夜に行動する。 光を忌み嫌う悪魔となればそれは尚更だ。 日中は眠れるはずなのに目が覚める、それはつまり寝過ぎたということか。 …… 目をうっすらと開ける、ぼやけた視界に入ってきたのは白い布。 ああ、これはシーツかと目を再び閉じようとする。 このまま布団に包まって目をつぶっていればまた睡魔が来てくれる… 「んぅ…………ッはぁあっ!?」 シーツを跳ね飛ばして飛び起き辺りを見回す。 清潔感が溢れる部屋、戸棚には薬?とおぼしき瓶が並び向かいにはもう一つベッド がある。 窓からは光が差し込み、少し開けられた窓からは爽やかな風が... -
ゼロと魔王
魔界戦記ディスガイア(ファミ通文庫基準)より、ラハールを召喚 ゼロと魔王-01 ゼロと魔王-02 ゼロと魔王-03 ゼロと魔王-04 ゼロと魔王-05 ゼロと魔王-06 ゼロと魔王-07 ゼロと魔王-08 ゼロと魔王-09 ゼロと魔王-10 ゼロと魔王-11 ゼロと魔王-12 -
ゼロと魔王-06
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第6話 聖剣杯 ラハールとギーシュの決闘の後、普通に授業が始まったのだが。 その授業の最中にルイズが錬金を失敗して教室をめちゃくちゃにしたので、今はラハールとルイズとギーシュとで片付けをしていた。 「普通錬金でこんなことになるものかね」 「なったんだから仕方ないでしょう」 「だからってオレ様までなぜこんな事をせねばならんのだ・・・」 ものすごく嫌そうなラハールだったが、しぶしぶと言った感じで片付けている。 ちなみにギーシュは普通に教室から出ようとしたところを、ラハールに捕まって一緒に片付けさせられている。 「まったく、朝は決闘で負け、今度は教室の後片付けか・・・」 「負けたのはあんたが悪いんでしょうが」 「グッ!痛い所を・・・」 「なんでもいいから手を動かせ、そろそろ腹が減ったぞ」 ... -
ゼロと魔王-01
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第1話 召喚された魔王 そこはどんな海よりも深く、どんな闇よりも暗い場所にあるという。 闇に魅入られた禍々しい者どもが集う暗黒世界――――― 彼の地がどこにあるのか。 それは定かではない。 しかし、誰もがその存在を信じ、畏れていた。 それが魔界。 天界、そして、人間界と共に3界を構成する闇の世界。 長い間そう信じられてきた。 もっともこれは、魔界で起きる事件ではなく、とある魔王が、ゼロと呼ばれる少女に召喚されるお話である。 ラハールは、雲の中を飛んでいた。 というのも、誰かに仕事をさぼって抜け出ていたことを知られるのは都合が悪いからだ。 「いくら今魔王城にエトナやフロン、そしてシャスとサクラがおらんとは言え誰かに見られて、抜け出ていたことがエトナにバレたら、何を言われるか... -
ゼロと魔王-03
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第3話 魔王との決め事 ラハールはルイズの部屋でいろいろと説明を受けていたが、コルベールがラハールを呼び出し学院長室の前まで連れてこられた。 始めはルイズも付いて来ようとしていたが、コルベールに止められたため部屋に戻っている 「・・・この中にいる奴がここで一番偉い奴か?」 「ええ、何百年生きているのかわからないご老人ですがね」 「ほ~う・・・」 普通数百年生きていると言われれば、もうちょっと驚くのだろうが、悪魔でありラハール自身が1000歳オーバーなので、『人間にしては長生きだな』程度にしか感じていない。 「まあ、廊下で話すよりまず先に中に入りますか。オールド・オスマン入りますがよろしいか?」 すると扉の向こうから承諾の声が聞こえたので、コルベールとラハールは扉を開け中に入... -
ゼロと魔王-07
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第7話 聖剣杯 前日 なんだかんだで時が流れて聖剣杯一日前、今日はアンリエッタが来ると言う事で生徒のほとんどが門の前で待機していた。 「おいギーシュ、なんだこの集まりは?」 「ん?ああ、もうそろそろアンリエッタ王女殿下が来るからね、生徒で出迎えという訳さ」 (そういえば、オレ様はどこかへ行って出迎えられたことがあったか?) 「そして、その後に開会式だよ」 「開会式ねぇ~・・・聖剣杯ねぇ~・・・」 ラハールに無理やり聖剣杯に出させられることになったルイズがやる気のない感じで言っている。 「随分やる気がないな君は・・・」 「あたり前でしょ、私は本来出る気がなかったんだから」 「あきらめるしかないだろう、ラハールに逆らうのは面倒だしな・・・・」 この短期間にラハールがどのような人物か把握し... -
ゼロと魔王-11
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第11話 終わる因縁・始まる因縁 フーケを撃退したルイズ達は、学園に帰る。 ちなみに、フーケを撃退した事を学園長に報告し大目玉をくらったのだが、それはこの際どうでもいいだろう。 フーケを学園長に突きだして話は終わった。 その日の夜に何かパーティーがあり、ルイズ・タバサ・ギーシュ・キュルケは主役なのだそうだ。 ラハールは興味がないとばかりに並べられた料理を平らげていく。 適当に食べているとルイズに、一緒に踊らないかと言われたが興味がないと断った。 ほどほどに食べ終わり、テラスから飛び降りて近くの森に行く。 そして、森の中を適当に歩いて殺気を感じたのでその殺気の持ち主の名前を呼ぶ。 「タバサとか言ったか?おい、オレ様に何の用だ?」 ラハールはなぜか、タバサに呼び出しをされていた。 当然何か心当たりが... -
ゼロと魔王-04
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第4話 決闘! 前編 ラハールが目を覚ますと、すでに朝であった。 ベットにはルイズが昨日の格好のまま寝ているあたり、ルイズもずっと寝ていたらしい。 「少しだけのつもりが・・・まあいい」 そう言うと、窓を開けそこからマフラーを使って飛んでみた。 「一応飛ぶことはできるのか、まあそこまでスピードは出ないみたいだが・・・飛べるだけマシか、マフラーからの力の供給もほとんどないしな」 ラハールは人間と悪魔のハーフであるため自分の羽を持っていない、そのためマフラーをいつも身に着けている。 ちなみにこのマフラー、防御としても使える上に身に着けている者に一定の力を供給してくれるすぐれものである。 もっとも、すぐに主であるラハールに戻ろうとするため、他人が装着することは基本無理であるが・・・ちなみに元は普通... -
ゼロと魔王-02
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第2話 ルイズは、目の前にいる自称魔王と名乗る人物、いや悪魔が怖かった。 当然だろう、力の差というものを教えられると、人間不安になり怖くなるものだ。 それに加え、相手は10メイル程の火球をいつでもはなてる状態で、こっちは何も打つ手がない状態だ。 これで怖くないという奴は、あきらかに頭のネジが数本抜けているだろう。 だが、自分の召喚した使い魔に恐れている自分を許せず、どうなっても抵抗しようと思った。 足が震え、怖くて仕方ない。 せめて何か言おうと思い、言葉を口に出した。 「あ、あんた!やめなさいよ!あんたは私の使い魔なんだから、私の言うこと聞きなさいよ!」 ああ、自分は何を言っているのだろう。 相手は悪魔だ、自分の使い魔でもあるが、相手が言う事を聞くはずが無い。 だから、相手の左... -
ゼロと魔王-09
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第9話 聖剣杯 決勝 一回戦を勝利したラハール達は、そのまま勝ち続け、残すところ決勝戦だけであった。 そもそもが、トライアングルメイジであったキュルケに勝てるのだから、ドットとラインのメイジには負ける事はまずないだろう。 「さすがだねラハール、この僕に勝っただけはあるね」 「あぁ?一回戦でボロ負けした奴が何を言っておるのだ?それにお前弱いだろうが」 「待て!大体一回戦の相手がタバサって言うのは無理があるんだ!僕はドットで、相手はトライアングルメイジだぞ!?勝てるわけないだろう!?」 「お前言ってて悲しくならんか?大体トライアングルだとかドットとはなんだ?」 ラハールはルイズに連れられて、授業などを受けていたのだが、始めこそこの世界の魔法に興味を示しが、自分が使えないと分かると完全に授業中に... -
ゼロと魔王-05
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第5話 決闘! 後編 「諸君!決闘だ!!」 ヴェストリの広場でギーシュが観客に高々と宣言する。 「前置きはいい!とっとと掛かってこい!!」 ラハールは心底気に入らないという風にギーシュに言い放つ。 なぜこのような事になったのか・・・事の発端はこうである。 ラハールは食堂で飯を食った後、あてもなく学院内を適当に散策していた。 だが、どうやら男子寮の方へ来てしまったようだ。 「・・・ここに用はないな」 そう言い歩き出そうとしたところである。 金髪のいかにも軽そうな男がラハールを呼びかけてきた。 「そこの君!待ちたまえ」 「・・・」 無言で相手を見た後、こんな奴に関わらん方が身のためと思い、無視して歩き出した。 「待てと言っているのがわからないのかね... -
ゼロと魔王-08
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第8話 聖剣杯 第一回戦 「さ〜〜あ!やって参りましたよ聖剣杯第一回戦!!実況はコルベール!」 「解説は学院長であるわしがやるぞ」 なぜかノリノリなコルベールとオールドオスマンが実況解説をしている中で、対戦者同士が睨み合っていた。 「まさか、初戦の相手があなたとはね・・・ツェルプストー!!」 そう言って今にも噛みつきそうなルイズ。 それとは対照的に、余裕そうな態度を崩した様子もなくキュルケは言う。 「初戦があなたとはね・・・これは楽勝なんじゃないかしら?」 「なんですって!?」 「だって、あなた魔法使えないでしょう?」 「ラハール!!あんた絶対に・・・・あんたなんか顔色悪いわよ?」 「初戦の相手はあれか・・・?」 「そうよ!だから絶対に勝たないといけないのよ!」 「オレ様はこの戦... -
ゼロと魔砲使い-01
前ページ次ページゼロと魔砲使い プロローグ・被召喚者の事情 0077.9.18 第64管理外世界。 ここ第64管理外世界は、放棄世界……星としての生命力が尽きかけた、見捨てられた荒野の広がる世界である。 荒野と廃墟だけは無数にあるが、かつてはいたと思われる住民も遙か昔より行方は知れず、動植物もきわめてまれである。 入植しようにも地力すら尽きたこの地においては再生費用がとうてい採算ラインに及ばず、ということで現在もただの空き地として事実上野放しになっている世界である。 ただ、残された遺跡の調査や、犯罪者達に対する警戒は怠りなく行われており、また、管理局武装隊関連の演習場としても活用されている。遺跡も文明の進化度合いから一部の学者がある意味興味本位で行っている程度のものであり、特に危険視はされていない。 だが、ある意味それが... -
ゼロと魔砲使い-36
前ページ次ページゼロと魔砲使い 「いいか、絶対あいつらを通すな!」 「スクラム組めっ! 攻撃は火力担当のメイジに任せて、我々は防ぐことに専念しろっ!」 再びぶつかり合う二つの軍。だが、先とは大きくその様相が変わっていた。 片方は闇雲に前進するのみ。 片方は壁を作ってその押し込みを受け止め、時折後方から飛ぶ火や風の魔法で相手を打ち据えようとするのみ。 圧倒的な大軍の側が壁を作って受けに回っているため、戦線は完全に膠着状態になった。 その状態を見て取って、小声で何かを言う人物がいた。 「思ったより立ち直るのが早いわね……これは陛下に、少し予定を早めてもらわないと駄目かもしれないわ」 戦線の最後方で、この戦いの黒幕ともいえるシェフィールドは、懐から取り出した鏡に向かって二言三言何かを囁き、その答えが返ってくるのを聞いて... -
ゼロと魔王-12
前ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第12話 ガリア王ジョゼフ ルイズは朝早くに目を覚ましていた。 それと言うのも、今日はアルビオンに出立する日であり、それは朝早くに出なければいけないからである。 「さて、ラハールを起こすかしら。昨日なかなか帰ってこなかったけど、さすがに帰ってるでしょう」 そう思い、ラハールがいつも寝ている棺桶を開けてみると、たしかに寝ていた・・・もっとも、それは六角帽子をかぶった子供であったが・・・ 「え?ど、どういう事・・・?」 「う~寒い・・・」 「あ、ごめんなさい・・・じゃない!あなた誰よ!?」 「ん~?誰あなた?」 「それはこっちのセリフよ!ラハールの代わりになんであんたが入ってるのよ!?」 「ラハールちゃんを知ってるの?それならラハールちゃんから伝言があるって」 「え?」 どうやら、色々話を聞い... -
ゼロと魔砲使い-02
前ページ次ページゼロと魔砲使い そこに現れた人物を見て、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは激しく混乱していた。 春の使い魔召喚の儀式――これに失敗すれば後はない――において、彼女はある意味初めて魔法に成功したといえる。彼女の呼びかけに答え、それは召喚されたのだから。 だが、今彼女の目の前にいるのは。 年の頃は自分より上、明らかに大人の女性。 肌の色は自分たちよりやや黄色っぽいが、キュルケのように濃い色ではない。 髪は長い栗色、頭の横でくくられている。 着ているものは見たことのない意匠の服。かなりきっちりとしたイメージの服で、色は白と紺、スカートも短めではあるが裾が縮まっていて猥雑な感じは受けない。全体的に見れば自分たちの制服をもう少しお堅くしたような感じがした。 そして彼女のまわりには、金属とも木... -
ゼロと魔王-10
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第10話 聖剣 フーケが聖剣を奪って逃げたのち、生徒は全員寮に帰されていた。 だが、ルイズ達は帰らず、今は学院の外にいた。 「ちょっとラハール!なんで寮に帰らずに学院から出てるのよ!!」 ちなみに、学院から出れた理由は、フーケが現れ、学院全体が混乱していたからである。 もっとも、最初はラハールだけが行こうとしていたのだが、それにルイズ。ギーシュ。それになぜかタバサやキュルケまで付いて来ている。 「エクスカリバーを取り戻すのだ」 「ハァ?何言ってんの?大体それは教師が取り戻s・・・」 ルイズがラハールを説き伏せようとしたのだが、すべてを言う前にラハールが遮った。 「出来るわけがなかろう」 「・・・え?」 ルイズとしても理解が追いつかなかった。 たし... -
ゼロと魔砲使い-35
前ページ次ページゼロと魔砲使い 「何よ、これ……」 ルイズは目の前の光景を、とうてい現実のものと思えなかった。 「いくら何でも、こんなのって有りなのかい……」 マチルダも、ただ呆然とそれを眺めることしか出来なかった。 「なんなの、これ……なんでこんなことがあり得るの?」 なのはですら、思考が停止しかかっていた。 そして。 「ひどい、ひどすぎます! これが、戦争なんですか!」 ティファニアが、あまりのことが起こっている戦場を見て、慟哭していた。 ――眼下の戦場は、文字通りの『地獄』になってた。 結局レコン・キスタからはなんの回答もなく、教皇聖下認可の元、王軍は『討伐軍』となって出陣した。 そう、討伐軍である。レコン・キスタは、もはや『反乱軍』ですら... -
ゼロと魔砲使い-26a
前ページ次ページゼロと魔砲使い 教皇聖下参戦……あまりにも意外な言葉に、ルイズ達はしばし固まってしまった。 そんな彼女たちの様子に気がついたヴィットーリオは、優しく諭すように言葉を掛けた。 「ああ、なにもいきなりこの場から、というわけではありませんよ。いくら何でもそれをやってしまったらロマリアが大混乱に陥ってしまいます」 「で、ですよね」 何とか復活するルイズ。 「お忍びでないとまずいのは確かですが、それでも数日の不在を納得させる建前は必要です。まあ周辺の視察にかこつけて、ということになるでしょう。ちょっと視察の目的地が変わるだけのことです」 「は、はあ……」 何ともアバウトな物言いに、ルイズはため息をつくしかなかった。 「とはいえ、早急な行動が必要なのは確かです。こちらも直ちに準備を整えますので、明日もう一度この場へ来てください... -
ゼロと魔砲使い-04
前ページ次ページゼロと魔砲使い 翌日。 いつものように朝早く起きたなのはは、日課のトレーニングに行こうとして、ふと足を止めた。 ルイズが起きた時、そばにいないのはまずいのではないか。 いずれ彼女の起きる時間などが判れば、その辺の塩梅は何とかなるだろうが、初日から目の前にいないのはまずい。 思い直したなのはは、トレーニングはあきらめて、昨日の続きをすることにした。 ただのデータとは違い、こういうまったく未知の情報の処理はさすがにデバイス任せには出来ない。 単純に丸ごとコピーしておく記録はともかく、一度は自分の頭で咀嚼しておかないといけない。 ちなみに彼女がこうも必死になっているのは、後々帰れた時、こういったことをすべて報告書として上層部に提出しなければならないからである。 何しろ完全に未知の次元世界との初接触である。責任は... -
長編(五十音順)-03
... 39 (Sat) ゼロと魔獣のような悪魔 サモンナイト2 ビーニャ 2010-07-09 15 50 56 (Fri) ゼロの教師 サモンナイト3 アティ 2007-12-19 23 05 45 (Wed) 虚無の鍛聖 サモンナイト クラフトソード物語 クリュウ シュガレット 2008-08-03 23 45 08 (Sun) 虚無の唄-song of zero- 沙耶の唄 沙耶 2009-09-26 14 16 58 (Sat) 糸色望の使い魔 さよなら絶望先生 糸色望 2009-09-26 22 02 39 (Sat) 『零』の使い魔 戯言シリーズ 零崎双識 2007-08-08 22 53 08 (Wed) アカイロマジカル 戯言シリーズ 哀川潤 2007-12-13 18 08 08 (Thu) されど罪人は零と踊る されど罪人は竜と踊る ガユス 2008-03-06 16... -
ゼロと魔砲使い-03
前ページ次ページゼロと魔砲使い なのはが自分のことを『ご主人様』と呼んでくれたのを聞いて、ルイズは少し安心して再び彼女の元へ近づいていった。 内心はびくびくものであったが、それでもめいっぱい強がってなのはを見つめる。 彼女が膝立ちだったせいで、ちょうど目の高さが合う。ちゃんと立ったらかなり差が出そうなのを気にしつつも、ルイズは力強く言った。 「ん、ちゃんと判ったのね。タカマチナノハ」 「あ、なのはでいいよ」 なのははルイズが自分を『タカマチナノハ』と呼んだ時のイントネーションが、平板で姓と名を区別していないものであることに気がつき、あわてて修正する。 その時なのはふと違和感を覚えた。そしてそれがなんであったかすぐに気がつく。 (言葉が、通じている?) (“改造の効果もあるみたいですが、それ以前に彼女の言葉は、かなり変形していますが... -
ゼロと魔砲使い-37
前ページ次ページゼロと魔砲使い 武威に押さえつけられていた戦場に、それとは違った沈黙が訪れた。 ――今、彼はなんといった? それは、困惑。 唐突に理解しがたいことを言われたが故の、一時的な理性の麻痺。 少し冷静になれば、その意味なぞ学のない兵士にでもわかる。 四つの虚無がそろう。 一つは我らが誇るアルビオンの虚無。 二つは我らを救ったトリステインの虚無と、教皇たるロマリアの虚無。 ならば残る一つは? ――始祖の血を受け継ぐ国は四つ。 トリステイン、アルビオン、厳密には違うがロマリア。 そして……ガリア。 あらゆる情報が、事実が。 ただ一つのことを指し示している。 それはすなわち。 今ここに姿を現したガリアの『無能王』。 その人こそが―― ... -
ゼロと魔砲使い-38
前ページ次ページゼロと魔砲使い 「え、それ、どういうこと?」 いきなり『ただ一人の人間』扱いされて混乱するなのは。 ただでさえいきなりそんな事を言われたのに加え、必然としてその場の全員の注目を集めてしまっているため、さしもの彼女とて落ち着いていろという方が無理な話である。 そんな場を納めるかのように、ジョゼフが再び語り始めた。 「なに、実際の所、その理由は大したものではない。彼女は今この場でただ一人、このハルケギニアに生まれついたものではない、ただそれだけの事に過ぎん」 「という事は、逆に言えば、あなたの言う『人形』とは、このハルケギニアの大地に生まれた人すべてを指しているのですね」 ヴィットーリオが確認するようにジョゼフへと問いかけた。 それに対して頷くジョゼフ。 「その通りだ。おまえ達はくだらない... -
ゼロと魔砲使い-33
前ページ次ページゼロと魔砲使い 次元空間に浮かぶL級巡航艦アースラ。 現在は状況の変化に備えて待機するのが任務となっているため、激務と言われる『海』の仕事の中でも巡航中と並んで確実に休暇の取れる日々が続いている。 先ほど定時連絡が届いたため、私信を受け取った待機中の要員は、皆私室で家族からの手紙に涙していることだろう。 危険度は低いが機密性が微妙でかつ任務が長期にわたると、こういう状態になりやすい。 特に今回は直接通信が阻害されているため連絡が往復するのにちょうど一週間ほどかかるので、オンライン時代からはあまり考えられない状態が出現している。 かくいうクロノ=ハラオウン提督も、個室内で部下には見せられない緩んだ顔で妻と子供達の顔を想像しながら自分宛の私信ファイルを開いていた。 何せ海の提督ともなると長期に家を空けることもしょっちゅうであり... -
ゼロと魔砲使い-09
前ページ次ページゼロと魔砲使い 弟子入りから三日ほどが過ぎた。 基本的に彼らの日常には大きな変化は見られない。 強いてあげるなら、使い魔と一緒でない授業において、キュルケやタバサが時々ぼうっとしていて教師に怒られたくらいであろう。 少なくとも表面上は平和であった。 そしてその日の夜、ルイズの部屋にて。 弟子達との練習が終わった後、相変わらずパソコンに向かって何かを打ち込んでいるなのはに、ルイズが声を掛けた。 「なのは、ちょっといい?」 「はい、なんでしょうか」 手を止めてなのははルイズに向き直る。ルイズはなのはの全身を一瞥してから、少しもったいぶって声を掛けた。 「もう三日近く着た切り雀ね」 「しかたありません。換えもあまりないですし。一応洗濯物が乾いてますから何とかなってますけど」 何しろ... -
ゼロと魔砲使い-28a
前ページ次ページゼロと魔砲使い ルイズとなのはが公爵寮に入ったと判ったのは、地元民達の熱烈な歓迎によってであった。 王家の紋章を付けた馬車が、同時に公爵家の紋章を付けた小旗を掲げているのだ。地元の民達が紋章学なぞ知るわけはないが、さすがにこの二つの紋章だけは見ただけでなんであるかが判った。 農民達の声にルイズが顔を出すと、その声はいっそう強まった。ルイズが魔法を使えない『ゼロ』だったということは、実のところ地元ではあまり知られていない。 というか気にされてもいなかった。公爵家の城で働いている者達はともかく、普通の平民にとって見れば、ルイズは『魔法を学びに』学院に行ったのである。それ以前に魔法が使えないと聞いても、ずいぶん奥手の姫様なのだな位にしか思われていなかったのだ。 だから彼らの目には、ルイズの慣れ親しんだあの期待と蔑みの複雑に絡んだ色は浮... -
ゼロと魔砲使い-07
前ページ次ページゼロと魔砲使い 決闘だか特訓だかもはやよく判らない戦いが終わったその夜。 夕食後、主と使い魔はそろって机に向かっていた。 主は結果的にさぼってしまった午後の授業の分の勉強を。 使い魔は今日集めた魔力の測定データの整理を。 時間にして一時間半くらいの間、主従ともに無言のままの時が過ぎていったが、この辺で主人の気力が尽きたようだった。 「うーん、ちょっと一休みしようかしら。なのは、お茶入れてくれる?」 「はい、かしこまりました」 その言葉には、今までにない親愛が籠もっていた。 元々なのははほとんど敬語を使わない、フレンドリーな人物である。公式の場ではそうではないが、そういう場面では目に見えて言葉が固くなる。 ルイズに使い魔として仕えることを決めたときから、彼女は意図的に敬語を使ってきた。 ... -
ゼロと魔砲使い-27
前ページ次ページゼロと魔砲使い ロマリアを飛び立って二日後。途中再びオルレアン邸で一泊したルイズ達は、何事もなくトリステイン王宮へと到着した。 前回のことがあったためか、ルイズの顔を覚えていた門衛は、ルイズの要求通り直ちに上へのつなぎを取ってくれた。 シルフィードも今回は王宮内の厩舎で、たっぷりとお肉がもらえるのでご満悦である。 但し、タバサから念話で(しゃべったら実験動物として捕まる)と脅されているせいで、いまいち挙動におびえが見えていたりするが。 厩舎の世話係は、「大丈夫。怖がらなくてもいいよ~」と話しかけてくれるものの、その優しさについ話しかけそうになるのを押さえるのに必死と、あまりにもぐだぐだな悪循環があったりするのだがそれは別の話。まあタバサが付いていられたので、実際には何も無かったのだが。 そしてルイズとなのはは、再びこの国の三巨頭... -
ゼロと魔砲使い-08
前ページ次ページゼロと魔砲使い 「はい、どなたですか?」 なのはがノックに答えると、返ってきたのは女性の声だった。 「あたしよ、キュルケ。あ、でも、本命はタバサだから、悪いけど閉め出さないでね、ルイズ」 ルイズは一瞬叫びそうになっていたが、それを聞いて何とか押さえ込んだ。 視線でなのはに扉を開けるようお願いする。彼女も無言のまま頷くと、静かに扉を開いた。 扉の向こうには、思ったより多くの人がいた。 キュルケとタバサは予想通り。それに加えてもう一人。 金髪美形の優男、ギーシュも二人と一緒にいた。 「で、なんの用?」 一行を迎え入れた室内で、ルイズは不機嫌そうに問い掛けた。 ちなみに不機嫌なのは、全員の視線が自分ではなく、使い魔の方に向いているからだ。 用事のほうも何となく予想が付いた。 ... -
ゼロと魔砲使い-29a
前ページ次ページゼロと魔砲使い ルイズ達が帰ったその日の夜、ラ・ヴァリエール公爵は、久々に愛する妻を己の寝室に迎え入れていた。 元々公爵も昨日まで国境付近の視察に出ていたので、この事自体はごく当たり前のことである。だが今夜の彼女は、いつもと違っていることに公爵は気がついた。 長年連れ添った愛妻である。情の交歓も、お互いに慣れた者同士の、しっとりとしたものになっている。 だが、今宵の妻の様子は、いつものそれとは一変していた。二つ名の如く荒れ狂う嵐のような、名前とは裏腹の猛り狂う業火のような、そう……それは二人が初めて出会ったときのような、激情を胸に秘めていた乙女の頃のようであった。 「どうしたんだい? 今の君は、まるで結婚する前の君のようだ」 そんな彼女の様に引かれたのか、公爵の言葉も、今の歳にはあまりに合わない、若々しいものになっている。 ... -
ゼロと魔砲使い-40
前ページゼロと魔砲使い その問いかけは、あまりにも重かった。 万単位の命を両側に乗せた天秤。現在釣り合っているそれを、どちらか取り除かねばならない。 どちらを選ぶも地獄。そして相手は、生きることではなく、その地獄こそを望んでいる。 その選択を突きつけられたとき、なのはははっきりと彼の狂気の有り処を理解した。 彼の狂気はこのような虐殺を企てたことではない。それはどんなに非道でも、そこにはきちんとした理由がある。 だが彼はもはや、長き思索と実験の果てに得られた結論を疑うことが出来なくなっている。 それこそが彼の狂気。変われないのではなく、変えることが出来ない思い。 ここにもはや言葉はない。そこにあるのは従うか拒絶するかの二択。 他の道はすべて封じられている。 なのはは考える。 はっきり言おう。選ぶ道などはじめから一つ... -
ゼロと魔砲使い-30
前ページ次ページゼロと魔砲使い 複数の馬車を連ねた、王の行幸すら思わせる行列が、街道を進んでいた。 少数だがきわめてよく鍛えられた精兵が、中央部付近の馬車を守るように布陣している。 これだけの練度の軍を維持できるのは、王家か、トリステインでもごくわずかの大貴族だけであった。普通の貴族ではまず人員か資金かのどちらかで破綻する。 そんな行列の主は、ラ・ヴァリエール公爵家。トリステイン最大かつ最強の貴族である。 その権勢は、トリステイン内のもう一つの国家とすら言えるほど。 ただ、国境を接するゲルマニア・ツェルプストー家との関係や、当主が中央の政治にそれほど関心を持っていなかったため、中央政界でその名が出ることは殆どなかった。 公爵家自身も、その血統が王家の庶子を源流としているのでなければ、間違いなくその身分は辺境伯であったはずである。 辺... -
ゼロと魔砲使い-06
前ページ次ページゼロと魔砲使い 「ね、一体なにがあったのよ」 騒ぎを聞きつけてルイズがこの場に現れたとき、真っ先に反応したのはギーシュだった。 「ルイズ、君の使い魔は正気か!」 「なによいきなり。人の使い魔になんて事言うのよ」 もっとも、続きを聞いたとたん、ルイズも青ざめた。 「決闘を申し込まれたぁ?」 「そうだ! 君の使い魔は、よりにもよって僕に決闘を申し込んだんだ!」 付いてきたキュルケとタバサも絶句する。 「ちょ、ちょっと、なのは! 一体なにがあったのよ! 平民が貴族相手に決闘を申し込むなんて! 冗談抜きに死んでも文句言えないのよ!」 「勇気と無謀をはき違えるのはよくないわよ」 キュルケもさすがに見過ごせずに忠告する。 だがなのはの返答は二人の予測を超えていた。 「ご主人様。そんなに自分が、自分の呼んだ使い魔が信用できませんか?... -
ゼロと魔砲使い-23
前ページ次ページゼロと魔砲使い 翌日、ルイズ、なのは、タバサの一行は、ガリアの妨害を受けることもなく無事にロマリアに到着した。 聖地に次ぐ第二の聖なる場所である都市。だがそこは、同時に矛盾に満ちた場所であった。 「でも驚いた。こんなことも出来るなんて」 ルイズは言葉を選びつつも、賞賛を絶やさない。 今タバサ達『四人』は、ロマリアの市街を教皇の元へと向かっていた。 お忍びであるため、用意された鑑札も、ただの巡礼者としてのものである。この時点で、ルイズ達はこの街に潜む矛盾に気がついてしまった。 ルイズもタバサも、本来の身分は他国においてもかなり上位のものに属する。だがそのような上位者は、訪問に際しても一定の格式を暗黙のうちに要求される。今回はそんなことをしていたら問題がありすぎるため、あらかじめ仮の身分が用意されていた。 ルイ... -
ゼロと魔砲使い-22
前ページ次ページゼロと魔砲使い 「それじゃ、いってくるわね」 「不在の間の練習メニューはまとめておきましたから」 風竜の上から、ライバル兼親友と、その使い魔たる女性が声を掛けてくる。 「あなたも急に忙しい身の上になっちゃったわね。ま、せいぜい頑張りなさい。シルフィードから落ちないようにね」 二人を見上げつつ、赤毛で褐色の肌を持つ豊満な女性--キュルケは憎まれ口風の激励を送る。 「ふふん、残念ですけど、今の私には『レビテーション』が使えるのよ。落ちてもなのはの助けが間に合うわ」 「あら、じゃあ以前なのはがいってたの、本当だったのね」 「ええ。幸いなことに。私の予想が当たっていてよかったです」 そう。『虚無』に目覚め、その呪文を詠唱したルイズは、コモンマジックを自在に使えるようになっていた。『虚無』の魔法は威力がありすぎるうえに消耗が... -
ゼロと魔砲使い-25
前ページ次ページゼロと魔砲使い 魔法学院襲われる! 謎の敵による学院襲撃の報は、人質の解放と共に早馬で王宮にもたらされ、仰天した王宮側も、先行調査隊として最も足の速いグリフォン隊の精鋭を、それに続いて捕らえられた犯人護送のための部隊を学院に向けて送り出した。 先行調査団の代表として学院を訪れたワルドは、事件を解決したのが知り合いの二人だと聞いて思わず天を仰いだ。 「やれやれ、まさか君たちだったとはね」 「あら婚約者さん、心配しなくてもルイズはタバサと一緒にロマリアに向かっている最中よ。この事件には最初から関わっていないわ」 ワルドはキュルケから事のあらましを聞き、内心ほっとしたのを何とか表に出さぬよう押さえると、具体的な調書の作成に取りかかった。 キュルケ、ギーシュ、コルベール、そしてオールド・オスマンやギトー、シュヴルーズと... -
ゼロと魔砲使い-05
前ページ次ページゼロと魔砲使い ミス・シュヴルーズが倒れてしまったため、授業は中止・自習となった。もちろん、こういう場合、教室に残って自習をする学生というものは天然記念物並みにいない。 そしてルイズは罰として後片付けを一人で、かつ魔法抜きで行うように命じられた。 もっとも、事実上まともに魔法の使えないルイズにとってはペナルティになるのかは疑問であったが。本来は秘薬の取り扱いに失敗した時などの規定であって、該当者が魔法をまったく使えないと言うことは想定外ということだろう。 ちなみに使い魔はメイジと一体なので、手伝うのはむしろ当然である。 結論として、ルイズとなのはは二人で一生懸命に教室を片付ける羽目になった。 ルイズは黙々と瓦礫を部屋の隅に片付け、埃をほうきでまとめていく。 その間、始終無言。 そしてなのはもまた、窓や机の上をぞう... -
ゼロと魔砲使い-13
前ページ次ページゼロと魔砲使い 翌日の早朝、会議室にて臨時の職員会議が開かれた。 議題はもちろん昨夜の出来事である。 この場にいるのはオールドオスマンをはじめとする学院の教師一同、秘書や事務関連の上位者、そして昨日の事件に関わったものとして召喚されたルイズ達当事者一同である。 はっきり言ってルイズ達はこの騒ぎでろくに眠れなかったため不満たらたらだったが、さりとて無視して寝ているわけにも行かない。 眠い目をこすって、こうして多数の教師達の前に立つ羽目になっていた。 「それでは、事件の経過をまとめて説明いたします」 会議の口火を切ったのは、学院長秘書のミス・ロングビルだった。 夜の一部学生による自主練習、その際に起こった事故、それにタイミングを合わせたように起こった襲撃事件。 「この襲撃タイミングはあまりにも... -
ゼロと魔砲使い-12
前ページ次ページゼロと魔砲使い それは、挨拶がきっかけになった出来事だった。 ただ一夜のめまぐるしい事件。だがそれが、この世界の歴史を変える、第二幕の幕開けであった。 その日の夜も、ルイズとその友人達は、マルチタスクをはじめとするなのはの講習を受けていた。 前回の休日から一週間近くが経ち、キュルケ達も二分割のマルチタスクをある程度こなせるまでになっていた。ルイズも遅ればせながらマルチタスクの練習をなのはとしている。もっともルイズは念話が繋がっているので、キュルケ達ほど制限がきつくない。 つまりはある意味いつでも練習できるので、この場ではほとんど別の練習をしていることの方が多かった。 タバサ以外は同時に二つの作業をある程度出来るようになったレベルであったが、それだけでもキュルケ達の能力は見違えるほどに進歩していた。 キュルケは魔法を詠... -
ゼロと魔砲使い-18
前ページ次ページゼロと魔砲使い 『白の国』アルビオン。高度3000メイルに浮かぶ浮遊大陸上に存在している国である。 トリステインからアルビオンに行くためには、港町ラ・ロシェールで空を行く船に乗らねばならない。 地を馬で行くルイズ達の目的地も、当然ラ・ロシェールであった。 「慌てる必要はないわよ。港まで二日、次の合も二日後。だったら馬に無理をさせてもなんの意味もないわ」 というロングビルのアドバイスに従い、ルイズ達は街道をゆっくりと進んでいた。 合というのはハルケギニアの二つの月が重なる日のことであり、この日の翌日朝アルビオンは大陸に最接近する。そのため船主達は、合の翌日にラ・ロシェールを出発することが多い。もちろん、そうすれば船を浮かべる燃料である風石が節約できるからである。 当然それだけで船も物資も回せるわけはないが、合の前日に船を出すのは... -
ゼロと魔砲使い-14
前ページ次ページゼロと魔砲使い フーケ騒動のおかげで、夜の講習会も一時お休みとなった。 といっても中断されたわけではない。元々夜集まっていたのは、なのはがキュルケ達に魔法の見本を見せてもらうためで、マルチタスクの学習などは、念話さえ通じれば場所を選ばない。 今のところ顔を合わせて指導しなければならないのはルイズとタバサだけである。 ルイズはいつも一緒にいるので別段問題はない。タバサの場合も、スキャナを使って魔力の流れを読み取るためだけなので、自習することそのものには問題がない。 なので学習そのものはなのはが使い魔達のたまり場で念話を送れば事足りた。 もっとも、なんだかんだ言って彼らは優秀な部類なのだろう。 長いこと教導隊として見てきたなのはの経験にさらしてみても、彼らの学習能力はかなり上位に位置する。 実のところ、キュルケもタバサも故国... -
ゼロと魔砲使い-15
前ページ次ページゼロと魔砲使い わずかばかりの間に、いろいろな彼女を見てきた。 笑う顔、怒る顔、凛々しい顔、ちょっと悲しげな顔。 それを見れば、彼女がどんな人かは見当が付く。 でも、今の彼女の顔は――そのすべてと隔絶しているように、ルイズには思えた。 同時に悟る。これこそが、彼女の、心からの怒りなんだって。 仕掛けたビダーシャルは、最初の位置からほとんど動いていなかった。対してなのはは左手を光らせながら縦横無尽に周囲を飛び回る。 だが攻撃しているのはほとんどビダーシャルの方だけだ。大地が拳となり、石つぶては意志あるかの如く彼女に襲いかかる。庭の草は蔓を伸ばして彼女を拘束しようとし、大気は渦を巻いて彼女を切り裂こうとしていた。 それをなのはは光の盾と四つの光球で交わし、受け、迎撃していく。 ルイズとタバサはこの怒濤の攻撃の中... -
ゼロと魔砲使い-39
前ページ次ページゼロと魔砲使い 「歴史を進めたいって……そもそも歴史って、人の行動の積み重ねで、わざわざ進めないといけないものなんですか?」 その場にいた者の意見を代表するかのように、なのははジョゼフに聞いた。それに対してジョゼフは、我が意を得たりとでも言うように、喜色満面でその問いを歓迎しているようであった。 「くくく……そなたはそう思うのであろうな。そなたにとっては、それが当然であるが故に。 だがな、この世界では違うのだ。時間は積み重なっても、決して歴史は積み重ならない。 一度始祖に壊されたとはいえ、この世界は元々『変化しない箱庭』として作られているのだ。外来者による干渉無くば、永遠に昨日と同じ今日、今日と同じ明日が続く世界として、な」 「ちょっと待ってください!」 さらに続きを語ろうとしたジョゼフを、ヴィットーリオ... -
ゼロと魔砲使い-20
前ページ次ページゼロと魔砲使い 少し前の時間。ウェールズの私室。 着飾ったルイズとなのはは、ウェールズから古ぼけたオルゴールを見せられた。 「はい、これが『始祖のオルゴール』だよ」 見た目はそれほど豪奢でもない、むしろ手作り感のある、ごく普通のオルゴールに見えた。 「けどこの通り、なんにも聞こえない」 ねじを巻き、ふたを開ける。普通なら音楽が鳴るはずなのに、なにも音がしない--筈であった。 だが、この場にその音無き音を聞き取れるものが二人いた。 「え、なんで! オルゴールがしゃべってる!」 一人はルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエール。 “マスター、間違いありません。これはデバイスの残り半分、ストレージユニットです” 同じデバイスである、レイジングハートであった。 「どうした、一体! それに今の声は!」 ウ... -
ゼロと魔砲使い-16
前ページ次ページゼロと魔砲使い 朝。 モンモランシーが朝の支度を調えて階下に降りていくと、いたのはペルスランだけであった。 彼女の朝は早い方でも遅い方でもない。学院での経験からするとタバサとナノハは早起き、ルイズとキュルケは遅い方である。前二人は食事の前に出会ったことがあるが後二人はまず自分より前に席に着いていたためしがない。 なのでタバサくらいは起きているのではないかと思ったが、いささか予想が外れたようだ。 「おはようございます。ほかのみんなはまだですか?」 貴族の中には使用人に挨拶するなど口が穢れると思っているタイプも多いが、モンモランシーはそういう垣根の低い方である。というか貧乏貴族が偉ぶっていたら使用人のなり手がいなくなる。 ましてやここは他国の、王族(=自分より格上)の屋敷で、しかも自分たちはある意味押しかけてきている身である。執... - @wiki全体から「ゼロと魔獣のような悪魔」で調べる