涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「しっと団の野望 最終回 ~さらばしっと団~」で検索した結果

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  • しっと団の野望 最終回 ~さらばしっと団~
    ...涼宮ハルヒの奮闘 ~しっと団の野望~   完
  • 涼宮ハルヒの奮闘 ~しっと団の野望~
    第1話 第2話 第3話 第4話 最終話   逆襲編 エピソード1 最後の聖戦 前 後 最終回 さらばしっと団   聖夜の復活 前 後
  • 涼宮ハルヒの奮闘 ~しっと団の野望~ 最終話
    「しっと団」との戦いも残すところあと一人となった。 だが、今の俺がおかれている状況はなんだ?なんなんだ?   どうして朝比奈さんが俺に銃口をつきつけてるんだ!   「バレちゃってましたか。やっぱり流石ですねぇ長門さん。  どうしてわかったんですかぁ?  朝倉さんに情報プロテクトを頼んでおいたんだけどなあ。」 「朝倉涼子が言っていた。自分がここにいるのは『トゥモロー』のおかげだと。  情報連結を解除した存在を復活させるのは情報統合思念体しか出来ない。  そうでないならば、考えられることは一つだけ。過去から朝倉涼子をこの時間につれてきた。  故に、あなたが『トゥモロー』である可能性が高いと判断した。」 「完璧です長門さん。朝倉さんも快くついてきてくれましたよ。  『長門さんはあなたを消した上に、古泉君といちゃいちゃしている』と伝えたらね♪」 「涼宮さんに、何をしたんですか?まさか……」 「安心...
  • しっと団の野望 ~最後の聖戦~ 後編
    さて、いよいよ「しっと団」との最終決戦が始まったわけだが、 別に闇の洞窟にいるわけでも異次元にいるわけでも無く、 穏やかな春空の下の競技場。とても緊張感に欠ける。 なんというのかね、運動会気分?   「さあキョン君!クジを引いてください!」   朝比奈さんが取り出したのは手を入れるタイプの抽選箱。 お楽しみ回じゃないんだから……余計に緊張感が薄れるな。 さて、俺が取り出した紙に書いてあったのは!     『長距離走』     どうやら本当に運動会だったようだ。というか、コレってもしかしなくてもハズレのような気がする。   「おいキョン!!なんつーもん引き当ててくれたんだ!!」   言うな、俺だって辛いんだ。 なんでこんな戦いでマラソンをさせられなきゃいかん。棄権させてくれ、罰金払うから。   「距離は10km。10km分このグラウンドを走ってもらいます。1周200mだから50週です。」  ...
  • しっと団の野望 ~最後の聖戦~ 前編
    バレンタイン作戦をしてからもうすぐ1ヶ月が経とうとしています。 今は三月の上旬。私は一人、自室で呟きます。   「時間がない……」   そう、時間が無いのです。私は3年生。あと数日で、学校を卒業してしまいます。 そうなる前にやらねばならぬこと。そう、あのバカップル×2と、決着をつけること! え?もうとっくに決着ついてる?負けまくってる?ぶち殺しますよ(´・ω・`) 私の中ではまだ負けてません!戦いは続いているんです! しかしもうチャンスもわずか。だとしたら、やることは1つしかありません。   「最終決戦です……ふふふのふ……」   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   さて、今日もいつも通りの部室だ。 ハルヒはパソコンに向かい、長門は読書をして、古泉は俺とオセロをしている。 そして朝比奈さんは……ってあれ?朝比奈さんがいないな。   「なあハルヒ、朝比奈さんは来てないの...
  • しっと団の野望 ~聖夜の復活~ 前編
      「いらっしゃいませ~、はい。チーズケーキですね。1200円になりまーす」   こんばんは。朝比奈みくるです。え?今何をしているのかって? 見ての通りアルバイトですよ。ケーキ屋さんでアルバイトです。 今ケーキ屋さんは大忙し!なんたって今日はクリスマス・イヴですからね! クリスマスイヴと言えば……思い出すのは去年のこと。同じ1人身の同士を集ってSOS団に闘いを挑みました。そう、「しっと団」として。 あれから何度かちょっかい出したり対決したりしましたが、全て失敗。今年の3月に解散しました。 そして私は今……浪人生。未来から指示されていた大学に受かることが出来なかったためです。 まあそりゃそうですよね。大事な受験の時期にあんなことしまくってたらそりゃ落ちるってもんです。 場合によっては未来から手を回して(裏金的な意味で)入れてくれたりもするんですが、私の場合は浪人を命令されました。 まあそりゃ...
  • 【さよならは】下衆谷口の未来【言わないぜ】
     (※ 登場人物が死亡します。苦手な人はご注意ください)     谷口「よう、キョン」 キョン「おう」 谷口「今日も朝から寒いなあ。いっそ雪が降って積もれば、学校も休校になるのに」 キョン「県西部は雪だそうだな」 谷口「羨ましいぜ! 1cmでいいから積雪をこっちにもまわしてくれないもんかねえ」 キョン「雪なんて降ったら、余計に寒くて家から出る気にもならないぜ」 谷口「バカだな。学校が休みになれば家から出る必要もなくなるだろ」 谷口「そういやお前、こないだのテスト。どうだった?」 キョン「聞かなくてもいいことを。お前と同じだよ。自分の不勉強に苛立ちを覚えるレベルの点数だ」 谷口「へっへ~。お前は進歩がないな! いつまでもそんなんじゃ、将来苦労するぜ?」 キョン「その言い方だと、よほどいい点を採ったみたいだな」 谷口「おうよ! 前回より平均が4点もアップしたんだぜ! やっぱ俺って、やれば出...
  • 涼宮ハルヒの誤解 第二章
    第二章 断絶 週のあけた月曜日。あたしは不機嫌オーラをばらまきながら登校した。 半径5メートル以内に人がいないのがわかる。 教室に入り、誰も座っていない前の席を睨む。 二年生になっても変わらないこの位置関係に怒りを覚えたのは初めてだ。 あいつを見ていなければいけないなんて。   幸いなことに今日は席替えがある。 入学してからずっと続いていた偶然が途切れることを祈った。   遅刻ギリギリにあいつが教室に入ってくる。 席に鞄をおろして声をかけてくる。 「土曜日はすまなかった」 無視。 「今度からはちゃんと行くからさ」 無視。 「……?おーい」 無視。 ため息をつくとキョンは前を向き、岡部が入って来た。   授業中はイライラしっぱなしでろくに話も聞いていなかったけど 学校の授業なんて余裕よ、余裕。 こんなのもわからないなんて本当にキョンはバカよね。   待ちに待った席替え。 あたしは窓際一番後...
  • 色んなキャラが出るSS3
    失われた最終回幻の15話   涼宮ハルヒ「今日はキョンの誕生日だからみんなで祝いましょう」 キョン「なあ、ハルヒ。誕生日位、本名で呼んでくれないか」 一同「…。」 キョン「全宇宙が停止したかと思われた、ていうのは嘘ぴょんで 本名を覚えてもらってない俺が落ち込んでるだけなんだけどな」 「もしかして、覚えてないのか?」 ハルヒ「そそんなことはないわよね、みくるちゃん」 みくる「え、えっと、こ古泉君」 古泉「じゃあ、僕はバイトがあるので キョン「ごまかすな、俺の名前覚えてないだけだろ、 長門、お前は」 長門「記憶にない」 キョン「なんですとぉ、あ朝倉お前は、ってなんで朝倉がいるんだ まあいい、俺の名前をおぼえてるよな」 朝倉「所詮、私はバックアップそんなこと分かるわけないじゃない」 キョン「かんけいねぇだろ、谷口、国木田お前らは知ってるな」 谷口「わわわ忘れ物」 国木田「えっと覚えてないな」 キ...
  • 涼宮ハルヒの終焉 第一章
    第一章 新しいクラスが発表されるのは始業式の後なのでもちろんここで言う教室というのは1年のときの教室である。 ハルヒはもう教室で憂鬱げなというよりは疲れているような顔を浮かべていた。 どうかしたのか?と聞いてみると「何でも無いわよ。」と言い返されたところで元担任の岡部が入ってきて体育館に強制連行された。 入学式に劣らないテンプレートな始業式は幕を閉じた。 とうとう新クラスの発表である。 この時、俺はハルヒと一緒のクラスになるのは確定だと思っていたので谷口か国木田でも何でも良いからまともな知り合いと同じクラスになれと祈っていた。 そして新クラス発表終了後俺は唖然としていた、なんとハルヒと同じクラスにならなかったのだ、ありえない。 谷口や国木田と同じクラスになれたのはよかったのだが… 俺の頭の中では?がありえないぐらいに大量発生していた。 俺は新クラスでの自己紹介を去年した自己紹介を適当に...
  • 餃子の季節
      餃子の季節 【プロローグ】    西暦2008年X月X日。    この日、世界中を凶報が駆け巡った。   『北京オリンピックにて涼宮ハルヒ、涼宮哈爾濱に敗北す。』    これは中華人民共和国の野望を何者をも妨げ得ないと言う事を意味していた。    後の世に”炎の七日間”と呼ばれる、悪夢の一週間の始まりであった。   ───「我が神、我が神、何故に我を捨てたまいしや」(マルコ15章34節)   挿絵 http //society6.2ch.net/test/read.cgi/gline/1202756066/1 【第一章・中華人民共和国の興亡】   ──翌日、中国軍は世界侵略を開始した。   鈴宮ハルヒ「北米方面軍より報告、アメリカ・カナダの制圧完了しました。」 涼官ハルヒ「欧州方面軍より報告、NATO軍は壊滅しました。」 涼宮八儿匕「台湾方面軍より報告、台北市内でゲリラ部隊が...
  • ちょっとみくる救済保守
    俺がハルヒと付き合い始めたころ、どういうわけか、長門と古泉も付き合い始めていた。 そして、いつのころからか朝比奈さんが少し元気がなくなっていたころの話だ。 ハ「最近、みくるちゃんが一人ぼっちになってるみたいね。」 み「一人だけ寂しいですぅ~」 長「…SOS団は男女比2:3。どうしても誰かが余る。」 み「わ、わたしはあまりなんでしゅかぁ~うぅぅ」 ハ「そういってもねぇ。キョンはあたしのものだから仕方ないし…」 長「古泉一樹も私のもの。」 ハ「有希~。いうようになったわねー」 長「…別に。」 ハ「そうね、みくるちゃんだけ一人って言うのも可哀想だし、キョンも古泉くんも1/3ぐらいはみくるちゃんに貸してあげましょう!。有希、かまわない?」 長「あなたがそれでいいなら。かまわない。」 み「(ちょっと納得いかないけど)あ、ありがとーございましすぅ」 ちょっとみくる救済保守  ハ「みくるちゃん!つ...
  • 鶴屋さんの隷属 前編
      さて、これから俺が語るのは突拍子の無い事である。だからして、ちょっとでも違和感を感じたらすぐにプラウザバックで前ページに戻って頂きたい。 なんで、こんな書き出しで始まるのか? 決まっている。万人受けする話では、コイツは絶対に無いからだ。 そして、これまた唐突だが……皆様はメイドとか、奴隷とかは好きだろうか? ……俺だってこんな質問はしたくないし、する趣味は無い。だがしかし、こいつはこれから始まるお話にとって、非常に大事な設問であることをどうか理解して読み進めて頂きたく思う。 そんなこんなで質問に立ち返る。 皆様はメイドとか、奴隷とかは好きだろうか? イエスとか、大好物だとか言った、そこのアンタはこのまま読み進めて頂いて構わない。お友達にはなれんだろうが、今回の話に限っちゃアンタみたいな人が一番の読み手であろう。 ……谷口辺りが光速で食い付きそうな話題だな。俺、なんでアイツと友達や...
  • 涼宮ハルヒの戦場 その6
     俺がハルヒの元に戻って数時間。長門の反撃に驚いたのか、敵はめっきり攻撃してこない。 しかし、またいつ襲ってくるかわからないので、俺たちは結局前線基地で銃を構えてぴりぴりしなけりゃならん。 これがゲリラ戦って奴なんだろうな。  ここに戻ってきてからはすっかりハルヒに見張られるようになっちまった。 度重なる命令違反にさすがにぶち切れたらしく、さっきから便所に行くのにもついてこようとしやがる。 せっかく長門に礼を言おうと思っているのに、それも適わん。 「全く少しでも目を離そうとするとどっかに行こうとするんだから。まるで落ち着きのない子供ね」  またオフクロみたいな事をいいやがるハルヒ。  俺は嘆息しながら、仕方なくまた正面の住宅地帯を眺める。古泉のUH-1ミニガンですっかりぼろぼろになった民家を見ると、 ここが本当の戦場なんだろうと思ってしまう。  もうすぐ日が落ちる。辺り一面がオレンジ色に染...
  • 第三章『なぜならあたしは、天下無敵宇宙最強のSOS団の団長様だからよ!』
    第三章『なぜならあたしは、天下無敵宇宙最強のSOS団の団長様だからよ!』     「いたたたたたた……って、嘘ぉ!?」  九階から投げ出されたはずなのに、あたしの体は骨折どころか傷一つ付いてなかった。 「どうなってるのよ……それにここはどこ?」  百歩譲って無傷だとしても、あたしは病院の敷地に落ちるはずだ。だけどここは病院ではない。 「どっかのマンションかしら?」  あたしは病院の敷地ではなく、どこか見覚えのあるマンションの一室のベッドの上で目を覚ました。  とにかくここを出よう。フローリングの床に、病院の廊下で落としたはずの鉄パイプとデイバッグあったが、それをを拾い上げて部屋を出た。    その部屋を出ると、奥歯と奥歯の間に挟まった銀紙みたいな既視感の謎が解けた。 「ここ、有希と朝倉が住んでいたマンションだ……」  確かに北高には近づいたが、不気味すぎる。あの病院からここまで何百メー...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦 ―最終試練(前編)―
    最終試練の準備とやらが結構かかるとのことで、俺は独り暇を持て余していた。 だが、これからする内容を思い出し、反芻すると意気消沈してしまう。 最終試練の内容は、参加者が俺と一対一の勝負をすると言うものだ。 何を勝負するかは参加者が任意に決めることができ、その勝負に勝ったものがハルヒに告白できる、ということになるらしい。 だが、なんでハルヒはこんな大一番を俺に任せたのだろうか? その気になれば、俺がわざと負けてさっさとハルヒの彼氏を作り上げることも可能なのに。 鶴屋さんが言ってたように、俺を信頼しているというか? …うーむ、わからん。なんで俺がこんな大事な場面を任されたのか… 「そんな理由は簡単だ」 ―谷口!?いきなりなんだ?何を言いやがる!? 「いきなりなのはお前だ。突然ぶつくさ喋り出しやがって」 うをっ!俺は独り言を喋っていたのか!しかもそれを谷口に聞かれていたとは、何たる不覚! 「全...
  • 普通短編17
    古泉「あなたは一体、どちらの味方なんです?」   長門「愚問…私は私の味方」         長門「あの人は強い…惚れ甲斐がある…。残りの命をかけるに値するほど…!!」 みくる「あぁ…でもあなたの恋は実りませぇん」 長門「そんなことはわかっている…!この乳でか野郎ッ…!!」 タッタッ みくる「聞き捨てなりませんねぇ」 長門「フンッ!」 スッ 長門「(避けた!?)」 みくる「遅すぎでぇす」 長門「私が遅い…!?私がスロウリィ…!?」         そこに居た人物を目にして、俺はかなり意表を突かれた。 長門「入って。」 キョン「お前か。」 コクリと頷く長門。 長門「あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見る。(ヒュン)」 うおっ!? 待て待t 長門「……」 体が動かない!?有りかよ!反そ ヒュン       長門「私ならこうなる。」 キョン「…いや、俺に言われても。」           長...
  • 脇役サミット
    【1】サミット開幕   皆さん。初めての方は初めまして。初めてでない方はこんにちは。まあなんだ、初めての方が居られるとしたら原作をきちんと読め、といいたいところだけど、いまひとつ存在感のない僕がそんなことを言うと自意識過剰かそれとも負け組の僻み、皮肉か。それはさておいて。 あどけないベビーフェイスと闇より黒い腹、心でお馴染みの名脇役、国木田です。 フルネームは禁則事項なんだ。どうしても気になったら谷川流か京アニか、とにかく君の納得の行くまで調べてみたらいいんじゃないかな?どうせ答えは出ないけどね、ブツブツ…   今回は特別に僕の発案で『涼宮ハルヒの憂鬱・脇役サミット』略して脇役サミットを開催させていただこうと思う。全然略せていないような気がする、という意見は申し訳ないがスルーしよう。 僕を筆頭に、多くの脇役がこの物語で不遇の扱いを受けている。心象描写も台詞も登場シーンも少ないが故...
  • 台風一過のハレの日に:第二章
    『台風一過のハレの日に』       ○ 第二章:親睦   「えー、それではみなさん! これよりSOS団主催、鶴屋杯争奪、こゆきちゃん歓迎大ボウリング大会を開催いたします!」 すっくと椅子の上に仁王立ちし、いつものように腰に手を当てて高らかに宣言するハルヒ。単なる開会宣言にしては態度がでかいが、気にするのも無駄なことだ。 「まずは、SOS団名誉顧問、鶴屋さんに開会のご挨拶を頂きたいと思います。鶴屋さん、どーぞ!!」 「いやー、ただいまご紹介いただいた、鶴屋でっす! 硬い挨拶は抜きだ、みんな、こゆきちゃんとの再会を祝って、めっがっさ楽しむっさ!」 この二人に任せたら、また南の海上でうろついている次の台風でさえ遥か彼方に飛んでいってしまう、そんな勢いだ。 昨日のカレーパーティで決まったように、今日はこゆきの歓迎のためのボウリング大会が開催されている。 そのこゆきと長門はほぼお揃いの格好をして鶴...
  • 涼宮ハルヒのユカイなハンバーガー(後編)
       手遅れだった。色々と。 「長門!?」 「大丈夫。情報統合思念体との連結が途切れているだけ」 どこら辺が大丈夫なのか小一時間問い詰めたいが、長門だから許そう。かわいいとは正義なのだ!なんて親馬鹿やってる場合じゃねえ。長門は団活時の四割り増しの無表情をしてちょこんと座席に座っていたが、俺の長門センサーはいつ倒れてもおかしくない状況だと大音量で警報を鳴らしている。これじゃあまるで雪山の再来だ。すぐにでもヒューマノイド・インターフェイス用の病院に担ぎ込みたいが、あいにくと住所が分からん。 「連結が途切れてるって、この空間のせいなのか?」 「そう。涼宮ハルヒの発生させた異空間は情報統合思念体からのいかなる干渉も一切受け付けない。原因は不明。情報統合思念体は自らの統制下にない空間が広がることに危機感を抱いている。よって主流派を含む大多数の派閥はあなたに事件解決の望みを託すことを決定した」 ヘ...
  • サムデイ・イン・ザ・ロリータ
       1月16日。世間的に、この日は”ただの1月16日”と見受けられるだろうが、この日が冬休みの最終日である我が北高生徒にとっては口惜しい、特別な日だ。だが他に、あの男にとってもこの日は特別であるらしい。    毎日ダラけながらも少しずつ消化していた『冬休みの課題』なる俺にとって邪魔でしかない物も残っている分量はもう5分の1もない。  残りはあと1日だってのにこの量は少し多いかもしれないが、今日一日ずっと机と睨めっこしていれば大丈夫だろう――と、俺は悠長に思っていた。  だが、『アレ』が来てしまったのだ。声色は天使の100Wの笑顔であるにもかかわらず、内容は俺にとって悪魔のささやきにしか聞こえない、あの悪夢の電話が。 『あたしだけどね、あんた駅前のバイキング店知ってるでしょ? あそこに今日12時集合ね。そこでお昼ご飯食べるから! 強制参加で、遅れたら死刑だから! おーばぁ♪』    プ...
  • 桃色空間奮闘記 ~僕がダンサーになった理由~
    桃色空間での得体の知れないライブを終了し、超能力者みんなが各々帰宅した後 僕はなぜかステージやら機材やらの後片付けをしていた(させられていた)。 なんで僕がこんな事を… だれにも聞こえないように愚痴を呟く。 ふと森さんを見ると、なにやら憂鬱そうな顔をしていた。 「どうかしたんですか?」 「え?ああ、ちょっとね…」 森さんが何か考え込んでるなんて珍しいこともあるものだ。 「ちょっと前にさ、ハルキョンのアンソロ本出たじゃない?」 ああ、七夕の日に出ましたね。 「あたしさ、アレ発売日当日にとらの○なに買いにいったのよ。秋葉本店に。」 森さん。ハルキョン信者ですもんね。 「それでさ、店に到着した時、まだ入荷してなかったのか知らないけど棚に置いてなかったの。」 はぁ… 「んで、ずっと一般と18禁のブースを行ったり来たりして、商品が並ぶのを待ってたのね。」 ずっとってどのくらいですか? 「午前11時に...
  • 桃色空間奮闘記 ~変珍たませがれ~
    季節は巡り12月、今日の日付は24日だ。 ベリーメリーなイベント効果もあって、街はいつもの倍以上にあわがしく、煌びやかになっていく。 恋人と寄り添っている男女。大きな荷物―プレゼントだろうか―を持って少し急いでいる様子のサラリーマン。 サンタクロースの格好でケーキを販売する青年。手を繋ぎ、穏やかな表情で歩く老夫婦。 道行く人々は様々だが、それぞれ全員に共通している感情、「幸福」が、華やかな街を一層輝かせているように見えた。 そんな華やかな町並みを僕、古泉一樹は1人決意を胸に秘め、目的の場所まで向かっている。 よく知る街の風景を、目蓋に焼き付けるようにして歩く。 もしかしたら、もう二度と見ることもないかもしれないから。 いつも歩くこの町並みも、今日で見納めかもしれないから。   今日、僕は戦場へ行く。 戦いと呼ぶには相応しくない あまりにも不公平、あまりにも絶望的な戦場へ。 恐怖は、無い。 ...
  • SOS団は無職のようです
      1.SOS団の無職  無職人生の始まりの1話。  キョン妹が公務員試験第Ⅲ種に受かってるので、時期は10月くらいだと思います。   2.SOS団の無職2  SOS団はみんな元気です。  やろうと思えばなんでもできます。不可能なんてないんです。免許だってとれます。たぶん。   3.SOS団の無職3  不必要なほど、周囲に対して過剰に申し訳なく思ってしまうことってありますよね。  自分では 「もうダメだ!」 と思っても、でも大丈夫。  けっこうみんな、そんなのさして重大だとは思っていないですよ。   4.SOS団の無職4   こないだラーメン屋に行った折。後ろの席に座っていたカップルの彼氏が、「いつまでも子供心を持ち続けていたいよね」と言ってるのを聞いて、ラーメン噴き出しそうになりました。  子供心を持ち続けるどころのレベルじゃねえよ。ロマンチストぶってんじゃねえよwww  今回の話の中...
  • 第四章『消えなさい!あたしの弱さ!』
    第四章『消えなさい!あたしの弱さ!』      キョンの机やあたしの机を懐かしむ暇はない。おぼつかない足取りを正しながら、一年五組の出入り口を跨いだ。 ――ピンポンカンコーン。  いきなり鳴り響くチャイムの無機質な音。 『みなさんこんにちわ、ENOZです』  五組の黒板上に取り付けられたスピーカーから流れてきたのは、あたしの声だった。 『Lost my music!』  同時に、体育館のある方角から、かすかにドラムの軽快な音が聞こえてきた。 「誰かいる……わけないわね。でも、なにかがある」  足は自然と体育館へと進み出した。    体育館の中には予想通り誰もいなかったが、今すぐにもバンドがライブを行うかのように、ステージに楽器一式が設置されていた。 「懐かしいな……。もう三年か」  ステージによじ登り、マイクとギターを軽く握った。高一の文化祭でのライブは本当に楽しかった。ただ、もうちょ...
  • キョンの子育て奮闘記
    夏休みが終わった。 夏休みが終わったからには新学期がやってきてしまうもので。 夏休みの間ハルヒに振り回されたにも関わらず、体は鈍っているらしく坂道が物凄くきつかった。 あの坂道を下りるのかと思うと憂鬱だね。やれやれ。 そんな事を考えながら部室をノックすると、朝比奈さんの声が聞こえてきた。 声に違和感を感じたが、入っても問題はなさそうなので扉を開け、挨拶を―― 「キョンくん、こんにちは〜」 若い朝比奈さんがそこにいた。 いやいや、今でも十分に若い。だが流石にこれは若すぎる。 どう見たって幼児だもんな。あっはっは。どうすんだこれ。 ……現実逃避をしている場合ではないぞ俺よ。 きっとまた何か事件が起きて未来から朝比奈さんが送られてきたのだ。 きっとそうに違いない。 では何故そんな事態になっているのだろうか。 ここで部室の隅にいる筈の宇宙人に説明を求めるべくそっちを向いた。 あれ? 居ない? 視線...
  • デートスポットに行こう!
    動物園に行こう!の続き。   春休みを満喫しているのか、それともただ金の無駄遣いをしているのか分からないのだが、妙にお土産が部屋に増えている。 遊園地で買ったペンスタンド(ハルヒに押し付けられた)や、動物園で買ったペナント(ハルヒが見つけた)なんかが机に乗せられている。 そういう金の無駄遣いの続きではないが、俺はベッドに寝転がり、週刊情報誌を眺めて、ハルヒとの約束を果たすために、あれやこれや考えているところだ。 『そのような陳腐な情報を検索する時間は、いかに無意味なことであるか、身に染みて後悔する時がいずれ来るよ』 などというくだらないメールに『ほっとけ』と返信することも忘れてはいない。 そもそも『春休みに二人だけで出掛けよう』などと約束したことを後悔している真っ最中だ。 おまけに告白してしまったことと合わせて、大陸棚より深く反省している。 人に言われなくても身に染みて分かっている。が...
  • 『未来を紡ぐ絆』の歌(前編)
     季節は新春。といってもまだまだ冬と言った方がちょうど良い季候であり、シャミセンも夜中に俺の布団に 潜り込んでくるのを辞めない時期である。学校生活的な表現をすれば、ちょうど三学期に突入したばかりだ。  一年の入学式、ハルヒの奇っ怪な自己紹介から始まった非現実的な日常生活も二年に進級してからも延々と続きつつ、 それをいつの間にやら満喫していた俺ではあったわけだが、さてさて、そんな非日常生活も二学期中に 文化大革命を赤ん坊に理解させるほどに困難で面倒で複雑な事件で大きな山場を迎えたようで、 冬休みから三学期は現在のところぼちぼち落ち着いた生活が続いている。  もちろん俺たちSOS団は今日も変わらずに通常運営中であり、ハルヒはぼけーっとネットの海にダイブ中、 朝比奈さんは買ってきた新しいお茶をいかに美味しく作るかポットに温度計を突っ込んだりして熱心に研究中、 長門は相変わらず読書していて、俺と古...
  • SOS団の無職16
    前回のあらすじ  キョンたちSOS団団員たちは、無事過去の世界から帰還することができました。明確な理由はサッパリなままですが。  しかし涼宮ハルヒが時間を巻き戻した理由は判明しました。キョンも、自分が佐々木と一緒に買い物をしていて、その現場を涼宮ハルヒに見られたからだ、と時間遡行の原因を納得できないまでも理解はしました。  キョンは佐々木と一緒に、涼宮ハルヒの誕生日プレゼントを買いに出かけていたのですが、残念ながら彼女の誕生日はまだまだ先です。  もうすぐ誕生日おめでとう!になるのは、古泉一樹だったのです。なんという悲しい勘違い。     ~~~~~      新車特有の接着剤を思わせるにおいをぷんぷん漂わせる車内で、なんで買いたての車ってこんなにくさいんだろう、と疑問に思いながら助手席に座る私はシートを倒して寝そべった。  隣でハンドルを握るお手伝いさんに訊いてみたら、この...
  • 遠距離恋愛 第五章 告白
    第五章 告白   ハルヒを抱き上げ、団長席に座らせ直したところで部室のドアが静かに開いた。 朝比奈さんが入り口で手招きしている。長門も居るようだ。 俺はハルヒを起こさないよう、静かに部室を出た。 廊下にはいつもの喧噪が戻っており、ここはもはや異常空間ではない事を感じさせる。   「キョンくん、お疲れ様でした」 「……現在より2分12秒前、すべての閉鎖空間の消滅を確認。またそれと前後して、この部室に展開されていた対情報シールドの消滅を確認」 そうか。とりあえず世界崩壊は避けられたようだな。 「……そう」 俺は盛大なため息をはき出した。   「ふふっ、キョンくん?」 朝比奈さんがきらきらした目で聞いてきた。 「は、なんでしょう?」 「どうやって涼宮さんの機嫌を直したんですか?」 どうしよう?正直に伝えた方が良いんだろうが…… 「実は……それなんですが……」   俺は先ほどまでの経緯をかいつまん...
  • 散歩
    目覚まし時計が鳴る前に止めるのって、快感じゃない? わざと遅く設定した目覚まし時計が鳴る前に目が覚めた。 今日は土曜日なんだけど、不思議探索は中止。 キョンが家の用事でどうしても出られないっていうから。 みんな平然とそれを受け入れてたけど、勘ぐってないわよね。 別にキョンがいないから中止にしたっていうんじゃない。 理由は別にあるの。でも、興味ないはず。だから言わない。 ベッドから起き上がって、洗面台に直行して、日常の身だしなみを済ませる。 パジャマのままだけど、朝ごはん食べるまではこれでいいや。 出掛ける予定もないし、今日は完全休養日ってことね。 居間に入ると、親父がカーペットに寝そべって新聞を読んでいた。 「おはよう」 「お、おはよう」 親父はあたしの顔をちらりと見たけど、なにも言わない。 出掛けないの知ってるからで、構う気はあまりないみたい。 今日は穏やかな休日になりそうね。 母さんが...
  • Start-free Straight Vector
    目次     七月八日。土曜日。晴天。 ハルヒのヤツはいつも通り、一方的に本日予定の不思議探索を明日に回した。ああ、この場合の「いつも通り」ってのは「一方的に」に掛かってくるんだけどな。 アイツが不思議探索を一日とは言え延期するなんてそう無い事だったが、まぁ、気紛れと書いて涼宮ハルヒと読んだ所でどこからも非難は来ないだろうよ。そして、そこに俺の意思が介入する事など当然ながら有る筈も無いのさ。 アイツが休みといえば休み。やると言えばこちらの都合なんかまるっと無視して呼び付けるのにだって、もう慣れっこだ。 とは言え、休みである事には特に異論も無い。やる事も無かったが、テスト終了後の開放感に浸って一日部屋でゴロ寝も学生の特権だと思う。 世界は今日も良い日和だ。ああ、エアコンの効いた部屋から一歩も外に出たくない程度には、な。   昨日、全てが終わった後。二十四時ジャストを回った時点で先ず古泉...
  • 涼宮ハルヒが大学生になったんだってさ
    高校を卒業してから、はや1年。 あのうるさいハルヒと別の大学に行ったおかげで 俺はめでたく宇宙人も未来人も超能力者もいない普通の日々を手にいれた ハルヒいわく「SOS団は永久に不滅なのよ!」とのことだが、 活動の根城であった文芸部室では現在、北高の新1年生数名が文芸部として活動している。 あるべき姿に戻ったとも言うべきだが、いまの部室にはガスコンロや湯飲みはない。 朝比奈さんが着ていた華やかな衣装も、コンピ研からかっぱらってきたパソコンもない、 普通の部室になっている。 昔のハルヒなら「ここはSOS団のアジトなのよ!」と部室を強引に不法占拠しただろうが、 楽しそうに活動する現部員、つまり後輩の様子を見ているとそんな気にもならないらしい。 拠点を持たない現在のSOS団にはどこか勢いがないと言うか、ごく普通の仲良しグループとなっている。 いつもの喫茶店に集まり、みんなで市内探索をしたり、イベン...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編)
      ◇◇◇◇    終業式の翌日、俺たちは孤島in古泉プランへ出発することになった。  とりあえずフェリーに乗って、途中で森さんと新川さんと合流し、クルーザーで孤島までGO。 全く問題はなく順調に目的地までたどり着くことが出来た。  あとは多丸兄弟を加えて、これでもかと言うほど昼は海水浴、夜は花火&肝試し、さらに二日目は何か変わったものがないか 島中の探索に出かけた。特に何も見つからなかったが、ハルヒはそれなりに楽しんだらしい。 あと、古泉たちによるでっち上げ殺人事件のサプライズイベントはなかった。まあハルヒは名探偵になりたいとか そんなことは全く考えていなかったからあえて用意しなかったのだろう。今のあいつは、みんなで遊べりゃそれで良いんだからな。  さてさて。  そんなこんなで孤島で過ごす最終日の夜を迎えていた。翌日の昼にはここを去ることになっている。  何事も無く終わってくれれば良かっ...
  • H・M・N 三つ巴戦争?
    -SOS団部室前- キョン「チィーッス……おや?誰もおらんでは無いか」 と俺の鞄を机の上に置いて、椅子に座った。 キョン「しかし、まぁ…暇だな」 やる事が無いので寝る事にしよう 一時間後 ハルヒ「やぁっほー!って、あれ?キョンだけ?」 よくよく見れば寝てるじゃないの…可愛い寝顔d… はっ!何考えてるのかしら、あたしは! でも、何かやる事無いのよね… と、そこに、デジカメ見つけた。 これで、キョンの寝顔撮ろうかしら…また寝顔コレクション増えちゃうわね… と思いながらも何度も撮ってるあたしがいる さて、飽きたわね…そういえば、あの夢の事思い出したな… そう、キスした夢を …誰もいないし、キョンが寝てるからしようかな… と、あたしは、キョンの顔へ近づく… すると! みくる「そこまでです!」 長門「…ストップ」 !?…いつから、そこに!? みくる「涼宮さんが、撮って飽きた所です」 ...
  • ラジカルメッセージ 前編
    “元気にしているか?そっちの様子はどんなもんだ?ハルヒ。” “通常ならこんな手紙を書いている場合じゃないんだがな。” “リーダーという肩書きが異常なほどに当てはまっていたお前がいなくなってから” “にわかに落ち着かなくなってな。…なかなか慣れないな。”        この文章は一体何か?そう質問されたなら、これは手紙だと答える他ない。紛れもなく俺の筆跡であり、文中にハルヒと書かれているからにはこれがハルヒに向けて書かれた手紙なのだ、ということは分かるのだが…。しかし俺の脳味噌が非日常に晒され続けた結果不具合を起こしていないなら、この手紙を書いた覚えは全くもって記憶にない。それ以上に気になる点はどういう訳かこの4行の文章だけで、続きが何も書かれていないことにある。   「一体これは何なんだ?」  と聞いてみた場所はこの手紙を発見した俺の部屋であり、話の相手は毎度のごとく長門、古泉、朝比奈さん...
  • Black Lily・第一章
    「あー、キョンくん待って、待って!」  朝。自宅を出る間際に俺を呼び止めるのは妹である。 「お兄ちゃんと呼んでくれたら待ってやらんでもない」 「キョンくんはキョンくんじゃない」  靴紐を結びながらつぶやくわが妹 「行ってきまーす」 「……あっ、お、お兄ちゃん待って!」  いよっし! 何年ぶりかで呼称変更に成功だっぜ! ……あぁ、耳に心地いいこの響き。俺はシスコンでも何でもないが、この呼ばれ方にはかなりの愛着というかノスタルジーがあるんだよ。悪いか。 「はいはい、お兄様はいくらでも待ちますよ」 「……よしっ、と。行こう、キョンくん!」  ダメだこりゃ。そろそろ中一なんだから何としてでも『キョンくん』だけは避けてほしいところなのに。  クラスに着くと既にしてハルヒも長門も来ていた。古泉は別クラスだ。 「ようキョン」  谷口である。俺は新年度に入っても一度も変わっていない自分の席に近付きつ...
  • 長門の日々 第14話『ど根性右手』
    第14話『ど根性右手』   それにしてもあの世界でのあのセリフを噛まなくて良かった。 良くあんな長い名前をスラスラ言えたな。追い詰められれば光る男だな、俺は。 こんな不安感のかけらも無いような思考が出来るのも、 ちゃんと帰ってこれたという実感が今猛烈に沸いているからだ。   今、長門を抱きしめている。 この行為ほど安心できるものは他には無いだろう。 俺の腕の中で眠そうな子猫のような仕草をしている長門。 ……正直、たまりません。   さて。 こんな真っ暗な公園でいつまでもこうしているわけにもいかないので、 とりあえず家に帰ることを提案する。   「わたしの家にきて」   そんな返答をよこす。 あの世界での出来事を思い出す。まぁ、いいだろう。 俺は肯定の意を長門に伝える。   移動している間中ずっと長門は俺に抱きついている。 あぁ懐かしきこの感触……控えめな……って、駄目だ、考えるな俺。 そん...
  • 桃色空間奮闘記 ~ドラゴンクォーター~
    本日は日曜日。 時刻は午後12時30分。 僕の粋で鯔背な作戦により、なんとか世界崩壊は免れたものの その後再び発生した桃色空間の中で、僕たちは再び絶体絶命の危機に瀕していた。 森さんの得体の知れない号令パワーでモチベーションが上がっている我々超能力集団は 前回と同じく浮かれ暴れまわれる桃色神人ちゃんを次々と倒していった。 今回はわりと早く済みそうだな… と、口には出さないものの僕も仲間も全員そう考えていたその時 ヤツは現れた。   『ヴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』   まるでヒスを起こしたエヴァンゲリオンのような激しい雄叫び。 他のと比べ一段と巨大なその神人ちゃんは、出現するやいなや 突然激しいダンスを踊り始め、倒しにかかる僕の仲間たちを次々と弾き飛ばしていった。 「ちぃっ、コイツ、手強いわね…!」 森さんが悪態をつく。 もう既にほとんどの仲間が戦闘不能に陥...
  • 橘京子の陰謀(プロローグ)
     明けましておめでとうございますというのは年を重ねて朽ちていくだけの人間にとって何がおめでたいのやらさっぱり理解不能であるし、高校生である俺にとっては受験という嘆きの壁が刻一刻と迫ってくる一里塚のようなもんだ。  高校生活もはや半分以上が過ぎたある冬の出来事である。俺は毎週恒例の団活である、市内不思議探索パトロールにいつも通り参加していた。  勿論俺だけじゃない。団長こと涼宮ハルヒ以下、団員全員の参加である。  さて、ここで少し疑問に思う人がいるかもしれない。俺は団員全員が参加していると言った。高校二年生である俺達はともかく、高校三年生……言い換えれば、受験生でもある朝比奈さんが、何故今日このタイミングで参加できるのだろうか?  この疑問はもっともである。ハルヒが時節に関係なく招集をかけたからといってしまえばそれまでだが、実際にそうは言っても、入試試験前に部活に参加する高校生など皆無...
  • 未練はあれども後悔はせず(後編)
      ◇◇◇◇    俺は長門の部屋に上がり、カーテンの引かれていない窓から外を眺めていた。たまに上空を赤いランプ―― 低空で飛んでいく飛行機が見える。そういやこの部屋に二人っきりってのも久しぶりだな。 「できた」  振り返ってみるとカレーライス山盛りの皿を持った長門が立っている。しかし、 「一人分しかないが、お前は食べないのか?」 「必要ない」  そう言いつつ長門はテーブルの上に皿を置く。  俺は溜息をつきつつ、テーブル前にあぐらをかいて座った。一方の長門は先に用意していたお茶を注いでいる。 カレーとは違ってこちらは二人分だった。 「すまないな、わがまま言っちまって」 「わたしは構わない」  長門の言葉。俺はじっくりと手を合わせてから、スプーンを取りカレーを口に運ぶ。  オフクロとケンカ云々は長門のそばにいるためのでっち上げだから、夜飯はきちんと取っていたため満腹ではないものの 腹に何かを...
  • 機関の動乱 その3
     新川に連れられた超能力者たちは、機関の執拗な追跡をくぐり抜け、大小の建物が乱立している地域にある ワンルームマンションの隠れ家までたどり着いていた。脱出したときはまだ昼だったが、すでに日はすっかり沈み、 外は繁華街の明かりに包まれていた。  全員逃げ切ったという安堵感から、今までため込んだ疲労が噴出し、おのおのに疲れ切った表情で 床に力なく座り込んでいた。  一方新川は多丸圭一と電話で連絡を取っている。携帯電話では追跡される可能性があるので、 部屋に取り付けてあった固定電話を使用している。 『二人は機関に捕らえられたよ。拘束されて中央に連れて行かれたみたいだ。今のところ手荒な扱いは 受けていないようだけど、今後どうなるかは流動的だな。で、どうする? 二人を奪還するか?』 「いえ、あの二人は自分の意志であそこに残った以上、こちらからの手出しは余計なお世話というものでしょうな。 何らかの考え...
  • 北高生人気投票
    「北高新聞号外です、宜しくお願いします。」 毎朝おなじみのハイキングコースを踏破してやっとこさ校門にたどり着くとそこにはビラらしきもの配っている連中がいた。彼らの腕には新聞部と書かれた腕章を装備されている。 腕章といえば某団長さまの標準装備であり、某団長とビラと校門といえば朝比奈さんのトラウマとなった例のバニーでビラ配りなわけだが……。 新聞部の面々は普通に制服だった、ちょっとつまらない、まぁもっとも北高生でバニーが似合うなんてのは数えるほどしか居ないわけだし……。 などとどうでもいいことを考えながら歩いていたら、新聞部の女子と目があった。 「こちらが号外です。あっ、おめでとうございます。」 一体なにがおめでとうなんだろうな、おっとコレが号外だな、なになに… 『緊急速報! 北高生人気投票結果発表!』 ……学食後援、北高新聞部主催で行われた人気投票の結果が発表されました。 結果は下馬評...
  • 長門有希の報告 あとがき
    あとがき この作品は、『涼宮ハルヒの憂鬱』の舞台が兵庫県西宮市であることを知った時に着想を得ました。 舞台が西宮ということで、キャラクターの台詞をいわゆる「関西弁」にしたSSはないかと思い、色々とSSを読んでいましたが、単発の雑談ネタで原作の一場面を「関西弁」に訳した例があるくらい。二次創作で「関西弁」を使ったものはありませんでした。 「ないんだったら作ればいいのよ!」とは原作のハルヒの弁ですが、ちょうど担当者は大阪府出身で、兵庫県下にある西宮の近くの街に住んでいた時期もあるし、北口駅のモデルとなった阪急西宮北口駅も行ったことはある。加えて、身近には西宮市出身の友人もいる。条件は揃っていました。 もっとも、後に「関西弁」を使ったSSが皆無な理由を痛感することになりますが。 また、当時職場で大量の文書を校正する必要に迫られていて、校正の練習にもなって趣味と実益を兼ねられるかもと、軽い気...
  • SOS団のメタボ2
     えらい目に遭ってしまった。犬にかまれたなんてレベルじゃねえぞ。よもや炭水化物を摂らなかっただけで衰弱死の憂き目に遭ってしまうとは。  ハルヒ提案のローカーボダイエットに取り組んだ挙句、最終的に病院送りになってしまった我らSOS団は、病院監修の健康管理指導を強制的に受けさせられた結果、ようやくある程度体脂肪を落とすことに成功したのだった。やれやれ。  しかしはっきり言って、まだまだ俺たちは太っている。入院中にかなりつらい減量を行ってきた俺たちだが、それでもヘドロのようにしつこく溜まった脂肪はセルロイド化したように固まって取れないのだ。  それでも炭水化物ダイエットを始める前よりは健全な肉体を取り戻してきたので、俺たちは晴れて退院する運びとなったのだ。いやいや、助かったよ。あと2,3日退院が遅れていたら、ストレスの塊となったハルヒによって世界が終焉を迎えていたところだ。   「やっと退院...
  • 普通短編21
    「と言うわけで今度の土曜はみんなでカラオケパーティーよ!!」 …なにがどうなって「というわけで」なんだよ。 まぁともかくこんなかんじで今、カラオケボックスの中に居るわけだ。 やれやれ。トップバッターはハルヒ。 本人曰く「やっぱりこういうのって大黒柱が先頭じゃない? 当然団長である私が最初に歌わないとね。」 という事らしいが。 まったくもって意味がわからん。 しかし実際俺はそこまで乗り気でもないし、古泉はイエスマンだし 長門は無表情で朝比奈さんに限っては蛇ににらまれたカエルだ。 誰も反論しないのかよ・・・俺もしないけどな。 「じゃ、いくわよ!」 消費電力に換算すると100Wぐらいあるんじゃないかぐらいのかけ声でカラオケパーティーは始まった。   省略されました。続きを読みたければとか別にたいそうなものでもなんでもないんで。いや、ホントに         俺とハルヒの舌が構内で絡み合いクチュ...
  • 長門有希の協定
     宇宙人同士が激しく戦っていた。  俺たち人間には到底理解不能な力を使って。    経緯を説明すると長くなるから省略する。  とにかく、情報統合思念体のやり方には、さすがの長門も忍耐力の限界に達したということだ。そして、長門のその怒りは、俺も古泉も共有するところだった。  だから、長門は、ハルヒの力を使って情報統合思念体を消そうとした。  だが、情報統合思念体とやらも馬鹿ではない。12月18日のあの出来事のことを忘れるわけもなく、充分に対策は練られていた。  長門が用いるハルヒの力に全力で対抗しつつ、長門を始末すべく、なんたらインターフェースを大量に送り込んできた。その中には、あの喜緑さんも、そして復活した朝倉もいた。  長門と利害が一致した「機関」が味方についてくれたが、現状では足手まといとまではいわないが戦闘の役には立ってない。  朝比奈さんはこの場にはいない。その方がいい。言っちゃ...
  • 星色パノラマ 中編
    目次 …暗い。 …視線を変えると月が見える。 どこか遠くでブランコの音が聞こえる。 …あれは… 誰か乗っているのか? ……… …黄色いカチューシャ… …ハルヒ? …またこの夢か。 目覚ましをかけて自主的に起きろと親に指示された翌日。 結果からいうと無理だった。 10分前に鳴ったらしい目覚まし時計と鬼の形相で睨んでくるお袋を交互に見ながら俺はついさっきまで見ていた夢のことを考えてみる。 …あのブランコに乗っていたのはハルヒなのか? …もしそうだとしても何になる?この状況を打破する鍵になるのか? 昨日の長門とのやりとりを思い出すが接点が見つからない。 「ちょっと!目覚ましが鳴ったのに起きないってどういうことなの!?」 あぁ…お袋がブチ切れた… とりあえず謝って反省の色を見せておく。 下手に反論しても自分に100パーセント非があるので...
  • 涼宮ハルヒの交流 最終章
     古泉が病室を出て行き、部屋の中には俺とハルヒの二人っきりとなった。    ……何だ、この沈黙は? なぜだか全くわからないが微妙な空気が流れる。  おそらくまだ1、2分程度しか経っていないだろうが、10分くらい経った気がする。  やばいぜ、ちょっと緊張してきた。何か喋らないと。         『涼宮ハルヒの交流』 ―最終章―          沈黙を破るため、とりあえずの言葉を口にする。 「すまなかったな。迷惑かけて」 「別にいいわ。けどいきなりだったから心配したわよ。……もちろん団長としてよ」 「なんでもいいさ。ありがとよ」  再び二人とも言葉に詰まる。 「……あんた、ホントにだいじょうぶなの?」 「どういう意味だ?」 「だってこないだ倒れてからまだ半年も経ってないのよ。何が原因なのかは知らないけどちょっと異常よ。 ひょっとして、あたしが無茶させすぎちゃったりしてるからなの?」  確か...
  • 涼宮ハルヒの邁進 その5
     ………………  …………  ……  俺は流れているのかも、止まっているのかもわからない気色の悪い浮遊感に身をゆだねていた。  この感覚がタイムスリップって奴なんだろうか? しかし、目の前が真っ暗、というより光を認識できないので 何も見えず何も感じられない。 『このままあなたの意識情報をあなたの有機生体に戻す』  長門の声に、孤独感が解消されたのを感じつつ、俺の置かれている状況が何となく理解できた。 俺の意識だけがどこかにとばされているらしい。幽体離脱って言うのはこういう感覚なのか。まだ三途の川は渡りたくないんだが。 しばらくこの状態が続くのか? 『長くはない。じきに移送が完了する』  そうか。ならちょうどいい。いい加減何が何だかさっぱりだから解説の一つもしてくれないか? このままだとまたパニックになっちまいそうだ。 『わかった』  長門の了承を確認した俺は、聞きたいことを整理しつつ、質問...
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