涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「涼宮ハルヒのダメ、ゼッタイ 三章」で検索した結果

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  • 涼宮ハルヒのダメ、ゼッタイ 三章
    三章   学校に行くのが憂鬱だ。体中がとてつもなくだるい。 昨日、あれから一晩中泣き明かしたからだろうか。ほっぺただけじゃなくて、 目も相当腫れているんだろうな。   ――返せ!俺の時間を返せ――   昨日は結局、キョンは部室に帰ってくることはなかった。仮に帰って来たら、 今度はあたしが逃げ出していたんだろうけど… キョンの言葉が耳にこだまする。あたしは、あいつを………その………好いていた。 あたしがどんな無理なことを言っても、最終的にはそれに賛成し、協力してくれる。 そんなあいつに、あたしは心の底から信頼していた。   だけど…今はあいつが……とてつもなく怖い……   所詮はご機嫌とり。能力のないあたしなんてもう関係ないってこと? 昨日のあれは三年間のあたしへの、鬱憤だったのかも… 楽しいと思ってたのはあたしだけ?   後ろ向きな考えばかりが浮かぶ。 そんな考えを払拭するために、あたしは...
  • 涼宮ハルヒの交流 第三章
     学校で二人と別れ、そのまま長門の家に着くまで二人とも口を開くことはなかった。    これから俺はどうなるんだろうか。  未来から来たというわけでもないってことは、やはりおかしいのは俺の方なのか。そうなんだろうな。  古泉の言うように俺はハルヒの力によって創られた存在なのだろうか。  だとしたら俺に帰る場所はない?そのうち消えてしまうさだめなのか?そんなのは嫌だ。  仕方ない……なんて簡単には思えない。くそっ、どうすりゃいい。何も出来ないのか?       『涼宮ハルヒの交流』 ―第三章―       「入って」 「ん?ああ」  正面に長門の姿。どうやらいつの間にか長門の家に到着していたようだ。 「あまり焦って考えることはない」  確かにそのとおりなのだろうが。 「すまんな。わかってはいるつもりなんだが」  まぁあんまり暗い顔してたら長門も気分悪いよな。「いい」  それにしてもやっぱり長門...
  • 涼宮ハルヒの終焉 第三章
    三章 7月7日…とうとうこの日が来てしまった。 俺は何の対策も考えていない。 何かいい考えは無いかと考えている間に午前の授業が終わった。 昼飯は一年の時と同様谷口や国木田と食べている。 卵焼きを突いていた谷口がこんなことを言い出した。 「涼宮って去年の7月7日おかしくなかったか?俺学校の帰り道で東中の前通るんだけどさ、 俺去年の七夕の日学校が終わってゲーセンによってから帰ったんだ。たしか8時ごろ、 東中の前を通ったら涼宮が校庭でずっと立ってたんだ、しかも雨が降ってたのに傘もささずに。あれなんか意味あるのか?あいつのやることはやっぱよくわからん。」 「ふ~ん、そうか」俺は平然を装った。なんとなく動揺しているのを見られるのはまずい気がした。 心の中では適当に済ませばいいなんて考えていた俺をもう一人の俺が殴っていた。俗に言う心の中の天使と悪魔と言うやつである。 そして悪魔のほうが天使にぶっ飛...
  • 涼宮ハルヒの終焉
    涼宮ハルヒの終焉 プロローグ 涼宮ハルヒの終焉 第一章 涼宮ハルヒの終焉 第二章 涼宮ハルヒの終焉 第三章 涼宮ハルヒの終焉 第四章 涼宮ハルヒの終焉 第五章 涼宮ハルヒの終焉 第六章 涼宮ハルヒの終焉 第七章 涼宮ハルヒの終焉 第八章 涼宮ハルヒの終焉 最終章
  • 涼宮ハルヒのダメ、ゼッタイ
    ダメ、ゼッタイの注意書き このssは薬物乱用という重いテーマを取り上げています。 また、薬物の怖さを表現するため、薬物の描写を稚拙ながらも リアルに書いたつもりです。 薬物を容認するような内容には絶対にしませんが、 そのような類の話に耐性のない方、トラウマなどがある方には、 読むことはお勧めしません       一章 二章 三章 四章 五章 六章 七章 八章 九章
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ
    目次長門有希の憂鬱Ⅰプロローグ 長門有希の憂鬱Ⅰ一章 長門有希の憂鬱Ⅰ二章 長門有希の憂鬱Ⅰ三章 長門有希の憂鬱Ⅰ四章 長門有希の憂鬱Ⅰおまけ 関連作品(時系列順)長門有希の憂鬱II 長門有希の憂鬱III 涼宮ハルヒの常駐(◆eHA9wZFEww氏による外伝) 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算 元テキスト(AAData形式) 青空文庫版
  • 涼宮ハルヒの本心(一覧)
      涼宮ハルヒの本心   ・第一章    ・第二章   ・第三章  
  • 長門有希の憂鬱II
      長門有希の憂鬱II 目次    長門有希の憂鬱II プロローグ 長門有希の憂鬱II 一章 長門有希の憂鬱II 二章 長門有希の憂鬱II 三章 長門有希の憂鬱II 四章 長門有希の憂鬱II 五章 長門有希の憂鬱II 六章 長門有希の憂鬱II エピローグ 長門有希の憂鬱II 外伝 長門有希の憂鬱II おまけ 未公開シーン(外部リンク)   関連作品(時系列順) 長門有希の憂鬱Ⅰ 長門有希の憂鬱Ⅱ 長門有希の憂鬱III 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算    共著: ◆kisekig7LI ◆nomad3yzec   青空文庫版(携帯電子ブック,PDAブンコビューワルビ対応) 元テキスト(Nami2000データ形式)   Special thanks to どこここ プロローグへ  
  • 遠距離恋愛 第二十二章 ハルヒ
    第二十ニ章 ハルヒ   ビジネスジェット「Tsuruya」号は、滑走路に滑り込んだ。 機体が制止すると共に、お馴染みの黒塗りハイヤーが側にやってきた。 「とうちゃ~~く!さあ、客室の皆さんは、とっとと降りるにょろよ!」 通常の旅客機ならば1時間半は優に掛かる行程を、僅か50分でかっとんで来た「Tsuruya」号の搭乗口に立ちながら、客室乗務員姿の鶴屋さんは俺たちを促す。俺たちはぞろぞろと昇降口から滑走路に降り立ち、黒塗りハイヤーに向かった。だが、その前に。 俺は、昇降口に立ちこちらを見送っている鶴屋さんのところに駆け寄った。 「鶴屋さん?」 「何かなっ?」 「今回はご協力ありがとうございました。このご恩は一生忘れませんから」 「……良いってことさ。こんな事しか、あたしは出来ないからねっ!そんな事改めて言われると照れるっさ!キョン君もこれから頑張ってねっ!あ、それから」 鶴屋さんは、とびっ...
  • 絡まった糸、繋がっている想い 第二章
    *4* ハルヒの調査をしてはや2週間がたっていた。 ハルヒが来なくなってもうすぐで1ヶ月経ってしまう。その間に集まった情報はあまりなかった。 おれはふと、谷口と国木田には聞いていなかったことを思い出した。 「お前ら、ハルヒこと何か知らないか?何でもいい」 「涼宮?」と谷口。弁当をほおばりながらいう。 おれは2人(特に谷口)にはあまり期待していなかったが予想外の情報が入った。 「そういや…この間女の子2人と一緒に帰ってるのを見たぞ」 「! それは本当か?」 「ああ。だから最近は活動してないのかと思ってたんだけどな」 まさか、谷口から重要な情報が入るとは予想外だった。よくやった、谷口。お前のランクを『谷』から『川』にしてやろう。大した意味はないが。 「そういえば僕もみたなあ…涼宮さん」 さすが国木田! なかなかの男だ。 「その…なんて言えばいいんだろ…?ほら、中庭みたいな所あるだろ?...
  • 涼宮ハルヒの終焉 第二章
    第二章 七月に入りやはりハルヒは憂鬱になっていた。今回憂鬱な理由は俺にはわかる。 きっと4年前のことを思い出しているに違いない。 4年前に何があったかというと俺は朝比奈さんに4年前に連れて行かれ幼いハルヒに声をかけ話をした、 それだけならまだしも俺は校庭でハルヒの落書きの手伝いをしたのだ、というか俺が全部やった。今考えると映画作りやらホームページ作りやら何も変わってないじゃないか。 そしてハルヒには正体を黙りジョンスミスと名乗った、そして幼かったハルヒに向かって「世界を大いに盛り上げるジョンスミスをよろしく」と叫んだ。 恐らくはこれが原因で世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団、通称SOS団なんて名称にしてしまったんだろう。 大体、世界を大いに盛り上げる~なんてのは誰が最初に考えたのだろうか。 時系列的に言えば俺がハルヒに「世界を大いに盛り上げるジョンスミスをよろしく」と言ったのが原因だ...
  • 餃子の季節
      餃子の季節 【プロローグ】    西暦2008年X月X日。    この日、世界中を凶報が駆け巡った。   『北京オリンピックにて涼宮ハルヒ、涼宮哈爾濱に敗北す。』    これは中華人民共和国の野望を何者をも妨げ得ないと言う事を意味していた。    後の世に”炎の七日間”と呼ばれる、悪夢の一週間の始まりであった。   ───「我が神、我が神、何故に我を捨てたまいしや」(マルコ15章34節)   挿絵 http //society6.2ch.net/test/read.cgi/gline/1202756066/1 【第一章・中華人民共和国の興亡】   ──翌日、中国軍は世界侵略を開始した。   鈴宮ハルヒ「北米方面軍より報告、アメリカ・カナダの制圧完了しました。」 涼官ハルヒ「欧州方面軍より報告、NATO軍は壊滅しました。」 涼宮八儿匕「台湾方面軍より報告、台北市内でゲリラ部隊が...
  • 涼宮ハルヒの団結 第三章
     言うやいなやテーブルの真ん中に、俺達の目線程の高さでホログラムの正六面体(つまり正確な立方体)が現れた。  大きさは大体谷口の頭位で、『辺』が仄赤い光の『線』によって、『面』は薄いブルーで色付けされていた。  藤原はそれを一瞥もせずに、 「これは縦、横、高さによる三次元の姿だが、現在の世界は、まずこのような次元体系によっては作られていない」 「どういうこった」 「それを今から説明すると言っている」  ペン先を正六面体に向けて 「……次元というものがどのように変貌したのかを、今から九曜の作り出した立方体を用いて説明する。形というのは理論の塊だ。この正六面体の変化は、何が、どうなって、どうなったかを一瞬で表していく。しっかり見ておいて欲しい」  すると正六面体からは赤い『線』が消え、次に『面』が全部下方へと落下し、中に入っていた『光』が拡散した。そして『面』が一枚浮き上がり、立ち上がった姿...
  • 涼宮ハルヒの抹消 第三章
    「あ、キョンくん」  喜緑さん疑惑のある議事録のページをコピーしに走り、会長のところに議事録を返却しに戻り、そこで会長に俺が適当な理由を吐くまで拘束され続け、その足で部室に赴いてもう一度パソコンを起動させてみた。パスワードとあるからにはどこかにロックがかかっているのではと思ったのだが、あいにくどこも普通にデスクトップを表示するだけだった。そんなこんなしているうちに昼休みは終了してしまい、校外に逃亡しようという行為を教師に目撃されないように前後左右を確認の後抜き足差し足で、などとやっていたら脱出がかなり遅くなってしまった。  もちろん靴箱も探してみたが残念なことにラブレターはおろか手紙の類は一切入っていなかった。しかしそれも俺の右手に握られているものを思えばそれほどショックなことでもない。  俺がダッシュで校門を突破すると、朝比奈さんが急斜面の脇に生い茂る木々の隙間からひょっこりと...
  • 涼宮ハルヒの団結 第十三章
     そして公園へと戻った俺は、別れ際の朝比奈さんの言葉を思い出して切ない気持ちを抱いていた。  ……いつかまた会えるといいな。あさく――、 「あ、先輩おかえりなさいっ。朝倉って人はどうでした? フフ、ちゃんとガツンとかましてきましたよね? 先輩を傷つけるような悪い人は……って、」  俺が唖然とした表情を貼り付けているのを見た朝比奈みゆきはポカンと、 「どうしたんですか? 呆けた顔しちゃってますよ?」  ……涙が出そうになった。  なぜ今まで気がつかなかったのか。そうだよ。この声と、この髪の色は――。 「――いや、朝倉は悪い奴なんかじゃなかったよ。とても人思いの奴で、良い奴だった。……ホントに、ありがとうな」 「ほえ?」キョトンとした後、「フフ、おかしな先輩。なんでわたしにお礼なんて言うんですか?」 「あ、いや、すまない。……なんとなく、な」 「んー、今度は謝るなんて、やっぱりおかしな先輩...
  • 涼宮ハルヒの交流 第二章
     屋上に出てきてからどれくらい経っただろう。  もうすでにかなり経った気がしないでもないが、こういうときは想像以上に時間が長く感じてしまうものだ。  それにしても一体何が起こっているんだ?  俺がもう一人いる!?どういうことだ?どこからか現れたのか?  一番ありえるのは未来から来たということだろう。となると朝比奈さんがらみか?  大きい朝比奈さんか?  とにかく少しばかりややこしい事態になっているようだな。    と、そこで屋上のドアが開かれた。 「古泉、……と俺か」         『涼宮ハルヒの交流』 ―第二章―          古泉ともう一人の『俺』が屋上に出てくる。 「おや、あまり驚いていないようですね」 「さっき声が聞こえたからな。そうだろうと思っていた。もちろん最初は慌てたが」  俺は『俺』の方を向き、古泉に尋ねる。 「で、そっちの『俺』は未来から来たのか?」 「な、それはお...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰプロローグ
    長門有希の憂鬱Ⅰ プロローグ 窓の外は曇っていた。 今年ももうすぐクリスマスだねー、などとクラスの女子がのたまっているのを、 俺はぼんやりと眺めながら次の授業がはじまるのを待っていた。 高校に入って二度目の文化祭を終え、やっと落ち着いたとため息をついたばかりだ。 そういやハルヒのやつ、今年もやるんだろうなクリパ。また俺にトナカイやらせるつもりじゃあるまいな。 長門が暴走したりSOS団が消えちまったり、朝倉に二度も襲われたり、去年はいろいろあった。 俺も長門には気を配るようになった。あいつは感情が希薄なわけじゃなくて、 実は表に出ないだけなんだと知ってからは。おかげさまで落ち着いてるようだが。 振り向いて後ろの席にいるやつに、今年のクリパはやっぱ部室でやるのか、と尋ねようとしたらいきなり首根っこを掴まれた。 「キョン、あんた進学するの?」 いきな...
  • 涼宮ハルヒの夢幻 第二章
      第二章     俺の安らかな眠りを妨げる者は誰だ。 目覚まし時計が朝を告げる音を軽やかに鳴らす。 朝特有の倦怠感と思考の低下は、俺の1日の始まりである。 不機嫌な状態で居間へ下り、テレビを観てハッとする。 「8 45」 あれれー? 急いで洗顔を済ませ、歯を磨き、着替えて愛車にまたがる。今日は朝飯抜きだ。 「待て。」 「あ?」 振り返ると1人の男がいた。俺の全神経が集中する。この自嘲的な笑みが憎たらしい。 こいつはいつぞやの俺と朝比奈さんの邪魔をした未来人っぽい奴。 「生憎、俺は男に興味は無いのだが。」 「忠告しに来ただけだ。死にたくないなら、今日は行くな。」 「お前を信用出来ない。お前は俺の敵だろ。」 「知るか。俺の敵は朝比奈みくるだ。」 「朝比奈さんは、俺の見方だ。その敵は俺の敵でもある。」 「まあいいさ。規定事項で近日中にお前は死ぬことになっている。」   ますます嫌な事言うな。「...
  • 涼宮ハルヒの団結 第二章
         そんな感慨を抱きつつ、放課後、文芸部室。  今週の頭に生徒会から突如として課せられた、というかハルヒが課したポエム創作に紛糾していたSOS団員であったが、本日その内の二人の悲鳴は安堵の溜息となって開放された。   一人はもちろんであろう古泉だ。  そして残す一人は長門……ではなく、朝比奈さんである。  それぞれの詩を端的に紹介すると、古泉のはこいつが超能力者になる以前、自分の胸に秘めていた世界に対する本音を夢見がちな視点から書き綴ったもので、つまり少年の頃に密かに抱いていた願望をポエムにしたものだった。  朝比奈さんのはテーマが未来予想なものであるにも関わらずほとんど創世記のような内容で、後半に少しだけ未来の世界像が抽象的に書かれているという感じであった。俺の読解によるところでは、本来人間は諸々の管理や調整を行うために生まれており、未来では自然と人間の調和が実現するといった隠...
  • 遠距離恋愛 第十二章 決意.
    第十二章 決意   家まであと少しというところで、携帯が震えた。   着信:涼宮ハルヒ   「あ、キョン?新しいクラスはどうだった?何か不思議なことはあった?」 いきなりそれかよ。ああ、不思議なことは有ったぞ。 「え!ホント?何?担任がサスカッチとかヒバゴンだったとか?」 お前な、それは一体どこの学校だ?大体、サスカッチやヒバゴンから何を教わるんだ俺は? 「冗談よ。で、不思議って何なの?早く教えなさい!」 ああ、実はな…… 俺は今日のことをハルヒに話してやった。 Sクラスという進学クラスになったこと。そこのクラス委員が、俺たちが1年の時にカナダに転校していった朝倉だったこと。そして……佐々木が同じ学校、同じクラスに転校してきたこと。 最初のウチは「うんうん、それで?」とか聞く気満々で先を促してきたハルヒだったが、朝倉の話あたりから徐々にトーンダウンし始め、佐々木の話あたりからは「……ふぅ...
  • 涼宮ハルヒの本心-第三章-
    今までにも、谷口にはいろいろとおかしな事を言われていた。 「お前には涼宮がいるんだろ?」とかな。 しかし・・・・ハルヒが俺のことをなんてよく言ったものだ。 有り得ん。地球が逆回転を始めようが、天地が逆転したところで有り得ない話だ。 俺は単なる団員その一にすぎない・・・いや、「その他雑用係」のような扱いすら受けているのだ。 ハルヒが俺のことを好いてるんだとしたら、もう少し優しくしてくれてもいいじゃないか。 せっかくの休日だというのに野球大会に参加させられたり、孤島までひっぱりだされたり、 荷物持ちさせられたり奢らされたり、冬の雨の日に駅二つはなれた電気街までおつかいさせられたりしたんだ。 こんなことさせるか? 普通。いや、あいつに普通とか日常やらを求めること自体愚かだということは理解しているが。 「有り得ないと思うぞ、谷口」 という俺の反論を谷口は否定する。 「いやぁ、何も無いって方が...
  • 古泉一樹の誤算 二 章
      二 章      俺はその晩、砂漠を越えてアカバ要塞に戦いを挑む前夜のアラビアのロレンスのようにまったく寝付けなかった。    考えてみりゃハルヒがジョンスミスを探していたのは当然のことで、真夏の夜にどこからともなくふっと現れ、宇宙人や未来人がいるなどと吹聴した挙句、影も形もなくふつと姿を消したりすればあいつでなくても追いかけてみたくなるってもんだ。ことハルヒにかかれば奇妙な存在というものに対する執着心は尋常じゃない。    それがどこをどう間違って憧れの彼なんかになっちまったのか、やっぱあれかな、揺れるつり橋の上で心拍数が上がるのを惚れたと勘違いする、血中のアドレナリンとホルモンを混同してしまうのと同じ現象か。最初の未来人との遭遇が俺だってだけでそこまで決意を固めてしまう理由が理解できん。俺?俺の場合は……まあ朝比奈さんには一目ぼれした……かもな。けど八年もずっと想いつづけるな...
  • 情報統合思念体の焦燥
    プロローグ 春。 もうあれから1年がたったと思うと時が過ぎるのは早いと実感するね。 「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」 あれから、SOS団結成や、世界消滅の危機、過去に行ったり夏がループしてたり 挙句の果てには、世界改変に巻き込まれたりと思いだせばキリがないほど、巻き込まれたものだ。 なんだかんだいって結局は楽しんでいるんだがな。 だが、さすがに、少しは休みたいときもあるんだ。と、いうより休まないと体が持たん。 この、俺の願望をかなえてくれる最適な週間が来ている。 春休みだ。 そして、俺は家で羽を伸ばしているはずなのだが・・・ なぜ、俺はこんなハイキングコースを歩いてしまうんだろう。 習慣というものは恐ろしいね。 などと考えているといつの間にか文芸部部室の前に立っていた。 1年も山登りをすると、足...
  • 遠距離恋愛 第二章 それぞれの思惑
    第二章 それぞれの思惑   一通りの説明を聞き終えた古泉は、いつもの0円スマイルを3割減の顔で首肯した。 「そうですか、家庭の事情というわけですね……貴方は宜しいのですか?」 「だから、ここで相談しているんじゃないか。お前らなら、何とかしてくれるんじゃないかと思ってな」 「なるほど、それは常識的な判断です……ふむ……分かりました。少し裏を当たってみましょう。貴方が『下宿できる』『格安な』物件の探査も含めて調べてみますよ」 「手間を掛けてすまない。俺も生まれ育ったこの町から、今更全く知らない土地に引っ越しなんかしたくないし、何よりSOS団を抜けたくはない」   ほう、という表情で古泉が感嘆の言葉を出す。 「……驚きました。貴方がそれほどこのSOS団に……いや、この環境に執着していたとは」 「この2年間色々あったし、おそらくこれからも一生忘れられないような事が起きるだろうしな。それが俺だけ抜...
  • 涼宮ハルヒの団結 第十二章
    「……あなた、一体何をしているの?」  凶刃を停止させて、朝倉は自分を遮る俺の長門に話しかける。 「あのね、今のあなたには何の能力もないの。何をやろうともそれは無駄なことでしかないわ。邪魔だから、早くそこをどきなさい」  俺の長門はわずかずつ後退し、後方のハルヒを守らんとする姿勢を崩さない。しかし、それは何処かプログラムを遂行しているかのような動きだ。  ……正体不明の頭痛も治まり、俺は緊迫した空気のなかにある朝倉と長門の姿を目にいれながら、必死にこの状況を打開する方策を探っていた。……すると自分の記憶とポケットの中に小さな引っ掛かりを感じ、それにゆっくりと手をやってみる。  ――金属棒。いつかこれを使う日がくるのかもしれない、と過去に俺が無根拠にそう感じた代物がそこにはあった。その正体はTPDDの部品で………周防九曜を制御した髪飾りの原料だ。だが……。これはこのままだと意味がないはずだ...
  • 遠距離恋愛 第二十三章 スイートルーム
    第二十三章 スイートルーム     灰色一色の、現実味のない空間。豪奢なシャンデリアや大画面テレビなどが配置された部屋。   俺は今、キングサイズのダブルベッドに座っている少女を見ている。   白いコートを肩に掛け、ロングヘアをポニーテールに纏めている。   少女は手元の携帯電話を取り出し、何処かへと電話を掛けた。   「……」 「……」 「……」 「……やっと出てくれた」 「……」 「どうしちゃったの?どうしてパーティに来てくれなかったの?」 「……」 「ウソ!だって、発車時刻まで3時間もあったじゃない!」 「……」 「そんなに佐々木さんとデートしたかったの?まあいいわ。今日は大事な発表があったのよ。それなのに」 「……」 「……一番上の階」 「……」 「うん」 「……」 「……来てくれないの?アタシ、キョンのこと待ってるんだよ?」 「……」 「……何よ」 「………………」 「な……」...
  • 未来からのエージェント 第一部 朝比奈みくるの真実
    未来からのエージェント 第一部 朝比奈みくるの真実 プロローグ 時間とは不思議なものだ。かつて、とある科学者はこういった。 「時間について聞かれなければわたしは知っている。聞かれるとわたしは知らない」 実のところ、時間についての理解がそれほど進んだとは言えない。それは、 時間旅行が可能になった今の時代でもそう変わらない。 あの時間平面に常駐的な観察者を派遣することには多くの議論もあり、 反対も多かった。派遣が決した後も人選は難航した。 派遣するエージェントをどの様な人物にすべきか。 徹底的に優秀なエリートを送るという選択もあった。が、実際に時間管理局がした 選択は徹底的に無垢な観察者を送る、という決定だった。 人間にはミスがつき物だった。だが、何も知らなければ、真実をもらすこともなく、 間違った行動もとりようが無かった。実際、彼女が「禁則事項」として 教えられている『秘密』の殆どが嘘...
  • 反英雄 第二章
        「おはようございます。こちらが昨日の夕方、凄惨な殺人事件が起きた現場です。一体、被害者に何が起きたのでしょうか」  TVカメラの前で、女性レポーターが機械的な代名詞で我が家を報道している。  その周囲には、朝だというのにかなりの人だかりができており、「お前ら他にやることないのか?」という気分になるのはなぜなんだろうね。  学校なり会社なり行けよ。もしくは自宅でTVでも見てろ。  本来なら人ゴミはそれほど苦手ではないが、今回ばかりはここの奴らへムカっ腹が立ってしょうがない。    本日の明け方、古泉一樹のクローゼットから剥ぎ取ったジャケットを羽織り、彼の家を出て行った。何て言ったって俺はプチ逃亡者だからな。これ以上長居はできない。  それに古泉一樹の家に入り浸ったとしても、母親を殺したクソ野朗を捕まえられるわけがない。自分の手で決着をつけないと気が済まねーんだよ。  殺人鬼の手...
  • 未来からのエージェント 第二部 セカンドエージェント
    未来からのエージェント 第二部 セカンドエージェント プロローグ 時間管理局の暗い一室。何人かの人間が密談している。 ひとりは、かつて、キョンとみくるが朝比奈さん(大)の意をうけて 様々な工作を行ったとき、出現して妨害を図ったあの、目つきの悪い 未来人の青年だった。年配の男性がその青年に言った。 「結局、うまくいかなかったではないか」 「まあまあ、次の手段はちゃんと考えられていますよ。御安心を」 「そうかね。口ばかりでないことを祈るよ」 「何、純真無垢なエージェントを送るなどと言う非常識な選択をした 連中を見返してやりますよ」 第一章 マナ その日は朝から、みくるのクラスはちょっと騒がしかった。どうやら転校生が来る らしかったのだ。どのクラスにもひとりはいる情報通の生徒がやってきて、 「すっげえ美少女らしい」とやったもんだから騒ぎは大きくなった。鶴屋さん、 みくるに続いて第三の...
  • 異界からの刺客
    プロローグ SOS団の部室ではただ、ページをめくる音だけが聞こえていた。 長門はこの時間、誰れもいない部室でただページをめくるだけの時間が「好き」だった(もし、ヒューマノイドインターフェースたる「彼女」にそんな感情があるとして、だが)。知覚のごく一部分で目の前の原始的な情報インターフェースから情報を読みとる一方で、残りの無尽蔵とも呼べる知覚能力で情報統合思念体と交信し、宇宙全体の時空に想いを馳せる。そんな時間が「好き」だった。 が、それでは、残りのSOS団員たちが来ない方がいいのかというその状態も「好き」でないわけでは無かった。知覚の別のごく小部分を、ハルヒやキョンや古泉や朝比奈みくるのたわいもないやりとりの観察に費すのもまた嫌では無かった。 つまるところ、「彼女」は一種の情報収集システムとして生み出されたのであり、バックアップとして非常事態に過激な対応をするために作りだされた朝倉ユ...
  • 冬風のマーチ 第二章
     俺は部室を出る。陰鬱な雰囲気を醸す寒空に、俺は先程とは全く違う印象を抱いていた。  上履きを靴箱に放り込む。入れ替わりに自分の靴を出し、白い息を吐きながら体を揺らす。本当に寒い。でも…それだけじゃない気がする。まぁいい。とにかく、寒い。 足早に俺は昇降口から外に出た。目の前には既に全員が揃っている。そこで何故か安堵してしまう自分に違和感を抱きながら、俺は足並みを揃えて歩き出した。 すぐそこでハルヒが何か喚いている。よく聞こえなかったが、まぁ気にすることもないだろう。 そして全員揃って学校を出た。校門をくぐり、家路を辿っていく。 それぞれが他愛の無い会話を楽しみながら、冬の風にそれぞれの表情を織り交ぜていく。どこから見ても平和な冬の夕刻だった。  だがなぜだろう。俺はどうにも笑う気になれなかった。これは…何だ?この感覚は一体なんだろう。これまで生きてきた中で感じたことの無いものだ。 それ...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ二章
    長門有希の憂鬱Ⅰ 二 章 目の前に、口をあんぐり開けたおっさんがいた。 よれよれの服を着てベンチに座っている。 「あんた……今、そこに現れなかった?」前歯が一本欠けている。 「え……ええ」 「ワシゃずっと見てたんだが。あんた、そこに、いきなり現れた」 「そうですか……?たいしたことじゃありません」人がいきなり出現したなんて全然たいしたことだろうよ。 ホームレスっぽいおっさんは俺をまじまじと見つめていた。 やがて飽きたのか、目を閉じ、うとうとしはじめた。 ここはいったいどこだろうか。俺は目をこすって周りを見た。 ほっぺたをパシパシと叩いてみた。これは夢じゃない。人が大勢歩いてる。閉鎖空間でもないようだ。 どこからか列車の発車を告げるアナウンスが聞こえた。どうやら駅のコンコースらしい。 駅の名前は見慣れない、俺の知らない地名だった。 さて...
  • 涼宮ハルヒのダメ、ゼッタイ 二章
    教室につくと、すでにハルヒは自分の机に座っていた。 つまり三年でもハルヒとは同じクラスなのだ。さらに谷口も国木田も、阪中もいる。 おい、誰かこの必然の偶然を疑う奴はいないのか? 俺が机に座り、勉強道具を広げようとすると、ハルヒが歩いて俺に近付いてきた。 そう、驚くことにハルヒは俺の後ろにはいないのだ。いや本当は驚くことではないのだが。 両手を前に組んでハルヒは目を輝かせながら聞いてきた。 「キョン、どうよ!自信のほどは?」 どうやらご機嫌は良好のようだ。はて?今日は、俺が自信を持たなければ ならないようなイベントでもあったか?何だ?ツッコミ大会か? 「あんた…まさか忘れてるの? 今日はこの間あった模試の結果発表の日じゃない!」 なんと!俺としたことが。この情報を聞いて、俺の気分はさらにメランコリーだ。 …と見せかけて実は少し嬉しかったりする。 「いや、すまん。すっかり忘れてた。」...
  • 遠距離恋愛 第三章 齟齬
    三章 齟齬   春爛漫なはずのこの季節・3月にしては妙に肌寒い空気の中、俺は北高に至るこのハイキングコースを感慨を噛み締めながら登っていた。4月からは別の場所の、別の学校に通うことになる。そう考えると、俺はこの2年間の思い出を振り返りながら、日頃の運動不足を解消できるハイキングコースも悪くないかもしれない、そう思っていた。 ……なんてな。そんなことあるか。こんな朝っぱらから強制ハイキングなんてない方がいい。当たり前だ。 俺は、見たこともない転校先の学校の通学路にハイキングコースがないことを切望しつつ、教室に入った。 自分の席に近づくと、後ろの席に陣取っている天上天下唯我独尊娘が、そんな俺の憂いの気持ちなど気にも掛けず、100Wの笑顔で話しかけてきた。   「おはよ、キョン!ところで、春休みの団活のことなんだけど……」   嬉々としてSOS団春休みイベント実行計画について話し始めるハルヒ...
  • wish upon a star 二章
    二章   非常によくわからん。よくわからんが一つだけ言える、俺は幸せ者だ。 まさかあの日の帰り道に朝比奈さんのほうからデートに誘われることになるなんて夢にも思わなかったさ。 そして今日はデートの日。俺と朝比奈さんが共犯で探索活動をさぼった日だ。 ハルヒに絞られるだろうな……いや、しょうがない。 ここは気分を変えて朝比奈さんとのデートを楽しむ事だけに全てを注ごう。 「す、すいませぇ~ん」 朝比奈さんが小走りでこっちに向かって来た。 暑いにもかかわらず、肌の露出が少ないのはやはり日焼けを気にしているのだろう。 ただ、間違いないのは何を着ても似合うということだ。 「ふぅ…ふぅ……ま、待ちました……かぁ?」 息を途絶えさせながら上目遣いで俺を見てくる。もう、3時間くらい待たされても許してしまうだろう。 「いえいえ、今きたばかりですよ」 こう言うのが礼儀だろう。 その礼儀が正しかったのか、朝比奈さん...
  • はるかぜふくまえに・第三章
    ○第三章   昨日がどんな日であっても、夜が来れば朝が来る。 夢にまで長門有希が出てきてしまった気がするがそれこそ気のせいだと思いたい。じゃないとやってられん。 「キョンくん起きたー? 朝ご飯たべよー」 妹がさっきからこの調子である。長門も余計な事を言ってくれたものだ。 「ミヨキチもくるってー!」 何だって!? 友達呼んでとか長門は言ってたがほんとに呼んだのか妹よ!? 「だめ?」 いやダメと言えるわけないのだが、あぁそうか。そうですか。どうやら今回も俺は巻き込まれ型の本分を発揮しないといけないらしい……。しかし野球ね。何着ていけばいいか聞いてないなそういや。 俺の心の声を聞いたかのように携帯が鳴った。ハルヒからだ。 「いろいろ言い忘れてたけど、集合場所は六月のグランドね。時間は十時。あと、今回は私服でいいわ。ただし、 運動しやすそうなね。それじゃ」 俺が一言も喋らないうちに通話は終了した...
  • 長門有希の憂鬱IV 二章
      二 章 Illustration どこここ   「……起きて」 長門の声で目が覚めた。 「おう、おはよう」 俺はこめかみを抑えた。自分の声が頭にガンガン響く。長門が二日酔い用の薬と水を持ってきてくれた。 「すまんな……」 俺は頭をかきむしりながら起き上がり顔を洗いにシンクに向かった。リビングの壁にかかった自分のスーツを見て、言うべきことを思い出した。 「長門、昨日はすまん。俺どうやってここまで来たんだ?まったく覚えてないんだが」 「……午前一時に、電話があった」 「それで俺、なにか言ってた?」 「……意味消失していたが、昔好意を抱いていた女性の話」 ま、まじか。そんなたわけ話をしたのか俺は。 「そ、それから?」 「……会話の途中で意識を失った。わたしが迎えに行った」 長門に抱えられてここまで来たのか。マンションの七階まで。なんて野郎だ。 「あの、俺、なんか変なこといたしまし...
  • 台風一過のハレの日に:第二章
    『台風一過のハレの日に』       ○ 第二章:親睦   「えー、それではみなさん! これよりSOS団主催、鶴屋杯争奪、こゆきちゃん歓迎大ボウリング大会を開催いたします!」 すっくと椅子の上に仁王立ちし、いつものように腰に手を当てて高らかに宣言するハルヒ。単なる開会宣言にしては態度がでかいが、気にするのも無駄なことだ。 「まずは、SOS団名誉顧問、鶴屋さんに開会のご挨拶を頂きたいと思います。鶴屋さん、どーぞ!!」 「いやー、ただいまご紹介いただいた、鶴屋でっす! 硬い挨拶は抜きだ、みんな、こゆきちゃんとの再会を祝って、めっがっさ楽しむっさ!」 この二人に任せたら、また南の海上でうろついている次の台風でさえ遥か彼方に飛んでいってしまう、そんな勢いだ。 昨日のカレーパーティで決まったように、今日はこゆきの歓迎のためのボウリング大会が開催されている。 そのこゆきと長門はほぼお揃いの格好をして鶴...
  • 七夕シンドローム 第二章
     午後の授業の始まるぎりぎりに教室へ滑り込むことに成功し、息を落ち着かせながら席についた。ここ二日、走ってばっかりじゃないか俺。本当に特技が人より早く走れることになりそうだ。そうは言っても、俺の運動能力は平々凡々のままだが。  ちなみにあの栞は、授業中にもしや何かあるんじゃないかと思って花の絵や真っ白な裏側を凝視してみたり太陽に透かしてみたりしたんだが、特に何か仕掛けがあるわけでもなかった。当たり前か。あれをよこしたのはこの世界の、ただの人間の長門だ。 「どうしちゃったの? あなた、あたしが教室に入った途端にどこかへ飛び出して行っちゃって、帰ってきたのは始業ギリギリだったんだもの」  午後の授業終了後のあとは帰りのHRを待つだけという時間に、そう言って人当たりの良さそうな柔和な笑みを見せたのは、俺の傍らにやってきた朝倉涼子だった。 「もしかして、あたしのこと嫌いとか?」  本人は冗談の...
  • 白有希姫 演劇篇
      第一章 プロローグ   「昔、白雪姫というとても美しい王女と、深い谷に住む魔女が居た。魔女は、自分が世界で一番美しいと信じており、彼女の持つ魔法の鏡もそれに同意したため、満足な日々を送っていた。」   このナレーションの語りは国木田。そして文章はウィキペ○ィアから参照したものである。   「『鏡よ鏡よ鏡っ!世界でいっちばーん美しいのは誰かしら?』」   体育館、ステージから見て右側の大きなスクリーンに谷口の顔が映し出される。いいなあ、こいつは出番が少なくてよ。   「『それはもちろん涼み…魔女様に決まってるでしょー。』」   こいつ、ちゃんと練習してきたのか?   「白雪姫が16歳になったある日、魔女は魔法の鏡にもう一度問いかけた。」 「『ちょっと!かがみ!世界で一番美しいのは誰かしら?』」 「『それは白有希姫でございますー。』」 「『なんですって!?聞き捨てならないわ、今すぐ白有希...
  • 台風一過のハレの日に:第三章
    『台風一過のハレの日に』     ○ 第三章:願望   「さて、じゃあ話を聞こうか」 結局、また長門のマンションに来ている。鶴屋さんのところからの帰り道、いつもの公園でこゆきによる驚きの結婚報告があった。込み入った話になりそうだし、そのまま公園で話し込むこともできないのでここに来たわけだ。 「別に、あの、内緒にしておこうとか、そう言うわけではなかったので……」 こゆきはちょっと恐縮するようにうつむいていた。 「いや、別に責めている訳でもなんでもなくて、ちょっとこっちも驚いたのさ。な、長門……」 小さくうなずいた長門はじっと目の前のこゆきを見つめていた。 今は普段どおりの無表情に戻ったが、さっき公園でこゆきから『結婚するんです』と聞かされた時は、おそらく朝比奈さんが見てもわかるぐらいに、はっきりとした驚きの表情を浮かべていた。 こゆきは顔を上げると、長門と俺を交互に見つめながらゆっくりと話し...
  • 第二章『サマーランド』
        夏・・・   夏と言えば暑い夏   そして、『熱い』夏・・・     さて、僕達は現在サマーランドなる巨大遊泳施設に訪れています 平たく言えばプールですね     何故僕達がそんなところにいるのかと?   んふっ♪それはですね☆ 話は先月に遡ります・・・・       ================文芸部室===============     ハルヒ「あ~ほんっとに暑いわね!!家からクーラー持って来なさいよキョン!!」   キョン「無茶を言うなハルヒ、一代目をSOS団に提供して二代目を買えるほど俺の家は経済的に良好な訳じゃない」   ハルヒ「んも~あーつーいー!!!」   キョン「やれやれ・・・そう言えば朝比奈さんはそのメイド服で暑く無いんですか?」   朝比奈さん「ん~ちょっと暑いけど全然平気ですよ」   長門「それは全体に回すべき大切な脂質が胸に集中しているからだと考えられ...
  • はるかぜふくまえに・第二章
    ○第二章   翌日も天気は崩れることがなく、俺たちは時間前に全員集合した。 奢り役はもちろん俺であった。 「キョンくんありがとっ! いつも頼りにしてます!」 ぽんと俺の肩を叩くのは性格ノーマライズされた長門である。いやそんなにまっすぐ礼を言われるとどういたしましてとしか言えないな。 「僕もあなたには感謝していますよ」 古泉が擬音をつけられそうな微笑で言った。そんな感情の無い声で言われてもありがたくも何ともない。 「あたしも。キョンくん、いつもありがとう」 ありがてぇ。本当にありがたいですよ朝比奈さん。長門がお礼を言うようになっても、あなたの言葉は別格です。 「キョンは義務を果たしてるにすぎないの! 当たりまえよそんなの」 ありがたいと思っていないのはこいつくらいである。……ハルヒ、お前もたまには長門くらい快活に感謝してくれ。 「何言ってるのよ。ほら、さっさと行くわよ」 別に怒ってるわけじゃ...
  • 人生最悪の三日間 第二章 ~疑惑と鈍器~
      午後五時十分。自宅にて。   突然、携帯が鳴った。 別に珍しいことじゃない。ハルヒだろう。 携帯の液晶に表示されていた文字は、相手が朝比奈さんであることを示しているが、もしかしたらハルヒが 朝比奈さんの携帯を使って俺に電話を掛けている可能性も考えられる。 俺が朝比奈さんの電話ならすぐに出ることくらい、ハルヒならお見通しだろうからな。 用心しながら電話に出る。 「もしもし?」 「もしもし、キョンくん!? 大変です! 六日後に、キョンくんが! キョンくんが!」 電話の相手は液晶が示していたように朝比奈さんだったが、様子がおかしい。 「どうしたんです? 落ち着いてください!」 「とっ、とにかく! いそいで長門さんの家に来てください!」 何があったんです?と聞きたかったのだが、その前に電話は切れた。圏外ではないし電池切れでもない。 朝比奈さんが一方的に切ったのだ。彼女らしくない。 なんとなく...
  • 恋は盲目 第二章
    第ニ章 銃声が屋上に響く。 背後から撃たれたみくるちゃんは、前に仰け反るように倒れた。キョンが驚愕の表情でこちらを睨んでいるのがわかった。 キョンの表情とは対称的に、古泉君の表情は、普段の笑みは浮かべていないものの、冷静そのものだった。 「古泉! 貴様」 キョンが古泉君に掴みかかる。 しかし、古泉君は見事な体裁きでキョンの攻撃をかわすと、反対にキョンの腕を掴み、地面にねじ伏せた。 「武道の心得も無い一般人のあなたでは、僕にかないっこありませんよ」 不適な笑みを浮かべ古泉君はキョンにそう言い放った。 キョンはあたしの方を睨みつけ 「ハルヒ!」 と怒りを込めて叫んだ。 「おやおや、あなたは涼宮さんではなく、朝比奈みくるを選んだのではないですか」 そう言いながら、古泉君はキョンの腕を離すと、あたしの方に歩み寄ってくる。 「なのに、朝比奈みくるがいなくなった途端にまた、涼宮さんに乗り換えるつもり...
  • 遠距離恋愛 第十三章 家庭教師
    第十三章 家庭教師   ハルヒ達からの贈り物を目の前に「一年間頑張る」と決意を新たにした俺は、翌週行われた全校全教科試験という第一の難関に挑んだ。が……俺は試験中に絶望していた。   問題の意味が、どういった回答をすれば良いのか解らないのだ。   俺ってこんなレベルだっけ?とあらぬ方向へ行ってしまおうとする頭を無理矢理試験に集中させ、何とか全教科試験の日程をクリアした帰り道。がっくりと落ち込んだ俺を引き連れながら、佐々木と朝倉は「今日の試験簡単だったわね」「1年2年の総括問題だしね」などと和やかな会話をしていた。くそ、忌々しい。 こいつらの頭のレベルは半端じゃない事は十分解っている。聞けば朝倉は昨年一年間学年トップの座を譲り渡すことはなかった(と言うことになっている)そうだし、佐々木は言わずもがなだ。二人とも俺とはレベルが違いすぎる。これほど自分が無力に感じたことはなかったね。 これ...
  • 遠距離恋愛
    プロローグ 第一章 家庭の事情 第二章 それぞれの思惑 第三章 齟齬 第四章 想い 第五章 告白 第六章 2年生最終日 第七章 準備. 第八章 キョンの引っ越し 第九章 新天地 第十章 護衛 第十一章 親友 第十二章 決意. 第十三章 家庭教師 第十四章 前日1 第十五章 前日2 第十六章 パーティ 第十七章 閉鎖空間 第十八章 佐々木 第十九章 誤解 第二十章 悪夢 第二十一章 ちから 第二十二章 ハルヒ 第二十三章 スイートルーム 第二十四章 約束 第二十五章 未来 第二十六章 大団円 第二十七章 エピローグ おまけ   遠距離恋愛番外編1.GWの対決
  • 長門ふたり
    長門ふたり       第一章 ある日、突然に。     第二章 彼、登場。     第三章 急進派の逆襲     第四章 ダブル消失     第五章 長門を消去せよ!     第六章 ハルヒ、古泉に恋す。     第七章 ラストバトル     外伝 消失長門の真実      
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ四章
    長門有希の憂鬱Ⅰ 四 章 長門有希の日記 こちらの世界へ来て二年が過ぎた。 情報統合思念体からの連絡はない。支援もない。誰も助けに来ない。 このまま時が過ぎれば、わたしの有機サイクルはいつか性能の限界に達し寿命を遂げる。 それまで、色がない世界でわたしの思考回路は物理的に機能するだろう。 それならばわたしはいっそ、目を閉じ、耳を塞ぎ、口をつぐんだ生命体として生きようと思う。 わたしは長期の待機モードを起動させた。 果たして奇蹟は起きるのだろうか。 タクシーの運転手に住所を棒読みで伝えると、十分くらいでそのアパートの前に着いた。 二階建ての二階、二〇五号室……。郵便受けにもドアにも表札らしきものはなかった。 呼び鈴を押した。こんなにドキドキするのは久しぶりだ。 赤の他人だったらなんとごまかすか、新聞の...
  • 消滅の代償
    プロローグ 「ジョン=スミスは俺なんだ!」 俺はハルヒに向かって叫ぶ、ハルヒは目を丸くして驚き、女子トイレに明らかなおかまのおっさんが入ってきたのを見たような表情をしている。 それを見ていた朝比奈さんは怯えた顔で、古泉はいつもの微笑で見守っていた。 「…え…ちょっと待ってよ!あの頃はあんただって中学生でしょ!ジョンは明らかに高校生だったわよ!」 くそっ!時は一刻を争うというのに、変なところで常識的な奴だ、すべてをハルヒに教える前に今回、なんでこうなっちまったのか急ぎ足で振り返ろう。   一章 季節は春。 寒かった冬も終わり、雪が溶けて川になって流れていったり、つくしの子が恥ずかしげに顔を出すそんな季節である。 だがしかし、今の地球の異常気象はそんなことはお構いなし、と、いうのも3月になるというのにまだ寒かった、というわけだ。 そうそれは先月ハルヒ達からやたら凝った方法で渡されたチョコレート...
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