涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「『コタツから出たら』」で検索した結果

検索 :
  • 嘘から出た松茸
    ※このお話は『渋皮やさしく剥いたなら』の後日談です※  女心と秋の空、とはよく言ったもので。妙に暑いなと思ってたら急に肌寒くなったり、はたまたジメジメとした小雨が長く続いたりもする、そんな季節の頃。  要するに秋の半ばだな。空を覆うように広がるいわし雲の下を、俺はハルヒ宅に向かって自転車を走らせていた。別に呼び付けられた訳でもなけりゃ、大した用事でもない。単なる気まぐれと言うか、たまにはちょっとしたプレゼントでもあいつにくれてやろうかと思ってね。お、見えてきた。  ハルヒの部屋の窓の端で、白いレースのカーテンが揺れている。日曜の昼下がりだし、もしかしたら家族で出掛けてるかも、なんて可能性も考えていたが、どうやら都合よく部屋に居るみたいだな。よしよし。  路傍に自転車を停めた俺は、そよ風にふわふわ揺れるカーテンを見上げながら、ピッと携帯のコールボタンを押した。 「あによ、キョン。何...
  • SS企画『冬』用・感想所
    クリスマスの少女に感慨無量。マジ泣きかけました。 -- 名無しさん (2007-01-22 19 39 16) 投票っていつからなのかな? -- 名無しさん (2007-01-22 21 06 44) コタツを出たらが和むなぁ・・・ニヤニヤがとまりませんww -- 名無しさん (2007-01-22 22 48 01) 「コタツを出たら」放屁でくるとは予想GUYだった。その布団をめくったら、阿鼻叫喚の地獄絵図ぞ。 -- 名無しさん (2007-01-22 23 44 02) 古泉普通にカッコいいな。きれいなお姉さんにドギマギするのがよかった。 -- 名無しさん (2007-01-23 00 16 05) 森さんに萌えた。 -- 名無しさん (2007-01-23 11 42 50) 古泉の淡いラブロマンスwに萌えた。 でもぶっちゃけ夏のほうがよk(ry ...
  • 有希見酒
    「部屋に来て欲しい」 別れ際長門が俺だけに聞こえるように小さく言ってきた。 ハルヒたちと別れ、一旦家に帰るふりをして、そそくさと長門の家に向かう。 「お、雪か」 帰るまでは持ちそうだったのだが、降り出してしまったようだ。 傘を持っていないので、足早に長門のマンションの軒下に飛び込んだ。 インターホンを押すとすぐに反応がある。 「入って」言うまでもない。寒いし。 「お~、寒い寒い」 雪が降り出してから急に冷え込んだようだ。 年中置きっぱなしのコタツが、これほどまでにありがたいと思わなかった。 長門は風の子元気の子なのか、寒さなんて気にしないで台所に向かう。 宇宙人製ヒューマノイドインターフェイスは寒さを感じないのか。羨ましい。 「そうではない。むしろ寒がり」 お盆にコップを載せて持ってきた長門は、お盆をコタツの上に置くとそそくさともぐりこむ。 持ってきたのはお茶ではない。透明な液体の入ったコ...
  • 涼宮ハルヒの退行
    今俺はハルヒを膝枕している。なんでかって?そりゃあ子供の我侭を 聞けないようじゃ大人とはいえないだろう?まあ俺はまだ自分を大人だとは 思っていないし、周りもそうは思っていないだろう。ただ、3歳児から見れば 俺だって十分すぎるほど大人なのさ。ああ、説明が足りなすぎるか。つまり こういうことだ。   ハルヒは3歳児になっていた。   ことの発端は10時間程前のことだ。休日の朝8時と言えば大半の人間が 「いつ起きてもいい」という人生でもトップクラスであろう幸せを感じつつ睡眠 という行為に励んでいると思う。俺ももちろんそうである。しかし、俺の幸せは 一人の女によってアインシュタインが四則演算を解くことよりもあっさりと瓦解 された。携帯電話がけたたましい音をあげる。携帯よ、今は朝なんだ。頼むから もう少し静かにしてくれ、という俺の願いは不幸にも全く叶えられることはなく、 俺は諦めて携帯に手を伸ば...
  • 会長の一言で喜緑さんはスイッチが入ってしまったようです
    ※このお話は『餅を焼きませ』の後日談です※      気が付くと俺は夕日の差し込む天井をぼんやりと眺め、じんわり汗ばんだ感覚と、喉に若干の渇きを覚えていた。 (あー、コタツで横になったまま眠っちまったのか…)  恐ろしい事に、自分が寝入った瞬間の記憶が無い。コタツというのは、まさしく悪魔的存在の暖房器具だと言えよう。何が恐ろしいって、その“堕ちて行くような”感覚にはある種の抗いがたい快楽があって、分かっているのにまた性懲りも無くゴロゴロしてしまう、という点だ。 (まあ、正月だしな。風邪を引いた訳でもなし、それは別に良いんだが)  どうしたものかね、という眼差しで、俺は右脇を見る。いつの間に占拠されたやら、そこでは俺の右腕を枕にした喜緑江美里が、くーくーと寝息を立てていた。ポジションから察するに、コタツの中を通ってここまで潜り込んできたらしい。猫かこいつは。いや、体を丸めてスヤスヤ寝...
  • 「お酒」「紙一重」
    文字サイズ小で上手く表示されると思います 微エロ注意    曰く、それは命の水  曰く、それは百薬の長  曰く、それは――二十歳を過ぎてから    「お酒」「紙一重」   「おいおいキョンよ。結局涼宮とは別れちまったのか~」  何故か嬉しそうにそう聞いてくる谷口の顔は、俺が首を横に振るとスイッチを切り替え た様に苦い顔へと変わった。 「はぁ?! じゃあ、なんで俺達と飯食ってるんだよ?」  人に箸を向けるな、唾を飛ばすな。 「まあまあ。仲が良くても、たまには別々にご飯を食べたい時もあるんじゃない?」  そんな国木田のフォローも谷口の気を紛らわす事はできなかったらしく、結局弁当を食 い終えるまでの間、俺は谷口の愚痴に付き合わされたのだった。  ……まあ、ここ最近はずっとハルヒと一緒に昼食を食べてたから、谷口がそんな事を言 い出すのもわからなくもないけどな。  何となく視線を送ったハルヒ...
  • 長門有希の妊婦生活
    (長門有希の結婚生活 [R-18]の続き)   「おめでたです。」 産婦人科の先生にそう告げられた。 結婚してから一年半、ようやく私も母親になれるのだ。 彼にはどうやって伝えよう? 昔の私なら単調に事実を告げるだけだったかもしれないけど、今は違う。 どうにかして彼を喜ばせたい。   方法1:数日間思いきり冷たくしてそれから発表 …駄目。 冷たくしたら彼の私に対する態度も冷たくなるだろう。 そんなの堪えられないし、胎教に悪い。   方法2:以前のように豪華な夕飯、お風呂の後にラブラブ発表 …いい。 けどいつも通り過ぎて思い切り喜ばせるのには向かないかもしれない。 最悪の場合これでいこう。   方法3:いつも通り普通に過ごし、夜寝る前に発表 …これ? いつも通りだからかなりのハプニングになるはずだ。 取り乱す彼を想像するとつい口元が緩む。   方法4:妊娠検査の紙を「あのー…」   「…?」...
  • 餅を焼きませ
     ぬくぬくとコタツに当たりながら横になり、床のカーペットに片肘をついて、のんびりテレビなんぞを眺めていた俺は。 「お餅が焼けましたよ、会長」 「おう」  横合いから掛けられた声に、むくりと上体を起こした。差し出されたシンプルな白い皿には海苔で巻かれた、いわゆる磯辺餅がひとつ乗っている。  目と鼻の先に居るのだから直接手渡しても良さそうなものだが、こういった手順を踏まえるのが女の矜持なのだろうから、余計な口は挟むまい。賢明な俺はそう判断しておとなしく皿を受け取り、ほかほかの磯辺餅にかぶり付いた。香ばしい海苔がパリパリと口の中で音を立てる。うむ、この歯触りは出来立てだからこその楽しみで………うん?  微妙な違和感に、俺はコタツの隣の面に座るこの家の主、喜緑江美里の様子をちらりと盗み見た。彼女は既に、次の磯辺の作製に取り掛かっている。正方形の小さなコタツの大部分を占領しているホットプレート...
  • ふたり ~1 平日の寂しさ~
    ~1 平日の寂しさ~ 「ただいまー……」  誰もいない部屋にこだまするあたしの声。キョンはまだ帰ってないみたい。  まったく何処に寄り道してんのよ、あたしというものがありながら。  今日のご飯当番はあいつだから作る気にもなんない。っていうかキョンがいないとご飯の準備なんてする気にならないわよ。  早く帰って来なさいよ、バカ……。  いや、まさかこいつが来るとは思わなかったぜ。大学の正門で待ち構えて、よくハルヒに会わなかったな。 「骨が折れましたよ。涼宮さんから隠れつつあなたを探すのはね」  そう、超能力野郎が俺の目の前にいる。進学先も引っ越し先も教えてなかったのにな。 「進学先だけは学校で聞けましたよ。引っ越し先は未だにわかりません。涼宮さんの力で調べられなくてね」 「どういうことだ?」 「あなた達が二人で住んでいるのは知っています。その生活を誰にも邪魔されたくないと願っているんで...
  • 長門の日々 第4話『甘すぎる暴走』
    長門の日々 第4話『甘すぎる暴走』   いつもは一人寂しくあの坂道をヒーコラ言いながら下っているが、 なんと今日は一人ではない。長門がいる。 女子と肩を並べて下校する、なんてのは実に学生青春ドラマ的で、 俺だってそういう生活を夢に見なかったかというと嘘になる。 そして今、俺はその夢を実現させている。もちろん、楽しいに決まっている。   ――――が、しかし。 長門と二人だけなのに、まったく俺が話に加わることが出来ないのはなんでだろうね。 話に加わる、ということは俺の隣の長門は誰かと喋っていることになるよな。 だが、ここには俺と長門しかいない。少なくとも10m以内には。 長門が携帯で誰かと喋っている、という線も無い。 では、誰と喋っているのだろうか。   ……長門だ。 いや、もちろん長門はまるで電波な人のように一人で喋っているわけではない。 実際、長門は長門と喋っているのだ。 このなぞなぞ、解...
  • よっこらせっと
    ハルヒ「キョン、スキヤキするからお肉買ってきて」 キョン「…………」 ハルヒ「ちょっとキョン?きいてるの!?」 キョン「………ああ」 長門「……………」 キョン「よっこらせっと」 長門「理解した」 キョン「??」 ハルヒ「??じゃあとりあえず500円ね」 キョン「あ…あぁ」 バタン ハルヒ「ところで有希、何を理解したの?」 長門「……先程、彼が立ち上がったときに本当に言いたかったことは「よっこらせっと」ではない」 ハルヒ「じゃあなんだってゆうのよ」 長門「……」 ハルヒ「ちょ、ちょっと有希?なんでないてるの?」 長門「……なぜ」 ハルヒ「……有希?」   長門「……泣いている」 ハルヒ「…え?」 長門「私が泣いている…」 ハルヒ「……有希?」 長門「………一人にして」 ハルヒ「…………」 …バタン 長門「…私が泣いている」   有希はどうしちゃったんだろう…キョンが原因なのはわかってる...
  • 二年越し勘違い
    「お待ちどうさま。おそばが出来ましたよ」 「おう」  横になって眺めていたテレビ雑誌を放り出し、俺がコタツと正対するように座り直すと。目の前には既に、江美里がお盆から降ろしたほかほかと湯気の立つどんぶりが置かれていた。少量のねぎと天かす、あとはかまぼこが1枚乗っただけのシンプルなかけそばだ。 「では、さっそく頂こうか」  セーターからエプロンを外した江美里が着席するのも待ちきれず、俺は箸を手に取ると手繰ったそばにふうふうと息を掛け、一気にすすり上げた。うむ、うまい。 「ふふ、そんなに慌てなくてもおそばは逃げませんのに」 「そばは逃げなくても、時は逃げる。こういう物は出来たてをすぐに喰うのが、作った者への礼儀というものだ」 「まあ」  俺の返事に少しだけ表情を緩めながら、江美里もコタツの左隣の面で両手を合わせ、それから小さな口でするするとそばをすすった。 「うん、我ながらなかなか...
  • ポケットの中
    『ポケットの中』 困った。 宿題が、数学の問題がわからない。 週明けの授業では確実に当たる上に、小テストも実施するとか言ってやがったし、あの数学教師の野郎……。 昨日のうちに国木田にいろいろと聞いておけばよかったが、今日は家族とどこかに出かけるといっていたから教えてもらうこともできないし、谷口は俺と同じレベルのはずだからアテにはできん。 ハルヒに頼ると、宿題や勉強のことなどそっちのけで大騒ぎを始めるに決まっている。朝比奈さんは一学年上ではあるが、文系科目ならまだしも、数学は触れてはならない禁則事項の一つみたいだし、古泉に聞けば普通に教えてくれるだろうがなんとなく癪だ。ふん。 そう、こういうときはとてつもなく頼りになる上に安全・安心・人畜無害なスーパーアンドロイドの宇宙人にお願いするのが一番だ。ポイントを絞って、とい うか、必要最小限の言葉の範囲で教えてくれるので、俺としても覚えると...
  • Lost my love
    家に帰り着く頃には、すっかり暗くなっていた。 空を見上げても、星は見当たらない。 舞い降りてくるのは、私と同じ名を持つもの、ユキ。   『星空見上げ 私だけのヒカリ教えて あなたはいまどこで 誰といるのでしょう? 』   彼と涼宮ハルヒが付き合うことになったのは昨日。 最近では涼宮ハルヒの能力も衰え、世界も安定してきた。 彼と一緒に居られる時間も、あと少しなのだろうか? エラー、私の任務も、終わりが近づいてきているのだろうか。   『楽しくしてるコト思うと さみしくなって 一緒に観たシネマひとりきりで流す』   いつもならSOS団の活動があるはずだった今日、 活動の中止を伝える涼宮ハルヒの電話の声は、どこか弾んでいた。 きっと、彼とデートするのだろう。 エラー 気がつくと私は、街に出て一人映画を見ていた。 彼と一緒に見た映画。 エラー、エラー 前に小説で読んでいたものが映画化されたというこ...
  • 涼宮ハルヒのネコ
    今の季節は秋。 ある日、いつものように学校を終わらせ、SOS団室へ向かった。 ノックしたが、反応も無い…。 俺は、迷わずドアを開けた。 中に入ると、目の前にハルヒが寝てる。 うむ、道理で返事してなかった訳か…。 「全く…起こすか…」 少し溜息しながらハルヒを起こそうと…思ったのはいいが…。 俺、疲れてると思う。 想像してくれ、寝てるハルヒの後ろに本物の尻尾が生えてるし、頭に本物の猫耳が出てるし、おまけに猫耳がピクピク動いてる。 近くに、水無いのか? 周りを見ても無いので、便所へ行って顔洗い、戻って見ると…やっぱ猫耳と尻尾がある。 これは、どうしたものが…幻覚か!? 長門は、いない。 古泉は、いない。 朝比奈さんは、いない。 …そういえば、3人は用事があったな。 この状況はどう把握すればいい!? 助けて!スペランカー先生! …にしても、起こすべきか?起こさないべきか? もし起こしたとすれば...
  • 涼宮ハルヒの悲鳴
     真夏のある日のこと。  SOS団の活動もない休日の午後、エアコンの不調により、うだるような暑さに耐えかねた涼宮ハルヒは、涼を求めて酷暑日の街を彷徨っていた。 「涼み処の定番、図書館はやっぱり人でいっぱいだったか……」  街中で配られていた、どこかのマンションの広告が入った団扇で扇ぎながら、街中を歩く。 「そもそもSOS団団長たるあたしが、人と同じ発想で涼を求めててどうすんのよ……」  さすがのハルヒも、この暑さに思考が常人並みに変化していた。 「あぢぃ……」  コンビニエンスストアでは、ごく短時間しか留まれない。北口駅前のショッピングセンターでは、時間は潰せるが座る場所がない。 「あ゛~……もうこうなったら、環状線にでも乗りに行くか!?」  その路線は最寄りの駅からさほど遠くはないにしても、別に鉄ちゃんではないハルヒにとって、ただ列車に乗っているだけという行為は、到底耐えられる代物ではな...
  • 3 いつでも繋がってる
    ~3 いつでも繋がってる~ 「もう知らないわよ! バカキョン!」 「俺もしらねーよ、バカハルヒ! 文句あるなら出て行け!」  頭にきた! 出て行ってやるわ!  あたしは近くにあるコートを掴み、羽織ると外に駆け出した。  どこに行くんだって? 知らないわ。どっか行くのよ。ここは日本だから言葉も通じるし、お金も使える。  キョンなんか大ッキライ! 頼まれても戻ってあげないんだから!  うー……寒い。なんで今日に限ってこんなに寒いのよ。パジャマにコートだけじゃ寒すぎるわ。  自販機で温かいココアでも買おうっと。……あれ? 財布が無い。  そっか、あたしはコートしか持ってきてないから……やっぱり。携帯もないわ。  どーしよ、携帯はともかくお金が無いとどうしようもない。帰……らないわよ。  絶対に帰らない。あのバカが土下座するまでは絶対に帰ってあげないわ。  それにしても寒い。……家のドアの...
  • 朝比奈みくるのドッキリ大作戦!
    ※キョンの中の人が主役の某ジャンプアニメのパロディです  それを踏まえて、広い心で見てくだされば幸いです   SOS団の部室。そこには長門さんと古泉君の二人が居ました。   「そうですか……朝比奈さんは未来に……」 「そう。彼女はもうこの時代にはいないと思われる。」 「それはそれは……寂しくなりますねぇ。」   ププッ!プププッ!!聞きましたかみなさん!『この時代にはいないと思われる』だって!プププッ! あ、失礼しました。こんばんは、朝比奈みくるです。 え?未来に帰った?そんなワケないじゃないですかぁ!私は今、掃除用具入れの中にいます! 最近の私の部室でのSOS団の扱いはそりゃ酷いもんでした。 ハルキョンと長古の2カップルでイチャイチャしまくるわ、たまーに触れられると思ったらいじられるだけだわ…… みんな私のことを軽く見すぎています!だからここで、ドッキリをしかけることにし...
  • 涼宮ハルヒ無題3
    無限の命を刻んだ永遠の時間 宇宙に無数に存在する惑星 その中の一つに過ぎないこの星に生まれた命 何億と生きる人間の中の一つの私 なんのためにこの星に生まれたのか なんのためにこうして生きているのか   誰もその答えを知らない   ふと怖くなり顔を上げる   放課後の部室 誰もいない静寂   無数に存在する命 しかし私を知っているのはそのわずか   怖くなる   孤独? 恐怖?   心が痛い とても苦しい   私は、サミシイ   まるで自分が世界に取り残されたような感覚 誰一人私を必要としていない   ―――――ヤダ!   なんで誰もいないの? キョン?有希?みくるちゃん?古泉くん?   部室のドアに手をかける しかしそれは開かない   ドアは開かない   なんで? ここから出して! ここから出たいの!   助けて! 私はここよ?   誰か!   キョン!   ―――――カタン   ふと...
  • コーヒーシリーズ
    [涼宮ハルヒ編]    朝起きるとハルヒが台所でコーヒーを煎れていた。おはよう、と朝の常套句を口にしながら俺はベッドから起き上がってハルヒの隣に並ぶ。 「あら別にまだ寝てていいのよ。今日は日曜だしね。コーヒーなら今持ってくし」    未だ寝ぼけ眼の俺は薄い意識の中で確かに俺が特にやれることはないと判断し、そうか悪いな、と言ってまたベッドに座る。    まもなくかちゃかちゃと静かな金属音を響かせながら両手にコーヒーを持ってきたハルヒは俺の横に座り片方のコーヒーを俺に差し出す。    コーヒーを飲むと体が内側から暖かくなっていく気がする。毎朝の習慣になってしまったこの短い二人のお茶会がなくては俺の朝は始まらないと言っても過言では無いと思う。 「新しい一日の始まりね」    ハルヒは穏やかに言ってカップに口をつけた。 「そうだな。新しい一日の始まりだ」    俺は穏やかに言ってカップに口をつ...
  • キョン1/2  ハルヒ編
    放課後部室で俺と古泉がオセロをし、長門が窓際で読書、 朝比奈さんがお茶の用意をしていると俺より先に教室を出たはずのハルヒが ドアから勢い良く登場した。そのままズカズカと入り込んで団長席に腰掛けると、 ぐるっと椅子を回して古泉に視線を向けた。 ハルヒの表情は新しい獲物を見つけたようにギラギラと輝いている。 あー嫌な予感がする。 「ねぇ古泉くん、土曜日川岸近くの遊歩道で一緒に歩いてた子って誰?  手繋いでたみたいだったけど、ひょっとして彼女?」 土曜日っていうと俺が古泉に頼まれて彼方此方振り回されてた日だな。 女になってショッピングしたり、昼飯食べたり、 狙撃されて逃げ回ったりと散々な目に遭った。 遊歩道ではクレープを食ったりしたな。食べ終わる前に襲撃されて、 古泉が慌てて俺の手を掴んで――ってソレ俺じゃねーか! 「御覧になっていたのですか」 少し驚いた顔をしてハルヒを見る古泉。 そりゃそうだ...
  • ユキは好き?
    その日は今年一番の寒波が到来しているとかで、学校創立以来の古さを誇る旧館、つま りSOS団が間借りしている文芸部の部室は、電気ストーブの弱々しい熱風では太刀打ち できないほどの寒さに覆われていた。 朝比奈さんが淹れてくれたお茶も、すぐに冷めてしうほどの寒さ。窓の外を見れば、雪 こそ降っていないものの、分厚い雲に覆われている。 そんな日に限って、今日は特にやることがない。平和と言えば平和な、暇を持て余 して行くところもない学生が、部室でぼんやりしている風景が広がっていた。   「どうかしましたか?」 窓の外に目を向けていたキョンに、チェスの対戦相手をしていた古泉一樹が声をかけた。 「いんや、そろそろ降ってきそうだなと思ってな」   チェス盤に視線を戻し、ルークをE-5に移動。今度は古泉が長考に入り、それを見計ら ってお茶に手を伸ばす。部室に入ってきたときに朝比奈みくるに煎れてもらったが、すっ...
  • 朝倉涼子と長門有希の日常
    暮れてゆく年 去年よりものの増えた部屋 窓から見える変わらぬ景色 空から降り行く無数の粉雪 あの人から、あの人たちからもらったたくさんの大切なもの 言葉にはできないけど、とても大切なもの 私は私の部屋でゆっくりと感じていた - ピンポーン - 突如鳴り響く来訪者のベル 私はゆっくり席を立ち、来訪者を迎え入れた 「おでんできたから一緒に食べましょ?晩御飯はまだだよね?」 「まだ」 前のような偽りではない笑顔 紺色の長い髪 朝倉涼子を、部屋に招きいれる             If Story - 朝倉涼子と長門有希の日常 - ……… …… … 「相変わらず、殺風景な部屋ね」 「そう」 朝倉涼子は部屋を見渡し、呆れる様に語る 「ま、キョン君が来てから多少物は増えたかな」 クスクスと笑ってコタツの上におでんの入った鍋を置いた 私は台所から二人分の食器を運んでく...
  • 長門有希とお酒
    それは冬も寒さが増してきてもうすぐ冬休みだ、と期待している俺に立ちはだかる期末試験の壁を越えようとしているとき出来事だ。   俺は放課後にSOS団の部室で勉強をしている。分からないところがあっても万能な仲間たちに教えてもらえるし、天使に入れてもらったお茶を飲みながら勉強することができる。 その上勉強の邪魔になる物はほとんど無く、また集中していなかったり他の事をしているとハルヒが激怒してくるため俺は仕方無しにも集中し、それが良い結果をもたらす事が分かっているためだ。 強制労働のように勉強させられている。しかし頭には凄い入ってくる。少し寒いのが難点だがこの勉強場所は最高だと思っている。もっとも試験期間以外は勉強はしたくないが。   期末試験はすでに始まっていて、残すところあと3日、7科目という状況で本日も3教科の試験を受けて残すところあと4教科となった放課後、いつも通り文芸室で俺は勉強...
  • 長編・キョン3
    スリーウィーク 鈍感な二人と、その幸せを願う人達の話 白銀の残雪 夏色 メタ・ラブコメディ ROLE PLAY あなたを守りたい(BadEnd) バカップル日記 夏風のコンチェルト タイムリミット some day in the rain another story 明日晴れかな 女の子 移りかわる時間、いつかの記憶 mirror 涼宮ハルヒのロバ ヒーロー クラスメイト キョンの選択(Bad End注意) ポニーテールの秘密 エイリアンズ 未完? カエル男 ホワイトデー前後の物語 人生最悪の三日間 バミューダの外側 結末は空港で 人生最悪の四日間 一年前からの気持ち 夢のような世界? パンフレット ウソがホントになる世界で 遊園地に行こう! 二年前のValentine(佐々キョン) 冗談まみれの勉強会 涼宮ハルヒの放課 涼宮ハルヒのひなた荘 開花予想(旧題:桜) 動物園に行こう! デート...
  • ハルヒがニート略してハルヒニートその1
      キョン「ただいま」    西暦20XX年、俺は高校を卒業してそこそこのレベルの大学に受かり、卒業してから就職、現在は毎日定時に会社に行って働く毎日だ。  まあ普通社会人ってのはすべからくそうしてこの日本経済の歯車的活動の一環を担って生きていくものだが、ここにその例から外れた存在がいた。   ハルヒ「おかえり、今日の晩御飯なに?」    普通、家にずっといて、しかも働いて帰ってきた奴に対して言う台詞じゃあない。「おかえりなさい。ご飯にする? お風呂にする?」というのが相場だろう。  だがこいつがいまだかつて俺の帰宅を暖かい風呂や飯をこしらえて待っていたことなど一度としてない。   ハルヒ「あ、レベル上がった!」    おそらく今日もまた一日中ずっと座りっぱなしだったと思われるパソコンデスクに腰を下ろしたままハルヒが言った。  画面に映し出されているのはオンラインのRPGゲー...
  • 長門有希の小説
    それはなんでもないいつもの会話から始まった。ここはSOS団の部室で、谷口も国木田も休んだ俺は1人で教室で弁当を食べることが恥ずかしくて逃げてきたんだ。 そしたら長門が本を読んでいて、弁当を食べ終わった俺は無意識に話しかけていた。   「長門、その本は面白いのか?」 「ユニーク。」   まさにいつもの会話だと思う。ここまでは。 なにせ前にも同じような会話をした記憶があるしな。しかし何も考えていない今日の俺は一味違う。   「たまには違ったジャンルの本でも読んでみたらどうだ?」 「……?」   長門は数ミリ首を傾げて、何を言ってるのか分からない、というような表情を俺に仕向けてきた。 俺は少し考えて言った。   「恋愛物の小説でも読んでみたらどうだ? 人間の『恋愛をする』って感情がわかるかもしれないぞ?」 「そう。」 「それに恋愛小説ってのは曖昧な感情を意外と的確な表現で表してくるからな。情報の...
  • ひぐらしのなくハルヒ
    今日までの出来事が全て、夢だったらいいのになって何度も思った。 だから、書いてみた。書いて夢になると信じて。   ほら、よく漫画の中の夢にあるじゃない? 私の目の前に食べきれないほどのお菓子が積み上げてあって、 それに手を伸ばし、まさに食らいつこうというところで、 無粋に起こされて目を覚ますの。   それはとてつもなく長い長い夢で、 私は1年以上も眠っていたことになっている。   そう。 私は、退屈の野球試合のあと、有頂天に駆け出して、 赤信号の横断歩道に踊り出して、バイクにはねられてしまった。 それでずっとずっと1年以上も意識が戻らなくて、 ようやく、目が覚めるの。   まぶたを開けた時、そこには病院の天井が飛び込んでくる。 それから、ずっと看病しててくれたキョンが覗き込んでくれて…。 あははは。さすがにこれは出来すぎか。   でも、いいよね? こういうことにしてもいいよね?   生...
  • 涼宮ハルヒの自覚 「結」
    「ちょっと……どういうことよ、記憶を消去するって!」 「言葉の通り。あなたの能力は自覚するにはあなたの精神への負担が大きすぎる。  故に、このことを忘れ自覚してない状態に戻すのが適切と判断した。」 「でも……でもそれじゃあ、今までと変わらないじゃないの!」   確かにな。ハルヒの能力が消えるわけじゃない。 ハルヒ自身が忘れるだけで、神懸り的な能力も閉鎖空間もそのままだ。 だが……   「いいんじゃないのか?それで。」   自然に口から出た言葉。これは俺の本心だ。   「これは俺自身の勝手な考えだがな、ハルヒ。俺はお前に振り回される日々、嫌いじゃないんだぜ?  能力的な面でも、そうでない部分でもだ。  お前、自分の役職言ってみろよ。」 「……SOS団の、団長……」 「だろ?お前普段から言ってるじゃないか。団長について来い、ってさ。  お前は自分の周りのヤツらを振り回すぐらいで丁度いいのさ。」...
  • 人生最悪の三日間 エピローグ
    恒例のベッドの横での目覚め。 どうやら俺は無事にこの世界まで帰ってこれたようだ。 それにしても、俺は何をした? ハルヒにまたキスしたような気がするんだが、これは夢か? 夢であってくれ。というか、夢でも嫌だ。フロイト先生も相手にしてくれない。 手の届くところに消火器かコンバットマグナムがあったら躊躇うことなく俺は自決しているだろう。 ……まあ、躊躇わないってことは無いか。   人間が夢を見るのは基本的にレム睡眠のときだけだ。 平均八時間の睡眠時間の中でも、レム睡眠はごくわずか、一、二時間程度だ。 レム睡眠の世界最長記録は3時間8分。気になる方は2000年版のギネスブックを見るといい。 俺は何時間の間、この恐怖の体験をしただろうか。 答えは76時間と14分。俺は三日間も寝てたのか? いや、レム睡眠だけで3日だから睡眠時間は8倍の24日か? どうやら俺の名がギネスブックに記される日はそう遠くはな...
  • サムデイ・イン・ザ・レイン(While Kyon was sleeping)
    「たっだいまー!!」   部室の扉を開けると、中で読書をしてた有希がゆっくり顔をこっちに向ける。 相変わらずの無表情だけど、それが有希の、おかえりなさいの合図。 中をよく見たら、キョンもいるじゃないの。・・・って   「あれ?キョン?・・・寝てるの?」   北高女子生徒用のカーディガンを羽織り(あ、足元に電気ストーブ。早速自分で使ってるわね)、 長机の上に両腕を枕代わりにして、寝息を立ててる。 さっき有希を見た時違和感を感じたと思ったら、これだったのか。   「カーディガン貸してあげたの?キョンなんかに優しくしちゃだめよ、有希」   有希は目線を本に向けたまま、何も言わなかった。   目線をキョンに戻す。授業中寝てる時の後ろ姿そのまんまね。 それにしても孤島に行った時もそうだったけど、コイツけっこうすぐ寝るわよね、どこででも。 おまけに団長であるあたしが帰ってきたのに、寝たままなんていい度...
  • みくるの反抗(仮)
    ※グロ・BAD END注意   ここは部室。 今日もいつものようにハルヒのいいように扱われているみくる。 「みくるちゃん、お茶」   「…はい、ただいま」 そういうとみくるは、ハルヒにお茶をいれて、渡した。 しかし、みくるは心の中で嫌なものは嫌とはっきり言いたいと、強く思っていた。 次第に彼女をこき使うハルヒの態度に、憎しみを抱くようになった。 それがついに爆発するときが来る。   その数分後。 「みくるちゃん、これ着けてみようか」 そういってハルヒが袋から取り出したのは、スクール水着だった。 みくるは思い切って彼女に言った。 「着けたくありません」 その一言に彼女の動きはピタリとやみ、 態度と表情が変わった。 どす黒い声で、 「なんですって? もう一度言ってみなさいよ」 「だから、着けたくありま…」 「ふざけないで!!私は団長よ!!はっきり言うわ!! あんたに自由なんてない!! 認めな...
  • 朝比奈みくるの生活
    最近、朝比奈さんの様子が変だ。 部室で、出したお茶を俺達が飲むのをぼぅっと見ていたり、 部活が終わった帰り道、ハルヒが買い食いしているのを凝視したりしている。何故だ? ある日の帰り道、いつも通りの集団下校中に小腹が空いた俺はコンビニで肉まんを 買って食べ始めた。すると、やはり朝比奈さんが非常に切迫した表情で俺を、というか 肉まんを見つめている。 『食います?』 思い切って肉まんを半分に割って差し出すと、朝比奈さんは「え、あの…」 としばらく戸惑った後、「ありがとうございましゅ…」と蚊の鳴くような声で肉まんを受け取り、 しばらく見つめていたと思ったのもつかの間、瞬く間にその半分の肉まんを飲み込んでしまった。 何かあるな、と察した俺はその場では事情を質さず、まあ後で長門経由か何かで聞けばいいか、 と考えていた所、思いもよらず朝比奈さんの方から耳打ちされた。 「今日、この後、わたしの部屋に来てく...
  • 胡蝶の夢
    『抜け殻』シリーズ、『羽化』の続きになります。   ===== 『胡蝶の夢』 「なによ、あんた『来れない』ってどういうことよ!」 「だから、ちょっと親戚の法事にだな……」 「SOS団の活動より法事を優先するつもり? それにせっかく有希のいとこちゃんが来てくれるって言うのに」 「だから、すまん。今回はどうしても……」 「……うん、まぁ、いいわ。家庭の都合であれば仕方ないわね。あたしもそこまで無理を言うつもりはないわ。でも、次は必ず来なさいよ。でないと死刑よ。い い?」 ハルヒはちらっと横を見ると、 「有希からも言ってやって」 「次は来て」 いつものように分厚い本から顔を上げた長門は、俺の目をじっと見据えてそっと言った。 「死刑だから」 「な、長門……」 こいつ、全ての事情を知った上でそこまで言うつもりかよ。なかなかやるじゃないか、この有機アンドロイド。 うつむいて再び読書に戻った長門の短...
  • 長門の湯
    『長門の湯』 なに、給湯器が壊れたから風呂には入れないだって。 なんてことだ、一日の疲れを癒すべくささやかな楽しみにしていた風呂に入れないとは、許しがたい暴挙だ、責任者、出て来い! と、ぼやいたところでどうしようもないが、ぼやかせてくれ。 「キョンくーん、行こうよー」 しかも、妹を連れて銭湯に行け、とは、うちの親も無茶なことをいう。なんだかんだ言ってもあの妹だって、すでに男湯には入れないような年頃だから、なにも俺が連れて行くこともなかろうに。 まぁ、いいか。たまには銭湯の大きな湯船にゆっくりつかるのもいいだろう。 そういえば、銭湯などというものには長らく行ったことがなかった。昔行ったはずの近所の銭湯も当然のように廃業して今はマンションが建っている。 しかたなく俺は、初めて銭湯に行くことにやたらとうきうきしている妹を連れて少し離れたところで今も営業をしている銭湯に向かってチャリンコを転...
  • 長門vs周防、再び
     (※長門vs周防のつづきです)     うだるような暑さが、じりじりと肌を焼く。すっかり梅雨もあがり、本格的な夏が到来したのだ。 俺は汗をだらだら流しながら、だるい身体を引きずるように公園の並木通りを歩いていた。妹にジャンケンで敗北し、コンビニへアイスを買いに行くはめになったのだ。あそこでグーさえ出さなけりゃ。グーさえ出さなけりゃ。 あつい…。 ボーっとする頭の中で後悔の念がぐるぐるサーキットのように回り続ける。ため息をもらした俺は、流れる汗を手でぬぐい、空になったコーラの缶を公園のゴミ箱へ放り込んだ。 ふと、ゴミ箱に目をやる。なんだ、あのゴミ箱からはみ出ている棒は? ゴミ箱からにゅっと突き出ている白い2本の棒が妙に気になり、俺はゴミ箱に近づいた。なんだこりゃ。マネキンの足じゃないか。 まったく。どこの誰だかしらないが、公園のゴミ箱にマネキンを捨てるなんて。まあ路上に放置したり川に流...
  • 眠気と休日~キョンと長門編~
    今、俺はとても貴重な体験をしている。場所は図書館。 何かって?長門有希が俺の膝の上で寝てるのさ。俺の考えた作戦がこうもハマるとはな。 軽い解説をしてみようか。 昨日、うちの親は所用で親戚の所へ泊まり行くことに。 俺と妹が留守番の予定だったが、俺は谷口と一緒に国木田の家に泊まりに行く予定があったわけだ。 つまり、妹を誰かに預けなければならない。…そこで俺は考えた。 妹を預けると確実に一晩中遊び続けるだろう。つまり寝れない。 宇宙人は寝なかった時、どんな状態になるのか!! とまあ、チャチな実験番組のようなことをしようと思ったわけだ。 長門は妹を快く受け入れて、見事に寝ることの出来ないまま、集合場所にきた。 まず、変化が見られたのは午前中。俺はハルヒと長門と三人になったのだが……長門が石につまづき「……あ。」などと声をだしたり、俺達二人に歩くスピードで遅れを取ったりしたわけだ。 ハルヒもさす...
  • 素直になれたら
      あの二人がついに結婚か・・・ タクシーで移動中、俺はふと横に目をやる。 肩にもたれかかるようにして長門が寝息を立てている。 俺と長門は今幸せだ。 長門は思念体からハルヒ観察の功績を称えられ、人間と変わらない体にしてもらった。 そして、俺らは結婚した。 今日はあの日々を共に過ごした男―古泉の結婚式の日だ。 相手は対立していた機関の橘。こいつらが和解したのは最後の閉鎖空間が消滅した後の事 俺たちが、高校を卒業する間際。ハルヒが大規模な閉鎖空間を発生させた。 原因は俺だった。またくだらないことで口論となり、つい手が出てしまった。 ハルヒはその時泣きながら部室を出て行った。 急いで朝比奈さんと長門がなだめに行ったが遅かった。 口論理由はコーヒーは豆から挽くか、インスタントか。 ミルクを入れるか牛乳を入れるか・・・こんな話だった気がする   古泉「閉鎖空間が発生しました。すでに機関の仲間が数...
  • 渋皮やさしく剥いたなら
     ついこないだまで、汗だくで通学ハイキングコースを行き来してた覚えがあるんだがな。季節の移り変わりってのはまったく感知しがたいもんだ。  寒空の下、路肩に自転車を停めて白い息を吐いた俺は、サドルに腰掛けたまま片手の手袋を外した。取り出した携帯のボタンをピッと押して、一軒家の2階の窓を見上げながらコール音を聞く。2回目…3回目…4…。 「何よ、キョン!? いきなり電話してきたりして!」  もしもしの挨拶も無しか。相変わらずだな、ハルヒ。まあ、昨日の不思議探索から1日で変貌されても困るんだが。 「ん、ちょっと渡したい物があってな。実はもうお前ん家の前まで来てる」  俺がそう伝えると、見上げている窓のカーテンの横に、驚き呆れたような顔が現れた。 「ったく、突然すぎるじゃない…」  スウェットパンツとトレーナーにカーディガンを羽織った思いっきり普段着な姿で、ハルヒはぶつぶつ不平を垂れ...
  • キョンは歴史に欠かせない人物でした プロローグ
    春。 高校卒業後、俺たちは皆大学に進んだ。 残念ながら、ハルヒの力はまだまだ健在らしい。  ハルヒと長門は一緒に東京大学。いわゆる東大に通っているらしい。さすがと言えばさすがだが・・・。 なぜ、授業を寝ていた奴が東大なんていけるんだ?と聞いた俺に帰ってきた返答はこうだ。 「あんたとは頭の中身が違うのよ!あんたは神様にでも頼んで永遠に服従しますとでも言わないと無理ね」 などと、言ってきた。・・・ツッコミ所は腐るほどあるが、それだけは断固拒否する。 ハルヒに服従なんてできるか。 くそ。忌々しい。あー忌々しい。  それと朝比奈さんは、カナダの大学に行くということになったらしい。 未来へ帰ったのか?ハルヒの力はあるというに。にしても、なぜカナダなのだろうか・・・。 朝倉もいるんだよな・・・ハルヒは信じているから本当にいるのかもしれないな。人間として。  古泉は県内の国立大学に進んだ。くそ。なぜみん...
  • 羽化
    『抜け殻』シリーズの続きです。 『抜け殻』『脱皮』『小箱』『空蝉』の順にどうぞ。 ======== 『羽化』 「キョンくーん、早く掃除しないとお母さんに怒られるよー」 年末を迎えて、母親からの大掃除プレッシャーを素直にスルーしてくる妹の言葉を軽く無視しながら、俺は、最低限、机の周りぐらいはきれいにしておこうとしていた。 別に勉強をばりばりやったから机の周りが散らかっているわけではないが、少なくともここだけをこぎれいにしておけば、母親が安心することは、俺の学習の範囲内だ。 というわけで、あちこちを片付けつつ、机の引き出しを開けて雑多なガラクタ類を奥の方から引っ張り出してみた。と、そこに出てきたのは四つのカラフルな小箱――――。 「ぐっ、こ、これかぁ……」 そう、それは、情報統合思念体の対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースの体表保護皮膜、早い話が、長門と喜緑さ...
  • DistorteD-Answers 第二周期
     これは脱出ゲームか、サバイバルゲームか。  そんなことはどうでもいい。  早くここから出して欲しい。  第2周期 VISION  鉄。  機関銃という名称をもつ鉄。  一瞬でヒトを屍というモノに変えてしまうことのできる鉄。  恐ろしい鉄の塊を、僕は両手で大事に抱えていた。  こんな恐ろしい武器を、僕は心の拠り所としていたのだ。  とてつもない殺傷力が、僕を守ってくれる唯一のものだとさえ思っていた。  軽機関銃の部類なのだろうけれども、ずっしりと重たい鉄の塊であることには変わりはない。  そんな重たいものを持っているため、歩くペースは遅くなっている。  患者服を着て機関銃を持つという何とも奇妙な姿で、見た目は病院である謎の施設の中をさまよっていた。  ここはどこなのか。一体ここで何が起こっているのか。僕には何も分からなかった。  『分からない』。今の僕に分かることはそれだけだった。 ...
  • グラップラーハルヒ
    あの閉鎖空間から帰還して数日たったある日のこと・・・   キョン「ん、なんかとなりが騒がしいな」   授業中に突然、なにかを叩きつけたような音がとなりから響いてきた。   ハルヒ「ねえキョン!なんか面白そうなことが起きてるんじゃない?」   後ろからハルヒがオレに耳打ちしてくる。   キョン「スズメバチかなんかが教室に入ってきてパニックになってるだけじゃねえか?」 ハルヒ「アンタってホント夢がないのね」   ハルヒはそういうと視線を窓の外に移した。つられてオレもなにげなく外を見ると・・・!?   キョン「なんだありゃ!?」   オレは自分の目を疑った。なんと、ガタイのいい白人がとなりのクラスの窓から 飛び降りていったのだ。一体なにが起きたんだ・・・!?   ハルヒ「ちょっとキョン!今の見た!?」 キョン「・・・お前も見たのか?」 ハルヒ「今飛び降りてったの、たぶん外人よね!?なにやら事件の...
  • 10月8日、曇りのち雨 後編8
    「…ねぇ、キョン。ずーっと思ってたんだけど。これは夢なの?」 「…夢…っつーか、現実っつーか。その間みたいなモンだな。俺にもよく分からん。詳しい事は古泉に聞け」 「なんでそこで古泉君が出てくるのよ?」 「色々あるらしいぞ。俺には分からんが」 「…ふーん。…じゃあもしかして、あんた今日のコト覚えて無いの?」 「いや、覚えてるさ。…前にここに来た時の事、お前だって覚えてたろ?」 「…あ。じゃあポニーテール萌えなんだ、とか恥ずかしいコト言ってたの、アレも夢じゃなかったのね?」 「……そうなるな」 「…あの後もあんた、あたしにキスした」 「…う。あれは…だな。そうしなきゃならなかったっつーか…なんつーか」 「いいわよ、慌てなくて。…あたしだって、嬉しかったんだし」 「…光栄だね」 「でも…良かった。せっかくこうなれたのに無かった事にされちゃたまんないわ」 「…俺だってそう...
  • 台風一過のハレの日に:第一章
    『台風一過のハレの日に』       ○ 第一章:再会   「その節はいろいろとお世話になりました」 そう言って、長門のリビングのコタツ机の向こう側に座っているこゆきはにっこりと微笑みながら小さく頭を下げた。   マンションの前の通りで久々の再会を果たした俺たちは、ひとまず長門の部屋にやってきた。 ちょっと大きめのコタツ机以外には家具の無い相変わらず殺風景なリビングに、宇宙人製アンドロイドと、小柄な液体宇宙人と、なんの変哲も無い平凡な地球人が集まった。 数ヶ月前、梅雨時の退屈を持て余したハルヒの「雨の中から宇宙人が降ってこないかしら」という願望をきっかけにして、地球上に分散していた液状化分散集合生命体がこの周辺に降り注ぐ雨として集まった。 長門の力も使いつつ、その雨水をためたここの浴槽の中からすっと立ち上がったこゆきの姿を初めて見たときは本当に驚かされたことをはっきりと覚えている。 今、久...
  • 田舎ライブス―キョン×キョン子―
     低い山々に囲まれた盆地には見渡すかぎり水田が広がっていた。時折吹く風が、まだ青い稲穂を揺らす。  頂点に昇ったばかりの太陽はぎらぎらと地上に降り注いでいた。  そんな中、水田を切り裂くように真直ぐ伸びた細い道を俺と妹を乗せたライトバンはかなりの速度を出して走っていた。 「スピード出し過ぎじゃないですか?」  俺が尋ねている間にも赤丸で四十キロと書かれた標識が一瞬で後方に流れていった。 「なんこんくらい普通たい。慣れとるけん心配せんちゃよかよ」  運転する伯母は自信たっぷりにそう言ったのだが、さっきの標識の下には真新しい花束やら缶ジュースが置かれていて俺をゾっとさせた。  ちなみに伯母が訛っているのはここが熊本だからであり、俺とすっかり眠っている妹は帰省の最中であった。両親は仕事の都合上、遅れてやって来ることになっている。  さて、そうこうしている内に水田は切れて、ブロック塀に囲まれた路...
  • 壊れたパズル
    小春日和の一日が終わり、校舎の影がこの部室の一番奥まで届いています。 彼岸花のように燃える夕日がとても綺麗な、秋の夕暮れ。 私は一人この部室に佇んで、彼がやってくるのを待ち続けています。 今日も彼は、影をもとめて、この学校内をさまよい続け、 傷ついた小鳥が巣に帰るように、最後にこの部室へとやって来るのです。 そして、ひび割れたガラス細工が壊れないようそっと彼を包み込み、 彼を見守るのが今の私の役目。 廊下から響く足音が私に、彼の帰りを知らせます。 願わくば、いつも通りの彼でありますように―― コンコンと短く響くドアの音。 よかった……いつもの彼のみたいです…… 「はぁいどうぞ」 ドアを開ける彼。いつもの微笑みを私に見せてくれました。 「あ、あれ?朝比奈さんだけですか?長門と古泉は?」 「ええ、長門さんと古泉君はもう先に帰っちゃいました。私だけじゃ不満でしたか?」 ...
  • 未来の過去の話 1話
    文字サイズ小で上手く表示されると思います    全身を包む柔らかく暖かな液体、そこは何一つ危険の無い穏やかな場所。  この上ない安らぎの中で私は生きていた。  時折、私がいる場所を外から誰かがそっと押す事があった。  それが誰なのかを知りたくて、私は押されている場所を押し返してみる。  すると―― 「あ、起きてるのね。……ふふ、元気かな? ママですよ~」  優しい声が私の居る空間に直接響いてくる。  その声を聞くと何故か私は嬉しかった。 「あ~もう、早く会いたいわ」 「どんな子なのかな?」  自分をママだと言うその人は、私に何度も何度も話しかけてくれる。  その内容の殆どは意味がわからなかったけれど、ママの声を聞けるだけで私は満足だった。  けれど―― 「ふぅただいま」  ママとは違う、低い声。 「遅い! 罰金!」 「……その口癖、いい加減にどうにかしないか? 俺の小遣いが残ってないのは...
  • Am I father ? 第四章外伝~洗浄×戦場×扇情~
      「なあ長門。この話はなんなんだ?本編も終わってないのに外伝か?」 「この話は作者が本編で行き詰まり、ついカッとなってやったもの」 「後悔はしてないんだな?」 「・・・微妙にしている。それに連載中の外伝なら他にも例があるから大丈夫。例を挙げえるなら範馬刃牙10.5」 「苦しいな。それは言い訳か?」 「言い訳」 「それで、これはどんな話なんだ?」 「これはあなたが後日に回すと言って誤魔化した部分の話」 「おいおい、別に誤魔化したわけじゃ・・・ってアレを話すのか!?」 「前後の話が気になるなら四章後半を読むことを推奨する」 「人の話を聞けよっ!俺の立場がやばくなるって!」 「それでは・・・・・・どうぞ」 「・・・はぁ。もうどうでもいいや」   脱衣所に着いたとたん、朝倉(小)は我が妹のように一気にスポーンと服を脱ぐと体当たりをするかのように風呂場のドアを開けてその勢いのまま浴槽...
  • 脱皮
    『抜け殻』の続きです   ======== 『脱皮』     日曜日の夜はなんとなくメランコリー、明日からはまた学校だ。朝比奈さんプレゼンツの華麗なる放課後ティータイムまでは、背後からのシャーペンツンツン攻撃も含めて、頭のいたい授業が続く一週間が再開される。 夜十一時を過ぎて、妹も寝たようだ。そろそろ突然俺の部屋に飛び込んでくるのはやめて欲しいのだが、優しい兄貴としては、そんなことがなくなってしまう日々が来るのは少し寂しくもある。   机の引き出しを開ける。今日、長門が置いていった長門の抜け殻の入った小箱を取り出した。それにしても、付き合い始めてそこそこの時間が経っているが、宇宙人の有機アンドロイドには謎が多い。まさかここにきて脱皮するとは思わなかった。 箱の蓋を開ける。目に入る薄い肌色の小さな物体を右手でつまんで取り出す。軽くて滑らかな手触りを確認して床にそっと置くと、パタパタという感じ...
  • @wiki全体から「『コタツから出たら』」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索