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ファイナルファンタジー - (2013/02/22 (金) 16:01:31) の編集履歴(バックアップ)


ファイナルファンタジー

【ふぁいなるふぁんたじー】

ジャンル ロールプレイングゲーム
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2Mbit+64kbitRAM ROMカートリッジ
発売・開発元 スクウェア
発売日 1987年12月18日
定価 5,900円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個(バッテリーバックアップ)
配信 バーチャルコンソール
2009年5月26日/500Wiiポイント
ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク

概要

  • 今や国内を代表するRPGシリーズの一つとなった『ファイナルファンタジー』の記念すべき1作目。
    • タイトルの由来は傾きかけていた会社の命運をかけた作品であった為。まさしく「最後の夢」として出された。
  • プレイヤーは4つのクリスタルに光を取り戻すため、4匹のカオスを討伐する旅に出る。
  • 発売前はあまり評判になっていなかった。『週刊少年ジャンプ』の当時のゲームコーナー『ファミコン神拳』におけるレビューではかなりの低評価であったが、発売後にその際の記述がおかしいとして問題視された。
    • コーナー担当の1人が堀井雄二であったため、ライバル的存在への攻撃と目された。
    • ファミコン神拳によるこきおろしは続編でも展開されるが、ファミコン神拳の後継企画である『芸魔団』では新作情報(V・VI)を取り上げたり開発陣へインタビューしたりと、ファイナルファンタジーシリーズへの歩み寄りを見せた。

特徴・評価点

  • 1作目にして、後のシリーズに引き継がれる伝統のほとんどを確立したと言っても過言ではない。
    • ジョブシステム、白黒魔道士のグラフィック、クリスタル、メインテーマやファンファーレといった音楽、飛空艇、SF要素、などなど……。
      • 2作目はFF全体を通じても異色作。この時期のRPGはコンピューター上で如何にテーブルトークRPGを再現するか模索しており、色々と実験的な試みがされている。
  • 最初に、4人の主人公それぞれに6つの職業(戦士・モンク・シーフ・赤魔術師・白魔術師・黒魔術師)を選ぶことになる。
    • この時の編成により、冒険の難易度が大幅に変わる。ジョブ毎の使い勝手の差が激しい為、相当苦戦を強いられる編成もあるが、それ故に熱くなるプレイヤーも多かった。詳細は「ジョブ格差(問題点)」の項に譲る。
    • 物語の途中でクラスチェンジがあり、6つの職業がそれぞれ上級職に変わる。
      • クラスチェンジを行うことでキャラクターのグラフィックが大幅に変化する。その際の、頭身の上がったキャラクター達は多くのプレイヤーに(良くも悪くも)強烈な印象を与えた。
  • 「戦闘中に使用すると魔法効果を発揮するアイテム(以後「魔法効果アイテム」と記述)」というシステムを大量に取り入れた作品でもある。当時ではドラクエ2の力の盾や、桃太郎伝説の灼熱の弓矢くらいしか存在していなかった。ゲームバランスもそれを活用するかしないかで大きく変化するため、攻略順に逆らって先に入手したり、それを当てにしたPT編成をしたり…といった戦略性もあった。
  • 戦闘で全滅した場合はその時点でゲームオーバーとなる。『ドラゴンクエスト』シリーズの様に「所持金が一部没収され、街や城からゲーム続行」ということはない。
  • また、戦闘シーンで攻撃・魔法など細かくアニメーションしたのは画期的であった。
    • 海を渡る船は比較的早くに手に入るが、外海まではイベントを経ないと漕ぎ出せない。そして外海に出ても世界の北方の大陸には港がないので上陸できない。
    • カヌーがあれば川からの上陸は可能。ヒール、サンダラ効果のあるアイテムが手に入るので、先回りして攻略するのも戦略としては十分に有り。
    • 土のカオス・リッチを倒して手に入れるカヌーで河を渡り飛空石を入手し、ある場所でいよいよ飛空船を手に入れることとなる。
  • FFシリーズでは比較的難易度は高め。
    • 一部の敵が初見殺し。その時点では防ぎようがない即死攻撃や、強力な全体魔法を連発してきたり…
    • D&Dやウィザードリィを意識してか魔法は1レベルにつき9回までしか使えないため、黒魔術師を選ぶとMPが尽きたらお荷物になりやすい。
      • 黒魔法は敵全体攻撃の魔法が多く、雑魚戦での活躍が光る。ボス戦では全体攻撃ゆえに火力不足感や、高LV魔法の使用回数の少なさが気になるところ。しかし、道具として使用可能な装備品の豊富さもこの時点のRPGでは随一かと。厄介な雑魚戦は魔法効果アイテムで切り抜けよう。
    • この作品はボスに至るまでのダンジョン内のザコ戦がきつい一方で、ボスがそれほど強くない、というゲームバランスである。
      • ザコ敵はうんざりするほど面倒だが、一方でダンジョンの構造自体は適度な難易度であり、初期のドラクエのダンジョンのように「ダンジョンが迷路のようになっていて目的地にまでたどり着けない」ということはあまりない。
    • また街の宿屋以外では寝袋・テント・コテージを使わないとセーブが出来ない。
      • もっともドラクエシリーズでは特定の場所でしかセーブができなかったので、それよりはるかに便利だと言えるが。
      • ちなみにFFは1作目からパスワード方式ではなく、バッテリーバックアップ方式である。ただし1作目のファミコン版はセーブ数は1個。
  • 最序盤であっさり囚われた姫を助けるという意表をついた展開も当時のプレイヤーを驚かせた。
    • そしてこの本編と一見関係無さそうな展開も最後の最後で活きてくることになる。
    • ゲームを始めた途端、いきなりフィールドに放り出され、しばらく進めたところでOPが始まるという演出に、当時多くのプレイヤーが心を奪われた。
    • この意表をついたプロローグの演出は続編でも用いられている。
  • また、人類の生活圏が世界の南西区域に集中し、南東区域は未開の地が多く、北西区域・北東区域はかつて栄華を誇っていたがカオスに滅ぼされ衰退し街が少なく港もない、という設定は当時の問題であった「容量不足(特に町や村はかなり容量を食った)」を世界設定に上手く落とし込んだと言える。
  • 本作の主人公は歴代の主人公の中で唯一一切喋ることのない「ドラゴンクエスト式」の主人公にあたる。
    • その主人公の設定や否や、最終盤の展開に衝撃を受けるだろう。連綿と繰り返される争いの連鎖を、君は断ち切らねばならないのだ――。

問題点

下記のように問題点も色々とある。とはいえ、荒削りな設定は初の作品の運命でもあり、問題点があってもなお本作の完成度は高い。

  • バッテリーバックアップの落とし穴。
    • パスワード方式と比べて劇的にセーブは楽になっているものの、セーブできる数が1個というのがクセモノ。あまり普及して無かった初期のバッテリーバックアップはセーブデータ消失の頻度も高く、これが原因で途中で投げ出すプレイヤーも多くいた。
  • 実のところバグ(もしくは奇妙な仕様)は多い。有名なものだと、使っても効果のない魔法が存在したり、知性が無意味だったりする。
    • 「敵の回避率を上げる」というマイナス効果の魔法まである。(本来は敵の回避率を下げるはずの魔法。バグにより効果が逆転している。)
    • WSC版以降は、効果の発揮されていなかった魔法がちゃんと働くようになっている。結果、ゲームバランスがかなり変化している。
  • 「逃げる」の成功率が不自然なほど高い。逃げられない敵がいるのでバランスは取れているとも言えるが。
    • そもそもこのゲーム、アイテム所持数や魔法使用回数の制限が厳しいため、ダンジョンの敵全部と戦おうとすればかなり苦労するので、逃げなければとてもじゃないけどやっていられない。強敵との戦いを極力避け、アイテムや魔法を節約しながら進む必要がある。
    • 中盤に麻痺→即死の凶悪なコンボを使う雑魚敵が出現するが、防ぐ手段は一切ない。
  • 有名なビホルダーのみならず、かなり多数(ほぼ全て)のモンスターの能力設定とデザイン、アイテム、システムの根幹部分をD&D、AD&Dから流用している。
    • 発売当初は全てオリジナルと発言するなど、著作権などの扱いが緩かった時代の作品ならではの現象ではあるが、近年のリメイクではモンスターやシステムの変更などが行われた上で発売されている。
  • バグ類はVC版でも未修正だが、ビホルダーの名前とデザインなどは修正されている。ビホルダーだけが問題なわけではないのだが…。

ジョブ格差(問題点)

ジョブ6種の能力格差はかなり激しい。ゲーム途中で別ジョブに転職することはできないため、初期編成が攻略難易度に直結する。
リメイク版などでは「戦士・シーフ・白魔術士・黒魔術士」のキャラ編成(D&DのようなTRPGでは基本の編成)が例として挙げられることが多いが、はっきり言って地雷編成である。

  • シーフは異常に弱い。戦闘能力は戦士やモンクの劣化互換であり、取り得はクラスチェンジした後の黒魔法「ヘイスト」のみと言っても冗談抜きで言いすぎではない。
    • TRPGならば罠解除や鍵開け、身軽さや聞き耳を生かした偵察、戦闘でも背後をとっての攻撃など、もっぱら搦め手主体の活躍をするのだが、本作ではそうした要素がないので…。
    • 本作でも「運が良くて逃げやすい」というユニークな特性を持つはずなのだが、実際は前述の通り意味が無い。(シーフなどいなくても高確率で逃げられるし、逃げられないように設定されている敵からはシーフがいても逃げられない)
    • ちなみに「ヘイスト」の魔法は、当然ながら黒魔術師や、赤魔術師でも習得できる。彼らはクラスチェンジを待つ必要すらない……。
  • 黒魔術士も、「特徴」で述べたように魔法を切らした途端にお荷物になるため役立たず。
    • 魔法回数が9回を超えても増え続けるFF3方式なら、下位LV魔法乱発により高LV魔法を温存することも可能だが、本作ではその戦法もとりにくい。
    • 後半戦では大量の雑魚掃除にフレアーを撃つくらいしか活躍の場がなく、黒は本当に肩身が狭い…。(フレアー以外でもいい敵なら、3人で魔法効果アイテムを使用した方がクラスも回数も制限されず楽。)
  • 白魔術士も、完全回復のケアルガ以外はHPの回復量がやたらに少なく、回数制限もあり使いにくい。それでも完全蘇生魔法アレイズや戦闘中の回復魔法は助けになる。
    • 戦闘終了後の回復は大量のポーションや、他のクラスの低LV回復魔法に任せ、白魔の高LV魔法を温存するのが良策。
    • ただ回復魔法効果アイテムは3個手に入るので、慣れてくるとシーフ、黒魔術士と並んでリストラ対象に…。
  • 逆に赤魔術士は通常攻撃も強いため、通常攻撃がまるで期待できない黒・白よりよっぽど使いやすかったりする。魔法もかなり良いものが使え、十分実用レベル。
  • 残りの直接攻撃要員2クラスのうち、戦士は装備も充実しており結構強い。クラスチェンジで低LVの白魔法も使えるようになる。
  • モンクも強い。戦士に比べ装備制限がかなり厳しいが、最終的には拳一つで戦士以上のダメージを叩き出すようになる。ただし大器晩成型で、そこまでの道のりは険しい。クラスチェンジしても魔法は覚えず拳一本。

以上から、初心者は「戦士・モンク・赤魔術士・白魔術士」あたりがベストか。戦士用の装備は比較的揃え易いので「戦士・戦士・赤魔術士・白魔術士」などでもよい。とにかく前述のキャラ編成は、初心者にはおススメできない。

  • 慣れてくると「戦士・戦士・モンク・赤魔術士」や、モンク複数を軸にした編成など、プレイヤーの好みが大きく出る編成でも攻略できるようになる。
  • 魔法の全く使えない「モンク×4」や、MPが文字通りの命綱になる魔術師系で固める編成だと相当苦戦を強いられるが、それでも、中盤以降の攻撃系魔法効果アイテムを入手出来れば何とかなる。
    • さすがに「シーフ×4」等、中盤にたどり着くのが事実上不可能に近い無茶編成では地獄を見る*1

その後の展開

2000年代に入ってから多くの機種に移植されるようになったが、同時代の移植はMSX2版(1989年12月22日発売)だけである。しかもスクウェア自身の手による移植ではなく、他社(マイクロキャビン)によるものであった。

  • MSX2版:サウンドのみFM音源対応で強化されたが、それ以外はことごとく劣化していた。スクロールはガクガクであり、戦闘ごとに長いディスクアクセスのある仕様で快適とは言いがたいものだった。
  • WSC版(2000年12月9日発売):FF初のリメイクである。グラフィックは完全に描き直され、より遊びやすい仕様に変更されている。WSCのキラータイトルとなった。
  • PS版(2002年10月31日発売):
  • ケータイアプリ(imode)版(2004年3月1日発売):
  • GBA版(『ファイナルファンタジーI・II アドバンス』)(2004年7月29日発売):こちらを参照。
  • PSP版(2007年4月19日発売):こちらを参照。
  • iPhone/iPod touch版:上記PSP版とほぼ同一の内容。 (修正中ですが加筆できる方はしてくださって結構です。)
  • ただWSC・PS・携帯版はファミコン版のバランスを色濃く残しているため、難易度が高くてとっつきにくい点が多々ある(それもファミコン版の時点であった、「バランスの悪さから来る若干理不尽な難しさ」)。
    • 逆にGBA版以降ではヌルゲーと呼ばれるほど難易度が急激に低下した。変更の例としてはレベル別魔法使用回数制が全レベル共通のMP制になり、回復魔法や黒魔術師の存在価値が激変した。
      • 強化されたラスボス及び追加された隠しダンジョンのボスは中々強い。だがそれ以外の敵が軒並み弱く、おまけにエンカウント率も高いので、以前のバージョンとは別の意味で道中が面倒になった。
  • オリジナル版はWiiのバーチャルコンソールで、PSリメイク版はPS3・PSPのゲームアーカイブスで配信中。