ゼロの奇妙な使い魔 まとめ内検索 / 「女教皇と青銅の魔術師」で検索した結果

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  • 『女教皇と青銅の魔術師』
    大見出し 『女教皇と青銅の魔術師女教皇と青銅の魔術師-01
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-1
    女教皇と青銅の魔術師』 某教師の日記 ○月○日 先日手に入れた東洋の海草から抽出した秘薬の成果が出たのか、頭皮がむず痒い。 大枚をはたいた甲斐があった。 この海草成分の何が効いたのかを研究すれば、さらなる成果を生み出せるだろう。 淡水で育ち養殖が簡単なものから抽出できれば、この薬だけで巨万の富を築ける。 東洋の生物図鑑のセットを経理に陳情。最優先としておく。 あと、本日は恒例の春の使い魔召喚の日であったが、平民を呼び出した生徒が二人出た。 ルーンが両者独特であった。これも今後の研究対象にメモしておこう。 ギーシュ・ド・グラモンは武門の生まれである。 父も兄も立派な騎士であり、ギーシュは彼らに並び立つべく努力していた。 しかし現在の彼はドットメイジ。土の最底辺のメイジでしかない。 一応それなりの術は使えるが、戦力としてはまだまだ未熟。 親兄弟に認められ...
  • 女教皇と青銅の魔術師-01
    女教皇と青銅の魔術師』 某教師の日記 ○月○日 先日手に入れた東洋の海草から抽出した秘薬の成果が出たのか、頭皮がむず痒い。 大枚をはたいた甲斐があった。 この海草成分の何が効いたのかを研究すれば、さらなる成果を生み出せるだろう。 淡水で育ち養殖が簡単なものから抽出できれば、この薬だけで巨万の富を築ける。 東洋の生物図鑑のセットを経理に陳情。最優先としておく。 あと、本日は恒例の春の使い魔召喚の日であったが、平民を呼び出した生徒が二人出た。 ルーンが両者独特であった。これも今後の研究対象にメモしておこう。 ギーシュ・ド・グラモンは武門の生まれである。 父も兄も立派な騎士であり、ギーシュは彼らに並び立つべく努力していた。 しかし現在の彼はドットメイジ。土の最底辺のメイジでしかない。 一応それなりの術は使えるが、戦力としてはまだまだ未熟。 親兄弟に認められ...
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-5
    決闘の前日 二人は町まで買出しに出かけた。 馬には乗りなれていないミドラーは町に付くころには腰痛になっていた。 駱駝いないの、とギーシュに恨みがましい目を向けるがギーシュは取り合わない。 そもそも彼は駱駝を知らなかった。 ミドラーの服を数着と背負うタイプの袋を買う。 ミドラーが決闘に勝った場合すぐに学院を脱出できるように物資を購入する。 自分が死んだ時のために準備する、というのはどんな気持ちだろうとミドラーは彼の表情を伺うが、 ギーシュは平然としていた。 その後武器屋にてギーシュは撒き菱と魔法のレイピアを購入。 (魔法の…?) ミドラーはいぶかしく思いながらハイプリーステスでスキャンしてみる。 (鞘は…問題ない。ただの真鍮の飾り) (刀身と…鍔、それと鞘の口金部分に何か…スタンドが反発する部分がある?) ひょっとしてこんなものが切り札なのだろうか、と落胆す...
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-11
    フーケ騒ぎから十日あまりが過ぎた。 土くれのフーケは捕らえられ、破壊の杖は取り戻された。 宝物庫に運ばれる破壊の杖を見てミドラーは「カイロの闇市で見たアレね…」と呟いたが、 それに反応できる人間は黒焦げ状態だったためスルーされた。 フーケは三日間オスマン師の取調べの後、王宮に護送された。 その三日間で夜の学院にうめき声が聞こえるという怪談話が持ち上がったが、事情を知る人間は誰も真実を口にしなかった。 知らないほうが幸せな真実も、ある。 騒ぎの翌日に開催された舞踏会は、教師陣とフーケ騒ぎの功労者以外には大盛況であった。 盗賊だったとはいえ元同僚が拷問を受けている時に騒ぐ気にはなれなかったのか、教師はほぼ全員欠席し、主役の三人(+1)は欠席するわけにもいかず多少青ざめた顔ではあるが着飾って出席していた。 ミドラーは鬱々とした雰囲気を吹き飛ばすべく...
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-4
    某教師の日記 ミス・ロングヒルが実家の急用とかで逃げた。無理もないが。 そんなわけで今日からオスマン師の秘書業務をすることになった。 一日、オスマン師の後をついて歩く。 髪が抜けていくのがわかる。 死にたい。 ギーシュがあの大暴れした使い魔と決闘する、という話はすぐ全校に広まった。 朝、オスマン宛にギーシュが書状を送り、オスマンはそれを一読するとこの事をすぐに朝一番の授業で皆に伝えるよう、教師に伝えた。 大暴れし多大な損害を出したあのエルフの責任を取る為、ギーシュは詰腹を切らされる。 生徒の間での評判はそんなところに落ち着いた。 しかし、自分たちには関係ないと思っていた彼等は、間違っていた。 上機嫌のオスマンが、授業を参観するようになったのだ。 この日ギーシュは授業を休み、決闘の現地である広場でミドラーと模擬戦闘を始めた。 始めた直後から、ギーシュは宙...
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-2
    食堂の入り口に顔を向けた状態で、ギーシュは硬直していた。 (オスマン師が覚醒しておられる!) オールド・オスマン。 トリステイン魔法学院院長。 伝説のスクエアメイジ。寿命を克服した超越者。 そして 複数の国から、封印指定されている唯一のメイジ。 どこの国にも厄介なメイジは存在する。 対象が広範囲すぎて戦に使えぬ凍結魔法、天候を司る禁呪、人心を操る禁呪… そういった魔法の使えるメイジは普通、それなりの役職を与えられて国家の監視下に置かれる。 簡単に云えば飼い殺しだ。魔法を使わせない為の地位と恵まれた生活、そして周囲に配置された監察官。 封印指定、とはそのような待遇を意味する。 ギーシュは父からそのメイジにおける禁忌について聞いていた。 一つの国家の監視下に置かれていたオスマン師はかつて辺境の地で実体化した...
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-10
    オスマン師は完全に意識がないサイトを見る。 コルベール先生が傍らでぼそぼそと説明している。 「…あれが例のガンダールヴでございます…」 (…ガンダ…何?私の知らない間にまた何かサイトがやらかした?) ひやり、と背筋が凍る。 (ああもう何でこんな奴が使い魔になったんだろう!) 師の視線がサイトからこちらに移る。とりあえずコレの追求は後回しのようだ。 目撃情報を伝える。ゴーレムの特徴、大きさ、破壊力… ゴーレム自体は今も逃走中であり、数人の追っ手が張り付いている。 あの程度のスピードならばじきに包囲網が完成するだろう。 と、そこにずっと沈黙を守っていた(といってもこの子はこれが普通だ)タバサが口を挟んだ。 「お待ちくださいオスマン師。  現在犯人と思われる人物はゴーレムとは別行動しております」 その場にいる全員が驚く。私だって聞いてない。 「ゴーレムが逃亡する際一...
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-6
    決闘から数日。 私(ミドラー)はここでの生活に順応しつつあった。 朝、ギーシュより少し早く目を覚ます。 豪華な寝床から這い出して大きく伸びをする。 ちなみにこの豪華なベッドは初日に絡んできた三人組の部屋から調達した。 有り金も金目の物も全て失った三人は泣いていたが、命の代金としては安かろう。 今日も一日が、始まる。 着替えて、朝早くから稼動している厨房にまず向かう。 厨房の面々とは良好な関係だ。 決闘直後、まず食堂の大惨事の件をギーシュともども謝りにいったのが良かったのだろう。 オスマンとかいう爺もあれ以来すっかり元のセクハラ爺に戻ったらしい。 平和でいい。避難していた秘書も戻ってきたらしい。全てこの世は事も無し、だ。 厨房に挨拶してお湯を分けてもらう。面倒なのでその場でポットを作って入れてもらう。 相変わらず皆驚く。 厨房で欠けた包丁などを直して以来食器類の...
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-3
    ギーシュの私室にて 午後3時 主と使い魔は召喚されてから約二日を経て、初めての意見交換を行っていた。 起きた瞬間暴れ出そうとしたミドラーを、グチャグチャに折れた左手で制止することから始まった話し合いは、 双方の微妙な誤解が解けぬまま進行していた。 ミドラーはエルフなど知らなかったのだが、ギーシュの生暖かい配慮(まあ、人間社会で名乗れないか)により ギーシュの頭の中では  ・DIO族長を崇めるエルフの里出身  ・出身地のエジプトという里は色々な物が魔法で作られて繁栄しているらしい  ・腕利きであったミドラーは国境付近で人間に変身して人間の侵入者を撃退しようとしたが、返り討ちにあった。 ということになった。 人間とエルフの戦いの情報は初耳だったギーシュだが、エルフに対して人間側が攻勢だと知って驚いていた。 (世界は広いな…エルフ相手に互角以上に...
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-8
    タバサは最近、自分の使い魔におきた変化に困惑していた。 最近、妙に身体が重い。 私のことではない。使い魔のシルフィードのことだ。 先日ギュルケを乗せてルイズとその使い魔の尾行をした際に気がついた。 切り返し等の空中機動が以前より少し鈍っている気がする。 (なお、ルイズはあの使い魔にインテリジェンスソードを買い与えた。  ギーシュの劣化ぶりを目の当たりにして、自分も使い魔に似るのではと危機感を抱いたらしい) スタイルも多少変化しているような…ありていに言えば、太りはじめた? ここ数日で特に普段と変わった食事は与えていない。 数日前にキュルケから、厩舎に置いておくとギーシュの使い魔が世話してくれると聞いて、あの子に伝えた。 次の日ぴかぴかになっていたので噂は事実なのだろう。 …ひょっとしてそこで何かもらっているのだろうか? 午後の授業を抜ける。 この時間、普...
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-7
    なお、ミドラーがこの仕事(と、本人は言い張っている)を始めた初日には一騒動あった。 具体的には――― 「きゃあぁああぁあぁ!」 ひっくり返った悲鳴が教室にこだまする。 叫んだ本人は、香水のモンモランシー。 彼女の元に突然 (わが主殿…最早これまでですじゃ…) と、使い魔から絶体絶命な思考が届いたのだ。 「ちょっとロビン!どうしたのよ!何が起きてるのよ!」 (不覚を取りました…網で捕らえられて…目の前には…黒い大蛇…) 「ああああダリオ!あんたの使い魔早く止めなさい!舌ッ!舌で舐めるのやめてーッ!」 騒然とする教室。 ほとんどのクラスメイトは使い魔の間で何事か起きていると理解する。 「え、何かのプレイ?うわぁ…」 ぶっとんだ解釈をする使い魔もいる。即座に主人に折檻されているが。 ダリオ、と呼ばれた少年はあわあわと無意味に杖を構えている。 実は彼は蛇を呼び出...
  • 『女教皇と青銅の魔術師』-9
    シルフィードが300メイルから急降下する。 地表すれすれ2メイルで引き起こす。 そのまま超低空円周横転に移行。 次は地表すれすれから羽ばたかずに垂直に上昇。 やっぱりシルフィードはきれいだ、とわたし(ミドラー)は見惚れていた。 この夕食後のシルフィードの飛行訓練が始まってしばらくになる。 タバサが指導している。 この子には色々なことを教わっている。 色々な使い魔の名前、魔法の種類、使い魔契約の内容。 言葉が通じるのは契約時の効果らしい。気がつかなかった。 気になっていた食堂の奇妙な少年についても説明を受けた。 はるか東方から呼び出された使い魔で、サイトというらしい。 ギーシュに決闘で勝ったというのは正直驚いた。あのぼんやりした雰囲気は擬態なのか。 粗末な食事とずば抜けた剣術、彼はサムライなのだろうか? なんとなくアヌビスを思い出す。 あまり関わらないほうが...
  • 各部キャラ
    ...)の使い魔 ミドラー女教皇と青銅の魔術師 デーボはたらくあくま エンヤ婆エンヤ婆 アヌビス神アヌビス神・妖刀流舞 ボインゴボインゴ ハーミット・パープルゼロの茨 四部 ~ダイヤモンドは砕けない~ 仗助砕けない使い魔 L・I・A 露伴露伴 静つかいまがとおるっ! 露伴 ブチャラティ味も見ておく使い魔 露伴+静使い魔は天国への扉を静かに開く 吉良使い魔は静かに暮らしたい ※デッドマンズQの吉良吉影 康一アンリエッタ+康一 ACTの使い魔 S.H.I.Tな使い魔 スーパー・フライ『鉄塔』の使い魔 虹村形兆几帳面な使い魔 キラー・クイーン爆炎の使い魔 猫草使い魔はゼロのメイジが好き ねことダメなまほうつかい 間田ゼロの奇妙な使い魔(うわっ面) うわっ面の使い魔 億泰アホの使い魔 ミキタカ使い魔ファイト トニオお嬢様の恋人 シンデレラ使い魔は灰かぶり 蓮見琢馬(The Book)ゼロと使い魔...
  • メニュー
    ... 女教皇と青銅の魔術師(ミドラー) はたらくあくま(デーボ) エンヤ婆 アヌビス神・妖刀流舞 ボインゴ ゼロサーヴァント・クルセイダーズ(承太郎) 銃は杖よりも強し(ホル・ホース) ゼロの茨(ハーミット・パープル) 第四部 砕けない使い魔(仗助) 露伴 使い魔は静かに暮...
  • ワンポイントギーシュ
    ...ンされてしまった。 女教皇と青銅の魔術師(ミドラー)待望のギーシュ主役作品。が、いきなり死亡フラグが立った。 サーヴァント・ブルース 繰り返す使い魔(アバッキオ)未登場。ストーリーが進めば登場するかも? サブ・ゼロの使い魔(ギアッチョ)登場。ギアッチョに殺されそうになるが、ルイズの嘆願で一命を取り留める。 逆に考える使い魔(ジョースター卿)未登場。ストーリーが進めば登場するかも? ゼロの変態(メローネ)登場。もはや理解不能。 ゼロの究極生命体(カーズ)未登場。ストーリーが進めば登場するかも? ディアボロの大冒険Ⅱ(ディアボロ)登場。俺TUEEEEEEEEE状態のディアボロに軽くあしらわれる。経験値要員としか見られていない。 アバッキオ未登場。ストーリーが進めば登場するかも? 鏡の中の使い魔(イルーゾォ)名前のみ登場。鏡の中の世界に引きずり込まれてそこで死亡。 ナランチャ・アバ・ブチャ...
  • 8 青銅の少年、黒檀の男
    8 青銅の少年、黒檀の男 決闘が一対一だというのなら、未知数の使い魔に攻撃をくらう恐れもない。魔法は使うだろう。二股がばれてワインを頭から被る男に相応しい魔法を。 だが、ルイズは言う。怪我ですんだら運がいい。メイドの顔を思い出す。ルイズの言を裏付けていたかのような、恐怖に青ざめた顔を。 メイジが自分の能力を過大に感じることはあるだろう。しかし平民の、貴族の世話をしているメイドの態度はどうだ。念のためだ。デーボは厨房に入り、無断で調理用のナイフを取る。パンツのポケットにしまう。木で出来た柄がはみ出す。 無言で出て行く。その後姿に声を掛けるものはいない。これから死ぬ人間に、なんと呼びかければいいのか。 食堂でデーボを見張る生徒に先導され、決闘の場へと歩く。大股で進むデーボに後れを取るまいと、生徒も早足で歩く。後ろから彼の主人がついて来る。更にせわしない足音。苦々...
  • 『ギーシュ危機一髪 その3』
    『ギーシュ危機一髪 その3』 空元気も元気の内とは誰の言葉だったろうか。 本日の活動はもう終了にしようと考えていたが、 急上昇したテンションがそれを許してくれない。 ドラゴンズ・ドリームは壁を抜け、扉を超え、窓枠を跨いで移動する。 幸いなことに時は夕刻、晩飯時だ。廊下にも食堂にも生徒があふれている。 今なすべきことは二つ。 一つは風水の確認。 泥棒一人に惑わされていては地獄のジジイに笑われる。 もう一つは情報収集。 なんとなくここに居て、なんとなく流されてきた。 それでいいと思っていたが、意思疎通の相手がいなくてはどうしようもない。 自分がなぜここにいるのか、それさえ分かれば状況の打開策も見えてくる。 「見ィーつけたゾ。シシシッ」 食堂で向かい合わせに座ってスープをすするルイズの友達二人組を発見した。 早速、方角の探...
  • 決闘! 青銅vs白金
    決闘! 青銅vs白金 ヴェストリ広場。普段人気のないこの場所は、噂を聞いた生徒であふれ返っていた。 「諸君! 決闘だ!」 ギーシュが薔薇の造花を掲げ、歓声が上がる。 しかしそんな中、ルイズは不安げに黙りこくっていた。 承太郎は無言でギーシュを睨みつけている。平民が、貴族に勝てる訳ないのに。 「逃げずに来た事は褒めてやろうじゃないか」 「…………」 「フンッ、無愛想な奴だな、まあいい、始めるか」 ギーシュがそう言った瞬間、 承太郎は両手をポケットに突っ込んだまま無防備に歩き出した。 (あの馬鹿! 殺されるつもり!?) ルイズは心の中で叫ぶ。 承太郎がギーシュに殴りかかる前に、二人の間に飛び出して止めるべきだろうか。 貴族であり承太郎のご主人様である自分が謝ればギーシュも許してくれるかもしれない。 しかし無情にもギーシュは薔薇の...
  • ブラックモアの追跡
    ザー   ザー 逃走の足跡を消すように雨が降っている。 土塊の二つ名をもつ女魔術師は内心、ほくそ笑んでいた。 こんなにうまくいくなんて―― しかし突然振ってきた声に、心臓が凍り付く 「スイませェん・・・ミス・ロングビル、どこに行くんですか?」 振り向きざま、声のした方に魔法で岩を飛ばす、だが簡単によけられる。 宙に人間が浮いている。 レビテーション、と思いこの奇妙な男が先日召還された使い魔であること、そして魔術師だった事に驚く。この使い魔のマスターは魔法が使えないからだ。 「何持ってるんです?それですよ。その胸に抱えた『包み』・・・!?」 攻撃されたことが何でもないように聞く。 その態度がしゃくに障った。この使い魔をミンチにしてやろうと思った。 「あら?そんなことわかっているんじゃなくてッ!」 そういいながら大きく杖を振る、すると地響きとともに巨...
  • 誕生! 空前絶後の女王騎士!
    誕生! 空前絶後の女王騎士! 「感激だわ。覚えててくれたのね」 さっきまでの某ブ男みたいな仕草をやめて、フーケは長い緑髪をかき上げた。 「まさか脱獄していたとはな……」 「親切な人がいてね。私みたいな美人はもっと世の中のために役立たないといけないと、出してくれたのよ……それがこの彼。私の新しい相棒よ」 フーケが指差すと、ゴーレムの反対側の肩に黒いマントのメイジが立っていた。 先程から口を利かず、白い仮面で顔を隠す男だ。 「おせっかいな野郎もいたもんだ。で、何しに来やがった? まだ殴られ足りねーのか?」 「素敵なバカンスをありがとうと、あなた達にお礼を差し上げに参りましたのよ」 フーケの双眸が鋭く光り、瞳が殺意の色に塗り変わる。 ニィッと不気味に唇の端を釣り上げると、巨大ゴーレムの剛腕が窓を狙った。 その一撃はベランダを粉々に破壊する。 今回のゴーレムの身体は錬金せ...
  • Start Ball Run-14
    唐突に、ギーシュに向かって――、青銅の破片が、投げつけられた。 それを彼の傍にいた人形が、弾いて落とす。地面に叩きつけられた破片が、土にめり込み、その動きを止めた。 ギーシュはその方向を見る。 才人が、ギーシュを睨みつけながら、破片を投げた右腕をふり終えていた。 「……貴様は」 ギーシュが、才人を睨む。 「届くと思ったのか……。そんな距離から! 友を……主を失うからといって! こんなものを放りやがったな!」 ルイズを貫こうとした槍が、その矛先を変えた。 「汚らわしいぞ! そんなもので! 僕をどうにかすることなどできない!」 片腕を失ったワルキューレが、槍を地面に突き刺した。 その瞬間、――青銅は駆ける。そして、一本しかない腕を大きく、振りかぶり――。 才人の右腕を、殴りつける。……鈍く、嫌な音が聞こえ、才人は後ろに吹っ飛んだ。 「うっ……うわ...
  • ゼロの吸血鬼
    「ささやき いのり えいしょう ねんじろ!」 旧式の召還呪文を唱える。旧式だが伝統ある呪文である。 この呪文では神代のものが呼ばれると言われている。 が、落ちこぼれの魔術師がそんな呪文を成功させられるはずもない。 瞬間、爆発がおこった。 「なんだってのよ!」 爆発を起こした本人が叫ぶと煙の中から地獄の底から絞り出したような声が聞こえた。 「UREYYYYYYYYYYYYYY」 ぞくぞくとした感覚があたりの者たちに伝わって行く。 自分が呼びだしたモノだ、そういった意識が働いたのか、落ちこぼれの魔術師は勇気を振り絞った。 「あんた・・・名前は?私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」 煙の中の影が答える。 「お前が、私をよんだのか?  そうか・・・私の名は・・・」 煙が晴れ、姿が現れる。 ...
  • 第3話 決闘!?青銅のギーシュ
    第3話 決闘!?青銅のギーシュ 悪夢だわ…あのキュルケにあんな…あんな弱みを握られるなんて。 よりによって粗相をしたことがバレるなんてヴァリエール家の恥だわっ! 生き恥よっ!恥ずかしくて…死にたい… あれもこれもすべてすべーーて!あの犬が悪いんだわっ!あのコロネ頭ッ! アレが夢のわけないじゃないっ!しかもご主人様に向かって ーーーいい年して情けないですねルイズ。プライドはないのですか? ーーー塗れた下着では気持ちが悪いですからね。さあルイズちゃんバンザーイしてください。 とか馬鹿にしてぇぇぇぇ! 見てらっしゃい!これからちゃんと仕返ししてやるんだからっ! 食堂で貴族の何たるかをみっちり叩き込んでやるわっ!! どうやってヘビを出したかなんてすっかり頭になかったルイズであった。 「ほう…ここはすごい場所ですね」 「感謝なさいっ!...
  • Start Ball Run-13
    「……ぐ、ぅ……!」 ジャイロが呻いた。 左の脇腹にぐっさりと――ワルキューレの槍が食い込み、貫通していたから。 それは腹から背中にかけて、大きな穴を穿っている。どれほどの痛みがあるものなのか。少なくとも――これからまた戦おうなどと、普通は考えないぐらい、痛いはずだろう。 ――勝負、あった。 誰もが、そう思う。すでにジャイロの傷口からはおびただしい出血があり、芝生は赤く、絨毯のように染め広がっていた。 だが、それでも――、ギーシュは矛を収めようとしない。 槍を引き抜いたワルキューレに、命令を下す。再び、……血に塗れた切っ先が、獲物に狙いを、定める。 「……ま、待ちなさい! 待って! ギーシュ!」 声を上げたのは、ルイズだった。自分の使い魔がいま、まさに止めを刺されようという場面にきて、ようやく。 取り返しのつかないことが起きていたのだということに……...
  • 第六話 フルボッコ・ギーシュ・シティ①
    「・・・遅いな。」 群衆は集まっていたが、肝心の相手が来ていない。 ギーシュはイライラしていた。 「もう帰ろうかな・・・」 しかし、決闘がなかったとわかった時の群衆の怒りは計り知れない。 その矛先は間違いなくギーシュに向かうだろう。帰れるわけ無い。 「まてぇい!!」 そのとき彼の頭上に人影が現れた。 「二股がばれてフられ、その責任を平民になすりつける。  人それを、マンモーニと呼ぶ!!」 「何者だ!!」 ギーシュが叫ぶ。 「ギーシュに名乗る名はないっ!!」 そう言って飛び降りたのは 「オレ、参上!!!」 変態だった。 ゼロの変態第六話 フルボッコ・ギーシュ・シティ① 「諸君!決闘だ!」 ギーシュは薔薇の造花を掲げ、群衆は歓声を上げた。 「よく逃げずに来たね・・・。褒めてあげよう」 「フン!逃げる理由が...
  • ファミリア―・ザ・ギャンブラー-3
     ダービーには自信があった。勝負の厳しさもしらない貴族のモヤシ坊主にはたとえ生身で戦っても負けるはずが無い、そう思っていた。自分に剣を突きつける青銅の女戦士を目にするまでは……。  「僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。したがって青銅のゴーレム『ワルキユーレ』がお相手しよう。よもや文句はあるまい?」  ――くっ、マズイ、マズイぞ本当に魔法じゃないか。  内心、脅えながらダービーが答える。  「まあ待ちたまえこんな所で剣を振り回せば周りの婦女子もただではすまんぞ。 無関係の人間を巻き込むことが『貴族の礼儀』なのかな。」  ギーシュは言い返せなかった。正論である事がギーシュをますます苛立たせた。  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…… 「こらぁ!そこ何をやっている!」  教師らしい男の声が響く、誰かが言いつけたらしい。 「くッ!明日の正午『ヴェストリの広場』に来た...
  • マジシャンズ・ゼロ-11
    周りが騒ぐ中、アヴドゥルはシエスタに手を貸そうとするが、 「シエスタ。大丈夫か?」 「アヴドゥルさん!なんてことを……ッ!」 返ってきたのは切羽詰った声。 「ああ…だめ。貴族の方を怒らせたら殺されちゃう!」 「どういうことだ」 「私が謝ればよかったんです」 いまいち要領が掴めない会話だが、シエスタは無事だと判断するアヴドゥル。 シエスタは置いておいて、ギーシュを追おうとすると、 「あんた! 何勝手なことしてんのよ!?」 ルイズが登場した。 「昼飯はもういいのか?」 「どうでもいいわよ、そんなこと!何で決闘の約束なんかしてるのか、聞いてるの!」 「成り行きだ。誰も好き好んでしたわけではない」 「成り行き!?……ほら私も謝ってあげるから来なさい」 機嫌が段々と下降していくルイズにアヴドゥルは言い放つ。 「だが、断る」 「はあッ...
  • アヌビス神・妖刀流舞-21
     出発を翌日に控えている今日であるが、実にグタグタ状態である。  ワルドは胃から出す物を出して、ベッドでぐったりと伸びている。  傍ではバツが悪そうな表情でルイズが看病をしている。何しろ自分が勧めた模擬戦でこんな事になってしまった訳で……。  ロングビルも同じく大部屋のベッドで伸びている。此方はワルド程ダメージが有った訳では無いが、気持ち悪い物は悪いらしい。  その横で椅子に座ったタバサが本を読みながら、時々水を差し出している。  アヌビス神とデルフリンガーは水洗いされ、窓際に日乾しにされぶら下げられている。  ギーシュはずっと椅子に座ったままいびきをかいている。  汚物塗れのアヌビス神とデルフリンガーの二振りを洗う羽目になり、キュルケはかなり憂鬱である。物凄い割りを食ってるのは決して気の所為ではない。 「そ、そもそもあたしは何をしに来たんだったのかしら……」 ...
  • 使い魔波紋疾走-7
    ヴェストリ広場は「風」と「火」の塔の間にある広場だったが、周囲を野次馬が取り囲んでいるあたりは 広場というよりもまるで野良試合のリングのようだった。 生徒達よりも優に頭一つは背の高いジョナサンは野次馬を掻き分けるようにして広場の中に歩み入る。 「ん?ワイン片手とは随分と余裕じゃないか、平民」 ギーシュは既に広場の奥に陣取っていた。 「それとも酔いで恐怖を少しでも誤魔化そうという魂胆かな?」 取り巻きがどっと笑う。 (思い出す…あの日、ディオと勝負した試合を…) ジョナサンの脳裏に、少年時代に経験したほろ苦い敗北の記憶がよぎる。 「まあいい。諸君、決闘だ!」 ギーシュの声に野次馬が一斉に沸き立つ。 (だが全てがあの時とは違う。場所は異世界、相手は魔法使い、) 「改めて名乗らせていただこう。僕は『青銅』のギーシュ・グラモン!」 (そして僕には皆から受け継いだ精神がある...
  • Start Ball Run-12
    ……たった一つだけ、彼にとって幸運だったことがある。 『ガラクタ九つぶっ壊す』 『できなきゃ言わない』 最初、この二つは全く持って、彼の、でまかせであった。 シエスタが子猫を庇ってギーシュから蹴り飛ばされたとき。 彼もまた、その光景を見ていた。 自分にとって恩人とも呼べる少女が、痛みを堪えながら呻いた声に。 ……心が、怒りでざわめいた。 無意識に、何とか回転させられそうな石を一個、拾う。 そして彼女がうずくまる、その場所に向かったのだ。 ……石である。 彼がそのときまで持っていたのは、――なんの変哲も無い、石だった。 丸みを帯びているとはいえ、その曲線は真円には程遠い。いくら回転させたところで――真価は発揮させられそうになかった。 たとえ、上手く回転させられたとしても、石では、回転の負荷に耐えられない。 届いたところで――、威力を伝え...
  • 亜空の使い魔-6
    「逃げずによく来たね。一応褒めてあげるよ」 広場ではギーシュが杖として使う薔薇の造花を片手にギャラリーを引きつれ待っていた ゆっくりと歩いてきたヴァニラを見とめるとキザったらしく髪を掻き揚げ薔薇の造花を向けるが 「お前如きを相手をするのに何故逃げねばならん」 ヴァニラの対応は冷めていた 「クッ!何処までも減らず口を・・・・!」 ギーシュは苛立った様子で素早く薔薇の造花を振るう その動作に伴いはらりと花弁が舞い、それが地面に落ちるや否や等身大の人形へと変化した 「おっと言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』ッ!青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するッ!!」 ギーシュはそういうと騎士が宣誓するような動作で薔薇の造花を額に当て、青銅の木偶も徒手ではあるが同じ動作をとる 「・・・・・・・構わん、来い」 ギーシュには格好付け以外には何の他意も無いのだろ...
  • ゼロの番鳥-7
    絶対に起こらないはずの鳴き声が広場に響いた 「キョオオ―――z______ン!!!」 「何ぃ!?!」 慌てて振り向くとそこには不敵な顔でこちらを見るペットショップの姿が。 よく見ると何処にも傷らしい傷は無い、ワルキューレに痛く殴られ、ギーシュの魔法が直撃したはずなのに無傷である。 どうやって防いだのか?疑問だらけのギーシュの目にキラリと光る物が映った。 「それは氷か!?それでワルキューレと僕の攻撃を防いだのか!?」 疑問に対する解を見つけたギーシュ。だが、彼はそれでも信じられなかった。 (あの一瞬で!ワルキューレの拳や『石礫』が当たる寸前に!攻撃を防げるだけの氷を張ったと言うのか!?) 荒唐無稽すぎる事実に脳の処理が追い着かず。一時的に錯乱。 遠目からでもはっきり分かる程うろたえているギーシュに、ペットショップは何も言わない――――いや。 ギーシュは見た!そして更...
  • ゼロいぬっ!-15
    舞い上がる砂煙と共にギーシュが外へと弾き出される。 ギリギリで脱出したのか、衝撃の余波で地面を転がるものの大した怪我は負っていないようだ。 だがゴーレムは休む暇さえ与えずに再び足をギーシュに振り上げる。 「早く! こっちへ!」 タバサとキュルケが魔法を放ちゴーレムを攻撃する。 だが炎も氷の矢も巨人にダメージを与えるには至らない。 それでもギーシュが逃げる隙を作る為の牽制として撃ち続ける。 その援護を受けながら、ゆらりと陽炎のようにギーシュが立ち上がる。 その緩慢な動作にキュルケが苛立ちをぶつける。 「何やってるの!? 早く逃げなさい!」 「逃げる? それは違うよミス・ツェルプストー」 ギーシュの声はとても落ち着いていた。 ついに恐怖のあまりにおかしくなってしまったのかとキュルケが疑う程に。 いつの間にか口に咥えた薔薇を引き抜いて振るう。 刹那、彼のワ...
  • 僕の夢は三色コロネッ!
    僕の夢は三色コロネッ!-1 第二話 その男。ドSにつき 第3話 決闘!?青銅のギーシュ 第四話 ギーシュ君の運命 前編 第五話 ギーシュ君の運命 後編 そしてルイズの運命 第6話 同じ匂い 第七話 がんばれ女の子! 前編 第八話 がんばれ女の子!後編
  • Start Ball Run-23
    「ねぇ~……。どぉこぉぉぉ~~」 また一つ、焦げ朽ちた木が倒れる音が響き、その向こうから、キュルケが現れる。 「ふたぁりぃともぉおぉぉ~~~……。どぉぉこぉぉぉ~~……。あたしさぁみしぃぃいぃぃぃ~~~」 意中の二人を求めながら、邪魔な木を次々と燃やし尽くす。声が段々と近づいてきて、ルイズは思わず、しゃがんだまま後ずさりしたくなった。 だが、傍にいる才人に腕を掴まれ、物音を立てないように目で訴えられる。 今、不用意に動いて気付かれては、水の泡なのだ。ここは、黙って我慢しないといけない。 ますます近づいてくる足音。キュルケの声。そして、木がまた一つ、崩れた音。 首筋から冷たい汗が流れたルイズが、思わず呻いてしまいそうになった時。 「みぃつぅけたぁ♪」 冷たく、はしゃぐキュルケの声がして、ルイズと才人は、心臓が止まりそうになった。 彼女は……、ルイズ達と...
  • Start Ball Run-5
    「おいおいおいおいおいおいおいおい! なんだよこれはよぉー どうなってんだよォーーー」 城としか思えない敷地の壁づたいに、ジャイロは逃げまわっていた。こんなどこかもわからない場所で、とっ捕まることはできないから。 とにかく、外に出れば、何とかなる。多分そうだろうと、信じてみたが。 「広いじゃねーかよ」 かなりの距離を走ったり、幾つかの城壁を飛び越えたのに、全く城壁の外に出られないでいた。 「……ったく。こりゃ相当金持ちが住んでんだな」 闇雲に歩いても抜け出せそうにないと悟り、歩みを止めて一休みしようと、壁に背中を合わせた。 ――以前味わったような、嫌な感覚を憶える。 念のため――、彼は腰のベルトから取り出した鉄球を回転させ、壁にあてる。その壁に耳をくっつけた。何かを、聞き取るように。 回転する振動が壁から地表に伝わり、物体に反射して戻ってくる。まるでソナ...
  • 使い魔は引き籠り-10
    「オールド・オスマン。食堂で生徒が騒いでいまして、 何事かと思い見てまいりましたら・・・・『彼』が、騒ぎを起こしています。」 「ほう、あのカメレオン君も、やっと人の目に映るようになったんじゃの。」 「真面目に聞いてください!大騒ぎなんですよ!」 コルベールが血相を変えて、一冊の古書を差し出し『ガンダールヴです!』と部屋に飛び込んできたのはつい昨日の事だ。 なんでも、彼(ミス・ヴァリエールが彼を見なかったかと、散々聞いて回っていたので覚えてしまった。イルーゾォという変わった名だ。) の左手に現れたルーンが、始祖ブリミルの伝説の使い魔、『ガンダールヴ』と同じものだというのだ。 「ガンダールヴが透明になれるという記述は何処にもないようじゃの」というと、やはりふざけないで下さいと突っぱねられた。 「ミスタ・コルベールの言うように強力な使い魔なら、ミスタ・グラモンが危険で...
  • ゼロと使い魔の書-07
    ゼロと使い魔の書 第七話 広場には既に観衆が集まっていた。ギーシュの取り巻きだけではない。全員入れれば数十人はくだらないだろう。 これから殺し合いが始まるというのに、それを見物しようという神経は理解に苦しむ。果たして、最後まで見とどける覚悟があるのだろうか。 「ほう、逃げずに来たか」 向こうから声をかけてきた。黙っていると、無視された事が頭にきたのか、憎憎しげな視線を一瞬こちらへ向けた。 「諸君、決闘だ!」 ギーシュが声を張り上げる。 それに応える観衆。純粋にこれから始まるショーに期待しているという表情だ。 もしかすると、貴族が平民を手打ちにするところを見物するというのはそう珍しい事でもないのかもしれない。だとしたらろくでもない世界だ。 「僕はメイジだ、だから魔法を使わせてもらう」 ギーシュが何事かを呟き、薔薇の造花を振る。地面から深緑色の人形が生えてきた。 ...
  • 第七話『ギーシュにキッス』
    『決闘』の場、そこにいたのはギーシュのみではない。 噂を聞きつけた生徒たちの人だかりが出来ている。 観にきたのは、『決闘』ではなく、『暴力』 そこに現れたのはリンゴォ・ロードアゲイン。 待ち受けるは、ギーシュ・ド・グラモン。 ギーシュの頭はすでに冷えている。 しかし、ギーシュの怒りは溶岩の如く煮えたぎっている。 「…来たか」 「さて、それでは始めるとしよう……。諸君! 決闘だッ!」 派手な挙動で観衆へのアピールを決める。 「逃げ出さずにここへ来た事は、褒めておいてやるよ、逃がすつもりは無いがね」 観衆の中で、ルイズは一人不安であった。いや、一人ではない。 貴族たちの中に紛れて、シエスタも勝負を見守っていた。 『勝手にしろ』とは言ったが、この勝負を止められないものか、ルイズはそう考えていた。 「さて始めようか…。平民」...
  • はたらくあくま
    プロローグ 這いずる異形、つながる世界 1 呪殺する男、祝福する少女 2 呆ける男、苦悩する少女 3 見えない悪魔、読めない表情 4 考える男、迷う男 5 光る石、飛ぶ石 6 奪う少女、与える少女 7 働く悪魔、働くメイド 8 青銅の少年、黒檀の男 9 泣く少女、笑う男 10 遅い目覚め、早い駆け足 11 倦む現実、死ぬ夢 12 寒い部屋、温い心 13 青い少女、蒼い妖精 14 狭い道、狭い抜け道 15 暗い店、輝く剣 16 悪辣な店主、悪辣な客 17 噛み合わない二人、咬み合う二人 18 掌中の生死、掌中の破壊 19 静かな猛り、静かな滾り 20 勇気と恐怖、保身と矜持 21 生存本能、防衛本能 22 滴る命、染み出る命 23 目覚める少女、目覚める男 24 揺れる誇り、折れる正義 24.5 邪竜は月輪に飛ぶ 25 命の限り、悪の限り
  • 使い魔は静かに暮らしたい-8
    広場に着くと多くの生徒で溢れかえっていた。噂を聞きつけたのだろう。 周りが本当に五月蠅いものだ。 「さてと、では始めるか」 ギーシュが薔薇の花を振ると花びらが一枚宙を舞う。それが甲冑を身に着けた女の形をした人形になる。あれがワルキューレなのだろう。 ギーシュを守るように立ちふさがる。しかしわかってはいたが驚くものがあるな。花びらが変わるなんて非常識すぎる。 しかしルイズの話しでは複数体出せるはずなのだが。一体ということは幾ら怒っていてもこちらを平民だと嘗めているのだろう。 そのほうがありがたいがね。 「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」 そんなもの想定済みだ。 「言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」 それぐらいもう知っている。 ワルキューレがこちらに向...
  • 逆に考える使い魔-5
    いまだに私に目を向けないマンモーニは金属…おそらく青銅…の人形を作り出した あれを操るらしいが、何も支持されていないのか、微動だにしない 私はこれ幸いと人形の横を擦り抜けて… 【逆に考える使い魔】 「僕は魔h「蹴り穿つ!」ぉつべらッ!?」 何をしたか? 簡単だ、容赦無く[コークスクリュー式ボディストレート]を叩き込んだ! 風車のように回転しながら水平に飛んでいくマンモーニ… お?気絶しなかったか!やるな! よし!マンモーニからフラレ虫に格上げしよう! 「ひ、卑怯な…」 フラレ虫が悔しそうに唸るが、相手にしない! 「馬鹿者!決闘者が相対した時点で闘いは始まっているのだ!」 うむ、格好良い!流石は私だ 「ところで…だ、君は私に『お仕置き』をする…と言っていたね…、それは無理な相談だな… ...
  • 使い魔ファイト-18
     本来は良識の府の象徴的存在としてあるべきなのだが、トリステイン魔法学院の学院長室は、部屋の主と同じくどこまでも軽かった。  秘書が本の整理をすれば背筋に指を這わせ、秘書がかがめばネズミを走らせ、秘書が横にいれば臀部へと手が伸び、三度に一度秘書からの反撃が受ける。  このように乱れた部屋が権威を持とうはずもないのだが、今日の学院長室は気まずくも重い雰囲気に包まれていた。  原因はただ一つ。「遠見の鏡」に映し出された平民の女だ。  後ろを振り返らず、すれ違う者の目を気にもせず、全力で手と足を振り、廊下を真っ直ぐに駆けていく。 「オールド・オスマン」 「うむ」 「あの平民、逃げてしまいましたが……」 「うむ」 「あの逃げ足! そして躊躇の無さ! 主人への気遣い皆無! あんな使い魔見たことない!」 「うむむ……」  真面目と不真面目、ハゲとヒゲ、好一対...
  • 条件! 勝利者の権限を錬金せよ その③
    条件! 勝利者の権限を錬金せよ その③ ルイズが目を覚ました時、すでに授業が始まっている時間だった。 寝惚けた頭で思い出す。 ええと、今日は、じゃなくて、昨日は、どうしたんだっけ。 小石を集めて、錬金の練習をして、失敗ばっかりして、爆発でボロボロになった。 おかげでギーシュが夜中に先生を呼びに行って、先生から治癒の魔法をかけてもらった。 ……秘薬の代金はもちろん、自分が払わなければならない。 特にお金を使う予定は無いけど、大きな出費だった。 怪我は結構酷くて、まだ身体の節々が痛い。特に右手がまだズキズキする。 ルイズは上半身だけ起こして、恐る恐る両手を出す。 左手は、転んだ拍子に擦った程度の傷だったから魔法で治っている。 右手は、爆発を一番近くで受け続けたためまだ指の皮が痛々しく剥けている。 「うっ……」 よく見れば人差し指の爪にヒビが入っていた。 さらに手の...
  • ゼロと奇妙な隠者-6
     ヴェストリの広場に立つ、決闘者二人。相対距離はおよそ20メイル。  一人はギーシュ・ド・グラモン。  それに対するはジョセフ・ジョースター。  向かい合う決闘者を囲む貴族の少年少女達。   まだ昼食も終わったところだというのに、ギーシュの災難はなおも続行中だった。  二股がバレたといっても、これはかなりの誤解が含まれている。  モンモランシーが本命だというのはギーシュ自身も認めている。人前ではそっけない態度だが、二人きりになると意外と古式めかしく情が深い。モンモランシーを憎からず思っているから、彼女手製の香水を身に付けているし、瓶だって肌身離さず持っている。  周囲曰く所の『浮気相手』のケティからは好意を寄せられているが、ギーシュ本人としては浮気以前のレベルである。  健全な少年であるギーシュには、好意を寄せてくる相手を邪険にする理由はない。毎日挨拶するし、手を握ったり...
  • 第四話 『決闘日和 ~格の差~』
    第四話 『決闘日和 ~格の差~』 雨は小雨程度だが、ヴェストリの広場に集まった人間の熱気で蒸発しそうだった。 「諸君!決闘だッ!」 少年が薔薇の造花を掲げた。ギャラリーの熱気が跳ね上がる。 ウェザーがチラリと観客の方を見ると、キュルケが青髪のチビと話していた。 そこから少し離れた位置にはルイズがいた。腕を組み、冷たい視線をこちらに向けている。「自業自得」だとその眼は訴えていた。 「ギーシュが決闘するぞ!相手はルイズの平民だ!」 ギーシュは観客たちに愛想を振り撒いている。一回り観客にこたえると、ようやくウェザーを見た。 広場の真ん中に立つ二人。 「逃げずによく来たね平民君。その無謀さは褒めてあげよう」 オペラ歌手にでもなったつもりで喋っているのか、抑揚がおかしい。 「だが、僕は慈悲深い。僕の魔法に痺れてしまう前に、土下座して『ゼロの使い魔ではギーシュ様には勝てません。 ...
  • ディアボロの大冒険Ⅱ-6
    ヴェストリ広場に向かう途中、ルイズに出会ったディアボロ。 「ギーシュと決闘するって本当なのディアボロ!?」 ついさっき起きたギーシュの決闘発言を聞いたようだ 閉鎖した空間ならではの噂の広がりの早さは異常である。 「そうだが?」 「早くギーシュに謝りなさいよ!私からも許してくれるように言ってあげるから!」 ルイズはディアボロを心配そうに見つめてくる。 平民の変態でも自分の使い魔は心配なのだろう。 「それはできんな」 厨房の奴等に恩を売る機会なので拒否するディアボロ 「!?ギーシュはメイジなのよ!……平民のあんたならわかってるでしょ!?  平民はメイジに絶対に勝てないの。怪我して死んじゃうかもしれないのよ!?」 「自分の使い魔を信じるぐらいしたらどうだ?」 ルイズはこの現実を見てない使い魔にムッとした。 ディアボロがどんな妄想をして...
  • 使い魔は勇者-4
    ズドォン! 前回の最後に食らったブラフォードの回し蹴りによってギーシュは椅子に直撃した 「今のは明らかにお前が悪い・・・!しかも何故この娘に罪をなすりつけた! この娘はお前達のために働いていたのに!」 ブラフォードは過去にこれに似たものを見た!だからあえて回し蹴りを入れた! 「ききききき・・・貴様!なんてことを!!!!!ぜ・・・絶対に許さん!!!決闘だ!!! 15分後に決闘だ!ヴェストリの広場で決闘だ!!!!」 鼻血をだらだら流しながらギーシュはブラフォードに吐き捨て食堂から出て行った 「ちょ・・・・ちょっとあんた!いくらあんたが強そうだからって!平民が貴族に勝てるわけが無いのよ! 今すぐ謝ってき「断る!あの娘の名誉の為にも断る!」 断った!そしてルイズは知らなかった!ブラフォードには武器がある! マカブダンスヘアー!ブラフォー...
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