涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「エンドレス・エラー」で検索した結果

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  • エンドレス・エラー
    一夏の恋の続き ※エンドレスエイトを前提にお読みください。 わたしのなかのエラーがやまない。 耳鳴りのように、繰り返される彼の声。反復。重複。聞いたことのない声色。震えながら紡がれた古泉一樹の、嘆願。 『長門、さん。聞いて頂けますか』 『忘れて下さって構いませんから。どうか、……最後に一言だけ』  「―――どうかしましたか?」 日の光が遮られ、手元の本に影が差した。花壇隅に腰掛け思索をしていたわたしに、呼び掛ける古泉一樹の微笑が眼前に。 「失礼、頁が進んでいないようでしたから。心配事ですか?」 声色のトーンから、機嫌の度合いをある程度測れると言ったのは彼の言葉。恐らくそれは正しい。ループする夏季の時空修正を如何にするかという懸案事項を抱えても、その笑みに変化は見られない。 解答を遅らせるわたしに、彼が差し出したのは二本のアイスバー。透明なフィルムが巻きついたそれは、...
  • 一夏の恋 
    ...  (完結)   エンドレス・エラーはエンドロール1から2の間の話です
  • 題名付き・普通短編2
    ...んはガチじゃない~ エンドレス・エラー 蝉しぐれ Kへの挽歌 カミングアウト・パニック スマイル 台風の溜息 涼宮ハルヒの創世秘話 一万年と二千年前から キョンの評価 普通?の高校生の会話 長門さんはロッテに興味を持ったようです。 コーヒーシリーズ 機関の事情 酒乱女 前兆 キョンの子育て奮闘記 彼は団の緩衝材 『ビール×月見酒×オールスター球技大会ポロリもあるよ』(喜緑さん×生徒会長) 生徒会長の不良3人の倒し方 古泉一樹の苦笑 燃えろ!球技大会! やや黒古泉 切ない同窓会 白雪姫の真相 彼岸花……その花言葉は…… ちょっとみくる救済保守 ある曇った日のこと 無限輪舞 マッガーレで保守 古泉一樹のピロートーク もしくは、長門有希と古泉一樹の作戦会議 早すぎるリハーサル。 恋ってなに? 涼宮ハルヒの作文 エチケット 世界が終わった夜 スパイゲーム 世界が始まる朝 後日談 クリスマス...
  • エンドレス ヘイト
    ※このSSは鬱系、人物の性格が壊れ気味です。    苦手な人は注意してください。 抜け出そうとあがいても、結局は何度も何度も繰り返すだけ。 記憶だけがどんどん増えていき、たまらない孤独を感じる。 記憶を共有する事ができず、新しいスタートを切る仲間達。 そんなみんなと一緒にいても一人だけ取り残された気分だった。 ぐるぐるぐるぐる同じ場所を回り続ける。 そう、まるでメリーゴーランドのような夏の日々。 「またか…」 朝起きて一人呟く。 八月十七日の始まりだった。何度目なんだろう。途中から飽きてしまい、数えるのはやめた。 何百年単位で同じ時間を生き続けた私は、昔と大きく変わった所があった。 人間でいうところの 感情 というものを持つようになったのだ。 最初はただエラーが蓄積されていくだけだと思っていた。 だがいつしか私は気づいた。これは人間の持つ 感情 だと。 感情を出すようになった私を見て、...
  • エンドレスエイト103回目
    *間違い探しのような感じで楽しんでいただければ幸いです。    半スリープモード解除。  現在日時、8月17日0時0分。  時間逆流停止、時間流再進行を確認。  セルフチェック開始。有機身体に損傷なし。個体情報に欠損なし。記憶リセット防止措置は成功と認められる。ただし、個体情報にエラー蓄積を確認。強制削除不能。蓄積エラー容量は許容範囲内と判断。現在、個体全機能は正常に動作中。  パーソナルネーム長門有希より、情報統合思念体へ。指示を求む。    不干渉原則を維持し、観測を継続せよ。    了解した。  世界構成情報、前シークエンスまでの平均値との差異0.0002%。当面の任務に影響なしと判断。  主要観測対象の現在位置を特定。  シークエンス103、観測開始。      ・    ・    ・    ・    ・    お盆を過ぎた夏の盛り。  俺は家の居間でダラダラしながら別に見たく...
  • 一夏の恋 エンドロール2
    Many times I ve been alone and many times I ve cried. Anyway you ll never know the many ways I ve tried. (何度も独りになり、何度も泣いたことがある) (理解しては貰えないだろう、足掻くだけ足掻いてはみたのだと) 八月十七日、燦々と光注ぐ白昼。 水撒きの後の濡れた路上を踏み渡って、僕は穏かな心地で目的地――SOS団の集合地へ向かっている。本日の活動内容は、涼宮さん曰く「マル秘事項よ!」とのことらしいのだが、さて、この度はどんな計画を披露して頂けるのやら。レジャーランドでアトラクションを順番待ちする子供のように、繰り広げられるものを想像しながらの足取りは軽い。 昨年のこの時節は、途切れぬ夏のループに見舞われ肝を冷やしたが、今年の夏がエンドレスサマーと化す事はないだろうと僕は確...
  • 長編・未分類2
    ハロウィンパーティー 箱入り娘 HAPPY TREE FRIENDS 自殺 少年達の雑談 SOS団の惨劇 パートナー 閉鎖空間と糞団員 家族 電波作品1 電波作品2 雪合戦 クリスマス中止のお知らせ 巡る財布 カオス・ザ・ワールド あたたかなもの 12月18日・A  dearest beyond of SuzumiyaHaruhi 宇宙人現る! SOS団ラジオ支部~深夜版~ こたつでみかん 迷探偵キョナン 特攻野郎アフロチーム 涼宮ハルヒの舞台裏 ある雪空の日のこと ロックンロールスターダスト トライアングル・ラン チョコ、キッス、カオス♪ My namewas... 平行記憶 雨の日のぬくもり 遠い場所までむかえに来て GANTZ とある2月14日の断片 ハルヒがみくるでみくるが長門で長門がハルヒで… 俺が古泉で古泉が俺で…(上の続編です) かわいい一日お茶だし係 続・孤島症候群 「涼...
  • 題名付き・普通短編
    ひぐらしのなくハルヒ カセットテープ 興味 Stairwayto Haruhi SIRENOF Haruhi 長門猫化 日常あるいは平穏な日々:ハルヒ篇 仮入部 最後の手紙 長門さんとギター 二人で、校舎にて 携帯電話 コミケにて 長門有希の体温 ある雨の日のこと 遺書 気のせい・・・? 感情 1.35倍 俺・・・実はポニテ萌えなんだ(憂鬱後記) 俺・・・実はポニテ萌えなんだ 涼宮ハルヒのエロゲー 朝比奈みくるとポケモン 憎悪、拒絶、少女 長門有希の虐待 日常 大切な君達へ……… 長門さんと白雪姫 えいえんのせかい だーれだ? 『きっかけ』 忘れな草 『涼宮ハルヒのコミケ』 涼宮ハルヒのカラオケ 涙 オセロ三番勝負 焼いた芋 酒と桜と…… 海の家のラーメン キッドナップ・テレフォン のれん 遊○王 赤服親父捕獲戦線 プリン作戦 カッコイイキョン君 くじびき妙バランス 未だ来ない日の一頁 鬼...
  • 長編・未分類3
    -接触編-前編 エンドレスエイト103回目 しん・せかいに君と 涼宮ハルヒのユカイなハンバーガー 涼宮ハルヒの死体 涼宮ハルヒの運命(Fate×ハルヒ) 長門有希の我侭 実は8.365秒 サマー・デイズ(微鬱注意) 大きくてちいさな日々  1 2 3 その技の名は 多分SOS団設立時 【『CLOVER』】 ボディーガード (古泉×キョン妹) 涼宮ハルヒのOCG(ハルヒ×遊戯王5D`S OCG) 絶体絶命でんぢゃらすじーさん vs SOS団 みんなSS大好きだよ保守 朝倉涼子迷走記 みくるの反抗(仮) (※グロ・BAD END注意) SOSvsSOS (性転換「系」) 名も無き詩(ハルヒ×サイレントヒル) ハルヒ「ひぐらしつかまえた!」 日常的なSOS団。非日常もほんのりと。 涼宮ハルヒの激流 涼宮ハルヒの静寂  畏怖・涼宮ハルヒの静寂 (クロス) 君誰大会 とある古い森で 鶴の国 三千世界...
  • その他短編置場
    他の短編ページに含まれないジャンル、その他の人たち、オリキャラが出てくる短編   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25   26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50   51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73     『涼宮ハルヒの怪談』 情報統合思念体の観察日誌 涼宮ハルヒの歌集 灼眼の古泉 天災 君のいない部室 グラップラーハルヒ 鶴屋さんの奮闘 黒鶴屋さんの陰謀 最強の異世界人 長門の戦い~熱戦!激戦!超決戦! 1000取り合戦 谷口の日常 涼宮セルヒの憂鬱 谷川流の暴走 神聖モテ...
  • 涼宮ハルヒのなく頃に~プロローグ~
    どうか嘆かないで。 世界があなたを許さなくても、私はあなたを許します。 どうか嘆かないで。 あなたが世界を許さなくても、私はあなたを許します。 だから教えてください。 あなたはどうしたら、私を許してくれますか? ……… …… … ・ それは昭和58年の初夏のことだった。 どうせ引き裂かれるのなら、 身を引き裂かれるほうがはるかにマシだ。 信じていた。 ………いや、信じている。 今、この瞬間だってな。 でも、薄々は気付いていたさ 信じたいのは、認めたくないからだと。 その自分に言い聞かせるような声が、 たまらなく馬鹿馬鹿しく思える。 機械的に繰り返されていたそれはようやく収まり、 静かなる時がながれた。 ひぐらしの声がいやに騒がしい。 なのに、聞こえるはずのない彼女の声は 俺の中でエンドレスにリピートしている。 ...
  • 雪、無音、窓辺にて。
    「お、なんだ長門、お前だけか」 彼が文芸部室のドアを開く。 私は、ものの3秒だけ読んでいた本から目を離し、彼を確認する。 今、文芸部室には私と彼以外に誰も居ない。そして、半径15メートルの範囲で文芸部室に向かおうとしている有機生命体も確認されていない。 彼と、二人きり。 私は本へと視線を落としたが、そこに並べられている文章を上手く認識することができなかった。 また、エラーが生まれた。 いつからだろう。 いつからか、私の中でエラーが見られるようになった。 このエラーの原因は、未だ不明。 「何だお前、ストーブつけてなかったのか?風邪引いちまうだろうが・・・」 彼はそこまで言うと口をつぐんだ。私が言わずとも気づいたようだったが、しばらくこちらの様子を伺っていたので私は答えた。 「私には、体を温める必要は無い。体温調整ができる。そして、このインターフェイスは有機生命体が風邪と呼んでいる、ウイルス...
  • 憂鬱アナザーエンド
    気が付くと、俺は自分の部屋の床に寝転がっていた。視界の端にベッドの足が 見える。着ているものはブレザーの制服などではなく、当然のように スウェットの上下。 夢か? あれは夢だったのか? ぐあ、今すぐ首つりてえ! よりによってハルヒと二人で異世界に紛れ込み、 キスをする夢だと? 猛烈な自己嫌悪に頭を抱え込み、俺はしばらく足をバタバタさせていたが、 やがてのっそり立ち上がらざるを得なかった。 寝よう。寝なおして忘れちまおう、あんな若さ故の過ちは。そうして、 憔悴しきった顔でベッドに向き直った俺が見たものは。 俺のベッドの上で、パステルピンクの少女趣味っぽいパジャマを着たハルヒが 背中を丸めてくーくー寝息を立てている姿だった。 一瞬おそろしく混乱したのち、俺は古泉が「閉鎖空間は次元断層の隙間」とか何とか 言っていたのを思い出して、ぽんと手を打った。 なるほど、A地点から空間の歪み...
  • これもまた、1つのハッピーエンド
    文字サイズ小で上手く表示されると思います  カカオ から繋がったかもしれないSSです      あたしには、それは苦痛じゃなかったの。    自分の上に圧し掛かるキョンの体重や匂い、汗ばんだ肌も切なげな吐息も…… その何もかもが愛しくてしかたがない。  この部屋はあたし達だけの物、誰の邪魔も入らない。 「ハルヒ……ハルヒ」  大丈夫、あたしはここに居るから。ね?  彷徨っていたキョンの手を掴んであげると、その手の震えはすぐに止まった。  ほら、大丈夫。    あたしと付き合い始めてから、キョンはまるで人が変わってしまったみたいに 家に篭りがちになってしまった。  それまでの穏やかな性格を思い出せないくらいに荒んでしまって、一時期はS OS団のみんなや家族まで近づけない程だったわ。  あたしはそんなキョンを放っておけなくて、2人で同棲したいとキョンの両親 に頼んでみたの。まともに会話...
  • Close Ties(クロース・タイズ) 第二話
    Close Ties(クロース・タイズ) 第二話      午前の授業時間はあっと言う間に過ぎた。  私の中にはエラーが蓄積していた。明日のこの時間には、私は人間になってしまっているのだ。有機生命体であれば、このエラーを不安と表現するだろう。有機生命…いや、人間になればエラーに悩まされる事も無いのだろうか。  無くなるとすれば、それは素晴らしい事だ。  置換プロセスが開始されてから、私の表現の中に形容詞や抽象的な言葉が増えてきた。確かに、私は変化している。 「ゆーきーちゃんっ!」  昼休みを告げるチャイムとほぼ同時に教室へと入ってきたのは、朝比奈さんと鶴屋氏だった。  どうやら朝比奈さん自身も私の呼称を再設定したらしい。  昼休みはいつも部室で本を読むのだが、朝比奈さんと鶴屋さん(朝比奈さんに合わせて自主的に再設定した)は私を屋上へと連行し、本にありつく事が出来なかった。  真冬にも関...
  • 長門有希の憂鬱III The ecstasy of Yuki Nagato
    The ecstasy of Yuki Nagato      長門の夢を見た。ほっそりとしたお姫様の格好をした長門が白いドレスを着て、悪の帝王に捕まっていた。 「悪の帝王、ユキ姫を返せ!」 「キッヒヒヒ。欲しかったら力ずくで取り返してみなさい」 「おう!望むところだ」 俺は蛍光灯のように光るサーベルをブンブンと振り回して、ハルヒ扮する悪の帝王を倒した。 「ユキ姫、俺とケッコンしてくれ」 「……それは、できない」 「なんでだよ。ほかに好きな男がいるのか」 「……わたしは、あなたの妹」 まさかそんな。今になってそれはないだろう。    長門の顔が妹の顔とダブった。 「キョン君、早く起きて」 昨日ハルヒがあんなことをやらせるから悪いんだ。俺はブツブツ言いながらベットから這いずり出た。おかげで学校に遅刻してしまった。    気が付くと、いつのまにか四限が終わっていた。授業中の記憶がない。俺は...
  • スノーホワイト・レクイエム最終話
    気まぐれに打ち始めた物語は佳境に入った。そこで、指が止まる。プロットなんてない、展開も決めていない。無心でただ、場面場面を繋ぐように文を補足していけば、どうしたって、ラストに近付くにつれ進捗は下がっていった。とにかく先へ進める為にキーを押そうとしても、指は思う様に軽快に動いてはくれない。至って当然の話だ。だってわたしは白雪姫がどうなるのかをまだ、決めかねている。毒林檎を食べて伏せてしまった哀れな白雪姫が、王子様に出遭えず仕舞いで、どんな結末を迎えるのか。 「愛しいひと」にも巡り合えぬままに、生涯を閉じようとする、薄幸の少女。 ――ハッピーエンドに、してあげたいのに。 「長門さんどうしたの?こんな時間まで居残りなんて、珍しいわね」 「あ……」 部室の扉を開けて、堂々と踏み込んできたのは、朝倉涼子――朝倉さん。セミロングの綺麗な髪。優等生らしく背筋の伸びた、頼れる女性を思わせる温和な微笑...
  • 一夏の恋3
    長いようで短い夜は瞬く間に明け、余り眠れないまま、連続SOS団活動予定日。 涼宮さんが持ち込んだレジ打ちのバイトに精を出し、稼ぎ分を支給されての帰り道のことだ。 熱気盛んな商店街を潜り抜け、洒落た店舗が並ぶ小路に差し掛かって、前方を進んでいた涼宮さんの脚が止まった。新装開店したばかりらしく花輪が味気ない舗道を彩っているの其の店は、張り出されたチラシの説明を要約するところ、全品一店もののハンドメイド商品がウリのようだ。ショーウインドウに飾られたショールを気に入ったらしい涼宮さんが寄り道を宣言し、ついでだからと店内に押し込んだ朝比奈さんの着せ替えを試着室にて始めた。とっかえひっかえ持ち込まれる小物は散乱し、篭にはフリルがついたものやレース地の服が大量に積みあがった。 邪推するならば、それは涼宮さんなりの気遣いだったのではないかと僕は思う。八月の異変を元に戻すことが叶わなければ未来に帰れない事...
  • 涼宮ハルヒの消失前日
    This page was created at 2009.02.03 by ◆9yT4z0C2E6 ※※※※※※※※ 涼宮ハルヒの消失前日  落ちる!  無限にも感じた落下の感覚は覚醒する意識と共に消え失せ、冷たく固い床の感覚が取って代わった。 部屋の中まで容赦なく侵入してくる12月の冷気が、急速に布団のぬくもりを奪い取りにかかる。  まったく、暑い夏ならともかくなんでこのクソ寒い時に布団からこぼれ落ちたりするんだ、俺は? 再びぬくもりを享受すべく布団に潜り込もうとした俺は、そこに先客の存在を認めて凍り付いた。  妹のヤツが潜り込んだ? いやいや、いくら暗くてもそれならわかる。 もちろんシャミセンでもない。 ハルヒ? 可能性としてはありそうだが、説明したくない理由でそれも違うと断言しよう。  誰だ、こいつは!?  慌てて明かりを付けた俺の目に映ったのは、俺と同じように吃驚の貌をして...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ
     翌日の朝。俺は懐かしい早朝ハイキングコースを歩いて学校へと向かっていた。  とは言っても、向こうの世界じゃ毎日のように往復していたけどな。    北高に入り、下駄箱で靴を履き替えていると、 「おっ。キョンくん。おはようっさ。今日もめがっさ元気かい?」 「キョンくん、おはようございます」  鶴屋さんの元気な声と朝からエンジェル降臨・朝比奈さんの可憐なボイスが俺を出迎えてくれた。 何か向こうの世界じゃ何度も聞いていたのに、帰ってきたという実感があるだけで凄く懐かしい気分になるのはなぜだろう?    靴を履き替え終わった頃、長門が昇降口に入ってきた。 「よう、今日も元気か?」 「問題ない」  声をかけてやったが、やっぱり帰ってきたのは最低限の言葉だけだ。ただし、全身から発しているオーラを見る限り 今日の朝は気分はそこそこみたいだな。    階段を上がっている途中で、なぜか生徒会長と共にいる古泉...
  • Lost my love
    家に帰り着く頃には、すっかり暗くなっていた。 空を見上げても、星は見当たらない。 舞い降りてくるのは、私と同じ名を持つもの、ユキ。   『星空見上げ 私だけのヒカリ教えて あなたはいまどこで 誰といるのでしょう? 』   彼と涼宮ハルヒが付き合うことになったのは昨日。 最近では涼宮ハルヒの能力も衰え、世界も安定してきた。 彼と一緒に居られる時間も、あと少しなのだろうか? エラー、私の任務も、終わりが近づいてきているのだろうか。   『楽しくしてるコト思うと さみしくなって 一緒に観たシネマひとりきりで流す』   いつもならSOS団の活動があるはずだった今日、 活動の中止を伝える涼宮ハルヒの電話の声は、どこか弾んでいた。 きっと、彼とデートするのだろう。 エラー 気がつくと私は、街に出て一人映画を見ていた。 彼と一緒に見た映画。 エラー、エラー 前に小説で読んでいたものが映画化されたというこ...
  • 一夏の恋 エンドロール1
    Many times I ve been alone and many times I ve cried. Anyway you ll never know the many ways I ve tried. 夜そのものに溶け込むように、公園の中央に聳える時計台の前。長門さんは佇んでいた。 「……お待たせ、しました」 全力疾走の分、息が切れた。湿った夜気が咽喉に絡む。長門さんは僕を認めると小さく頷き、僕の前に完成された姿勢にて立ち、細い顎を上向かせた。繊細な面がひたりと此方に据えられる。澄んだ瞳に、深淵の銀河を覗き込むようなイメージに囚われる。 彼女は無言だった。僕の詞を、待っていた。その為の呼び出しであろうことも薄々察知していたから、まるで予想外ということもなかった。 これは彼女が、どんな心境でかは分からない――この時間軸の僕にくれた、文字通り最後の機会なのだろう。だから。   ...
  • 10年後のSOS団
    ……あれから10年、俺達SOS団は未だに北高にいた…。  といっても、ハルヒの不思議パワーでエンドレス北高生ってわけではない。 まぁグダグダ説明するよりは話を聞いてくれ。 「おはようございます、キョン先生(歴史)」 この相変わらずのスィートボイスはマイエンジェルの朝比奈さん(養護教諭) おはようございます、朝比奈さん今日も素敵ですね。 「キョン先生だって素敵ですよ、奥さんがうらやましいです。」 いえとんでもないです、あいつには朝比奈さんの爪の垢でも… 「……」 おぅ長門(図書館司書)、上機嫌だななにかいいことあるのか? 「……今日は今月の新刊が届く日」 そうか……でもあまりマニアックな蔵書ばかりにしないようにな。 横山光輝版三国志がないのはいいとしても吉川英治版どころか三国志通俗演義すらなく、 原典の陳寿版しかないってのは公立高校の図書館としてはどうかと思うぞ。 料理本コーナーだって...
  • 涼宮ハルヒの遡及Ⅷ
    涼宮ハルヒの遡及Ⅷ     「あの波動に飲み込まれる前にテレポテーションを発動させて難を逃れたってこと。さっきも言ったけど、あたしの防御結界術を全部、打ち破ってきたわ。なら避けるしかないじゃない」  場所はあの巨人竜から距離を置き、茂みと木々に囲まれた、昼間だったはずなのだがやけに薄暗い森の中だ。 「今は冷静に振り返っていますけど、あの場面では随分、焦った顔をしておられたようですが?」 「はいはい。気まずくて強がるしかできない気持ちは分からないでもないけど、あたしに当たらないように」  む…… 「くすっ、それにしてもあなたの取り乱す姿というものはなかなか見ものでしたよ。僕が落ち着いているということは、涼宮さんの感知ができていた、という意味であるのに、それにまったく気付かなかったんですから」 「ですよね。あたしと長門さんも前から見てましたけど、あんなキョンくんは初めて見ました」 「興味...
  • 台風一過のハレの日に:第四章
    『台風一過のハレの日に』     ○ 第四章:ハレの日   翌日の放課後。 やはり掃除当番だった俺が遅れて部室の扉を開けると、そこには昨日とは異なる衣装を身に着けた女性陣が待機していた。 朝比奈さんは、どんぐりのメイド衣装で、定位置に座っている長門はなんとナース服だ。朝比奈さん用に用意されたものなので、若干、いや、長門には申し訳ないが正直かなり胸元が寂しそうに感じられる。 ハルヒは普段朝比奈さんが着ている通常のメイド服だった。ハルヒも決して似合わないわけではないのだが、着る人間が違うとこうも印象が異なるものかと、俺は感心することしきりだった。 こゆきだけが北高のセーラー服のままだが、これだってある意味コスプレには違いないわけで、俺は少しばかり痛む頭を抱えながら、パイプ椅子に腰を下ろした。   「なによ、なにか不満でもあるわけ?」 そんな俺の姿を見たハルヒは口元をアヒルにしている。 「いいや...
  • 444回目のくちづけ
    プロローグ  いまから話すのは、俺が高校二年の秋のできごとになる。  ま、時期にはたいした意味はない。ようするに、これまで語られてきたことのあとに起こった事件だとでも思ってもらえればそれでいい。  春に発生した世界の分裂と、それにともなう驚愕のできごとをへて、俺たちの現状はとりあえずの平穏を保っていた。  あいもかわらず団長は無茶をいっては団員を振りまわし、古泉はボードゲームで連敗街道をまっしぐら、朝比奈さんはお茶をいれ、長門は窓辺で本を読んでいるといったぐあいだった。  そうだな、この話にはほとんど関係しないが、佐々木たちの現状も、ほんのさわりだけ触れておこう。  佐々木は、世界の分裂のあと、いろいろあって異世界人の属性を手にいれた。最近はSOS団の準団員として、毎回ではないが不思議探索に参加したりしている。ハルヒとの関係は、同性の親友ってところか。  橘は、その組織とともに古泉の...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦 ―最終試練発表―
    御天照様は頂上から西へ60°くらい傾き、青空は赤みがかかり始めてきた。 先ほど、男の悲しい性を利用した足切りによって、参加者は何と6人まで減ってしまった。 生存者のうち、半数は俺の知った顔で占められていた。即ち、古泉、谷口、国木田である。 コンピ研の連中?さっきまで残ってたが、『ネコミミブラクラレインボーアタック』に撃沈した(長門談)という。 いったい何をしたんだお前がやったんだろうと聞いてみたが『教えない』の一点張りだった。 俺は鶴屋さんに呼ばれ、衣装を着替えるように言われた。 …別に汚れても、さっきみたいに濡れてもないですから着替えなくてもいいですよ? 「ダメダメ!もうすぐ日が暮れるし、夜の正装にしなきゃいけないっさ!」 俺は鶴屋さんが用意してくれた燕尾服に着替えた。その上、白い手袋とチーフまで用意されていた。 「ハルにゃんも今頃イブニングドレスに着替えているっさ!!キョン君に併せ...
  • 涼宮ハルヒのOCGⅣ
    涼宮ハルヒのOCG④  (2008/11~ ぐらいの時期だという前提でお願いします) 「えーっとね、潜水艦でキョンくんに攻撃して・・・カードを一枚伏せてわたしの番は終わりだよ。」 「違うわよ妹ちゃん、ターンエンドの前にこのカードを伏せとくの。そうすればキョンが何か出してきても一発で除外・・・」 今俺の目の前にはなぜかカードを握る我が妹と、その後ろからあーだこーだと口出ししてるハルヒがいる。長門はというと後ろの方で俺の本棚をあさっている、マンガぐらいしかないから面白くないと思うぞ長門。そして場所は俺の部屋だ。さて、何でこんな状況になったんだろうな。少し時間を遡って話していくか・・・。 朝倉との奇妙な再会の翌日、やはり朝倉は北高に転入してきた。俺のクラスではなく長門のクラスだったので大した騒ぎにはならなかったのだが、我らが団長がそんなニュースを聞き逃すわけも...
  • 涼宮ハルヒの団結 第五章
     部室に戻った俺は、部室内を見渡して少し驚くこととなった。 「……長門は?」  部屋にいたのは、定位置に座って機関誌を読んでいる古泉だけだった。古泉は俺を視認すると、 「長門さんなら帰りましたよ。急に表情が固くなったような感じで、先に帰るからあなたによろしく、と僕に言い残してね」  両手を広げながらそう答え、席を立って機関紙を長門の本棚へと収納するために歩き出した。  俺は古泉を目で追いながら、 「……珍しいな」  あいつがそんな行動をとるなんて思わなかった。まさか、俺と朝比奈さん(大)の会話が聞かれていたのだろうか。 「もしかしたら、俺のさっきの会話がショックだったのかも知れないな」  俺が複雑な表情を浮かべてそう呟くと、 「その会話とは多分……長門さんが起こした事件についてでは、と僕は推察するのですが」 「……何故お前が知ってる」  古泉はフッと微笑の息を漏らすと、 「いえ、勘ですよ。...
  • 第三章『なぜならあたしは、天下無敵宇宙最強のSOS団の団長様だからよ!』
    第三章『なぜならあたしは、天下無敵宇宙最強のSOS団の団長様だからよ!』     「いたたたたたた……って、嘘ぉ!?」  九階から投げ出されたはずなのに、あたしの体は骨折どころか傷一つ付いてなかった。 「どうなってるのよ……それにここはどこ?」  百歩譲って無傷だとしても、あたしは病院の敷地に落ちるはずだ。だけどここは病院ではない。 「どっかのマンションかしら?」  あたしは病院の敷地ではなく、どこか見覚えのあるマンションの一室のベッドの上で目を覚ました。  とにかくここを出よう。フローリングの床に、病院の廊下で落としたはずの鉄パイプとデイバッグあったが、それをを拾い上げて部屋を出た。    その部屋を出ると、奥歯と奥歯の間に挟まった銀紙みたいな既視感の謎が解けた。 「ここ、有希と朝倉が住んでいたマンションだ……」  確かに北高には近づいたが、不気味すぎる。あの病院からここまで何百メー...
  • 一夏の恋2
    懐かしむにもこそばゆい記憶が一つ、ある。 三年前、突如芽生えた力に慄き、戦いに明け暮れねばならぬ生涯を嘆き、周囲に対して心を閉ざした中学一年の春。機関に迎え入れられてからもそれは変わらず、無愛想とよく称された、拗ねた物分りの悪い子供であった僕。寄せられる微笑さえ、甘言を弄して手酷く裏切られる前兆のように思い、孤独に身を固くしてさえいれば己だけは護れると――そんな、保身じみた考え方で、自己を哀れんでいた。そんな僕の顔を覗き込んで、彼女、出遭った頃から上司であった森園生は笑った。 「つまらない顔ね」 彼女の笑みは今思い起こしてみても夢ではないかと疑うくらい、慈愛に満ちたものだった。母親のように、薄い唇から紡がれる声は優しかった。 「確かに貴方は可哀相ね。運命を呪うなら好きなだけ呪いなさい。それでも貴方は選ばれ、神人を狩る力を与えられた、その事実はどう足掻こうと変移し得るものではないわ」  ...
  • 長編・キョン
    キョン無題1   キョン無題2 キョン無題3 キョン無題4 キョン無題5 キョン無題6 キョン無題7 キョン無題8 キョン無題9 キョン無題11 涼宮ハルヒの消失(偽) ハルヒ能力喪失・SOS団解散編 キョンいじめ 超能力テスト 朝倉涼子の逆襲 改造人間キョン サイレント・ホスピタル ワークテイカー・ラヴァ―ズ ハルヒの想い ~アニメ版エンディングの延長版~ 記憶喪失 影の世界 (BADEND注意) 王様ゲーム キョンの決意 想い 試験勉強 北斗のキョン 残された時間 洞窟にて 俺とハルヒと古泉の生きる道 (BADEND) 許婚と最愛の人 Another Story 涼宮ハルヒの変質 ストレンジデイ イン ザ レイン キョンの死、そしてその後 クリスマスイブ 憂鬱アナザーエンド 涼宮ハルヒの旅路 グラップラーキョン ハルヒが残した希望 1枚の写真 涼宮ハルヒの海遊 Verywhiteday...
  • 長門の日々 第13話『"長門"有希の憂鬱Ⅰ』
    第13話『 長門 有希の憂鬱Ⅰ』   彼がいなくなる。 こんな暗い公園に一人ぼっち。   わたしは情報改変を施し、憂鬱な毎日を過ごす。 彼がいない毎日は、わたしにとって憂鬱そのものでしかなかった。 ……会いたい。   それからわたしは毎晩この公園に通っていた。 寒々しい夜の公園はわたしの身を……心も……冷たい風で冷やす。   静けさに抱かれながら今日もまた待っている。   「……今日こそ彼が帰ってくる……?」   誰がいるわけでもないのに口に出してしまう。 早く。早く帰ってきて。 わたしは彼を渇望している。 理由は、彼が好きだから。   「……キョン……」   彼が居ない事をいいことに彼をあだ名で呼んでみる。 わたしはそれがなんだかとても恥ずかしいことに思えてくる。 なんで?……わたしと彼は一般から見ても恋人同士。 なのに、あだ名で呼べないのはなぜ?   ……次、会った時から彼を「キョン」...
  • スノーホワイト・レクイエム8
        お妃様は、儚く泣きそうに歪めた瞳で、鏡に呼び掛けました。 「鏡よ鏡、わたくしの問いに答えておくれ」 はい、お妃様、と鏡は愛する妃に恭しく答えました。 鏡に明瞭に映し出された、白雪姫の姿を前にして、お妃様は問い掛けました。 「それでは鏡よ、お答えなさい。此の世で、……生き残るべきは、どちら?」 此の世で欲され、愛され、必要とされるのはどちらですか。 ――わたしと白雪姫の、どちら。 ---------------------------   長門は、酷く懐かしい宇宙の深淵を思わす黒瞳を細めた。 SOS団の集う部室で、長門が古泉に投げ掛ける無機質で硬く透明な眼差しが、其処にあった。古泉の問いには答えずに、少女は瞬く。整った睫毛を揺らす。 「いつ」 気付いた、と端的な問い返し。 古泉は俯いた。常なら片時も離さずにいる苦々しさを隠す仮面を、被ることはしない。  ...
  • 家族旅行 第4話
    翌朝はすっきりと目覚め。小鳥のさえずる声や朝の強い日差しで起こされるのは、健康的よね。 ベッドの中で大きく背伸びをしてから、ベッドから抜け出た。 リビングに出ると、ソファにすわった親父がいた。バスタオルで頭を乾かしてるところをみると、シャワーでも使ったのかしら。 「おはよ。シャワー?」 「おはよう。さすがにちと暑いんでな」 「母さんもシャワー?」 「いや、母さんはまだ寝てる。じき起きると思うけどな」 親父が頭を乾かすのをやめ、あたしをみた。その瞬間、がっかりしたような表情を見せると、また髪を乾かし始めた。 「どうかした?」 「なんてだらしない格好だろうと思ってな」 「別に家族なんだし、いいじゃないの」 「年頃の娘がだらしない格好してれば、親としてはいろいろ心配だ」 「そぉ?」 「おはよう」母さんがベッドルームから出てきた。ちょっと眠そうね。夜更かしでもしたのかしら。 「あ、ハルヒったら、ま...
  • 涼宮ハルヒの団結 第八章
     そうだ。俺は《あの日》が起きて以降、ずっと長門を気にかけてきた。こいつに何かあったら助けてやろうと、もう何も、長門が思い悩むことはなくしてしまおうと。そう考えてた俺は、少しずつ感情を露にしていく長門をみて安心していたんだ。  だが、今はどうだ?  こいつはまた感情を爆発させて……今度は、一人で苦しんじまってるじゃねえか。言わなきゃ気付かないだって? アホか。こいつはずっと前にサインを出してたんだよ。それに俺が気付かなかっただけだろうが。  そう。何かが起きてからじゃ遅かったんだ。そして、俺はこれを起こさないようにすることは出来たはずなんだ。  だが、俺はその機会を無視してしまった。  俺は二回目の《あの日》、さっさと世界を修正しちまった。そして、もうやり残しはないと胸を撫で下ろしていた。とんだ大間違いだ。俺はあの時に眼鏡付きの長門を見て、あいつの確かな感情の存在に気付いたよな。それ...
  • 長門有希の三日間
    『長門有希の三日間』     一日目   世の中はゴールデンウィークだ、6連休だ、8連休だとか言って浮かれているようだが、俺たち高校生には関係ない。暦通りに学校に行って、暦通りに休みになるだけだ。大学生にでもなれば、休みと休みの間も教授が休講にしてくれるのかもしれないが、残念ながら北高にはそんな気の利く教師はいない。 一応愚痴ってみたが、今日からはやっと連休だ。ところがだ、朝から北口駅前の喫茶店で爪楊枝のくじ引きを引いているのはなぜだろう。 「ほら、さっさと引きなさい」 そう、不思議探索だ。明日からハルヒは家族と出かけるので、今日中に不思議を見つけ出さないといけないらしい。ということでSOS団の5人が集まっているというわけだ。 「印なしだな」 先に引いた朝比奈さんと古泉は印ありで、3番目の俺が印なしだった。ということは、残り2本は印ありとなしが1本ずつだから、俺は、ハルヒか長門のどちらかと...
  • 管理人の業務連絡
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  • 台風一過のハレの日に:第三章
    『台風一過のハレの日に』     ○ 第三章:願望   「さて、じゃあ話を聞こうか」 結局、また長門のマンションに来ている。鶴屋さんのところからの帰り道、いつもの公園でこゆきによる驚きの結婚報告があった。込み入った話になりそうだし、そのまま公園で話し込むこともできないのでここに来たわけだ。 「別に、あの、内緒にしておこうとか、そう言うわけではなかったので……」 こゆきはちょっと恐縮するようにうつむいていた。 「いや、別に責めている訳でもなんでもなくて、ちょっとこっちも驚いたのさ。な、長門……」 小さくうなずいた長門はじっと目の前のこゆきを見つめていた。 今は普段どおりの無表情に戻ったが、さっき公園でこゆきから『結婚するんです』と聞かされた時は、おそらく朝比奈さんが見てもわかるぐらいに、はっきりとした驚きの表情を浮かべていた。 こゆきは顔を上げると、長門と俺を交互に見つめながらゆっくりと話し...
  • 色んなキャラが出るSS3
    失われた最終回幻の15話   涼宮ハルヒ「今日はキョンの誕生日だからみんなで祝いましょう」 キョン「なあ、ハルヒ。誕生日位、本名で呼んでくれないか」 一同「…。」 キョン「全宇宙が停止したかと思われた、ていうのは嘘ぴょんで 本名を覚えてもらってない俺が落ち込んでるだけなんだけどな」 「もしかして、覚えてないのか?」 ハルヒ「そそんなことはないわよね、みくるちゃん」 みくる「え、えっと、こ古泉君」 古泉「じゃあ、僕はバイトがあるので キョン「ごまかすな、俺の名前覚えてないだけだろ、 長門、お前は」 長門「記憶にない」 キョン「なんですとぉ、あ朝倉お前は、ってなんで朝倉がいるんだ まあいい、俺の名前をおぼえてるよな」 朝倉「所詮、私はバックアップそんなこと分かるわけないじゃない」 キョン「かんけいねぇだろ、谷口、国木田お前らは知ってるな」 谷口「わわわ忘れ物」 国木田「えっと覚えてないな」 キ...
  • Please wait for some day in the rain.
    教科書文通の後日談になります。 ----------------------------------- 「長門さん。 その件で、お話があります。 聞いて、くださいますか。」  あの日の、あの雨の日の古泉一樹の台詞が頭から離れない。 他のことを考えていても、気がつくとあの台詞が耳に響く。 彼が隣にいない今でも、その声はわたしの鼓膜を打っている、様に感じる。 これは何? 幻聴? エラー? 「長門さん、 僕はずっとあなたが僕の教科書にお書きになった「良好な関係」について、ずっと考えていました。」  真っ直ぐな瞳だった。 元々古泉一樹は人の目を見て話すタイプの人間ではあったが、 最近は誤解を防ぐためか、はたまた他の理由からか、あまり目をあわそうとはしていなかった。    が、あの日は違った。 あの雨の日。 古泉一樹とより「良好な関係」を築きたいとあのまじないを決行した日。 まっすぐ、まっすぐ...
  • 3つの選択肢
      「本当に……よろしいのですか?」 「いい。……私も、あなたという固体と親密になりたいと願っている。」 「ありがとうございます。……愛しています、長門さん。」 「……わたしも。」   団活終了後、帰り道古泉一樹と二人きりになった時、思いもよらぬことが起こった。 古泉一樹に、私に対する想いを伝えられた。 心拍数上昇。体温上昇。膨大なエラー発生。でもこのエラーは……不快では無い。 そしてこの時私も、古泉一樹と同じように感じていることに気付いた。彼を……愛していると。   こうして私達は、世間一般でいう「恋人」という関係になった。 翌日、私達は一緒に部室へと足を踏み入れた。……手を繋いで。 部室には朝比奈みくるだけが居た。心なしか、表情が暗いように思える。   「こんにちは、朝比奈さん。」 「あっ、こんにちは。あれ?手を繋いでる?」 「ええ。お恥ずかしながら、長門さんとお付合いさせて頂くこと...
  • (消失)長門有希のもしも願いが叶うなら 第1章
    第1章 消失前夜 わたしは世界を改変する。そして、改変後すぐに彼によって世界は再改変される。しかし、再改変後の世界がどうなるかは分からない。『再改変後のわたし』が同期化を拒むからだ。なぜ未来のわたしは同期化を拒むのか。わたしはその訳をうすうす感づいていた。 世界改変後に、わたしはいないのではないか。 同期化をすれば未来を知ることになる。当然、わたしの寿命もわかってしまう。 世界改変によって情報統合思念体を抹殺したわたしにそのまま観察者としての役割を任せるとは到底思えない。間違いなくわたしは、処分される。未来のわたしは知られたくなかったのではないか。わたしの最期を。 ◇◇◇◇ 授業が終わると一目散に部室に向かうため、部室に来るのはいつもわたしが最初。そして、2番目に彼が来ることを望んでいる。 今日もわたしが一番。1人、部室の片隅で本を読んでいる。 「やあ、どうも」 二番目...
  • Any day in the rain.
    必要なもの、必要の無いもの。     本。 必要なもの。 絆。 必要なもの。 時間。 必要なもの。 仲間。 必要なもの。     ――朝倉涼子、彼女はどうして消えてしまったの? わたしが消したから。 ――どうして? 暴走した、もうバックアップは無理。必要が無くなったから。 ――必要が無くなったから、消したの? そう。 ――どうして? 必要が、無くなったから。 ――本当に? そう。       涼宮ハルヒ。SOS団団長。自律進化の可能性、黄色いカチューシャ。   彼。SOS団団員その一。鍵、たいせつなひと。   古泉一樹。SOS団副団長。超能力者、笑顔。   朝比奈みくる。SOS団団員その三。未来人、胸。     わたし。 ――わたしは、なに?     「やっほー! みくる居るー? ってあれ? 長門っちだけ?」 鶴屋さん。SOS団名誉顧問。いつも元気の良い一つ上の先輩、八重歯。 「明日の掃除...
  • キョン無題5
    今週最後の登校の日、つまり金曜日だ 学生という生き物は金曜日ほど楽しみな日はない メインは土日なんだが、なぜか金曜の方が嬉しく感じてしまう…   俺は今日もいつもと同じようにあの部室へと向かっていた 今日もハルヒは授業が終わると同時にどこかへと消えていったが、気にしない あいつの行動なんかいちいち気にしてられる程、俺は器用じゃないし、辛抱強くもない   「あれ?ハルヒ達はいないのか?」 部室に入ると、ハルヒがいない それにSOS団のマスコットキャラ的存在の朝比奈さんもあの古泉もいない いつも午後の授業が終われば、ハルヒがパソコンをいじっていて、メイド服姿の朝比奈さんがいて、古泉が一人でボードゲームを しているはずだが…   今この部室にいるのは、既にこの部屋の置物のような存在になりつつある長門だけだった 相変わらず、分厚い本に視線を落とし、もくもくと読み進めている   しかし、長門を除いて...
  • 恋愛相談 前編
    夏の暑さもいくぶんやわらいで来て、いよいよ秋になろうとする今日この頃、 僕達SOS団はいつもと変わらぬ日常を過ごしていました。 もうすぐ涼宮さん達と出会って一年半となります。 その間ずっと涼宮さん、そして彼の様子を観察していますが、 もはやお二人の関係は円熟していると言っても過言では無く、お互い相思相愛なのは見て明らかで、 団内でそのことに気付いて無いのはお二人だけというところまで来ています。 あとはどちらが先に想いを伝えられるか……という段階です。 そんな中、僕はある人物から相談を受けました。話はそこから始まります。     僕はいつも通り学業を終え、SOS団の部室のドアを開きました。   「おや、長門さんだけですか。こんにちは。」 「……」   あいさつをしましたが特に返事はありません。 まあいつものことなので特に気にすることなく、 彼が来るまで詰め将棋でもしようかと将棋盤を取り出した...
  • 長門有希の憂鬱III 恋するウィルス
    恋するウィルス      わたしがコンピュータ研究会に入部したときの、数日間のログ。公開する。   0600時: 宇宙歴40068.26.11。起床。ログ記録開始。顔を洗う。朝食の準備。味噌汁を調理。昆布のダシ。豆腐の賞味期限が六時間前に経過。情報統合思念体に挨拶。返事は数バイト。わたしの上司は愛想が悪い。主流派はこれだから。   0645時: 顔面、頭部の手入れ。最近枝毛が目立つ。毛髪洗剤の変更を検討。あの人の好きなコロンを0.5cc噴霧。   0700時: 自宅を出る。隣の住人に挨拶するが、伝わらなかった模様。   0730時: 学校に到着。部室へ。無人。ハインラインの夏への扉を開く。175ページ。   0800時: 教室へ行く。途中で古泉一樹に会った。顔の角度を九度下げる。   0820時: 担任現る。顔色が優れない。配偶者とまた揉めたようだ。   (中略)   1205時: 文芸...
  • 一夏の恋5
    「じゃあ今日は」 歯痒さを捻じ込んで圧したような、――外見は平素と変わらぬ声が喫茶店の一角に響く。 「これで終了。明日は予備日に空けておいたけど、そのまま休みにしちゃっていいわ。また明後日、部室で会いましょう」 涼宮さんが宣言し、彼が苦虫を噛み潰したと表現するに相応しい皺を眉間に刻み、朝比奈さんは俯き、長門さんは唇を結んだまま。 八月三十日、午後。 僕はウインナーコーヒーの熱が冷めるのを、カップに押し当てた指の腹でじっと、数えていた。彼女が席を立ち、無言の聴衆に関せず客席をすり抜け、自動ドアを潜って店員の「ありがとうございました!」という掛け声を浴びながら去ってしまうまで、そうしていた。 多分、皆が分かっていたのだろう。涼宮さんの遣り残したことは果たされておらず、三十一日を過ごしても、その次に訪れるのは九月一日ではないだろうということを。心なしか空気は重く、場はやるせない諦観に満ちていた...
  • 第七章 ラストバトル
    長門ふたり 第七章 ラストバトル 涼宮さんが僕を『好きになる』という珍事が終息してから数週間後の日曜日、 長門さんは僕達を呼び出した。「僕達」というのはいうまでもなく、涼宮さんを 除く、SOS団の面々である。思えば、長門さんがふたりになってから、既に数ヵ月が 経過していた。いろいろなことがあった。世界の改変、彼の二重化、未来からの刺客と 情報統合思念体が放った暗殺者。最初はあまりにも異常と思えた長門さんが二人いると 言う状況にも、僕等は何時の間にかなれてしまい、あたりまえに感じるようにさえ、 なり始めていた。もともと、長門さんは人間ではないのだし、これが涼宮さんが二人とか、 朝比奈さんが二人、とかいうことになるとなかなかきびしかったかもしれないが、 長門さんだとそれなりに許されてしまう。人間とはいい加減と言えばいい加減なものだ。 今回の呼び出しもまた、何かの「事件」の発端であることは間...
  • 普通短編58
    長門「ちゃっくにほうひがひっかかったときのぜつぼうかん  (ぶるぶる)  」 キョン「お前は女の子でそ」   長門「ちゃっくにいんもうがからまったときのしょうそうかん  (ぞくぞく)  」 キョン「まだ生えてないでそ」     キョン「一分ハル」 ハルヒ「阻止」 キョン「(´・ω・`)」         長門「てんぷらはたべるときもちわるくなるからにがて。」 キョン「禿同」         キョン「なぁなぁ、知ってる?竜巻発生で9人死んだんだって」 長門「欧米か」         長門「あ・・・」 キョン「?どうした長門」 長門「・・・顔ゆがんでる・・・」 キョン「ゆがんでねーっつんだ」         長門「あーあ」 キョン「どうした?」 長門「あなたの体から癌が検出された」 キョン「なんだって?!!」 長門「今あなたの体をXEでスキャンしてみた、結果癌が見つ...
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