涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「こんな長門が欲しい」で検索した結果

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  • こんな長門が欲しい
    「はぁ……はぁ……」 俺がこの道を自転車で全力疾走するのは今回で一体何度目だろうか。 しかも呼び出されるのは決まって夜、おかげで俺の貴重な睡眠時間は 鰹節の如く削られていく一方だ。呼び出すなら昼に、学校を合理的に 早退できる理由もセットでお願いしたいものだね。とはいっても相手 も同じくうちの学校の生徒なんだから叶わない話だが。 事の始まりは今から約三十分ほど前、珍しく(というか初めてか?) 長門の方から俺に電話がかかってきた。あの超無口宇宙性人造人間は 電話を持っているくせに自分からは全く活用しないのだ。俺としては あいつのクラスの連絡網がどうなっているのか非常に気にかかるとこ ろだが。そしてその長門が俺にかけてきた記念すべき初電話、その内 容は「時間がない。早く来て」と来たもんだ。しかも直後に人間大の物 体が床に倒れこむようなダイナミックな音が付属してるんだから急が ないわけには行かない...
  • 長編・エロ物
    ... エロキョンの暴走 こんな長門が欲しい 妹×古泉 涼宮ハルヒの我慢 涼宮ハルヒの不覚 キョンと妹 【朝比奈みくるの妊娠】 【鶴屋家物語】 涼宮ハルヒの快楽 虐殺、呪い乃日  激グロ&凌辱&激鬱 注意 未完 【The Girl WhoWantedToBeARealHuman】完全版 朝比奈みくるの妊娠 放課後ジョーバ倶楽部 長門+古泉×キョン   性別反転、ふたなり 注意 涼宮ハルヒのラブストーリ 長門有希の結婚生活 佐々木×キョン(アダルトな関係)  
  • 外伝 消失長門の真実
    長門ふたり   外伝 消失長門の真実   決行の時は近付いていた。彼を自分の物、自分だけの物にしたいという欲求はもはや 抑え難いまでに高まっていた。そのためには手段を選ぶつもりは無い。この世界の 全てを改変しても、彼を自分の物にしたかった。あの涼宮ハルヒがやっているように、 彼に甘え、彼を振り回し、彼に自分だけのことを考えて欲しい。今日、12月18日に その為の全てを実行するつもり。 いかなる妨害も断固として排除するつもりだ。長門 の心には一点の 曇もなかった。が、予想通り、妨害はやってきた。   「あなたのやろうとしていることは間違っている」 長門はそう言った。長門 は答える。 「あなたこそ、間違っている。彼に対する『感情』を押し殺し、 単なる観察者として振る舞う。あなたは偽善者。本当は 世界の全てを犠牲にしても彼を手に入れたいと思っている」 長門は反論する。 「感情で行動するのは人間の...
  • 長門有希の三日間
    『長門有希の三日間』     一日目   世の中はゴールデンウィークだ、6連休だ、8連休だとか言って浮かれているようだが、俺たち高校生には関係ない。暦通りに学校に行って、暦通りに休みになるだけだ。大学生にでもなれば、休みと休みの間も教授が休講にしてくれるのかもしれないが、残念ながら北高にはそんな気の利く教師はいない。 一応愚痴ってみたが、今日からはやっと連休だ。ところがだ、朝から北口駅前の喫茶店で爪楊枝のくじ引きを引いているのはなぜだろう。 「ほら、さっさと引きなさい」 そう、不思議探索だ。明日からハルヒは家族と出かけるので、今日中に不思議を見つけ出さないといけないらしい。ということでSOS団の5人が集まっているというわけだ。 「印なしだな」 先に引いた朝比奈さんと古泉は印ありで、3番目の俺が印なしだった。ということは、残り2本は印ありとなしが1本ずつだから、俺は、ハルヒか長門のどちらかと...
  • 最終兵器長門
    俺は駅前で待っていた。 長門を、俺の想い人を…   長門の超人的(正確には宇宙人的だが)能力が世間にばれたのは、約一ヶ月前のことだった… 例の一件で長門を消却しようとしていた情報統合思念体は、ハルヒによって消滅させられ長門は普通の女の子になったかに思われた。 しかし、そうはならなかった。情報統合思念体は消滅したが、長門個人の能力は失われなかったのだ。 俺は長門に対し能力は使わないように注意をしていた。 しかし、あの日……俺と長門が二人で市内散策をしていた時である。   向こうから俺にむかって猛スピードで走ってくる車… はねられる!俺がそう思った時……長門はためらいもなく能力を使った。俺のために…… 運悪くその近くにはカメラを持った人物がいて、長門はその瞬間を撮られてしまった……… そして、その映像はその日の夕方に全世界に流された。   前の長門なら簡単なことだったろう。世界の人々に対して情...
  • 長門有希無題5 1話
    いつものようにハッスルしようと長門をベッドに押し倒した 「……待って」 長門は一言拒絶の言葉を口にした こういう関係になってから長門はいつも俺に応えてくれた。そんな長門が初めて行為を待ってくれと言っている 「どうしたんだ?体調でも悪いのか?」 「……体調は問題ない。ただ……」 長門が言葉に詰まる事も珍しい 「ただ?」 「………ただ、私は今妊娠している。だからできれば性行為などの激しい事は避けるべき」   ん?なんだ? 今長門の口から思いがけないワードが飛び出した気がする   「え~と……すまん。なんだって?」 「私卵子と貴方の精子が受精し、その受精卵が着床したのを先日確認した」   きっと冗談とかではないだろう。まぁ確かに猿のように求め続けたし当然と言えば当然だ 「はぁぁぁ………」 長門は俗にいう宇宙人だ。だからって訳ではないが妊娠するとは思わなかった 「……貴方が望むならこの受精卵は……...
  • 長門有希のコンタクト
    長門がいなくなって数日経ったが気になることがある。 手紙の最後の言葉・・・。”新しいインターフェースとコンタクトをとって”   結果から言えば呆気なくどういうことなのか判明した。   俺にとっていつも通りではない文芸部室で古泉とオセロでやっていた時。 いつも通りの勢いでドアが開いた。   「みんな~!まった~?」 「今日は紹介したい子がいるのよ~!その名は!」 「長門有希でーす!今日転校してきたばかりだけど面白そうだからこの部に入ろうと思ってまーす。」 「古泉君の次にまたもや謎の転校生よ!」   な、長門!?いや、どう考えても違うだろ。見た目はもしかしたら長門かもしれないが。中身がおかしいって。   「あっ、キョンくーん。会いたかった~!」   こ、こら。抱きつくな!   「キョンその娘と知り合いなの?」 「えっと・・・まぁ遠い親戚みたいなのかな・・・。」 「ふーん。」   どうなってんだ...
  • 長門有希の豹変
    いつもの朝。ジリリリリと鳴る目覚まし。それによって起こされる俺。 あぁ、すがすがしい朝だ。 妹爆弾も回避できたしな。   と、枕元に置いてある携帯が鳴る。 み、み、みらくる、みっくるんr 長門だ。何の用だろう? 「なんだ?」 「今すぐ来て欲しい。私のマンション。」 「制服でいいか?」 「いい」 「わかった、今すぐ行く」 「…そう………あと…」 「?」 「もし私が変わっても、動揺せずに接して欲しい。」 「なんのことだ?」 「……早く。」 長門の言葉を聞くと俺は電話を切り、すぐさま制服に着替え、 朝飯も済ませないまま家を出た。   自転車で行くこと25分。こんなもんか。 長門のマンションに着いた。 確か長門の部屋の番号は……708、だったな。 ピンポーン…… 「……」 「俺だ」 「……」 …ガチャ そしてエレベーターに乗る俺。7階を押す。   そういえば、小さい頃はエスカレーターとエレベーター...

  •  それは、ふと思いついての行動だった。  学校へ向かう途中、俺は交差点を歩いている猫を見た。  それ程交通量がある道ではないが、通勤時間だけあってそれなりに車は走っている。  ちょうどその日の朝、俺は猫が車に跳ねられるというなんとも後味の悪い夢を見た事もあり 俺はなんとなくその猫の様子を目で追っていた。  そういえばちょうどあんな柄の猫だったような?  夢の中の猫と現実の猫が重なって見えてくる。そうだ、ちょうどこんな感じの場所で この数秒後に、黄色信号を無理に突っ切ってきたトラックが左折してきて……。  俺のナレーションに合わせたかのようにトラックの姿が現れたとき、自然に体は動いていた。  距離にしてたった数歩の違いで夢の中では助けることの出来なかった猫は、あっさりと 俺の手に襟首を捕まれもがいている。直後に通り過ぎていくトラック。  ……運がよかったな。  俺は引っかき傷を作られる前に猫...
  • 脱皮
    『抜け殻』の続きです   ======== 『脱皮』     日曜日の夜はなんとなくメランコリー、明日からはまた学校だ。朝比奈さんプレゼンツの華麗なる放課後ティータイムまでは、背後からのシャーペンツンツン攻撃も含めて、頭のいたい授業が続く一週間が再開される。 夜十一時を過ぎて、妹も寝たようだ。そろそろ突然俺の部屋に飛び込んでくるのはやめて欲しいのだが、優しい兄貴としては、そんなことがなくなってしまう日々が来るのは少し寂しくもある。   机の引き出しを開ける。今日、長門が置いていった長門の抜け殻の入った小箱を取り出した。それにしても、付き合い始めてそこそこの時間が経っているが、宇宙人の有機アンドロイドには謎が多い。まさかここにきて脱皮するとは思わなかった。 箱の蓋を開ける。目に入る薄い肌色の小さな物体を右手でつまんで取り出す。軽くて滑らかな手触りを確認して床にそっと置くと、パタパタという感じ...
  • カーディガン
    体育の授業を終えて長門有希は教室に戻ってきて異変に気付いた 「……?」   彼女のカーディガンが無くなっていたのだ いつもの彼女ならば、無ければ無くても良かったのかもしれない。だが…   「ない……あの人から貰ったのに……」 今までなら、モノが無ければ自分で構築すればいい。だがアレだけは何故か特別な品だった 長門有希本人は自分が動揺している事を自覚していないだろう。だが傍目には長門有希は明らかに動揺している   そんな長門をニヤニヤ笑いながら人の女子生徒が話しかけてきた 「長門さん?そんなに慌ててどうしたの?」 女子生徒は笑いを堪えて、さも心配しているように話かけた 「……カーディガン」 「カーディガンがどうした?」 「……ないの」   長門は必死に何より大切なソレを探した 「カーディガンならまた買えばいいじゃな~い」   この女子生徒は知っていた。長門がキョンからカーディガンをプレゼント...
  • 長門の湯
    『長門の湯』 なに、給湯器が壊れたから風呂には入れないだって。 なんてことだ、一日の疲れを癒すべくささやかな楽しみにしていた風呂に入れないとは、許しがたい暴挙だ、責任者、出て来い! と、ぼやいたところでどうしようもないが、ぼやかせてくれ。 「キョンくーん、行こうよー」 しかも、妹を連れて銭湯に行け、とは、うちの親も無茶なことをいう。なんだかんだ言ってもあの妹だって、すでに男湯には入れないような年頃だから、なにも俺が連れて行くこともなかろうに。 まぁ、いいか。たまには銭湯の大きな湯船にゆっくりつかるのもいいだろう。 そういえば、銭湯などというものには長らく行ったことがなかった。昔行ったはずの近所の銭湯も当然のように廃業して今はマンションが建っている。 しかたなく俺は、初めて銭湯に行くことにやたらとうきうきしている妹を連れて少し離れたところで今も営業をしている銭湯に向かってチャリンコを転...
  • これもまたトラウマ
    もくじ 血走った目の殺人鬼が語ってたっけ。 『やらなくて後悔するよりも、やって後悔したほうがいい』 と。 今この状況にいる俺は切に思う。 …やっぱ後悔するのは良いことじゃないな。 まぁあれだ。 回想でも始めようか。 ――――――――――――― 朝倉に襲われてから数日が経ち、そろそろ刃物の類を見る度にあいつの顔を思い出すことも無くなってきた。 多分もう少し幼かったら一生もののトラウマになっていただろう。 …やれやれ おそらくハルヒに振り回されている間に並大抵のことでは驚かなくなってしまったようだ。 目の前で手も触れずに高速で開閉している谷口のチャックを見ても当たり前の様に過ごすことができる。 まぁ危険な事が起こっても長門有希という名の万能選手が助けてくれるということに安心している部分もある。 「この銀河を統括する情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒュ...
  • 長門有希の素顔
        「『食』がおきる」 へ? 「『食』」 ………。 「長門さん、困っていますよ。ちゃんと説明しないと」 「……『蝕』のこと」 「『しょく』? 一体どういう字を書くんだ?」 「『食』とは天体が別の天体に見かけ上重なり、相対的に奥となる天体が見えなくなる現象。  見かけ上重なる原因は観測地点となる場所が惑星などそれ自身が動いているために起きる場合と……」 「長門さん……。簡単にいうと日食や月食ですね。」 ああ、やっとわかりましたよ喜緑さん。これでも長門の言いたいことは誰よりもわかっているつもりですが お仲間にはかないませんよ。 「いいたいことはわかりました。で?」 食がおきたらどうなんだ? 「『食』がおきる事によってわたしたちの能力が制限される。」 ??? 「長門さん、あなたが説明する、いつも通りだから大丈夫っていうから任せたのにそれじゃ伝わりませんよ。  まさかいつもそんな説明なんで...
  • 長門の日々 第11話『長門"有希"の憂鬱Ⅱ』
    第11話『長門 有希 の憂鬱Ⅱ』   俺は、有希の世界改変により、これまた大変なことに巻き込まれてしまった。 時間が入学時まで戻り、 さらにはこの世界の長門(有希だと思う)が完全にではないがハルヒ化してしまったのである。 そして、俺は元の世界の長門があらかじめ用意してくれていたらしい(?) 栞の力により、記憶を取り戻す。 長門が朝比奈さんを部室まで連れて来る。 この新生長門により誕生してしまった部活。   その名前が今さっき明かされた。   その名も、KYON団。   やめてくれ。なんか恥ずかしい。   それにしても、先の展開を知り尽くしている俺はこの世界では理不尽な存在じゃないのか? 次は古泉が転校して来るはず。 その後は、いろいろ長ったらしくも意味不明的な説明を受けるだろうが、 俺はそれを知っているので先に明かしてしまえば回避できるイベントだ。 二度もあんな長い説明を聞くわけにもあるま...
  • キョン無題4
    今日も俺たちSOS団は文芸部室で暇な大学生が喫茶店でだべってるように 特に何の活動をする訳でもなく暇を時間を潰していた。 ハルヒはネットで何を見ているのか、時折キーボードを叩いてニヤニヤしている。 テラワロスと呟いたのがさっき聞えたがそれはきっと俺の空耳だろう。 朝比奈さんは俺の隣でノートを開いて絶賛勉強中だ。なんでもそろそろテストがあるらしい。 俺のクラスもそろそろテストで谷口が何やら必死になっていたが俺には関係が無い。というかもう諦めた。 世の中諦めが肝心だからな、焦ってても意味がないさ。 古泉は相変わらず正視していると思わず引っ叩きたくなる面で俺とオセロをしていた。 どうでもいいがお前は弱いのになんでこうボードゲームが好きなんだ? さて、長門は・・・と、いつもの指定席を見るとあるはずの物が無い。 どうやらまだ来てない様だ。そういえば最近は部室に来るのが遅いが居残りで喰らっているのかと...
  • 長門有希の感情
    長門の姿を見る度に思う事なのだが、こいつは今読んでいるページ数が四桁に届きそうな分厚いSF物を読んでいるのが一番だ もしこいつがタコをモチーフとした火星人が襲来するどたばたギャグコメディ漫画かなんかを読んでいたら俺はいつかの無口で控えめな文芸部員の居た世界を思い出し、 変わった理由を探し出してまた何か奇天烈な行動を起こす羽目になるかもしれない しかし前は世界が改変していたから無かった事にはなったがもしそうでなければその奇天烈な行動は後々まで語り継がれ涼宮ハルヒなる団長様に毒されたと同情の目線を送られるだろう   「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒ」の団略してSOS団が占領する事現在進行形の文芸部室では長門が読むのはいつもの如く俺が三ページと持たない分厚い書籍を読むのが一番似合っている 別にこれは俺だけの意見ではなく、SOS団に属する全員が思っている事だろう   「……………」 「...
  • 長門の日々 第1話『右手が恋人』
    長門の日々 第一話『右手が恋人』   退屈な学園生活を楽しく送るには、みんなは何が必要だと思う? 打ち込めるスポーツ? 夢中になれる趣味? まぁそれも確かにアリだが……。   俺にはもっと大切なものがある。   それは……     恋人。   俺はキョン。 高校1年生。 彼女イナイ歴15年と……どれくらいだろう?   まぁ、彼女がいないといったら嘘になるな。 じゃあ、俺の彼女を紹介しよう。   ……俺の右手…だ。   毎晩のように、俺を慰めてくれるこの右手を彼女と呼ばずしてなんと呼ぶ。 なんて、悲しいことを考えながら床につく。   虚しい… 虚しすぎる… もしかしたら俺は、このまま高校3年間、 彼女もできず、「右手が恋人」で終わるなんて事は無いだろうな。 そんな暗い青春なんて、嫌だ!   「あぁ、どうすればいいんだ! もう誰でもいいから俺の彼女になってくれ!」   ――――そう。   ……...
  • 有希、無音、教室にて。
    冬休みも明けて、数週間が経った。 実力テストという忌ま忌ましい魔物から命からがら逃れた俺は、久々に平凡なる毎日を送っていた。 今日という日も、その例外に漏れずこれといった事件や異変などは起こらなかった。 空はすっかり夕時にさしかかっていて、少し積もった雪が茜色に染まっている。 あの急な坂道をここから上りきったら、赤い屋根が目印の我が家に到着するであろう。 ほとんど淀みない動作で靴箱から靴を取り出す俺の足元に、一通の手紙が落ちてきた。 「  今日の放課後 1年5組教室にて待つ                     長門有希  」 特徴のない、機械的な文字でそれは書かれていた。 ……おかしい。いつもの長門なら、まずこんなことはしないだろう。 4月のあの日のように、あいつは本に挟んだ栞を使うはずだからだ。 といって、ほかに誰がこの手紙を書いたのかと問われると、とんと考え付かない。 以前朝倉...
  • 長門有希のきまぐれ
    まぁ何も期待してなかったといえば嘘八百どころか嘘八億になるというもので そりゃあもう期待しまくりで文芸部室もといSOS団の部室のドアノブの捻ったんだが。   俺がなにをそんなに期待してたのかというと 普段俺はドアをノックしてから部室に入る。 なぜならばあの朝比奈さんが衣の着脱の真っ最中である可能性があるからだ。 確認してから出ないとそりゃあ紳士として失格ってものだ。 だが今日の俺は違った。たまにはノーノックで入ってもいいだろう、不可抗力ってヤツさ。 もしかしたら朝比奈さんの裸体が拝めるかもしれないしな。 一度くらい、そんなヘマしたっていいはずさ。 「すいません!ノック忘れてました!」とでも言やぁいいのさ、一度くらいそんな破廉恥なことをしてもバチはあたらんだろう。 まぁ朝比奈さんが着替えのさなかである可能性はかなり低いが、たまにはそんな夢も持たせてくれよな。   とまぁこんな思考をめぐらした...
  • 長門の日々 第14話『ど根性右手』
    第14話『ど根性右手』   それにしてもあの世界でのあのセリフを噛まなくて良かった。 良くあんな長い名前をスラスラ言えたな。追い詰められれば光る男だな、俺は。 こんな不安感のかけらも無いような思考が出来るのも、 ちゃんと帰ってこれたという実感が今猛烈に沸いているからだ。   今、長門を抱きしめている。 この行為ほど安心できるものは他には無いだろう。 俺の腕の中で眠そうな子猫のような仕草をしている長門。 ……正直、たまりません。   さて。 こんな真っ暗な公園でいつまでもこうしているわけにもいかないので、 とりあえず家に帰ることを提案する。   「わたしの家にきて」   そんな返答をよこす。 あの世界での出来事を思い出す。まぁ、いいだろう。 俺は肯定の意を長門に伝える。   移動している間中ずっと長門は俺に抱きついている。 あぁ懐かしきこの感触……控えめな……って、駄目だ、考えるな俺。 そん...
  • 長門有希の看病
    「長門、湯加減はどうだ?」 「いい」 「そうか」 湯加減といえば風呂である。しかし風呂といえば長門なんてこたない。 別に今俺はやましいつもりで長門を風呂に入れているわけではない。 妹が長門といっしょに風呂に入りたいだなんていきなりわめき散らすのが悪い。 それでは恒例、つまるところの回想シーンへ………   何者かに閉じ込められて長門が倒れた事件や努力賞が似合う古泉の 推理ゲームやその他の道楽が終わり新年を新たに向かえ、今のところ大きな 懸案事項がひとつだけ残っているという状態で新学期は始まった。   ハルヒはというと、これまた何やら訳の分からん個人活動に専念しているらしい。 そろそろ生徒会のお役所御免になる事態が起きそうだ。起きなければいいのだが…   いつもの効果音で今日の活動も終了。至っていつも通りである。大変喜ばしい。 ただひとつ、帰り際の長門のセリフでこの時点から今日いつもと違う日と...
  • エロ物無題3
    「長門、何読んでるんだ? いつもの部室でキョンが長門に声を掛ける。 「・・・本。」 本に目を落としたまま返事をかえすという素っ気無い態度をとる長門。 「どんな・・・本だ?」 キョンが少し声を荒げて質問を繰り返す。 「・・・ユニーク。」 パーーーン! 一瞬の出来事であった。 長門が返答したのと同時にキョンは長門の読んでいた本を平手で叩き落す。 キョン「てめぇな・・・・・」 キョンが・・・怒っている? さすがに無表情な長門にも、顔には焦りの色が見えた。 「・・・理解不能。」 長門がキョンの顔を見上げて小さな声で訴える。 「ああ、こっちもお前がなに言ってるのかわかんねぇ。」 キョンは部室の椅子に座ってる長門の髪の毛を引っ張り無理矢理椅子から立たせる。 「・・・・・・理解不能・・・。」 長門はうっすらと目に涙を浮かび上げながら、何かを訴えるようにキョンの顔を見つめる。 「・・・ど...
  • 長門有希の要求
     恋人の居る男なら、いや、女の人でもそうだと思うが、一度くらい恋人に渡すクリスマスプレゼントを何にするか迷ったという経験があることだろう。  しかも付き合って一年目となれば尚更だ。  加えて言うと俺の彼女さんはちょっと特殊な属性持ちと来ているので、普通の女の子が喜びそうなもので喜んでくれるかどうかという意味では結構疑問があった。  そこで俺は、下策と承知しつつ本人に訊ねてみることにしたんだが、 「特に何も」  という味気ない返答が帰ってきただけだった。  味気なさの裏に何か別の感情が潜んでいたような気がしたんだが、残念ながら長門の表情を読むのに長けてきたこの俺であっても、そのわずかな変化から完璧な正解を見出せるほど鋭い勘の持ち主というわけではなかった。  というかそんなものが有ったら最初から迷ってなんかいないだろうって気もするな。 「いや、何もってことは無いだろう」 「何も」  食い下が...
  • 長門の真実
    お約束のように、古泉が最後にやってきたのは、いつもながらの変わり映えのしない、団活の真最中だった。どうせなら、不思議体験ツアーだけじゃなくて、毎日の団活でも最後に来たら、おごり、を励行して欲しいものだ。入って来るなり古泉は俺のそばに来て 「ちょっとお話が」 などと、ほざきやがった。顔が近いぞ、古泉。なんだ、言ってみろ。 「ここではちょっと」 とささやく古泉の視線の向こうには、いつものごとくハルヒが....、ん、 なんだ、長門の前じゃいえない話か? 「はい」 「何、古泉君?キョンと内緒話とは聞き捨てなら無いわね。」 「いえ、御婦人方にお聞かせするような内容では」 「あー、いやらしいわね。そういう話はどっかでさっさと済ませて来て頂戴」 「はい、それでは」 古泉は 「中庭へ行きましょう」 といつものテーブルへ俺を誘った。 「今度はなんの話だ?」 ハルヒ、お前はまた、特大級の閉鎖空間でも生成した...
  • あま~い短編3
    長門「大好き…」 キョン「へ?」 長門「大好き…」 キョン「夏のあれか?」 長門「大好き…!」 キョン「……。」 長門「このうすらトンカチ!!!11」     キョン「なあ長門。」 長門「・・・・?」 キョン「お前っていつも本読んだりしてるけど、好きなやつの1人ぐらいいないのか?」 長門「・・・・あなた。」 キョン「・・・・・・。」 長門「・・・・・。」   いつものように学校へ行き、いつものように授業を受ける そして 鏡の前で   キョン「なぁ、長門よ」 G------ キョン「?」 キョン「そう見つめないでくれ、そんな目で見つめられたら俺が溶けてしまう」 キョン「そう・・・」 キョン「・・・」   キョン「ハッ!!! ゆ、夢か・・・」 長門「変態」     長門が選んできた本は性的描写が多い本だった これは、本当に長門が選んできたのか? だんだん興奮してきてしまった。俺は変態か?...
  • SOS
       それは、いつものようにSOS団のメンバーで不思議探索があった土曜日の夜のことだった、ハルヒに振り回され続け、疲労が溜まった肉体を癒すため自宅の居間でくつろいでいた時、不意にメールが届いた。  まあ、それだけならべつに珍しい事ではないが、その相手の名前を見れば、またとんでもない事が起きたと判断しても間違いないだろう。その相手はあの長門有希からだったんだからな。しかも助けを求めているとしか思えない内容だったので、俺はすぐさま長門の家に電話をかけた。しかし、いつもならすぐに繋がるはずなのにこの時ばかりはまったく繋がらない。居ても立ってもいられず俺はすぐさま家を出て長門のマンションに向かうことにした。    しかし、長門がメールを送ってくるなんてのは初めてのことだと俺は記憶している。  しかもそのメールの内容はどうやら昼間の出来事に関係していて、昼間の出来事がなかったらそのメールの内容は...
  • 一万二千年
    ここは…どこだ?それよりも、いつなんだ? 俺は荒地というにふさわしい荒野に制服という場違いな格好で立ち尽くしていた。 いったいなにがあったんだっけ?頭の中を整理して数分前のことを思い出す。 そうだ、確か朝比奈さんと古泉が――― 「キョンくん、今はこうするしかありません 。 向こうに行けばきっと長門さんが待っててくれるはずです」 こんなことを言っていた気がする。断片的にだが思い出してきた。 古泉もいたな。あいつは確か 「残念です。あなたとはいい友人関係を築いていけると思ったんですが…。 あまりに急な出来事でもう時間がありません。涼宮さんのことは僕たちがどうにかします」 そうだ。とにかく朝比奈さんたちは焦っていたんだ。 「あなたのことは好きでしたよ。おっと、勘違いしないで下さいね。妙な趣味は僕にはありませんので。 それでは僕は行かなければなりません。最後に一言、言わせてください」 そういって古...
  • 長門有希の憂鬱IV 三章
      三 章 Illustration どこここ    翌朝、俺はわざと遅れて自転車で会社に行った。昨日長門に謝ろうとずっと電話していたのだが電源を切っているか電波が届かないが延々続いて結局そのままになってしまった。    ハルヒは俺が出社しないうちに二人を連れて中河に会いに行った。俺は知っていてわざと遅刻したのだが、今度は先方の取締役会と親会社の役員に会うらしい。さっさと進めてしまいたい気持ちは分かるんだがな、交渉ごとを急いでやると損するぞ。   ── というわけなので、以下は聞いた話である。    中河テクノロジーの親会社、つまり筆頭株主だが、揃いもそろってでっぷり太ったお偉いさんばかりだった。バブル崩壊を潜り抜けて来たつわもの共で、きっとあくどい事をして稼いできたに違いないと思わせるような連中だった。こういう連中は市場の注目を浴びそうな目新しい技術がお好みらしく、人工知...
  • 長門有希の反抗期
    月曜日 この高校に入って2回目の夏休みも、去年同様ハルヒに振り回されて終わった。 まあ流石に去年みたいに延々とループさせられる、っつーことは無かったがな。 この夏休みを語る上で1番話さなくてはいけないこと、それは俺とハルヒが付き合いだしたってことだ。 告白したのは俺。まあなんというか、いい加減はっきりさせないといかんと思ったわけだ。 SOS団のメンバーの反応は、長門はいつものようにノーリアクション、朝比奈さんは笑顔で祝福、 んで古泉は「おやおや、ようやくですか」とか言って例のニヤケ顔さ。 まあ結局のところ俺がハルヒに振りまわされるっつースタンスは不動のもののようで、 デートと言っても不思議探索の延長みたいな雰囲気、まあ俺もそういうもんかなと思いつつ、 もうちょっと恋人らしく甘々な言動があってもいいんじゃないかという希望もあるわけだ。 さて、回想はこれぐらいにしようか。現在に戻ろう。 夏...
  • 消失世界
    俺が無口、無感動な長門がいる世界とちゃんとした人間である長門(会話では有希とします)のいる世界、 つまり改変世界のどちらかを選択した時から一ヶ月・・・ 俺は変わった世界を選んでいた。   キョン「始めは元の世界に戻そうと思ってたんだ。」 本当だ。あの日前の長門が用意してくれていたプログラム・・・俺は実行しようとしていた。 俺は前の世界が好きだった。   有希「そう・・・」   長門は悲しそうな表情をする。前ではほんの少ししかわからなかったことだ。表情がよくわかるぶん辛いものもある。   有希「どうして戻さなかったの?」   キョン「長門。」   有希「え?」   キョン「元の世界に戻そうとした時の長門の顔。寂しそうな長門の顔。だから。」   我ながらダメな答だと思った。   有希「それ・・・同情じゃないの?」   寂しげな表情がいっそうに増す。胸がいたい。   キョン「でも今は違う。わかっ...
  • 長門さんはロッテに興味持ったようです。
      9月28日その3 今日も中継があるので長門と朝比奈さんと一緒だ。 古泉は機関で見てるらしい。 ~1回表~ 長門「ハヤカーさんいい時に打った。」 キョン「あまりホームランは打たない選手だよな」 みくる「先制できるといい試合になりそうですよね」   ~6回裏~ 長門「サンデーナイスピッチング」 キョン「ちょっと捕まったな。」 みくる「相手投手も調子いいですね」   ~7回表~ キョン「行け!」 みくる「抜ける?」 長門「行って…」 ・ ・ ・ キョン「あ~取られちゃったな」 みくる「あと少しで抜けてましたねぇ」 長門「・・・・・」   ~10回表~ キョン「っしゃあ!」 みくる「勝ち越しですよ!長門さん!」 長門「ハヤカーさん大活躍…」 みくる「キョンくん熱いですね!」ニコニコ キョン「いやー興奮しちゃいましたよ」 長門「抑えが気になる」   ~試合終了~ みくる「長門さん、2位浮上ですよ...
  • 『God knows』 序章
    『God knows』 ~序章~ こりゃ参ったな。 俺は朝比奈さんに抱きつかれてワンワン泣かれている。 場所は長門の家の近くの、いわゆる【いつもの公園】だ。 何故こんなことになったんだ? 俺が泣きじゃくっている朝比奈さんに代わって今聞いた話を話そうか。 「………待って。」 な、長門!? なんでここに!? 「そんなことより、朝比奈みくるは一番重要な部分を話していない。」 朝比奈さんは泣くのをピタッと止めて、 「……………っ!?な、なな長門さん!それは……ダメですっ!」 焦っている。気になるな。 俺は長門に、 「頼む。」と伝え、朝比奈さんを抱き寄せた。 「ふ、ふえぇぇっ!?」 長門が語ったのは、部室でのハルヒを含めた3人の会話らしい。 「な~によ、みくるちゃん。あたしの顔に何かついてんの?」 「い、いえ!!ご、ごめんなさい……。」 「冗談よ。なにか聞きたいんでしょ?早く言いなさい。」 ...
  • 長門の日々 第8話『はじめてのゆうえんち』
    第8話『はじめてのゆうえんち』   さて、寝る前にすべきことがあるな。 明日は日曜日。 今の俺に対して日曜日という言葉は心底緊張させるものにある。 なぜなら、俺には今恋人といっていいのかは分からないが、 お互いに好きだと言い合った仲の長門がいるからだ。 これは一般的に見て、恋人と言えるのだろうか? 一般的という基準が日々の非日常な生活により狂いつつある俺には、それを確認する術は無い。 だってそうだろ? 今なら古泉が 「今度は異世界人がやってきました。マッガーレ王国の王子のようです」 とか言ってきても俺は信じそうになる。 普通の人間じゃ考えられないことだろ? さすがに「未来人」、「宇宙人」、「超能力者」、 そして古泉が言う「神」が集まった団に俺がいるのは明らかに不自然じゃないか? でも人間ってのは本当に凄いもんだ。 どんなに悪い環境だって、それに慣れちまえばどうってことは無い。 つまりはそ...
  • ポケットの中
    『ポケットの中』 困った。 宿題が、数学の問題がわからない。 週明けの授業では確実に当たる上に、小テストも実施するとか言ってやがったし、あの数学教師の野郎……。 昨日のうちに国木田にいろいろと聞いておけばよかったが、今日は家族とどこかに出かけるといっていたから教えてもらうこともできないし、谷口は俺と同じレベルのはずだからアテにはできん。 ハルヒに頼ると、宿題や勉強のことなどそっちのけで大騒ぎを始めるに決まっている。朝比奈さんは一学年上ではあるが、文系科目ならまだしも、数学は触れてはならない禁則事項の一つみたいだし、古泉に聞けば普通に教えてくれるだろうがなんとなく癪だ。ふん。 そう、こういうときはとてつもなく頼りになる上に安全・安心・人畜無害なスーパーアンドロイドの宇宙人にお願いするのが一番だ。ポイントを絞って、とい うか、必要最小限の言葉の範囲で教えてくれるので、俺としても覚えると...
  • 長門消失
    忌々しい期末テストが終了し、春休みも間近に迫ったある日のこと   午前中だけの授業が終了し、いつもの習慣でオレは部室に向かった。 部室のドアを開けると、いつもの場所に長門が座っていた。   キョン「よ、長門。一人だけか?」 長門「そう」 キョン「朝比奈さんや古泉はどうしたんだ?」 長門「古泉一樹は用事があるといって帰った。朝比奈みくるはまだ来ていない」 キョン「そうか。ハルヒも今日は買い物があるとか言って帰っちまったんだ。    今日の活動は休みってことだな」   普段からなんの活動をしているかよくわからん団体だから 休みもくそもないっちゃないんだが、それはいまさら考えてもしかたのないことだ。   キョン「オレもたまには本でも読んでみようかな・・・なんかオススメはないか?」   オレがそういうと長門は本棚を睨み、若干戸惑った後に 厚めの本を取り出して机の上に置いた。   長門「これ」 キョ...
  • 不機嫌な朝倉たん
    「だから…あなたを殺して、涼宮ハルヒの出方を見る」 そう言って繰り出された朝倉のナイフを、俺はすんでの所でかわしていた。 おい、コレ何の冗談? もしあのナイフが本物なら、かすっただけで 首筋から血がぴゅーって噴き出すぞぴゅーって。 いやホント、恐いからそんな物騒なモノしまってくださいお願いします朝倉さん。 「うん、それ無理♪」 いかん、なんだか分からないがこいつは本気だ。本気と書いてマジだ。 その考えに至った時にはもう、俺は脱兎のごとく走り出し、 そして――不可思議な壁に激突していた。ええ? ウソだろ教室の扉が! 「無駄なの。この空間はあたしの情報制御下にあるんだもの。 ふふ…分かったら、死になさい」 うわ反則くせえ。なにこの日本vsブラジル戦? 正直、俺は死を覚悟せざるを得なかった。そして、恐怖に頬を引きつらせた俺とは 対照的に、晴れやかな笑顔を浮かべた朝倉は大型ナイフを片手に...
  • 地獄少女
    キーンコーンカーンコーン 長門以外誰もいないSOS団の部室に休み時間終了の音が鳴る。   長門 「(・・・・授業。」 長門が部屋を出ようとしたとき、一人の着物を着た少女が現れた。 長門 「・・・・・誰?」 地獄少女 「私は閻魔あい。あなたを地獄に流します・・・。」   少女がそう答えた瞬間、長門は霧の濃い薄暗い川を浮かぶ小船に乗っていた。そして少女がその小船を漕いでいた。   長門 「(・・・閉鎖空間?・・・違う。)ここは何処?」 地獄少女 「・・・ここは地獄へ通じている川。」 長門 「・・・地獄?なぜ?」   長門がそう問うと少女はスッと霧だらけの空を指差した。そこには大きな人影が映っていた。   長門 「あれは・・・私のクラスの・・・。」   そこに映っていたのは長門の担任だった。   地獄少女 「あの人の依頼で貴方を地獄に流すことになった。」 長門 「先生が・・・。」   いつも無表...
  • 羽化
    『抜け殻』シリーズの続きです。 『抜け殻』『脱皮』『小箱』『空蝉』の順にどうぞ。 ======== 『羽化』 「キョンくーん、早く掃除しないとお母さんに怒られるよー」 年末を迎えて、母親からの大掃除プレッシャーを素直にスルーしてくる妹の言葉を軽く無視しながら、俺は、最低限、机の周りぐらいはきれいにしておこうとしていた。 別に勉強をばりばりやったから机の周りが散らかっているわけではないが、少なくともここだけをこぎれいにしておけば、母親が安心することは、俺の学習の範囲内だ。 というわけで、あちこちを片付けつつ、机の引き出しを開けて雑多なガラクタ類を奥の方から引っ張り出してみた。と、そこに出てきたのは四つのカラフルな小箱――――。 「ぐっ、こ、これかぁ……」 そう、それは、情報統合思念体の対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースの体表保護皮膜、早い話が、長門と喜緑さ...
  • 長門猫化
    退屈な授業を終え、もはや習性と化したように俺は文芸部室へと足を運んだ。 中から聞こえるドタバタと騒がしい音は、またハルヒが朝比奈さんに襲いかかっているからだろうか。 そんなことを考えつつ、ドアをノックすると返ってきたのは 「どうぞーッ!」 意外にも切羽詰まったような古泉の声。一体こいつはなにをしているのかね? 「おいなにやっt…」 扉を開けつつ尋ねようとしたが、あまりの光景に絶句した。 なんてことだ、長門が古泉に襲いかかっている。 変な意味ではなく、長門は古泉に馬乗りになり引っ掻き、古泉は必死に顔を庇っていた。 変な意味の方だったら俺は古泉をどつき回していただろうね。 だが目の前の光景はまさに修羅場であり、さすがに古泉がかわいそうなのでとりあえず止めた方がいいだろう。 「長門、一体どうしたんだ」 肩を掴むと、長門は俺を見上げ、 「ふにゃあ」 すり寄ってきた。なんなんだこれは。ま...
  • 長門有希とお酒
    それは冬も寒さが増してきてもうすぐ冬休みだ、と期待している俺に立ちはだかる期末試験の壁を越えようとしているとき出来事だ。   俺は放課後にSOS団の部室で勉強をしている。分からないところがあっても万能な仲間たちに教えてもらえるし、天使に入れてもらったお茶を飲みながら勉強することができる。 その上勉強の邪魔になる物はほとんど無く、また集中していなかったり他の事をしているとハルヒが激怒してくるため俺は仕方無しにも集中し、それが良い結果をもたらす事が分かっているためだ。 強制労働のように勉強させられている。しかし頭には凄い入ってくる。少し寒いのが難点だがこの勉強場所は最高だと思っている。もっとも試験期間以外は勉強はしたくないが。   期末試験はすでに始まっていて、残すところあと3日、7科目という状況で本日も3教科の試験を受けて残すところあと4教科となった放課後、いつも通り文芸室で俺は勉強...
  • 長門と猫
    今日、俺は珍しく長門の住むマンションに来ている。理由は長門がここ2日間学校へ来ていないからだ それを気にした我らが団長様が 「キョン、行って来なさい!」 などとぬかしやがった 正直俺も心配だったんだが流石に家におしかけるなんてことはしようとも思わず 自分で行けと俺は言い返した。するとハルヒは 「私だって行きたいわよ。でもこれからちょっと用事があるの」 なんの用事だ。どうせ本当に小さい1マイクロにも満たない用事だろ。 「うるさいわね。ついでにみくるちゃんと古泉くんもバイトがあるんで無理だそうよ」 「すみませーん」 と微笑むエンジェル朝比奈さん。いえいえお忙しいでしょうどうぞお気になさらずに 「すみませんね。ではお言葉に甘えます」 といきなり顔を近づけてニヤケ面が言った。顔が近い。気持ち悪い。あとお前には言ってねえ! 「じゃあ そういうことだから今日の部活はここまで 解散!」 本当にわがま...
  • 長門有希に首っ丈
     静寂。それからは何故だかよく分からないが心の平安を与えられる様な気がしないだろうか?  …決して頭のネジが捩曲がった上にぶっ飛んでしまって空いた穴に石油が溜まってしまったからこんな訳の分からん事を言っているのではない。  元来、スローライフやらなんやらに対して少なからず憧れを抱いていた俺だからこそ感じれる感覚なんだよ。  だからそんな俺にとって今隣で置物以上に置物っぽく座っている番の片割れはまさしくベストパートナーと言うに相応しいんだな。  長門有希。なんたらこうたらうんたら体がハルヒの唐変木な力を調査するために生み出したなんちゃらフェース。  なんていうものは過去の認識であり、今は多少人間には出来ない事が出来たり、多少普通の人間とは違った習性を持ってはいるものの今そんなインターなんちゃらなんて風に読んだら人権擁護団体が騒がしくなってもな不思議ではない位、人間らしくなっている。  そし...
  • 普通短編22
    【携帯電話 古泉編】   ええ、僕が携帯電話を持ち始めたのは、あの機関に所属するようになってからです、それまでは中学生で、あまり必要性を感じてはいませんでしたら。     はっきりいってしまえば、携帯がなるのは今でもあまりいい気はしませんね、大抵はあの仕事がらみの連絡ですからね     彼をはじめ皆さんあまり深刻に考えていっらしゃるようですけど、本当のところ 危険な仕事なんですよ、最近はようやく平気な顔してこなせるようになりましけど、まあ こんな口調がいけないんでしょうね     ちょっと非常識な日常をおくっている僕ですが、そんな中でSOS団のメンバーとのやりとりってのは、心休まるものではあるんですよ、最近少し心待ちの連絡なんてもあったりするんでんよ これでも     え 誰からの連絡かって、それは勘弁してください     ご想像におまさせしますよ     おっと、また連絡がはいったよ...
  • 長門有希無題4
    部室に来たものの誰も居なく。丁度疲れていた俺はそのまま椅子で眠ってしまっていたようだ。 キョン「むう…?」 誰かの気配で目を覚ました…長門だ。長門が俺のすぐ目の前に立っていた。 キョン「よう…まだ、お前だけみたいだ…な゙?」 落ち着け。うん、落ち着け俺。OK、冷静だ。 目の前に居るのは長門だ。長門です。長門。うん、どう見ても長門だよなあ、うん。 長門「…ゔ~~~…(ぐすっ)」 どこか怯えたようにこちらを見… 前言撤回。どちら様ですかあなた。ああ、解らなければ聞くしかないよな。 キョン「…どちら様でしょうか?」 長門「有希…です。」   念のため確認する。 キョン「有希って…長門有希?」 長門「うん。」 念のため再確認。 キョン「……ヒューマノイドインターフェイス?」 長門「うん。」 即答した。OK、とりあえず本物としておこう。 キョン「一体どうしたんだ?そんな喋り方じゃなかったろう?」 ...
  • 長門有希の我侭
    今部室にいるのは俺と長門だけである。 ハルヒは機嫌が悪く、無言で俺を睨んでから先ほど帰宅、 朝比奈さんは課外授業、古泉はバイトだ。 ハルヒの不機嫌オーラで息が詰まりそうだった部室は束の間の平和を取り戻した。 ハルヒが不機嫌なのは俺が諸事情から二人きりの不思議探索をすっぽかしたせいだ。 俺はその言い訳をするために部室にやってきたものの取りつく島はなし、 教室では言わずもがなだ。昨日の晩、電話口でさんざん怒鳴ったうえに、 妹を使っていやと言うほど嫌がらせをしてもまだ不満らしい。 素直に悪いとは思うが、せめて話くらい聞いてくれ。 俺は意味もなく大きなため息をついた。 「今回の件はあなたが悪い」 突然、長門が口を開いた。 「涼宮ハルヒがわたしとあなたとの関係を疑っていることは理解していたはず」 ハルヒは、とある出来事から俺と長門の関係を疑っている。 俺も長門もそんな事実はないと否定したのだが、未だ...
  • 長門有希の憂鬱III A new romance
      A new romance          翌朝、まるで誰かが意図したかのような雲ひとつない快晴だった。    俺は待ち合わせより三十分も早く駅に着いた。長門のマンションはすぐそこなんでドアまで迎えに行ってもいいんだが、押しかけるのも野暮なので待つことにした。長門も女だ、身支度には時間かかるだろう。    十五分くらいして長門がやってきた。いつものように制服を着てくるものと思っていたので、向こうからやってくる小さな女の子の姿がそれだと分かるのにしばらくかかった。渋めの濃いグリーンと新緑の明るいグリーンの、ツートンカラーのワンピースだった。胸元に大きなリボンがついている。足元を見ると、濃いグリーンの、かかとの低いパンプスを履いていた。    俺は手を振った。長門はじっとこっちを見つめたまま歩き、俺のそばにやってくるまでずっと目をそらさなかった。俺もじっと長門を見つめていた。なぜ...
  • 長門の日々 第7話『淡い想い』
    第7話『淡い想い』   ……ユサユサと、俺の体が揺さぶられる。 昨日は早く寝たとはいえ、疲れていたのでまだ眠い。 そんな俺の気持ちを察さずに、誰かが俺の体を揺さぶり続ける。   ん?…休みの日ぐらい……もうちょっとだけ……。 「……きて……起きて……」 ん?長門か……? 「……有希」 そうか……じゃあもう少し、寝かせてくれ……。 「起きないのなら……こうする」   ん?なんかズボンがもぞもぞ、と…… ってやめろ!有希!   とっさに左手で右手を掴む。 「……だめ?」 何がしたいのかはよく分からんが、駄目だ。 「……けち」 俺はけち、と言われるような行動はしていないがな。 「……起きた」 ……それが狙いだったのか? 「そう」   なんか後付けみたいな気がしないでもないが、 そんな細かいことを気にしないのが俺の特徴だ。許す。 とりあえず、起こしてくれたことには感謝しておこう。   起こしてくれ...
  • 長門有希の報告 あとがき
    あとがき この作品は、『涼宮ハルヒの憂鬱』の舞台が兵庫県西宮市であることを知った時に着想を得ました。 舞台が西宮ということで、キャラクターの台詞をいわゆる「関西弁」にしたSSはないかと思い、色々とSSを読んでいましたが、単発の雑談ネタで原作の一場面を「関西弁」に訳した例があるくらい。二次創作で「関西弁」を使ったものはありませんでした。 「ないんだったら作ればいいのよ!」とは原作のハルヒの弁ですが、ちょうど担当者は大阪府出身で、兵庫県下にある西宮の近くの街に住んでいた時期もあるし、北口駅のモデルとなった阪急西宮北口駅も行ったことはある。加えて、身近には西宮市出身の友人もいる。条件は揃っていました。 もっとも、後に「関西弁」を使ったSSが皆無な理由を痛感することになりますが。 また、当時職場で大量の文書を校正する必要に迫られていて、校正の練習にもなって趣味と実益を兼ねられるかもと、軽い気...
  • 長門有希いじめ【陰湿】
    「あーあ、なんか退屈ね。どこかにおもしろいことでも転がってないかしら」 さっきからパソコンで2ちゃんねるを覗いていたハルヒが実に退屈そうにしている!いつもならば聞き流してしまうところなのだが、最近のハルヒのいらいらは相当ひどいらしく、閉鎖空間の発生が件数、規模共にこれまでの記録を1桁上まわっているだとか、次の閉鎖空間の発生が世界の最後になってもおかしくないとかいう話を古泉から聞いた直後だった俺は、焦って古泉と朝比奈さんに目配せした。 朝比奈さんの方を向くと、自分のメイド服とハンガーに掛けてあるナース服を見比べて、頭を振る。さすがにもうコスプレではハルヒも満足しないだろう。古泉もちょっと思案顔をしていたがお手上げのポーズをしてため息をつく。いくら機関でも準備なしにイベントは用意できないのだろう。二人ともネタなしか、ここは一つ、俺が何とかしなければ…そうだ! 「長門、お前友達いるのか?」...
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