涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「最後の最後」で検索した結果

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  • 最後の国
     アナルは、美しくなんかない。  そして、それゆえに美しい。  Anal is not beautiful,therefore it is.  キョソの旅 ――The Anal World――  第十二話 「最後の国」  ―All roads lead to Anal―  その日。  一人の旅人と一台の人型モトラドは、何の変わりばえもなく旅を続けていました。 「キョソたん。次の国にはいいおとこはいますかね」 「お前どこいってもそればっかだよなしかし」 「何を言っているんですか。おとこは世界を救うんですよ。僕のアナルもぴっかぴかです!」 「意味わからん」  まあそんな感じで、確かに意味は解りませんが、道を走って、国に入って、三日滞在する。このサイクルを続けた彼らは、今回もまた国に到着しました。 「……おお」「ほへぇ」  一人と一台、つまりキョソとこいずみくんは、高い高い城壁...
  • しっと団の野望 ~最後の聖戦~ 前編
    バレンタイン作戦をしてからもうすぐ1ヶ月が経とうとしています。 今は三月の上旬。私は一人、自室で呟きます。   「時間がない……」   そう、時間が無いのです。私は3年生。あと数日で、学校を卒業してしまいます。 そうなる前にやらねばならぬこと。そう、あのバカップル×2と、決着をつけること! え?もうとっくに決着ついてる?負けまくってる?ぶち殺しますよ(´・ω・`) 私の中ではまだ負けてません!戦いは続いているんです! しかしもうチャンスもわずか。だとしたら、やることは1つしかありません。   「最終決戦です……ふふふのふ……」   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   さて、今日もいつも通りの部室だ。 ハルヒはパソコンに向かい、長門は読書をして、古泉は俺とオセロをしている。 そして朝比奈さんは……ってあれ?朝比奈さんがいないな。   「なあハルヒ、朝比奈さんは来てないの...
  • しっと団の野望 ~最後の聖戦~ 後編
    ...には関係ないのさ。 最後の最後で裏切ってスパートかけるなんて出来るわけなかったさ。 だって俺らは……   「戦友、だもんな!」   谷口が言う。その通りだ。俺は勝利なんかよりよっぽど大事なものを手に入れたんだ……   「何いい話で終わらせようとしてるんですか!ただマラソンでバテただけじゃないですか!  ……まあいいです、引き分けで。次!長門さんと朝倉さん!」   宇宙人対決か。さてどんな戦いになるのやら。チート合戦か? 長門がくじを引いた。そこに書いてあったのは……     『大食い対決。』   ……勝ったな。長門が大食いで負けるはずがない。    「ちなみにメニューは、カレーとなります。」   負ける要素が無いとはまさにこのことだろう。大食い勝負でしかもカレー。 どうすれば長門が負けるのか逆に教えてもらいたいね。   何時の間にか用意された長机と椅子に長門と朝倉が並んで座る。 長門...
  • 最後の王様ゲーム
    ※これは魅惑の王様ゲームの続編です。       「「「「「「王様だーれだ!」」」」」」 「はーい!あたしー!3番は5番のほっぺにチューするー!」 おい妹よ、確かに定番だがなんてことを言い出すんだ。俺が5番だぞ。 いやでも古泉に当たる確率は1/4だ。まだ俺には希望がたんまりと残されている! 「すいません。僕が3番です。」     ハイ俺の人生終了。短かったなぁ・・・・・・     というか古泉もせめてもっと嫌そうな顔するとかあるだろ何ニヤケてんだ。 と思った瞬間古泉は俺にルパンダイブをかましてきた。 「ああ僕のキョンたん!!もう誰にも邪魔はさせないよ!!!!!一万年と二千年前から愛してる!!!」 おいちょっと待て気色悪さがハンパじゃないってかやめろ俺はホモじゃないハルヒ長門助けてくれ!!!! って何みんな顔赤くしてこっち見てるの!!??何!?最後まで見届けたいの!!!???? 「さあキョン...
  • 長編・その他
    ...年の日記 罪滅ぼし 最後の最後 髪プレイ 阪中から見たSOS団員 谷口の歓喜 リトルラヴァー 鶴屋さんとキョン ブーン 涼宮ハルヒと異世界人 谷口の恋愛 谷口の思い出 ハルヒVS朝倉 激突 朝倉涼子の逆襲 鶴屋さんの困惑 不機嫌な朝倉たん 鶴屋さんと笑顔とお茶 ビツパの1日 キョン×鶴屋さん 以下、名無しにかわりまして朝倉がお送りします 鶴屋さんと古泉 デスノート谷口 偽SOS団結成 LAST 鶴屋さん姉妹 朝倉涼子の終焉 アホの谷口冒険記 やさしい人 舞台裏 プロジェクトT 喜緑さんのお料理教室 非凡なる凡人 風鈴 谷口のおかげ キョン妹の憂鬱 喜緑さんと家事と旅行 谷口×朝倉の恋愛革命 コンピ男 僕とみくるとメイドさん~狂気の弾丸ドライブ~ 真夜中の情事 恋文 朝倉涼子の面影~恋文~ 【朝倉涼子の帰還】 鶴屋少女の孤独 キョンの妹がデート!? 『雪の降る街で』 谷口の日記 lov...
  • 悪くない人生
    ...れていた。しまった、最後の最後までやらかしちまった。 ハ「あーっもうっ!ごちゃごちゃ言ってないでさっさと行くわよ!これ出したらうちの家族とあんたの家族で食事に行くの!もう場所も予約済よ!  その後は有希の家で結婚祝い&卒業パーティーね!鶴屋さんも呼んでパァーっとやるわよっ!明日はあんたの家にあたしの荷物  運ばなきゃならないし、あっそうそう、明日の朝ご飯なにがいいか考えとくのよ、腕によりをかけて作ってあげるわ!楽しみにしてなさい!  これから忙しくなるわよ!まだまだやることいっぱいなんだから、しっかりついて来なさい!」 まったく、おれの意見なんてどーでもいいんだろうな、こいつは。言っても無駄なら早々に覚悟を決めるとするかね。 キ「はぁ、わかったよ。これからもよろしくたのむな、ハルヒ」 やれやれ、これで一生、退屈を感じることもなさそうだな。それにこいつの隣でこいつの暴走を止める...
  • 縁は・・・3
    ...オマエが、高校生活の最後の最後、俺にこれからを委ねてくれていたのか。 だというのに俺はハルヒの思いに応えず、勝手に自分の中で自己完結してたってのか。 ハルヒの能力に甘えていたということか。 くそっ。何が「あいつがそう望むのならな」だ。長門や古泉だけでなくハルヒにも依存しきっていただなんて。 「ハルヒ」 次にハルヒと会った日の帰り道、俺は隣を歩くハルヒに話しかけた。 「ゴメンな」 「何よいきなり? あんたが珍しく殊勝な態度取るなんて。雪が降るかしら?」 「俺、オマエから連絡がなくなったとき、きっと嫌われたんだって思って、そのまま何も行動できなかったんだ。縁があったら、ってオマエは言ったけど、縁は自分で繋ぐものだと分かったよ」 てっきり「何よ、クサいこと言うじゃない」とでも返ってくると待っていたのだが、いつまでたっても何も返って...
  • スノウマーチ
    ...……だいすき」  最後の最後に、想いの全てを込めた言葉を残して、彼女は消えていった。  もうすぐ、この少しだけ季節外れの雪も、止むことだろう。  雪の名前を持つ少女にもたらされた、最後の奇跡と共に。  終わり 
  • ピロートーク~ラブホ編
    ...いいっていったのに、最後の最後でキョンが……、酷いよ!」 キ「いやまぁ、ハルヒがあともうちょっとって感じだったから…ついな……でも気持ちよかったろ」 ハ「う、うん…そうだけど……」 キ「しかしホントに声が大きいよな、それに下から見るハルヒの表情も中々良かったぜ」 ハ「そうだ……あたし又目を瞑っちゃってキョンの見てないじゃない、どういうことキョン!」 キ「どうもこうも全部自己責任だろ、それに俺はまたもや途中なんだがな、ハルヒが目を瞑ってなくても見れなかった筈だぞ」 ハ「そ、そうなの…」 キ「でどうする? また敗者復活戦といくか?」 ハ「ちょっとまってあたしに考えがあるわ、任せて頂戴」 ハ「これなら大丈夫ね、キョンは動かなくていいわよ、あたしの手で気持ちよくしてあげるから」 キ「そうかお手柔らかにな」 ハ「それはそうとたしか……ここをなめられるとキョンは弱いのよね……、えいっ」 キ「お、...
  • キョンの死…そして
    シクシク… グスッ… …すすり泣きの響く部屋…線香の匂い… 私、涼宮ハルヒは今、お葬式に出ている。キョンの…お葬式に… …なんで…なんでこんな事になってしまったのだろうか…。 ~昨日~ 「今日も何にも不思議は見つからなかったわね。」 私は不機嫌だった。せっかく隣街まで来て不思議探索したのに何も見つからないだなんて… キョン「…んな簡単に見つかるかよ。」 ハルヒ「…あんたしっかり探したの?」 キョン「簡単に見つからないから不思議なんだろ?」 …ったく、ああ言えばこ~言う。 古泉「まあまあ、これはこれで楽しかったから良いじゃないですか。」 ミクル「そうですよ。いつもと違う所を回れて楽しかったです。」 長門「…コクン。」 …まぁ…楽しかったのは否定しないわよ…でも目的は…。 キョン「おいハルヒ、ふらふらするな。前見て歩け。」 …うるさいわね、子供扱いしないでよ… その時だった。 ミクル「涼宮...
  • a long wrong way 一章
    ...れそうだわ!」   最後の最後まで俺とハルヒは険悪なままだった。 あまりにひどいといえばひどい終わり方だ。 だけどもう戻れない。 俺たちの道は別れちまったんだ。   二章
  • 朝比奈みくるのクーデター エピローグ
    ...も含まれていた。  最後の最後最後の最後まで。どうしてこんな選択をしなければならないんだよ。 「あの時のわたしの行動はエラーの蓄積によるものだった。でも今の行動は違う。明確な意思に基づいて行っている。 誰に何と言われようが、わたしは自分の判断が間違っているとは思わない」  いつになく強い口調だった。そして、視界が暗転を始める。もう時間がない。  俺は全力で叫んだ。 「いいか! どうせ俺たちのことを見ているんだろ! だったら聞こえるよな! 俺は絶対に今回のことを忘れない! 万一、長門を消したり別のものに置き換えたりしてみろ! お前らに宣戦布告してやる! ハルヒでも何でも使って、 お前らの存在を完全に抹消してやるからな! そんときは覚悟していろ! 絶対に――」  ………  ……  …   ◇◇◇    …  ……  ………  ハルヒが風邪を引いて寝込んでいるらしい。しかも丸二日も。  ...
  • 雪解けの想い
    ...来なかったわたしは、最後の最後に、自分の心に降り積もった感情の全てを凝縮し、たった一言だけ、彼に、想いを伝えることが出来た。  それは前へは続かない、未来を築かない、誰かを縛ることさえ許されない、そのとき限りの、愛の言葉。  そう、なるはずだった。  運命は、変えられないはずだった。 「……」  わたしは無言のまま、周囲を見渡す。  季節は3月の上旬、まだ冷え込む時期だからか、少し厚着の人が多い。  わたしはふと、道端に微かに煌くものを視界の端に見つけ、そっとその場所に近づいた。  そこには、とけかけた雪が残っていた。 「雪……」  それは、わたしの名前。  それが、わたしに与えられた、最後の……、最後になるはずだった、奇跡。  今のわたしは……、不可避の運命に、ほんの少しだけ割り込む形で許された存在。  春の日に照らされ消え行くはずの、とけかけの雪のような存在。 「……」  完全...
  • さよならSOS団
    ...説明したが、ハルヒは最後の最後まで絶対にゆるそうとしなかった。今も許してない。ハルヒと俺と古泉はそれぞれ違う大学だ。ハルヒは最後まで俺と古泉をを自分の志望校に入れようとした。古泉はまだしも俺が無理だとわかったら今度は自分と古泉がが俺の志望する大学に行くと言った。 まったく古泉の意見も聞かずに。まあ、イエスマン古泉は必ずいいえなどと答えないだろうが。おれは自分のために2人が志望校を落とすなんてことはして欲しくなかった。俺が真剣に説得すると。ハルヒは意外とあっさり了承した。古泉も「あなたがそういうならしょうがないですね」とそれぞれ別の学校に行く事になった。寂しいがしょうがない   俺はコンピ研から強奪したパソコンをコンピ研の部室に返すために持ち上げた。軽い。そういえば最新機種だったなコレ。今はどうか知らんが。俺の目の前にパソコンを強奪してきた遠い日の思い出がフラッシュバックしてきた。...
  • キョンの湯
    ...。 だが――。 最後の最後に一番リラックスできるのは自分の家の風呂だ。その日一日どんなに疲れて帰っても、我が家の風呂の湯船に入った途端、汗と共に疲れも流されていくのが、なんとなくわかる気がする。こういうのも一種の帰巣本能なのかもしれない。 「どんなに疲れても……か」 俺のこの歳で、こんな台詞が似合うようになったのも、高校入学以来のさまざまな出来事のおかげかもしれない。 湯船の背にぐっと身を預け、両手をだらんと伸ばし後頭部を浴槽の縁に乗せて、俺は僅かに湯気でかすむ壁と天井の境目をぼんやりと見つめながら、あの日のことを思い起こした。 『東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上』 俺にとってはこれがすべての始まりだった。ただし、ハルヒを北高に導いたのは、この入学式の三ヶ月後の時点から...
  • 甘いのは飴かそれとも…
    彼が買ってきた飴の袋が机の上に置いてあります。なんでも、涼宮さんが遅刻常習犯である彼へ与えた罰だそうです。今日は来るのが遅いとは思っていましたが、パシリだったんですか。 彼がくたびれた様子で買ってきた飴を机の上に広げた瞬間に涼宮さんが鷲掴みにして持って行きました。 「おいこら」 「あたしだけその机から遠いんだから当然でしょ!」 「にしても取りすぎだ」 「うるさいわね…」   飴はまだ沢山あるので、そう簡単には減らないと僕も思っていました。 しかし、みんなが手を伸ばし、口の中が空になればまた…。 そのお陰で誰も喋ることなく個々の作業に集中していたのので部室内は静かです。物音を立てるのが憚られる程です。   …と、気付けばもう残り一つになっていました。5人もいれば、一袋はあっという間です。   「最後の一つだが」 「ええ構いませんよ」 「いい」 「どうぞ」 皆からの了承を得てからその最後の一...
  • 四月の雪
    ... 僕は、逃げた。  最後の最後の、その瞬間まで。  最後に……、本当に、最後のそのときだけ、向かい合うことが出来たけれども。  本当に、そのときだけだった。  以前も以後も無い、たった一瞬だけの、触れ合うだけの……。  それは確かに恋と呼べるものだったはずだけれど、本当に、それだけだったから。  それからもう三年も過ぎているし、そのときのことをずっと引きずっているというわけでもないし、彼女のことを考えない日も増えてきたけれども……、それでも、こういう風に高校時代を思い出すきっかけさえあれば、今でも自然と、彼女と過ごした日々の記憶が蘇ってくる。  もっとも、この手紙のことが気になるのは、そんな少し回りくどい感傷的な部分だけが理由じゃないんだけれど……。  問題は、たった一枚きりの便箋の、その文面、 『四月一日、午前10時。  何時もの駅前で待っている           長門有希』...
  • 悲嘆
      ジョン、ジョン・スミス。あんたはどこにいるの? あんたのせいよ。あの時、あたしの最後のつもりだった悪あがき。 始める前にとびきり変なことが起きたじゃないの! 結局宇宙人は現れなかったし、未来人は来ないし、超能力者はいないし。 今のところジョンだけが異世界人って感じかしら? あんたの影を追って北高に入学したけど不思議はないわねぇ。 意外と刺激に満ちた日々は送ってるけど。うん、充実はしてる。 何といっても共に不思議を追及する仲間がいることかしら。 変わってるけど頼りになる娘、かっこよく頼りになる男子に、 まさに可愛さの塊の娘、それとジョンっぽい男子。 キョン。あたし、あんたにジョンを見てる。重ねてる。 ううん、あんたも実のところ結構気に入ってるわよ? そうね、……好きといっていい。 でもね、キョン。駄目なの。まだ駄目。 あたしはジョンを諦めてないの。 あたし予感がするの。またジョンに...
  • 落日の夢
    ...――『神人』の娘は、最後の最後にぱちりと眼を見開き、僕の瞳を覗き込んで、にこりと笑った。 ながいあいだおつかれさま、こいずみくん。 僕も笑った。礼を取って、少女の髪を撫でて、笑いかけた。 ――あなたこそ。  取り巻く空気が変容する。 喧騒が戻ってくる。 冴え冴えと燃える、赤い夕日が高層建築の狭間にぽっかりと浮かんでいた。血のような鮮烈さが生々しく、けれど帯びる光は穏やかに暖かい。長い間記憶していられるような類のものではなく、僕は刹那に見た夢の内容を朧にしか覚えてはいなかった。取り払えない寂寥感が、落とされた一点の染みのように消せずに胸に残っている。 この身のうちから限定的であったとはいえ、保持していた力がなくなったことを実感しているせいかもしれなかった。超感覚的なものではあったが、以前の僕にはあったものが今の僕にはない。それが、分かり過ぎるほどに分かる。 ...
  • 長門有希の報告Report.7
    ...に応えたつもり。 「最後の最後で……ええもん見せてもろたわ。」 【最後の最後で……良いもの見せてもらったわ。】 「……けだもの。」 「うっ……! そ、それじゃ、有希! おやすみっ!!」  それだけ言ってわたしに背を向けると、すぐに彼女は寝息を立て始めた。 (すう、すう……)  彼女の寝顔は、とても安らかだった。先ほどまでの激しさや、ここ数日の弱りきった表情はどこにも見当たらない。ようやく彼女は心から安心できたのだろう。できれば『会話』によって、彼女をそのような状態に誘導したかったが、元々わたしの会話能力は低く設定されている。会話では目的達成は困難だっただろう。  また人間には、言語によらない意思疎通手段も備わっていて、時にそれは、発達した言語による意思疎通に勝ることもある。今の彼女にとっては、非言語的意思疎通が必要だったのだろう。  今日の彼女との一件で、初めて『実感』したことが...
  • B級ドラマ~涼宮ハルヒの別れ~
    ...に色が戻ってく。 「最後の最後に涙なんか見せられたからな。3年間見たこと無かったのに」  言い返したいけどもう声も出ない。涙を流して立ってるだけなんてどこの三流映画よ。ベタ過ぎる。 「泣かないでくれよ。残るから」  そう言って、キョンに包まれた。その瞬間にあたしの世界に完全に色が戻った。 「好きな奴に泣かれたら安心して行けねーよ」  好き? あたしを? じゃあ好きじゃなかったら行ってたのかしら。 「あーあ。こりゃ勘当されるかもな。金かかってるのにやっぱりやめた、だもんな」  そうだ。あたしはわがまま言っただけだけど、キョンは……キョンは……。 「ま、しょうがないよな。お前に泣かれたらどうしようも無いし」  ……神様。本当にいるなら聞いて。一回だけ、たった一回だけでいいから時間を戻して。  あたし達が進路を決める前まで。お願いします。あたし、変わるから。  ちゃんとキョンに想いを伝える...
  • 無限の輪舞(ロンド)Ⅰ
    ...単純だし」 そこで、最後の最後の一かけらが砂になり、双子は消えた。 「…まあ、何にせよ」 俺は目線を前に向けて、 「アリガト、長門」 と言った。         もう何回来たのかも判らないが、俺は長門の家にお邪魔していた。 長門は二人分入れた緑茶のひとつを飲んでいた。 さて、俺はといえば、机に突っ伏していた。 「つ…疲れた…」 情けなくも力が入らないし、泣き言を吐いていたのだが、長門は何も言わなかった。 「全く、このところどんどん来襲の期間が短くなってきやがる…俺の精神力が回復するのが追いつかん…。俺にはメーデーとか勤労感謝の日とかないのか…」 愚痴るように言葉をつむぐ。…つーか、事実、愚痴っている。 それに対して、長門は、 「そう」 とだけ言った。 「…冷たいなぁ」 「…私の回答としては、良くあること」 「…一般的な回答としては…良くないと思うぞ…」 「…そう」 俺はテーブルに頭を...
  • 涼宮ハルヒの天気予報
    ...勝ちだった。 古泉は最後の最後でテロに遭遇し、全財産の80パーセントを失ってしまった。 「テロに合わなけりゃお前の勝ちだったな」 「まったくです。次は勝たせていただきますよ」 「それは楽しみだな」 なんてちょっと小粋な会話を楽しんでいた俺達だったが、長門の本を閉じる音がした。 お、もうそんな時間なのか。 確かに時計をみるともう帰宅時間、といった頃合だ。 相変わらず精確だな長門は。原子時計でも内蔵してるんじゃないのか? 俺はイスから立ち上がって、コートを取ろうとしたときだ。 液晶とにらめっこしていたはずのハルヒが嬌声を上げた。 「雪が降ってるわ!」 振り返って窓の外を見ると、白い点々がフラフラと落ちていくのが見える。 だがさっきまで雨だったから、 地面に落ちた時点で溶けてしまいさぞかしグラウンドはぐちゃぐちゃだろうと思ったら、だ。 なんとグラウンドはまったく濡れていなかった。 雪がうす...
  • 素直になれたら
      あの二人がついに結婚か・・・ タクシーで移動中、俺はふと横に目をやる。 肩にもたれかかるようにして長門が寝息を立てている。 俺と長門は今幸せだ。 長門は思念体からハルヒ観察の功績を称えられ、人間と変わらない体にしてもらった。 そして、俺らは結婚した。 今日はあの日々を共に過ごした男―古泉の結婚式の日だ。 相手は対立していた機関の橘。こいつらが和解したのは最後の閉鎖空間が消滅した後の事 俺たちが、高校を卒業する間際。ハルヒが大規模な閉鎖空間を発生させた。 原因は俺だった。またくだらないことで口論となり、つい手が出てしまった。 ハルヒはその時泣きながら部室を出て行った。 急いで朝比奈さんと長門がなだめに行ったが遅かった。 口論理由はコーヒーは豆から挽くか、インスタントか。 ミルクを入れるか牛乳を入れるか・・・こんな話だった気がする   古泉「閉鎖空間が発生しました。すでに機関の仲間が数...
  • はるかぜふくまえに・第一章
    ...で終わると思ったら、最後の最後で長門が変わっちまった。それでいいのか? 「浮かない顔をしていますね。一年生の終わりが名残惜しいのですか?」 古泉が微笑をたたえて言った。今思ったのだが、長門が変わったおかげで、この部室で普段笑わないのは俺くらいになってしまった。……これから俺もこいつみたいに微笑み君にならないといけないのだろうか。 「そんなことはねーよ。一年生をもう一度やるなんてのもごめんだ。十分すぎる」 「えぇ、その通り。涼宮さんもそう思っているでしょう」 古泉は首を傾け右側に流し目を送った。 ハルヒは長門となにやら話し込んでいる。二人とも節目節目で共に笑い、さらにハルヒは朝比奈さんに手招きをして女子ユニット全員で談笑を続ける。普通の仲良し三人組だ。 なぁ古泉、これがお前の言っていた平穏な日々なのか? 口には出さなかったが俺は思う。古泉はいつかハルヒが力を失うだろうと言っていた。...
  • 長門の日々 第9話『新たな世界』
    第9話『新たな世界』   暗い。たぶんもう8時くらいになってるだろうな。 吹きすさむ風がほんの少し肌寒く感じられる。 それは体感温度ではなく、精神的なものかもしれない。 俺は鳥肌が立ってしまっている。 公園のベンチには誰もいない。 見渡す限り道路には車も通ってないし、 夜中を散歩しているような人も見当たらない。 まるでその静けさは、ハルヒが創り出した、あの世界を連想させる。 俺は錯覚に陥る。ここは本当に現実世界か? もしかしたらここは閉鎖空間ではないのか? しかし、そんな俺の疑問はすぐに晴れた。   公園内の灯りが二人の少女を照らす。 どちらも長門。 それが俺の思考を現実へと引き戻してくれた。 常識や、一般論からいくと、この二人は双子、または姉妹に予想されるだろう。 俺は真実を知っている。知ってしまっている。 あの二人は、どちらも長門有希だ―――   今までに幾度か感じたことのあるような、...
  • 涼宮ハルヒのDEATH NOTE 第一話
      退屈な学校から帰ってきても、テレビを付けると 毎日毎日同じ事の繰り返し・・・・・・   毎日一つは犯罪の記事が取り上げられてる これは日本だけでなくどこの国でも最近はこんなかんじだ 一日一日と犯罪はプラス化してる・・・まったく・・・   世の中は腐ってるわ・・・       第一話 始まり         次の日も普通に学校に言ってた、どうせこの日も普通すぎる一日だと思ってた、 これが最後の・・いや昨日が最後の普通の日になるとは思ってなかった いつも通りの学園生活、今日の最後の授業は英語 (学校が終わったら部活かぁ・・・)などと私は考えていた すると窓の外を見たら、一冊の黒いノートがふわりふわり と落ちてきた、なんか文字が書いてあったが見えなかった しかし此処は階段を上がれば屋上、誰かが落としたのか と考えていた、授業が終わった後もまだ落ちていた しかしあのノート気になるのよ・・・って...
  • 長門有希の報告Extra.2
    ...展開されていたのだ。最後の最後で、とんだサプライズかよ。どこの誰だ、こんなシナリオを書いた奴は。  これもハルヒの仕業なのか? それとも……長門(大)? お前なのか?  まったく。最後くらいは平和に美しく終わらせてほしいもんだ。 「やれやれ。」  もう何回言ったか分からないくらい言った、もはや俺の決まり文句を言い、俺は肩をすくめた。まったく。本当にやれやれだぜ。 「さ、参事官……! なぜあなたがここ……この時間へ……!!」  朝比奈さん(大)が震える声で搾り出すように言った。『さんじかん』? 何だそりゃ。 「ここ……この時間での呼び名は、それではない。この時間での呼び名で呼んでほしい。」  長門(大)が静かに口を開く。 「え!? う、は、はい。……な……長門、さん……」  朝比奈さん(大)は、恐る恐る言った。 「そう、それでいい。」  あの~、長門さん? あなたは何をしておいでな...
  • 涼宮ハルヒの喪失 
    今回初投稿となりますが、どうぞ見てやってください。 最後のほうは、ある漫画からすこしネタを拝借するつもりです。 プロローグ 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 第7章 第8章 第9章 第10章 エピローグ 勢いで最後まで書いてしまいました。 また、なにか思いついたら書きたいと思います。
  • 遠距離恋愛 第一章 家庭の事情
    第一章 家庭の事情   ことの始まりは一昨日の事だ。 期末試験明け初めての土曜日。 恒例の不思議探索が恙なく終わり(俺の財布のダメージは大きかったが)団長サマの「今日はこれで解散!」 の号令で各自家路についた。もうあと少しで春休みだが、あの団長サマの言によると、SOS団は年中無休で活動予定らしい。ま、少しくらいは俺にもぼーっとシャミセンや妹と戯れるような普通の休みがほしいねえ、などと自転車を漕ぐ俺は、これから起こるだろう真珠湾攻撃を予測できなかったオアフ島守備隊隊長の心境に近かったのかもしれない。   家に着くと珍しく親父がいた。 いつもは日曜日にしか家にいない仕事の虫だから、土曜日のこの時間に家にいるのは、滅多にないことなのでちょっと驚いた。   「ちょっといいか?」 リビングから顔を出した親父は、食卓の椅子に座るように目線で合図する。 その向かいには神妙な顔をしたお袋まで鎮座している...
  • a long wrong way 五章
    「一人、か」 思わず呟く俺。 今日、古泉が転校していった。これで、北高に残ってる団員は 俺と朝比奈さんと長門だけだ。 朝比奈さんと長門は俺が進級するのと前後して、学校から去って行く。 「一人、か」 また、呟く。俺の周りから、ハルヒの痕跡が消えていく。 そう、何より寂しいのは、ハルヒが俺の側にいないことだ。 気力が出ない。全く何にも手が付かない。 それだけ大きな存在だったのか、ハルヒは。 そんな状態のまま時間は過ぎていき、今日は卒業式の日だ。 卒業式で朝比奈さんの姿を目に焼き付けた。恐らく今日で最後だからな。 卒業式のあと、何となしに文芸部室に向かった。 ノックなしで部屋に入ろうとしたら、後ろで待ったがかかった。 「ちょっと、待つっさ、キョン君」 鶴屋さん?なんでここに? 「みくるがどうしてももう一回見たいって言うからついて来たのさ」 今、中に? 「そうさっ。ところでキョン君。君、目が死んで...
  • 花言葉シリーズ?
       本スレの保守目的で書いているシリーズなので、不定期。  ちなみに、本スレへのUP日の誕生花で書いてますが、本によって誕生花は違うのでご注意を。     ・ 6月6日  ジギタリス     ・ 6月6日 ペンステモン      ・ 6月7日 ストケシア&ホワイトレースフラワー       ・ 6月8日 サンダーソニア     ・ 6月15日 野薔薇(ノバラ)       ----------------------------------------------       ・ 6月6日 ジギタリス    「恋なんて精神病の一種なのよ。」  誰の言葉だったけ・・・まったく無責任よね。  最近では精神病にもいろいろと薬ができてるっていうのに、「恋」への薬なんて誰も開発しようとしてない。  あたしは、自分が恋なんてしないと思ってた。  それなのに・・・気づくといつもあいつのことを考えてたり...
  • その後の探索日
    ミヨキチの暴走の続きです 土曜日。今日の市内探索は佐々木団(仮)とミヨキチが参加し、メンバーは合計10人になった。 集合場所に行くと、やっぱり俺が一番最後だったが「今日は罰金無しでいいわよ」とハルヒが言ったので奢りは無しだった。 班分けは5人2グループに分けることになったのだが、くじ引き無しでハルヒが勝手に決めちまった。 一つ目のグループは俺にハルヒに佐々木にミヨキチに朝比奈さんのメンバー。 もう一つは、古泉と長門に橘、藤原、周防のメンバー。で今日一日、このメンバーで固定らしい。 古泉側のグループなんだが…見ていて非常に不愉快である。なんせ古泉と長門、橘と藤原の4人がイチャイチャしてやがるからだ! 朝比奈さんは「私だけ…独り…」と何かブツブツ言ってる。オイ、ハルヒ!アイツらにこれはデートじゃないと言ってやれよ。 「はぁ?なに言ってんの?コレがデートじゃなきゃ何だって言うのよ?」あれ?ハル...
  • キョンにゃん、或いはネコキョンの可能性
    ...してそのお零れとか、最後の最後で切り替えして奪って行くだなんて事は……。と、とにかく彼はわたしがもらって行くのです!!」   「くっ、佐々木さんにその連れ!?」    なになに、なんなのよ!? なんでこうもほいほいあつまって……ていうか、キョンはどんだけ、   「おやおや、楽しそうですね。これは是非とも僕も混ぜてい」   「古泉一樹。あなたの存在は推奨しない、消滅を強く推奨する」 「古泉一樹を適正と判定し、当該対象の有機情報連結を速やかに申請いたします。承認を確認、解除開始します」   サラサラサラ   「ダメなのですか?寂しいで「――悪・即・消・滅……ね――」」    古泉君は良くわかんないけど消えたようね。まあどうでもいいわこの際。とにかく今この場でキョンの所有権をハッキリしておかないと!!   「キョンはあたしのなのォおおおーーーーーーーーっ!!!!!!!」       ...
  • 餃子の季節
      餃子の季節 【プロローグ】    西暦2008年X月X日。    この日、世界中を凶報が駆け巡った。   『北京オリンピックにて涼宮ハルヒ、涼宮哈爾濱に敗北す。』    これは中華人民共和国の野望を何者をも妨げ得ないと言う事を意味していた。    後の世に”炎の七日間”と呼ばれる、悪夢の一週間の始まりであった。   ───「我が神、我が神、何故に我を捨てたまいしや」(マルコ15章34節)   挿絵 http //society6.2ch.net/test/read.cgi/gline/1202756066/1 【第一章・中華人民共和国の興亡】   ──翌日、中国軍は世界侵略を開始した。   鈴宮ハルヒ「北米方面軍より報告、アメリカ・カナダの制圧完了しました。」 涼官ハルヒ「欧州方面軍より報告、NATO軍は壊滅しました。」 涼宮八儿匕「台湾方面軍より報告、台北市内でゲリラ部隊が...
  • 規定事項の流れ星
    もくじ 「えっと、このお話にはあるアーティストさんの歌詞の表現を借りたものが一章ごとにひとつ入っているっさ」 「うーん…気にならない程度に入れたつもりですが、嫌な人はスルーして下さい」 「まぁ何のアーティストさんかは物語の最後に記載するかもしれないにょろ。それと、この話はハルにゃんとキョン君の話じゃないのだよ」 「詳しくは禁則事項とういうかネタバレになってしまうので……」 「まぁ原作ファンの方は注意して欲しいっさ!ところでみくる!私の出番は!?」 「…禁則事項です☆」 「にょろーん…」 プロローグ 「始まりのお話」 第一章 「気付かない気付けない」 第二章 「本当はりんご飴」 第三章 「喜劇役者でいよう」 第四章 「気まぐれな切り札」 第五章 「忘れないで欲しい」 最終章 「約束」 エピローグ 「お話の始まり」 番外章 「誰も知らない2日間」
  • 遠距離恋愛 第六章 2年生最終日
    第六章 2年生最終日   終業式当日。   俺は朝イチで職員室にいた。朝のHRで岡部と一緒に教室に入って「みんなも知っていると思うが……」というお定まりの『アレ』をやるからだ。小学校から今まで何度も『アレ』を見てきたが、まさか自分がやる事になるとはね。何だか妙な気分だ。 ……先日のハルヒとのすったもんだが起こった翌日には、俺の転校のことは既にクラス全員に知れ渡っていた。谷口と国木田が広めたらしいが、事実なので別にそれは良い。ただ、驚いたクラスメイトが休み時間ごとに俺の側に来て、別れの挨拶をするのには少々閉口した。   「キョンくん、もうすぐ転校しちゃうのねん?残念だわ……あっちで落ち着いたら連絡欲しいのねん?」 ああ、わかったよ阪中。そんなに泣くな。   「環境が変わると体調崩すって言うから、気をつけてね」 せいぜい風邪でも引かないようにするさ。ありがとな、成崎。   「私たちのこと忘...
  • 涼宮ハルヒの本心
    (分裂αパターン終了時までの設定で書いてます。) 朝、八時。 いつもならもう少し早く起きているところなのだが、何故か今日だけは寝坊した。 別に遅刻の可能性を心配するほどの遅れではない。HR前にハルヒと会話する時間が減る程度の話だ。 早い時間に登校すれば新入部員選抜についていろいろと面倒なことをぬかすだろうから、ちょうどいいと言うべきだろう。 眠気のとれない朝にきびきびと行動しろというのはとても酷だ。 トーストに目玉焼き、煮出しすぎて苦くなったコーヒーを腹に流し込み、だるい感じで家を出る。 犬がやかましいほど吠える家の横を過ぎ、大通りを歩く。 いつもより遅く家をでたからなのか、普段見る顔が少ないな・・・いや、高校生自体が少ない。 もしかすると、俺は思ったよりもヤバイ状況なのではないかという思考が頭を掠めた。 時計代わりにしているケータイを取り出そうとポケットをあさったが、無い。 ・・・...
  • 涼宮ハルヒの奮闘 ~しっと団の野望~
    第1話 第2話 第3話 第4話 最終話   逆襲編 エピソード1 最後の聖戦 前 後 最終回 さらばしっと団   聖夜の復活 前 後
  • 涼宮ハルヒの終焉 最終章
    最終章     その後、朝比奈さんとハルヒには妹のお守りを頼み俺はその間に校庭の隅に穴を掘り、朝比奈さん(大)と長門の遺体を埋めた、古泉の遺体は見つからなかった。 恐らく閉鎖空間の消滅とともに消滅してしまったのだろう。   それから五日間、俺とハルヒと朝比奈さんは学校にも行かずに家に引きこもっていた。 長門の必殺技のおかげで世界は大混乱していた。北向きに放たれた衝撃波は一瞬にして中国、韓国、北朝鮮、モンゴル、ロシアとその方向にある大体の国を新地に戻してしまっていた。 当然学校も休みである。日本に土地的に被害はなかったのだが経済は混乱中であった。しかし働かずに飯は食えないのでほとんどの店は大体四日後には通常通り営業していた。   六日目、布団の中で蹲っていたら携帯がなった。朝比奈さんであった。 「あのぅー、実は未来から指令が来ていたんです。七日前に。今気づいたんですけど。 実はそれによる...
  • 台風一過のハレの日に:第五章
    『台風一過のハレの日に』     ○第五章:旅立ち   空港っていうのはなんとなく好きだ。特に国際線の出発ロビーっていうのは、たとえ自分自身は出発しなくても、ただそこにいるだけで気分が高揚する気がする。   今日はいよいよこゆきの最後の日だ。なんか昨日結婚式の真似事なんかしたもんだから、俺は自分自身が新婚旅行にでも出発するような気分になってしまったが、実際に旅立つのはこゆきだ。 俺たちSOS団の五名はこゆきを見送るため、秋晴れのさわやかな風を感じながら、海上を埋め立てて作られた国際空港にやってきた。 もちろん、本当にこゆきが飛行機に乗って出国するはずがない。マジで出発するつもりなら種子島のロケット発射センターの方がふさわしいのかもしれないが。 ハルヒがどうしても空港まで行って見送りたい、と言うので長門が少しばかり情報操作をして、ここから出発するマネだけすることになっている。おそらく出国審査...
  • 佐々木×キョン(アダルトな関係)
    最後の最後で、“ゴム”に穴が開いていたりしたら面白いと思ったんだが……何事もなかったね」  毎度佐々木が寄越す皮肉めいた言葉を背中に受けながら、トランクス一丁の俺は部屋に放っておいたシャツを取る。  否応になく目に入る絨毯、それから視線を泳がせて窓を閉め切っている厚めのカーテンも見ると、俺の部屋とは比べものにならないほど綺麗で高価なことが一目でわかる。家人のランクと、そこから派生するセンスが窺えるというものだ。これが生活格差というヤツかね。  今日で、この部屋に来ることもないかと思うと、些か名残惜しいものを感じる。  中3の身分で親の目を盗み、同級生と情事を繰り返して来た俺が今更片腹痛いと我ながら思うけどさ。  俺は嘆息交じりの自嘲を伴い、シャツの次に、床に乱暴に投げ捨てていたYシャツの皺を気にしつつ袖に腕を通す。傍に落ちているシンプルな女性ものの下着が目に入る。 「おい、春めい...
  • キョンがアンケートから情緒不安定になりました
    ...し痛むな。あの野郎、最後の最後まで腹が立つことしやがって。   「ようやくお目覚めですね。りんご、いかがですか」   いらん。   「そうですか。しかし、ふふっ」   何だ、いきなり。   「いえ、あなたには本当に感謝しています。あのままでしたら何の躊躇いもなく世界は消えていたでしょうから」   別にお前等のためにやったんじゃない。 俺はあいつの………………そうだ。ハルヒは何処だ? この部屋には居ないみたいだが。   「涼宮さんでしたら、先程何処かにフラリとお出かけになられましたよ」   …………俺、ちょっとハルヒ探してくる。   「無理はなされないようにお願いします。それから、頑張ってください」   ウインクするな。気色悪いんだよ。   「ああ、それから――」         病室を出た俺は病院の中庭に向かった。 特に意味はない。ただ、あいつなら俺がいて欲しいところにいるだろうと思...
  • 想い出の場所で
    ...ドキしていたのだが、最後の最後で神は俺を見捨てなかったようだ。 て言うか、そんな修羅場あってたまるか。俺の身体が持ちそうにないだろうが。いや、身体だけじゃなくて精神も逝っちまいそうだ。まぁこいつらに限ってまさかそんなことはあるまい。喜んでいいのか、悲しむべきなのか。難しいもんだ。 あ、でも朝比奈さんに、その小動物のような愛らしい瞳に涙をためながら頬を赤く染めて、視線を少しずらしながら、 「大好き・・・です」 なんて言われた日にはもう俺死んでもいいかもしれない。 いや、むしろそう言ってもらえるんなら喜んで死ねるぞ、俺は。 「なにあんた、人にチョコ貰っといてお礼のひとつもないの?」 俺は団長の一声によって幸せな妄想の中から現実の中へ引き戻される。今回に限っては現実のほうもそう悪くはないものなので、責めるのはなしにしておいてやるか。 「お、すまん。まだ言ってなかったな。ハルヒ、長門。ありが...
  • 一夏の恋 エンドロール1
    Many times I ve been alone and many times I ve cried. Anyway you ll never know the many ways I ve tried. 夜そのものに溶け込むように、公園の中央に聳える時計台の前。長門さんは佇んでいた。 「……お待たせ、しました」 全力疾走の分、息が切れた。湿った夜気が咽喉に絡む。長門さんは僕を認めると小さく頷き、僕の前に完成された姿勢にて立ち、細い顎を上向かせた。繊細な面がひたりと此方に据えられる。澄んだ瞳に、深淵の銀河を覗き込むようなイメージに囚われる。 彼女は無言だった。僕の詞を、待っていた。その為の呼び出しであろうことも薄々察知していたから、まるで予想外ということもなかった。 これは彼女が、どんな心境でかは分からない――この時間軸の僕にくれた、文字通り最後の機会なのだろう。だから。   ...
  • 一途な愛情
    この頃、彼がおかしい。 いつも涼宮ハルヒの横に居て、笑顔を絶やさない。 今までのようにわたしや朝比奈みくるに自分から話しかけることもなく、ただ涼宮ハルヒの側にいる。 ……どうして? その笑顔の向く先がわたしではないの? ……どうして? 『また、図書館に』と伝えた約束は忘れたの? 探索の時だって、とても分かりやすいインチキで涼宮ハルヒとずっと一緒。 一度読んだ本を読み返すしかなくなった。何故なら、図書館に行くことがなくなったから。 彼はもう、一緒にいることもしてくれない。かまってくれない。 …………どうして?   わたしは今日も部室で本を読んでいる。もちろん、一度読んだ本を。 「あれ?まだ長門だけか」 彼が入ってくる。隣りに涼宮ハルヒの姿はない。 「ハルヒの奴、岡部に呼び出しくらってさ。まったく……バカだよな、はははっ」 ようやく彼が話しかけてきてくれたと思ったら、また涼宮ハルヒの話。 その...
  • 涼宮ハルヒの異変 下
    魔の坂道を根性で登りきり、やっと教室に到着した。 あの朝のハイキングコースはいい加減やめて欲しい。 俺は鞄を自分の机に下ろすと、ちらりと後ろの席を見た。 ハルヒはまだ来ていないようだ。   しばらく待っていたが、ハルヒは一向に姿を見せない。 どうしたんだろうか?まさか欠席か? 「よーし、じゃあホームルーム始めるぞー。」 岡部が教室のドアを開けて入ってきた。 ハルヒは結局今日は欠席か、とか思っていると、 なんと、ハルヒが岡部の後ろから付き添うように教室に入ってきたではないか。 なんだ、ハルヒ。また何かやらかしたのか? ハルヒは若干俯き気味だ。 ごほん、と岡部がわざとらしい咳払いをする。 「えー、今日は皆に聞いてもらいたいことがある。」 岡部はハルヒに顔を向け、小声で「自分で言うか?」と聞いた。 ハルヒはフルフルと首を横に振る。 岡部はハルヒを少し見つめたあと、また前に顔を向けて、 少し間...
  • 長門有希のコンタクト
    長門がいなくなって数日経ったが気になることがある。 手紙の最後の言葉・・・。”新しいインターフェースとコンタクトをとって”   結果から言えば呆気なくどういうことなのか判明した。   俺にとっていつも通りではない文芸部室で古泉とオセロでやっていた時。 いつも通りの勢いでドアが開いた。   「みんな~!まった~?」 「今日は紹介したい子がいるのよ~!その名は!」 「長門有希でーす!今日転校してきたばかりだけど面白そうだからこの部に入ろうと思ってまーす。」 「古泉君の次にまたもや謎の転校生よ!」   な、長門!?いや、どう考えても違うだろ。見た目はもしかしたら長門かもしれないが。中身がおかしいって。   「あっ、キョンくーん。会いたかった~!」   こ、こら。抱きつくな!   「キョンその娘と知り合いなの?」 「えっと・・・まぁ遠い親戚みたいなのかな・・・。」 「ふーん。」   どうなってんだ...
  • 射手座の日、再び
    1.プロローグ  2月上旬のある日のこと。  それは、SOS団団員にして文芸部長兼コンピ研部長たる長門有希の唐突な宣言から始まった。 「あなたがたに勝負を申し込みたい」  唖然とする俺たちに対して、長門は淡々と説明した。  長門を含むコンピ研 vs 長門を除くSOS団(名誉顧問を加えてもよいとのことだった)。勝負は、去年やった宇宙戦闘ゲーム The Day of Sagittarius 3 を大幅に改良した The Day of Sagittarius 4 で行なわれる。  賭けるものも指定してきた。  コンピ研側が勝った場合には指定する日に一日限定でSOS団団長権限を長門に委譲、SOS団側が勝った場合にはデスクトップパソコンを一台進呈する、とのことだった。  堂々たる果たし状であり、こうまで言われて、ハルヒが応じないはずもない。 「相手が有希だからって、容赦しないわよ!」 「望...
  • 1 結末は空港で
    ...できた。 実際、俺は最後の最後に決断を下すことができなかったではないか。 なのに、苦しみぬいた末に俺を選択してくれたハルヒに対して、俺はいまでもまだプロポーズできないでいる。 そのことを考えると、自分がいかに卑小で、卑怯な人間であるかということを思い知らされた。 すまないハルヒ。長い間待たせてしまって。俺はいま決断を下す。そしてどんな結果になろうともその全てを受け入れる。 俺の手を引いて歩いていたハルヒの手を掴んで立ち止まった。 「どうしたの」 ハルヒが振り返り、怪訝そうに俺に問い掛ける。 俺は無言のまま、ハルヒの腕を引っ張り、身体を引き寄せると、強く抱きしめた。 「キョ、キョン?」 ハルヒは驚いた表情で俺の顔を見上げている。 「ハルヒ、俺はお前のことが好きだ。必ず、必ずお前を幸せにする。だから、だから俺と結婚してくれ」 ようやく、ようやく俺はここまでたどり着くことができた。ハルヒの...
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