あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「幻想水滸伝異伝 零の一〇八星」で検索した結果
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幻想水滸伝異伝 零の一〇八星
幻想水滸伝Ⅳ からラズロを召喚 幻想水滸伝異伝 零の一〇八星-01 幻想水滸伝異伝 零の一〇八星-02 -
幻想水滸伝異伝 零の一〇八星-02
……27の真の紋章とは何なのか。それについて知っている者は、自分が元居た場所でもそうは居ないだろう。 多くの人間が考えるのはせいぜい『世界を揺るがすほどの力を持った紋章』といったくらいだろう。 ラズロもまたそうだった。この左手に罰の紋章が宿るまでは。 通常の紋章。たとえば、火を吹き水を流し風を起こし土を揺るがし雷を起こすこれら五行の紋章ならば、 それを制御することは不可能ではない。その力は、人の身にあっても害を及ぼさない程度のものだからだ。 しかし、27の真の紋章たる罰の紋章は違う。罰の紋章は大きな力と……そして『呪い』を持っている。 罰の紋章の呪い。老いることなく、生命の律を外れたものとして世界を彷徨うこと。 そして、それを宿したものの命を削っていくというものだ。その運命からは、いかな使い手も逃れることはできない。 それほどに、真の紋章の力は強大だっ... -
幻想水滸伝異伝 零の一〇八星-01
……そして、『剣』と『たて』をかざっていた27の宝石が 『27の真の紋章』となり、世界が動きはじめたのである。 (『創世の物語』より) ☆ 抜けるような青空の下、広い大海原。その波の合間を一艘の小船が漂っている。 乗っているの一人の少年……だったものだ。 顔は青白く、見るからに生気はない。心臓に脈動の気配はなく、息をしていないことは明らかだ。 ――小船の上の少年は死んでいる。 誰が見たとしても、そうとしか判断できない状態。 彼の左手には大きな痣があった。黒い、巻貝を重ねたような歪な痣。 その痣が光を放つ。目を覆わんばかりの眩い光だ。光輝くその痣は... -
長編(五十音順)-02
... 51 (Sun) 幻想水滸伝異伝 零の一〇八星 幻想水滸伝Ⅳ ラズロ 2007-12-28 00 03 30 (Fri) 超1級歴史資料~ルイズの日記~ 絢爛舞踏祭 グランパ 2007-09-03 00 24 08 (Mon) 不滅の使い魔 轟轟戦隊ボウケンジャー 明石暁 2007-08-15 11 24 23 (Wed) 使い魔大作戦! GS美神 極楽大作戦!! 横島 忠夫 2007-08-03 13 57 48 (Fri) 虚無を担う女、文珠を使う男 GS美神 極楽大作戦!! 横島 忠夫 2008-07-20 20 37 24 (Sun) ゼロのコードギアス コードギアス 反逆のルルーシュ ルルーシュ・ランペルージ 2008-04-11 22 06 14 (Fri) Call of duty Undiscovered Country Torisutein Call of Dut... -
一覧テスト02
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長編(話数順)-01
... 51 (Sun) 幻想水滸伝異伝 零の一〇八星 幻想水滸伝Ⅳ ラズロ 2007-12-28 00 03 30 (Fri) 不滅の使い魔 轟轟戦隊ボウケンジャー 明石暁 2007-08-15 11 24 23 (Wed) AI使い魔タチコマンズ+α 攻殻機動隊SAC タチコマ 2008-09-16 21 10 18 (Tue) ゼロの剣虎兵 皇国の守護者 新城直衛+千早 2007-10-21 01 26 29 (Sun) 使い魔エイト 護衛神エイト エイト 2008-12-20 08 56 04 (Sat) こちらガリア王国プチ・トロワ内北花壇警護騎士団屯所 こちら葛飾区亀有公園前派出所 両津勘吉 2009-10-03 20 55 57 (Sat) ゼロの雷帝 金色のガッシュ・ベル ゼオン・ベル 2011-04-04 14 52 22 (Mon) 化け猫の使い魔 サイボーグクロちゃん... -
小ネタ-02
か行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ ルイズと不思議な魔法の本 カードキャプターさくら ケルベロス ゼロと捕獲者 カードキャプターさくら さくら ゼロヒーロー カードヒーロー ジャレス(+α) 虚無使いと少年 帰ってきたウルトラマン 帰ってきたウルトラマン世界にルイズが転移 ゼロのススメVoltex 覚悟のススメ 葉隠散 零の使い魔 覚悟のススメ 葉隠覚悟 その者 青き衣をまといて 風の谷のナウシカ ナウシカ 魔法学院のコワイうわさ 花子さんがきた!! 学校のコワイうわさ 花子さんがきた!! ごわごわ ROOTS OF THE FUNG 仮面ライダーキバ サガーク 灰色の悪夢 仮面ライダー555 北崎/ドラゴンオルフェノク ゼロの破壊者 仮面ライダーディケイド ディケイドライバー Kタバサ 仮面ライダー電王 キンタロス ゼロの使い魔~オデレタロス参上!!~ 仮面ライダー電王... -
長編(話数順)
... 51 (Sun) 幻想水滸伝異伝 零の一〇八星 幻想水滸伝Ⅳ ラズロ 2007-12-28 00 03 30 (Fri) 不滅の使い魔 轟轟戦隊ボウケンジャー 明石暁 2007-08-15 11 24 23 (Wed) AI使い魔タチコマンズ+α 攻殻機動隊SAC タチコマ 2008-09-16 21 10 18 (Tue) ゼロの剣虎兵 皇国の守護者 新城直衛+千早 2007-10-21 01 26 29 (Sun) 使い魔エイト 護衛神エイト エイト 2008-12-20 08 56 04 (Sat) こちらガリア王国プチ・トロワ内北花壇警護騎士団屯所 こちら葛飾区亀有公園前派出所 両津勘吉 2009-10-03 20 55 57 (Sat) ゼロの雷帝 金色のガッシュ・ベル ゼオン・ベル 2011-04-04 14 52 22 (Mon) 化け猫の使い魔 サイボーグクロちゃん... -
長編(五十音順)
... 51 (Sun) 幻想水滸伝異伝 零の一〇八星 幻想水滸伝Ⅳ ラズロ 2007-12-28 00 03 30 (Fri) 超1級歴史資料~ルイズの日記~ 絢爛舞踏祭 グランパ 2007-09-03 00 24 08 (Mon) 不滅の使い魔 轟轟戦隊ボウケンジャー 明石暁 2007-08-15 11 24 23 (Wed) 使い魔大作戦! GS美神 極楽大作戦!! 横島 忠夫 2007-08-03 13 57 48 (Fri) 虚無を担う女、文珠を使う男 GS美神 極楽大作戦!! 横島 忠夫 2008-07-20 20 37 24 (Sun) ゼロのコードギアス コードギアス 反逆のルルーシュ ルルーシュ・ランペルージ 2008-04-11 22 06 14 (Fri) Call of duty Undiscovered Country Torisutein Call of Dut... -
ゼロのしもべ-元ネタ集
【人名】 バビル2世:バビル2世 山野浩一 5000年前事故で不時着した宇宙人、バビルの子孫であると同時に、同じ遺伝子を持つ。 そのためバビルの塔の支配者としての地位を与えられた。3つのしもべと塔の力でヨミの野望を打ち破った。 学生服を常に着用。性格はまっすぐな好青年だが、悪人には容赦しない。 ヨミ:バビル2世 ヨミ 同じくバビルの子孫であり、非常に似た遺伝子を持つがわずかに異なるため後継者には選ばれなかった。 部下思いで義理堅く、その上超能力を持つという悪のカリスマ。3つのしもべをあやつることもできる。 普段はわしと称するが、窮地に追い詰められるとおれと言い出すくせを持つ。 ビッグ・ファイア:鉄人28号 ビッグ・ファイア博士、ジャイアントロボ ビッグファイア団、OVA版GR ビッグファイア 村雨姓と同じく作品の壁を越えて登場する名... -
小ネタ
小ネタ 短編・一発ネタなど。 ※召喚される側の原作のあいうえお順となっています あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 その他 ??? あ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 記憶の残滓 R-TYPE TACTICS 暴走戦艦コンバイラ(提督) 虚無の雀士 スーチーゼロ Special ・ Remix アイドル雀士 スーチーパイ スーチースティック 妖精からの伝言 アイドルマスター XENOGLOSSIA 風が揺らす翼と冠 悪魔狩り ウリエル あしたのルイズ あしたのジョー 丹下段平 一撃必殺の使い魔 あなうめくん ハラワタマン 暴れん坊使い魔 暴れん坊将軍 徳田新之助 不屈の使い魔~Love Hunter~ あやかしびと 愛野狩人 ゲヘナ・ゼロ アラビアン・ダーク・ファンタジーTRPG ゲヘナ シェヘラザード 人を超えた使... -
東方のキャラたちがルイズたちに召喚されました-01
前ページ次ページ東方のキャラたちがルイズたちに召喚されました 01.夢と現の境界(*1) 「へぇ、東方、終わるんだ」(*2) 自室で修理から戻ってきたノートパソコンを起動し、久しぶりにインターネットを見ていた 平賀才人は、そんな記事を目にしていた。 東方プロジェクト――同人にあまり興味のない彼でも知っているそれは、シューティング ゲームを中心に音楽、漫画等に展開する一連の作品群であり、ゲームに関しては『神主』と 呼ばれる一人の人間の手により全てが創られていることは、あまりにも有名である。 彼が見たのはその『神主』が数ヶ月ぶりに更新したブログで、これ以降東方プロジェクトを 冠する作品は創らないと宣言した、という記事だった。 「やっぱ、へんな動画とか作られたからかな?」(*3) 彼が東方を知ったのも動画共有サイトにあげられた... -
とある魔術の使い魔と主-13a
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 行間I 「おいアレイスター!」 世界は変わってここは地球のとある都市。 当麻が少し前まで暮らしていた学園都市、その中の、窓も廊下も扉も階段もない一つのビル。 大能力(レベル四)の空間移動しか出入りする事ができない完璧な密室で一人の少年は声を荒げる。 短い金髪をツンツンに尖らせ、青いサングラスで目線を隠した少年――土御門元春であった。 「ふむ、遂に動いたか。これでプランが相当短縮できるな」 その土御門の話し相手、学園都市統括理事長『人間』アレイスターは、嬉しそうに、本当に嬉しそうに笑った。 男にも女にも見え、大人にも子供にも見え、聖人にも囚人にも見える。その『人間』は直径四メートル、全長十メートルを越す強化ガラスの中で、赤い液体と共に緑色の手術衣を着ち、逆さに浮かんでいた。 「一人で勝手に納... -
とある魔術の使い魔と主-47
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 幻想殺し。それは異能の力であれば、三十メートル級の巨大ゴーレムであろうが、風のユビキタスであろうが、それこそ始祖ブリミルでさえも打ち消す事ができる力。 それには例外がない。そう、たとえ相手が不死身という力を持っていたとしても、『アンドバリ』の指輪が『異能の力』である限り、当麻にはその効果を打ち消す事ができる。 「オ、――――」 今回はアンリエッタをウェールの手から救う事、つまりは敵を逃がしてはならない。 幻想殺しの範囲は右手だけである。それ以外は普通の高校生であるし、ケンカだって相手が一人でないと勝てる自信はない。 しかし、 それでも当麻は駆ける。 この戦いに逃げは存在しない。相手の目的は逃亡、こちらが隙を見せればすぐに後ろを振り返り逃げ出すだろう。 だからそれを防ぐ。 「... -
東方のキャラたちがルイズたちに召喚されました-02
前ページ次ページ東方のキャラたちがルイズたちに召喚されました 02.夢は時空を越えて(*1) 幻想郷は滅亡の危機に瀕していた。 その流れは穏やかで、しかし確実なものだった。 予兆は、博麗神社の脇に湧いた間欠泉が止まったことだった。もっとも、この 間欠泉が湧いた経緯を知っている者は、「またそのうち湧くだろう」程度の認識で あったが。何しろ、鴉のやることだ、何か間違えたか、忘れたかしたのだろう、 というのが大方の見方である。 後で考えれば、もうこの時には地底との通路は塞がってしまっていたのだろうが、 確かめる術はもうない。水風呂に飛び込む羽目になった霧雨魔理沙が風邪を引いて 寝込まなければあるいは状況は違ったかも知れないが、それは言っても詮無きことだ。 魔理沙が寝込んでいる頃、妖怪の山で大宴会が開かれた。鬼の伊吹萃香が 怪訝そ... -
ルイズと無重力巫女さん-01
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん 青い青い地球にある島国、日本――― そこは他とは少し違う、『幻想郷』という一つの世界があった。 『外の世界』にはない力、結界で覆われ既に過去の遺物となったモノ達でひしめいている。 そこには青く茂る木々と、悠々とした山々、キラキラと光る清流、澄み渡る雲ひとつ無い青空。 伐採やダム建設の影響で残酷にも失われた日本の原風景が見渡す限りに広がっていた。 その他にも既に絶滅してしまった朱鷺やリョコウバト、ニホンオオカミなどの動物たちも暮らしている。 幻想郷には人間達も住んでいる、元からここに住んでいる者達や外の世界からの流れ者もいる。 しかし、外の世界の人間達は大抵人が住んでいる所へたどり着く前にのたれ死ぬか…あるいは『妖怪』に食べられてしまう。 妖怪――彼らもまた外の世界からこの幻想郷へ転がり込んできたモノ達…。... -
とある魔術の使い魔と主-19
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 ずっとフルスピードで飛ばして来たので、当麻達はその日の夜中にラ・ロシェールの入口についた。ついたのはいいが、当麻は辺りの環境を見回すと怪訝な表情を浮かべる。 「なんで港町なのに山なんだよ。あれですか、山がゴゴゴーと動いて中から海でも現れちゃう仕掛けですか」 そう、港町だというのに肝心な海が何処にも見えない。見えるのは山、山、山、それだけだ。 いや待て、もしかしてこの山を越えた先にパラダイスが待ってるかもー、とプラス思考へと働く当麻に、ギーシュは呆れながらも答えた。 「きみはアルビオンを知らないのか?」 二人共体力の限界は既に越している。それでも、目的地に達したという事もあり、多少の元気を取り戻した。 もっとも、二人共せいぜい会話を交わす事ぐらいしか出来ない。 「多分知らんなー……」 「まさか!」 ギー... -
とある魔術の使い魔と主-45
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「なぁあんた」 ここはトリステインの首都に一番近い森の中。そこのとある場所に、ワルドとフーケは静かに待機していた。 ウェールズがアンリエッタを確保した後のルートは、すぐ目の前の街道である。時刻も深夜、恐らく今頃接触しているはずであろう。 しかし、ここにワルドとフーケがいる事は誰も知らない。そう、二人は勝手にここまできたのだ。 別に、クロムウェルに伝えようと思えば伝えられたはずだが、もしかしたら止められるかもしれない。その不安が、今という状況に至る。 「なんだ?」 闇とほぼ同化した二人は、注意深く見ない限り気付きはしない。また、この時間帯に人が通るのも珍しい為、フーケは気にせずワルドへと話しかけた。 「なんでまたこんなこそ泥みたいなことをするんだい?」 フーケはワルドの行為が理解できなかった。ウ... -
ルイズと無重力巫女さん-21
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん 「みんなー、昼食よぉ!」 のどかな昼食時を迎えようとしているウエストウッド村に、ティファニアの声が響いた。 その声を聞き、彼女の自宅の周りに建てられている他の小屋から子供達が何人もやってくる。 子供達は森との境界が曖昧なティファニアの家の庭へ、ゾロゾロと吸い寄せられるように集まってきた。 設置されている椅子に子供達が全員座るとティファニアはテーブルの上に料理を並べ始めた。 どうやら今日の献立は鶏肉のクリームシチューと白パンのようだ。 料理を並べ終えたティファニアは席に着き、子供達と軽い食前のお祈りをした後、食事を始めた。 お腹が空いていた子供達はスプーンを手に取ると目の前にある皿に盛られたシチューをガツガツと食べていく。 ティファニアはそんな子供達を見て軽く微笑むと、自分の向かい側に座っている霊夢に視線を向けた。 ... -
とある魔術の使い魔と主-09
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「タバサ。今から出掛けるわよ! 早く支度しちゃって頂戴!」 「虚無の曜日」 キュルケは次の日、再びトウマにアプローチをしようと部屋を訪れたのだが、既にそこには誰もいなかった。 そして窓という枠組みから視界に入り込んできたのは、馬に乗って出ていく当麻とルイズの姿。 なによー、出かけるの? とつまらなそうに呟いたキュルケは、何か閃いたのかルイズの部屋を飛び出した。 そして、今に至る。 本当はタバサが読書に集中したくて無視し続けていた部分があるのだが…… タバサはキュルケの要求をその一言で断った。取られた本を取り返そうとしたが、キュルケは本を高く掲げる。 「わかってる。あなたにとってこの日がどんな日かあたしは痛いほどよく知ってるわよ。でも、今はね、そんなこと言ってられないの。恋なのよ、恋!」 その言葉に、タバサは本当に... -
とある魔術の使い魔と主-12
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 そう、それはもう魔術と呼べる代物ではなかった。 科学で作り上げた、直径一メートルはあるであろうレーザー兵器に近い。今まで見たことがない純白の、輝かしい光が襲い掛かった瞬間、当麻は迷わず、いつもと変わらずに右手を前に突き出す。 突き出すしか彼には方法がないのだ。 じゅう、と熱した鉄板に肉を押し付けるような激突音。 しかし、痛みも熱も感じられない。幻想殺しが全てを防いでいるのだ。 それでも消し切れない。光の柱は消えるような面影が見えない。 (くっ……確か……これはっ……) じりじりと、足が後ろに下がっていく。防ごうと、全身の力を足にへと注ぐ。 もう数秒過ぎている。消しても消しても、消し去ることはない。 そう、当麻は覚えている。この魔術は幻想殺しで防げないのだ。 幻想殺しの処理能力が追い付かない程の質量... -
瀟洒な使い魔‐07
前ページ次ページ瀟洒な使い魔 フリッグの舞踏会が行われている頃、トリステイン魔法学院本塔、会議室。 そこには学院長であるオールド・オスマンをはじめとして、数名の人間が円卓の席についていた。 オールド・オスマンの秘書にして大泥棒、ミス・ロングビルことマチルダ・オブ・サウスゴータ。 学院の有るこのトリステインの王家、その傍流に当たる公爵家の令嬢、『ゼロ』のルイズ。 そして、その使い魔、『ガンダールヴ』こと十六夜咲夜。 それらの人物の視線を一点に集めるのは、円卓の上座に座る2人の女性。 1人は緑を基調とした見慣れない衣服に『龍』という字の刻まれた飾りがついた同色の帽子を被った赤髪の女性。 少し前、空から落ちてきて咲夜に激突した女性である。 もう1人は、黒を基調とした衣服に赤い髪、そして耳に当たる部分と腰の辺りから羽を生やした亜人の女性だった。 ... -
ルイズと無重力巫女さん-29
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん ルイズ・フランソワーズにとって、今体験している不可思議な出来事は一生忘れられないだろう。 別の世界で巫女さんをしている霊夢を召喚してからというものの、色々な事があった。 ギーシュの決闘騒ぎやフーケ退治、挙げ句の果てには戦争中の他国にまで行く始末。 しかもその出来事の全てに霊夢も関わり、いつの間にか全部霊夢が片づけてくれた…気がする。 そして全てが終われば霊夢は学院の外へ飛んでいき、気が向けば自分の部屋にいてお茶を飲んでいる。 きっとそんな光景は、いずれ終わるだろうと。ルイズは思っていた。しかし… (だからといって、これは不可思議を通り越して摩訶不思議ね…) ルイズは心の中でそう呟き、大きな溜め息を盛大についた。 今彼女は霊夢の家――――つまりは博麗神社…の外れにある社務所の居間にいた。 先程寝かされていた部屋と... -
とある魔術の使い魔と主-02
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「何で月が二つあるのですかー!?」 頭を両手で抱え、演技ではないかと思えるぐらいの驚きを放つ。 「当たり前じゃない。というか何でそこで驚くのよ?」 月が二つある事になんら疑問を沸かないルイズに、いやいやいやいやありえないですからー、と言葉に合わせるかのように片手を左右に振る。 「いや、だって月は一つしかないでしょ? それともあれですか、月がなんらかの手違いで分身しちゃいましたテヘッ、とか言っちゃうんですかあんたは!?」 「知らないわよそんなの……そんな事より貴族に対してそんな口の聞き方していいと思ってるの?」 ルイズがやや怒りを篭った口調を上条当麻は無視し、一つの確信を得た。ここは今まで暮らしてきた世界とはわけが違うのを。 あの後、歩いて城もとい学校に着いた当麻は、一緒にいたルイズに状況把握の為色々聞いた。 ここは何処な... -
楽園の使い魔-1
0 ○ ●プロローグ ○ 永遠と須臾の姫が企画した肝試しから数日後の事 ☆ 『博麗神社』 ここは幻想郷と現実世界の入り口を兼ねている神社である その神社の主である巫女は神社の中を掃除していた。 「ふー…これで良し。」 巫女『博麗 霊夢』は持っていた箒を床に置くと中を見渡した。 さきほどまで薄汚かった神社は少し輝きを取り戻した様に見える。 試しに近くの壁を指でなぞってみると指にはホコリ一つ付いていなかった。 霊夢がいつも食事を取ったり寝たりしている小屋の方はこまめに掃除しているが神社の掃除をするのは久しぶりだった。 ちなみに事の発端は昨日神社で昼寝をしていたら丁度頭の上に少し大きめのホコリが落ちてきた為である。 外を見てみるとすでに日は半分沈みかけており、人の時間から妖怪の時間になろうとしている。 掃除を始めたのは朝方だか... -
ルイズと無重力巫女さん-30-b
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん 若干男っぽい口調のその声を聞き、男達とシエスタは振り返った。 そして一瞬だけ、目の前にいる金髪の少女は、絵本の中から出てきたメイジかと錯覚してしまった。 今だと四十代くらいになる世代のメイジが被っているような黒い帽子に、白と黒を基調としたドレスの上に純白のエプロン。 左手には少女の身長と比べればかなり長い箒を持っている。 そして右手の平にビー玉が数個ほど乗っているのに気づいた男(ビー玉をぶつけられた奴)は、キッと少女を睨んだ。 「おい、この俺にビー玉ぶつけたのは嬢ちゃんの仕業か!」 シエスタとは違い、少し汚い言葉遣いで少女に向かってそう叫んだ。 実はこの男、自分に危害を加える者なら老若男女関係なく平気で殴りかかる性格の持ち主であった。 つまりは、女子供もその気になれば平気で殴ることが出来るひどい人間である。 「あぁそ... -
ゼロの視線-02
前ページ次ページゼロの視線 第二話 ふむ、と弦之介は困っていた。 「召喚」と「契約」とやらで呼ばれた次の朝。 洗濯を終え(次期党首とはいえ自分の事は自分でやるべし、と教育された)主である少女を起こし 食事を終えた後屋根の上でまどろんでいると、妙に騒がしい。 見ると、るいず殿ではないか。 なにやら変わった色の髪の毛をした少年と向かい合っている。 喧嘩でもしているようだ。 やれやれ 放っておくわけにも行くまい。 「で、『ゼロのルイズ』 どうあってもボクと戦おうというのかい? キミは愚かと知ってはいたがここまで天井知らずの愚か値ストップ高とは思わなかったよ」 「あたしが愚かならあなたは阿呆よ。 大体フタマタ掛けしといて失敗の責任をメイドに押し付けるってどれだけ阿呆?」 「彼女が機転を利かせれば二人のレディの名誉は守れたんだよ。 それに貴... -
幽“零”楽団 プロローグ
幻想郷の片隅、湖の近くにある廃洋館。 そこに住まう騒霊・プリズムリバー三姉妹は、館のロビーで二人の珍客を迎えていた。 一人は幻想郷の誰もが恐れるスキマ妖怪、八雲紫。三姉妹の方から白玉楼に演奏へ出向く時に会うことはあるが、紫の方からわざわざ会いに来るのはこれが初めてだ。 もう一人は、その激務から滅多に顕界を訪れる事の無い地獄の裁判長、四季映姫・ヤマザナドゥだった。何時ぞやの花の異変時に説教をされて以来、彼女は姉妹にとってあまり会いたくない人物のトップに君臨するお方でもある。 滅多に見ない組み合わせに、三姉妹の長女ルナサは困惑していた。普段は来客があろうと気にせず演奏の練習でもしているのだが、幻想郷でも指折りの強者が二人も訪れてはそうもいかない。渋る妹達を引き連れ、何事かと客の前へ姿を現したのだった。 「一体何の用件かしら。演奏の依頼なら、現在は受け付けていないわ」 ... -
ルイズと無重力巫女さん-23
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん 「一時停止しろ。」 「一時停止!アイ・サー!」 甲板に出たウェールズの命令を挙帆手が復唱し、マリー・ガラント号がアルビオン大陸の丁度『真下』で動きを止めた。 この美しいアルビオン王国の皇太子の傍にいたルイズは頭上にある大きな穴を見て目を丸くした。 以前姉たちと旅行でこの大陸へ赴いたことはあるがこんな穴は観光名所のカタログには載っていなかった。 隣で唖然としているルイズを見て、ウェールズがさりげなく説明を入れた。 「驚いたかい?今頭上にある穴は自然に出来た物なんだ。恐らくこの大陸が浮遊したときからあったに違いない。 僕たち王軍はこれを秘密の出入り口として用いている。中はもの凄く暗いが…なに、我々には造作もないことさ。」 「こんな大きな穴が自然に出来たなんて…とても信じられません。」 ウェールズの説明を聞き... -
ルイズと無重力巫女さん-20
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん ―その時の事は今も尚覚えていて、時には眠っているときにさえあの光景が夢としてよみがえる。 銀の降臨祭の前日、その日私と母はとある事情で父の友人宅で過ごしていた。 薪をくべられた暖炉の中で炎がまるで生きているかのように動き、部屋の中を暖めてくれる。 窓から外を見れば空から降ってくる白い雪が地面や木の上に積もり、辺り一面は銀世界であった。 まだ小さかった私はイスに座ってくつろいでいた母の横に座り、古ぼけた壊れたオルゴールで遊んでいた。 最初このオルゴールを見つけ、試しに開けてみたがウンともスンともいわなかった。 その後、秘宝と呼ばれていた指輪を嵌めて遊んでいたある日のこと… ちょっとした弾みで間違ってオルゴールの蓋を開いたところ、鮮やかな音楽がオルゴールから聞こえてきた。 少しギョッとしたものの、その音色を聞く... -
とある魔術の使い魔と主-37
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 当麻はその日の夜、早速購入した水兵服をシエスタのサイズに合わせようと思ったので、彼女の部屋に訪れた。 メイド長から居場所を教えてもらい、ドアに二回ノックをする。 すると、「どうぞ~」という言葉が聞こえたので、当麻はとくに何も考えず扉を開いた。 そこには、金髪の子とオレンジ色の髪の子が、のんびりと寝転がっている。女の子として、いろいろまずいんじゃないかと思ってしまうような態勢で。 当麻は、早くここから出ろと体が訴えているのを感じた。一瞬の内に上手く回避できる言葉を吐き出す。 「あー、部屋間違いちゃいました。すみません、では……」 百八十度躊躇いもなく振り返り、全力で逃げようとしたが、 「待ちな、ここはシエスタの部屋だぞ?」 どうやら間違いではないようである。さらには、金髪の子ががっしりと腰に手... -
ゼロの黒魔道士-39
前ページ次ページゼロの黒魔道士 雲が後ろに走っていく。木々のざわめきが一際大きい。 「相棒、相棒ぉ~!めずらしく勇ましく積極的じゃねぇの?」 左手に握ったデルフがカラカラと笑うように言う。 「戦争は……嫌だから!」 チョコボから落ちないように、手綱を握る右手に、より一層力がこもった。 「ま、それにゃ同意だな。決闘ならともかく、戦争にゃ美学が少なすぎらぁ」 「……それは、なんか違うと思うけど?」 美学とか、そういう問題じゃないと思う。 なんか、うまく言えないけど……嫌なんだ。誰かが死ぬのを、黙って見てるなんて。 「ま、いいじゃねぇの!相棒がやる気なら全力サポートすっぜ?で、どうする?」 「……どうしよう」 大砲の音とともにトリステインの飛空挺が沈んでいく。 空は爆音と煙であふれていた。どうすれば、これを止められるんだろう…… 「いや早ぇな!?」 チョ... -
とある魔術の使い魔と主-54
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「もうすぐ着く」 上条当麻は短いタバサの言葉によって、閉じていた目を開く事になった。 実際に眠っていたわけではない。たまには、という意味も含まれてのんびりと過ごしていただけだ。 正直、ここに来てから落ち着いた試しがない。いや、記憶を失ってからもなんだかんだいって毎回のようにトラブルに出くわして、これも一環の流れのように感じられる。 学院襲撃事件、皇太子暗殺、タルブ村での開戦、アンリエッタ女王誘拐未遂。こうも短い間にいくつものトラブルにあうのは、自分の不幸体質からなのであろうか。 が、別にそれが苦にはなっていない。ただ、一人の人間として少しはゆっくりとできる休暇が欲しいという願望はもちろんある。 というか、いつもルイズの行動に付き合わされている状態から解放されたのは、今回を含めて数える程度。 貴重な時間を過ごし... -
ルイズと無重力巫女さん-18
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん トリステインから丁度馬で二日くらい掛かる距離に、ラ・ロシェールという『港町』がある。 港町でありながら辺りを頑丈な岩山に囲まれ、既に枯れてしまった世界樹の木が生えているだけの寂しいところだ。 何処にも海や川と言ったモノはないが、それでも世間では『白の国』と呼ばれるアルビオンへの入り口の役目も果たしている。 人口三百人と規模は小さい街ではあるがそれでもアルビオンと行き来する人々で常に街は賑わっているのだ。 建物は木造ではなく全て岩から削り出され、それ等は全て『土』系統のスクウェアメイジ達が作り出した努力の結晶なのである。 今の時間は深夜であるがラ・ロシェールの町は賑わっており、特に酒場などでは今も尚灯りがついている。 鎧を着こなし、槍や剣を背負った傭兵達が安そうな酒瓶片手に酔っぱらいながら道の真ん中を堂々と歩いていた。... -
異聞零魔郷 ~ Servant of Interstice-5
>>back コルベールは頬を打つ冷たい風を感じて、目をゆっくりと開いた。 ぼんやりとしていた頭もすぐに覚醒し、状況を確認しようと身を起こす。 やけに地面がごつごつとしていると思ったらそこは竜の背中だった。 隣には青い髪の小柄な少女が、本を読みながら座っている。 「ミス・タバサ。私はどうなったのかね」 「過労です」 答えはすぐに返ってきた。それによって自分が最後に見た光景が目に浮かんでくる。 触手に捕縛された八雲紫、その紫に上空からコントラクト・サーヴァントしたルイズ。 それを見て安心した自分は目の前が真っ暗になり、倒れたのだった。 今は恐らく治療のため、この使い魔の竜に運搬されている途中なのだろう。 「そうか、行き先は学院だね。ミス・ヴァリエール達はどうなった?」 「オールド・オスマンを交えて話し合いを」 「……ふむ。ヤクモユカリは大人し... -
ルイズと無重力巫女さん-16
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん 昼頃から始まったアンリエッタ王女によるトリステイン魔法学院の視察は予定通りというか、順調に進んだ。 宝物庫や中庭、食堂や生徒達が暮らす寮塔等を見回っている内に、すっかり日も沈んでしまった。 今回アンリエッタ王女は一晩泊まってから翌日王宮に帰るので、今夜は魔法学院で夜を明かすことになったのである。 その為、警備もかなり強化されている。前に土くれのフーケに忍びは居られたので尚更だ。 今夜の衛士達の警備はいつにも増してかなり厳しいがそれは本塔や生徒達が暮らす寮塔――そして城壁部分だけである。 逆に給士やコックとして働いている平民達の宿舎の警備はほぼゼロである。 金で雇われている学院の衛士達はこんな事を言っていた。 「平民をさらう者が居るとすれば、それは単なる人さらいか、ただの変わり者さ。」 その為今日の仕... -
ルイズと無重力巫女さん-33-B
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん ルイズが目を覚ました頃、トリスタニアの各所にある衛士隊の詰め所の内一つでは、 一人の女性隊員が一枚の書類を握りしめてこの詰め所の隊長に詰め寄っていた。 「どうしてそうなったのですか!?」 女性とは思えないほどの力で自分の机を叩いたアニエスの顔には、悔しさが滲み出ていた。 普段の彼女ならば絶対他者に見せはしないその表情に周りにいた隊員達は目を丸くする。 怒りで震えている彼女の手の中には一枚の書類が握りしめられており、指の間からとある一文が垣間見えた。 『遺体、遺留品は一時王宮に保管し、以後許可があるまで事件の捜査をしないよう』 その一文は、彼女をここまで憤慨させるのにもってこいであった。 手紙全体の内容を、簡単に言えば『今後、この事件の捜査をするな』というものであった。 勿論それには、神聖アルビオ... -
瀟洒な使い魔‐06
前ページ次ページ瀟洒な使い魔 「おや、2人共、尻でも打ったのかの?」 「「…………」」 学院長室でサクヤを初めとした4人と顔を合わせたオスマンは、 ルイズとキュルケが尻を押さえているのを見てそんな事を言った。 2人は恨めしげに咲夜を見るが、咲夜が笑みを浮かべて2人を見るとそのままの態勢で3歩下がった。 これ以上尻を腫らしたくはないのだろう。 「まあ自業自得といったところでしょうかね。それで、オールド・オスマン。 ミス・ロングビルのところへ連れて行ってもらえますか?」 「おお、そういえばそうじゃったのう。よし、付いてきなさい」 瀟洒な使い魔 第6話「M.O.サウスゴータは彼女なのか?」 オスマンに先導され、4人は学院の中を歩く。途中何事かと何人かの教師が振り返ったが、 ミス・ロングビルのお... -
ルイズと無重力巫女さん-19
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん ―――幻想郷、霧の湖の真ん中に建てられている紅魔館。 妖怪の山の麓にあるこの湖は深い霧に包まれ、その霧に紛れて妖精なんかが飛び回っている。 そして、その湖の真ん中にはとてつもなく大きな洋館があった。 まるで人を寄せ付けぬかのような場所に立てられたその館は紅く染まっている。 ようやく顔を出した太陽の明かりがが、逆にその洋館を不気味にさせていた。 そして、その紅魔館のとある一室では…。 四人の少女達が椅子に座り、何やら話をしていた。 一見すれば、何のたわいもない談笑かと思うが、部屋の雰囲気はとても重苦しいものであった。 「――――で、霊夢が何処に行ったのか特定出来たという事?」 少し青みがかかった銀髪の吸血鬼――― レミリア・スカーレット ―が向かい側に座っている金髪の女性が話した内容に興味を示していた。 背中... -
とある魔術の使い魔と主-07
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「「幻想殺し(イマジンブレイカー)?」」 二人の女性の声――シエスタとルイズの声がシンクロする。 「そういう事です。異能の力なら例えどんな事でも打ち消しちゃう右手なのです」 その持ち主、当麻が補足として加えた。あの後ギーシュは当麻に対して降伏し、決闘は誰しもが予想出来なかった結果にへと終った。 その為、当麻の知名度は『ルイズの使い魔の平民』から『メイジを倒した使い魔の平民』へとランクが上がった。 また、あの広場でのルイズに関する発言もあってか、ルイズに向かって馬鹿にする声がかなり減った。恐らく、ギーシュのようになりたくないという思いからであろう。 そして授業が終った後、部屋へと戻った二人は、先のとある騒動の一因であったシエスタを迎えて、先のギーシュのゴーレムをどのようにして倒したかを当麻は説明したのであった。 二人はあまり... -
ルイズと無重力巫女さん-59
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん 日暮れの時が迫りつつあるチクトンネ街。 その一角でルイズと魔理沙の二人は、予想だにしていなかった相手と鉢合わせになっていた。 花も恥じらう美女の姿をしたその者は異国情緒漂う白い導師服に身を包んでおり、周囲に場違いな雰囲気を放っている。 彼女の名は八雲紫。霊夢と魔理沙の故郷である幻想郷の創造者で境界を操る程度の大妖怪だ。 「久しぶりね二人とも、元気にしてたかしら?」 まるで故郷で旧友と再会したかのような気軽さでもって、紫は目の前にいる二人へ話しかける。 本来ならこのハルケギニアにいないであろう彼女を前にして、ルイズは恐る恐るといった感じで返事をする。 「ユカリ…一体何の用かしら」 「別にコレといった用事はありませんけど、アレといった用事で少し足を運んでみただけですわ」 まるで... -
ルイズと無重力巫女さん-35
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん 太陽が沈み、赤い月と青い月が空高く昇り始める時間帯。 朝と昼は活気で溢れていたブルドンネ街は驚くほど静かになっていた。 明るい時間を好んで外を出歩く人達に向いている店などは戸締まりをし、従業員たちは自宅へと帰っている。 街の住民たちもそれぞれの寝床へと足を進め、大通りから段々と人の姿が消えていく。 まるでこれからやってくる夜に恐れおののくかのように。 一方で、夜と共にやってくる闇を打ち払うかのようにチクトンネ街は活気に溢れている。 チクトンネ街は酒場やカジノ、ダンスクラブなど夜型の人間が客の大多数を含む店が密集しているのだ。 その為か朝や昼よりも夜中の方が活気があり、それは朝が来るまで終わりを見せてくれない。 古き伝統を持つトリステイン王国の首都は、朝の街と夜の街がある。 そして夜の街には、朝の街で決して戸を... -
ルイズと無重力巫女さん-33-A
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん ベッドに身体を沈め、瞼を閉じて何も見えない夢の世界に入り込んだルイズを待っていたのは、女性の声であった。 ――――まだ何も解決はしていないわ。むしろこれからってところね ルイズはその声に聞き覚えがあった。八雲紫の声だ。 霊夢と魔理沙のいる幻想郷を創った大妖怪で、同時にこれからのルイズの生活を大きく変えるであろう存在。 彼女の声には妙なエコーが掛かっており、瞬時にこの言葉が三日前のもの――つまりは過去の事なのだと理解した。 四日前、幻想郷に霊夢と共に連れてこられ、一日の時を置いてから紫が何人か集めて小さな会合を開いた。 それは今後の霊夢が何をするべきかを的確に指示し、同時にルイズはその内容に驚愕したのである。 その時の事をふと思い出しそうになったが、その前に再び紫の声が夢の世界を漂うルイズの頭の中に入り... -
白州纐纈城 三
「チッ― ガリア王都・リュティスの王宮ヴェルサルティル。 惨劇の場と化したプチ・トロワ二階の広場で、王女イザベラが心底気に食わなそうに舌打ちをした。 17年の人生の中、最も誰かの助けを借りたい場面で飛び込んできたのは 自らのコンプレックスの体現者であり、世界中で最も助けられたくない青髪の従兄弟であった。 しかもこちらは、護衛を悉く討たれ、居城を流血で踏み躙られた挙句、自分は無様に転がっている醜態である。 そんな気持ちを知ってか知らずか、タバサはイザベラの方を振り向きもせず、異形との間合いをじりじりと詰めていく。 「フハ フハハハ 二対一ですか! 参りましたな こちらも人手を借りねばなりますまい!」 その言葉にあわせ男の背中がボコボコと蠢く。 衣服を突き破りながらたちどころに6本の腕が生え、その身を蜘蛛の如く持ち上げる。 驚いている暇は無... -
とある魔術の使い魔と主-49
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 アンリエッタはもうわからなかった。 何が正しいのか、何が間違いなのか。 自分が今やっている事は一体なんなのであろうか? 己の国の魔法学院にいる生徒や、自分にとってかけがえのない親友にその使い魔。 彼らに杖を向けて、魔法を放つまで欲しい未来とは果たしてどれだけのものだろうか。 もちろん、ウェールズと一緒になれる。自分がいつも抱いていた夢。これ以上の幸福は存在しないとも思う。 はずだった。 『あんたがどうしようがよ、それに誰かが傷ついたり! 悲しんだら幸せでもなんでもねえんだよッ!!』 少年の言葉が何度も何度も頭の中で繰り返される。 もしかしたら本当の幸福は別にあるのかもしれない。 自分が愛しているウェールズと、一緒に暮らすよりも大事なものがあるのかもしれない。 ... -
瀟洒な使い魔‐11
前ページ瀟洒な使い魔 最近のトリステイン魔法学院の朝は、三日に一度は一つの音が目覚まし時計となる。 どん、とも、どかん、とも、ちゅどん、とも、聞くものによって多様に表現される音が轟くのだ。 つまるところ爆音である。 その日の朝も、魔法学院の眠りを吹き飛ばす爆音が響き、ある部屋の窓枠が吹っ飛んだ。 トリステイン王家の庶子を祖とする公爵家の令嬢、ルイズの部屋だ。 吹き飛ぶ窓枠と窓ガラスに混じり、頭と腰に黒い翼を有した女の亜人が落ちてくる。小悪魔である。 彼女はくるりと空中で一回転すると、そのまま軽く羽ばたいて落下の勢いを殺して着地。 同時に軽く腕を上げると風が巻き起こり、落ちてくるガラス等を受け止め、一箇所にまとめて降ろす。 新体操の演技を終えた時のように小悪魔が余韻に浸っていると、横から声がかけられた。 「小悪魔、今日は何をやらかしたのよ」 ... -
とある魔術の使い魔と主-40
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「悪いシエスタ……誰かが犠牲にならないとダメなんだよ」 当麻は一人、見捨てたシエスタに対して謝った。彼女がここにいたならば、おそらく拳一つは飛んできそうだ。 「さて、どーするかな」 魔法薬であるならば、当麻の幻想殺しで打ち消せる。おそらくあれは、洗脳的な要素があるので、頭を触れば効果は消えるであろう。 しかし、消したくない当麻もいる。 健全なる男子高校生は、そういうのには疎い。ぶっちゃけ、女の子同士……のは少し興味がそそる。 (つか二人で何してんだろうなぁ……) 少年は少しの間、現実から離れ、夢物語に没頭した。果たしてどこまでやったのだろうか? 思えば思う程膨らむ好奇心。しかし、突如シエスタが涙目となって訴える姿が頭にはいる。 シエスタもルイズも、本来求めてはいない姿なのだ。このままでは... -
とある魔術の使い魔と主-24
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「貴様のその手、よくわからんがどうやら魔法を打ち消すようだな」 起き上がったワルドの第一声であった。 唇が切れたのか、血が流れている。さらには意識が少しばかり飛んでいたのか、片手で頭を抑え、左右に振った。 当麻は返事をしない。わざわざ返答する必要性がないからだ。 ふむ、と黙っている当麻の様子を見てワルドは呟く。 「ならばこちらも本気を出すしかあるまい。何故、風の魔法が最強と呼ばれるのか、その所以を教育いたそう」 当麻はワルドの言葉に耳を傾けた。幻想殺しによって全ての魔法は打ち消されるとわかったのに、余裕の表情を浮かべている。 つまり、次放つ魔法はそれだけ彼にとって自信があるという事。逆を言えばそれさえ打ち倒せば勝てるという意味だ。 「ユビキタス・デル・ウィンデ……」 呪文が紡がれる。当麻は、再び駆けた。それだけの呪文な... -
Persona 0-17
前ページ次ページPersona 0 ペルソナ0 第十七話 一人は未だ呆け、一人はつらそうに俯き、残りの三人は呆気に取られたように遥か天空を見上げる。 その先には月がある。 一つに重なり、白い光を放つ月はさきほどから時が止まったように天の頂でその運行を完全に停止していた。 「ついに始まっちまった……」 焼けた鉄でも飲むようなサイトの言葉に、問いかけたのはキュルケだった。 「説明して貰いましょうか」 「ああ。分かった」 サイトはくるりと踵を返すと、女子寮塔の方角へと向かって歩き出した。 「ちょっと何処行くのよ!?」 「安心しなって、逃げやしないさ」 サイトは僅かに苦笑を浮かべながらキュルケを見た。 「こっちの方が都合がいいんだ、全部説明するには……見て貰った方が早い」 「見てもらう――マヨナカテレビ?」 「ああ、そうだ。今なら見れる... -
とある魔術の使い魔と主-48
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 学園都市では雨が降っていた。 「あぅぅ……。やっぱり繋がらないのですよー」 とある学校の教員室で、身長百三五センチの小学生体型の女の子が、ため息を吐きながら受話器を戻した。 月詠小萌。事情を知らない人にとっては嘘だろうと思ってしまうが、なんと教師であるうえに上条当麻の担任であるのだ。 その、上条当麻がいない。 確かに、小萌先生も彼の性格と体質を理解している。それでも、無断欠勤をした事は一度もなかった。 少し不安になって、彼の自宅と携帯電話に何回か連絡を入れたが音沙汰なし。 それがますます小萌先生を不安に陥れさせた。 当麻の家には白いシスターちゃんが居座っている。多少機械音痴なのだが、電話に出るという行為ぐらいは知っているはず。 しかし、繋がらない。 それは、... - @wiki全体から「幻想水滸伝異伝 零の一〇八星」で調べる