涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「あさひなの泣く頃に」で検索した結果

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  • いじめ短編置場
    ...も生徒ムテキョング あさひなの泣く頃に
  • あさひなの泣く頃に~ハルヒ粛清編~
    俺は心底腹を立てていた。何にだって? 決まっている。あの自己中心的思考を持つうちの団長にだ。あいつは俺をあごで使い、まるで召使いのように接してくる。それが何ヶ月も続いている。もう限界だ。 今俺は部室で何をするでもなくパイプ椅子に座っている。部屋にはあの女と俺だけだ。三人はまだこない。 「ねえ、キョン」 あいつがPCから頭を上げた。こういう時は俺に何かを提案するはずだ。 「暑いから何か買ってきて。あ、もちろんキョンの奢りね」 何十何百と聞いたその悪びれもしないセリフに、俺ははらわたが煮えくり返った。 「ねえキョン聞いてるの?」 「何アンタ、あたしの命令を無視する気?」 「団員は団長に服従するものよ」 「ホント使えないわね」 俺が『ガタッ!』と勢いをつけて立ち上がると、「やっと行く気になったの?」とぬかしやがった。 俺は歩く。もちろん扉へではなく、団長机へだ。   「何よ。言っとくけどあたし...
  • あさひなの泣く頃に~キョン落とし前編~
    入学してしばらく、SOS団という部活に慣れ始めた今日この頃。 朝倉が消え、山根が燃え尽きているのを見ながら、 「ああ、やっぱり朝倉は男女共に好かれてたんだな」と思っていた。 今は授業中。物思いにふけるにはちょうどよかったりする。 色々あった。 鶴屋さんはこの世を去り、朝比奈さんは学校に来なくなった。 しかたがないと今は納得している。 長門はいじめに遭い、それを見つけてから長門とは前より傍にいる。 またいじめられたら嫌だからな。長門はそのせいか前より表情を見せるようになった。 まあ気づけるのは俺くらいだけどな。ついでに行動もわりと積極的になった。それについて情報ナントカ体が気なったが、お目付け役の喜緑さんが何も言ってこないのだから、別にたいしたことではないのだろう。   「今日はみくるちゃんを励ましにいくわよ!」 放課後、ハルヒはまたはた迷惑なことを言い出す。 担当医からはOKサインが出され...
  • 涼宮ハルヒのなく頃に~第1章~
    ……誰かが、ずっと謝っている気がした。 いったい何を誤っているんだ? 親類の葬儀のために久しぶりに都会に戻った俺は 電車の中で誰かが謝っているような気がした。 声を聞いていたのだろうか……… あまり覚えていない。 俺はつい先月まで都会に住んでいた。 にも関わらず、都会の賑やかさに圧倒された。 高層ビルに、何斜線もの道路。 まるでこの世の人間全てが集ったような人込み。 選挙カーに乗ったおっさんの演説は今では懐かしささえ感じられた。 今、俺が住んでいる土地はこんなに賑やかなものはない。 あるのは虫の鳴き声と清流のせせらぎぐらいだ。 いや、1人うるさい人間もいるがここでは置いておこう。 そんな静けさに、寂しさではなく安らぎを感じ始めたのは最近になってからだ。 確かに何もない土地だということは認めよう。 みんなでワイワイできるような喫茶店もなければ、 ファミレスは...
  • 女古泉'ちゃん'の憂鬱
    女古泉 ちゃん の憂鬱   プロローグ 第一話「梅しば」 第二話「テドドンの孤独も、存在も、お前が与えるであろう全ての影響をアナルは受け入れよう」 第三話「僕と彼と時々機関」 第四話「涙の宅配CoCo」 第四話「Missing 神隠しの弾語り(改訂版)」 第5話「私の狼さん。 THE OTHER SIDE OF TDDN (第二版)」 第6話「The simple 2000前編 ~トーゼンメイワク~」   番外編「St.バレンタインデー」 第二話の番外「生徒会長のなく頃に」
  • 各ハルヒスレのテンプレ案
      これはVIPにあるアナルスレやプリンスレのテンプレ例である。 新しくスレを立てる人は参考にするといいかもね? 注意)AA省略   【アナルスレ】   ・SS投下の際は空気を読んでくださぁぃ。byみくる ・長編は完結できるように、途中放棄した日にはあなたのアナルはいただきますよ!by ふんもっふ ・長編投下はわかりやすいようにトリップや文頭にアンカーを付けなさい!by ハルヒ ・…キャラクターの口調、及びそれぞれの呼称についてはまとめサイトを参照すること。by ユキ ・自分で投下した長編はなるべくWikiで自分で編集したほうがいいと思うぞ。by キョン ・落ちを予想するのはやめ・・うをっ チャック開いてるぞ!by wawawa ・荒らしさんにはスルーなのね。by 阪中 ・とりあえず気楽に投下するっにょろよ。by めがっさ ・1レスには最大30行、全角で2048文字、1行全角120文字まで...
  • 涼宮ハルヒのなく頃に~プロローグ~
    どうか嘆かないで。 世界があなたを許さなくても、私はあなたを許します。 どうか嘆かないで。 あなたが世界を許さなくても、私はあなたを許します。 だから教えてください。 あなたはどうしたら、私を許してくれますか? ……… …… … ・ それは昭和58年の初夏のことだった。 どうせ引き裂かれるのなら、 身を引き裂かれるほうがはるかにマシだ。 信じていた。 ………いや、信じている。 今、この瞬間だってな。 でも、薄々は気付いていたさ 信じたいのは、認めたくないからだと。 その自分に言い聞かせるような声が、 たまらなく馬鹿馬鹿しく思える。 機械的に繰り返されていたそれはようやく収まり、 静かなる時がながれた。 ひぐらしの声がいやに騒がしい。 なのに、聞こえるはずのない彼女の声は 俺の中でエンドレスにリピートしている。 ...
  • 缶コーヒー、ふたつ5
    三時間目は物理・・・か。 テキストを机の上に揃えながら、俺は溜め息をつく。 別に、授業が憂鬱な訳じゃない。 今日、間違いなく何らかの形で告げられる一つの最悪なニュース。 それが、溜め息の理由の全てだ。 登校してから今まで、それは告げられずにいた。 しかし、確実にその時が迫るのが判る・・・ 始業のベルが鳴る。 担当の教師が神妙な面持ちで教室へ入ってくる。 嫌な予感がした。 (今・・・来るのか・・・?) 「・・・皆さんに、残念なお知らせがあります。二年の朝比奈未来さんが、旅行中の事故で亡くなりました。」 ザワつく教室。 俺も動揺したフリをする。 仕方ないとはいえ、今の俺自身を俺は許せない。 そうだ、ハルヒは・・・? 息を飲みながら振り返る・・・ ハルヒは目を見開いたまま、呆然としていた。 「残念ながら・・・国内の事故では無い上に御家族全員が亡くなられたとの事で・...
  • 長編・その他2
    再会と再開、そして開始 テレビ出演 パラレルワールズ プレゼント ツイスト・オブ・フェイト-キョン殺害命令 SONGOF KUNIKIDA -MELTY CADENZA OF SECRET- ノンフィクション・ストーリー ひぐらしの憂鬱 鶴の舞 朝倉と 一日おにいちゃん 一日おにいちゃん 後日談 涼宮ハルヒの怪談 fixed mind 狙われた憂鬱 One Day.... ハルヒ親父シリーズ ずるい二人 ササッキーシリーズ ●えもん 朝倉涼子の再誕 幸福な鶴屋さん そしてイブはリンゴを齧る えれべーたー☆あくしょん 生徒会長の悪辣 いつも曜日は九曜日 佐々木さんの憂鬱 眠たくないけど……シリーズ crane love 橘の香り 月間佐々木さん 佐々木の囁き Lolita s Love Complex ネクストジェネレーションの憂鬱 谷口探偵の事件簿 SOS団が家族に? えれべーたー☆あく...
  • Lost my love
    家に帰り着く頃には、すっかり暗くなっていた。 空を見上げても、星は見当たらない。 舞い降りてくるのは、私と同じ名を持つもの、ユキ。   『星空見上げ 私だけのヒカリ教えて あなたはいまどこで 誰といるのでしょう? 』   彼と涼宮ハルヒが付き合うことになったのは昨日。 最近では涼宮ハルヒの能力も衰え、世界も安定してきた。 彼と一緒に居られる時間も、あと少しなのだろうか? エラー、私の任務も、終わりが近づいてきているのだろうか。   『楽しくしてるコト思うと さみしくなって 一緒に観たシネマひとりきりで流す』   いつもならSOS団の活動があるはずだった今日、 活動の中止を伝える涼宮ハルヒの電話の声は、どこか弾んでいた。 きっと、彼とデートするのだろう。 エラー 気がつくと私は、街に出て一人映画を見ていた。 彼と一緒に見た映画。 エラー、エラー 前に小説で読んでいたものが映画化されたというこ...
  • 古泉一樹の告白
    なんの前触れもなく、それは突然やってきた。 俺達が卒業式を終えてから、一週間後の出来事。 朝比奈さんが未来に帰らなければならなくなったのだ。 そりゃあ、いつかはそんなときが来ると分かってはいたが… いくらなんでも、急すぎる。   ハルヒがいる手前、朝比奈さんは未来に帰る、などと言えるはずがなく、 家庭の事情で海外へ引っ越さなければならなくなったという事になっている。 心の整理がつかぬまま、俺達は朝比奈さんの待つ空港へと足を運んだ。   朝比奈さんは最初こそ涙を堪えていたものの、それは無駄な努力に終わり、 現在は人目も気にせず、わんわんと号泣している。 このお方は自分の卒業式でも号泣していたな。 素直な人だと、しみじみ思う。 こんな姿を見れるのもこれで最後かと思うと、 俺まで泣いてしまいそうになる。   ハルヒも最初は「笑顔で見送ってあげるのよ!」と無理矢理にでも 笑顔を作っていたが、今は朝...
  • 一万二千年
    ここは…どこだ?それよりも、いつなんだ? 俺は荒地というにふさわしい荒野に制服という場違いな格好で立ち尽くしていた。 いったいなにがあったんだっけ?頭の中を整理して数分前のことを思い出す。 そうだ、確か朝比奈さんと古泉が――― 「キョンくん、今はこうするしかありません 。 向こうに行けばきっと長門さんが待っててくれるはずです」 こんなことを言っていた気がする。断片的にだが思い出してきた。 古泉もいたな。あいつは確か 「残念です。あなたとはいい友人関係を築いていけると思ったんですが…。 あまりに急な出来事でもう時間がありません。涼宮さんのことは僕たちがどうにかします」 そうだ。とにかく朝比奈さんたちは焦っていたんだ。 「あなたのことは好きでしたよ。おっと、勘違いしないで下さいね。妙な趣味は僕にはありませんので。 それでは僕は行かなければなりません。最後に一言、言わせてください」 そういって古...
  • こわれてしまった少女のはなし
    少女たちとその観察対象は、高校を卒業した。   同時に、平凡な毎日はつまらないと嘆いていた神は力を失う。 彼女は彼の隣で笑い、時には怒り、時には泣き、退屈というものを忘れていった。   少女と彼女を監視していた未来人は本来自分が居るべき場所へと帰る。 彼女は泣きながら怒り、未来人を引き留まらせようと考えたが、もうその能力は消え去っていた。 彼女と同じく、超能力者であった男は力をなくす。 男は彼に礼を言い、それを最後に消息不明となった。     少女は彼と彼女が結ばれるために尽くしたが、ある日始めて気がつく。   わたし、も、彼、が、す・き?   少女は宇宙人である。 そのような感情など、持つはずが無い。   それでも少女は、納得がいかなかった。     わたしは彼のことがすきなのかもしれない     それを聞いた少女の創り主は酷く驚き、処分しようと考えた。 しかし彼は、少女が一度時空改...
  • あま~い短編1
    ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」 キョン「え?あ~・・・食べたけど」 ハルヒ「なんで勝手に食べちゃうのよ!?あれはあたしが買ったものなのっ!」 キョン「そうだったのか。すまん」 ハルヒ「なによそれ!反省してないじゃない!」 キョン「・・・そんなに気に食わないなら、今度から名前でも書いとけ」 ハルヒ「っ!このバカキョン!」 バシッ キョン「~~~~っ!いてぇな!」 ハルヒ「うるさいうるさいうるさい!このバカキョンッ!もう離婚よ離婚!」 キョン「お、おいハルヒ、ちょっと落ちつけよ」 ハルヒ「近寄らないでっ!」 キョン「ハルヒ・・・そんなに怒るなよ」 ハルヒ「ハァハァ・・・もうあんたなんかにご飯作らない!洗濯もしないわ!」 キョン「なぁ悪かったよ。だから許してくれ」 ハルヒ「うっさいバカッ!もうあんたなんか知らないんだから!」 ↑の続き キョン「なぁ、まだ怒ってん...
  • キョンいじめ短編2
    キョン「朝比奈さんってホントはいくつなんですか?」   みくる「フフ、禁則事項です♪」   キョン「えー、別にいいじゃないですかそれぐらい」   みくる「禁則事項です」   キョン「あ、干支はなんですか、干支」   みくる「禁則事項です」   キョン「そうですか……ちなみに、好きな食べ物はなんですか?」   みくる「禁則事項です」   キョン「それもですか?ええと、じゃあ、好きな飲み物とか……」   みくる「禁則事項です」   キョン「朝比奈さん、オレのこと嫌いなんですか……?」   みくる「気づくのおっせーんだよこの糞童貞。マスかいて死ね」     古泉「古泉一樹!こ~い~ず~み~い~つ~き~ こ・い・ず・み・い・つ・き こいずみいつき‥古泉一樹♪   古泉「…orz」   一同「あはははは」   みくる「朝比奈みくる あさひなみくる♪あ~さ~ひ~な~み~く~る~朝比奈‥みくる‥」  ...
  • おとめごころ
    わたしが部室に行くと、今日も長門さんが来ていた。長門さんってホームルーム抜け出してるんじゃないかって思う程、ここに来るのが早いなぁ。 「こんにちは、長門さん。あの……着替えていいですか?」 「……いい」 いつものやり取りだ。あ、キョンくん達が来る前に早く着替えなくちゃ。 わたしはこの部室での制服、メイド服に着替えた。なんだか気に入っちゃったんですよね、これ。 わたしが長門さんにお茶を淹れようとした時、大きな音でドアが開いた。 「みくるちゃん!お茶!」 涼宮さんとキョンくんと古泉くんが同時に入ってきた。なんか涼宮さん、不機嫌そう……。 「は、はい!すぐに準備します!」 わたしはそう答えて、お茶の準備に取り掛かった。 お茶を淹れてみんなに配り、最後に涼宮さんに渡した。 「遅いっ!!最初にあたしに持ってきなさいっ!!」 「は、はいっ!すみません!」 「……ぷはぁ!おいしかったからいいわ。じゃあ、...
  • 長門有希の調教
    ガチャ ハルヒ「あれ、有希だけ?まあいいや、今日の活動は休みにするから。あんたといてもつまらないから私は先に帰るね!」 バタン   ガチャ みくる「うわ、こいつだけかよ……根暗がうつるといけないから帰ろーっと」 バタン   ガチャ 古泉「おや、長門さんだけですか。キョンたんのいない部室などに用はありません。帰らせてもらいます」 バタン   長門「初めてですよ……この私をここまでコケにしたおバカさん達は…… …ゆ……ゆるさん……絶対に許さんぞ虫けらども!!じわじわとなぶり殺しにしてくr」 ガチャ キョン「あれ、長門だけか」 長門「……」コクン キョン「そっか。今日の活動は休みらしいぞ。せっかくだから一緒に帰るか?」 長門「……」コクン   ――次の日 ガチャ ハルヒ「あれ今日も有希だけ?まあいいや、私帰るから。それにしても有希って本読んでばっかだから、本当に置物みt」 長門「...
  • 殺人鬼はそこに
    小春日和とでもいうのだろうか。春の暖かくまだ充分に明るい夕日の光が、放課後の元文芸部室に僅な電気代緩和の恩恵を与えている。 部室にいるのは朝比奈さんと古泉、それに長門。ハルヒはなんとかかんとかが今日中で締め切りなのでなんとかかんとかだそうで今日はいない。 いてほしい理由も特にないが。 まずオレは部室にきて、朝比奈さんの着替えを覗き(故意による他意)、その後ちょっとよそよそしい朝比奈さんのいれてくれたお茶をすすり、古泉とオセロ&将棋をしながらなんとなく長門に話しかけたりしていた。 別にいつものことだろう? SOS団唯一でありながらそれだけで容量オーバーなムードメーカーがいないだけで。 朝比奈さんはお茶をくみながら俺と古泉のオセロや将棋(共に自軍優勢)を眺め、長門は本にとり憑かれ、古泉はニヤケ面で。 全然いつも通り極まりないだろう。そして平和だ。 これで平和だと思えないやつはシルバニアファミ...
  • 凉宮ハルヒの休日@コーヒーふたつ
    ━━━━最近、冷え込みが厳しくなって来たせいだろうか、起きぬけの布団の中の温もりが愛しくてしょうがない。 目覚めてからの数分間の至福の一時・・・ そして日曜日の朝の今、俺はこの愛しき温もりを存分に堪能するのだ。 忙しい平日の朝には叶わない、細やかな贅沢。 しかし、この至福の一時には日曜と言えども、僅ながら制限が課せられている。 ほら、その『制限』が廊下をパタパタと走りながらそろそろ来る頃だ・・・ 朝のアニメを目当てに、無駄に早起きな『制限』がっ! ・・・「キョン君~おきろぉ~っ!」━━━━━━ 【凉宮ハルヒの休日@コーヒーふたつ】 俺は、毛布の裾を強く握りしめ、来たるべき妹の猛攻に備えた。 (だいたい「一緒にマイメロ観ようよ~」とか言いながら布団をひっ剥がすか、布団越しに俺の上に乗って飛び跳ねるんだよな・・・) ここで持ち堪えれば、昼までぬくぬくと布団の中で過ごせる。 俺は体制を...
  • 『lakeside love story』 4日目
    『lakeside love story』   《4日目》     「………起きて。」 誰だよ、まだねみぃ。 「早く起きて。」 あと……10分だけ頼む。 「………………ガブッ」 ……いてぇ。 長門だったのか、おはよう。 「……ほはひょふ(おはよう)。」 とりあえず顔洗うから噛み付きをやめてくれ。 「………そう。」 いい加減慣れてきたな、嬉しくないが。     朝飯を食い終わるかどうかの時間に異変が起こった。 ……ザーザー 「この音……まさか雨なの?」 ハルヒが顔をしかめて言った。 「昨日はきれいに月が見えていたんですがねぇ……。」     古泉は肩をすくめ、珍しく本当に困ったような顔をして言っていた。 二人とも落ち着け。 しょうがない、天気ってのは人間の力じゃいじれないんだからな。 「でも……あと少しで合宿終わっちゃうのよ!?キョン!あんたはこれで終わっていいのっ!?」 正直、このままなら...
  • 長門有希の報告Report.25
    Report.25 長門有希の憂鬱 その14 ~喜緑江美里の革命~  わたしの詰問を受ける間も何一つ表情を変えなかった喜緑江美里は、やがて静かに口を開いた。 「ねえ、長門さん。わたし達が『望み』を持つことは、許されない行為だと思いますか?」  江美里の様子がおかしい。 「人間のように、誰かと一緒にいたいと思うことは、異常動作ですか?」  声が震えている。 「無くしてしまったものを取り戻したいと思うことは、ありえないことですか?」  目が潤みだした。 「そのためになら、どんなことでもしてやろうと思うことは、おかしいことですか?」  やがて…… 「泣いているの。」 「ええ、そうです。泣いています。」  彼女はいつもの微笑を顔に貼り付けたまま泣いている。 「わたしが泣くことは、いけないことですか?」  彼女の目からは大粒の涙が零れている。 「ただ観測と事後処理だけしていれば良いのですか?」  ...
  • 朝倉涼子の再誕
    プロローグ 第1話~a Re-Birth in the Best Dream~ 第2話~Selfish Desire~ 第3話~False Happiness~ 第4話~a Farewell in the Worst Nightmare~ 第5話~then...Happy End?~ エピローグ     ※朝倉×キョン(←ハルヒ)のSSです。  一部『~分裂』のネタバレありなので注意。  本編とプロローグ、エピローグあわせて全7話構成になる予定。  甘さひかえめ、かといってビターなわけでもなし。  ヤンデレ・ツンデレ分は皆無です。  萌えはありませんが、時々燃え(バトル)描写ありかも。
  • 涼宮ハルヒの忘却
    「久しぶりにオセロでもやらないか?古泉」 古泉君がきちんと整列した真っ白い歯を輝かせ、微笑む。 「長門、この前貸してくれたあの本、思いの他面白くてさ。昨日の夜もつい遅くまで読み耽ってたぜ」 有希が膝の上に置かれた本を黙読することを中断し、ゆっくりと顔をあげる。 「いやあ、朝比奈さんの淹れたお茶は何時飲んでもおいしいなあ」 みくるちゃんがお盆を抱え、少し頬を赤らめた。   いつもと何ら変わりの無い放課後だった。     今日もこうして時間は過ぎ、日が暮れる頃にハードカバーの閉じる音がした。 下校の合図。これもごく日常的な習慣。   次々と席を立ち、帰り支度をした後に、 「それでは、皆さんお気をつけて」 まずは古泉君が、 「……また明日」 その次に有希が文芸部室を後にする。これもごく日常的な帰宅の流れだ。   「それじゃあ…着替えるから」 そしてみくるちゃんが、 「待っててくださいね、キョン君...
  • Lolita's Love Complex  第一話「My little lover」
    「キョンくん、おっはよー!!朝ご飯できてるよー!!」 「ぎ・・・ぎがああああああぁぁあああっっっ!!??」 妹の目覚まし”シスターズボディープレス”で叩き起こされた俺はその衝撃に死ぬかと思った。 俗に言う朝立ち。その状態のアレの上に乗ってきたのだ。もう、痛いのなんのってない。 そう、何が起きたか解らないような痛みだったのだ。 「あぁああああぁあああああぁぁぁぁぁああぁぁぁ・・・・・・っっっっっ」 急速に、意識が薄れていく。 「どうしたの!?大丈夫!?」 妹が凄い慌てた様子で俺を揺さぶる。 「と、とりあえず・・・大丈夫、だ・・・・・ガクッ」 「キョンくん!?キョンくんっ!キョンく・・・キョ・く・・・キョ・・・・・」 よっぽどの激痛だったに違いない。 俺は、そこで意識が途絶えた。           そして、目覚める事はなかった。 死因「シスターのカールイス」 BAD END   第一話「My...
  • 普通短編49
    ハルヒ「新部員連れてきたわよ!」 キョン「そうか…」 ハルヒ「その名もアキラ!」 キョン「ああ、よろしく」 ハルヒ「アキラはいつもマフラーをねじってるのよ」 落ちナス   「キョンくぅん、わたし上○大学に合格してましたぁ」 「えっ、朝比奈さんでも合格なんて○智ってそんなレベルか… じゃ、俺は東大にしときますね」     「野球大会に出るわよ!」 六月の湿気。 雨が降っても生暖かく、風は少しも吹きやしない。 ったくこれだから盆地は嫌になる。 俺の至福の瞬間・・・ 安眠”を妨げるには十分だった。 寝たい。 ・・・? 何? 野球大会・・・? いやな予感がする、寝よう。 「こら、キョン。 寝たふりをしても無駄よ!」 おそらく母猫が子猫をくわえて移動するような光景であることは明らかである。 つまり俺は首根っこを掴まれ引き摺られている所なんだ。 目を開ければ厳しい世界が待ってい...
  • 涼宮ハルヒの童話~シンデレラ編
    むかしむかし、ある国の貴族の夫婦の間に一人のかわいいけど頭のイタイ女の子が生まれました。 ハルヒと名付けられたその女の子は様々な武勇伝からいつしかツンデレラと呼ばれるようになったものの、とても美しい娘に育ちました。 ところが浮気症だけど優しいお母さんがエイズで死んでしまいました。 代わりにやってきた継母と二人の連れ子、みくると有希はとても意地悪で、ハルヒは毎日いじめられていました。 人間立場が違うとここまで豹変するのかと、作者はちょっぴりセンチメンタルな気分になりました。   ある日、この国の王子さまがおしろで女あさりのパーティを開くことになりました。 欲張りな有希とみくるは王子をゲットしようとお化粧したり、官能的な衣装を着たりして、ハルヒを一人残してパーティに出かけて行きました。   ハルヒがパーティに行けないイライラをペットの谷口(犬)にあたっているとそこに魔女のちゅるやさんが現れ、 ...
  • 霊なのか夢なのか
    さて、皆は霊というものの存在を信じているだろうか? 信じている、実際に見たことがある、むしろ会ってみたい、という人も少なからずいるだろう。 俺はというと、前にもそういう類のことを話したことはあるだろうが、昔はそりゃあもう信じていた。 もちろん今は信じてなどいない。もし存在するとしてもそれは長門の言う情報の残骸みたいなものなのだろう。 そしてそれはもちろん物質として存在するわけではなく、それに触られたりすることはないわけだ。   じゃあ最近俺が体験しているこの状況は何だ?   一週間前だろうか。暑いから布団も何も掛けずに寝ていると、急に何かに軽く触られたような気がしたのである。 しかし目を開けてみるとそこには俺の身体があるだけで何もない。どうやら妹の仕業ではないようだ。 しかも、少なくともこういうものは気付くと収まるものだと思っていたが、目を開けてからもその”何か”は 執拗に俺を触り続けて...
  • アフター ザ ナイトメア
     それまで体が動かなかった反動で、あたしは目を覚ますと同時にがばっと起き上がった。カチンコチンに固まっちゃってたのよね。情けないことに。  しばらくは冷静になれなかったわ。一瞬で周りの景色が変わったみたいだったし、いままで目の前にいたはずのアイツの姿も消えてる。  アイツの姿を目で探して、ようやく気づいたわ。ここはあたしの部屋。いまあたしが座ってるのはベッドの上。膝の上には乱れた布団が乗ってて、あたしは制服じゃなくていつものパジャマを着てる。外はまだ真っ暗。そう、この奇妙な体験はぜんぶ夢だったってわけ。  でも、夢だったと理解するまでにも数秒かかったわね。だってホントにリアルな夢だったんだもの。あたしはなぜかアイツと二人だけで学校にいて、外は昼なのか夜なのか分からないけど一面灰色に染まってて、そのうちなんか青い巨人みたいなのが現れたと思ったら学校を破壊し始めて……。  夢の最後、ア...
  • ながとぅーみー 第一話「粉雪のふる頃に」
    雪景色。心の情緒を呼ぶ光景。 ふわりふわりとそれは仄かに明るく舞う。まさに冬の蛍と呼べるだろう。 そんな景色を俺は文芸部室、もといSOS団の本部から見ていた。 「雪、見てるの?」 静かな部屋からか細い抑揚の無い声が聞こえる。 むろん、長門である。 「そうだ」 「そう」 いつもどおりの会話。長門は本から視線を窓の外、正確には窓の外の雪を見ていた。 ユキを見るユキ。おっと、ギャグじゃないぞ。いや、本当に。 実際そういう状況なんだから仕方が無いのさ。 そんなこんなで俺達はしばらくじっとどちらかが止めるまで六花を見続けていた。 「「・・・」」 団長のハルヒや、マイ・スウィート・エンジェルたる朝比奈さん、 なんだかんだで欠かせない古泉、その三人が居ない部室。 俺と、長門―――二人きり。 こうして見ると、長門はとても整った顔立ちをしている。 そして、なんというか守りたくなる、そんな雰囲気をまとっていた...
  • カーディガン
    体育の授業を終えて長門有希は教室に戻ってきて異変に気付いた 「……?」   彼女のカーディガンが無くなっていたのだ いつもの彼女ならば、無ければ無くても良かったのかもしれない。だが…   「ない……あの人から貰ったのに……」 今までなら、モノが無ければ自分で構築すればいい。だがアレだけは何故か特別な品だった 長門有希本人は自分が動揺している事を自覚していないだろう。だが傍目には長門有希は明らかに動揺している   そんな長門をニヤニヤ笑いながら人の女子生徒が話しかけてきた 「長門さん?そんなに慌ててどうしたの?」 女子生徒は笑いを堪えて、さも心配しているように話かけた 「……カーディガン」 「カーディガンがどうした?」 「……ないの」   長門は必死に何より大切なソレを探した 「カーディガンならまた買えばいいじゃな~い」   この女子生徒は知っていた。長門がキョンからカーディガンをプレゼント...
  • 「異変」
    ……なんだこれは? パタン 一度開いたドアを閉めた、ここはSOS団の部室ってのは間違いない。 今日は担任の呼び出しで遅れた俺、間違いない。 ノックすると朝比奈さんの声が聞こえてくる。 うむ、今日も癒される良い声だ。 ドアを開けると……やはりおかしい。 窓際でハードカバーを読み続ける長門、一人でニヤケ顔をしながら詰将棋を解く古泉、お茶を用意してくれている朝比奈さん……… ハルヒはどこだ?   古「おや、涼宮さんはご一緒でないのですか?」 それは俺のセリフだこのニヤケ顔。 あいつは今日も俺の背中をペンで突っ突き何か思いついた顔でニヤニヤしながら机(窓)に向かっていたんだぞ。 朝「でも部室には来てないですよ?」 そんなことはないですよ。 何せ走って向かって行ったのを見ましたから。 長門は見なかったか? 長「見ていない」 あ~そうか、俺の心配より本が気になるか。   「ちょっと俺、ハルヒを探してき...
  • 涼宮ハルヒの発見
    電気を付けたら部屋が明るくなりました、みたいないつも通りの放課後。俺はいつも通り占領もとい借りられた文芸室に足を運んだ。にしても太陽もたまには休めばいいのにどうしてここ最近晴天続きなんだ。   真夏の太陽を恨みながらドアを開けると、そこにはチューリップの花のように可憐なメイドがのんびりお茶を沸かしてい・・・なかった。 ただ部室の真ん中で怯えた朝比奈さんが団長様に気圧されていた。   ハルヒ「だから答えてちょうだい!どうやって瞬間的に私の前に姿を現せたのよ!?」 みくる「あうあうあうあうあう」   ハルヒはなんで怒っているんだ?いや、というより爆発寸前の太陽ような笑顔だな。それに「不思議を見つけた」みたいな楽しさを感じる・・・まさか。 少し会話(というより恐喝)を思い出そう。朝比奈さんが突然姿を現した、だと。しかもハルヒの目の前で。 俺が頭痛を感じていると古泉が営業スマイルのまま近寄ってき...
  • 恋する?いちご練乳
    梅雨も明け夏休みも近い七月のある日のこと。朝比奈みくるは補習、観察対象である彼と涼宮ハルヒは 勉強会(彼の追試対策)でいないため、SOS団部室もとい文芸部室には特別な用事もない私と古泉一樹の二人しかいない。 彼はいつもの笑顔を張り付けたまま一人で詰め将棋をしている。私はいつものように窓辺で読書に専念している。 お互い何も話さない。沈黙に堪えかねたのか、彼は私に話しかけてきた。 … 私は顔を上げず黙って彼の言葉を聞いている。時折私に意見を求めたが、私は答えなかった。うまく言語化できなかったし、 無理に答える必要性を感じなかったから。暫くすると彼は困ったような笑みを浮かべ、また詰め将棋を始めた。 私はひたすら読書に専念した。 結局この日は私達以外の人間が来ることはなかった。なので必然的に私達は二人で帰ることになる。 「ちょっと寄って行きませんか?」 彼は氷と書かれた旗を指差した。断る理由もなか...
  • サムナンビュリズム前編4
    そして、そんないつものSOS団活用内容とさほど変わらないモラトリアムな時を過ごしながら、俺は辺りが段々とオレンジ色の光に包まれつつあるのを感じていた。 昨日別れた時刻に近づいてきたな。ていうか、そろそろ帰らなきゃ帰りのバスもなくなっちまうんじゃないのか、ハルヒ? 「えっ……何?」 「だから、こんな時間までここにいて帰りのバスは大丈夫なのか?」 「だ、大丈夫よ! あんたがそんなこと心配する必要ないわ」 「そうかい、……ところでハルヒ」 俺はいつになく真剣な面もちでそう呼びかけた。 ハルヒはどことなく顔を赤らめつつ、 「な、なによ?」 と、ぶっきらぼうに返してきた。   「俺……トイレに行ってくる」   「あっそういってらっしゃいごゆっくり」 と、今度はえらくぞんざいに返してきた。 一応断っておくが大きいほうではないからな、と心の中でつぶやきながら俺はトイレへとたった。   トイレをすませた俺...
  • 霊なのか夢なのか現実なのか
    ※霊なのか夢なのかの続きです。     あたしは考えていた。この前のキョンの制服のシミ、今日のキョンの痣・・・・・・   あたしがこのキョンぐるみにしたことが、現実のキョンに影響してる・・・・・・?   あの時は・・・・・・ちょっとヨダレ垂らしちゃってシミにしちゃったし、昨日は勢いに任せて八つ当たりしてた。 ・・・・・・偶然偶然!んなことあるわけ無いじゃない!あ、そうだ!名案が浮かんだわ。 シミが影響するくらいなら制服になんかを書いても影響するわよね? というわけで、ブラックライトを当てないと見えないペンを引き出しの奥から引っ張り出した。 えーと何書こうかしら?・・・・・・ま、どうせ誰も見ないんだからあれでいいわ。♪~♪~っと。 これできっと偶然だってことが証明されるわね。さて寝るわ。 あたしはいつものようにキョンぐるみを抱きかかえた。   さて一時間目が始まったわ。キョンは頑張ってノー...
  • ちょっとみくる救済保守
    俺がハルヒと付き合い始めたころ、どういうわけか、長門と古泉も付き合い始めていた。 そして、いつのころからか朝比奈さんが少し元気がなくなっていたころの話だ。 ハ「最近、みくるちゃんが一人ぼっちになってるみたいね。」 み「一人だけ寂しいですぅ~」 長「…SOS団は男女比2:3。どうしても誰かが余る。」 み「わ、わたしはあまりなんでしゅかぁ~うぅぅ」 ハ「そういってもねぇ。キョンはあたしのものだから仕方ないし…」 長「古泉一樹も私のもの。」 ハ「有希~。いうようになったわねー」 長「…別に。」 ハ「そうね、みくるちゃんだけ一人って言うのも可哀想だし、キョンも古泉くんも1/3ぐらいはみくるちゃんに貸してあげましょう!。有希、かまわない?」 長「あなたがそれでいいなら。かまわない。」 み「(ちょっと納得いかないけど)あ、ありがとーございましすぅ」 ちょっとみくる救済保守  ハ「みくるちゃん!つ...
  • 桃から生まれた――
    桃から生まれた――    昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。 「おそらく14世紀~16世紀、そしてここは岡山県と思われる。ちなみに普段我々が活動しているのはその隣、兵庫県」 「なあ長門。時代はともかく、いきなり場所を特定するのはどうかと思うぞ。一応、『あるところに』って言っているわけだし、原作にも俺たちの所在地は特定されていないわけだし」 「しかし、大半の読者は知っている。なら問題ないはず」 「そういう問題か? ところでだな」 「何?」 「どうして俺たちがおじいさんとおばあさんなんだ? 爺さんっぽい格好、婆さんっぽい格好をしていることはしているけど顔とかは思いっきり普段のままで設定上高校二年生通りのままなのは置いておくとして、てことは何だ、その……」 「わたしは構わない」 「そ、そうか? いやまあお前がそう言うならそれでもいいが」  とどのつまり、二人は仲睦まじ...
  • あま~い短編7
    キョン「なぁ、長門」 長門「…なに?」 キョン「動くなよ?」 ぎゅっ 長門「…なに?」 キョン「ん?だっこしてる。抱き心地いいな、長門は。」 長門「…そう」 キョン「もうちょっとこうしてていいか?」   長門「………いい」         キョン「なぁハルヒ、俺とお前で新しい部活を作らないか?」     ハルヒ「え?なんていう部よ?」     キョン「2人でラブラ部だ」     ハルヒ「キョン・・・」         古泉「あまああああああああああああああい」             部屋に入るといささか意外な光景が、俺の目に入ってきた。寝ている。ハルヒが長机の端に、空気が抜けた浮き輪のように垂れている。 「部屋に入ったら、すぐにつっぷしてしまったんです。具合悪いのかな」 心配そうな声で朝比奈さんは言う。 「ハルヒ、どうした。具合悪いのか」 ハルヒは答えない。それどころか微動だにしない...
  • 五月の風、ふぁいなる
    『五月の風』 『五月の風、ふたたび』 の続きです。   ======== 『五月の風、ふぁいなる』     「遅い、罰金!」 「ぐ、なんであんたなんかに……」 うーん、気持ちがいい! 俺は勝ち誇ったように腰に手を当て、びしっと右手の人差し指を突きつけて、いつもハルヒに言われ続けていることを逆に言ってやった。 「ははは、今日は俺の勝ちだな」 「あたしは、徒歩、しかも自転車押してきたんだからね」 「わかってるよ、ちょっと言ってみただけさ」 別に本気でハルヒから罰金を取るほど俺は鬼じゃない。ハルヒはパンクした自転車を押しながら歩いて待ち合わせ場所にやってきたんだから、ハンデを認めてやることは吝かではない。もっとも、ハルヒが素直に罰金を払うとも思っていないがね。 「もう、覚えてなさい!」 そう言いながらもハルヒは、今日の天気のようにさわやかな笑顔だった。   ハルヒが押してきたのは、いわゆるマウン...
  • 谷口の恋心
    「なぁ、国木田、朝倉ってどこに行っちまったんだろうな」 「どうしたの、急に。先生はカナダって言ってたけど」 朝倉涼子が転校して半年が経って、もうすぐクリスマスになろうとしていた。 「いや、何となくだ。クラス一の美少女が何の言葉もなしに転校ってのがどうも引っかかってな」 「何それ。ずいぶん今さらだね」 国木田の言うとおり。俺の読みではキョンあたりは何か知っているはずなんだが… そう思う根拠は朝倉の転校が知らされる前日のことだ。 「なんだ、朝倉。まだ帰らないのか?」 そろそろ日が落ちようかという時間で、教室には俺と朝倉しかいない。他の生徒は下校したか部活動にいそしんでるか、あるいは涼宮に振り回されてるかだな。 俺は何となく教室に残っていただけで…いや、実際は朝倉が帰り始めるのを待っていた。 「うん、ちょっと用事」 朝倉は笑顔で俺にそう答えた。やっぱり可愛いな。ランクをAA+からAAAにあげても...
  • 長門有希の歌声3 前
    「物質、エネルギー、そして情報。これが、宇宙を構成する三つの要素」 「情報統合思念体って、どういうものだと思ってる?遠い宇宙の果てのはてにある、銀河みたいな星の固まり?それとも、宇宙に漂う、 何か大きなクラゲみたいなもの?」 「どっちも外れね。情報統合思念体は、この宇宙を構成する情報全て。全宇宙の情報が、時に秩序を形成し、 時に無秩序に増殖する。そして、それらを認識する情報。これが情報統合思念体。率直にいえば、この宇宙全体が統合思念体なのよ。 もちろん、あなたも私も思念体の一部。でも安心して、あなたが自分の体の細胞の1つを認識できないように、 思念体もあなたのことなんか全然気にしていないから。」   俺と朝倉は、今カラオケボックスのベンチシート席に居る。最近のカラオケボックスでは、少人数の客はこうしたベンチシートルーム、 3人掛けくらいのベンチ1台に向かい合うようにマシンが設置された小部屋...
  • 『God knows』 9章
    『God knows』 ~9章~ 歩いて帰る俺。 家に着く頃には24時を回るだろうな。 言い訳を考えつつ歩く、歩く。 決めた、もうごり押しだ。 ヤケクソになって決めた俺の作戦を発表しよう。 帰宅→叱られる際に彼女の家に行っていたことカミングアウト→みくるさんの住む場所が無くなるとでっち上げる 完璧だろ?…………笑ってくれ。 家に…着いた。 正直、入りたくねぇ。 だがそういうわけにもいかず、心を決めて家に入る。 「ただい……「キョン!こっちに来なさい!!」 鬼の声が聞こえる……。 みくるさん、《あなたのキョン》は、生きて帰れないかもしれません……。 え~、ここからは母親とのやり取りをダイジェストでどうぞ。 ……一人言増えたな、俺。 「キョン!あなたこんな時間まで何処に言ってたの!?」 「まぁ……、あれだ。俺の彼女の家だ。」 「あら、あんたいつの間に彼女なんて……なら、仕方無いわね...
  • 虫歯と歯医者-下校編
    泣く子とハルヒには勝てないんだろうなと思いながら俺はハルヒと一緒に坂道を下った。 時代劇で領民に無理難題を押し付ける悪旗本役の募集があったらハルヒを真っ先に推薦したいね。 悪代官役でもOKだ。 さて並んで下校する高校生男女二人連れの俺とハルヒ 字面だけなら青春の熱き血潮が爆走中といったところだがそうは問屋が卸さないだろう。 俺達の前後左右を歩く北高生達に俺達がどう見えるかと質問しても 例のヤバイ女とその手下の変な二人連れという答えしかかえってこない筈だからだ。 じゃぁ俺達のことを知らない人ならどうなのかというと まわりに北高生以外の通行人がいやしないとあっては変な二人連れ以外のなにものでもない。 と自分でだした結論になんとなく理不尽さを感じつつハルヒの様子を伺うと 「全くキョンったら高校生にもなって歯医者が怖いだなんて団長として恥ずかしいわ」 などと相変わらずの妄言三昧だ。 それもこれも...
  • 黒キョン
    ハルヒ「ちょっとキョン!コンビニでプリン買ってきて!みんなの分もね。」 また回避不能の強制イベント発動か。だが一応否定はしておくか。 キョン「何で俺が行かなきゃならん。食いたいなら自分で(ry」 ハルヒ「何度も言わせるな!アンタはSOS団の雑用(ry」 こうして俺はコンビニに向かうためにこの坂道を下っているわけだが、いいかげん俺もストレスが溜まってきたぞ。 ハルヒを不機嫌にさせて閉鎖空間とやらを発動させないためにも耐え忍ぶのが俺の使命なんだろうが そろそろ限界に近い。どうにかしてあの天上天下唯我独尊女に一矢報いたい。 コンビニでプリンを買い、坂道を登りながらハルヒにどのような仕打ちをしてやろうかを考えた。 あまりやりすぎると世界が崩壊させられるかもしれんしな・・・。 よし、これにしよう。 俺の考えたハルヒへの復讐プランは、ゴキブリやカエル、蜘蛛やミミズといった女子が 嫌う小動物をハ...
  • みくると鶴屋さん
    ~朝比奈宅・夜~   prrrprrr ピッ   みくる「はい、あさひn」   鶴屋「みっくる~!!」   みくる「ひゃっ!つ、鶴屋さんですかぁ?」   鶴屋「そうさ!鶴屋ちゃんさ!」   みくる「聞こえてますから、あんまり大きな声出さないで下さいよぉ」   鶴屋「ん?そうだね、ごめんよ」   みくる「もう、驚いちゃいましたよ?」   鶴屋「あはは」   みくる「それで何のようですかぁ?」   鶴屋「可愛いみくるが暇してないかなぁ、と思ったんだよ」   みくる「ふふ、なんですかそれ?」   鶴屋「それとも男でも連れ込んでる最中だったかい?」   みくる「お、お、お、男の子なんていませんよぉ~!」   鶴屋「冗談だよ冗談!全くみくるはいいリアクションしてくれて助かるよ~」   みくる「ひどいですよぉ」   鶴屋「ところで何やってたんだい?」   みくる「いまさっきお風呂からあがったんで、髪...
  • シスターパニック! 第3話
    3話  朝から妹のボディプレス、ハルヒの耳元絶叫により、寝覚め最悪で俺は朝食を食べていた。  あぁ、くそ。鼓膜が痛ぇ。 「いつまでも起きないのが悪いんじゃない。あたしまで遅刻させるつもり?」  ……ちょっと待て、お前は俺と一緒に登校する気か? 「当たり前じゃない! あの自転車は共有だから一緒に行くしかないでしょ!」  あぁ、そうなのか。頭の良い俺は、今のセリフでわかったよ。  ハルヒを後ろに乗せて学校に向かわねばならないわけか。  そして必然的にハイキングコースもハルヒと二人か……。  古泉が見たらいつもの3倍のニヤけ面を俺に向けて来るんだろう。……数日の我慢、数日の我慢。  迫り来る登校時間に焦りつつ、ハルヒを乗せて家を漕ぎ出た。  ……うむ、いつもより足が重い。やはり一人分多いのはキツいな。 「ふふ……なんか懐かしいわね。キョン兄と一緒に登校出来るのは一年ぶりだもん」  こいつは入...
  • Break the World 第三話
      第三話 ― 悲愴 ―    待て待て、とりあえず考えろ、俺。  大体こんな極端な二択しかないってのがバカげてる。  ハルヒのとんでもパワーだったら少しどころか大いに我が侭を通せるはずだろ。  自分達の住んでいた世界をハルヒが否定でもしない限り……  そこまで考えて思い当たった。そうだ。こいつは否定する奴だ。  かつて閉鎖空間に閉じこもったのは、自分の望まない世界を否定した結果らしいし、  その中で俺だけは一緒にいたいと願われたからあの場所に呼ばれた。   俺と自分以外の世界は「要らない」って深層心理では思っていたって事だ。  つまり、ハルヒと力は今繋がりが無くなりかけていて、  力の暴走の結果もまた、ハルヒの願望なのだ。俺と二人で生きるという願望。 「なあ、ハルヒ」 「なに」 「世界を壊してまで、お前は俺を選ぶのか……?」 「…………」ハルヒは黙ってる。 「……答えてくれよ。俺にそこま...
  • キョンと妹
    「ふう…今日も疲れたな…」 俺はSOS団の活動を終え、風呂に入っていた。 「しっかし、風呂は気持ちいいなぁ…ここで朝日奈さんでも入ってきてくれたら…」 ガラッ。 「え!?」 「バァッ!」 そこにはタオルで身を包んだ妹が立っていた。 「な、おい!俺がまだ入ってるんだから入ってくるな!」 「キョンくん…」 「な…なんだよ…」 バッ。妹はタオルを取った。そこにはまだまだだか、ちゃんと女らしい体付きになった妹の姿があった。 「な!バカ!やめろ!」 「キョンくん…あたしのこと…女の人って思ってくれる…?」 「何言ってるんだ!早くタオル巻け!」 「あたしキョンくんとエッチしたい」   「な…に?待て…お前今なんて…」 「だからあたしはキョンくんとエッチしたいの!」 「理由は…?」 「キョンくんが好きだから…」 「待て…妹となんて…」 「妹となんて出来ないっていうの!?あたしだって、決心して言ったのに…...
  • お悩みハルヒ~最終部・主導権の行方編~
    「いらっしゃいませ!」  あたしは今、いつもの喫茶店にいた。向かいに座ってるのは、『魔法遣い』のキョン。  あたしが目を瞑った後のことを少しだけ思いだしてみた。  あたしが目を開けると元の明るい部室に戻っていた。どっかの部活の朝練の音も聞こえている。  その代わり、キョンの姿がなくなっていた。……やっぱり夢だったの?  あたしは鞄を取りに来て、そのまま寝ちゃって夢を見た。その時、キョンはいなかった……ってことよね。  戻ってこれたのはうれしいけど……残念だわ。キョンから「好き」って言われたのも夢の話だったってことが。  あたしは、顔を覆って少しだけ泣いた。よくわかんないけど、涙が出たから。 「なに泣いてんだ、団長様」  ドアの方から聞こえてくる声にあたしは顔を上げた。 「早く来て、鞄を教室に持って行ってやろうと思ったんだけどな。お前の方が早かったか」  あ、あら、気が利くじゃない。……...
  • 結婚しよう 佐々木某の結婚生活
    「君はいつもそうだ。いつもそういう風にしか僕に接してくれないんだ!」 「そういう風にってお前… 俺の接し方の何がいけねえって言うんだよ!」 「それだよ! 今のこそ僕が不満に思っている事の全てが詰まっていたよ。ホント… どうして君はいつもそうなんだいキョン?」  だあああ、訳っ分からん!  こいつは一体俺の何が駄目だって言いたいんだよ!  さっきからず~~~~っとこれだ。  それより、『君はいつもそうだ』ってお前はドラえもんかよ! 「あ~、キョンは僕の話なんか聞いてくれないんだね」 「な!! 俺はさっきからずっとお前さんの話は訳の分からん不満を聞いてるだろが」 「訳の分からない不満だって? 君は正気かいキョン?」 「ああ、いたって正常だ!」  少なくとも俺はお前さんみたいにヘンテコな要素のない一般ピーポーだよ。 「全く、呆れて物が言えないよ」 「はあ、どういう意味だ?」 「そのまんまの意味さ...
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