受験生物メモ内検索 / 「構造タンパク質と機能タンパク質」で検索した結果

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  • 構造タンパク質と機能タンパク質
    タンパク質は、そのはたらきから構造タンパク質と機能タンパク質に大別される。 その主なはたらきが生物体の構造の構築にあるタンパク質が構造タンパク質、酵素や物質の輸送などさまざまな化学反応に関わるタンパク質が機能タンパク質である。 構造タンパク質にはヒストン、アクチン、ミオシンなどが、機能タンパク質には化学反応を触媒する酵素、物質の輸送に関わるヘモグロビン、からだのはたらきを調節するホルモンなどが含まれる。 構造タンパク質 コラーゲン:骨、軟骨、腱、皮膚(結合組織の主成分)を構成する繊維状のタンパク質。 各種チャネルやポンプを構成する膜タンパク質:リン脂質とともに細胞膜を構成。 ヒストン:DNAが巻き付いてヌクレオソームを構成し、ヌクレオソームが構成単位のクロマチン繊維を構成する。細胞が分裂する際、クロマチン繊維が高度に凝集したものが染色体。 リボソームタンパク質:rRNAとともにリ...
  • 8-1 タンパク質と酵素
    細胞とその構成要素 タンパク質の構造とアミノ酸 構造タンパク質と機能タンパク質 細胞膜とタンパク質 タンパク質以外の生体構成物質 酵素 酵素の構造 酵素の性質 酵素の反応速度に影響する要因 競争的阻害 アロステリック阻害とフィードバック阻害 さまざまな酵素
  • 7-2 タンパク質の合成
    タンパク質とアミノ酸 トリプレットとコドン 遺伝暗号表 セントラルドグマ タンパク質の合成 RNAの構造とはたらき 原核生物のタンパク質合成 真核生物のタンパク質合成 一遺伝子一酵素説  アカパンカビの生活環  ビードルとテータムの実験 ヒトの代謝異常
  • タンパク質とアミノ酸
    ヒトのタンパク質は、20種類のアミノ酸が直線状(鎖状)に連結した高分子である。 生体内におけるタンパク質の機能は、その立体構造によって決まるが、その立体構造は基本的にアミノ酸の並び順によって決定される。 そして後に見るように、そのアミノ酸の並び順は、DNAを構成する塩基の並び順(塩基配列)によって決定される(これを、「DNAの塩基配列はタンパク質のアミノ酸配列をコードしている」と言う)。 アミノ酸は、アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)が共通の炭素原子に結合した、比較的小さな有機化合物である。 その炭素原子には水素原子と側鎖が共有結合しており、アミノ酸の種類は側鎖が何であるかによって決まる。 アミノ酸のアミノ基とカルボキシル基は、タンパク質を構成する際、脱水縮合して、ペプチド結合と呼ばれる結合を形成する。 タンパク質の立体構造に影響を与える結合には、そ...
  • 細胞膜とタンパク質
    細胞膜は、リン脂質とそこに埋め込まれた膜タンパク質から構成されている。 リン脂質を構成する親水基と疎水基は、親水基が外側、疎水基が内側に向いて、二重層を構成している(リン脂質二重層)。 リン脂質と膜タンパク質は自在に移動可能だと考えられ、この構造は「流動モザイクモデル」と呼ばれている。 リン脂質に埋め込まれたタンパク質には、細胞内への特定の物質の出入りを調節する輸送タンパク質(各種ポンプとチャネル)や、ホルモンや神経伝達物質の情報を受け取る受容体タンパク質(レセプター)がある。 輸送タンパク質 細胞膜にみられる選択透過性は、膜中に存在する輸送タンパク質のはたらきである。 輸送タンパク質のはたらきは、特定物質を濃度勾配に沿って拡散させる受動輸送と、濃度勾配に逆らって移動させる能動輸送に大別される。 細胞膜上には「チャネル(チャンネル)」とよばれる輸送タンパク質が存在し...
  • タンパク質の構造とアミノ酸
    タンパク質は、生体の構造や機能において重要な役割を果たす。 タンパク質は、多数のアミノ酸がつながってできる高分子の有機化合物である。 アミノ酸の基本構造 ヒトのタンパク質を構成するアミノ酸は20種で、いずれもアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)が同一の炭素原子に結合したα-アミノ酸である。 アミノ酸の種類は側鎖で決まるため、側鎖が20種類あるということでもある。 生物が必要とするアミノ酸のうち、体内で合成できないアミノ酸を必須アミノ酸と呼ぶ。 ペプチド結合 隣り合ったアミノ酸同士は、一方のアミノ酸のアミノ基と、他方のアミノ酸のアミノ基が脱水縮合して、ペプチド結合を形成する。 ペプチド結合は、アミノ基末端(N末端)側からカルボキシル基末端(C末端)側へと一方向的に形成されていく。 多数のペプチド結合から形成される分子をポリペプチド(鎖)と呼...
  • タンパク質の合成
    タンパク質の合成過程は次のような過程に従って進行する。 DNAの二重らせんが部分的にほどけ、遺伝情報を持つ一方のヌクレオチド鎖にRNAポリメラーゼ(酵素)が結合する。 RNAポリメラーゼは、DNAの塩基配列と相補的なRNAを合成する(転写)。例えば、「…ATTCGGA…」というDNA塩基配列がRNAポリメラーゼに読み取られると、「…UAAGCCU…」という塩基配列のRNAが合成される(DNA上のアデニンAと相補的なのは、RNA上のウラシルUであることに注意)。この時合成されるRNAは、真核生物の場合、スプライシングという過程を経た後、mRNAとして完成する(詳細は後述)。 原核生物の場合は、スプライシングはおこなわれず、ここで作られたRNAがそのままmRNAとなる。 mRNAが核膜孔を通って細胞質基質に移動し、リボソームと結合する。 特異的なアミノ酸と結合したtRNAがリボソームに接...
  • 真核生物のタンパク質合成
    真核生物の場合、転写直後のmRNAにはイントロンと呼ばれる余分な塩基配列が含まれている。 イントロンに対し、実際にタンパク質合成の際に利用される領域はエキソン(エクソン)と呼ばれる。 イントロンは、転写後に核内で生起するスプライシングと呼ばれる過程で切除される。 その後、必要な塩基配列であるエキソンのみがつなぎ合わされて、mRNAとして完成し、細胞質基質へと移動することになる。 原核生物の場合は、イントロンが存在しないため、スプライシングはおこなわれない。
  • タンパク質以外の生体構成物質
    炭水化物 炭水化物は、グルコースなどの単糖類と、単糖類が二分子結合した二糖類、単糖類が多数結合した多糖類に分類できる。 脂質 水には溶けないが、エーテル、クロロホルム、ベンゼンなどの有機溶媒に溶ける物質を脂質と総称する。 脂肪は脂質の一種で、グリセリン1分子と脂肪酸3分子が結合したものである。 脂肪は、呼吸によって得られる単位重量あたりのエネルギー量は炭水化物やタンパク質の約2倍に相当するので、エネルギー源として皮下脂肪などとして貯蔵される。 脂質には脂肪の他に、脂肪酸の1個がリン酸化合物と置換したリン脂質(細胞膜の主成分)や脂肪酸の1個が糖と置換した糖脂質などがある。 核酸 核酸については、7-1DNA 核酸を参照のこと。 水 水のはたらきを列挙すると以下の通り。 様々な物質を溶かす溶媒となり、以下にあげるようなはたらきの基礎となる。 水は血...
  • 酵素の構造
    酵素の主要な構成要素は、タンパク質である。 酵素のはたらきには、タンパク質の立体構造、特に基質と結合する領域である活性部位の立体構造が重要な役割を果たす。 酵素には、その本体であるタンパク質から比較的離れやすい低分子の有機物を必要とするものがある。 この低分子の有機物は補酵素と呼ばれ、呼吸の過程ではたらくNADやFAD、光合成の過程ではたらくNADPなどはその例である。 また酵素には、鉄や銅と言った金属原子を必要とするものもある。 酵素の本体としてのタンパク質は特にアポ酵素と呼ばれ、アポ酵素と補酵素が揃い酵素全体としての機能を示す状態のものはホロ酵素と呼ばれる。 酵素を構成するタンパク質=ホロ酵素−補酵素=アポ酵素 アポ酵素+補酵素=ホロ酵素 酵素を半透膜の袋に入れ、流水中に吊しておくと、低分子の補酵素は半透膜の袋から流水中へと移動し、失われてしまう。 ...
  • リボソーム,小胞体,ゴルジ体
    リボソーム リボソームは、リボソームタンパク質とrRNA(リボソームRNA)から構成される小粒状の構造物である。 特に膜状構造に包まれているわけではない。 リボソームのはたらきは、タンパク質の合成である。 DNAの転写によって合成されたmRNA(メッセンジャーRNA)、および、特異的なアミノ酸と結合したtRNA(トランスファーRNA)と結合して、共にはたらくことで、DNAによって指定されるアミノ酸配列のタンパク質を合成する(詳細は後述)。 リボソームには、後述する小胞体表面に位置するものと、小胞体とは関係なく細胞質中に存在するものがある。 小胞体表面に存在するリボソームは細胞外に分泌するタンパク質(ホルモン等)や膜タンパク質を合成し、小胞体とは離れて細胞質中に存在するリボソームは細胞内で利用されるタンパク質(酵素等)を合成している。 リボソームは、非常に小さ...
  • オペロン説のまとめ
    オペロン説では、調節遺伝子、作動遺伝子(オペレーター)、構造遺伝子(オペロン)と呼ばれる三種の遺伝子がセットになってはたらき、遺伝子発現が調節される。 作動遺伝子(オペレーター)が「遺伝子」と呼ばれているように、現在では、特にタンパク質をコードするわけではない領域も、タンパク質合成に関与する領域であれば「遺伝子」と呼ばれることが多い。 オペロン領域におけるmRNAの転写は、転写開始に関与するオペレーターと呼ばれる領域と、リプレッサーと呼ばれるタンパク質との相互作用によって制御される。 リプレッサーの機能は、オペロンにコードされる酵素のはたらきに影響を受ける。 そのため、遺伝子の発現プロセスには負のフィードバック制御がかかることになり、遺伝子が発現して酵素が作られるかどうかは完全に自動的に調節されることとなる。 一つのオペロンの中には通常、一つの代謝経路に関わる複数の構造遺伝子(タンパク質に...
  • 核,細胞膜,細胞壁
    核 核は核膜に包まれている。 核膜は二重の生体膜であり、内膜と外膜の性質が等しいことから特に、同質二重膜と呼ばれる。 核膜には核膜孔(核孔)と呼ばれる穴が開いており、mRNAなど、その穴を通じてさまざまな物質が核を出入りしている。 核の中にはDNA(核酸の一種で、「デオキシリボ核酸」がフルネーム)が存在している。 DNAは遺伝子の本体であり、ヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き付いた構造を形成している。 核の中には核小体と呼ばれる構造物が一個〜数個存在しており、そこではリボソームRNA(rRNA、核酸の一種)が合成されている。 細胞膜 細胞膜は、リン脂質とタンパク質が主成分として、細胞の内外を隔てている。 リン脂質は、水に溶けやすい親水性の部分と、水に溶けにくい疎水性の部分を持つ。 水の中のリン脂質は自発的に集合して、疎水性の部分が向かい合い、...
  • セントラルドグマ
    DNAの遺伝情報をもとにタンパク質が合成される過程は、転写と翻訳という二つのプロセスに大別できる。 転写とはDNAの情報をもとにmRNAが合成される過程、翻訳とはmRNAの情報をもとにタンパク質が合成される過程である。 この二つのプロセスに従ってDNAの情報がタンパク質にまで伝えられる過程はセントラルドグマと呼ばれ、DNA二重らせんのクリックの提唱である。 セントラルドグマには、情報の流れがDNA→RNA→タンパク質と一方向的であって、逆流することはない、という主張も含まれている. 逆転者酵素を持つレトロウイルスはセントラルドグマの例外である。
  • 真核生物における形質発現の調節
    真核細胞にはイントロンがあるため,単純なオペロン説で,遺伝子の発現制御を説明することは出来ない. 真核生物で重要なのが、「DNAの凝集」である。 DNAの凝集 DNAの基本構造は二重らせん構造であるが、その二重らせんはヒストンと呼ばれるタンパク質に等間隔で巻き取られて、ヌクレオソームと呼ばれる構造を形成する(下図参照)。 ヌクレオソームはさらに、「雑巾を絞るように」きつくパッキング(圧縮充填)され、この構造のことはクロマチン繊維と呼ばれる。 DNAは、分裂期では、染色体という比較的大きくて観察しやすい構造体に変化するが、この染色体という構造は、クロマチン繊維がさらに高密度で凝集した極めて特殊な構造である。 これは、細胞分裂のための特殊な期間である分裂期には、DNAをいろいろと移動させて娘細胞へと受け渡さなければならないため、DNAを取り扱いやすい形状に変化させる結果で...
  • 遺伝子の定義と「一遺伝子一酵素説」
    メンデルがはじめて「遺伝子」を定義したときには、それは、「生物の形質を決定する因子」とされた。 理論的な要請からの帰結ではあるが、その物質的基盤を問うてみれば極めて曖昧な定義であり、そのためもあって、「遺伝子とは何か?」という問いに対しては、現在をもってしても、さまざまな生物学者間で意見の一致を見ていない。 ビードルとテータムは、自身の研究結果とその当時の知見を集約させた結果、生物の形質がどのようなものになるのかが決まる際に重要なのはタンパク質、それも、タンパク質や糖・脂質などの他の物質の構造に大きく影響を与える酵素である、と結論して、「一つの酵素の合成を支配するものこそ一つの遺伝子である」という一遺伝子一酵素説を提唱した(1945年)。 しかしその後、1953年にDNAの二重らせん構造が明らかにされるなど、分子遺伝学のめざましい発展によって、一つの酵素に一つの遺伝子を単...
  • RNAの構造とはたらき
    RNAにはmRNA、tRNA、rRNAの三種類がある。 それぞれのはたらきには、その立体構造が重要な意味を持っている。 mRNAは基本的にヌクレオチドからなる一本鎖である。 一本鎖として並ぶ塩基配列がそのままアミノ酸の配列に対応する。 tRNAは、まず、一部の領域同士で相補的塩基対を構成し、クローバー型の構造となる。 そのクローバー型構造は、さらに複雑に折りたたまれて、一方の先端にアンチコドン、他方の先端にアミノ酸を結合する。 rRNAは基本的に一本鎖であるが、その鎖は複雑に折りたたまれ、タンパク質と共にリボソームを構成する。 リボソームの大きさはおよそ、コドン2つぶん、塩基6つぶんである。
  • 遺伝子発現の調節とオペロン説
    遺伝子の最も重要なはたらきは、タンパク質を合成する際に、そのタンパク質のアミノ酸配列を指定することである。 しかし、言うまでもないことだが、タンパク質はただ合成すればよいというものでもなく、したがって、遺伝子もアミノ酸配列をきちんと指定しさえすればよい、というものではない。 多細胞生物は、多種多様な細胞から構成されるが、個々の体細胞が持っている遺伝子は基本的に同じである。 個々の細胞に見られる性質(表現型)の違いは、それらの細胞ではたらいている遺伝子の種類と、そのはたらきのタイミングの違いによって生じているのだ。 従って、どの遺伝子を使ってどんなタンパク質を合成するか、つまり、遺伝子の発現は厳密にコントロールする必要がある。 事態は単細胞生物でも同様で、必要もないタンパク質を際限なく合成しても、貴重な資源の無駄遣いにしかならない。 オペロン説は、原核生物に見られる遺...
  • ウィルキンズとX線回折法
    ワトソンとクリックの二重らせんも出る以前から、結晶化させたタンパク質にX線を照射し、そのX線がどのように散乱するかを解析することで、タンパク質の構造を明らかにする手法「X線回折法」が開発されていた。 X線回折法のエキスパートだったウィルキンズは、その手法をDNAに応用した。 そしてその結果は、のちにワトソンとクリックによって解析されて「二重らせん構造」の解明に貢献することとなる。 ウィルキンズは、ワトソンとクリックとともにノーベル賞を受賞した。
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    TOP PAGE 研究 単語カード問題ファイル倉庫 1. 細胞生物学 1-1細胞の発見と観察 1-2細胞の構造 1-3いろいろな細胞の構造 1-4細胞膜 1-5体細胞分裂 1-6単細胞から多細胞へ 1-7動物の組織と器官 1-8植物の組織と器官 2. 発生生物学 2-1生殖法 2-2減数分裂 2-3 動物の生殖 2-4植物の生殖 2-5動物の卵の種類とその発生 2-6ウニの発生 2-7カエルの発生 3. 古典遺伝学 3-1メンデルと遺伝の法則 3-2雑種形成 3-3集団の遺伝現象 3-4親の推定 3-5メンデルの法則の例外 3-6遺伝子の相互作用 3-7独立と連鎖、組換えと染色体地図 3-8性と関連した遺伝現象 3-9その他の遺伝現象 3-10集団遺伝学 3-11分子遺伝学の誕生 4.動物生理学 4...
  • 細胞とその構成要素
    細胞を構成している物質で最も多いものは水。 動物細胞の場合は、次いでタンパク質、他には、脂質、核酸、炭水化物(糖質)、無機塩類など,となる。 細胞壁を持つ植物細胞は炭水化物が多い。 物質 構成元素 分子量 はたらき 水 H、O 18 溶媒としてさまざまな物質を溶かしたり、物質を運搬したり、さまざまな重要な役割を担う タンパク質 C、H、O、N、S 103〜105 酵素、ホルモン、抗体などの主成分 核酸 C、H、O、N、P 104〜109 DNA:遺伝子の本体, RNA:タンパク質の合成に関与 炭水化物 C、H、O 102〜105 エネルギー源(グルコース),細胞壁の成分(セルロース) 脂質 C、H、O、(P) 102〜103 エネルギー源細胞膜の成分(リン脂質)
  • 遺伝子突然変異
    遺伝子(DNA)の構造的な変化によって生じる突然変異を遺伝子突然変異と呼ぶ。 遺伝子突然変異には、置換・付加・欠失などがある。 重大な変異が起こった場合、その変異をホモに持つ個体は生殖を待たずに死に至る場合がほとんどなので、その遺伝子がある一定の割合を超えて集団に広がることは少ない。 置換 1つの塩基が他の塩基と置き換わる変異を置換と呼ぶ。 遺伝暗号が変化するため、タンパク質のアミノ酸配列・立体構造・はたらきに変化がおきる。 1つのアミノ酸を指定するトリプレットは基本的に複数存在するため、置換が起きても指定するアミノ酸が変化しない場合がある。 特にトリプレットの三番目の塩基は、置換されても影響がない場合が多い。 ただし、置換によってタンパク質指定領域の中に「停止コドン」が生じてしまうと、そのタンパク質はそこで合成が停止してしまうようになって、重大な悪影響を生...
  • 酵素の反応速度に影響する要因
    基質濃度を一定にしたまま酵素濃度を上昇させると、酵素と基質が出会う確率が上昇する。 従って、酵素基質複合体の濃度も上昇するため、反応速度も上昇する。 基質が十分存在するときには基本的に、酵素基質複合体の濃度は酵素の濃度に比例して、酵素濃度が二倍になれば、酵素基質複合体の濃度も二倍になる。 したがって、酵素濃度が二倍になれば、反応速度も二倍になる。 反応時間を充分長く取ると、基質が次第に消費されてその濃度を減らすことになる。 すると酵素基質複合体の濃度が減っていって、反応速度は減ってゆくことになる。 最終的に、基質がすべて消費されてしまうと、酵素基質複合体の濃度がゼロになって、反応は停止することになる。 反応速度に対する基質濃度の影響 酵素の濃度を一定にしたまま基質濃度を上昇させると、基質が低濃度のうちは、酵素基質複合体を形成せず、いわば「余っている」酵素が多数存...
  • 遺伝暗号表
    オチョアは人工的なRNA合成をはじめて成功させた。 ニーレーンバーグはオチョアの手法を用い、ウラシル(U)のみが多数連なった人工RNAを合成し、その人工RNAを使って試験管内で人工的にタンパク質を合成させてみた。 その結果合成されたのは、フェニルアラニンのみが多数連なったタンパク質であった。 つまり、UUUというコドンはフェニルアラニンを指定していることが明らかになった。 これがはじめて解読された遺伝暗号である。 コラーナはさらに、様々な塩基配列の人工RNAを合成することで、すべてのコドンがどのアミノ酸を指定しているのかを明らかにした。 その結果をまとめた表が遺伝暗号表である。 遺伝暗号表の見方は以下の通り。 まず、この表はコドンとアミノ酸との対応関係を示した表であることに注意。つまり、この表はmRNAの塩基配列にしか適用できない。DNAやtRNAの塩基...
  • 細胞質基質,細胞骨格
    細胞質基質 細胞質の中の細胞小器官以外の領域を細胞質基質と呼ぶ。 細胞質基質の主成分は、水と酵素(タンパク質)であり、そのはたらきは、嫌気呼吸(解糖系)によって、細胞の活動に必要なエネルギー(ATP)を作り出すことである。 細胞骨格 生きた細胞だと、細胞質基質や細胞小器官全体が流れ動く原形質流動が見られるが、これは、細胞質基質中に張りめぐらされた細胞骨格のはたらきである。 細胞骨格は、微小管・微小繊維・中間径フィラメントに分類される。 細胞骨格は、細胞の形状を維持すると共に、原形質流動・筋収縮といった細胞の運動を引き起こす。筋収縮を引き起こすアクチンは、この細胞骨格(微小繊維)の一種である。 微小管としては、チューブリンと呼ばれるタンパク質がある。
  • 核酸のはたらき
    DNAのはたらきは遺伝情報の保持、および、その情報に基づいたタンパク質のアミノ酸配列の決定である。 それに対し、RNAには遺伝情報の保持というはたらきはなく(ウイルスは除く)、タンパク質合成に関わるのみである。
  • 形質発現と染色体の形態(だ液腺染色体)
    ハエ(キイロショウジョウバエ)やカ(ユスリカ)のような双翅類には、通常の染色体よりも極めて大きな染色体が分裂期以外にも観察される。 その巨大染色体は、唾液腺でよく観察されるのでだ(液)腺染色体と呼ばれる唾液腺染色体の特徴は次の通り。 体細胞の通常の染色体と比べて、大きさが100〜150倍。 核分裂が起こらないままDNAの複製が繰り返されることで巨大化する。 体細胞の染色体でありながら、相同染色体が対合した二価染色体の状態にある。 相同染色体が対合しているため、染色体の本数が半分しか見えず、核相は単相(n)である。 塩基性色素で良く染色され、多数の縞模様が観察される。 縞模様の位置は染色体ごとに決まっていて、染色体の異常を見つけやすい。 だ液腺染色体には、ところどころ、縞模様がほどけて膨らんでいるように見えるパフと呼ばれる構造が見られる。 パフは、DNAの凝集がゆるんだ状態にあ...
  • トリプトファンオペロン
    トリプトファンはアミノ酸の一種。 つまり,さまざまなタンパク質を合成するために必要なので,常に合成を続けてある一定量をキープしておきたいが,作りすぎるのも無駄.よって,トリプトファンが少ないときにはトリプトファン合成酵素を合成し,大量に存在するときには合成酵素の合成をストップさせたい. トリプトファンオペロンには、トリプトファンを合成するための酵素タンパク質(トリプトファン合成酵素群)をコードする領域が含まれている。 その遺伝子の発現は、以下に示すようなプロセスに従って進行する。 RNAポリメラーゼが、DNA上のプロモーターと呼ばれる領域に結合する。 RNAポリメラーゼは、DNA上を下流に向かって移動し、開始コドンより下流の塩基配列をmRNAに転写する。転写されたmRNAからトリプトファン合成酵素群が生成(翻訳)される。トリプトファン合成酵素群をコードしている遺伝子群は、...
  • ショウジョウバエのbicoid遺伝子
    ショウジョウバエの形態形成は、卵母細胞の段階で既に開始する。 ショウジョウバエの卵母細胞には、母親由来の細胞から数種類のmRNAが導入され、そのmRNAが形態形成に重要な役割を果たしているのだ。 そのmRNAの中でも最も有名なのが卵の前部先端に局在するbicoid(ビコイド)遺伝子である。 bicoid遺伝子は、受精後に受精卵内で翻訳され、bicoidタンパク質が生成される。 bicoidタンパク質の濃度は、bicoid遺伝子が局在する前部先端で最も高く、後部に近づくにつれて低濃度になり、濃度勾配が形成されることになる。 ショウジョウバエの前後軸は、この濃度勾配によって決まるのだ。 bicoid遺伝子のように、体軸の形成を支配したり、体節の分化を支配する遺伝子は総称してホメオティック遺伝子と呼ばれる。 ホメオティック遺伝子は、ショウジョウバエ以外の動物にも見られ、...
  • 原核生物のタンパク質合成
    原核生物のばあい、核膜が存在しないし、スプライシングもおこなわれないため、転写と翻訳が同時に進行することになる。 そのため、転写中のmRNAに多数のリボソームが結合した様子が観察され、この構造はポリゾームと呼ばれる。
  • PCR法
    DNA鑑定の時など、DNAを化学的に分析しようとすると、分析対象のDNAサンプルが大量に必要になる。 そのような時に、DNAを短時間で大量に増幅する方法がPCR(法)である(PCRとは、Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応の略)。 その手法をまとめると以下のようになる。 目的のDNAを含む溶液を95℃にまで加熱させる。 プライマー(後述)をDNAに結合させる。 DNAポリメラーゼを作用させ、DNAを合成させる。 1〜3の過程を繰り返す。 例えば、1〜3の過程を20回繰り返せば、目的のDNAを220≒100万倍にまで増幅できる。 PCRのキモになるのが、「DNAは高温に強い物質である」ということと、「プライマーにより、増殖させるDNAの領域を限定できる」という二点である。 DNAはタンパク質とは異なり、極めて安定な物質で、10...
  • 核酸
    遺伝子の本体であるDNA(デオキシリボ核酸:deoxyribonucleic acid)や、遺伝子の発現(タンパク質の合成)に関与するRNA(リボ核酸:ribonucleic acid)は、核酸と総称される高分子である。 DNAは一種類であるが、RNAにはmRNA(伝令RNA、メッセンジャーRNA)・tRNA(運搬RNA、トランスファーRNA)・rRNA(リボソームRNA)の三種類がある。 核酸の基本構造 核酸のはたらき
  • 酵素
    何らかの化学反応を促進させる物質は、触媒と総称される。 触媒のうち、タンパク質から構成され、生体内の化学反応(代謝)を促進させるものを特に酵素と呼ぶ。 酵素は、生体内で作られるため(はたらく場所は生体外でもOK)、生体触媒とも呼ばれる。 また、酵素がはたらきかけて、その反応を進行させる物質は基質と呼ばれる。 酵素や触媒が化学反応を促進する際、自身は変化しない。 基質と結合する酵素の領域は活性部位(活性中心)と呼ばれるが、酵素の活性部位と基質が結合することで、化学反応を進行させる(基質を反応しやすい活性化状態にする)ために必要なエネルギー(活性化エネルギー)を低下させ、そのことで、その反応を促進させるのである。
  • 8-2 呼吸
    代謝とエネルギー代謝 同化と異化 ATP 呼吸 好気呼吸 解糖系 クエン酸回路 電子伝達系 好気呼吸全体の反応 脂肪の分解 タンパク質(アミノ酸)の分解 嫌気呼吸 アルコール発酵 乳酸発酵 解糖 酢酸発酵 呼吸商 好気呼吸(脱水素酵素)に関する実験 嫌気呼吸(アルコール発酵)に関する実験 呼吸商の測定実験
  • 同化
    生物が外界から物質を取り入れて、エネルギーを使って自身に有用で複雑な形に作り替えることを同化と呼ぶ。 同化の代表例は、炭酸同化と窒素同化である。 炭酸同化は、空気中の二酸化炭素(CO2)をもとにグルコースなどの炭水化物(糖類)を作る過程。 窒素同化はアンモニアや硝酸などの無機窒素化合物,タンパク質などの有機窒素化合物を作る過程である。 炭酸同化には、光エネルギーを使う光合成と、無機物を酸化する際に生じる化学エネルギーを利用する化学合成がある。
  • 選択透過性
    分子の性質により、選択的に通過させたりさせなかったりする性質のことを選択透過性と呼ぶ。 細胞膜には選択透過性が備わるが、細胞壁には備わらない。 細胞膜の選択透過性で大きな役割を担っているのが、物質特異的なチャネルと呼ばれる膜タンパク質である。 最も代表的なチャネルは、ナトリウムイオン(Na+)のみを通すナトリウムチャネルと、カリウムイオン(K+)のみを通すカリウムチャネルである。 ナトリウムチャネルやカリウムチャネルは、必要に応じてその通路を開閉させて、必要な時にのみイオンを通過させることができる。
  • DNAの二重らせん構造
    DNAはヌクレオチドが多数結合して鎖状になった高分子であるが、通常は基本的に、二本の鎖が向かい合わせになってらせん状にねじれた「二重らせん構造」をとっている。 1953年にこのことを明らかにしたのがワトソンとクリックである。 二重らせん構造を構成する一本鎖DNAは、ヌクレオチドを構成する糖(デオキシリボース)とリン酸が順番に結合して、「…−糖−リン酸−糖−リン酸−糖−リン酸−…」という「骨格」を形成し、その骨格かららせん内部に向かって塩基を突き出している。 内部へと付き出た塩基は、もう一方の一本鎖DNAの塩基と向かい合わせになって水素結合によって結合している。 このとき、向かい合わせになれる塩基には制限があって、アデニン(A)はチミン(T)と、グアニン(G)はシトシン(C)としか結合できない。 この制限は「相補性」と呼ばれ、DNA が複製する時や、タンパク質を合成するために...
  • 1-3いろいろな細胞の構造
    原核細胞と真核細胞 核を持つ細胞のことを原核細胞と呼び、核を持たない細胞のことを真核細胞と呼ぶ。 すなわち、真核細胞のDNAは核に収められるのに対して、原核細胞のDNAは細胞質中に存在する(ただし、その位置は決まっている)。 原核細胞は、核のみならず、葉緑体・ミトコンドリア・小胞体・ゴルジ体・液胞・リソソームといった膜から構成される細胞小器官も持たない。 ただし、生命活動にタンパク質は必須であるため、原核細胞もその合成器官であるリボソームは持つ。 原核細胞からなる生物を原核生物と呼ぶ。原核生物は基本的に単細胞生物であり、大きく、細菌類(バクテリア)とラン藻類(シアノバクテリア)に分けられる。 それに対して、真核細胞からなる生物は真核生物と呼ばれ、細菌類とラン藻類以外の生物は、つまり原核生物以外の生物はすべて真核生物である。 核を持たない細胞と多核細胞 ...
  • 能動輸送
    ATPのエネルギーを使って、積極的に分子を移動させることを能動輸送と呼ぶ。濃度差に逆らった移動も可能で、細胞膜は能動輸送をおこなう。 細胞膜上に存在し、能動輸送を行う膜タンパク質はポンプと呼ばれる。 ポンプが能動輸送する物質はポンプの種類によって異なり、もっとも基本的なポンプは、細胞膜を隔ててナトリウムイオン(Na+)とカリウムイオン(K+)を能動輸送するナトリウムポンプである。 ナトリウムポンプは、ATPのエネルギーを使って常時、細胞内のナトリウムイオンを細胞外へとくみ出すと同時に、細胞外のカリウムイオンを細胞内へと取り入れている。 その際、ナトリウムイオンとカリウムイオンの移動量は、Na+:K+=3:2という比を満たしている。 細胞は,ナトリウムポンプのこの働きがきっかけとなって,内側がマイナス負(-)に帯電することになる。 なお、ナトリウムポンプは、その化学分子的な...
  • トリプレットとコドン
    タンパク質を構成するアミノ酸の並び順はDNAの塩基配列によって決まる。 DNAを構成する塩基はアデニン(A)・グアニン(G)・チミン(T)・シトシン(C)の四種類であるに対し、アミノ酸は全部で20種類なので、塩基とアミノ酸が一対一で対応しているわけではない。 実際には、塩基三つがアミノ酸一つと対応している. 塩基三つ組みのことは「トリプレット」といい,この用語はDNAとRNAの両方で用いることができる。 それに対して、mRNAのトリプレットをコドン、tRNAのトリプレットのことをアンチコドンと呼ぶ。 コドンは、アミノ酸の種類を指定しているという意味で、遺伝暗号とも呼ばれる。 では、トリプレットの塩基数は、なぜ三つなのか?塩基が一つだけだと、指定できるアミノ酸は塩基の種類と同じ4種類のみで少なすぎる。 塩基が二つの場合は、その組合せは4×4で16通りとなるが、これでもま...
  • 電子伝達系
    ミトコンドリアのクリステ(内膜)では、解糖系とクエン酸回路で生じた水素(24[H])が、呼吸によって体内に取り込んだ酸素(6O2)と結合して水を生成する。 この時、大量のエネルギーが生じ、そのことでATPが34分子合成される、この反応が電子伝達系である。 24[H] + 6O2 → 12H2O + 34ATP この過程を詳述すると次のようになる。 解糖系やクエン酸回路で基質が分解される際、水素(H)はH+と電子(e-)に分かれる。 ミトコンドリアのクリステには、鉄原子(Fe)を含むタンパク質であるシトクロム(チトクロム)が埋まっており、この際生じた電子は、そのシトクロムを次々と受け渡される。 その際、エネルギーが生じて、内膜中のH+が、内膜と外膜との間(膜間腔)へと移動することとなる。 すると結果的に、膜間腔に大量にH+(プロトン)が蓄積することになり、濃度...
  • ミトコンドリア,葉緑体
    ミトコンドリア ミトコンドリアは、内膜と外膜とよばれる二枚の生体膜からなる二重膜構造を形成する。 ただし、核とは異なり、その内膜と外膜の性質が異なるため、ミトコンドリアの二重膜は特に異質二重膜と呼ばれる。 内膜と外膜のこの異質性は、共生説(後述)の証拠の一つと見なされている。 ミトコンドリアは、自身のDNA(環状)を持つとともに、細胞分裂とは無関係に分裂して増殖するが(これを「半自律的増殖」という)、これらの事実も共生説の証拠と見なされている。 ミトコンドリアの内膜はひだ状になっていて、その構造をクリステと呼ぶ。 また、内膜に囲まれた空間はマトリクスと呼ばれる。 ミトコンドリアのはたらきは好気呼吸、つまりクエン酸回路と電子伝達系によって、細胞の活動に必要なエネルギーをATPという形でを作り出すことにある。 なお、クエン酸回路はマトリクス中の酵素群がはたらいて進行...
  • ラクトースオペロン
    ラクトース(乳糖)は、グルコース(ブドウ糖)とガラクトースが結合した二糖類の一種で,一種のエネルギー源。 従って,ラクトースが存在するときはその分解酵素を作ってエネルギーを確保したいが,ラクトースを使い切ってしまった時は分解酵素の合成をストップしたい. ラクトースオペロンには、そのラクトースを分解するための酵素タンパク質(ラクトース分解酵素群)をコードする領域が含まれている。その遺伝子の発現は、以下に示すようなプロセスに従って進行する。 RNAポリメラーゼが、DNA上のプロモーターと呼ばれる領域に結合する。 RNAポリメラーゼは、DNA上を下流に向かって移動し、開始コドンより下流の塩基配列をmRNAに転写する。 しかし転写が起きるのは、培地にラクトースが存在するときに限られる。ラクトースは、リプレッサーに結合することで、その立体構造を変化させ、オペレーターへの結合を阻害する...
  • ヒトの代謝異常
    食物として摂取するタンパク質は、フェニルアラニンやチロシンなどのアミノ酸が含まれており、他の生体物質の合成には欠かすことができない。 しかし、そういったアミノ酸が過剰に摂取されると、フェニルアラニン→チロシン→アルカプトンと代謝されて、最終的には水と二酸化炭素に分解される。 しかし、フェニルアラニン代謝に関与する酵素を欠くと、その下流に位置する代謝産物が利用できなくなり、フェニルケトン尿症やアルカブトン尿症などの病気がおこる。 これらの病気はそれぞれ、特有の酵素を合成する遺伝子の異常にもとづくもので、劣性の遺伝形質である。 フェニルケトン尿症 上図中の遺伝子Pに異常が起こるため、フェニルアラニンをチロシンに変える酵素が正常に機能しなくなる。 そのため、体内に蓄積したフェニルアラニンへとフェニルケトンに変って、それが尿中に排出される。 乳幼児期にフェニルアラニン...
  • 細胞分裂とDNA
    体細胞分裂の過程をきちんと押さえるには(減数分裂もだが)、その過程でDNAがどのように振る舞い、どのように変化を遂げるのかを理解することが近道である。 DNAと染色体 DNAは基本的に、ヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き取られたヌクレオソームと呼ばれる構造を形成している。 ヌクレオソームは長いDNA分子にそって数珠つなぎに並んで積み重なっており、この構造はクロマチン繊維と呼ばれる。 細胞が分裂期に入ると、クロマチン繊維は高密度に凝集して、染色体と呼ばれる構造が形成される。 それに対して細胞が間期にある時には、DNAはクロマチン繊維のままであるため、顕微鏡で観察するにはあまりに細い糸状の構造となっている。 つまり、DNAが顕微鏡で観察できるのは、太い棒状の構造を形成している分裂期に限られる、ということである。 染色体の中央付近にはくびれがあり、その領域は動原体と呼ばれ...
  • 遺伝子組換え
    何らかの細胞から取り出したDNAを、宿主細胞に導入して大量に発現させる技術を遺伝子組換えと呼ぶ。 遺伝子組換えによって、ヒトのホルモン(インスリンや成長ホルモンなど)のように有用で大量の入手が困難な物質を、大腸菌などに合成させることが可能になった。 遺伝子組換えで用いる小道具とテクニック 制限酵素:遺伝子組換えのためには、まずは目的とするDNAを細胞から取り出す必要がある。そのために使うのが制限酵素である。制限酵素は、DNAを切断する「はさみ」の役割をしている。制限酵素にはBam HI、Eco RI、Pst Iなど多くの種類があり、それぞれがDNA上の特定の塩基配列を切断する。さまざまな細菌は、制限酵素を使ってファージの感染を「制限」していることからこの命名となった。 ベクター:必要なDNA断片を宿主細胞に運んでくれる「乗り物」としてはたらくのがベクターと呼ばれる小さなDNAであ...
  • 細胞説
    現在では、すべての生物は細胞から構成されていることは明らかだが、 歴史的に見ればもちろん、そのことがあたりまえではなかった時期もある。 「生物の構造と機能の単位は細胞である」という説を細胞説と呼ぶ。 関連:細胞説と生物学史
  • 細胞の基本構造
    すべての細胞は細胞膜に包まれている。 内部には通常一つの核が存在しており、核以外の領域は細胞質と呼ばれる。 細胞質の中には、ミトコンドリアや小胞体など、比較的明瞭な構造の細胞小器官が散在している。 植物細胞の細胞膜は、細胞壁と呼ばれるかたい構造物で囲まれている。
  • 1-2細胞の構造/細胞の基本構造
    すべての細胞は細胞膜に包まれている。 内部には通常一つの核が存在しており、核以外の領域は細胞質と呼ばれる。 細胞質の中には、ミトコンドリアや小胞体など、比較的明瞭な構造の細胞小器官が散在している。 植物細胞の細胞膜は、細胞壁と呼ばれるかたい構造物で囲まれている。
  • ビードルとテータムの実験
    ビードルとテータムはまず、アカパンカビにX線を照射することで突然変異を誘発させて、成育するためにある特定の化合物を必要とする株(系統)をいくつか作った。 この株は栄養要求株と呼ばれる。 成育するために特別な化合物を必要としない株(野生株)でも、炭素源・窒素源・無機塩類など最小限に必要とする養分はあり、その養分のみで構成される培地は最少培地と呼ばれる。 それに対し、最少培地に各種アミノ酸・ビタミンなどを加えて、どのような栄養要求株でも生育可能にした培地は完全培地とよばれる。 ビードルとテータムは成育にアルギニンを必要とするアルギニン要求株をいくつか得た後、最少培地にアルギニンの代謝中間体を加えてそのアルギニン要求株を培養した。 すると、そのアルギニン要求株は、生育の条件によって1〜3(下図)の三系統に分けられることが分かった。 ビードルとテータムは、この実験結果...
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