DOOMエンジン - (2021/11/08 (月) 13:02:40) の編集履歴(バックアップ)
DOOM エンジンとは
DOOM エンジンとは、開発元の id Software が DOOM をオープンソースにしたことにより、DOOM ファンの手で改造され、互換性や HUD などプレイアビリティの向上が図られたソフトウェアです(*1)。
どれを選べばいいの?
各種エンジン
Vanilla Doom を筆頭に、歴史の古いものから順に挙げています。派生ポートについては、オリジナルのリリース日を基準に並べているので、最新エンジンが一番下とは限りません。
現在、最新状況を踏まえ加筆修正中。各エンジンの状況を把握されている方、調査できる方は、「?」となっている項目や説明文の追記・修正をお願いします。
Vanilla Doom
初回リリース | 1993年12月10日 |
最終リリース | ? |
アーカイブ | ftp://ftp.idsoftware.com/idstuff/doom/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
ポートが多数開発されるソフトウェアの中で、オリジナル版を指す意味で "vanilla" という言葉が使われます。Vanilla Doom とはまさしくそんなオリジナル版 DOOM を指す言葉です。
Doom95
初回リリース | 1995年? |
最終リリース | ? |
アーカイブ | ftp://ftp.idsoftware.com/idstuff/doom/win95/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
DOOM Collector's Edition に同梱の Windows 用公式ポートエンジン。Windows 2000 や XP でも動作しますが、マウスが使えないためお勧めできません。サンプルとして DOOM のシナリオが 1 つ同梱されています。GUI 上で各種設定などが可能なため、初心者でもわかりやすいでしょう。
Boom 派生ポート
Boom
初回リリース | ? |
最終リリース | 1998年10月22日 |
公式サイト | http://teamtnt.com/boompubl/ixboom.htm |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Boom は、Final Doom の TNT: Evilution エピソード開発チームでもある Doom マッパーによるコミュニティグループ TeamTNT が作成したポートエンジンです。派手な機能拡張こそないものの、ゲームエンジンの制約解除や Vanilla Doom のバグ修正を施し、マッパーの為の拡張機能として、水中の表現、スクロールする壁、透明な壁など、今ではよく見られる演出を可能にしました。現在世に出ているポートエンジンの基礎を作った最初のポートエンジンと言えるでしょう。元々は DOS 用に開発されたもので、現在はあえてこれを選択する必要はないでしょう。
PrBoom / GLBoom
初回リリース | 2000年4月10日? |
最終リリース | 2008年9月8日 |
公式サイト | http://prboom.sourceforge.net/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
クロスプラットフォームとなった Boom です。後の更新で Boom と MBF の互換エンジンとなりました。PrBoom が目指すのは安定した動作と Vanilla Doom へとリスペクトです。
世界にはDOOMだけを10年やっているようなDOOM馬鹿がゴロゴロいます。
そんな馬鹿たちのプレイは人知を超越しているものも多々存在し、それらリプレイデータを現状もっとも忠実に再現できるといわれているのがPrBoomです。
PrBoom+ / GLBoom+
初回リリース | 2005年9月23日? |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://prboom-plus.sourceforge.net/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
PrBoomから派生したエンジン。
DEMOの再生機能が強化され、早送りやスキップが容易に行えます。
+ | NUMキー内 | 加速 |
- | 減速 | |
* | 標準 | |
0 | カメラ切り替え | |
PageDOWN | 次のレベルへスキップする | |
End | 現在のレベルを終了する |
MBF 派生ポート
MBF: Marine's Best Friend
初回リリース | ? |
最終リリース | 1999年1月3日? |
公式サイト | ? |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Lee Killough 氏が Boom チーム脱退後に作製したポートエンジンです。Boom を元に Friendly monsters や DOS 上での高解像対応などの拡張が行われました。現在では、あえてこれを選ぶ必要はありません。
SMMU: Smack my Marine Up
初回リリース | 1998年 |
最終リリース | 2000年 |
公式サイト | http://soulsphere.org/projects/smmu/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Eternity Engine
初回リリース | 2001年1月8日 |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://doomworld.com/eternity/ |
wiki | http://eternity.youfailit.net/index.php?title=Main_Page |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Heretic シリーズ |
SMMU をベースとしたクロスプラットフォームのSMMUとも言えるエンジン。
PrBoom の元となった MBF・Boom といったソースの互換性を重視しながらmouse look・crosshair・walkcam・chasecamモード(3人称視点への切り替え)・consoleモードなどZdoomではおなじみの拡張も行われています。
またEDF (Eternity Definition Files)というスクリプトを搭載、独自の拡張性も備えています。
DOS版DOOMシリーズのlmpの再現性はPrboomと同じく忠実に再現します。
専用ランチャーも用意され扱いやすさはPrboomより扱いやすくなっています。
ZDoom 派生ポート
ZDoom
初回リリース | 1998年3月6日 |
最終リリース | 2016年2月21日 |
公式サイト | http://zdoom.org/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Heretic シリーズ | |
Hexen シリーズ | |
Strife シリーズ | |
Chex Quest シリーズ |
ZDoomとは、ZDoom 派生ポートエンジンの本家であり、その歴史は1998年まで遡ります。Vanilla Doom の Linux ポートであるLinux DOOM v1.10をベースに、当時いち早くWindowsポートに対応していたATB DOOMやNT DOOMのコードも流用、Boom機能にも完全対応したエンジンとして登場しました。
またQuake 2 の DLL ソースからもいくつかの機能を流用し、様々な拡張がなされています。
現在ではGZDoomなどの上位互換ポートの登場により、あえてこのポートを選ぶ必要はありませんが、OpenGLモードでは十分なパフォーマンス得られない環境の場合は、ソフトウェアレンダリングのみのこちらを選ぶと良いでしょう。
- 主な拡張
- Hexenのすべての編集機能をサポート (ACS、hub、新しいmapフォーマット【zdoomhexen形式】、その他)
- 大部分のBOOM編集機能をサポート
- Colored sector lighting
- DECORATE機能によるCustom monsters, weaponsやitemsの追加
- 高解像度テクスチャーのサポート
- Hexenには無かったACS拡張の強化
- より多くのBGMフォーマットに対応 (古いMUSはもちろんOgg Vorbis, MOD, XM, IT, S3M, MIDIや MP3も使用できます。)
- より多くのサウンドフォーマット(効果音)に対応 (FLACとWAVE両方が使えます)
- より多くのテクスチャーフォーマットに対応 (PNGとJPEGに対応)
- ゲームエンジンの制約解除(Limit removing)
- OPL softsynthの提供
- Free look(上下視点変更)
- 高解像度対応
- 半透明な壁
- コンソール機能
- Windowsでのフル機能のジョイスティック/gamepadサポート
- UDP/IPによる、チーム戦もサポートした最大8人までのネットワークゲーム
- アナウンサー機能のサポート(BloodのBloodbathのような)
- Quakeスタイルのキーバインド
- jumpと伏せ
- crosshair(標的)
近年のファンメイド製PWADやメーカ製の無料 IWAD には ZDoom を想定したものが数多くあります。
- Commercial game (有料対応ゲーム)以外の無料サポートIWAD
公式サイトのファイルアーカイブから旧バージョンも入手できます。
また、公式には置いてないバージョン(例えば1.23のβバージョンなど)はこちらから入手出来ます。
- (G)ZDoomで使える拡張MOD
ZDoomGL
初回リリース | 2001年5月? |
最終リリース | 2005年8月7日 (開発凍結中) |
公式サイト | http://zdoomgl.mancubus.net/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
ZDoomをOpenGLで動かしており、敵やアイテムの3Dモデルがあります。
更新停止中のため新しいZDoom用のWADは動かない可能性が高いでしょう。
ZDoomの旧バージョンの代わりとして使えます。
GZDoom
初回リリース | 2005年8月30日 |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://zdoom.org/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Heretic シリーズ | |
Hexen シリーズ | |
Strife シリーズ | |
Chex Quest シリーズ |
DECORATE機能をサポートした 非公式のZDoomバージョンであるZDoom 2.0.96x (ZDoom Community Build) がベース
その後の開発の経緯からZDoomとのコードコミットも行われており、現行バージョンのZDoomとは高い互換性が保たれたうえで更に機能も大幅に強化されており、事実上の上位互換ポートとも言えます。
ver.4.2.0でついに日本語に正式対応。早速有志の手で日本語向けMODが開発されています。
- ZDoomの機能はそのままに加えられるGZDoomの主な拡張
また優れたHUDであるALTERNATIVE HUD を初めて採用したのは、このGZDoomでした。
【TIP】画面がちらつく場合は Options - Display Options - OpenGL Options - Rendering Quality を Quality にする。
【TIP2】Options - Display Options - OpenGL Options - Texture options - High Quality Resize modeを調整することによりグラフィックにアンチエイリアスを掛けることが出来、見た目が向上(オリジナルのグラのギザギザ軽減)します。
【TIP3】GZDoomで3Dモデルを導入したい場合はSkulltag用にカスタマイズされたjdrpが使用できます。導入は簡単でpk3ファイルをWADと同時に読み込むだけで適応されます。pk3形式のファイルの読み込み方についてはWADをご覧ください。
【TIP4】グラフィックや演出にこだわるなら3Dモデルの以外にも、マシンパワーは食いますが、高解像度テクスチャーパックやゴアパックなどゲームの演出を高めてくれるMODを導入すると良いでしょう。
3D Model Packs for GZDoom and Skulltag
現行バージョンでは動作しません。使用には1.8.00より前のバージョンを使用してください。
3xBR-noblend Sprite Upscales
スプライトデータの高解像度アップスケール化
Texture options - High Quality Resize modeと同様の効果があるがこちらの方が高パフォーマンスで処理が軽くなります。
Doom Hires Texture Pack (DHTP)
導入時にはOptions - Display Options - OpenGL Options -Texture opsions - precache GL texturesをyesにする事
Nash's gore mod
Nash's gore modは3Dモデルパックと同時には使用できません
Full GZDoom Skybox
Quake2 や Unreal形式の立体感のある空のテクスチャーに置き換えます。
skyboxesD1.zip
skyboxesD2.zip
SkyboxesPLUT.zip
SkyboxesTNT.zip
GZDoomの旧バージョンはこちらからダウンロードできます。
Zandronum
初回リリース | 2012年8月24日? |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://zandronum.com/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Heretic シリーズ | |
Hexen シリーズ | |
Strife シリーズ |
マルチプレイ向け派生ポート。Skulltagの後継エンジン。
追加モードが遊び応え充分なので、シングルプレイのために導入するのもよいでしょう。
詳細は別ページをご覧下さい。
Skulltag
初回リリース | 2002年9月? |
最終リリース | 2010年11月7日 |
公式サイト | http://skulltag.net/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Heretic シリーズ | |
Hexen シリーズ | |
Strife シリーズ |
マルチプレイ向け派生ポート。ZDoom と GZDoom を元に派生したポートで、互いのコードコミットも行われており、互換性があります。
開発が終了したため、後継エンジンであるZandronumに乗り換えたほうがよいでしょう。
詳細は別ページをご覧下さい。
ZDaemon
初回リリース | ? |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://zdaemon.org/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
マルチプレイ向けポート。ZDoom より派生しましたが、後方互換性はないです。
詳細は別ページをご覧下さい。
ScoreDoom / ScoreDoomST
初回リリース | ? |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://scoredoom.com/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
GZDoomをベースとした(ScoreDoomSTはSkulltag)、スコア表示機能を備えたエンジン。
高得点をたたき出せば、ハイスコアがサイトにランキング表示されます。
ランキングに使用する名前はOptions-Player Setupから、パスワードはOptions-ScoreDoom Setupから変更できます。
Odamex
初回リリース | 2007年1月19日 |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://odamex.net/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
ZDoom より派生した csDoom の機能を引き継いだマルチプレイ向けポート。残念ながらマルチプレイでの利用者はほとんどいないようです。
Doomsday Engine 派生ポート
Doomsday Engine (jDoom)
初回リリース | 1999年11月1日 |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://dengine.net/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Heretic シリーズ | |
Hexen シリーズ |
Doomsday Engine は、Doom の他、Heretic、Hexen に対応しています。OpenGL で動作し、3D モデルや高解像度テクスチャの作成が活発だった最初のポートです。
【TIP】3D モデルを導入するには jdoom_mpack.exe をダウンロードし、本体と同じフォルダにインストールします。
Risen3D
初回リリース | 2003年? |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://risen3d.drdteam.org/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
jDoom の派生ポートです。高性能フロントエンドが搭載されており、より軽くより扱いやすくなっています。完全に Boom と MBF の互換性が取れている為、jDoom では不可能だった橋や階段などの立体交差等の構造を完全再現できるようになりました。専用の 3D モデルや高解像度テクスチャがあります。TCP/IP によるマルチプレイには今のところ未対応です。
【TIP】3D モデルを導入するには Risen3D v2.2 model pack part 1・part 2 をダウンロードし、本体と同じフォルダにインストールします。空き容量に余裕があればオルタネイトモデルパックやハイレゾテクスチャー・ディティールテクスチャーも入れましょう。
その他の代表的なDOOMエンジン
Vavoom
初回リリース | 2000年6月 |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://vavoom-engine.com/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Heretic シリーズ | |
Hexen シリーズ | |
Strife シリーズ |
Vavoom は Doom、Heretic、Hexen のソースコードを統合し作成されたポートエンジンです。後に Quake のソースコードからネットワーク機能とレンダリング機能も追加されました。初めて Strife に対応したポートエンジンでもあります。
Quake エンジンからの 3D レンダリング機能をはじめ、3D モデル、高解像度テクスチャ、立体交差、Hexen からの ACS 対応、Boom 互換、ZDoom の DECORATE 対応、最新の UDMF 形式のマップ対応など、非常に充実した機能が魅力です。時代と共に拡張されてきた幾多のポートエンジンから上手く機能の取り込んでいます。
EDGE: Enhanced Doom Gaming Engine
初回リリース | 2000年6月20日 |
最終リリース | 2011年4月9日 |
公式サイト | http://edge.sourceforge.net/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
EDGE は、Vanilla Doom のソースコードを元にオープンソースの TC(*2)用ゲームエンジンを作るという目的で発足したポートエンジンのプロジェクトです。もちろん Doom 自体を遊ぶことも出来ます。最大の特徴は DDF システムと呼ばれるもので、他のポートエンジンでは制約上不可能なモンスターを新たに作成できたりします。
大よその機能を備えていますが、使い勝手の点で他に劣るエンジン
よほど気になる専用WADでも無い限り、他のエンジンを使うほうが懸命でしょう。
EDGE 開発終了と前後して、hyper3DGE という fork プロジェクトが発足している。Andrew 氏 1 人での開発であった EDGE に対し、このプロジェクトは 3 人の開発者がいるようだ。既に 3D モデルへの対応といった機能付加が実現されているようだ。
Doom Legacy
初回リリース | 2001年5月? |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://doomlegacy.sourceforge.net/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Heretic シリーズ | |
Hexen シリーズ |
国内では今ひとつ人気がないソースポートですが、OpenGLで動作しDoomの世界にQUAKEやHALFLIFEのような3Dフロアの概念を導入した画期的なDOOMソースポート。
海外では根強い人気がありこのソースポートを要求するWAD群も多数存在します。
3Dモデルも一応は導入できるようです。
Chocolate Doom
初回リリース | 2005年9月7日 |
最終リリース | 開発継続中 |
公式サイト | http://chocolate-doom.org/ |
対応ゲーム | Doom シリーズ |
Heretic シリーズ | |
Hexen シリーズ | |
Strife シリーズ |
DOS版の完全なエミュレートを目指し開発されたソースポート。
オリジナルの互換性に関してはPrBoom以上のものがあります。
また、DOS版の互換性を損なわないように様々な改良も取り入れています。
古いPWADなど(doom1用)でエピソード終了時に使われる666セクターtagなど多くのエンジンで正常動作しないものをオリジナルのまま完全再現。(UAC_dead.wad等)
PrBoomでも実現されているv1.91デモの再生のほかオリジナルではexeファイルにパッチを当てなければ起動しなかったdehスクリプトに関しては他のエンジンと同様-dehスイッチで対応。
DOS版で問題だったmouseのV方向センスをカット、またDOS版のセーブデータをそのまま使えます。
またHeretic,HexenやStrifeに対応したSVN版も存在します。
SVN Builds Git Builds
DRD Teamのサイトでは各種エンジンのSVN版(開発版)を公開しており、最新の拡張やバグフィックス版をいち早く試すことが出来るようになってます。取り扱っているエンジンにはZDoom,GZDoom,Vavoom,Eternityがあります。