涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「ある日 文芸部室にて」で検索した結果

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  • ある日 文芸部室にて
    ある日 文芸部室にて キョン「今日は長門と古泉しかいないのか」 古泉「朝比奈さんは用事で今日はこられないとのことです」 なぜ朝比奈さんはおれでなくこんなやつに言付けを頼んだのかと、少し腹が立ったがまぁいい 古泉お茶いるか? 古泉「はい、お願いします」 長門は? 長門「・・・・・コクリ。」 おまえら、朝比奈さんが来ないこと知ってるんなら自分の分くらい入れとけなまけものどもめ やかんをコンロにかけていると後ろから気配がする 長門「・・・・・・・・。」 ん?どうしたんだ 長門「まだ?」 あー、もうちょっと待ってくれすぐ作るから 今日はやけにせっかちだなぁ、そんなに喉が渇いていたなら自分で入れとけばいいのに というか、宇宙人でも喉が渇くのか などと考えていると突然長門のやつが俺のズボンのチャックを開け始めやがった キョン「おい長門何してんだ」 えらく冷んやりした手が俺のものを握っていた う...
  • エッチな短編置場
    ...13 14 ある日 文芸部室にて ミルク つきあう 涼宮ハルヒは思春期 長門有希のエロゲ 初めてはあなたに マニアックキョン 電子手紙の終焉 思春期キョン保守 メイドさんごっこ保守 黄色リボンちゃん めがっさいただきます まぞ☆もり まぞ☆もり2 まぞ☆もり ある日のお話 一日団長権
  • 長門有希のコンタクト
    ...かった。   だが、ある日。下駄箱に手紙が入ってた。”放課後、部活が終わったらまた文芸部室に来て。” 長門からだった。これは俺からも誤るチャンスだろうと思った。   微妙に悪い空気の中で部活動終了後。また文芸部室へと戻ってくる。   「長門・・・。」 「あのね・・・もうすぐお別れなの・・・。」   何を唐突に!?   「本当はあたしは人とうまく触れ合えるように作られたテスト用のインターフェースなの。うまくいったら 観測とテストを継続できたんだけど・・・キョンくん怒らせちゃったから・・・。失敗なの。」 「あれは俺がいけなかった。長門が何を考えていたのか分からなかった。つい頭に血が上って・・・」 「だったら・・・なんで?・・・なんであたしをもっと見てくれないの?」   俺の前にいる彼女の目に光る粒が浮かぶ。 長門・・・すまなかった・・・。 そういいながら俺は長門を抱いていた。   「...
  • 文芸部室の幽霊
    残暑も過ぎ去り、秋を感じさせる涼しい風が吹きぬける文芸部室にて、本日の活動は我らが団長涼宮ハルヒの欠席でお送りしている。 欠席の理由は特に聞くことをしなかったが、珍しいこともあるもんだね。そして、これは団長による団長のための活動であるにも関わらず、ハルヒ不在の今日もこうして団員たちが文芸部室に集合してしまうのは何故なのだろう。 今日も、辺りを見渡せばいつもと変わらぬ光景が広がっている。 長門は読書に耽っており、朝比奈さんはお茶と格闘、古泉は今俺とオセロで対戦中だ。至って平凡、いやぁ、あいつが居ないと静かでいいね。少々静か過ぎると違和感を感じたりもしてしまうのだが。 俺は、何も考えていなかった。というのは、今日も何も無い一日であることを確信していたという意味だ。何か特別なことが起こるのだとしても俺には検討もつかないし、そういうのを妄想して楽しむのは俺じゃなくハルヒの仕事だからな。 し...
  • 雪、無音、窓辺にて。
    「お、なんだ長門、お前だけか」 彼が文芸部室のドアを開く。 私は、ものの3秒だけ読んでいた本から目を離し、彼を確認する。 今、文芸部室には私と彼以外に誰も居ない。そして、半径15メートルの範囲で文芸部室に向かおうとしている有機生命体も確認されていない。 彼と、二人きり。 私は本へと視線を落としたが、そこに並べられている文章を上手く認識することができなかった。 また、エラーが生まれた。 いつからだろう。 いつからか、私の中でエラーが見られるようになった。 このエラーの原因は、未だ不明。 「何だお前、ストーブつけてなかったのか?風邪引いちまうだろうが・・・」 彼はそこまで言うと口をつぐんだ。私が言わずとも気づいたようだったが、しばらくこちらの様子を伺っていたので私は答えた。 「私には、体を温める必要は無い。体温調整ができる。そして、このインターフェイスは有機生命体が風邪と呼んでいる、ウイルス...
  • (消失)長門有希のもしも願いが叶うなら 第3章
    ... それから数日経ったある日。私は一人部室で書評を書いていた。 彼はアンケート用紙を配りに行っている。 バン ドアが勢いよく開く。 私は彼が帰ってきたのだと疑いもしなかったのだが、そこには女の子が立っていた。 彼女は部屋を見渡し 「あなたしかいないの? あなたが部長? 」 「そうだけど」 「私、ナツ。1年よ。ここに仮入部するから」 いきなりそう言うので、なぜ? と思ってしまったけど、今でも部員は足りない。大歓迎だ。 「そう。私はユキ。あなたと同級生。よろしく」 「ところで、文芸部って何するところなの」 「え?」 思わず声に出してしまうほどの問題発言を彼女は言った。ここは笑うところなのか? 私が困り果てていると彼が戻っていた。 「あら、あなたも部員? 意外ね。今日から仮入部することにしたから。よろしく」 会話から彼と彼女が顔見知りだとわかった。 「なんで文芸部に仮入部しようと思ったん...
  • 涼宮ハルヒの別れ
    ...た団体だもの。 でもある日、クラスの女子に誘われたわけ。一緒に帰らないかって。 その子は私がSOS団をやってることを知らなかったの。 本当は知ってたのかもしれないけど、とりあえず誘われたの。 最初は一日程度SOS団を休むくらいいいか、って気持ちだったの。 その子は私と普通に接してくれたわ。私がSOS団をやってることを知ってる子って だいたい腫れ物を触るような態度で私に話しかけるでしょ? でも彼女は違った」   それは古泉の組織が用意した人間なのか、 それとも本当にSOS団を知らなくて、本当にハルヒと仲良くなりたいと思って近づいたのか・・・ どっちにしてもハルヒがその子が原因でSOS団をやめたのは確かである。   「その子と一緒に帰るようになってから他のことも仲良くなっていったの。 それで私、SOS団の団長をやってることを隠そうと思ったの。 だってバレたらなんか嫌だったから・・・」  ...
  • Different World's Inhabitants YUKI~ゲツヨウビ(その二)~
    ...しますが、3ヶ月前のある日、今までしばらく発生していなかった閉鎖空間が、どこかに発生した感覚を覚えました。」   どこかで聞いたことのあるような話だ。 しかしそれがどうした。それがお前の仕事だろ。   「ええ、確かにそれが我々の役目です。しかし、その時はその役目を果たせなかったんですよ。何故なら、どこを探しても、閉鎖空間らしきものが見つかりませんでしたからね。普段、我々は、閉鎖空間が現出する時間と場所を探知することが出来ます。しかし、あの時に限っては、時間のみしか知ることが出来なかった。」   古泉はテーブルの上の紙コップに入ったコーヒーを口に含むと、さらに話を続けた。   「この現象は、『機関』でも審議されました。このまま、閉鎖空間の発生を見過ごしてもいいのかとね。しかし、それ以降、この閉鎖空間の拡大も観測されず、またこの現象も起こりませんでしたので、この件は、保留という形で事...
  • テディベア
    「すぐ戻ってくるから、ちょっと座って待っててくれる」 そう言い残して、ハルヒは先ほど俺たちが登ってきた階段を降りて行った。一人部屋の中に残された俺は動揺している心を落ち着かせるために小さく深呼吸をする。 胸の鼓動が速くなっているのが分かる。別に今日何かをしようという気があるわけではないし、ハルヒに自分の家に来るように誘われた、ただそれだけなのだが、妙に緊張する。何せ妹以外の女の子の部屋に入るのは初めてだからな。 おそらく谷口あたりも最初はそうだったんじゃないだろうか。いや、あいつは今でもそうかも知れない。それ以前に女の子の部屋に招かれたことが無いかもな。国木田は……なんだかんだで要領良さそうだから大丈夫なのかも知れないが…… 目をつむって心を落ち着かせるように自分に言い聞かせる。しばらくそうしていると、胸の鼓動も通常に戻り、若干落ち着きを取り戻したように思えた。少し安堵の感がわいてくる...
  • 涼宮ハルヒの情熱 エピローグ
    「ただの人間でも構いません!この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者に興味のある人がいたらあたしのところに来なさい!以上!」 これはハルヒの新学期の自己紹介の台詞だ それを俺が聞くことができたのはハルヒと同じクラスになれたからに他ならない ハルヒが泣いてまで危惧していたクラス替えだったが俺は相変わらずハルヒの席の前でハルヒにシャーペンでつつかれたり、その太陽のような笑顔を眺めたりしている どうやら理系と文系は丁度いい数字で分かれるようなことはなく、クラス替えであぶれた奴らがこの2年5組に半々ぐらいで所属していた 教室移動で離れることもあるが、大半の時間をハルヒと過ごすことができる これもハルヒの力によるところなのか定かではないが、この状況が幸せなのでそんなことはどちらでもよかった 「キョン!部室にいくわよ!」 放課後俺はハルヒと手を繋いで部室に向かう やれやれ、こんな幸せでいいのかね ...
  • 射手座の日、再び
    1.プロローグ  2月上旬のある日のこと。  それは、SOS団団員にして文芸部長兼コンピ研部長たる長門有希の唐突な宣言から始まった。 「あなたがたに勝負を申し込みたい」  唖然とする俺たちに対して、長門は淡々と説明した。  長門を含むコンピ研 vs 長門を除くSOS団(名誉顧問を加えてもよいとのことだった)。勝負は、去年やった宇宙戦闘ゲーム The Day of Sagittarius 3 を大幅に改良した The Day of Sagittarius 4 で行なわれる。  賭けるものも指定してきた。  コンピ研側が勝った場合には指定する日に一日限定でSOS団団長権限を長門に委譲、SOS団側が勝った場合にはデスクトップパソコンを一台進呈する、とのことだった。  堂々たる果たし状であり、こうまで言われて、ハルヒが応じないはずもない。 「相手が有希だからって、容赦しないわよ!」 「望...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦  ―プロローグ―
    梅雨も終わり、いよいよ夏本番の暑さが到来し始めた。太陽の本領が発揮する季節だが、こと文芸部室には年中燦々と光を浴びせ続けられる人間がいる。 もちろん我らがSOS団団長こと、涼宮ハルヒその人である。ハルヒは引きこもりよろしくネットサーフィンに興じている。全く、文芸部室は天の岩戸じゃないんだ。だが、俺としてはこのまま引きこもっててもらいたい理由があった。あまり他の人に見つかって欲しくないからな。ただ、ハルヒだけじゃなく俺も出歩きたくは無い。何故かって?では今日起きた悪夢だと思いたい出来事を話さなければいけない。話したくは無いが、話さないと話が進まないからな… ……………… 朝から照り付ける太陽のせいで、学校について最早帰ろうか等と考えたが、タイミング悪く玄関でそれを許してくれるとは思えない奴に遭遇した。ハルヒである。挨拶もそこそこに、ハルヒが内履きを取り出そうと下駄箱を開けた瞬間、数枚の手...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(前編)
    ...入ってから二週間後のある日。俺と長門はすっかり日常となった放課後読書会を満喫していた。 部活動といっても本を読むだけというシンプルなものだったが、読書に没頭する長門の影響を受けたせいか、 俺の中にある一時期離れていた読書魂が復活しつつあるらしい。今では読んでも全く苦にならないどころか、 次々と読み進める始末だ。 ちなみに主役であるはずのハルヒは、学校に来たり来なかったりの繰り返しの状態だった。来ても大抵眠りこけているし、 それでも何度か言葉を交わす機会はあったが、今何をやっているのかは教えてくれなかった。どうやら話すと 面倒事になるようなことを抱えていてそれの対処中らしい。まあ、ハルヒが一人でやってくれるなら 俺としても長門と一緒に読書を満喫できるわけだから別に不満がある訳じゃないが、その面倒事というのにも ちょっと興味があるのも事実だ。片づけたら教えてくれると言っていたから今は我慢...
  • やさしい嘘(前編)
    ...卒業して二年が経ったある日、涼宮ハルヒがSOS団に馴染みのある者に召集の命令をかけた。 朝比奈みくる、古泉一樹、コンピ研のメンバーに谷口や国木田、顧問であった鶴屋さん、そして彼の恋人である幼馴染みの姿がそこにはあった。だが、彼の姿はどこにも無かった。 「死んでしまったんだ……去年の秋に……僕を残して……」 朝比奈みくるの彼の近況を訪ねる言葉に彼の幼馴染みがそう答えた。周囲の視線が彼女に集中する。 「ご、ごめんなさい」 質問をした朝比奈みくるはそう言ったままうつむいてしまい、周囲に気まずい沈黙が漂い始めた。わたし自身も想定していなかった事態になんと言葉を紡いでよいか分からなかった。 「な、みんな、大袈裟だよ。そりゃあキョンがいなくなってしまったことはすごく悲しいけど、でもそうやってみんなが落ち込むことをキョンは望んでないよ」 彼の幼馴染みは集まったメンバーを元気づけようと寂しくハニ...
  • (消失)長門有希のもしも願いが叶うなら 第4章
    第4章 3日目   彼とナツが印刷されたわら半紙を大量に持って帰ってきた。 「こうしてみるとすごい量だな」 「何言ってるの。これぐらいすぐにさばけるわ。増版が必要なんじゃないかしら」 2人は山積みになった紙を見て満足げだった。 機関誌といっても業者に発注し製本する予算などあるわけなく、2つ折りにした紙をホッチキスで留め、本にする。これが予想以上に面倒な作業で、100部すべて製本するのに3日を要した。 機関誌の表紙はナツが絵を描き、裏表紙には『北高生が好きな小説ランキング』が載っている。その次からランクインした小説の解説と書評が書かれている。また、文芸部オススメ本も何冊か紹介した。たとえ1人でもこの機関誌がきっかけで本が好きな人が増えたらどんなにうれしいことだろう。機関誌を初めて手に取った時、私は少なからず気持ちが高揚した。 私たちはさっそく部室の入り口に机を置きそこに機関誌を平積みし...
  • 下衆谷口 ~下衆ミステリー 出題編~
    谷口「まっふふーん。ぼじょれーん。ろまねちんこふふーん」   谷口「WAWAWAわらびもち。こんにちは。ネバーランドの住人、ティンポーベル谷口です」   谷口「うふん。お邪魔しますよ」   谷口「おんや? 誰もいない? 誰もいない? 放課後なのに文芸部室に誰もいなぁい?」 谷口「わふう! これはワショーイの千載一遇チャンス。すぐさま倍々プッシュしなければ!」   谷口「ふおー! ふおー!!」 谷口「ふお……? あれ? いつも涼宮が座っている団長席の横に、なにか落ちて……」   谷口「こ、これは! 等身大1/1サイズ、朝比奈みくるフィギュアだと!? おお、お、お持ち帰りぃ!」 谷口「いや待てハンサムボーイ。よく見てみろ。この肌。このツヤ。この質感。まるで息遣いまでもが聞こえてきそうなほどに精巧な朝比奈フィギュア」   谷口「いや、違う! これは等身大フィギュアなんかじゃない! 朝比奈さん本...
  • (消失)長門有希のもしも願いが叶うなら 第2章
    ...い続けている。 ある日、顧問の先生に呼び出された。顧問と言っても名前だけで、普段、話すこともない。古文の担任でもある先生に呼び出されたとき、よほど古文の成績が悪かったのか、と心配したほどだ。文芸部のことで相談があると言われ、自身の成績に問題がないとわかりほっと安心したと同時に、とてつもない不安に駆られた。 「言いにくいんだが」 という前置きがわたしをさらに不安にさせた。 「このまま新入部員がいなければ、廃部になる」 不安が的中した。 「私としても、廃部は避けたいんだが、部員が1人しかいない部に部室と予算を提供することは学校として認められないそうだ。来年度の予算の素案が決まる今月末までに、新入部員が増えなければ存続は難しい」 廃部宣告だった。いきなりの告知。予想できていたとはいえ、その言葉を受け入れるのに数秒の時間を要した。 私は宣告を受け入れ部室に戻った。部室の扉を開けると...
  • カオス・ザ・ワールド 前編
    人生何が起こるかわからない。心からそう思う。 この一年様々な信じられない出来事があったが今回のこれは今までの中でもトップクラスに入るだろう。 では今回の件を振り返ってみよう。 …。 …。 …。 一年生の三学期もあと数日で終わる、もうすぐ春休みだ。 そんな日の放課後、俺はいつもの様に文芸部室へと向かっていた。 その時……それは起こった‥。 …。 ーズン …。 「うっ!」 …。   突如俺を襲った立ちくらみ……この感覚は記憶にある…そう、時間移動をした時の様なあの激しい………くぅ……。 …。 …。 …。 ブラックアウトまであと数秒…という所で俺の感覚は元に戻った。 しゃがみ込んでいた俺はヨロヨロと立ち上がる。 …。 ……なんだったんだ今のは‥。 …。 あたりを見回すと…特に何か変わっている様子はない、時間移動をした訳ではない様だ。 …そうか、疲れているんだな俺は。まぁ無理も無い、なんてったって...
  • それぞれの愛のかたち
    その日、僕は普段と変わることなく、SOS団の本拠地となった、文芸部室の片隅にいた。 涼宮さんはいつもと同じように団長席に座ってネットサーフィンをし、長門さんは、これまたいつもと同じように、指定席にて本を読んでいた。 今日は珍しく卒業された朝比奈さんが文芸部室に顔を見せていて、一年前のようにメイド服ではないものの、僕達のためにお茶を煎れる準備をしていた。 いつもと変わらぬ日常の一コマがそこにあった。この光景だけ見れば、今日が特別な日とは誰も思わないだろう。 だが、今日は僕達にとっては何よりも特別な日、僕達の卒業式の日だった。つまり、僕達がこの部屋に集うのは今日が最後である。 そのためか、外見上は平静を装っているように見えるものの、涼宮さんの心がいつも以上に激しく浮き沈みしているようだった。もしかしたら、この後重大な発表があるのかもしれない。 そんなことを考えながら、僕はSOS団のメンバーが...
  • スノースマイル・バースデイ2
    長門有希は、疑っていなかった。どれだけ人が脆弱であるか、どれだけ人が宇宙の知性から育まれたヒューマノイドインターフェースとは根本から異なっていることを知っていても。 また明日に、と微笑んだ古泉一樹の微笑を。 誕生日。欣快の至りとなるであろう、愛すべき時間が訪れるだろうことを、少しも。 「……『転校』……?」 ハルヒの、呆然とした呟きが、文芸部室に反響する。無理もない、凡そ信じられないような出来事が、感知しないところで巻き起こっていたことをたった今、知らされたばかりなのだから。――それでも、ハルヒの立ち直りはまだ早かったと言えただろう。自失が怒りに取って代わるのは言葉を理解した上での反抗だ。認めない、という一心の感情。 「馬鹿言ってんじゃないわよキョン!古泉くんがそんな急に転校なんかする訳ないじゃない!古泉くんはSOS団副団長なのよ!?」 「俺にも詳しい話は分からん!ただ、あい...
  • She loves him.
    世間には、姿が無くとも確かに存在するものがある。などと言われているが、 本日はそういった目に見えぬ事柄に甘ったるい物で形を与え、 そしてとある条件下に置かれた男女にとっては殆ど例外無く その甘ったるいものを互いに確認し、そして見つめ合うであろう事が 想像するに難くない…2月14日。つまり、バレンタインデーである。 そしてもう一つ。ここに人類が存在しているなんてのは、 瓶詰めにされた時計の部品が振り乱される事によって偶然完成をみる事のような、 摩訶不思議的かつ天文学的な確立の数値で表される程の現象であるらしいのだが、 俺は、実は意外とそんな事は多発的に起こり得るんじゃなかろうかと感じている。 北高という限定された空間の中で振り乱されてきた俺達の中にもまた、 一体この世の誰が想像出来たのであろうかという物が組み上げられてしまったのだから。   早朝、北高へ臨む坂道を普段よりも軽快に感じな...
  • 長門有希に花束を
    ...が・・・・・・   ある日の放課後、わたしが物質で本を読んでいた。、 5組のキョンが訪ねてきた。 いきなり多くな声で言った。 キョン「長門、好きだ!」 わたしは嬉しかた。わたしは言った。 わたし「私も好き。」   いつも読んでいる本たちにちょっと近づけた気がして嬉しい。   7月第1週 今更タイトルが無いのに気付いた。 でもいいタイトルが思いつかない。 しょうがないから「無題」としておく。 あと、見直してみたら誤字があった。 直さなきゃ。   「無題」 ある日の放課後、わたしは部室で本を読んでいた。 5組のキョンが訪ねてきた。 いきなり大きな声で言った。 キョン「長門、好きだ!」 わたしは嬉しかった。わたしは言った。 わたし「私も好き」   9月第1週 夏休みが終わった、久々の部室。 夏休みの間にいっぱい本を読んだ、 いろんな本を読んでみて気付くことが山ほどある。 今までわたしは読ん...
  • chapter1
    「こ、これは…、いったい、何の冗談だ…?」    --------------------------------------------------------  「あっ。」 「どうしました?」 「部室に忘れ物した。」 「そうですか。明日は土曜日ですし、物にもよりますが、取りに帰っては?」 「お前に言われんでもそうするさ。」 「これは失礼。」 微笑を浮かべながら言うな。まあ、慣れてるがな。 「おーい、ハルヒ。」 「なによキョン。」 「部室に忘れ物したから、とりに帰ってくる。」 「あっそう。それじゃあ、はい。」 「おっと、って、何だ?」 「見てわかんないの?鍵よ部室の合鍵。」 「それは、わかる。俺が言いたいのは何で部室の合鍵をお前が持ってん のか、って事だ。」 「部室の鍵毎回借りるの面倒だなって言ったら、 有希が作ってくれたのよ。」 「そう…。」 おいおい。勝手に作ったらまずいだろ。 「何...
  • I am teacher
    1月のとある日、この日は朝から寒い日だった。 涼宮ハルヒが非合法で活動しているSOS団も何とか無事に年を越すことができた。 この日もいつもと同じように金曜日の1時限目は英語の授業行なわれるはずだったが……少しばかりおかしな事態になっていた。 ひとつは俺が座る、窓際後方2番目には俺ではなく国木田が座っているということ。 もうひとつは俺が学生服ではなく、濃いグレーのスーツに赤いネクタイの組み合わせで教壇に立っていることだ。 ホワイ? なぜ俺は教師になっているんだ。     英語の授業をしながら、今日の朝の記憶を辿ってみた。 まず朝起きて、顔を洗って鏡を覗いくと少し顔が老けていることに気づいた。 寝ぼけているのかと思いながら、部屋へ戻ってみると学生服の掛けてあるはずのハンガーにはスーツが掛かっており、学生服が見当たらなかった。 とりあえず、スーツに着替えるとスーツの胸ポケットに教員証が入っていた...
  • 『有希の横顔』
    「あなたに相応しいのはわたし。涼宮ハルヒではない……」 普段どおりの日常のはずだった。いつもの文芸部室。放課後に皆で集まり、 俺と古泉はオセロに興じ、ハルヒはネットサーフィン、朝比奈さんは お茶を入れた後マフラーを編んでいる。そのマフラー誰にあげるんですか 朝比奈さん? いや、それどころじゃない。 長門だ。   俺には100年かかっても理解できそうも無い本を、いつもと変わらず 読んでいた長門が、突然立ち上がり俺に向かって言い放ったのが冒頭の 台詞だ。部室内が凍りついた。 「えっ、有希? 今なんて言ったの?」 ハルヒはきょとんとした顔で長門を見つめる。次の瞬間。   「邪魔者は排除する」 長門が冷徹な声で呟いたかと思えば、一瞬にしてハルヒはその姿を変え 形容しがたい物体と化していた。 「ひぃぃぃぃぃぃ!!!」 朝比奈さんが変わり果てたハルヒを見て尻餅をつき、その場所に おおきな水溜りを作る。...
  • 愛のカタチ
       まずは前日の話からしよう。その日は、いつものように学校までの急勾配コースを谷口と他愛もない話をしながら歩き、校門をくぐった先の下駄箱で上履きを入手し、教室でハルヒに軽い挨拶を済ました後ホームルームが始まり、続いて1限目がお馴染みのチャイムとともに開始され、俺が授業終了までどう暇を潰そうかと考えているといった普段通りの1日だったのだが、昼休み、ある訪問客が来たことで俺は少し驚くことになった。  振り返ってみることにする。俺の、ちょっとした過去の記憶を。  ………  ……  …     「キョンくーん、お客さんだよ」  クラスの女子にまで広まった俺のキテレツなあだ名で呼ばれ、谷口アンド国木田とランチの食卓を囲んでいた俺は義務的に教室の入口の方を伺い見る。そこに、カーディガンを身にまとった小柄の女子生徒を見つけた。  ちなみに例の如くハルヒは教室には居ない。今頃は食堂で常識の範疇を越え...
  • スノーホワイト・レクイエム2
    お妃様は、美しい鏡に己の顔を映し、艶然と唱えました。 「鏡よ鏡、わたくしの問いに答えておくれ」 はい、お妃様、と鏡は愛する妃に恭しく答えました。 ---------------- 温く哀しい夢を、見ていたような気がした。 古泉はうつ伏せていた身をそっと起こす。何時の間に眠っていたのだろう、と懲り固まった肩を微かに鳴らす。机に突っ伏して眠を取るなんて、随分、久し振りの行為であるような気がしたのだ。名残惜しさも相まって、霞がかった意識をどうにか覚醒させようと瞼を掌で軽くさする。 睡魔から解放されるのを待っているうちに、日は大きな傾きを見せていた。窓から降り注ぐ落陽の光は、オレンジ色に夜の闇を混ぜたような陰のある色彩を帯びている。 何という事もない、見慣れた文芸部室だ。 転寝をしていた古泉は、間近に開きっぱなしに伏せられていたハードカバーを、寝起きで回らない頭をどうにか動かそう...
  • 涼宮ハルヒの忘却
    「久しぶりにオセロでもやらないか?古泉」 古泉君がきちんと整列した真っ白い歯を輝かせ、微笑む。 「長門、この前貸してくれたあの本、思いの他面白くてさ。昨日の夜もつい遅くまで読み耽ってたぜ」 有希が膝の上に置かれた本を黙読することを中断し、ゆっくりと顔をあげる。 「いやあ、朝比奈さんの淹れたお茶は何時飲んでもおいしいなあ」 みくるちゃんがお盆を抱え、少し頬を赤らめた。   いつもと何ら変わりの無い放課後だった。     今日もこうして時間は過ぎ、日が暮れる頃にハードカバーの閉じる音がした。 下校の合図。これもごく日常的な習慣。   次々と席を立ち、帰り支度をした後に、 「それでは、皆さんお気をつけて」 まずは古泉君が、 「……また明日」 その次に有希が文芸部室を後にする。これもごく日常的な帰宅の流れだ。   「それじゃあ…着替えるから」 そしてみくるちゃんが、 「待っててくださいね、キョン君...
  • 朝比奈みくるの憂鬱
    ふと、気がつくと、俺はひとりで公園のベンチに座っていた。 光陽園駅前公園、古泉が転校してきた日に長門と待ち合わせをした場所。 そして、三年前に戻ったあの日には、朝比奈さんの膝枕で眠り、朝比奈さん(大)と会った、俺にとっては思い出の多い場所でもある。 だが、どうやらここは現実の光陽園駅前公園ではないようだ。 周囲を見渡しても、人っ子ひとり居らず、空は灰色の雲に覆われ、薄ボンヤリとした光を放っている。 閉鎖空間 いままでの人生で数えるほどしか入り込んだことのない、現実の世界とは少しだけズレた場所にある異世界、ハルヒが無意識のストレスを発散させる空間に、いま俺はいる。 俺は大きくため息をついた。 ハルヒの無意識が俺をこの空間へと導いたことを瞬時に悟ったからだ。 そして、このようなハルヒの我侭に起因する、微妙にズレた日常に慣れてしまっている自分に、ほとほとあきれていた。 さて、今回ハルヒはどのよ...
  • 朝倉涼子の軌跡 断章『心、通わせて』
     謎の少女――橘京子の襲撃から二週間が経ったが、あれから命に障る事件は起きなかっ た。一方、不可思議な現象等は、端に涼宮の精神状態が安定している為か、はたまたその 力の発生自体が稀有な為か、涼宮は垣間見せる事は無かった。 だが、古泉曰く。 「涼宮さんは発言や行動こそ奇天烈ですが、彼女が悪戯に世界の秩序や構成を乱さないの は、彼女が現実と空想の類の境界線を明瞭に把握し、理解しているからですよ。でなけれ ば、今頃世界は酷い有り様になっているはずです」 などと、豪語したからであり、しかし信憑性の薄い話でもあった。贔屓目で見ても、あ いつ――涼宮が人格者であるとはとても思えない。しかし、涼宮の精神や心理と少なから ずともリンク出来ると言っていた能力者である古泉が言うのであれば、あながち間違いで はないのかもしれない。現に涼宮は悪戯に世界の法則を覆す事象は起こさなかったが、相 変わらず閉鎖空間は発生...
  • 生徒会の陰謀
    ~昼休み生徒会室~ 俺は今、生徒会室にいる。 …。 コンコン …。 「古泉です。」 「入れ。」 俺がそう言うとにやけ顔の男子生徒が入って来た。 「お呼び立てして申し訳ありません、会長。」 「用件は何だ、古泉。」 まぁ、予想はつくがな。 「最近また涼宮さんが退屈し始めましてね。また協力願えませんでしょうか?」 「協力願えませんでしょうかって…俺がどう答えようと協力させるつもりなんだろ?」 「ははは、分かっておられるなら話は早い。 それでは、今回のシナリオですが…。」 俺は古泉の言葉を遮り声をあげた。 「待て、古泉。」 「なんでしょうか?」 「いや、最近な…教師どもや生徒会執行部の連中からの突き上げがひどいんだ…。」 「?。」 「いつまであの連中を放っているんだ…とな?」 「…それで?」 「お前はいつか言ったな? 『我々はいかなる敵と戦っても必ず勝利するでしょう』 …と。」 「……。」 「…...
  • お茶
    ...を大きく下回っていたある日の放課後、文芸部部室改めSOS団アジトのドアを一番 に開けたのは朝比奈みくるだった。   いつもは部屋の片隅で本を読んでいる長門有希の方が早いのだが、今日はまだ姿 が見えない。珍しいこともあるものだと思いつつも、鞄を置いていつものメイド服に着替 えようと手を伸ばした。   最初は抵抗のあったこのメイド服だが、人間の慣れとは恐ろしいもので、今ではメイド コスチュームのまま、お茶の水を汲んでくるくらいは抵抗なくできるようになっている。 お茶用の水を汲んで部室に戻ってくると、そこには有希がいつもの定位置に座って本を 読んでいた。   「あ、長門さん。お茶淹れますね」   聞いたところで返事はないのが、出せばしっかり飲んでくれることも分かっている。返 事を待たずにお茶の準備をして……ふと、背後から突き刺さる視線を感じて振り返った。   「ぅえ!? なっ、長門さん……...
  • 第三章 急進派の逆襲
    長門ふたり   第3章 急進派の逆襲   次の日、僕はずきずき痛む頭をかかえて坂道を登っていた。 あのあと、彼に呼び出され「なぐらせろ」というので 「どうぞ」というと思いっきり頭を殴られた。いや、 彼は暴力なんてふるわないタイプだと思っていたが、 よほど腹にすえかねたんだろうな。 今回は僕にも責任があるから殴られてもしかたない。 それにしてももうちょっと加減してくれてもよさそうなもんだが。   学校に着くとまっすぐ教室に向かった。なんだか、だんだん、 どうでも良くなって来た。長門さんは二人いっしょのところを 目撃されないようにそれなりに気は使っているみたいだし、 彼が二人になる破目になったのももともとは、僕が なんとか長門さんが二人ともこの時空にいるという状態を 無理矢理解消しようとしたせいだ。要するに長門さんが 二人でいっしょにいるところを第三者に目撃されなければ いいわけだし、最悪、目...
  • 長門平手打ち編 消失版
    俺は勢い余って長門の頬を平手打ちしてしまった。 勢いで飛んでいった眼鏡を長門は拾い上げ、何事も無かったように本棚へ本を取りに行く。   その行動がさらに俺の頭の血を上らせた。 「おまえ!」 もう止めることはできない。長門の肩を押さえつけ本棚に叩きつける   その時、俺は見た。 能の面のような涼しいというより冷たい顔をしていた長門が 顔を大きく歪めて大粒の涙を流すとこを。 まるで遊園地で迷子になった子供が寂しさと不安を堪えきれず遂にないてしまうように、 長門は泣き始めた。   さっきまで怒っていた俺は突然の長門の異変に狼狽した。 あの長門が・・・泣くなんて。 俺は長門の肩から手をそっと放し、すまないと一言言った。   度を越したインチキ魔法をよせと長門に何度も言ったが、長門はやめなかった。 もしかしたらハルヒに危険が及ぶインチキを長門は今日の昼休み行い、それで俺は腹を立てたのだ。   しきり...
  • 涼宮ハルヒの嫉妬Ver.カオス
    放課後、俺はいつものように階段を上っていた。 いちいち説明しなくても分かると思うが、文芸部の部室へ向かうためである。 しかしそこで文芸部的な活動をする分けではない。 SOS団なる謎の団体の活動をするのである。   廊下の窓から外を眺めると部活動に励む生徒の姿や、 その他に学校に残って友達と遊んでいる者、 さっさと帰宅して個人的な趣味や塾に通う者、 そして男女のカップルのイチャつく姿が見えた。   「はぁ、俺はいったい何をやってるんだか・・・」 俺は普通の高校生の姿を眺めながら溜息をついた。   俺は別に好きでSOS団の活動をしているわけではない。 活動をサボったら我がSOS団の団長、ハルヒに怒られるのであり、 ハルヒが怒れば神人という謎の化け物が暴れだすからであり、 そのハルヒの機嫌を損ねないために俺はSOS団に参加してハルヒを喜ばせているのである。 しかもそのSOS団の活動と言えば、平日...
  • 自覚
    ハルヒ、俺はSOS団にはもう行かない。 電話口から聞こえてくるハルヒの声をさえぎり、ただ機械的に答える。 10回を越える着信。いいかげんウンザリする。   「ちょっ、ちょっとどういうt 」ピッ   2,3日ハルヒと話さないようにしていた。部室にも行くこともやめた。 いいかげんに空気を読む事を覚えて欲しいものだ。   「ちょっと、どういうつもりよ! 」   携帯を着信拒否にしておいた翌日、案の定食って掛かられた。 「む・・・無視しないでよ! 理由を教えてよ。 ね、ねぇ・・・。」 ああ、なんて五月蝿いんだ。 いちいちお前に説明する義務はない。黙れよ。 「・・・・!! ・・そ・そそんな言い方しないでよ! 納得できないわよ! 説明しなさい!」 クラス中の注目が集まる。 なんて面倒な奴だ。   ちっ、放課後に文芸部室で説明してやるから黙ってろよ。   「な・・・なによ・・ 」 そういうと珍しくあっ...
  • パレット
    『デッサン』の続編です。 画板に絵の具やその他などのある文芸部室。 俺は部室でコンクールに出品するための作品を描くことにした。学校内で一番落ち着く場所、ここ以外で作業するのは何かと気が重いからな。 しかしながら何を描こうか。テーマは《光》だそうだ。 ……なんだよ《光》って。何を描けってんだ。太陽か?それとも電球でも描くか? などとおどけてみたが、描くものは決めていた。 俺にとっての《光》、ハルヒを描くと。窓際に座らせて陽光に照らされるハルヒというイメージができている。 そんなわけでいい感じに陽が降り注いでいるこの時間に終わらせることにした。 準備を終えた部室にハルヒが入ってくる。ちなみに今日は他の連中は気を使ってくれたのか、部室に来ないと言っていた。 「なんか……いつもの部室と違うわね」 いろんな物を移動させてるから当然だ。いつもと変わらないのは長門の定位置くらいか? 「まぁいいわ。あ...
  • (消失)長門有希のもしも願いが叶うなら 第6章
    6章 すべてを解く鍵 わたしが元の世界に帰還できたからくりは理解した。そしてそれを実施するにはわたしが再び過去に行かなければならない。 しかし、あれから1週間経っても彼が、再び過去に時間遡航するそぶりは見せなかった。このままほっておいたらあと1年ぐらいはやらないような気がする。彼はいつ実行しても問題はないと考えているのかもしれないが、近い未来にそれこそ階段から転落して大けがを負うような事件に巻き込まれる可能性がないわけではなく、再改変を遅らせることはリスクをはらむことである。 「彼に直接促してみては?」 と提案したのは喜緑江美里。 それは、できない。なぜならば世界再改変は彼の意志で行うことだから。わたしが促すのは筋が違う。 「困りましたね。あなたがそんなに強情だったとは思いませんでした。何かいい方法があればいいんですけど」 しかし、そんな心配は杞憂に終わる。 冬合宿から帰ってちょ...
  • おかえり、ただいま。
    雨が世界に降り注いだ 傘はどこかへ置いてきてしまった 学校だろうか 家だろうか そんな事は、もうどうでもよかった   振り返る、誰も居ない。 前を見る、誰も居ない。 いつか来た図書館の中を探してみても、居なかった。       「い か  とが  んのよ に  ひが   に」 と そんな風に考えていた   いつか? ずーっと昔? それとも、昨日のこと? 忘れたことさえ、忘れていた。 ただ、その。いつかの幸せな日々が ただただ、懐かしく思えた。     ◇◇◇◇◇◇       ハルヒの力が消え 古泉は事後処理に追われ、朝比奈さんは未来へと帰った。 俺は一般人であるが故に一般人的な普通の生活へと戻りつつあった。 ハルヒは相変わらずで、能力が消えても、ハルヒはハルヒ、元気なのは変わりが無い。 朝比奈さんは丁度卒業と同時に遠くへ行ってしまったという事になったし、古泉は受験勉強で忙し...
  • ユメみたものは
    朝。 眠気でだるかったけど私は布団から出る。少し寒い。 十月は私にとって寒い気温。どちらかというと体は弱い方だから。 さて朝ご飯を食べて学校の準備しよう。 家には私しかいないから。   マンションを出た直後、私はまた後ろから押された。   朝倉「おはよう長門さん」 長門「あの・・急に押さないで」 朝倉「いいじゃないの、心臓止まるわけじゃあるまいし」 長門「・・昨日も言ったんですけど」 朝倉「こまかいことは気にしない気にしない。あっ一昨日借りた本、返すわね」 長門「ありがとう」 朝倉「これってコスプレ少女の話なの?」 長門「ちょっと違う。設定はともかく、ヒロインのセリフの中で私の気に入った言葉があっ!」   ピュゥッと冷たい風が吹き上げた。   朝倉「あらあらクマパンねぇ。やばっ鼻血出そう」 長門「み・・・見ないで」   朝倉さんの言葉で反射的にスカートの前と後ろを押さえた。滑稽だろうな。 ...
  • 佐々木「憂鬱だ」キョン「佐々木でも憂鬱になることがあるんだな」 
    ...勉学にも余裕があったある日、佐々木が文芸部室の棚から、埃を被って日に焼けた一冊の小冊子を俺に見せてきた。   「いわゆる機関紙というやつだ。どうやら文芸部とはこういった形で活動をしていたんだね。  キミも読んでみるかい? ここで部活動をしていた先輩方が何を考え、何を表現してきたのか。  歴史が積み重なっているだけに、冊子を開くと、少しかび臭い匂いすらもどこか心地よいノスタルジィを感じさせてくれるよ」   「どうした、佐々木? 言い回しがやけに文学的だな。それに楽しそうだ」    佐々木はくつくつと笑う。   「気付かれてしまったか。そう。僕はね、せっかくだからこういうものを作ってみてもいいかな、と思っている。  一応僕たちは文芸部員として入部届を正式に学校に提出して、予算もいくらかもらっているわけだから、  たまには文芸部的活動をしなければちょっと体面が悪いだろうと思ってね」    ...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(中編)
      ◇◇◇◇    それから一週間、俺たちはせこせこと文芸部の活動を行った。  長門はひたすら本を読み、読み終えた時点であらすじと感想を書く。そして、俺は基盤となるHPを作成しつつ、 そのあらすじ・感想をパソコン上で打ち直し、さらに案の定長門の簡潔すぎるor意味不明文字の羅列になっている感想を 現代人類が読めるようにする要約作業を行った。時間がなかったため、昼休みに集合――もともと長門は昼休みには 文芸部室にいるようになっていたが――し作業を続け、俺にいたっては、もらったHP作成フリーウェアが ある程度HTMLなる言語をかけないと思うように作れないことが発覚したため、とてもじゃないが学校内だけでは 作業が終わりそうになく、コンピ研から借りてきた電話帳50%増量みたいな分厚いHTML・CSS大全という参考書を片手に 自宅のパソコンでも延々と作成作業を続けていた。  今日も俺は昼休みに弁当箱を...
  • 白有希姫 前篇
      「もちろん、去年学校祭で行った映画撮影は覚えてるわよね?その時の主役女優と男優を答えなさい、キョン!」 「朝比奈さんと古泉だろ。」 「そう!有希も大事な役だったけど、ちょっと刺激が足りないのよ!だから、今回は脇役だった者に大チャンスを与えようと思ってるわ!」   今回は、って…やはりまた何かするつもりなんだろうな、コイツは。   「で、何をする気なんだよ。」 「演劇よ!学校祭で演劇をするの!」   反論はしなかったさ。無意味な抗議ってことはもう分かりきってるからな。ハルヒはホワイトボードに何かをいきなり書き始め、演劇の題名を高らかに宣言した。   「その名も…『白有希姫』!!!」 「…やれやれ。」   白有希姫。童話『白雪姫』の事だろう。   「今時白雪姫の話なんか平々凡々に演じてどうする。何の楽しみもなさそうだ。」 「普通にやるわけないじゃない!アレンジよ、ア・レ・ン・ジ!!」   ...
  • スノーホワイト・レクイエム4
      かたかた、かた。 単調なタイプの音。ブラインドタッチが出来るほど、慣れているわけでもなかった。手慰みに始めて、今はほんの少しだけ上達した。旧式のデスクトップパソコンだからそれほど機能があるわけでもない。インターネットにも繋がっていない、開いて使えるのはペイントソフトやワードソフトや、それくらいのものだ。 わたしは人気のない部室で、文章を打っている。何の気なしに初めて、それから誰もいないときに、密かに少しずつ打つようになった。単語が並ぶ、接続詞がつながる、変換キーを押す。途切れ途切れに書き始めた、拙いなりの物語。誰も知らない、わたしだけの作品。完成の目処も立ってはいないし、ほとんど勢いで始めたものだから起承転結もぐちゃぐちゃで、とても人に見せられたものじゃない。それでも。  ――着想は、とても単純。  以前、改めて読み直してみたグリム童話に、子供だましと思っていてもいつのまにか引...
  • 聖ヴァレンティヌスに乾杯
    「ねえ、バレンタインデーの起源を知ってる?」 ハルヒが実にタイムリーな話題を振ってきたのは、学校中が甘い香りで満たされる日の朝のことだった。 「ん?何だって?」 「だから、バレンタインデーが始まった理由を知ってるかって聞いてるのよ!」 ふっ。聞いた相手が悪かったな。倫理の時間は寝てても、フロイト全集を網羅している俺に聞くとは。 「ローマ時代に殉教した司教を記念して始まったんだろ。戦争好きのバカ皇帝が強い兵士に妻はいらんと言って結婚を禁止する法律を作って、それを破って愛し合う男女を結婚させていたのが我らが聖ヴァレンティヌスだ。けっきょく皇帝にバレて処刑されちまったが、その涙ぐましい偉業を記念してできたのがバレンタインデーってわけだ」 俺が自慢げに知識を披露すると、ハルヒは残念そうなカオの総天然色見本みたいな顔をした。 「なーんだ。つまんない。せっかくキョンの頭を叩きながら教えてあげようと思...
  • キョン妹の憂鬱
    キョン君が5年前に入学し、2年前に卒業した場所。わたしは今その場所に向かっている。   わたしがこの北校に入学してから1週間がすぎた。 相変わらずこの坂はきつい。 いったいなぜこんなところに学校を建てたんだろう? 地震になったときに土砂崩れの危険があるからこんなところに避難できないと思うんだけど・・・ 学校はそういう緊急時のことも考えて作るべきだと思う。   初めてここを上ったのはいつだったっけな? 確か、キョン君が高校一年生のときの体育祭・・・だったかな? あの時は有希もハルにゃんもすごかった~ ハルにゃんはすべての徒競走競技で優勝をかざり。 有希なんて目が追いつかないような速さ。   2回目に行ったのは文化祭だったかな? SOS団の映画が面白かった~。 わたしとシャミセンもアップで映ってたから文句なし。 今でもあのフィルムが残っているのかなー? でも、1日目のハルにゃんのライブを見てい...
  • 恋は盲目 第三章
    第三章 ふと、我に返るとあたしは保健室のベッドの上にいた。一瞬、自分の置かれている状況が理解できなかった。 しばらくすると、混乱した頭から断片的に記憶がよみがえってくる。 閉鎖空間から戻った後、屋上で泣き叫んでいたあたしを見回りに来た教師が見つけ、保健室まで連れて来たのだ。 授業中にもかかわらず、屋上にいたあたしを咎めもせずに保健室に連れてきたことから、 そのときのあたしの様子が、とても尋常ではなかっただろうことは、容易に想像できた。 時計を確認すると、もう授業はすべて終了しており、普段であれば部室で過ごしている時間だった。 あたしはベッドから起き上がるとよろよろとした足取りで部室に向かった。 「もう大丈夫なの、涼宮さん。もう少し休んでいったほうがいいんじゃない」 あたしの様子を見て心配したのか保険の先生が声をかけてくれた。あたしはその呼びかけに返事をせずに保健室を後にした。 部室に行く...
  • 笑顔記念日
    四月の下旬、俺達は二年生に無事進級していた。 ・・・いやまあ、「無事」というのは実際俺だけのことなんだが・・・。 クラス分けもハルヒの能力が発動しなかったのか、俺達SOS団は別々になってしまった。 別々といっても、俺とハルヒは一年の時から変わらず同じクラスである。 席も去年と変わらず、俺の後ろを陣取っている。何故だ?   気だるい授業の終わりを告げるベルが鳴り、HRもそこそこにその日の学業は終わった。 いつものように、俺はハルヒと共に部室に向かおうとしたが 「ちょっと職員室に用があるの、先に部室行ってて」 面倒くさそうにそう言うと、ハルヒは鞄を引っつかんで教室を出て行ってしまった。 ここでボーっと立っていてもしょうがない。部室に向かうとするか。 グラウンドで練習をしている野球部の怒声を聞きつつ、俺は文芸部室に着いた。 もうとっくの昔に、SOS団の団室と相成ってるがな。 俺は軽いノックを二回...
  • 国木田の驚愕・前編
    …さて今の状況を説明しなければならない。こういう時はまずいつ・どこでを明らかにするのが正道だろう。 放課後、文芸部室だ。大体のイベントはここで我らがSOS団団長によってもたらされるが、 今回ばかりはハルヒも原因のほんの一端を担ったに過ぎず、 本日のイベンターの言葉に元々規格外にデカい口と目を更に拡張している。 つまり驚愕してるって事だ。 かく言う俺も予想だにしなかった真相に驚きを隠せない。 落ち着いて見えるのは…トンデモ三人組だけだ。 今回のゲスト、鶴屋さんは大口開けて爆笑しているから落ち着いてない方に分類するべきだろう。 三人組?朝比奈さんは卒業しただろう? ごもっともな指摘だ。だが、卒業したからといって涼宮ハルヒが彼女を解放すると思うかい? SOS団専属メイドたる彼女は団活には自由参加でいいとの辞令を受けながら、定期試験の時期以外はここで給仕してくれている。 しかし、それにして...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(後編)
      ◇◇◇◇    翌日、のんびりと一人で早朝ハイキングコースを上っていく。  前日のごたごたのおかげで少し緊張感がぼやけてしまっていたが、朝の職員会議が始まっていることを考えたとたんに、 それなりに緊張感が復活してきていた。    そんなそわそわ感を引きずりつつ、自分の教室まで行き席に座る。ハルヒはすでに俺の席の後ろでぼんやりと外を眺めていた。  ふと、俺のほうに視線だけを向けると、 「今日で良いんだっけ。文芸部の存続について話し合われているのは」 「そうだよ。今頃職員会議で話し合われているはずだ」  そんな話をするだけで俺はつい貧乏ゆすりを始めてしまう。  だがふと気がつく。俺も相当文芸部に思い入れができていることにだ。以前の俺ではとても考えられないようなのめりこみぶり。 変わったのは長門だけかと思っていたが、俺も実のところ相当変化しているんじゃないか? 自分からではよくわからんが。 ...
  • @wiki全体から「ある日 文芸部室にて」で調べる

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