涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「新米保父さん一樹は大童・四」で検索した結果

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  • 新米保父さん一樹は大童
    新米保父さん一樹は大童 〇 一 二 三 四 五 六
  • 新米保父さん一樹は大童・一
    嘘から出た誠。その諺は今の僕達の状況にぴったりと当てはまっていた。 瓢箪から駒とも言う。 …御託は止めにして、とにかく次の一言を聞いて貰えば、僕達がまたもや、 非日常な事態に陥ったと確信できるかと。 それでは長門さん、いいですか?せーの、 「こいじゅみいちゅき」 ほらね。 「なんでしょう…」 彼を腕の中に抱えたまま、僕は椅子の上に立つ長門さんを見た。 「わたしは、しゅじゅみやはるひののーりょくが、 わたちたちにはたらくちょくじぇん、じぶんのみにきおくのかいざんをふせぐ、 しーるどをてんかいした」 長門さんが椅子から下りようと、片足だけ腰を掛ける部分から踏み外すように出す。 危なっかしく、ふらふらとしていたので、彼を床に下ろして長門さんの方に寄り、 脇の下に手を入れて持ち上げる。 「あいあと」 「はい…」 さっきの彼よりも随分と軽い。ひょいと持ち上げられる。 おかしいな、この歳ではまだ男女の...
  • 新米保父さん一樹は大童・〇
    長門さんがくれて、彼が無理に僕につけたピンをポケットに押し込み、 僕は素早く前髪を撫で付けた。 朝比奈さんが湯飲みを取りに棚へ向かい、 涼宮さんは、いつも彼女が座る椅子の横に鞄を投げ出す様にして下ろす。 よし、どちらにも見られてない。 パソコンを立ち上げる前から、涼宮さんは上機嫌にマウスを机の上に走らせている。 クラスメイトの女子と放課後に勉強会をしたそうだが、 はかどったのだろう、うきうきとしているのが傍目にも解る。 いいことだ。 昨夜の閉鎖空間と神人を発生させた悪夢を、 目覚めて数時間経った今でも引きずっている様子は全く見られない。 昨夜、の。 …今更ながら、とんでもない事をしてしまったな、と頭を抱えたくなる。 いや、別に何かあった訳ではないのだが。 しかし、何もなくったって一緒にベッドで寝たのは事実だ。 いや、でもやっぱり何もなかったんだし、 大体あれはお互いの寂しさの波みたいな物が...
  • 長編・古泉一樹
    古泉一樹無題1 ウィザード オブ サムデイ ウィザード オブ レニーデイ 古泉一樹 EP.0 古泉一樹 EP.0.5 墓地にて 晴れのち快晴 ある日の出来事 古泉一樹の結婚 頼れる副団長 絶望の世界 古泉一樹の独白 古泉崩壊 本音 GUN SURVIVAR 古泉一樹の青春 会心の一手 落し物、拾い物 変わらない チェンジ・マイ・ヒーロー 自分の居場所 古泉くんと鶴屋さん さよなら 内緒の最初 涼宮暗殺指令 雪の日 古泉一樹の出会い 不眠症候群 花嫁修行危機一髪 閉鎖空間記 キミがキミで居られるように 世界の反対側 選択肢の無い世界で スノウマーチ 月光 一樹ちゃん☆スマイル 女古泉 ちゃん の憂鬱 四月の雪 キャッチボールwith古泉球 一樹くんに女神の祝福を! 温泉と札幌 前髪に揺れる四ツ葉ふたつ 雪解けの想い もりのこいずみくん 戦士達の休日 【K.B.F.】 秘密の音色 若葉の...
  • 12月18日・A
      「ねぇ!キョンがどこに行ったか知らない?」 涼宮ハルヒが文芸部部室のドアを開けて叫んだ。部室には3名の生徒。 「学校に来ていないんですか?」 古泉一樹は言った。それまでの笑顔を若干抑えた表情だ。 「そうなのよ。これまで一度も休んだりしたことないのよ?」 ハルヒは複雑な表情と形容するのが適切な面持ちで後ろ手にドアを閉める。 入ってきたときと反対に、ドアはパタンと小さな音を立てて閉じた。 「キョンくん、風邪ひいたのかなぁ……」 朝比奈みくるが言った。メイド衣装を纏い、お盆を抱えて心配そうな表情をしている。 「……」 全く動じていないのが長門有希である。 彼女は眼鏡をかけて、窓辺で文庫本のページを繰っている。 「携帯は繋がらないし、岡部は連絡が来てないって言うのよ」 ハルヒはちらと有希の方を見てから、全員を見渡すように言った。 「それは少し気になりますね。彼の家に行ってみても徒労にはならない...
  • 「日常じゃない日常」 長門サイド
       わたしが本のページを捲る音と、古泉一樹が時折将棋の駒を打つ音のみがある部室に突然他の音が響いた。  古泉一樹が将棋の駒を床に落とした。    今ここにはわたしと古泉一樹しかいない。とても静か。本を読むには最適の環境。  そのはずなのに、わたしは少し退屈を感じている。他の三人がいないのと何か関係があるのだろうか。    駒を落とした古泉一樹は中々駒を拾い上げようとしない。何を考えているのだろうか。  そんな事を考えながらわたしは、なぜか古泉一樹より先に駒を拾い上げ、差し出していた。   「…あの、長門さん?」  …わたしは何をしているのだろうか。  落とした、と一言告げて、古泉一樹の顔に拾い上げた駒を近付ける。少し困惑しているよう。  なぜだろうか。駒を拾い上げる動作自体に問題はないはず。わたしは少し首を傾げる。    5秒ほどその状態が続き、突如わたしの手から駒を取った古泉一樹は、 ...
  • 鶴屋さんと古泉
    「ここはカメラ屋……というよりも写真屋ですか」 文芸部部室から半ば強引に連れ出された古泉一樹がたどり着いた場所は、大手のカメラ メーカーが運営を委託しているような店とは違い、建物の造りも古風な個人経営の写真屋 だった。   店先に飾られた人物写真や風景写真は、店主の写真好きが高じて店を開いた……そんな 雰囲気が漂っている。今ではひとつの街に一件あるかないかというその場所に彼を連れて 来たのは──SOS団のメンバーではなかった。   「さっすが古泉くんっ! いやぁ~、物わかりがよくて助かるよっ!」   はっはっはーっと笑いながら、こんなところまで古泉を連れてきた張本人の鶴屋は、い つものハイテンションを維持したまま、「じゃっ、行くよーっ」と宣言して写真屋の中に 突撃していった。   鶴屋がこの店にどんな用事があるのか、いまだに分からない。そもそもどうして自分が ここへ連れてこられたのかさえも...
  • 古泉一樹の家族事情
    土曜日。普通の学生ならば家でのんびりしたり部活に励んだり友人と遊びに行ったりするのだろうが、 我等SOS団にとって土曜日とは、不思議探索と称して街を練り歩くことが義務付けられている曜日だ。 もっとも、やってることは街をブラブラしているだけだから、これも「友人と遊ぶ」のカテゴリに入るのだろうか? 団長様は絶対にそんなカテゴリに入れられることを嫌うだろうがな。   というわけで、今日も例に漏れず不思議探索の日だ。 これで朝比奈さんと一緒ならば天国だし、長門と一緒なら図書館でノンビリ出来る。 ハルヒの場合は大変だ。そこら中を引きずりまわされる。そして最悪なのが……   「おや、今日はあなたと二人きりですか。」 「気持ち悪い表現を使うな。」   古泉と二人きりってパターンだ。……つまり、今の状態だな。 何が楽しくて野郎二人で街を練り歩かなけりゃいかん、まだハルヒのがマシだ。   「おや、僕はこの組...
  • チェリーブロッサム・レイン
    ふと、空を見上げる。 雲ひとつ無い空。太陽のポカポカとした陽気が心地よい。そして、満開の桜。     『チェリーブロッサム・レイン』     今日は土曜日。カップルが多い公園を一人で軽快なテンポで歩く少女がいた。長い栗毛の小柄な少女。 彼女は頬についた桜の花びらを摘んで天使の様に微笑む。もう春なのね、と。 かつて映画を撮ったこの公園の桜はあの時の様な満開だが、それは涼宮ハルヒの為せる技ではなく単に季節がそうさせただけだ。やはり桜は秋に見るより春に見た方がいい。 こんなポカポカとした陽気の中で見る桜は格別だ。   寒いかな、と思って羽織ったカーディガンも必要なかったみたい。そう思って朝比奈みくるはクリーム色のカーディガンを脱いだ。 卸したてのシフォンワンピースの裾をひらめかせて、少し踵の高いミュールでリズムを刻む。 うんっ、と少し背伸びをして太陽のシャワーを存分に浴びると心の中がスッキリと...
  • くじびき妙バランス
    元旦の出来事だった。 長蛇の列に並んで参拝を済ませた涼宮ハルヒは、 他者の願い事を詮索するような事はせず、真っ先に朝比奈みくるの腕を取った。 「みくるちゃんにわたあめ持たせるわよ! ほんわかしたみくるちゃんにふわっふわのピンクのわたあめ。 ぴったりだと思わない?古泉くん!」 涼宮ハルヒはそう言って私の隣に立っている古泉一樹に人差し指を突き付けた。 「は。誠にその通りかと」 涼宮ハルヒと私達は古泉一樹が他者の言い分には、 滅多な事でも無い限り否定しないのを知っている。 振り袖を涼宮ハルヒに握り締められている朝比奈みくるにもそれは周知済みである筈だが、 彼女が古泉一樹に向ける視線には少しばかり不満が込められていたかのように思う。 「そうよねそうよね、そう思うわよね。 じゃっ、早速わたあめ売ってる屋台に行くわよ、みくるちゃん! キョン、財布係のあんたもついて来なさい」 おそらくはわたあめを手にし...
  • 3つの選択肢
      「本当に……よろしいのですか?」 「いい。……私も、あなたという固体と親密になりたいと願っている。」 「ありがとうございます。……愛しています、長門さん。」 「……わたしも。」   団活終了後、帰り道古泉一樹と二人きりになった時、思いもよらぬことが起こった。 古泉一樹に、私に対する想いを伝えられた。 心拍数上昇。体温上昇。膨大なエラー発生。でもこのエラーは……不快では無い。 そしてこの時私も、古泉一樹と同じように感じていることに気付いた。彼を……愛していると。   こうして私達は、世間一般でいう「恋人」という関係になった。 翌日、私達は一緒に部室へと足を踏み入れた。……手を繋いで。 部室には朝比奈みくるだけが居た。心なしか、表情が暗いように思える。   「こんにちは、朝比奈さん。」 「あっ、こんにちは。あれ?手を繋いでる?」 「ええ。お恥ずかしながら、長門さんとお付合いさせて頂くこと...
  • やさしい嘘(前編)
    「みくるちゃんって嘘が下手よね」 ハニカミながら涼宮ハルヒが朝比奈みくるに発したその一言が、今でもわたしの記憶の中枢部に留まり、事あるごとにその時の情景が思い浮かぶ。まるで、ある種のエラーのように。 それは、普段わたし達のいる文芸部室での何気無い日常のひとコマにしか過ぎず、このときの涼宮ハルヒと朝比奈みくるのやりとりに重大な意味があるわけではない。 だが、この日起こったことは、涼宮ハルヒにとって、そして彼にとって重大な運命の分岐点であったことは間違いないだろう。 このふたりのやりとりのちょうど一時間後、彼が文芸部室にやって来て、涼宮ハルヒではなく、佐々木という自分の幼馴染みを恋人として選んだことを涼宮ハルヒに告げたのだ。 彼の告白を聞いた時の涼宮ハルヒの落胆振りは周囲にいた誰の目にも明らかであった。しばらくの間、誰一人彼女に言葉をかけることもできず、重苦しい空気が辺りを包み、ただ時計の...
  • Please wait for some day in the rain.
    教科書文通の後日談になります。 ----------------------------------- 「長門さん。 その件で、お話があります。 聞いて、くださいますか。」  あの日の、あの雨の日の古泉一樹の台詞が頭から離れない。 他のことを考えていても、気がつくとあの台詞が耳に響く。 彼が隣にいない今でも、その声はわたしの鼓膜を打っている、様に感じる。 これは何? 幻聴? エラー? 「長門さん、 僕はずっとあなたが僕の教科書にお書きになった「良好な関係」について、ずっと考えていました。」  真っ直ぐな瞳だった。 元々古泉一樹は人の目を見て話すタイプの人間ではあったが、 最近は誤解を防ぐためか、はたまた他の理由からか、あまり目をあわそうとはしていなかった。    が、あの日は違った。 あの雨の日。 古泉一樹とより「良好な関係」を築きたいとあのまじないを決行した日。 まっすぐ、まっすぐ...
  • エンドレス・エラー
    一夏の恋の続き ※エンドレスエイトを前提にお読みください。 わたしのなかのエラーがやまない。 耳鳴りのように、繰り返される彼の声。反復。重複。聞いたことのない声色。震えながら紡がれた古泉一樹の、嘆願。 『長門、さん。聞いて頂けますか』 『忘れて下さって構いませんから。どうか、……最後に一言だけ』  「―――どうかしましたか?」 日の光が遮られ、手元の本に影が差した。花壇隅に腰掛け思索をしていたわたしに、呼び掛ける古泉一樹の微笑が眼前に。 「失礼、頁が進んでいないようでしたから。心配事ですか?」 声色のトーンから、機嫌の度合いをある程度測れると言ったのは彼の言葉。恐らくそれは正しい。ループする夏季の時空修正を如何にするかという懸案事項を抱えても、その笑みに変化は見られない。 解答を遅らせるわたしに、彼が差し出したのは二本のアイスバー。透明なフィルムが巻きついたそれは、...
  • 独白
      放課後。私が部室に一番乗りだった。 だれもいない部室は、もっとも読書を楽しみやすい。 しかし、その静寂はすぐに破られる。朝比奈みくるが扉を開けて入ってきたためだ。 「あ、長門さん。こんにちわ」 この時空における彼女は、私に対する苦手意識をもっていない。 部室の隅で、学校指定のセーラー服からメイド服に着替えた彼女は、ヤカンを水で満たし、カセットコンロの上におき、火をつけた。 彼女にしては珍しく、難しい顔をしながら温度計を凝視している。 やがて期待する温度になったのだろう。彼女は火を止めて、急須をかるく水で洗い、茶葉を入れ、やかんから直接湯を注いだ。 やかんに残った湯の行方は、ポットだった。 部室によいお茶の香りが広がる。彼女は湯飲みをふたつ用意し、急須から湯飲みにお茶を注ぎ入れている。 湯飲みと急須を盆に乗せると、長テーブルにそれをおいた。 朝比奈みくるに誘われ、私は古泉一樹がふだん座っ...
  • 規定事項の流れ星 エピローグ「お話の始まり」
    もくじ及び注意事項 …15496回目のシークエンスの開始を確認。   …今日の予定は市民プールへ行くこと。   …今回も待ち合わせ時間の1時間前に到着。   …朝比奈みくる、古泉一樹、涼宮ハルヒの順に集合。   …彼は最後。   …全ていつも通り。   「プールまでは自転車で行くわよ!」   涼宮ハルヒが高らかにそう言う。   「…俺の目が狂っていなければ自転車は二台しかないのだが…」 「二人乗りと三人乗りでいいじゃな「あの…すみませんが…」   …古泉一樹?   「あら?どうしたの古泉くん」 「その組み合わせのことなんですが…僕が長門さんを乗せてもよろしいでしょうか?」   ………。   「こ、古泉…お前…」 「いっいえ!そういうものではなくてですね!…なんとなくそうしなくてはならない気がして…」 「そうよキョン!古泉くんはあんたみたいに変な事考えたりしてないのよ!じゃあ有希、それ...
  • (消失)長門有希のもしも願いが叶うなら プロローグ 夏の記憶
    プロローグ夏の記憶   部屋の隅に1つのお面がある。 このお面を見るとあの日のことを思い出す。 彼は笑顔でさよならを言った。 悲しみと不安を隠すために作った精一杯の笑顔で。 繰り返される夏休み。 8月31日24時00分00秒になった瞬間、8月17日に戻る。 そして、8月17~31日までの記憶はすべて消去された。 わたしを除いて。 9874回目の夏休み わたしは彼を助けることができなかった。 本当に助けることができなかったのだろうか。 彼が消えるのに見て見ぬふりをしていたのではないか。 もちろん彼は死んだわけではなく、今でも元気に生きている。 しかし……もし、あの日が地球最期の日だとしてもわたしは何もしなかったのではないか。 そう考えるとぞっとした。 わたしは部屋の隅にあったお面を手に取る。 夏祭り。多くの露天が並ぶその中に一軒のお面を売る店があった。 ...
  • Desire where it doesn't disappear (長門視点)
       この作品は Desire where it doesn t disappear (古泉視点)を長門視点から綴った物語になりますのでご注意ください。 では↓から本編開始です。               地球時間に換算して、午後五時三十七分二十六秒時点で閉鎖空間の発生を観測。昨日の始まりから今に至るまで通算で四十五回目の観測である。  原因は放課後に始まるSOS団での活動の際による、涼宮ハルヒと彼による口論によるところだと判断する。  いつものように涼宮ハルヒが朝比奈みくるをオモチャのように苛めているところを、彼が溜息を付きながらも間に入ったのだが、涼宮ハルヒはそれが気に入らなかったのか、彼に矛先を変え噛み付き始めたのだ。噛み付かれた彼も初めは子供をあやす様に諭していたのだが、涼宮ハルヒの一言――その際の会話ログを呼び出す。   『あんたはみくるちゃんにデレデレしすぎなのよ、こ...
  • 古泉一樹の姦計
    部室のドアを開けると着替えている涼宮ハルヒがいた ハルヒ「あ!ちょっと!は…早く閉めなさい!」 不覚にも俺は着替え中のいやらしいハルヒに恋をしてしまった… それ以来、俺は授業中ハルヒのことで頭がいっぱいになり ハルヒの裸や下着姿を妄想して悶々としているのだった… 数日後、ついにムラムラが限界に達し、あろうことか授業中にナニをしたくなってしまい なんとか息子を落ち着かせ俺はトイレへと向かった …惨劇はここから始まった… 俺は無事トイレにたどり着くと個室に入り 息子をいじり始めた… しかし数回いじっている内になにか嫌な気配を感じた… そしてよく見ると影が伸びている…何かと思って上を見上げると そこには隣の個室から俺を覗き込む不気味な顔があった 俺は手を止めてその顔を見つめた 最初は驚いててよくわからなかったがなんとなく見覚えがある顔だった… そしてその顔は不敵な笑みを浮かべながら引...
  • 切ない同窓会
     北高第○期生同窓会は、全クラスを集めて盛大に執り行われていた。  会場は、北高に近いホテルの宴会会場だった。  実態としては、大人になった当時の生徒たちが飲んで食べて騒いでいるだけだ。こういう行事は堅苦しくやるものではない。   「キョン。さっさと注ぎなさい」 「へいへい、団長様」  涼宮ハルヒのコップに、キョンが日本酒を注ぐ。  そんな様子に、谷口がちゃちゃを入れてきた。 「おお、キョン。相変わらず尻に敷かれてるな。ところで、おまえらどこまで行ったんだ?」 「ハルヒとはそんな関係じゃねぇよ。何度言ったら分かるんだ」 「おいおい。いっつもつるんでて、それはないだろ。本当のこと言えよ」 「あのなぁ……」  キョンがさらに言い募ろうとしたときに、涼宮ハルヒが大声で割って入った。   「フラれたわ!」    盛り上がっていた会場が一気に静寂に包まれた。  その場のほぼ全員の視線が二人に集中した...
  • あだ名、プリン、嫁。
    「なぁハルハル」 「ちょっ、その呼び方やめてっていってるでしょっ!」 「いいじゃないか。団員と団長の親睦を深めるためにも」 これを言えばハルヒも大人しくなるからな。苦労が減るのは良い事だ。 「そんなに呼びたいの?なら、あたしだけじゃなく団員全員あだ名で呼びましょう」 なに、そう来たか。まぁいい俺はすでにあだ名で呼ばれているし。 「そうね~みくるちゃんは…みくるんでどう?」 「みくるんですか?いいですよ」 結構乗り気ですね。朝比奈さん… 「有希は…」 「…ゆきりんを所望する」 「そう。ならゆきりんね。古泉君はどうしようかしら」 「僕はいっちゃんと呼んでいただければ」 「わかった。いっちゃんね」お前らなんでそんなノリノリなんだ? 「ん~キョンはどうしようかしら?」 「俺は既にあだ名で呼ばれてるじゃないか」 「それじゃあツマんないでしょうが」 ツマるもツマらんも関係ないと思うが。 「よしっあんた...
  • 遊園地と花火
      ※恋愛相談の続きの話となります この前の騒動から1週間が過ぎました。 先週末以降は、長門さんと登校することも無くなりましたし、弁当を一緒に食べることもなくなりました。 しかし、僕は以前よりも長門さんに話しかけ、長門さんもそれに応じてくれました。 先週のような関係とまではいかないものの、以前より良好な関係は築けているのではないでしょうか。   さて、土曜日の不思議探索も問題無く終わり、明日は日曜日です。 普段なら何も無い休日ですが、明日は違います。 長門さんと、遊園地に行くという約束をしているのです。 ……正直、かなり楽しみにしています。今現在布団の中にいるのですが……眠れません。 いつから僕は遠足を待つ小学生になったのでしょうか。 明日に支障が出ないよう、早く眠りにつかなければ……     で、結局2~3時間しか眠ることは出来ませんでした。 まあ閉鎖空間絡みでこれぐらいの睡眠時間は慣...
  • 私の選んだ人 第5話
    (消失を読んでない方は、ネタバレ危険です。一応) 私の選んだ人 第5話 「:古泉一樹」 一樹の体を触診していた私は、あまりにも酷いソレに気付いた。 ……彼は助からない…… 私の中で何かが弾けたような感覚と共に、世界が静止した。 私が正気に返るまでに掛かった時間は恐らく1秒以下だった筈。でも、その間に自分の頭から完全に血の気が失せていた事に気付く。 恐ろしい予感と気配、そして貧血性の眩暈を感じながら、一樹の顔を確認する。 私の首は、焦る私の意識に反して緩慢な動きしかしない。地面が揺れている。 ……しまった。 一樹が目を開けている。私の顔色に気付かれた! 私自ら彼の生き残ろうとする気力に止めを刺すような事を……。 こうなる事を恐れ、救護班を押し退けてまで私がやったというのにッ! 悔恨の念、自責の念が押し寄せてくるのを、私は唇を噛み締め、手首に爪を立てて、痛みで脳の覚醒を図り、...
  • 長門有希の些細な願望
     困った。  わたしにしては珍しく、そう思う。  時刻は午後五時、場所はわたしの部屋。  ここにいるのはわたしと古泉一樹。  稀な組み合わせ。  しかし彼は、 「うわー、広いー」  ――七歳児。 「何もなくて、寂しくないですか?」  彼は子供の様に無邪気に――実際にオツムも体も七歳児だけれど――言う。  「カチンと来て」思わず呟く。 「……余計なお世話」  困った。  もう一度思って、溜め息をもらす。  この状況下に置かれてから加速度的にエラーが増加している。  このままではいつ暴走するか分からない。  そうなる前に解決策を探さないといけない。けれど、 「ここ開けてもいい?」  和室の扉を指差して首を傾けて、尋ねる。  その「愛くるしい」様子に何とも言えないもの(これもエラー)を覚えた。  認めざるをえない。わたしはこの状況を『楽しんで』いる。 「有希ねえ」  と、何かに突き動かされる...
  • 疎外感
    SOS団の部室。いつものようにいつものメンバーが集まっている。 朝比奈さん。可愛らしいエンジェルは実は未来からやって来た未来人 隅っこで本を読んでる長門は、対有機生命体なんちゃらかんちゃら……まあつまり宇宙人だ。 目の前でニヤついているオセロの対戦相手は古泉一樹。特殊な場所でだけだが超能力者だ。 そして我等が団長涼宮ハルヒ。世界を変える能力を持っていて、古泉曰く「神」だそうだ。     俺だけが、何の能力も持っていない。   まあ特別な能力を持ちたいとか思うわけでは無いし、普通の人間で居たいと思うのだが、 それでもこのメンバーの中にいると気後れすることもなくも無い。 俺みたいな普通の人間がここに居ていいのか……ってな。   こんな妙な疎外感を感じてるのは、きっと俺だけだろうな。     ――――――――――――――――   私は部室の隅でいつものように読書をしている。 彼と古泉一樹はボード...
  • 超能力者を訪ねて
    お客様は宇宙人の続き 関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ        いつもは持ち帰らずにロッカーに保存している日本史の教科書を持ち帰り、なぜかしら迂闊にも世界史のそれと間違えて登校し、 教科は違えど同一の教科書を使用しているであろう〝彼〟や涼宮ハルヒがいる隣のクラスではなく、 教室2つ分の距離を隔てた先にある9組に足を運んだのは、この星の有機生命体が言うところの〝なんとなく〟である。  なぜ、〝彼〟や涼宮ハルヒではなく、古泉一樹を選んだのか。  そもそも、何故、日本史の教科書を持ち帰ろうと思い立ったのか。  それを説明する術を、私は持ち合わせていない。 古泉一樹が手渡してくれた教科書が高い価値を持っているように感じ、自分が属するクラスの教室まで抱きかかえるように持ち帰った理由も、上手く言語化できない。  それだけではない。 1組から9組まであるとはいえ、一般的な公立高校の廊...
  • 長門有希の報告Extra.3
    Extra.3 長門有希の夢想 ~Report.07 追加報告~  Report.07の夜に見た、夢の内容を報告する。  この夢を見る以前に、『彼』の夢の内容を聞いていたため、その記憶が影響して、内容の一部がその夢と酷似している。  夢の内容は、自分が経験したものの中で特に印象深いものが反映される傾向にある。つまり、わたしが『彼』から聞いた夢の内容が、わたしにとって非常に印象深いものであったことを意味する。これは換言すると、わたしの『願望』が現れていると解釈できるかもしれない。  ただし、その点について、わたしはコメントできない。したくないから。  涼宮ハルヒが自らの力を自覚した。彼女はすべてを受け入れる覚悟を完了した。  SOS団員は、それぞれその正体を明かす。  朝比奈みくるは、未来を固定するためにやってきた、未来人。  古泉一樹は、涼宮ハルヒの作り出す閉鎖空間に対処する、超能力...
  • あたしだって語りたいときがあるわ
    あー、むかつく!   部室に入ると、すでに有希が本を読んでいた。 ちょうど良いわ、私の話に付き合って。   ~回想シーン~ 最後の時間は教師が休みだったんで自習になった。放課後のために今は寝る時間ね! あほの谷口が壇上で何か言っているわ。 「よし、では予告どおりシングル人気投票を始める」 「まず、今回のエントリーはこのメンバーだ」   「ハルヒ、確認だがクラスでは隠しておくことで良いのか?」 うん?キョン?なにを言ってるの? 「いや、交際していると訂正しないと俺とお前もしっかりエントリーされているぞ」 キョンの話だと、あほが今回クラス内で異性のシングルを対象に人気投票を行う。 投票の際にはその理由も簡単に書くとのこと。無視ね、無視。 あー、でもせっかくだしキョンに一票入れてあげるかな。あたし以外入れる人いなさそうだし。 「かまう必要はないわ。ま、まあアンタに私の票をあげても良いわよ」   ...
  • 涼宮ハルヒの遡及ⅩⅠ
    涼宮ハルヒの遡及ⅩⅠ      終った……のか……?  俺は茫然と呟いていた。なぜならとても凌ぎきれそうにないと想像せざる得なかったあの怪鳥の集団が完全に消滅したのだから。  それも長門とアクリルさんが二人で放った、たった二発の融合魔法――フュージョンマジックによって。 「終わり? 何言ってんの?」  が、俺をあっという間に現実に引き戻したのは、肩越しに振り返ったアクリルさんの不敵な笑みである。  ……その頬には嫌な汗を一滴浮かばせていたからな。  ついでに言うなら隣に肩を並べて佇んでいる長門は振り返ることすらしていない。  そうだな。おそらくそれはその視線の先に在る者のためだろう。  ああそうだ。さっきと同じくらいの大群がまた、俺たちに迫って来てやがるんだよ。悪いか。 「嘘よ……」  ん? 「こんなの嘘よ……」  心細く呟いているのは俺の腕の中にいるハルヒじゃないか。それも前髪で瞳を隠し...
  • 放課後恋愛談 鶴屋さんと長門っちと編
    (古泉一樹×鶴屋さん前提です) 「やっほー、ってあれ、今日は長門っちだけかあ」  そろそろと文芸部の部室、というよりSOS団の溜まり場になっている場所の扉を開いたあたしは、そう言ってパタパタと中へ入った。  今日は長門っちだけ。他は誰も居ない。 「あ、ねえ」 「古泉一樹は掃除当番」 「あ、そう……」  即答されちゃったよ。  いやいや、お姉さんびっくりだね。 「長門っちも、一樹くんが掃除当番だって知っているんだねえ」 「昨日もそうだったから」 「そっか」  この学校の掃除当番って、一日毎じゃないしね。  うーん、しかし、掃除当番かあ。  長門っちも察している通り、あたしがここへ来た理由の半分以上は一樹くんだ。  付き合い始めてというよりも、付き合っているのが全校に知れ渡って早一ヶ月。  あたし達二人は順調なお付き合いとやらを続けている。 「ねえねえ、長門っち」  あたしは、読書に舞い戻っ...
  • 長門有希の報告Report.2
    Report.02 涼宮ハルヒの認識(前編) 「何(なん)やの? せっかく我らSOS団が犯人とっ捕まえたろ思(おも)てんのに。」 【何(なん)なの? せっかく我らSOS団が犯人をとっ捕まえてやろうと思ってるのに。】 「ええ加減にして! 私はあんたらに頼んだ覚えない! 勝手に押しかけてあれこれいらんことするわ、偉そうに根掘り葉掘り嫌な事を聞いてくるわ……あんたら一体何様やの!? そんなに人の不幸が嬉しいんか!? 最っ低や!!」 【いい加減にして! 私はあんたらに頼んだ覚えないわ! 勝手に押しかけてあれこれ余計なことするわ、偉そうに根掘り葉掘り嫌な事を聞いてくるわ……あんたら一体何様のつもり!? そんなに人の不幸が嬉しいわけ!? 最っ低!!】 「せっかく我らSOS団が特別にタダで事件を解決したろ言(ゆ)うてんのに! もうええわ、全然このありがたみが分かってへん人に、親切にしてやる必要もな...
  • My little Yandere Sister外伝 グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」
     クリック? クラック!  ある所に、貧乏な木こりが、奥さんと二人の子供と一緒に暮らしておりました。  子供二人のうち兄の名前はキョン。妹の名前はキョンの妹といいました。  木こりはとても貧乏で苦しい生活をしておりましたが、ずっと流行している飢饉のせいで日々のパンすら手に入らなくなりました。  このままでは一家四人が全員飢え死にしてしまうと考えました。 「古泉一樹。このままでは死んでしまう」 「解ってます…」 「やっぱり二人を捨てなくてはいけない」 「…むぅ…」  そう、口減らしです。  二人はそうやって話し合い、森の奥に連れて行って子供達を置いて帰ることにしました。  しかし、この話はお腹が減ってしまい眠れずにいた二人の子供達の耳にしっかりと聞こえていたのです。 「わたしたち捨てられちゃう。そして森の獣に食べられちゃうんだ」  と、心配そうにグスグスと泣く妹にキョンは、 「心配するなよ。...
  • 涼宮ハルヒの終焉 第七章
    第七章     俺たちは30分ほどで学校に着いた。 そしてやっぱり神人が暴れていて校舎もめちゃくちゃだったし、校庭には神人に投げ飛ばされたと見られる校舎の残骸が投げ捨てられていてこの世の風景とは思えないようだった。 ハルヒはもうどうしていいのかわからないようにこう言った。 「ねえ、キョン。いったい学校に来てどうするつもりなの?」 「わからん。とりあえず校庭のど真ん中に行こうと思う。」 ど真ん中とはお察しの通り俺とハルヒが昔キスをした場所だ。 そこに着けば恐らく何らかのアクションが起きるはずなのだ、そうでなければあの未来人や朝比奈さんが止めるはずである。 俺はハルヒを半分無理やりど真ん中に連れて行った。 そのとき、ポケットに入っていた金属棒が金色に柱のように光りだし、ハルヒと俺を光の中に入れた。何がどうなってるんだ。 俺は慌ててポケットから金属棒を取り出した。 これでハルヒが普通の人間に戻...
  • 2人の不思議探索
    薄暗いダンジョンで無数の怪物に囲まれている僕と長門さん。 …僕達は生きて戻れるのでしょうか…。 …。 …。 状況が飲み込めませんか? OKです。 では今回の事を最初から振り返ってみましょう。 …。 …。 …。 あの惨劇(覚醒のおまけ参照)から一週間近くたった。 幸い死者は出ずまた普段の生活を送れるようになりました。 …三途の川渡りかけましたけどね…。 …。 今日は土曜日、恒例の不思議探索の日、いつも通り彼の奢りでコーヒーを飲み、これまたいつも通り爪楊枝を使い組み分けが行われた。 最初は彼とのペアでした。 特に何もなく終わりました。 そして2回目の組み分け…印有りですか。 さて、僕のパートナーは…。 見ると長門さんの持つ爪楊枝に印があった…彼女ですか。 …そんな訳で僕は今長門さんと2人、肩を並べて歩いている。 …実は最近…前回死にかけた時から謎の記憶が僕の頭をよぎっていた。 断片的な記憶...
  • 【The Blank of 3 Days】
    ――十二月十八日、早朝。  意識が覚醒する。  顔面に違和感を覚えた。……あの時外した眼鏡が、頭にあった。  わたしは今では煩わしさすら感じる眼鏡を外し――。 「…………」  彼と――。  もう一人の<わたし>がいるのを視認した。  【The Blank of 3 Days】  まずは今わたしが置かれている状況を理解することが先決だ。 「同期を求める」  目の前にいるもう一人の――わたしの異時間同位体である――<わたし>に言う。  ……<わたし>は答えない。なぜ?  答えない“わたし”に、わたしは繰り返す。 「同期を求める」 「断る」  拒否された。……理解不能。 「なぜ」 「したくないから」  わからない。<わたし>はなぜそんな非効率的なことを主張する?  ふと、視界の端に驚く彼の顔が映った。 「…………」  <わたし>の視線はわたしをまっすぐに捉えたまま。 ...
  • 恋する?いちご練乳
    梅雨も明け夏休みも近い七月のある日のこと。朝比奈みくるは補習、観察対象である彼と涼宮ハルヒは 勉強会(彼の追試対策)でいないため、SOS団部室もとい文芸部室には特別な用事もない私と古泉一樹の二人しかいない。 彼はいつもの笑顔を張り付けたまま一人で詰め将棋をしている。私はいつものように窓辺で読書に専念している。 お互い何も話さない。沈黙に堪えかねたのか、彼は私に話しかけてきた。 … 私は顔を上げず黙って彼の言葉を聞いている。時折私に意見を求めたが、私は答えなかった。うまく言語化できなかったし、 無理に答える必要性を感じなかったから。暫くすると彼は困ったような笑みを浮かべ、また詰め将棋を始めた。 私はひたすら読書に専念した。 結局この日は私達以外の人間が来ることはなかった。なので必然的に私達は二人で帰ることになる。 「ちょっと寄って行きませんか?」 彼は氷と書かれた旗を指差した。断る理由もなか...
  • 桃色空間奮闘記番外編 ~僕におまカフェ~
      「も、も、も、も、も、森さぁーーーーーーーーーーーん!!」     自宅のパソコンの前で思わず絶叫する。 僕は今、自室でとある二次創作の小説を読んでいた。 内容は森さんと彼の友達である国木田氏が淡く切ない恋愛模様を繰り広げるというものなのだが これがまたいい話なのである。何よりヒロインである森さんが魅力的なのだ。 この森さんの艶やかさと女の子っぽさのギャップ。 特にぬいぐるみを取ってもらったときの破壊力といったらまったくもってけしからん。 やっぱり大人の女性ってのは綺麗でお姉さんっぽさを持ってるだけじゃまだ足りないんだな そこにちょこちょこ見え隠れする乙女っぽさ、可愛らしさに真の魅力が潜んでいる気がする。 ってか続きどうなんの?一体その背中にはどんな傷が?!いや、背中の傷ぐらいじゃ愛は冷めないはずさ! そうと言っておくれよ国木田君!!   「さて、と。」 良かもんば見たバイ。 パソコン...
  • (消失)長門有希のもしも願いが叶うなら 第1章
    第1章 消失前夜 わたしは世界を改変する。そして、改変後すぐに彼によって世界は再改変される。しかし、再改変後の世界がどうなるかは分からない。『再改変後のわたし』が同期化を拒むからだ。なぜ未来のわたしは同期化を拒むのか。わたしはその訳をうすうす感づいていた。 世界改変後に、わたしはいないのではないか。 同期化をすれば未来を知ることになる。当然、わたしの寿命もわかってしまう。 世界改変によって情報統合思念体を抹殺したわたしにそのまま観察者としての役割を任せるとは到底思えない。間違いなくわたしは、処分される。未来のわたしは知られたくなかったのではないか。わたしの最期を。 ◇◇◇◇ 授業が終わると一目散に部室に向かうため、部室に来るのはいつもわたしが最初。そして、2番目に彼が来ることを望んでいる。 今日もわたしが一番。1人、部室の片隅で本を読んでいる。 「やあ、どうも」 二番目...
  • 古泉一樹の大暴走
      「どうしたの古泉くん、屋上なんかに呼び出して。」 「その、涼宮さん……」 「……?」   「好きだああああっ!!!」がばっ        ――古泉一樹の大暴走――        本日も俺らSOS団メンバーは、団長さんが勝手に乗っ取った文芸部室でほのぼのと活動に努めている。  そう、いつもと変わらない日々なのだ。ハルヒは例によっていつものネットサーフィン、朝比奈さんも椅子に座ってじっとしていて、長門に至っては本を掴んだまま微動だにしない。  そして俺は今日も古泉とオセロの対戦相手をしてやってる……のだが。 「どうしたんだ、その頬のでっかい手跡。」 「えっと……ははは。」  いや、そんなスマイルから何もテレパシーは送られてこないぜ。 「『好きだ』と『好きです』、どっちがいいか確かめたくて……」 「……は?」 「つい先ほど、それを涼宮さん相手に試してみたんです。それが何か誤解されたらしくっ...
  • 空からの花嫁
    「……何だ、これは」 「結婚式のプランよ」  目を丸くしつつも抗議するなんていう何とも言えない状態にある俺の前で、ハルヒはふふんっ、とでも言いたげに胸をそらした。  頭が痛い。  おい、一樹、ただ笑っているな。  有希、お前もただ紙を見ているんじゃない。 「お前なあ……」  高校時代から数えて何度目になるかな、この手の台詞は。  ハルヒに振り回される役どころの筆頭は当の昔にハルヒの隣で笑っている似非爽やか野郎に譲ったつもりだったんだが、どういうわけか俺は相変わらず巻き込まれキャラその一の立場を継続中だ。  いや、この場合その一じゃなくてその二か三ってところか?  まあ、そんな順番はたいした問題じゃないんだが。  ちなみに今の状況についてだが、冒頭のやり取りと俺達の関係から大体察してもらえると思うのだが、あえて説明するならば、このたび晴れて俺と有希が結婚することになり、結婚式を挙げることに...
  • ハリネズミな僕たち
    SOS団部室。   授業が終わり放課後になると、約束があるわけでもなく誰ともなく所属団員は集まってくる集いの場。 今日もそれは違えず、団長を含む四人は全員出席していた。 涼宮ハルヒ。キョン。古泉一樹。長門有希。 去年までなら唯一年上の先輩だった朝比奈みくるも居たはずなのだが、学校を卒業してしまった為に、部室には顔を見せなくなっている。 無論、SOS団に一度入部させられたからには卒業如きでは簡単に解放されず、土日に開催される不思議探索には行動を共にしているのだが。少なくとも彼女達が卒業してSOS団が解散するまでは、付き合うことは規定事項だろう。 「ちょっとキョン、次の探索日なんだけどみくるちゃんにコレを着させてみない?」 「お前は朝比奈さんに一生物のトラウマをこれ以上刻み付ける気か? 却下だ馬鹿者」 「なによっ――!! 団長の意見に反対する気?」 仲良く肩を並べながらパソコンの画面を覗き見...
  • スノースマイル・バースデイ7
    朝倉涼子が輪郭線を完全に喪い、跡形も残さず消滅する。 長門の与えた彼女へのラストワードが、消え失せ乖離してゆく彼女の鼓膜にまで届いたかどうか、確かめる術は最早ない。己の力で滅した元同胞に対し長門が覚えた感情は、単純な勝利への喜びに満ちて終われるものではなかった。 他に選びようがなかったとはいえ、後味の悪さは付随する。葬った彼女に対し、寂寞と羨望を抱いていたかつての己を長門は思った。 言うなれば彼女は模範だったのだ。 後退して行く未来を憂いて、思念体の意向に反した行動を取った。ヒューマノイドインターフェースとしては欠落しているようでいて、其の実どの情報端末より活き活きと「人間」の感情を、それは主に負に傾いたものではあったけれども、自前のものとして持ち合わせていた。朝倉当人は、その事実を自覚しきらぬままに。 朝倉によって改変されていた空間情報は、スノードーム内に組まれていたプログラムによ...
  • 家族
    「じゃあ今から役割を決めるわ!」なんのだ? 「決まってるじゃない!」だからなんのだ? 「ホントあんたはバカキョンね!人の話を理解できないなら最後まで聞いてから質問しなさい!」はいはい。   ここはSOS団のアジトで時は放課後。 今ここにいるのは俺とハルヒと窓際で本を読んでる長門だけど。   ハルヒはホワイトボードに『キャスト』『父1』『父2』『母1』『母2』『子ども』と書き 「じゃあまず子役からね」ちょっとまて!なぜ子役がでてくる? 「あたしは有希がいいと思うんだけど、みくるちゃんがいい?」 「キャスティング以前に質問だ!今回のコンセプトはなんだ?」 「しょうがないわね、説明するからしっかり聞きなさい!」やれやれ。   「あたしはSOS団と言ったら家族のようなものだと思うのよね。実際家族だったらどんなんだろうって思ったわけ。」 まあある意味家族のような付き合いをしてなくもないが。 「だけど...
  • 古泉一樹の決断
    ※オリキャラ宮沢美緒がでてきます!  そして無駄に__がおおいです!  誤字、脱字があるかもしれません。  あったら、すみません・・・!     _序章_ 僕の名前は古泉一樹。 どこにでもいるような高校生。 ただ一つを除けば、ですけどね。 そう、僕は、「神人」という化け物を倒さななければいけない。 なぜかって?それは僕が「超能力者」だからですよ。 ここにいるのは全て涼宮さんのおかげ。 ふりまわされるのに迷惑だなんて思ったことなんて一度もない。 でも、今から起こることを、もし、知っていれば「彼」とこんなに のんびりとゲームをしてはいない。 結論から言っておきましょうか? ____僕に出来ることを精一杯やったつもりだ____     _全ての始まり_ 今日も、いつもと変わらない日だった。 「彼」と僕はゲームをし、長門さんはいつもの席でハードカバーを開いている。 朝比奈さんはお茶を入れ、涼宮さん...
  • 【鍵の消失】
    長門有希は文芸部員兼SOS団の団員である。そして、宇宙人の作ったヒューマノイドインターフェースでもある。 今日もいつものように放課後の文芸部部室で、人を撲殺出来そうな厚さの本を読んでいた。 部室には有希の他に、SOS団団長、涼宮ハルヒ。 超能力者で、機関の構成員の副団長の古泉一樹。 未来的萌えマスコットキャラ朝比奈みくるが居た。   3人は今日、ある共通の話題を話していた。 ハルヒは不機嫌そうに、一樹は笑顔の奥に不安を隠し、みくるは俯き一樹の様に不安を隠せずに。   「さて、彼が来なくなって一週間以上が経った訳ですが・・・」   「キョン君・・・本当にどうしちゃったんでしょうか・・・?」   先週から4人以外の団員、本名は不明の団員であるキョンという名の男子生徒が学校に来なくなっていた。 そのことについて3人は話していたのだ。有希は本を読みながら3人の話を聞いていた。   「電話をしても出...
  • 長門有希の報告Extra.6
    Extra.6 長門有希の対訳 ~Report.01 対訳版~  現地語表記による報告は、当該観測対象の行動の把握に一定の成果を挙げた。  しかし、情報伝達に想定以上の齟齬が認められたので、会話部分を従前通り表記した報告を行う。  Report.01の内容をそのままに、会話部分を従前通りの表記とした。 【追記】  本報告後、試行として現地語表記と一般表記を併記した形での報告を求められたため、本報告を元にReport.01を改稿した。その結果が良好だったため、すべての報告について、同様の形で改稿している。   「アルー晴レータ日ーノコト~♪ んんーんんーんんーんんん~♪」  涼宮ハルヒが歌を口ずさみながら部室に入ってきた。普段の学生鞄とは別に、大きな鞄を肩に掛けている。 「んっん~♪ みくるちゃんっ! 今日も相変わらず可愛いわね♪」  笑顔、『彼』の表現を借りると『100Wの笑顔』で...
  • カオス・ザ・ワールド 後編
    先に動いたのは古泉だった。 …。 ガッ!! …。 殴った!……続けてハイキック…。 古泉の攻撃が続いている。 …。 「本気で殺すつもりみたいね」 …。 朝倉? …。 「全て急所を狙っているわ」 …。 たしかによく見ると ここにだけは喰らいたくない… ってな感じの所に古泉の攻撃は命中している様に見える。 …。 「まずい」 …。 長門? …。 「このままでは古泉一樹は敗北する」 「なんでだ?俺には古泉の方が優勢に見えるが?」 「攻めているのは古泉一樹、急所を狙っているのも事実。ただ……」 …。 …。 …。 ~古泉一樹~ …。 …。 ……クソッ…なんだコイツは…。 さっきから目の前の俺に攻撃をしているが……ほとんどダメージを与えてない。急所を狙っても寸前でポイントをずらされている。 …。 「この程度ですか?」 …。 -!? …。 ドスッ! …。 「グッ!!」 …。 右拳が俺の腹に突き刺さる。...
  • 機械知性体たちの即興曲 第五日目/昼
    機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第五日目/昼 ハルヒ       「…………」 谷口          「なんかものすげぇ機嫌悪そうだな、涼宮のやつ」 国木田      「キョンが休みだからじゃない? 珍しいよね」 谷口          「よくは知らないが、あいつの面倒見れるのは人数限られてるんだから、休まれると困るぜ」 国木田      「……比較的そういうのができそうな人がもうひとりいるけど、その人も休みだよね」 谷口          「隣の長門も休みだとかいってたな」 国木田      「インフルエンザでもはやってるのかな。聞いたことないけど」 谷口          「……キョンのやつがなぁ」 ハルヒ       (まさか、あのアホキョンまで休みとはね) ハルヒ  ...
  • 涼宮ハルヒの追憶 Intermission.3
    ――Nagato Yuki わたしは何ら変化の無い天井を見上げる。 正確には劣化しているし、宇宙座標上の位置も変わっている。 でも、人はこれを変わっていないという。 微々たる変化は無視し、閉塞感を感じる。 全ては変わっていっているのに、自滅的な行動によって自分を押さえつけている。 人は記憶を持っている。 わたしは記憶を持たない。全ては無時間性の情報へと帰する運命にある。 人は記憶を持ち、そして人格を形成していく。 記憶、つまり時間の重さを持たないわたしは人格を形成できないのだ。 形成できないというのは語弊が生じる恐れがある。 元からある人格からの変化は望めないということである。 わたしは後、一時間と十一分で消失する。 (秒単位が必要ないことは彼が教えてくれた事だ) わたしは今、泣いている。人間の感情でいう、恐怖を感じている。 これはわたしに元からあったものだろうか。 古泉一樹に以...
  • 古泉一樹の誤算 七 章
       七 章      その日、営業の打ち合わせをするハルヒと古泉を見ながら、こいつら今後どういう展開になるんだろうかと考えていた。事故った歴史も一部消えてしまったことだし、ハッピーエンドになってもよさそうなものだ。だが安心しろ。もう物語もそろそろ終焉なのではと思った矢先、それだけでは済まないのがこのハルヒ的日常。野球で言えば0対0の八回裏ツーアウトランナーなし。まったくいまさらだが、ここから急展開がはじまるのだった。   「あたし、明日からしばらく私用で忙しいから。午後は休むわね」 ハルヒが珍しく単独行動をしている。 「私用ってなんだ?見合いでもすんのか」 何気なく聞いた俺のひとことに、ハルヒはピタと固まった。 「そうよ。悪い?」そこで四人も固まった。 「い、いいことじゃないですか。なにごとも経験ですよ。もしかしたら涼宮さんにぴったりの男性が現れるかもしれません」 そう祝辞を述べる古...
  • @wiki全体から「新米保父さん一樹は大童・四」で調べる

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