涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「おめかし」で検索した結果

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  • おめかし
    ...休日なんだ。たまにはおめかししてこいよ」 そう言って、彼は帰って行った。 「……おめかし?」 わたしはそう呟いた。《おめかし》って何?よくわからない、もし彼がわたしが《おめかし》することで喜ぶとしたら……誰か教えてほしい。 わたしは辺りを見回す。最初に帰ったのは古泉一樹と彼。まだ、涼宮ハルヒと朝比奈みくるは来てないはず。 わたしの視界に入る一人の影。小柄な人物だとわかり、朝比奈みくると判断した。 「あ、長門さん。涼宮さんはちょっとやることがあるから先に帰ってていいって言ってましたから……帰りましょうか」 わたしは再び歩きだした朝比奈みくるの手を掴んだ。 「ひぇっ!どどどどうしたんですかぁ?」 「………《おめかし》ってなに?」 朝比奈みくるは驚いた様子から、キョトンとした様子に代わり、わたしを見つめていた。 「なに?」 「ふえっ!あ、すいません……。えと…《おめかし》っていうのはなんと...
  • 下衆谷口のなくころに ~おめかし編~
    ...感! 明日はめがっさおめかしして行かなきゃ!」   鶴屋「にょろにょろにょろ!」   ~~~~~    翌日   鶴屋「…………」   鶴屋「……これ、どういうこと?」   谷口「おお、これはこれは。我らが隊長、鶴屋さま。本日もご機嫌うるわしゅう」 藤原「鶴屋さんちーすっ!」 中河「ちーす! おーす! めーす!」   鶴屋「ねえ、マジでどういうこと?」   谷口「今日の不思議探索ツアー、どうぞよろしゅうにお願いします」 藤原「せいいっぱい街の不思議を探させていただきマンモス」 中河「どうも初めまして。中河といいます。ふほほ、話には聞いておりましたが、レースのおパンティのごとくお美しい女人でござりまするなあ」   鶴屋「ねえ、キョンくんは? 古泉くんは? 有希っこは?」 鶴屋「ちょっとみくるに訊いてみよう」    プルルルル プルルルル   鶴屋「もしもし、みくる?」 みくる...
  • おねえさんなんです。 長門編
    ...行くところですから、おめかしは必要ないのでは?」  これはちょっとした意地悪かもしれません。 どこかへお出かけをするのにおめかしをしたい相手。 長門さんにもそんな人が出来たんですねぇ。  お姉さん嬉しいです! でも、何の情報もなしにただお洋服をお見立てするんじゃ面白くありませんからね。 ほんのちょっとからかっちゃいましょう。 いいんですよ、いつも長門さんにはいつも驚かされてばかりなんですから。 「一人で行くわけではない。 一緒に、美術館へ行く人物がいる。 美術館へもその人物から誘いを受けた。」 「その人にお見せするために、おめかしをしたいと?」 「…………。」 押し黙る長門さん。 解かりやすいです。 いつも以上に長門さんがわかります! やはり、言葉を発しない方が伝わることと言うのもあるものなのですね! 「男の、人ですか?」 「生物学上では、その人物は男性にあたる。」 ...
  • 下衆谷口がやってきた
    ...谷口のなくころに ~おめかし編~   12.下衆アドベンチャーTANIGUTI   13.下衆谷口のなくころに ~踏潰し編~   14.古泉一樹の計画    15.古泉一樹の計画2   16.SOS団の被害妄想   17.空気の読める国木田   18.下衆谷口の聖夜   19.下衆谷口の聖夜2   20.下衆谷口の聖夜3   21.下衆谷口の聖夜~その後~   22.下衆谷口の約束   23.ゾクゾクする谷口   24.下衆谷口vs朝倉涼子~前哨戦~   25.下衆谷口vs朝倉涼子~大激突~   最終話.【さよならは】下衆谷口の未来【言わないぜ】
  • 長編・長門有希
    ...見酒 幸せの大きさ おめかし 『有希の横顔』 お姉ちゃん 有希の降霊術 長門の真実 二月の雪 異界からの刺客 ある秋の日のこと 長門有希の悪夢 一途な愛情 有希カレー 【The Blank of 3Days】 もし長門がバカだったら お姉ちゃんと一緒 長門有希の小説 有希と湯たんぽ 長門有希とお酒 長門有希の羨望 長門ふたり ながとぅーみー はるかぜふくまえに 空からの花嫁 長門有希の要求 7人の長門 あなたたちと夕食 有希、無音、教室にて。 長門いじめ? 消えない雪 BlackLily ユキキス はじめての風邪 嫉み 
  • 幸せの大きさ
    ...お前ここに来るためにおめかししてきてるのか?」   「…………そう。毎週特売日。…どこにいくと思ったの?」   なんかさ、泣きそうになった。なんでかわからないけどな。こんな気分は味わった事が無い。   「よし!何買うんだ!」   何故か大声になる俺。でも気にしない。なんでそうしたかわからない。   「…今日は餃子というものを作ろうと思っている。食べに来る?」   あぁ!と長門の瞳を見て告げる。   ──思い出したんだ。   あいつがあのプレゼントを受け取ったときの反応を。   律儀に一人一人に向かって、ごくごく僅かに、小さく頭を下げて   「…ありがとう。大切にする」   と、消え入りそうな声で言ってくれた時のことを。   制限されている感情で、精一杯応えてくれたいつもより丁寧なこいつを見たて全員が心底「良かった」と顔を見つめあった事。   渡された籐のバッグを握り...
  • おめでた
    ハルヒ「キョン、あんた最近太ったんじゃない?」   キョン「そんなことはないと思うが?」   別段よく食っているってわけでもないしSOS団に入ってからは 無駄に動くことが増えたこの状況で太る原因なんてないはずだ   古泉「キョンたーん」   顔が近い、キモい、離れろ …何だ?腹の調子が悪い…イタタタタ!!!   古泉「キョ、キョンたんどうしたの?」   キョン「腹の…調子が…」   ハルヒ「古泉君!キョンを保健室まで連れていって」   古泉「承知しました」   そんなこんなで俺は保健室まで連れていかれた   保健医「おめでたね」   キョン( ゚д゚ ) 俺は男だ。今まで生きてきて女に間違われたことすらない この保健医のババァは目が腐ってるんじゃないか?   古泉「キョンたん」   何だ、古泉。俺の思考力がついて行かないこの状況でそんなに顔を近づけるなキモい   古泉「これは涼宮さんが望ん...
  • 未来恋物語~一時の温もり~
    ...うーん……少しだけ、おめかししちゃおっかな?  一番のお気に入りの洋服を着て、薄くお化粧をして家を出ました。  風と日光のバランスが気持ちいい天気だなぁ……。  あれ? 今のは少し言葉がおかしかったかなぁ?  う~ん……いいですよね。だってこんなに気持ちいい天気なんだもん。  急いでキョンくんとの待ち合わせ場所に行かなくっちゃ!  わたしは元気よく家を出て歩きだしました。ちょっと間に合いそうにないけど、できるだけ急ぎましょう。  今は早くキョンくんに会って言葉を伝えたい。「ごめんなさい」って。  たぶん、わたしはキョンくんの姿を『あの人』に重ねて好きになっちゃってたんです。  未来で届くはずのない思いをこっちで少しでも届かせたかったんだと思います。  だから謝りたいの。失礼な気持ちで好きになっちゃってごめんなさい、って。  でも、好きだって気持ちは本気ですよ?  わたしの組織の人と...
  • 情報統合思念体の観察日誌1
    ...思案のあの子が初めておめかししててさ。もう不憫で不憫で……いたたまれなくなってさ、無理にでも家に連れ帰ろうとしたら有希のやつなんて言ったと思う?」 急「………」 主「『おとうさんの分からずや!!』だとさ……もう俺あの子がわかんねぇよ………」 急「………分かった。俺がその男をぶっ殺してやる!」 穏「待ちなさい!冷静になってください!仕事に私情を挟んではいけません!」 急「家族あっての仕事だろぉがよっ!!!」主「有希カムバーーック!」 おとうさんへ 今年の夏休みに観察対象から小規模の情報フレアが観測されました。 内容は夏休みのループで2週間を15947回ループしまた。 うち3864回キョンくんに告白されました。キスまでなので安心してください。 うち8021回キョンくんが観測対象に告白しました。うち119548回一線を越えました。 うち5217回キョンが朝比奈みくるに告白しまし...
  • 田舎ライブス―キョン×キョン子―
     低い山々に囲まれた盆地には見渡すかぎり水田が広がっていた。時折吹く風が、まだ青い稲穂を揺らす。  頂点に昇ったばかりの太陽はぎらぎらと地上に降り注いでいた。  そんな中、水田を切り裂くように真直ぐ伸びた細い道を俺と妹を乗せたライトバンはかなりの速度を出して走っていた。 「スピード出し過ぎじゃないですか?」  俺が尋ねている間にも赤丸で四十キロと書かれた標識が一瞬で後方に流れていった。 「なんこんくらい普通たい。慣れとるけん心配せんちゃよかよ」  運転する伯母は自信たっぷりにそう言ったのだが、さっきの標識の下には真新しい花束やら缶ジュースが置かれていて俺をゾっとさせた。  ちなみに伯母が訛っているのはここが熊本だからであり、俺とすっかり眠っている妹は帰省の最中であった。両親は仕事の都合上、遅れてやって来ることになっている。  さて、そうこうしている内に水田は切れて、ブロック塀に囲まれた路...
  • 餅を焼きませ
     ぬくぬくとコタツに当たりながら横になり、床のカーペットに片肘をついて、のんびりテレビなんぞを眺めていた俺は。 「お餅が焼けましたよ、会長」 「おう」  横合いから掛けられた声に、むくりと上体を起こした。差し出されたシンプルな白い皿には海苔で巻かれた、いわゆる磯辺餅がひとつ乗っている。  目と鼻の先に居るのだから直接手渡しても良さそうなものだが、こういった手順を踏まえるのが女の矜持なのだろうから、余計な口は挟むまい。賢明な俺はそう判断しておとなしく皿を受け取り、ほかほかの磯辺餅にかぶり付いた。香ばしい海苔がパリパリと口の中で音を立てる。うむ、この歯触りは出来立てだからこその楽しみで………うん?  微妙な違和感に、俺はコタツの隣の面に座るこの家の主、喜緑江美里の様子をちらりと盗み見た。彼女は既に、次の磯辺の作製に取り掛かっている。正方形の小さなコタツの大部分を占領しているホットプレート...
  • 佐々木×キョン(アダルトな関係)
    「最後の最後で、“ゴム”に穴が開いていたりしたら面白いと思ったんだが……何事もなかったね」  毎度佐々木が寄越す皮肉めいた言葉を背中に受けながら、トランクス一丁の俺は部屋に放っておいたシャツを取る。  否応になく目に入る絨毯、それから視線を泳がせて窓を閉め切っている厚めのカーテンも見ると、俺の部屋とは比べものにならないほど綺麗で高価なことが一目でわかる。家人のランクと、そこから派生するセンスが窺えるというものだ。これが生活格差というヤツかね。  今日で、この部屋に来ることもないかと思うと、些か名残惜しいものを感じる。  中3の身分で親の目を盗み、同級生と情事を繰り返して来た俺が今更片腹痛いと我ながら思うけどさ。  俺は嘆息交じりの自嘲を伴い、シャツの次に、床に乱暴に投げ捨てていたYシャツの皺を気にしつつ袖に腕を通す。傍に落ちているシンプルな女性ものの下着が目に入る。 「おい、春めい...
  • 落日の夢
    発光ダイオードを掻き集めたような光が、いつもならば灰色に統一された空に雷鳴の如く走る。閃光に乗じてぱりぱりと音を立て、まるで卵の殻が罅割れるように空が剥がれ落ちてゆく。 崩れた膜の向こうには青鈍色が覗いた。 金網の張ったフェンスに凭れて、此処ら一帯では最も空に手が届き易い場所――高層マンションの屋上を、僕は終焉を見届けるための終着点に選んだ。遮るもののない真の意味での最上階では、上空から吹き付けてくる突風に肌に切り込むような鋭さがある。おざなりに羽織ってきた外套が白旗のように風に踊った。 見晴らしはいいが、長居するには不向きな場所だ。暖を取れるものが何もない。晩秋の風は想像以上に厳しいもので、芯まで凍るような寒風を浴びせられると、背筋から抗いようのない震えが襲来する。 僕は息を殺して、総てを見ていた。 長年共に戦ってきた同士達も今、思い思いの場を選んで、この美しい世界の、ある種の死...
  • 涼宮ハルヒの結婚前夜
    プロローグ 高校卒業して4年経った… 俺は、今、新人として会社を勤めてる… 皆の状況を知らせて置く事にしよう 谷口は、現在NEET化になって、職探しを求めてる 国木田は、高校の教師として勤めてる 鶴屋さんは、父の跡継ぎに働いてると聞いた 古泉は、政治界に入って活躍してるらしい 朝比奈さんは、一時に未来へ帰ったが…去年帰って来て、現在はOLとして勤めてる 長門は、本が好きで図書館の仕事に勤めてる ハルヒ?ハルヒは…「ムー」と言う本の編集者になって働いてる… やれやれ、ハルヒはこういうの好きだからな… さて、仕事が終わり、家に帰る所だが… 偶然、あの懐かしき涼宮ハルヒに会った… 「!…ハルヒ?」 ハルヒ「ん?誰?あたしをよ……!キョン?」 3年ぶりの再会である… しかし、こんな時間に何やってんだ? ハルヒ「仕事よ、仕事…宇宙がどうのこうのって奴よ」 そ…そうか… ハルヒ「それにしても、久し...
  • 小さな、親切
    「隣、よろしいですか?」    僕が声を掛けるまで、彼はどこか呆けた様子で、こちらの存在にも全く気付いていなかったようでした。はてさて、何をそんなに真剣に考え込んでいたのでしょうね。     「梅の花も香り始める頃だとは言え、まだまだ外の風は冷たいと思いますが。どうして部室に行かないんです? 朝比奈さんが美味しいお茶で出迎えてくれるでしょうに」      自分で言うのも何ですが、少し芝居がかった僕の問い掛けに、彼はうさんくさい宗教勧誘でも見るようなジト目で答えます。     「たまには、こういうクドいのを飲みたい日もあるだろ」      そうして、彼は紙コップのココアに口を付けました。ふむ、見た所、もうだいぶ冷めてしまっているみたいですけどね。  同じテーブルに着いた僕も、自販機で購入したホットレモンを口に含みました。授業が終わってすぐですので、何人かの生徒が脇道を通り過ぎていきます。...
  • スノースマイル・バースデイ3
    泣き喚いて森に掴み掛かるように、その言葉を即座に現実のものとして当て嵌め、喪失への激情を露にすることのできた者はいなかった。――彼等は放心していた。長門有希までもが、そうだった。 「私は皆様に、謝罪しなければなりません」 森の声はあくまで起伏のない、義務を読み上げる事務員のような代物だったが、其処にどんな感情が眠っているのか、少年には読み取ることができなかった。泣き腫らした痕跡でもあれば、分かり易く彼女の悲しみを察せられたのかもしれない。けれど、保護対象としてきた彼等の前でそんな醜態を晒すような愚を犯す森園生ではなく、また彼女が機関のプロフェッショナルであることを彼らはよく知っていた。 「昨夜のことです。機関内部で、大規模なクーデターが発生しました」 「クー、デター……?」 みくるの鸚鵡返しに、森は肯定を返す。 「我等も長い時をかける間に、一枚岩ではなくなっていました。派閥が絡み合っ...
  • 森園生の電子手紙 エピローグ2番外編 涼宮ハルヒの誘拐
    高校に入学して2回目の夏。俺達はまた例の機関所有の孤島に合宿に来ていた。その2日目の話だ。 孤島の別荘から伸びる三叉路、俺はそこで途方に暮れていた。向こうから古泉が走って来る。 「駄目です……島の東側では見付ける事が出来ませんでした。」 その顔には普段の余裕の微笑みは無く、焦燥に満ちている。さっき国木田が北側を探したが居なかったらしいし…俺が調べた南側も人影なんてまるでなかった。 「後は新川さんが捜索している西側だけですか……これはいったん別荘に戻って情報を整理した方が良いですね。」 「それしかないな……分かった。」   やれやれ、なんだよこの状況は…また機関絡みか?     午前7時過ぎに目を醒ました朝比奈さんによると、既にハルヒは居なかったらしい。その時は朝比奈さんは、天気も良いし朝の散歩にでも行ってるのだろうと気にしなかったらしい。 しかし朝食時になってもハルヒは戻らなかった。おか...
  • 北高生人気投票
    「北高新聞号外です、宜しくお願いします。」 毎朝おなじみのハイキングコースを踏破してやっとこさ校門にたどり着くとそこにはビラらしきもの配っている連中がいた。彼らの腕には新聞部と書かれた腕章を装備されている。 腕章といえば某団長さまの標準装備であり、某団長とビラと校門といえば朝比奈さんのトラウマとなった例のバニーでビラ配りなわけだが……。 新聞部の面々は普通に制服だった、ちょっとつまらない、まぁもっとも北高生でバニーが似合うなんてのは数えるほどしか居ないわけだし……。 などとどうでもいいことを考えながら歩いていたら、新聞部の女子と目があった。 「こちらが号外です。あっ、おめでとうございます。」 一体なにがおめでとうなんだろうな、おっとコレが号外だな、なになに… 『緊急速報! 北高生人気投票結果発表!』 ……学食後援、北高新聞部主催で行われた人気投票の結果が発表されました。 結果は下馬評...
  • 橘京子の溜息(後編)
    ...。…でも、誰のためにおめかししたのかしらね?」  ……………。 「…よく考えたら、能力が消えてしまうのだから、無理して言い訳じみた説明をする必要は無いわ。そのままOKすれば万事解決ですね。あなたも怒られる心配は無くなりますし。それより何より、あんな可愛い人が彼女なんて、みんなから羨ましがられますよ」  …ああ、…そうだな…ん?…  ……いかんいかん、橘の謀略に嵌まるところだった。そんな事言って俺をはめようとしても無駄だ、橘。 「別に変な事は考えてませんよ。佐々木さんのいち友人としての意見ですよ。あなたに好意を持っているんだし、いいじゃないですか」  …あ…いや…その…… 「大丈夫です。告白中、あたしは閉鎖空間に行ってますから。二人の邪魔はしませんよ。それでは、頑張って下さいね」  橘はウィンクを一つ、俺に激励のエールを送った。…くっ…仕方ない、やるか。   誤解しないでいただ...
  • スノースマイル・バースデイ8
    ―――ひとひら春の日に舞い降りる、それは、雪のように。 奇蹟はありふれて此の世に降り立つ。 綺麗に晴れた水色の空が、世界に被さる様に続いている。吹き寄せる優しい風には、寒さを抜け切れない冷たさをも和らげる、柔和な春の光が溢れている。 見知らぬ僻地、見知らぬ定刻。 向き合う少女と少女が、出遭った。一人はまだ彼女自身の名を獲得する以前、一人は幽霊を自称していた為に、名を明かしはしなかったのだけれど。 「どこへでも行くことはできます。あなたの行きたい場所はどこですか?」 天使と見紛う、清純で愛らしい笑顔を、幽霊の少女は表情を作る機能のない少女に与えた。少女は生み出されて間もなくであり、人との直接的な接触は初めてのことだった。無機物の如く、彫像のように立ち尽くす彼女を諭すように幽霊の少女は告げる。何もかもを終えて遣り切った事に対する誇らしげな瞳が、長らく共闘し触れ合い、歩んで来た者に対し...
  • 規定事項の子守唄 第一話
     ふだんよりも、いくぶん早い時間に目がさめました。  昨日は眠れなかったし、もしかしたら寝過ごすかともおもったのですが、杞憂だったみたいです。  枕元の目覚ましは、ようやく午前五時をまわったところでした。寝室こそ、ほのかな間接照明のひかりで満たされていますが、障子の隙間から見える窓外の夜空には、いまだ墨のような闇がひろがっているようでした。  今日は卒業式。鶴屋さんやSOS団のみんなとのお別れの日です。  とくに、鶴屋さんは卒業後、将来のための海外留学が予定されています。出立は式の直後なので、一足はやく北高を去ってしまいます。今夜、この時間平面からいなくなるわたしとは、それっきり、もう永遠に会うことはありません。  布団から、体を起こそうとして、わたしはつい苦笑してしまいました。すぐには身動きがとれないほど、しっかりと抱きすくめられていたのです。 「にょろ……みくるぅ」  そういって、...
  • 朝比奈みくるのブラックコーヒー
    ...?」  へ?あたしがおめかししてここにいるのに気が……つくわけないですよ。それで気がつくキョンくんなんかキョンくんのわけがありません。朝倉さんあたりがキョンくんに変装してるとしか思えませんから。 「えーとですね。今回は別に未来は……」  待ってください。もし今ここで「未来は関係ありません」って言っちゃった場合、「それならハルヒたちも呼んでみんなで楽しみましょう」とか何とか言って、キョンくんと2人っきりでのデートができなくなるかもしれません。疑心暗鬼?いえいえ、長門さんの図書館での待ち合わせフラグをでこぴんで軽々とへし折った人ですよ?キョンくんって。  でもですね、「未来からの指令」と言えば、少なくとも2人っきりにはなれます。それに最後の告白イベント時に、 「ごめんなさいキョンくん。実は指令ってのは嘘で、キョンくんと一緒にいたかったの」 「朝比奈さん?どういうことですか?」  ここ...
  • 恋愛相談 前編
    夏の暑さもいくぶんやわらいで来て、いよいよ秋になろうとする今日この頃、 僕達SOS団はいつもと変わらぬ日常を過ごしていました。 もうすぐ涼宮さん達と出会って一年半となります。 その間ずっと涼宮さん、そして彼の様子を観察していますが、 もはやお二人の関係は円熟していると言っても過言では無く、お互い相思相愛なのは見て明らかで、 団内でそのことに気付いて無いのはお二人だけというところまで来ています。 あとはどちらが先に想いを伝えられるか……という段階です。 そんな中、僕はある人物から相談を受けました。話はそこから始まります。     僕はいつも通り学業を終え、SOS団の部室のドアを開きました。   「おや、長門さんだけですか。こんにちは。」 「……」   あいさつをしましたが特に返事はありません。 まあいつものことなので特に気にすることなく、 彼が来るまで詰め将棋でもしようかと将棋盤を取り出した...
  • 誰も知らない二人のためのフィルム
      二人のために用意されたステージは、雪の中に浮き出た木造りの円形の踏み台だった。粉雪は、公園内の遊具の殆どを穢れのない白に沈めてしまっていた。浅い雪が絨毯のように敷かれた土台の上に、古泉は真っ先に足を掛けてよじ登り、次いで長門を引き上げた。 すっくと台の上で立ち上がり、地上よりも一段上となった場所から見渡した世界にあったものは、穏やかに降り積もり続ける氷の結晶と、白濁した空模様と、冷たさを湛えすぎたためにこの上ない無色である鋭利な寒風。それがすべてだった。 薄い雪を踏みしめた足を動かすと、シャーベットをスプーンで掬い取ったときのような、心地いい音が耳に跳ね返る。 一歩を踏み出したところで立ち止まり、古泉は綺麗に靴を模写した、白い下地にかたどられた己の足跡を振り返って眺めた。長門は動かず、やはり無言で、古泉の靴跡を眺めていた。 この広場から突き出たような円い壇の上で、ちょっとした...
  • 凡人に泣いた日
    ある日、珍しくハルヒとのペアで不思議探索をしている時のことであった。 デート中にでも見えたのだろうか…頭の悪そうな不良に絡まれてしまった。 しかし、さすがにハルヒが相手では分が悪い。 不良は口で罵倒されて、プッツンして手を出してきても、軽く一蹴。 …いや、なんかもう、ご愁傷様としか言いようがないね。 おめおめと逃げ帰る不良たちの後ろ姿は情けなかった。 ところが話はこれでは終わらなかった。 みっともない話だが、ハルヒにはかなわないと判断した不良たちは 一般的凡人の象徴とも言える、俺に標的を絞ってきたのだ。 「は、はは…情け…ない、の…は、俺…のほう…じゃ、ねぇ…かよ…」 声にならない、自分のモノローグに対する空しいツッコミが夕方の空に響いて消える。 待ち伏せをくらった、凡人たる俺は不良たちに勝てるはずもなく 人通りのほとんどない道の脇に放置されている。 動きたくても、動けない。助けを呼び...
  • 遠距離恋愛 第二十五章 未来
    第二十五章 未来   病院を出た俺たちは近くのレストランで早めの夕食を取った。古泉と長門は、今回の件についてまだ何か俺に伝えたそうだった。だが俺は、スマイル3割り増しで話し始めようとした古泉を手を挙げて制した。   もう良いじゃないか。ハルヒも無事目を覚ましたことだし、世界滅亡の危機とやらも回避された。ただでさえ俺は、来週の試験のことで頭がいっぱいなんだ、もうこれ以上、俺の頭に常識外の突飛な解説を押し込むのは止めてくれ。   そう言って彼らを黙らせた。 「そうですか、それなら仕方有りません」と残念そうに呟く古泉。 「……」と、何時にも増して残念そうな意志を瞳の奥に宿らせる長門。 ……まあ、後で聞いてやるよ。別に今じゃなくてもいいだろ?これで縁が切れる訳じゃないんだしさ。いつかまた会ったときにでも、ゆっくりと時間を取って聞いてやるから、その時に全ての種明かしを頼むぜ。 「分かりました」...
  • 橘京子の消失(エピローグ)
    … …… ……… 「ホント、あの時は大変だったな、色々と……」  未だ晴れ間の見えない、灰色単一色の空を三度見上げて言葉を漏らした。  橘が消えてしまったかと思って異次元に飛んでみれば、また別の橘が現れて実は元に戻しましたなどと言う。  佐々木は滞在時間が長かったあの世界が大層気に入って、戻りたくないなんて言い出す始末。  結果論ではあるが、次元断層に飛び込んでいった橘をそのまま放っておけば、異次元の番人さんが『忘れ物ですよー』と言って届けてくれたのだろうし、佐々木と朝倉の誘惑合戦も開始される事無く幕を閉じたんじゃないかと思う。  はっきり言って、あの次元断層のワープは俺が経験した中でも三本の指に入るくらい無意味なイベントだったと思う。  でも、それは俺にとって、だ。  佐々木はあちらの橘と深い信頼関係を得られたし、こちらの橘に関してもやや寛大になってきたんだと思う。  九曜は人間的...
  • 涼宮ハルヒのハンティング
    年が明けて初詣やらなんやらでドタバタしていたが、もとの生活ペースに戻ろうとしているこの日 俺は親戚からのお年玉でPSPを買った。色は黒で最新型のアレ ソフトはモンスターハンターってやつかな よく分からないが「大人気」と書いてあったし一様糞ゲーでは無いだろう そういえば北校に持っていってよいのだろうか?北校はPSPの持込でいいような感じだし  まぁ岡部らに見つからないようにすればいいか 始業式 新年早々一番ブルーな行事 こーちょーの話をだらだら聞かされるしな 楽しみと言えばあの元気な少女に会えることだろうな などと思いながら北校へハイキングコースを上っていた。 「よう キョン あけおめだな」谷口だここは返事しておくか「ああ谷口 あけおめ」 「そういえば俺ナンパ成功したぜ!まぁお前は涼宮が居るけどな」  ムカつく野郎だ。でもどうせ一週間程度で別れる運命さ谷口よ...
  • キョン「年中絵にしたいんだ、ここを」
    「キョン、なにそれ」   「ん、あぁこれか?」   騒々しく部室の扉を開いたハルヒは、俺のいじっていたカメラに食いついた。   なんでも、親父が学生の頃に少ない小遣いと 何年分かのお年玉を費やして買ったカメラで、この間物置を 整理していたときに発掘された物で、親父は今デジタル一眼とか いうのを買ったらしくて今は使わないというから、俺は別に要りはしないけど、 くれと言ったらやると言うのでもらったんだ。   「へー、いいやつなの?売ったらいくらくらいになるかしら。 高く売れたらなんかおごりなさいよ」   「知らん。というか売る前提で話をするなよ」   「別に要らなかったんじゃないの?」   「だからと言って親の思い出の品をうっぱらう訳にもいかないだろう」   「そんなもんかしら。 でもまぁ、売らないにしてもどのくらいの価値になるかは知りたいじゃない」   そりゃそうだ。 だが生憎と俺はカメラに...
  • 涼宮ハルヒの遡及Ⅰ
    涼宮ハルヒの遡及Ⅰ     『ただの人間には興味ありません。この中に、宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい』  と、高校入学の初顔合わせの自己紹介の場で、至極真剣な表情でのたまった女がいたとするならば、たとえ、そいつがどんなに可愛くてスタイルが良かろうとも、大多数の男はコナをかけるのに二の足どころか三の足、四の足を踏む……いや、それ以前に、決して関わらないようにしよう、と心に固く誓うことだろう。  むろん、俺もそうだった。いや、そのはずだったんだが…… 「こらキョン! あんた聞いてるの? 今、大事な話をしてるところなのよ!」 「心配するな。ちゃんと聞いている。明日の不思議探索パトロールのことだろ」 「そうよ。で、あたしが何て言ったのかも聞いてたの?」  それはまだだろ。と言うか、それを今から言う気だったろうが。 「あら、ちゃんと聞いていたのね。意外だわ。な...
  • 束の間の休息・二日目
     「束の間の休息」の続きです。      静かな部屋。  光が射し込んでくる。  歩いてくるのは男の人。  ……私はその人を知っている。  愛している。  誰よりも強く。  強く。 「水銀燈! できたわよ! さぁじゃんじゃん召し上がってちょうだい!」 「うるさいわ。あなたは近所の犬以下? 折角の紅茶が台無しになるじゃないの」  朝が来た。  誰かの家で夜を明かしたのなんて何万時間ぶりかしら。  私はティーカップを手に取った。  次の季節に先立って紅い色をした水面。  そこに映った私はどんな顔をしていたかしら? 「52点」 「だぁーっ! これで38回目よ!? どんだけ評価が厳しいわけあんた!?」  涼宮ハルヒ。  私の期限付きミーディアム。  ――束の間の休息・二日目―― 「水銀燈。今日は市内不思議探しツアーをするわよ!」  朝食が終わって、私は本棚にあった童話を手に取っていた。 ...
  • 七夕シンドローム 第三章
     翌日、改変されてから三日目。今朝の俺の目覚めは昨日以上に最悪だった。  布団を上げるとその上で眠っていたらしいシャミセンがごろんと転がる。それでも起きないとは、何という神経の図太さだろう。ああ、いっそ俺も猫になりたい。そんな投げやりな願望をぼんやりと頭に浮かべながら、俺はベッドから降りた。  暑さは昨日より大分収まっていた。生温い空気が辺りを包んでいる。ここ最近の睡眠不足で足に力が入らず、いつもより坂が急なように錯覚してしまう程だ。足も頭も、気分も重い。そのまま地面にめり込んでしまいそうだ。  教室の入り口で、俺は固まった。なんてことはない。教室の窓際、一番後ろの席にハルヒが座っていたからだ。途端に昨日のあの光景が甦る。俺は今すぐここから逃げ出したい気分になったが、それを堪えて自分の席に向かう。逃げれば、恐らく元の世界を取り戻す手掛かりは見つけられない。もう二度とこの改変世界を元に戻...
  • 長門有希の妊婦生活
    (長門有希の結婚生活 [R-18]の続き)   「おめでたです。」 産婦人科の先生にそう告げられた。 結婚してから一年半、ようやく私も母親になれるのだ。 彼にはどうやって伝えよう? 昔の私なら単調に事実を告げるだけだったかもしれないけど、今は違う。 どうにかして彼を喜ばせたい。   方法1:数日間思いきり冷たくしてそれから発表 …駄目。 冷たくしたら彼の私に対する態度も冷たくなるだろう。 そんなの堪えられないし、胎教に悪い。   方法2:以前のように豪華な夕飯、お風呂の後にラブラブ発表 …いい。 けどいつも通り過ぎて思い切り喜ばせるのには向かないかもしれない。 最悪の場合これでいこう。   方法3:いつも通り普通に過ごし、夜寝る前に発表 …これ? いつも通りだからかなりのハプニングになるはずだ。 取り乱す彼を想像するとつい口元が緩む。   方法4:妊娠検査の紙を「あのー…」   「…?」...
  • 10月8日、曇りのち雨 前編4
    ガタッガタガタガタッ! 「えー、誰か…いらっしゃいますかー…?」 その後、帰ることも考えたが、この雨だ。 俺とハルヒは雨を避けるため、とりあえず神社の建物に侵入していた。 立て付けが悪いのか、開けるのに少し苦労したが。 …それにしても、とりあえず不法侵入って辺り俺もハルヒに毒されてるな。 ハルヒと一緒に居ると、知らない間に俺の罪状が追加されていきそうだ。 本殿らしきそこは畳敷きの広間になっていた。 天井が高く、立派なハリが通っている。 中々に由緒正しい神社らしい。 建物の奥にはご本尊らしきものも見えた。 …売れないか? いや、無理か。さすがにカギがかかってるだろうしな。 っていかんいかん。 知らない間に俺のアライメントがCになっていやがる。 俺は永世ニュートラルでいたいぞ。 「あー、もうびしょびしょね…」 先程も二人して濡れたが、それほどひどくは無かった。 しかし、ハ...
  • 涼宮ハルヒの死体 第一話
    第一話 「おはよう、涼宮さん。最近嫌な事件が続いてるのね」 あたしが朝教室に着くなり阪中さんが話しかけてきた。 「おはよ。なにそれ?どんな事件?」 そう返事すると少し驚いたような顔をして教えてくれた。 「知らないの?最近この辺りで女子高生が誘拐される事件が続いてるのね。犯人はまだ捕まってないし…怖いのね…」 えっ?そんな事件があったなんて全然知らなかったわ…これは気になるわね… 「涼宮さんも気をつけた方がいいのね。それじゃあまたなのね」 そう言い残し自分の席へと戻って行った。 それと入れ替わるようにキョンが教室に入ってきた。 「おう、ハルヒ。おはよう。…どうした?」 ボーッと考え事してたからだろうか、あたしの顔を覗きこむようにたずねてきた。 …って顔近いわよっ! 「キョン!大事件よ!」 さっき聞いたばかりの事件をキョンに話した。 「ああ、その事件なら俺も知ってる。昨日のニュースでもやって...
  • クラス会-起承転結編
    *舞台は驚天動地編の翌日です。   「涼宮さん、おはようなのねん、ちょっとお話したいけどお時間大丈夫かしら?」 あっ阪中さん、おはよう、大丈夫よ乗る電車にはまだ時間あるし。 阪中さんもこの駅だったのね、……それにしてもなにかしら? ……キョンは今からでるってメールしてきたから時間はあるけど…… 「……それで一昨夜はどうだったのねん、キョン君お持ち帰りしたんでしょ?」 …ずばりきたわね……、えと……クラス会のあと……キョンと一緒になって…… 「涼宮さんとキョン君のコトだから結局カラオケとか漫画喫茶じゃないかって皆で噂してたんだけど……」 ……その……駅前の……ラブホに……ずっと…朝までその…… 隠してもしょうがないわね、どうせ谷口が知ってるんだし。 「「「「えーっ!? ホントに」」」」 おっ大野木さん達までいつのまに……、ていうか周りの人がこっちみてるじゃない、もう少し声を落と...
  • 二人で…
    夏の暑さもすっかり弱くなって過ごしやすくなった今日この頃。 涼しげな気持ちのいい風が並んだ木々の葉を揺らした。葉の触れ合う音とちょうど良い気温が秋の訪れを感じさせる。   今あたしはキョンと一緒に部室から帰ってるところ。 今日は珍しく有希もみくるちゃんも古泉君もみんな用事があるって言って帰っちゃった。 なんかこんなことが前にもあった気がするわね。もしかして何か企んでるんじゃないかしら。 …まあいいや。そのおかげでこうしてキョンと二人で帰れるんだから感謝しないとね。 キョンは「そうだな」とか「それは止めといた方がいいんじゃないか?」とか言ってあたしの話に相づちを打って、どんな突拍子もない事を言ってもちゃんと返事してくれる。 呆れたような気の抜けたような、でもそれでいて優しい笑顔で。   ねえキョン、こんなに近くにいるのに…こんなに好きなのに…どうしてただの友達なの?どうして好きって言ってく...
  • ひぐらしがなかないハルヒ   穴泣かし編
    執事の森さん「本日は誠に申し訳ありませんでした。主人が一度小説みたいなことをやってみたいと申しましたので・・・・」 朝比奈「本当にひどいです!」 森さん「おわびと言っては何ですが、お土産をご用意致しました。」 ハルヒ「ありがと!」 朝比奈「すいませんわざわざ・・・・・」 古泉「僕にはないのですか?」 森さん「坊っちゃんには無し!」   ハルヒ「キョン、あんた何貰ったの?」 キョン「あ、綾波レイのプラグスーツだ・・・」 古泉「キョン君には似合わないもの貰ったね~」 キョン「こんなものを渡す方なんてどうかしてるのか?」 そういやこいつだけお土産もらえなかったんだな・・・、   キョン「ほれ、やるよ」 ハルヒ「えっ!いいの?」 キョン「ああ、古泉には似合わないしな、」 古泉「わかってるじゃないですか、僕なんで女に産まれなかったのかって思う時がありますよ」   その時、俺は知らなかった。 いつまで...
  • 小箱
    『抜け殻』 『脱皮』の続きになります   ======== 『小箱』     昨夜はエライ目にあった。まさか、長門の抜け殻が俺の足に密着してしまうなんて思いもしなかった。つまらない好奇心なんて俺には似合わないことがよーくわかった、身にしみたぜ。 というわけで月曜日の朝、若干の寝不足の目をこすりながら、俺は学校を目指していつものハイキングコースを登っている。手にしたかばんの中には例の、そう、小さくたたまれた長門の抜け殻が入った小箱が忍ばせてある。   今朝、家を出る直前までは、この小箱は机の引き出しに入れたままにしておくつもりだった。しかし、いつも遠慮なしに俺の部屋に入ってきて机の引き出しを開けて、はさみだのノリだのを勝手に持っていく妹のことが思い起こされたわけだ。 放課後の俺はSOS団にいるので、きっと妹のほうが先に帰宅する。そして、俺の机の引き出しを開けて見慣れない小箱に気づいた妹は、 ...
  • Day of February
      終業の鐘が鳴り、さあ今日も朝比奈茶を飲みに行くかと教室を出ると、   後ろからいつものボリュームを間違えた声が響いてきた。 「ちょっとキョン!!明日は何の日かわかってるでしょうね!?」 怒ったような顔で聞いてくる。だがおれはもうこいつの怒った顔の後ろにある 感情を読むくらいのスキルは獲得している。だがなんだ?妙に期待したような感じだ。 「明日?すまんな思い出せん」 ああおれは返答を間違えたようだな。ハルヒの怒り顔が本気モードに変化してきた。 「本当に覚えてないの!?」 最後のチャンスのようだ、これで思い出さないととてつもなくひどい目にあうんだろ う。・・・・・・思い出せない、明日?節分は一週間後だしな・・・・ おれがしばらく黙っているとハルヒは 「こんの馬鹿キョン!!」 とか言って行ってしまった。 「涼宮さんの誕生日を忘れるとはね・・・なにかあったんですか?」 ああそうか、明日はあいつ...
  • 無限の輪舞(ロンド)Ⅱ
    (これは、アンリミテッドブレイドワークスのうちの一つです)   「ここかっ!」 俺が出たのは、何の因果か長門のマンションの前だった。 俺は虚空に右手を掲げ、     「―――I am the born of my sword―――」       詠唱。―――体内から何かが失われていく感覚。     「―――Steel is my body, and fire is my blood―――」       詠唱。―――消えていく何かの正体なんてのは判ってる。     「―――I have created over a thousand brads―――」       詠唱。―――右手を包むように左手を上げ。     「―――Unaware of loss―――」   「―――Nor aware of gain―――」       詠唱。―――倒れそうな体を叱咤して。     「―――Withs...
  • 古泉一樹の計画
    古泉「初めまして。私の名前は古泉。プランナー古泉です」   古泉「プランナーとは、企画者、立案者のことです。冠婚葬祭から旅行等にいたるまで、様々なプランをご提供させていただきます」   古泉「見積もりのお伺いも引き受けておりますので、ご用命の際にはお気軽に申しつけくださいませ」   ~~~~~   ハルヒ「やったわ、ついにカラオケで99点が出たわ!」 みくる「わぁ、涼宮さんすごいです」 キョン「あと1点で満点じゃないか」   古泉「パーティータイッ!」   古泉「涼宮さん。カラオケ99点達成、おめでとうございます。さすがはマルチプレイヤーと名高い涼宮さんですね」 ハルヒ「ざっとこんなもんよ。見てなさい。すぐに100点を出してあげるから!」 みくる「期待してますよ」 古泉「まったくでございます」   古泉「そこで、弊社からこのようなプランをご提供させていただきます」   古泉「長門さん...
  • 結婚しよう 橘京子の結婚生活
     おい、そこのお前、今日はなんの日か知ってるか?  教えて欲しいか?  教えて欲しいだろ?  よし、教えてやろう。  今日はな… 俺の誕生日だ!  …おいおい、そんな蔑んだ目で見るんじゃねえ。  なに? いい大人が誕生日ごときで浮かれてるからだと?  ふふ、俺の誕生日事情を知らないお前さんはそう思っても仕方がないだろうな。  だがな、これだけは言っておこう。  俺の誕生日はいい大人が浮かれるほどの十分すぎる要素が詰まっているんだよワトソン君。  おっと、そうこうしているうちに我が家に到着~  ふふ、扉を開ければエデンが待っている~  カチャッ 「ただいま~」  …………  ?  誰も居ないのか? しかし、扉は開いていたから…  あ、リビングで驚かそうとしているんだな。  全く、可愛い奴だな。 「今、帰ったz「静かにしてください!」  むをっ! いきなりなんだ!?  何かのサプライズか? 「...
  • 古泉一樹の計画2
    校長「おめでとう、岡部くん。キミに昇級通知がきているよ」 岡部「ありがとうございます! ついに俺も、給与の号級が上がったか。長く苦しい道のりだった……」 校長「何かおいしい物でも食べて、英気を養いたまえ」 岡部「ええ。実はもうすぐ、結婚記念日なんですよ。だから、いっちょ妻と一緒にパーっとやろうかと思ってるんです」   岡部「あっはっはっは」   古泉「それは良いことを聞きました」 長門「………そう」 古泉「盛り上がり中、失礼いたしますよ」 岡部「なんだ、古泉と長門じゃないか。どうかしたのか?」 古泉「申し遅れました。僕には今、こういう肩書きがありまして」 岡部「お前名刺なんて持ってるのか。ん? 総合プランナー?」 古泉「はい。ただいま古泉一樹、長門有希は総合プランナーとして、様々な祝い事をトータルプロデュースさせていただいおります」 岡部「そうなのか。最近は、こういう遊びが流行ってい...
  • セカンド・キス エピローグ
    エピローグ 一ヶ月たった。 その後のことをお話しよう。 閉鎖空間の発生は収まり、ハルヒによって世界が創り変えられる可能性は消えた。 といのは古泉と長門の話だ。 「あなたのプロポーズがよっぽど嬉しかったんでしょうねえ。」 と、一ヶ月たった今でも古泉は俺のことをからかう。 長門に報告すると、まるで始めから全てを知っていたかのように 「そう。」 と一言呟いただけだった。 朝比奈さんに関しては、まだ本当のことを話してはいない。いつか話そうと思う。  冬休みはなんてこともないいつも通りの冬休みだった。 去年と同じくSOS団で遊びほうけてたのみである。  鶴屋さん家のスキー場に足を運んだり、今年は初詣にも行ったな。おみくじも引いた。 俺は中吉と無難なところだったのだが、あろうことが他の4名がそろいもそろって大吉であり、 俺はビリということでハルヒから奢りを命じられた。新年早々ついてい...
  • シュール短編75
    ハルヒ「SOS団員諸君、明けましておめでとう御座います!」 長門「おめでとう」 みくる「はっぴーにゅーいやーでしゅ」 古泉「初春です」 ハルヒ「折角皆で不思議探索初詣巡りしようと思ってたのに、キョンたらまた遅刻!?」 キョン「ようお前ら、おめでとさん(;^ω^)」ゼハーゼハー ハルヒ「キョン!!?正月早々顔色最悪よ、どうしたの!!?」 キョン「いやいや何でも、それよりもホラお前らにお年玉だ」つ日 長門「ありがとう…これは」 みくる「ぴえっ諭吉さんがいっぱい入ってましゅ!!」 古泉「こんな大金、一体どうしたんですか!?」 キョン「去年はお前らには本当世話になったからな、せめてものお返しだ」 ハルヒ「そんな事訊いてんじゃないわよ!これだけのお金どこから出したの!!?」 キョン「なあに冬休み中ずーっとバイトしてただけだ、ほとんど一日中」 ハルヒ「え゛ーーー!!?」 長門「私が見た所体温が39...
  • 涼宮ハルヒの出会い 第1章
    涼宮ハルヒの出会い 『アイツノソンザイ』   「おまたせー!皆朗報よ!聞いてちょうだい!」   またか…何度も何度も自分に言い聞かせるようだがいつ聞いてもいやだな… いつからだろうな…朗報という言葉に嫌気を感じるようになったのは… 「今度はなんだ?」   「あっキョンいたの?聞いてちょうだい!」 いたの?じゃないだろ!俺がいるから言ってきたんじゃないのか? 今日は俺だけの参加のはずだぞ? 「お前な…朝比奈さんたちは今日は不参加って聞いてなかったのか?つまりだな…」 「分かってるわよ!もうちょっとした冗談じゃない!いちいちつっこまない!」 俺がつっこまないなら誰がつっこむんだ… なんて事は言わない方がいいよな、まぁなんだ話だけは聞いてやるか 「で何だ?」 「あっそうよ!聞いて頂戴!本当は皆がそろってるときがいいんだけど今日は仕方ないわ」 「我がSOS団が結成されてからどれくらいたったか覚えて...
  • Close Ties(クロース・タイズ) 第二話
    Close Ties(クロース・タイズ) 第二話      午前の授業時間はあっと言う間に過ぎた。  私の中にはエラーが蓄積していた。明日のこの時間には、私は人間になってしまっているのだ。有機生命体であれば、このエラーを不安と表現するだろう。有機生命…いや、人間になればエラーに悩まされる事も無いのだろうか。  無くなるとすれば、それは素晴らしい事だ。  置換プロセスが開始されてから、私の表現の中に形容詞や抽象的な言葉が増えてきた。確かに、私は変化している。 「ゆーきーちゃんっ!」  昼休みを告げるチャイムとほぼ同時に教室へと入ってきたのは、朝比奈さんと鶴屋氏だった。  どうやら朝比奈さん自身も私の呼称を再設定したらしい。  昼休みはいつも部室で本を読むのだが、朝比奈さんと鶴屋さん(朝比奈さんに合わせて自主的に再設定した)は私を屋上へと連行し、本にありつく事が出来なかった。  真冬にも関...
  • 涼宮ハルヒの抹消 第二章
    「何が起こってるんだ」    俺はもう何度となく口にしたセリフを飽きもせず漏らした。    長門だけがいない。そのうえハルヒやその他の連中に長門の記憶はない。古泉は欠席中。それが今の俺の置かれた状況である。長門だけがいない? 何故だ。    はっきり言って、俺一人では見当もつかん。    考えようたって俺の頭は絶賛混乱中につきまともに回転してくれないのだ。そうだろう。一般人だったら俺みたいな感じになるに違いない。  まあ、俺一人ではどうしようもできないというのは俺がこの上なく一般人だからという理由をつけて、朝比奈さんぐらいの相手なら口論で言い負かす自信はあるがな。だがしかし朝比奈さんを言い負かしたところで何の利益も生まれず、そして今はそれどころではない。  いや、待てよ……。    朝比奈さんだ。    というわけで、そう気づいたのは右耳から入ってくる情報を左耳に受け流しているような一、...
  • はるかぜふくまえに・第三章
    ○第三章   昨日がどんな日であっても、夜が来れば朝が来る。 夢にまで長門有希が出てきてしまった気がするがそれこそ気のせいだと思いたい。じゃないとやってられん。 「キョンくん起きたー? 朝ご飯たべよー」 妹がさっきからこの調子である。長門も余計な事を言ってくれたものだ。 「ミヨキチもくるってー!」 何だって!? 友達呼んでとか長門は言ってたがほんとに呼んだのか妹よ!? 「だめ?」 いやダメと言えるわけないのだが、あぁそうか。そうですか。どうやら今回も俺は巻き込まれ型の本分を発揮しないといけないらしい……。しかし野球ね。何着ていけばいいか聞いてないなそういや。 俺の心の声を聞いたかのように携帯が鳴った。ハルヒからだ。 「いろいろ言い忘れてたけど、集合場所は六月のグランドね。時間は十時。あと、今回は私服でいいわ。ただし、 運動しやすそうなね。それじゃ」 俺が一言も喋らないうちに通話は終了した...
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