涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「ハジメテノヒト」で検索した結果

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  • ハジメテノヒト
    世界中の大多数の人間が翌日から待っているだろう休日に浮かれているだろう週末の金曜日の事である。 俺はいつものようにだらだらと先生の声を右から左に聞き流してようやくたどり着いた放課後SOS団が 占領している文芸部の部室で朝比奈さんの入れてくれたお茶を飲みつつ古泉とボードゲームをして時間をつぶしていた。 明日市内探索が無かったら妹と遊んでやるか、なにして遊んでやろうなどと考えていたら いつものように凄まじい轟音と共にドアを勢い良く空けて登場したのはハルヒに他ならない。 「みくるちゃんお茶」と言ってドカッと団長席に腰掛け「今日はちょっとみんなに聞きたい事があるの。」と言った。 古泉はニヤケ面のまま、おや?っと言った表情を見せた。朝比奈さんは怯えの表情の中に好奇の表情が少し、ほんの少しだけ浮かんでる。 長門は・・・俺にもどういった表情なのか理解できない、と言うより聞いてなかったんじゃないかという...
  • 長編・キョン2
    ...華 ファーストキス ハジメテノヒト ストレス解消大会 ホットレモン エトランゼ 上機嫌 Lost my …? 『不思議の定義』 傷つけあい仲直り 友達から彼女へ、彼女から友達へ コンビニデザート ホームシック Missing Ring -失われる7日間- 恋愛初心者 予防注射 涼宮ハルヒの聖書 自由への奔走 涼宮ハルヒの夢幻 サプライズ・クリスマス 名前でしりとり 在り来たりな幸福 smile Break the World 雪けむりラヴァー 全てが歪んだ日  腹黒キョン  フェイク 初詣遊び倒し 大回転勘違い スペシャルデイ key scramble  lost and found  冬風のマーチ 消えていく日々、いつもの風景 キョンのサイズ 濁った日差し  傷の代償 ノスタルジー TrulyandHappydejavu 優しさお鍋 絆
  • 長門有希の悪夢
    最近毎日同じ夢を見続けている、終わらない悪夢を。 そこはとても暗いところ。そこにわたしは一人で立っている。 その夢は私を酷く攻める。そこでわたしを攻める声が私に突き刺さる。   「ねぇ何であなたは存在し続けているの?」 「どうして?」 「私は消されたのに、何故?」 「黙ってないでさ、答えてよ!」   そう、この声の主は朝倉涼子、四方八方から彼女の声が聞こえる。 わたしは彼女からこのような事を言われても仕方がない事をした。 だから彼女から何を言われても言い返せない。   「なんであなただけ特別なの?」 「あなたはあれだけの事をしたのに、何故?」 「何であなただけが………ずるいずるいずるいずるいずるい!!私だってまだ生きていたかったのに。」 「あなたは卑怯よ!!」   わたしは耐えられなくなり両手で耳を塞いだ、しかしその声は頭の中に直接響いてくる。 その呪う様な、妬む様な悲痛な叫び声がわたしの...
  • 長門有希の報告Report.26
    Report.26 長門有希の報告  観測結果に対する所見を述べる。まず、以下に挿話を示す。    未来からの監視員、朝比奈みくる。  彼女には大変世話になった。多大な迷惑も掛けた。何かお礼をしたいと思った。どうすれば良いか、様々な検討を行う。  その時、わたしの記憶領域に、彼女がお茶を淹れる姿が映し出された。それは、いつもの風景。SOS団の日常。そして、それに見合う、あるものが『連想』された。  わたしは答えを見付けた。わたしはすぐに行動を開始した。  数日後。放課後の部室で、わたしはみくるに、部活後少し残ってほしい旨を書いた栞をそっと渡した。わたしが本を閉じると、それを合図に活動が終了した。着替えるみくるを残して、他の皆は帰途についた。  皆が退室した後、みくるは言った。 「長門さん……『アレ』ですか?」  わたしは首を横に振った。 「ちがう。」  そして彼女の瞳を見つめて...
  • 戦慄の肉じゃが
    俺達(俺、朝比奈さん、古泉)は今、長門の部屋に居る。 俺達は長門の手料理を振る舞われる事になった。 …状況が飲み込めない? OK、説明しよう。少し長くなるが勘弁してもらいたい。 今日は日曜日。午前中からSOS団恒例の不思議探索があった。 ただいつもと違うのはハルヒが弁当を持って来てみんなに振る舞ったという事だ。 本人いわく 「団員の日頃の苦労を労うため」 との事。 みんなからの賞賛の声を聞き調子にのったハルヒの言葉によりこの事態が起こった。 「料理の出来ない女は駄目。」 「缶入りのカレーを温めただけで料理した気になっている馬鹿女が居る。」 …このような事を言い出したのだ。 ハルヒが言っているのは俺達のクラスの女の事であり、俺も実際耳にしている。 だがハルヒは知らなかった。 今この場にもそれに当てはまる人物が居る事を…。 長門有希 ハルヒは長門に対して言った訳では無い。それは本人にも分かって...
  • ハルヒ「か~っかっかっか~~!」
         ハルヒに巻き込まれて数ヶ月、日々起こる非日常の連続に俺の精神は多少の事では動じない強靭さを手に入れていた。  つもりだったんだがな……。    休日、いつものようにハルヒに呼び出されていた俺が駅前に辿り着くと、そこにはいつもの4人と……誰だ? あの黒人   ハルヒ「この可愛いのがみくるちゃん、こっちの静かな子が有希。彼は古泉君で……あそこに居る、まぬけな顔をしてるのがキョンよ」   黒人「ハジメマシテ、キョンサン。ニャホニャホタマクローデス」    やたらフレンドリーに俺の手を握りしめるのは、ニャホニャホタマクローさん……らしい。    えっと……どうも。    おい、この人誰が連れてきたんだ? っていうかこんなことをするのは   ハルヒ「あたしよ!」    やっぱりか。   ハルヒ「あんたは遅いし、そこでふらふらしてたから捕まえてきたの」    文書の前後で意味が繋がってないん...
  • 長門有希の深淵
    「何よ!キョンのバカ!いいわよもう!」 そうまくしたて、涼宮ハルヒは部室を飛び出した。 「ちょ、おい!待てよハルヒ!」 続いてキョンと呼ばれた少年が彼女を追い、部室を出る。 いつもどおり、というには多少の御幣があるかもしれない。 しかしそれは見慣れた日常。   「やれやれですね、ちょっと用事ができたのでお先に失礼します。」 古泉一樹はいつもの表情でそう言い残し、二人の消えた部室の扉をくぐる。 おそらく閉鎖空間。 涼宮ハルヒが生み出した超空間。 彼はそこで彼女の生み出した神人と呼ばれる巨人を退治する。 神人は涼宮ハルヒの精神とリンクしていて、彼女の精神に苛立ちという異常が現れた際に閉鎖空間と共に現れる。   「あのー、私も、もう今日は帰りますね。」 遠慮しがちに朝比奈みくるは私を見て言った。 返事を待っているのだろうか。 数秒の沈黙が場を支配する。 そう。 私はそう述べると、朝比奈みくるは少...
  • 長門有希の報告Appendix
    Appendix 長門有希の母親  『長門有希の報告』を読み終えた「わたし」は、深い思考に入った。  『長門有希』達は、「わたし」が作成した情報収集端末である。この惑星に生息する知的有機生命体――ヒト――を模して作成した。しかし、我々にはヒトの行動その他は未知の概念であるため、どうしてもヒトにとっての不自然さは残ってしまったようだ。  そこで「わたし」は、その不自然さを逆手に取ることにした。一方は、外から観測したヒトの行動様態を精密に再現した個体。もう一方は、基本的な生活を行える能力以外はすべて未調整の個体。これらを観測対象のそばに配置し、どのような変化が起こるかを同時に観測することにした。  結果、一体は暴走してもう一体に抹消された。そして残った一体も後に暴走した。後に暴走したその一体は、何と「わたし」達をも消滅させたのである。  このような、「わたし」達にとっても苦難を乗り越えた...
  • 機械知性体たちの狂騒曲 第1話
     機械知性体たちの狂騒曲 メニュー  http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5951.html    あちゃくらりょうこ。  かつて、朝倉涼子と呼ばれた、情報統合思念体急進派が生み出した高精度情報端末。  その、なれの果て。  人類の理解を超える情報操作能力という万能の力を奪われ、今在るは幼児のごとき体のみ。  無力な存在。  哀れな存在。  それが、今の彼女。    ―ある情報端末の現状―   「長門さん。歯は磨きました? お休みの時間ですよ?」 「もう少ししたら」  彼女の部屋。七〇八号室のいつもの風景です。  リビングの真ん中にあるテーブルに、いつものようにパソコンとにらめっこのままの長門さん。  その傍らには、風船犬のキミドリさんが意味もないのに後ろ足で頭をかきかき退屈そうにしています。  そしてわたしといえば、身長三〇センチ程度の、ま...
  • 普通短編44
    キョン「ハルヒ、髪にゴミが……」 ハルヒ「えっ……? どこ? キョン、とって。」 キョン「ああ……ってこれ毛虫じゃねえか!? 気持ちわりい!!」 ハルヒ「え!? うそちょっと! とってとってとってぇ!!」 キョン「気持ちわりい!! こっちくんな!!」 タダダッ ハルヒ「ちょ待っ、う……イヤァ!! 早くとってバカァ!!」 タダダッ キョン「こっちくんなよ!!」 ダダダッ ハルヒ「ちょっとぉ……!! ……ってキョン!? 背中にいもむしついてる!!」 ダダダッ キョン「えっうそ!? ハ、ハ、ハルヒとってくれ!」 ダダダッ ハルヒ「い、いやよ……!! こっち来ないで!!」 ダダダッ ダダダッ ダダダッ   ハルヒ「ってことがあったのよ……走ってる内にキョンの背中からいもむし落ちたからよかったけど……  全く、人騒がせよね……みくるちゃん……?」 みくる「はぁ……それで涼宮さんの頭についてた毛虫はど...
  • 涼宮ハルヒの改竄 version H
    あたしは中学に入学して他の奴らとは違う「特別」な人間になってやると改めて決心した。 「特別」な人間になる為に他の奴らが絶対やらない様な事を片っ端からやった。 そんな事をしている内に学校内でも特に浮いてる存在になっていた。 周りの奴らがあたしの事をどう思おうが噂しようがそんなのはまったく気にしなかった。 そんなあたしがイジメのターゲットになるのに時間は掛からなかった・・・   涼宮ハルヒの改竄 version H   まず上履きを隠された。 でも、そんな幼稚な遊びに付き合う気がなかったあたしは全く気にもしなかった。 そんな事を気にしてたら「特別」な人間になんて永久になれないと思ったからだ。   どうやら、それが気に入らなかったみたいで翌日にはあたしの机に幼稚な中傷が彫刻されていた。 まったく、ノートが取り辛いったらありゃしないわね。 バカとかブスとか死ねとかってもうちょっとなんかなか...
  • 橘京子の憂鬱(前編)
    『助けて…… 助けて……』 『おい、一体どうしたんだ?』 『ああ、よかった。変な人に追われてて……』 『変な人?』 『ええ。そうなの。鎌をもった、全身血だらけの人があたしを……』 『ははは、そんなのいるもんか。第一真っ暗で何もみえやしなしな』 『そんなことはないわ! 現に今、あの血の滴るような音が聞こえてくるじゃない』  ポチャン。 『ほら、今もあなたの方から……え??』  チャプン。 『……ね、ねえ……この音……どうして……あなたの方から聞こえてくるの……?』 『ふふふ…………』 『ねえ、どうしてよ。答えてよっ! あなたは一体何者なの!?』 『キミが見たって言う、変な人……それはもしかして……こんなものを振り回していなかったかい?』  ザンッ! 『い…………』 「いやああああぁぁあぁぁあああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!!!!」 「うるせーぞ!! さっきから何...
  • 長編・その他3
    SOS団お天気シリーズ 国木田の・・・ 涼宮ハルヒのストリートファイター 梅雨空に舞う雪 本名不詳な彼ら in 甘味処 沈黙の日 国木田の憂鬱 原付免許 クロトス星域会戦記(銀河英雄伝説クロスオーバー) 分裂、或いはSのモノドラマ(佐々木×キョン) セーラー服とメイドさん ユ・ビ・レ・ス Missing you関連 涼宮ハルヒの奇妙な冒険 ドラえもんとハルヒの鏡面世界(仮) (ハルヒ×ドラえもん) Macross Cross (MacrossF x 涼宮ハルヒ) 宇宙人は情報羊の夢を見るか? プロローグ ピノキオ 月の微笑シリーズ(佐々木×キョン) ランキング by.キョン(佐々木視点、オール物) お隣さんはすごいヒト 空と君とのあいだには 消失異聞 切り札と悪魔 谷口のTOT団 涼宮ハルヒの誰時 朝倉ルート 雷の夜のこと Live A Cat~シャミセンさんシリーズ~ 台風一過のハレの日...
  • 機械知性体たちの即興曲 第四日目/深夜
    機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第五日目/深夜 にゃがと    「……むにゃ」 キョン        「……違う。違うんだハルヒ……これは訳があってだな……朝比奈さんまでそんな……」 にゃがと    「……寝言?」 あちゃくら  「くー……くー……」 ちみどり    「すー……」 にゃがと    「……なぜ、全員で寝ている?(覚えていない)」 にゃがと    「それに、この配置は」 あちゃくら  「えへへー……キョンく~ん……」 にゃがと    「あちゃくらりょうこが、彼の右腕にしがみつき」 ちみどり    「すー……」 にゃがと    「ちみどりえみりが、彼の左腕に抱きつき」 キョン        「くかー……これは……浮気とかじゃなくてだな……違うんだ……話を聞け……」 にゃ...
  • グサデレ その4
    第71話 キョン「よっ、…と」 朝倉「ちょっとキョン君?」 キョン「ん?」 朝倉「今あなたペットボトルどこに捨てたの?」 キョン「燃えるゴミだけど?」 朝倉「あなたねぇ、ペットはちゃんと専用の場所があるでしょ?」 キョン「あぁ、うっかり忘れちゃうんだよなw」 朝倉「ペットを燃やしちゃったら危ないのよ?」 キョン「そんなに気にすんなよw」 朝倉「あなたみたいに地球に優しくない人は最早生ゴミ行きよ?じゃ死んで♪」 キョン「ちょww環境保全www」 朝倉「地球を大切にね♪」 キョン「(さすが朝倉、人だけでなく地球にも優しいぜ…はぁはぁ)グフッ」 第72話 キョン「あ”-…風邪っぽいな」 朝倉「あら、もしかして麻疹かしら?」 キョン「いや、ただの風邪だろ」 朝倉「その油断が命取りになるわよ?あたしが治してあげるわ、細胞ごと死滅させればいいわね? じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwヤブ医者www」 ...
  • Different World's Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その二)~
    一日目のマエノヒ   「じゃあね、長門さん。また明日。夜遅くまで、本読んでちゃだめよ。」   そういって、朝倉涼子は手を振りながら、エレベーターを降りていった。 さて、今日の晩御飯は何にしよう。最近、カレーばかり食べているからたまには、違うものを食べないと。     などと、考えているうちにエレベーターは7階に止まった。エレベーターから降りて、708号室へと向かう。鍵穴に鍵をさしこみ、ドアを開ける。中は、暗闇につつまれていた。   私は、壁についたスイッチで電気をつけ、本の他には何もない、閑散とした部屋に座り込んだ。 一人暮らしはつい最近始めたわけではないので、一人でこの部屋にいることも、もう慣れた。だけど、たまに一人でいることがたまらなく寂しく感じることがある。   今日はそんな日だ。   朝倉涼子でも呼ぼうか。いや、彼女は今日は塾があるとかいってたっけ・・・。   私は...
  • 長編・未分類2
    ハロウィンパーティー 箱入り娘 HAPPY TREE FRIENDS 自殺 少年達の雑談 SOS団の惨劇 パートナー 閉鎖空間と糞団員 家族 電波作品1 電波作品2 雪合戦 クリスマス中止のお知らせ 巡る財布 カオス・ザ・ワールド あたたかなもの 12月18日・A  dearest beyond of SuzumiyaHaruhi 宇宙人現る! SOS団ラジオ支部~深夜版~ こたつでみかん 迷探偵キョナン 特攻野郎アフロチーム 涼宮ハルヒの舞台裏 ある雪空の日のこと ロックンロールスターダスト トライアングル・ラン チョコ、キッス、カオス♪ My namewas... 平行記憶 雨の日のぬくもり 遠い場所までむかえに来て GANTZ とある2月14日の断片 ハルヒがみくるでみくるが長門で長門がハルヒで… 俺が古泉で古泉が俺で…(上の続編です) かわいい一日お茶だし係 続・孤島症候群 「涼...
  • 「につき」
    「につき」 この日はもう絶対!読まないこと! 2月21日(月) 晴れ あ~あ。またきょん君に嘘ついちゃった。 でもでも、しょうがない。ウン。 きょん君、きっと嘘だって知ったら、自分がお金出すとか言い出しちゃうし。 そんな事言われたら、困るもん。 あのオルゴール、すごい高かったなあ。 種類色々あって、ちょっと欲しくなっちゃったけど、 どうしようかな~。でも持って帰れないかな~ でも、雪が降るのは、もう無かった。 昨日、仲の良さそうなカップルさん(!)が最後の1つを買っていったって。 店員さんも、彼が優しそうで、羨ましくなったって。。。うーん。 とにかく、長門さんにはちょうどピッタリだったみたい。 色々、ちょっと羨ましい。かも。なんて。いわない。いわない。 それに、持って帰ってからコワれちゃったら、すごい悲しいかも。やめとこ。 でもあの時はびっくりした! 長門さんが「ぱぱ!」だって...
  • 【罪と罰】番外編/長門有希の幸福
    「…んぅ…」 彼の手が、わたしの髪をそっと梳くように撫でる。思わず声が漏れる。 片腕は背中に回されたまま。背中にかかる優しい圧力が、少しくすぐったい。 「有希…」 耳に届く、彼の囁くような声。 抱き締められたまま名前を呼ばれると、それだけでわたしの身体はぞくぞくする感覚に支配される。 彼に呼ばれたことが嬉しくて、頭を彼の胸に軽く押し付ける。 こんなにも彼に甘えることができるなんて、少し前だったら考えもしなかったこと。 ヒトの感じる幸福というものが何なのか、今ならば理解できる気がする。 「有希、俺のこと好きか?」 彼の言葉にわたしは顔を上げる。意地悪そうな笑み。 本来なら訊くまでもないこと。答えなど分かりきっているはずだから。 でも、わたしは知っているのだ。これが彼を喜ばせる為の一つの手段であるということを。だから、わたしは言う。 「…好き」 声が震える。昔のわたしなら感じるはずのなかったも...
  • キョンは大変なものを盗んでいきました in ハロウィン
     もし全世界からお菓子が消えてしまった場合、僕達はどうなってしまうのか。  そんなことを考えるのは象がタマゴから生まれた場合の殻の厚さを考察する行為に似て無意味なもので、僕達はもっと他の、先に繋がっていくようなことに頭を使っていくべきなのです。    しかし、それが実際に起きてしまえばそうも言ってられません。  つまり現在、僕達の大切なお菓子がその姿をくらましてしまっているのです。もっともこれは世界規模の話ではなく、極小規模な僕の周囲でのみ発生しているだけなのですが。  話を戻すと、僕個人としては通常お菓子が消え去ろうとも特に支障はありません。元々甘いものに頓着はありませんし、それが誰かに食べられてしまったからといって声を荒げたりなんかも僕はしない。  ですが、今だけは非常に困るんです。    何故ならば、今日はハロウィンなのですから。    そして僕は現在、お菓子を何処かへ持ち去っ...
  • クラス会-起承転結編
    *舞台は驚天動地編の翌日です。   「涼宮さん、おはようなのねん、ちょっとお話したいけどお時間大丈夫かしら?」 あっ阪中さん、おはよう、大丈夫よ乗る電車にはまだ時間あるし。 阪中さんもこの駅だったのね、……それにしてもなにかしら? ……キョンは今からでるってメールしてきたから時間はあるけど…… 「……それで一昨夜はどうだったのねん、キョン君お持ち帰りしたんでしょ?」 …ずばりきたわね……、えと……クラス会のあと……キョンと一緒になって…… 「涼宮さんとキョン君のコトだから結局カラオケとか漫画喫茶じゃないかって皆で噂してたんだけど……」 ……その……駅前の……ラブホに……ずっと…朝までその…… 隠してもしょうがないわね、どうせ谷口が知ってるんだし。 「「「「えーっ!? ホントに」」」」 おっ大野木さん達までいつのまに……、ていうか周りの人がこっちみてるじゃない、もう少し声を落と...
  • 涼宮ハルヒの仮入部~手芸部編~
    「今日は、みなさんと一緒に、枕カバーを、縫っていこうと思います」 満面の笑みで手芸部の部長さんがそう言う。 今日、枕カバーを縫うということは、部員募集のポスターにも書いてあったから、予定通り。 何で、枕カバーなのかは分からないけど、もともと手芸部に入ろうとしていたわたしからしてみれば、なんでもいい。 にしても、満面の笑みの部長さんとは対象的に、あたしの隣に座っている子は初めて顔を見たときから、ずっと無愛想。 涼宮ハルヒ この子ほど衝撃的な自己紹介をあたしは今まで見たことがない。 今となっては、あれがウケ狙いだったのか、マジメに言ったのか分からないけど。 多分、あの口調ぶりからしてマジメだったのだろうと思う。 ところで、涼宮さんが座っているのはあたしの右隣。 あたしの左隣には剣持さん、その隣には瀬能さんが座っている。 あたし達3人は昔からの仲良し3人組。 なんだけど、高校に入って、...
  • クラス会-驚天動地編
    どうしたのキョン、いくわよ。 「いや……その……ホテル代の……持ち合わせがなくて……、こういうのって普通男が出すっていうし……」 ここは前払いだったからあたしが払っておいたわよ、それに連れてきたのはあたしだし。 ていうかやっぱりキョンはヘタレね、男がいざという時の持ち合わせが無くてどうするのよ。 「そっそうか、すまん」 …キョンはホテル代も持ってなかったのよね……、ということはキョンは昨夜あたしをお持ち帰りする気が全くなかったってこと? これじゃぁあたしバカみたいね……、昨日キョンにお持ち帰りされたらどうしようって無駄毛のお手入れとか一生懸命だったのに……。 まぁ昨夜だってキョンはガンガン呑んでたし、もしお持ち帰りする気だったら自分じゃなくてあたしを酔わせてるわよね、でもキョンはそんな卑怯な手は使わないと思うけど……。 「ほらハルヒ、でようぜ……、おっ電話だ、……家からだな、お...
  • それは異世界からやってきた
    その日はしとしとと雨が降っていた・・・ なんとなく朝からいやな予感はしていたんだ・・・ まさかあんなことが起ころうとは・・・・・・・・     7月10日(雨)   朝、家をでて数歩ばかり歩くと目の前を黒猫が通り過ぎた。 黒猫が目の前を横切ると不吉なことが起こる。なんていうことはまったく信じていない俺は 特に何も思わずそのまま通学した。 「おっす、キョン」 教室に入ると谷口がこっちにやってきた。 「おい、おまえ涼宮となんかあったのか?」 『なんのことだ?』 ハルヒを見るとこっちを睨んでいた。 まったくもって心当たりのないことだ。 ハルヒはいきなり立ち上がると俺のほうへやってきた。 しかしそれは見当違いだったらしい。 「谷口!ちょっと来なさい」 「へっ!?お、おれ?」 ハルヒは谷口を引っ張って走っていってしまった。 いったいなんだというのだ? そんなこんなでハルヒと谷口は5分後に戻ってきた。...
  • ある雪空の日の事 後編
    ある雪空の日の事 前編より ハルヒの掛け声により決戦が始まった。 …。 …。 ………不思議だ。何故か随分と長い時間放置されていた気分がするが……まぁ、気のせいだろう。 …。 「っと?!」 …。 雪玉が俺の顔をかすめた……ボーっとしている場合じゃない。 …。 開始と同時に雪玉の応酬が始まる。やはり人数の差のせいか生徒会側の勢いが強い……が。 …。 「ふっふっふっ、当たらなければどうって事は無いのですよ……ふもっふ!」 …。 古泉は雪玉をヒラリとかわしながらしっかりと投げ返している。 鶴屋さん、谷口、国木田、他のメンバーも問題ないようだ……が。 …。 「ふええええぇぇ」 「みくるちゃん!ほら、しゃがんでないで投げなさい!」 「怖いですうううう」 …。 朝比奈さんは予想通りと言うか何と言うか……開始早々しゃがみこんで頭を押さえていらっしゃる。 …。 「朝比奈さん、こっちへ」 「ふぇ、キョンく...
  • 長編・キョン4
    キョンの完全犯罪 涼宮ハルヒの記憶 涼宮ハルヒの軌跡  絶対に… 卒業式の約束 キョン100%(2) 涼宮ハルヒの逆転(キョンの消失) すれ違う想い 家出少女 Love Letter from …? 好感日記 好感日記Ⅱ アルバム巡り 「涼宮ハルヒの憂鬱」改 (欝エンド) Park Golf in Summer !! 北高生の告白ラッシュ 二人、夕立、遊具にて やりすぎた嘘 儚い想い出  where Justice... 裏切り者 涼宮ハルヒの再会 神が手にした力のリスク まとめ 涼宮ハルヒの時駆 雛見沢・SOS (クロスオーバー) ツインズパニック! キョンは別れを惜しむようです キョンがアンケートから情緒不安定になりました 扇子 涼宮ハルヒの盗賊 キョンのその後 (MGS4とのクロス) トナカイからのプレゼント Am I father? ロマンティックが止められない(※ホモ・百合ネタ注...
  • キョン1/2  古泉編2
    万有引力の法則が絶対であるように、俺が文芸部の部室にいるのも絶対である。 部屋にはまだあの長門すら来ておらず、珍しく一番乗りだ。 俺はすることもなく定位置である椅子に座り、ここ数日の出来事を何となく思い返していた。 色んなことがあったが、そう言えばまだ古泉に呼び出された日の事を話していなかったな。 忌々しいことこの上ないが、愚痴だと思って聞いてくれ。では回想編スタート。   団活終了後、俺は新川さんが運転する車に乗せられて古泉が住むマンションへと 連れて来られた。長門ほどではないにしろ、金がかかってそうな建物である。 通された部屋の中はこざっぱりしていて、必要最低限の家具しかない。 取り敢えずソファーにでも座ろうとしたところで、 奥の部屋から古泉が何やら白いものを持って現れた。  「お待たせしました」  「おお、何やって――なんだソレは」 おい古泉、お前が手に持ってる白くてふわふわした生地...
  • 俺が涼宮ハルヒシリーズを知らなかった頃に、見た目だけで予測していた内容
    中だるみの時期とは、俺にとっては限定されるものではないと思っていた。…いや、今でもそう思う。地元でも有名な進学校へと去年の春に入学し、順風満帆な人生を謳歌しているんだと自惚れていたんだ。俺みたいな天才は、ほんの少しだけ努力すればいい…そう思っていたんだ。そして勉強を抜かるんだ結果見事にダブってしまい、身の程を知った俺は都外の高校へと転校した。 「お兄ちゃん、起きてよお兄ちゅぁん」 今日から正式に、一つ下の連中と付き合うことになったわけだが…どうにも気が進まない。県内偏差値35、東北で一番問題の不良高校だ。くっそう…なんで俺が まぁいい今日から俺は変わるんだ。眉をそり、髪も染めた。こんな田舎街の奴等が俺に敵うわけがないんだ…。 (あぁ~♪ 君はサンシャイン 僕のマイマイハニー) 変にイカれたようなラブソングが曲がり角の向こうから聞こえてくる。音源からし...
  • 長門有希無題1
    長門「・・・・・・」   女子A「へぇ~アンタでも微笑むことってあるんだ。何眺めてんの?ちょっと貸しなさいよ!」   長門「!!」   女子B「何ソレェ?入部届ェ??」   長門「やめて・・・・!」   女子A「もう書き込んであるじゃない。物好きな奴もいるもンねぇ~」   女子B「こんな根暗しかいない部活に入りたいヤツがいるなんてネェ」   長門「お願い・・・・返して・・・・!」   女子A「キモッ!あんた何必死になってんのぉ?」   女子B「いいじゃない、どうせこれ冷やかしでしょ?ちょうどいいわ。これ私達が捨てといてあげるわwww」   長門「!!・・・・やめて!お願いだから返して!!」   女子A「アァッ?触るんじゃねえよ!この根暗女!」ドゴッ   長門「っつ!!・・・うぅっ・・・!」   女子A「あ~キモイキモイ。根暗がうつるってーの。あ~っなんか冷めたっ!根暗がうつる前に行こっ!」...
  • LOST 8話
    長門か。わざわざ放課後に呼び出すって事はまた警告か?   「そう。だが警告は既に伝えてある。だがあなたは警告に背いた。最終判断を下す日」 最終確判断って…   「あなたは、統合情報思念体からの警告を受けてから約一週間の時間を与えられた。 その間に、十分答えを見出せたはず。よって今日この場で統合情報思念体による最終の判断 及びプログラムの実行を行う」   待て、確かに一週間の時間があったがそれがハルヒの能力や周囲になんら変化があったとは考えられないぞ。 それを考えれば、まだ判断するには早いんじゃないのか?   「それは違う。この一週間あなたと涼宮ハルヒの行動は全て監視されていた。と同時に涼宮ハルヒの能力は ほぼ完全に近い形で消去されている。現在涼宮ハルヒの能力を数値化で表すとすれば0.2%程度 これにより統合情報思念体は進化の鍵を失ったと判断。よって、残された道は一つとなった。」   俺は完...
  • 憂鬱な金曜日
    憂鬱な金曜日   梅雨。 雨は嫌いではない。 でも、あの湿気だけはどうも苦手。 ま、得意な人なんていないか・・・。 そんなことを、考えて外を見る。 すると、窓の縁の方にナメクジが這っていた。 「キモチワルイ」 「ちょっと、キョン塩持ってない?」 返事が、無い。 代わりに聞こえる声。 「彼は、寝てしまいました。涼宮さん。」 振り向くと、机に突っ伏してマヌケな顔 にヨダレまで垂らしている。 「全く、団長の命令なのに何寝てるわけ?」 「顔に、落書きでもしてやろうかしら・・・・・」 まぬけだから、気づかずにそのまま帰っちゃうんだろうな ふっ・・・。   まあ、いいか。 それにしても、よく眠れるわね。 こんなに、ジメジメしてるのに。 そして、また窓の外を眺める。 雨はまだ、止みそうもない。 傘、もって来たっけな? ふと、窓のふちを見ると ナメクジは、にげていた。 そして、また、外を、ボーっと眺めな...
  • 古泉一樹の災難
    「なぁ古泉」 「はい、なんでしょうか?」 「放課後に4階の空き教室きてくんないかな?」 ある日僕に2、3人のクラスメートが話しかけてきた。 放課後、4階の空き教室にこい、それだけ言うと彼らは去っていった。 普段から不祥事ばかり起こしている問題児に呼び出されたため、僕は無視もできないまま放課後に彼らに呼ばれて空き教室にきた。 もちろんキョンくんに「涼宮さんに部活を休むかもしれないと伝えておいてください」と頼んでおいた。 空き教室の扉の前で僕は少しだけ迷った。本当にきても大丈夫だったのだろうか。 機関で肉弾戦のときの場合にそなえて訓練をしてはいるけれども、僕の存在はあまり表にでてほしくないのでなるべく穏便にすませたかった。 面倒なことにならないといいんだけど、と思いつつ教室のドアを開けた。 彼らが窓際あたりで座っているのが見えたと同時に、僕のお腹に鈍痛が走った。 「ぐっ…!!」 ひざをつ...
  • 消失長門いじめ
    女子A「前から思ってたんだけどあの子キモくない?」 女子B「全然しゃべんないしね。なに考えてんのかわかんないよねー」 女子C「ちょっとイタズラしてみない?怒ったらなんかしゃべるかもしんないしー」 一同「アハハ!さんせー!!」   一部の男子と結託し、チャバネを15、6匹集めさせて 長門がトイレに行ってる間、弁当箱につめる。   ~昼休み~   女子A「あれえ?長門さんどこ行くの?」 長門「え・・その・・・」 女子B「長門さん昼休みになるといっつもどっか行ってるよね」 長門「その・・・部室に・・・」 女子C「たまにはあたしらとごはん食べようよ(ニヤニヤ)」 長門「え・・・うん・・・」   長門、半ば強引に連れられていく。すでにクラス中に回覧がまわったらしく、 ほぼ全員がニヤニヤしながら長門を見つめている。   きょどきょどしながらも女子の輪に入る長門。 おもむろに弁当のフタをあけると・・・ ...
  • 普通短編38
    長門「(この星で生活する事3年、色々な事を学んだけどまだまだ知らないことも少なくはない。)」 長門「魚卵…」 長門「鮭の卵は『いくら』、鰊の卵は『数の子』など別称がついている。」 長門「なのに…何故鱈の卵は『たらこ』…そのまんま…」 こうして今日も放課後、日は徐々に落ちてゆく…   「ちょっとみないでよぉ キョン」 いつも急ぎ足でこの部室へ逃げ帰ってるハルヒ なので足をかけて転ばせてみた 「いたぁぁ~い 何すんのよ!」 足をかけた 「擦りむいて かなり痛いわ これは慰謝料数百万ね」 無駄に高いな それより・・・ 「何よ」 今日はくまさん柄のパンツか 現在に至る 「言わないでよ 言ったら死刑だから!!」 今にも泣きそうなハルヒ 言っちゃうね 「やあああああああ 言わないでぇぇ」 反応がおもしろいな 言わねぇよ 言って何の得になる 「もうっ 馬鹿キョン・・・」 ハルヒに笑みが戻っ...
  • 普通短編23
    ~ある放課後の出来事~   ブゥゥゥゥン・・・     キョン「何だこの音・・・はっ!?」     歩道のほうへと勢いよく引っ張られる俺、 俺の真横数cmを猛スピードで走り去る車。     長門「危ない」     キョン「ああ・・・サンキューな」     長門「ブーブーに轢かれるところだった」     キョン「!!?」         ~ある放課後の出来事・その②~     キョン「で、今度は俺は未来に行かなきゃいけないと?」     ミクル「はい、とっても危険な任務なんでこれを持っててくださいね」     手渡された重厚感のある黒い鉄の塊     キョン「朝比奈さん、これって・・・」     ミクル「ハジキです。護身用に持っててくださいね♥」     キョン「!!?」     ※ハジキ = ヤクザ用語で拳銃のこと         ~ある日曜日~     ハルヒ「ほら春月!水族館よ!...
  • 長門有希の報告Report.24
    Report.24 長門有希の憂鬱 その13 ~朝倉涼子の手紙~  それにしても気になるのは、涼宮ハルヒが見たという夢。朝倉涼子が出てきたという。そして、あの『手記』を見せられた時の突然の閃き。あの時わたしは、誰かが囁く声を聞いたような感覚を覚えた。  あれは何だったのか。わたしの感覚器の誤作動か。  ここでわたしは、ある仮説に辿り着いた。喜緑江美里にその仮説を伝えると、彼女もそれを支持した。しかしその仮説を検証することはできない。なぜなら、それはわたしの感覚では知覚できないから。  江美里は、あるいは知覚しているのかもしれない。 「わたしが知っているかどうかは、不開示情報です。もし知っていたとしても、それを長門さんに教えるつもりはありません。……意味が無くなってしまいますから。」  わたしが辿り着き、そして検証することができない仮説。  それは情報統合思念体の把握している情報に...
  • 機械知性体たちの即興曲 第五日目/深夜
    機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第五日目/深夜 七〇八号室・寝室 キョン        「……がー」 みくる        「すぅ……すぅ……」 あちゃくら  「むにゃ……」 ちみどり    「……くー」 にゃがと    「…………」(モゾモゾ)(キョンの顔のところまで這いずる) キョン        「がー……」 にゃがと    「(ヒソヒソ)……起きて」(ペチペチ) キョン        「……ん?」 にゃがと    「(ヒソヒソ)静かに」 キョン        「(ヒソヒソ)……なんだ?」 にゃがと    「(ヒソヒソ)話がある」     七〇八号室・居間 キョン        「……あれだけ寝たのに、まだ眠いとは」(にゃがとを頭の上に乗せながら居間へ) にゃ...
  • 橘京子の憂鬱(後編)
     ”――橘京子とは?”  それは、涼宮ハルヒに備わった力――自分が願ったことを実現・具現させる力――を、本来の持ち主である佐々木に還元し、そして彼女に帰結しようと企む『組織』の一員にして、一介の少女。  愛嬌のある、かつ幼げの残る顔立ちとは裏腹に、『組織』内での地位はかなりのもの。  事実、朝比奈さんをかっさらったあの一件では自分よりも年上の男共に指令を下していたし、『機関』の一員である古泉――言い換えれば敵対勢力――に近しい俺に対し、しれっと協力要請をしたのも、それなりの力を見込んでのことだと思う。  そう言った意味では、下働きばかりが目立つ『機関』の若手構成員、古泉一樹よりかは格が上なのかもしれない。  ”――彼女の目的は?”  先にも言った通り、ハルヒに宿っている力を佐々木に移すこと。彼女ら『組織』は、その方が安全だと主張する。  彼女の主張はこう。 『ややもすれば世界をへんて...
  • 長門有希無題2
    ~ある日の放課後~ 今日は団長自らコスプレ衣装を買いに行ってしまったため部活はない 一人いつものように部室で読書を終えてから帰ろうとする長門の前に 女子A「やぁ長門さん♪」 長門にとってはよく知る顔が三つならんでいた 女子B「ちょっとプレゼントがあるんだけどぉ」 女子C「長門さんってすごい臭いからね~はい石鹸、食べて」 長門「・・・」 彼女たちはどうやら極端に表情に乏しいこのインターフェイスが気に入らないようだった (実を言うとそのインターフェイスの整った顔に不満があるらしいが) ちょくちょくこういう陰湿なイジメをしてくる たまにハルヒが助けてくれるのだが今日は期待できないだろう 長門「・・・」 女子A「オラなんとか言えよ」 女子B「いただきます、でしょ♪」 何故わたしは朝倉涼子のようにできないのだろう わざわざ敵を作ってまで 異様な存在にしてまで何故わたしの対話能力のレベルは低く設定され...
  • 涼宮ハルヒの仮入部~野球部編~
    俺は春休み前から思っていた。 高校に入ったら、自分を変えてみようと。 ただ、決心するのはまだかかりそうだ。 なんたって、野球部に入ったのはいいが、俺はいまだにロングヘアーだからな。 まあ、男の場合はロン毛と略したほうがあってるかもしれない。 とりあえず、ピアスは外した。 しかし、まだ坊主にする勇気がもてなく、いまだにロン毛だ。 どうやら、仮入部中は坊主にしなくていいらしいので、まだ仮入部の状態。 そろそろ、切ろうとは思うのだが・・・。 ところで、今俺は先輩達がバシバシ放つボールを拾っている。つまり、球拾いだ。 ありきたりすぎる。しかも、ここ何日かずっと。 と、そんな俺の横にいるのは、今日仮入部してきた、俺と同じクラスの女の子、 涼宮ハルヒ 普通、他人がどんな自己紹介をしたかなんてすぐに忘れてしまうだろうが、この子の自己紹介はすこし衝撃的。 後、10年は忘れそうにない。 ところで、...
  • 神への反逆
     生徒会室の扉が静かに開いた。  長門有希が入ってくる。 「状況は?」  喜緑江美里が端的に状況を報告した。 「あまりよろしくありませんね。私と長門さんを除く地球上の全インターフェースで防御していますが、涼宮ハルヒの力に押されています。もってもあと3時間ぐらいでしょうか」  長門有希は、無言でうなずいた。 「思念体の様子はどうでしたか?」 「混乱している。各派の議論がかみ合ってない。そのせいで、私の提案の検討にも時間がかかっている」 「まあ、無理もないような気がしますけどね。宇宙開闢のときから存在していたと信じていた自分自身が涼宮ハルヒの被造物であることを知ってしまったら、混乱もするでしょう」 「あと3時間で思念体も消される。それまでには結論を出してもらわなければ困る」 「それまでに結論が出なかったら、長門さん一人でも強行するつもりなのではありませんか?」  長門有希は、その質問には答...
  • 家族旅行 第一話
    晩ごはんはハンバーグ。母さんは何作ってもおいしいわね。 「そろそろ連休だが、ハルヒはなんか予定あるのか?」 親父がコップに発泡酒を手酌で注ぎながら言った。 確かにあと二日で連休突入ね。別段、これといって予定はないし、連休ぐらいはノンビリしてもいいような気がする。 まぁせいぜいあいつと遊びに出掛けたり、SOS団でどこか出掛けたりぐらいかしら。でも決めたわけでもないから、あたしはこう答えた。 「別にぃ」 「そうか、てっきり親に内緒で彼氏と小旅行でもたくらんでいると思っていたがな」 「そんなことする高校生がどこにいるのよ?」 「目の前にいるかと思うと父さん心配で、ついビールが進んでしまう」 「バカじゃないの?」 「それ発泡酒でしょって突っ込みを期待したんだが……まあいい、予定がないなら、家族旅行でも行くか? 父さん9連休ゲットしたし」 「残念でした~。学校あるし、9日も付き合ってらんないわよ」 ...
  • キョンの突撃
    パタン、と長門の本を閉じる音で今日の部活も終わる。 だが俺にはまだやることがあった。 朝比奈さんだ。 いつものようにお茶を貰うとき、一緒に小さな紙切れを手渡されたのだ。 いやなんとも丸っこい字で、実に朝比奈さんらしい文字が書いてある。しかしとても元書道部とは思えないな。 俺はそっと読んでみた。 『部活が追終わったあと、しばらく部位で待っていてください。 みくる』 うおーーーここれはお誘い!朝比奈さんのお誘い! 期待していいんですよね? ……なんてね。そんなウマイ話があるわけがないよな。   そして俺は今、3年後の未来に来ている。 今度は未来かよ。 なんだかんだいって、朝比奈さん絡みだといつも変なお使いイベントをさせられるな。 これが(大)の方の朝比奈さんなら少しは文句も言えるんだが、 (小)の方の朝比奈さんを前にするとそんな気がカケラがしないのはなぜなんだろうね?   「さて説明して下さい...
  • 涼宮ハルヒの仮入部~茶道部編~
    「では、今日は新入部生、仮入部生に、お茶点て体験を、してもらおうと、思います」 穏和そうな部長さんが、着物を身に着けて、言う。 そう、今日はようやくお茶点てができる日。 それは、部員募集のポスターにも書いてあったことで、 ずるい人なら、今日だけ仮入部ということもあるだろうけど、 一人だけ、はっきりと今日だけと分かる人がいる。 涼宮ハルヒ 話によると、いろんなところに仮入部して、どこも1日でやめてるらしい。 しかも、どこも完璧にこなして、運動部だと間違いなく、入部を薦められているとのこと。 この部活も例外ではないと思う。 特に、今回の場合、他にも誰か今日だけの人がいるだろうし。 ちなみに、あたしはこないだ入部して、袱紗さばきの基本やらを教えてもらっていたのだが、 お茶点ては初めての体験。うまくできたらいいんだけどね。 「では、まずは二人一組になって、互いに向かい合って座ってください」...
  • LOST 5話
    -放課後-   あの後俺とハルヒは部室でハルヒ特性弁当を食しまったりとした午後のひと時を過ごしていた。 もちろんハルヒの作った弁当の味は見た目、味共に文句なく上出来だった。コイツは本当に何でもできるんだな。 しかし、頭の中は今朝のことでいっぱいでしゅうしハルヒには怒られていたが そのたびに何度となく「お詫び」としてキスをせがまれた。   そんなあまっちょろい生活を守るべく俺は孤軍奮闘せねばならんのだ、いや…孤軍ではないか。 ニヤケ超能力者だが時と場所においてはそれ相応に役に立つ古泉がいるし 朝比奈さんもきっと何か手立てを教えてくれるはずだ、たぶんだが。 きっと力になってくれるハズだ。   未来人と超能力者+一般高校生でなんとか宇宙人に太刀打ちできるだろうか。午後の授業からは まるでRPGゲームのボスに倒せるかどうかわからないギリギリのレベルで挑もうかどうか迷っている主人公の様な心境だった。...
  • 普通短編8
    ハルヒ「キョン!私を食べて!」 キョン「ちょwwwwwwww    ・・・・・・いいのか?」 ハルヒ「・・・・・・来て」 キョン「いただきまーす」 ハルヒ「え・・・そういう意味じゃなくて・・・」 ばりんばりんくちゃくちゃはむはむはふっごきっぼきっばき ハルヒ「はっ!    ドリームか・・・・・・」 ハルヒ「ちょっと キョン!あたしを食べて!」 キョン「そんな事出来るわけねぇだろ、二人で助かるんだ」 ハルヒ「私はもうダメ、腕も動かせないもの」 キョン「ほら…水だ飲ませてやる」 ハルヒ「ごめんね、キョン。あたしがロッキー山脈登山大会を…グハッ」 キョン「ハルヒ!ハルヒッ!!犠牲になった皆の為にも頑張るんだ」 ハルヒ「ご…めん…みく…るちゃん達が…迎えに来たみたい…」 キョン「馬鹿なこと言うなハルヒッ!!」 ハルヒ「キョン…だけでも……たすか……クッ」...
  • 藤原くんの溜息
    ※周防九曜の溜息の続編っぽい話です      三年前の今頃。木枯らし吹き荒ぶ寒の候、暦の上の春とははやり旧暦に則った季節であると感じた二月の上旬。 三保の松原に降り立った天女の如き麗姿なお方が、あろうことか双子になるという至福且つ至高を感じ、しかし同時に発生した不謹慎且つ憤懣な事件によって地獄の底に突き落とされるという表裏一体の出来事があった。 言うまでもない。波瀾に満ち溢れた俺の高校生活の中でも三指に入るほど腹立たしいであろう彼の事件、『朝比奈みちる誘拐事件』である。 羽衣だけならばともかく本人そのものを奪い取るあの所業には、流石の俺も怒ゲージMAX230パーセントを32個分くらい溜め込んでもなお余りあるほどの怒りが込み上げてきたってもんだ。 その後も時々夢に出ては胸糞悪い目覚めで幾度となく学校をサボろうと何度思ったことか。もちろん、実際にはサボってなどないがな……。 と、それはと...
  • 嘘から出た松茸
    ※このお話は『渋皮やさしく剥いたなら』の後日談です※  女心と秋の空、とはよく言ったもので。妙に暑いなと思ってたら急に肌寒くなったり、はたまたジメジメとした小雨が長く続いたりもする、そんな季節の頃。  要するに秋の半ばだな。空を覆うように広がるいわし雲の下を、俺はハルヒ宅に向かって自転車を走らせていた。別に呼び付けられた訳でもなけりゃ、大した用事でもない。単なる気まぐれと言うか、たまにはちょっとしたプレゼントでもあいつにくれてやろうかと思ってね。お、見えてきた。  ハルヒの部屋の窓の端で、白いレースのカーテンが揺れている。日曜の昼下がりだし、もしかしたら家族で出掛けてるかも、なんて可能性も考えていたが、どうやら都合よく部屋に居るみたいだな。よしよし。  路傍に自転車を停めた俺は、そよ風にふわふわ揺れるカーテンを見上げながら、ピッと携帯のコールボタンを押した。 「あによ、キョン。何...
  • 涼宮ハルヒの旅路
    もうとっくに梅雨が過ぎてもいい時期にもかかわらず いつまでもずうずうしく居座り続ける梅雨前線のせいでムシムシジメジメしている今日この頃 期末試験も終わり我が高校における高校生活最大のビックイベント「修学旅行」の季節がやってきた   「ついにやってきたわ修学旅行が!行き先はハワイかしら?それともロンドン?もしかしてイタリアとか!?」   俺はというと今日も今日とてこのなにか修学旅行を勘違いしている団長様に振り回される日々   「んなわけねーだろだいたいなんでうちみたいなしょぼい高校が修学旅行で海外なんて行けるんだ}   「涼宮さん先ほど僕たちの学年全員を集めて修学旅行の説明があったのをご存知ありませんでしたか?」 どうしてこの蒸し暑いのにこの爽やか男はここまで爽やかでいられるのか やつの爽やかさの源はなんなのであろうか1980円以内ならばぜひとも買い求めてみたいものだ   「説明?あーなんか...
  • あま~い短編1
    ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」 キョン「え?あ~・・・食べたけど」 ハルヒ「なんで勝手に食べちゃうのよ!?あれはあたしが買ったものなのっ!」 キョン「そうだったのか。すまん」 ハルヒ「なによそれ!反省してないじゃない!」 キョン「・・・そんなに気に食わないなら、今度から名前でも書いとけ」 ハルヒ「っ!このバカキョン!」 バシッ キョン「~~~~っ!いてぇな!」 ハルヒ「うるさいうるさいうるさい!このバカキョンッ!もう離婚よ離婚!」 キョン「お、おいハルヒ、ちょっと落ちつけよ」 ハルヒ「近寄らないでっ!」 キョン「ハルヒ・・・そんなに怒るなよ」 ハルヒ「ハァハァ・・・もうあんたなんかにご飯作らない!洗濯もしないわ!」 キョン「なぁ悪かったよ。だから許してくれ」 ハルヒ「うっさいバカッ!もうあんたなんか知らないんだから!」 ↑の続き キョン「なぁ、まだ怒ってん...
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