涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「絡まった糸、繋がっている想い」で検索した結果

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  • 絡まった糸、繋がっている想い
    絡まった糸、繋がっている想い   第一章 第二章 第三章
  • 絡まった糸、繋がっている想い 第三章
    *7*   もう半分の理由…? ハルヒは語りだした。おれたちの知らない2ヶ月を…   「…あたしはみんなが怖かったの」 「怖かった?」 「そう…もっといえばみんなに嫌われていることをしるのが怖かった…」 ハルヒは顔を少しだけ上げて続けた。   「自分が傷つくのがいやだった。あたしって弱いわね…」 鼻で笑いながらいう。 「あたしこと嫌いなんでしょ?いつもやりたい放題やってみんな振り回して…本当のことをいえばそうなんでしょ?」 おれはひとつ言いたいことができたが我慢した。最後までハルヒの話を聞くことにしよう。 「有希もみくるちゃんも古泉くんも…あたしのこと嫌いに決まってる…」 「有希だって急に来たあたしに無理やり部室奪われていろんなもの置いて…休日まで呼び出して連れまわして… みくるちゃんもそう… 着たくもない服無理やり着せて、勝手にお茶くみさせて…ほんとは嫌なはずなのに… 古泉くんなんて、学...
  • 絡まった糸、繋がっている想い 第一章
    *1* まず、何から話せばいいのだろうか… ことの始まりは2ヶ月前だった。 おれはいつものように、掃除が終わると部室に向かって歩いていた。 ハルヒは掃除当番ではなかったので部室にいるものだと思っていた。 おれはいつも通り部室に着くと扉をノックした。 トントン ノックしたが声が聞こえない… おれはおそるおそる部屋に入った。 すると中にいたのは長門だけだった。 キョン「あれ?長門だけか?」 すると長門が 長門「涼宮ハルヒからあなたに伝言を預かっている」 長門は読んでいるぶ厚いSF本を閉じた。 長門「今日は…………休み」 キョン「………休み?」 長門「そう」 呟くようにそういうと本を鞄にしまった。 キョン「朝比奈さんと古泉は……?」 長門「ふたりはあなたが来るまえに来てこのことを伝えた」 キョン「そうか」 長門「だから…休み」 そういい終わると長門とは扉を開け出て行った。 いま思えば、こ...
  • 絡まった糸、繋がっている想い 第二章
    *4* ハルヒの調査をしてはや2週間がたっていた。 ハルヒが来なくなってもうすぐで1ヶ月経ってしまう。その間に集まった情報はあまりなかった。 おれはふと、谷口と国木田には聞いていなかったことを思い出した。 「お前ら、ハルヒこと何か知らないか?何でもいい」 「涼宮?」と谷口。弁当をほおばりながらいう。 おれは2人(特に谷口)にはあまり期待していなかったが予想外の情報が入った。 「そういや…この間女の子2人と一緒に帰ってるのを見たぞ」 「! それは本当か?」 「ああ。だから最近は活動してないのかと思ってたんだけどな」 まさか、谷口から重要な情報が入るとは予想外だった。よくやった、谷口。お前のランクを『谷』から『川』にしてやろう。大した意味はないが。 「そういえば僕もみたなあ…涼宮さん」 さすが国木田! なかなかの男だ。 「その…なんて言えばいいんだろ…?ほら、中庭みたいな所あるだろ?...
  • 長編・涼宮ハルヒ2
    ...相談 お悩みハルヒ 絡まった糸、繋がっている想い 恋は盲目(捉え方によっては微鬱End注意) 涼宮ハルヒの回想 小春日和 春の宴、幸せな日々 春の息吹 おうちへかえろう あなたのメイドさん Day of February ハルヒと長門の呼称 Drunk Angel ふたり バランス感覚 Swing,Swing,Sing a Song! クラス会 従順なハルヒ~君と僕の間~ B級ドラマ~涼宮ハルヒの別れ~ ハルヒがニート略してハルヒニート 涼宮ハルヒの本心 涼宮ハルヒのDEATH NOTE 思い込みと勘違い 束の間の休息・二日目 束の間の休息・三日目 涼宮ハルヒの追想 涼宮ハルヒの自覚 永遠を誓うまで 涼宮ハルヒの夢現 Love Memory 友達以上。恋人未満 恋人以上……? 涼宮ハルヒの補習 涼宮ハルヒの感染 雨がすべてを 涼宮ハルヒの天気予報 キョンに扇子を貰った日 涼宮ハルヒ...
  • 3 いつでも繋がってる
    ~3 いつでも繋がってる~ 「もう知らないわよ! バカキョン!」 「俺もしらねーよ、バカハルヒ! 文句あるなら出て行け!」  頭にきた! 出て行ってやるわ!  あたしは近くにあるコートを掴み、羽織ると外に駆け出した。  どこに行くんだって? 知らないわ。どっか行くのよ。ここは日本だから言葉も通じるし、お金も使える。  キョンなんか大ッキライ! 頼まれても戻ってあげないんだから!  うー……寒い。なんで今日に限ってこんなに寒いのよ。パジャマにコートだけじゃ寒すぎるわ。  自販機で温かいココアでも買おうっと。……あれ? 財布が無い。  そっか、あたしはコートしか持ってきてないから……やっぱり。携帯もないわ。  どーしよ、携帯はともかくお金が無いとどうしようもない。帰……らないわよ。  絶対に帰らない。あのバカが土下座するまでは絶対に帰ってあげないわ。  それにしても寒い。……家のドアの...
  • 繋ぎとめる想い
    『A Jewel Snow』の後日談的話です。   時は12月の24日。世間がクリスマスイヴだと賑やかになり、 幸福に過ごす者、それに嫉妬する者、働くことに追われる者。 様々な人たちがいる。そして今、俺は珍しく昼から街に出ている。 つい1週間と少し前、晴れて恋人となった人と歩いているからだ。 俺と腕を組んで満面の笑顔を浮かべている美少女、涼宮ハルヒである。   「繋ぎとめる想い」   「ねぇ、キョン。次はどこ行こうか?」 満面の笑顔を浮かべながらハルヒが聞いてくる。 昼に会ってからこの調子でずっと連れまわされている。 「あ、ちょっと見てキョン!あれ面白そうじゃない?」 とハルヒが指差したのは置時計だ。中からサンタが出てくる仕掛けらしい。 随分と期間限定でしか使えない感じの時計だが、売れるのだろうか。 しかし、腕を組みながらあっちこっち歩き回るその様は目立つカップルである。 ついでに女の方...
  • 繋がる絆、絶ちがたい想い
    家族の絆の続きです。 高校とは違うベクトルに慌ただしかった大学を無事卒業してから四年あまりの月日が経った現在おれたち家族は騒がしくも楽しく平穏な日々を過ごしていた。 それなりに色々あったわけだが、高校卒業から一年して生まれたハルカとハルキのヨチヨチ歩きの可愛さに打ちのめされていたおれが、うっかり やっぱり子供はたくさんいたほうが賑やかでいいな なんて口にしてしまったからかはわからんが次に生まれた子供もまたしても男女の双子だったりとか、普通の会社勤めを望んでいたおれに対し、ハルヒの 普通の会社勤めなんてつまらない なんて一言で会社を立ち上げるハメになり、ハルヒや有希の人知を越えた万能さを見込んだ鶴屋さんの資金面や仕事の斡旋などの全面支援でうまく立ち上がり、その後鶴屋家の全面支援という信用からか仕事が途絶えることもなく、この歳では破格の収入を得るまでになっていた。 まぁ、トントン拍子にう...
  • 赤い絲 後篇
    『赤い絲 後篇』  夜空に歪な形の白い月が浮かんでいる。月だけぽつんと。不思議なことに星が見えない。  晧晧とした明りの中、あたしは一人頭上の月をただぼんやりと眺めた。  一体あたしは何でここにいるんだろう。こんな暗闇の中たった一人で。  周りには何もない。あったとしても闇に紛れてしまって見えないのかもしれない。  気付いたらあたしは制服姿でこの暗闇に立ち尽くしていた。  そういえばいつ着替えたっけ。いつの間にかパジャマではなく制服を着ている。  自分の身なりをぐるりと一通り点検して──気がついた。  右の小指に糸が絡み付いている。  でもそれは『白い糸』だった。  その白い糸は自分の小指から見る見る伸びていき、闇の方に消えていく。  あたしはその白い糸を誘われるかのようにふらふらと追いかけた。  月明りに照らされた白い糸は真っ直ぐ真っ直ぐ延びていく。  あたしはただそれに従うように...
  • 会長の一言で喜緑さんはスイッチが入ってしまったようです
    ※このお話は『餅を焼きませ』の後日談です※      気が付くと俺は夕日の差し込む天井をぼんやりと眺め、じんわり汗ばんだ感覚と、喉に若干の渇きを覚えていた。 (あー、コタツで横になったまま眠っちまったのか…)  恐ろしい事に、自分が寝入った瞬間の記憶が無い。コタツというのは、まさしく悪魔的存在の暖房器具だと言えよう。何が恐ろしいって、その“堕ちて行くような”感覚にはある種の抗いがたい快楽があって、分かっているのにまた性懲りも無くゴロゴロしてしまう、という点だ。 (まあ、正月だしな。風邪を引いた訳でもなし、それは別に良いんだが)  どうしたものかね、という眼差しで、俺は右脇を見る。いつの間に占拠されたやら、そこでは俺の右腕を枕にした喜緑江美里が、くーくーと寝息を立てていた。ポジションから察するに、コタツの中を通ってここまで潜り込んできたらしい。猫かこいつは。いや、体を丸めてスヤスヤ寝...
  • 一夏の恋2
    懐かしむにもこそばゆい記憶が一つ、ある。 三年前、突如芽生えた力に慄き、戦いに明け暮れねばならぬ生涯を嘆き、周囲に対して心を閉ざした中学一年の春。機関に迎え入れられてからもそれは変わらず、無愛想とよく称された、拗ねた物分りの悪い子供であった僕。寄せられる微笑さえ、甘言を弄して手酷く裏切られる前兆のように思い、孤独に身を固くしてさえいれば己だけは護れると――そんな、保身じみた考え方で、自己を哀れんでいた。そんな僕の顔を覗き込んで、彼女、出遭った頃から上司であった森園生は笑った。 「つまらない顔ね」 彼女の笑みは今思い起こしてみても夢ではないかと疑うくらい、慈愛に満ちたものだった。母親のように、薄い唇から紡がれる声は優しかった。 「確かに貴方は可哀相ね。運命を呪うなら好きなだけ呪いなさい。それでも貴方は選ばれ、神人を狩る力を与えられた、その事実はどう足掻こうと変移し得るものではないわ」  ...
  • 想い出の場所で
      「はい、どうぞ」 にっこりと朝比奈さん。 「・・・受け取って」 少し上目使いで長門。 「ほら、さっさと取りなさいよっ」 ニヤニヤとハルヒ。 「僕からもです」 いっぺん死ぬか?古泉。 「いやいや、冗談ですよ」 お前の場合冗談で済みそうにないところが怖い。お前は少し黙ってろ。 「・・・はい」 最後のほうに少し変なものが混じっていたが、俺は今、我らが文芸部室で女子団員三人からチョコレートを突きつけられている。 そう、今日は二月十四日。バレンタインデーだ。 ほほう、これがかの有名な“修羅場”というやつか。この歳でそれを体験することになるとは夢にも思わなかったぜ。ついに俺にも春がやってきたかぁ~。 ・・・・・・というのは残念ながら嘘であり、実際は団活の終了間際に部室で去年同様、義理チョコを受け取っているだけである。 ハルヒいわく、本当は今年も何かしらイベントをしたかったそうなのだが、幸か不幸かこ...
  • くたばっちまえ
    どこまでも澄み渡る青空、心地よい風が吹き、空には雲ひとつない六月のある日。 いつもは梅雨のため、じめじめとして鬱陶しい季節であるが、この日はからっとした晴天に恵まれ、日差しのわりに暑くもなく過ごし易い一日だった。 いま、僕は教会にいる。そして、目の前では僕が中学生だったあの日から夢にまで見た幸せな光景が広がっている。 教会の窓から差し込む陽光は穏やかで、まるでふたりの幸せを祝福しているように見えた。 どこからともなくオルガンの音が聞こえてきて、その音色は僕の心の奥へと溶け込んでくるようであった。 僕の足元から続くバージンロードの向こうには白いタキシードに身を包んだキョンの姿がある。 いつのころからだっただろうか、僕がキョンに淡い恋心を抱いたのは。いつだったかははっきりと思い出せないが、確かにそれは中学生だった僕の心の中に存在していた。       中学生だった頃、僕は学習塾が終わると、キ...
  • 恋は盲目 第二章
    第ニ章 銃声が屋上に響く。 背後から撃たれたみくるちゃんは、前に仰け反るように倒れた。キョンが驚愕の表情でこちらを睨んでいるのがわかった。 キョンの表情とは対称的に、古泉君の表情は、普段の笑みは浮かべていないものの、冷静そのものだった。 「古泉! 貴様」 キョンが古泉君に掴みかかる。 しかし、古泉君は見事な体裁きでキョンの攻撃をかわすと、反対にキョンの腕を掴み、地面にねじ伏せた。 「武道の心得も無い一般人のあなたでは、僕にかないっこありませんよ」 不適な笑みを浮かべ古泉君はキョンにそう言い放った。 キョンはあたしの方を睨みつけ 「ハルヒ!」 と怒りを込めて叫んだ。 「おやおや、あなたは涼宮さんではなく、朝比奈みくるを選んだのではないですか」 そう言いながら、古泉君はキョンの腕を離すと、あたしの方に歩み寄ってくる。 「なのに、朝比奈みくるがいなくなった途端にまた、涼宮さんに乗り換えるつもり...
  • 長門有希の報告Report.23
    Report.23 長門有希の憂鬱 その12 ~涼宮ハルヒの手記(後編)~  前回に引き続き、観測対象が綴った文書から報告する。 (朝倉涼子の幻影I)  最近、朝倉が出てくる夢を見る。  最初は変な空間だった。 「ようこそ、涼宮さん。ここはわたしの情報制御下にある。」  朝倉は、意味不明なことを宣言した。と思ったら、おもむろにごっつい軍用ナイフを取り出した。そして、あたしに向けてナイフを構えた。 「ちょ、ちょっと! 何の冗談よ、それ!? 面白くないし笑えないって!」  朝倉はあたしの呼び掛けを完全に無視すると、一直線にあたしを刺してきた。 「……っ!」  あたしは紙一重で、朝倉の攻撃をかわした。 「性質の悪い冗談はやめて! 玩具でも危ないって!」  あたしは叫びながら、あたしを掠めていった朝倉に向き直った。  ……ナニ、コレ。  朝倉のナイフが、何もない空間に突き刺さっているように...
  • ハルヒがキョンを夢の中で殺しているようです。
    鬱グロ注意   [朝比奈みくる編]      最近キョン君の様子がおかしいです。何か変です。もうかれこれ1ヶ月も休んでます。どうしたのでしょう?    もう一つ変な点があります。それは涼宮さんです。何故かキョン君が休んでいるにも関わらず特に心配している様 子もなくお見舞いにも行きません。これはおかしいです。絶対に何かあります。そう思ってわたしは長門さんと古泉く んに相談してみました。 「実はここ一ヶ月の間、彼はずっと自宅から出ていません。窓にはカーテンがかけられていて中の様子を確認できま せんでした。家族の方々にも伺ったのですが、ずっと閉じこもったままでいるんだそうです。そしてこれが最も気に なることなのですが、どうやら一ヶ月前の閉じこもる前日から毎晩うなるような悲鳴が聞こえてくるんだそうです。 恐らくこれは大変危険な状況でしょう。何とか手を打たねばもしかすると彼の命が……」 「そんな……...
  • Lost my love
    家に帰り着く頃には、すっかり暗くなっていた。 空を見上げても、星は見当たらない。 舞い降りてくるのは、私と同じ名を持つもの、ユキ。   『星空見上げ 私だけのヒカリ教えて あなたはいまどこで 誰といるのでしょう? 』   彼と涼宮ハルヒが付き合うことになったのは昨日。 最近では涼宮ハルヒの能力も衰え、世界も安定してきた。 彼と一緒に居られる時間も、あと少しなのだろうか? エラー、私の任務も、終わりが近づいてきているのだろうか。   『楽しくしてるコト思うと さみしくなって 一緒に観たシネマひとりきりで流す』   いつもならSOS団の活動があるはずだった今日、 活動の中止を伝える涼宮ハルヒの電話の声は、どこか弾んでいた。 きっと、彼とデートするのだろう。 エラー 気がつくと私は、街に出て一人映画を見ていた。 彼と一緒に見た映画。 エラー、エラー 前に小説で読んでいたものが映画化されたというこ...
  • Close Ties(クロース・タイズ) 第六話
    Close Ties(クロース・タイズ) 第六話     「よ、よう長門。気分はどうだ?」  朝比奈さんが出て行ってから、数分程眠っていたのだろうか。私の額に濡れタオルを置き直してくれている彼の挨拶はいつも『よう』だ。 「…よう、キョン」 「え?あ、おう…」  なんだか彼は辟易しているようだ。いきなり彼の挨拶を真似るのは難易度が高かったようだ。  普段から制服を着崩している彼だが、今の彼は上着もネクタイも着用せず、腕も足もまくり上げるという随分寒そうな格好をして私の傍にあぐらをかいている。 「玄関マット洗うのにベランダ使わせてもらったぞ。ああ、寝たままで構わんから。お前には一生感謝してもしきれない程世話になってるんだからな。玄関マット如き何百枚でも洗ってやるさ。だから起き上がらんでいいぞ」  寝転がったままで言うのは気が引けるが、仕方ない。 「ありがとう」  玄関マットは何百枚も所有して...
  • 余ったピース・足りない欠片4
    【余ったピース】   二度寝をした朝は、へんに体がだるい、ちゃんとベッドに入って寝るんだった。 時計を確認、時間は大丈夫   威勢良く顔を洗い、夜中の考えを整理する まあ、こんなところかな、今は周をあんまりゴタゴタさせたくない   簡単な朝食をとる 部屋の中に一人え居ると余計なことを考えてしまう なかり早いけど、でかけよう、   随分早く、待ち合わ場所に到着する、さすがにまだ誰もきていない。 街路樹もだいぶ色づいてきたようだ、まだ落ち葉の季節には少し早い   昨晩だした答えをかみ締める どうやって話をきりだそうか 「涼宮さん?」   ふと声を掛けられる、2人連れ大学生か、ラフな感じの着こなし、音楽をやっているのか、 一人はギターもう一人はベースを担いでいる   「文化祭行ったよ、今年のステージもよかったよ、涼宮さん」 あたしのキョトンとした顔に笑いをかみ締めるように2人は続ける   「EN...
  • 想い
    カチ…コチ…カチ…コチ… 時計の秒針動く度、聞き慣れた時計の音が部屋の中で響き渡る。 光も何も無い暗闇の空間に時計の音だけが鳴り響く 眠い。眠い。眠い… だけど眠れない…。 俺落ち着くんだ。 深呼吸をしてひとまず落ち着け我が心臓よ…。 ん?何でこんな落ち着きが無いのかって? それは明日の事を考えてたら眠れないんだよ。 明日…それはある黒い物を渡され一日中天国のような気分でいられるか、渡されず一日中ブルーな気分のままいるか… このどちらかが絶対に訪れる日だ。 ん? まだ分からないって?? バレンタインに決まっているだろう!! そう…明日はバレンタインデー 俺はその明日の心配をしている。 過去の自分ならこんな事で眠れないなどとそんな事になるはずが無かった。 しかし今年の俺は違った。 全ては アイツ のせいだ… SOS団団長!! 【涼宮ハルヒ!!】 そう… 俺がアイツに話しかけた事が全ての始まり...
  • ハルヒの想い
    『ハルヒの想い』 放課後 いつも通りSOS団部員は部室へ向かった ハルヒ「よし!みんな集まったわね!会議を始めるわ」 当然この日が会議の日など決まっていない ハルヒ「いい?明日は休日なんだから町に行くわよ!」 キョン「なにしに行くんだ?」 予想はついてるが聞いてみる ハルヒ「決まってんでしょうが、明日は思いっきり遊ぶのよ」 え・・・ 宇宙人や未来人探索ではないのか? キョン「宇宙人や・・・」 ここで口を止めた 余計なこと言わない方がいいな。 古泉は俺を見ている。 いつみても憎いほど笑ってやがる 朝比奈さんは少し残念そうな顔をしていた 未来から来たから起きる事はわかってるのか? 長門は読書。 ハルヒ「・・・・とにかく明日は絶対遅刻しないように 特にキョンっ!あんたはいつも遅刻するんだから気をつけなさいよ」 …時間は遅れてないんだがな ハルヒの解散と言う声と共に俺た...
  • この想い伝えたくて
    このSSはニコニコ動画のボーカロイドオリジナル曲「この想い伝えたくて~ココロノ花ビラ~」を勝手にハルヒSS化したものです。 そういうのが嫌いな方やニコニコ動画が嫌いな方は無理して読まないでいいです   「思ったんだけど、涼宮さんてキョン君のこと好きなんじゃないかと思うんだけど」 「「…はっ?」」 いつもの日常の何気ない休み時間。唐突な坂中の発言に、俺とハルヒの声がはもる。 「そっそんなわk」 「いきなりなにを言い出すんだ坂中、そんなわけないだろ」 何か言おうとしたハルヒの声を遮りつつ、坂中の発言を否定する。 「実際に涼宮さんに聞いてみたらいいのね」 まぁ、論より証拠ってことか。 「ハルヒ、どうなんだ?」 「えっ?あっ…」 なぜそこで言葉につまる。だいたい坂中、なにをそんなにニヤニヤしてるんだ。 「どうなんだよ」 「っ…すっ好きなわけないじゃない!」 「あんたなんか、だいっきらいよ!」  ...
  • 雪解けの想い
     『わたし』は今、高校三年間通い慣れた通学路を一人で登っている。  『わたし』の内面はあの頃の延長線上に存在すると言えるけれども、今の『わたし』の外見は、あの頃とは違う。  これは『わたし』がこの世界にもう一度存在するために必要な、訓練の時間。  『わたし』が『わたし』の外見を持ってこの世界に再構成されるには、もう少しだけ、時間がかかる。  そう『わたし』は一度、この世界から消滅している。  同一個体としての連続性を保つ限界が来てしまったから、それは、仕方の無いことだった。  不可避の運命を受け入れることしか出来なかったわたしは、最後の最後に、自分の心に降り積もった感情の全てを凝縮し、たった一言だけ、彼に、想いを伝えることが出来た。  それは前へは続かない、未来を築かない、誰かを縛ることさえ許されない、そのとき限りの、愛の言葉。  そう、なるはずだった。  運命は、変えられないはずだった...
  • 七夕シンドローム 第五章
    「で、何なのよ話って」  俺達、というか俺とハルヒと古泉の三人は、駅近くのファミレスまで来ていた。いつもの喫茶店はとっくに閉店時間を過ぎている。  コーヒーが三つ並んでいるテーブルの向こう側に座るのは微妙な笑顔を浮かべる古泉と、腕を組んで俺をねめつけるハルヒ。これまたあの冬を思い出す構図だ。  とにかく、言わなくては。これは賭けだ。朝倉が提示してくれたチャンスを、逃すわけにはいかない。意を決して俺は口を開いた。 「ハルヒ………俺は、ジョン・スミスだ」  それきり流れる沈黙。ハルヒは不機嫌顔のまま動かない。 「……何それ。冗談のつもりで言ってんの? あたしにはあんたは立派な日本人にしか見えないけど。それとも日系? 学校で名乗ってるのは偽名なわけ?」  憮然としてそう聞いてくる。 「……四年前の七夕。お前は落書きしなかったか? 中学校の校庭に、でかでかとけったいな絵文字を」 「そんなことしてな...
  • あたしだって語りたいときがあるわ
    あー、むかつく!   部室に入ると、すでに有希が本を読んでいた。 ちょうど良いわ、私の話に付き合って。   ~回想シーン~ 最後の時間は教師が休みだったんで自習になった。放課後のために今は寝る時間ね! あほの谷口が壇上で何か言っているわ。 「よし、では予告どおりシングル人気投票を始める」 「まず、今回のエントリーはこのメンバーだ」   「ハルヒ、確認だがクラスでは隠しておくことで良いのか?」 うん?キョン?なにを言ってるの? 「いや、交際していると訂正しないと俺とお前もしっかりエントリーされているぞ」 キョンの話だと、あほが今回クラス内で異性のシングルを対象に人気投票を行う。 投票の際にはその理由も簡単に書くとのこと。無視ね、無視。 あー、でもせっかくだしキョンに一票入れてあげるかな。あたし以外入れる人いなさそうだし。 「かまう必要はないわ。ま、まあアンタに私の票をあげても良いわよ」   ...
  • 嫉み
    私は朝比奈みくるを憎んでいたのだろう。彼を独占していた朝比奈みくるを。 朝比奈みくるがいる限り彼は私を見てはくれない。 だから朝比奈みくるが未来に帰るとわかったときは仲間として。 悲しい とゆう感情より 嬉しい とゆう感情のほうが強かった。 「ありがとう」 朝比奈みくるを見送る場でのこの言葉は本心。 ――彼から離れてくれてありがとう。あとは私が 別れ際に抱き合いキスをする二人を見て黒い感情がうかんできたがそれも今日が最後。 最後になるはずだった。     朝比奈みくるが未来に帰還してから彼はまるで性格が変わったかのように塞ぎ込み、ついには学校にも来なくなった。 しかし涼宮ハルヒは彼が学校を、SOS団を欠席することを許さない。 無理矢理家へと押し掛けることとなった。 涼宮ハルヒ、古泉一樹と順に彼に励ましの言葉をかけていく。 「悲しいのはわかるわ。でもね、いつまでもそんなんでみくるちゃんが...
  • お姉さんなのです。
    みくるちゃんは、みんなのお姉さん。 と言うお話。   ハルヒ編 キョン編 長門編(このお話は「教科書文通8」へ微妙に繋がっています) 古泉編(このお話は「教科書文通10後編(最終話)」の翌日の設定になっています)    お姉さんシリーズ・待たせたシリーズ・教科書文通シリーズなどは繋がったお話で、時系列は以下の様になります。  お姉さん(ハ)→お客様は宇宙人→超能力者を訪ねて→待たせたな。→お姉さん(キ)→教科書1~7→お姉さん(長)→教科書8~10→お姉さん(古)→お待たせしました。  
  • ●えもん 第2話
    第2話「ホモでもドア」 キョン「ただいまぁ~、ふぅ~疲れた・・・えっ?何母さん?お使い!? なんで俺が!?・・・はいはい、わかったよ・・・」    ・    ・    ・ ●「おかえりなさい!キョンたん!」 キョン「あぁ・・・」 ●「おや、どうしたのですか?元気がないようですが」 キョン「あぁ、ちょっとこれからお使いなんだ。だけど疲れていく気がしなくてな・・・」 ●「それでは僕の道具の出番ですね。(ガサゴソ・・・)」 キョン「なぁその道具をブリーフの中から出すの止めてくれないか?」 ●「このブリーフは4次元空間と繋がっていてどんな大きさの物も出し入れ自由なんで   すよ。もちろん僕のアナルもどんなモノでも出し入れ自由ですよ♪」 キョン「うるせぇ!だまってさっさと出しやがれ!!!」 ●「そんなに照れなくても・・・これです!」 たららたったた~♪ ●『ホモでもドア』 キョン「なんだこりゃ?普通...
  • 想い出は、雪とともに 第一章
    俺はいま小高い丘の上にある公園のベンチに腰掛けて、眼下にある街を見下ろしている。公園とはいっても遊具はひとつもなく、ベンチと自動販売機、そして一本の大きな桜の木があるだけの寂れた場所だ。 だが、ここは俺にとって思い出深く、大切な場所。俺が最愛の人と一年間を過ごし、そして最後に別れた場所。 いまでも、俺はこうやって待ち続けている。彼女がいつか俺のもとに帰ってくることを。もう二度と戻ってくることはないことを知っていながら。 彼女との別れは避けられない運命のようなものだったのだろうか。それとも、あのとき何か俺にもできることがあったのだろうか。 聞いて欲しい。俺の高校時代の最愛の人との一幕を、そしてその結末を。あれは、朝比奈さんが北高を卒業し、俺が高校三年生になったころのことだった。         俺は北高に入学し、涼宮ハルヒに出会った。そして、涼宮ハルヒの監視役としてそれぞれの勢力から派遣さ...
  • 想い出は、雪とともに 最終章
    あたしが公園へと駆けつけたとき、キョンはいつものようにベンチに座り、あたし達の住む街を見下ろしているように見えた。 その姿を見て、あたしだけでなく、家族やクラスメート、キョンを知るみんなが心配しているというのに、そんなことはお構いなしと言わんばかりに、この公園にきて有希との思い出に耽っているキョンにイラつきを覚えた。 「キョン!」 少し怒り気味に声を荒げて、背後からキョンに向かって叫ぶ。しかし、キョンはあたしの声に全く反応しない。 その光景を見て、あたしの胸にますます怒りの感情がこみ上げてきた。いまから思えば、このときのあたしの怒りには多分に有希への嫉妬の感情も含まれていたのかもしれない。 あたしは、ツカツカとキョンへと近づき、キョンの背後から正面に回りながら、あたしが高校生だった頃と同じぐらいの激しい口調でキョンを指差しながら再び声をかける。 「キョン!! あんた何やってるのよ!」...
  • 長門の日々 第2話『秘密な関係』
    長門の日々 第2話『秘密な関係』   俺は毎朝のようにお手軽な強制ハイキングをいやいやながら満喫している。 いつもと同じ風景。 いつもと同じ坂道。 いつもと同じカバンの重み。 ただ―――いつもと違うのは―――俺の右手。 俺の右手にはミニマム化した長門がいる。 いるっていう表現はおかしいか。 ………俺の右手が長門、でいいのか。 そう、俺の右手は長門だ。 一見するとすごく間抜けで意味不明な思考だが、こうとしか言い切れん。   さて、俺は左手でカバンを持ち、 右手はまるでパペット人形の練習でもしているかのように俺の目線に置いて歩いている。 まったく、谷口にでも見つかったらどうするよ。 でもまぁ多分、長門の力で人が近づいてきたら分かるのだろう。   ところで、長門。一つ聞いてもいいか? 「なに」 お前の宇宙人的なパワーは使えるのか? 「……さっきから情報統合思念体にアクセスを試みている。しかし、繋...
  • 涼宮ハルヒの鬱憤
    季節はもう秋。 空模様は冬支度を始めるように首を垂れ、 風はキンモクセイの香りと共に頬をそっと撫でていく。 彼女は夏に入る前に切った髪がその風に乱れて 思いの外、伸びているのに時の流れを感じている。 夏休みから学園祭まで一気に進んでいた時計の針は 息切れをしたかのように歩を緩め、 学校全体が熱を冷ますようにこれまでと変わらない日常という空気を 堅く静かに進めていく――――   「腹減ってんのか?」 腑抜けた声と間抜け面。 「何言ってんのよ?」 「いや、随分沈んでるからひょっとしてダイエット中で 朝飯でも抜いてんのかと思ってな。飴食うか?」 「うっさいわね!大体、私みたいな若くて可愛い女の子にはそんなもの全っ然必要ないの。 飴は一応、貰っとくけど。」 「はいはい、自分で言いますか。まぁ、お前は人一倍食い意地張ってるしな。」 「あんた、馬鹿なだけならまだしも的外れでデリカシーも無いなんて駄目に...
  • ハルヒの想い 
    ハルヒに頼まれて、この糞寒い中しぶしぶストーブを取りに行ったわけだが、途中で激しい雨に会い、俺はびしょ濡れで部室に帰ってきたのである。 自分で言うのもおかしな話だが、相当疲れていたのだろう…ストーブをつけて、そのまま机に伏して熟睡してしまった。 どれくらい時間が経ったのだろうか…目を覚ますとそこには、驚いた顔をしているハルヒがいた。どうやら俺が起きるのを待っていたらしい。 とりあえず俺も目が覚めたので、立ち上がって身支度をしようとした…その時だった。   頭がクラクラして目の前がだんだん暗くなっていくのがわかった。強烈な立ちくらみだと思ったのだが、 そうではなかったらしく、俺はそのまま床にバタっと倒れてしまった。   ハルヒ「ちょっと…キョン?」   俺は何か言おう言葉を探したのだが、それよりも意識を失うことのほうが速かった。   ハルヒ「キョン…キョン!?どうしたの!?目を覚まして!!」...
  • スノーホワイト・レクイエム2
    お妃様は、美しい鏡に己の顔を映し、艶然と唱えました。 「鏡よ鏡、わたくしの問いに答えておくれ」 はい、お妃様、と鏡は愛する妃に恭しく答えました。 ---------------- 温く哀しい夢を、見ていたような気がした。 古泉はうつ伏せていた身をそっと起こす。何時の間に眠っていたのだろう、と懲り固まった肩を微かに鳴らす。机に突っ伏して眠を取るなんて、随分、久し振りの行為であるような気がしたのだ。名残惜しさも相まって、霞がかった意識をどうにか覚醒させようと瞼を掌で軽くさする。 睡魔から解放されるのを待っているうちに、日は大きな傾きを見せていた。窓から降り注ぐ落陽の光は、オレンジ色に夜の闇を混ぜたような陰のある色彩を帯びている。 何という事もない、見慣れた文芸部室だ。 転寝をしていた古泉は、間近に開きっぱなしに伏せられていたハードカバーを、寝起きで回らない頭をどうにか動かそう...
  • 10月8日、曇りのち雨 前編3
    「…よく眠ってるな…」 病室には俺と妹の二人しか居ない。 親と医者は別室で何かを話しているようだ。 朝から曇っていた空はいつのまにか雨に変わり、窓を叩いている。 手術は無事終わった。 左足の骨折以外は、特に異常無し。 経過を見ないと何とも言えないが、恐らく後遺症なども大丈夫だろうとの事だった。 「…今にも起きて来そうだけどな」 妹は穏やかな顔で眠っている。 頭に巻かれた包帯と吊られた足が少し痛々しい。 俺は椅子に座り、ずっと妹の小さな手を握っていた。 …暖かい。 ……俺はその暖かさに何度か涙が出そうになった。 …ありがとう。 …ピクン 生きていてくれた事に感謝を捧げた時、その小さな手が、かすかに反応した気がした。 「………ふみゅ………」 妹が何かを呻いている。 …呻いているっていうより寝言か、こりゃ? 「…おい、大丈夫か?」 「……うん…うぅ~ん……。……ふぇ…...
  • 隣にいる日常
        いつもの放課後。いつもの部室。 いつもの団員。いつもの団長。 この上なくいつも通りで ハッキリ言ってしまえば昨日や一昨日となんら代わり映えのしないそんな中、唯一いつも通りじゃないものがあった。 いつもは感じない違和感。場所なんて特定できやしないが、それは確実に自分の体のどこかの場所から湧き出ていた。 体調が悪いわけでもないのに感じるこの倦怠感。どれだけ体を楽な状態にしても良くならないだるさ。 そしてなにより…胸の奥を締め付けられるかのような、根拠のない不安。 俺は今日、近年稀に見る巨大な憂鬱に支配されていた。 なにかショッキングなことがあった。とか、鬱になるような本や映画を見た。とか、別にそういうのじゃない。 このありふれた日常の1ページを、なんとなく、ほんとになんとなーく指でなぞってみただけだ。 そこで出会ったちょっとした違和感が、疑惑に変わり、恐怖に変わる。 最初のなにげない疑...
  • 秘めてた想い(前編)
      年中突拍子もないことを考え、ほとんど全てのイベントで周りの人間を巻き込んで振り回し続けるあいつがSOS団を立ち上げてからもうすでに3年目だ。   そろそろ俺たちも進路を本気で考えなければならない時期になってきた訳で、去年の同じ時期なら適当にあしらっていたであろう期末考査のために柄にもなく俺は勉強してない割に成績優秀なハルヒや、卒業後もこの時間平面に留まり、それなりの大学に進学した朝比奈さんに勉強を見てもらいながら過ごしていた。   そんな時期の昼休み、俺はいつもどおりに国木田と谷口と弁当を食っていた。そのときの話だ。 「…そんでその女がよぉ」 谷口のナンパ失敗談をいつもどおり適当に聞き流しているとき国木田がいつものようにやんわりと受け答えしていた。 「谷口もそのナンパへのエネルギーをもうちょっと受験勉強に注いだら?」 …もっともだ。 「別にいいじゃねぇか、ナンパやゲーセン以...
  • 夢見ぬ蛙は終末に鳴く3
      「ねえ、古泉くん。もしかして、有希と付き合ってるの?」 授業終了後、まもなくの部室。 僕が部室を訪れての涼宮さんの第一声が好奇心に満ち満ちたそれだったのには、「彼」は「なんと露骨に…」と呆れたような顔をし、朝比奈さんは顔をうっすら赤らめて俯いている。 団員のプライベートに一々首を突っ込むような真似はしない、というのが涼宮さんの最低限の礼儀を踏まえた信条であったはずで、その彼女がこうも直接的に僕に事を問うというのは、疑問の形を呈しつつも殆ど確信の域にあるとみていいだろう。 長門さんは我関せずといったように読書を続けている。 涼宮さんが長門さんを問い詰め、納得いく回答が得られずに、矛先が此方を向いたといったところだろうか。 元々隠していたのは機関の命令から様子見をしていただけであり、一寸の露見もならない極秘情報というわけでもない。下手に繕うことはしない方がいいだろうと判断し...
  • 長門の日々 第7.5話『淡い想い』
    第7.5話『淡い想い』   今日、あたしは掃除当番だから、部室に行くのが遅れる。 それをキョンに伝えると、キョンはいつもの仏頂面で返事をする。 キョンは有希の方ばっかり見てる気がする。 なんで有希ばっかり。 あたしは無意識に、キョンにいつも言っているようなセリフを吐く。 すると、キョンは嫌そうな顔をして、「しねぇよ」と言ってきた。 有希も何か言っている。いつも思うんだけど、聞き取りにくいのよね。   キョンが教室から出て行く。有希も後を追っていく。 あぁもう、早くこの忌々しい掃除を終わらせて部室に行かなきゃ!   あたしはパパッと掃除を済ませた。 さてと、我がSOS団の部室に行かなきゃね! みんなはあたしがいないとものすごく寂しいみたいだから!   部室の前まで来た。 誰かが叫んでるみたいね。誰? まぁ、いいわ。とりあえず入ってみれば分かることよ。   「うきゃっ!」 やっほー!遅れちゃっ...
  • 遠距離恋愛 第四章 想い
    第四章 想い   『もう少しましな伝え様は無かったのですか?』 心底疲れたといった声で、携帯の向こうの古泉が呟く。   『今日の1時限目の授業中に、突然閉鎖空間が複数発生しました。一つ一つの規模や速度はそれほど大きくないのですが、一つを崩壊させるとまたすぐに別の空間が発生するというイタチごっこでして……現在、機関総出で対応していますが、この発生ペースだといずれはまずいことになりそうです』 そうか、本当にすまんな……しかし、あいつの不思議パワーは減少しているんじゃなかったのか?   『確かに、我々の調査結果を見る限り、最近では最盛期の半分程度まで落ちていました。閉鎖空間発生も希な状態になってきていましたしね。しかし、今回のこの閉鎖空間の数は過去最大です。涼宮さんには、まだこれほどの力が残っていたんですね、驚きです』 あいつの力が復活したと言うことなのか?   『それは分かりませんが、今は...
  • 涼宮ハルヒが大学生になったんだってさ
    高校を卒業してから、はや1年。 あのうるさいハルヒと別の大学に行ったおかげで 俺はめでたく宇宙人も未来人も超能力者もいない普通の日々を手にいれた ハルヒいわく「SOS団は永久に不滅なのよ!」とのことだが、 活動の根城であった文芸部室では現在、北高の新1年生数名が文芸部として活動している。 あるべき姿に戻ったとも言うべきだが、いまの部室にはガスコンロや湯飲みはない。 朝比奈さんが着ていた華やかな衣装も、コンピ研からかっぱらってきたパソコンもない、 普通の部室になっている。 昔のハルヒなら「ここはSOS団のアジトなのよ!」と部室を強引に不法占拠しただろうが、 楽しそうに活動する現部員、つまり後輩の様子を見ているとそんな気にもならないらしい。 拠点を持たない現在のSOS団にはどこか勢いがないと言うか、ごく普通の仲良しグループとなっている。 いつもの喫茶店に集まり、みんなで市内探索をしたり、イベン...
  • 魔法の言葉~would you marry me?~
    「僕がこの時間平面で行ったことは無駄に終わったが、一つだけ言えることがある。……キミと過ごした時間は、無意味じゃない」 「限られた条件下でなくとも、キミには私の傍にいてもらいたい―――そう思っているのは、こちらだけだろうか? ああ、人はそれを確かめるために……自分の気持ちを伝えようとするのだな」 「もしこれが叶わぬ想いだとしても、僕にはそれを捨てることなど出来ないのですよ。願いは届かないかもしれない――そう思ってしまえば、人は星に願うことを止めてしまいますから」 ―――藤原くん。会長。……古泉くん。 「わたしは、人を好きになるという感情を知りませんでした。でもそれは人も同じで、みんな誰かから愛情を教えて貰うのですね。あなたは……わたしにそれを教えてくれました」 「人間はさあ、よく『愛とは求めるものでなく、惜しみなく与えるものだ』って言うけど、わたしには無理。だってあなたにあ...
  • すれ違う想い
    俺がハルヒと出会ってもうすぐ1年が経とうとしていた3月の話だ。 春休みを目前にして北高生徒たちはほんのり余裕のある毎日を送っていた。 だが俺にとっては一生悔いの残る春だった。   今日は10日。あと一週間ほどで春休みだ。 短縮授業が始まったことにより、部活動に所属していないほとんどの生徒は午前中の授業が終わると足早に下校を始める。 部活動には所属していない俺だが生徒会非公認の部活(部活と呼べるものでもないが)SOS団に所属していたため授業後は下校せずに部室に向かった。 部室と言っても正確には文芸部なのだがハルヒによって乗っ取られ、今となってはSOS団の根城となっている。 部室のドアを開けるとそこにはやはり椅子に座って本を読んでいる長門がいた。 「よう、長門。」 長門は俺を一瞥すると再び本に目を落とす。 これが長門流のあいさつ。いつもの光景だ。 俺はパイプ椅子を引き寄せ、腰掛けた。 時間は1...
  • 涼宮ハルヒの団結 第十二章
    「……あなた、一体何をしているの?」  凶刃を停止させて、朝倉は自分を遮る俺の長門に話しかける。 「あのね、今のあなたには何の能力もないの。何をやろうともそれは無駄なことでしかないわ。邪魔だから、早くそこをどきなさい」  俺の長門はわずかずつ後退し、後方のハルヒを守らんとする姿勢を崩さない。しかし、それは何処かプログラムを遂行しているかのような動きだ。  ……正体不明の頭痛も治まり、俺は緊迫した空気のなかにある朝倉と長門の姿を目にいれながら、必死にこの状況を打開する方策を探っていた。……すると自分の記憶とポケットの中に小さな引っ掛かりを感じ、それにゆっくりと手をやってみる。  ――金属棒。いつかこれを使う日がくるのかもしれない、と過去に俺が無根拠にそう感じた代物がそこにはあった。その正体はTPDDの部品で………周防九曜を制御した髪飾りの原料だ。だが……。これはこのままだと意味がないはずだ...
  • バンプ·狂
    先日、ゴールデンウィークをハルヒに無理難題な予定にされる前に予め〝機関〟に提供された某バンドのライブチケットを受け取った俺たちだったが… みんなで福岡公演を観に行った帰りまでに、俺を含め、SOS団全員が見事にハマってしまった。 キョン「やっぱり、天体観測じゃないのか?」 ハルヒ「何言ってんのよ、 グローリアスレボリューションに決まってるじゃないッ!!」 古泉「…お言葉ですが涼宮さん、彼らの集大成はオログ以外考えられないかと」 みくる「私は、とっておきの唄が一番だとおもいましゅ…」 長門「アルエに決まっている。藤くんは私の嫁」 長い休日を終えた後でも、放課後の文芸部室はそのバンドのライブに行って以来、こんなかんじで、いつも同じ話題で口論を繰り広げている。 何がそんなに面白いのかって?…まぁ、聴いてみれば分かるさ。とにかく歌詞の良さがはんぱじ...
  • 届かぬ想い
     耳障りな着信音。僕のつかの間の眠りはそれによって破られた。 「神人」を退治するために機関に所属している以上、  緊急の呼び出しには慣れていたはずなのにスッキリと目が覚めていない事にちょっとした驚きを覚える。  ……でも、真夜中に閉鎖空間が出現――すなわち彼女が悪夢を見る――のは確かに久々だ。 「やれやれ」とは彼の口癖だが、ちょっとくらい拝借しても問題はないだろう。  携帯を手元に引き寄せ、相手をろくに確かめず通話を始める。 『あ、もしもし。古泉くん?』  受話器から流れる声は想像もしていなかった人の物だった。 「はい、古泉です。どうしました、涼宮さん?」  そう、相手は紛れもなく涼宮さんだった。電話を耳に当てたまま時計を確認する。  ……午前二時。ええ、あなたが望むのなら望遠鏡を担いで踏み切りまで行きますよ?  それが僕の『仕事』ですから。でもちょっと非常識な時間ですよね。 『うん、ごめ...
  • 朝比奈みくるの未来・第8章
    第8章・時のパズルの完成  朝と同じ待ち合わせ場所、今度は朝比奈さんの方が先に待っていた。 憂いを帯びた潤んだ瞳で、どこを見るでもなくぼんやりと広場の壁にもたれかかっている。 周囲の男共がちらちらと盗み見てやがる。心配しなくていいぞ、彼女が待っているのは俺だからな。 俺は朝比奈さんに正対して近づいていったが、一向に気づく気配がない。 いろいろと考えていることがあるのだろうか、本当にどこも見ていない胡乱な目をして。ただ瞼が開いているだけ。ボウっとした鈍い光を放つ魚眼石のような目で。 5mくらいの距離まで近づいて、やっと気がついてくれた。 「あっ、キョンくん…」 吐息に消されてしまいそうなか細い声だった。 古泉の指摘通り、やはり一人にしたのは良くなかった。一緒でなくともいい、同じ空間にいるようにすべきだった。 その間の彼女の気持ちを考えると申し訳ない気持ちが俺の心の枡から溢れ出る。枡の大きさ...
  • くじびき妙バランス
    元旦の出来事だった。 長蛇の列に並んで参拝を済ませた涼宮ハルヒは、 他者の願い事を詮索するような事はせず、真っ先に朝比奈みくるの腕を取った。 「みくるちゃんにわたあめ持たせるわよ! ほんわかしたみくるちゃんにふわっふわのピンクのわたあめ。 ぴったりだと思わない?古泉くん!」 涼宮ハルヒはそう言って私の隣に立っている古泉一樹に人差し指を突き付けた。 「は。誠にその通りかと」 涼宮ハルヒと私達は古泉一樹が他者の言い分には、 滅多な事でも無い限り否定しないのを知っている。 振り袖を涼宮ハルヒに握り締められている朝比奈みくるにもそれは周知済みである筈だが、 彼女が古泉一樹に向ける視線には少しばかり不満が込められていたかのように思う。 「そうよねそうよね、そう思うわよね。 じゃっ、早速わたあめ売ってる屋台に行くわよ、みくるちゃん! キョン、財布係のあんたもついて来なさい」 おそらくはわたあめを手にし...
  • My little Yandere Sister   第4話「黒い花園」
     <キョンサイド>  もう何をする気も起きやしない。動きたくない。  本当ならだらだらと動かずに一日ずっとぼうっとしていられたら幸せだな、とか思っていた。  でもこうして起きている。起きて動いている。動いて学校に通っている。  動力源は俺の中に疼く、怒り。大切な人を奪っていった犯人に対するどうしようもない怒りだった。  朝比奈さんが死んだ晩から数日は酷かった。寝れば二人の叫び声が聞こえる。夢の中で助けてと叫んでいるんだ。  走って駆け寄ろうとするのに追いつかなくて泣くしか出来なくて。  すぐそこに居るのに手が届かなくて。谷口は滅多刺しされ、そして朝比奈さんの形がどろりと崩れる。  吐き気を催す程の残酷な光景。目が覚めればいつだって自分の部屋の天井が見える。  強烈に込み上げる気配を夢の中から伴いながら起き、すぐに部屋のゴミ箱を手に取り吐くものもないくせに嘔吐する。  そんな頃と比べれば今は...
  • 長門の日々 第7話『淡い想い』
    第7話『淡い想い』   ……ユサユサと、俺の体が揺さぶられる。 昨日は早く寝たとはいえ、疲れていたのでまだ眠い。 そんな俺の気持ちを察さずに、誰かが俺の体を揺さぶり続ける。   ん?…休みの日ぐらい……もうちょっとだけ……。 「……きて……起きて……」 ん?長門か……? 「……有希」 そうか……じゃあもう少し、寝かせてくれ……。 「起きないのなら……こうする」   ん?なんかズボンがもぞもぞ、と…… ってやめろ!有希!   とっさに左手で右手を掴む。 「……だめ?」 何がしたいのかはよく分からんが、駄目だ。 「……けち」 俺はけち、と言われるような行動はしていないがな。 「……起きた」 ……それが狙いだったのか? 「そう」   なんか後付けみたいな気がしないでもないが、 そんな細かいことを気にしないのが俺の特徴だ。許す。 とりあえず、起こしてくれたことには感謝しておこう。   起こしてくれ...
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