涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「ヨグの子」で検索した結果

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  • その他短編置場
    ...! 長門有希の怪談 ヨグの子 ゆけむり殺人事件 喜緑江美理の影響 鶴屋さんの憂鬱 ブスの瞳に恋してる 朝倉涼子の退屈 センチメンタルグローリー 江美里の夏休み 仕返し 由良内科 小さな罪人 近くて遠い、すれ違い フレンドリー・グッドバイ 下り坂 佐々木×キョン(アダルトな関係) 朝比奈視点の長門・橘・藤原 藤原くんはあまいのがお好き 膝の上 おしかけ新妻☆天蓋領域娘九曜 長門有希の人望? こなキョンシリーズ(涼宮ハルヒ×らき☆すた) ハルシャミ保守 乙女ハルヒ日記 そんな日常 キョンの鬱憤 どこまでも届け お見合い? 「ずっと一緒に……」(藤原・九曜) 裏SOS団の会合 贋作保守シリーズ みくる日記 佐々木は長門のよき話し相手 謎掛け 涼宮ハルヒの言霊 God knows…(朝比奈みくるの場合) ハルヒはワガママを自重し 長門神社の猫又 残り一分の奇跡 突然の解雇、そして再就職...
  • 女の子
    妹「キョン子ちゃん起きて~」 キョン「…なんだキョン子ちゃんて」 妹「え?いつもどうりだよ、そんなことより早くしないとハルにゃん来ちゃうよ~」 キョン(なんでハルヒが家にくるんだ?何か約束してたか??) 妹「キョン子ちゃん!」 キョン「ああ、ごめん今行くから」 キョン「ん~、なんか肩が重いな……てなんだこりゃ!!!」 妹「うあ!?びっくりさせないでよ」 キョン(胸が!?胸が膨らんで…待て待てなぜだ?WHY?) キョン(まさか……ダダダ…やっぱり制服が女子のだ) キョン(俺には制服を愛でる趣味などない断じてない、ということはこれは俺のか) キョン「やれやれ」 さてどうしたものかこうゆうときはあいつが来るまで待つか キョン「遅い」 古泉「すいません、なにぶん入るのが大変でして」 キョン「またまともな形してないな」 古泉「ええ、なので手短に話します」 古泉「ここは閉鎖空間であり別世界でもありま...
  • 規定事項の子守唄 第八話
     お茶を買いなおす気にはならなかったので、そのまま歩くことにしました。  橘さんたちの姿は、もう見かけませんでした。ひとにぶつかったせいで、鬼ごっこに興ざめしてしまったのかもしれません。  歩いているうちに、バスケットボールのコートが近づいてきました。  小学生ぐらいの男の子たちが、三対三のバスケットボールをしています。まわりには、応援をしている子供たちや、彼らの保護者とおぼしき数人のおとなたちの姿もありました。 「朝比奈さん」  そっと、古泉くんがわたしの耳もとに顔をよせてきました。 「いまから、ちょっと僕にあわせてもらえませんか? こんどは、突き飛ばしたりしないでくださいね」 「ふぇ? 」  言葉の意味を理解するまえに、古泉くんが、わたしの手をにぎってきました。  指が、からまってきました。  あ、あの?  これ、恋人同士がする手の握りかたのような……。  あわてるこちらを尻目に、古...
  • 規定事項の子守唄 第七話
    「しかし、これはなかなかすてきな気分ですね」  古泉くんが、額のあたりを片手でおさえていました。 「彼も毎回、このような体験をされていたのでしょうか? 」 「はあ……。どうも、わたしの時間跳躍はそうとうに酔うみたいで。すみません」  わりとおおきめの公園でした。わたしはベンチに腰をかけ、力なくよこたわる古泉くんの頭を、ふともものうえにのせていました。  いわゆる、膝枕という状態でした。  いちおう、古泉くんはキョンくんとはちがい、時間移動で失神することはありませんでした。ただ、かなり気分が悪くなってしまったらしく、足元がふらついてどうしようもなかったのです。  天気がいいので、古泉くんはかなりまぶしそうにしていました。わたしはスカートのポケットからハンカチを取りだして、目のあたりにかけてあげました。 「ありがとうございます、朝比奈さん」  そういって、古泉くんがふうと息をつきました。  ...
  • 規定事項の子守唄 第十話
     部室に帰還したのは、出発の約一分ごでした。時間酔いを起こすだろうからということで、なるべくはやくにもどってきたのです。  といっても、むこうでは、あのあと一時間以上も、お話をしたり散歩をしたりしてすごしたんですけどね。おかげで、古泉くんのさまざまな面をしることができました。 「ありがとうございました、朝比奈さん。今日のことは、一生わすれないと思います」  時間酔いから回復したあとすぐ、彼はそういって、部室を去っていきました。  つぎの長門さんを待つまでのあいだ、ぼんやりと古泉くんのことを考えました。  いうまでもなく、古泉くんのトレードマークは笑顔です。だけど、それは同時に、彼が本心をかくすためにかぶった仮面のようなものでもあった気がします。  今日、わたしは、古泉くんの仮面のしたの素顔にふれることができました。彼も、こちらが本気でふみこんだことで、心をひらいてくれました。  でも、わ...
  • 規定事項の子守唄 第一話
     ふだんよりも、いくぶん早い時間に目がさめました。  昨日は眠れなかったし、もしかしたら寝過ごすかともおもったのですが、杞憂だったみたいです。  枕元の目覚ましは、ようやく午前五時をまわったところでした。寝室こそ、ほのかな間接照明のひかりで満たされていますが、障子の隙間から見える窓外の夜空には、いまだ墨のような闇がひろがっているようでした。  今日は卒業式。鶴屋さんやSOS団のみんなとのお別れの日です。  とくに、鶴屋さんは卒業後、将来のための海外留学が予定されています。出立は式の直後なので、一足はやく北高を去ってしまいます。今夜、この時間平面からいなくなるわたしとは、それっきり、もう永遠に会うことはありません。  布団から、体を起こそうとして、わたしはつい苦笑してしまいました。すぐには身動きがとれないほど、しっかりと抱きすくめられていたのです。 「にょろ……みくるぅ」  そういって、...
  • 規定事項の子守唄 プロローグ
     みなさん、こんにちは。……もしかしたら、こんばんはでしょうか? それとも、おはようございますかな?  うーん、挨拶はなんでもよかったですね。失礼しました、朝比奈みくるです。今日はすこし、わたしのことをお話しようかと思います。  ええ、みなさんもご存知のとおり、わたしは鶴屋さんと同学年で、涼宮さんたちから見たらひとつ先輩になります。だから、SOS団のみんなとは、一年はやくお別れということになってしまいました。  もともと、見習い時間駐在員としてのわたしの仕事は北高卒業までで、以降はとりあえず自分の時代に帰還することが決まっていました。そのごどうなるかは未定で、努力次第で出世していくかもしれないし、あんまりかわらないかもしれない、現状はそんな感じです。  わたしが、涼宮さんの監視任務というものすごく重要な仕事の一端をまかされた理由は、いろいろあろうかと思います。『あろうかと思います』なん...
  • 規定事項の子守唄 エピローグ
    「いい、以上で、ほ、報告をおわりますぅ」  そういって、目のまえにいる小柄な中年女性に一礼をしました。  四十代後半ぐらいに見えるこの女性は、ただのおばさまではありません。時空管理局環太平洋地域統括兼第三支局長そのひとであらせられます。ものすごい肩書きがしめすとおり、それはもうとてもえらいひとです。  ちなみに、名前は……とくに重要ではなさそうなので、かりに局長さんとしておきましょうか。たぶんコードネームで、本名ではなさそうですし。  ついでにつけくわえると、わたしたちがいまいる部屋は、時空管理局環太平洋地域第三支局本館局長室付応接室という名前がついています。ながったらしいですね。 「おつかれさま、朝比奈みくる。でも、ずいぶんと、めんどうな約束をしちゃったものよね」  約束というのは、長門さんに子守歌をおしえたときに、情報統合思念体に秘密にしてもらったことです。いまごろになって――といっ...
  • キョンの子育て奮闘記
    夏休みが終わった。 夏休みが終わったからには新学期がやってきてしまうもので。 夏休みの間ハルヒに振り回されたにも関わらず、体は鈍っているらしく坂道が物凄くきつかった。 あの坂道を下りるのかと思うと憂鬱だね。やれやれ。 そんな事を考えながら部室をノックすると、朝比奈さんの声が聞こえてきた。 声に違和感を感じたが、入っても問題はなさそうなので扉を開け、挨拶を―― 「キョンくん、こんにちは〜」 若い朝比奈さんがそこにいた。 いやいや、今でも十分に若い。だが流石にこれは若すぎる。 どう見たって幼児だもんな。あっはっは。どうすんだこれ。 ……現実逃避をしている場合ではないぞ俺よ。 きっとまた何か事件が起きて未来から朝比奈さんが送られてきたのだ。 きっとそうに違いない。 では何故そんな事態になっているのだろうか。 ここで部室の隅にいる筈の宇宙人に説明を求めるべくそっちを向いた。 あれ? 居ない? 視線...
  • 規定事項の子守唄 第二話
     そのご、わたしと鶴屋さんは、すこし気持ちを落ちつかせてから、寝室を出ました。  客間のひとつで、使用人のかたに絞りたてのグレープフルーツ・ジュースを一杯ふるまっていただいたあと、武道場にむかいました。武術の鍛錬のためです。  というのも、この一週間は毎朝、鶴屋さんにつきあって武術を習っていたのです。彼女とのつながりにしたかったので、ひとつでも技を教えてもらおうと思って、こちらからお願いしたことでした。  ずいぶんと飲みこみの悪い弟子になってしまいましたが、鶴屋さんはいやな顔ひとつせずに教えてくれました。 「おおっ、今日はどうしたんだい? 動きが昨日までとちがうよ! 」 「そ、そうですかぁ? 」  おそらく、思考規制がゆるまっている効果でしょう。わたしの運動能力も、たぶん以前とくらべて三割ぐらいよくなっている気がします。  とはいえ、もとがたいしたことないので、そこまでいうほどかわりませ...
  • 規定事項の子守唄 第三話
     北高卒業式は、午前十時からでした。  鶴屋家専属メイキャッパーのかたが手伝ってくれたおかげで、お化粧や身だしなみもばっちりです。登校も、今日は車で送ってもらえたので、らくちんでした。  もっとも、最後にあの坂道をのぼらなかったのは、ちょっともったいなかったかもしれません。いえ、疲れるのが好きというわけでもないのですけど、感慨という意味で。  いまは、クラスの子たちとともに、体育館の入り口付近で待機しているところです。ほかのみんなはわりとリラックスしている様子でしたが、わたしだけはちがいました。  なにしろ、未来では学校の形態そのものが異なっているため、卒業式というセレモニー自体がはじめての経験なのです。もちろん、クラスメイトたちといっしょにリハーサルはしていますが、それでも緊張するのはいなめませんでした。 「卒業生一同、入場」  合図とともに、吹奏楽部が演奏を開始しました。  音楽...
  • 規定事項の子守唄 第四話
    「しっかし、あいつがあんなことをいいだすとはね」  すこしむずがゆそうな表情で、涼宮さんがいいました。  いつもの、文芸部室でした。涼宮さんは団長席にこしかけて、頬杖をついているところでした。 「なんていうか……。あたし、ちょっとあいつを見誤ってたかも。陰険で、うざったいやつだとばかり思ってたんだけどな」 「ま、だれしも隠している気持ちのひとつやふたつはあるってことだろ。漫画やゲームじゃあるまいし、属性やらなにやらで単純に割りきれるもんじゃないのさ」  キョンくんが、苦笑めいた表情をうかべつつ、合いの手をいれています。古泉くんはそんなふたりを目をほそめて見守り、長門さんは我かんせずとばかり本を読んでいました。  ちなみに、涼宮さんがいっている『あいつ』とは、元生徒会長の彼のことです。  さきほどのサプライズ・ライブがおわったあと、卒業式は平常のプログラムにもどりました。つまり、彼による卒...
  • 規定事項の子守唄 第六話
     涼宮さんのつぎは、古泉くんの番でした。  もっとも、大泣きしたためのメイク直しなどもあったので、すぐにというわけにはいきませんでした。  やっと準備がととのい、涼宮さんがでていったのは、予定よりも大幅に時間が超過してからでした。彼女とほとんど入れちがいという感じで、古泉くんが部室にはいってきました。 「やあ、なにやらお取りこみだったようですね、朝比奈さん」 「す、すみません、お待たせしちゃって」  タイミングの早さから考えて、古泉くんは、部室のすぐそばで待機していたのでしょう。それも、予定の時刻からずっとにちがいありません。わたしは、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。 「えっと……。まずは、これをどうぞ。卒業記念の贈り物です」  とりあえず、例のぬいぐるみをわたすことにしました。男子がふたりいて、両方ともブレザーでは芸がないので、古泉くんのは体操着姿のものでした。 「おや、これ...
  • 規定事項の子守唄 第十二話
     部室から出ると、思ったとおりというべきか、みんなが戸口のすぐそばで待機していました。  そこまで、キョンくんがほかの女の子とふたりでいるのが心配なら、轡をつけて寝室にでもつないでおけばいいのに。つい、わたしはそんな物騒なことを考えてしまいました。 「みくるちゃん、最後だからって、キョンにへんなことされてないでしょうね? さっきからぜんぜん物音はしないし、鍵はあかな……い」  言葉が、尻すぼみになりました。 「ひ、人聞きのわるいことをいうな。俺はべつに」  ごにょごにょと、キョンくんがなにか言いわけをはじめていましたが、涼宮さんはそれには反応せず、わたしのほうを見ているようでした。  いっぽう、わたしは古泉くんにアイコンタクトをおくっていました。  あなたのバイトをふやしちゃうかも。ごめんね、古泉くん。そんな気持ちをこめて、彼の目をみつめました。  なにもいわず、古泉くんはただ肩をすくめ...
  • 長門有希の妊婦生活2
    長門有希の妊婦生活の続きです 「…あ…。」 「んー?どしたー?」 リビングの隅にあるパソコンを弄っている彼。 顔をこちらに向けずに画面に食いついてる。 「…動いた。」 「なにィィィィ!!?」 一瞬彼の顔が劇画チックに見えた。昼に読んだ漫画のせいかも。 「このッ!俺にもッ!『命』を体験させろッ!」 リビングの絨毯をずらす勢いでスライディング。…ユニーク。   「…もう動いてない。」 「…うー、悔しいなぁ…。」 「きっとすぐ動く。…来て。」 彼を抱きしめて、耳を私のお腹に当てる。 ぽっこりと大きくなった私のこのお腹には、彼との愛の結晶がいる。   どくん   「あ…。…今の?」 「…動いた。」   どくん、どくん   「あ…また……ウヒヒヒ…!」 感極まっているのか、私が妊娠を告げた時のように子供のような笑い声をあげた。 「…ふふふ…。ほーら、パパだよー。元気に育てよー。」 私のお腹をぽふ...
  • 規定事項の子守唄 第五話
     豪快な音をたてて、文芸部室の戸が開けはなたれました。涼宮さんがもどってきたのです。  団長席の椅子にどっかりと腰をおろし、涼宮さんはわたしをじっと見据えました。 「で、話ってなに? 」 「そ、そんなにあわてないでくださいよう」  すぐに、わたしは部室の鍵をかけました。かちゃりと、音がなりました。 「あら、鍵かけたの? べつにそんなことしなくても、どうせ今日はだれもはいってこないわよ? 」 「え、そうですかぁ? 」  あいまいな感じに見えるようにうなずいたあと、わたしはおもむろに自分の荷物を物色しはじめました。そうして、用意しておいた品物を取りだしました。  赤ちゃんサイズのお人形というか、ぬいぐるみです。布製で、なかに綿をつめたものでした。  ただし、用意しておいたといっても、これそのものは今回の任務とは関係ありません。単純に、お友だちにあげるための記念品です。 「まずは、どうぞ。卒業記...
  • 規定事項の子守唄 第九話
     公園を一周して、さきほどのベンチに、もどってきました。 「茶番劇に巻きこんでしまって、すみませんでした」  ベンチに腰をおろしてから、最初に古泉くんがいったのが、それでした。ふだんとはちがい、自嘲のような笑みをうかべていました。 「さっきの男のひとは、古泉くんのお父さんなんですね? 」 「はい。……風変わりなひとだったでしょう? スポーツ観戦とミステリーが大好きで、その話題が出ていると、知らない相手でも気軽に話しかけたりすることがあったんです。だから、ああすればきっとコンタクトがとれると思いまして」  話しかけたりすることがあった。古泉くんは、過去形でそういいました。 「それにしても、うごいている姿を見たのはひさしぶりでしたが、すっかり老けていましたね。あれで四十まえには、まったく見えないですよ」  肩をすくめて、やはり古泉くんは皮肉っぽい笑みをうかべました。 「お父さんは、その」 「...
  • 規定事項の子守唄 第十一話
     お化粧をととのえながら、わたしは自分の泣き虫さかげんに苦笑してしまっていました。  なにしろ、長門さんの歌を聞いたあと、涙がとまらなくなってしまったのです。ものすごく心の琴線にふれてしまったというか、ほとんど泣くためのスイッチを押されてしまったような感じになり、しまいには彼女にすがりついたまま、鼻水までたらしてしまっていました。  さすがの長門さんも、これには困ってしまったようで、わたしの頭をなでて、慰めようとしてくれました。 「泣かないで、朝比奈みくる。わたしがこの世界から消える日まで、今日おそわった歌は、このインターフェースの固有記憶領域からけっして削除しないから」  ハンカチで、わたしの顔をぬぐいながら、そう約束もしてくれました。  うわ、いけません。思い出したら、また泣きそうになってしまいました。ほんとうにわたし、どうしちゃったんだろう。  とにかく、つぎはキョンくんの番です。...
  • 未来の過去の話 1話
    文字サイズ小で上手く表示されると思います    全身を包む柔らかく暖かな液体、そこは何一つ危険の無い穏やかな場所。  この上ない安らぎの中で私は生きていた。  時折、私がいる場所を外から誰かがそっと押す事があった。  それが誰なのかを知りたくて、私は押されている場所を押し返してみる。  すると―― 「あ、起きてるのね。……ふふ、元気かな? ママですよ~」  優しい声が私の居る空間に直接響いてくる。  その声を聞くと何故か私は嬉しかった。 「あ~もう、早く会いたいわ」 「どんな子なのかな?」  自分をママだと言うその人は、私に何度も何度も話しかけてくれる。  その内容の殆どは意味がわからなかったけれど、ママの声を聞けるだけで私は満足だった。  けれど―― 「ふぅただいま」  ママとは違う、低い声。 「遅い! 罰金!」 「……その口癖、いい加減にどうにかしないか? 俺の小遣いが残ってないのは...
  • 束の間の休息・二日目
     「束の間の休息」の続きです。      静かな部屋。  光が射し込んでくる。  歩いてくるのは男の人。  ……私はその人を知っている。  愛している。  誰よりも強く。  強く。 「水銀燈! できたわよ! さぁじゃんじゃん召し上がってちょうだい!」 「うるさいわ。あなたは近所の犬以下? 折角の紅茶が台無しになるじゃないの」  朝が来た。  誰かの家で夜を明かしたのなんて何万時間ぶりかしら。  私はティーカップを手に取った。  次の季節に先立って紅い色をした水面。  そこに映った私はどんな顔をしていたかしら? 「52点」 「だぁーっ! これで38回目よ!? どんだけ評価が厳しいわけあんた!?」  涼宮ハルヒ。  私の期限付きミーディアム。  ――束の間の休息・二日目―― 「水銀燈。今日は市内不思議探しツアーをするわよ!」  朝食が終わって、私は本棚にあった童話を手に取っていた。 ...
  • 若葉の頃
     夏休みも目前に迫ったその日、俺達は何時もの不思議探索の延長線上という感じで、少し離れた遠くの町まで来ていた。探索と名前はついているが、その実態はただ高校生同士がぶらぶらと町をうろついているのと大差ない。  ちなみに俺達、と言っているが、どういうわけか今日は古泉は不在なので俺と女子三人という四人だし、組み分けもしていない。  ハルヒは「家の用事で、どうしても無理なんだって」と言っていたが、俺には古泉にハルヒの我侭に付き合う以上の用事が有る状態というのがどうにも想像できない。家の用事なんてのは絶対嘘だと思うが、じゃあ何だ。『機関』絡みかとも思うが、だとしたら、連中は古泉を拘束するよりハルヒの傍に置いて暇潰し対策をさせる方を優先するんじゃないだろうか。  まあ、四六時中古泉が居ないと駄目というわけでもないんだが。  けど、どうしても、ね……。正直なところ、気になると言えば気になる。まあ古泉...
  • 長門有希の報告Report.6
    Report.06 長門有希の陥落  いつもと違う、ちょっとおかしい(主に服装が)彼女と、いつもと違う、ちょっとおかしい(主に言動が)わたしの、いつもと違う、ちょっとおかしい(主に空気が)風景。  お茶を霧にしたり、お菓子の袋を引きちぎったりと忙しい彼女だったが、それでも次第にくつろぎ、話をし始めていた。  わたしはお茶のお替りを淹れたり、飲み物を取ってきたり、お菓子を食べたりしながら、彼女の話を聞いていた。  正確に言うと、話をしている彼女を見ていた、となるかもしれない。  彼女の話す内容は様々だった。普段部室やSOS団の活動中に話しているような内容もあれば、自分の身の上話、国際政治や領土問題から、芸能に今夜のおかずまで。彼女の興味の対象は幅広い。聞いていて飽きない、という感想を相対した人間は持つだろうと予想された。  ただ、それでも全体的な傾向としては、平均的な女子高生の会話の内...
  • ノスタルジー
    ぼくは、川を作るのが得意。 スコップでぐ~っと川を掘って、バケツでどしゃ~って水を流すの。 ちゃんと傾きをつけないとちゃんと流れないから難しい。 バケツで水を汲んできて、じゃ~。 そうやって一人で遊んでいると、砂場に影がかかった。 砂場から顔を上げると、黄色いリボンをつけた女の子がぼくを覗き込んでいた。 「あんた、そんなみみっちいことやってて楽しいの?」 大きなお世話だ、ぼくは川を作るのが好きなんだ。 女の子はぼくの隣に座り込み、ぼくの掘った土で山を作り始めた。 「あんた、もっと泥をよこしなさい」 「いやだよ、ぼくは川を作ってるんだから」 「つべこべ言わないの、さっさとよこしなさい」 女の子が怖いので、泥を渡すことにする。 黄色いリボンの女の子は満足したように頷いて、砂の山に泥を塗り始めた。 「二人だけじゃあんまり進まないわね。ちょっと待ってなさい」 黄色いリボンの女の子はびゅ~っと駆け出...
  • 女古泉'ちゃん'の憂鬱 プロローグ
    ぶかぶかの男の子用の制服を着て、きゅっ、とネクタイを締める。 そして、ぶかぶかの男の子用のズボンを履く。 それが朝の日課。 もちろん、このまま学校には行かない。 だって、僕は普通の男子高校生じゃないから。 鏡の前で、男の子っぽくする為のメイクを施す。 マジックハンドを装着して、25cmのシークレットブーツを履く。 最後に、変声機を装着する。 「さて、学校に行きますか」 こうして、女の子である僕は、男の子になりきる。 古泉一樹に。 第一話「梅しば」へ
  • When he is 38. -What the Gran'ma!-
    This page was created at 2008.03.09 This page was modified at 2009.02.23 TAGにTRIP埋め このエピソードは、When she is 78.の40年ほど前の話になります。 When he is 38. -What the Gran ma!- (ぴんぽーん) あら? 誰か来たみたい。 (パタパタパタパタ) 対応するまでもなく上がり込み、廊下を歩く少し早足な軽いスリッパの音。 思い当たる人物は一人しかいない。もうすぐ、顔を出す。 「おばーちゃーん」 「いらっしゃい。お茶とコーヒーどっちにする? それとも紅茶がいい?」 「紅茶!」 この子は近所に住む息子の長女で、来年中学生になる。 近所に住んでいることと、私もあの人も孫に甘いものだからよく遊びに来てくれる。 「それで、今日は遊びに来てくれたの?」 差...
  • 一樹ちゃん☆スマイル ぷろろーぐ
     わたしの名前は古泉一樹。  どこにでもいる、普通の、って言ったら語弊があるけれど、有る特殊能力を除けば、そんなに変わったところの無い15歳の女の子かな。  わたしの持っている特殊能力は二つ  一つは『涼宮ハルヒ』が閉鎖空間を発生させた時に表れる神人を退治する能力。  もう一つは、自分の外見の性別を変える能力。  前者はともかく、後者の能力がどういう意味を持つのかは、わたしもよく知らない。  わたしは別に男の子になりたいというわけでもないし、男の子の姿になってやりたいことがあるわけでもないし……、それに、性別を変えられると言っても特定の外見になれるだけだから、あんまりメリットも無い。  まあ、それを言ったら前者の能力にもわたし自身に対するメリットなんて殆ど無いんだけど。……でも、こっちは一応、その能力が存在すること自体の意味とか関連性って物を見出すことは出来るんだよね。でも、後者について...
  • 涼宮ハルヒの仮入部~野球部編~
    俺は春休み前から思っていた。 高校に入ったら、自分を変えてみようと。 ただ、決心するのはまだかかりそうだ。 なんたって、野球部に入ったのはいいが、俺はいまだにロングヘアーだからな。 まあ、男の場合はロン毛と略したほうがあってるかもしれない。 とりあえず、ピアスは外した。 しかし、まだ坊主にする勇気がもてなく、いまだにロン毛だ。 どうやら、仮入部中は坊主にしなくていいらしいので、まだ仮入部の状態。 そろそろ、切ろうとは思うのだが・・・。 ところで、今俺は先輩達がバシバシ放つボールを拾っている。つまり、球拾いだ。 ありきたりすぎる。しかも、ここ何日かずっと。 と、そんな俺の横にいるのは、今日仮入部してきた、俺と同じクラスの女の子、 涼宮ハルヒ 普通、他人がどんな自己紹介をしたかなんてすぐに忘れてしまうだろうが、この子の自己紹介はすこし衝撃的。 後、10年は忘れそうにない。 ところで、...
  • テキサスシュール勃起物語
     むっかしーむかしー古泉はー 古泉「おや、女の子がいじめられていますね」  彼の名前は古泉一樹。しがないサラリーマンエスパーだ。  そんな彼は晴れやかな天気の今日、獲物を求めて海岸を歩いていた。  日本海が似合う渋い男を物色していたのである。  しかし見つけたのは、数名のガキにいじめられている女の子だった。  無視しよう。  ていうか、ガキの男の子の方を攫ってしまおう、フヒヒ!  そう考えた古泉でしたが、やはり女の子を助けてあげることにしました。  たまには人助けもいいでしょう。  最近大根で色々と懲りていた彼は、なけなしの善意を振り絞ったのです。 古泉「おい、ガキ。やめないと俺のバルカン砲が火を噴くぞ」  アナルをガキに向けてドスの聞いた声をだします。  バルカンの弾はウンコです。  これを食らえば、スカトローンな人以外はひとたまりもありません。 ガキ「わぁー! ほんまもんの変...
  • (消失)長門有希のもしも願いが叶うなら 第4章
    第4章 3日目   彼とナツが印刷されたわら半紙を大量に持って帰ってきた。 「こうしてみるとすごい量だな」 「何言ってるの。これぐらいすぐにさばけるわ。増版が必要なんじゃないかしら」 2人は山積みになった紙を見て満足げだった。 機関誌といっても業者に発注し製本する予算などあるわけなく、2つ折りにした紙をホッチキスで留め、本にする。これが予想以上に面倒な作業で、100部すべて製本するのに3日を要した。 機関誌の表紙はナツが絵を描き、裏表紙には『北高生が好きな小説ランキング』が載っている。その次からランクインした小説の解説と書評が書かれている。また、文芸部オススメ本も何冊か紹介した。たとえ1人でもこの機関誌がきっかけで本が好きな人が増えたらどんなにうれしいことだろう。機関誌を初めて手に取った時、私は少なからず気持ちが高揚した。 私たちはさっそく部室の入り口に机を置きそこに機関誌を平積みし...
  • 女古泉'ちゃん'の憂鬱 第四話「Missing 神隠しの弾語り(改訂版)」
    「おはようございます~・・・あれ? 森さんと新川さんと、多丸さんと・・・ってみんな居ないですね」 朝起きて機関メンバーの溜まり場、通称「ニャッピー・イン・ザ・ワールド」に来たら誰も居ません。 「おいおい、俺は無視かい」 「・・・誰?」 「ラムゼイ機関のリヒャルド・ゾルゲだ」 「その機関じゃないです、ここはー!!」 だいたい1944年に処刑されてるし、戦後埋葬されてるじゃないですか。 つまりは、死人じゃないですか。 「俺はー墓場から蘇ってー」 「はわ、はわわわわぁ! あ、悪霊退散悪霊退散! ドーマンセーマン!!」 「はっはっはっ。まず少女よ、落ち着―――」   ドスドスッ。グチャ。バキバキバキバキバキ。 ・・・・グキッ。ドサッ。     第四話「Missing 神隠しの弾語り(改訂版) 」     多摩基地あたりに再び埋葬し合唱した後、僕は機関に戻った。 それにしてもどこに行ったんでしょうか...
  • 卒業式の約束
    今日は中学生活最後の日、つまり卒業式の日だ。 いつもより早く起きた俺は、感慨深い気持ちを感じながら学校へ向かっていた。     小学校を卒業するとき、俺は別に何とも思っちゃいなかった。 実際中学なんて小学校の延長のようなもんだったしな、通学路だって小学校のときと同じ道を通る、強いて言えば歩く距離が少し長くなったぐらいだ。 もちろんクラスメートはみんな小学校のときからの知った顔である。 いや、みんなというのは語弊が生じるな。 うちの中学は基本的にうちの小学校の生徒がほとんどだが、もう一つ小さい小学校からも少人数だが来ることになっている。 そんなわけで、俺には多少なりよく知らない生徒がいたわけだ。   中学生活にもなれてきたある日、隣の組にとんでもねー美少女がいると聞いた。 その頃俺はそういうことにあまり興味がなかったが、友達が見に行こうと言うので付き添うことにした。 隣の教室を覗き込むと、誰...
  • 家族の絆
    悪くない家族計画の続きです。 まだか……。ちくしょう。 なにも出来ない自分の無力さに苛立ち、腹が立ってくる。 くそっ、ハルヒはあんなにも苦しんでいるってのに……なにか出来ることはないのか……。   有「おとうさん。」   キ「…っと、すまん、なんだ?有希。」   有「…落ち着いて」   そこで、今、自分が意味もなくウロウロと歩き回っていることに気が付いた。 さっきまでそこの長椅子に座っていたばずだったがいつのまにか立って歩き回っていたらしい。 そんな自分の行動にも気が付かないほどおれは落ち着きを無くしていた。   今、おれと有希は病院にいる。そして目の前にある扉の向こうにいるハルヒのことを案じているわけだが、 別になにか大きな怪我をしたとか病気なわけではない。扉には分娩室と書いてある。 そう、おれと有希はハルヒとおれの子供が産まれてくるのを今か今かと待ちわびているわけだ。 ふぅっ…。ひ...
  • 水晶の夜⑨
      「君、朝比奈さんの家を知ってる?」 「知りません。」 教えてくれるわけもないが。 「古泉君の家を知ってる?」 「知りません。」 知りたくもないが。 「あの子の自宅は?」 「知りません。」 あいつは極端に自分のプライベートをおれに話したがらない。 知っているのはハカセくんの家庭教師をやっていることくらいだ。 この時計でさえおれの自宅に郵送されてきた。 「長門さんの家は?」 「よく知ってます。」 よくSOS団で集まる。 というより、ハルヒよりおれの方があそこに上がったのは早かった。 「君に見つけてほしくないんだったら、そんなところにいるわけないじゃないの!」 「わかりやすいって言うんだったら、おれの家にいたほうがはるかにわかりやすい。」 うちの家族だったらどんな時でもあいつを上げるだろう。 「あの子がものすごく臆病なことは知ってるはずよ!」 根本的な所から言わなきゃならないようだ。   ...
  • ピロートーク~未希編
    その1 未「ねぇママ、未希はパパのことが大好きなの!」 ハ「そうねぇパパもきっと未希のことが大好きよ」 未「うん……だから未希はねぇ、大きくなったらパパと結婚するの!」 ハ「……それは……パパはもうママと結婚してるから未希とは結婚できないわよ、未希は他にもっとカッコイイ男の子を見つけなさいね、未希はママに似て美人だから直ぐに素敵な男の子が見つかるわよ」 未「むー……ママずるーい」 ハ「ワガママいわないの未希、こういうことは早い者勝ちよ。第一ママとパパが結婚しないと未希は生まれてこなかったのよ」 未「むー……」 ハ「ムクれないの未希、……そうねぇいい事を教えてあげるわ」 未「なぁにママ」 ハ「未希が大きくなって好きな男の子が出来たら……ちゃんと…ちゃんと『大好きっ!』って自分の気持ちを素直に打ち明けるのよ、でないと人生損するわよ」 未「損するって?」 ハ「変な見栄とか意地とかそういったもの...
  • 涼宮ハルヒの仮入部~グリークラブ編~
    「あっ!榊君だ!」 「榊君今日もかっこいーー!!」 女の子の声が今日も聞こえてくる。 僕が今日もかっこいい? フッ、当然さ。 僕より美声で、かっこいい人なんて、僕が知りたいぐらいさ。 さて、今日も部活に行くとしよう。 僕が入部した部活はグリークラブ、別名男声合唱団。 なぜここに入部したか。 理由は簡単なことさ。僕のこの美しい声を最大限に発揮できる場所。 それが、この部活と判断したからさ。 それに、ここなら僕のかっこよさも特に際立ってしまうようだ。 感謝しなよ先輩方。僕のおかげで女の子の観客が増えるだろうからさ。 そして、僕が入部してから1週間、入学してからは2週間たつその日。 僕と同じクラスの女子生徒が一人、部室に入ってきた。 涼宮ハルヒ 噂によると、中学のときは奇人変人な人間だったらしい。 それは、自己紹介の言葉からしてもだいたい、想像できることだ。 も一つ、噂によると、さまざま...
  • 束の間の休息(×ローゼンメイデン)
    「……! あんた、誰!?」 「私? 私は水銀燈。ローゼンメイデンの第一ドール」  それが彼女との出会いだった。まったくの突然。  夏のひと時、あたしに舞い降りた……  ――束の間の休息―― 「魔女?」 「ま、魔女ですって!? あなた、それを誰に向かって言っているの!」 「ていうかあんた人形? どうして自力で動けるわけ? すごいわね!!」  綺麗な人形だった。凛としていて気品がある。 「ちょっと、気安く触らないでちょうだい!」 「あんた、何でここにいるの?」  水銀燈と名乗るその人形は、あたしの問いに一瞬だけうつむくようにすると、 「ちょっと飛べなくなったから、休んでたのよ。この部屋、私の好みには合わないけど、悪くないわね」 「あんた」 「なぁに?」 「瞳が綺麗ね……」  あたしは水銀燈の瞳に見入っていた。何でできているんだろう。  あたしが見つめていると水銀燈は急に気がついたように首を...
  • 反転世界の運命恋歌(Ver.キョン子)Ⅱ
    反転世界の運命恋歌Ⅱ  そう言えば、あたしと古泉一樹がペアを組んだのが午後の部だってことを言ってなかったわね。  そうね。あたしがこの世界に来てから今日の午前の部までのことを少し話しましょうか。  結構、不思議な気分に包まれたから。それと涼宮ハルヒが妙なことを聞いてきたことを紹介するのもいいでしょう。  …… …… ……  …… ……  ……  唐突だけど、まず、この状況を表現するにはぴったりの言葉はこれね。  あたしは眼前の光景に絶句した。  まあ、これは仕方がないことなのよ。誰だってあたしの立場になれば絶対に言葉を失くす。断言してもいい。  目が覚めたら、見知った部屋で、どこか既視感を感じようがあたしにも馴染みの北高のカーディガンつきセーラー服を着ていても、絶対に今日初めて遭った女の子が目の前に現れたんじゃ、こうなるわよ。  しかも自室に居たはずが全然違う場所に居れば...
  • 二人の3月末日
     唐突に吹きつけてきた風は、肌を刺すように冷たかった。  朝、9時30分。  私は、いつもの待ち合わせ場所でキョンを待っていた。  今日は寒かった。明日から4月だっていうのに、理不尽だわ。    しばらく待っていると、キョンが間抜け面をさらしてやってきた。   「遅刻! 罰金!」  私はいつものように、右手の人差し指をつきつけてそう宣告する。 「約束の時間には遅れてねぇよ」 「女を待たせてる時点で遅刻なのよ!」 「それは、どこの世界の法律だ?」    たわいもないやりとりのあと、二人連れ立って歩き出す。  私が寒がっているのに気づいたキョンは、自分の上着を脱いで羽織わせてくれた。  やっぱりキョンは優しい。    そうやって歩いていると、前方から嘘っぽい微笑みを浮かべているイケメンっぽい男の子と、人形みたいに無表情な女の子が歩いてきた。女の子は北高の制服を着ている。  北高の生徒? どっ...
  • おめでた
    ハルヒ「キョン、あんた最近太ったんじゃない?」   キョン「そんなことはないと思うが?」   別段よく食っているってわけでもないしSOS団に入ってからは 無駄に動くことが増えたこの状況で太る原因なんてないはずだ   古泉「キョンたーん」   顔が近い、キモい、離れろ …何だ?腹の調子が悪い…イタタタタ!!!   古泉「キョ、キョンたんどうしたの?」   キョン「腹の…調子が…」   ハルヒ「古泉君!キョンを保健室まで連れていって」   古泉「承知しました」   そんなこんなで俺は保健室まで連れていかれた   保健医「おめでたね」   キョン( ゚д゚ ) 俺は男だ。今まで生きてきて女に間違われたことすらない この保健医のババァは目が腐ってるんじゃないか?   古泉「キョンたん」   何だ、古泉。俺の思考力がついて行かないこの状況でそんなに顔を近づけるなキモい   古泉「これは涼宮さんが望ん...
  • 三匹が行く
    友情。 それはかけがえの無いもの…。 「泣くなよ…谷口。」 「さあ、もう泣きやんで顔を上げて下さい。」 「…ひっく…ありがとう…キョン…古泉…。」 泣く谷口とそれを慰める俺と古泉…。 「友達って本当…良いよな…。」 そう呟く谷口を俺と古泉は優しい目で見つめていた…。 …。 …状況が飲み込めない? OK。 では今回の事を振り返ってみよう。 …。 …。 …。 「……暑いな。」 「暑いですね。」 夏休みまで後わずかという土曜日。恒例の不思議探索でペアになった俺と古泉は夏の太陽が照りつける中を歩いていた。 「ったく、何が悲しくてこの暑い中を男2人でうろつかないといけないんだ…。」 「くじの結果です。仕方が無いではないですか。こうなった以上楽しむ道を探しましょう。」 古泉はいつもの0円スマイルを浮かべ穏やかにそう言った。 「楽しむ道ねぇ…。」 朝比奈さんと一緒ならいくらでも見つかるのだがな…。 と...
  • 第四章 テンスイブ
    第四章 テンスイブ それからはいろいろなことがあった。あのハルヒがおとなしくしているわけは無く、 そいつと結婚してしまった俺はいろいろなことに巻き込まれていろいろと 大変な目にあった。それでも、大学を卒業し、実際にいっしょに暮らし始めた。 その間も、クリスマスイブには必ずUSJに行った。ハルヒがいっしょとなると、 さすがにベンチに並んでただ座って、長門が本を読む、というわけには いかなかったがな。たまに古泉や、鶴屋さんを連れていったりもした。 そのうち、ハルヒは妊娠して子供を生んだ。男の子だった。 まあ、ハルヒの血を受け継いだ子だからな。歩きだすのも早く、 話し始めるのも早かった。ようやく、歩きだしたばかりの息子を連れて USJに行ったのはちょうど10度目のイブだったな。 俺たちは徐々に年をとりつつあったが、長門は相変わらず、 高校生のままだった。もっとも、仮に待機モードに移行しなくて...
  • とある超能力者の動機
     橘も古泉もらしくないですが、話の中で原作の彼等へ近づく仕様になっています。 ――――――――――  ただ、なんとなく過ぎていく毎日の時間の流れは酷く単調で、あたしはこんな毎日が大嫌いだった。 毎日、毎日歯を磨くことも、お母さんの作った朝ごはんを食べることも、隣の家に住む幼馴染と肩を並べて学校へ向うことも、教室でクラスメイトに挨拶をして、授業が始まれば教科書を広げ黒板を睨むことも、隣の席の子と机を合わせて給食を食べることも、午後の授業が苦痛なほどに眠気を誘うと言うことも、帰りのHRでの先生の無駄話も、週に一回回ってくる掃除の当番も、下校すら同じ道の幼馴染の可哀相なほど背の低さも、帰ってきたあたしを出迎えるお母さんのお帰りなさいのイントネーションも、全てが昨日とも一昨日とも、下手をすれば去年とも変わらないと言う事実に、あたしは正直、飽き飽きしていたのだ。    明日、目が覚めると同時に超...
  • 第五章 25番目のイブ
    第五章 25番目のイブ いつのまにか早いもので息子は高校生に、娘は中学生になった。 早熟で色気づいた娘は、クリスマスイブを家族と過ごす習慣を早々に切り上げた。 気に入った男の子とイブを過ごすために。 「恋愛なんて精神病の一種よ」 などと看破していたかつての奇人美少女の娘としては随分まっとうな展開だな。 俺もハルヒも40歳を過ぎ、そろそろ髮に白いものが混じり始めた。それでも、 ハルヒは依然として魅力的な若々しさを保っていたし、長門ほどじゃないにせよ 随分と加齢が遅いたちらしかった。 今度のクリスマスイブは長門が待機モードに入ってから25度めだという時期に、 俺たちの家族、正確には息子、によくある話と言えば話だが、まさか自分に 降り掛かるとは誰も思っていない事態がふりかかった。 それはちょうど明日はUSJに行くというクリスマスイブの前日のことだった。 冬休みの特別部活動に行くために息子が登校...
  • 家族旅行 第三話
    飛行機に乗り込んで、シートに腰を落ち着けた。足も伸ばす余裕あるし、座り心地もいい。 狭苦しいシートを想像してたけど、これなら快適ね。 あたしは窓際の席で、親父は通路側。母さんは親父とあたしの間に座った。 親父はまた文庫本を読み始めている。母さんは機内誌に目を通しはじめた。あたしも本でも読もうかな。 有希ほどじゃないけど、あたしも本は結構読むほうだし。 おなじみの救命設備のアナウンスが流れて、スチュワーデスが実演やったりしているのを横目で見ながら、読書タイムの始まり。 なんか滑走路が混んでるとかで、しばらく離陸見合わせって、なんとかならないのかしらね。滑走路増設すればいいじゃない? そういう問題じゃないのかしら。 いよいよ順番が来たみたいで、飛行機が走り始めた。途中でシートに押し付けられるまで加速して、ふわりと空に浮いた。 窓際から外を眺めると、どんどん飛行場が小さくなっていく。そして航空写...
  • 涼宮ハルヒの仮入部~新体操部編~
    わたしは涼宮ハルヒが苦手だ わたしは涼宮ハルヒが苦手だ 「そりゃあ、あの女が苦手じゃない人なんていませんよ」 と、今にも鏡に映ったわたしが言いそうな今日この頃。 そんなわたしは今、新体操部で、リボン回しの練習をしている。 わたしがこんなにも涼宮ハルヒに苦手意識するようになったのは、あの新体操部に入部したばかりのときに遡る。 その日はわたしが新体操部に入部した初日であった。 わたしは昔からバトンを習っていたし、運動神経もそれなりにあるので、こんなの楽勝だと思っていた。 だけど、これが意外とむずかしい。 リボンは思ったように動いてくれないし、ボールは腕をスーと通ってくれないし。 で、そのころはまだ仮入部してくる人も多く、その中にあの奇人変人で有名な、わたしと同じクラスの女の子もいた。 涼宮ハルヒ 話によると、いろんな部活に仮入部してるらしいので、ここもその一つなんだろう。 多分、こ...
  • 橘京子の暴走(後編)
    「いったーい!! 何するんですかぁ!!」  聞きたいのはこっちだ! 何やってるんだお前わぁここでぇ!! 「見て分からないですか? 高校の進路相談会のパーソナリティですよ」  そうじゃなくて何でお前が……いや、やめた。理由を聞いたところで俺のメリットになるモンは何もないし。大人しく流そう。そうだ、それがいい。 「えー。そんな事言わずに聞いて下さいよ。減るもんじゃないんだし。実はですね、組織が壊滅の危機に立たされてお給金すら配給の目処が立たなくなって、だからこうしてアウトソーシング的な仕事もこなさないとあたしのバイト代が……」  嫌だぁぁぁ! 聞きたくないぃぃー!! 「そんな我が儘許しません! これもそれもみんなキョンくんのせいですからね! いわゆる一つの『責任、取って下さい』ってやつですからよろしく!」  よろしくされる筋合いはねぇ! 全部お前が悪いんだろうが!! 「えー、だって……」 「...
  • キョンとハルヒの事実婚生活
    「ねぇ、キョン。事実婚って知ってる?」「………なんだそりゃ」「籍を入れずに結婚生活を送るってやつですか?」「そう、それ!」「ヨーロッパの方では広く普及していると聞いております」今日のハルヒは俺が部室に来たときには既にパソコンでなにやら調べていた「流石、副団長。物知りね……ねぇこれなんだか楽しそうじゃない?」ハルヒの笑顔が輝いている………いやな予感がするぜ「これやってみない?」「やってみない?って言われたって誰と誰がやるんだよ」「そんなのあたしがやらなかったら、あたしが楽しくないじゃない!」「………となりますと、相手は必然的にあなたということになりますね」「俺かよ!」「………なによ………嫌なの?」っう………目を潤ませての上目使いは反則だ!「い、嫌じゃないが………親にも聞いてみないとな。それに何処でやるかも」「それならご安心を。僕の知り合いにちょうどマンションの一室を(ry」「じゃぁ決まりね。...
  • 水晶の夜②
      「ええと、本気ですか? ただでさえあいつの買い物は長いのに、今日は量販店に行った時より、デパートの婦人服売り場に行った時よりも長い…。」 「当たり前よ。ウチの店をナメないでね!」 店長さんが人差し指を突きつけた。 だから、誰かを思い出させないでほしいんだが。 店長に従えられた店員どもがうなずいている。 客の回転が遅いのが自慢なんだろうか。 ソバ屋とは違うな。 俺は事務所から店舗に連れ出されていた。 店の電話から、あいつを呼び出せということだ。 結局今日も俺は流されているな。 いつもと同じだ。 やれやれ。 店員どもがいるのは当たり前だが、客たちもいる。 さっきからいた客なのかどうか俺にはもちろんわからない。 しかし、全員女性客なのは同じだ。 俺の味方はいないだろうな。 電話がスピーカーモードになっているのは規定事項なんだろうか。 「長門、俺だ。ハルヒに代われ。」 「もう一度、有希と呼ん...
  • 続々・花嫁修行危機一髪
     枕元に置いた携帯が着信音を奏で、僕は手を伸ばしてそれを開いた。 普段、5時という早朝に着信があれば、閉鎖空間発生か、と飛び起きるのだが、 今回はおそらくあの人からだろうな、と見当がついていたのでベッドに潜ったままだ。 表示された名前はやはり。 通話ボタンを押す。 「もひ…もしもし、古泉です」 ぼんやりした頭で、なんとか呂律を回す。 『おはよう。 今からそちらに向かう』 ピンポーン 「…ん?」 『着いた』 「え……」 一秒も間を開けずにインターホンが鳴り、長門さんが携帯の向こうでそう言った。 始めから扉の前から電話していた…という訳でも無いのだろうな、彼女なら瞬間移動だってやりかねない。 通話の繋がりが、向こうから先に切れた。 目覚めて一番にこれだと、なかなか疲れる。 ピッキングだか情報操作だかで、僕が玄関に行かずとも彼女は入れるだろうと思い、 余りに眠いので掛け布団の下で丸くなっていると...
  • love in vain~谷口の恋~
    大騒動の文化祭から1ヶ月が過ぎ、俺の学校生活も、 比較的穏やかなものに戻っていた。 季節は11月、深まる秋の気配が色づいた木々の葉の色にいやがおうにも感じられる。 そんな今日この頃。 今日も今日とて、俺は退屈な授業に欠伸を抑えながら、 貴重な青春時代のひと時を、こうして教室で過ごしている。 2年生の秋といえば、そろそろ大学受験の足音が聞こえてくるようにもなり、 予備校に通いだす者、授業に一層に身を入れるようになる者、と様々だ。 俺はというと、母親が予備校の取り寄せる予備校のパンフレットに目を通すこともせず、 だからといって学校の授業に身を入れるわけでもなく、 テストの成績は相変わらず平均ライン。 可もなく不可もなくという、そんな怠惰な学校生活を送っていた。 そんなある日、いつものように登校し、教室のドアを開けた俺に、 嬉々として話しかけてくる男がいた。 谷口である。 「オイ!キョン!ビ...
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