戦国BASARA/エロパロ保管庫

ある湯治場の話

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bsr_e

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エロはないのですが、政宗様がちょっと下品かも。
三人娘で温泉に行ってみた話。
ふと思い浮かんだネタをまとめたものです。

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良い湯治場がある、と幸村から誘いを受けた政宗は、丁度遊びに来ていた家康も連れていくことにした。
「本当にいいのか?」
予定外の人数が増えると困るのではないか、と彼女は気にしていたが、幸村はそんな細かい事を気にする奴じゃねえ、と政宗に説得されて何とか納得した。
冬の寒さが本格的となるこの時期、雪が深くてとても戦いどころではない。
周囲の勢力もこんな時期に伊達に攻め入るような愚かな真似はせず、大人しくしていた。
政宗と家康は、留守をまかせた小十郎に見送られ、幸村が待つ宿へと急いだ。
「お待ちしておりました、政宗殿、それに家康殿も」
にこやかに出迎えた幸村の無邪気な笑みにつられて、二人の顔も和らいだ。
「今宵は心置きなく寛いで下され」
後ほど、湯の場所へと案内すると言われ、彼女らはとりあえず旅装を解いて浴衣に着替え、幸村の待つ部屋へと向かった。
「ここは静かで良いところだな」
一面雪で覆われた景色を眺めながら、政宗は用意されていた酒器へと手を伸ばす。
「それにしても本当に真っ白だな」
三河ではこれほど深い雪など見た事がない、と家康は驚いていた。
縁側の近くに置かれていた下駄を履いて庭へと降り立つ。
下駄の歯がさくさくと二の字を描く様が面白いのか、白い息を弾ませながら駆け回る。
そして庭に積もった雪を両手で器用にまとめると、雪だるまを作り始めた。
「犬のようにはしゃいでおられる」
本当に可愛らしい、と変な所で感心している幸村の顔をちらりと横目で見ながら、政宗は相手にも杯を勧めた。
「アンタも相当いけるんだろう?」
「これはかたじけない」
ありがたく頂戴致す、と杯を取ると、さっそく一口でそれを空ける。
「政宗殿は優しい方でござる」
ふ、と穏やかな目つきで家康の動きを追いながら、幸村は口元に微かな笑みを浮かべる。
それは彼女にしては珍しい表情である。
やや蒼みがかった隻眼を僅かに見開き、すぐに視線を戻すと、政宗は小さく笑み零す。
「何故、そう思うんだ?」
「某の勘は外れた事がござらぬ」
「Ha!そいつはどうだか」
肩を竦めて幸村の言葉を聞き流すと、既に中身が軽くなった酒器を振る。
「夕餉の前でござる、政宗殿」
あまり酒を召しては山の珍味も楽しめなくなる、という幸村の意見に思う所があったのか、政宗はあっさりとそれを置き、庭に居る家康を呼んだ。
「もうそのぐらいにして上がったらどうだ」
「おう!」
頭に枯れ枝を二本、まるで鹿の角のように見えるそれは、おそらく本多忠勝の兜を模しているのだろう。
でん、と構えるその雄姿に家康の愛情が感じられる。
「随分とがんばったな」
軽く口笛を吹き、政宗は戻ってきた家康の手をそっと包んだ。
「だがこんなに手を冷たくしていたら荒れちまうぞ」
長いこと雪に触れていた手は赤くなり、氷のように冷たくなっていた。
「これぐらいどうってことねえ」
「俺を信用して預けてくれた三河の姫に風邪を引かせたりしたら、お前の家臣達に顔も見せられねえよ」
ぐだぐだ言わずに俺に従え、とぶっきらぼうな言い方だが、それも政宗なりの気遣いだろう。
「よろしければ夕餉の前に湯へ案内致すが」
「そいつは良いな」
「ではこちらでござる」


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