涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「傷つけあい仲直り」で検索した結果

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  • 傷つけあい仲直り
    「どーせあたしの事なんて彼女として扱ってくれないのよね! もうほっといて!」  しまった、まただ……。またハルヒを怒らせてしまった。  すまん、悪かった。だからちょっと待ってくれ! 「うるさい! やだ、来るなっ!」  ちょっと待て! ちゃんと謝らせてくれ!  俺はハルヒの腕を掴んだ。後になって思えばこの判断が間違っていたのかもな。 「触るなっ! 近寄るなっ! どっか行け、バカキョン!」  腕を振り払われた瞬間、俺は階段を踏み外し、五段ほどそのまま落ちていった。  くっ……痛ぇ……。 「あ……? ご、ごめん……キョン……大丈夫?」  倒れた拍子に頭を打ったのか、近付いてくるハルヒの顔が霞んで見える。  俺はハルヒに心配をかけまいと笑顔で口を開いた。 「ははは……罰が当たったな。 自業自得って奴だ」  そこまでは覚えている。俺はそう伝えた後、気を失ったのか、目を覚ました時には保健室にいた。  ...
  • 長編・キョン2
    ... 『不思議の定義』 傷つけあい仲直り 友達から彼女へ、彼女から友達へ コンビニデザート ホームシック Missing Ring -失われる7日間- 恋愛初心者 予防注射 涼宮ハルヒの聖書 自由への奔走 涼宮ハルヒの夢幻 サプライズ・クリスマス 名前でしりとり 在り来たりな幸福 smile Break the World 雪けむりラヴァー 全てが歪んだ日  腹黒キョン  フェイク 初詣遊び倒し 大回転勘違い スペシャルデイ key scramble  lost and found  冬風のマーチ 消えていく日々、いつもの風景 キョンのサイズ 濁った日差し  傷の代償 ノスタルジー TrulyandHappydejavu 優しさお鍋 絆
  • Jast Be Friends
    このSSはニコニコ動画のボーカロイドオリジナル曲「Jast Be Frends」を勝手にハルヒSS化したものです。 そういうのが嫌いな方やニコニコ動画が嫌いな方は読まない方がいいです。   知らなかったんだ…どれだけ好きでも、どうしようもない時があるなんて。 知らなかったんだ…どれだけ両想いでも、心が全く違ってしまうなんて。 知らなかったんだ…好き合っている人と別れなきゃいけない時が来るなんて。 知らなかったんだ…それがこんなにもつらいことだなんて。 それでも…それでも俺がハルヒを好きなことだけは変わらない。     -Jast Be Friends-   俺とハルヒは付き合っている、もう四年になるだろうか。 高校三年の夏、一世一代の決意を決め告白したところ、なんとハルヒも俺を好きだと言ってくれた。二人は両想いだったってわけだ。 それから俺は猛勉強した。少しでもハルヒに釣り合う男になろう...
  • 涼宮ハルヒの日記
    いつもの放課後のSOS団の活動中の事だ。 日頃のフラストレーション溜まっていたのだろうか? 自分でも理解不能なイライラの全てを我等が団長涼宮ハルヒにぶつけていた。 俺が冷静さを取り戻した時にはもう部室にハルヒの姿は無く、背後に3つの憤怒のオーラを感じた。 俺は恐る恐るそのオーラがする方へ振り向いた。 その瞬間、いきなり長門が広辞苑の角で俺の頭を殴った。 なにしやがる!?と言おうとしたら今度は朝比奈さんがお茶入りの湯飲みを投げつけてきた。 それから逃げようとしたら古泉が俺の前に立ちはだかり俺の胸倉を掴んでこう言った。 「何やってるんですか!?今回の事はどう見てもあなたに全ての非がありますよ!今度こんな事したら閉鎖空間に置き去りにしますからね!!」 見事なジェット○トリームアタックだな。 いや、そうじゃない・・・ 「何やってるのかだと!?それは俺自身が一番知りたいさ!!」 そう言って古泉の手を...
  • 神様に祈るあの人との日常
       こんにちは、朝比奈みくるです。  今日は、探索の日なんですけど、わたしはちょっと大きめの鞄を持っています。  なんでかって? それはね、わたしがいつもお世話になっている、大好きなキョンくんにお礼がしたかったの。  だから、今日はお弁当を作ってきたの。探索、一緒になれたらいいなぁ……。     「キョン、遅いっ! 罰金!」  いつものようにキョンくんが遅れてきて、涼宮さんがそれを怒る。  うふふ、進歩してないなぁ……。 「はいはい、わかってるよ。朝比奈さん、遅れてすみません」  キョンくんはいつも、わたしにだけは遅刻を謝ってくれます。ちょっとだけうれしいです。  いえ、大丈夫です。……えっと、今日もごちそうになりますね。 「任せて下さい。あいつらに奢るのは気が引けるけど、朝比奈さんなら喜んで」  わたしはキョンくんに微笑みかけて、並んで歩きだしました。喫茶店までの短い時間、ちょっとだけ...
  • 朝比奈みくるの仲裁
    えっと……何故こんなことになってしまったんだ?   「…………」 「…………」   この3点リーダーは長門のものじゃない。 一人は俺。もう一人はハルヒだ。俺達は今、正座をさせられている。 そして目の前でまるでいつものハルヒのように仁王立ちしている人物は…… とその前に、なぜこんな状況になったかを説明せねばなるまい。回想スタート。 それは、いつも通りの光景だったと言えよう。 無茶なハルヒの提案に、俺が反対する。まったくいつも通りの光景だ。 それは俺達が付き合うようになってからも変わらない。 ただいつもと違っていたところは、ちょっと俺もエキサイトしちまったってことかな。 久しぶりにハルヒと口論になっちまったってワケさ。   「なんでいつも反論するのよ!あんた団長に従ってればいいの!」 「お前のその態度が気に入らないって言ってるんだよ!」   その場に居た他3人の反応。朝比奈さんはおろおろして...
  • 水晶の夜⑤
      「おいっ受話器を叩き切るな。それは長門ん家の電」 ガシャーン! 「話だ…。」 俺は小さくため息をついた。 「やれやれ。」 「君……、本当にあの子が君のことを忘れたかもしれないと思ってたの…?」 「あいつがさっきそう言っていたのを聞いていたでしょう? ずっと不安でした。」 「わたしたちは君があの子を一方的に突き放してからいきなり引き寄せるのは機嫌を取るためのテクニックなのかと思ったけど、本当はただのバカだったのね…。」 うわ、初対面の人にもバカって言われた! 「ちょっとくらい女が拗ねたからって、そのまま受け取ってどうするのよ…。 きっとあの子、自分の名前を忘れたとしても、君との思い出を捨てたりはしないわ。」 電話が鳴った。 通話ボタンを押した。 つい自分でやってしまった。 「あなたの勝ちです。」 おまえか、古泉。 「なんでおまえまでここに電話してくる。」 「携帯には出てもらえないと思い...
  • 古泉崩壊
    俺は今、床に寝転がって、ハルヒの泣き顔を眺めている。頭を撫でてやりたいが、 力が入らない。ああ、ハルヒに謝らなくちゃな。まだ喧嘩の最中だったし。なんか こうしてみるといろいろやり残したことがあるな。でも、もう時間が…   ……………   「ねぇキョン、明日どこ行く?」 正直どこでもいいが、とりあえず涼しいところがいいな。 「なによそれ。もうちょっとまじめに考えなさいよ。」 ああ、まじめに考えてるさ。でも出てこないんだよ。 「…あんた、本当にあたしのこと愛してくれてるの?」 愛してるさ。じゃなきゃこんなにまじめに話を聞かないだろ。 「これのどこがまじめだって言うの!?もういいわ。あんたの本気がこんなもんだとは、 正直がっかりしたわ。じゃあね。」 ちょっと待て。まだ話が 「うっさい、バカキョン!!」   ……   ということがあって、ハルヒはここには居ない。 「それはまた、大変なことをしてくれ...
  • 家出少女
    夏休みも中頃にさしかかったある日、俺はいつものように団員全員分の喫茶店代を奢らされた。 太陽が照りつける中探索も終わった後、俺は軽くなった財布の代わりに重くなってしまった足を引きずって帰宅した。   晩飯も食い終わり、部屋で一息ついていると玄関からチャイムが鳴る音が聞こえた。 誰だ夜遅くに、少なくとも俺には関係ないだろう、いやそうであってくれ。   「はーい、どちらさまですかあー」   一階から妹の声がする。 ああ恥ずかしい。 何でうちの親は妹に行かせるんだ。 誰かは知らんがすみませんね、言っておくけどそいつもう小六になるんですよ。   「わあー、お姉ちゃん久しぶりー」   なに、お姉ちゃんとな。 それに久しぶりとは、きっと俺にも面識のある奴と考えて間違いない、だとすると余計に恥ずかしい。 俺は読み飽きた漫画を放り投げ、一階に降りた。       「キョン、すまないね」   …ああ、もうい...
  • バカップル日記―いじわるキョン×ハルヒ―
     付き合って3ヶ月目の俺とハルヒ。今日は日曜日。  昨日は探索をこなし、今日はデートの予定だ。天気は快晴、気候もよし。 「なのに、なんでお前の部屋で二人で寝てんだろうな」 「知らないわよ、そんなの。あ~、良い天気ね」 「ハルハル~、外にデートに行こうぜ~」 「行かない、疲れてるもん。それとキョン、その呼び方やめなさいって何度言ったかしら?」  自分だって、俺を名前で呼ばないじゃないか。とは言えない。  だから、俺は何度でもそう呼ぶことで反抗するのさ。 「ハルハル~。昼飯も食べないといけないだろ~?」  やはり、ポカポカ陽気のせいか話し方までダラダラしてしまう。 「後であたしが作ってあげるわよ。……今度『ハルハル』って言ったら別れるわよ」 「そんなこと言うなよ、ハルハル~」 「あ、もう怒った。二度と口きかないんだから」  ハルヒは俺に背を向けるように寝返りをうった。……本気で怒ったか?  し...
  • ウィザード オブ レニーデイ
    いつものように、閉鎖空間へ入った僕は、いつもと違うその光景に驚きました。 空間の灰色はいつもより白寄りで、『壁』も少々柔らかくなっていました。 それは別に気になることではありませんが、驚くべきはそこに現れたモノです。 《神人》が現れるのを察知した僕達は、その方向へ目をやりました。 しかし、そこで破壊を行っていたのは、《神人》ではなく・・・   青い、獣でした。   「あれは・・・何ですか?」 僕が仲間の一人に聞くと、その人は「解からん」と答えました。 まぁ当然でしょう。僕に解かっていないのに他の人が解かっている筈がありませんから。 「いつもより慎重に対処しよう。行くぞ」 仲間の一人のこの言葉で僕達は、力を解放し赤い玉に変身しました。 その獣は、《神人》に比べて動きは素早かったものの、強さは《神人》とさほど変わらず、意外にあっけなく倒されました。 そして、閉鎖空間が崩壊したとき僕は・・・いえ...
  • 儚い想い出
     忙しくも楽しかったSOS団の活動兼学校も卒業し、俺達の生活スペースは大学へと移った。  大学でもSOS団は継続、されるわけもなく俺は地元の国立へ、古泉と朝比奈さんは同じ大学へ行ったらしい  確か九州だっけな?  長門はその万能ぶりに教師達からは某超難関国立大学への進学を熱心に奨められていたらしいが、結局高卒で就職した。  で、我らが団長はというと  「一人暮らしがしたいの!」  と三年の春ごろにあの100wの笑顔で宣言し、卒業後は県外の中の上レベルの所へ進学した。  ハルヒ曰く  「そんなに勉強に熱心になる気はさらさらないわよ。あたしは一人暮らしってのを楽しみたいだけなんだから!」  だそうだ。  全く、あいつならもっと上を目指せただろうに。向上心を持たない奴は大成せんぞ  とそんな軽口は叩かない。  何故なら俺が国立なんか大層な所に行けるようになったのはあいつのおかげなんだからな  「...
  • キョンとハルヒの距離
    昨日、俺のクラスは、月に1回の席替えをした。 そして、俺は窓際一番前という最悪なポジションを獲得してしまったわけだが、 じゃあ、ハルヒはその後ろか?と問うものもいるだろう。 しかし今回、ハルヒは俺と同じ列ではあるが、すぐ後ろではなく、窓際の一番後ろという前と変わらないポジションにいた。   ことの起こりは昨日のことだ。 母親は朝っぱらから親父とケンカしたらしく、親父が会社に行った後は俺にまでやつあたりしてきた。 しかも、俺はその日も妹にダイブをされたせいで腹が痛かったわけだ。ったく、朝から怒るなよ。 朝食はやけに焦げ臭かった。 しかも、朝のテレビ番組でやってた星座占いで俺の星座は12位。 そして極めつけの母親の言葉 「あんたも高校生なんだから彼女の一人ぐらい作りなさい!」 なんじゃそりゃ!俺だってできるもんならほしいさ。 気にしていることを言うな!   その日の朝は、「いってきます」とも言...
  • 【誤作動~部室にて~】
    【誤作動~部室にて~】   コンコン。 ………彼が来た。 「は~い、どうぞぉ!」 朝比奈みくるが返事をすると、彼が笑顔で入ってくる。 「こんにちは、朝比奈さん。」 わたしは普段通りを維持して、本に目を傾けている。 「こんにちは、長門。」 彼がわたしに挨拶をする。 わたしは少し頷いて、それに答える。 ……ここまでは、いつもの日常だった。   彼は、朝比奈みくると喋っている。 ずっと、楽しそうに…。 その様子を見ていると、わたしの体に異変が起こった。 正確に言うと、《心》に異変が起こった。   感情が抑えられない、コントロール出来ない。 誤作動が起こる。   「………お茶を。」 「ふぇっ!?」 「…………お茶を…ください。」 喋り方までおかしくなった。 自分のやっていることが、わからない。 「め、珍しいな長門。お前が茶のおかわりなんてな。」 彼が笑いながら近付いて来る。 何故? いつもは彼が笑...
  • お揃い
    何かが変だ・・・ そう気付いたのは放課後いつも通り部室に向かっている最中だった。 すれ違う奴がみんな笑っている。 なんとなく俺を見て笑っている気がする。 それが何となく気になりつつもいつものように部室のドアをノックした。 「はぁ~い」 舌ったらずな朝比奈ボイスを聞き俺はドアを開けた。 「ちわーっす」 今日は珍しく俺以外の全員が揃っているなと思いながらいつもの席に着いた俺は団員の微妙な態度に気が付いた。 朝比奈さんはプリティフェイスを真っ赤にして口元を押さえ、古泉はいつものハンサムスマイルをいつつも口元がピクピクしている。 長門に関してはさっきから全くこちらを見ようとしない。 そんな中、我等が団長様はというと何やらいつもよりご機嫌な様子だった。 「何かあったのか?」 そう古泉に尋ねると必死に笑いを堪えながら鏡を渡してきた。 何なんだ一体? そう思いつつ俺は鏡を覗き込んだ俺は言葉を失った・・・...
  • a long wrong way 一章
    あの日俺とハルヒは喧嘩した。理由は本当に些細なことで、 俺が折れちまえばこんなことにならなかっただろう。 だけどもう手遅れで、俺の側にはハルヒはいない。 ハルヒどころかSOS団のやつは誰一人北高にいない。 ……俺を除いて。   「お前の顔なんか見たくもねえよ!」 気付けば俺は怒鳴っていた。もう、止まれそうにない。 いつぞやの文化祭のときよりも俺は怒っていたね。 「あら、奇遇ね。あたしもよ!」 「気があうな!」 「残念ながらね!」 睨み合う俺とハルヒ。 いつもよりオロオロしている朝比奈さん。 本を読むのをやめてこっちを見ている長門。 それにこいつだ。 「お二人とも、落ち着いて下さい」 俺は落ち着いてる。 「あたしは十分落ち着いてるわよ!」 「……どこがですか?客観的に見てお二人とも、落ち着いていません」 何だか、古泉の口調がかたい。まるで、そう、怒るのを無理やり抑えているような口調だ。 ...
  • Desire where it doesn't disappear (古泉視点)
       灰色に包まれた世界の中心で、僕は漸く一息をつくことができた。  激しい動作に軋みを上げていた強張った身体から、ゆっくりと緊迫感が抜けていき、空白を埋めるように安堵感が染み渡っていく。 「これで今日は通算して七回目ですか。やれやれ、彼と涼宮さんには困ったものですね」    時間は深夜を過ぎ去り、朝方近くになりつつある。そろそろ眩しく輝く朝日を拝める瞬間に立ち会えるだろう。  神人退治。閉鎖空間。願望実現能力。神たる少女である涼宮ハルヒ。そして神たる少女に選ばれた、鍵なる少年。  この状況に関する単語の羅列を浮かべては流していく。  意味があっての行為ではなく、ほとんど睡眠を取れなかった頭が寝惚けて無意識に思考を垂れ流しているだけである。 「流石に眠いですね……。久方振りでしたので油断していましたか。僕も精進が足りませんね」    霞が掛かったようにぼやける頭を目覚めさせるために頭を...
  • 長編・未分類2
    ハロウィンパーティー 箱入り娘 HAPPY TREE FRIENDS 自殺 少年達の雑談 SOS団の惨劇 パートナー 閉鎖空間と糞団員 家族 電波作品1 電波作品2 雪合戦 クリスマス中止のお知らせ 巡る財布 カオス・ザ・ワールド あたたかなもの 12月18日・A  dearest beyond of SuzumiyaHaruhi 宇宙人現る! SOS団ラジオ支部~深夜版~ こたつでみかん 迷探偵キョナン 特攻野郎アフロチーム 涼宮ハルヒの舞台裏 ある雪空の日のこと ロックンロールスターダスト トライアングル・ラン チョコ、キッス、カオス♪ My namewas... 平行記憶 雨の日のぬくもり 遠い場所までむかえに来て GANTZ とある2月14日の断片 ハルヒがみくるでみくるが長門で長門がハルヒで… 俺が古泉で古泉が俺で…(上の続編です) かわいい一日お茶だし係 続・孤島症候群 「涼...
  • 素直になれたら
      あの二人がついに結婚か・・・ タクシーで移動中、俺はふと横に目をやる。 肩にもたれかかるようにして長門が寝息を立てている。 俺と長門は今幸せだ。 長門は思念体からハルヒ観察の功績を称えられ、人間と変わらない体にしてもらった。 そして、俺らは結婚した。 今日はあの日々を共に過ごした男―古泉の結婚式の日だ。 相手は対立していた機関の橘。こいつらが和解したのは最後の閉鎖空間が消滅した後の事 俺たちが、高校を卒業する間際。ハルヒが大規模な閉鎖空間を発生させた。 原因は俺だった。またくだらないことで口論となり、つい手が出てしまった。 ハルヒはその時泣きながら部室を出て行った。 急いで朝比奈さんと長門がなだめに行ったが遅かった。 口論理由はコーヒーは豆から挽くか、インスタントか。 ミルクを入れるか牛乳を入れるか・・・こんな話だった気がする   古泉「閉鎖空間が発生しました。すでに機関の仲間が数...
  • 森のくまさん
    森のくまさん =============   ある日森の中 くまさんに 出会った   花咲く森の道 くまさんに 出会った 私は、くま。   くまさんの 言うことにゃ お嬢さん おにげなさい   スタコラ サッササノサ スタコラ サッササノサ 狩人さん、近づかないで。 私はあなたを傷つけてしまうから。   ところが くまさんが あとから ついてくる   トコトコ トコトコと トコトコ トコトコと 待って・・・、待って。   お嬢さん お待ちなさい ちょっと 落とし物   白い貝がらの 小さな イヤリング ほら、お届けもの。   あら くまさん ありがとう お礼に うたいましょう   ラララ ララララ ラララ ララララ そして今日も、私は一人。       *         The other day I met a bear   Out in the...
  • 水晶の夜⑨
      「君、朝比奈さんの家を知ってる?」 「知りません。」 教えてくれるわけもないが。 「古泉君の家を知ってる?」 「知りません。」 知りたくもないが。 「あの子の自宅は?」 「知りません。」 あいつは極端に自分のプライベートをおれに話したがらない。 知っているのはハカセくんの家庭教師をやっていることくらいだ。 この時計でさえおれの自宅に郵送されてきた。 「長門さんの家は?」 「よく知ってます。」 よくSOS団で集まる。 というより、ハルヒよりおれの方があそこに上がったのは早かった。 「君に見つけてほしくないんだったら、そんなところにいるわけないじゃないの!」 「わかりやすいって言うんだったら、おれの家にいたほうがはるかにわかりやすい。」 うちの家族だったらどんな時でもあいつを上げるだろう。 「あの子がものすごく臆病なことは知ってるはずよ!」 根本的な所から言わなきゃならないようだ。   ...
  • ポニーテールの秘密・エピローグ
    エピローグ  ついこの間までゴチャゴチャになっていた俺の記憶と谷口の証言との齟齬は、完成されたパズルの絵の様に組み上がっていた。無論、俺とハルヒの間柄もな。  ちなみに今は4月の2日で、9時に駅前に集合して俺の奢りの喫茶店にてくじ引きをした後の不思議探索午前の部だ。悲しいかな、俺の隣にいるのはお得意の営業スマイルを顔に貼り付けた古泉であり、たった今、昨日のタイム・リープ紀行の顛末を話し終えたところだ。所々端折りはしたが。  「いやぁ、助かりましたよ。それまでのあなたと涼宮さんの目に見えぬ争いと言いますか、緊迫した様子は決して見ていて気持ちの良いものではありませんでしたからね」  目に見えないんじゃなかったのか。  「僕は例外ですよ」  古泉は含んだような微笑みをして間を置いた。  「彼女の精神状態に異常をきたした場合、閉鎖空間内の神人の活動によってそれを知ることが出来ますから」  そ...
  • キョンがヤンキー略してヤンキョーン
    俺のストレスはもう限界へと達していた。 言うまでもなく、ストレスの原因はSOS団団長涼宮ハルヒだ。 あいつはとんでもなく無理な注文を、なぜか俺にばかりしてくるのだ。なぜか、俺ばかりに。 でも、俺だって人間だ。それも至って普通な男子高校生だ。毎日そんな無理難題を突きつけられればストレスが溜まるもんだ。 たまに反抗してみれば壮絶ワガママ団長にしばかれるだけに留まらず、宇宙人未来人超能力者から冷たい目で見られ、そして批難されるのだ。 こんなの間違ってるだろ。 俺はハルヒに選ばれた人間?鍵?知るか! 俺はこんなの望んじゃいないんだよ!! ・・・いや、ハルヒだっていいところはある、それに、か・・・可愛い所だってあるさ、あぁ、そこは否定しない。 だがな、俺にはもうハルヒの機嫌取りやパシリは無理だ。限界だ。疲れちまったんだよ。 そうして俺は変わっちまったんだ。 自分でもびっくりするくらいにな。   ...
  • バカップル保守ちょっとした同棲編
    バカップル保守ちょっとした同棲編     「キョンくん起きて~!」 「ぐっ……妹よ。顔に乗るのは反則だ」 「ハルにゃんとおかーさんの手作りご飯が待ってるよ! 先に行ってるねっ!」 「……朝ちゃんと起きれないのは俺だけか。やれやれ」 「そうよ。ちゃんと早起きしなさい」 「ハルヒ。おはよう。何しに2階に来たんだ?」 「…………。こ、これだけ! 早く降りて来なさいよ!」  今のはアレだろうな。おはようのキスってやつだろうな。きっと。   バカップル保守      「キョン、おかわりは?」 「いらん」 「妹ちゃんは?」 「いる~!」 「あ、えっと……キョンのお母さんはいりますか?」 「うふふ……『おかあさん』でいいわよ。あたしはいらないわ」   「どうしてうちの親のことを『キョンのお母さん』なんて長ったらしく呼んだんだ?」 「……あんたには一生わかんないわよ。って、離しなさいよ。何で抱き付いて...
  • 涼宮ハルヒの相談
    ハルヒのおかげかそうでないのか、俺は無事進級できたわけだ いや、ハルヒがやけにうれしそうに俺に勉強を教えてくれたおかげなのかもな 三月のホワイトデーという難関も無事に突破し、春休みの半分以上はSOS団活動で 終わった。   新学期、幸か不幸か俺はまたハルヒと同じクラスになり、席も相変わらずだ まあ他の面子にはあまり変わりが無く、俺も少しほっとしたわけだ 俺たちは今二年生なわけで当然、新入生も入ってきた 俺は新入生を見て、俺もあんな初々しかったのかな、などと感慨にふけり でも実際は一年しか経っていないわけで、新入生とあまり変わっていないのだと思う ハルヒは新入生の調査で忙しいらしく、新学期が始まって一週間はまともに部室には来なかった またとんでも属性の人を連れてこないのか若干ひやひやしてたが そんなことはなく結局ハルヒは誰も連れてくることはなかった もし仮にハルヒがまた変なやつを連れてきても...
  • クラスメイト 序章
    プロローグ 俺はSOS団に入って、 まあハルヒはもちろんの事宇宙人未来人超能力者に振り回された事はある訳だが、 何でもないクラスメイトに振り回された覚えはないね。 朝倉・・・あいつの正体は長門と同じ宇宙人製アンドロイドだったし、 喜緑さん・・・あの人もやっぱり同じだ。あっ、そもそも上級生だったか。 鶴屋さんも大きな力を持ってるらしいが、振り回されてるというよりも見守ってくれている立場だ。 コンピ妍の面々や谷口国木田だって当然そうだ。むしろこちらから迷惑を掛けてると言った方が正しかろう。 唯一の例外は生徒会会長だが、あのお偉そうなお方にも古泉の息が掛かっていたので、 純粋な意味で振り回された訳じゃないだろう。大体俺は当人の本心も知ってるしな。 まさかこれで今更谷口辺りがハルヒの世界改変に絡んだりしたら、 俺はいよいよ持って自分の首にロープを巻き付けるに違いない。 少なくともあいつが宇宙人未来...
  • 幸福な鶴屋さん 4
    ちょうどよく古い教卓があったので、そこに隠れることにした。 ストレスや、それによる合併症によってずいぶん体重も減った。…結構、病気にかかった覚えもある。 弱り、細って小さくなった私にはぴったりの場所だ。 …イヤでも聞き耳を立ててしまう自分の性質が憎い…   私と同じ書道部員だった。 何度か会話をしたことはあったが、私が活動に出なくなってからはご無沙汰だ。 それに、同じクラスの女生徒2人。 一人は私に危害を加える、私の嫌いな奴。 もう一人は、まだ会話もしていない、いや、これから先するはずもないだろう、季節はずれの転校生である。   物覚えと聴力だけはいいらしく、私は一瞬でどの声がどの人間の声かわかってしまった。 木製の教卓越しに聞こえる話し声 そして、一番私を蔑み、傷つける言葉が聞こえた
  • 不眠症候群
    こないだ涼宮さんが彼に告白して彼はそれをあっさりOKし、二人は付き合い始めた 彼らが付き合いだして僕は正直嬉しかった。 二人の関係は見ていてもどかしかったし、涼宮さんの恋が上手くいけば 閉鎖空間が発生しなくなるかもしれないと思っていたからだ。 けれどそんな考えは甘かった。 彼等はしょっちゅう喧嘩をするのだ。そうするともちろん閉鎖空間が発生する。 そのため僕はここ一週間ほどまともに寝ていない。 しかし授業中寝るわけにもいかないし、部活をサボるわけにもいかない。 なんでって?機関がそう指示してくるからだ。 そんなわけで僕は重い身体を無理矢理動かして部室に来ている。 いい加減だるい。早く帰って眠りにつきたい。 そう思いながら扉を開けた瞬間涼宮さんの怒鳴り声が聞こえた。 「そんなにみくるちゃんがいいならみくるちゃんと 付き合えばいいじゃないの!このバカキョン!!」 「俺は朝比奈さんにちょっかい出し...
  • 10年後のSOS団
    ……あれから10年、俺達SOS団は未だに北高にいた…。  といっても、ハルヒの不思議パワーでエンドレス北高生ってわけではない。 まぁグダグダ説明するよりは話を聞いてくれ。 「おはようございます、キョン先生(歴史)」 この相変わらずのスィートボイスはマイエンジェルの朝比奈さん(養護教諭) おはようございます、朝比奈さん今日も素敵ですね。 「キョン先生だって素敵ですよ、奥さんがうらやましいです。」 いえとんでもないです、あいつには朝比奈さんの爪の垢でも… 「……」 おぅ長門(図書館司書)、上機嫌だななにかいいことあるのか? 「……今日は今月の新刊が届く日」 そうか……でもあまりマニアックな蔵書ばかりにしないようにな。 横山光輝版三国志がないのはいいとしても吉川英治版どころか三国志通俗演義すらなく、 原典の陳寿版しかないってのは公立高校の図書館としてはどうかと思うぞ。 料理本コーナーだって...
  • 長門有希の深淵
    「何よ!キョンのバカ!いいわよもう!」 そうまくしたて、涼宮ハルヒは部室を飛び出した。 「ちょ、おい!待てよハルヒ!」 続いてキョンと呼ばれた少年が彼女を追い、部室を出る。 いつもどおり、というには多少の御幣があるかもしれない。 しかしそれは見慣れた日常。   「やれやれですね、ちょっと用事ができたのでお先に失礼します。」 古泉一樹はいつもの表情でそう言い残し、二人の消えた部室の扉をくぐる。 おそらく閉鎖空間。 涼宮ハルヒが生み出した超空間。 彼はそこで彼女の生み出した神人と呼ばれる巨人を退治する。 神人は涼宮ハルヒの精神とリンクしていて、彼女の精神に苛立ちという異常が現れた際に閉鎖空間と共に現れる。   「あのー、私も、もう今日は帰りますね。」 遠慮しがちに朝比奈みくるは私を見て言った。 返事を待っているのだろうか。 数秒の沈黙が場を支配する。 そう。 私はそう述べると、朝比奈みくるは少...
  • 簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」 5食目 「オニーク」
    「ねえ、やっぱり彼に教えてもらってからの方がよくない?」 「大丈夫」 「そうかなぁ」 「鍋に食材と水を入れて煮る。これだけの工程で間違いはありえない」 「そうかなぁ」 「食材は鍋用セット428円(調理済み)を使用。包丁も使わないから大丈夫」 「そうかなぁ」 「鍋用スープも加工品(塩風味)を使用。ガス料金も支払い済み(自動引き落とし)入念な下準備は済んでいる」 「そうかなぁ」 「そして料理を実行するのは私。信じて」 「あのね? そこが信じられないのよ、悪いけど」     簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」  5食目「オニーク」     「と、いう訳で助けを呼んだんです」 「……」  今の説明と、この現状が繋がらないんだが。 「えっとね? まずは鍋をガスコンロの上に置いたの」 「そして、素材を鍋に入れて火を通した」 「最後にスープを注いで完成」  鍋の淵や底に野菜と肉と魚がびっしり張...
  • 涼宮ハルヒのダメ、ゼッタイ四章
    四章 時刻は夜11時。俺は自宅にてハルヒの作ってくれたステキ問題集を相手に格闘中だ。 「やばい、だめだ。全然わからん。」 朝はハルヒに啖呵を切ったものの、今では全くもって自信がない。 今の時期にE判定を取るようじゃ、どう考えても結果は目に見えている。 そもそも俺よりも頭のいいあいつが、それに気付かない訳がないのだ。 ただ遊ばれているだけなのか? …………ハッ!いかんいかん!俺の中の被害妄想を必死でかき消す。 頭を一人でブンブン振っていると、俺の右手に違和感があることに気付いた。 俺の右手はいつのまにか机の引き出しの中に伸びている。 手は引き出しの中の『奴』を掴んでいた。 そのことを俺の頭が理解した途端、俺はバネにはじかれたように机から遠ざかった。 「はぁ、はぁ…」 これ以上ないくらいの恐怖を感じながらも、俺の手はまだ『注射器』を握り締めている。 「何で…何でこんなことになっちま...
  • いじっぱり
    さて、この状況非常に厄介だ。 俺とハルヒは互いに好き合っている。言葉では好きと伝え、キスも数回している。……まぁ行為にも及んでいる。 ただ一つだけ問題がある。 どちらからも《告白》をしていないことだ。 《告白》はやはりカップルの上下関係を決める物だとハルヒは豪語しており、やはり男としてはここで譲るわけにはいかないだろう? それで今のような奇妙な関係が続いているのさ。 あぁ、もちろんいろいろ試したよ。聞かせてやろう。   まずは、二人で同時に言えば問題ないとハルヒが言い出した。 「せーので言うわよ。……せーの!!」 「「………………」」 「ちょっと!なんで言わないのよ!あんたあたしの事好きじゃなくなったの!?」 「いや、ちょっと待て。お前も言わなかったのは俺の事を嫌いになったのか?」 「む……ち、違うわよ。大好きよ、バカ……」 「俺も大好きだぞ、ハルヒ」 そこで俺達は仲直りのキスをして、あや...
  • 朝比奈みくるの未来・第3章
    第3章・朝比奈さんのお誘い      どうやら、どこかで何か情報の齟齬が発生しているらしい。さっきの二人の詰問内容から考えられる推論を出してみた。たぶん、大きくは間違ってないと思う。   朝比奈さんの体調を心配した鶴屋さんが電話をかけると朝比奈さんが泣いていた。 聞こえた俺の名前で、泣いているのは俺が原因と考えた。 そう思った鶴屋さんがハルヒになんかあったか聞いてみた。 俺が送って帰ったと聞いた。 どうやら俺が酔った朝比奈さんを手籠めにしたんじゃないかと早とちり。 二人して俺ん家に殴り込み。   …らしい。激怒するのも頷けないわけでもないが、間違ってるぞ。教室で長門を抱き起こす俺を見た谷口を俯瞰で見下ろすぐらい超越してる。早とちりが齟齬の原因なら俺のしなきゃいけないことはそんなにもないだろうし、難しいことでもないだろう。 朝比奈さんと話す>鶴屋さんの誤解を解いてもらう>ハル...
  • アルバム巡り
    家出少女の続編のようなものです       佐々木の家出というサプライズが起きた今年の夏休み、今年は二週間がエンドレスすることはなく今は秋真っ盛り。 朝比奈さんが受験勉強のためSOS団を一時離脱しているのを除けば何一つ異変はない。 そしてある日の放課後、いつものように俺達SOS団は文芸部室を占拠している。   …ああ、朝比奈さんのお茶が恋しいねえ。   「なんなら僕が煎れて差し上げましょうか?」   いらん、俺は朝比奈さんの煎れたお茶が飲みたいんだ。   「フフッ、残念です」   古泉とそんな取り留めもない会話をしていると、妙にソワソワしているハルヒが目に入った。   「どうしたハルヒ、妙に挙動不審じゃねえか」   「な、なんでもないわよ!」   そう言いながらもハルヒは時計を何度も確認している。 いや、どう考えてもなんかあるだろ。 俺がそんな言葉を口から出そうとしたとき、部室の扉がノッ...
  • 涼宮ハルヒのダメ、ゼッタイ 三章
    三章   学校に行くのが憂鬱だ。体中がとてつもなくだるい。 昨日、あれから一晩中泣き明かしたからだろうか。ほっぺただけじゃなくて、 目も相当腫れているんだろうな。   ――返せ!俺の時間を返せ――   昨日は結局、キョンは部室に帰ってくることはなかった。仮に帰って来たら、 今度はあたしが逃げ出していたんだろうけど… キョンの言葉が耳にこだまする。あたしは、あいつを………その………好いていた。 あたしがどんな無理なことを言っても、最終的にはそれに賛成し、協力してくれる。 そんなあいつに、あたしは心の底から信頼していた。   だけど…今はあいつが……とてつもなく怖い……   所詮はご機嫌とり。能力のないあたしなんてもう関係ないってこと? 昨日のあれは三年間のあたしへの、鬱憤だったのかも… 楽しいと思ってたのはあたしだけ?   後ろ向きな考えばかりが浮かぶ。 そんな考えを払拭するために、あたしは...
  • はるかぜふくまえに・第一章
    ○第一章   「キョーンくん! おはよ!」 翌日通学路で早速長門と出くわした。なんだお前、朝から俺の調子を狂わそうというのか。 「えー何それ? 今日はたまたま寝坊しただけだよ」 「寝坊してこの時間か。そういえばいつも何時に登校してるんだ?」 俺がそういうと長門は顎に人差し指をあて呻吟し、 「んーと、始業一時間前かな?」 いくらなんでも早すぎんだろ。 「だって、ハルヒちゃんの観測しないといけないじゃない? それがわたしのお仕事だもの。 万一ハルヒちゃんが学校に早く来た時のために、わたしはいつもそうしてたの」 なるほどな。一年経って明かされる真実があったものである。道理で一度も長門と出くわさないわけだ。 ん? となると…… 「今日はいいのか? 観測するんだろ」 「だって寝坊しちゃったんだもん、しょうがないじゃない」 いいのかそれで! しょうがないで済むならハルヒの超変態パワーもまったく阻止する...
  • The story develops here
        注意:Desire where it doesn t disappear (長門視点)の後日談の話になります。          頬に熱い物が流れ落ちるのを感じた。  一筋の雫が地面に零れ落ちていく。   「ちょっと古泉くんっ?!」 「ふえぇぇぇ~?!」 「おいおい」    彼らの絶句する気配。   「僕は……?」    どうしてこうなったのか思い出せない。  記憶が曖昧だ。  そしてこの胸を締め付けるような切なさは?  ……落ち着け、古泉一樹。  まずは冷静にならなければ。  腹底に溜まった熱を追い出すように深呼吸をしながら、僕は経緯を振り返っていた。        放課後の文芸室に、パチリと音が響いた。   「王手。これで詰みだな」 「三敗一勝。今日は良い勝負ができましたね」 「負け越しているのに何で自慢げなんだ、お前は」    彼はよく分からんと頭を振りながら溜息をついていま...
  • 水晶の夜③
      よっぽど俺の動揺ぶりが顔に出ていたんだろう。 「だらしないわねえ…、自分が散々使った手なのに。」 「目を剥いてるわね……。」 「口をパクパク開けてるわね…。」 「ガタガタ震えてるわね…。」 「明らかに挙動不審ね……。」 「このまま外に出たら職質されるわね…。」 「こういう返しが来るのはある程度予想できたのにね。」 「自分が不意打ち掛けられるのには慣れてないのね。」 だまれ、外野うるさい…。そういうのに慣れている奴って一体どんなや…。 「あんた、自分のものにしたいとか考えないの?」 おいっ、今どう答えるべきか考えてるんだから、追い打ちをかけるな…。 「自分だけのものにしたくはないの?」 とどめを刺すな…。   これはどういうことだ? いや、ここは余計なことは考えるべきではない。 いくら考えてもわからないものはわからない。 だいたい今まで、あらかじめ考えておいてどうにかなったことなんかあっ...
  • ノンフィクション・ストーリー
    (この日付以前のページは空白となっている。また、目次のページは破り捨てられている。)   2001年6月23日   私はいじめられている。 私は暗いから、教室にいると周りがみんな暗くなるから学校に来るなと言われた。 私の給食に虫が入っていた。 靴がなかった。 明日も学校だ。 新しい靴を買わなければ。   2001年6月24日   虫食い女と言われた。 気持ち悪いから近寄るなと言われた。 転校しろと言われた。 全て私が悪いらしい。 机の中にゴミが入っていた。 椅子が水浸しになっていた。 明日は休みだ。 嬉しい。   2001年7月17日   男子に乱暴された。 服を脱がされた。 血が出た。 気持ち悪かった。 全て私が悪いらしい。   ■してやる。   殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる■■■やる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺して■る殺してやる...
  • 好感日記Ⅱ
    (好感日記。Ⅰの続きです。)   好感日記。Ⅱ   その後ハルヒと別れた俺は、一人机に向かっていた。そう、例の交換日記を書くためである。 しかし俺はものの3分で恐ろしく大変なことをしていると気付かされた。まったく思い浮かばない。 そもそも日記なんて小学生のときに3日坊主で終ったような俺だ。それも読むのは自分だけでなくハルヒもである。しかも先ほど、『面白いことを書かなくては死刑宣告』を受けたばかりだ。とりあえずあーとかうーとか唸りながらペンを走らせた。 【あー・・・まぁ今日からお前と交換日記をするわけだが・・・。自分から提案しておいて悪いのだが俺ははっきいってこういうのは苦手だ。ゆえに、お前を心底楽しませることはできないかもしれないがまぁ、暇つぶし程度に読んでくれ。今日は古泉とポーカーをやったんだ。しかも金を賭けてな。まったく・・・誰かのせいで俺の財布は年中無休で悲鳴を上げてるからな。古泉...
  • 小さな罪人
     夜中の12時。わたしはハサミを持って部屋を出た。どこに行くのって?  わたしのお兄ちゃん、キョンくんの部屋に行くの。  今日は、キョンくんの部屋にはハルにゃんが泊まりに来てる。あたしの敵、ハルにゃん。  キョンくんはわたしだけの物なのに……絶対に譲らないもん。  こっそりとドアをほんの少し開けて、中を覗くと……えぇっ!? 「んっ……キョン、ちょっと痛い……」 「あ、悪い。……ゆっくり動くぞ、ハルヒ」 「んっ、あっ……気持ちいい……」  危ない……声が出ちゃいそうだった……。何やってるかは子どものわたしでもわかる。  キョンくんが隠してるエッチな本とかに載ってるようなことを二人でしてる。  最低だよ、キョンくん。ハルにゃんも。隣りの部屋にわたしがいるのに……。  ほんとは、二人が寝てから行こうと思ったけど……決めた。邪魔しちゃうもん。  だって、キョンくんを取られたくないから。  わたしは...
  • 水晶の夜⑦
      どうせおまえに秘密を持とうとしても不可能だ。 「そうやって、誰彼かまわずやさしくするから…。そういうところが君は無責任なのよ。」 昔床屋で読んだ漫画のセリフを引用しただけなんだけどな。 「せっかく言うべきことを言えたと思ったのに…。」 さっきあなた、おれがやったことを非難してませんでした? 「だけど、この子はどこで電話してたの?」 どうでもいいでしょう、そんなことは。 「確かにどうでもいいことね。」 しかし店員たちの反応は店長のそれとは違っていた。 「この子が長門さん……。」 「なんてきれいな子……。」 「さっきの子とはタイプが違うけど……。」 たしかにこいつもハルヒもどこに出しても美少女で通る容姿をしてますがね、二人とも自分の外見なんかどうでもいいと思ってますよ。 「美少女…………。」 なに照れてやがる。 店長さんがちらりとこっちを見た。 「君の前ではそうでもないみたいよ………、...
  • 橘京子の憤慨(予告)
     こんにちはみなさん。お久し振りです。あたしは元気です。みなさんはどうですか?  ……え?お前は誰だですって!?んん……!もうっ!  あたしですよ。あ・た・し。橘京子です。  そう、佐々木さんのためならたとえ火の中水の中。閉鎖空間の醜い神人を退治てみよう。きょこたろう……いえ、なんでもありません。  あたしは前回の騒動で佐々木さんの閉鎖空間に発生し始めた神人達をやっつける事ができる能力を身に着けました。その能力が買われて、あたしは『神人迎撃部隊本部長』という、組織の中でもとっても偉い役に昇進したんです。エッヘン。  それに佐々木さんの『鍵』となる存在――キョン君と呼ばれる彼とも親しくなり、組織の人間はあたしの言動においそれと反抗できなくなっちゃいました。ヘヘーン。  ん?佐々木さんに神人が発生したのはお前のせいじゃないかって?そ、それは気のせいです!あれは涼宮さんの影響ですから!それ...
  • 最終兵器長門
    俺は駅前で待っていた。 長門を、俺の想い人を…   長門の超人的(正確には宇宙人的だが)能力が世間にばれたのは、約一ヶ月前のことだった… 例の一件で長門を消却しようとしていた情報統合思念体は、ハルヒによって消滅させられ長門は普通の女の子になったかに思われた。 しかし、そうはならなかった。情報統合思念体は消滅したが、長門個人の能力は失われなかったのだ。 俺は長門に対し能力は使わないように注意をしていた。 しかし、あの日……俺と長門が二人で市内散策をしていた時である。   向こうから俺にむかって猛スピードで走ってくる車… はねられる!俺がそう思った時……長門はためらいもなく能力を使った。俺のために…… 運悪くその近くにはカメラを持った人物がいて、長門はその瞬間を撮られてしまった……… そして、その映像はその日の夕方に全世界に流された。   前の長門なら簡単なことだったろう。世界の人々に対して情...
  • よっこらせっと
    ハルヒ「キョン、スキヤキするからお肉買ってきて」 キョン「…………」 ハルヒ「ちょっとキョン?きいてるの!?」 キョン「………ああ」 長門「……………」 キョン「よっこらせっと」 長門「理解した」 キョン「??」 ハルヒ「??じゃあとりあえず500円ね」 キョン「あ…あぁ」 バタン ハルヒ「ところで有希、何を理解したの?」 長門「……先程、彼が立ち上がったときに本当に言いたかったことは「よっこらせっと」ではない」 ハルヒ「じゃあなんだってゆうのよ」 長門「……」 ハルヒ「ちょ、ちょっと有希?なんでないてるの?」 長門「……なぜ」 ハルヒ「……有希?」   長門「……泣いている」 ハルヒ「…え?」 長門「私が泣いている…」 ハルヒ「……有希?」 長門「………一人にして」 ハルヒ「…………」 …バタン 長門「…私が泣いている」   有希はどうしちゃったんだろう…キョンが原因なのはわかってる...
  • a long wrong way 五章
    「一人、か」 思わず呟く俺。 今日、古泉が転校していった。これで、北高に残ってる団員は 俺と朝比奈さんと長門だけだ。 朝比奈さんと長門は俺が進級するのと前後して、学校から去って行く。 「一人、か」 また、呟く。俺の周りから、ハルヒの痕跡が消えていく。 そう、何より寂しいのは、ハルヒが俺の側にいないことだ。 気力が出ない。全く何にも手が付かない。 それだけ大きな存在だったのか、ハルヒは。 そんな状態のまま時間は過ぎていき、今日は卒業式の日だ。 卒業式で朝比奈さんの姿を目に焼き付けた。恐らく今日で最後だからな。 卒業式のあと、何となしに文芸部室に向かった。 ノックなしで部屋に入ろうとしたら、後ろで待ったがかかった。 「ちょっと、待つっさ、キョン君」 鶴屋さん?なんでここに? 「みくるがどうしてももう一回見たいって言うからついて来たのさ」 今、中に? 「そうさっ。ところでキョン君。君、目が死んで...
  • Desire where it doesn't disappear (長門視点)
       この作品は Desire where it doesn t disappear (古泉視点)を長門視点から綴った物語になりますのでご注意ください。 では↓から本編開始です。               地球時間に換算して、午後五時三十七分二十六秒時点で閉鎖空間の発生を観測。昨日の始まりから今に至るまで通算で四十五回目の観測である。  原因は放課後に始まるSOS団での活動の際による、涼宮ハルヒと彼による口論によるところだと判断する。  いつものように涼宮ハルヒが朝比奈みくるをオモチャのように苛めているところを、彼が溜息を付きながらも間に入ったのだが、涼宮ハルヒはそれが気に入らなかったのか、彼に矛先を変え噛み付き始めたのだ。噛み付かれた彼も初めは子供をあやす様に諭していたのだが、涼宮ハルヒの一言――その際の会話ログを呼び出す。   『あんたはみくるちゃんにデレデレしすぎなのよ、こ...
  • サムナンビュリズム後編1
    「キョン君起きて……キョン君!」  誰? 「ひぐっ……起きて……キョン君……」  この麗しい涙声は、 「朝比奈さん?」  ゆっくりと目を開けると、そこには涙でそのお美しいお顔を湿らせた朝比奈さんがいた。 「あっ……あっ……キョンくぅん!」  朝比奈さんは俺が覚醒するや否や、凄まじいスピードでいつのまにかベッドの 上に横たわっていた俺の体に飛びついてきて、そのまま嗚咽をもらし始めた。  朝比奈さんに俺の上着でその真珠の涙を思う存分拭い去って貰いたくもあったが、 如何せん、そうもいくまい。 「朝比奈さん。とりあえず落ち着いて下さい」 「あっ、すすすすみません! つい……」  朝比奈さんは俺の言葉に反応しものすごい速度で顔を上げた。見ると、 その愛らしい両目は真っ赤になっている。とりあえず、状況確認をしなければならない。 「一体何があったんですか?」 「……長門さんが、いきなり倒れたんです。それ...
  • 下衆谷口vs朝倉涼子~前哨戦~
    長門「………もち巾着」   長門「………今日の夕食はおでん」   長門「………♪」   長門「………私は長門有希」   長門「………あ」   朝倉「あら。お久しぶりね」 長門「………ひさしぶり」 朝倉「お元気そうね。どう? あのSOS団とかいう集団とは、その後も仲良くやってるかしら?」 長門「………もち巾着」 朝倉「……そう」 長門「………そう」 朝倉「……もち巾着なの」 長門「………もち巾着」     長門「………なぜあなたがここに」 朝倉「ふふふ。驚いた? そうよね。1年近く前に情報連結を解除された自分のバックアップが、こうしてまた有機生命体として存在しているんだものね」   長門「………あなたの目的は何」 朝倉「そう質問してくると思ったわ。でも安心してくれていいわよ。私の目的は彼の命ではないんだから」 長門「………」 朝倉「疑ってるの? じゃあ情報統合思念体にアクセスしてみるといいわ...
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