涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「俺の妄想」で検索した結果

検索 :
  • 涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ
    ...呂に入りながら考えた俺の妄想だ。  俺はずっと向こう側の世界に行って、SOS団を作り上げるまで試行錯誤しまくってきたわけだが、 実際のところ不可解な点もたくさんあるのが実情だ。  特に情報統合思念体については明らかに矛盾している点がある。連中は長門によるハルヒの力の使用は二度あって、 一度はハルヒのリセットで隠蔽、もう一つは直前で阻止したようだったが、今俺が帰ってきた世界の長門の世界改変分が カウントされていないのはなぜだ? 最初に聞かされた話じゃ、ここの連中とあっちの連中も結局は同じもののはずだからな。 そう考えれば、俺の知る限り長門による力の行使は三回あったはず。これはあきらかに矛盾している。  じゃあ、実はハルヒの勘違いで、こことあっちの連中は実は別物と言う可能性はどうだろうか? 一応パラレルワールドみたいなものだし、 その分だけ情報統合思念体が存在していてもおかしくはない。が...
  • 長編・未分類
    ... 涼宮ハルヒの業腹 俺の妄想 涼宮ハルヒの覚醒 涼宮ハルヒの覚醒 おまけ ビストロSOS団 三匹が行く 伝説の支援人 眠気と休日 【涼宮ハルヒの憂鬱meets星新一】 love and choice 【天地無用!SOS】 涼宮ハルヒの聖杯 2人の不思議探索 ケーキを食べよう 生徒会の陰謀 饅頭怖い ~ハルヒがみくるで、みくるがハルヒ~ 新世紀メランコリオン 涼宮ハルヒの病院
  • 涼宮ハルヒの仮入部~ハンドボール部編~
    ...た。 まあいい、今の俺の妄想どおりにすればいいだけだからな・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ おかしい!!!!!!!!!!!!!!! 先ほど3回言った『おかしい』よりも3倍以上気もちをこめて、叫びたい。 ボロ勝ちどころかボロ負けだ。 おかしいとしかいいようがない。 だってそうだろ、俺は運動神経高いやつを俺のチームに入れて、運動神経ないやつを涼宮のチームに入れたはずだ。 しかも、こっちは念入りに作戦会議。 ハンドボールというのは、たとえ一人が運動神経とびぬけてよくても、そう簡単に勝てるスポーツではないはずなのだ。 なのに、なぜ・・・・ やばい、明日筋肉痛になりそうだ。 「先生、あたしやっぱやめます」 「待ってくれ涼宮ーーーー!!」 そう言うと、涼宮は立ち止...
  • 朝比奈みくるの生活
    ...彼女の姿に、飛躍する俺の妄想。 馳せる俺の気持ちを差し置き、話はあらぬ方向へと展開していった 「あの、このまえ、見つかったじゃないでしゅか。毒が…」 『ハァ?』 「あの、餃子から… あれから私、お米以外のものをあまり口にしてなくて…」 『ハァ』 「冷食が、私の食生活の生命線だったので…」 『…』 その後の話を要約すると、こうである。 未来の時間管理局から派遣されてきている朝比奈さんは、管理局から現金による支給を受けて 生活している。 しかし、未来の社会と言うのは今の俺達の創造からかけ離れて腐敗した社会であり、末端工作員の 朝比奈さんにわたる支給は経由される担当者によるピンハネが繰り返され、朝比奈さんの手には 最低限の生活ギリギリの額しか残らない。(ついでに言えば、時間管理局の目的と言うのも、 正しい時間の流れを守るためと言うよりかは過去の時代の世界に干渉する事によって行き詰まって し...
  • 一日おにいちゃん 後日談
    ...心に刺さる一言。なぜ俺の妄想がわかるのだ、長門。 「ささささ、次を読むぞおー。」  ごまかす俺。 長門はまた本の方に向き直る。が、なぜか長門は、今まで直立不動だった上半身を、俺の身体に預けるようにもたれてきた。そして、お尻をもぞもぞさせて、さらに密着度を増すような動作をとり始める。いくら長門が貧ny… もといスレンダーな身体つきだとはいっても、そこはやはり十代半ばの女の子なわけで、それなりの柔らかさがあり、それでもって俺は健康な男子高校生であっ て、他の同業他者と同じく日々情熱をもてあましているわけで、そんな俺がこういう状態になったらどうなるか、つーか、身体の一部に血液が集まって集まっ て、ああああああっ!! 頭の中がピンク色一色になりかけていたそのとき、バーンっと、大音響とともに部室のドアが開けられ、我らが団長様が入ってきた。 「やっほー。」  団長様は、陽気な声を出しなが...
  • エッチな短編4
    ...コシコ はいはい俺の妄想俺の妄想 ハルヒ「たまんねぇ」 みくる「あっ…………そこは………」 ハルヒ「ここか?ホレホレ」 みくる「くやしい………ビクビクッ」 キョン「という夢をみた」 ハルヒ「溜ってるならいいなさいよ」 ジィーーー キョン「おいなにをしているんだやめたまえよ…」 ハルヒ「……ヌラリヒョン」 キョン「へ?」 ハルヒ「…………う、ううんなんでもないの!!」 キョン「??」 キョン「なあハルヒ。おまえはいつも俺を面倒なことに巻き込んでるが、俺のことをなんだと思ってるんだ?」 ハルヒ「…あたしはただ、あんたと一緒にいたいだけよ…」 キョン「それならさ、もう俺につきまとわないでくれ」 ハルヒ「!!………そんな」 キョン「これからは俺がおまえに勝手についていくからさ。無理しなくていいんだ」 ハルヒ「キョン。…ありがとう」 ハルヒ「キョン、ちょっ...
  • チェンジ・マイ・ヒーロー
    ...でさっきの脳内会話も俺の妄想じゃなくて、本当に精神対精神での会話ってことになる。 どうしてこんなことが出来るかって部分については追求する必要もないだろう。長門の同類である喜緑さんならこれくらい出来ても全然おかしくない。 これはきっと以前長門がやっていた『同期』なるものの発展版とかアレンジ版ってことなんだろう。……というか俺にそれ以上の回答を求められても正直困る。こんな馬鹿馬鹿しい状況の分析を真面目に考えたくも無いしな。 でもってどうしてこんなことをする羽目になったかについてだが……。   始まりは、些細な出来事だった。 遡る事……、って4年前をさして遡るっていうのもなんだが、ハルヒや古泉はともかくとして、俺に主観としては遡っているんだからそうとしか言いようがない。 まあとにかく、俺主観で半月ほど前のことになる。   6月も半ばを過ぎたとある日。 ああ、4年前の6月とは違う日...
  • グサデレ 夏休み・自宅訪問編
        朝倉涼子のグサデレ ~夏休み・自宅訪問編~   第1話   キョン「夏休みも残り僅かだな!さぁ最後の一日まで遊びつくそうぜ!!」 朝倉「そういうことを言えるってことは宿題はとっくに終わってるってことね?」 キョン「う……お、おう!あ、当たり前だろ!?」 朝倉「あら意外ね。もしやってなかったら今頃キョン君をズタズタに引き裂いてるところよ♪」 キョン「……」 朝倉「もう一度聞くわね?『宿題』は本当に全部終わったのかしら?」 キョン「…いいえ」 朝倉「あたしの耳がおかしくなっちゃったのかしら。あなたさっきやったって言ったわよね?それは今度は終わってないっていうのはどういうことなの?つまり嘘をついたって事よね?嘘つきって最低よね、あたし嘘つきって大嫌いなの。あ、でもキョン君はもっと嫌いだけどね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺嫌われすぎwww」 朝倉「あなたなんか誰からも好かれるわけ...
  • お姉さんなんです。 キョン編
    関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ       「あの、朝比奈さん。 ちょっといいですか?」  コンコンッとすこし乱暴なノックに返した返事のすぐあとに文芸部部室に入ってきたキョンくんは、第一声をこう切り出しました。 その表情はいつもより真剣で、 一体あたしに何の用だろう……? だめ! キョンくんには涼宮さんが……!! なんて妄想が頭をかすったのは、禁則事項です。  ……あたしだって未来人である以前に女の子なんです、ちょっとの妄想くらいいいでしょう?  ああ、お話がそれてしまいました。 キョンくんのお話でしたね。  キョンくんは先ほど同様、いつになく真剣な表情のまま私の目をじっと見て、搾り出すようにこう言い出したのです。 「朝比奈さん。 こんな事を聞くのは反則かもしれません。  でも、なんと言うか、朝比奈さんしか相談できそうになくて……。   ハルヒに聞くのは本末転倒で...
  • キョンは歴史に欠かせない人物でした 第一章
    ...くなって・・・ヤバイ俺の妄想が止まらなくなってくる。谷口のランクでいえばAAA+いやSか?SS+かもしれんぞ。 ・・・朝比奈さんの美貌に敵う奴がいたのは驚きだ。 とにかく、魅力が当社比45%増しだ。 「…なに?」 「いや、魅力的だなって・・・」 「あれ、キョンくん。いつ間にそんなに女好き&素直になったんですか~?」 からかわないでください。 そして、長門。照れているのはうれしいがあんまり強く腕を握らないでくれ。すごい痛い。 お前の魅力が恐怖に変わりそうだ。 そんな、会話をしているとハルヒが駅からやってきた。 「みんなーっ!久し振りーっ!元気だった・・・みくるちゃん?」 「はい。そうですよ?」 疑うなよ。人のことは言えないが。 「・・・・かっわいぃぃっっっ!」 普通の反応だがな・・・俺はお前もじゅぅぅぶんかわいいと思うぞ。いやはや、女は高校を出るとすごく変わるとはよく言った!あれ?違う...
  • 「秋雨」「春雨」
     吹き抜ける風も寒くなってきた11月、俺は親の命を受けて映画の時に――勝手に――使ったあの神社へ向かって歩いていた。   素人目には過疎にしか見えないあの神社は、親曰く地元では地味に人気らしくこうして年の瀬まで一月以上前でもなければ絵馬を 描いてもらえないんだとさ。絵馬なんて物は別に妹の落書きを置いといたとしても差ほどご利益に差があるとは思えないが、 ここで無駄口でも叩こうものなら年末に向けた家の掃除に駆り出される事は目に見えている。  さて、無駄な事を考えているうちにようやく神社が坂の上の方に見えてきたようだ。  なんでこんな高い場所に神社なんて作ろうとおもったのかね? まったく。  道は舗装された歩道から石段へと変わり数分後、ようやく辿り着いた神社はやっぱり過疎だった。絵馬が人気なんてのは内の 親の妄想なのではなかろうか。もしくはそうあって欲しいという希望とかさ。  社務所の中からでて...
  • 蜃気楼
    「あ、こんにちは、キョンくん」 俺の愛しの天使様、朝比奈みくるさんが今日も部室で出迎えてくれた。 俺はいつも言い過ぎとも言える表現で朝比奈さんを比喩するが、あながち言い過ぎとは言えない。 何故なら……俺は、完全に心奪われていたからだ。 あれは先週だったか?SOS団全員が俺の家に来たときだった。 ゲームに夢中になってる奴等から少し離れて、シャミセンと戯れる朝比奈さんの笑顔を見た時に俺は恋に落ちた。 穏やかで、かわいくて、それでいて守りたくなるような笑顔に俺は完全に惹かれたのさ。 ともかく、俺はいつものようにお茶をもらった。 今まではそんなに気にしていなかった距離、今じゃお茶を受け渡す距離でさえ俺の鼓動は早くなる。 本気で恋に落ちたのは初めてだ……。それを悟られないようにするのも一苦労なんだな。片思いの奴の気持ちがよくわかるぜ。 「あの……お茶、美味しくなかったですか?」 とても不安げな表情で...
  • 普通短編43
    ...がなくツルペタだが、俺の妄想の中では人間、内気、パイパンのロリ体型だぜ! ほーら、目を閉じればあいつの恥ずかしそうな顔が見える… 「キョン、そんなに見つめないで」 いいんだよ有希、お前がかわいいからさ。 「嘘。かわいくなんかない」 フフフ…俺にかわいがられたいんだろ? 「キョンになら、何されてもいいかも…」 こうして俺は妄想の中の長門有希といちゃいちゃを楽しんだ。 「ちょっとキョン! なに部室で寝てるのよ。起きなさいってば!」 …おおっと、いつの間にか寝てしまっていたようだな。それにしてもうるさい女だ。次のターゲットは涼宮ハルヒ、お前だっ!   みくる「おはようござ……部室タバコくさっ!」 キョン「ああ、朝比奈さんおはようございます。いやハルヒが、鍋してもばれないんだからタバコくらい大丈夫だっていうんで」 ハルヒ「そうよ、それに一人で吸うよりみんなでのほうがいいもの」 古泉「...
  • 俺の右隣には
    俺とハルヒが付き合い始めてはや半年。いやぁ、早いものだなぁとしみじみと思う。 と、感慨にふけるのもこの辺にしておこう。今、ハルヒは俺の部屋に遊びに来ている。そしていつものように俺のベッドに2人で腰掛けている。 さて、この状況で何をするのかと言うと、なんてことはない、ただ世間話や近況を話す。まぁ同じクラスで同じ部活なのだから話すことは限られてくるが。 ましてや古泉や朝比奈さんに連れられて閉鎖空間とか過去に行ってきた、などとは今はまだ言えない。まぁいつかハルヒが普通の女の子になった時は話してやってもいいだろうと考えている。 ハ「ちょっとキョン!あたしのプリン…じゃなかった、あたしの話聞いてるの!?」 聞いてますともハルヒさん。ただお前の声がもっと聞きたいからもう一度言ってくれるとうれしいんんだが。 ハ「っ!もうっ…あんたが最近有希と仲良いのが気になるって言ったの!」 俺としては長門は頼りにな...
  • 涼宮ハルヒの邁進 その3
    ...ていたんだ。 ただの俺の妄想だったら、古泉たちは当然それを否定するはずだ。 「あら、このノートもっと面白いことができるみたい」  そう言って朝倉はノートを見つめ始める。すると、SAの建物が突然大爆発を起こし木っ端微塵に砕け散ってしまった。 なんて事しやがる――  だが。  俺の脳裏にある可能性がよぎった。いや、これもただの妄想に違いない。そんなご都合主義なことがあってたまるか。 あるわけがない。ありえない!  だが、朝倉が俺に告げた内容は、 「このノートに書いてあることは現実にも反映されるみたいね。ああ、なるほど。だから、あなたの妄想が ノートに反映されてそれが現実になってしまったってことみたいね」 「バカ言え! そんなわけがあってたまるか! そんな馬鹿げた話があってたまるか! そんなわけが――」 「でも、それが現実よ。ここは閉鎖空間。何が起こっても不思議はないわ」  朝倉の声がとて...
  • 涼宮ハルヒの邁進 その4
    ...?  それどころか、俺の妄想にすぎなかってのか?  だが、あの正体不明のノートのおかげでそれが現実になり、古泉たちの存在まで書き換えてしまった。  そして、俺が作り出した妄想で俺が悪の組織に仕立て上げた機関の人たちを俺の手で皆殺しにしてしまった。 「いつまでそうやっているつもり?」  力なく自動車道の縁石に座り込んでいる俺の隣には、ずっと朝倉がいた。座りもせずにただただ優しげな笑みを浮かべ 俺をじっと見下ろしている。  俺は力なく路面を見つめたまま、 「……何もする気が起きないんだよ」 「でも、何もしないからといってこの現実は変わらないわよ」  朝倉の台詞は陳腐にすら思えるほど定番なものに感じた。その通りだ。何もしないからといって何が変わるわけもない。  だが…… 「どうしろってんだよ……! 死んだ人間はもう生き返らなねえんだぞ! こんな……こんなことをやらかして どの面下げてハルヒ...
  • 鶴屋さんの隷属 前編
    ...呆みたいな話は断じて俺の妄想では無い。そこの所をしっかりと理解して頂けたら、さぁ、始めようか。 ……こら、そこ。後ろ指を差すな。 「おいっす、少年」 放課後。文芸部室に向かう途中。ばったりと出会ったのは麗しき、かつ、ざっくばらんとした対応に定評の有る先輩である。今日もおでこが愛らしい。 「ああ、鶴屋さん。こんにちは」 俺が会釈をすると、鶴屋さんは……あれ? いつもなら笑いながら肩をばしばしと叩いてくるはずなのにどれだけ待ってもそれが無い。 体調でも悪いのか? 顔を上げるとそこにはいつになくしおらしい……顔を赤らめた鶴屋さんが居た。って何で!? 慌てて社会の窓を確かめる。オーケー、谷口にはなってない。 (谷口:社会の窓が全開な様。同義語にWAWAWAなどが存在する) 他に思い当たる事は特に無い。教室での国木田の態度も自然だった事から、外見で失礼をしているという事は有るまい。 ならば...
  • 涼宮ハルヒの夢幻 第二章
      第二章     俺の安らかな眠りを妨げる者は誰だ。 目覚まし時計が朝を告げる音を軽やかに鳴らす。 朝特有の倦怠感と思考の低下は、俺の1日の始まりである。 不機嫌な状態で居間へ下り、テレビを観てハッとする。 「8 45」 あれれー? 急いで洗顔を済ませ、歯を磨き、着替えて愛車にまたがる。今日は朝飯抜きだ。 「待て。」 「あ?」 振り返ると1人の男がいた。俺の全神経が集中する。この自嘲的な笑みが憎たらしい。 こいつはいつぞやの俺と朝比奈さんの邪魔をした未来人っぽい奴。 「生憎、俺は男に興味は無いのだが。」 「忠告しに来ただけだ。死にたくないなら、今日は行くな。」 「お前を信用出来ない。お前は俺の敵だろ。」 「知るか。俺の敵は朝比奈みくるだ。」 「朝比奈さんは、俺の見方だ。その敵は俺の敵でもある。」 「まあいいさ。規定事項で近日中にお前は死ぬことになっている。」   ますます嫌な事言うな。「...
  • 女古泉’ちゃん’の憂鬱 第四話「涙の宅配CoCo」
    第四話 「マッGIRL!!」   「・・・・・」 何となく屋上で寝っ転がって空を見上げる。   ――――――――――――。   誰も居ない屋上だから当然静かで、   ――ザワ――ザワ――――。   足音も喧騒も聞こえるのは校庭からのみ。 そんな感じだからだろうか。少し寂しい。 早く放課後の喧騒が欲しい。そして何よりも彼の顔が見たい。 最近とても僕の中で彼の存在が大きくなっていく。 好きだった気持ちが更に好きになって、もっと好きになって好きになる。 キョンくんが僕を占領していくのだ。 手を空に伸ばしてみる。あんなに雲が近くに見えるのに、実際は凄い遠くにある。だから掴めない。 まるで、僕とキョンくんのように。 いつもあんなに近いから手を伸ばして掴んではいるけど、本当のキョンくんを掴んだことは無い。 どうしたら捕まえられるのかな。機関に居る限りは無理なのかな。 愛されたいって願ったら駄目だよね。...
  • 冗談まみれの勉強会
    「今夜、親いないしどうせなら泊っていくか?」 どうして俺はこんなことを言ってしまったのか。 悔やんだのは発言のわずか2秒後だった。 「ああ、そうさせてもらおう」 佐々木は俺の提案にためらいなく頷いたのだ。 待て佐々木、これは冗談だったんだ。仮にもお前は女で、俺は男だぞ。 「言われなくても僕と君の性別は記憶しているよ」 「だったら泊まるな」 佐々木は抗議を聞き流し、俺が広げていた問題集を取り上げて目を落とした。 「キョン、まだこの単元を理解していないようだな。 基礎が固まっていない。ここの問題なんて、最初の計算式が間違っているよ。 基本公式はしっかり覚えるべきだと何度も言っただろう」 「お、おう。悪い」 突き返された問題集を机に置く。 向かい側に座っている佐々木の問題集は全ての解答に丸がついている。 数学はこいつの得意科目で一番の得点源だったな。 悪魔の教科が好きなんて俺には異世界人か宇宙人...
  • 分裂、或いはSのモノドラマ
     ◆ 0 ◆      目が覚めると、そこは見知らぬ場所だった。  ただ、ここがどんな場所かということは未だ半覚醒状態の脳であっても、なんとか判断することが出来た。  なぜならば、俺が突っ伏していたのはどこにでもある一人用机であり、座っていたのは、それに付随するスチールと木で出来た椅子だ。加えて足下は木製のタイル。  そして周囲には同じような机と椅子のセットが並び――顔を上げた先には、俺の日常生活において、平日の1/4以上の時間、視界を占拠するもの――つまり黒板があったからだ。  つまり、ここはどこかの教室ということだ。  どこか、というのは風景に全く見覚えがなかったからだ。小・中・高、どの教室の記憶にも該当しない風景。一体全体なんで俺はこんな所にいるんだろうか。    自分の四肢身体を確認すれば、どうやら俺は制服を着ているらしい。だが、その制服も見覚えのないものだった。  頭...
  • キョンの子育て奮闘記
    ...だが、こればっかりは俺の妄想力に後悔するね。 勝手に後悔しろと残酷ではあるが、もっともなもう一人の俺の声を聞き流し、 やっとこさ遊園地に入るまでにこぎづけたのであった。   さて、入ったはいいが何から乗ろうかね。 意見を聞いてみるが、あれに乗りたいこれに乗りたいと騒ぐのでお話にならなかった。 「……ったく。一番近いとこから乗るぞ」 四人は俺の意見に賛成らしく、地図を見て一番近いところはジェットコースターだとはしゃいでいた。 ちょっと待て? ジェットコースター?     ……やっぱりか。 結論から言おう。身長が足りなかった。 すると、ハルヒがどこからともなくトンカチを取り出し―― 「お前、何する気だよ!」 「カンタンな事よ!」 溌剌とした笑顔ではっきりと、恐ろしい言葉を吐き出したのだった。 「これであたしのアタマをぶんなぐるの!」 「はぁ?」 一瞬目の前が暗転したように思えたね。 「 ...
  • 彼岸花
    秋の放課後、私は一人部室から窓の外を眺めていた。   角度のせいで、グラウンドはまったく見えずガラスの囲いに区切られた空 だけがゆっくりと流れている。   『みんな薄情よね、せっかく団長が戸締りするって言ったんだから、待っ ててくれてもいいのに』   などとついさっきの行動と矛盾した思いを抱きながら私は、パイプ椅子より はましといった安っぽい回転椅子にアグラをかいていた。   ぼうっと茜色の空を見ているとふとさっきの事が思い出される。   何故言ったかは解らない唯そういう気分だったとしか言いようの無い位に、 些細なことを私は言ったつもりだった。   「今日は、私が戸締りして帰るわ」   皆の動きが一瞬だけ止まり、こっちを向く 一人は無表情に、もう一人は何時もの微笑に少々の困惑を交え、 もう一人も狐につままれたような顔をして そして、あと一人は興味なさそうに面倒くさげな顔をしていた。   「...
  • キョンの初体験
    夏合宿のレクレーションタイム 長門「・・・大好き」 王様ゲームで長門は淡々とハルヒの命令をこなしていた。 しかし、無表情で愛の告白をされてもなあ・・・ ハルヒ「有希、もっと感情を込めてやりなさい」 長門はもう一度後ろを向き、そして振り返る。 長門「・・・大好き」 キョン(・・・!?長門?今たしかにオレの目を見て言ったような・・・) ハルヒ「うーん・・・なんかイマイチねー。キョン、ちょっとアンタやってみなさい!」 キョン「なんでオレが!?」 ハルヒ「団長命令よ!はやくしなさい」 キョン「・・・ふー、やれやれ」 しかたがないのでオレは後ろを向き、そして振り返ると・・ ハルヒ「やっぱいいわ」 キャハハハハハ!!!! オチがついて一同盛大に笑い声を上げる。妹よ。なにもそこまで爆笑しなくても・・・ それからしばらくしてレクレーションタイムは終わり、一同自分の部屋に戻った。 その...
  • 橘京子の憤慨 その2
    ...らげているところで、俺の妄想はようやく終焉を迎えた。  やれやれ、長い時間待たせやがって。これでまた変態丸出しな格好をしてたらすぐに帰るからな。そんな思いを馳せつつ、俺は奥の部屋の襖を開けた。そこには―― 「あ、どうですか?みてください、バッチリでしょ!?」 「…………」 「自分でもびっくりしたのです!」 「…………」 「何の苦労もなく寄せれるんですよ!」 「…………」 「寄せてあげる必要も無いし、パッドもいらなくなったのです!」 「…………」 「この大きさに驚きです!朝比奈さんにだって負けません!!」 「…………」 「キョン君?どうかしましたか?」 「…………」 「おーい、いきてますかー?」 「…………」 「…………」 「…………」 「……すぅー」 「…………」 「……キョン君……」 『起きろー!!!』 「ぶべらっ!!!――は...
  • 冬風のマーチ 第二章
    ... じゃあ何か?あれは俺の妄想と夢が作り出した幻か?それはあまりにも信じがたい。それだけのインパクトがあったんだ。 あれはもう暫くは頭から離れそうにない。 だがもう…俺には考える余裕が無い。頭の混乱もそろそろ限界を迎えそうだ。 声にこそ出さないものの、頭の中は既に辟易しきっていた。  俺はゆっくりと起き上がり後ろに振り向いた。後ろにいるのは例の見知らぬ女だ。三人ほどで会話を楽しんでいる。 別に仲良くなろうというわけじゃない。 あんまり気が進まなかったが、あたりさわりないことを直接話して少しでもわかることがあればいい。 それに、一人の頭だけで抱え込めるほど俺にはもう余裕がない。 「なあ。ちょっとすまないが」 俺の声は若干引き目になっていた。いや無理も無いが。 朝から今までで言葉を聞いたのはこいつしか居ない。この黒髪の女子。余りにも他愛の無い言葉だが、敵意は感じられなかった。重ね重ね...
  • お待たせしました。
    関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ       「……はぁ。」  今、この人思いっきり解かりやすい溜め息つきましたよ。 隠す気ゼロですか、そうですか。 普段、感情を表に表さないくせにこんなときだけやたらこれ見よがしですね。 どうしたって言うんですか。 いや、なんでご機嫌を損ねているかは僕が一番解かっているんですけど……と、言うより僕のせいですよね。 解かってます。 解かってはいるんですが……、言い訳くらいさせてください。 閉鎖空間が原因じゃ、どうしようもないでしょう? 「確かにあなたがわたしとの約束を反故にした理由は閉鎖空間。 その発生は仕方のないこと。 しかし、約束は約束。」  はい。 その通りでごさいます。 まことに仰るとおりで。 いや、でも、しかし、反故って言い方はちょっと……。 確かに約束の時間には遅れてしまいましたが、ちゃんと約束どおりの場所に来たじゃないですか。 ...
  • アインザムカイト・ツヴァイザムカイト
    ...側にいてくれた」  俺の妄想力も、捨てたもんじゃないな。 「でも、あなたは帰っていった。あなたの世界へ。世界は消えた。わたしが『長門有希』である世界は消えた。わたしは誰でもなくなった。わたしはまた独りになった」  ……長門。お前は長門だ。 「わたしは長門有希としての力を取り戻した。でも、わたしの世界はもうなかった。無限に広がる世界の回廊を、独りで彷徨い続けた」  ……入部届、書いてやれなかったな。 「そして、見つけた。あなたを。あなたの世界を」  ……どんな小説書いてたんだろう。 「もう一度、『長門有希』になりたかった。あなたの側にいたかった」  ……。 「伝えたかった」  ……。 「わたしだけ。他の長門有希にはない、わたしだけの気持ち。あなたには、伝えられなかった」  ……今伝えてくれよ。 「あなたはこの世界に在ることを望んでいる。わたしの望む世界を望んではいない。わかってし...
  • 朝比奈みくるの未来・第3章
    第3章・朝比奈さんのお誘い      どうやら、どこかで何か情報の齟齬が発生しているらしい。さっきの二人の詰問内容から考えられる推論を出してみた。たぶん、大きくは間違ってないと思う。   朝比奈さんの体調を心配した鶴屋さんが電話をかけると朝比奈さんが泣いていた。 聞こえた俺の名前で、泣いているのは俺が原因と考えた。 そう思った鶴屋さんがハルヒになんかあったか聞いてみた。 俺が送って帰ったと聞いた。 どうやら俺が酔った朝比奈さんを手籠めにしたんじゃないかと早とちり。 二人して俺ん家に殴り込み。   …らしい。激怒するのも頷けないわけでもないが、間違ってるぞ。教室で長門を抱き起こす俺を見た谷口を俯瞰で見下ろすぐらい超越してる。早とちりが齟齬の原因なら俺のしなきゃいけないことはそんなにもないだろうし、難しいことでもないだろう。 朝比奈さんと話す>鶴屋さんの誤解を解いてもらう>ハル...
  • すれ違いの心中
    一 俺がそれについて認識する以前より、実際の所は俺以外の人間はみなそうだと認識していたようだ。 俺はその事について確たる証拠は持っていなかった。自信だけが先走って、思い込みに走っていただけにすぎないのだ。 若さゆえの過ちではすまさない。罪である。罰を伴う罪である。 その事を説明するにあたって、遠回りな言い回しや、小難しい形容詞などは必要無いはずだ。 無いのは自信だけだ。 今の透き通った視界なら、見えないものはない。盲目だったのだ。 砕かれた自信が再び治る事は無い。安易な過信が自信を崩し、崩れた自信が俺を崩した。 盲目の人間が突っ走り、自ら硬い壁に突き当たり怪我をしたというだけだ。 ああ、馬鹿ものさ。涙も涸れるほどの、馬鹿ものさ。 「もう、だめだな」 こうしている間にも時は流れ続け、傷口は開いてゆく。時も見放した癒えぬ傷だ。 自己憐憫に陥った事による自己嫌悪さえもわかない。末期だ。 するりと...
  • 素直キョン
    「「……また、ダメだった……」」 それは、2人の神様が溜め息と共に漏らした言葉が原因となって起きた。 「「――もう少しキョンが素直だったらなあ」」 『素直キョン』 朝、目が覚める。その途端機嫌が悪くなるのが自分でもわかった。 原因はあいつ。あの鈍感馬鹿。ムカつくくらい人の気持ちに気付かない。もはや尊敬してもいいくらいだわ。 昨日せっかくあたしがポニーテールにしてあげたのにこっちを見たと思ったらすぐに違う方見て何にも言わないし。 何よ何よ何よ!ちょっとは褒めてくれたっていいでしょ。例えばこんな感じに。  ホワホワホワン 「――ハルヒ、その髪型可愛いぞ」 「あ、ありがと。…………これ、やってあげるのキョンだけなんだからね……」 「ハルヒ…………お前、可愛いすぎる!もう我慢できねえ!」 「あ、キョン駄目だよ………でもキスくらいなら…………ん――」 ホワホワホワホワ...
  • もうこんなのいやだ
    何時も通りの朝、少し早く目覚めた 運良く今日はSOS団の活動も無く、休日という事も相俟って二度寝する事に決め込んだ。 シュプリュルピュルルル~ 妹の足音だ。 「キョンく~ん朝だよ~」 何時もの様に妹がジャンピングボディープレスを俺にかましてくる。 俺は膝を突き立て、妹の息の根を止める妄想をして為すが儘に受け止める。 「キョンく~ん電話だよ~」 そこをどいてくれ我が妹よ、ほら猫やるから そう言って、俺の布団に潜り込んでいたシャミセンを妹に差し出す。 「・・・・・・・・」 え~っと、長門か? 「・・・・・・そう」 何か用か? 長門から電話を掛けてくるなんて、余程の事があったのだろうか? 「今すぐ来て欲しい。私のマンションへ。」 分かった。今すぐ行く。 俺は寝ぼけ眼を擦り、自転車に跨り長門のマンションへ急ぐ。 インターフォンを押すと、長門の声が聞こえて来た。 「・・・・・・入って」 で、何か問題...
  • 橘京子の憂鬱(後編)
    ...からであり、ある意味俺の妄想話は橘が根本的原因であると言っても差し支えない。  つまりは自業自得って奴だ。これも何度となく橘に説明したんだがおよそ理解するそぶりは一向にみられない。 「全く、困ったものです」 「似てないっ」  またしても水平チョップが俺の頭を直撃した。「いったーい! 何するんですかぁ!!」 「あ、あたしのモノマネしないでくださいっ!」  どうやら誰のモノマネか把握したらしく、それ故俺は口を笑みの形に変更して言ってやった。 「どうだ、結構似てるだろ?」 「……客観的に見るとかなりイタイですね。演技でよくやってたんですけど」  解ったんなら自重しろよ。こんなんだからハルヒも佐々木も色々がっかりしてるんだろうからな。 「心に留めておきます」  ふう、と残念そうなそうでもないような微妙な溜息をついた。 「もう少し演技力あると思ったんだけどな、あたし」  橘の言う演技力とは、...
  • 幸せの定義
    「キョンって子供は何人欲しい?」   湯呑みへと液体が注がれる独特の音色を耳にしながら、鼻腔を擽る何とも「和」らしい匂いを感じ碁盤を睨みつける。 暖房器具があろうとも貴金属は一定の温度を保ち、触れればひんやりとしたものを感じさせ、恰も冬らしい冬を演出している。 たまに乾燥した部屋を換気させるために開ける窓から訪れる寒気に身震いするのも、冬の一幕。 各々が変わらぬ、何時もと同じ日常を過ごしている時に、その一言はやってきた。   「なんだその質問は、意図が解らん。」   唐突なのは、別段変わりない事。 その内容は何時だって驚かされるものなのに、その驚かされるという事に慣れているというのは矛盾も良いところだ。   「別に、暇だから。あるでしょ、人生設計みたいなの。」   ただ、今回は驚きの内容も少し勝手が違う。 何というか、ハルヒから驚かされる事は、正常な人間ならば到底理解出来ない理ばかり。 非...
  • 由良内科
    朝、布団から抜け出そうとすると世界がぐるぐるしていた。 上下が逆になり、視界が揺れる。 ………どうやらヒドい目眩と熱を併発させてしまったようだ。 ちなみに今日は土曜日で学校はないのだけどな… せっかくの休日が丸一日潰れてしまうのはもったいない気がするな。 ぼんやりとした意識の中、親が俺の異変に気づいたのか、 車に乗せられて近くの内科に俺は運ばれた。 近くにあったものの初めて来た内科だ。 なかなか大きな建物に、それ相応の看板。そこにはこう書いてあった… 『由良内科』 ま、まさかな…俺は朦朧とする意識のなか、1人のクラスメイトの顔を思い浮かべていた。 俺って、予知能力者だったっけ…?いや、ただの妄言だ。気にしないでくれ。 院内にはいると俺が思い浮かべた顔と寸分の違いもない、少女が、そこにいた。 「あら?こんなところで会うなんて珍しいね」 「な、なんでお前がこんなところに?」 「あれ?言...
  • a unique solution 3
     暴走気味な妄想が俺を苛めて、結局寝たのは朝方だった。  妹のボディプレスによって起され、支度をし、飯を平らげて家を出た。普通にいい天気だな。俺の心は点対称のようにどんよりだが。  今日はやけにペダルが重く感じる。坂もキツク感じる。途中谷口のアホに会わなかったのが幸いだ。おそらく昨日の失敗の愚痴を延々と聞かされる羽目になるだろうからな。  教室までやっと辿り着いて扉を空けると、窓の外を肘を突いて眺めているいつものハルヒの姿が目に入る。  俺もいつも通りに「よう」とハルヒに声をかけ、自分の席についた。  ハルヒは昨日別れたときの笑顔のままでこちらを向いた。何かに勝利したかのような笑顔だ。  「ちょっと」と言って右手の人差し指で俺を招く。耳を貸せと言う仕草。  俺は少しハルヒの方に体を傾けた。ハルヒはそれでも物足りなかったのか身を乗り出す。 「昨日のことだけどね、決めたわ」  囁くハルヒの声が...
  • 涼宮ハルヒいじめ短編6
    ハルヒ「なっなによこれ!」   ハルヒが目を覚ますと目の前は真っ暗だった 目隠しの黒布がハルヒの視界を妨げていたからだ それだけではない 手は後手に、足はM字開脚の形で縛られている おまけにハルヒは気付いていないが服装は体操服にブルマ姿だ     「誰よっ外しなさいよ!!」     叫んでも人が来る気配はない 疲れた。お腹もすいた。そして膀胱の方にも水分が…     ハルヒはだんだん声を出さなくなった こんな姿を誰かに、とくにSOS団の仲間に見られたら… でもずっとこのままなのはいや…     古泉「変ですね…」 キョン「どうしたんだ、いきなり」 古泉「閉鎖空間が発生しました…しかし、どうやらいつものものとは様子が違うようだ」 キョン「それは…この世界の危機ってことなのか?」 古泉「いえ…はっきりとは分かりませんが、そういうわけではないようです」 キョン「どういうことだ。わかりやすく説明し...
  • 周防九曜の侵略
       夕飯にはもう少し時間があるので、読みかけにしておいたマンガを手にとってベッドに倒れこむ。 「…………」  部屋の扉を開けたとき感じて以来、自己主張し続ける違和感は、ひとまず無視することにした。  今日も団活でハルヒにこき使われて疲れていたし、自分の家ぐらいツッコミは抜きでいきたい。  ……いきたかったのだが。  存在そのものにツッコミたくなるなんて、よっぽどのことだ。   逆にこちらが試されているのでは、とさえ思える。それはまったくの被害妄想なのだろうが。  ちら見すると、何の変化もなくそこに佇んでいる、奴の姿が。  まっさらなワイシャツ、と言い表せるほど清潔な部屋ではないが、それにひとつだけ付いた黒い染み。  天蓋領域娘、周防九曜。  俺が部屋に帰っても、それから今に至るまで放置しても、何も言わない動かない。  これまでの経験からこいつがそういう奴だというのはわかっているが、置...
  • 涼宮ハルヒの戦場 その6
    ... まさか、あれは全部俺の妄想とかいうオチじゃないよな? 「あの3人は、この世界に入ろうと試みていた。だから、私が招き入れた。絶対的な人員不足を解消するためには、 少しでも人手が必要だったから」  長門の淡々とした説明を聞く。全く風のように現れて、あっという間に去っていったな。昔のヒーロー番組かよ。 ま、おかげで乗り切れたからいいけどな。  代わりに目に入ったのは、ふらふらと力なく歩く一人の人間――涼宮ハルヒだった。あの威勢のいい早歩きの面影もなく、 まるで水も食料もなく沙漠をさまよってはや数日な状態の歩き方だ。 「おいハルヒ。どこにいくんだよ」 「……ゴメン。一人にさせて」  それだけ言うと、ハルヒは校庭の方に去っていってしまった。精神的負担は想像以上なのかもしれない。 その背中は真っ白になって力尽きてしまっている。大丈夫なのか? 「この空間から元の世界に帰還できるまでしばらく時間が...
  • 教科書文通6
     くしくも山田くんが言ったとおり、僕らの教科書でのやり取りはまるで文通のように続いた。 大抵は僕から何の気ない話題をふり、長門さんがそれに短く答える。 極稀に彼女から授業内容から派生したような話題提供が会ったりもするが、基本的な流れは変わらない。 週休二日制で五日ある授業のうち、互いに四回ずつある日本史Bのたびに僕たちは教科書を行き来させ、互いにメッセージを残す。 それは殆ど毎日の光景で、まさしくそれは文通そのものだった。  この長門さんとのやり取りは、朝比奈さんにも、涼宮さんにも〝彼〟にも知られていない。 僕と長門さんの秘密。 ただ単なる言葉の羅列の交換だと言うのに、こんなに毎日期待してこんなにもそれが秘密のやりとりであることに執着している僕はさぞや滑稽だろう。 笑いたければ笑うがいい。 僕は嬉しいのだ。 能力が目覚めてからこんなにも学校生活が楽しいと思ったことはない。  勿論、僕が...
  • 30分で会いにきて
    土曜日は市内パトロールまたはデートで、日曜日はなんの予定もない。 ハルヒが日曜日何をしているかは正確には知らない。ま、いろいろ忙しいようで、いろいろ説明したあげく『だから、あんたと遊んでる時間はない』らしい。 その割には、折りにふれて携帯でメール送る程度の暇はあるらしい。しかし、返事不要と書いておきながら、返事しないとむくれるのはどうにかならんのか。 俺はといえば、シャミセンをシャンプーで洗ってドライヤーで乾かしつつブラシを掛けてやり、爪が伸びていれば切る日である。 試供えさを試してみるがシャミセンが一口も食わずに、生ゴミを増やす結果になる日でもある。 結局いつものえさを与えることになるのだが、よく飽きないものだ。飼育書なんかには、たまにエサを変えるようアドバイスがあるんだがな。 部屋でごろごろとベッドに横たわり、長門から借りた古典SF大作なんぞを読み、途中うたた寝して、気が付けばまだ昼過...
  • 長門の日々 第7.5話『淡い想い』
    第7.5話『淡い想い』   今日、あたしは掃除当番だから、部室に行くのが遅れる。 それをキョンに伝えると、キョンはいつもの仏頂面で返事をする。 キョンは有希の方ばっかり見てる気がする。 なんで有希ばっかり。 あたしは無意識に、キョンにいつも言っているようなセリフを吐く。 すると、キョンは嫌そうな顔をして、「しねぇよ」と言ってきた。 有希も何か言っている。いつも思うんだけど、聞き取りにくいのよね。   キョンが教室から出て行く。有希も後を追っていく。 あぁもう、早くこの忌々しい掃除を終わらせて部室に行かなきゃ!   あたしはパパッと掃除を済ませた。 さてと、我がSOS団の部室に行かなきゃね! みんなはあたしがいないとものすごく寂しいみたいだから!   部室の前まで来た。 誰かが叫んでるみたいね。誰? まぁ、いいわ。とりあえず入ってみれば分かることよ。   「うきゃっ!」 やっほー!遅れちゃっ...
  • 普通短編1
    ハルヒ「なぁんかグタグタした試合ねぇ」 キョン「んー・・・」 ハルヒ「・・・ちょっとキョン!?起きなさいよ!」 キョン「あぉっ!お、起きてるよ」 ハルヒ「ったく、一緒に見ようって言い出したのどっちよ・・・」 キョン「っつったって眠いんだよ・・・おっ、誰か倒れてるぞ」 ハルヒ「?」 キョン「ほら。なんだこいつ」 ハルヒ「本当ね。盲腸にでもなったのかしら」 キョン「お前なぁそんなわけ・・・!!!」 ハルヒ「ちょっ!な、なによこれ!」 キョン「ず、頭突き!?頭突きだよなこれ!?」 ハルヒ「しかもジダンって・・・や、やっちゃったわね・・・」 キョン「うっわ、これ痛そうだな」 ハルヒ「あーあ、これ退場ね。間違いないわ」 キョン「・・・なぁ、俺もイタリア応援していいか?」 ハルヒ「だーめ!約束したじゃないの!キョンはフランスであたしがイタリア!」 キョン「・・・はぁ・・・もう何やってんだよジダン・・・...
  • 反英雄 第三章
           俺のせいだ。全部俺のせいだ。  俺が国家権力に守ってもらえば安心だと安易に考えなければよかった。そうすりゃ、少なくとも森園生は死ななかった。  生死の確認なんかできなかったが、あのケガだ。今頃は…… 「ちくしょう!」  床を叩き、切創から血が滲む。  だが森園生はこの痛みの何百倍も傷ついた。なのに俺は生きている。俺だけが生き残ってしまった。  なぜだ?なぜ俺がこんな目に合わないとならないんだ?  そもそも、この物語の始まりは何だ?  母の死?なぜ母が殺された?  いままでは殺人鬼の妄想くらいにしか思っていなかった。ならばなぜ森園生が殺される?警官である彼女まで殺す理由がどこにある。  その瞬間、絶対に認めたくないことがアタマをよぎった。まさか!? 「俺……なのか?」  嘘だ。そんなのはありえない。俺はあんな女知らない。素性も接点も知らない女に、なんで狙われなならん。  だがこ...
  • 朝比奈みくるの未来・第7章
    第7章・結論の前に    朝比奈さんが喫茶店にユラユラと入っていくのを見届けてから、俺はその場を離れロビーから外に出た。  朝比奈さんを一人にするのは非常に心苦しいが、彼女を目の前にしては考えがまとまりそうにもない、どうしても一人の時間が欲しかった。本当に申し訳ないのだが…。 近くの目についた漫画喫茶に入ると個室を確保して、コーラを注文して籠もる。そろそろ夕食の時間だが腹は減ってない。それ以上にショッキングなことでお腹一杯だ。 よく冷えたコーラを少し口に含むと、シュワシュワとした強い炭酸の刺激が頭の中をクリアにしてくれる。    俺が本当に好きなのは誰だろうか。朝比奈さんの顔、ハルヒの顔、長門の顔、次々と浮かぶ。 無論、朝比奈さんの告白は両手を挙げて喜ぶべきことであり、一般的に一般的で一般的な性格と生活をおくっていたならば返事に困ることもない。即答していることだろう。 ハルヒ...
  • 遠距離恋愛 第十三章 家庭教師
    第十三章 家庭教師   ハルヒ達からの贈り物を目の前に「一年間頑張る」と決意を新たにした俺は、翌週行われた全校全教科試験という第一の難関に挑んだ。が……俺は試験中に絶望していた。   問題の意味が、どういった回答をすれば良いのか解らないのだ。   俺ってこんなレベルだっけ?とあらぬ方向へ行ってしまおうとする頭を無理矢理試験に集中させ、何とか全教科試験の日程をクリアした帰り道。がっくりと落ち込んだ俺を引き連れながら、佐々木と朝倉は「今日の試験簡単だったわね」「1年2年の総括問題だしね」などと和やかな会話をしていた。くそ、忌々しい。 こいつらの頭のレベルは半端じゃない事は十分解っている。聞けば朝倉は昨年一年間学年トップの座を譲り渡すことはなかった(と言うことになっている)そうだし、佐々木は言わずもがなだ。二人とも俺とはレベルが違いすぎる。これほど自分が無力に感じたことはなかったね。 これ...
  • 教科書文通8
    関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ       「おはよう。 待たせた?」 「おはようございます。 いいえ、今来たところですよ。」  デートと言えばこの台詞! と言う代名詞的な台詞を自分の口が吐く日など、一生ないと思っていた。  いやいや、これはデートではなく、「良好な関係」の友人との美術鑑賞会である。  浮き足立ってはいけない。 下心しかない期待など、もっての他である。 もっての他なのだけれど。  僕と長門さんが待ち合わせをしたのは、いつもの場所、いつもの時間。 しかし、いつもの違うのは2人きりだということ。 そのいつもとの違いが、これは普段とは違う異質な集まりであることを強調し、僕の心臓を休ませてはくれなかった。  待てど暮らせど、涼宮さんも朝比奈さんも、〝彼〟も来ない。  いつも制服しか着用しない長門さんの、白い白いレースやフリルが上品に飾るシンプルなワンピース姿が...
  • 『二人だけのクリスマス・イヴ』
    「そういえばそろそろクリスマスね」 カレンダーを見ながら涼宮さんが言う。 「最近、親父が妹の為におもちゃ屋を巡ってるぞ。」 「へぇー妹ちゃんサンタ信じてるのね。」 「もう小五なのにな。」 「いいじゃない。夢があって」 クリスマスか…。サンタさんか…。信じてた頃が懐かしいな。 私はキョンくんと涼宮さんの会話を聞きながら思った。 「私は小四まで信じてたわ。アンタは?」 「小三くらいまで信じてたな」 私もそれぐらいまでサンタさんは居ると思ってたっけ。 「有希は?いつまで信じてた?」 「貴方と同じくらいまで」 本から目を離さないまま長門さんが答えた。…それって嘘ですよね? ふーん、と言いながら涼宮さんは私のほうを見て私に言った。 「みくるちゃんは?」 「私は小四の時まで信じてました」 その言葉にキョンくんは『未来にもそういう風習はあるのか』みたいな顔をした。 「そんなもんよねー。古泉君は?」 「僕...
  • ポニーテールの秘密・第5章
    第5章  時間遡行なんてのは何回やっても気持ちのいいものじゃない。古泉、この訳の解らない瞬間だけなら代わってやってもいいぞ。  「・・・うん?」  何だ?木が横に沢山倒れてるぞ。  「あ、気付きました?」  大きな2つの黒い瞳に俺の寝起き面が映っている。ああ、そうか。俺はまた朝比奈さんに膝枕をしてもらっていたのか。古泉、やっぱり交代はナシだ。  「はい?」  「あ、いや、ただの妄言ですよ」  イカンな。どうも最近無意識に思った事が声に出てしまう。  むくりと体を起こす。彼女の膝枕は惜しいが、今はそれどころじゃないからな。  「ちゃんと昨日、ええと、4月1日に来れました?」  朝比奈さんは電波時計を見て、  「はい。ちゃんと4月1日の午後7時です」  ベンチから腰を上げて辺りを見回す。どうやら4年前の七夕同様、あのベンチみたいだ。  しかし、朝比奈さんのいる前でハルヒに話をするのはどうも気...
  • Lost my …?
    「そんな服いやですぅ」 朝比奈さんの間の抜けた反抗が、周囲で買い物をしていた人をふりむかせた。 「何を言ってるのみくるちゃん! あなたはあたしのオモチャなのよ。だからこれを着なさい!」 何を言ってるんだこのバカは。 商店街のど真ん中で、ハルヒは朝比奈さんに女王様の格好を強制させていた。 「そんなぁ」 狼に狙われた兎のような目で困惑している朝比奈さんを横目に、古泉は苦笑して長門は無表情だ。 いい加減怒らないとまずいな。 「おい、やめろ。お前のやってることは度が過ぎている。 普通の女子高生が黒いボンテージなんか着るわけないだろ」 「あんたは黙ってて!」 ハルヒは睨み一閃、俺につばを飛ばしながら叫んだ。 ハルヒのこの言葉に、俺の脳内はカチーンときて久々にファイティングポーズを取ってしまった。即座に俺はハルヒに右手でビンタを一発かまして怒鳴る。 「手前いい加減にしろ!! 自分がされて嫌なことは他人...
  • @wiki全体から「俺の妄想」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索