あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「伝説のメイジと伝説の使い魔」で検索した結果
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伝説のメイジと伝説の使い魔
ドラゴンボール劇場版からブロリーを召喚 伝説のメイジと伝説の使い魔-01第一話 伝説の出会い 伝説のメイジと伝説の使い魔-02第二話 記憶喪失 伝説のメイジと伝説の使い魔-03第三話 使い魔の朝 -
伝説のメイジと伝説の使い魔-01
前ページ次ページ伝説のメイジと伝説の使い魔 第一話 伝説の出会い 「――――」 世界のどこか、どこでもない淡い光の中で、男は誰かの名を叫んだ。その名が何者か、男自身もすでに忘れた。 記憶がなくとも、男は、本能から、本能でしか表せようのない誰かを求めた。 男の根源に眠るのは、流れる血だからこその欲望。自身の強大な力ゆえの狂気。それを上回れた故の、かつて、隣であった故の、劣等感を味わった故の憎しみ。 「――――」 男は叫ぶ。光の彼方に向かって。 男はその意味を喪失し始めていた。男の頭が霞のような霧に覆われ、何もかもが忘却されてゆく。 不意に男は額を押さえる。何かに支配される不快感を感じたからだ。 男は額を掻き毟る。そうでなくては頭が割れる。記憶の彼方に感じた、痛く、僅かに暖かみのある拘束。 男のすべてが光に包まれる。男はもう何も考えら... -
伝説のメイジと伝説の使い魔-02
前ページ次ページ伝説のメイジと伝説の使い魔 第二話 記憶喪失 「ブロリー?それがあんたの名前なのね」 「ブロリー……僕の、名前……僕は誰……?」 男は意味不明な言葉を紡ぐ。 「あんた、何意味わかんない事言ってるのよ。ブロリーってあんたの名前でしょ」 「名前……わからない……ここは……?」 会話が成立していない。ルイズの頭に再び血が上り始める。 「知らないわよ!も~、何でこんな変な平民を使い魔にしなきゃいけないのよ」 男は、ルイズの存在などまったく無視で、自分の世界に入り込んだように独り言を続けている。 使い魔の癖にこの態度。ルイズの頭がいい感じに煮えたぎる。理性がストレスを抑えるのを放棄する。 失笑という冷や水を浴びなかったら、透き通るような桃色の髪を乱さねばならなかっただろう。 ここでキレては恥の上乗せ。活力を取り戻した理性... -
伝説のメイジと伝説の使い魔-03
前ページ伝説のメイジと伝説の使い魔 第三話 使い魔の朝 春の朝は、どうしてこうも、心地がいいのだろうか。 滑らかでふんわりと被さる毛布の感触は、最高級のドレスを纏うように、肌を優しく包んでいる。 部屋の温度と毛布の暖かさのマッチ加減は最高である。体の芯から来る気持ち良さ。まるで憧れの騎士に抱かれているようではないか。 ああ、春眠こそ神が人に与えた祝福。 以上、暁を覚えないルイズの詩である。 ルイズが気分良く朝のまどろみを満喫していると、誰かが腕を掴んできた。しかもかなり強く。 ルイズはリラックスムードに水を差された気分になる。朝の恵みを邪魔するのはどこの誰だ?ルイズは体を傾け抗議しようとしたら、ものすごい振動が全身に襲い掛かる。 最初は地震と思ったが、そんな生易しいものじゃない。表わすなら、直下で大爆発でも起きたような衝撃。 ベッドが... -
長編(五十音順)-04
... 22 (Fri) 伝説のメイジと伝説の使い魔 ドラゴンボール劇場版 ブロリー 2010-11-07 13 34 46 (Sun) 竜が堕ちゆく先は ドラッグ オン ドラグーン アンヘル 2007-08-29 23 27 27 (Wed) ディセプティコン・ゼロ トランスフォーマー (実写映画) ブラックアウト 2007-12-02 08 11 46 (Sun) ゼロの御使い トリコロールクライシス アメネア・グレンデル 2007-10-16 22 44 52 (Tue) ゼロのTrickster トリックスター0 ―ラブ― 魔法型ドラゴン 2008-05-28 21 19 55 (Wed) ゼロのドリフターズ ドリフターズ 漂流物と廃棄物 2013-06-17 23 46 10 (Mon) ドリフターズゼロ ドリフターズ 島津豊久 2012-01-02 07 50 50 (Mon)... -
虚無のメイジと、吸血鬼-02
前ページ次ページ虚無のメイジと、吸血鬼 口付けは、長くて短かった。ルイズが感じたのは柔らかく、暖かい感触。 ――吸血鬼だって言うから、もっと冷たいと思っていたのに。 意外なくらい温もりに溢れていて、瑞々しかった。少し、羨ましくなる。 実を言えばルイズ自身も負けてはいないのだが、そこは隣の芝生は青く見えるという物。 どちらともなく唇が離れていく時に、不覚にも、もう少し――などと思ってしまったほどだ。 契約の口付けが、終わる。 周囲はまた、沈黙に包まれていた。 吸血鬼と言う危険な存在が、こうも簡単に人間との契約を結んだ事への驚きに。 何か裏があるのではないか、と思っている者も少なからず居る。 それだから、フィオナが左手を掲げた時に一瞬空気が硬化したのも無理はないだろう。 心配性な何人かは、振り下ろされた左手がルイズを叩き... -
伝説の使い魔(悪い意味で)
「え……と」 静まりかえったその場で、ルイズは召喚してしまった手前、その使い魔に近寄った。 あまり近づきたくはなかった。 女性なら本能的に距離をおく存在がそこにはいたからだ。 「おおっ!? なんだここは!」 「こ、ここはトリステイン魔法学院よ。それからあなたは私の使い魔なの」 その男は半裸に下半身は黒タイツというエキセントリック極まりない格好をしていた。 歳はコルベールに近いといっていい。頭も寂しくなりかけているのがうかがえる。 お世辞にもナイスミドルとはいいがたい。 平民らしいけれど……というか貴族にはまずみえないし、かといって平民とよんでいいものか。 かけるべき言葉のみつからないルイズをきょとんと見つめていた半裸の平民は、次の瞬間何を思ったか突然その場にひっくり返った。 「おぅおああぁあああああああああーーーーーっ!!?」 ... -
ゼロのメイジと赤の女王‐03
前ページ次ページゼロのメイジと赤の女王 ふたりが城に到着したのは、とうに日も暮れてのことだった。 ルイズは迷いのない足取りで城の中の一室に入ると、物も云わずにベッドへ飛び込んだ。 あれじゃ制服が皺になるんじゃないかなと陽子は思ったが、声をかけられるような雰囲気でもない。 何の気なしに窓へと視線をやって、驚愕に目を見張った。 「・・・月が、ふたつ・・・?!」 月影の国にも様々な非常識が溢れていたが、流石に月と太陽はひとつずつしかなかった。 ああこれはもう異世界確定だな。陽子は軽く頭を抱える。 どうしよう、不可抗力だと思うんだけど、やっぱり怒られてしまうだろうか。こんなに遠くまで来る気はなかったのだけれど。 仏頂面をさらに渋くした景麒と、穏やかなままで威圧する浩瀚を想像してしまい冷や汗を流す。 これはどうしたものかなと悩んだ末... -
三重の異界の使い魔たち-12
前ページ次ページ三重の異界の使い魔たち ~第12話 伝説:1+1/3×3~ 時は少し遡る。 午前最後の授業が終わるよりも前、中堅の教師であるジャン・コルベールは学院の図書館にいた。 学院本塔にある図書館の蔵書は膨大であり、30メイルを下らない高さの本棚が壁際に並んでいる。 その中で、彼がいるのは“フェニアのライブラリー”。教師のみが閲覧できる区画だ。生徒たちも 利用できる一般区画には、彼の求める答えはなかったのである。巨大な本棚に押し込まれた無数の 書物に、コルベールは次々と目を走らせていく。 ――あの使い魔たちのルーン、どうしても気になる それは、学院の生徒であるルイズとタバサ、2人の召喚した使い魔たちを調べるためだ。落ちこぼれと 呼ばれるルイズが風竜を召喚したことには驚いたが、それ以上に興味を引いたのは、あの見慣れない ルーンだった... -
ゼロの使い悪魔
使い魔召喚の儀式の日、ルイズが召喚したのは1人の男だった。 ルイズとその友人達は聞いた事も無いような男の奇妙な本名よりも、悪魔を意味する男の故郷でのふたつ名“ディアボロス”の名で呼んだ。 “ディアボロス”は魔法を使いこなそうとするルイズの世話を、何くれとなく焼いていた。 なぜそこまでするのかというルイズの問いに、“ディアボロス”は自分も故郷では失敗を繰り返し挫折と転落を繰り返してきたのだと語った。 “ディアボロス”はルイズの姿から、自身が無くしていた希望を見たのかもしれなかった。 召喚から数日後、“ディアボロス”は些細な事からギーシュと決闘するはめになった。 “ディアボロス”はギーシュのワルキューレを見てもまったく動じる事無く、 「ブラム=ストーカー/モルフェウスといったところか……。まあこんな小僧、油断しなければ負けは無いな」 と笑みと共に謎の言葉を呟い... -
ゼロのメイジと赤の女王
『十二国記』より中嶋 陽子 ゼロのメイジと赤の女王‐01 ゼロのメイジと赤の女王‐02 ゼロのメイジと赤の女王‐03 ゼロのメイジと赤の女王‐04 ゼロのメイジと赤の女王‐05 ゼロのメイジと赤の女王‐06 -
伝説の使い魔(悪い意味で)2
使い魔品評会前 「いいわね! 今回の使い魔品評会にはアンリエッタ王女殿下もこられるのよ! あんたはぜっっったいにおとなしくしてること!」 自室で正座させられている黒タイツ半裸に向かい、ルイズは一大事とばかりに念をおして注意していた。 半ば〝伝説〟となった召喚の儀の大騒動から、やむなくこの男を使い魔にしてしまった彼女の心中は察してあまりあるものだった。 「何もしないのよ!? な・に・も! もはや品評会で好印象を残そうなんて夢は諦めたわ!」 男は心外そうな顔をしてまだ幼い主人を仰ぎ見た。 「なんで意外そうな顔してんのよ!? あんたの特技って品評会に出せるわけないじゃない! 水中で五分息が止められるだの尻から小麦粉噴射できるだの! そんなことやらかしたらあたし社会的にも法律的にもお終いじゃない!?」 男はしょんぼりとした。 予想外なところで繊細な男だった。 ... -
虚無のメイジと、吸血鬼
「閉鎖師」シリーズより、吸血鬼フィオナ・イストラッド。 虚無のメイジと、吸血鬼-01 虚無のメイジと、吸血鬼-02 虚無のメイジと、吸血鬼-03 -
男達の使い魔 第四話
土くれのフーケは、否マチルダ・オブ・サウスゴータは一つ溜息をついた。 ついに念願がかない、トリステイン魔法学院の宝物庫に押し入る、という段になってだ。 平民のメイドでありながら、圧倒的な力を持つはずのメイジに決闘を挑み、ついには打ち勝ってしまった少女。 潔く負けを認め、謝罪した少年。 あの時、マチルダ・オブ・サウスゴータの周りには、そんな素晴らしい人々は誰一人としていなかった。 そしてー 最後に故郷で待っている家族と、どこかそれに似たメイジと使い魔たちを思い浮かべ、 思いを打ち切った。 「行くよ!土くれのフーケ、一世一代の大仕事だ!」 そう言い切って宝物庫の方へとマチルダ・オブ・サウスゴータは、土くれのフーケは足を進めた。 あの決闘騒ぎからおよそ一週間の時が過ぎた。 回復したシエスタは、マルトーや同僚... -
蒼い使い魔-18
前ページ次ページ蒼い使い魔 バージルがラ・ロシェールへ向け馬を走らせる、 馬で二日かかる距離であったが 途中約束通りタバサがシルフィードに乗り迎えに来たため その日のうちに無事一行はラ・ロシェールへと辿りつくことができた。 バージルがタバサと共にルイズ達が宿をとっている『女神の杵亭』へと降り立つと ずっと入口で待っていたのかルイズが立っていた。 「バージル!なにをしてたのよ!ご主人様を待たせるなんてっ…!」 目に涙を溜め真っ赤にしながらバージルに走り寄る。 「こいつに乗る人数が合わなかっただけだ」 そう言うとさっさとバージルとタバサは宿の中に入ってしまった。 「ばかっ…!どれだけ心配したと思ってるのよ…」 その様子を見ながらルイズは地団駄を踏みながらつぶやいた。 「あ、ようやく来たようだね、いやぁ心配していたよ!」 そう言いながらもすでに酔っているの... -
虚無のメイジと双子の術士
クロス元はサガ・フロンティア、 召喚キャラはブルーおよびルージュを召喚 虚無のメイジと双子の術士-01 虚無のメイジと双子の術士-02 虚無のメイジと双子の術士-03 虚無のメイジと双子の術士-04 -
ゼロのメイジと赤の女王‐01
前ページ次ページゼロのメイジと赤の女王 眼を開けて視界に飛び込んできたのは、蒼い蒼い空と、広い広い草原だった。 陽子は尻餅をついた格好で、ぽかんとその光景を見詰めた。 抜けるような蒼空と豊かな草原、遠目には西洋風の石造りの城がそびえている。 一体全体これは何事だろう。つい先程まで街中にいたはずの自分がこんなところにいる理由がまるで思いつかず、陽子は困惑する。 「あんた誰?」 呆けた陽子の目前に仁王立ちしているのは少し信じられぬほど美しい少女である。 意志の強そうな鳶色の瞳は白磁のようにすべらかな膚と愛らしい顔立ちを飾り、それを縁取る桃色の髪は光を受けた部分がちらちらと金色に輝く。 身に纏っているのは漆黒のマント。その下にブラウスとプリーツスカート、オーバーニーソックス。間違っても慶の国ではまず見ないいでたちである。 月影を... -
虚無のメイジと、吸血鬼-03
前ページ虚無のメイジと、吸血鬼 「フィオナ……一つ聞きたいんだけど」 ルイズは、訝しげな表情を微笑を浮かべる己の使い魔に向け、言った。 「それじゃああなた、何が出来るの?」 虚無のメイジと、吸血鬼 ルイズの部屋に辿り着き、中へ通されてから待つこと暫し。 教室に戻り、何がしかの用事――知る必要はないと考えたため、フィオナは聞かなかった――を済ませてきたのであろう。 主が戻ってきた事に音で気付くと、主の寝台に腰を落ち着けていたフィオナは、音を立てずに立ち上がった。 歩を進め、部屋の中心で立ち止まると、扉へと向き直り、主が戸を空けるのを待つ。 「お早いお帰りでしたね」 扉が開くと同時に、フィオナは主へ向けて声を掛けた。表情を見た所、機嫌は悪くはなさそうだ。 まあ、機嫌が悪かろうと主に媚び諂うつもりはないの... -
ゼロの使い魔・ブルー編-17
前ページ次ページゼロの使い魔・ブルー編 ワルドはルイズを連れて部屋につくと、 用意されていたテーブルにつき、用意されていたワインの栓を開けると、 それを杯に注ぎ、飲み干す。 「ルイズ、君もどうだい?」 ルイズは無言でテーブルの反対側に座る。 ワルドは、ワインをもう一つの杯に注ぎ、それをルイズに差し出すと、 自分の杯に再びワインを注いだ。そして、それを掲げる。 「二人に」 ルイズは顔を紅くして俯きながらも、それに合わせた。 ワルドはその様子を見ていた。 「心配なのかい?」 「え?」 「元気がないように見える。 ウェールズ皇太子から手紙を返して貰えるかどうか」 「……そうね、心配だわ……」 「大丈夫だよ」 ワルドはそこで一拍置く。 「僕がついてる」 「……そうね、あな... -
虚無と最後の希望 Level11
前ページ次ページ虚無と最後の希望 level-11「想い」 『女神の杵』、ラ・ロシェールで一等と言う宿 一歩足を踏み入れると広がるのは中々豪華な酒場 流石に貴族を客に取るだけあって豪華なことこの上ない 勿論、そこが貴族たちに気に入られたのだろうが また、気に入られた理由は他にもある 女神の杵宿はハルケギニアでもかなり珍しいらしい巨大な一枚岩の中にあり、床やテーブルは勿論、削り出された岩で出来ている 鏡の如く光を反射するように磨かれたテーブルはチーフたちの姿を映していた 反射した光を視界に捉えながら入り口、窓、二階への階段、カウンターの隣にある裏口への扉に視線をやる 理由は勿論、敵の襲撃に際してどう行動するかの判断材料にするため 「へぇ、中々良い作りじゃない」 宿内を見渡すチーフをよそに、キュルケはハルケギニアで... -
使い魔の炎-09
前ページ次ページ使い魔の炎 グリフォンにワルドとルイズ、2匹の馬にはそれぞれ烈火とギーシュがまたがっている。 アルビオンに向かう道中、烈火はワルドとルイズの一挙手一投足から目が離せなかった。 あー! なんなんだこのキザ野郎は!! 姫とあんなにベタベタしやがって! 烈火は遺伝子レベルで自分と正反対な騎士(ナイト)タイプの人間が嫌いなのだった。 「なあ、きみ」 憤怒の形相を浮かべる烈火に、ギーシュが話しかける。 「なんだよ」 「子爵に嫉妬しているのかい?」 ニヤニヤした顔でギーシュは問いかける。 「んなわけねえだろ。」 烈火はギーシュを睨みつけ、ブスッとした口調で言った。 「ただ、俺じゃなくてあいつが姫を守ってると思うと、なんか無性にムカつくだけだ」 ギーシュは呆れたように肩をすくめた。 「それを嫉妬というんだよ」 ... -
斬魔の使い魔05
前ページ次ページ斬魔の使い魔 トリステイン学院の学院長オールド・オスマン。 齢100歳を超えると言われている老齢のメイジは、果たして難しい顔をしたまま中空を見つめていた。 先日の、生徒による使い魔召喚の儀式以来、こうである。 秘書のロングビルは、その様子を横目で見ながら戸惑っていた。 普段なら、鼻毛を抜くか、自分のお尻を触るか、使い魔のネズミを使ってスカートの中を覗くかをしているというのに。 秘書として雇われてから初めて見る姿である。 理由を聞くべきかどうか…… その思考は、突然の闖入者によって遮られた。 「オールド・オスマン!」 ドアを蹴り破るかのような勢いでコルベールが入ってきた。 「なんじゃね、コルベール君?」 「あの、ミス・ヴァリエールの使い魔の件なのですが……実は……」 ... -
重攻の使い魔-08
前ページ次ページ重攻の使い魔 第8話『かくれんぼ』 一行はラ・ロシェールで最も高級な宿である『女神の杵』に泊まることとなった。安宿を利用して先程の山賊騒ぎのような余計な厄介事を抱え込む可能性を少しでも減らすためだ。少なくともこの宿の中では値段に見合った秩序が保障される。この任務に関わる費用は全てアンリエッタの懐から出ることとなっており、金銭面での心配はなかった。 だがルイズとしては友人であり敬うべき殿下から受け取った資金で、飛び込み参加してきたキュルケとタバサまでこの宿に泊めるのは甚だ不満であった。アンリエッタ直々に参加を認められたギーシュはともかく何故この二人までも面倒を見なければならないのか。不満は我慢の容量を超え、口を伝って表へと零れ出る。 「あんたたちはどっかの安宿にでも泊まってなさいよ」 「あぁら、こぉんな美女を野獣だらけの安宿に追い出すな... -
最速の使い魔-1
前ページ次ページ最速の使い魔 とある世界、とある場所。そこである一人の男の命が消えようとしていた。 激動の生涯だった。己の信念のままに。生き急いでる雰囲気すらにじませながら彼は短い一生を終えた。 それに不満はなかった。命を賭けるに値する人を見つけ、護るために戦い抜いた。 隣にいたはずの同僚と、弟分だった男は今、まさに自分の頭上で喧嘩をしている。限界を超え、どこまでも進もうとしている。それが少しばかりうらやましくはあったが。 ――ああ、悪くない一生だった―― トレードマークでもあるサングラスをかける。それだけで全身に残された力が抜けたのがわかった。腕が下がる。ゆっくりと。 最後に思う。愛した女性が想うのは元同僚の男だ。堅物で生真面目な彼は滅多に彼女の元へは戻らないだろう。 「たまにはもどってやれよ…………ん... -
使い魔は闇の守護神
神話は生まれる。 伝説は語られる。 歴史は、ただ記される。 「こ、これが……強大で、神聖で、美しい、私の……使い魔?」 召喚された使い魔を見ながら、ルイズは引きつった顔でつぶやいた。 失望、不安、恐怖、期待。 様々な感情が交じり合い、内心の動揺はわかりやすく顔の表情となって表れる。 召喚によって出現したそれは、生物とは見えなかった。 美しいという部分は該当するようであった。 人間の頭ほどの大きさで、形状は正八面体。 微かに粒子状の光をまとわせた〝それ〟は、黒曜石で作られた人工物のように見えた。 確かに美しい。 一個の美術品として見れば、かなりのものではないかと思う。 空中にふわふわと浮遊しているところを見ても、単なる宝石の類ではないだろう。 大体宝石にしては、あまりにも大きすぎる。 一瞬やり直しを要求しようかとも思... -
虚無のメイジと、吸血鬼-01
前ページ次ページ虚無のメイジと、吸血鬼 燦々と日が照る日中は、吸血鬼にとっては至極暮らしにくい時間である。 しかし、今この場に存在する吸血鬼――名をフィオナ・アイスハイムと言う――にとっては、 苦痛を呼び起こす物では、ありえなかった。『尊き三種』の一つであるラインゴルト氏族の直系、 アイスハイムを束ねる”蒼姫”は対吸血鬼属性の殆どを克服していたのだから。 彼女にとっての日の光は、人間たちにとっての夜と同じ様に、眠気を誘う物でしかない。 紅色の瞳に、空色の長い髪。縁のない眼鏡のレンズの奥には、面白いものを見つけた時のような、 光が宿っている。しかし、その視線の先には、何もない。 その様子は、日の光に照らされたまま、虚空を見詰めている――と、凡百の人間には見えるだろう。 しかし、常人ならざる感覚を持つ者にとっては、虚空に開いた穴を眺めている、と見える。... -
使い魔の中の使い魔-02
ルイズはある城の地下深くにいた。ルイズの目の前には一人のメイジが玉座に坐っている。 悪魔のような恐ろしいあ人のメイジが・・・ 「よく来たルイズよ。わしが王の中の王、竜王だ。わしは待っておった。そなたのような若者が現れることを・・・。もしわしの味方になれば世界の半分をルイズにやろう。どうじゃ?わしの味方になるか?」 「あ、あの、なんで私はこんな所にいるんでしょうか?」 「何をいまさら。そなたはわしを退治しにこの城までやって来たのではなかろうか」 「あ、あなたのようなメイジを退治なんてとんでもないです!ぜひとも味方にさせてください!でも、ゼロの私に世界の半分なんて荷が重すぎます!」 「ほう、世界の半分は入らぬと申すか。まあ、そなたが望むのならそれもよかろう。ルイズよ。お前の旅は終わった。さあゆっくり休むがよい!わあっはっはっはっ・・・・・」 ルイズの視界は真っ暗になってしまう。数... -
ゼロの使い魔BW-03
前ページゼロの使い魔BW 「君が軽率に香水の瓶なんかを拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」 「も、申し訳ありません!」 優しいシエスタが震えながら平伏して謝っている。 頬に紅葉を貼り付け、頭からワインを被った金髪の少年――ギーシュが、それを睨みつけていた。 なにがどうしてこうなった。目の前で繰り広げられる光景を見て、帽子の少年はそう思った。 発端は、シエスタがギーシュのポケットから落ちた香水の瓶に気づいたことだった。 「ミスタ・グラモン。ポケットから瓶が落ちましたよ」 最初、シエスタはギーシュにそう声をかけた。それを彼が無視したので、シエスタはそっと瓶を拾い上げると、近くのテーブルに置いた。 瓶を見たギーシュの友人たちが、その製作者から彼の現在の恋人を推測してはやし立てた。 すると、あれよあれよと言う... -
ウボァーな使い魔-04
前ページ次ページウボァーな使い魔 無礼な元皇帝陛下がルイズに尋ねてきた事柄をまとめると2つ。 「この世界の魔法について」「この世界の戦闘について」 この世界の魔法については、いろいろ興味があるようで、 ドット、ライン、トライアングルと言ったメイジのクラスの話をマティウスは興味深そうに聞いていた。 特にスクウェアクラスの実力については詳しく尋ねられた。 ルイズとしては平民だか皇帝だかわからないマティウスを驚かせようと、 高位のメイジは巨大な火球ですべてを焼き尽くす…とか、 氷の吹雪であらゆるものを凍てつかせる…とか、大仰に語ってみせた。 だが、マティウスはときおり「ふむ」と言うだけでたいして驚いた感じもない。 一度だけ、伝説級の魔法ともなれば巨大な竜巻を発生させることもできると話したときに 「ほぅ、竜巻か」とニヤリとした笑いを見せたくらい... -
ゼロのメイジと赤の女王‐04
前ページ次ページゼロのメイジと赤の女王 翌朝、早々に目覚めた陽子はとりあえずいいつけを済ませようと、そっとルイズの部屋を抜け出した。 広い廊下を歩きながら周囲を見て回るが、無駄に大きな城は何がどこにあるのかさっぱりわからない。 「・・・さて、水場はどこにあるんだろう」 少し困ったようにひとりごちた陽子に、冗祐が助言する。 「使用人をつかまえて訊いたほうが早いのでは?」 「そうだな、これだけ広いのなら働いている人も大勢いるか・・・」 「ならば丑の方角に、人が」 「わかった、ありがとう」 教えられた方向へ向かえば、遠くから人影が向かってくるのが見えた。彼女――――どうやら女性だ――――は陽子に気づくと軽く目を見張って、にこりと笑んだ。 切りそろえられた黒髪と白い肌に散ったそばかすの愛らしい、陽子とそう歳の変わりなさそうな少女だ。 ... -
負け使い魔
ルイズが召喚したのは二刀流を使う獣人だった 彼はギーシュと決闘をし、その実戦慣れした剣技で勝利した 勝利した、確かに勝利したんだが、彼はズタボロのボロボロの裸王状態だった それでも彼はルイズの敵に立ち向かう 「こんな奴ルイズ姉者が出るまでもない、このオボロが相手だ!」 彼に対峙するのは、ガリア王ジョゼフが召喚した使い魔 「きえな、このヤムチャさまにぶっとばされないうちに」 そしてロマリア教皇は世界扉を開き、伝説の使い魔を次々と異世界から召喚する 「俺は琉球空手の大竹だ」(押忍!空手部) 「この富樫と虎丸に任せんか~い!」(魁!男塾) 「ナイトキッズの中里だ」(頭文字D) 「俺はガンギブソン」(特警ジャンパーソン) 「私はあやねよ!」(ながされて藍蘭島) 「今泉刑事です」(古畑任三郎) 「天光寺だ」(コータローまかりと... -
ゼロのメイジと赤の女王‐05
前ページ次ページゼロのメイジと赤の女王 身支度を済ませて部屋を出ると、丁度隣の部屋から出てきた少女とかちあった。途端、ぴりりとルイズの周囲の空気が張り詰める。苦い表情は朝っぱらから嫌なやつに会ってしまったと云わんばかりだ。 その反応にか少女は陽子とは少しばかり色合いの違う赤い髪を掻きあげてにっこりする。身長はルイズより大分高く、女らしい曲線を描く身体はまるで大人と子供だ。褐色の肌が朝日にぴかりと光っていた。 おはよう、ルイズ。おはよう、キュルケ。対照的な少女たちは対照的な表情で挨拶を交わした。ところで、キュルケと呼ばれた赤毛の少女はにやにやと笑いながらルイズの後ろに控えている陽子を指す。 「あなたの使い魔って、それ?」 「・・・そうよ」 苦虫を噛み潰したような顔で肯定するルイズに、キュルケはあからさまに馬鹿にした表情で笑い出した。 「あっはっは... -
無情の使い魔-04
前ページ次ページ無情の使い魔 学院長室から『遠見の鏡』を用いて事の顛末を見届けたオスマンは、低く唸りながら己の豊かな髭を撫で上げる。 鏡に映りこんできた場面には、もはや言葉すら出ない。 (ドットクラスのメイジとはいえ、貴族を倒すとはのう……) それだけではない。 先程、慌てて止めに行くと出て行ったコルベールの話が正しければ、あの少年は『ガンダールヴ』の力を発動させるのではとも考え、こうして観察していた訳なのだが―― (やっぱり、違ったのかのう) 決闘の最中、あの少年は武器を何度か手にしてはいたものの、彼の左手に刻まれたルーンは全く反応していなかった。つまり、彼は生身であのゴーレムを叩きのめしたのだ。 コルベールが調べた使い魔のルーン――『ガンダールヴ』とはあらゆる武器を使いこなし、たった一人で幾千もの敵をも薙ぎ倒したという伝説の使い魔だったという事なのだが、もし... -
暗の使い魔-05
前ページ次ページ暗の使い魔 教室の修繕が終わり、使い魔と別れたルイズは、ややあってアルヴィーズの食堂にて食事を取っていた。 今のこの時間、生徒達のほぼ全員はアウストリの広場に集まり、使い魔との交流を図っている。 食堂に残っている生徒はまちまちであった。 そんな空間で、ルイズは先程の官兵衛とのやりとりを思い出しながら、一人寂しく食事を口に運ぶ。 「はぁ……」 ひとりでに、ため息が漏れる。 先程は、官兵衛の言い方が酷かったとはいえ、彼を思いっきりひっぱたいて去ってしまった。 思えば、官兵衛は官兵衛なりに自分を励まそうとしてくれたのだろう。 自分なんてなんの役にも立たない。そう言ったルイズにそうでもない、と答えてくれた。 それでも、瓦礫撤去を引き合いに出した言い様は流石に許せなかったが。 おかげで大分感情的になって、あんなことをしてしまった。 ルイズは今になっ... -
侍の使い魔-13
「まさかミス・ロングビルが『土くれ』のフーケだったとはな・・美人だったもので 何の疑いもせず採用してしまった」 学院に戻ったルイズ達はオスマンに事の顛末を報告していた。 オスマンが言うには居酒屋でたまたま働いていたフーケを採用したらしい。 隣にいたコルベールはあきれ返っている。 「死んだほうがいいのでは・・」 「つーかマジで死ね!!」 銀時はオスマンに『洞爺湖』ぶちあてる。 「ぐおぉぉ!!」 ふっとんだオスマンをさらに足げにしてゲシゲシ踏みつける。 「要はてめえののせいで俺たち死にそうなめにあったってことじゃねえか。 死ねよ、頼むから死んでくれよ」 「やめ・・本気で死ぬ・・あっ・・そこは・・」 最後のあたりがあえぎ声になってるのは気のせいだろうか。 「やめろ、ミスタ・サカタ、気持ちはわかるが。このままでは学院長がMにめ... -
ゼロの使い魔はメイド-09
前ページ次ページゼロの使い魔はメイド ジュール・ド・モットがトリステイン魔法学院を訪れたのは、近々行われる使い魔の品評会について……というのは表向きのこと。 そういうのは、いささか間違っているかもしれない。 いわゆる、公務のためにやってきた――それ自体は別に間違いのないことなのだ。 とはいえもう一つの、私的な用向きがあるというのも、これまた真実であった。 やや詩的な表現をすれば、色の道に関わることだった。 あけっぴろげにいうのなら、助平根性のためである。 この学院の勤める、平民の娘を屋敷に買い入れよう、そういう魂胆があってのことだった。 あちこちに持っているその手の情報網から、魔法学院に器量の良い、しかもなかなか『いい肢体』をしたメイドがいると聞き込んだ。 そこで公務のついでに、 「我が物にしよう……」 こう考えていたわけだ。 情... -
絶望の使い魔(本編)
前ページ次ページ絶望の使い魔 闇に閉ざされた世界。 その中心にある城の地下深くに玉座のある広い部屋がある。 暗い中を松明の火だけが辺りを照らす。 その中で動いているのは5つの影であった。 その中でも5メートル近い巨躯を誇る者が語る。 「よくぞわしを倒した。 だが光あるかぎり 闇もまたある……。 わしには見えるのだ。ふたたび何者かが闇から現れよう……。 だがそのときは お前は年老いて生きてはいまい。 わははは………っ。ぐふっ!」 その者は炎が出し、自らを焼いてゆく そのとき光でできた鏡のような物が突如現れた。 他の4つの影はあっ言う間に鏡とともに消し去られた様子を見ているしかできなかったが 振動が起こり周りが崩れようとしていることを感じると すぐにその場から離れるために駆け出した。 青空の下、マントを羽織った集... -
凄絶な使い魔‐02
前ページ次ページ凄絶な使い魔 第二話「学院長室」 元親はコルベールとルイズの後をついて、そびえ立つ魔法学院校舎へと向かって行った。 石造りの建物は戦国武将であった元親にとって大変興味深いものであった。 最初、学園内に入る時、前方をいく2人が履物を脱がずに入って行った事に驚いたが、ここではそれが普通なのであろう。 これだけの大量の石材を使用して作った城は元親が知る内では秀吉が建てた大阪城ぐらいである。 あれは元親が知る限り、最も堅牢で難攻不落、そして最も豪奢な城である。 それに比べると、この建物は城として見るより、神社などの形式だった建物のように見える。 元親はあちこち見て回りたい気もしたが、さすがに前の二人を見失うわけにはいかない為先を急いだ。 3人は階段を登りつつ、上の階へと進んでいった。 その事に気づいたルイズがこの先の部屋に... -
使い魔カタストロフ!!
【メイジと使い魔が織り成す大河メルヒェンファンタジー ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの聖戦 虚無の担い手・伝説の使い魔】 暗黒の時代――虚無の担い手がついに誕生し世界は戦乱の渦へと呑み込まれた……。 だが! そんなある日、混沌の闇の中より新たな光を求め、一人のメイジが立ち上がったのだ!! ――という英雄物語を夢見たりしていたルイズが、いよいよサモン・サーヴァントしちゃいます。 使い魔カタストロフ!! (実は↑がホントのタイトルです) 第1話 これがルイズの使い魔だ! 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール! 五つの力を司るペンタゴン! 我の運命に従いし"使い魔"を召喚せよ!」 幾度かの失敗のあと、ルイズは今度... -
盗賊退治の使い魔
メイドを召喚したと馬鹿にされた。 そのメイドが、メイドらしい仕事と言える仕事が全くできず馬鹿にされ。 そのメイドがどうやら人ならざるもの……ゴーレムらしき存在であることを彼女の口から伝えられた時は、 それはそれは喜んだものだが、よくよく考えてみるとメイドのゴーレムなどあまり褒められたものでは ないのではなかろうか。 いくら精巧に人間に似せて作られたところで、このゴーレムは所詮召使いをするためだけに作られた物。 それも、召使いとしての性能は皆無と言える。 これではなんの価値も無い、とまでは言えないが、実益は全くありはしないではないか。 それに気付いた私は、酷く落胆した。 授業中、他の生徒達に馬鹿にされた私は、とうとう頭にきてしまった。 そして、使い魔のメイドに言ってしまったのだ。 私は後悔した。 彼女に言った台詞を、私はとても後悔した。 「もう! アンタ、あい... -
爆炎の使い魔-06
前ページ次ページ爆炎の使い魔 ヴェストリの広場は魔法学院の西側にある広場である。西側にあるそこは、日中でも日があまり差さない場所のため、普段はあまり人もいない場所となっている。 しかし、本日はギーシュの決闘の噂を聞きつけた生徒たちで、広場は溢れ返っていた。 「諸君!決闘だ!」 ギーシュが薔薇の造花を掲げると周りから歓声が上がる。 「ギーシュが決闘をするぞ!相手はルイズが召喚した、あの平民だ!」 そんな声に対して、ギーシュは腕を振っている。 ひとしきり歓声に対して応えた後、ヒロのほうを振り向いた。 ギーシュはヒロのほうをぐっと睨む、しかしヒロは目を瞑ったままで立っている。 「とりあえず、逃げずに来たことは褒めてやろうじゃないか」 「・・・・」 何も言わないヒロ、その無言を怯えと受け取ったのだろう。ふふふ、と笑いながらと薔薇の花をいじってい... -
鋼の使い魔-03
前ページ次ページ鋼の使い魔 『錬金』の失敗とシュヴルーズ先生が負傷した事から、ルイズは教室の掃除を一人でやること、という罰を受けることとなった。 ただし魔法を使わず。 もっとも、魔法がろくに使えないルイズにとっては余り意味の無いことだった。 が、それが反って『魔法が使えないルイズ』を強調しているような気がして、ルイズ自身の心を抉り、捨て鉢な気分を与えていた。 ルイズとギュスターヴ以外誰もいない教室。ルイズは箒で床を払い、絞った雑巾を素手で持ち机や椅子を拭く。 ギュスターヴは、壊れた教壇や椅子を運び出し、新しいものをいれたり、ヒビの入った壁や床にセメントを塗りこんでいた。 開け放たれた窓から暮れ始めた陽が射し始める。力無く箒を握って立つルイズの脇でギュスターヴは、何も言わずに黙々と掃除をしている。 「幻滅したでしょ?」 ルイズは振り返らない。顔を背けたまま... -
不敗の使い魔 02
「月が二つある、やはりここは地球ではないのか」 東方不敗は空を見上げて、そう結論付けた。 ここに来てから感じていた違和感の説明がついた。 地球ではないならここはどこだと思った。 東方不敗はこれまで数十年の人生で培った知識を総動員して考えた。 未来世紀において人類が宇宙に進出してずいぶんたつが火星などの 他の惑星をテラフォーミングして住んでいるという話は聞いたことがない。 仮のそうだとしてもここの文明はA.D1000年代のヨーロッパレベルである。 それに東方不敗が知っている星の位置とここの星の位置は違いすぎる。 少なくともここは太陽系ではない。 外宇宙の星系の可能性もあるが何故ネオホンコンからここに来たのか がわからない。 地球と酷使した環境で人類が発達した惑星という可能性もある。 SFにおける多次元宇宙論、いわゆる平行世界の可能性も十分あ... -
重攻の使い魔-02
前ページ次ページ重攻の使い魔 第2話 『日常非日常』 ルイズが自室で目を覚ました時、真っ先に視界に入ってきたのは昨日召喚した赤いゴーレムだった。あの後、ルイズは自室に戻り、ゴーレムを室内に入れようとしたが、ちょっとばかり苦労した。なにぶんこのゴーレムは身長が2.5メイルもあり、立っているだけで天井スレスレなのだ。横幅もこれまた相当に広く、そんな図体の大きい代物を廊下に置いておく訳にもいかない。共有空間の私物化で咎められる可能性もある。 そのため、ルイズはゴーレムを室内に入れることに決めたのだ。しかし、廊下を歩くだけで窮屈そうなゴーレムは自室のドアをくぐるにも一筋縄ではいかず、まるでパズルを解くかのように腕を曲げ、足を曲げ、体をひねり、30分ほどかけてようやく部屋に入れることが出来たのだった。 「んー……、にひひ。わたしの使い魔かぁ」 ルイズは... -
蒼炎の使い魔-06
前ページ次ページ蒼炎の使い魔 決闘の数分前 場所は学院長室 そこには一人考え込んでいた者がいた。 とても、真剣に今だけは誰からの言葉も受け付かないようだった。 なにを考えているのかというと、 (今日はどうやってミス・ロングビルの下着を覗こうかの~) まあロクでもない考えだったが。 彼の名はオールド・オスマン。 この学院で一番偉い立場にいる男である。…たぶん。 今日も平和にどうやってセクハラをしようかと考えているところに、 一人の男性が古い本を片手に入ってきた。 「なんじゃね、騒々しいぞ。コルベール」 作戦が決まりかかってきていた時に邪魔をされたのかオスマン氏は顔をしかめていた。 だが、それもかまわずコルベールは血相を変えて報告する。 「伝説が現れました…」 「なんじゃと?... -
はばかりのある使い魔
奇妙な男だった。 全身が銀色の男だった。 イザベラの、自らが召喚した使い魔に対する率直な感想はそれだった。 男というのは正しくないかもしれぬ。 何故かといえばイザベラはその男を最初に見た時、人とは思えなかったからだ。 ある意味でそれはあっている。 何しろ、男は『人間』ではなかったのだから。 人の形を模しただけの命なきもの。ゴーレムかガーゴイルの一種だと、イザベラは判断した。 でも、それは誤りだった。 男は、れっきとした生物だったのだ。 広い意味では、人間ではないが、人ではあった。 その背丈や、異様に細い手足からして、屈強というには程遠かった。ラインどころかドットクラスの土メイジの作るゴーレムにさえ秒殺されそうな外見だった。 が、それも誤りだった。 男は、恐ろしく強かったのだ。 奇妙な格闘技を習得しており、トライアングルのメイジさえ問... -
S-O2 星の使い魔-08
前ページ次ページS-O2 星の使い魔 結局、クロードが目覚めたのは決闘から3日後のことだった。 フェイズガンの行方にパニックを起こしかけ、左手に握っていたことに安堵したり。 うっかり立ち上がろうとして、右腕の痛みに失神しかけたり。 ルイズと口論になりかけ、肋骨と顎の痛みにまた失神しかけたり。 シエスタの態度が少し余所余所しいように感じたり。 ドロドロになったジャケットを洗濯したという話を聞いて、うっかり通信機の安否を尋ねかけたり。 とまあ細々とした事件は色々とあったものの、おおむね平和であった。 なお、通信機は一緒に洗濯されてしまったと言う話だったが、何の問題も無く作動していた。 冷静に考えれば、遭難する際に『着陸』でなく『着水』する可能性は決して低くない。 さらに落下した先の海、或いは河川や湖沼の成分も解っ... -
無情の使い魔-03
前ページ次ページ無情の使い魔 「待ちなさい!」 そこへやってきたのは、今まで教室で泣き崩れ、今になって食堂へとやってきたルイズだった。 騒ぎの原因は他の生徒の話によると、ギーシュが落とした香水の瓶をシエスタが拾い、それによって彼が一年の女子と同級生のモンモランシーとで二股をかけていたのがバレてしまった。 そして、その責任を瓶を拾ったシエスタに擦り付けようとしたら桐山が介入し、あろう事かギーシュを殴り倒してしまった事でここまで騒ぎが発展してしまったという。 「ギーシュ! 馬鹿な真似はやめて! 学院での決闘は禁止されているはずでしょ!?」 「それは貴族同士の話だよ。使い魔とではない」 鼻で笑うギーシュはさらに続け、 「君の使い魔の躾がなっていないから、この僕が代わりに躾けてやろうというんだ。少しは感謝してもらいたいね」 そう言って食堂から去っていった。 唇をか... -
ゼロと魔王-03
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第3話 魔王との決め事 ラハールはルイズの部屋でいろいろと説明を受けていたが、コルベールがラハールを呼び出し学院長室の前まで連れてこられた。 始めはルイズも付いて来ようとしていたが、コルベールに止められたため部屋に戻っている 「・・・この中にいる奴がここで一番偉い奴か?」 「ええ、何百年生きているのかわからないご老人ですがね」 「ほ~う・・・」 普通数百年生きていると言われれば、もうちょっと驚くのだろうが、悪魔でありラハール自身が1000歳オーバーなので、『人間にしては長生きだな』程度にしか感じていない。 「まあ、廊下で話すよりまず先に中に入りますか。オールド・オスマン入りますがよろしいか?」 すると扉の向こうから承諾の声が聞こえたので、コルベールとラハールは扉を開け中に入... -
侍の使い魔-6
ヴィエストリ広場、そこは『火』と『風』の塔の間にある中庭である。 普段日も差さないことから人の行き来も少ない、逆に決闘には最適の場所である。 しかし、どこから噂を聞きつけたのかすでに広場は野次馬でいっぱいになっている。 「諸君!決闘だ」 ギーシュはきざったらしくバラの造花を掲げている。 周りからは歓声が巻き起こる。 普段娯楽の少ないトリステイン魔法学院の生徒にとって決闘はある意味最大のショーかもしれない。 「ギーシュが決闘するぞ、相手はルイズの平民だ」 銀時は自分が見世物にされてるようで、やれやれと頭を掻く。 派手な喧嘩は好きだがこれは何か違うような気がする。 いい加減平民と呼ばれるのにもなれてきた。 ギーシュは周りの歓声に答えて腕を振っている。 ―いい加減さっさとはじめろよ。 銀時はだんだんめんどくさくなってきた。 ... - @wiki全体から「伝説のメイジと伝説の使い魔」で調べる