涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「全力疾走!ロミオ&ジュリエット」で検索した結果

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  • 長編・キョン2
    ...OS団お掃除大作戦 全力疾走!ロミオ&ジュリエット ただ一人のための物語 ある日のイベント 緋色の媚薬 命の価値 キョンの日常 ) 幸せの定義 尾行大作戦? あるカップルの優劣 And everyone passed away リセット(微鬱描写有) 虫歯と歯医者 恋愛お試しお手伝い! 涼宮ハルヒの中秋 ハルヒになっちゃった 月で挙式を 三者面談 とびだせ大作戦はサイケデリック 親愛の情 デッサン パレット 涼宮ハルヒの台湾 a unique solution 幸せのカテゴリー 涼宮ハルヒの終焉 ロリキョンが出来るまで ハロウィン!  涼宮ハルヒの戦場 世界の終わり 夏のある日の思い出 水無月の雨 A Jewel Snow (キョンVer) 華 ファーストキス ハジメテノヒト ストレス解消大会 ホットレモン エトランゼ 上機嫌 Lost my …? 『不思議の定義』 傷つけあい仲直り...
  • 間違いだらけの文化祭 Scene1
    「おお、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?」 「君がロミオという名が気に入らないなら、もう僕はロミオではない」    体育館のステージに、やる気のない声と凛とした声が響く。  名前が連呼されたのですぐわかったと思う――ロミオとジュリエットを演じている最中だ。  日本でも知れ渡っている有名な恋愛劇。  イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアが作った戯曲だ。  詳しい内容は知らなくても、大体の人がロミオの名前をどこかで聞いたことがあるだろう。    俺のクラスは文化祭の出し物でこれを演じる。  俺が体調を崩して学校を休んだ日に決まっていた。  やれやれだ。適当に歌でも歌うほうが手間がかからないんじゃないか?  せめて舞台裏なら良かったんだけどな。  俺も舞台で演じる一人だ。なお悪いことにセリフがとても多い。  配役まで知らぬ間に決まってたんだ。知ってたら無理にでも学校に来たぞ。  クラス...
  • 間違いだらけの文化祭 Scene6
     佐々木の吐息が俺の思考を酷くかき乱す。  ほんの少し近づくだけで唇が触れ合うだろう。  それを望む自分と、止めようとする自分が繰り返して争いを続ける。  本当は争うまでもないんだ。一時の感情で佐々木との関係を壊したくない。  だが彼女を欲しいと思った気持ちが止まらない。  葛藤で熱暴走を起こした頭に佐々木の姿が浮かんでは消えた。 『キョン』  目を閉じていたって鮮明に思い出せる。声だって、リアルに響く。  この半年に限って言えば一番時間を共有した相手だ。 『なあ、キョン。知ってるかい』  得意げに笑うあいつが、 『キミが遅刻した分だけ僕の時間は無為に過ぎてしまったのだが』  不機嫌に説教を始めるあいつが、 『呆れるほど鈍感だなキミは』  どこか困ったように俺を見上げるあいつが、次々に俺の脳内を侵食する。  この顔が強張ってしまったら俺は――    ダンッと鳴った音が俺の思考を中断させた。...
  • 間違いだらけの文化祭 Scene2
     受験の年に厄介な事を押し付けられちまったな。  ただでさえ英単語や年表で圧迫されている記憶容量に無理矢理詰め込んでるから、フライパンにかけたポップコーンのように頭が破裂しそうだ。  塾のない日は、放課後遅くまで演劇練習で居残りだ。  帰る時間が遅くなる理由を聞いたお袋は色々文句を言っていたが、ロミオとジュリエットの主役を俺と佐々木がやると白状したら(させられた)態度が一転した。 「それなら仕方ないわね、がんばりなさい」で片付いたのだ。  なんだろうね、この変わり身の早さは。  一応ありがたく思っておくか。しつこく説教されるよりはいい。  だが妹と一緒にニヤニヤして俺を見るのは止めろ。  学校でもクラスのやつらがニヤニヤするんで不快指数は鰻上りだ。    そして俺は気づいていなかった。  このとんでもなく疲れる事態に、まだ追加される要素があることを。     「おはようジュリエット」とから...
  • 間違いだらけの文化祭 Scene5
     文化祭の午後の部、俺たちの演劇が始まった。  出番がない間にも台本を読み返して忙しい。  佐々木がいれば皮肉のひとつやふたつも飛んで来たかもしれないが、反対側の控え室だ。  体育館のステージは両脇がぶち抜きで控え室と繋がっている。  かなり段差があるから、控え室から舞台となるステージはほとんど見えない。  ステージは佐々木の身長より少し低いぐらいだな。階段がなければ女子は上るのも一苦労のはずだ。 「キョンくん、出番。テラスに出て」 「ああ。堂々と教卓に立てばいいんだな」  文化祭実行委員は渋い顔をした。 「テ・ラ・ス・で・す!」  無闇に強調してくる。痛いところを突かれた自覚はあるらしい。    我がクラスの大道具係はやる気がなかったようで、舞台セットはかなり貧相だ。  廃棄前の教卓を重ねて接着剤やら木材やらで補強した物体がテラスというのだからお粗末にも程がある。  見栄えのためか、白い...
  • 間違いだらけの文化祭 Scene3
     演劇ロミオとジュリエットの準備は全体的に見れば順調に進んだ。  一番セリフが多いやつはさっさと覚えたし、全員の衣装は出来上がり、宣伝のポスターも校内中に貼られた。  ポスターは画用紙に開催時刻とクラス名を書いた適当なものだ。  わざわざポスターなんて貼らなくても強制的に体育館に集められることになっている。  サボることもできるが点呼時にいないと欠席扱いになってしまう。  だいたいは大人しく体育館で出し物を見るか、居眠りをするのが通例だ。  そんなわけで、クラスの準備は整って来ていた。一部を除いて。    体育館で衣装を着ての練習が始まった15分後、いきなり中断が入った。 「キョンくん、まだセリフ覚えてないの!?」  眼鏡をかけた女子が金切り声で非難を口にした。  文化祭実行委員の彼女は自分のことのように眉を吊り上げている。  受験生だってのに余裕のあることだ。そういや学年10位以内だった...
  • 間違いだらけの文化祭 NGシーン
     ……やばい、セリフをド忘れしちまった……。  たしかロミオに独り言で求愛する悪夢のような内容だ。  舞台は静まり返っている。早く言わなければ!  ここでジュリエットの独り言がないと物語が進まないんだ。  くそ、気持ちだけが空回りして出てこない。  俺がセリフを言い終わるのを待っている佐々木の顔が思い浮かんだ。  想像の中でもあいつは偽悪的に笑っている。  これが俺の好きな相手だっていうんだから笑っちまうね。  演劇練習で一緒にいる時間が増えて自覚してしまった。俺はこいつが好きなんだって。  あいつを今待たせてしまっている。早く、早く言わなければ……。     「佐々木、好きだ! 俺と付き合ってくれ!」    静かなステージに俺の声が響き渡った。  ………………俺、今なんて言った?    取り返しのつかないことを叫んでしまった気がする。  セリフを思い出そうとしていた時以上に頭が働かない。...
  • 間違いだらけの文化祭 Scene4
     ぐったりした俺にひきかえ、佐々木は通常モードだ。  なんだか、散歩したくないのに飼い主によって我侭放題あちこち引きずり回された犬の気分だぜ。  まあ佐々木は別に暴君ではないのだが。  俺はガラステーブルに乗っているお茶を掴んで残りを飲み干した。  佐々木が途中で持ってきてくれたやつだ。馴染みのない味だが、嫌いではない。  ちょうどよく差し出された手にグラスを渡す。  受け取った佐々木は、お盆に空のグラスを2つ乗せた。    佐々木に促されるまま階下に降りてダイニングに移る。  佐々木の部屋よりさらに広い。  大きいテーブルにあわせて椅子がいくつもあるが、人がいないせいか寂しく感じられた。 「適当に座って。何か食べたいものはある?」 「任せる」 「嫌いな物は?」  俺は食べたくない物をいくつか挙げた。 「じゃあ、そのフルコースにするよ」 「おいおい」 「キミは任せると言った。早くも前言撤回...
  • 人生最悪の三日間 第五章 ~笑う女~
    勘が良い読者は、すでに気づいているだろう。 しかし、それは本当に勘の良い人間だけだ。 それは、この事件の犯人が見せた本性だ。 その本性は、普段の性格とは正反対で、非常に冷酷で残酷だ。 『ヤツ』は少しだけ、本当にわずかだったが本性を見せた。   午後五時五十七分。一年五組の教室にて。     目を覚ますと、教室に居た。 窓の外を見ると、すでに日は暮れていて真っ暗だった。 目の前には長門が居た。長門は俺のほうではなく、黒板のほうを見ていた。 黒板の前にはあいつが立っていた。   朝倉。 ホントにカナダに行っちまえばいいのに。 この光景は見たことがある。俺の心の傷がサバイバルナイフでさらに広げられる。 全身に鳥肌が立つ。やっぱり、朝倉には慣れん。 「情報連結を解除」 長門はそう呟いた。 朝倉は足元から光の粒となって消えていく。 なんだ? いきなり決着がついたのか? 俺が寝ている間に激しい戦いが...
  • 人生最悪の三日間 最終章 ~デズデモーナ~
      もっと早く、気づくべきだった。 朝比奈さんは三年以上前に遡れないと言ったし、古泉はもしかしたら昨日世界ができたのかもしれないとも言った。 朝比奈さんの言ったことはわからないし、古泉が言ったこともありえないと思って、別に気にしなかった。 でも、そのときに気づくべきだった。 単独で考えれば、どちらもありえない話だが、併せて考えれば答えは出るのだ。 神が憎い。 こんな奴が神だなんて信じられない。 俺は神に反乱を起こすぞ。     午後六時二十分。部室にて。   銃声は二回だった。 ひとり一発ずつ。 だが、それで十分だった。 笑う女は笑うのを止め、床に崩れ落ちた。 部屋の隅にいた未来人も同じように倒れた。 銃口から出た煙は天井に向かって昇る。 死体が二つ、床に転がっている。頭からは血を流して、床に血溜りを作っている。 「……よく撃てたな」 「団員のピンチよ。撃てないわけ無いでしょ」 「……...
  • 一夏の恋 エンドロール1
    Many times I ve been alone and many times I ve cried. Anyway you ll never know the many ways I ve tried. 夜そのものに溶け込むように、公園の中央に聳える時計台の前。長門さんは佇んでいた。 「……お待たせ、しました」 全力疾走の分、息が切れた。湿った夜気が咽喉に絡む。長門さんは僕を認めると小さく頷き、僕の前に完成された姿勢にて立ち、細い顎を上向かせた。繊細な面がひたりと此方に据えられる。澄んだ瞳に、深淵の銀河を覗き込むようなイメージに囚われる。 彼女は無言だった。僕の詞を、待っていた。その為の呼び出しであろうことも薄々察知していたから、まるで予想外ということもなかった。 これは彼女が、どんな心境でかは分からない――この時間軸の僕にくれた、文字通り最後の機会なのだろう。だから。   ...
  • ピロートーク ~お莫迦ダイエット編
    おいハルヒ、いい加減にゲームをやめろ、ゲームは一日一時間までと某名人もいってるだろ? 同じ所に就職も決まったし卒論もでっち上げた俺達は卒業するまでの間をダラダラと二人きりで過ごしている。 そこ、爛れたバカップルとかいうなよ、それにしてもハルヒは怠惰すぎるが……。 「うるさいわね、いまやめるわよ、いま……そうだキョンあれとって頂戴」 またか? あれは昨日も食べたじゃないかジャンクフードは体に毒だぞ。それにもうすぐ晩飯だろ? あれだけで会話が成立してしまう俺とハルヒの仲な訳だが……、ハルヒが俺のアパートに入り浸っているんだから当然かね。 「いいじゃない、それにこういうのは別腹よ、別腹!」 おまえなぁ……、そんなんで来週大丈夫なのか? あとで慌ててもしらないぞ。 「来週って? 何かあったけ?」 なんだ覚えてないのか、来週は俺達内定者の健康診断だろ。バクバク食べてると泣きをみるぞ。 「ちょっとス...
  • 一夏の恋
    白い手だった。 額に触れる、熱を冷ます繊細なてのひら。意識がぶつ切れに再生される中に、ちらついて見えた。暑さに魘されぬようにか、 そっと守るようにその手は添えられていた。柔らかな感触だった。茹だるような暑さの中に齎された束の間の癒し。 蝉の鳴き声が、遠くに聞こえる。 闇に落ちていた意識をふつりと浮上させ、重い瞼をどうにか開くと、綺麗な氷膜のような眼がこちらを見おろしていた。沈黙を守る、無機質な表情。常と変容のないまっさらな琥珀。 なのに―― そのとき心に極自然に浮かびあがった「綺麗だ」という感慨に、心拍が弾んだ。木陰、ベンチの上。どうやら馴染みの公園の一角。状況をあらかた把握すると、更に惑ってしまう。こうなるに至った経緯を思い出せないことも問題だが、何より、自分の頭が彼女の膝を枕にしていることに。 「……長門さん、その」 「あなたは浴衣買の出しに向かう途中に意識を失った」 訊ねること...
  • crane love ~EP0~
    「ふう・・・・・・」  今日もやっと習い事が終わった。今日は火曜日だからお習字の日。 週に六日は習い事がある。 それもこれもすべては鶴屋家次期頭首としての務め。 おろそかにはできない。 まあ、そのおかげであまり高校の友達と遊ぶ機会はあまり無いが。 それも仕方が無い。毎日毎日習い事ばかり。 頭では理解できていても、心のどこかで自分が叫んでいる。 もっと友達と遊んでも良いのではないか。なぜこんな疲れる、 面白くも無いことをしなければならないのかと。 今日も今日とて習い事が終わり現在時刻夜9時。 体はすでに疲労困憊だ。だが一人で歩いて帰路についている。 別に家の者に車で迎えに来させても良い。 だが、こういった習い事のあとはなんとなく一人でのんびりと帰りたいと思う。 この夜の澄んだ冷たい空気を味わいたいと思うからだ。 空気をゆっくりと、胸いっぱいに吸い込む。 うん、気持ち良い。 気のせいかもしれ...
  • 七夕シンドローム 第二章
     午後の授業の始まるぎりぎりに教室へ滑り込むことに成功し、息を落ち着かせながら席についた。ここ二日、走ってばっかりじゃないか俺。本当に特技が人より早く走れることになりそうだ。そうは言っても、俺の運動能力は平々凡々のままだが。  ちなみにあの栞は、授業中にもしや何かあるんじゃないかと思って花の絵や真っ白な裏側を凝視してみたり太陽に透かしてみたりしたんだが、特に何か仕掛けがあるわけでもなかった。当たり前か。あれをよこしたのはこの世界の、ただの人間の長門だ。 「どうしちゃったの? あなた、あたしが教室に入った途端にどこかへ飛び出して行っちゃって、帰ってきたのは始業ギリギリだったんだもの」  午後の授業終了後のあとは帰りのHRを待つだけという時間に、そう言って人当たりの良さそうな柔和な笑みを見せたのは、俺の傍らにやってきた朝倉涼子だった。 「もしかして、あたしのこと嫌いとか?」  本人は冗談の...
  • お待たせしました。
    関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ       「……はぁ。」  今、この人思いっきり解かりやすい溜め息つきましたよ。 隠す気ゼロですか、そうですか。 普段、感情を表に表さないくせにこんなときだけやたらこれ見よがしですね。 どうしたって言うんですか。 いや、なんでご機嫌を損ねているかは僕が一番解かっているんですけど……と、言うより僕のせいですよね。 解かってます。 解かってはいるんですが……、言い訳くらいさせてください。 閉鎖空間が原因じゃ、どうしようもないでしょう? 「確かにあなたがわたしとの約束を反故にした理由は閉鎖空間。 その発生は仕方のないこと。 しかし、約束は約束。」  はい。 その通りでごさいます。 まことに仰るとおりで。 いや、でも、しかし、反故って言い方はちょっと……。 確かに約束の時間には遅れてしまいましたが、ちゃんと約束どおりの場所に来たじゃないですか。 ...
  • 恋文 プロローグ
            プロローグ 『突然このようなお手紙を差し上げること、心からお詫び申し上げます。この手紙が貴方にとって甚だ迷惑なことは重々承知しておりますが、私はどうしてもこの気持ちを伝えたいと思い、したためる決意をしました。 私は、貴方のことが好きです。 貴方は私のことを覚えておられないかもしれません。それも仕方のないことだと思います。けれど私は、貴方とともに歩いたあの日のことを忘れられず、ただ私が勝手に恋慕の情を抱いているにすぎません。自分でも恥ずかしく、貴方にとっては気味の悪い思いを抱かれていることでしょう。 それでももう一度、一度だけでいいのです。貴方の横を歩き、一言声を交わすことを許していただきたいと思います。 もし私の願いを叶えてくださるのなら、次の土曜日に駅前の公園に来ていただけないでしょうか。私は白い帽子をかぶって、貴方が来ていただけるそのときまで、ただただお待ち申し...
  • 第三章「喜劇役者でいよう」
    もくじ及び注意事項 「私と長門さんって、異世界人みたいなものですよね…」 お茶を飲みながら朝比奈みくるが呟く。 「…どうして?」 「私も長門さんも、この世界に帰る場所がない…世界のどこに行ったって迷子みたいなものですから…」 「…だけど私はいつか帰らないといけない。あなたも同じ」 「そうですよね…」     「ごめんなさぁい」 朝比奈さん救出完了の連絡を受けた後、そのまま祭りの中心部に集合になりました。 「全くもう!次から気をつけるのよ!?」 「はい…」 「長門はカレーまんなんかどこで買ったんだ?」 「…あっち」 「あっちって…お、金魚すくいだ」 「本当だ!ね、勝負しましょ!負けた人が罰ゲームとして一位の人の言うこと聞くの!」 「…お前の言うことは怖くて想像できんな」 「何よ!だったら負けなければいいのよ!!」 「あのー…できれば仲良くやりたいなぁなんて…」 …これ何て...
  • 長門有希の憂鬱III A new romance
      A new romance          翌朝、まるで誰かが意図したかのような雲ひとつない快晴だった。    俺は待ち合わせより三十分も早く駅に着いた。長門のマンションはすぐそこなんでドアまで迎えに行ってもいいんだが、押しかけるのも野暮なので待つことにした。長門も女だ、身支度には時間かかるだろう。    十五分くらいして長門がやってきた。いつものように制服を着てくるものと思っていたので、向こうからやってくる小さな女の子の姿がそれだと分かるのにしばらくかかった。渋めの濃いグリーンと新緑の明るいグリーンの、ツートンカラーのワンピースだった。胸元に大きなリボンがついている。足元を見ると、濃いグリーンの、かかとの低いパンプスを履いていた。    俺は手を振った。長門はじっとこっちを見つめたまま歩き、俺のそばにやってくるまでずっと目をそらさなかった。俺もじっと長門を見つめていた。なぜ...
  • 朝倉涼子迷走記 前編
    読む前にこのページにも目を通していただけると嬉しいです。 「キョーンくーん!!」 …その一声で目を覚ますと。 「あーさーだーよ!!」 妹が空中にいた。 ドスン!! 「ぐはっ!!」 「早く来ないとご飯食べちゃうよ!?」バチンバチン 頭を叩きながら話しかけてくる。 …こないだ家に置き去りにしたことをまだ根に持ってやがるな。 元気に部屋を出て行く妹を見ながらあと3分後に鳴る予定だった目覚ましを手に取る。 …あいついつの間にムーンサルトプレスなんか覚えたんだ? 「キョンくん早くー!」 「あぁ、今行く」 また平凡な1日の始まりだ。 身支度を整えて家をでると谷口がいた。 …お前の家は遥か彼方じゃないのか? 「そんなことどうでもいいんだよキョン!聞いて驚け!!なんと今日は転校生が来るらしいぞ!!」 「あぁそう」 「あれ!?反応薄い!?お前しかも女子だぞ女子!!」 というかこの...
  • こんな長門が欲しい
    「はぁ……はぁ……」 俺がこの道を自転車で全力疾走するのは今回で一体何度目だろうか。 しかも呼び出されるのは決まって夜、おかげで俺の貴重な睡眠時間は 鰹節の如く削られていく一方だ。呼び出すなら昼に、学校を合理的に 早退できる理由もセットでお願いしたいものだね。とはいっても相手 も同じくうちの学校の生徒なんだから叶わない話だが。 事の始まりは今から約三十分ほど前、珍しく(というか初めてか?) 長門の方から俺に電話がかかってきた。あの超無口宇宙性人造人間は 電話を持っているくせに自分からは全く活用しないのだ。俺としては あいつのクラスの連絡網がどうなっているのか非常に気にかかるとこ ろだが。そしてその長門が俺にかけてきた記念すべき初電話、その内 容は「時間がない。早く来て」と来たもんだ。しかも直後に人間大の物 体が床に倒れこむようなダイナミックな音が付属してるんだから急が ないわけには行かない...
  • 1ヶ月で痩せるSOS団
      1.SOS団のメタボ ~1週目・炭水化物ダイエット (ローカーボダイエット) ~   2.SOS団のメタボ ~2週目・スポーツダイエット (vs日向) ~   3.SOS団のメタボ ~3週目・自己管理ダイエット (太めのピンクパンサー部隊) ~   4.SOS団のメタボ ~4週目・我慢ダイエット (山篭り)~   5.SOS団のメタボ ~1ヶ月目 ・ ガチムチパラダイス~  
  • SOS団のメタボ3
    「そもそも格闘技はウェートが大きいほど有利なものが多いわけだから、体重を減らすというより増やすことを目的としているわけよね。私たちの目的とは逆行しているんだから、格闘技を取り入れたってダイエットになるわけなかったのよ」  などと屁理屈としか思えない言い訳をしながら、前とあまり変わらない体型で涼宮ハルヒは病院から還ってきた。  格闘技っていうか、ダイエットにプロレスを取り入れようという方がどうかしているのだ。そしてアマレスのリングで筋肉バスターを使う方がどうかしているのだ。どうせ筋肉バスターを使いたいのなら、NOAHにでも入団するべきだ。  本気でダイエットのために運動をしようと思うのなら、それ相応の体操などを試みるべきだったのな。ブートキャンプとか。 「はあ? 相変わらず馬鹿なこと言ってるわね。もう1年もSOS団の雑用やってるんでしょ。ちょっとは団内の空気というか、常識を学びなさいよ」...
  • 白有希姫 演劇篇
      第一章 プロローグ   「昔、白雪姫というとても美しい王女と、深い谷に住む魔女が居た。魔女は、自分が世界で一番美しいと信じており、彼女の持つ魔法の鏡もそれに同意したため、満足な日々を送っていた。」   このナレーションの語りは国木田。そして文章はウィキペ○ィアから参照したものである。   「『鏡よ鏡よ鏡っ!世界でいっちばーん美しいのは誰かしら?』」   体育館、ステージから見て右側の大きなスクリーンに谷口の顔が映し出される。いいなあ、こいつは出番が少なくてよ。   「『それはもちろん涼み…魔女様に決まってるでしょー。』」   こいつ、ちゃんと練習してきたのか?   「白雪姫が16歳になったある日、魔女は魔法の鏡にもう一度問いかけた。」 「『ちょっと!かがみ!世界で一番美しいのは誰かしら?』」 「『それは白有希姫でございますー。』」 「『なんですって!?聞き捨てならないわ、今すぐ白有希...
  • 水族館のその後に
    こちらは、教科書系列、水族館シリーズの続編になります。 ――――――――――――――――――― 「……。」 「…………。」  沈黙や静寂と言った言葉が脳裏を全力疾走していきます。なぜなら、僕と長門さんの間に漂うのはまさしくその二つだったのですから。 「………。」 「…………………。」  この沈黙が恋い慕う2人に言葉は要らないというものなら、悲観することはないのですが、生憎と総ではないのが事実です。つい、先ほど男女としてのお付き合いを決めた僕達は、「恋人同士」たる者が何を如何様に話せばいいのか解らないで、ただ、ただ、ひたすらに2人の間に漂う沈黙に臥しているだけなのだから。  一体、どんな話をすればいいのか、全く何も浮かんできません。もちろん、このデートが始まるまでにより合わせの知識をかき集め、話題に事欠かないよう努力に勤めました。しかし、そんなものはついさっき2匹のイルカに、弾...
  • 涼宮ハルヒのネットサーフィン
    ハルヒ「やりたいのよ・・・!!   やるわよ! どけ邪魔臭い!!ロリエロゲ!うせろ!! のれえんだよ!マイピクチャにいれすぎなんだよ! おい!!!」 キョン「・・・・。」 ハルヒ「インターネットさせろぼろPC!!!!!」   ハルヒは怒鳴るとキーボードで モニターを18回殴った   ハルヒ「・・・・、始まれ!っていてるだろ!!! うせろ!SOS~!!ボロPCうぜぇぇぇええ!! ア・・ハァ・・・・・ハァ・・・・ハッ・・!」 古泉「・・・・・。」   ハルヒ「なんだよコイツ?! お絵かきチャットで荒らすな!!豚ーーーー!!!! 死ねちんかす野郎!!!」 古泉「・・・・涼宮さんおちついてください。」   古泉「ぐわっ!!」 キョン「古泉!!」 バンッ、   ハルヒ「うそだ!ふたばになんで 擬人化スレないの?! スレ立て・・すればいいのよ・・・。 ・・・・サイズが大きすぎる?! そんなばかな!...
  • サムナンビュリズム‐プロローグ‐
    俺は雨の中傘もささずに自転車を走らせていた。 どうして俺がそんな熱血漢よろしくびしょ濡れ全力自転車疾走しているのかというと、まあどうということはない。 例の如く素敵団長様こと涼宮ハルヒがらみである。 傘をさしていなかったのは別に俺が雨に濡れながらのサイクリングをこよなく愛していたわけではなく、ただ そう、このときの俺はそりゃあもう驚天動地を通り越して呆然自失していたからな。   事の始まりは古泉からの電話だった。   「もしもし!?」 『おや? 遅かったですね、何かあったんですか?』 「何でもねぇよ」 『そうでか。それでは、いきなりで申し訳ないのですが、今すぐ市立病院まで来てください』 「いきなりそんなこと言われてもな」 『すみませんが一刻を争う事態なんです。取り乱さず落ち着いて聞いてください』 電話越しの古泉の声はいつになく真剣だった。 「何だ? もったいぶらないでさっさと言え、俺は早...
  • 涼宮ハルヒの旅路
    もうとっくに梅雨が過ぎてもいい時期にもかかわらず いつまでもずうずうしく居座り続ける梅雨前線のせいでムシムシジメジメしている今日この頃 期末試験も終わり我が高校における高校生活最大のビックイベント「修学旅行」の季節がやってきた   「ついにやってきたわ修学旅行が!行き先はハワイかしら?それともロンドン?もしかしてイタリアとか!?」   俺はというと今日も今日とてこのなにか修学旅行を勘違いしている団長様に振り回される日々   「んなわけねーだろだいたいなんでうちみたいなしょぼい高校が修学旅行で海外なんて行けるんだ}   「涼宮さん先ほど僕たちの学年全員を集めて修学旅行の説明があったのをご存知ありませんでしたか?」 どうしてこの蒸し暑いのにこの爽やか男はここまで爽やかでいられるのか やつの爽やかさの源はなんなのであろうか1980円以内ならばぜひとも買い求めてみたいものだ   「説明?あーなんか...
  • 最後の王様ゲーム
    ※これは魅惑の王様ゲームの続編です。       「「「「「「王様だーれだ!」」」」」」 「はーい!あたしー!3番は5番のほっぺにチューするー!」 おい妹よ、確かに定番だがなんてことを言い出すんだ。俺が5番だぞ。 いやでも古泉に当たる確率は1/4だ。まだ俺には希望がたんまりと残されている! 「すいません。僕が3番です。」     ハイ俺の人生終了。短かったなぁ・・・・・・     というか古泉もせめてもっと嫌そうな顔するとかあるだろ何ニヤケてんだ。 と思った瞬間古泉は俺にルパンダイブをかましてきた。 「ああ僕のキョンたん!!もう誰にも邪魔はさせないよ!!!!!一万年と二千年前から愛してる!!!」 おいちょっと待て気色悪さがハンパじゃないってかやめろ俺はホモじゃないハルヒ長門助けてくれ!!!! って何みんな顔赤くしてこっち見てるの!!??何!?最後まで見届けたいの!!!???? 「さあキョン...
  • 朝比奈みくるのレズレズ大作戦!
      こんにちは。朝比奈みくるです。 今日は日曜日!不思議探索もありません!つまりなーんもすることが無い日です! なーんもすることが無い上にだーれとも会う予定がありません。 特にSOS団の皆さんと会うことは無いでしょう。何故かって? それはキョン君は涼宮さんと、古泉君は長門さんと……デートしてるからだよこの野郎!!!     ……あ、別に私自身はそのことをなんとも思ってはいませんからね。 彼らがデートでいちゃいちゃしてるおかげで私はこうしてひたすらグータラ出来るワケですからね。 親元を離れ別の時代で過ごす私にとって精神的な疲労は蓄積される一方なのです。 だからこそ一週間に1回は誰にも会わずに引き篭もる休息日が必要なワケですよ。 それなのにもしもですよ?もしも私が誰かと付き合ったりとかしたら、 本来休息日のはずの日曜日ですらデートとかしなきゃいけないんですよ。 ワクワクして待ち合わせ時間より1...
  • 失って気づく幸せ(前編)
    俺はいま、SOS団ご用達の、いつもの喫茶店にいる。 だが、いつものように長門や朝比奈さん、古泉、そしてハルヒの姿はここには無い。 目の前のテーブルには、冷めてしまったコーヒーと、向かいで彼女が飲んでいた冷めたアールグレイティーが残されていた。 つい数日前までは、いつものようにSOS団のメンバーがここに集まり、ハルヒ団長の号令の下に不思議探索を行っていた。 それが今では遠い過去の出来事のように思える。 窓越しに外を眺めると、光陽園学院の女子生徒や北高の学生が、卒業証書の入った筒を手に、帰宅の途についている。 その光景が、俺に今日が自分の卒業式であることを思い出させる。 窓の外の景色から目を逸らし、手前にあるテーブルの上に視線を移すと、テーブルの上には銀色の安っぽい指輪がひとつ無造作に置かれていた。 この指輪は、俺がハルヒの誕生日に贈った最初の、そしておそらく、最後のプレゼントだ。 俺は指輪を...
  • チョコ、キッス、カオス♪
      ―――前略、オフクロ様…あなたの息子は只今、男子生徒の大群に追われてます…   ……理由?そんなの決まってる。どっかの聖人君子が亡くなった日に、世の女性がおもに好きな男に甘い糖分の塊を渡す日が原因だ。   ―――そう、バレンタインデーがやってきたんだ…       朝、今日もいつも通りの一日が始まったのだと思っていた。 いつも通り妹の目覚ましフライングボディプレスを空中で捕らえて、ジャーマンスープレックスでおはようございますした後に、いつも通りの歯磨き。いつも通りの朝食。いつも通りの妹とのセクロス。いつも通りの着替え。 本当にここまではいつも通りの一日だったんだ。   異変は家を出たときから始まったのだろう。 俺は眠い目を擦りつつ早朝ハイキングコースをケツだけ歩きで登っていた。 なんか周りの男共がそわそわしているように見えるが、きっと地震の前触れか何かだろう。そんなことがよくナマズと...
  • SOS団のメタボ
     太ってしまった。  と一言で済ませるのは容易いことだが、この状態にいたるには数々の複雑なプロセス、要因が積み重なっているんだ。とても一言でなんか言い表せない。  冬の間、寒い寒いと言いながら中華まんを食べたりホットドックを食ったりしていたが、その上さらに温度調整の効いたあたたかい小春日和のような部屋に閉じこもって、冬眠中の熊のようにグダグダしていたのが大きな原因であることに間違いはない。  年が明けて正月には、調子に乗ってバカスカと餅やら栗きんとんやらカロリーの塊のような物を食べまくっていたのも、この腹回りをしげしげと見るたびに思い出されて悔やまれる。あそこでもう少しセーブしておけば……。  春になったら春になったで、SOS団の全員で春休みを利用して連日のように花見ツアーを敢行していたのだから、その数日間の摂取熱量など考えたくもない量に達しているに相違ない。  つまり。俺は、いや、...
  • サムナンビュリズムまとめ
    サムナンビュリズム‐プロローグ‐ サムナンビュリズム前編1 サムナンビュリズム前編2 サムナンビュリズム前編3 サムナンビュリズム前編4 サムナンビュリズム前編5 サムナンビュリズム中編1 サムナンビュリズム中編2 サムナンビュリズム中編3 サムナンビュリズム中編4 サムナンビュリズム後編1 サムナンビュリズム‐エピローグ‐
  • ピロートーク
      ピロートーク~ラブホ編 ピロートーク~破れパンツ編 ピロートーク~リクスー編 ピロートーク~爛れたバカップル編 ピロートーク ~お莫迦ダイエット編 ピロートーク~お莫迦若夫婦編 ピロートーク~コスプレ馬鹿夫婦編 ピロートーク~未希編
  • 古泉一樹の家族事情
    土曜日。普通の学生ならば家でのんびりしたり部活に励んだり友人と遊びに行ったりするのだろうが、 我等SOS団にとって土曜日とは、不思議探索と称して街を練り歩くことが義務付けられている曜日だ。 もっとも、やってることは街をブラブラしているだけだから、これも「友人と遊ぶ」のカテゴリに入るのだろうか? 団長様は絶対にそんなカテゴリに入れられることを嫌うだろうがな。   というわけで、今日も例に漏れず不思議探索の日だ。 これで朝比奈さんと一緒ならば天国だし、長門と一緒なら図書館でノンビリ出来る。 ハルヒの場合は大変だ。そこら中を引きずりまわされる。そして最悪なのが……   「おや、今日はあなたと二人きりですか。」 「気持ち悪い表現を使うな。」   古泉と二人きりってパターンだ。……つまり、今の状態だな。 何が楽しくて野郎二人で街を練り歩かなけりゃいかん、まだハルヒのがマシだ。   「おや、僕はこの組...
  • SOS団の無職16
    前回のあらすじ  キョンたちSOS団団員たちは、無事過去の世界から帰還することができました。明確な理由はサッパリなままですが。  しかし涼宮ハルヒが時間を巻き戻した理由は判明しました。キョンも、自分が佐々木と一緒に買い物をしていて、その現場を涼宮ハルヒに見られたからだ、と時間遡行の原因を納得できないまでも理解はしました。  キョンは佐々木と一緒に、涼宮ハルヒの誕生日プレゼントを買いに出かけていたのですが、残念ながら彼女の誕生日はまだまだ先です。  もうすぐ誕生日おめでとう!になるのは、古泉一樹だったのです。なんという悲しい勘違い。     ~~~~~      新車特有の接着剤を思わせるにおいをぷんぷん漂わせる車内で、なんで買いたての車ってこんなにくさいんだろう、と疑問に思いながら助手席に座る私はシートを倒して寝そべった。  隣でハンドルを握るお手伝いさんに訊いてみたら、この...
  • しっと団の野望 ~最後の聖戦~ 後編
    さて、いよいよ「しっと団」との最終決戦が始まったわけだが、 別に闇の洞窟にいるわけでも異次元にいるわけでも無く、 穏やかな春空の下の競技場。とても緊張感に欠ける。 なんというのかね、運動会気分?   「さあキョン君!クジを引いてください!」   朝比奈さんが取り出したのは手を入れるタイプの抽選箱。 お楽しみ回じゃないんだから……余計に緊張感が薄れるな。 さて、俺が取り出した紙に書いてあったのは!     『長距離走』     どうやら本当に運動会だったようだ。というか、コレってもしかしなくてもハズレのような気がする。   「おいキョン!!なんつーもん引き当ててくれたんだ!!」   言うな、俺だって辛いんだ。 なんでこんな戦いでマラソンをさせられなきゃいかん。棄権させてくれ、罰金払うから。   「距離は10km。10km分このグラウンドを走ってもらいます。1周200mだから50週です。」  ...
  • エッチな短編4
    いい?これからする話は、絶対に口外したらダメなんだからねっ!/// その日、あたしはいつものように登校して、いつものように授業を受けていたわ。そうしたらいきなり、腹痛に襲われたの。 (うう、お腹痛い……。保健室いきたいよお。でも後でキョンにからかわれるのはどうしてもイヤだし…どうしよう、授業終わるまで耐えられるかなあ) 今は2時限目、世界史の授業中。ウチのクラスを担当する世界史教師は、もう引退寸前のおじいちゃん先生。授業自体は教科書をなぞっただけの、なーんにも中身の無いものなんだけど、余談が面白くて、あたしは結構好きだ。 なんて先生の話をしているうちに、また激しい腹痛が襲ってきたの。 (っ…昨日食べた桜餅が腐ってたのかしら?別にそうは見えなかったけど…。) とにかく、今は腹痛に耐えるしかないと思ったわ。あたしは左手でお腹を押さえると、歯を食いしばって耐えていたのよ。...
  • 朝比奈みくるの未来・第5章
    第5章・デートだよな?    10時20分だ。 まるで、小学生が遠足の日の朝いつもより早く目が覚めちまったので待ちきれずとりあえず集合場所に来ましたって感じだな。俺は朝は超低血圧なのでそんなことは一度もなかったけどね。 そんなことを考えながら、CO-LARGEMAN前のコインロッカーとでかい本屋の入り口との間で、壁にもたれられる場所を確保して朝比奈さんの登場を待った。昨夜から大きな寒波が襲来してかなり冷え込んだ今朝だが、こういう時は寒くても気にならないもんだよな。 待つこと20分…来ない。いつもの朝比奈さんなら遅くとも20分前には待ち合わせ場所に来る几帳面さを持っているのに、いったい今日はどうしたのだろうか。 服を選ぶのに時間がかかってるのか化粧に時間がかかってるのか。女性の外出準備は時間がかかるだろうし、まだ予定の時間でもない。焦んな、じっとしてろ。 更に15分。朝寝坊だろうか...
  • 朝倉涼子の挑戦
    俺は目覚めた。またか・・・と思った。 やむことのない雪。雪に埋もれた町。 その上に二人に人間がいる。 近くには古泉がおり、笑顔で両手で阿修羅のようなポーズをとっている。 「これで何回目でしょう」 目元にははっきりとした隈が浮き出ている。 「次くらいでいいかげん終わりにして欲しいもんだ」 「だとしたら、いよいよクライマックスというわけですね」 「さすがにここでは僕の力も発揮できるとはいえ、 こう立て続けになると・・・」 俺はここで古泉に死んだらどうなるのかを聞いた 「わかりません。ただ、ひとついえるのは死んでからでは遅いということです。 だったら死なないようにがんばりましょう」 「・・・・」 いつの間にか眠りについたようだ。 真っ暗な中で目覚める。どこかで見た現代的なつくり。 全国どこにでもある。ここは・・・コンビニエンスストアだ。 誰かが近くにいる。ダッフルコートを被っている。 そうやって...
  • ありがとう(佐々木×佐々木母)
    (この作品には原作には名前しか出ていないキャラクター及び、佐々木の母親が登場します。そのため、そのキャラクター性は想像です。ほとんどオリジナルキャラクターです。よってあらかじめ了承できない方はご遠慮ください)      読書の秋。芸術の秋。と、秋は様々呼ばれ方をする。しかし、「読書の秋だから読書だ」とか「芸術の秋だから音楽を鑑賞しよう」と言うと、どこか言い訳がましく聞こえるのは私だけだろうか?  かくいう私も、今はその言い訳に全身を預けてるわけであり、ぶっちゃけると…… 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」  という奇声を上げてしまった。ああ、居間で母の溜め息が聞こえた気がしたのは、気のせいでは無いだろう。  さて、現実逃避はここまでにして、そろそろ元の世界に帰還すべきだね。    私、太りました。   「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「バカ娘!風呂場で騒ぐな!ドラマが聞こえん!」  だまれ貧乳...
  • 凉宮ハルヒの痩身@コーヒーふたつ
    11月も後半になると、さすがに冷え込む。 普段はそれほどお風呂に時間をかけないアタシでも、さすがにこう冷えると少しだけ長風呂になる。 でもね、よく「私、お風呂は1時間くらい入ってるの」なんてタワケた事をぬかす女子が居るけど、そればかりは何を考えてるのかサッパリ解らない。 時間の無駄よ!「時は金なり」って言葉、知ってるのかしら。 まあ、今日みたいな日は別だけどね。 ゆっくり温まらないと、寒さで感覚を失ってしまった足がどうにかなってしまいそう。 まったく、何で女子はズボンを履いて学校に行っちゃいけないのかしらね・・・。 あ。色々とくだらない事を考えていたら、のぼせてきた! 早く上がらなくちゃ。 お風呂から上がって、髪を乾かそうと洗面台の前に立ったアタシは、足元に見慣れない機械を見つけた。 てゆうかコレ、体重計?・・・にしては、訳の判らないスイッチがたくさん付いてるわね。 -母さー...
  • ロマンティックが止められない
    ※ホモ・百合ネタ注意    雷鳴轟く季節外れの嵐の夜。とある北高生宅の台所には、頼りないロウソクの火に照らされた怪しげな人影が一つ。   「あとは雄の三毛猫の毛を煮出した汁を一滴入れて、マムシの干物の粉末を小さじ一杯……と」    この魔女の薬作りを連想させる、奇怪極まりない作業を行っているのは、時には人知れず、時には本人すら知らずの内に何かしらの騒ぎを生産し続ける暴走少女、涼宮ハルヒである。   「それで色が紫から透明に変われば完成なんだけど……あ!」    不思議なことに、鍋の中の液体は、彼女の言葉通り毒々しい紫から一点の濁りもない無色透明へと変化していった。  一つ付け加えるなら、先程の魔女の薬作りという表現は実は比喩ではない。彼女が手にしているレシピは、本物の魔女が残したとされる曰く付きのシロモノである。   「か、完成したわ!」    どういう化学変化が起きたのか解明不能な、...
  • SOS団のメタボ2
     えらい目に遭ってしまった。犬にかまれたなんてレベルじゃねえぞ。よもや炭水化物を摂らなかっただけで衰弱死の憂き目に遭ってしまうとは。  ハルヒ提案のローカーボダイエットに取り組んだ挙句、最終的に病院送りになってしまった我らSOS団は、病院監修の健康管理指導を強制的に受けさせられた結果、ようやくある程度体脂肪を落とすことに成功したのだった。やれやれ。  しかしはっきり言って、まだまだ俺たちは太っている。入院中にかなりつらい減量を行ってきた俺たちだが、それでもヘドロのようにしつこく溜まった脂肪はセルロイド化したように固まって取れないのだ。  それでも炭水化物ダイエットを始める前よりは健全な肉体を取り戻してきたので、俺たちは晴れて退院する運びとなったのだ。いやいや、助かったよ。あと2,3日退院が遅れていたら、ストレスの塊となったハルヒによって世界が終焉を迎えていたところだ。   「やっと退院...
  • エッチな短編置場
      ここにはエッチな短編を置いてください 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 ある日 文芸部室にて ミルク つきあう 涼宮ハルヒは思春期 長門有希のエロゲ 初めてはあなたに マニアックキョン 電子手紙の終焉 思春期キョン保守 メイドさんごっこ保守 黄色リボンちゃん めがっさいただきます まぞ☆もり まぞ☆もり2 まぞ☆もり ある日のお話 一日団長権
  • 涼宮ハルヒの戦場 その2
     前線基地に向かうトラックを激しい爆発音が揺さぶる。突入前の準備として、学校の砲撃隊が北山公園の植物園に 120mm迫撃砲による徹底した砲撃を行っているのだ。空気を切り裂くような音が頭上をかすめるたびに 身震いを覚える。あれに当たれば、身体が傷つくどころか粉々に吹っ飛ぶんだろうな。  そんな中、前線基地に到着し、古泉小隊と鶴屋さん小隊の入れ替えが始まる。 「やあっ! キョンくん! また、会えてうれしいよっ! これから一緒にめがっさがんばろうね!」  鶴屋さんのテンションの高さは相変わらずだ。そんな彼女にハルヒも満足げのようである。  てきぱきとしたハルヒの指示により、2分とかからずに入れ替えが完了し、 「さて! いよいよ突入よ! 気を引き締めなさい!」  ハルヒの声が合図となり、またトラックが動き始める。  植物園が近くなるにつれて、爆発音が激しくなってきた。激しい土煙が植物園を覆っている...
  • A Jewel Snow (ハルヒVer)後編
    ハル……お……ル………ハルヒ! 何よ…まだ寝たばっかりじゃないの…。 …ルヒ!起きろって! 誰よ…その声は… ハルヒ! …キョン!? ふと意識が戻る。目の前にはキョンの顔があった。 「やっと起きたか…やれやれ」なにやら安心したような表情のキョンがそこにいた。 辺りを見回すと、見慣れた建物があった。学校だ。 天気も良いし、寒くない。今は12月なのに。 「いきなり寝るもんだから驚いたぞ」キョンがそう言ってあたしを起こす。 キョン!あんた本当にキョンなの!? 「ああ、どうしたんだ?いきなり」 あ、いや…なんでもないわ…。 「どうしたんだ。悪い夢でも見たんじゃないか?」キョンがバカにいたような笑い声を出す。 そうね…ちょっと悪い夢を見てただけよ! …でも内心理解していた。今この場こそが夢なのだと。 理由はわからない。ただ、今居るここが夢だと言う事ははっきりを認識していた。 「早く教室に戻らないと、...
  • やさしい嘘(後編)
    その日、わたしは涼宮さんを見送るために駅へと向かう高架下の道を走っていました。普段から人通りの少ない道で、この日も周囲にはまったく人影が無く、わたしの息を切らした音だけが聞こえていました。 「もしかしたらわたしが一番最後になってしまうかもしれない。涼宮さんに罰ゲームを与えられるかも」 そんな考えがふと頭に思い浮かびました。同時に、涼宮さんが嬉々としてキョンくんに罰ゲームの内容を告げる高校時代の情景が頭の中に思い浮かびます。まるで、昨日の出来事であるかのように。 高校時代、罰ゲームを受けるのはいつもキョンくんでした。涼宮さんがそれを望んでいたし、キョンくんも心のどこかではそうなることを望んでいたから。 でも、キョンくんはもうこの世にはいない。そのことを考えると、わたしだけがこの世界に取り残されたような、そんな気持ちに苛まれてしまいます。 そんな思いに少し気持ちが落ち込んだものの、涼宮さん...
  • HOME…SWEET HOME 第5話
    …━━「ま…まずいぞ!」 思わず口走る俺。 何が『まずい』のか具体的には解らない。 だが『まずい』のだ、この二人を会わせる事は! そう思うのは古泉に言われたから? 違う!それだけじゃない、何か今…直感の様なものを感じた…! 白色の静けさを湛えた、真冬の日差しが差しこむ会社前の路地。 目の前の課長に、その背後から歩み来る女房… 二人の『ハルヒ』が今、俺の目の前で極限にまで接近している。 そして、何気無く振り返る課長… 「ま…待て…待ってくれ…」 思わず呟く。 …その瞬間! 目に見える全てのモノが闇に包まれ、俺の視界から消えた━━… 【HOME…SWEET HOME】 第5話「…忘れないで」 ━1━ 例えば目に写る全てがテレビに映された映像の様なものであったとしたら、そのスイッチを誰かに突然消されてしまった様な瞬間… その後に現れた果てしなく続く闇… その中で今、俺は呆然と立ち尽くして...
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