戦国BASARA/エロパロ保管庫

大きな子どもたち

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「まつー!!おかわりだー!
夕餉時の前田家。
元気よく叫ぶ当主・利家の片手には、味噌汁の椀が握られていた。
「はい、はい、ただいま…あら?」
その愛妻・まつがふと目をやると、いつもある位置に鍋がない。
膳の傍らにおいたと思っていた味噌汁の鍋を、台所へ置き忘れてきたのだ。
「犬千代さま、しばし、お待ちを」
まつは利家から椀を受け取ると、急いで台所へと向かう。
鍋から味噌汁をよそい、利家の元へと縁側を通ると、その横でくぅんと甘えるような鳴き声がした。
「四郎丸?」
見ると四郎丸が、尻尾を振ってまつを見上げていた。
あなたもお腹をすかせていたのね。わたくしの殿と同じにござりまする…。
くすり、と口許が緩む。
瞬間、うっかり椀を持った手を滑らせてしまった。
「きゃ…っ!!」
カラカラと椀が転がる軽い音と一緒に、味噌汁が床に飛び散った。
四郎丸も驚いたように飛び退く。
出来立てではなかったため幸い火傷はしなかったが、せっかくの味噌汁がこぼれてしまった。


「…!四郎丸、大丈夫?」
うぉん、と一吠え、主人の声に応える。
「ああ…わたくしとしたことが…。犬千代さまが、待っていらっしゃるのに」
それだけではない。
前掛けはしていたものの、薄紅梅色の着物も汚れてしまっている。
京の都に出かけた時に利家が買ってくれたこの着物。
優しい桃色がまつに似合いだと、彼が贈ってくれて以来、大切に着ていたものだった。
がっかりしたまつは、肩を落としてため息をつく。
片付けようと立ち上がると、少し下がっていた四郎丸が、
尻尾をぱたぱたさせてまつの方へ歩み寄った。

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