あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「ソーサリー・ゼロ」で検索した結果
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ソーサリー・ゼロ
... ■ ソーサリー・ゼロ 第一部「魔法使いの国」 ├ ソーサリー・ゼロ-1 ├ ソーサリー・ゼロ-2 ├ ソーサリー・ゼロ-3 ... -
ソーサリー・ゼロ第三部-19のちょっと解説
ソーサリー・ゼロ第三部-19へ戻る ちょっと解説 ~「ソーサリー・ゼロ第三部-19」の作者後書きから~ 一五二で「君」の言っていることについて、ちょっと解説を。 「ソーサリー」の作中において「君」は、女神に助けを求めることができ、助けは以下の三つの形のうちどれかをとります。 復活:技術、体力、強運の各点数をいつでも初期値に戻すことができる。本文中での指示はなし。 脱出:危機に瀕しているときに、リブラに助けを祈ってもよいと指示が出ることがある。 厄祓い:呪いや病気にかかった場合、これを祓ってもらえる。本文中での指示はなし。 ただし、一巻につき一度だけしか助けてもらえないという制約があります(『ソーサリー』は全四巻)。 ハルケギニアには≪タイタン≫の神々の力は及ばないため(自ら出向いてきたロガーンは例外)、「ソーサリー・ゼロ」では女神の助けは得られま... -
ソーサリー・ゼロ-戦闘解説(別作者)
... 今更ながら、ソーサリー・ゼロ(ファイティング・ファンタジーシリーズ)の 戦闘システムについてちょっと解説をしたいと思う プレイヤーである「君」には技術点、体力点、強運点という3つの能力値がある 敵のモンスターは、技術点と体力点のみを持っている (攻撃点という数値もあるが、ソーサリー・ゼロは「君」一人での冒険なためほとんど関係ない) モンスターには固有の特殊能力がある場合もある 戦闘時にはお互いに六面体ダイスを二つ振り、自分の技術点に足して攻撃力を決める 攻撃力が優っているほうが勝ち、負けたほうは体力点を二点減らす 同値の場合は互いに攻撃をかわせたものしてどちらも減らさない 基本的にはこの手順をどちらかが死ぬまで続ける 攻撃を喰らわせるか受けるかしたときに、「君」のほうは望むなら運試しをしてもよい 六面体ダイスを二つ振り、その... -
ソーサリー・ゼロ第四部-01
...ページ ソーサリー・ゼロ これまでのあらすじ 第一部「魔法使いの国」 君は、若く勇敢な魔法使いだ。 祖国アナランドを危機から救うべく、カーカバードの無法地帯を横断する旅を続けていた君だったが、ふと気がつくと周囲の光景は 一変していた。 そこは、ハルケギニア大陸のトリステイン王国と呼ばれる未知の土地であり、魔法を使える特別な血筋の者たちが王侯貴族として君臨し、 大多数の平民たちを支配しているという、奇妙な世界だったのだ。 君がこのハルケギニアにやって来たのは、ルイズという少女が執り行った、『≪使い魔≫召喚の儀式』が原因だった。 ルイズは大いに戸惑いながらも、とにかく君を≪使い魔≫にすることに決め、自分に対する忠誠を求めた。 今すぐカーカバードに戻る方法がないと知らされた君は、当面の庇護を得るために彼女に従うことに決めるが、自... -
ソーサリー・ゼロ-1
表紙へ戻る / 次ページ 一 君が眼を開けるとそこは、暖かな陽光がふりそそぐ草原だ。 つい今しがたまで、大魔法使いの居城であるマンパン砦を目指してザメン高地を進んでいたはずなのだが、岩だらけの地面は柔らかな芝草に、 暗雲たれこめる空は綿雲の漂う蒼穹へと変化している。 上体を起こして眼をこすりつつ、君は呆然とする。 歩きながらいつしか眠りに落ち、平和な故郷の夢を見ているのだろうか? それともこれは、君を阻止せんとする大魔法使いの罠なのだろうか? 考える君の視界に小柄な人影が入りこむ。 身長五フィートあまり、黒いマントと白い清潔そうなシャツ、灰色のスカートをまとった少女だ。 長く薄赤い髪と大きな瞳が目立つ顔には、当惑の表情が浮かんでいる。 少女は意を決したように大きく息を吸い込むと、君にむかって 「あんた誰?」と尋ねる... -
ソーサリー・ゼロ-5
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 八〇 食堂の前まで戻ってきたが、学生たちの朝食はまだ続いている。 貴族の子弟の食事ともなると、パン一枚や腸詰一本で軽く済ませるようなことはないらしい。 君はその場に立ってルイズの戻りを待つが、近くの石造りのベンチに腰をおろし、 背嚢から食糧を取り出し、 食事をしてもよい(その場合、体力点二を加えよ)。 やがて戻ってきたルイズは不機嫌そうな声で君に、ついてくるよう促す。 どこに行くのかと君が問うと、まもなく今日の最初の授業があり、教室では≪使い魔≫の同席が認められているという。 この世界の魔法の体系と修練の方法に興味を持った君は、ルイズに従って教室へ向かう。一八九へ。 一八九 そこは奇妙な構造の部屋だ。 部屋の一方の壁には濃緑色の大きな長方形の板が... -
ソーサリー・ゼロ-4
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一二 寄宿舎のルイズの部屋へと戻った君は、頃合を見計らって彼女を揺り起こす。 君に着替えを手伝うよう命じるルイズと、この世界の女性に恥じらいはないのかと嘆く君との間で短い口論こそあったが、 やがて身支度を終えたルイズは、君を従えて廊下に出る。 そこで君たちは、紅蓮の炎のような赤い髪と褐色の肌をもつ少女に出会う。 少女といっても顔つきも体格もルイズよりずっと大人びており、服の胸元を大きく開いて豊かなふくらみを惜しげもなくさらけ出している。 やはり、この世界の女には恥じらいが足りぬようだ。 「あら、おはようルイズ」 赤毛の少女の声には、なにかを面白がっているようなひびきがある。 「おはよう、キュルケ」 対するルイズの挨拶からは、あからさまな嫌悪感が感じられる。 キュルケ... -
ソーサリー・ゼロ-6
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二一八 ルイズは君を従えて教室をあとにし、食堂へと向かう。 君たちのあいだに会話はない。 「……笑いたきゃ笑いなさいよ」 ルイズが低く小さな声で、沈黙を破る。 「そうよ、わたしは魔法をまともに成功させたことなんて、一度もない。爆発以外の結果が出たのは、あんたを召喚して契約したときだけ」 さらにルイズの言葉は続く。 トリステイン王家にも近しい名門貴族の令嬢である自分だが、幼いころから魔法を使えないことで嘲笑われ、家族にも責められてきた。 この魔法学院に入学した後も、いっこうに才能は開花せず、このままでは退学を強いられるかもしれない。 しかし、あきらめずに修練を続ければ、いつかは必ず四つの系統のいずれかを身につけ、一人前の魔法使いになれるはずだと言う。 この少女はただ... -
ソーサリー・ゼロ-9
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二五四 君の口から出たあまりに意外な第一声に、ルイズはしばらく考えこむ。 「あー、そうね。私がご飯を分けてあげたすぐ後に、決闘騒ぎになったんだっけ」 ルイズは、花も恥らうような輝かしい笑顔を浮かべる。 「あの後も戻って来なかったから、ちゃんとご飯を食べられたかどうか心配してたんだけど、調理場でご馳走になってたのね」 形のよい眉がわずかに吊り上がる。 「あっはっは、よかったよかった」 この笑い声は、ひどい棒読みだ。 君は彼女にあわせて笑うが、次に来るであろう怒声を予想して身構える。 しかし、ルイズは怒声のかわりに、君の脚に強烈な蹴りを浴びせる。 過去に幾多の危難を乗り越えてきた、君の鋭い勘と俊敏な身のこなしをもってしても、この一撃をかわすことはできない。 君... -
ソーサリー・ゼロ-18
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一〇〇 君は手にとった長剣をしげしげと眺める。 いわゆる片手半剣に分類される型の武器であり、柄を含めた全長は五フィート近いが、刀身が細いためか意外なほど軽い。 いままで使ってきた剣にくらべてやや大きすぎるきらいはあるが、偉大な魔法使いからの贈り物なのだから、ただの武器ではあるまいと考える。 君は剣を鞘から抜きつつ、これにはなにか魔法の力が込められているのかとオスマンに尋ねるが、謎めいた声に語りかけられて手を止める。 「あったりめえよ! おい、若ぇの。この俺様を、そんじょそこいらのなまくらどもと一緒にしてもらっちゃあ困らぁ!」 低いが威勢のいい、男の声だ。 あたりを見回すが、苦笑する老人以外は何者も見えない。 「なにを穴掘り鼠みてぇに、きょろきょろしてやがんでぇ! 俺ぁここだ、... -
ソーサリー・ゼロ-3
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二〇〇 窓から見える空が漆黒から紺に変化した頃に、君は眼を覚まし室内を見渡す。 マンパン砦を目指すここ数週間の旅で、君は日の出とともに歩き出し暗くなる前に野営する習慣が身についているため、たとえ疲れ果てて眠りに就いても、 日の出の前には自然に起きてしまうのだ。 短時間とはいえ屋根の下で睡眠をとれたので、体力点一を加えよ。 あのルイズという少女は、君がいままで見たこともないような分厚く柔らかな布団にくるまり、相変わらずぐっすりと眠っている。 気楽なものだと、君は小さく呟く。 これからの行動を決めよ。 朝だと言ってルイズを揺り起こすか(二七〇へ)、それとも部屋を出て学院の敷地をうろついてみるか(九へ)? 九 領主の館といった趣きの寄宿舎から外に出た... -
ソーサリー・ゼロ-2
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 六 君はなんとも奇妙な夢を見る。 あの若き魔女に捕らえられ、嗜虐趣味のある彼女の手によって、左手の甲に焼印を押し付けられるという夢だ。 激痛と肉の焼けるおぞましい臭いに耐えられず、夢の中の君は気を失う。 眼を開けると頭が割れそうに痛む。 頭をあげ、後頭部にできたこぶをさすりながら周囲の状況を把握する。 そこは広々とした部屋だ。 一方の壁にガラスのはまった窓があり、反対側の壁には木の扉がある。 壁際には寝台や衣装箪笥などの高級そうな家具が並び、部屋の中央、君の正面には円卓と数脚の椅子がある。 椅子のひとつに座って君の背嚢を調べているのは、あの少女だ! 少女は君が眼を覚ましたのに気づくと、驚くべき事々を語りはじめる。一八三へ。 一八三 ... -
ソーサリー・ゼロ-7
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二九六 体力点一を失う。 砂の持ち合わせはあるか? なければこの術の効果はないので、一六一へ戻って選びなおせ。 君が青銅ゴーレムたちの足下の地面に砂を投げると、途端に地面が泡立ちはじめ、流砂が青銅ゴーレムの足をとらえる。 六体の青銅ゴーレムは次々とその場に倒れ、重い青銅の躯体はみるみるうちに沈んでいく。 あっという間にその姿は見えなくなり、やがて流砂は、もとの固い地面へと戻る。 「≪土≫系統だ!」 「杖もなしに、あれだけの魔法を……?」 周りを囲んで見物していた生徒たちが、思いもよらぬ結果に驚きざわめくなか、君は決闘の相手であるギーシュを正面から見据える。 少年の顔は青ざめ、戦意を喪失しているのは誰の目にも明らかだ。 「き、君も≪土≫のメイジだ... -
ソーサリー・ゼロ-8
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一三三 声をかけると、男は驚いた様子で君を見る。 「おお、あなたはミス・ヴァリエールの……。先ほどの決闘ではお見事でしたな。 相手の血を流すことなく武器だけを奪い、 勝利を収めたあとも驕らず互いに非を認めあうとは」 貴族である魔法使いが平民、しかも自分の生徒の≪使い魔≫と会話するにしては、ずいぶんと丁寧な言葉遣いである。 なにか裏があるのかと警戒するが、男は君を高く評価しているうえ、もともと高圧的な態度をとることを好まない性格らしい。 君は、≪炎蛇のコルベール≫と名乗る教師の賞賛の言葉に相槌を打ちつつ、小さな疑念を抱く。 あの場に居たのは生徒ばかりで教師の姿はなかったはずだが、彼はどこから決闘の様子を見ていたのだろう? 君が事情を説明すると、コルベールは、ちょうど次の授業でミ... -
ソーサリー・ゼロ-19
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 四六〇 振り返った君は、思わず感嘆の息を漏らす。 君が目にしたものは、白いドレスをまとい、長く薄赤い髪を金色の装身具を使って後頭部でまとめ、静々と歩み寄ってくるルイズの姿だ。 以前から眼が大きく可愛らしい顔立ちだとは思っていたが、こうして着飾った姿からは、大貴族の令嬢にふさわしい洗練された気品、優雅な美しさが伝わってくる。 いつもの我儘で高慢なじゃじゃ馬とは、似ても似つかない。 女とは衣装や化粧でこうも化けるものかと、君は感じ入る。 君が舞踏会はどうしたのだとルイズに尋ねると、彼女は 「なんだか、つまんなくなって」と言う。 「今までさんざん、ゼロだ、劣等生だ、とからかってきた連中が、掌を返したように馴れ馴れしく近寄ってきて 『お嬢さん、僕と踊ってもらえませんか?』とか言って... -
ソーサリー・ゼロ-13
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二九七 体力点一を失う。 黄色い粉末は持っているか? なければ二四八へ戻って選びなおせ。 「それも魔法の薬なの?」 小瓶に入った黄色い粉末を嗅ぐ君を見て、ルイズとキュルケは怪訝な表情で君を見る。 「その薬品には、ど、どんな効果が?」 興味津々で尋ねてくるのはコルベールだ。 君はなにも答えず、術の効果が全身に行き渡るのを数秒のあいだ待つ。 魔法書の奪回はルイズの≪使い魔≫としてではなく、アナランドの魔法使いとしての義務なのだから、彼女たちを巻き込むわけにはいかぬと君は考える。 やがて、ルイズたちの動きがひどくゆっくりしたものに変わったのを確認すると、君は学院の門に向かって走り出す。 この術の効果は、術者を信じられぬほどの速さで動けるようにしてくれること... -
ソーサリー・ゼロ-15
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一〇二 キュルケとタバサに、魔法で土大蛇を牽制するよう頼み、君自身はフーケを絞めあげる月大蛇に近づく。 君は大蛇に向かって、その女を放せと言おうとするが、ルイズに先を越される。 「ミス・ロングビルから離れなさい、醜い化け物!」と言うと、 君を追い越して前に進み出る。 無茶をするなと君が後ろから肩をつかむと、ルイズは振り返り、きっと睨む。 「わたしは貴族よ。目の前で人が殺されそうなときに、何もしないで見ているなんて、貴族の名折れよ! それに、ここであいつを退治すれば、わたしはゼロのルイズなんかじゃなくなるわ!」 ルイズはそう言うが、彼女の肩に置いた君の手には震えが伝わってくる。 大魔法使いの最強の部下である七大蛇の一匹、月大蛇のおぞましい姿を前にしては無理もない。 非力... -
ソーサリー・ゼロ-12
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一一九 夕日が沈む前に学院に帰り着き、馬丁に事情を説明してから馬を厩舎に戻した君たちは、寄宿舎へ向かう途中で意外な二人連れに出会う。 ひとりは赤い髪、褐色の肌、艶めかしい肉体をもつ少女≪微熱のキュルケ≫だが、もうひとりの小柄な少女は、君にとって見慣れぬ顔だ。 青い髪と白い肌をもち、いっさいの感情を浮かべぬ物静かな容貌で目立つところといえば、眼鏡のレンズ越しに輝く青い瞳くらいのものだろうか。 ルイズやキュルケと同じく黒いマントをまとい、自らの身の丈よりも長大な杖を手にしている。 「おかえり、ヴァリエール。道中は大変だったわね、学院の馬を死なせちゃうなんて」 動と静、赤と青、豊満と未熟――あらゆる点で対照的なふたりのうち、口を開いたのはキュルケである。 「な、なんであんたがそんなこ... -
ソーサリー・ゼロ-14
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一四七 ひどくなる一方の揺れをものともせずに君が駆けつけてきたのを見て、フーケは驚きを隠せない。 「な……なんのつもりよ!」と言う。 君はフーケに向かって、お前は金のためなら人を殺すこともいとわない屑だが、いま我々を狙っているのはさらに残虐で酷薄な怪物どもであり、 生き延びるためにはふたりで力を合わせるしかない、と説明する。 「この地震と暗闇の魔法が誰の仕業か、わかってるっていうの!?」 フーケに説明しようと口を開きかけた途端、君たちの足元の地面が裂け、そこから高温の蒸気が噴き出す。 君とフーケはとっさに飛び退き蒸気をかわすが、蒸気を噴き出す地割れは次々と周囲に現れ、君たちふたりは ふたたび分断されてしまう。 君はフーケに向かって蒸気の煙ごしに、≪土≫の魔法使いなら... -
ソーサリー・ゼロ-16
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一〇三 闘いを終えた君は、一息つく前に少女たちに怪我の具合を尋ねる。 キュルケは火傷と打ち身を、タバサは擦り傷をこさえているが、いずれもたいした負傷ではないようだ。 「私の≪ファイヤーボール≫もタバサの≪エア・カッター≫も、足止めにしかならないんだもの。危なかったわ」とキュルケは言うが、 七大蛇の一匹を相手に短時間とはいえ互角に闘うなど、普通の人間ではまずなしとげられぬ壮挙だ。 君はキュルケのことを、ただの放埓な快楽主義者かと思っていたのだが、大いに認識を改める。 タバサは高揚も恐怖も示さぬあいかわらずの態度で、黙々と血のにじんだ手の甲を手巾で拭いている。 この少女はまだ幼いといってもいい容姿なのに、最初から最後まで冷静な態度を保ち続けた。 単に感情に乏しいというだけではな... -
ソーサリー・ゼロ-11
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 九六 君は『躍る子羊亭』という、店名どおり後ろ足で立つ羊の看板が掛かった酒場を見つける。 さっそく店に入ろうとする君を、ルイズは袖を引っぱって引き止め、 「ちょっと、あんた昼間からお酒なんて飲むつもり?」と疑いの眼差しで聞いてくる。 酒場は多くの人々が集まる場所であるから、情報収集のために入るだけだと君は言うが、 「なんで情報収集が必要なのよ。だいたい、学院の外の世界の話が聞きたいのなら、出入りの業者にでも聞けばいいじゃないの」と、 納得しない。 君は、あのスナタ猫の他にもカーカバードの怪物が、このトリステインの地で目撃されたかどうかが気になってここに来たのだが、久しぶりに麦酒にありつきたいという思いも、 まあ皆無ではない。 亭主に少し話を聞いてすぐ戻ると言うが、ルイズは ... -
ソーサリー・ゼロ-10
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二八五 君はルイズの小さく華奢な手を握ると、そのまま一息に引き上げるが、勢いをつけすぎたため二人そろって落馬しそうになる! 運だめしをせよ。 吉とでたら一四四へ。 凶とでたら一五へ。 一四四 なんとか体勢を立て直した君は、ルイズを前に跨らせると、獣から逃げるべく馬に拍車をあてる。 怯える馬はすぐさま全力の襲歩(ギャロップ)に移り、唸る獣ともがき苦しむ馬の姿は、はるか背後へと消える。 城下町の壁が見えてきたところで、ようやく安心した君は馬の歩調を緩めるが、ルイズの肩は小さく震えている。 「あの獣が襲ってくるところ……ぜんぜん見えなかった。気がついたら馬が倒れて、振り落とされて……」 ぶつぶつとつぶやくルイズに君は、怪我はなかったかと尋ねる。 「... -
ソーサリー・ゼロ-17
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 七七 学院の正門にたどり着いた君たちふたりに、門番が声をかける。 「ミス・ヴァリエールとその使い魔殿、学院長室まで出頭せよとの指示が出ています」 おおまかな事情説明は先に戻ったキュルケが済ませているだろうが(無口なタバサには期待できない)、事件の関係者で≪土塊のフーケ≫相手に 直接渡り合ったのは君ひとりだけなのだから、 詳しい説明を求められるはずだ。 ルイズはまっすぐ学院長室のある本塔へ向かおうするが、君はあわてて引き止める。 月大蛇にかけられた失敗魔法の爆発は、ルイズ自身を傷つけることこそなかったものの、服のあちらこちらを引き裂き、煤と泥、大蛇の緑色の血で彼女を汚してしまっている。 とてもではないが、学院長のオスマン――伝説的な魔法使いの前に出られる姿ではない。 大急ぎで寄... -
ソーサリー・ゼロ第二部-8
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 四七 武器を抜いて、この水そのものでできた怪物と闘うか(二八八へ)? それとも、使えるものがないか背嚢の中を探してみるか(二五八へ)? 二五八 背嚢にある品のなかで、使えそうな物はあるか? 油の小瓶・三一七へ 幸運の護符・二七〇へ 羊皮紙の巻物・三二七へ いずれも持ち合わせていなければ、武器を抜いて水大蛇と闘わねばならない。二八八へ。 三一七 大蛇は透明な牙を剥き出しにして降下してくるが、君とフーケはすばやく左右に飛びのく。 君は小瓶の栓を抜くと、すぐそばを通過する怪物の胴体に瓶の中身を振りかけ、期待の目で見守る。 この怪物の弱点は覚えている。 水大蛇は油によってその肉体を分解され、無害な水しぶきに変わってしまう... -
リンク切れっぽいページ
... ソーサリー・ゼロ第四部-16 次虚無と賢女 ゲーム帝国ハルゲギニア出張版 復活・使い魔くん千年王国 第十章 ティファニア スクライド・零-23 出来損ないの魔術師と改造人間-4 マジシャン ザ ルイズ 3章 (60) ... -
ソーサリー・ゼロ背景-07
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ ローザの口元から覗く牙を目にして、タバサは眉根を寄せた。 「それが≪血族≫。あなたは奴と同じ化け物に変わってしまった」 タバサの口調は、ただ事実を確認しているだけだと思わせる淡々としたものだったが、彼女の瞳には怒りとも悲しみともつかない、 謎めいた輝きがあった。 ローザは冷ややかに笑いを漏らしたが、その声は奇妙なほどに生気が欠けており、美しくも虚ろな響きがあった。 「そのとおりです、騎士さま。わたしはあのお方の≪血族≫となりました。あのお方のふるさとでは『不死者』、あるいは『闇の貴族』とも 呼ばれている不滅の存在。≪屍人鬼≫を操るちゃちなまがいものとは違った、まことの吸血鬼へと生まれ変わったのです。 騎士さまとはじめてお会いしたあの日、子供のようにおびえて取り乱していたのが恥ずかしくなります。だって、今... -
ソーサリー・ゼロ背景-06
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 彼は奇妙な存在だった。 どこにでも居るような若い男であり、いかにも平民といった風情の姿をしているのだが、それでありながら、どこかハルケギニアの人々とは違った、 異質な雰囲気を漂わせていた。 元はといえば、二十日余り前に、タバサと同学年であるひとりの少女――貴族でありながらいかなる魔法も使えないために、≪ゼロ≫という 不名誉なあだ名をもつ――によって≪使い魔≫として召喚され、魔法学院へとやって来たのだ。 現れた直後に、少女の唱える≪コントラクト・サーヴァント≫の呪文を攻撃性のある魔法と勘違いしたのか、剣を振りかざして暴れようとしたが、 その場に居合わせたタバサが≪ウィンド・ブレイク≫で吹き飛ばして失神させたため、事なきを得た。 通常は鳥や獣、ときに幻獣が呼び出されるはずの≪サモン・サーヴァント≫におい... -
ソーサリー・ゼロ背景-02
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 「また吸血鬼のお出ましよ。まったく、なんたら村の騒ぎがどうにか片付いたばかりなのに、もう一匹湧いて出てくるなんてね」 そう言ったのは、泉のように青い瞳と、癖ひとつない青くきらめく髪をもつ少女だった。 整った目鼻立ちと雪のように白い肌は、豪奢な絹のドレスとあいまって美術品を思わせる美しさをかもし出しているのだが、敵意に満ちた 険しい目つきと粗野な態度が、それらの美点をだいなしにしていた。 ガリア王国、いや、ハルケギニア大陸における最大の都・リュティスの東端には、『グラン・トロワ』と呼ばれる広大かつ壮麗な王宮が存在し、 そこから少し離れた場所に『プチ・トロワ』という小宮殿が建てられていた。 その『プチ・トロワ』の一室で、ふたりの少女が向かい合っていた。 「だから、あんたは命に代えてもその吸血鬼... -
ソーサリー・ゼロ背景-01
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 彼は満足げにうなずいた。 日に数十回も唐突に現れては消える小さな『裂け目』を調べていた彼は、予想どおりの場所に現れた『裂け目』をくぐり抜け、まったく未知の世界に降り立ったのだ。 数日を費やして――彼は自らがもたらした『時』の影響を受けない存在なのだが――この世界を隅々まで巡り、多くのものを見て、多くのことを聞いた。 すべてを知った彼は、ほくそ笑んだ。 この世界は絶好の『遊戯盤』だ。 ここには過剰なまでに厳格で小うるさく、創造や諧謔の精神に欠けているくせに力だけは強い、あの『天の王宮』の神々は居ない。 ≪大いなる意思≫と呼ばれる土着の神――もしくは神に近いものは存在するらしいのだが、それが彼に力を振るうことはない。 彼のような強力かつ危険な『異物』の侵入を許し、なんの対策も講じようとしないのがな... -
ソーサリー・ゼロ背景-05
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 「お、お姉さま、起きて! たいへん、たいへん!」 何の兆しもなく起こった異変を前にして、ひどく恐慌をきたしたシルフィードは、主人の両肩をつかんでがくがくと揺さぶった。 タバサはすぐに目を覚まし、眼鏡をかけると、杖を手にして立ち上がった。 「来たの?」 タバサの問いに、シルフィードは勢いよくうなずいた。 「小屋の中からローザさんの悲鳴が! お姉さま、早く!」 タバサは茂みの陰から飛び出すと、小屋に向かって走りつつ早口に呪文を唱えた。 彼女が小屋の扉に向かって片手を突き出すと、腹に響くような重々しい激突音が、夜のしじまを破った。 ≪エア・ハンマー≫の呪文によって作り出された空気の弾丸を受けた扉が、巨獣の突進を受けたかのように吹き飛んだのだ。 タバサは足を止め、扉を失った戸口の向こう、小屋の中の暗... -
ソーサリー・ゼロ背景-04
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ タバサは女を睨みつけ、 「≪屍人鬼≫」と低くつぶやくと、 杖を掲げ、早口に呪文を唱えだした。 「待って、待ってください! わたしは≪屍人鬼≫じゃありません!」 女はおびえた声でそう叫ぶと、両手を前に突き出しあとずさった。 「騎士様、お話ししたいというのは、この傷のことなのです! わたしを助けてください! どうか、どうかあいつを退治してください! このままでは、わたしは本当に――」 「あいつ?」 シルフィードが当惑したようすで口を挟んだ。 「あいつって、吸血鬼のこと?」 女はシルフィードの方に向き直ると、何度も大きくうなずいた。 「そうです! あいつは……あの化け物は、今夜もわたしの所にやって来ます! そう言っていたんです!」 その言葉を耳にして、シルフィードは困惑に眉根を寄せ、タバサは青い... -
ソーサリー・ゼロ第四部-05
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二四四 ホーキンスは眉根を寄せる。 怪訝そうな目つきで君を見るが、やがて 「奇妙なことに、クロムウェルも、カルトゥームらカーカバードから来た指揮官たちも、その者の名を口にはしなかった。 もちろん姿を見た事もない。もっとも、カーカバードの王がアルビオンに来ているという話は聞いていないのだが」と言う。 君はがっくりと肩を落とす。 敵の首領の名を聞けば、カーカバードから来たと自称する、謎めいた連中の正体を推察する助けになるのではと考えたが、 そううまくはいかぬようだ。 「そういえば、クロムウェルは同盟者のことを単にカーカバードの王と呼んでいたが、あの蛮族どもは別の呼び方をしていた。 一度だけ聞いた事がある」 ホーキンスは言う。 「『大魔王様』。奴らは自分たちの主君の事を、そう呼んでいた」と。... -
ソーサリー・ゼロ第四部-03
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 三六六 マザリーニの後を追おうと席を立つと、エレオノールは驚きと非難の眼差しで君を見る。 「ちょっと、あなた! 枢機卿猊下のお言葉を聞いていなかったの!? 座りなさい!」 エレオノールの言葉に構わず、君は枢機卿に声をかける。 アルビオンの使者と会見するその場に、自分も立ち合わせてはくれぬか、と。 マザリーニは君を値踏みするようにじっと見据えるが、やがて小さくうなずき 「よかろう、来たまえ。遥かなる異国の者の眼には、我らには見えぬ物が映るやもしれん」と言うと、 戸口をくぐる。 部屋の中にいる全員の注目を浴びながら、君はマザリーニについて部屋を出ていく。 マザリーニは廊下を大股に歩む。 三歩ほど後についた君のほうを振り返ろうともせず、前を見たまま 「『神聖アルビオン共和国』からの... -
ソーサリー・ゼロ背景-03
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ ガリア北西部、西の大海に面したアルジャンタン地方には、恐怖が潜み棲んでいた。 恐怖は曲がりくねった谷間や鬱蒼とした森を霧のように流れ、疫病のように町や村に滲み入り、夜毎に犠牲者を増やしていった。 王都リュティスへと通じる街道の宿場町メルドープにも、恐怖ははびこっており、町民たちはそれに対抗する手段を見出せずにいた。 その恐怖がこの地方に到来してからもう一月近くになるが、最初の惨劇は、このメルドープで起きたものだった。 ある朝、一人の行商人が変わり果てた姿となって見つかったのだ。 内側から鍵のかけられた宿の部屋から、全身の血を失い干物同然に成り果てた人間の残骸が見つかり、その首筋には、鋭い牙による咬み跡が 残されていた。 このハルケギニアの地に、人間を襲ってその血肉を喰らう猛獣や幻獣、亜人は数多い... -
ソーサリー・ゼロ第二部-5
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 五〇七 体力点二を失う。 術を使ってしばらく待つと、徐々に地面が遠ざかる。 君の体が大きくなっているのだ! 「嘘ぉ!?」 「え、ええ!?」 ルイズとギーシュが信じられぬという顔で見守るなか、君はもとの三倍ほどの大きさになる。 武器を抜いて甲虫と闘え。 バドゥ甲虫 技術点・七 体力点・九 術が効いているため、君は通常の倍の技術点で闘うことができる。 怪物を一回負傷させたら一三六へ。 一三六 一撃を喰らった怪物は、怒りの唸り声とともに口から液体を吐きかけ、君の脚に命中させる。 この甲虫の唾液は酸性であり、人間の肉など簡単にむしばんでしまうのだ。 脚にやけどを負ったので、体力点二を失う。 このまま闘い続けて... -
ソーサリー・ゼロ第二部-7
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 五〇 町外れにある小さな滝を目指して歩く君は、黒い長衣をまとった人物が、こちらに向かって大股に歩いてくるのを見出す。 頭巾を目深にかぶっているため顔はわからぬが、長身であり、腰には細身の剣らしきものを差している。 互いの距離が十ヤードほどに狭まったので、その人物の顔が見えるようになるが、目を丸くしたことに、頭巾の内側にあるのは吊り上った目と口をもつ白い仮面だ。 仮面の人物は君にはなんの関心もないらしく、まっすぐに進んでくる。 君はこの怪しげな相手とかかわりあいにならぬよう、道の脇に寄るか(一四三へ)、それとも挨拶をしてみるか(二七五へ)? 二七五 相手が貴族だろうと推察した君は、平民らしくやや卑屈な態度で挨拶するが、仮面の人物は足も止めずに 「どけ、平民」と言いつ... -
ソーサリー・ゼロ-呪文解説(別作者)
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 67 :66:2007/08/23(木) 21 05 33 ID H4fkg1tU ほいほい、ではサクサクっと解説していきますか。 アナランドの魔法使いの扱える呪文は48種類。 当然、《冠》奪還の冒険に出た「きみ」も魔法使いなのだが、 その呪文書は悪党や怪物の手に渡らないよう、門外不出。 故に冒険に出る前に、呪文を暗記しなければならないのである。 まあゲームブックなので選択肢が提示されるから、 当てずっぽうにパラグラフを選んでも良いんだけど……。 時々ダミー(存在しない)呪文が混ざってて、 それを選ぶとペナルティとして体力点が減ったりするから油断できない。 ちなみに魔法使いの体力点は2D6+12。 平均して19点ということを把握してると、それぞれのリスクがわかって面白いかも。 68... -
ソーサリー・ゼロ第三部-05
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 九六 コルベールと会おうと考えた君は、その辺りをうろついている生徒たちに、彼の居そうな場所を訊いてみることにする。 ほどなく、見覚えのある顔を目にしたので話しかける。 相手はおどおどした目つきの小太りの少年だ。 たしかルイズの級友で、彼女を頻繁に≪ゼロのルイズ≫と呼んでからかっている者たちのひとりだ。 ≪風っ引き≫とかいう二つ名をもつはずだが、本名を思い出せない――君の彼に対する印象は薄いが、向こうは君のことを、貴族を恐れぬ心と力をもつ油断ならぬ平民とみているらしく、 話しかけられるとぎょっとした様子を見せる。 「ミ、ミスタ・コルベールなら、用事のないときはいつも『研究室』に居るよ」 少年は君に悪意がないと見てとると、気をとりなおして言う。 「本塔と『火の塔』に挟まれたところに掘っ立て... -
ソーサリー・ゼロ第二部-4
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一一七 オスマンとの話を終えた君たちは部屋に戻り、旅支度を整えることにする。 君自身は今すぐにでも旅立てる状態だが、ルイズは部屋のあちらこちらをかき回しては、毛布や拍車のついた乗馬靴、防水性にすぐれた素材で仕立てられた頭巾つきのマントなどを引っ張り出している。 君は夜明けとともに起き出し、荷物をまとめる。 君の動く音に目を覚ましたルイズは、しょぼつく目をこすりながらいつものように君に着替えの手伝いを命じようと口を開きかけるが、思い直したように口をつぐむと、 のろのろと衣装箪笥に向かう。 身の回りのことくらいは自分でできるところを見せて、これから始まるアルビオンへの旅でも、足手まといにはならぬところを証明しようとしているのだろう。 外では平民の奉公人たちが動き出し、夜勤の衛... -
ソーサリー・ゼロ第二部-2
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 三三八 体力点一を失う。 竹笛の持ち合わせはあるか? なければ術は使えぬので、二五四へ戻って選びなおせ。 竹笛があるなら、竜に術をかけて笛を吹け。 笛の調べに、竜は小首を傾げて君を見る。 しばらくすると急に後脚で立ち上がり、翼と尻尾で巧みに釣り合いをとりながら、その場で足踏みを始める。 竜の身で可能な限り踊りに近いものをはじめているのだ! 音色に合わせて首を振り、前脚を動かす様子は楽しげに見えるが、実際は術にかけて強制的に踊らせているだけだ。 いたずらはこれくらいで終わりにして笛を吹きやめようとする君だが、突然、無邪気そうな女の歌声を耳にしてぎょっとする。 ”きゅ~いきゅい ああ風に乗り 翼を広げて空を飛ぼ~” 鈴の鳴るような声だ。 笛を吹... -
ソーサリー・ゼロ第二部-3
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一五三 一刻も早くオスマンの話の内容を知りたい君は、ぼうっとしたままのルイズの手をとると、彼女を引きずるようにして部屋を出て行く。 本塔の門前でようやく正気に返ったルイズは、気がついたら部屋から連れ出されていたことに怒って君を問い詰めるが、オスマンから呼び出しがかかったことを説明すると、 それ以上なにも言わずに先へと進む。 学院長室は、前に見たときにくらべてひどく雑然としている。 紙や羊皮紙の束が、机だけではなく、絨毯を敷いた床の上のあちらこちらにまで積み上げられているのだ。 「夜遅くにこのような、むさ苦しく散らかった場所へ呼びつけてすまんな」 やや疲れた様子のオスマンが、君たちを出迎える。 「たとえ正体が何者であれ、ミス・ロングビルが得がたい優秀な人材であったことは確... -
ソーサリー・ゼロ第三部-15
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 三〇三 君は、逃げろと一声叫ぶと踵を返し、全力で駆け出す。 自らの魔法が引き起こした思わぬ結果を前に、呆然と立ちつくすルイズの手をつかんで引っ張り、火狐とともに走るキュルケを追い抜く。 タバサは、小動物を思わせる俊敏さで君たちの数ヤード前をひた走りに走る。 坑道が後ろでどんどん崩れ落ち、土砂が君たちの頭に降り注ぐ。 幸い、道は下り坂のため、走る勢いは衰えない。 むしろ、勢いがつきすぎて転んでしまうことに注意せねばと考える君の耳に、背後からの小さな悲鳴が飛びこんでくる。 振り返った君が見たものは、床にうずくまって苦悶の表情を浮かべるキュルケの姿だ。 転んだ拍子に足首を捻ってしまったらしく、立ち上がろうとしても、すぐによろけて片膝をついてしまう。 彼女の傍らには≪使い魔≫の火狐が居て、... -
ソーサリー・ゼロ第二部-1
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一 トリステイン魔法学院。未来の支配階級たる少年少女たちを育て上げる伝統ある学び舎――そして君の当座の居場所。 この学院は、天に突きつけられた巨大な指を思わせる本塔とその周囲に配置された四つの塔。そして男女別の寄宿舎や倉庫、厩舎などのさまざまな付属施設からなる。 君はいま、四つの塔のうちのひとつである≪風の塔≫のなかの一室、広々とした教室のなかに居て、『ご主人様』である貴族の少女、ルイズの隣の席に座り、自前の羽ペンと羊皮紙で黙々とメモをとっている。 講師をつとめる魔法使いは≪疾風のギトー≫と名乗る、黒く長い髪と青白い肌が目立つ、ひどく鬱屈とした男だ。 ギトーは、自らが得意とする≪風≫系統の魔法こそ最強であるという持論を展開し、聞き取りづらい声で長広舌を振るっている。 話に興味の湧... -
ソーサリー・ゼロ第四部-11
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 三三〇 どの武器を使う? 短剣・四四六へ 手斧(ちょうな)・五五三へ チャクラム・三九六へ デルフリンガー・四五三へ 上記のいずれでもないなら、武器を手に黒エルフと闘え(四九三へ)。 四五三 鞘から抜き放たれたデルフリンガーは、 「おお、やっと俺の出番かね。待ちくたびれたぜ」と嬉しそうな声を上げる。 君は魔剣の柄を逆手に握り、肩の高さまで持ち上げる。 「相棒? 何するつもり……」 デルフリンガーに最後まで言わせず、渾身の力で黒エルフめがけて投げつける。 運だめしをせよ。 吉と出たら四四へ。 凶と出たら四六七へ。 四四 君の手を離れたデルフリンガーは、狙いあやまたず黒エルフの胸板に命中する。 体を貫かれた黒エルフは... -
ソーサリー・ゼロ第四部-07
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二八三 「な、なによ。わたしが怖がってるとでも思ってんの?」 ルイズは気色ばむ。 「ちょっとロンディニウム塔まで足を伸ばして、≪エクスプロージョン≫で塔のてっぺんごと≪門≫の装置を吹き飛ばせば、それでおしまい。 はっきり言って、タルブの時より簡単なくらいだわ」 そこで、壁に立てかけてあったデルフリンガーが話に加わる。 「だが、そこまでの道のりが大変なんだろ? 塔の周りにゃ、相棒と同じ世界からやってきた化け物やごろつきどもが、 うじゃうじゃいるって話じゃねえか。あと、味方のはずだった連合軍も邪魔者になるだろうな。上の統制を外れちまった兵隊ってのは、 山賊の類と同じだ。出くわしたら何をされるか、わかったもんじゃねえ。今のアルビオンはどう考えても、若い娘っ子が行くような場所じゃねえぞ」 ルイズは眉を... -
ソーサリー・ゼロ第四部-13
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一三五 「ああ、ルイズ! あなたとこうして、生きてふたたび会えるなんて!」 アンリエッタは、ルイズの小さな体を強く抱きしめる。 「姫さま、よくご無事で……姫さまがここにおられるということは、『ロリアン』号は……」 ルイズは言いよどむ。 「そうです、ルイズ……」 王女の青い瞳が潤む。 「あなたたちを見送った後すぐ、何十という翼人の群れが港に現れました。彼らは空から火と油をふり撒き、桟橋の船をすべて燃やそうとしたのです。 『ロリアン』号も、あっという間に炎に包まれました。船から逃げ出せたのは、飛び降りて≪レビテーション≫を使ったわたくしひとりだけ……船長さんも、 他の船員のかたがたも、おそらくは……」 そう言うと、アンリエッタは顔を曇らせる。 ロサイスの桟橋を襲ったのは、おそらくカーカバー... -
ソーサリー・ゼロ第三部-23
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 五四 「それで、どうなったの?」 ルイズは君のほうに身を乗り出し、話の続きをうながす。 「ちいねえさまは無事だったんでしょうね? それに、ちいねえさまのご病気は治せたの? それとも、だめだったの?」 あせった様子で矢継ぎ早に質問を浴びせてくるルイズに君は、順を追って話すので落ち着くように、と告げる。 ラ・ヴァリエール公爵の屋敷での事件から、まる一日が経つ(技術点、体力点、強運点を最初の値に戻せ)。 馬を飛ばして魔法学院に戻った君は、ルイズの部屋で彼女とふたりきりになり、事の顛末を語り聞かせているのだ。 ルイズは、君と公爵夫人とのあいだでいさかいがあったことを知ると、眉を吊り上げ、 「あんたって人は、どうしてわたしの言いつけを守らないのよ! 母さまには逆らっちゃだめって、さんざん注意した... -
ソーサリー・ゼロ第三部-20
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 九五 タバサは無言で君の顔をじっと見つめる。 数秒ののち、ふっと視線を逸らすと 「好きなように」と言って、 眠り続ける母親の枕元に置かれた椅子に座る。 しばらくのあいだ、タバサと一緒に彼女の母親が目覚めるのを待っていた君だが、長々と続く沈黙に耐えかね、部屋を出て客間に戻ることにする。 君は長椅子に腰をおろし、あたりを見回す。 部屋の壁は細密な戦場画や肖像画、豪華なタペストリーで優雅に飾られているが、屋敷全体に漂う物寂しい雰囲気をやわらげるどころか、 かえって強めているように思える。 君は、ここでこのまま座り続けて誰かが来るのを待つか(二二四へ)、肖像画を調べるか(三〇二へ)それとも戦場画を調べるか(二一七へ)? 二一七 壁にかかったひときわ大きな戦場画が、君の興... -
ソーサリー・ゼロ第二部-9
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一八九 ルイズとギーシュはあまり気乗りせぬ様子だが、君の意見に強硬に反対する理由もないため、やがてふたりとも同意する。 確かに、ごろつき同然の傭兵どもと同じ船に乗り合わせるのは危険かもしれぬが、おとなしく目立たぬようにしていれば厄介ごとは避けられるだろうし、 なにより船賃の安さは魅力的だ。 『ウィップアーウィル』号に乗船すると決めた君たちは、急いで朝食をとり(体力点一を得る)、荷物をまとめて桟橋へと向かう。 数百段はある長い階段をのぼり終えた君は、信じられぬものを目にする。 山のような大樹が天をついてそびえ立ち、葉のつかぬ枝を四方八方に伸ばしているのだ。 「あれが桟橋よ。ほら、枝に船が泊まっているでしょ?」 ルイズは、唖然とする君に説明する。 彼女の指差す先を... -
ソーサリー・ゼロ第二部-6
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 五〇〇 体力点一を失う。 緑のかつらは持っているか? なければこの術は効かない。 一五へ戻り、別の行動を選べ。 かつらをかぶり術を使う君の様子を見て、ルイズとギーシュは怪訝な顔をする。 「ちょ、ちょっと! ふざけている場合じゃないでしょ! 中に居るのはきっと、すごい化け物よ!」 君はルイズの抗議を無視し、洞窟の闇の奥に居る何者かに向かって話しかける。 再びすさまじい咆哮が聞こえるが、術を使った君の耳にはそれが、意味のある言葉として伝わってくる。 中に居る何者かはひどくおびえており、その大音声で君たちを追い払おうとしているのだ! 君は咆哮の主の正体に思い当たる。 これは、ザメン低地の珍しい生き物である、ジブジブに違いない。 牙も鉤爪ももたぬ非... - @wiki全体から「ソーサリー・ゼロ」で調べる