涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「橘京子の憤慨 その2」で検索した結果

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  • 橘京子の憤慨
       ※ 橘京子の溜息の続編です     予告 橘京子の憤慨 その1 橘京子の憤慨 その2 橘京子の憤慨 その3
  • 橘京子の憤慨 その2
    ...硬直した。 ※橘京子の憤慨 その3に続く
  • 橘京子の憤慨 その1
    ...比奈さん…… ※橘京子の憤慨 その2に続く
  • 橘京子の憤慨 その3
     地獄の猛火を思わせる、尋常ではなく暑かった夏もようやく落ち着き、虫の声も聞こえ始めてきた――  俺は冒頭でそんなことを言ったかもしれない。だが、今この部屋――和菓子屋の1個室――は、夏の終わりどころか、秋を通り越して真冬……いや、木星の表面温度くらいまでに低下していた。 『…………』  俺と橘は凍り付き、身動き一つも取れず、そして一言も発することができない。  それもそのはず、まさかこんなところに来るとは思わなかった珍客――佐々木が現れたのだから。 「こんなところで何をしているんだい?いや、それは愚問だったかな。ここは所謂和菓子屋だ。販売業者や原材料の卸業者ではない、一般的市民が和菓子屋に行く事由なんて言うのは、非常時でもない限り大概決まっている。即ち、その店のお菓子を購買するために他ならない」 『…………』  俺並びに橘、再び沈黙。静かに佐々木の言葉に耳を傾ける……ってす...
  • 長編・その他3
    SOS団お天気シリーズ 国木田の・・・ 涼宮ハルヒのストリートファイター 梅雨空に舞う雪 本名不詳な彼ら in 甘味処 沈黙の日 国木田の憂鬱 原付免許 クロトス星域会戦記(銀河英雄伝説クロスオーバー) 分裂、或いはSのモノドラマ(佐々木×キョン) セーラー服とメイドさん ユ・ビ・レ・ス Missing you関連 涼宮ハルヒの奇妙な冒険 ドラえもんとハルヒの鏡面世界(仮) (ハルヒ×ドラえもん) Macross Cross (MacrossF x 涼宮ハルヒ) 宇宙人は情報羊の夢を見るか? プロローグ ピノキオ 月の微笑シリーズ(佐々木×キョン) ランキング by.キョン(佐々木視点、オール物) お隣さんはすごいヒト 空と君とのあいだには 消失異聞 切り札と悪魔 谷口のTOT団 涼宮ハルヒの誰時 朝倉ルート 雷の夜のこと Live A Cat~シャミセンさんシリーズ~ 台風一過のハレの日...
  • 橘京子の憂鬱(エピローグ)
     全員が全員、何かをやり遂げたかのようにスッキリ爽やかな気分になった四月初旬の午後。  これから始まるであろうキャンパスライフに期待を膨らませているのか、或いはSOS団の新天地に希望を託しているのか。  個々のフィーリングはこれ以上ないくらいハッピーで、閉鎖空間の頻発で病んでた心も落ち着きを取り戻し。  宇宙人未来人為世界人超能力者、そしてただの人間も全員巻き込んで大円団を迎え――ようとした、その時。  事件の元凶は、もの凄く意外な方面から走ってやってきた。 「おや、皆さんおそろいで。どうしたんですか?」  突然聞こえてきた声に、俺たちは一斉に振り向いた。 「誰? あんた」  ぶっきらぼうなハルヒの声に、 「ぱ、パパっ!」  橘の声が入り混じった。 「ああ、これは申し遅れました。私は橘京子の父親です。娘がいつもお世話になっております」  ああ、どうもと頭を垂れる一同。彼とは初めて顔を合...
  • 涼宮ハルヒの抹消 第六章
     月曜の朝はいつにも増してうだるい朝だった。俺は基本的に冬より夏のほうが好みの人間だが、こんなじめじめした日本の夏となると、どちらが好きか十秒程度考え直す可能性も否定できないくらいに微妙である。途中で出くわした谷口や国木田とともにハイキングコースを登頂したが、校門に辿り着く頃にはシャツが既に汗ばんでいた。ハルヒの判断は懸命である。長門がいない上にこの暑さでは、映画撮影などやってられん。  二年の教室に入って自分の席に着くと、後ろでスタンバっていたハルヒが肩を叩いてきた。 「ねえキョン、夏休みにやらなきゃいけないことって何だと思う?」 「ああ、そういや、もうそんな季節だな。俺にとってはどーでもいいことだけどよ」 「何よそれ」 「失言だ。忘れてくれ。それで何だって?」  俺は教室内を見回しながら訊いた。今日もとりあえず危険人物はいないが、このままいったら夏休み中の俺はブルー一色に染まる...
  • Killing me
    僕は愕然としました。 「森さん・・・?今なんと」 「言ったとおりよ。古泉」 「いや、その作戦は・・・あまりにも」 「もう一度言う。橘京子らが所属する機関Bの人間を全て抹殺する事に決めた。」 「な、何故急に?」 「先日の機関の上層部の会議で決めた。機関Bは驚くべき速度で拡大している。」 「ですが、そんなことをして警察が黙っているわけは無いと思いますが」 「警察とはもう話がついてる」 「そんな・・・」 僕は彼女の笑顔を思い浮かべた。 彼女を殺すなんて無理だ。僕には出来ない   ―――――――   僕はあの日死ぬはずでした。 SOS団が解散して急に閉鎖空間と神人の発生が増加してから、数ヶ月が立ち夏休みもそろそろ終わる頃でした。僕は精神的にも肉体的にも限界でした。彼女や他のみんなと同じように、SOS団がなくなって日常に酷く退屈を感じていた僕は、精神的に参っていました。それでも閉鎖空間の発生は止まず...
  • 橘京子の分裂(前編)
    「どうしたのよ、キョン。窮鼠猫を噛むをリアルタイムで見たような顔しちゃって」  どちらかというと豚もおだてりゃ木に登るを見た、って言う方が今の俺の心境に適っているな。  ……などと心の中のどこか冷静な部分が眼下に広がるそいつに対してツッコミ返そうとしていた。人間、非常識にも度が過ぎると呆れかえって何も言い返せなくなると言うが、恐らくその類であろう。 「ったく、あんたも相当おかしいわね。一回精神科医に頭の中を見てもらった方が良いわ」  Sure, That s good idea, I think so, too……  うん、大っ嫌いな英語で返答できる。むしろ頭の中は正常だ。だから言ってやる。 「橘。お前こんなところで何をやっている?」 「はあ?」 「お前はこの学校の生徒じゃないだろ?」 「キョン、からかってるの?」  口を曲げて橘は言った。本物のハルヒがそうするかのように。 「からかって...
  • 涼宮ハルヒの抹消 第五章
     引き続き、市内パトロール後半戦である。 「どこに行きましょうかね」  俺と朝比奈さんはファーストフードを出た後、どこへともなく歩を進めている。はたから見ればじらしい男女カップルのはずであり、まさか夢世界の存在を探してさまよい歩いているとはそれこそ夢にも思わないだろう。 「そうですねえ。お買い物は午前中に古泉くんとしちゃいましたしねえ」  古泉で思い出した。 「そういえば古泉は何か言ってましたかね。あいつに昨日生徒会室で見つけたメッセージのコピーを渡したんですけど」 「いろいろ訊かれましたよ。昨日の学校の様子とか、未来がどうなっているかについても。未来のほうは解りませんとしか答えられなかったけど。まだねじれが元に戻る気配がまったくなくて先が見渡せないんです」  そりゃ、長門が戻ってこない限り時空間のねじれも収まることはないだろう。というより、戻ってもらっては困る。そ...
  • 涼宮ハルヒの抹消
     中国の故事だか何に由来するのかは知らないが、俺は光陰矢のごとしなる言葉がこの世にあることを知っている。  意味は、時間は矢のように早く過ぎるとかそんな感じだったように記憶している。  あいにく俺は古代日本語が苦手であり、ついでに古代中国に何があったのかも知らないものだから、光陰って何だ? とか訊くのはよしてくれ。  長門に訊けば由来から実体験ぐらいさせてもらえるのかもしれんが、今はやりたい気分ではないのでやめておく。そのうち気が向いたら辞書で調べるさ。    それはそうと、今は六月である。  去年の今頃というと、それはおそらく俺が白昼夢以上に夢っぽい空間からハルヒと一緒に生還した一週間後くらいであり、それと同時にまさしく悪夢だった中間試験が終了した頃だろうと思う。  それから我ながら大声で笑いたくなるような試験の結果が告知されるとともにハルヒによって草野球大会への出場が告知された...
  • 周防九曜の溜息
    ※橘京子の溜息シリーズのおまけ話です    長らく沈黙を保っていた太平洋高気圧もその重い腰をようやく上げ、北から押し寄せて来る高気圧との接戦に備えて湿気を日本中にばら撒いている今日この頃。  六月の終盤からしとしと降る雨は決して強いものではないものの、何日も何日も降り注ぐものだから結果としてかなりの降水量をもたらしている。  気温が高く飽和水蒸気量が上がるっているにも関わらず湿度もそれに比例して上昇の一途を辿るものだから、汗は表皮で気液平衡となり潜熱を奪って気化しようとはせず、それどころか空気中の水分すら凝集して汗と交わっていそうな感覚が支配する。  何が言いたいのかと言うと、汗をかくだけで全く涼しくならいんだ。  じめじめむしむし。  誰が考えたのかは知らないが。的を射た表現である。    こんな天気だと言うのにハルヒのパワーは留まること知らず、年中照りつける真夏の太陽の如く俺達を...
  • 橘京子の消失(中編)
     波乱に満ちた高校生活を送っている人は数少なくないと思われるのだが、それでも一年生の春を3回も経験した人は留年あるいは再度高校に入学し直した人を除いては滅多にいないだろう。  しかも同じ高校の入学式を3回を経験したとなると、それこそ作り話ですら疑わしい。  だが。  厳密に同じ世界とは言えないとは言え、それをやってのけた人物がいた。  実と言うとそれは俺だ。  どうしてタイムローテーションのような真似事をする羽目になってしまったかと言うと、非常に複雑且つ怪奇な理由と成り行きがあったりするのだが、そこんところの部分は思いっきり省略して簡単に説明しよう。  時空の狭間に迷い込んだ橘京子を救出するためだ。  時は四月の末。  3回目の入学式やホームルームを無事に終了させた俺達はその後特に目立った行動をするでもなく連々と時を重ね、一ヶ月近くが過ぎようとしていた。今週学校に通った後は、長期連休...
  • 涼宮ハルヒの抹消 第七章
     火曜日、朝。  ただの夢なのかそれとも悪夢なのか、そもそもこれは夜に見ているものなのだろうか、もしかしたら白昼夢のただ中にいるのではという感じの夢を見たあげく、妹の容赦ない目覚まし攻撃で俺はどうやらあれは夢であり、こっちが現実らしいという自覚を得た。内容は気持ちのよろしくない夢を見たという輪郭程度しか残っていないが、こちらで目覚めても俺はまだ夢の中にいるような気分だった。    朝食を喰って鞄をひっさげ家を出て、北高に続く地獄坂を登る俺の足取りは、ここ一年で最悪級の重さだった。どうせなら今日一日くらい仮病を使いたかったのだが、考えてみれば仮病は先週の金曜日に強行したばかりであるのでそうも言っていられず、俺はせめて不快感と疲労感を顔の全面に押し出して山登り集団に混ざった。    さて、学校に到着して最初に向かったところと言えば部室棟に他ならない。どうせ受け入れなければならん事実は早々に...
  • Project512_Part8
     Project512_Part8-もくじ- Part1Part2Part3Part4Part5Part 6Part7 Part9 Part10 Part11 Part12 Part13 Part14   キョン「あー、何故か今回収録分はハジケたネタが多々含まれているので、 覚悟して見てくれ」   ハルヒ「ちょっとキョン!なにエロサイトの免責事項みたいな事言ってんのよ!  平安時代からあるちゃんとした日本語だから問題ないわ!」   佐々木「ふーむ、学問的に研究してみても面白い話題かもしれないね。  ちなみに漫画家でこんな人がいるよ、参考になるかな?」   ──おしながき──   【中西貴子劇場!】ENOZ注意!   【チャック・佐々木と結婚できる?】オチなし注意!   【チャック・涼宮ハルヒが《禁則事項》できる】とりあえずR15とか書いとく。   【くに☆きだ】 (チャック・国木田がいじめ...
  • 涼宮ハルヒの感染 4.窮地
    4.窮地  ハルヒが倒れてから6日が経った。 長門によると、決戦は明日の13時前後らしい。 「13時5分の前後10分間」 これが長門の予測だった。長門には本当に頭が上がらないな。 これが終わったら図書館&古本屋ツアーだ。ハルヒに文句は言わせん。  明日にはハルヒに会える。  俺はそう思っていた。  世の中上手く行かないもんだ。 いや、俺がこいつらの存在を忘れていたのが悪いのかもな。  今、俺の目の前で、朝比奈さん(みちる)誘拐犯、橘京子が微笑んでいる。 「ああ、早く病院行かなきゃならんな」 とりあえず何も見なかったことにしよう。 「んもうっ、待ってくださいよ!」 何か言ってるな。聞こえん。 「涼宮さんのことですよ!」 「……ハルヒだと?」 佐々木じゃないのか。 「ふぅ、やっと止まってくれた」 足を止めて橘を見る。正直、関わりたくはない相手だ。 ハルヒは大丈夫だ、明日には目覚め...
  • 橘京子の憂鬱(後編)
     ”――橘京子とは?”  それは、涼宮ハルヒに備わった力――自分が願ったことを実現・具現させる力――を、本来の持ち主である佐々木に還元し、そして彼女に帰結しようと企む『組織』の一員にして、一介の少女。  愛嬌のある、かつ幼げの残る顔立ちとは裏腹に、『組織』内での地位はかなりのもの。  事実、朝比奈さんをかっさらったあの一件では自分よりも年上の男共に指令を下していたし、『機関』の一員である古泉――言い換えれば敵対勢力――に近しい俺に対し、しれっと協力要請をしたのも、それなりの力を見込んでのことだと思う。  そう言った意味では、下働きばかりが目立つ『機関』の若手構成員、古泉一樹よりかは格が上なのかもしれない。  ”――彼女の目的は?”  先にも言った通り、ハルヒに宿っている力を佐々木に移すこと。彼女ら『組織』は、その方が安全だと主張する。  彼女の主張はこう。 『ややもすれば世界をへんて...
  • 涼宮ハルヒ挙国一致内閣
    涼宮ハルヒ挙国一致内閣   国務大臣(敬称略)  内閣総理大臣 涼宮ハルヒ  内閣官房長官 古泉一樹  総務大臣 国木田  法務大臣 新川(内閣法制局長官兼務)  外務大臣兼沖縄及び北方対策担当大臣 喜緑江美里  財務大臣兼金融担当大臣 佐々木(内閣総理大臣臨時代理予定者第一位)  文部科学大臣 周防九曜  厚生労働大臣 朝比奈みくる  農林水産大臣 会長  経済産業大臣 鶴屋  国土交通大臣 藤原  環境大臣 谷口  防衛大臣 長門有希  国家公安委員会委員長 森園生   国務大臣以外の主な役職(敬称略)  内閣官房副長官(政務) 橘京子  内閣情報官兼内閣危機管理監兼内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当) 朝倉涼子  内閣広報官 妹  内閣広報室企画官 吉村美代子  内閣総理大臣秘書官(政務担当) 俺        ああ、なんというか、呉越同舟という言葉がぴったりな状況に陥ってしま...
  • 柑橘空にレモンのあわを
     旨そうだと言われればそう見えなくもない、歩みを止めて青へと移り変わるのを待ってしまいかねない原色を放ったそれを笑顔で咀嚼し続ける目の前のカラーコーディネーターに向かって、俺は折衷案を投げ掛けた。 「とにかくだ。お前の料理があらん限りの試行錯誤の末に生み出されたシロモノだということは解った。それは素直に評価したい」  そう切り出した俺の顔色を尻目に、なおも咀嚼を続けている自称料理の鉄人。判定をフランス語で行えと言わんばかりに、その丸い瞳に僅かな鋭さを乗せつつ口を開く。 「あら、不満足だった? あたしには充分美味しいんですけど」  などと嫌味を吐きながら舌づつみを打っているこいつとは裏腹に、俺の真っ赤な顔はもはや戦隊ヒーローのリーダーさながらである。なんせ素顔が赤いんだから変身の必要すら無い。  かと言ってビームも出ないし合体もしないし、怪人はおろかそこらのノラ猫にだって勝てるかどうか...
  • 橘京子の憤慨(予告)
     こんにちはみなさん。お久し振りです。あたしは元気です。みなさんはどうですか?  ……え?お前は誰だですって!?んん……!もうっ!  あたしですよ。あ・た・し。橘京子です。  そう、佐々木さんのためならたとえ火の中水の中。閉鎖空間の醜い神人を退治てみよう。きょこたろう……いえ、なんでもありません。  あたしは前回の騒動で佐々木さんの閉鎖空間に発生し始めた神人達をやっつける事ができる能力を身に着けました。その能力が買われて、あたしは『神人迎撃部隊本部長』という、組織の中でもとっても偉い役に昇進したんです。エッヘン。  それに佐々木さんの『鍵』となる存在――キョン君と呼ばれる彼とも親しくなり、組織の人間はあたしの言動においそれと反抗できなくなっちゃいました。ヘヘーン。  ん?佐々木さんに神人が発生したのはお前のせいじゃないかって?そ、それは気のせいです!あれは涼宮さんの影響ですから!それ...
  • 朝倉涼子の軌跡 断章『心、通わせて』
     謎の少女――橘京子の襲撃から二週間が経ったが、あれから命に障る事件は起きなかっ た。一方、不可思議な現象等は、端に涼宮の精神状態が安定している為か、はたまたその 力の発生自体が稀有な為か、涼宮は垣間見せる事は無かった。 だが、古泉曰く。 「涼宮さんは発言や行動こそ奇天烈ですが、彼女が悪戯に世界の秩序や構成を乱さないの は、彼女が現実と空想の類の境界線を明瞭に把握し、理解しているからですよ。でなけれ ば、今頃世界は酷い有り様になっているはずです」 などと、豪語したからであり、しかし信憑性の薄い話でもあった。贔屓目で見ても、あ いつ――涼宮が人格者であるとはとても思えない。しかし、涼宮の精神や心理と少なから ずともリンク出来ると言っていた能力者である古泉が言うのであれば、あながち間違いで はないのかもしれない。現に涼宮は悪戯に世界の法則を覆す事象は起こさなかったが、相 変わらず閉鎖空間は発生...
  • 橘京子の陰謀(プロローグ)
     明けましておめでとうございますというのは年を重ねて朽ちていくだけの人間にとって何がおめでたいのやらさっぱり理解不能であるし、高校生である俺にとっては受験という嘆きの壁が刻一刻と迫ってくる一里塚のようなもんだ。  高校生活もはや半分以上が過ぎたある冬の出来事である。俺は毎週恒例の団活である、市内不思議探索パトロールにいつも通り参加していた。  勿論俺だけじゃない。団長こと涼宮ハルヒ以下、団員全員の参加である。  さて、ここで少し疑問に思う人がいるかもしれない。俺は団員全員が参加していると言った。高校二年生である俺達はともかく、高校三年生……言い換えれば、受験生でもある朝比奈さんが、何故今日このタイミングで参加できるのだろうか?  この疑問はもっともである。ハルヒが時節に関係なく招集をかけたからといってしまえばそれまでだが、実際にそうは言っても、入試試験前に部活に参加する高校生など皆無...
  • 失って気づく幸せ(後編)
    「キョン、話の途中で居眠りするなんて、君は失礼だと思わないのかい」 目を開けると、俺はいつもSOS団のメンバーが集う喫茶店の一席に座っていた。そして目の前には佐々木がいた。 唖然としてあたりを見回す俺を、佐々木は怪訝そうな目で見つめている。 「どうしたんだい、キョン。悪夢でも見たのかい。もしそうなら僕に話してくれないか。夢からその人の心理がわかるらしい。僕は君のことをもっとよく知りたいと思っているからね」 まるで当然のことのように、ごく自然に話し掛けてくる佐々木に、俺はいま自分の持っている疑問をぶつけた。 「佐々木、ここはいったいどこなんだ。いや、それ以前に、なんでお前がここにいるんだ。いまはいったい何時だ。なにより俺はどうしてこんなところにいるんだ」 混乱して何を聞けばよいのかわからない。とりあえず、頭に浮かんだ疑問を片っ端から佐々木に尋ねた。 佐々木はそんな俺を見て、最初はキョトンと...
  • 橘京子の――(後編)
     なお、橘の記憶についてだが、なんのかんのあって元の記憶を取り戻すことができた。  といっても、彼女自身が全てを思い出したわけじゃない。それどころか彼女自身どうしてよいか分からない状態だった。もちろん俺の力ではどうする事も出来ず、お手上げ。  こうなっては誰かの手を借りて修復するしかない。誰の手を借りるかといえば――お分かりの通り、超絶万能スキル文芸部長、長門有希の力によるものである。  しかし、その長門も当初「許可が下りない」との理由で橘の脳内情報操作を施すことが出来なかった。曰く『涼宮ハルヒに関わる全ての人間に対しては原則観察のみ行う。それ以上の行動は禁止されている』とのことである。  だが、何とかして情報を蘇らせたかった俺は長門に懇願し、三秒ほど俺の顔を眺めつづけた結果、首を縦に振ってくれたのだ。  とは言え、ヒトの記憶を操作することが出来ない以上、別の方法で記憶を蘇らせるしかな...
  • 橘京子の陰謀(合宿一日目)
    「はあ……」  ――バタンッ――  帰宅するや否や、抱擁するかのごとくベッドに吸い込まれた。理由は簡単だ。めっちゃ疲れたからである。 あの後、橘京子も何故か市内探索に参加する事になった。理由はハルヒ曰く、『変なものが寄せられつけるかもしれないしね。ほらよく言うじゃない、類は友を呼ぶって』って事らしい。なるほど納得。その意見に橘は『ちょっとひどいじゃないですか!あたしはゴキブリほいほいですか!』等と叫んでいたが、突っ込むところが間違っていると思うのは俺だけではないと思う。それとも自分が変なキャラだって言うのを自覚しているのだろうか?  まあ、不思議探索に橘を参加させるだけならまだいい。いや、結果的には良くなかったんだが、それ以上何事も無く慎ましく事を運んでくれたらそれでいいのだ。だが橘の存在そのものが大問題だったんだろうな、あれは……  スマン、つい愚痴ってしまった。本筋に話を戻そう。...
  • 涼宮ハルヒの共学 2
    その2 俺とハルヒの前に姿を現したのは佐々木だった ニッコリ微笑みながら、静かに歩いてきた おい佐々木 お前がこの閉鎖空間を作り出したのか? 「僕は閉鎖空間とは呼ばないがね。君がそう呼びたいのなら否定するつもりはない」 お前が作った閉鎖空間の中にどうやって自分が入れるんだ? 「はっはっはっ  キョン、君は何でも自分を中心に考えてはだめだよ  僕もあれからいろいろ話を聞いて、それなりに勉強したんだ  君たちの事も、僕の事も、そして橘さんや藤原さん、周防さんの事もな  僕と涼宮さんがあそこから飛ばされたのにもきっと理由があると思う  涼宮さんをあの中に入れない方がいいのなら、それができるのはおそらく僕だけだろうからね」 俺は無意識にハルヒをかばうように立っていたが、俺の腕のすり抜けてハルヒがわめいた 「ちょっとあんた、これは...
  • 幻惑小説 第五頁
      ◇◇◇◇◇    この小説との出会いは、近くの図書館で在った。  ………  ……  …      あまり踏み入れなかった奥の本棚までその日は見て、一番奥にポツンとひとつだけ置いてあった本は表紙も背表紙も何も描かれていなく、それもかなり分厚い。それが、この小説だった。  わたしが手に取るというよりは、小説のほうから吸い付いてきたように本を掴んで、そのまま図書館の受付で手続きをする。  大事に両腕で本を抱えて帰り、その夜わたしは洗脳されたかのように、黙々とそれを読み続けた。大きな期待感を膨らませて。   ********************************************************************************************************************************    これは実話をもとにした...
  • ホースで保ー守(橘キョン)
    朝、俺は目を覚ますと隣に寝ている京子の姿を確認し短い口付けを交わしベッドから降りた。 連日の仕事疲れから久しぶりの休日である今日はまだ寝ていようとも思った。 でも、朝の日差しを浴びるのも健康的だろ? そう思い立った俺は早速庭へ出てみることにした。 京子にはもう暫くばかり休んでいてもらおう。 「ああ、くそっ」 めちゃめちゃ気持ち良いじゃねえか。この気持ち良さは癖になるぜ。今は夏であり少々暑いがな。 庭を眺めてみる。すると京子の家庭菜園が目に入った 「たまには俺が水やりでもしてやるか…」 なんて誰にも聞こえない一人言をもらしてみるが正直虚しい。 ホースを手に取り蛇口を捻ろうかとしたその時に階段をドタドタと降りてくる音が聞こえたのでその相手を出迎えることにした。 「んんっ……!もうっ!どうしてわたしより先に起きるのですか!あなたの寝顔を見るのが密かな楽しみなんです!」 「すまんな。今朝は俺が京...
  • 橘京子の消失(プロローグ)
     年始。  受験生にとってはこれほど厄介なものは無く、刻一刻と近づいてくる試験の恐怖に怯えながら、その不安を解消するかのごとく勉強に明け暮れる毎日であり、光陰矢の如く過ぎ去って欲しい時間の5指に上げられるといっても過言ではない。  何の能力もない一般人たる俺にとって、この持論は寸分どころかマイクロメートルの精度をもってしても違わず、恐怖に怯えながら様々な色のついたノートに目を釘付けにしている。  例え滑り止めの試験でも緊張するのは仕方の無いことであろうし、本命ならばなおのこと血管がはちきれそうになるほど心臓が高速運転をするんじゃないかと思うね。  ……おいおい、試験までまだ何日かあるんだ。今からそんなに緊張してどうするんだ。少し頭を冷やしたほうがいいな。水でもかぶってくるか……って、風邪を引いたらそれこそどうしようもない。  こう言うときは気晴らしに何か考えたほうがいい。これから送...
  • 橘京子の分裂(中編)
    「どうしたんですかキョンくん。キツネにつままれたタヌキみたいにぽかんとしちゃって」  だから豚もおだてりゃ木に登るを目の当たりにしたって言うほうが今の心境にドンピシャだって言ったろうが。  似たような会話をここ最近した気がする。と言うか昨日だ。あの時はあの時で驚いたが、今回も負けちゃいない。大統領候補選出のために躍起になる候補者同士のナンセンスな闘争にも匹敵する。 「ほんと、昨日から変ですよ。やっぱり精神科の病院にいった方がいいのです」  昨日はここで英語で答えた気がする。今日は何語がいいんだ? フランス語? ドイツ語? 奇を衒ってサンスクリット語やエスペラント語なんかで話した日にゃ驚くだろう。目の色変えて俺のネクタイをゆする橘(ハルヒ)の顔が目に浮かぶ。  だが生憎の勉強不足のためそのどの言語も未修得で話すことができないんだ。期待にこたえられなくて申し訳ない。  ――んなことはどうで...
  • 涼宮ハルヒの団結 第二章
         そんな感慨を抱きつつ、放課後、文芸部室。  今週の頭に生徒会から突如として課せられた、というかハルヒが課したポエム創作に紛糾していたSOS団員であったが、本日その内の二人の悲鳴は安堵の溜息となって開放された。   一人はもちろんであろう古泉だ。  そして残す一人は長門……ではなく、朝比奈さんである。  それぞれの詩を端的に紹介すると、古泉のはこいつが超能力者になる以前、自分の胸に秘めていた世界に対する本音を夢見がちな視点から書き綴ったもので、つまり少年の頃に密かに抱いていた願望をポエムにしたものだった。  朝比奈さんのはテーマが未来予想なものであるにも関わらずほとんど創世記のような内容で、後半に少しだけ未来の世界像が抽象的に書かれているという感じであった。俺の読解によるところでは、本来人間は諸々の管理や調整を行うために生まれており、未来では自然と人間の調和が実現するといった隠...
  • 橘京子の暴走(前編)
     月日は百代の過客だとか行き交う年も旅人だとか、昔の偉人は大凡偉そうな物腰でネット世代で言うブログを自由気儘に書き綴ったり自由奔放な一人旅を満喫していたりするのだが、その心情は一介の高校生である俺にとってはナンセンスなものであろう。  月日や年のように毎回サプライズイベントを引き起こすこともなく、ただ連々と時間だけを費やすのであれば俺に取ってこれ以上心休まる時間はないと言っても言い過ぎではないと心の中の胸三寸に収まっている。  この二年半の間――言い換えればこの高校生活の間、俺が旅人として出会った人間は十中八九まともな人間ではないことが判明し、そしてそいつらのために俺の旅先は虚数軸方向の干渉がかかったかの如く無理矢理ひんまげられていった。  俺の人生を常時サプライズ人生へと変えてしまった原因。今となっては明朗になっている。  暴虐無人で唯我独尊、ゴ-マイウェイが信条の迷惑千万な女子高...
  • 橘京子の陰謀(合宿三日目)
        「ひどいじゃないですかぁ!!」 「うをわっ!!」  草木も眠る丑三つ時……って、少し表現が古風過ぎることもあるかもしれないが、気にしないでくれたまえ。  つまり、辺りは真っ暗、深夜の出来ごとである。  本日……いや、もう昨日か……の練習でクタクタになった俺は、ペンションに戻ってゆったりと休み、温泉で体をほぐし、疲労回復効果とスタミナが満点の夕食を食べ、皆との楽しいゲームもそこそこに切り上げ、就寝についたのだ。  慣れない運動は不必要な筋肉を過度に行使するため、筋肉痛による痛みと倦怠感が毛細血管の末端まで行き届いていた俺は、ものの数秒で意識が墜ちた。  心地よい睡眠が俺を包み込み、そのまま次の日の朝を迎える――はずだったのだが、橘の悲壮なまでの叫び声がそれを妨げた。  橘は全身雪だらけで、顔は霜焼けになったみたいに赤く腫れ、ガタガタ震えていた。  自慢のツインテールはバサバサにな...
  • 涼宮ハルヒの抹消 第八章
     部室まで戻ったところで橘京子に、ここに超空間が発生していますと説明された。俺がそうかと適当に答えると橘京子は意外そうな顔をしたが、やがて黙ってドアノブに手をかけた。  感触を確かめるように少し回してから、後ろの俺を振り返る。 「では、少しの間目をつむっていて下さい。超空間に入ります」  俺が指示されたとおり目を閉じると、橘京子が俺の手を握った。ほのかな体温が伝わってくる。  その手に引かれて俺は一歩を踏み出した。痛くもかゆくもない。普通にドアを開ける効果音がして、そのまま部室に入っただけに思えたが――。 「これはこれは」  古泉の声で俺は目を開けた。握っていたはずの橘京子の手がいつの間にかなくなっていた。  俺が視線を自分の手から上昇させていくと、そこはただの部室でなかった。ああ、とか何とか声を洩らしたね。見たことのある光景だったからだ。  部屋の中のすべてが、クリーム...
  • 橘京子の暴走(後編)
    「いったーい!! 何するんですかぁ!!」  聞きたいのはこっちだ! 何やってるんだお前わぁここでぇ!! 「見て分からないですか? 高校の進路相談会のパーソナリティですよ」  そうじゃなくて何でお前が……いや、やめた。理由を聞いたところで俺のメリットになるモンは何もないし。大人しく流そう。そうだ、それがいい。 「えー。そんな事言わずに聞いて下さいよ。減るもんじゃないんだし。実はですね、組織が壊滅の危機に立たされてお給金すら配給の目処が立たなくなって、だからこうしてアウトソーシング的な仕事もこなさないとあたしのバイト代が……」  嫌だぁぁぁ! 聞きたくないぃぃー!! 「そんな我が儘許しません! これもそれもみんなキョンくんのせいですからね! いわゆる一つの『責任、取って下さい』ってやつですからよろしく!」  よろしくされる筋合いはねぇ! 全部お前が悪いんだろうが!! 「えー、だって……」 「...
  • 藤原くんの溜息
    ※周防九曜の溜息の続編っぽい話です      三年前の今頃。木枯らし吹き荒ぶ寒の候、暦の上の春とははやり旧暦に則った季節であると感じた二月の上旬。 三保の松原に降り立った天女の如き麗姿なお方が、あろうことか双子になるという至福且つ至高を感じ、しかし同時に発生した不謹慎且つ憤懣な事件によって地獄の底に突き落とされるという表裏一体の出来事があった。 言うまでもない。波瀾に満ち溢れた俺の高校生活の中でも三指に入るほど腹立たしいであろう彼の事件、『朝比奈みちる誘拐事件』である。 羽衣だけならばともかく本人そのものを奪い取るあの所業には、流石の俺も怒ゲージMAX230パーセントを32個分くらい溜め込んでもなお余りあるほどの怒りが込み上げてきたってもんだ。 その後も時々夢に出ては胸糞悪い目覚めで幾度となく学校をサボろうと何度思ったことか。もちろん、実際にはサボってなどないがな……。 と、それはと...
  • 橘京子の分裂(プロローグ)
     その身を淡い桃色に染めていた木々は、今は打って変わって鮮やかなディープグリーンで辺りを支配している。枯れた木が寒々しく連なっていた山々も、見違えるほど隆々活々としてこの町に鎮座していた。 「ふう……」 自然界では様々な移り変わりがある一方、しかし俺はいつもと変わらず早朝ハイキングに精を出していた。そう、今年で3年目となる通学路でのワンシーンである。 しかし、慣れとは怖いものである。入学当初はこの坂を見て、後3年近くもこの坂を上ったり降りたりしなければいけないのかとただひたすら鬱な気分で俺のハートは溢れかえっていたのだが、いつの間にやらそれが苦にはならなくなっているのだから。 それどころかこの坂を上らないと半分寝ている脳が活性化しないらしく、最近では休日にどこかへ遊びに行ったところで、どこか間の抜けた一日を過ごすことになってしまうのである。 おかげでハルヒに何度叱られたことか……これ...
  • 涼宮ハルヒの分裂γ(ガンマ)
    γ-1 「もしもし」 山びこのように返ってきたその声は、ハルヒだった。 ハルヒが殊勝にも、「もしもし」なんていうのは珍しいな。 「あんた、風呂入ってるの?」 「ああ、そうだ。エロい想像なんかすんなよ」 「誰もそんな気色悪いことなんかしないわよ!」 「で、何の用だ?」 「あのさ……」 ハルヒは、ためらうように沈黙した。 いつも一方的に用件を言いつけるハルヒらしからぬ態度だ。 「……明日、暇?」 「ああ、特に何の予定もないが」 「じゃあ、いつものところに、9時に集合! 遅れたら罰金!」 ハルヒは、そう叫ぶと一方的に電話を切った。いつものハルヒだ。 さっきの間はいったいなんだったんだろうな? 俺はそれから2分ほど湯船につかってから、風呂を出た。 γ-2 寝巻きを着て部屋に入り、ベッドの上でシャミセンが枕にしていた携帯電話を取り上げてダイヤルする。 相手が出てくるまで、10秒ほどの時間がた...
  • 永遠を誓うまで(エピローグ)
    その後のことをほんの少しだけ話しておくわ。 あの後、あたしはキョンに「東京の大学に進学したのではなかったのか」とか「いま、ここでいったい何をしているのか」といった疑問をぶつけた。もちろんふたりっきりになった時にだ。 最初、キョンは曖昧に誤魔化そうとしていたが、あたしが詳しく話すように問い詰めると、観念したように、いまの自分の状況を話し始めた。 聞くと、キョンは東京に行った後も、あたしのことが気がかりになり、佐々木さんの知り合いの橘京子という娘に協力してもらって、大学を休学してこちらに戻ってきたということだった。 にもかかわらず、心の踏ん切りが付かずに、あたしの周りをうろうろとしていたというわけだ。 キョンの話を聞いて、あたしは呆れかえってしまった。 何を考えているのかこの男は。折角、帰ってきているのに、目的も果たさず、あたしの周りをうろうろしていたなんて…… だいたい一歩間違えれば犯罪...
  • 涼宮ハルヒの驚愕γ(ガンマ)
    ※注意書き※  涼宮ハルヒの分裂γ(ガンマ) ↑ の続きになります。 「驚愕」のネタバレを含みますのでご注意ください。 γ-7に入る前に、独自の幕間が入ります。       分裂γから驚愕γへの幕間劇──プロローグに代えて 「この件に関する我々の見解は一致すると理解してよいか?」 『だいたい、よい』 「それは天蓋領域も同様か?」 『私の主も同意』 「了解した。この件に関して、私の監視下の組織は解決案をもっている。ただし、一点だけ困難な問題が残っている」 『データを送信して』 「圧縮データを送信した」 『受領……解析中…………その問題は解決可能』 「そうしてもらえるとありがたい」 『了解。そちらは朝比奈みくる?』 「そう」 『こちらは藤原』 「了解した。この件を解決して次の段階に移るまでは、互いに敵対行動は抑止する。それでよいか?」 『よい。ただし、同位体の行動は関知しない』 「それ...
  • Project512_Part4
     Project512_Part4-もくじ- クイックメニュー     ──○<アッーなのです!──   【チャック・橘京子にいじめられる?!】   【チャック・朝倉涼子による禁則事項】   【チャック・キョン妹にいじめられる?!】   【チャック・涼宮ハルヒがPCを破壊される】   【チャック・キョンが暴行される(性的な意味で)】   【チャック・佐々木が○に拉致監禁される】   【チャック・佐々木が夢に出てくる(閉鎖空間Ver.)】   【チャック・橘京子一人旅】   【保守短編・涼宮ハルヒの引越】   【保守短編・アラル、まじめ、ズールーのSSはここまで来なさい!】   #ロンリーバースデー俺。    ・ ・ ・ ・ ・ ・    | i L.i_i_i__l)    | | ゚-゚ノ |  ―――ダレモイナイ    |⊂ !   オドルナラ―...
  • 橘京子の――(前編)
     橘京子。  それは、ありとあらゆる定義法則因律を笑顔で無視し、イッツマイペース・ゴーマイウェイで覇道を突き進む、唯一無二の存在。  彼女の前に秩序はなく、彼女の後にも秩序はない。あるのは、「混沌」の二文字のみ。  全てを無に帰す彼女の言動は、一般的庶民はおろか神とすら崇められる存在からも畏怖の念を以って恐れられていた。  即ち、『空気が読めない子』と。  ……ここで本人がいたら『そんなことありませんっ!』と必死になって否定するのだろうが、逆にあまりにも必死に言い訳するから余計キャラが目立ち、ただの『痛い子』として業界からも認識されるようになるのである。 (俺的注:どこの業界だそれは、ってツッコミはなしだぜ。世の中知らないことが良いことも多分にあるからな)  自業自得とは言え、若干可哀想な気がしないでもない……のだが、俺自身もこれまでに散々苦い汁やら辛い酸やらを舐めさせられっぱなしだった...
  • 北高附属大学入試問題 第一問
    この作品はフィクションであり、問題の選択肢は作者の思想・心情に全く関わりはありません。       「うーん、俺は1だと思うんだがな」 1枚の紙切れを見ながら、俺はそうつぶやいた。 「はあ、あんた何言ってんのよ! 2に決まってるでしょ!! そんなんだからあんたはいつまでたっても赤点ぎりぎりなのよ!」 「わたしも2が最も適切であると考える。加えて言うなら、この選択肢に出てくる”女性”とは、わたしのことであると思われる」 「あ、あの~、わたしも2じゃないかと思うんです。でも…、この選択肢の”女性”っていうのは、長門さんではなくてわたしのことだと……」 ギロリ ハルヒと長門に睨まれ、朝比奈さんは、一瞬身体をビクッとさせた後、俺から目を逸らした。 「まあ、正答は2で間違いないわ。それと、この選択肢に出てくる”女性”は有希やみくるちゃんではないってことは確かね」 ハルヒが得意気にこう宣言する様子を、...
  • 規定事項の子守唄 第七話
    「しかし、これはなかなかすてきな気分ですね」  古泉くんが、額のあたりを片手でおさえていました。 「彼も毎回、このような体験をされていたのでしょうか? 」 「はあ……。どうも、わたしの時間跳躍はそうとうに酔うみたいで。すみません」  わりとおおきめの公園でした。わたしはベンチに腰をかけ、力なくよこたわる古泉くんの頭を、ふともものうえにのせていました。  いわゆる、膝枕という状態でした。  いちおう、古泉くんはキョンくんとはちがい、時間移動で失神することはありませんでした。ただ、かなり気分が悪くなってしまったらしく、足元がふらついてどうしようもなかったのです。  天気がいいので、古泉くんはかなりまぶしそうにしていました。わたしはスカートのポケットからハンカチを取りだして、目のあたりにかけてあげました。 「ありがとうございます、朝比奈さん」  そういって、古泉くんがふうと息をつきました。  ...
  • 驚愕後の断章
    *涼宮ハルヒの驚愕に関する独自の解釈を含みます。     驚愕後の断章   北高文芸部室。  長門有希は、いつもどおり、本を読んでいた。  今日は団活はなく、ここには誰も来ないはずだった。  しかし、それは、突如として姿を現した。光陽園学園の制服に身を包んだ天蓋領域製のインターフェース、パーソナルネーム周防九曜。  あのときは、渡橋ヤスミを名乗る涼宮ハルヒのインターフェースが「病み上がりの長門先輩は休んでいてください」といって、事態が収束するまで閉鎖空間内に入れてくれなかったが、もし入れていれば彼女との戦闘に至っていた可能性は高い。  でも、少なくても今のこの場所においては、彼女は敵性ではない。  SOS団構成員に危害を及ぼすなら戦闘も辞さないつもりではあるが、そうでないならコミュニケーション任務が優先されるべきであった。  天蓋領域と情報統合思念体との間の高度コミュニケーションの中...
  • Project512_Part3
     Project512_Part3-もくじ- Part1はこちら Part2はこちら Part4はこちら Part5はこちら Part6はこちら Part7はこちら Part8はこちら Part9はこちら     ──阪中が主役のSSに挑戦なのね、の巻──     【プロローグ】    【阪中大地に立つ!】 【阪中の孤島症候群】 【阪中の古都珍騒動】  【阪中の退屈】 【阪中の憤慨(偏執者一直線!)】   -特別書き下ろし- 【阪中の紹介(1)】 【阪中の紹介(2)】     #あははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!! ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・            _. ‐   ̄ ヽ、          /           ヽ-、         /     _. -、        ヽ .        / ,.    /    ...
  • 橘京子の驚愕(前編)
     ふう……  はあ…………  へぇぇぇぇ…………  ……あ、どうも。  みなさんこんにちは。橘京子です。皆さんお元気していたでしょうか?  あたしは……ふはぁ……体力的には元気ですが……その、メンタルな部分が……ふうう…………  あたしだって溜息の一つや二つつきたくなるときだってあります。こう見えても繊細なんですから。  だれですか、今……いいえ、何でもないです。言い返す気にもなりません。  あたしがこんなにもナイーブな理由は、吉村美代子さん――通称『ミヨキチ』ちゃんがとっても……いえ。  人のせいにするのはよくないことですが……でもあたしのせいってわけじゃ……彼女は確かに素晴らしいんですが……ううううう……  見ての通り、今日のあたしはあんまりまともな応対が出来ません。だからあたしのミヨキチちゃんとのいきさつについては、あたしがつけている日記から察していただけるとこの上なく嬉しい...
  • 橘京子の――(中編)
     あ、皆さんこんにちは。橘京子です。  ご機嫌いかがでしょうか? あたしはとっても元気です。  ……誰ですか、今「脳天気の間違いじゃないのか」何て言ったのは……んん、もう。  まあ、いいです。それより、今のこの現状、どこかおかしいと思いませんか?  そう、そうなのです。いつもならここでキョンくんが延々と回りくどく経緯を説明した後真相をお伝えするんですよね。  ですが、今回はなし。代わりにあたしが説明しようと思います。  え? 何故かって? だって、前回までの事件、あれが全てじゃないんですもの。  キョンくんったら『事の発端は俺にある』とか『思い出しちまったものはしょうがない』とか思わせぶりな発言をしながら、実際起きたことを全て話してないんですもの。卑怯ですよね。  だから今回、あの時に発生した、全ての経緯を説明したいと思います。  ……本当はあたしも言いたくないんですが、でもこのまま真実...
  • 女、時々酒乱につき
    注意! 未成年者の飲酒は法律で禁じられています。    今日も一日元気が一番、と気合いを入れてSOS団の部室へやってきた俺な訳だが、 どーにもこーにもこの暑さは何だ。ロシアあたりが資源開発目的でシベリアの温度を上げてために、 謎の新兵器で太陽の軌道を数百キロほど例年以上に地球へ接近させているかと被害妄想気味になるほどの猛暑である。 俺の脳もすっかりショート気味なわけだが、授業中に『団扇で仰ぐな、下敷きでやれ!』とか訳のわからんことを言い出す 教師も相当神経回路が焼き切れていると思われる。どっちでもかわらんだろうに。  まあ、猛暑だろうが極寒だろうが予定通りに動きたがるハルヒ団長様が、そんな異常気象現象ごときで SOS団の活動を免除してくれるほど甘い根性なんてしていないから、今日もいつものように部室にGOってことだ。  で、部屋を開けてみると、部室内にはすでに長門と古泉がいた。一体こいつらは...
  • 橘京子の退屈(前編)
    それから数十分後…… 「…………」 「――――」 「…………」 「――――」 「……むにゃ……」 「――――」 「……た、助けて……」 「――――」 「……うわ……捕ま……」 「――いい加減――起きろ――」」 「へぶぅ!!!」  あたしは突然九曜さんに殴られました。しかもグーで。 「何をするんですか九曜さん!」 「暇だ――からといって――時間を――蔑ろに――すべきではない――」 「無駄になんかしてません! あたしは……その……」  徐々に昇りつつある太陽を眺め、ふんっと鼻を鳴らし、気合を一発注入しました。 「今まで別世界の旅人となってアナザーワールドをさまよっていたのです。そして異世界の悪魔に追いかけられていたのです!」  そう、そうなのです。あたしは異世界へと降り立ち、右も左も分からないこの世界を彷徨っていると、突然この世のものとは思えない何か――悪魔が、あたしに襲い掛かってきたので...
  • @wiki全体から「橘京子の憤慨 その2」で調べる

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