涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「感情」で検索した結果

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  • 長門有希の感情
    ...あったが、最近は少し感情を表に出すようになった 長門の表す微妙な感情は俺が一番読み取れると自負している。これは自慢しても良い事だ   だからこそ、その必要な事意外は口にしない対有機生命体コンタクト用なんたらかんたらが雑談を持ち掛けてきた時は心臓が止まる思いだった訳だ   「…………本」 「本?」   長門が唐突に発した言葉はそれだけだった。つい鸚鵡返しに聞いたのがまずかったのか、長門は少々思案する顔を見せた コイツがここまで露骨に感情を表情に出す機会は滅多に無いので、俺はついついその顔を眺めていた   「………貸す」   長門が指した先には分厚い書籍がずらりと並ぶ本棚があった。しかし、俺はまだ動けないで居る 普段のコイツを知っている俺としては自主的な発言は何かしらの事情に絡んでの事で、それは大抵が涼宮ハルヒという御仁に関係する事柄でもある それを考えると嫌な予感しかしなかったが、別に...
  • 感情と距離は反比例する?
    ...り始める。  そんな感情の世界に抜本的改革なんて持ち込まれても困るってもんだ。大体、そんなことをやってのけられるのは、 ハルヒか――あとは長門ぐらいだが、前者は恋愛感情を精神病扱い、後者は理解していない上にエラー扱いと来ている。  国木田はいつもの脳天気モードでぽんと手を叩くと、 「でも、結構キョンはやり手だよね。中学の時には佐々木さんと一緒にいてなかなかいい雰囲気だったから、 てっきり高校以降も付き合うのかと思っていたけど、入学早々涼宮さんに手をかけているんだから。 あまり他人が手を付けないような変わり者だけど、能力・容姿ともにトップクラスの人を狙っているところがまたニクイよね。 やっぱり勝利の秘訣は、競争相手がいなくてなおかつ恋愛経験に乏しそうな人を狙うことなのかい?」  んなことを言われても知るか。大体、どうしてどいつもこいつも男女が一緒にいるってだけで勘違いしやがるんだ? 佐...
  • Please wait for some day in the rain.
    ...、目がくらむような、感情。 エラー、エラー、エラー。 今までにないエラー。 〝彼〟には感じない感情。 〝彼〟に感じるのは安心、安らぎ、不安要素がない。 信頼と憧れ。 尊敬もあるかもしれない。 しかし、古泉一樹に感じるのは昂揚、心配、不安要素ばかり。  誰かが古泉一樹を傷つけるのを許せないと感じると同時に、何故かわたしの中に存在する古泉一樹への加虐心。 「未だ見当が付かないという表現は、適切ではないかもしれません。 僕は決め付けてしまうのが怖かったのです。  夢を見たかったのかもしれません。 諦めたくなくて、目をそらしていたのです。」  あの雨の日のまっすぐな瞳と、あたしを濡らすまいと傘を傾けてしまったために濡れてしまった髪、真剣な声音。 〝彼〟には感じない、走り出す緊張感。 体全体が凍った様に動かない。 雨の音が、遠く聞こえる。 すぐ傍を滴り落ちているのに。 「期待していたので...
  • 長門有希の深淵
    ... それは、人が言う、感情。 私にもわずかだが感情が持たされている。 でも普段はそれを重要視することなどない。 朝倉涼子のように感情に身を任せることなど、しない。 絶対に。   本当に?   まるで心臓をつかまれているように。 私を取り込んでいく感情。 これは、何。 これはなにこれはなにこれはなにこれはなにこれはなに 落ち着いて。 私は必死に理性の糸を手繰る。 まるで濁流の中で蜘蛛の糸を紡ぐ感覚。 私は思考をめぐらせる。 思考することで感情を押しとどめる。 恐怖。 私は恐怖しているのだろうか。 だとしたら何に。 そんなもの知らない、私は私。 ただのヒューマノイドインターフェイス   「それは、逃げよ?」   幻覚。 そう、それは幻覚。 私の中の朝倉涼子が呟く。 「自分に、素直になりなさい?」 イヤ。 「なんで?」 朝倉は寂しそうに尋ねる。 イヤ。 「私は知っている」 何を。 「あなたが...
  • 教科書文通8
    ...目を見たら、今一時の感情に押し流されて彼女にあらぬ事を言いかねない。 こちらを見上げた長門さんの顔が真っ直ぐ見れない。 僕は、必死でいつもどおりの笑顔を作った。 それは、僕にとっても、何より彼女にとっても、あまりよくないことに違いないから。 そんな僕の心を知ってか知らずか、長門さんは僕に今まで聞いたことが無いような柔らかい声で礼を言った。 何故だろう、心臓が潰れるかと思った。 いつもの喫茶店での軽い朝食とも昼食とも言えない軽食を取った僕らは、のんびりと今回の目的地である市立美術館へ向かっていた。 長門さんは、いつもとは違う白い白いワンピースのすそを揺らし、ストローバッグを僕が居る車道側ではなく歩道側の手に持ち、どこか楽しそうに見える。 きっと、これから向かう先に広がっているだろう未知のものに好奇心が疼いているのだろう。 彼女はこう見えて子供っぽい人だから。  僕はといえば、先...
  • 卑屈超能力者と傷心宇宙人の話
    ...入り込んでくる翳った感情を無理やり振り払おうと、もう一度彼女に話しかけた。  でも彼女は、視線を地面に固定したまま一つ瞬きをするだけ。  苛立ちが胸を僅かに掠める。歩みを止めたせいで寒さがますます滲みてきた。駄目だ。こんな時、彼はどうするだろう? いや、その時は彼女もちゃんと返答するんだろう。きっと、彼になら。  ……いや、違う。そうじゃない。  彼女は時が経つにつれだんだん感情というものを表すようになった。それは僕も感じている。でもその振幅は微細なもので、一般的な少女のそれには遠く及ばない。それでも、きっと。 「帰りたく、ないんですか」  注意深く彼女の機微を見つけようとする。ほんの少し、視線が下がった気がした。  彼女の感情を見いだせた喜びが湧くと同時に、そこにいる理由を理解して、複雑な感情が頭を掻き乱す。そして、感覚などとうに無くなっているはずの指先が、僅かに震えているのに...
  • 長門有希の報告Report.14
    ...。」  それがどんな感情なのか、わたしは実感できないんですけどね、と江美里は付け加える。 「もう一押し……ってわけね。」  朝倉涼子は思案顔で呟く。 「今日早めに活動を切り上げた涼宮さんは、今は部室で独り、物思いに耽っています。」  江美里は、涼子に向かって言った。 「さて。お膳立ては整いました。あとは長門さんの代理……あなたの仕事ですね。」 「そう……やね。そろそろ……行けるかな?」 【そう……よね。そろそろ……行けるかな?】 「『機は熟した』と思いますわ。『鉄は熱いうちに打て』っちゅう言葉もありまっせ。」 【『機は熟した』と思いますね。『鉄は熱いうちに打て』という言葉もありますよ。】  一樹も賛同する。 「うん、そうやね。ほな、ちょっと行ってくるわ。」 【うん、そうよね。じゃあ、ちょっと行ってくるわ。】  涼子は、部室へと向かった。  部室の本棚の本を手に取るハルヒ。そのまま窓...
  • 涼宮ハルヒと佐々木の無題
    ...い」 「友情が恋愛感情に変わることだって……」 「キョンはそれをあっさり否定したよ。あれはいつものちょっとした世間話だった。今でもはっきり覚えてる。『友情が恋愛感情に変わるなんてありえん。そんなのは物語の世界だけだ』とね」  涼宮ハルヒは、複雑な表情を浮かべた。 「不安になってきたかな? その不安は正しいと思うね。このままじゃ、キョンと涼宮さんの関係も友人関係で確定してしまう。変えたいと思うなら、今すぐ行動することだ。今ならまだ間に合う」 「なんでそう言えるの? キョンは有希やみくるちゃんが好きかもしれないじゃない」 「それはないよ。長門さんも朝比奈さんも、恋愛については意識的に避けようとしている。キョンは他人のそういう態度には敏感だからね。ほとんど無意識的になんだろうけれども」 「でも……」 「キョンの長門さんに対する態度は、父性的な保護者のものだ。これは彼が妹持ちなことが...
  • エンドレス ヘイト
    ...人間でいうところの 感情 というものを持つようになったのだ。 最初はただエラーが蓄積されていくだけだと思っていた。 だがいつしか私は気づいた。これは人間の持つ 感情 だと。 感情を出すようになった私を見て、みんなは最初戸惑っていたみたいだが、すぐに新しい私を受け入れてくれた。 嬉しかった。感情を表に出すこともなく、いつも無表情でいた自分。 人を暖かくさせたり元気づける笑顔にずっと憧れていた。 仲間と一緒に笑ったり、感動して泣いたり…そして彼に対しては仲間以上の好意を抱いたり… 幸せを感じていた。だがそんな気持ちも最初のうちだけだった。 どれ程幸せな時間を過ごしても、みんなとの素敵な思い出をつくっても、たとえ彼と結ばれても… 八月が終わると、なにもかもが振り出しに戻っていた。 私は諦めずに終わらない八月を抜け出そうと努力した。 しかし何をしても無駄だという事を理解してしまった。 だんだ...
  • こわれてしまった少女のはなし
    ...である。 そのような感情など、持つはずが無い。   それでも少女は、納得がいかなかった。     わたしは彼のことがすきなのかもしれない     それを聞いた少女の創り主は酷く驚き、処分しようと考えた。 しかし彼は、少女が一度時空改変を起こしたあの日の約束通り、自らの力で少女を守る。 好きにしろ、と創り主は言った。その代わり私は何の責任も持たない、と。 彼はそれを了承し、少女は自覚した。 やっぱり、わたしは―――   気がついたときには、もう彼と彼女は所帯を持ち、少女は一人になっていた。         人間の感情を持つことが出来るようになった少女は、彼女からその話を聞かされ涙した。 どうして泣くのよとうろたえる彼女に、少女はなんでもないと嗚咽を堪える。 震える声でおめでとうと言うと、彼女は少女の涙がうれし泣きであると誤解し、幸せそうに笑って礼を言った。   薬指にはめられた指輪...
  • 長門と古泉
    ...あるいはそれに類する感情を人間に対して抱くことができるのかどうか、我々にはさだかではありませんが、もし、可能であるとするなら、それに極めて近い、感情、あるいは、あなたがたの言葉で言えば『ノイズ』というべきかもしれませんが...」 「あなたの分析の前半は正しいが後半は正しいとは言えない」 「これは驚きましたね。あなたが、他人の発言を途中で遮って発言されるとは。その様な経験を一度もしたことは...」 「あなたの分析の後半50%は誤っている」 「ほう、つまり、あなたが『まんざらでもない』と言う部分ですか?確かにインターフェースがその様な感情を抱くことができるといういこと自体には大きな..」 「そうではない」 「とおっしゃいますと?」 「私と言う個体が『好意』に類する感情を抱くことは必ずしも禁じられてはいない。涼宮ハルヒの監視に支障が無く、かつ、涼宮ハルヒ個人の精神的な安定性を損なう恐れが...
  • 題名付き・普通短編
    ... 気のせい・・・? 感情 1.35倍 俺・・・実はポニテ萌えなんだ(憂鬱後記) 俺・・・実はポニテ萌えなんだ 涼宮ハルヒのエロゲー 朝比奈みくるとポケモン 憎悪、拒絶、少女 長門有希の虐待 日常 大切な君達へ……… 長門さんと白雪姫 えいえんのせかい だーれだ? 『きっかけ』 忘れな草 『涼宮ハルヒのコミケ』 涼宮ハルヒのカラオケ 涙 オセロ三番勝負 焼いた芋 酒と桜と…… 海の家のラーメン キッドナップ・テレフォン のれん 遊○王 赤服親父捕獲戦線 プリン作戦 カッコイイキョン君 くじびき妙バランス 未だ来ない日の一頁 鬼編集長の期待 妄想が…妄想が…蔓延る! 暮れの演奏会 古泉一樹の戯言 半年と4日目の憂鬱 CALLED(kyon side) CALLED(haruhi side) 涼宮ハルヒの疑問 朝比奈みくるの帰還 ホワイトデーの計画 猫又 そんなある休日の二人 旧友の往診 ...
  • 初恋6
    ...る。  涼宮ハルヒの感情の情報爆発は仮想の閉鎖空間だけでなく、  部室、つまりは現実の世界にまで侵食し始めている。  このままでは、学校も、最終的にはこの世界全体が侵食されてしまう危険性が高い」 「よくわからないが、相当にヤバイ状況だってことだな?」 これはますます急がねば・・・。はやる俺を長門の言葉が射抜く。 「今あの部室に行くことは非常に危険。推奨できない。  あなた自身が閉鎖空間に飲み込まれ、現実世界に帰ってこれなくなる恐れがある。  古泉一樹はじめとする数名が空間拡大の防止に当たった。でも効果は薄い」 「要するに、あの灰色空間にハルヒと共にまた巻き込まれるってことだな?  だったらまたハルヒをそこから連れ戻して、一緒に帰ってくるだけだ」 そう、1年前のあの時のようにな。 「それは無理」 そんな俺の言葉を長門は真っ向から否定する。 「何故!?」 俺は思わず声を荒げる。 「涼...
  • 【罪と罰】番外編/長門有希の幸福
    ...。 わたしの中のある感情が大きくなっていく。 恥ずかしい、と。 彼に出会い、彼に愛されることでわたしの中に芽生えた感情。 顔面表皮の温度が高くなっている。多分、今わたしの顔は赤くなっているはず。彼の顔をまともに見ることができない。 でも、同時に思うのだ。 嬉しい、と。 この感情が、この昂りが。わたしを熱くさせる何かが。 どうしようもなく、心地良い。 何とか顔を上げて彼の顔を視界に捉えると、もう一度わたしは言った。 「……大好き」 「ん、そうか」 頬に、彼の手が優しく触れる。…顔が赤いのが、ばれてしまったかもしれない。 自分の頬に添えられた彼の手に、わたしもそっと手を重ねる。暖かい。 「俺も…愛してるぞ、有希」 彼が囁く。「アイシテル」という言葉の響きに、思わず身体が一瞬震える。 彼の優しい目が、わたしを見つめる。 その目を見て、わたしは次に何をするべきかを悟る。 「ん……」 身体を...
  • 涼宮ハルヒの失恋
    ...…」     「恋愛感情なんて一瞬の気の迷いで精神病の一種だと俺は思う」     「……」     「付き合いなんてその場の口約束だし、結婚なんて薄っぺらい紙約束だ」     「……」     「そんなくだらん約束でお前を縛りたいとも繋ぎ止めたいとも思わない」     「……」     「だからお前を恋人と呼びたくない」     「……」     「だがもう一度言うぞ。好きだ、ハルヒ」       本日、私涼宮ハルヒは失恋しました。   失ったその瞬間に初めてこの男に恋していたことに気付いたあたしは、 それと同時に新たな持論を確立したのだった。   「……あたしも好きよ、キョン」   要するに、あたしがこの男に抱く感情に足りる表現など存在しない。 それはこの男にとっても同じなのだ。   本日、私涼宮ハルヒは失恋しました。
  • 【誤作動~部室にて~】
    ...変が起こった。   感情が抑えられない、コントロール出来ない。 誤作動が起こる。   「………お茶を。」 「ふぇっ!?」 「…………お茶を…ください。」 喋り方までおかしくなった。 自分のやっていることが、わからない。 「め、珍しいな長門。お前が茶のおかわりなんてな。」 彼が笑いながら近付いて来る。 何故? いつもは彼が笑うと嬉しいのに、今は何故か気に障る。 「お前らしくないな、熱でもあるのか?」 わたし…らしくない? ワタシラシクナイ…あなたにとってのわたしは何? 考えるより先に言葉が出てくる、誤作動。 「何故……そんなにヘラヘラしてるの?」 「へ?」 「誰にでも、ヘラヘラしている。そんなに……【八方美人】でいたいの?」 違う。言いたいのはこんなことじゃない。 ほんとに伝えたいのは、 『もっと、わたしと喋って。』のはず。 「なぁ…長門。どうしたんだ?相談に乗るぞ?」 あんな言葉を言...
  • 切ない同窓会
    ...とです。だから、恋愛感情の対象とはなりえなかった。涼宮さんは友人関係を超えるものを望んだけれども、彼にとっては彼女との関係は友人以外のものではありえなかった」 「キョンらしいといえば、キョンらしいね。中学時代の佐々木さんともそうだったし。キョンにとっては、女性との間の友情も極々自然なことなんだろうね」  国木田が、そう感想を述べた。  谷口は、長門有希の方をちらっと見たあと、古泉一樹に問い詰めた。 「おまえら、涼宮がフラれるのを黙ってみてたのかよ!?」 「僕だって、彼に理由を問いましたよ。そうしたら、さっきのような答えが返ってきました。僕はさらに問い詰めましたが、彼にこう言われてしまいました。 『なら、おまえは、好きでもない相手に対して好きなフリをすれとでもいうのか? それはハルヒの真剣な気持ちを侮辱するも同然だ!』とね。僕は、反論することができませんでした」    沈黙が場を支...
  • 嫉み
    ...。 悲しい とゆう感情より 嬉しい とゆう感情のほうが強かった。 「ありがとう」 朝比奈みくるを見送る場でのこの言葉は本心。 ――彼から離れてくれてありがとう。あとは私が 別れ際に抱き合いキスをする二人を見て黒い感情がうかんできたがそれも今日が最後。 最後になるはずだった。     朝比奈みくるが未来に帰還してから彼はまるで性格が変わったかのように塞ぎ込み、ついには学校にも来なくなった。 しかし涼宮ハルヒは彼が学校を、SOS団を欠席することを許さない。 無理矢理家へと押し掛けることとなった。 涼宮ハルヒ、古泉一樹と順に彼に励ましの言葉をかけていく。 「悲しいのはわかるわ。でもね、いつまでもそんなんでみくるちゃんが喜ぶとでも思ってんの? きっと天国で泣いてるわよ。シャキッとしなさい! シャキッと!」  涼宮ハルヒには朝比奈みくるは死亡したと伝えられている。 「涼宮さんの言うとおりで...
  • 教科書文通9
    ...かったどころか、恋愛感情を自覚したのに諦めるだぁ? お前は全国レベルの阿呆だ。」 「あのですね、恋愛と言うものは1人でするもんじゃないんですよ。 相手の気持ちが大切です。  相手が僕を望まないのに1人で突っ走る訳には行かないでしょう。 第一、デートじゃなくて美術館にご一緒しただけです。」 「若い男女が2人きりで出かけるだけで充分デートだろ。 なんだ、長門に『……もう構わないで』とか言われたのかよ。」   妙に高くてくねっとした口調で『……もう構わないで』の部分を演じる山田くん。  あなた物まねの才能ゼロです。 似てないどころか気持ち悪いですよ。 それ。  と、言いますかデート基準がおじさんです。 あなた本当に高校生ですか。    ……そうですね、人のこと言えませんね。 解かってますよ。  ついこの間だって、地方選挙の立候補者に手を取られて「清き一票をよろしく!!」をやられたばっ...
  • それぞれの愛のかたち
    ...は……いまでも、恋愛感情は精神病の一種だと思っているわ。でも、前にも言ったと思うけど、あたしは自分の考えを押し付けてまで、他人の恋路を邪魔したりする気はないわ。 だから、あんたが佐々木さんに恋愛感情を抱いて、それを幸せと感じるのなら、あたしはあんたのことを応援するわよ。団員の幸せを考えるのは団長の務めだからね」 僕達の目からは涼宮さんの言葉が単なる強がりであることは一目瞭然であった。涼宮さんが彼の問い掛けに答え終わった後、彼は、躊躇いながらもう一度、涼宮さんの意思を確認するように聞いた。 「ハルヒ……本当にいいんだな」 彼の言葉を聞いて、涼宮さんは少し声を荒げた。 「あんたしつこいわよ! あたしがいいって言ってるんだから、いいに決まってるでしょ! あたしの気が変わらない内に、さっさと行きなさい!」 「……わかった」 彼は床に下ろしていた鞄を肩に提げると、さよならの挨拶の代わりに無...
  • 頑張って朝倉さん
    ...のよね、人間の恋って感情はよくわからないけどでもちょっと素敵じゃない?] 長門「・・・・・」 朝倉「恋愛感情って興味あるな、どう思う?」 長門「うるさい」 朝倉「なんの本読んでるの?えーと『世界の中心で愛を叫ぶ』?それ恋愛小説よね?やっぱり長門さんも恋愛に興味あるんじゃない」 長門「・・・・はぁ」 [スタスタスタ、バタン] 朝倉「・・・・・・」 [ガチャ] 喜緑「長門さんから朝倉さんが鬱陶しくて本が読めないって苦情があったんですけど本当ですか?」 朝倉「鬱陶しい・・・?」 喜緑「あなたは長門さんのバックアップなんですから慎んでくださいね、じゃ」 [バタン] 朝倉「あれ?おかしいな、なんで目から水が流れてるんだろう、こんな機能ついてないはずだけどな」 朝倉(あれくらいでへこたれてちゃ進化の可能性なんてつかめないからね、がんばれ涼子!ファイト!あ、涼宮さんが入ってきた、話し掛けて...
  • 涼宮ハルヒの追憶 Intermission.3
    ...、泣いている。人間の感情でいう、恐怖を感じている。 これはわたしに元からあったものだろうか。 古泉一樹に以前聞いたことがある。 人の感情で最も重要なのは何かと。 古泉一樹は『死への恐怖』だと答えた。 わたしは今、人間の根本たる『死への恐怖』を感じている。 わたしはインターフェイスなのだろうか? それとも人? この『死への恐怖』も作られた感情なのだろうか。 わたしは後、四十三分で消失する。 (彼との一週間は激しいバグを引き起こした) わたしはバグを落ち着かせるため、本を読むことにする。 この本はまだこの時代の彼に読ませてあげていない。 彼はわたしの部屋に来て、読むと約束してくれた。 でも、もうそれが現実になることはない。 約束とは時に残酷で、時に優しいものだ。 わたしのデータベースの中には彼の情報がたくさん詰まっている。 わたしはそれを引き出し、完全に頭の中で再現する。 図書館の風...
  • 長門有希の報告Report.25
    ...の基となる、人間の『感情』を理解していないので、恐ろしくその場に不似合いな仕草であっても平気で行った。笑顔のままで人間を殺そうとするなど、通常の人間にはありえない行動。  わたしはどうか。涼宮ハルヒを観測し、入手した情報を情報統合思念体に報告することが、わたしの存在理由。彼女の嗜好を考慮し、わたしは『無口で無表情な読書少女』として設定された。『彼』の言葉を借りれば、『部室の備品』、『置物』と呼ばれるほど、存在感も動作もない個体だった。わたしは論理的に彼女に近付くために、極力観測に影響を与えないような性格付けがなされた。何にも動じることなく、何も動かすことなく、淡々と事実を記録し、報告し続けること。そのような動作を期待されて配置された。  しかし、わたしは壊れた。観測対象の能力を盗み出し、情報統合思念体を消滅させ、世界を改変した。『彼ら』とわたし自身の手によってその異常動作は修正さ...
  • ミステリック・サイン後日談
    ... もっとも、こいつが感情を顔に出したところすらろくに見たことがないのだが。 「長門、帰らないのか?」 俺が口を開くと長門はゆっくりと俺の方を振り返り、視線を固定した。 黒いビー玉のような瞳が、何かを言いたげに俺をじっと見つめる。 俺がどうしたものかと思考を巡らせていると、長門がぽそりと呟いた。 「…わたしの構成情報に、微量のノイズが発生している」 構成情報にノイズとな。過去の経験からして随分とデジタルな存在だと思っていたが そこまでデジタルなのか、宇宙人製アンドロイドってやつは。   「ノイズ、ね。して、それはどんなやつなんだ?」 ノイズというからには何かしら問題があるのだろう。 だが薄情なことに俺は長門を心配するよりもそのノイズとやらに興味が向いていた。 いったい長門の構成情報とやらのどこにノイズが発生しているというのだろう。 まさか今日長門が本を閉じた後じっとしていたのもノイズと...
  • 甘える
    ...  「お前が俺に恋愛感情を抱いてるってこと、多分俺気づいてたし知ってた。知ってて知らないふりしてた。 本能的にその方がいいって察知したんだろうな」   ――――好きって言ってしまいたい、何度もそう思った。   ただそれを思いとどまったのは、私もキョンの想いに気づいていたからだ。 キョンは私に対して恋愛感情を持っていない。 それに近いものを抱いているかもしれないけど、それは恋愛じゃない。 何でもそつが無くこなし、思ったことは行動に移してやらかす私への尊敬と憧れ。 似ているけれど、決して同一ではない感情だ。   キョンはこのままSOS団のみんなと一緒に過ごしていくことを望んでいた。 私だって出来るならそうしたかった。でも、どうしようもないほど好きになってしまった。 抑えたくても抑えきれなかった。卒業しても、何年経ってもキョンの傍にいたかった。   「気づいて、好きって言われたら断らなきゃ...
  • 寡黙大騒動
    ...時24分頃、彼女らの感情表現能力に関する構成情報を部分的に書き換えたから」 「そうか、やっぱりトンデモ事件が起こってたんだな……ってお前今なんて?」 「つまり、私が世界を改変した」 なるほどね、こりゃわかりやすい。   「って、おい!!マジかよ!?」 「マジ」 いや簡単に肯定されても困る。 「一体なんの為に…」 「昨日、二月十四日は世に言うバレンタインデー。この日は女性から男性に親しみの意を込め贈り物をする。したがって、私・涼宮ハルヒ・朝比奈みくるはあなたに贈り物をすることを考えた。しかし今年は昨年と違いその贈与方法を各自で考えることになった。そして、それは実行に移されあなたは三人からチョコレートを受け取った」 「そうだったのか。たしかに受け取ったぞ。あれは美味かった」 「…ありがとう」 って話が脱線してないか? 「で、それとこれと何の関係があるんだよ?」 「…今回涼宮ハルヒはバ...
  • 初恋3
    ... 『お前が感じている感情は精神疾患の一種だ。治し方は俺が知っている俺に任せろ』 とでも言ってくれればまだマシだったのだが、ハルヒは更にキツイお言葉を投げてきた。 「アンタ、あの女に遊ばれてんのよ。そんなのにも気付かない?  私が見るに、あのオンナ相当手馴れてるわよ。  星の数ほどのオトコを色気で騙しては、飽きるとすぐにポイしてきた――そんな感じね。  アンタも騙されてるのよ。あーいうのをまさに天性の遊女って言うのかもしれないわね」 それを聞いた瞬間、俺は全身の血の気がさーっと引いていくのを感じた。 アタマに血が上ったのではない。引いたのだ。 そして次に俺が発した台詞は――恐ろしいくらいに感情のない、冷たい口調で吐き出されていた。 「あのな、確かに俺はねーちゃんとは釣り合わない。  顔がいいわけでもない、頭がいいわけでもない、金もない、  男として人に誇れるものなんて何も持ち合わせ...
  • 長門有希の報告Extra.7
    ...かけに、表には素直な感情を表さなくなりました。中学時代は、それはもう荒れた精神状態でしたね。高校時代、SOS団設立以降は比較的安定していますが。  本当の感情が非常に分かりにくい彼女ですが、それでも、閉鎖空間を始めとして彼女の精神に直に触れる我々は、彼女の奥底に押し込められた、そう、彼女の『本音』と呼べる部分を垣間見ることがあるのです。その彼女の本音が、我々にこう囁くのですよ。『いつもありがとう。迷惑掛けてごめんなさい。』と。  ――涼宮ハルヒは、無意識であなた達に謝罪しているの。  ええ、そうです。謝罪と、労いの言葉を……『言葉』と言うと語弊があるかもしれませんが、そのような感情を我々に向けてくるのですよ。  ――それがあなたが閉鎖空間に向かう理由?  繰り返しますが、今の彼女は、本音を表に出しません。そんな彼女の、誰も……ひょっとしたら本人さえも知らない本音を、我々だけは直接...
  • 失って気づく幸せ(前編)
    ...た。長門がこんな風に感情を表に出すとは思わなかったため、とても新鮮に思えた。 「長門………」 俺がそう声をかけると、長門は全てを悟ったかのように元の表情に戻り、そして目を閉じた。 長門を抱きしめたまま、ゆっくりと顔を近づけ、そして唇をあわせた。 その瞬間、周囲の景色に亀裂が入り、まるでガラスが崩れ落ちるように砕け散った後、俺は自分のベッドの上で目を覚ました。 夢……ではない。 だんだんと意識がはっきりしてくると、俺は自分が閉鎖空間の中で行ったことが、たいへんなことであるという認識に至るまで時間がかからなかった。 なぜ俺は長門にあんなことをしてしまったのだろうか。俺はハルヒが好きだったはずなのに。 このとき、ハルヒが俺の行動を発端にして世界を改変してしまうのではないか、といった考えは頭の片隅にもなかった。 そんなことが些細に思えるほど、俺はハルヒが好きだという自分の感情に対する裏切りと...
  • 一夏の恋 エンドロール1
    ...たとき、絶望にも似た感情に支配されました」 初めて得た想いが尽き果てることに恐怖した。 「――忘れたくないんですよ。我ながら女々しいと思います。すみません、あなたには迷惑なだけでしょうが……」 「わたしは、あなたという個体を記憶している」 彼女が、決然と映った。心理の裏では戸惑いに軸を揺らしているようでもあったけれど、眼差しに人特有の感情の色に類似した何かを宿しているようだった。ヒューマノイドではない、固有の生命の色に近しく。  「わたしは、あなたの言葉を忘れない」 時々、少しだけ、無表情に思える面に表情の、彼女の色が混ざる。その微細な変化を見出せたとき、僕は堪らなくなる。――愛しいという想いが。 泣きたくなるような痛みだ。彼女がこんなに優しいことを、僕はまた一つ知る。掬い上げきれないくらいの思慕の礫を溜め込んで、僕は震える口を開いた。 「長門、さん。聞いて頂けますか」  自覚...
  • 長門有希の雨しずく
    ...?それはなんだ?人の感情? 私が持ち得ることができない。そういう類のものか。 「私は、感情の概念を持っていない。」 「そんなことはないぞ。長門おまえだって絶対あるはずだ。 絶対なくしたくないものが。ほしいものが。」」 「…………」 なくしたくないもの・・・・・ 絶対に無くしたくないもの、ほしいもの・・・・それは・・・・? なんだろうか?私にもそんなものあるのだろうか? 唐突にガラっと、大きい音がした。 涼宮ハルヒだった。彼に話しかけている。 それがなぜか嫌だった。見ていて嫌だった。・・・・・どうして? …………私が、絶対にほしいもの、なくしたくないものは彼なのか? そんなことはあるはずがない。そんな感情、プログラムされていない。   時間がきた。帰る時間だ。涼宮ハルヒは用事があったらしくとっくに帰っていた。 残っていたのは、彼と私だけだった。 きれいなオレンジ色の夕焼けをみながら帰り...
  • スノースマイル・バースデイ7
    ...胞に対し長門が覚えた感情は、単純な勝利への喜びに満ちて終われるものではなかった。 他に選びようがなかったとはいえ、後味の悪さは付随する。葬った彼女に対し、寂寞と羨望を抱いていたかつての己を長門は思った。 言うなれば彼女は模範だったのだ。 後退して行く未来を憂いて、思念体の意向に反した行動を取った。ヒューマノイドインターフェースとしては欠落しているようでいて、其の実どの情報端末より活き活きと「人間」の感情を、それは主に負に傾いたものではあったけれども、自前のものとして持ち合わせていた。朝倉当人は、その事実を自覚しきらぬままに。 朝倉によって改変されていた空間情報は、スノードーム内に組まれていたプログラムによって自動修正が始まった。溶解した飴のように周辺一切を同色に染めていた銀が伸びあがり、うねりながら元の廊下を模って修復を行ってゆく。 連結を解除される寸前までいった長門自身の肉...
  • 涼宮ハルヒの消失ー長門有希の憂鬱
    ...ターフェースは必ず「感情」を持つにいたる宿命がある。 インプットに対してアウトプットを出す。フィードバックが行われる。この繰り返しを通じ、自我、個の保全のために形作られる、決まったフォーマット。 それは地球上の人類において感情と呼ばれる脳神経システムを流れる情報の形態のまとまりである。 自分、という個体の保全が第一義に定義されていないシステムは発振し拡散する。 情報のエントロピーが最大になった時点が人間における死に相当する。 私の自我‐個体の保存に対する必要性、は常に他者に対する保全意識を平均値として上回らなくては、私は拡散してしまう。 私の任務がユニークであること、つまり涼宮ハルヒという膨大な宇宙の砂の一粒にも満たないはずの一個人の観察保全が、情報思念体の進化、そしてそしてこの宇宙全体のと等価である、というありえないような状態であることによって、私の自我は非常に不安定なものにな...
  • Black Lily・エピローグ
    ...ろう。 「人類が『感情』と呼称するこの概念について、情報統合思念体は興味を抱いた」 由梨は淡々と言う。俺はまた呆気にとられる。 ……今、何て言った? 「これまで、長門有希は『感情』が引き金となって様々な変化や、昨年十二月十八日のバグ放出をするに至った。ならば、その『感情』そのものについての理解が必要。思念体はそう考えている」 黒髪娘の発言に引き続き三点リーダを続けそうになっていた俺は、何とか気を取り直して言う。 「つまり、お前の親玉はその……人間の感情に興味を持っちまったってわけか?」 由梨はしばらく顔を上げたまま真っすぐ前を見ていたが、やがてこちらを向いて、 「そう」 と言った。何てこった。ハルヒの力を調べていただけだと思ったら、いつの間にハルヒパワー以外のことにまで興味を持つようになったんだ?   「おそらく」 と、由梨は言葉を区切って、 「有希がもたらした膨大な情報に処...
  • 第三章「喜劇役者でいよう」
    ...た。 「…元々私は感情というものは所持していなかった」 「…観測する者には必要ないと?」 「…そう。しかし最近あなた達と行動するにつれて様々なエラーが発生するようになった」 「…感情ですか」 「…このエラーを感情と言っていいのかはわからない…だがいくら本を読んでも理解出来ないことをあなた達は教えてくれた。 もっと色んなことを知りたいとも思った…だけど…怖かった…あなた達と一緒にいるととても楽しい…それに嬉しくなることもある…だけど…やるべきことを終えたら私は…」 そう言って長門さんは話すのを止めた。 …僕にだって長門さんが言おうとしたことはわかる…全てが終わったら長門さんは…いなくなってしまう。 「…だから私はあの時涙を流した…これが感情であるのなら私は感情が存在する理由がわからない。こんなにも辛いなら消えてしまえばいい」 「…だけど」 「………」 「…辛いだけじゃないんで...
  • 長門有希の小説
    ...の『恋愛をする』って感情がわかるかもしれないぞ?」 「そう。」 「それに恋愛小説ってのは曖昧な感情を意外と的確な表現で表してくるからな。情報の伝達に齟齬が発生しにくくなるぞ。」 「そう。」   言葉だけだと流されているように感じるが、長門は俺から目を離さない。意外と興味があるようだ。   さて、俺の手元には昨日買ったばかりの新刊の恋愛小説がある。今話題の小説で、なかなかのヒット作だ。少し読んだが、なかなかの面白さだった。今日明日中には読み終わるだろう。 もちろん、昨日恋愛小説を読んだから、長門にも恋愛小説というものを進めたのである。 ならば俺は読みかけのこの本を貸すべきなのか。読み終わってから貸せば良いのか。いっそのことあげて、新しいのをもう一度買おうか。   「長門は今読み終わってない本をどのくらい持ってるんだ?」   今長門が読んでいる分厚い本を軽く持ち上げた。   「それだ...
  • 長門有希の正夢
    ...ー、恥ずかしいという感情がわたしの心を支配する。 顔に血液が集中するのが確認される。   「いつから寝てたんだ?」 「……昼休み」 「もう放課後だぞ」 彼は笑いながら言う。   どうやらわたしは長い時間眠っていたらしい。 そして今この空間にはわたしと彼で二人きり。   「……あなたは」 「ん?なんだ?」 わたしは細々と言葉を紡ぐ。   「わたしのことをどう思っている?」   わたしはどうかしている。 このような質問を彼に投げかけるのは彼を困らせるだけ。それは理解している。 ……けれど、投げかけてしまった。 なぜ?……原因は分かっている。やはり朝の夢のせい。 そう。わたしは不安でならない。 彼がわたしに対して嫌な感情を持っていないか、と。   「あー、長門……それは、どーいう意味で、だ?」 「……嫌い?」 「いや、嫌いじゃないぞ?でもな、なんていうかだな……」   彼を困らせてしまった...
  • 長門の日々 第4話『甘すぎる暴走』
    ...。   「あなたへの感情―――」 長門はすこしずつ俺の方へ体重をかけてくる。俺を押し倒そうとしているのか?   ―――パタン。俺は抵抗しようとしたのか、していないのか自分でも分からなかった。 いつの間にか押し倒されている。落ち着け、俺。 今、俺は何をしている?何をされている? 目の前の長門の顔を見る。頬がほんのすこし、火照っていて、赤みを含んでいる。 目は、どこかうつろで、俺の目の奥にある何かを見ているようだ。 長門の顔が、俺の顔に近づいてくる。   待て、長門。少し落ち着け……! 「あなたが………すき」   俺は必死に抵抗したつもりだが、全然両腕に力が入らない。 俺は長門にキスされてしまった。   長門はその潤んだ唇を、俺の乾いた唇に押し付ける。長門が目を閉じた。 これ以上、なぜか長門を見ていられなくて、俺も目を閉じる。 多分俺の理性がそうしたんだろうな、と思う。 俺も一介の男子高...
  • 涼宮ハルヒの団結 第十一章
    ...は言う。『私』には、感情がある。  それは、私にもそう思えることだった。私にその機能はないが、そうしてもよいかもしれないことだった。  そして発表会。  この部屋の主は言う。『私』が変えた世界は、私の望んだ世界なのだと。  しかし、それは私が存在する意味を失ってしまう偽りの世界。私はそれを望まない。  今の私は、彼等と一緒に過ごす『私』の姿をもっと見ていたい。それが、彼等との日々を見てきた私の望み。  じゃあ、『私』は何を望んだの?   『私』に降り積もるエラー。それは感情なのだと、私も彼と同じようにそう思っていた。  でも、それは間違いだったのかも知れない。  『私』は世界を変えた。それは見るという機能しか持っていない私が、人の感情に触れて起こしたバグだったのだろうか。  もしそれが真実だとしたら、私は棺桶の中で眠らなければならないだろう。しかし、今の私はそれを望まない。  こ...
  • 外伝 消失長門の真実
    ...ている。彼に対する『感情』を押し殺し、 単なる観察者として振る舞う。あなたは偽善者。本当は 世界の全てを犠牲にしても彼を手に入れたいと思っている」 長門は反論する。 「感情で行動するのは人間のすること」 長門 は答える。 「その人間に『好意』を持ってしまったあなたは何? わたしを批判できる立場にあなたはない」 長門が反論する。 「彼はあなたがその様なことをすることを望まない」 長門 が答える。 「それはあなたやわたしがあまりにも普通の人間からかけはなれているから。 わたしが普通の人間として彼の前に表れれば、彼はわたしを受け入れるはず。 涼宮ハルヒさえいなければ」 長門は答える。 「彼はその様な人間ではない。世界を犠牲にして彼を手に入れても彼は それを受け入れない。彼はその様な人間ではない。あなたは失敗する」 長門 は思った。これ以上の議論は無駄。 「あなたがあくまでわたしの邪魔をする...
  • 白有希姫 プロローグ
    ...   「ほら、もっと感情込めて!!」 「ふぇえ~」 「んっ…!キョン、あんたもボーっとしてないで演技の練習でもしてなさい!あんたは大役を任されてんだからね!」 「へいへい、総監督兼魔女様。」   ハルヒはいつものようにガミガミうるさいが、まぁあの長門の姿に免じてとりあえず許してやろうと思う。   「うん、似合ってる!可愛いわよ、有希!」   そう、俺がボーっとしていた理由は、綺麗な白いドレスを着ている長門に視界の全てを奪われていたからだった。       ――そもそもに事の発端はあの日にあった。         白有希姫 前篇へ
  • キョン無題5
    ...ようとしない まるで感情のない人形のように見えるが、少なくとも俺には違うように見えている   このSOS団が結成され、ハルヒのめちゃくちゃな考えに付きあわされていくうちに長門にも長門なりの感情表現があるように見えてきた 自信はないが断言できる 長門は変わりつつあるんだ   そう考えながら自分のお茶を飲み干すと、あの日のことを思い出した   そう、俺とハルヒがあの空間に行った日のことだ   あの時の俺は朝比奈さんと長門とついでに古泉に助けられた というか行動を起こしたのはほとんど俺とハルヒだったが、あの三人がいなければこの世界も…今日という日もなかったのかもしれない   あの時、パソコンをつけ長門からのメッセージが届いた 音声も何もない ただ何が起動しているかも分からないデスクトップに映し出される白い文字 長門らしいと言えばらしい気がしないもない   あの最後の「また図書館に…」とはな...
  • 「喧騒」
    ...あるってのよ!」  感情的な声を上げているが、彼女の脳波から感じる内容は歓喜。  でも声は怒声。よく、わからない。 「へいへい、悪かったな」 「すぐにお茶を入れますね」 「みくるちゃん? こいつにはでがらしのでがらしになっちゃったような薄っすい水道水で いいからね!」 「お茶ですらないのかよ」 「今日はまた、ずいぶんと楽しそうですね」 「古泉、今の会話を本当に聞いてたのか?」  その場所は、とても静かな場所だった。  でも今は違う。  今では放課後になるたびに喧騒に包まれるこの場所を、私は楽しいと感じている。  ――い~い? 掃除をする時はね、まずは換気をしなきゃいけないの――  ただ、この場所に彼女の声はもうない。  読んでいた本を閉じ、そっと立ち上がる。  視線が高くなった事で窓の向こうにある風景は変わり、そこには遠くまで透き通るような秋空が 広がっていた。  自分の中にある感情...
  • Close Ties(クロース・タイズ) プロローグ
    ...し難いのは自分自身の感情の部分だ。  一瞬怒りの表情をした涼宮ハルヒの顔を見て、私は溜飲が下った気分になった。何故人を怒らせる言動をして私は歓びを覚えたのだろうか。  恐らく涼宮ハルヒはそのまま怒りを燃やして私の頬を打つなりするだろうと思ったが、驚くべきことに、彼女はその怒りを収めた。 「…ごめん。どうかしてたわ」 「別にいい」  冷静になった涼宮ハルヒに対して、私の感情も従来の波を取り戻した。 「ちょっと…浮かれてたのよ。有希ってアタシ達以外と遊んでる姿見たこともないし、聞いた事もなかったから。ちょっと…その…嬉しかっただけよ」  嬉しかったとは、どういう事だろう。 「だって有希が団とは関係無いところで誰かと会ってる姿なんて見たことなかったから、その、心配だったのよ団長として!」  その心配の根拠が理解できないという問いに対し、涼宮ハルヒは再び怒りの視線を向けてきたが、それはすぐ悲...
  • 凡人に泣いた日
    ...、どんよりとした負の感情が立ち上っているのを、俺は感じた。 「ダ、メだ…い、行か…ない、で…くれ…ハ、ル…ヒ…」 俺は、音の鳴らない声をあげて、必死にハルヒを呼び止めた。 「キョン…?」 お前は、悪くないんだ…俺がただ、何の力もない凡人なのが、いけなかったんだ… 途切れ途切れの、死にかけの人間ような俺の言葉を、ハルヒは黙って聞いていた。 迷惑、ばっかかけちまって…ごめんな… 俺は心の底から、そう思った。 「ううん!そんなことない!キョンは…迷惑なんか掛けてないわよ!!」 ハルヒ…? ハルヒがボロ布のような、俺の体を抱きしめながら、言った。 不思議と、ハルヒに抱かれているはずの俺の体には、痛みはなかった。 「迷惑かけてばっかなのは…あたしのほうよ…」 ハルヒ…だが、俺がこんな凡人じゃなかったら… 「いいのよ!キョンが凡人だろうと!あたしにとって、キョンは《特別な人》なんだから!」...
  • 長門有希の報告Report.5
    ...者として余計である、感情を表す機能は、わたしには持たされていない。いつしかわたしは、『無口だが頼れる団員』、『SOS団随一の万能選手』と位置付けられた。  人間には『朱に交われば赤くなる』という言葉がある。  人間と共に行動していると、たとえ作り物の命であってもいずれは感情が宿るらしい。まして涼宮ハルヒと『彼』は、二人揃うと周囲の関係した者達を残らず変えてしまう力を持っている。その影響はSOS団員も……わたしも例外ではなかった。  わたしの中に『感情』が宿り、芽吹いて茂り、花開いた。SOS団員と共に行動するうちに、最初はまだまだ未熟だった感情も、いつしか大きく成長していた。  しかし、それを表出することは許されない。観測対象である涼宮ハルヒは、わたしを『無口キャラ』と定義していた。観測対象へ与える印象が変わっては不都合。そうして時を過ごし、延々と繰り返される夏を超えて冬、わたしは...
  • セカンド・キス 3
    ...の心に罪悪感とは別の感情が湧き上がった。なんだろう、この気持ち。 この違和感。モヤモヤと形を成さないその感情は、俺の心にとどまり続けた。 「好きにしていい・・・か」 なんだよハルヒ。俺がクリスマスイブのパーティに参加できなくてもいいと言うのか。     学校に到着した俺は生徒用玄関でハルヒと出くわした。 正直に言うと、焦った。鼓動が高鳴る。 何か言わなくては。でも何を?何でもいい。とにかく声をかけろ! しかし、先ほどのモヤモヤとした感情が俺の邪魔をする。くそ、鬱陶しい。 なんとか俺の口から出た言葉が、 「よ、よお。」 だった。ここで「よ、よお。」はねえだろ俺。 「・・・・・・。」 無視された。完全にスルーだ。泣いていいか? 結局その日、俺はハルヒと言葉を交わすことはなかった。 ハルヒは授業中はひたすら窓の外を眺めて俺の方を見ようとしなかったし、 休み時間になるとその場に突...
  • 魔法の言葉~would you marry me?~
    ...人を好きになるという感情を知りませんでした。でもそれは人も同じで、みんな誰かから愛情を教えて貰うのですね。あなたは……わたしにそれを教えてくれました」 「人間はさあ、よく『愛とは求めるものでなく、惜しみなく与えるものだ』って言うけど、わたしには無理。だってあなたにあげられるものなんて、わたしは何も持っていないもの。……だからわたしは、あなたがわたしにくれたものを100倍にして返してあげる」 「―――わたしは、独りじゃない――――」 ―――喜緑さん。朝倉さん。九曜さん。   「僕は自分を臆病だと思ってた。可愛いなと思う子がいてもさ、僕はちっとも行動できない。恋愛に興味がないのかとすら思った。だけど違ったよ。……うん。昨日ね、話しかけたいと思った女の子を見つけたんだ」 「あの、今度さ、映画でも見にいかねぇか? 遊園地でも、公園でもいいんだ! ……ん? まあその、なんだ。つま...
  • 初めてはあなたに
    ...そらくそういう複雑な感情の何割か――特に恐怖や悲しみなど――は、感じることなく童貞を失うのだろうな、と思っていた。  はたして、実際その予想は正しく、俺は初めての体験を感涙してしまうほどの感情の起伏はなく、簡単にいえば無難に済ませたということになるように思う。  もちろん、行為をする前、している最中、そしていまも、彼女にたいする気持ちは言い尽くせないほどに大きく、深いものになっていたことに間違いはないのだが。  ただ、行為の前や最中は、余計なことを考えることなどできないほどに興奮していて、自分の感情に構っていられなかったというのは事実だ。  心臓はガソリンスタンドの新人アルバイトみたいにムダに張り切って血液を送り出しやがるし、変な汗は所構わず噴き出してきやがる。  どこの名画から飛び出してきたのかと問いたくなるほどに綺麗だったハルヒの身体、初めて見る表情や、徐々に耳に届いてくる小...
  • 水晶の夜⑧
    ...しません。 長門には感情は通用しません。 それだけのことです。」 佐々木と中学時代によく話していたのが役に立った。 デカルトだのパスカルだのシェークスピアだの予定説だの空の理論だの、全てあいつの受け売りだ。 あの説明好きのウザイ野郎との会話も役に立ったのかもしれん。 「そんなことないわよ。 やっぱり女は感情的な生き物なのよ。 さっきの『返事は』っていうのを聞いた時、ここにいたみんな全身の毛が逆立ったわ。 ゾクッときたわよ。 もちろん直撃を受けた長門さんがいちばんね。 嬉しいのを必死で隠してたじゃないの。 あなたには通用しなかったけど。」 「ハルヒの時にはみなさんバカにしてたじゃないですか。」 「あれも感動したわ。」 「バカだって言ってましたね。」 「あなたのバカさに感動したのよ。」 最後までよくわからないことを言う人だ。 「嘘をつくなら本気でだませ、か。 確かにあなたは、長門さんに...
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