擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプするスレまとめ @ ウィキ内検索 / 「雨はやさしく…」で検索した結果

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  • 雨はやさしく…
    身たしなみ…よし。耳と尻尾の毛並みは…よし。笑顔は…うん、ばっちり♪ あ、午前7時だ!よーし! ご主人様の部屋の戸を開け放って声をかける。 「ご主人様!おはようございます!今日はとってもいい天気ですよ! さあ起きてください♪」 ―――うーん、あと少しだけ。 「もう。昨日も一昨日も同じ事を言ってますよ! 早く起きないと遅刻ですよ!」 ご主人様のベッドを揺さぶるがまるで反応がない。ほんとに寝坊助なんですから…。 「制服はここに置いておきますね。着替えて早くきて下さいね! 今日の朝ご飯は目玉焼きですからね~。」 きれいに畳んだ制服をベッドの脇に置いておく。窓の外は春の陽気でいっぱいだ。 昔も、今も、これからも。 “緊張状態の続く合衆国と共和国連邦ですが、本会議にて両国の譲歩が…”ピッ 「ご主人様、ご飯の時はテレビはめっ!です。」 ...
  • くまさん
    ...在天空飛翔 雨はやさしく… 風呂の神様 真夏の夜の夢 龍と人の昔話その2その3 妄想万歳 灯台と怪談 七夕は恋の日 兎娘8 白神様
  • 猫娘
    ...bVtg氏 雨はやさしく… 著者:6スレ目、ヤンデレくまさん氏 二又の白魔女2 著者:6スレ目、暁狐氏 猫娘14 著者:6スレ目 猫娘15 著者:7スレ目、通りすがり氏 猫娘16 著者:7スレ目、432氏 ツンデレ猫 著者:8スレ目、454氏 袋かぶり 著者:8スレ目、通りすがり氏 弟猫 著者:8スレ目、 ◆e6cisY6kSA 氏 俺のペット 著者:8スレ目、471氏 ニーソに萌えよう 著者:9スレ目、アトピック ◆ZvoB.P3HDA 氏 メルとメロのおはなし 著者:10スレ目、ID XthFD7Vp 10スレ目>>905氏に捧ぐ 著者:11スレ目、42氏 猫娘17 著者: 猫娘18 著者:12スレ目、おいぬさま氏 ニャム 著者:12スレ目、HIRO3氏 ...
  • 成人の儀式
    15スレ目、533-535 ID 4fGXrUxR 氏  月夜の美しい夏の夜。  辰巳竜司は成人の儀式を迎えるためにカンテラを片手に単身海辺の洞窟へと赴いた。  そこここに横たわる岩の間に満ちては引いていく黒い血のような夜の海の色と、さざめきの音を聞きな がら、竜司は岩に躓かないように注意深くカンテラで足元を照らしながら進む。  そしてようやく儀式の場所であるあの洞窟へとたどり着いた。  洞窟の入り口はそう大きくは無く、そして洞窟事態もたいしたことではない。しかしそこは竜司の村で は非常に神聖な場所とされ、普段は幾重にも注連縄が施され、成人の儀を迎える男子とそれを施す女性以 外が立ち入ることは許されない。  竜司は洞窟の入り口に立つと緊張した面持ちで潮風で粘つく灰色の髪を掻きあげた。  頭には申し訳程度についている短い角とくるりと円を描いて飛び出た尻尾が彼...
  • 純愛スライム
    752 :純愛スライム:2012/04/01(日) 16 47 14.52 ID 7gKQ4DJk 「ずっと、ずっと・・・君の事が・・・好きだったのっ」 彼女は頬を紅潮させながら、告白した。 「どうして、・・・僕なんかに」 少年は戸惑い、なぜ自分に告白してくれたのか尋ねた。 「私が、村の子どもたちに酷い扱いを受けたとき、君が助けてくれて・・・ その時から君の事が、忘れらなくて、それでっ」 言葉に詰まりながらも必死に想いを伝える彼女。 だが、少年は疑問に思った。 今、告白してくれている彼女はどうみても自分よりも年上の女性。 助けた記憶、というより、知り合った記憶すらなかった。 「ごめんなさい、お姉さんはどこで僕と知り合ったんですか? 僕、覚えてなくって」 申し訳なく尋ねてみた。 本当に覚えがないのだ。 「あ・・・この姿じゃ...
  • 複数4
     この家は、どこにでもある普通の神社である。  世間に隠れて妖怪退治をやってるわけでもなく(そりゃ、お祓いくらいはやるが)冠婚葬祭や地鎮祭、年末年始や夏祭りやらの興行収入、さらに国からの補助金などで細々と食ってる、単なる一宗教法人に過ぎない。  敢えて、よその神社仏閣と違う点をあげるとするなら、この人外の者たる四人が何故か居候を決め込んでいるくらいだろう。  この四人がいつからウチにいるのか。  覚えているのは、オレが高一の時にレックスがいきなり“世話になる”と言って転がり込んできた事くらいだ。  つまり、それ以外の三人は、オレが物心つく前からこの家にいた事になる。  猫又の玉梓は、ときどき気が向いたようにふらっといなくなって、何年も帰ってこないときもあったがそれでも帰ってくれば、それ以外の二人、人狼の信乃と妖狐の葛葉とともに、ほとんど姉代わりにオレの面倒を見...
  • 光くんの話 第3話
    まあ簡単に言ってしまうと僕の両親は死んだ。 4人で歩いているとき、暴走車が突っ込んできたらしい。 香苗と2人で病院に駆け付けたとき、もう2人とも動かなくなっていた。顔色をなくした、固く冷たくなった2人の顔。絶対に忘れることはできないと思う。 ちなみに香苗の両親は手足と肋骨を骨折したが、命は取り留めたらしい。 葬式からお通夜、告別式の手配は、早苗さんの妹さんがやってくれた。どういう流れで、誰が参列して、どんな風になったか、まったく覚えていない。そんなのはどうでもいいことだから。 早苗さんと直也さんは退院のメドがたたないらしい。でも、それもどうでもいい。 僕はあれ以来、1度も学校に行っていない。 朝は香苗が作った朝食をとり、自分の部屋に戻る。ぼーっとしていると、気付いたら夜になっているんだ。そういえば今日は日曜日か。確か、なんか大事なことがあったような……まあいっか。思い出せない...
  • 真夏の夜の夢
    真夏の夜の夢 佳境に立つくまさん 「暑ぅ…こりゃ今晩も熱帯夜だな…。」 ごろりと寝返りをうって開け放った縁側を見る。 涼しそうな月光に照らされる庭を見ていると蚊帳の中まで涼しく…はならなかった。 それどころかピタリと止んだ夜風と共にじりじりと気温が暑くなっていくのが分かる。ああくそ、暑い! 枕元の団扇を手にパタパタと仰ぎながらどうしたものかと思案を巡らすうち、俺は庭に舞う虫を見つけた。 ひらり、ひらりと頼りないような…それでいて優雅に見えるような不思議な飛び方をしている。 白い体と白く透き通った羽を月光にさらしながら舞うそれは、青白い光を身にまとった天女のようにも見える。 なんという名前だったか… 「もし…」 いつの間に眠ったのだろうか?時計に目をやると午前二時、草木も眠る丑三つ時というやつだ。 ついで隣を見ると見慣れない女性が枕元に座っていた。 「あ...
  • 1977~子犬とワルツを雨の日に
    「雨、降ってきたな」  灰色の髪を後ろに撫でつけたハンス=カウフマンは窓間から見える灰色の街並みを眺めながら、じっとラジオに耳を傾けていた。  「はい」  ノイン=カウフマンは頭の上の耳をぴくぴくさせながら夫と同じ様に窓間から雨に濡れる景色を眺めている。  ラジオからはゆったりとした曲が流れ、カウフマン家の居間全体を包みこんでいる。 上の娘二人は今はそれぞれミュンヘンとベルリン、真ん中の息子と下の四人の娘はまだ学校。店は定休日。  それにここ最近立てこんでいたごたごたも片付いて、久々にハンスは妻とゆっくり休める休日を過ごしていた。 こんなのはいつ以来だろうか。とハンスは思う。  おそらく慣れない料理をしようとしてレンジで手を火傷した時、病室でノインと夜を明かした時以来だろうか。 いや。ちょうどこんな雨の降っていた、この街にたどり着いた日以来だろうか。 ...
  • 七尾の恩返し! まえ
    「と言うわけで、恩返しに参りましたぁ」 「はえーよ」 俺の前で座る少女が深く頭を下げたのに対し、真っ先にそんな言葉が出た。 傍目から見れば、仁王立ちの男の前で少女が土下座してる訳だから、 ちょっと普通じゃない光景だ。ただ、この少女は普通じゃない。 金髪で少し小柄なこの少女、 しかしよく見ると、頭の横から長く、フワフワした毛に覆われた耳が飛び出している。 そしてもう一つ、お尻の辺りには7つの尻尾。モコモコとした毛に覆われたそれはまさしく狐の尻尾だ。 コスプレではない事は確かである。 さっき俺が自身で確かめ、頬に残る三条の傷と引き換えに、血の通った本物であることを証明した。 なぜ、我が家に狐少女がいるのか。恩返しがどうのと言い出しているのか。 それを説明する為には、6時間前に遡らねばならない。 折りしも、趣味のハイキング中...
  • 竜1
    「……う、うぉ、お、お前は何なんだっ!!」 山小屋の中で、一組の男女が睦みあっている。 裸に剥かれ拘束された若き騎士は、自分を組み敷いて腰を振っている野性味のある美女に声を掛ける。 「おや、何時も妾に乗っかっているというに、つれない男よ。偶には、こちらが乗ってみよう思っただけじゃ」 「ま、まさか!」 美女が顔を近づけ、喉を鳴らしながら頬を優しく舐める。 その瞳が、相棒の竜と同じ色なのを見て騎士は愕然となった。 そして、師匠の話を思い出した。高位の竜―――エルダークラスの竜は魔法すら操り、中には人の姿をとるものも居ると。 「エルダークラスだったのか、なんで、俺なんかに?」 彼は、ようやく一人前になってこれからの竜騎士だ。 まかり間違ってもエルダークラスの竜を御す事など無理としか言いようがない。 だが、竜種の楽園で彼に靡いたのは、この竜だった...
  • 熊娘2
    毎週、一日だけはノー残業の日にして定時で帰る。 駅前の将棋クラブで似たような同好のサラリーマンやOLと一局対戦した後に焼き鳥屋で一杯呑んで帰るのが いつものルート。 今日も そのつもりで扉をくぐったわけだが、 見たことの無い美人が盤の前で腕を組んでいた。 少し大柄だがたっぷりと量感のある豊かな胸は男として視線を魅かれるものがあるし 引き締まったウエストと丸い腰のラインは決して太めなのではない証だ。 スリットの深いところからのぞく脚線はほっそりとはいかないが、程好く筋肉で引き締まった無駄の無い肉体を想像させるには十分だった。 腰に届く長い黒髪は いまどき珍しく思えて、返って新鮮さを感じた。 不躾な視線に気がついた彼女が私を見つける。 強い意志を感じる力強い眼差し。 肉感的で厚さのある濡れた唇が開き、私に向かって誘いの言葉をかけた。 「よろしければ、一局いかがで...
  • 鯱娘
    鯱娘 ID QO7NZxmB 「早朝の浜辺を歩くときにゃ、絶対に波打ち際に近づいちゃならねぇ」 漁師だったじーちゃんが生前、口癖のように何度も僕に語ってくれた。 ……ここの海は彼岸につながってんだ。冥府の化けもんに魂ィ抜かれんぞ…… たぶん水難事故を防ぐ為の作り話なんだろうけど、じーちゃんの真剣な表情と異様に暗い語調が トラウマになりそうな位怖かったのをよく覚えている。 ……でも、それが決して作り話なんかじゃないと判ったときには、もう手遅れだった…… 「いってきまーす!! お昼までには帰るから!」 釣り道具を一式抱えて徒歩30秒の浜辺まで全力疾走。緩い坂道を登りきると眼下に広がる青い海。 お盆休みになると、田舎にあるじーちゃんの家に泊まりに行くのが毎年恒例の行事だ。 そして、小さい頃から釣りキチとして慣らしてきた僕にとって、またとない海釣りの...
  • 猫の集会
    「猫の集会」 猫たちには公園や空き地に数匹から数十匹が集まって集会をする習性がある。 野良猫・飼い猫の区別なく、である。 これがいわば猫の集会と呼ばれるものだ。 そしてそれはこの世界に住む猫獣人たちにとっても例外ではない。 さて、この集会。ここでは一体いかなることが話されているのであろうか。 今日はその謎を探るべく、この高性能赤外線カメラを公園に設置した。 早速獣人たちがやってきたようである… 「うい~っす」 ベンチで1人佇んでいた獣人が入り口に2つの影が現れると同時に立ち上がった。 茶色がかった髪から生えるやや尖った猫耳に、すらりとした体型。アビシニアンの獣人である。 「タマキちゃん、こんばんはだよ~」 「こんばんはです」 2人が同時に挨拶。 1人は三毛猫、もう1人はアメリカン・ショートヘアの獣人のようだ。 「…これ...
  • 狼型獣人兵 その2
    俺の手を握る彼女の手に力がこもる。 キスというやつでは…。 俺は驚いて眼を見開き彼女を見たけど…、彼女は目を閉じたままずっと動かなかった。 いきなり口付けられた動揺の中で初めて触れる女性の唇の感触を感じながら、俺も眼を閉じた。 すこしの間、ただ口付けただけだったんだけど彼女から唇を離される。 「いきなり、ごめん。舌、入れなきゃって思ったんだけど、初めてだったから恥ずかしくて、出来なかった、、、」 「いえ…、俺も…初めてでしたけど。」 顔を赤くしながら、申し訳なさそうに謝る大神さん。俺も綺麗な彼女の初めてを奪ったのが申し訳無いような気がして、俺も自分自身初めてだったって告白した。 俺より体が大きくて、普段かっこいい大神さんが瞳を潤ませながら少女のように恥ずかしがっていて少し可愛く見えた。 「良子にキスの仕方教わったんだ。好きな人とするように、とか。舌の絡め方とか。」 ...
  • 猫娘22
    カラカラカラカラ 猫耳をぴくぴくさせながら自分の部屋の窓を開け。こそこそとかつ足早に向かいの家の窓に向い屋根伝い に足を進める。そして、そこの家の窓を静かに開け猫娘。猫頭比(ころ)は幼馴染(♂)が寝ている部屋 へと侵入した。スゥゥーっと息を鼻から大きく息を吸ってみる。 (この雄臭いスルメ臭!!) 比の幼馴染、長谷川文也はいわゆる普通の思春期を迎えている男子高校生である。比とは二つ違いの年上 のお兄さんだ、この前にふとしたきっかけでオナ禁を目指すもオナ禁2日目にして遊びにきた比とのじゃ れあいに興奮してしまい、禁を破る。現在は再びオナ禁を始め現在3日目、襲い来る性衝動と必死に戦っ ている。とはいえ、部屋にこびりついた精臭は消え難く。発情期の獣人ならばすぐに反応してしまうくら いにはにその匂いが染みついていた。 (これは…想像以上...
  • 犬娘15
    ○○がサインインしました やぁひさしぶり。こんにちわいや、こんばんわかな? 今日はそうだね・・・どんな話をしようか 俺と嫁のであった話でいいかな? そう、あれはこの暑い夏の天候と似てた日俺達は出会ったんだよね・・・ 「あっつ・・・死ぬわ・・・」 誰もがこの暑い中しにかけている中、ひとつ不快感の残るため息をはいた 仕事が一段落したので、休みをいただきブラッっとしていたところだ ちなみに、俺の仕事はこの獣人病という世界の病気について研究している 獣人病というのは、退廃した世界の中で発症した病気で獣が擬人化してしまう病気だ だから、虐待派の奴らは擬人化した獣人に殺されるわ、虐められるわという現象までおきた まぁ、それは自分で蒔いた種だから自分で刈り取らねばならない。 いわゆる自業自得というやつだね そんなんでも、獣人とのカップ...
  • わんわんパラダイス4
    「ハァ……ハァ…ハァ…。ここまで来れば大丈夫か」 肩で息をしながら俺は、家から近いとある公園に入っていく。 日も暮れた今、中には誰もいない。 俺はベンチに腰掛けた。もう今日は家に帰れないだろう。 「ったく……あいつら」  星空を見上げながら俺は飼い犬、いや同居人たちを思い浮かべた。 なんでレトもハスキも万年発情期なんだ?毎日のように迫ってきて、このままだと俺が枯れ果てる。 特に最近は犬本来の発情期と被っているらしく、朝から搾られっ放しだ。 「やれやれ……ん?」  ため息をついた時、公園の入り口に人影が見えた。 「君、何してるの?」  綺麗な妙齢の女性。俺やレトと同じか気持ち上か。 くっきりした目鼻立ちからすると純日本人というわけではなさそうだ。 特別飾り立てる服装ではないが、服を押し上げる胸の膨らみと引き締まった腰に思わず目が行ってしまった。 「いや、ただの散歩...
  • 雨の牢
    夜半に降り出した雨は、激しさを増し窓を強くたたいていた。 「梅雨だな」 父がそうつぶやいたと同時に、携帯に着信が入った。 「え?あぁそうですか。分かりました、すぐ出ます。」 慌ただしく身支度を整えだした父は、どうやらこの雨の中外へ出かけるようだ。 「ちょっと出てくる。今日は帰れないから戸、閉めといてくれ」 この時期よく村の川の水かさが増す事があり、地元消防団に属す 父は河川増水の警戒活動の為夜出る日があった。 「一人で大丈夫だな?」 「高校生にそれはないだろ・・・」 父子家庭の為我が家には二人しか住んでいないこともあり 父の軽口も冗談半分、本気半分といったところだった。 「この雨じゃ消防宿舎に泊まりだな・・・じゃ行ってくる」 父が出かけた後、雨足がさらに強くなった。 何気なく窓際に立ちカーテンをめくった。瞬間、空に閃光が走り けたたましい轟音が響いた。落...
  • 雪ちゃん 前
    雲ひとつ無いよく晴れ渡った空。さわやかな風が草原に吹いている。 見渡す限りの草原。目を引くようなものはその中に不自然に落ちている一抱えできそうな岩ぐらいだろう。 このような日は何も考えずに寝転んで、昼寝でもしたらさぞ心地良いだろう。 「おい、聞いてンのかよ!」 無粋な声が思考を遮った。 自分を囲む男達の一人がいらだったように声を上げたのだ。 粗末なぼろを纏い、同じく粗末な刃こぼれのした刀を手にしている。 前に三人、後ろに二人の計五人。追いはぎと言う奴だ。 すっかり囲まれてしまった。 …うむ、興味なかったから視界から抹消していた、なんてな。 何故こんなに落ち着いているかと言うと自分は強いから、では無い。 自虐するわけではないが、剣術道場では下から数えたほうが早い程度の腕前だった。 絶体絶命の危機と言う奴なのだが…まあ、心配はしていな...
  • キモオタ中年と猫のミーシャ
    俺は現在43歳失業者で独身でニートだ、名前?どうでもいいだろう!? 仮にタダオとしておく。 求職活動は、もう諦めた。酒、煙草、ギャンブルは一切やらない ん?何の為に生きてるかだって? ふ‥愚問だな…猫耳の為だ。 「たるとチャン最高!!」 今日のオカズは魔法少女猫たるとチャンだ… そっとズボンとパンツをずらして俺自身を取り出す。 「たるとチャン…ハァ……ハァ…」 シュッ…シュッ… 「ハァ…ハァ…っ!」 つい息が荒くなってしまう。 もう少し…もう少しでイける… フィニッシュは……俺は部屋を見回す…… いた!!「にゃあ」 唯一の同居人猫のミーシャ白の美雌猫だ。 「へへへ…ミーシャちゃん‥今ぶっ掛けてあげるからね」 俺は限界まで膨張した一物をミーシャに向ける。 「ふーっ!!」 ミーシャは爪を立て威嚇するが… 「無駄無駄無駄…俺の精液は五mは跳ぶハァ…ハ...
  • ある草原の喫茶店で
     その喫茶店は、広大な草原の真ん中にあった。 辺りは見渡す限りの草原。遥か彼方に目を移すと、雪を被った山脈が延々と連なっている。 牧場らしく、木製の簡単な柵が立ち並び、牛がのんびりと草を貪っている畦道の脇。 住居兼用と見られる喫茶店がちんまりと佇んでいた。 道の脇に、「IN 喫茶店」という看板が無ければ、誰も喫茶店と気が付かないだろう。  その看板の前で、一人の男が安堵の溜息を付く。 自転車を引き、泥に汚れた格好の男。と、いうのも、 (転んだときに飲料水全部ぶちまけるとはな) 自転車旅行中の男にとって、コンビニはおろか、人の住まう住居すら見えない現状では、 看板が救いの神に見えたことだろう。 「ごめん下さい」 扉を開けると、乾いた鈴の音が客の来店を告げる。 見回すと、小奇麗に整理された木製のテーブルと椅子。 簡素ながらも、木の色に深みのあるカウン...
  • 幼虫娘
    「ちく…しょう、なんでこんなことに」 登山中、霧が出たと思ったら仲間とはぐれて道を誤り、適当に進めばそこはまさしく魔境となる。 そこ、適当に行くな馬鹿とか言わないでくれ。 俺だって反省している。 「だいたい…さっきからなんだ? 何かに見られているような気すらする」 まあ、一人なせいで神経が昂ぶっているのだろう。 まして深い森の中。  いまだ昼下がりとはいえ人気がなくては、そう思っても仕方ない。 …ん? 「…あな?」 目前にあるのは完全に穴である。 ぽっかりと空いた、人一人が入っても余裕そうな穴である。 不思議に思い近寄って覗いてみるが、底も見えない。  …少し考えたが、まあ現状打開の一助にならないことは明白。 「なんなんだか、この穴…まあいいや。しかしまあ、いくら降っても麓につかないな…」 一人、ぼやく。 「降...
  • 狐の嫁入り
    狐の嫁入り アトピック ◆0Wrn9WsOw. 純白のウェディングドレスを着た花嫁がタキシードを着た新郎と共に幸せそうな顔で赤色の絨毯 の上を一歩一歩歩いていく、周りにはこの新しき夫婦を祝福する声が響く。花嫁がブーケを天に 向かって投げ込むとそのブーケは天に弧を描きすぽりと祝福にきていた中学にあがるくらいの少 女の手に綺麗に収まった。そんな幸せそうな光景を草むらの影から覗く男が一人。 「ちっきしょう、山菜採りにきたらこんなのに出くわすとは」 某電力会社に勤める竹部伊臓24歳、山菜採りにきたからにはこの目の前の結婚式は山の中で行 われていると言う事になる。国内探せば山の中の結婚式場はあるかもしれないがここは熊出没注 意の看板も立てられている野山の真っ只中である。 「これが狐の嫁入りってやつか、変に近代化しやがって」 よく見ると花嫁・新郎はおろか周りにいる人達には狐...
  • 蜻蛉娘
    「あーづーいー…しんどいー…」 高2の剣道部の夏合宿。僕、坂崎 将(さかざき しょう)は今それの真っ最中なわけで。 避暑のためとある高原で行われたそれは、いつもの何倍もきつくて何倍もしんどかった。 僕の足の裏は踏み込みすぎて皮が割れて荒地状態になっているし、 ピーク時はなんか幻覚っぽいものまで見た。 しかーし!4泊5日の日程で今日が4日目。 今この練習と午後の部内の練習試合を乗り切れば、夕飯はBBQ&花火そして明日は練習なし!パラダイスじゃー! 二日目と三日目はゴールが見えなくて泣きそうだった…でも今この午前練習ももう終わろうとしている。 ようやく見えた光に違う意味で泣きそうだった。 そして午前練が終わり、いったん昼食のため宿舎へ戻る。 汗だくもいいところなので部屋の中ではみんなパンツ一丁になる。 それも部屋は全員高2男子なので気兼ねなく。 ...
  • ヤドカリ娘2
    日は既に西に傾き、辺りは次第に燈色から藍色に染まっていく。 街には既に人影は無く、ばたんばたんと扉を閉める音が寂しく響いていた。 人が火を起こし、自らの思うがままに使えるようになってからどれ程の時が経とうと、夜の恐怖を克服する事は出来ないままである。 夜は依然として魔物のものだった。 コボルトが畑を荒らし、オークの群れが人を襲い、グールが腐臭を撒き散らしながら街を徘徊する。 高い城壁で周りを囲んでいる大きな街ならともかく、首都とは程遠い田舎の街ではそれが当たり前の光景だった。 不作の年は城壁の石積みをして生計を立てたものだ。と、男は窓に頬をつき、暗くなった街を見ながら感慨深げにため息をついた。 人狼の遠吠えが聞こえる。 そしてようやく今日が満月の夜である事に男は気付き、慌てて、痛む身体に鞭打ちつつも夕食の準備を始めた。 支度を終え食卓に料理を並べた。いつもは二人分作...
  • 赤いアンタレス
    「………迷った。」 広大な砂漠に、男が一人ポツンと佇んでいた。 一人きりと言うわけではなかったが、同行者はラクダ一頭のみ。 この男は行商人で、エジプトからシルクロードを通り唐の国へ物資を届ける最中だったのだが… 突然キャラバンに襲い掛かった砂嵐のため、隊列はバラバラとなってしまい…結果男は孤立してしまっていた。 「参ったな…まあ、夜になって星が確認できれば何とかなる、か。」 男は星を見る事により、方角を知り目的地へ向かう術を見に付けていたため、然程悲観的になる事もなく、 一晩を凌ぐための準備を始めた。 「そう言えば…最近砂漠に怪物が出るとか言ってたな。」 行商に出かける前、物資を仕入れた別の商人から、最近砂漠地帯に怪物が出るらしい、と聞いていた。 なんでも、その姿は蠍に似ていて、近くを通りかかった人間を巣穴に引きずりこんで捕食するらしい。 「……...
  • 題名なし2
    1937年冬。神戸からリバプールに向けて出港した貨物船「海南丸」は南シナ海にて消息を絶った。 最新鋭の貨物船の遭難は何の前触れも見せない全く突然の出来事であり、そのニュースは世界中の紙面を飾っている。 日本政府は海軍まで導入した海南丸の捜索を行ったがその行方は現在に至るまでようとして知れない…… 米海軍潜水艦「ヴァサーゴ」 1943年11月2日の日誌 南シナ海上にて日本輸送船らしき船影を認めたが、機関煙も無く外板やマストは錆び、構造物は荒れに荒れている。 まるで幽霊船のような風貌だった。さしずめ「さまよえるオランダ人」号と言ったところか。 異常事態ということもあって、船内を確かめるためになんとか船名の読める位置に移動する。 さまよえる日本船の名は「カイナンマル」。あの南シナ海のマリーセレスト号、カイナンマルだった。 我々はこれより艦内から有志を集い、カイナンマル船内捜索...
  • 狼娘6
     朝の通学路に学生服を着た男が眠そうな眼で歩いている。  男の名前は、高見 和輝(たかみ かずき)。  和輝の朝は早い。  何故なら両親が共働きで海外に行っているため、自分の朝ごはんなどを作ったり少しの家事を済ませる為だ。  後に残してもよかったが、学生の本業は学業であり夕方にはバイトもある。  その後は一応予習復習もしなければならないので、家事はできるときにしておくのが和輝の密かな決まりなのだ。 「ふわぁ~~……ねム」  何度目になるだろう大きな欠伸を和輝がした時、彼の後方から音を立てて近づく一人の少女の姿。  少女は和輝に気づくと我先にと嬉しそうに走っている。 「カズくぅ~~~ん♪!」  和輝の愛称である名前を呼びながら、少女は和輝の胸に抱きつこうと両手を前に出す。  しかし、その前に鈍い音と共に和輝にグーで脳天を殴られ少女はその場に蹲った。 「いだぁ……」 ...
  • 蚊娘
    著者:ID hZB7QcE/氏 パンッ!! 「あーくそ…今年は蚊が多いなド畜生が…」 夜中に耳元でプンプンプンプンうっせーんだよォォォォ!!!」 深夜に大声で騒いでいる自分も十分うるさいことに気づいていないこの男は、 本日既に4匹の蚊を叩き殺していた。 男の住んでいるアパートの庭が雑草だらけのためか蚊が大量発生しているようなのだ。 「ホ!あの大家のババア、草むしるなり除草剤ぶちまけるなりしろっつーの!」 蚊はあと1匹残っているはず。 「どこだ…出てこーい!蚊蚊ロットーーーーー!!!」 男はゆっくりと辺りを見回すと…いた。 「きゃほほーい みつけたーっ!!」 壁にとまっているが天井に近く、そのままでは届かない高さだ。 男は新聞紙を筒状に丸め、構えをとる。 ひざをゆっくりと曲げ、呼吸を落ち着かせ、そして…天高く飛び上がるッ!! 「死ねえッ!!……………...
  • ナイトライダー&ナイトメア
     左手で手綱を操りながら、右手の水平二連をブレークオープン。  空薬莢を放り出し、手綱を放した左手で手早く二発のショットシェルを装填。手首のスナップで銃身を振り上げ、薬室を閉鎖する。  その間、十メートルほど前を走って逃げている『悪魔』から視線ははずさない。  もっとも、僕が目を離しても、僕の相棒である『彼女』が気を逸らすことなどありえない。正確に追跡し、打ち倒すべき『悪魔』の元へと僕を運んでくれる。  僕が契約を交わして得た力のひとつだ。  狭い路地に入ったところで、『悪魔』は立ち止まり、僕と彼女に正対した。  長い四足に黒い体毛、赤く光る両目と、何よりもその体に纏う禍々しい臭い。かろうじて人型を保ってはいるものの、当然見た目は人間ではなく、成人男性ほどの大きさをした狒々と言える。  逃げる後姿に何度か撃ち込んだダブルオーバックは無駄ではなかったらしく、手足の銃創から、黒い...
  • 龍と人の昔話 その3
    いつからだろうか…私は自分の存在に疑問を抱いていた。 レゾンテートル、存在理由。 私は何故ここにいるのか? 私はここにいてもいいのだろうか? 私は何処に向かうのだろうか? …答えはない。ただ、『強さ』だけが私を私たらしめる証だった。 だけど…私はそなたと出会って気付いてしまった。 私は恐れていた。世界が私を拒絶することを恐れていたのだ。 いつだって私は怖くて、悲しくて、ひとりぼっちだった。 世界を幾度となく滅ぼせる力を手に入れようと…久遠に尽きる事のない時間を持とうとも、私は… 初撃。互いに神速の域に達する斬撃が交錯し、間合いが“削り取られて”いく。 大地を蹴ってさらに踏み込み、切り返して連斬…狙うは首―――のはずだった。 二人は同時に踏み込み、互いに密着するほどの至近距離に至るや唐突に刀を伏せた。 「…強くなったな、刀刃斎。余は嬉...
  • 烏娘4
     出会いは、ある民家の庭だった。 「おい、まだくちばしの黄色いガキに手ぇ出すたあ、『鈴木家の寅治』も堕ちたもんだなあ」  がたいの良い虎猫の首に爪をかけ、烏の娘が啖呵を切る。  この烏娘、ここいらで最近名前を知られるようになった御転婆娘で、名を美晴という。 まだ成鳥になって数年も経ってないが、やんちゃ盛りの若い猫どもと商店街の肉屋「いとうや」の廃棄肉をめぐって対等にやりあっている事で有名だ。  しかし今回ばかりは分が悪い。  相手の虎猫は“寅治の親分”。現在町内会長を務める鈴木家に古くから飼われている猫で、猫の間どころか、人間どもにも一目置かれている虎猫だ。  その体格は堂々たるものだが、決してペットに甘い飼い主が贅沢なエサを与え過ぎた為にぶくぶくと太ってしまった類のものではない。それは長年に渡り流れの野良猫からこの地域を守り続けてきた実績が証明している。  現に、あ...
  • 犬娘5
    三時間もトラックに揺られて着いた前線基地はかつてないほどの活気に包まれていた。 「着いたぞ、降りろ」 あたりを見渡すと『敗北主義者を粛清せよ!』『帝国主義を打ち滅ぼせ!』『人民よ、立ち上がれ!』などと書かれた看板が所狭しと立ち並んでいる。 気怠げに装備と荷物を卸下すると、遅れて我が軍の「新兵器」が降りてきた。耳を立ててせわしなく辺りを見回し、鼻をヒクつかせている。 「お腹空いた~!」 開口一番がそれですか。まあ時間的にそろそろ駄々をこねるだろうとは思っていたけど…。 「同志小隊長、こいつらの食事はこちらの部隊で用意してもらえると聞いたのですが。」 申し訳なさそうな僕の顔と地団駄を踏んでいる「兵器」とを見比べて、我らが小隊長は笑みを浮かべている。 「ウラジミール、心配せんでもこいつらにゃたらふく食わせてやる。お前も腹に詰め込んでおけ。明後日0800作戦開始だ。」 「ついでに...
  • 狼娘と同居
    青年は彼の住むボロアパートの玄関で立ち尽くしていた。 思考がいったん停止する。 いつもと変わらないはずの彼の部屋には裸の女性が気持ちよさそうに寝ころんでいる。 この部屋の主、小鹿朔太郎はこの状況にただ呆然としていた。 驚きながらもよく見るとなかなかの美人で日本人離れした目鼻立ち、 腰まで伸ばしてある美しい輝きを持つ白色の髪、 全体的に余分な肉の少ないスラッとした体形が魅力的だ。 こんな状況でなかったら声でもかけたいぐらいだ。 だが一番奇妙な点はその頭に着いた犬のような耳とおしりあたりに生えている尻尾である。 すると青年の存在に気がついたのかその女は狩人のような鋭い目でこちらを見る。 「サクタロウ、おかえりなさいです。まっていました」 尻尾をかすかに揺らしながらそうことばをかけてくる。 だが彼自身にはまったく身に覚えがない。 そして彼女への視線がなかなか定まらない。...
  • Am Tag des Regens im Mai~子犬とワルツをベルリンで
    ポン 『Am Tag des Regens im Mai~子犬とワルツをベルリンで』 1945年4月、南下するソ連軍にくわえ連合軍のノルマンディ上陸を許したドイツ軍は次第に劣勢に追い込まれ、 首都ベルリンまでソ連軍が迫った今、ドイツ降伏は時間の問題となっていた。 1945年4月29日午後9時 ドイツ第三帝国首都 ベルリン 天気・曇り  よどんだ曇り空が落ちる中、ドイツ第三帝国の首都であるベルリンはかつての優雅な街並みをどこかに置き去りにしてきたように、 瓦礫に包まれたゴーストタウンと化しつつあった。  「おい、ハンス」  廃墟と化した地下鉄駅の階段にしゃがれた声が響く。ハンス=カウフマン兵長が振り向くと、そこにはハンスと同じ陸軍の制服を着た壮年の男が立っていた。 「ほら、コーヒーだ」そういって男は熱いコーヒーの入ったブリキのカップを階段の途中に置く。  ...
  • 狐娘19
     目に映るのはセピア色のある風景。  見覚えがあるこの場所は、俺が前に住んでいた家の庭。  ド田舎だったけど、自然に囲まれていつも日が暮れるまで遊んでいた。  そして目の前に移ってる子供。それはガキの頃の俺。  何か、モコモコした巨大な毛玉のようなものに抱きついている。  (……おい) (なぁに?)  ガキの俺は何かと話しているようだ。  だけど何かは分からない。分かるのは話しているのは、声からして女の声。   (十年後、会いに来い。私の婿にしてやる、ありがたく思えよ?) (……おむこさん? じゃあおよめさんになってくれるの?) (そうだ……嫌か?) (ううん! ありがと! ぼくうれしいよ!)  この偉そうな口調はどこかで聞き覚えがあるけど、思い出せない。  ていうか、俺は既に誰かにプロポーズされてしまっていた...
  • 犬娘7
    家に帰ってから今日のあの"犬"について考えていた。 おじいさんは元気な「男の子」と言ってたけど、だとするとこの間の亀さんみたいに夜襲われるんだろうか。…怖いかも いやいや、ただ単にお礼だけかもしれないし。 確かあの亀さん"4桁の齢を…"なんて言ってたから、そんなに長生きしてないだろうから出てこないでしょ。 男が男にあんなことできないだろうし… …レイ〇ーラモンなんて冗談じゃないよなぁ… そんな一部絶望も見える希望的楽観にむりやり結論づけて、上の空のまま夕食と宿題を終わらせて床についた。 何があっても起きないつもりで。 …ペチャペチャという音で意識が覚めた。 なんか顔がザラザラした物でこすられてる… 訳も分からず、払うように手を振り回すと、何か毛皮みたいな物に手の甲が"埋まった&quo...
  • 鯱女房
    「がばっ…ごぼぼぼぼぼ…っ!」 海洋調査の為、指導教官の皆川教授が推薦してくれた四国の幸島(さちじま)。そこは水軍の本拠地として栄えた島であると同時に、独自の生態系が栄える貴重な魚の宝庫でもあるという。一般人にはおろか、研究者の中でさえその島を知るものは少ないが、特別に教授が紹介してくれたとあって、僕は張り切って調査に乗り出していた。 (教えられて気付いたのだが)母の実家もこの島からそう遠くない為、夏休みのたびに海で遊んでいた僕は素潜りにも自信があった。海の中で生きる美しい生態系に魅せられて、朝から久々の海を堪能していたが… 今、岩の隙間に右手が挟まってしまい、もがいてももがいても抜けそうにない。焦りが酸素と思考力を奪い、思わず口をあけてしまった瞬間、喉から海水の奔流が肺に流れ込み、ますます意識を遠のかせる。 酸欠と焦りと死の恐怖で真っ白になる思考と、黒い帳が目の...
  • 兎娘1
     小学生の頃、俺はクラスで飼うことになったメスの仔うさぎの飼育係になった。  誰もやりたがらない係というものは必ず存在し、俺は半場押し付けられるように任されて、正直めんどくさいと思いながら嫌々やっていたものだ。  でも、次第に愛着がでて、卒業するときには少し泣いたりもした。  そんな思い出も、忘れ去られようとしていた時、そいつは来た。 「……おきて……おきてください……」 「ん……ぁぁ? だ、だれ、だ?」  バイトが終わって、果てしなく疲れた。  一人暮らしの俺は、アパートから帰ると、飯も食わず風呂も入らず、電気付けっ放しで敷きっぱなし布団の上に泥のように眠っていた。  何時間くらい経っただろうか、俺の体を優しく揺する感触がする。  俺は寝ぼけ眼だが考えた、一人暮らしなんだから誰かいるのはありえない。 「起きてくださいよ……」  尚も揺るられるが、完全に目が覚...
  • 犬娘12
    「待て優ぅーー!!」 「待ってくださぁーい!!」  真夜中の道を必死に走ってる俺は神島 優(かしま ゆう)って言います。少し普通じゃない生活を送ってる高校生。  村を離れて単身都会の学校に入学して、2年目に突入するところ。  1人暮らしだから、アルバイトと親の仕送りで学費を払って生活している。  少し貧乏だけど、去年まではごく普通の高校生活を送っていた。春休みが終わったら後輩が出来る。  だけど、そんな普通の生活はある時一変した。  なぜなら今、俺を追いかけている女の子達が俺と同じ町に引っ越してきたから。  理由は俺と同じ学校に進学する為。  近くの高校に行けばよかったものを、俺を追いかけてきたらしい。 「どこ行った?」 「近くにいるはずです」  ひとまず今は、空き地の大きな土管の中に身を潜めている。  追跡者達はここか...
  • 熊親娘
    『歩哨』 全ての兆候に深く注意して、常に警戒監視を怠らず、異常を発見したならば速やかに通報すべし。 「要は見張り役兼やられ役かよっ!」 赤本から抜粋したメモを見ながらツッコミを入れる。肩から提げた89式小銃が重たく感じる…それでも64式と比べたら随分軽くなったが。 ――陸上自衛隊あいば野演習場。3夜4日の状況で40km夜間接敵行軍後、防御戦闘というダルいことこの上ないメニューも中盤にさしかかり俺は歩哨の任(これまたダルい)に就くことになった。 昼の缶メシを食べ、一息ついていると前方50m先で何かの影が。メシの邪魔になるからと手近な立木にたてかけておいた小銃を取りその場所を凝視する。…ん…?子グマ? ぬいぐるみのようなナリをした子グマが木の実を食べていた。 「へぇ、熊がいるとは聞いてたが…こうして見るとかわいいもんだな」 銃の安全装置を外して構えてみる。弾倉...
  • ポニーってる!
    家の牧場には競走馬がいる、もっとも現役ではなくて『元』が付くのだが。 GⅢも獲ったことのあるその馬は骨折で再起出来なくなり、知り合いのつてで 乗馬用に格安で払い下げてもらったのだ。 そうでなければ家のような貧乏牧場に、こんな立派な馬がいるはずが無い。 その馬から葦毛の仔馬(メス)が生まれた時には、それはもう家族皆が喜んだ。 特にはしゃいでたのは、当時学校を卒業して家の仕事を手伝い始めたばかりの俺で 『競走馬の仔』ということに変に興奮していたのを覚えている。 当然、仔馬の世話は俺がやった。 「よし、1ハロンのタイムも縮まってきたな」 「落ち着きが無いな、ブリンカーが必要かもな」 など、知識も無いのに気分は似非調教師だった。 勿論、牧場の馬にそんな事をする必要は全く無い、逆に見つかったら怒られること請け合いだ。 半年も過ぎて、少し体が出来て...
  • 猫娘3
    「うっ……う~~~~んっ!」  とある日の午後、薄暗い部屋の中で胡坐で座り大きな伸びをする男が一人。  名前、飛鳥 秦(あすか しん)。  一人暮らしの貧乏大学生で、たった今PCにて講義のレポートを書き終えたところである。 「よし、後は送……」  そしてさっそく何時間にも渡る努力の結晶を、早速送信しようとした秦。  しかし、彼がレポートの入ったメールを送信トレイに移動させようとした瞬間、PCの画面はプツンと音を立て暗くなる。 「……」  目の前が真っ白になった、何も考えたくなかった。  そんな思考が支配する中、秦は状況を確認―PC自体には問題は何一つない。  原因は、電源部分にあった。 「にゃあ?」 「にゃあ? じゃねぇぇぇぇだろぉぉぉぉぉぉ!!!」  部屋に秦の怒りの叫びが響き渡る。  PCの電源部分には白銀の体毛の一匹の猫がおり、前足でPCの電源を引っこ抜い...
  • 玄武&白蛇
     夜中、殆どの家が電気を消している時間に、僕は愛刀を片手に僕を主と呼ぶ女の子と歩いていた。 「ねーねー、今日は何処に行くの?」 「ん? もうすぐ着くよ」  彼女、白虎は僕の前を向き後ろ歩きで聞いてくる。  僕達が目指している場所は、僕が通っている学園だ。  そこで、僕は妙な事を聞いた。  今は水泳部しか使用していない室内プールにて、水泳部員が相次いで何らかの怪我を負っているらしく、水着もいつの間にか消えているとか。 「着いた、ここだ」  学園にたどり着き、校門を白虎は軽く跳び越し、僕は攀じ登りすばやく校内に入る。  プールへは校内から入れないので、警備員に見つからないよう音を立てずゆっくりと歩く。 「ゆーな?」 「何?」 「おしっこ」  その途中、白虎がトイレに行きたいと言ってきたのでトイレに寄る。  深夜の学園、暗闇に包まれ何とも言えない雰囲気だ。  何か出...
  • 獅子沢さんのデスクッキング♪―前編―
    キーンコーンカーンコーン……キーンコーンカーンコーン…… 「―――――はい、今日の授業はここまで。 皆さん、明日から暫く休みだけど、くれぐれも羽目を外したりしたら駄目よ?」 ガヤガヤガヤガヤ……… 終鈴のチャイムと同時に担任の結衣先生が授業の終わりを告げ 生徒達は終わったとばかりに一斉に帰宅の準備を始める。 「んん~っ、やっと授業が終わったか……。さて、明日から連休かぁ……俺は何しようかね?」 その最中、俺こと狭山 光喜(さやま こうき)は座りっぱなしだった身体をほぐす様に大きく背伸びをした後、 明日から続く連休の事に思いを馳せる。 そう、明日から創立記念日と祝日、そして週休2日も合わせて4連休も休みが続くのだ。 学校へと通っている学生にとって、春夏冬とGWの休み以外に纏まった休みと言うのは貴重な物で 既に帰宅...
  • 蛾娘
    蛾娘ID f/fKRjVw 「あ~もしもしー?今から電車乗るところれ~す」 「早くしてよね待ってんだから」 終電に乗り遅れまいとする人々でごった返す駅の中、男は電話していた。蚊に。 「いや~急な会議が入っちゃいましてえ~マ~ジすんませんキート先輩ぃぃ」 「どーせまた飲んでんでしょこの酔っ払いが!」 「えっへへへへぇぇぇばれた?ばれた?」 「うっざ…」 名前のなかった蚊娘は自らを『キート』と名乗ることにした。 『モスキート』の『キート』からとったらしい(男が提案した『イン○クター羽賀』は却下された)。 男はなんだかんだでキートとの共同生活を楽しんでいた。 「あ、電車きたわ。じゃまた後でねニート先輩♪」 「ニートじゃねええ!!」 プッ ツーッ ツーッ 「野郎…覚えてろよ」 キートは買ってもらった携帯電話を布団の上に放り投げ、4本の腕で伸びをして羽...
  • Кудрявка
    目を瞑って虚空を感じ取る。無の世界に包み込まれて、安堵とも恐怖ともつかない不思議な感覚だ。 母親の胎内にも似た空間とどこか懐かしい空電の砂音。 『―――obj(オブジェクト)接触まで300秒。』 耳元から聞き慣れた声が聞こえて僕はふっと目を開ける。 月の鏡と地球の輝きの中に浮かび上がる老船。 「CCCP」と記されたそれは悠久の時の流れにも形を変えることなく静かに眠っていた。 僕は心の中で自らの腕と船のマニュピレータとを同調させていく。 時間の流れがゆっくりと、限りなくゼロになったかのような感覚。 『―――obj接触まで250秒。』 機械と化した僕の腕は静かに目標に伸びていった。 その日は何故だかいつもより早く起きてしまった。だがここで起きては体のリズムが崩れる。 「眠…こりゃもう一回寝るしかないな」 いそいそとベッドをかぶった俺だったが...
  • チコとぼく。
    1. チコが習字をしている。 我が家の愛犬チコは、いわゆるイヌミミっ娘。 ぼくが、大学のキャンパスでチコがうずくまってる所を拾ってきた。 始めはやせ細っていたが、今ではすっかり元気になって、いつも跳ね回っている。 見た目は栗色のボブショートの女子中学生。ぴょこんとイヌミミが垂れていて 美しい毛並みの尻尾が自慢の女の子。つぶらな瞳には、飼い主のぼくも心奪われる。 ただ、拾われっ娘なので文字を禄に知らぬ。今日は、彼女なりに文字を覚えようとしている。 「むうう。上手く書けないよぉ…」 居間のテーブルにぼくが小学生のときに使っていたお習字セットを広げ、自分の名前を書いている。 チコがねだるので、仕方なしにぼくがお手本を書く。しかし、悪戦苦闘の様子。 チコはじゅうたんに直に女の子座りをし、ぼくは向かい側で上からじっと見下ろす。 今にも泣きそうな顔...
  • 狐娘16
     『きつねのじかん』  ある山には狐の神がいる。  神と言っても人間が勝手に言っているだけで、もうすぐ、いや明日1000歳を迎える金色の九尾の狐である。  九尾と言っても、既に天狐化寸前で、ついさっき尻尾が抜け落ちて、とうとう1本になってしまった。  だから、その日の妖狐はとても不機嫌であった。  好き好んで天狐などになりたくない。本音を言えば生き過ぎた、さっさと死にたい。  いっそ大災害でも起こして、人間に自分を襲わせるかとも思ったが、人間に殺されるのは癪である。 ―とりあえず適当に人間どもを脅して飯でも食うか―  そんなことを考え、山を降りていた妖狐は山の入り口の大きな木の下で何かを発見した。  それは……やかましく泣いている1人の赤ん坊であった。 「テン、今日は猪が獲れた」 『おう、そうか。じゃあ丸焼きにしよう、丸焼き丸焼き』 ...
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