涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「平穏かつ憂鬱な世界」で検索した結果

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  • 憂鬱な金曜日
    憂鬱な金曜日   梅雨。 雨は嫌いではない。 でも、あの湿気だけはどうも苦手。 ま、得意な人なんていないか・・・。 そんなことを、考えて外を見る。 すると、窓の縁の方にナメクジが這っていた。 「キモチワルイ」 「ちょっと、キョン塩持ってない?」 返事が、無い。 代わりに聞こえる声。 「彼は、寝てしまいました。涼宮さん。」 振り向くと、机に突っ伏してマヌケな顔 にヨダレまで垂らしている。 「全く、団長の命令なのに何寝てるわけ?」 「顔に、落書きでもしてやろうかしら・・・・・」 まぬけだから、気づかずにそのまま帰っちゃうんだろうな ふっ・・・。   まあ、いいか。 それにしても、よく眠れるわね。 こんなに、ジメジメしてるのに。 そして、また窓の外を眺める。 雨はまだ、止みそうもない。 傘、もって来たっけな? ふと、窓のふちを見ると ナメクジは、にげていた。 そして、また、外を、ボーっと眺めな...
  • 長門の日々 第9話『新たな世界』
    第9話『新たな世界』   暗い。たぶんもう8時くらいになってるだろうな。 吹きすさむ風がほんの少し肌寒く感じられる。 それは体感温度ではなく、精神的なものかもしれない。 俺は鳥肌が立ってしまっている。 公園のベンチには誰もいない。 見渡す限り道路には車も通ってないし、 夜中を散歩しているような人も見当たらない。 まるでその静けさは、ハルヒが創り出した、あの世界を連想させる。 俺は錯覚に陥る。ここは本当に現実世界か? もしかしたらここは閉鎖空間ではないのか? しかし、そんな俺の疑問はすぐに晴れた。   公園内の灯りが二人の少女を照らす。 どちらも長門。 それが俺の思考を現実へと引き戻してくれた。 常識や、一般論からいくと、この二人は双子、または姉妹に予想されるだろう。 俺は真実を知っている。知ってしまっている。 あの二人は、どちらも長門有希だ―――   今までに幾度か感じたことのあるような、...
  • 黒みくるの憂鬱な日々
    私の名前は朝比奈みくる。私には人には言えない秘密がある。 実は、私はこの時代の人間ではない。この時代の遥か先の未来からやって来た未来人である。 こういうと頭のイタい子と思われるかもしれないが、事実なので仕方がない。 それでは、何故こんな原子力で電気を発電している化石のような時代に 私がいるのかそれには深い、ふかぁ~~い理由がある。 今から少し過去のこと、あ、これは私のいた未来でのこと。 そこで起こりえない事が起こった。それは、今から3年前(これはこの時代)より 昔の過去にどうしても遡れなくなってしまったのである。 私たちは混乱し、原因を究明したところひとつの原因にあたる存在が浮き上がった。 それが、『涼宮ハルヒ』である。彼女は過去に遡れなくなった時間振動のその歪みの中心にいた少女だ。 私たちは驚愕した。それもそうだ私たちは今より更に高い科学力も持っているが、 それでも、一人の人間が時間平...
  • 長門の日々
    長門の日々 第1話『右手が恋人』 長門の日々 第2話『秘密な関係』 長門の日々 第3話『熱愛たる理由』 長門の日々 第4話『甘すぎる暴走』 長門の日々 第5話『恋のスクランブル』 長門の日々 第6話『愛の証明』 長門の日々 第7話『淡い想い』 長門の日々 第7.5話『淡い想い』 長門の日々 第8話『はじめてのゆうえんち』 長門の日々 第9話『新たな世界』 長門の日々 第10話『長門 有希 の憂鬱Ⅰ』 長門の日々 第11話『長門 有希 の憂鬱Ⅱ』 長門の日々 第12話『長門 有希 の憂鬱Ⅲ』 長門の日々 第13話『 長門 有希の憂鬱Ⅰ』 長門の日々 第14話『ど根性右手』
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ一章
    長門有希の憂鬱Ⅰ 一 章 やれやれだぜ。俺は朝比奈さんを待ちながら呟いた。このセリフ、何回言ったことだろう。 ハルヒがSOS団を立ち上げてからというもの、このセリフを吐かなかったことはない。 俺はきっと死ぬまでこの言葉を言いつづけるに違いない。 さて、今年も残すところあと数日だが、年が明ける前に俺は朝比奈さんに折り入っての頼みごとをしなければならなかった。 俺は十日前の十二月十八日に戻らなければならないことになっている。 戻ってなにをするのかと言えば、特別なことをするわけじゃない。 ただ自宅から学校に通って、一度やった期末試験を受けなおさなければならないだけだ。 試験はどうでもいいんだが、考えようによっちゃこれ、百点満点を取るチャンスかもしれないな。 ハルヒに国立を受けろと言われたので、ここで成績アップしといても天罰はくだらないだろう。 本当は俺...
  • 長編・涼宮ハルヒ2
    少女達の放課後 A Jewel Snow (ハルヒVer) ダーク・サイド 繋ぎとめる想い 涼宮ハルヒの演技 涼宮ハルヒと生徒会 HOME…SWEET HOME 神様とサンタクロース Ibelieve... ゆずれない 『大ッキライ』の真意 あたしのものよっ!(微鬱・BadEnd注意) ハルヒが消失 キョウノムラ(微グロ・BadEnd注意) シスターパニック! 酔いどれクリスマス 【涼宮ハルヒの選択】 内なるハルヒの応援 赤い絲 束の間の休息(×ローゼンメイデン) ブレイクスルー倦怠期 涼宮ハルヒの相談 お悩みハルヒ 絡まった糸、繋がっている想い 恋は盲目(捉え方によっては微鬱End注意) 涼宮ハルヒの回想 小春日和 春の宴、幸せな日々 春の息吹 おうちへかえろう あなたのメイドさん Day of February ハルヒと長門の呼称 Drunk Angel ふたり バランス感覚 S...
  • 長編・朝比奈みくる
    朝比奈みくる無題1 ある晴れた日のこと 朝比奈みくるの日常 BEYOND THE TIME キョンの枠外 黒みくるの憂鬱な日々 あなたと仲良く SOS団ドリフ 朝比奈みくるの弁明 鶴屋さんのおかげ ある夏の水色 選択(朝比奈みくる) 朝比奈みくるの思惑 『God knows』 上級生下級生 お祭りの後で 朝比奈みくるの場合 風に消えないで 壊れたパズル 叶わぬ恋と知りながら 本当の気持ち 3人娘のそんな放課後 うそなき みかんとりんご 蜃気楼 予防接種 朝比奈みくる一年生 ずっとあなたに…… みくるの告白 二人三脚手作りケーキ 二人だけの時間 朝比奈みくるのクーデター 笑顔の向く先 神様に祈るあの人との日常 二人きりと匂うは紅茶 未来からのエージェント 未来恋物語~一時の温もり~ お幸せに 未来のお姫様 pure heart 朝比奈みくるの未来 たのしいお買い物  マタ逢ウ日マデ 朝比奈み...
  • 涼宮ハルヒの終焉 第二章
    第二章 七月に入りやはりハルヒは憂鬱になっていた。今回憂鬱な理由は俺にはわかる。 きっと4年前のことを思い出しているに違いない。 4年前に何があったかというと俺は朝比奈さんに4年前に連れて行かれ幼いハルヒに声をかけ話をした、 それだけならまだしも俺は校庭でハルヒの落書きの手伝いをしたのだ、というか俺が全部やった。今考えると映画作りやらホームページ作りやら何も変わってないじゃないか。 そしてハルヒには正体を黙りジョンスミスと名乗った、そして幼かったハルヒに向かって「世界を大いに盛り上げるジョンスミスをよろしく」と叫んだ。 恐らくはこれが原因で世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団、通称SOS団なんて名称にしてしまったんだろう。 大体、世界を大いに盛り上げる~なんてのは誰が最初に考えたのだろうか。 時系列的に言えば俺がハルヒに「世界を大いに盛り上げるジョンスミスをよろしく」と言ったのが原因だ...
  • 長門の日々 第13話『"長門"有希の憂鬱Ⅰ』
    第13話『 長門 有希の憂鬱Ⅰ』   彼がいなくなる。 こんな暗い公園に一人ぼっち。   わたしは情報改変を施し、憂鬱な毎日を過ごす。 彼がいない毎日は、わたしにとって憂鬱そのものでしかなかった。 ……会いたい。   それからわたしは毎晩この公園に通っていた。 寒々しい夜の公園はわたしの身を……心も……冷たい風で冷やす。   静けさに抱かれながら今日もまた待っている。   「……今日こそ彼が帰ってくる……?」   誰がいるわけでもないのに口に出してしまう。 早く。早く帰ってきて。 わたしは彼を渇望している。 理由は、彼が好きだから。   「……キョン……」   彼が居ない事をいいことに彼をあだ名で呼んでみる。 わたしはそれがなんだかとても恥ずかしいことに思えてくる。 なんで?……わたしと彼は一般から見ても恋人同士。 なのに、あだ名で呼べないのはなぜ?   ……次、会った時から彼を「キョン」...
  • セカンド・キス エピローグ
    エピローグ 一ヶ月たった。 その後のことをお話しよう。 閉鎖空間の発生は収まり、ハルヒによって世界が創り変えられる可能性は消えた。 といのは古泉と長門の話だ。 「あなたのプロポーズがよっぽど嬉しかったんでしょうねえ。」 と、一ヶ月たった今でも古泉は俺のことをからかう。 長門に報告すると、まるで始めから全てを知っていたかのように 「そう。」 と一言呟いただけだった。 朝比奈さんに関しては、まだ本当のことを話してはいない。いつか話そうと思う。  冬休みはなんてこともないいつも通りの冬休みだった。 去年と同じくSOS団で遊びほうけてたのみである。  鶴屋さん家のスキー場に足を運んだり、今年は初詣にも行ったな。おみくじも引いた。 俺は中吉と無難なところだったのだが、あろうことが他の4名がそろいもそろって大吉であり、 俺はビリということでハルヒから奢りを命じられた。新年早々ついてい...
  • 長編・未分類2
    ハロウィンパーティー 箱入り娘 HAPPY TREE FRIENDS 自殺 少年達の雑談 SOS団の惨劇 パートナー 閉鎖空間と糞団員 家族 電波作品1 電波作品2 雪合戦 クリスマス中止のお知らせ 巡る財布 カオス・ザ・ワールド あたたかなもの 12月18日・A  dearest beyond of SuzumiyaHaruhi 宇宙人現る! SOS団ラジオ支部~深夜版~ こたつでみかん 迷探偵キョナン 特攻野郎アフロチーム 涼宮ハルヒの舞台裏 ある雪空の日のこと ロックンロールスターダスト トライアングル・ラン チョコ、キッス、カオス♪ My namewas... 平行記憶 雨の日のぬくもり 遠い場所までむかえに来て GANTZ とある2月14日の断片 ハルヒがみくるでみくるが長門で長門がハルヒで… 俺が古泉で古泉が俺で…(上の続編です) かわいい一日お茶だし係 続・孤島症候群 「涼...
  • 青の世界 キョン
    青の世界 キョン  ここ最近、朝が待ち遠しいと感じることが多い。というか毎日。 夜遅くまでハルヒとメールをしていた。携帯の存在に感謝しつくせりだ。 俺は2週間前、ハルヒに思いを告げられた。OK,はっきり言おう。 「あんたが好き」 こんなことをはっきり言った。よし、もう一回言おうか、気持ち悪いか。 奇遇だな、俺もそう思っていた。 たった六文字でこんなに感激したことは今までになかった。 ハルヒの顔は何かを我慢しているようだったな。俺には分かるさ。 俺だってものすごく顔が赤くなっていたからな。 一年間も一緒にいたのだから、こういう気持ちになるものなのか。 人間の心理に驚く。なんて単純なんだろうか。 俺はハルヒを抱きしめた。ハルヒは何か言いたそうだったが、 俺が口を塞いだ。さすがに中に入れようとしたら鉄槌を食らったが。 俺たちはもう離れない。そう誓った。 こんな毎日が幸せでないとか言う奴、ちょ...
  • 長門有希の憂鬱IV もくじ
    長門有希の憂鬱IV 「お前のために世界を失うことがあっても、世界のためにお前を失いたくない」                               ジョージ バイロン もくじ プロローグ 一 章 二 章 三 章 四 章 五 章 六 章 七 章 エピローグ おまけ(外部リンク) 関連作品(時系列順) 長門有希の憂鬱Ⅰ 長門有希の憂鬱II 長門有希の憂鬱III 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算 長門有希の憂鬱IV そのほか 共著:kisekig7LI nomad3yzec イラスト:どこここ 連載期間:2008年9月28日~10月4日 データ類 青空文庫版 プロット(Nami2000データ形式)  Special thanks to どこここ このSSはTFEIキャラスレで連載されたものです
  • 絶望の世界
    ある日、僕は目覚めると見知らぬ場所に居た。 正確に言えば、そこは自分の部屋だった。 しかし、部屋は真っ暗で窓の外から見える景色も色が消えたようだった。 部屋には妙な空気が漂い、まるでこの部屋を刳り貫いて保存したかのようなところだった。 僕はまだ夢の世界に居るのかと思い、頬を抓って見た。痛い。 何かがおかしい、僕は親を呼びに行く事にした。 しかし家の中には人一人居なかった。どの部屋を探しても父も母も誰も居ない。 家の外に出ても歩いている人はおろか、どの家にも人の気配がしないのだ。 とにかく誰か人を見つけようと辺りをく歩いていると、ドスン、と地響きのような音がした。 それはだんだんと数を増して行き、自分に近づいてくるようだった。 とつぜん、僕の目の前に巨大な影が現れる。 慌てて振り返るとそこには巨大な物が立っていた。数にして3匹。 それが僕を見下ろすように立っている。 僕は声を出し、逃げた。助...
  • サムデイ・イン・ザ・ロリータ
       1月16日。世間的に、この日は”ただの1月16日”と見受けられるだろうが、この日が冬休みの最終日である我が北高生徒にとっては口惜しい、特別な日だ。だが他に、あの男にとってもこの日は特別であるらしい。    毎日ダラけながらも少しずつ消化していた『冬休みの課題』なる俺にとって邪魔でしかない物も残っている分量はもう5分の1もない。  残りはあと1日だってのにこの量は少し多いかもしれないが、今日一日ずっと机と睨めっこしていれば大丈夫だろう――と、俺は悠長に思っていた。  だが、『アレ』が来てしまったのだ。声色は天使の100Wの笑顔であるにもかかわらず、内容は俺にとって悪魔のささやきにしか聞こえない、あの悪夢の電話が。 『あたしだけどね、あんた駅前のバイキング店知ってるでしょ? あそこに今日12時集合ね。そこでお昼ご飯食べるから! 強制参加で、遅れたら死刑だから! おーばぁ♪』    プ...
  • 長編・キョン3
    スリーウィーク 鈍感な二人と、その幸せを願う人達の話 白銀の残雪 夏色 メタ・ラブコメディ ROLE PLAY あなたを守りたい(BadEnd) バカップル日記 夏風のコンチェルト タイムリミット some day in the rain another story 明日晴れかな 女の子 移りかわる時間、いつかの記憶 mirror 涼宮ハルヒのロバ ヒーロー クラスメイト キョンの選択(Bad End注意) ポニーテールの秘密 エイリアンズ 未完? カエル男 ホワイトデー前後の物語 人生最悪の三日間 バミューダの外側 結末は空港で 人生最悪の四日間 一年前からの気持ち 夢のような世界? パンフレット ウソがホントになる世界で 遊園地に行こう! 二年前のValentine(佐々キョン) 冗談まみれの勉強会 涼宮ハルヒの放課 涼宮ハルヒのひなた荘 開花予想(旧題:桜) 動物園に行こう! デート...
  • Happiness! 上編
    時は冬。   暑すぎる夏が嫌いな俺でもあるが、寒すぎる冬も嫌いなのが俺である。   普通の俺にしてみれば、普通の季節が一番な訳だ。春とか秋とかな。 でもやはり春が好きなわけだ。長かった寒すぎる冬から解放され、ぽかぽか陽気の春っていうのは最高の季節だ。   んで今はその素晴らしい春という季節が訪れるのがまだまだ先の事で…まだ冬になりたてだ。   今は十二月。あと一週間で二週間程度の休暇を貰えるのである。 そうとなれば家で暖かい部屋でぬくぬくと出来る。シャミセンのような暮らしが出来るのだ。待ち遠しいものだね。 だがな…多分それは出来ないのだろう…なにしろあのハルヒの事だ。冬休みでも急に寒い中を呼び出すだろう。 冬休みぐらいには団員に休みを与えてくれないかね?…無理か…無理だな。   まだ学校に着いた訳でもってないのに憂鬱な気分になってきた…帰ろっかな… これから学校でも更に憂鬱な気分になること...
  • 涼宮ハルヒの追憶 chapter.2
    第二章 cruel girl’s beauty ――age 16 俺を待っていたであろう日常は、四月の第三月曜日をもって、妙な角度から崩れ始めた。 その日は、憂鬱な日だった。 朝目覚めると、すでに予定の時刻を過ぎ、遅刻は確定していたので、わざとゆっくりと学校へ向かうことにした。週明けの倦怠感がそうさせたのかもしれない。風は吹いていないものの、強い雨の降る日だった。ビニール傘をさし、粒の大きい雨を遮った。昨晩からの雨なのか、地面はすでに薄暗いトーンを保っており、小さな水溜りからはねる水が俺のズボンの裾を濡らした。急な上り坂は水を下にある街へと流し、留まるのを拒んだ。 学校に着いたのは一時間目が終わった休憩時間だった。雨で蒸しかえる教室はクラスメイトで満たされ、久しぶりの雨音は教室を静穏で覆った。俺の席――窓際の後ろから一つ前だ――の後ろを見た。ハルヒは窓ガラスの外側を眺め、左手をぴ...
  • 橘京子の憂鬱
    ※橘京子の動揺の続編です   橘京子の憂鬱(プロローグ) 橘京子の憂鬱(前編) 橘京子の憂鬱(後編) 橘京子の憂鬱(エピローグ)
  • (消失)長門有希のもしも願いが叶うなら 第4章
    第4章 3日目   彼とナツが印刷されたわら半紙を大量に持って帰ってきた。 「こうしてみるとすごい量だな」 「何言ってるの。これぐらいすぐにさばけるわ。増版が必要なんじゃないかしら」 2人は山積みになった紙を見て満足げだった。 機関誌といっても業者に発注し製本する予算などあるわけなく、2つ折りにした紙をホッチキスで留め、本にする。これが予想以上に面倒な作業で、100部すべて製本するのに3日を要した。 機関誌の表紙はナツが絵を描き、裏表紙には『北高生が好きな小説ランキング』が載っている。その次からランクインした小説の解説と書評が書かれている。また、文芸部オススメ本も何冊か紹介した。たとえ1人でもこの機関誌がきっかけで本が好きな人が増えたらどんなにうれしいことだろう。機関誌を初めて手に取った時、私は少なからず気持ちが高揚した。 私たちはさっそく部室の入り口に机を置きそこに機関誌を平積みし...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ四章
    長門有希の憂鬱Ⅰ 四 章 長門有希の日記 こちらの世界へ来て二年が過ぎた。 情報統合思念体からの連絡はない。支援もない。誰も助けに来ない。 このまま時が過ぎれば、わたしの有機サイクルはいつか性能の限界に達し寿命を遂げる。 それまで、色がない世界でわたしの思考回路は物理的に機能するだろう。 それならばわたしはいっそ、目を閉じ、耳を塞ぎ、口をつぐんだ生命体として生きようと思う。 わたしは長期の待機モードを起動させた。 果たして奇蹟は起きるのだろうか。 タクシーの運転手に住所を棒読みで伝えると、十分くらいでそのアパートの前に着いた。 二階建ての二階、二〇五号室……。郵便受けにもドアにも表札らしきものはなかった。 呼び鈴を押した。こんなにドキドキするのは久しぶりだ。 赤の他人だったらなんとごまかすか、新聞の...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ
    目次長門有希の憂鬱Ⅰプロローグ 長門有希の憂鬱Ⅰ一章 長門有希の憂鬱Ⅰ二章 長門有希の憂鬱Ⅰ三章 長門有希の憂鬱Ⅰ四章 長門有希の憂鬱Ⅰおまけ 関連作品(時系列順)長門有希の憂鬱II 長門有希の憂鬱III 涼宮ハルヒの常駐(◆eHA9wZFEww氏による外伝) 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算 元テキスト(AAData形式) 青空文庫版
  • 題名付き・普通短編
    ひぐらしのなくハルヒ カセットテープ 興味 Stairwayto Haruhi SIRENOF Haruhi 長門猫化 日常あるいは平穏な日々:ハルヒ篇 仮入部 最後の手紙 長門さんとギター 二人で、校舎にて 携帯電話 コミケにて 長門有希の体温 ある雨の日のこと 遺書 気のせい・・・? 感情 1.35倍 俺・・・実はポニテ萌えなんだ(憂鬱後記) 俺・・・実はポニテ萌えなんだ 涼宮ハルヒのエロゲー 朝比奈みくるとポケモン 憎悪、拒絶、少女 長門有希の虐待 日常 大切な君達へ……… 長門さんと白雪姫 えいえんのせかい だーれだ? 『きっかけ』 忘れな草 『涼宮ハルヒのコミケ』 涼宮ハルヒのカラオケ 涙 オセロ三番勝負 焼いた芋 酒と桜と…… 海の家のラーメン キッドナップ・テレフォン のれん 遊○王 赤服親父捕獲戦線 プリン作戦 カッコイイキョン君 くじびき妙バランス 未だ来ない日の一頁 鬼...
  • 涼宮ハルヒの団結 第六章・序
     次の日、金曜日。  昨日は色々な問題が無遠慮に俺へと押し寄せ、また、古泉とケンカじみたもんまでやっちまったがために、俺も閉鎖空間を作り出してしまいそうだと思わんばかりのグレーな気持ちで帰宅することとなった。  帰ってからの俺の気分はハッキリ言って北校に入学して以来最悪な状態を記録していたが、やっぱりトンデモ空間などは発生していなかったようなので、つくづく自分は普通の普遍的一般的男子高校生だと思い知る。  しかし普通の高校生はそんなこと考えんだろうとも思い、そうやって俺は己の奇異さにも気づいたのである。  そして今朝の登校の際には、今度はブルーな気持ちを抱いていた。  一年前にも俺はこの長く続く坂道を憂鬱な気分で歩いていたが、それはこの理不尽に長い通学路に対し学生が交通費支給デモという意味不明な行動を起こし、そしてその理不尽な要求が通ってもおかしくないほど強制労働的であるがゆえだった。...
  • 神聖モテモテ憂鬱
    ファーザー「キョンスキーよ、時代は強い女なのじゃよ!」 ハルヒ「いいから、黙ってとんかつ食え」 ファーザー「いただきます」   10分後   ファーザー「キョンスキーよ、時代は強い女なのじゃよ!」 ハルヒ「またなの…」 ファーザー「いいかキョンスキーよ今の時代は強く自立心が強い女がもてるのじゃよ」 ハルヒ「何言ってるのあんた?」 ファーザー「男ってものは95%はマザコン、ならばそこに包容力たっぷりの女性が現れればころりってわけよ」 ハルヒ「まったく下らない」 ファーザー「もちろんあのキョンって男も例外じ「続けなさい」   (中略)   ファーザー「―というわけなのじゃよ」 ハルヒ「なるほどよくわかったわ(肝臓の仕組みが)それにしてもあんた、その格好はなんなのよ?」   八百屋ボクサー   ファメ田興毅   ファメ田興毅は世界を股にかける超A級ボクサー今日もとんかつと 引き換え...
  • 長門有希の憂鬱II
      長門有希の憂鬱II 目次    長門有希の憂鬱II プロローグ 長門有希の憂鬱II 一章 長門有希の憂鬱II 二章 長門有希の憂鬱II 三章 長門有希の憂鬱II 四章 長門有希の憂鬱II 五章 長門有希の憂鬱II 六章 長門有希の憂鬱II エピローグ 長門有希の憂鬱II 外伝 長門有希の憂鬱II おまけ 未公開シーン(外部リンク)   関連作品(時系列順) 長門有希の憂鬱Ⅰ 長門有希の憂鬱Ⅱ 長門有希の憂鬱III 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算    共著: ◆kisekig7LI ◆nomad3yzec   青空文庫版(携帯電子ブック,PDAブンコビューワルビ対応) 元テキスト(Nami2000データ形式)   Special thanks to どこここ プロローグへ  
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ二章
    長門有希の憂鬱Ⅰ 二 章 目の前に、口をあんぐり開けたおっさんがいた。 よれよれの服を着てベンチに座っている。 「あんた……今、そこに現れなかった?」前歯が一本欠けている。 「え……ええ」 「ワシゃずっと見てたんだが。あんた、そこに、いきなり現れた」 「そうですか……?たいしたことじゃありません」人がいきなり出現したなんて全然たいしたことだろうよ。 ホームレスっぽいおっさんは俺をまじまじと見つめていた。 やがて飽きたのか、目を閉じ、うとうとしはじめた。 ここはいったいどこだろうか。俺は目をこすって周りを見た。 ほっぺたをパシパシと叩いてみた。これは夢じゃない。人が大勢歩いてる。閉鎖空間でもないようだ。 どこからか列車の発車を告げるアナウンスが聞こえた。どうやら駅のコンコースらしい。 駅の名前は見慣れない、俺の知らない地名だった。 さて...
  • 長門有希の憂鬱II 一章
    一 章      Illustration どこここ    そろそろ梅でも咲こうかというのに、いっこうに気温が上がらない。上がらないどころか意表をついたように雪を降らせる気まぐれの低気圧も、シャミセン並みに寒がりの俺をいじめたくてしょうがないようだ。朝目覚ましが鳴ると、いっそのこと学校を休んでしまおうかと考えるのが日課になっている。俺は窒息しそうなくらいにマフラーをぐるぐる巻きにして家を出た。    結果はともあれ本命も滑り止めも無事に受験が終わって、学校では三年生をほとんど見かけなくなった。生徒の三分の一がいなくなり、校舎の一部がガランとして静まり返っている。一年生も二年生も残すところ、憂鬱な期末試験だけだ。三年生でも朝比奈さんだけは、SOS団のためにまじめに通ってきているようだが。    その日の朝、教室に入ると俺の席の後ろで机につっぷしているやつがいた。ハルヒが珍しくふさぎこん...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰおまけ
    長門有希の憂鬱Ⅰ おまけテキスト集 谷川流の憂鬱: 「二人とも行ってしまったなぁ……」 グランドに広がる炎の絵文字をぼんやりと眺めながら僕は、ここ数日の出来事を思い返していた。 思えば、あのときはびっくりしたよなぁ。 コスプレどころじゃない、キョン成りきりなんてとんでもないアニヲタだと思ったが 実は本人だったなんてなあ。 これからはもっとまともな話の展開を考えてやろう。いや、それじゃ面白くないか。 そうだな……煮て食うも焼いて食うも僕次第か。僕はニヤリと笑った。 もう実際に会うことはないんだろうな。もっと向こうの世界の話を聞いておけばよかった。 それにしても長門有希があんなに美人だったとは。 やっぱり僕の思い入れが他のキャラクタとは違うからかもしれない。 もしハルヒが来たら、やおら胸ぐらを掴んで「ちょっと谷川!もっとあたしを活躍さ...
  • 長門有希の憂鬱III
      長門有希の憂鬱III   長門有希の憂鬱III 恋するウィルス 長門有希の憂鬱III The melancholy of Cupid 長門有希の憂鬱III Someday over the rainbow 長門有希の憂鬱III A new romance 長門有希の憂鬱III The ecstasy of Yuki Nagato   関連作品: 長門有希の憂鬱Ⅰ 長門有希の憂鬱II 長門有希の憂鬱Ⅲ 涼宮ハルヒの常駐(◆eHA9wZFEww氏による外伝) 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算   共著: ◆kisekig7LI ◆nomad3yzec   青空文庫版(携帯電子ブック,PDAブンコビューワルビ対応)   恋するウィルスへ
  • 平穏な冬の日
     コンコン。  いつものようにノックをする。 「どうぞ」  その返答を受けて、俺は文芸部室に入った。  1年先輩の喜緑さんが、メイド服を着ていつもの定位置で分厚い本を読んでいた。表紙の文字を見ても、何語なのかすら分からない。  ふと視線を移せば、これまたいつもの位置に古泉が座っていた。既に碁盤を広げて、やる気満々である。  しょうがない。相手してやるか。  俺と古泉が碁石を打ち合っているところに、喜緑さんが紅茶を持ってきてくれた。  俺と古泉が礼を述べると、彼女は穏やかな笑みを返してくれた。  さっそく一口。彼女が淹れる紅茶は、その辺の喫茶店の紅茶なんかよりはるかにうまい。  まったりと、時間が流れていく。  しかし、そんな穏やかな時間はわずかばかりであった。  バン!  勢いよく扉を開いたのが誰かなんて、いまさらいうまでもないだろう。 「さぁ、今日はミーティングをやるわよ!」  ホワ...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰプロローグ
    長門有希の憂鬱Ⅰ プロローグ 窓の外は曇っていた。 今年ももうすぐクリスマスだねー、などとクラスの女子がのたまっているのを、 俺はぼんやりと眺めながら次の授業がはじまるのを待っていた。 高校に入って二度目の文化祭を終え、やっと落ち着いたとため息をついたばかりだ。 そういやハルヒのやつ、今年もやるんだろうなクリパ。また俺にトナカイやらせるつもりじゃあるまいな。 長門が暴走したりSOS団が消えちまったり、朝倉に二度も襲われたり、去年はいろいろあった。 俺も長門には気を配るようになった。あいつは感情が希薄なわけじゃなくて、 実は表に出ないだけなんだと知ってからは。おかげさまで落ち着いてるようだが。 振り向いて後ろの席にいるやつに、今年のクリパはやっぱ部室でやるのか、と尋ねようとしたらいきなり首根っこを掴まれた。 「キョン、あんた進学するの?」 いきな...
  • 「涼宮ハルヒの憂鬱」改
    *注意:欝エンドです   1.断章───遠ざかる超常    学校を案内してあげると言って涼宮が古泉を連れ出し、朝比奈さんが用事があるからと帰ってしまったので、部室には俺と長門有希だけが残された。  今更オセロをする気にもなれず、長門の読書シーンを観察していても面白くも何ともなく、だから俺はさっさと帰ることにした。鞄を提げる。長門に一声、 「じゃあな」 「本読んだ?」  足が止まる。長門有希の暗闇色をした目が俺を射抜いていた。  本。というと、いつぞや俺に貸した異様に厚いハードカバーのことか? 「そう」 「いや、まだだけど……返した方がいいか?」 「返さなくていい」  長門のセリフはいつも端的だ。一文節内で収まる。 「今日読んで」  長門はどうでもよさそうに言った。 「帰ったらすぐ」  どうでもよさそうなのに命令調である。  ここんとこ国語の教科書に載っている以外の小説なんて読んでもいないけ...
  • 機械知性体たちの狂騒曲 メニュー
      □『機械知性体たちの狂騒曲』    機械知性体シリーズの解説はこちら。  http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5979.html   【あらすじ】  情報統合思念体・急進派インターフェイスの朝倉涼子は、自身の暴走行為により、主流派端末である長門有希と対立。  激しい戦闘の末、有機情報結合を解除され(主原因、頭突き)、消滅した――かのように思われた。    しかし、朝倉涼子は用意周到に自身のバックアップを保存。  それにより端末本体を再生したのだが――。   そこに現れたのは、人形サイズに矮小化され、能力も制限された不完全な体だった。  こうして「あちゃくらりょうこ」は誕生し、主流派の長門有希に保護(厳密には捕獲)され、共に七〇八号室で暮らすことになるのであった。    そして始まる、のんきで、能天気で、ほのぼのとした、幸せな生活。  これまで...
  • キョンの消失
    注意書き この作品は通常のようなキョン視点ではありません。 また最初は予告のような感じですが最後のほうになると文体が変わります。 ご観賞される方はそのことをご理解の上でご観賞ください。 つたない文章ですがお楽しみいただければ幸いです。では始めます。 ついに情報統合思念体を支配した強硬派 そしてキョンに迫るヒューマノイドインターフェース達 彼らの凶刃がキョンを襲うとき、長門が敵の前に立ちふさがる 「貴方は殺させない」 しかし、情報統合思念体との接続を断たれた長門には戦う力はなかった そして傷つき倒れる長門 その姿を見て体中の血が熱くなるのを感じるキョン そして彼は自ら三年前に記憶と共に封じた神の力を解放する 改変される世界、全ての人が平凡な人間として暮らす当たり前な世界 そんな世界の中、一人ハルヒは世界に違和感を感じていた 彼女はわずかながらに改変から逃れていたのだった そんな悩みから教室に...
  • 涼宮ハルヒの奇妙な憂鬱
    涼宮ハルヒの奇妙な憂鬱       1.  百聞は一見にしかずと昔の人は良く言ったもので、ついさっきまで車の中で俺に向かって長々と持論を浴びせてきたこの男──古泉一樹──が言った事に間違いは無かった。ここは…この世界は、物理法則が全てを支配する超常識的な俺達の世界とはかけ離れていたのだ。今目の前で起きている事実を端的に説明するとなると次のとおりだ。   “古泉は、赤色に鈍く光る球体に包まれ、ビルを一心不乱になぎ倒している巨人相手に空中を自在に舞いながら攻撃している”    俺の生きてきた十何年もの間にこのような夢のような出来事は一切起こらなかった。…そんな出来事があって欲しいと心から願っていた時期もあるにはあったが、しかしこんな夢まぼろしな光景なんぞ、『起こりえる訳がないッ』と考えるのが正解だと既にお子様を卒業した20代目前の俺の頭は解答した。  この常識ハズレな展開が今まさに起こってい...
  • 朝比奈みくるの憂鬱
    ふと、気がつくと、俺はひとりで公園のベンチに座っていた。 光陽園駅前公園、古泉が転校してきた日に長門と待ち合わせをした場所。 そして、三年前に戻ったあの日には、朝比奈さんの膝枕で眠り、朝比奈さん(大)と会った、俺にとっては思い出の多い場所でもある。 だが、どうやらここは現実の光陽園駅前公園ではないようだ。 周囲を見渡しても、人っ子ひとり居らず、空は灰色の雲に覆われ、薄ボンヤリとした光を放っている。 閉鎖空間 いままでの人生で数えるほどしか入り込んだことのない、現実の世界とは少しだけズレた場所にある異世界、ハルヒが無意識のストレスを発散させる空間に、いま俺はいる。 俺は大きくため息をついた。 ハルヒの無意識が俺をこの空間へと導いたことを瞬時に悟ったからだ。 そして、このようなハルヒの我侭に起因する、微妙にズレた日常に慣れてしまっている自分に、ほとほとあきれていた。 さて、今回ハルヒはどのよ...
  • 長門の日々 第10話『長門"有希"の憂鬱Ⅰ』
    第10話『長門 有希 の憂鬱Ⅰ』   サンタクロースをいつまで信じていたか、 などというたわいも無い世間話にもならないくらいのどーでもいいような話だが、 それでも俺がいつまでサンタなどという想像上の赤服じーさんを信じていたかというと これは確信を持って言えるが最初から信じてなどいなかった。   小さい頃、俺は未来人・宇宙人・超能力者や、 またはそれに準ずる何かの存在を認めたかった。 だが、いつまで経っても俺の目の前には出てこない。 もしかしたら存在しないんじゃないかという、 俺の中の疑問の答えが「存在しない」になった頃、つまり俺が中学を卒業する頃には、 俺はもうテレビが組むようなUFO特番などはそう熱心に見なくなっていた。   いるワケねー……でもちょっとは居て欲しい、 みたいな最大公約数的な事を考えるくらいにまで成長したって事さ。   学校に着いた。 すると俺と他の俺と同じクラスの奴等は...
  • HOME…SWEET HOME 第3話
    …━━━買い物を頼まれただけでも億劫だというのに、辿りついたコンビニは車と人で溢れ返っていた。 まあ、日曜日の午後の国道沿いのコンビニなんてこんなもんなんだろうが。 俺は、ひしめきあう車達を横目に自分が自転車で来た事に少しばかりの優越感を感じながら、それを店先に停める。 そしてハルヒに渡されたメモを見ながら首を傾げた。 『牛乳、味の素、ふりかけ』 まったく…前もってスーパーで買っておけば安く済んだのに━━━… 【HOME…SWEET HOME】 第3話・「偶然なんかじゃなかった」 ━1━ 買い物を済ませて店の外に出ると、突然「ガシャン」という音が聞こえた。 俺が自転車を停めた辺り…いや、間違いなくその場所からの音だ。 慌てて視線をそこに向けると、その直前に感じた微かな悪い予感は的中していた。 駐車スペースからはみだした車のバンパー部分が直撃したらしく、俺の自転車がひっくり返...
  • 長門の日々 第12話『長門"有希"の憂鬱Ⅲ』
    第12話『長門 有希 の憂鬱Ⅲ』   急に天井が爆発したかのような勢いで割れた。 誰かがライダーキック風飛び蹴りでブチ割ったようだ。 そいつは勢いを保持したまま俺に向かってナイフを構えて突進してくる朝倉を蹴飛ばす。 朝倉は凄い勢いで5mくらい吹っ飛び、鈍い音を立てて壁にぶつかる。 壁の表面が崩れ、朝倉は瓦礫に埋もれる。   目の前の奴は誰だ?! しかし、コンクリートの破片、砂、埃、蛍光灯の残骸などで俺の視界は塞がれている。 まったく見えん。   ……次第に視界が晴れていく。   俺は驚く。 「―――な、なんでお前が来るんだ?!」   そいつはふん、と鼻息を鳴らして大きな声で言う。   「助けに来てやったわ!あたしに感謝しつつ、せいぜい死なないよう頑張りなさい!」   そこに現れたのは――――黄色いカチューシャをつけた長髪のハルヒだった―――   さっきまでの緊張感や、なぜかハルヒが来た事に...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ三章
    長門有希の憂鬱Ⅰ 三 章 俺はひどい頭痛と轟音とともに目が覚めた。 自分がどこにいるのかしばらく分からず、起き上がったところで天井に頭をぶつけた。 あれ、こんなところに天井があったかな。 そうだった。俺は泊まるところがなくてホームレスに段ボール箱を借りたんだった。 頭上では電車がひっきりなしに行き来している。 俺はそろそろと箱の外に出た。寒い。震え上がってまた中に戻った。 段ボール箱の中、意外に保温性があるんだな。手放せないわけだ。 俺はジャンパーを着込み、身をすくめてやっと外に出た。 一晩の宿は冷蔵庫の箱だった。それを見てまた寒気がした。 時計を見ると七時だった。おっさんたちはまだ寝息を立てているようだ。 俺はサンちゃんの家に、その玄関らしきところからありがとうと書いたメモに千円札を挟んで差し込んだ。 もしかしたら明日も世話になるかもしれない、などと不安と期待の入り混じった気...
  • 憂鬱アナザーエンド
    気が付くと、俺は自分の部屋の床に寝転がっていた。視界の端にベッドの足が 見える。着ているものはブレザーの制服などではなく、当然のように スウェットの上下。 夢か? あれは夢だったのか? ぐあ、今すぐ首つりてえ! よりによってハルヒと二人で異世界に紛れ込み、 キスをする夢だと? 猛烈な自己嫌悪に頭を抱え込み、俺はしばらく足をバタバタさせていたが、 やがてのっそり立ち上がらざるを得なかった。 寝よう。寝なおして忘れちまおう、あんな若さ故の過ちは。そうして、 憔悴しきった顔でベッドに向き直った俺が見たものは。 俺のベッドの上で、パステルピンクの少女趣味っぽいパジャマを着たハルヒが 背中を丸めてくーくー寝息を立てている姿だった。 一瞬おそろしく混乱したのち、俺は古泉が「閉鎖空間は次元断層の隙間」とか何とか 言っていたのを思い出して、ぽんと手を打った。 なるほど、A地点から空間の歪み...
  • 泉こなキョンの憂鬱
      こなた「お呼びとあらば!」 キョン「即参上!」 こなキョン「らき☆すた戦隊!コナキョンジャー!」 かがみ「真面目に始めなさいよ!」     『泉こなたの憂鬱』     キョン「ところで、この世界にハルヒは居ないのか?」 こなた「わーぉ前の席の人。皆があえてスルーした話題を平然と言ってのける。     其処に痺れる憧れるぅ」 キョン「そうだったのか、すまん………で、どうなんだ?」 こなた「あれあれ?ここは春の小川の如く流す所なんじゃないかなぁ」 キョン「たびたびスマン……」 こなた「まぁ、この学校に居るらしいよ」 キョン「そうなのか?」 こなた「あの自己紹介もしたらしいし」 キョン「へぇ」 こなた「だから、不運にも前になっちゃった人が     前の席の人の位置に居るんじゃないかなぁ?」 キョン「…………」 こなた「………ニヤニヤ」 キョン「………なんだよ」 こなた「ヤキモチ?」 キョン「...
  • 涼宮ハルヒの独白
    あたし涼宮ハルヒ。憂鬱な核融合炉。暴走機関車。 中学に入ったころから、あの野球見に行ったときの喪失感に苛まれつづけて、高校生になった。 そしてあいつに出会った。あの糞忌々しいニヤケ面の頼んねえやつ。 いつもヘラヘラしながら朝私に話しかけてくる。 他の下らない男子同様、一言の元にはねつけてやればいいんだけど、なんでだろ、なんとなく話し相手になっちゃうの。 なんか見覚えあるような気がして、心の中を手探りするんだけど、微妙にスルっと逃げちゃって、ある日私が勝手に決めてた髪型ローテーションについて話しかけてきた日 -こんときゃ私らしくもなくずいぶんいろいろ話しちゃったんだけどさ- 直接聞いてやったのよ。 「あたし、あんたとどっかであったことある? それもずっとまえ」って。 あたしも馬鹿なこと聞いちゃったものよね。「いいや」とサクッといわれて『そりゃそうだ』と自分に突っ込んじゃったけど、「ずっと...
  • 涼宮ハルヒの団結 第十章
    「ねえ、ちょっと」    くいっと俺の服が引かれ、 「なによ、あれ。何であんたがあそこに居るの? ここは何処なのよ?」  中学ハルヒは現状況の雰囲気だけは察知しているのか、息を潜めて俺に尋ねてきた。 「ここは……その、なんだ。北校の校門前で、あれは過去の俺だよ」 「過去のあんたは何してんの? あそこで、この長門って人に話しかけてるみたいだけど」  ん……それについては話してる暇が無さそうだな。と考えた俺は、 「とにかく……そろそろ事態は動き出すから、もう少し見守っててくれ」 「でもさ、あたしは何をやればいいの? 見てるだけ?」  ……どうだろう。朝比奈さんは何か知っているだろうか。 「あたしも、その、詳しくは聞いていません。知っているとすれば……」  と言いながら、自分の未来である女性の後姿に不安そうな視線を向けた。 「それと……」朝比奈さんは視線を落として、「……すみません。キョンくんに...
  • サムナンビュリズム前編3
    昨日の夜、明日の予定についてハルヒから電話があり、それによるとどうやら今日は午後三時に駅前集合らしいのだが、 昨日と同じ轍は踏むまいと一人意気込んだ俺は、二時間も前に目的地へたどり着きはや二時間近くが経過していた。   なんなんだろうね。   やることなすこと全て裏目に回っちまうのは俺がそう望んでるからなのか? だとしたら俺は相当なMだな。 いやそんなことは決してないが。   と、一人黙々と頭の中で自問自答を繰り返していると、何やらけったいなリュックを背負った団長様がようやくご登場なすった。 時計を見ると時刻はぴったり三時。 ギリギリ遅刻ではないようだが、今日はやけに時間通りだなハルヒ。 「遅刻じゃないんだからどうでもいいでしょそんなこと。それよりちゃんと昨日言った通りにしてきたの?」 「ああ、昼は抜いてきたし、ゴザも持ってきた。ほれ」 そう言って俺は手にさげてた袋を見せた。まあ昼は多少...
  • 涼宮ハルヒの団結 エピローグ
    「ねえあんたたちっ! みゆきちゃん見なかった!? こっちの方に飛んできたはずなんだけど……」 「いや知らんが、ハルヒよ。あんまり着物姿で走り回らないほうがいいと思うぞ。折角鶴屋さんの家の人から綺麗に着付けて貰ってるんだ。着物だって借り物なんだし、鬼ごっこが出来る程ここが広大だからといって早速始めちゃダメだろ」 「そんなのやるわけないでしょ! みゆきちゃん、着替え中に髪留めを取るのを渋って逃げちゃったのよ。どこ行ったのかしら……」  桃色の振袖を着飾るハルヒは、八重桜の下で座ってでもいればこれ以上ないほどの美麗な風貌を見せているのだが……やはりと言うべきか、こいつは裾をまくって鶴屋さん宅の廊下を跳ね回っている。 「涼宮さんらしくて良いではありませんか。ああやって快活な姿を見せていてくれるほうが、こちらとしても心が安らぎます。それに……」  古泉は俺に笑顔を向けると、 「異世界の問題も、無...
  • キョン妹の憂鬱
    キョン君が5年前に入学し、2年前に卒業した場所。わたしは今その場所に向かっている。   わたしがこの北校に入学してから1週間がすぎた。 相変わらずこの坂はきつい。 いったいなぜこんなところに学校を建てたんだろう? 地震になったときに土砂崩れの危険があるからこんなところに避難できないと思うんだけど・・・ 学校はそういう緊急時のことも考えて作るべきだと思う。   初めてここを上ったのはいつだったっけな? 確か、キョン君が高校一年生のときの体育祭・・・だったかな? あの時は有希もハルにゃんもすごかった~ ハルにゃんはすべての徒競走競技で優勝をかざり。 有希なんて目が追いつかないような速さ。   2回目に行ったのは文化祭だったかな? SOS団の映画が面白かった~。 わたしとシャミセンもアップで映ってたから文句なし。 今でもあのフィルムが残っているのかなー? でも、1日目のハルにゃんのライブを見てい...
  • 涼宮ハルヒの遡及Ⅲ
    涼宮ハルヒの遡及Ⅲ     「え……? この世界に来るまでにいくつかこの世界のパラレルワールドに行ってたって……?」 「そういうこと。まあ、あたしはキョンくんとあんまり関わりがなかったんで別の世界に着いて、あたしの知ってるキョンくんじゃないって判断できたらさっさと戻ったんだけどね。蒼葉の方は少し関わってきたみたい」 「パラレルワールドって実際にあるんですか!?」 「だって、ここに行き来したあたしがいるし。なんならどんな世界だったか教えてもいいわよ。あ、先に言っとくけど、基本的にはこの世界とほとんど変わんないからね」 「ふわぁ……でも、パラレルワールドってどうやってできるんですか?」 「ううん……これはあたしたちの世界の並行世界の論理に基づいた考え方になるんだけど……そうね。あなたたちにとって時間は可逆? それとも不可逆?」  難しい話じゃないな。だいたいここにいる人間の内に一人、未来人...
  • バランス感覚
     事態が起こった時、最初に咄嗟に抱いた感想は「軽い」であり、  次に、冷静な思考を取り戻した際に思った事は「小さい」であった。  いきなり意味の分からん事を言うなとか思っているだろう。  だがしかし当の俺自身にも全くもって訳が分からんのだ。  いや、この事態の原因と結果について語れ、と言う事ならば  それは小学1年生の使う作文用紙のような少ないマス目でも3行使わない位に  簡潔に説明できるであろう事は明らかな単純な事態だ。  それこそ俺がこの1年弱の間体験してきた事に比べれば取るに足らん単純な出来事さ。    しかしだな。  事態の説明が簡単であるからと言って、それに対して単純な感想しか抱かないかと言えば、  それは雲一つ無い空に見える太陽ぐらいにはっきり言わせてもらうが、答えはノーだ。  客観的に見れば小学生の算数並のこの事態も、  当事者の俺にとっちゃフェルマーの最終定理並に凶悪なんだ...
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