涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「家出少女」で検索した結果

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  • 家出少女
    夏休みも中頃にさしかかったある日、俺はいつものように団員全員分の喫茶店代を奢らされた。 太陽が照りつける中探索も終わった後、俺は軽くなった財布の代わりに重くなってしまった足を引きずって帰宅した。   晩飯も食い終わり、部屋で一息ついていると玄関からチャイムが鳴る音が聞こえた。 誰だ夜遅くに、少なくとも俺には関係ないだろう、いやそうであってくれ。   「はーい、どちらさまですかあー」   一階から妹の声がする。 ああ恥ずかしい。 何でうちの親は妹に行かせるんだ。 誰かは知らんがすみませんね、言っておくけどそいつもう小六になるんですよ。   「わあー、お姉ちゃん久しぶりー」   なに、お姉ちゃんとな。 それに久しぶりとは、きっと俺にも面識のある奴と考えて間違いない、だとすると余計に恥ずかしい。 俺は読み飽きた漫画を放り投げ、一階に降りた。       「キョン、すまないね」   …ああ、もうい...
  • 長編・キョン4
    ...失) すれ違う想い 家出少女 Love Letter from …? 好感日記 好感日記Ⅱ アルバム巡り 「涼宮ハルヒの憂鬱」改 (欝エンド) Park Golf in Summer !! 北高生の告白ラッシュ 二人、夕立、遊具にて やりすぎた嘘 儚い想い出  where Justice... 裏切り者 涼宮ハルヒの再会 神が手にした力のリスク まとめ 涼宮ハルヒの時駆 雛見沢・SOS (クロスオーバー) ツインズパニック! キョンは別れを惜しむようです キョンがアンケートから情緒不安定になりました 扇子 涼宮ハルヒの盗賊 キョンのその後 (MGS4とのクロス) トナカイからのプレゼント Am I father? ロマンティックが止められない(※ホモ・百合ネタ注意) 情報統合思念体と機関が総力を上げて俺を潰そうとしている件(キョン) 新・孤島症候群 北高生人気投票 ラジカルメッセージ...
  • アルバム巡り
    家出少女の続編のようなものです       佐々木の家出というサプライズが起きた今年の夏休み、今年は二週間がエンドレスすることはなく今は秋真っ盛り。 朝比奈さんが受験勉強のためSOS団を一時離脱しているのを除けば何一つ異変はない。 そしてある日の放課後、いつものように俺達SOS団は文芸部室を占拠している。   …ああ、朝比奈さんのお茶が恋しいねえ。   「なんなら僕が煎れて差し上げましょうか?」   いらん、俺は朝比奈さんの煎れたお茶が飲みたいんだ。   「フフッ、残念です」   古泉とそんな取り留めもない会話をしていると、妙にソワソワしているハルヒが目に入った。   「どうしたハルヒ、妙に挙動不審じゃねえか」   「な、なんでもないわよ!」   そう言いながらもハルヒは時計を何度も確認している。 いや、どう考えてもなんかあるだろ。 俺がそんな言葉を口から出そうとしたとき、部室の扉がノッ...
  • 地獄少女
    キーンコーンカーンコーン 長門以外誰もいないSOS団の部室に休み時間終了の音が鳴る。   長門 「(・・・・授業。」 長門が部屋を出ようとしたとき、一人の着物を着た少女が現れた。 長門 「・・・・・誰?」 地獄少女 「私は閻魔あい。あなたを地獄に流します・・・。」   少女がそう答えた瞬間、長門は霧の濃い薄暗い川を浮かぶ小船に乗っていた。そして少女がその小船を漕いでいた。   長門 「(・・・閉鎖空間?・・・違う。)ここは何処?」 地獄少女 「・・・ここは地獄へ通じている川。」 長門 「・・・地獄?なぜ?」   長門がそう問うと少女はスッと霧だらけの空を指差した。そこには大きな人影が映っていた。   長門 「あれは・・・私のクラスの・・・。」   そこに映っていたのは長門の担任だった。   地獄少女 「あの人の依頼で貴方を地獄に流すことになった。」 長門 「先生が・・・。」   いつも無表...
  • 鶴屋少女の孤独
    鶴屋少女の孤独 SIDE.A.「笑顔」 鶴屋少女の孤独 SIDE.B.「畏怖」 鶴屋少女の孤独 SIDE.C.「欠片」 鶴屋少女の孤独 SIDE.D.「明日」   鶴屋少女の孤独外伝 SIDE.E.
  • 憎悪、拒絶、少女
    僕があの力に目覚めたのは中学一年の時です。 突然、僕の頭の中を膨大な数の映像が駆け回り、僕はそのまま気絶しました。 訳の分からぬまま学校に通っていました。 あの恐ろしいまでの映像が流れてくることがたびたび起こりました。 そのたび僕は失神して、余りの恐怖に失禁することもしばしばありました。 そんな狂った僕をクラスメイト達は明らかに避け始め、 僕はとうとうクラスの中で孤立していました。 僕は言われもないいじめを受け、気持ち悪がられ、そして殴られました。 もともと人当たりのよいほうでしたから、友達は多かったのです。 今までの日常とのギャップは僕の精神を蝕んでいきました。 それに加え、あの映像が流れる現象の頻度は増加していきました。 僕は恐怖の余り、泣き叫び、そして狂っていきました。 母親に助けを求めても、母はなにもできず、ただただ泣くばかりでした。 どうしたら元の自分に戻れるのか。 気がついたら...
  • こわれてしまった少女のはなし
    少女たちとその観察対象は、高校を卒業した。   同時に、平凡な毎日はつまらないと嘆いていた神は力を失う。 彼女は彼の隣で笑い、時には怒り、時には泣き、退屈というものを忘れていった。   少女と彼女を監視していた未来人は本来自分が居るべき場所へと帰る。 彼女は泣きながら怒り、未来人を引き留まらせようと考えたが、もうその能力は消え去っていた。 彼女と同じく、超能力者であった男は力をなくす。 男は彼に礼を言い、それを最後に消息不明となった。     少女は彼と彼女が結ばれるために尽くしたが、ある日始めて気がつく。   わたし、も、彼、が、す・き?   少女は宇宙人である。 そのような感情など、持つはずが無い。   それでも少女は、納得がいかなかった。     わたしは彼のことがすきなのかもしれない     それを聞いた少女の創り主は酷く驚き、処分しようと考えた。 しかし彼は、少女が一度時空改...
  • 魔法少女フェアリーユキ
    魔法少女フェアリーユキ(合作) ・前編(◆Gzo5DAjIoE) ・後編(◆Etq65eJh4c)
  • 魔法少女フェアリーユキ・前編
     それはある日曜日のこと。  特に何の予定も無い貴重なその休日を、僕は一人のんびり自室で過ごしていた。  何時も何時も涼宮さんに振り回されたり『機関』の用事に振り回されたりしているせいだからか、たまにこうして休みがあると、どこかへ出かけるよりも一人でのんびりしていたくなる。  適当な時間に目を覚まし適当に朝食を済ませた僕は、一人テレビの前に向かっていた。別に見たい番組が有るわけでもないので、適当にチャンネルを回すだけだ。  何か面白いものが有れば良いかもなあと思っている程度なので、テレビ欄さえチェックしていない。  そんな風に何十秒毎かにチャンネルを変えていた僕は、とある番組のところで手を止めた。 「……ユキ」  それは『魔法少女フェアリーユキ』というタイトルの、子供向けらしい朝のアニメ番組だった。こんな年齢不相応とも言える番組に目を吸い寄せられてしまったのは、そのタイトルがちょうど画面...
  • 夏の少女
      夏休みが始まり数日経ったある日のこと。 午前八時半。 僕はSOS団お馴染みの待ち合わせ場所にいた。蒼穹に浮かぶ真夏の太陽は、まだ朝だと言うのに灼熱の光を惜しみなく地上に降り注いでいる。 今日は言わずと知れた恒例の不思議探索の日。いつもと違うのは虫取り網と虫かごを持っていることだ。 本日は涼宮さんの思いつきで、近所の公園でカブト狩をすることになったのだ。 なんでも、レアな大物を見つけてオークションで売りさばき、SOS団の今後のイベント資金にするつもりらしい。 こんなところにレアな大物がいるとは思えないが、涼宮さんのことだからそれはきっと上辺だけで、単に皆で虫取りを楽しみたいだけだろう。 それにしても、七月は色んなことがあったな。SOS団としての活動でという意味ではなく、個人的な意味で。 長門さんをかき氷屋に誘ってから、彼女とは随分話す機会が増えた。喜ばしいことだ。 二度目に誘った時なんか...
  • 鶴屋少女の孤独外伝 SIDE.E.
    - 鶴屋少女の孤独外伝 SIDE.E. -   ある夏の夜 皆で時を刻む   海辺で皆で花火大会   俺は、ハルヒと結ばれて 鶴屋さんとは、ずっと親友   「ちょっと、夜風を浴びてくるさ」 そうやって一人席を立つ鶴屋さん   俺は黙ってその姿を見る 「何やってんのよ」 「へ?」 「行ってあげなさいよ」 ハルヒがそう言って俺をにらむ   「ああ、そうだな」   「どうしたキョンくん?」 「いえ、ちょっと俺も疲れただけです」 「……そっか」 「鶴屋さん?」 「キョンくんの嘘つき、ずっと一緒にいてくれるって言ったのにさ」 「ごめんなさい」 「……なんてね」   鶴屋さんはそう言って 夜の闇の中、俺を振り向く   「あっかんべ」   その笑顔はいつまでも変わらない    END of END -
  • 鶴屋少女の孤独 SIDE.C.「欠片」
    どうして人は後悔するのだろう 過ちを冒すからか   どうして人は泣くのだろう 自らの非力のためか   どうしようもないこと それは誰にでもある   ただ、贖罪することは誰にもできない 背負って、前へと進まなきゃいけない   そう、他でもない 自らのために             - 鶴屋少女の孤独 -   ……… …… …   どこまでも続く原っぱ 風が吹くたびに揺れる草の絨毯 雲一つない青空 とても澄んだ心地よい風   鳥も虫もいない ただ俺だけが立っている   ここは一体どこなんだろう? ふと頭に浮かぶ疑問   どうしてこんなところにいるのだろう? ふと心に刻まれる疑問   記憶をたどる   しかしまるで頭の中が空っぽのようだ 何も、何一つ思い出せない   ただ、ここはとても居心地がいい ずっと、ここにいたい気分だ   俺は、昼寝をするように原っぱに寝転がった   ...
  • 魔法少女フェアリーユキ・後編
    「ふっふっふっふ。ユキ。今日こそこの町内はわが手中に落ちるのだ」  ひゃっひゃっひゃと笑いながら、悪役の彼女は一歩、また一歩と歩みを進める。 「わたしは、負けない」  ユキがキッと表情を引きしめて、にじり寄る長髪の魔女に対峙した。 「はいっ! カット!」  ポンポンと、監督がメガホンを叩いて合図をする。 「有希! とってもいい演技だったわ! これは本当に、文化祭でのみくるちゃんの立場も危ういわねぇ」  半目で流し目を送る監督に、去年はカメラを向けられる側だった朝比奈さんがわずかに震えた。 「えっ。えぇぇ~っ」  朝比奈さんはしょんぼりしてうつむいた。……あれ。残念なのかな。あれだけやりづらそ うに戦うウェイトレスをしていたのに。 「鶴屋さんも急に呼んじゃってごめんねっ! 去年に引き続き素晴らしい助演女優っぷりよ!」  親指を立てる涼宮さんに、黒服魔女姿の先輩。鶴屋さんは、 「いやいやっ!...
  • 鶴屋少女の孤独 SIDE.A.「笑顔」
    些細なこと   そう、それはとても些細なこと   誰しもが感じること   誰しもが思うこと   そして誰しもが乗り越えてきたこと   それが、当然のこと             - 鶴屋少女の孤独 -   ……… …… …   SOS団が立ち上がってもうどれぐらい立つっけ 唐突にそんな疑問が頭をよぎった 一年生のときに立ち上げたSOS団   涼宮ハルヒによって作られ、そしてオレを未知の世界へとひきずりこんだSOS団   万能で完璧かと思いきやたまに弱みがちらつく無口で無垢な宇宙人 守ってあげたくなるような言動と意外としっかりした芯を持つ未来人 いけすかない笑顔と共にいつだってそこにいてくれた超能力者   そして世界をわがままに変えてしまう手のかかるお嬢様   暑い季節が迫る オレ達が出会ってから、一年以上の月日が流れていた   窓から差し込む陽の光を背中に浴び、オレは長門し...
  • 鶴屋少女の孤独 SIDE.D.「明日」
    俺がずっと傍にいましょう あなたが笑顔でいるために   俺が一緒に泣きましょう あなたの畏怖を和らげるために   俺が共に歩みましょう あなたの欠片を知るために   あなたのために、そしてなにより自分のために 共に今を歩き出しましょう   あなたと明日を迎えるために             - 鶴屋少女の孤独 -   ……… …… …   退院の日   再び全てが始まる日 そして全てを取り戻すために歩き出す日   明日から学校だ だから鶴屋さんと会える時間も少なくなる   「今日は、もう行かなきゃいけません」 昨日、わずかに感情を取り戻した鶴屋さんに伝える 鶴屋さんはじっと俺の瞳を見つめる 「また、明日来ますから」 会えなくなるわけじゃない、ただ会える時間が減るだけだ そうやって約束して、俺は部屋を出て行こうとする 後ろ髪をひかれる想い、というのはこういうことを言うのだろう...
  • サムデイ イン ザ ハリケーン
    傘というものは元来、雨をふせぐためにあるはずだ。 だとしたら今日コイツは、傘としての役割をまったく果たしていないことになるな。   まあ風速20m超える突風と、前方から90度で直角に向かってくる豪雨が相手じゃ仕方ないか。   「あーあ濡れた濡れた。ひっどいなこりゃ。あ……傘、壊れてやがる。」   そう、今日は台風様がご上陸なされているのだ。 こんな雨の中を傘壊して登校する俺。なんという真面目な学生だろうか。 しかし……この閑散とした雰囲気、イヤな予感がする。   「おや、来られたのですね。おはようございます。」   下駄箱に現れた古泉!そしてこいつの今のセリフで、イヤな予感が当たっていることを確信した。   「今日は台風により学校はお休みですよ。」 「やっぱりか!!ちっくしょーー!!」   イヤな予感ってのは当たるもんだと痛感した! 思えばハルヒ関係で、イヤな予感というのはことごとく当たっ...
  • 鶴屋少女の孤独 SIDE.B.「畏怖」
    恐れるもの   怖れるもの   自らを蝕む自らの鎖   誰しもが持ち、誰しもが嫌うもの   そしてそれゆえに、決して逃れられないもの              - 鶴屋少女の孤独 Side.B -   ……… …… …   静かに繋がれる手   二人で歩く夕焼けの道 互いに何も話さない 話さなくても、わかっている 俯いたまま、いつもと違う鶴屋さん   今更ながら恥ずかしくなってきた だけど、その手を離すことはできなかった 鶴屋さんが俯いててよかった 多分今俺の顔は真っ赤だろうから   「鶴屋さん、つきましたよ」   無情にも、時間は過ぎていった 昨日もここで別れた もうすぐ鶴屋邸だ 俺はその事実を俯いたままの鶴屋さんに告げる   残酷だろうか? そんなわけない 明日になったら皆と会える   だけど、鶴屋さんは手を離さずにじっと俯いたままだ むしろ、俺が声をかけたことにより...
  • 「編集長☆一直線!」改
    1.童話(橘京子)    今は昔のことなのです。  とある小さな国の森の奥深くに、一軒の山小屋がありました。  そこでは白雪姫が九人のこびとさんといっしょに住んでいました。  その白雪姫は追い出されたんじゃなくて、自分でお城を家出してきたのです。  お城の窮屈な生活が嫌だったからです。  白雪姫は、こびとさんたちのおかげで衣食住に困ることもなく、悠々自適の生活を送っていました。    同じころ、森の近くにある海で泳いでいた人魚が、難破した船から投げ出された王子様を助けていました。  人魚は王子様を岸まで運びますが、気絶した王子様はずっと眠り続けています。何をしても起きません。困った人魚は白雪姫のところにつれて行くことにしました。  白雪姫とは彼女が森に来たときからの友達でした。人魚は白雪姫から「困ったことがあったら僕のところにくるように」と言われていたことを思い出したのです。  人魚は人の...
  • 少女達の放課後
    私は今、鶴屋さんの家にお邪魔させてもらっている。 なんでかって?今日はセールやってるお店が多かったからSOS団の活動は休みにして みくるちゃん達と買い物に行ったの。 それでその帰りに鶴屋さんの家に来て色々と話してるわけ。 ちなみに居るのは鶴屋さん、みくるちゃん、有希、私。 そして話題は… 「それでみくるその後どうしたの?」 「もちろん断りましたよ。知らない人だったし…。 そ、それより鶴屋さんはどうなんですか?」 告白したとかされたとかっていう話。 でもここにいる四人は告白されたことしかないみたいだけど。 「断ったよー。いくら優しそうな人でも知らない人とは付き合えないさ。 ハルにゃんはどうなんだい?中学生の時色んな人と付き合ったって聞いたけど」 アホ谷口ね。鶴屋さんに何喋ってんのよあいつ。 「別に。全員普通過ぎてつまらなかったわ。」 「高校に入ってから気になる人とかいなんですかぁ?」 みくる...
  • ねこごはん
    我輩は猫である。 名前はシャミセンという。 とある家に住む、人間のいう所の『飼い猫』にあたる。 性別は……、ふむ、人間の分類学上で言うと両性具有に近い物となるらしい。 まあ我輩の説明は良いとしよう。 我輩は今、朝比奈みくるという人物の持った猫運搬用のバスケットなる物の中にいる。 「わーいわーい、みくるちゃんとおっでかけえっ」 バスケットを持った朝比奈みくるの隣、頭一つ分ほど背の低い少女が楽しそうにはしゃい でいる。この少女は我輩の本来の同居人の一人である。 「妹ちゃん、気をつけてね」 少女の兄と朝比奈みくるが同じ学内団体に所属しているという関係にあるため、朝比奈み くるは少女のことを妹ちゃん、という呼び方で呼んでいる。 別に名前を知らないわけではないと思うが、妹ちゃんという呼び方は如何な物か。 それは個人を個として見るのではなく誰かの付属物的存在と見ていることを表すようなも のであって、結...
  • 涼宮ハルヒの追憶 Intermission.1
    ――Koizumi Itsuki 真っ白な天井を見上げ、僕は思い出します。 闇に消えていった荒川さんは今、どこにいるのでしょうか。 そして、僕が少女に会う前までの地獄を。 僕があの力に目覚めたのは中学一年の時です。 突然、僕の頭の中を膨大な数の映像が駆け回り、僕はそのまま気絶しました。 訳の分からぬまま学校に通っていました。 あの恐ろしいまでの映像が流れてくることがたびたび起こりました。 そのたび僕は失神して、余りの恐怖に失禁することもしばしばありました。 そんな狂った僕をクラスメイト達は明らかに避け始め、 僕はとうとうクラスの中で孤立していました。 僕は言われもないいじめを受け、気持ち悪がられ、そして殴られました。 もともと人当たりのよいほうでしたから、友達は多かったのです。 今までの日常とのギャップは僕の精神を蝕んでいきました。 それに加え、あの映像が流れる現象の頻度は増加して...
  • SOS団の無職4
    前回のあらすじ  キョンと妹が気まずくなっている頃、古泉は力いっぱい長机を長門のマンションまで運んでいた。  ジュースを買いに行く途中、キョンはハルヒに怒られてしまったが、嫌な気分ではなかった。変な意味じゃなくて。  図らずとも自分を抜きにした緊急家族会議を盗み聞いてしまったキョンは、失意のうちに家を飛び出した。  気づくとそこは、長門のマンションの前だった。     ~~~~~      長門は突然の来訪者である俺を、いつものように淡々と「入って」と言って出迎えてくれた。  長机が設置されたままの部屋の中には、もうSOS団のメンバーの姿はなかった。当然か。今日の活動は終了して解散したばかりなんだ。  長門しかいない部屋の中で長机だけがぽつんと立っている。楽しかった時間が終わりを迎えてしまった事実をつきつけられたような気がして、その光景が妙に物悲しかった。  俺を招き入れた長門は...
  • スノースマイル・バースデイ8
    ―――ひとひら春の日に舞い降りる、それは、雪のように。 奇蹟はありふれて此の世に降り立つ。 綺麗に晴れた水色の空が、世界に被さる様に続いている。吹き寄せる優しい風には、寒さを抜け切れない冷たさをも和らげる、柔和な春の光が溢れている。 見知らぬ僻地、見知らぬ定刻。 向き合う少女と少女が、出遭った。一人はまだ彼女自身の名を獲得する以前、一人は幽霊を自称していた為に、名を明かしはしなかったのだけれど。 「どこへでも行くことはできます。あなたの行きたい場所はどこですか?」 天使と見紛う、清純で愛らしい笑顔を、幽霊の少女は表情を作る機能のない少女に与えた。少女は生み出されて間もなくであり、人との直接的な接触は初めてのことだった。無機物の如く、彫像のように立ち尽くす彼女を諭すように幽霊の少女は告げる。何もかもを終えて遣り切った事に対する誇らしげな瞳が、長らく共闘し触れ合い、歩んで来た者に対し...
  • きょんむす第三弾 キョンむす!
    もくじ   目を開ける。視界一杯に映り込んできたのは少女の笑顔。 「起きましたか?」 少女がソファから立ち上がって僕に声を掛ける。その際にソファが歪んで彼女がそこに腰掛けていた事を知った。 「今……何時です?」 寝転んでいたソファから上半身を起こして少女に尋ねる。……毛布が掛かっていたのは、彼女の仕業でしょう。僕は仕事から帰ってきた後、倦怠感に身を任せて着替えもせずに突っ伏した筈ですから。 「二時くらいです」 少女は微笑んで僕の眼を見る。 「二時……ですか? それは……寝過ぎましたね」 幸いだったのは今日が休日だったことでしょうか。昨日は確かに激務だったとは言え、目覚ましも掛けずに寝てしまうなんて我ながら何と言うか……。 「困ったものです」 溜息を吐く。 「何が困った事なんですか?」 少女が僕の上に掛かっていた毛布を丹念に畳みながら聞いてくる。 「いえ、今日が休日で良かったと思いまして...
  • SS企画『冬』用・感想所
    クリスマスの少女に感慨無量。マジ泣きかけました。 -- 名無しさん (2007-01-22 19 39 16) 投票っていつからなのかな? -- 名無しさん (2007-01-22 21 06 44) コタツを出たらが和むなぁ・・・ニヤニヤがとまりませんww -- 名無しさん (2007-01-22 22 48 01) 「コタツを出たら」放屁でくるとは予想GUYだった。その布団をめくったら、阿鼻叫喚の地獄絵図ぞ。 -- 名無しさん (2007-01-22 23 44 02) 古泉普通にカッコいいな。きれいなお姉さんにドギマギするのがよかった。 -- 名無しさん (2007-01-23 00 16 05) 森さんに萌えた。 -- 名無しさん (2007-01-23 11 42 50) 古泉の淡いラブロマンスwに萌えた。 でもぶっちゃけ夏のほうがよk(ry ...
  • lovely baby standard (キョンむす!2)
    僕は時々考える。君の事、彼の事、彼女の事。彼と彼女の息子二人と、宇宙及び未来から来た彼女達の事。 僕自身の事は八番目。両手を使わないと出て来ない。 いつの間にか、自分よりも大切に想うモノが増え過ぎているな、と苦笑する事しきり。それらは僕を雁字搦めに縛り付ける。 けれどそれは、決して嫌じゃない。僕は皆を想う事によって、皆から抱き締められているという事。 足元から首筋まで絡み付いた、「彼」が表現する所の「腐れ縁」は、一人じゃ立てない僕をしっかりと支えてくれる。 そういうモノ。 僕は何を返せるだろうか。あなた達に。 僕を愛してくれる、あなた達に。  「古泉さんが私を愛してくれれば、それで良いのではないでしょうか?」 「その意見には貴女の私的な希望が入り過ぎていますね。却下です」 七月初めの日曜日。僕は小鳥さんを誘って、レストランで昼食を摂りながら歓談していた。そうです。世間一般で言う所のデー...
  • 1万回生きた猫
    1万回生きた猫     我輩は猫である などという事を言った先輩が居るとか居ないとかという話を同僚から聞いた事がある。 正直、そんな話などに興味は無く。我輩は猫であるが故に今日も朝からこの日向でごろんとしていたのであった。 ここ最近、毎朝この道を通る男女の姿を見ては、欠伸をしている我輩であったが。 今日はどういうわけか毎朝一緒に通勤しているのであろうスーツ姿の男女はバラバラの時間帯に我輩の前を通っていったのであった。 ふむ、人間という生物は実に興味深い。 ふと、我輩の飼い猫時代の事が思い出される。 顔を突き合わせては喧嘩をしていた主人と、主人の恋人の女性。 人間の言葉で「喧嘩するほど仲が良い」と言われるらしいが、いやはや、なんとも人間らしい言葉ではないか。 そんな主人の恋人の女性ではあったが、我輩にキャットフードを持ってきては、決まって主人の自慢をするのだ。 あの人は優しいとか、あの人は...
  • 始 思 死
    第1章 始 1節 2007年12月1日 俺の部屋 出席5人 「あと1ヵ月ね…」   北高1年5組生徒兼SOS団(生徒会黙認又は未公認)団長(自称)、涼宮ハルヒがそう口にした。無視してもよかったのだろうけれど、とりあえず訊いてみた。 「何が?」 「何がって、2008年に決まってるじゃないの」  いや、この国では平成20年というのが本来の形だ。 …まあこう糞真面目に言い返してもしようがない。 「そうだな、早いもんだ」 「年賀状を出さないといけませんね」 北高1年9組(特級)生徒兼SOS団(生徒会黙認又は未公認)副団長(ハルヒ曰く)、古泉一樹が会話に殴りこみを仕掛けてきた。 「あー面倒だなー」 「何言ってんの、1年の初めの挨拶は日本人にとっては当たり前の事よ」 「それはそうだが、いちいち手書きはちょっと…」 「あんたんとこ、プリンタ買ってないの?」 「…そういえば買ってた」 「じゃあ印刷でもい...
  • 長門有希無題5 エピローグ長門編
    怪我も治り俺はいつものように学校に通いだした ただ一つ違うのは俺がSOS団の部室に行かなくなった事だ   俺は何か満たされない気持ちで毎日を過ごしていた   ある日机を整理していると見慣れない本が出てきた ハードカバーの小説みたいだが、俺には見覚えはなかった ただその本を見た時、胸がチクリと痛んだ   何か気になった俺はその本を読みだしたしばらく読み進めるとしおりが挟まっていた そこに書いてある文を読んで俺は家を飛び出した 「くそっ!なんて俺は物忘れが酷いんだ!」 もうずいぶん前の、それも果たした約束の場所へ俺は急いだ   「はぁはぁはぁ……き、今日ではぁはぁ…良かったのか」   少女はコクリと頷く 「もしかして……ずっと待ってたのか 」   少女はまたコクリと頷いた   「お前の家行こうか。説明しなきゃならない事……あるんだろ?」   彼女の手を強く握...
  • おかえり、ただいま。
    雨が世界に降り注いだ 傘はどこかへ置いてきてしまった 学校だろうか 家だろうか そんな事は、もうどうでもよかった   振り返る、誰も居ない。 前を見る、誰も居ない。 いつか来た図書館の中を探してみても、居なかった。       「い か  とが  んのよ に  ひが   に」 と そんな風に考えていた   いつか? ずーっと昔? それとも、昨日のこと? 忘れたことさえ、忘れていた。 ただ、その。いつかの幸せな日々が ただただ、懐かしく思えた。     ◇◇◇◇◇◇       ハルヒの力が消え 古泉は事後処理に追われ、朝比奈さんは未来へと帰った。 俺は一般人であるが故に一般人的な普通の生活へと戻りつつあった。 ハルヒは相変わらずで、能力が消えても、ハルヒはハルヒ、元気なのは変わりが無い。 朝比奈さんは丁度卒業と同時に遠くへ行ってしまったという事になったし、古泉は受験勉強で忙し...
  • スノーホワイト・レクイエム7
          小人が駆けつけたとき、 ――総ては、終わったあとでした。       ---------------------------                人気のない校舎の片隅、保健室前の廊下通りで、古泉は朝倉と対峙する。 「……それは、どういう意味ですか」 古泉は、退路のない袋小路に行き詰ったように、苦渋の声を返した。想像し得る最悪の結末が、目の前にちらついて離れなかった。払い除ける余裕も、取り繕い毅然と笑ってみせる駆け引きも浮かばずに。 古泉の行く手を阻むように朝倉は扉前に立ち塞がり、桜色の唇をゆるく持ち上げて、淡く微笑んでいる。美しいと幾らでも形容されるだろう面を、けれども憂鬱に翳らせながら。 それは総てを理解し、また、諦めた者の眼差しだった。意思を投擲し、手ぶらになった両腕に、抱きすくめるものを失くしてしまった母親のような哀しい瞳。 「言葉通りの意味よ。……分...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 8
    15,フリープレイ(R)  呆けた人間に有事を理解させるにはショック療法が一番手っ取り早いなんてのは経験から言って間違いじゃない。それに朝倉は急進派だしな。急いては事を仕損じると昔から言うが、しかし今回に限れば少女の目論見は成功に終わったと言ってやってもいいだろう。  お陰で大分目が覚めた。  人の出入りが奇跡的に無いマンションのエントランスは冬でありながら、その体感気温を上昇させ続けていた。心臓を始めとして血管一本一本に至るまで血と共にカンフル剤が巡っているように脈拍は速い。これは俺の意識の在り方の違いでしかないのだろうが。  昨日までとは違う。ついに「始まった」、そう直感的に理解する。具体的に何が始まったかは朝倉にでも聞かないと只の一般人である俺には分からない。だけどもう、何かが確かに始まっているというそれだけはこんな俺にも言い切れた。  十二月、クリスマス。ワールドエンド。...
  • 古泉一樹の出会い
    「そう思わない?古泉君!」 「まったくその通りかと」 そう返した僕に彼は不満そうに話し掛けてきた 「お前は自分の意志が無いのか。何でもかんでもハルヒの言う事聞きやがって」 「僕は自分の意志で涼宮さんに同意していますよ?」 「俺には例の空間を発生させない為に無理矢理同意してるようにしか見えん」 涼宮さんに聞かれたら不味い話題のせいか彼は小声になる。 涼宮さんは朝比奈さんと喋り始めた・・・というか苛め始めたから 小声で話していれば彼女には聞こえないだろう。 「そんなことないですよ。 それに彼女が考えることは面白いことばかりじゃないですか?」 「あいつの考えてることは人に迷惑かけることだけだろ。」 「ちょっとみくるちゃん暴れないの!!」 いきなり涼宮さんが叫ぶ。 彼はそれを合図かのように椅子から立ち上がると涼宮さんを止めにはいった。 確かに涼宮さんの機嫌をとるために彼女の意見に賛成することはある...
  • スノーホワイト・レクイエム2
    お妃様は、美しい鏡に己の顔を映し、艶然と唱えました。 「鏡よ鏡、わたくしの問いに答えておくれ」 はい、お妃様、と鏡は愛する妃に恭しく答えました。 ---------------- 温く哀しい夢を、見ていたような気がした。 古泉はうつ伏せていた身をそっと起こす。何時の間に眠っていたのだろう、と懲り固まった肩を微かに鳴らす。机に突っ伏して眠を取るなんて、随分、久し振りの行為であるような気がしたのだ。名残惜しさも相まって、霞がかった意識をどうにか覚醒させようと瞼を掌で軽くさする。 睡魔から解放されるのを待っているうちに、日は大きな傾きを見せていた。窓から降り注ぐ落陽の光は、オレンジ色に夜の闇を混ぜたような陰のある色彩を帯びている。 何という事もない、見慣れた文芸部室だ。 転寝をしていた古泉は、間近に開きっぱなしに伏せられていたハードカバーを、寝起きで回らない頭をどうにか動かそう...
  • 落日の夢
    発光ダイオードを掻き集めたような光が、いつもならば灰色に統一された空に雷鳴の如く走る。閃光に乗じてぱりぱりと音を立て、まるで卵の殻が罅割れるように空が剥がれ落ちてゆく。 崩れた膜の向こうには青鈍色が覗いた。 金網の張ったフェンスに凭れて、此処ら一帯では最も空に手が届き易い場所――高層マンションの屋上を、僕は終焉を見届けるための終着点に選んだ。遮るもののない真の意味での最上階では、上空から吹き付けてくる突風に肌に切り込むような鋭さがある。おざなりに羽織ってきた外套が白旗のように風に踊った。 見晴らしはいいが、長居するには不向きな場所だ。暖を取れるものが何もない。晩秋の風は想像以上に厳しいもので、芯まで凍るような寒風を浴びせられると、背筋から抗いようのない震えが襲来する。 僕は息を殺して、総てを見ていた。 長年共に戦ってきた同士達も今、思い思いの場を選んで、この美しい世界の、ある種の死...
  • 涼宮ハルヒの仮入部~アイドル研究部編~
    入学式から2週間ほどがたつ。 ほとんどの生徒はまだ仮入部しているころあいかもしれないが、僕は真っ先にこの部活に入ったさ。 アイドル研究部 全く持ってすばらしい部活だ。こんな部活があるところに入学できるなんて。 今日も朝倉さんの髪からはいい匂いがした。 席が離れてるのが残念だ。今度は真後ろになるように祈っておこう。 さて、今日も授業が終わり、僕は部室にむかう。 昨日の放課後はクラスに残って、双眼鏡を持って校内のアイドルを観察してたんだけどね。 今日はその報告さ。 で、その報告をしているときだった。 扉が開いて、一人の少女が中に入ってきたのだ。 涼宮ハルヒ 朝倉さんより劣るものの、なかなかの美少女だ。 彼女がいろんな部活に仮入部していることは知っている。 だから、ここにも来たのだろう。 僕なら、こんな美少女がむこうから近づいてくるならたとえ、1日でも大歓迎さ。 ただ、今は違う。...
  • 鶴屋さんの隷属 後編
      さて、入浴も済んだ俺達が居間に向かうと、そこには出来立てで湯気を立てているご飯が当然と並んでいたりする。 しかし、人の気配は俺達以外には全くしない訳で。取りようによってはちょっとしたホラーだな、これ。 で、夕食を食べながらの会話である。 「ところで、鶴屋さん?」 「んっ? なんだい、ご主人様っ」 「その……俺の家族は一体どこに行ったんですか?」 ここぞとばかりにずっと気になっていた話題を切り出す。俺だって、けっして鶴屋さんの痴態に目を奪われていたばかりではないんだよ。 朝倉に襲われた時ですら冷静だったと一部で大評判だしな。情に厚いってのも、自覚は無いが評判らしい。 ま、俺でなくとも誰だって家族の事くらい、心配するだろうさ。 ……無いだろうけれど、もし万が一鶴屋家黒子部隊によって軟禁されてたりしたら困るしなぁ。 「ご主人様のご両親と妹ちゃんは同じ町内にプチお引越しして貰ったにょろよ」 「...
  • 長編・古泉一樹
    古泉一樹無題1 ウィザード オブ サムデイ ウィザード オブ レニーデイ 古泉一樹 EP.0 古泉一樹 EP.0.5 墓地にて 晴れのち快晴 ある日の出来事 古泉一樹の結婚 頼れる副団長 絶望の世界 古泉一樹の独白 古泉崩壊 本音 GUN SURVIVAR 古泉一樹の青春 会心の一手 落し物、拾い物 変わらない チェンジ・マイ・ヒーロー 自分の居場所 古泉くんと鶴屋さん さよなら 内緒の最初 涼宮暗殺指令 雪の日 古泉一樹の出会い 不眠症候群 花嫁修行危機一髪 閉鎖空間記 キミがキミで居られるように 世界の反対側 選択肢の無い世界で スノウマーチ 月光 一樹ちゃん☆スマイル 女古泉 ちゃん の憂鬱 四月の雪 キャッチボールwith古泉球 一樹くんに女神の祝福を! 温泉と札幌 前髪に揺れる四ツ葉ふたつ 雪解けの想い もりのこいずみくん 戦士達の休日 【K.B.F.】 秘密の音色 若葉の...
  • セカンド・キス プロローグ
    プロローグ 運命の赤い糸、なんてもんは、所詮少女漫画か月9ドラマあるいは恋愛映画の中の話だ。 俺は高校生活において、登校中に食パンを口にぶら下げた美少女と曲がり角で正面衝突したり、 幼稚園の頃に結婚を約束したままどこかへ引っ越してしまった幼馴染のこれまた美少女が突然転校してきたり、 または電車で酔っ払いに絡まれているやっぱり美少女を助けてそこからウンヌンしてみたり・・・ なんていう、思わず「それなんてエロゲ?」と突っ込みたくなるようなベタベタなシチュエーションから始まる運命的な恋なんてものは、はなから期待しちゃいなかった。 ドラマみたいな恋がしたい!などという声をクラスメートの女子からよく聞くが、俺は声を大にして言いたい。 ドラマみたいな恋?はあ?お前ら、現実を見ろ!   言っておくがこれはひがみではない。 俺はなにも恋愛自体を否定するわけじゃない。 俺だって健全な男子学生だしな。 彼...
  • スノーホワイト・レクイエム5
    小人はようよう、識りました。 白雪姫が「或る者」に殺され掛かっていること。 小人は護りを、誓いました。 己が命を賭しても、護るに値するものを望みました。 ---------------------------                    古泉は、沈着を旨とする己の本分すら忘れ、ただ止め処ない血の毒々しい赤を目の当たりにしていた。携えていた手紙は緋色の液体を吸って、端はよれ、血に塗れた櫛と同様に落ちてべたりと床に張り付く。 仕込み刃だ。 櫛に、触れたら刃が突き刺さるタイプの仕掛けがしてある。しゃがみ込んだ古泉は、咄嗟に傷口を押さえたために血で汚れた左手で、同じく赤くなった手紙の便箋を床から拾い上げ、中を覗き込んだ。メッセージが記されているような類の紙はないことを確かめ、苦々しさに唇を噛み締める。衝動のまま封筒を握り潰しかけたが、ぎりぎりで思い留まり、震わせながら左腕を降ろ...
  • 長門有希の消失 第三章
     第三章   朝の光に照らしつけられる前に、わたしは起きあがった。時計は四時を差している。一般人の朝には早すぎる時間だ。普通ならもう一度布団をかぶるところだろう。  けれどわたしは、二度寝をしようと思ったり、ましてやおとといのように散歩に出かけようと思ったりすることはなかった。  それよりもやっておくべき作業が残っていた。  さっきの彼女との会話。そこで、わたしは自分が所詮『わたし』に似せてつくられた人形に過ぎないかもしれないという恐ろしい幻想を抱いてしまった。わたしの存在は彼女に頼らずしては成り立たないかもしれない。わたしは今からそれを証明しに行くのだ。怖い物見たさという感情なのかもしれない。  リビングは薄暗かった。曖昧な光がどこかから射している。わたしは部屋の電気をつけて窓を開け、灰色の街の様子を眺めた後パソコンに歩み寄った。もう古くなったノートパソコン。買ったのはいつだったか...
  • SOS団の無職6
    前回のあらすじ  キョンの苦悩を知ってかしらずか、お泊り会に私も混ぜろ!と勢いよく乱入してきた涼宮ハルヒ。思いつきのノリだけで動いております。  朝比奈みくるも古泉一樹も鶴屋さんも、それに反対しません。止めようとしません。止めても無駄であることは分かっていましたが、それ以上に自分も混ぜてもらいたいと思ったからです。  なんだかんだ言って、まともに就職活動していない無職はヒマを持て余しているのです。  そうこうしていると、キョンの妹が兄の着替えを長門宅へ持ってきてくれました。妹は兄のことがとても心配なのです。  心配なので宵の時刻から深夜まで、兄の泊まるマンションを監視しているのです。心配だからこそ、交友関係にまでチェックの目を光らせているのです。  『私は兄にとって必要な人間だから』。妹は、自分に言い聞かせるようにそう呟きます。でも、本当にそうなのかな?  『兄は私にとって必要な...
  • 古泉一樹の決断
    ※オリキャラ宮沢美緒がでてきます!  そして無駄に__がおおいです!  誤字、脱字があるかもしれません。  あったら、すみません・・・!     _序章_ 僕の名前は古泉一樹。 どこにでもいるような高校生。 ただ一つを除けば、ですけどね。 そう、僕は、「神人」という化け物を倒さななければいけない。 なぜかって?それは僕が「超能力者」だからですよ。 ここにいるのは全て涼宮さんのおかげ。 ふりまわされるのに迷惑だなんて思ったことなんて一度もない。 でも、今から起こることを、もし、知っていれば「彼」とこんなに のんびりとゲームをしてはいない。 結論から言っておきましょうか? ____僕に出来ることを精一杯やったつもりだ____     _全ての始まり_ 今日も、いつもと変わらない日だった。 「彼」と僕はゲームをし、長門さんはいつもの席でハードカバーを開いている。 朝比奈さんはお茶を入れ、涼宮さん...
  • 長編・未分類
    ここは特定のキャラが主役ではなかったり、自分ではどのキャラに入れればわからないという人の作品を置いてください。   未分類無題2 未分類無題3 未分類無題4 未分類無題6 未分類無題7 未分類無題8 いわゆるひとつのエンディング 二人のハルヒ ハルヒと古泉 ~Chat Of Fire~ ハニカミ 二人三脚 H・M・N 三つ巴戦争? キョンvs古泉 主役は長門×古泉 HARUHI FANTASYⅧ ちょっと変わった日常 埋めといたわ 3人娘とキョン チェンジ ふぁいなるふぁんたじー 涼宮ハルヒのすき焼き 温泉症候群 すき焼き別ルート SOSは終わらない 俺達がいた世界へ 涼宮ハルヒの真剣勝負 高校生クイズ SOS団コント SOS団の旅行 大岡裁き SOS団にようこそ! 涼宮ハルヒの期待 君が望む憂鬱 涼宮ハルヒ大外伝 涼宮ハルヒの童話~マッチ売りの少女編 ハルヒの幸せとは? 涼宮ハルヒの...
  • When he is 38. -What the Gran'ma!-
    This page was created at 2008.03.09 This page was modified at 2009.02.23 TAGにTRIP埋め このエピソードは、When she is 78.の40年ほど前の話になります。 When he is 38. -What the Gran ma!- (ぴんぽーん) あら? 誰か来たみたい。 (パタパタパタパタ) 対応するまでもなく上がり込み、廊下を歩く少し早足な軽いスリッパの音。 思い当たる人物は一人しかいない。もうすぐ、顔を出す。 「おばーちゃーん」 「いらっしゃい。お茶とコーヒーどっちにする? それとも紅茶がいい?」 「紅茶!」 この子は近所に住む息子の長女で、来年中学生になる。 近所に住んでいることと、私もあの人も孫に甘いものだからよく遊びに来てくれる。 「それで、今日は遊びに来てくれたの?」 差...
  • 遠距離恋愛 第二十三章 スイートルーム
    第二十三章 スイートルーム     灰色一色の、現実味のない空間。豪奢なシャンデリアや大画面テレビなどが配置された部屋。   俺は今、キングサイズのダブルベッドに座っている少女を見ている。   白いコートを肩に掛け、ロングヘアをポニーテールに纏めている。   少女は手元の携帯電話を取り出し、何処かへと電話を掛けた。   「……」 「……」 「……」 「……やっと出てくれた」 「……」 「どうしちゃったの?どうしてパーティに来てくれなかったの?」 「……」 「ウソ!だって、発車時刻まで3時間もあったじゃない!」 「……」 「そんなに佐々木さんとデートしたかったの?まあいいわ。今日は大事な発表があったのよ。それなのに」 「……」 「……一番上の階」 「……」 「うん」 「……」 「……来てくれないの?アタシ、キョンのこと待ってるんだよ?」 「……」 「……何よ」 「………………」 「な……」...
  • スノースマイル・バースデイ5
    わたしには行く充てがなかった。 わたしには名がなかった。 名のないわたしは虚無であり、其処に在ることも認められない異端だった。 ――名前がないから幽霊なのだと、少女は告げた。微笑んだ少女はわたしを知っているようだ。銀河系に分布する闇の様にくっきりとした黒い瞳が瞬いて、星屑の発光の様に極小の瞳孔が同意を求めわたしに迫った。 「あなたも同じでしょう」 そうかもしれない。わたしは確かに幽霊だった。幽霊と会話する幽霊は、わたししかいなかった。 「どこへでも行くことはできます。あなたの行きたい場所はどこですか?」 義務。役割。意味。存在の証明。第一に掲げねばならぬもの。持っていた筈の答えを、少女が明かす。わたしに彼女が翳してみせる。 風が温かく、日差しは柔らかだった。わたしは微睡みに落ち掛けていた眼を覚まされた。美しい水色の空に、銀色の光を少女は与えてくれたのだ。 「××××へ行こうと思って...
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    お妃様は、ついに、白雪姫を殺してしまおうと思い立ちました。 顔を隠し、白雪姫の興味を引くだろうものを携えて小人の粗末な襤褸を訪ねます。 「さあさ、扉を開けておくれ。お嬢さんや、こんなものはいかがかね」 無知な白雪姫は、無防備にお妃様を迎え入れ。 するりするりと取り出されたそれに、眼をかがやかせました。 ---------------- 心臓を突き刺すような、尾を引く、か細く切羽詰った悲鳴だった。 何かが、起きた。直感的に古泉は悟った。 全身の血の気が、ざあと干潮のように引くのを自覚する。圧倒されるような「不吉な予感」が喉元を奔った。 生じた危機意識に、警鐘がけたたましく脳内を鳴り響いて冷静さを占拠する。喉につっかえた様な己の所在に対する違和感も、一瞬にして思考から消し飛んでいた。矢も楯もたまらず古泉は身を翻して走り出した。何があったのかはわからない、わからないが――と...
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    4,三十分の一  氷雨の中を逃げるように帰ってきた。制服の上着とコートを椅子の背凭れに放り投げて、ノンストップでベッドに四肢を投げ出す。ズボンに皺が出来るがそんなのは知ったことか。  自室を片付けて掃除をして――といった当初の予定をこなす気も起こらない。教室を出る時、ハルヒの顔を見ておけばよかったかと思う。……いや、見なくてよかった。見ていたらきっと……なんでもない。  ケータイにいつの間にか来ていた着信は古泉から。「何かありましたか?」という簡素なショートメールは修飾や回りくどさといったものを極限まで削り取ったようで、あの話好きからのメールとは思えない。とりあえず「お前には関係ない」と返信。  即座に返信。「いつでもご相談下さい」との内容。どこまでも胡散臭さが付きまとうのは、これはもうあの男の持って生まれた性質なんだろうさ。とりあえず、ケータイは床に投げ捨てた。  ……俺の部屋...
  • 涼宮ハルヒの消失前日
    This page was created at 2009.02.03 by ◆9yT4z0C2E6 ※※※※※※※※ 涼宮ハルヒの消失前日  落ちる!  無限にも感じた落下の感覚は覚醒する意識と共に消え失せ、冷たく固い床の感覚が取って代わった。 部屋の中まで容赦なく侵入してくる12月の冷気が、急速に布団のぬくもりを奪い取りにかかる。  まったく、暑い夏ならともかくなんでこのクソ寒い時に布団からこぼれ落ちたりするんだ、俺は? 再びぬくもりを享受すべく布団に潜り込もうとした俺は、そこに先客の存在を認めて凍り付いた。  妹のヤツが潜り込んだ? いやいや、いくら暗くてもそれならわかる。 もちろんシャミセンでもない。 ハルヒ? 可能性としてはありそうだが、説明したくない理由でそれも違うと断言しよう。  誰だ、こいつは!?  慌てて明かりを付けた俺の目に映ったのは、俺と同じように吃驚の貌をして...
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