涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「『朝までこのまま』」で検索した結果

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  • fly me to the moon(ffeatコーヒーふたつ)
    「じゃあな、ハルヒ。また明日、だ!」 うん、気を付けて帰るのよっ! ふと、公園の時計台を見あげると、もう九時近くになっていた。 これから帰るんだから・・・キョンが家に着くのは・・・十時近くかしら。 なんとなく、キョンが去っていった方向を振り返って見る。 いつも、ありがとう。 少しだけ呟いて、ハッとする! 何よ、アタシったら!まったく・・・ガラにもない・・・ 顔全体から耳たぶまで熱くなって、意味もなくアタシは家まで走った。 顔・・・というよりは頭の熱りが冷めないうちに、家には着いてしまった。 無理もないわね。 キョンがいつも送ってくれる公園は、アタシん家のすぐ傍なんだから。 玄関に近づくと、アタシは忍び足になる。 向かいのオバチャンが最近煩いのよね! 「最近、ハルヒちゃんの帰りが遅い」とか「男の子とお付き合いでも始めたのかしら」ってね。 もちろん、アタシに直接言ってくる訳じ...
  • SS企画『冬』用・感想所
    クリスマスの少女に感慨無量。マジ泣きかけました。 -- 名無しさん (2007-01-22 19 39 16) 投票っていつからなのかな? -- 名無しさん (2007-01-22 21 06 44) コタツを出たらが和むなぁ・・・ニヤニヤがとまりませんww -- 名無しさん (2007-01-22 22 48 01) 「コタツを出たら」放屁でくるとは予想GUYだった。その布団をめくったら、阿鼻叫喚の地獄絵図ぞ。 -- 名無しさん (2007-01-22 23 44 02) 古泉普通にカッコいいな。きれいなお姉さんにドギマギするのがよかった。 -- 名無しさん (2007-01-23 00 16 05) 森さんに萌えた。 -- 名無しさん (2007-01-23 11 42 50) 古泉の淡いラブロマンスwに萌えた。 でもぶっちゃけ夏のほうがよk(ry ...
  • キョン100%(1)
    3学期も始まりそろそろ春も近くに感じ始めたある日のこと。 俺はまた新たな懸案事項を抱えていた。 この日は昼休みの何気ない谷口との会話から始まった。 「なぁキョン。おまえ深夜アニメとか最近観てるか?」 「いや、観てねえよ。夜は寝るのが一番だ。」 「俺は昨日観たんだがどうも最近のアニメは現実離れしすぎてる。俺が昨日観たやつなんて主人公の男が美女にモテモテって話でよぉ、しかも女が積極的ときたもんだ。」 「そうかい」 谷口のこんなどうでもいい話、この時谷口に詳しく聞いておけばこの日は平穏に過ごすことができたかもしれない。 谷口との何気ない会話を終えた俺は何故か無性に散歩がしたくなり校内を歩き始めた。 明日は土曜日だ。今日は夜更かしでもするか。などと連休のプランを考えながら歩いてると俺はいつの間にか部室の前に来ていた。 ふと長門のことを考えながら開けるとそこにはやはり椅子に腰かけ膝の上で分厚い...
  • 涼宮ハルヒの仮入部~野球部編~
    俺は春休み前から思っていた。 高校に入ったら、自分を変えてみようと。 ただ、決心するのはまだかかりそうだ。 なんたって、野球部に入ったのはいいが、俺はいまだにロングヘアーだからな。 まあ、男の場合はロン毛と略したほうがあってるかもしれない。 とりあえず、ピアスは外した。 しかし、まだ坊主にする勇気がもてなく、いまだにロン毛だ。 どうやら、仮入部中は坊主にしなくていいらしいので、まだ仮入部の状態。 そろそろ、切ろうとは思うのだが・・・。 ところで、今俺は先輩達がバシバシ放つボールを拾っている。つまり、球拾いだ。 ありきたりすぎる。しかも、ここ何日かずっと。 と、そんな俺の横にいるのは、今日仮入部してきた、俺と同じクラスの女の子、 涼宮ハルヒ 普通、他人がどんな自己紹介をしたかなんてすぐに忘れてしまうだろうが、この子の自己紹介はすこし衝撃的。 後、10年は忘れそうにない。 ところで、...
  • 「カレンダー」
    カレンダー(H-side)   「キョン、そこ間違ってる。」 「何処だ?」 「ここよ、ここ。」 「ああ、そこか。」   俺は今、自宅の自分の部屋でハルヒの監視の下、数学の小テストの勉強を させられている。もちろんハルヒの命令である。因みに何故場所が俺の家 なのかというと、ハルヒが前回同様ホームルーム終了後に教室でやろうとしたのを、 クラスのやつらの視線が痛いからそれだけは勘弁してくれと説得したら、 「しかたないわね、だったら団活終了後あんたの家ね。」 とハルヒが言い出しやがったからであり、間違っても俺が勉強を口実に ハルヒを家に呼んだわけではない。断じて。   「そろそろ終わった?」 「ああ…。よし、終わり。」 「どれどれっ…。」 ハルヒは俺から自作の予想問題を取り上げると採点に移った。   「――まる、まる、まるっと。まあ、こんなもんね。今日はここまでにしましょ。 いい、出来れば次の...
  • LOST 2話
    ハルヒの唇は柔らかく、薄く塗ったリップの味がした。ような気がする。   「ん。一応ファーストキスなんだからね、大事にしなさい。」 言われなくても。忘れるわけないだろ。   そう言うと、今度は俺がハルヒを抱き寄せ唇を重ねた。思い出すだけで体温上昇と新陳代謝が活発になりそうだ。 細くくびれた腰に手を回し片方の手で肩を抱く、ドラマでもなかなかないよう『理想型』で抱きしめていた。 ハルヒも俺の制服の袖をぎゅっと握り気持ちに応えてくれているようだった。                心があたたかくなった。 気がした。      が甘い時間は、永遠に続きそうだった。このまま朝比奈さんも長門も古泉も空気を読んで来ないで欲しい。 そんな思いは「SOS団の人間は部室にはノックしないで入る」暗黙の了解によって脆くも崩れ去った。 ドアノブが回り蝶番が無粋な音をたてるまで俺とハルヒは抱きしめあっていた。 入ってき...
  • しそのは
    www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/276.html    「うーん……」 湧き出てくる汗をパジャマの袖で拭い、僕は寝返りをうった。同時に体温計がピピピと電子音を立てる。38.3度。 風邪を引いたのはいつ以来だろうか。そんな事を考えている間にも頭の中でジンジンと何かが振動し、僕は思わず頭を抱えた。 僕とて機関の一員だ。いつでも戦闘に出れるように、体調管理には人一倍気を使っている。それなら原因は……昨日のあれか。と記憶を辿る。 団活が終了した頃、雨が降っていた。僕は幸いな事に置き傘を所持していたが、隣に佇む小柄な宇宙人、長門さんはじっと降りしきる雨を眺めていたのだ。 「傘、持っていないんですか?」 僕の疑問に長門さんは少し顔を持ちあげ、微弱に頷く。 「それではこれを」 「……あなたが濡れてしまう」 「僕の事はお気にせずに。家も近いですし、このまま走って帰ります...
  • 遠距離恋愛 第八章 キョンの引っ越し
    第八章 キョンの引っ越し   さて、引っ越しの日の朝がやってきた。   チャイムの音と共にに引っ越し便が到着。 既に待機していたSOS団全員+鶴屋さん+谷口&国木田の総勢7人は、引っ越し便のあんちゃんの指示で、タンスや机など嵩張るものから運び出していた。まあ色々細かいドタバタもあったのだが、流石に十数人もいれば運び出し&積み込みのペースは速い。 昼過ぎには、全ての荷物はトラックに乗せられ、引っ越し先へと運ばれていった。   がらんとした自分の部屋を見回す。こんなに広かったっけ?いつも狭い狭いと思っていたんだがな。 きちんとワックスが掛けられ、ゴミ一つ落ちていない俺の……いや、元・俺の部屋。 ここに今度はどんな人が住むんだろう? 俺の17年あまりの人生を一緒に過ごしてきた部屋だからな。 感慨がないと言えば嘘になる。 このままここにいたら泣き出しそうになるのを無理矢理押さえ込み、思い出を断ち...
  • 酔いどれクリスマス
    『酔いどれクリスマス』 『未成年者はお酒を飲んではいけません』  ええ、あれは飲むもんじゃないわね。  飲んだ時は楽しい気分でいられるんだけど、酔いから醒めた時に襲ってくる頭痛と倦怠感はかなりキツイわ。  しかも酔った時の記憶が薄っすら残っていると、自己嫌悪まで付随してくる始末。  夏の合宿でそのことを充分思い知ったので、あたしはまたアルコールを摂取する機会を得た時に備え、それに対する傾向と対策を── 「ひゃあ!」 ──何すんのこのバカ!!  あ、ああゴメンナサイ、ちょっと今……いや、なんでもないから……気にしないで。  コホン。  まあ、あたしはセーブすることを覚えた。飲み過ぎてバカなことしてしまう前にとっとと寝てしまおう、と心のどこかにスイッチを作っておいた。  前は加減を知らなかった。それが敗因だ。  だから今回は程々に飲んだ後、頭がグルグルしてきたらパタリと寝てしまった。 ...
  • 人生最悪の三日間 第三章 ~三年間の罠~
    午後五時。部室にて。 「そろそろ来ると思ってたぞ」 呆然としている俺の顔が実に面白い。 紛らわしいので、この時間帯の俺は……キョンと呼ぼう。 ……ついに自分で自分のことを「キョン」と呼んでしまった。悲しくなってきた。 キョンは真っ青な顔をして――ここは省略しよう。 物語は二日目へと進む。 二日目 午後四時七分。校舎裏にて。 で、死体はちゃんと処理されたのか? 「それを今から古泉に確認するんだよ」 キョンはポケットから携帯を取り出して、古泉の番号に掛けた。 そろそろ元の時間帯に帰れるはずだな。 ん? 元の時間帯? 元の時間帯って今から一時間後だろ? たった一時間、未来に行く必要があるのか? そんな労力使う必要が無い。たとえ未来の技術を用いたとしても、時間を移動するのはかなりのコストがかかるはずだ。 じゃあ、なんで帰る必要があるんだ? いや、そもそも帰る必要なんてあるのか? このまま帰ら...
  • 「大雨」
     夏の終わり、在庫の雨を秋まで残すのが嫌だったのかね?   夕立ちを避けて本屋の軒下へと駆け込んだ俺は、盛大に濡れてしまった服のせいで店内に入る気にもならず かといってここに居てもどうにもならないという状況で何故か半笑いだった。  幼い頃、大雨や台風が来た時に妙にテンションが高くなった経験ってのは無いかい? 高校生にもなって 雨の中走り回る事はできやしないが多少気分が高揚するってのは否定しようもないね。 「いーやっほー!」  ……なんだ? 今通りの先から聞こえたのは聞き覚えのある声だったような気がする。  どうする? 俺がいる本屋脇道のないアーケードにある。このままここに居れば恐らくそいつは目の前を通る 事になるだろう。  留まるべきか、引くべきか……迷うことはない、引こう。留まる事で事態が好転するとは到底思えない。  俺は冷たい体を気にしつつも店内へと逃げ込んだ。  間一髪って奴だろうか...
  • アフター ザ ナイトメア
     それまで体が動かなかった反動で、あたしは目を覚ますと同時にがばっと起き上がった。カチンコチンに固まっちゃってたのよね。情けないことに。  しばらくは冷静になれなかったわ。一瞬で周りの景色が変わったみたいだったし、いままで目の前にいたはずのアイツの姿も消えてる。  アイツの姿を目で探して、ようやく気づいたわ。ここはあたしの部屋。いまあたしが座ってるのはベッドの上。膝の上には乱れた布団が乗ってて、あたしは制服じゃなくていつものパジャマを着てる。外はまだ真っ暗。そう、この奇妙な体験はぜんぶ夢だったってわけ。  でも、夢だったと理解するまでにも数秒かかったわね。だってホントにリアルな夢だったんだもの。あたしはなぜかアイツと二人だけで学校にいて、外は昼なのか夜なのか分からないけど一面灰色に染まってて、そのうちなんか青い巨人みたいなのが現れたと思ったら学校を破壊し始めて……。  夢の最後、ア...
  • クラス会-起承転結編
    *舞台は驚天動地編の翌日です。   「涼宮さん、おはようなのねん、ちょっとお話したいけどお時間大丈夫かしら?」 あっ阪中さん、おはよう、大丈夫よ乗る電車にはまだ時間あるし。 阪中さんもこの駅だったのね、……それにしてもなにかしら? ……キョンは今からでるってメールしてきたから時間はあるけど…… 「……それで一昨夜はどうだったのねん、キョン君お持ち帰りしたんでしょ?」 …ずばりきたわね……、えと……クラス会のあと……キョンと一緒になって…… 「涼宮さんとキョン君のコトだから結局カラオケとか漫画喫茶じゃないかって皆で噂してたんだけど……」 ……その……駅前の……ラブホに……ずっと…朝までその…… 隠してもしょうがないわね、どうせ谷口が知ってるんだし。 「「「「えーっ!? ホントに」」」」 おっ大野木さん達までいつのまに……、ていうか周りの人がこっちみてるじゃない、もう少し声を落と...
  • 規定事項の流れ星 最終章「約束」
    もくじ及び注意事項   …美しいことを忘れないように   …私に何ができるのだろうか   …物語がひとつ終わりを伝える   …どんな始まりを望むのだろうか     静かでした。 周りの子供達が走り回る音。 愉快な音楽を奏でる乗り物。   だけど僕と長門さんだけはベンチに座って黙り込んでいた。   「…処分されるってどういうことですか?」   どれくらい沈黙していたのだろうか。 空が朱くなった頃長門さんにきいてみました。   「…さっきも話した通り情報統合思念体の目的は涼宮ハルヒ及びその周りの人間を観察対象として自立進化の可能性を探すこと」   相変わらず淡々とした口調で述べる。   「…涼宮ハルヒが今回夏休みをループさせていることをあなたに教えたため、その可能性が芽生える機会を潰してしまったと判断された。 よってこのまま解決へと向かうなら、私は情報統合思念体の目的を妨害したとみなされ...
  • 長門有希の看病
    「長門、湯加減はどうだ?」 「いい」 「そうか」 湯加減といえば風呂である。しかし風呂といえば長門なんてこたない。 別に今俺はやましいつもりで長門を風呂に入れているわけではない。 妹が長門といっしょに風呂に入りたいだなんていきなりわめき散らすのが悪い。 それでは恒例、つまるところの回想シーンへ………   何者かに閉じ込められて長門が倒れた事件や努力賞が似合う古泉の 推理ゲームやその他の道楽が終わり新年を新たに向かえ、今のところ大きな 懸案事項がひとつだけ残っているという状態で新学期は始まった。   ハルヒはというと、これまた何やら訳の分からん個人活動に専念しているらしい。 そろそろ生徒会のお役所御免になる事態が起きそうだ。起きなければいいのだが…   いつもの効果音で今日の活動も終了。至っていつも通りである。大変喜ばしい。 ただひとつ、帰り際の長門のセリフでこの時点から今日いつもと違う日と...
  • 涼宮ハルヒの発熱
    今日は週に1度の不思議探索の日。俺は普段通り集合時間の30分前には到着する予定で歩いている。 そのとき突然ハルヒからの電話があった ハ「今日は中止にして。あたし熱出しちゃったから。みんなにはあんたから言っておいて・・・」 集合場所に着くと、やはりみんなもう着いていた。 キ「今日はハルヒが熱出したから中止だ。さっき電話があった。」 長「・・・そう。」 朝「涼宮さんは平気なんでしょうか・・・」 キ「どうでしょう。元気の無い声してましたけど、電話できるくらいなら平気だと思いますよ。」 古「・・・わかりました。それではこのまま解散でよろしいですか?」 古泉はこういうときだけ副団長の役割をしていると思う。 キ「いいんじゃないか。長門も朝比奈さんもいいですよね?」 朝「あ、はい。」長「・・・いい。」 古「それでは解散ということで。」 朝「あ、キョン君。涼宮さんのお見舞いに行ってあげてくださいね。」 キ...
  • ハルヒがニート略してハルヒニートその2
        ハルヒニート第二話『掃除』     ハルヒ「おはよう、朝ごはん出来てる?」    俺より遅いとはいえ、一応ハルヒも朝はちゃんとした時間に起きている。もっともそれは、俺がいるうちに起きないと朝ごはんが食べられないから仕方なくといった感覚だと思うがな。  まあそんなことはどうでもいい。今日まで俺はある一つの作戦を考案、実行に移すべく準備してきた。そしてそれを今から実行する。名付けて『ハルヒ更正プログラム! あしたのためにその1』だ!   キョン「ハルヒ、お前プリン好きだったな。これを見ろ」 ハルヒ「そ、それは!? 神戸屋で一日100個限定販売の高級クリームプリン! でかしたわキョン!」    と、ハルヒがそれを食べようとしたところで俺はひょいっとプリンの乗った皿を持ち上げる。   ハルヒ「なにすんのよ!」    エサを取られた猛獣の如くハルヒが抗議した。その顔の前に俺は一...
  • ポニーテールの秘密・第5章
    第5章  時間遡行なんてのは何回やっても気持ちのいいものじゃない。古泉、この訳の解らない瞬間だけなら代わってやってもいいぞ。  「・・・うん?」  何だ?木が横に沢山倒れてるぞ。  「あ、気付きました?」  大きな2つの黒い瞳に俺の寝起き面が映っている。ああ、そうか。俺はまた朝比奈さんに膝枕をしてもらっていたのか。古泉、やっぱり交代はナシだ。  「はい?」  「あ、いや、ただの妄言ですよ」  イカンな。どうも最近無意識に思った事が声に出てしまう。  むくりと体を起こす。彼女の膝枕は惜しいが、今はそれどころじゃないからな。  「ちゃんと昨日、ええと、4月1日に来れました?」  朝比奈さんは電波時計を見て、  「はい。ちゃんと4月1日の午後7時です」  ベンチから腰を上げて辺りを見回す。どうやら4年前の七夕同様、あのベンチみたいだ。  しかし、朝比奈さんのいる前でハルヒに話をするのはどうも気...
  • 2月14日の出来事
    僕は今、おそらく普段の笑顔の仮面をどこかに置き忘れたような驚いた顔で目の前の長髪で 元気な先輩を見ています。なぜこんなことになったのか、冷静になるために今までの経過を思い出してみたいと思います。       窓の外の景色はどんどん緑が濃くなっていく…。 僕たちを乗せたバスは先日、宝探しをした時と同じ場所にむかっています。   ここで僕は周りを見てみた。長門さんはいつもどうり無表情、朝比奈さんは小さな欠伸をしては、 あわてて口元ふさいでいる、そして、涼宮さんは目をこすっていたかと思うと、少しいぶかしんだ表情で見ている彼を睨み返していた。今日は2月14日、周りの様子から察すると涼宮さんが 彼にチョコを渡すために長門さんと朝比奈さん、を巻き込んで昨日から今日の朝まで準備をしていた、といったところでしょうか。さてどんな事が僕と彼を待ち受けていることやら…、できれば先日のように山ひとつを掘り返すとい...
  • SOS団麻雀大会
    メンバー  キョン・ハルヒ・長門・古泉 (みくるは見てるだけ)   「さあ!麻雀大会を始めるわよ!!!準備はいい!?みんな!?」 麻雀大会か…俺は結構好きなんだよな、麻雀。 いざというときには、「技」を使えばいいしな。 「それでは始めましょう。親は涼宮さんです。」 ~9順目~ 「ロン!多分6000点くらい!」 「涼宮さん、それ、親ッパネですよ。18000点です」 「やったね!これでビリの人はジュースおごりだからね!!!」 やばいな…絶対負けられない。少なくとも麻雀でハルヒには負けたくないぞ。 …パタン 「…32000点」 「おやおや、長門さんは役満ですか。すごいですね。」 やばい…このままではビリになってしまう。 ハルヒどころか長門や古泉にも負けてしまうではないか。よし。   オーラス この時点での順位 1位・ハルヒ 2位・長門 3位・古泉 4位・キョン   やばい…このままではこのオーラ...
  • 下衆谷口の聖夜~その後~
    こんばんは。わたくし、谷口と申すケチなやつでございます。 へえ。左様でございます。世間様で言うところの、下衆というやつでございます。   なぜ今わたくしがこのような状況にあるのか。なぜわたくしのような立派な人間が、かような道端の側溝にはまって身動きできずにいるのか。 それには深い、深い訳があるのです。   それは、3日前の寒さのまさる夜半のことでございました。例のクリスマスとかいうお祭りの帰りがけのことでございます。 わたくしはいつものように、やんごとなき月刊誌 (エロ本) を買い、整然とした面持ちで帰路についておりました。 すると、ひゅるりと突然の通り風。あな寒し。そう思ってわたくしはぶるりと身をふるわせ、肩をすぼめました。 厚手のセーターに身をつつんでいたとは言え、やはりそこは冬の空っ風でございます。たまたまも縮み上がるほど寒うございます。 するとどうでしょう。あはや、と言う間に手から...
  • 『lakeside love story』 4日目
    『lakeside love story』   《4日目》     「………起きて。」 誰だよ、まだねみぃ。 「早く起きて。」 あと……10分だけ頼む。 「………………ガブッ」 ……いてぇ。 長門だったのか、おはよう。 「……ほはひょふ(おはよう)。」 とりあえず顔洗うから噛み付きをやめてくれ。 「………そう。」 いい加減慣れてきたな、嬉しくないが。     朝飯を食い終わるかどうかの時間に異変が起こった。 ……ザーザー 「この音……まさか雨なの?」 ハルヒが顔をしかめて言った。 「昨日はきれいに月が見えていたんですがねぇ……。」     古泉は肩をすくめ、珍しく本当に困ったような顔をして言っていた。 二人とも落ち着け。 しょうがない、天気ってのは人間の力じゃいじれないんだからな。 「でも……あと少しで合宿終わっちゃうのよ!?キョン!あんたはこれで終わっていいのっ!?」 正直、このままなら...
  • 殺し屋 キョン
    文字サイズ小で上手く表示されると思います    その男は、普段は温厚な青年にしか見えなかった。  人当たりもよく、基本的に従順。  波風立てるような行為に興味を持つ事も無く、平凡な人生を歩む事を好んでいる様に思える。  ……だからこそ、彼の本性に気づく者は少ない。  そして、不幸にもその事実に気づいてしまった者は生き延びる事はできないのだろう。  今の、自分の様に。  殺し屋 キョン  彼の中に羅刹が住むことに私が気づいたのは、彼がその行為に及んだ後だった。  結果として、私が今もこうして生き延びていられるのは運がよかっただけの事としか思えない。  悪夢としか思えないあの日以来、私はあの男を常に避け続けてきた。  だが、それももうすぐ限界を迎えるだろう。  何故なら、彼の目にあの日と同じ「決して目的を達成するまでは行為を止めないであろう決意」を 見てしまったのだ。  このままではい...
  • 下衆谷口の聖夜2
      前回のうらすじ          ┌──┐      ↓   │     鶴 屋  │      ↓   │     古 泉  │      ↓   │     ハルヒ  │      ↓   │     キョン  │      ↓   │     みくる  │      │   │      └──┘    (※以下エンドレス)           谷口「聖夜をいろどるイルミネーションにかまけていちゃつくアベックたち」   谷口「天より舞い降りる純白の白雪と一緒に溶けてなくなればいいのに」   谷口「タニーです」   長門「………今はそんなことを言っている場合ではない」 谷口「おっとそうだった」 長門「………それに少子高齢化が叫ばれる昨今、これはこれで日本としては助かる現象といえる」 谷口「夏の終わりから秋にかけてが誕生日の子供たちで溢れかえる世界に乾杯」   長門「………本当...
  • バカップル保守2
    バカップル保守2     「おい。どうして一人だけ先に起きて準備してんだよ」 「…………」 「なんとか言えって」 「……あんたが手を離したからじゃない」 「お前な……寝返りをうって布団を全部持って行きながら手を離したのは誰だ?」 「へ……?」 「あー、悪かったな。俺は今日風邪で休むから学校行っていいぞ。お前は準備してるもんな」 「ちょ、ちょっと?」 「うー、さむ。母さーん、薬出してくれ」 「キョン? ごめんってば!」 「あー、さむ……」 「あ……う……」   たまにはバカップル喧嘩保守      「キョン……怒ってるわよね……はぁ」 「それよりキョン大丈夫かしら? 本当に震えてたし……」 「帰っても怒ってたらどうしようかしら……」 「涼宮。HR中に回りに聞こえる大きさの一人言はやめろ」 「うるさい、ハンドボールバカ。やっぱりあたし早退するわ」   声に出るほど心配なバカップル保守   ...
  • キョン無題4
    今日も俺たちSOS団は文芸部室で暇な大学生が喫茶店でだべってるように 特に何の活動をする訳でもなく暇を時間を潰していた。 ハルヒはネットで何を見ているのか、時折キーボードを叩いてニヤニヤしている。 テラワロスと呟いたのがさっき聞えたがそれはきっと俺の空耳だろう。 朝比奈さんは俺の隣でノートを開いて絶賛勉強中だ。なんでもそろそろテストがあるらしい。 俺のクラスもそろそろテストで谷口が何やら必死になっていたが俺には関係が無い。というかもう諦めた。 世の中諦めが肝心だからな、焦ってても意味がないさ。 古泉は相変わらず正視していると思わず引っ叩きたくなる面で俺とオセロをしていた。 どうでもいいがお前は弱いのになんでこうボードゲームが好きなんだ? さて、長門は・・・と、いつもの指定席を見るとあるはずの物が無い。 どうやらまだ来てない様だ。そういえば最近は部室に来るのが遅いが居残りで喰らっているのかと...
  • スタンド・バイ・ミー
    「廃墟探索よ!」 ハルヒがまた何かを思いついたらしい。 「あまりにもベタすぎて考慮から漏れてたけど、基本あってこその応用よね。」 どうせどっかのサイト見るまで思いもつかなかったんだろ。 「もうひとつ報告。今年の夏合宿はたった今、軍艦島に決定しました。その肩慣らしの意味でも 今週の不思議探索はMホテル跡にします。」 勝手に決めるな。 「軍艦島もMホテル跡も有名ですからね。不思議なんてとっくに荒らされて無くなってませんか?」 「古泉くんも甘いわね。そういう所にこそ見逃されたお宝が眠ってるわけじゃない。」 「でも怖くありませんかぁ?」 「大丈夫よ。有名ということで安全性は確保されているわ。」 さっきから矛盾だらけで無茶苦茶なことをいってないか? 「有希ー、軍艦島と言えばあんたの苗字って…」 「戦艦長門。八八艦隊計画の第一号艦として生まれた。当時世界最大の41cm主砲を2連装4砲塔の計8門を搭載。...
  • それは異世界からやってきた
    その日はしとしとと雨が降っていた・・・ なんとなく朝からいやな予感はしていたんだ・・・ まさかあんなことが起ころうとは・・・・・・・・     7月10日(雨)   朝、家をでて数歩ばかり歩くと目の前を黒猫が通り過ぎた。 黒猫が目の前を横切ると不吉なことが起こる。なんていうことはまったく信じていない俺は 特に何も思わずそのまま通学した。 「おっす、キョン」 教室に入ると谷口がこっちにやってきた。 「おい、おまえ涼宮となんかあったのか?」 『なんのことだ?』 ハルヒを見るとこっちを睨んでいた。 まったくもって心当たりのないことだ。 ハルヒはいきなり立ち上がると俺のほうへやってきた。 しかしそれは見当違いだったらしい。 「谷口!ちょっと来なさい」 「へっ!?お、おれ?」 ハルヒは谷口を引っ張って走っていってしまった。 いったいなんだというのだ? そんなこんなでハルヒと谷口は5分後に戻ってきた。...
  • アンチ・アナル・レジスタンス
     もううんざりだ。  何がうんざりかって? このケツの穴がひりひりする毎日のことだ。 原因は狂気に染まった目で俺を狙い隙あらばアナルめがけて襲いかかってくるあのホモ古泉。 大体超能力者じゃなかったのかあいつは。いつのまにあんな暴走変態野郎に成り下がったんだ。 ハルヒもかすむほどの行動力で、もはや主役交代といってもいい。  そもそも今のこの世界は明らかに狂っている。朝比奈さんは何か黒いし、鶴屋さんはあれだし、 長門も明らかにおかしい。ハルヒだってそうだ。今までズルズルとつきあわされちまったが、もう我慢ならねえ。  だから俺はここに宣言する。今こそ抵抗活動――レジスタンスとして俺は立ち上がるんだ。 この狂った世界を元の平和な世界に作り直すための抵抗運動なのだ。まず最初の標的は古泉。 おかしくなった奴の中でもっとも苛烈な変化を遂げている。奴をどうにかしなければ、正常化なんて絶対無理無理カタツムリ...
  • pure heart
    真夜中のテレフォン    過去にやってきて随分たった、お母さんとお父さんは元気かな・・・・ やっぱり家族にずっと会えないで一人でいるのは寂しい。 そうだ彼に電話をしてみよう、彼ならこの寂しさを紛らわせてくれるから・・・ 「もしもしキョン君?」 『こんばんは朝比奈さん、どうしたんです?』 なぜかわからないけど彼の声を聞くと安心する 「ごめんなさい、こんな時間に電話しちゃって・・・迷惑ですよね?」 『朝比奈さんからの電話ならテスト中だって迷惑じゃありませんよ』 受話器越しに彼の優しさが伝わってくる・・ふと涙がこぼれた 「・・・ありがとう」 『なにかあったんですか?俺でよかったら相談にのりますよ』 彼はいつもわたしのことを心配してくれる、なんの役にもたてないこんなわたしを 「ううんなんでもないの・・・ただキョン君の声が聞きたくなって」 いきなりこんなこと言ったら彼を困らせてしまうことはわかってる...
  • 長門有希の報告Report.11
    Report.11 涼宮ハルヒの遭遇  SOS団集団下校。それは何も変わらない、いつもの光景だった。 「あれっ!?」  涼宮ハルヒは驚き、声を上げた。 「どないしたんや、ハルヒ。」 【どうしたんだ、ハルヒ。】  『彼』が問い掛ける。 「ほら、あそこ、踏み切りの向こう。あそこにおるの、朝倉違(ちゃ)う!?」 【ほら、あそこ、踏み切りの向こう。あそこにいるの、朝倉じゃない!?】 「何(なん)やと!?」 【何(なん)だと!?】  『彼』は驚愕した表情で彼女の指す方向を見た。しかし、その視線はちょうど走ってきた電車に阻まれる。電車が通り過ぎると、そこには誰もいなかった。 「見間違いか、他人の空似と違(ちゃ)うか?」 【見間違いか、他人の空似じゃないか?】 「いや、あれは間違いない!」  こうして、翌日の不思議探索ツアーは、『朝倉涼子の捜索』に決定した。ここでも彼女の力は遺憾なく発揮され、捜索開始...
  • 反転世界の運命恋歌(Ver.キョン)Ⅲ
    反転世界の運命恋歌Ⅲ  で、ようやく俺と古泉一姫のデートの話になる訳だが、まあ別段、大したことはやっていない。  おっと、ここで言う『大したことはやっていない』と言う意味は、男女が遊びに行く昼間の健全なデートとしては当たり前で当たり障りのないことしかやっていないという意味だ。  だからと言って楽しくなかったかと言えば、むろん、そんな訳がなくて思いっきり楽しんでいた。  スタートは小物雑貨屋のウィンドウショッピングから始まって、彼女が「ふわぁ」という風船が膨らんで来たような笑顔は可愛かったし、「どれもいいですね」と同意を求められた時は、それとなく相槌をうってやった。  それから少し喉が渇いたんで二人で喫茶店入って、さすがにここでは、情けない話ではあるが奢ってもらった。なんせ財布を持たずにこっちの世界に飛ばされたわけだから一文なしだったしな。  つか、彼女の出した千円札を見て、仮に俺...
  • メイドさんごっこ保守
    「……キョン、おきなさいキョン……、じゃなかった。御主人様、お目覚めの時間ですよ、御主人様」 ハルヒせっかくの休日なんだからもっとゆっくり寝かせてくれって……今なんていった? 「御主人様、起きて下さい。もう朝ですよ」 声の主はハルヒ@メイド服だった。なんでこんなことに……そうだたしかゆうべは……  「みてキョン、懐かしいわね、こんなの出てきたわよ」  ……あぁ朝比奈さんが来てたメイド服ね、というかさっきから荷物の整理がさっぱり進んでない気がするんだが。俺達はお前の実家から送ってきた荷物を整理してた筈なんだがな。  「細かいこと気にしないの、どう? 似合うかしら……」  気が付いたら俺のマンションにハルヒが転がり込んできて、そのままずるずると一緒に暮らしている俺達な訳だが……。  ……あーにあうにあう、ホントのメイドさんみたいだ(棒読み)  「ちょっと何よそれ、ちゃんと褒めなさい、北高の...
  • 星に願いを 
    キョン「綺麗な星空だな…。」 古泉「ええ…。」 視界に広がる星空。広大な宇宙を感じさせる光景だ。 人は大人になるにつれて夜空を見上げる時間は減る。 こんなに夜空を眺めるのは何年ぶりだろうか。 今、俺と古泉は2人で星空を見つめている。 …状況がわからない? OK。 では今日の出来事を振り返ってみよう。 …。 ~部室~ キョン「悪い。今日はもう帰るわ。」 古泉とのオセロの一戦に勝利した後そう切り出した。 古泉「え、もうですか?まだ部室に来て30分ぐらいしかたってませんよ。」 ハルヒ「なんで?何か用事でもあんの?。」 キョン「ああ、今日明日親が旅行に行ってて居ないからな。」 みくる「そうなんですか。妹さんを一人にするの可哀想ですもんね。」 ハルヒ「ん~。」 キョン「んならそゆ事で。」 ハルヒ「待って。」 キョン「ん?」 ハルヒ「…明日は土曜で休みよね…んで親は居ない…。」 嫌な予感が走った…...
  • キョン1/2  長門編
    あれから長門の携帯に連絡すると、「待ってる」という返事を戴いた。 春先とは言え風呂上りに外出すると風邪をこじらせるかもしれないが、 未来のことより今は目の前の異常事態を解決しなけりゃならん。 纏わりついてくる妹を追っ払うと、俺はパーカーを羽織って玄関のドアを開けた。 長門が住むマンションに着き、インターホンを押す。 無言の応対に俺だという事を告げると、玄関が開いた。 もうこのやり取りは何回目だろうね。 馴れた操作で708室をノックすると、制服のままの長門が出迎えてくれた。  「事態は把握している」 流石長門。話が早いな。どうすれば元に戻る?  「しかし私ではどうすることもできない」 なんですとー!? じゃあ俺は変化するへんてこりんな体のままってことなのか。  「そう。あなたの体の異変は昼に読んでいた本が原因と思われる。   涼宮ハルヒの力が元凶である以上、情報統合思念体でも対処は困難。 ...
  • 長門有希の報告Report.26
    Report.26 長門有希の報告  観測結果に対する所見を述べる。まず、以下に挿話を示す。    未来からの監視員、朝比奈みくる。  彼女には大変世話になった。多大な迷惑も掛けた。何かお礼をしたいと思った。どうすれば良いか、様々な検討を行う。  その時、わたしの記憶領域に、彼女がお茶を淹れる姿が映し出された。それは、いつもの風景。SOS団の日常。そして、それに見合う、あるものが『連想』された。  わたしは答えを見付けた。わたしはすぐに行動を開始した。  数日後。放課後の部室で、わたしはみくるに、部活後少し残ってほしい旨を書いた栞をそっと渡した。わたしが本を閉じると、それを合図に活動が終了した。着替えるみくるを残して、他の皆は帰途についた。  皆が退室した後、みくるは言った。 「長門さん……『アレ』ですか?」  わたしは首を横に振った。 「ちがう。」  そして彼女の瞳を見つめて...
  • 虫歯と歯医者-治療編
    「軽い貧血ですね、暫くこのままにしていれば意識は戻るでしょう」 ハルヒは大丈夫なんですか? ハルヒの診察が終わり俺への診察中のことだった、若干緊張し不安気な様子を見せていたハルヒだったが 不安に耐え切れなくなったのかとうとう気を失ってしまったのだ。 「安心してください、彼女は歯科衛生士だけでなく看護師の資格も持っています」 とお母さん先生が補足する、機関の人選に抜かりはないようだった。 俺はハルヒの不安感を軽く見ていたのだろうか? あいつの不安な気持ちに気づいてやれなかった自分がちょっと情けなかった。 「涼宮さんのことは彼女に任せてあなたはこちらへ、レントゲンを撮る必要があります」 とお母さん先生が言ってきたが俺はハルヒのそばにいてやりたかったので躊躇した。 「涼宮さんは大丈夫です、それに今回の依頼主からの伝言を伝える必要がありますが 涼宮さんがいる場所では禁じられています」 機関...
  • 【K.B.F.】~killing baby-face~
    …━━真っ青に澄みわたったアンダルシアの空でもなければ、果てしなく続くアタゴオルの草原でも無い… 午後の部室…窓の外に広がる淀んだ空の下の校庭、舞い上がる砂埃でくすんだ周囲の森、そしてその彼方に見える灰色の街並み… それでも僕は、この景色に何度でも心を惹かれてしまう。 この歳になって訪れた「高校生」として過ごす時間も、それほど悪くないと思える程に… 窓を少し開け、ネクタイを緩めて軽く目を閉じる。 校庭から聞こえてくる少年達の凛々しい掛け声や、校舎から聞こえてくる調子の外れた金管楽器の音… 深く息を吸い込むと、乾いた冬の風の匂いがした。 「あら…今日も古泉君だけですか?」 背中から不意に聞こえる聞き慣れた声に、驚いて振り返る様な事はしない。 僕は窓の外を見つめたまま「ええ…そのようですね、朝比奈さん」と静かに応えた━━… 【K.B.F.】~killing baby-face~ ━1━ ...
  • お悩みハルヒ~3部・不思議な返答編~
    朝、目が覚めるとやっぱりあたしのイライラは消えていた。なんでなのかしら?  あたしの体内に何かそういう物質が入ってるのかも。今度、解剖して見てもらうのもいいかもしれないわ。  それにしても……『午前4時』。昨日、早く寝たぶんだけ早く起きちゃったのね。  どうしようかな……早く行って、部室でダラダラしとくのがベストかも。鞄も取りに行かなきゃいけないし。  ……決まり! 7時くらいからずっと部室でパソコンでもいじっとくわよ!  そうと決まれば学校に行く支度をしなくちゃね。  朝ご飯もたまには自分で作って、身だしなみを整えて、ちゃんと財布を持って、着替えて……。  それでも余裕で時間が余りすぎた。さすがに早起きしすぎちゃったわ。  まぁ、いいわよね。ゆっくり歩いて行けばいい時間よ。コンビニとかに寄ってもいいし。  あたしは家を出て、ゆっくりと歩き出した。そういえばあたし、キョンに告白したのよね…...
  • 朝比奈みくるの挑戦
       この仕事で最初に貰ったテキストに書いてあったこと 「時空管理者が恋をした場合の選択肢は、記憶を失うか心を殺すことである」    高校卒業の後、元の時間にもどったわたしはがむしゃらに努力してそれ相応の権限を手に入れました。  そしてあの時代に干渉した結果、規定事項はすべて遵守、今の未来も確定してわたしの仕事は終わりました。  わたしに残ったのは、過去の記憶と現在の管理局トップとしての地位。  ここは広大な敷地にある図書館の館長室。 「機関の提案に対して、情報統合思念体は同調することにした。あなた達の結論を聞きたい」 「わたしたちも賛同します。今回の提案は、こちらにも利あるものですから」  話し相手は長門さん。アカシックレコードとすら評されるこの図書館の館長をしている彼女の正体を知るひとは少なく、知る人にとってはこの建物の二つ名は皮肉ですらあります。  配属前の研修生として一度だけお...
  • GPS
    今日は日曜日なんだけど、キョンと約束がある。 昨日は不思議探索だったけど、別れ際にこんな会話があったから。 「明日、暇か?」 あいつが何故かあたしの靴のあたりを見つめながら言った。 「別に用事は無いわね」 あいつったら、視線あわせようとしない。緊張しているのが手に取るように分かる。 「明日、ちょっと買い物に行きたいんだが」 「ふうん。そうなの」 「もし暇を持て余し過ぎて暴走しそうなら」 あいつはやっと視線をあげて、あたしの目を見つめた。 「一緒に付き合ってくれないか?」 「どーしよっかなぁ」 あたしにとって、とっても楽しい瞬間。どぎまぎしているあいつがとってもかわいい。 「まあ無理にとはいわんが…」 「…そこで押すのが男でしょ? まあいいわ。付きあってあげる」 「そうか…悪いな」 「…みんなには内緒よ?」 「分かってる」 キョンの笑顔がいつまでも胸に残っている。いまでも思い出せるぐらい。 ...
  • 想い出は、雪とともに 第二章
      長門が俺の前から姿を消してから、四回目の春を迎えようとしていた。俺は大学に進学したものの、長門と別れて以来何もする気が起こらず、留年を繰り返していた。 そして、暇さえあれば長門と別れたこの公園へ来て、ベンチに腰掛け、長門と過ごした日々を思い返している。 最初のころは、谷口や国木田や古泉等が俺のことを心配して、ありきたりなアドバイスを色々してくれたが、やがてみんな諦めて俺の前から去って行った。ただ一人を除いては…… こうやって長門との思い出に浸り街を眺めていると、そのただ一人の例外が、高校生だったころと同じように坂道を登ってくる。そして、あの頃とおなじように笑顔で俺に声をかけるのだ。 「お待たせ!」 「別にお前を待っていたわけじゃないぞ」 俺もあの時と同じようにぶっきらぼうに答える。そんな俺の様子を見て、ハルヒはあきれたように両手を広げて首を左右に振った。 「まあ、別にいいけどね」 ...
  • 文芸部室の幽霊
    残暑も過ぎ去り、秋を感じさせる涼しい風が吹きぬける文芸部室にて、本日の活動は我らが団長涼宮ハルヒの欠席でお送りしている。 欠席の理由は特に聞くことをしなかったが、珍しいこともあるもんだね。そして、これは団長による団長のための活動であるにも関わらず、ハルヒ不在の今日もこうして団員たちが文芸部室に集合してしまうのは何故なのだろう。 今日も、辺りを見渡せばいつもと変わらぬ光景が広がっている。 長門は読書に耽っており、朝比奈さんはお茶と格闘、古泉は今俺とオセロで対戦中だ。至って平凡、いやぁ、あいつが居ないと静かでいいね。少々静か過ぎると違和感を感じたりもしてしまうのだが。 俺は、何も考えていなかった。というのは、今日も何も無い一日であることを確信していたという意味だ。何か特別なことが起こるのだとしても俺には検討もつかないし、そういうのを妄想して楽しむのは俺じゃなくハルヒの仕事だからな。 し...
  • 涼宮ハルヒのダメ、ゼッタイ四章
    四章 時刻は夜11時。俺は自宅にてハルヒの作ってくれたステキ問題集を相手に格闘中だ。 「やばい、だめだ。全然わからん。」 朝はハルヒに啖呵を切ったものの、今では全くもって自信がない。 今の時期にE判定を取るようじゃ、どう考えても結果は目に見えている。 そもそも俺よりも頭のいいあいつが、それに気付かない訳がないのだ。 ただ遊ばれているだけなのか? …………ハッ!いかんいかん!俺の中の被害妄想を必死でかき消す。 頭を一人でブンブン振っていると、俺の右手に違和感があることに気付いた。 俺の右手はいつのまにか机の引き出しの中に伸びている。 手は引き出しの中の『奴』を掴んでいた。 そのことを俺の頭が理解した途端、俺はバネにはじかれたように机から遠ざかった。 「はぁ、はぁ…」 これ以上ないくらいの恐怖を感じながらも、俺の手はまだ『注射器』を握り締めている。 「何で…何でこんなことになっちま...
  • 遠距離恋愛 第四章 想い
    第四章 想い   『もう少しましな伝え様は無かったのですか?』 心底疲れたといった声で、携帯の向こうの古泉が呟く。   『今日の1時限目の授業中に、突然閉鎖空間が複数発生しました。一つ一つの規模や速度はそれほど大きくないのですが、一つを崩壊させるとまたすぐに別の空間が発生するというイタチごっこでして……現在、機関総出で対応していますが、この発生ペースだといずれはまずいことになりそうです』 そうか、本当にすまんな……しかし、あいつの不思議パワーは減少しているんじゃなかったのか?   『確かに、我々の調査結果を見る限り、最近では最盛期の半分程度まで落ちていました。閉鎖空間発生も希な状態になってきていましたしね。しかし、今回のこの閉鎖空間の数は過去最大です。涼宮さんには、まだこれほどの力が残っていたんですね、驚きです』 あいつの力が復活したと言うことなのか?   『それは分かりませんが、今は...
  • 第三章『なぜならあたしは、天下無敵宇宙最強のSOS団の団長様だからよ!』
    第三章『なぜならあたしは、天下無敵宇宙最強のSOS団の団長様だからよ!』     「いたたたたたた……って、嘘ぉ!?」  九階から投げ出されたはずなのに、あたしの体は骨折どころか傷一つ付いてなかった。 「どうなってるのよ……それにここはどこ?」  百歩譲って無傷だとしても、あたしは病院の敷地に落ちるはずだ。だけどここは病院ではない。 「どっかのマンションかしら?」  あたしは病院の敷地ではなく、どこか見覚えのあるマンションの一室のベッドの上で目を覚ました。  とにかくここを出よう。フローリングの床に、病院の廊下で落としたはずの鉄パイプとデイバッグあったが、それをを拾い上げて部屋を出た。    その部屋を出ると、奥歯と奥歯の間に挟まった銀紙みたいな既視感の謎が解けた。 「ここ、有希と朝倉が住んでいたマンションだ……」  確かに北高には近づいたが、不気味すぎる。あの病院からここまで何百メー...
  • 普通短編66
    今日の長門さん 「……」 「……」 「……」 「……」 「……」 「……」 「……」 「……」 「……」 「……」 「……はんてん、あたたかい」 「……」 ハルヒ「謎の転校生入荷したわよー!」 古泉「どうも古泉一樹です」 キョン「おいハルヒ」 ハルヒ「何?」 キョン「一ヶ月もすればそいつもココに慣れて転校生なんて肩書きも消えるぜ?     そしたらそいつはただの高校生、SOS団には相応しくないんじゃないかなァ…?」 ハルヒ「それもそうね」ポイッ バタン 古泉「………」 長門「…………」ペラリ キョン「なあハルヒ」 ハルヒ「何?」 キョン「長門ってさ、何でこの団にいるんだ?特別お前が喜ぶような要素も無いし」 ハルヒ「何言ってんの、SOS団随一の万能選手じゃないの!」 キョン「お前にゃ負けるだろ」 ハルヒ「それもそうね」ポイッ バタン 長門「……………」ペラ...
  • 涼宮ハルヒの邁進 その4
     あってはならない惨劇から半日もの間、俺は一歩も動けずただじっと座っていることしかできなかった。  俺が読んでいた国木田のノートは全部偽物?  それどころか、俺の妄想にすぎなかってのか?  だが、あの正体不明のノートのおかげでそれが現実になり、古泉たちの存在まで書き換えてしまった。  そして、俺が作り出した妄想で俺が悪の組織に仕立て上げた機関の人たちを俺の手で皆殺しにしてしまった。 「いつまでそうやっているつもり?」  力なく自動車道の縁石に座り込んでいる俺の隣には、ずっと朝倉がいた。座りもせずにただただ優しげな笑みを浮かべ 俺をじっと見下ろしている。  俺は力なく路面を見つめたまま、 「……何もする気が起きないんだよ」 「でも、何もしないからといってこの現実は変わらないわよ」  朝倉の台詞は陳腐にすら思えるほど定番なものに感じた。その通りだ。何もしないからといって何が変わるわけもない。 ...
  • 人生最悪の四日間 第一章 ~デジャヴと乱闘~
    二日目 午後五時。部室前にて。 『三名欠席により 今日の活動は休み』 という貼り紙を見たのは放課後のことだった。 ハルヒが風邪で欠席しているのは知っていたが、古泉まで休みか? 珍しいな まず、俺がこの貼り紙を見て思ったことは一つ。 もう、殺人現場を目撃するのは嫌だ。 もしかしたら、また何か巻き込まれるかもしれないな。なんてレベルじゃない。 少しでも変わったことがあったら、俺が俺を殺してしまう現場を俺が目撃する前兆だ。 このドアに貼られた貼り紙を剥がして、そのままさっさと帰ろうとしたときだった。 部室の中から人の気配を感じた。気配だけだが、明らかにドアの向こうには誰かがいるのだ。 それに物音もする。足音のような音。おそらく一人だ。 団員以外にこんな部屋に入るような物好きな人間はこの世どころかあの世にも存在しないので、おそらく長門だろう。 というか、長門であってくれ。 一人でいつものように読...
  • 涼宮ハルヒの静寂
    (これでも三訂版) ・サイレントヒルとのクロスオーバー。グロ描写注意。 「これ、返す」 「おう、やったのか」  有希がキョンに何かのゲームソフトを渡すのが見えた。有希もゲームをするのね、ちょっと意外。どんなのかしら。 「それ、何?」 「ああ、零だよ」  キョンがソフトをこちらに見せた。いかにもなパッケージをしているところからするとホラーゲームみたい。あたしが好きなジャンルではないみたい。 「お前はこういうのが好きじゃないみたいだな」  キョンがそう言ったのでびっくりした。 「な、なんで分かったのよ」 「期待して損した、みたいな表情をしてたからな」  そんな表情してたのかしら……。こいつ時々鋭いから困ったものだわ。 「で、有希、それをやってみてどうだった?」 「人間の想像力は……恐ろしい」  いつもより小さな声でそういうと俯いてしまった。 「どうしたのよ有希。まさか、怖かったの?」 「違う...
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