戦国BASARA/エロパロ保管庫

BBB

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bsr_e

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 ■執事小十郎×お嬢様政宗 なパラレル
 ■戦国よりだいぶ未来で現代よりずっと過去っぽい時代
 ■西洋文化がそれなりに浸透してて微妙に和<洋
  移動は馬車か徒歩、電気はまだない、武器は刀とかの刃物が主力、という文化レベル

  ※エロはありませぬ
  ※微グロ&流血描写ちょこっとあり
  ※小十郎が英語喋ります(一ヶ所だけ)
  ※執事のイメージが偏ってます

 それでもおkでしたらどうぞ。



「ひとまず、町にも民にも変わりはなさそうだな」
蒼穹を写し取ったような色の、一目で上質と知れる生地で仕立てられたワンピースに身を包んだ隻眼の少女──伊達政宗はそう言って、左に残る目を笑う形で和らげた。
片側だけ長く伸ばした前髪で隠れている右目は眼帯でも覆い隠されている。
黒革の眼帯は少女の顔を飾る物としては無骨だが、凛々しく勝気そうな面立ちには案外しっくりと馴染んでいた。
「そうですね。特に困ったこともないようでしたし」
政宗の言葉に、背後に控えていた長躯の男が静かに答える。
男──片倉小十郎も政宗に合わせるように洋装だ。
黒いスーツに白いシャツを着込み、ボウタイを締め、白い手袋を着けた姿に乱れや隙はない。
そしてその右腰には、古の武士が己の魂と同義に扱っていた日本刀が携えられていた。
洋装に和の刀など一見不似合いに思えるが、左頬に大きく残る刀傷の跡と強面の武士を思わせる風貌のせいか、小十郎に限っては不思議とそれは調和していた。
「Cropも順調。この分なら税は今のままで大丈夫だな。まったくもって、平和でありがてぇこった」
「まったくです」
政宗の満足そうな呟きに再び答えながら、小十郎は目の前の華奢な後ろ姿を慈しむように眺めた。
何も知らずに二人を見れば、少し年の離れた兄妹か恋人と見えたかもしれない。
そう思わせるほど両者の距離は近く、取り巻く空気にも他人を寄せつけ難い親密さが漂っていた。
しかし彼らの会話を耳にすれば年端の行かぬ子供でも、二人が主従と呼ばれる間柄だと理解できたろう。
どれだけ物理的距離が近くとも二人のあいだには常に壁が存在した。
付き従う者と従わせる者という、目には見えない絶対的な壁が。

片倉小十郎はいわゆる「執事」で、付き従う側の人間だった。
伊達政宗は片倉小十郎の「主」で、従わせる側の人間だった。
小十郎は執事として全身全霊を持って政宗に仕え続け、政宗は主として崇拝にも近い忠誠を小十郎から捧げられ続けている。
二人が主従の間柄となってからの年月は長い。
小十郎は政宗の幼時から常に彼女に付き添い、身の回りの世話をし、支えとなり護り続けてきた。
もし献身という言葉が人の形を成せば、それはきっと片倉小十郎に限りなく近い姿をしているに違いない。

小十郎の視線の先では彼の主が、己の従者を先導するように凛然と歩いていた。
鮮やかな蒼の地に金糸で細密な刺繍の施された裾が政宗の歩調に合わせて軽やかに揺れる。
揺れる裾から覗くしなやかな足を包む靴も青色だが、こちらは夜空を切り抜いた藍。動くたびに飾りの金釦が残す光の軌跡は、寸の間に光って消える流れ星を思わせた。
身に着けた服も小物も上等な品ばかりなのを見れば、政宗の身分がけして低くないのは一目瞭然だろう。
何より、小十郎のような「執事」を従えているのがその証しでもあった。

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