涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「絶望の世界」で検索した結果

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  • 絶望の世界
    ある日、僕は目覚めると見知らぬ場所に居た。 正確に言えば、そこは自分の部屋だった。 しかし、部屋は真っ暗で窓の外から見える景色も色が消えたようだった。 部屋には妙な空気が漂い、まるでこの部屋を刳り貫いて保存したかのようなところだった。 僕はまだ夢の世界に居るのかと思い、頬を抓って見た。痛い。 何かがおかしい、僕は親を呼びに行く事にした。 しかし家の中には人一人居なかった。どの部屋を探しても父も母も誰も居ない。 家の外に出ても歩いている人はおろか、どの家にも人の気配がしないのだ。 とにかく誰か人を見つけようと辺りをく歩いていると、ドスン、と地響きのような音がした。 それはだんだんと数を増して行き、自分に近づいてくるようだった。 とつぜん、僕の目の前に巨大な影が現れる。 慌てて振り返るとそこには巨大な物が立っていた。数にして3匹。 それが僕を見下ろすように立っている。 僕は声を出し、逃げた。助...
  • 長編・古泉一樹
    ...結婚 頼れる副団長 絶望の世界 古泉一樹の独白 古泉崩壊 本音 GUN SURVIVAR 古泉一樹の青春 会心の一手 落し物、拾い物 変わらない チェンジ・マイ・ヒーロー 自分の居場所 古泉くんと鶴屋さん さよなら 内緒の最初 涼宮暗殺指令 雪の日 古泉一樹の出会い 不眠症候群 花嫁修行危機一髪 閉鎖空間記 キミがキミで居られるように 世界の反対側 選択肢の無い世界で スノウマーチ 月光 一樹ちゃん☆スマイル 女古泉 ちゃん の憂鬱 四月の雪 キャッチボールwith古泉球 一樹くんに女神の祝福を! 温泉と札幌 前髪に揺れる四ツ葉ふたつ 雪解けの想い もりのこいずみくん 戦士達の休日 【K.B.F.】 秘密の音色 若葉の頃 新米保父さん一樹は大童 古泉一樹の私情 小さな、親切 Kiss&Kiss 魔法少女フェアリーユキ 刹那主義 赤ク染マル こいずみくん一斉大売り尽くし そらをと...
  • 絶望の丘
    きっと俺は、あるのかわからない目に見えない力を信じていた。   友情なんて物は簡単に壊れる。 SOS団の活動を通じて徐々に人付き合いを学んでいったハルヒは、その容姿と頭脳も合わさってクラスの人気者の地位を獲得していた。 そんな矢先、俺はひょんな事からハルヒに嫌われてしまった。 きっかけは馬鹿らしくて思い出すことすらできない些細な事。 こちらから謝る気にもならず、その内なんとかなるだろうと希望的観測を抱いていた。 だがクラスの人気者に嫌われる、というのは学生生活においてもっとも恐ろしい事だと俺は思い知る事になる。   要するに、いじめを受けるようになったのだ。   最初は無視や机に落書き程度だったいじめは加速度的に悪意を膨らませていき、殴られるのが日常となるまでそう時間はかからなかった。 なにより辛いのは友達だと信じていた谷口や国木田までいじめに加担していること。 肉体よりも精神が悲鳴を...
  • 赤の世界
    赤の世界 キョン いやあ、今ほど明日を楽しみに待つ日々は初めてだろうねぇ。 明日行うことはだいたい整理した。 まず教室に入って、真正面に常に俺よりも早く登校してくるあいつに、 今回はグーで殴るか。パーだとあいつの汗がこびり付いて汚いことありゃしない。 いつものとおりに椅子ごと後ろに倒れたあいつに、 俺様特性の先端に鉄をしこませた上履きで蹴りを、そうだな、 今回は耳にやろうか。さすがに眼球とかだと後々面倒くさい。 そんなんでも抵抗しない涼宮が不思議でたまらない。 ヤクでも打ってんのかね。 そうすれば、あのうざったい演説も精神病としてみられて即隔離だな。 うむ、我ながらすばらしいアイデアだ。 そんなこんなでも、クラスからは誰からも参加者が来ない。 相当のビビリだ。情けない、嗚呼情けない。 ああいう奴はさっさと転校してもらうほうがいいだろ? お昼時には涼宮にお似合いなトッピングを弁当にのせる...
  • キョンいじめ短編
    キョンいじめ短編集 1 2 3 絶望の丘 青の世界 赤の世界 すれ違いの心中
  • 青の世界 キョン
    青の世界 キョン  ここ最近、朝が待ち遠しいと感じることが多い。というか毎日。 夜遅くまでハルヒとメールをしていた。携帯の存在に感謝しつくせりだ。 俺は2週間前、ハルヒに思いを告げられた。OK,はっきり言おう。 「あんたが好き」 こんなことをはっきり言った。よし、もう一回言おうか、気持ち悪いか。 奇遇だな、俺もそう思っていた。 たった六文字でこんなに感激したことは今までになかった。 ハルヒの顔は何かを我慢しているようだったな。俺には分かるさ。 俺だってものすごく顔が赤くなっていたからな。 一年間も一緒にいたのだから、こういう気持ちになるものなのか。 人間の心理に驚く。なんて単純なんだろうか。 俺はハルヒを抱きしめた。ハルヒは何か言いたそうだったが、 俺が口を塞いだ。さすがに中に入れようとしたら鉄槌を食らったが。 俺たちはもう離れない。そう誓った。 こんな毎日が幸せでないとか言う奴、ちょ...
  • 影の世界
    パチッ。 ……また目が覚めてしまった。 枕元のデジタル時計は2時10分を指し示す。 その時計のオマケの温度計は……28度。 さらに湿度も重なってもう既に人の寝れるトコロでは無い俺の部屋。 既に俺は昨日11時に寝てから5回の目覚めを終えた。 「あ゛~………くそっ!」 こんな時間なので思いっきり叫ぶことも侭ならず。 俺はベッドの横に置いてある扇風機にスイッチを入……れ…? ダメだ、急激に睡魔が……。 「ほら~?キョン君朝だよー。」 声より早し。妹がボフッ!と俺の上に飛び込んで来た。 案の定、俺はアレ以来は起きずにいたようだ。 いつものように着替えて、飯を喰い、歯を磨く。 そして俺はいつものように家の前で妹と別れ、自転車を走らせた。 いつものハイキングレベルのコースを移動し終えた。 俺は既に軽く疲れていたのだが。 ガララッ 後ろの扉を開けて自分の席と視界に入ってしまう『アイツ』の席を見...
  • 恋は盲目 第三章
    第三章 ふと、我に返るとあたしは保健室のベッドの上にいた。一瞬、自分の置かれている状況が理解できなかった。 しばらくすると、混乱した頭から断片的に記憶がよみがえってくる。 閉鎖空間から戻った後、屋上で泣き叫んでいたあたしを見回りに来た教師が見つけ、保健室まで連れて来たのだ。 授業中にもかかわらず、屋上にいたあたしを咎めもせずに保健室に連れてきたことから、 そのときのあたしの様子が、とても尋常ではなかっただろうことは、容易に想像できた。 時計を確認すると、もう授業はすべて終了しており、普段であれば部室で過ごしている時間だった。 あたしはベッドから起き上がるとよろよろとした足取りで部室に向かった。 「もう大丈夫なの、涼宮さん。もう少し休んでいったほうがいいんじゃない」 あたしの様子を見て心配したのか保険の先生が声をかけてくれた。あたしはその呼びかけに返事をせずに保健室を後にした。 部室に行く...
  • 望まれた世界
    この状況はまたも俺の意向に関係無く降って湧いた様だ。   俺は確かに2年目の夏の休暇を有意義に楽しんでいた(まぁ半ば惰眠を貪っていた様なものだが)。 そう確かに俺は、自分の部屋の、ベッドで、下着姿のまま、眠りこけていたはずなのに。   1年通い続け見慣れた校舎、そこに似合わない活気を忘れた無音、色を忘れた灰色の世界。   またなのか?と考える理性と、その考えを拒絶したい、俺の本心とが交錯する。   ハルヒが創り出した世界、と アイツら は言うのだが実の所、いまだここの所は半信半疑であるのも事実だ。   いや、まぁ知覚という点では理解しているつもりだが、道理という面で見ればそうはいかない。 世間様から見てもハルヒは単なる1健全な女子であるのは周知の事実であり、 世界の創造主などという不似合いな称号とは無縁の様に思える。   だからこの世界(もとい現実世界)がハルヒによって創られた(操作された...
  • 消失世界
    俺が無口、無感動な長門がいる世界とちゃんとした人間である長門(会話では有希とします)のいる世界、 つまり改変世界のどちらかを選択した時から一ヶ月・・・ 俺は変わった世界を選んでいた。   キョン「始めは元の世界に戻そうと思ってたんだ。」 本当だ。あの日前の長門が用意してくれていたプログラム・・・俺は実行しようとしていた。 俺は前の世界が好きだった。   有希「そう・・・」   長門は悲しそうな表情をする。前ではほんの少ししかわからなかったことだ。表情がよくわかるぶん辛いものもある。   有希「どうして戻さなかったの?」   キョン「長門。」   有希「え?」   キョン「元の世界に戻そうとした時の長門の顔。寂しそうな長門の顔。だから。」   我ながらダメな答だと思った。   有希「それ・・・同情じゃないの?」   寂しげな表情がいっそうに増す。胸がいたい。   キョン「でも今は違う。わかっ...
  • アル雨ノ日ノコト
    「いつまで続くんだよ…」 俺はいつもの部室で、ぼんやりと空を眺めていた。 ありふれた風景のはずなのに、ありふれた日常は消えていた。 ほかのSOS団員は何をしているんだ? 窓の外はバシャバシャと音を立てて、雲の涙のように液体が降り注いでいる。 あいつらは、この雨にまぎれて…地面に落ちて…蒸発してしまったのだろうか? 長門、朝比奈さん、古泉、それに…ハルヒ。 ――――誰も、やってこない。 放課後の楽しみ、そんなものが、ここには詰まっていたのに。 先週の水曜日から、揃って学校に来ない4人。ちょうど一週間が経つ。 なぜ?なぜだ?このまま退学して、自宅警備員として生きるつもりか? 俺は、今日の部活動が終わったら何をしようか、と考えていた。 だけど、思いつかないものは思いつかない。 今日はまだ水曜だ。土曜になっても誰も来なかったら、 長門の家にでも行こう。あいつなら、何か知っているはずだ。 そし...
  • 長門の日々 第12話『長門"有希"の憂鬱Ⅲ』
    第12話『長門 有希 の憂鬱Ⅲ』   急に天井が爆発したかのような勢いで割れた。 誰かがライダーキック風飛び蹴りでブチ割ったようだ。 そいつは勢いを保持したまま俺に向かってナイフを構えて突進してくる朝倉を蹴飛ばす。 朝倉は凄い勢いで5mくらい吹っ飛び、鈍い音を立てて壁にぶつかる。 壁の表面が崩れ、朝倉は瓦礫に埋もれる。   目の前の奴は誰だ?! しかし、コンクリートの破片、砂、埃、蛍光灯の残骸などで俺の視界は塞がれている。 まったく見えん。   ……次第に視界が晴れていく。   俺は驚く。 「―――な、なんでお前が来るんだ?!」   そいつはふん、と鼻息を鳴らして大きな声で言う。   「助けに来てやったわ!あたしに感謝しつつ、せいぜい死なないよう頑張りなさい!」   そこに現れたのは――――黄色いカチューシャをつけた長髪のハルヒだった―――   さっきまでの緊張感や、なぜかハルヒが来た事に...
  • あたしの世界が終わるまで
    (※古泉×朝倉です)  あたしね、好きな人がいるの。  とってもとっても大事な、あたしの好きな人。  でもあたしは、何でその人を好きになったのかを覚えてないの。  どうしてかなって考えると胸が苦しくて、でも、何も分からないままで。  もしかしたら、これは知らない誰かの気持ちなんじゃないかなあ、なんてことまで考えちゃった。  これって変な妄想だよね?  でも、そのくらい、この恋はあたしにとって不可解な物だった。  ねえ、これはあたしの恋心? 誰かの恋心?  あたしは知らない。でも、知っている。  これは恋、あたしだけの恋。  だって、あたしは本当にあの人が好きだもの。  これはあたしのあの人のためだけの、小さな小さな恋物語。  誰かのためじゃない、あたしのための恋物語。    去年の5月頃、あたしは一度この学校から転校した。  親の仕事の都合での転校、それも直前まで連絡の無いギリギリの物。 ...
  • 反転世界の運命恋歌(Ver.キョン)Ⅱ
     反転世界の運命恋歌Ⅱ  そう言えば、俺と古泉一姫がペアを組んだのが午後の部だってことを言ってなかったな。  そうだな。俺がこの世界に来てから今日の午前の部までのことを少し話そうか。  結構、不思議な気分に包まれたからな。それと涼宮ハルヒコが妙なことを聞いてきたことを紹介するのもいいだろう。  …… …… ……  …… ……  ……  唐突だがまず、この状況を表現するにはぴったりの言葉はこれだ。  俺は眼前の光景に絶句した。  まあ、これは仕方がないことなんだ。誰だって俺の立場になれば絶対に言葉を失くす。断言してもいいぞ。  目が覚めたら、見知った部屋で、どこか既視感を感じようが俺にも馴染みの北高のブレザーを着ていようが見知らぬ奴が目の前に現れたんだ。しかも自室に居たはずが全然違う場所に居れば間違いなく愕然とする。 「貴方は別世界で情報連結を解除され、この世界で再構築され...
  • 反転世界の運命恋歌(Ver.キョン)Ⅰ
    反転世界の運命恋歌Ⅰ    女子と肩を並べて休日ののどかなひと時、河原を散歩する、なんてのは実に学生青春ドラマ的で、俺だってそういう生活を夢に見なかったかと言うと嘘になる。  俺は現在、その夢を実現させているわけだが、なんだか嬉しいというよりも複雑な気分になっているのはどうしたことだろう。 「何か言いました?」  涼やかな笑顔で問う彼女。 「いや何も」  返す俺だが、ちょっとは笑い返してやった方がいいんだろうか、などと考えたりもしたのだが現時点ではどうにも行動には移せなかった。  理由か?  そうだな、おそらくそれは、今、俺の置かれた立場が不条理極まりないからだろう。  なんたって、今日、目が覚めたらいきなり世界が変わっていたんだ。  誰が改変させたか、なんて問われても答えられないぜ。なぜなら、世界自体は何も変わっていないからだ。  そうさ。俺が言った『世界が変わった』というのは文字通り...
  • 反転世界の運命恋歌(Ver.キョン子)Ⅱ
    反転世界の運命恋歌Ⅱ  そう言えば、あたしと古泉一樹がペアを組んだのが午後の部だってことを言ってなかったわね。  そうね。あたしがこの世界に来てから今日の午前の部までのことを少し話しましょうか。  結構、不思議な気分に包まれたから。それと涼宮ハルヒが妙なことを聞いてきたことを紹介するのもいいでしょう。  …… …… ……  …… ……  ……  唐突だけど、まず、この状況を表現するにはぴったりの言葉はこれね。  あたしは眼前の光景に絶句した。  まあ、これは仕方がないことなのよ。誰だってあたしの立場になれば絶対に言葉を失くす。断言してもいい。  目が覚めたら、見知った部屋で、どこか既視感を感じようがあたしにも馴染みの北高のカーディガンつきセーラー服を着ていても、絶対に今日初めて遭った女の子が目の前に現れたんじゃ、こうなるわよ。  しかも自室に居たはずが全然違う場所に居れば...
  • 許されざるもの
    ※鬱ENDの作品です。嫌いな方はスルーしてください。 僕はいま北高の屋上にいる。 目の前には、大人になった朝比奈さんが、物憂げな、悲しげな表情をして僕のほうを見ている。 いま、僕がここから眺める風景は、一ヶ月前と何ら変わりはしない。 だが、いまの僕にとって、ここから眺める風景、いやこの世界そのものが、以前とは全く違う色あせたもののように思える。 なぜこんなことになってしまったのか。 話は一ヶ月ほど前に遡る。       「ちょっとキョン! あたしのプリン食べたでしょ!」 あたしは冷蔵庫にあったプリンがひとつ足りないことに気付き、キョンを問い詰める。 「あ、ああ、しかし、プリンはふたつあったし、ひとつは俺のものだと………」 そう言いながら、キョンは古泉くんの方に視線を向けた。 確かにあのプリンはキョンといっしょに食べようと、あたしが買ってきたものだ。 たぶん、キョンは古泉くんからそのこ...
  • 初恋の人
    ※この作品は失って気づく幸せの続編に当たる作品です。     気がつくと、僕は光陽園駅前の喫茶店にひとりで座っていた。 ここが現実の世界ではなく、異世界であることは容易に想像がついた。なぜなら、喫茶店には誰一人として人がいなかったからだ。 どうして僕はこんなところにいるのだろうか。考えてみても答えは出なかった。ただ、いまの僕には、そんなことはどうでもいいことのように思えた。 なぜなら、僕は生きる意味を見失っていたからだ。人ひとりいないこの世界が、むしろ僕には相応しいのではないかとさえ思えるほど、僕は絶望に打ちひしがれていた。 しばらくそのまま席に座っていたが、何もすることがなかったので、僕は席を立つと、現実世界でするのと同じように、自動ドアをくぐりぬけ、喫茶店の外に出た。 見上げると、空には雲ひとつ無く、全体が淡い光を放っている。 ボンヤリとした光に満ちたこの世界は、一見暖かく、穏やかな...
  • ウソがホントになる世界で
    きっかけはたいしたことじゃなかった。 文芸部室の不法占拠を続けるSOS団が、いつものように活動しているところから、話は始まる。 長門は本を読んでて、朝比奈さんは編み物を楽しんでいる。 俺と古泉は、昭和初期のすごろくに興じている。なかなか新鮮だが、時が読みずらいのが欠点だ。 ハルヒはといえば、団長席でPCとにらめっこだ。大方オカルトサイトで興味深い文章でも見つけたのだろうな。 俺がサイコロを投げようとした瞬間のことだった。 「ねえ、キョン」ハルヒの声が飛んだ。 「どうした?」 ハルヒは招き猫のように手招きで俺を呼んでいる。古泉が苦笑を浮かべ、俺はそんな古泉を睨みつける。 サイコロを机におき、ハルヒの横に立った。甘酸っぱい柑橘系の香りが鼻をくすぐった。 「どうしたんだ?」 ハルヒはディスプレイを見るのをやめて、俺の顔を見上げた。 「これ、なにかしら?」 ハルヒはそう言って、ディスプレイを指差し...
  • キョンvs古泉
    ここは、どこだ?…ハルヒが精神の暴走により、世界は崩壊された… 今、ここにいるのは…どこかの宇宙である。 それなのに、息は出来る… 「…これで、何もかも…終わったってか?」 目を閉じたらいいだろうと思った。 ????「閉じても無駄ですよ」 誰だ!? 古泉「僕ですよ…この世界が終わり、新たな世界へと生まれ変わるんですよ…」 古泉!?(長門「全ては古泉が仕掛けた」 みくる「私は未来へ帰らないと行けないのです…ですから、古泉君を…」) 思い出した…全ての原因はお前なのか!? 古泉「はははははは…何と仰るですか?キョンさん!僕は全て計画通りですよ!   あなたは所詮、涼宮さんの鍵に過ぎない!」 俺は!違う!俺は、ハルヒの鍵ではない!古泉ぃっ! 古泉「ならば、あなたは、涼宮さんの何だと言うのですか!」 ハルヒの何だと?俺は…俺は… 古泉「もはや、これまでだと言うんですよ!僕はね、新世界が欲しか...
  • 反転世界の運命恋歌(Ver.キョン子)Ⅳ
     反転世界の運命恋歌Ⅳ    八の字湖の辺(ほとり)での写真撮影の後、ハルヒは尾行していたお詫びにと今日のSOS団の活動解散を宣言した。  でも、今後の行動は各自の自由とのこと。  つまりそれは、 「本気で、古泉くんの慰労を考えたみたいね」 「僕は少々疲れましたけど」  というわけで、あたしと古泉くんはいまだ、二人で街中をぶらついていた。もちろん、手を繋いでいるわよ。だって、これは古泉くんの望みだし、別にあたしも嫌じゃないし。 「羞恥で、でしょ? あんなの開き直った者勝ち」 「それはそうですけど……やれやれ、なんとなく、彼の涼宮さんへの対応の気持ちが分かりましたよ……」  うわ失礼な。  あたし、あんなに思いつきで突発的な衝動行動する女じゃないわよ。 「いえいえ、充分、あなたも突発的に行動されます」  ぐ……切り替えしてくるか……そりゃ、さっきの辺(ほとり)の件はそうかもしんないけど……...
  • 反転世界の運命恋歌(Ver.キョン子)Ⅰ
    反転世界の運命恋歌Ⅰ    男の子と肩を並べて休日ののどかなひと時、河原を散歩する、なんてのは実に学生青春ドラマ的で、あたしだってそういう生活を夢に見なかったかと言うと嘘になる。  あたしは現在、その夢を実現させているわけなんだけど、なんだか嬉しいというよりも複雑な気分になっているのはどうしてかな。歩みを進めるたびに、陽光に映える、あたし自慢のポニーテールも困惑に揺れている感じ。 「何か言いました?」  涼やかな笑顔で問う彼。 「いや何も」  返すあたしだけど、ちょっとは笑い返してやった方がいいんだろうか、などと考えたりもしたけど現時点ではどうにも行動には移せなかった。  理由?  そうね。たぶん、それは、今、あたしの置かれた立場が不条理極まりないからだと思う。  なんたって、今日、目が覚めたらいきなり世界が変わっていたし。  誰が改変させたか、なんて問われても答えられないわよ。だっ...
  • 橘京子の消失(後編)
     月曜日。  この日がダウナーでメランコリーな気分なのは何もハルヒに限ったことでなく、全世界の8割以上の人が大凡不快感を露にしているんじゃないかと思う今日この頃であるが、俺はその一周りも二周りも、いいやグロス単位で絶望のどん底に陥っていた。  その理由は、喫茶店やファーストフード屋をハシゴした胃もたれが原因でもなく、かといって日曜日にむりやり付き合わされた妹の買い物が原因でもなく、では何が原因かというと、朝方下駄箱に入っていた一通の手紙である。  いや、手紙なんて大層なものじゃないな。ノートの切れ端に慌てて書いたような、しかし女の子然とした文字は、どう読んでも『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室にきて』としか読めなかった。  差出人の名前は無く、ついでに言うと宛先もかかれていない。こじつけるなら、俺以外の人間に送るはずだったラブレターを、間違えて俺の下駄箱に入れてしまったお茶目...
  • 反転世界の運命恋歌(Ver.キョン)Ⅲ
    反転世界の運命恋歌Ⅲ  で、ようやく俺と古泉一姫のデートの話になる訳だが、まあ別段、大したことはやっていない。  おっと、ここで言う『大したことはやっていない』と言う意味は、男女が遊びに行く昼間の健全なデートとしては当たり前で当たり障りのないことしかやっていないという意味だ。  だからと言って楽しくなかったかと言えば、むろん、そんな訳がなくて思いっきり楽しんでいた。  スタートは小物雑貨屋のウィンドウショッピングから始まって、彼女が「ふわぁ」という風船が膨らんで来たような笑顔は可愛かったし、「どれもいいですね」と同意を求められた時は、それとなく相槌をうってやった。  それから少し喉が渇いたんで二人で喫茶店入って、さすがにここでは、情けない話ではあるが奢ってもらった。なんせ財布を持たずにこっちの世界に飛ばされたわけだから一文なしだったしな。  つか、彼女の出した千円札を見て、仮に俺...
  • 世界の終わり 序章
    …… 梅雨入りし連日不快指数100を越えるんじゃないかというくらいの湿度に耐え俺は北高の門をくぐる。 今日は土曜日であり本来なら除湿機で乾燥させた部屋で一日中寝て過ごす予定だったのだが年中無休のSOS団が俺を休ませることなど許すはずもなく『今すぐ部室に来て!!』 と言う起床5分後にかかってきた3秒間の団長様とのやりとりで俺のささやかな夢は終わりを告げたのである。 ………… 土曜日に部活をやってる部は大抵運動部の陸上部や野球部であり文化部は文化祭でもない限り休日に活動などしないのだ……。 今日は大雨であり運動部の姿すら確認することはできない。恐らく練習は中止したんだろうね。ああ羨ましい。 つまり今学校にいるのは補習中の三年生と部、ましてや同好会の体すらたってないSOS団の面々しかいないことになるな。 ったく不思議探索いけないからって部室とは……やることないだろうに。散々愚痴をこぼしつ...
  • 悩みの種~悩みの種の潰えた世界~
    <悩みの種の潰えた世界> 病院に着き、病室を目指し歩いた。さすがになれたものだ。二年間毎日通ったんだ。 病室に着くと…なんだみんな揃ってるじゃない。でも何故かみんな病室の前で立ったままだ。 みんなどうしたの?中入らないの? 「あっ…あの…まだ診察中らしいのですよ…終わるまで入れないそうです。一度外へ…」 ?いやいいわよ。ここのが涼しいし、ここで待ちましょう。 何故か古泉君の表情がおかしい。いつも爽やかスマイルを決めているのに… 私は待った…けどしばらくしても診察が終わった様子が見られなかった。 すると…突然みくるちゃんが泣き出した。大声で。 どうしたのみくるちゃん? 「キョンくんが…キョンくんが…!」 …ものすごい嫌な予感を感じた。 私は病室に入ろうとしたが、 「涼宮さん!まだ診察が…」 無理やり制止を振り切り、病室に入った。 そこで見た光景…そこには紛れもないキョンの姿だ...
  • 人生最悪の三日間 エピローグ
    恒例のベッドの横での目覚め。 どうやら俺は無事にこの世界まで帰ってこれたようだ。 それにしても、俺は何をした? ハルヒにまたキスしたような気がするんだが、これは夢か? 夢であってくれ。というか、夢でも嫌だ。フロイト先生も相手にしてくれない。 手の届くところに消火器かコンバットマグナムがあったら躊躇うことなく俺は自決しているだろう。 ……まあ、躊躇わないってことは無いか。   人間が夢を見るのは基本的にレム睡眠のときだけだ。 平均八時間の睡眠時間の中でも、レム睡眠はごくわずか、一、二時間程度だ。 レム睡眠の世界最長記録は3時間8分。気になる方は2000年版のギネスブックを見るといい。 俺は何時間の間、この恐怖の体験をしただろうか。 答えは76時間と14分。俺は三日間も寝てたのか? いや、レム睡眠だけで3日だから睡眠時間は8倍の24日か? どうやら俺の名がギネスブックに記される日はそう遠くはな...
  • 濁った日差し
     珍しく妹に叩き起こされる事なく目を覚ましたと思ったらそこは閉鎖空間だった。  今まで散々理不尽なことに巻き込まれてきたが、こんなに酷いのは初めてだな。  俺が見る限り、ハルヒはここ最近人が変わったんじゃないかと思うくらいにニコニコしてたぞ?  何が不満でこんな不機嫌空間を生み出しやがったんだ。 「とぼけるのですか?」  突然の声は、 「古泉か」  また、赤い人間もどき。 「あなたはなんでそんなに落ち着いていられるのですか」  不機嫌な声とは珍しいな。 「何でと言われても、なあ? ハルヒがなんでこんなことしたか分からんからな」 「なぜか分からない? 冗談でしょ? 僕が今まで聞いた中で一番面白くない冗談ですよ」  冗談なつもりは、これっぽっちもない。 「なあ、何でそんなにカリカリしてんだよ」 「あなたは自分のした事の重大性に気付いてないのですか?」  どうも話がかみ合わねえ。 「だから、俺が...
  • 悲痛
    「よかったら…………持って云って」 またあの夢だ。 あの世界はもうないんだ。全部解決したはずだ。それなのに! 気付けばあいつのことを考えている俺がいる。 俺はあの世界ではなくこの世界に戻ることを選んだんじゃないのか! 恥ずかしがり屋で内気な文学部の少女ではなく 寡黙な対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースを選んだのは俺だ! 部室のすみで本を読む長門を見るたびに、 騒ぐハルヒの後ろにたたずむ長門を見るたびに、 朝比奈さんにお茶をもらう長門を見るたびに、 俺の心はかき乱される。 おどおどとした気の小さい長門、 目を泳がす長門、 ちいさなちいさな力でそっと俺の袖をつまむ長門、 俺の返した白紙の入部届けを震えながら受け取る長門、 薄く、だがはっきりと微笑む長門……。 長門よ、お前はとんでもないものを盗んでいったな。それは俺の心だ。 幾多の名台詞の中でこれほど俺の心情を表わす...
  • 【朝倉涼子の暴走】
     イレギュラーの観測を開始してから1ヶ月……。何の変化も見られない。  いくら3年前から何の変化もない観測任務を続けていたといっても、イレギュラーが観測対象の前に姿を現してから1ヶ月も何の変化もないというのは遺憾だ。あたしの操り主も失望している。  このままでいいのだろうか。いいえ、いいはずはない。  何も知らない観測対象と、いまだに彼女の力を信じていないイレギュラーの二人だけでは変化が起きないのはしかたがない。未来人と超能力者の派閥も彼女に変化が起きることを望んではいない。  しかし、彼女の力は我々にとって有益なものとなりうる。  ならば、彼女に変化を起こさせるのは誰か――そう、我々だ。  それなのに……『彼女』は何をやっている?  あくまでも観測対象が自ら変化を起こすのを待つ。それが主流派のやり方?  納得がいかない。『鍵』を目の前にして、何故こうも落ち着いていられるのか。下手に動...
  • 第四章 ダブル消失
    長門ふたり   第四章 ダブル消失   長門さんが二人いるのにもすっかり慣れてしまった今日このごろ。 なにしろ、二人いたおかげで命拾いまでしてしまった以上、 もはや、文句をいう筋合でもなくなってしまった。 彼も、自分の二重化が起きてからは下手に二人のうちどちらかを 帰らせようとするのは問題があると思い直したようだ。 長門さんも一日交替で登校してくるし、記憶は完全に同期しているので 僕や彼の様に二人の長門さんを区別できる人物以外にとっては、 事実上、何の問題もない。もともと、長門さんはSOS団員以外とはろくに 接点もないわけだし、そうそう強烈なことなど起きようもなかったのかもしれない。 結局、人間の慣れとは恐ろしいもので我々SOS団員は、事の次第にまったく 気づいていない涼宮さんをふくめて、長門さんが二人いる状況に適応しつつあった。   文芸部室に赴くと、早く来すぎたのか、長門さんしかいなか...
  • Different World's Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その二)~
    一日目のマエノヒ   「じゃあね、長門さん。また明日。夜遅くまで、本読んでちゃだめよ。」   そういって、朝倉涼子は手を振りながら、エレベーターを降りていった。 さて、今日の晩御飯は何にしよう。最近、カレーばかり食べているからたまには、違うものを食べないと。     などと、考えているうちにエレベーターは7階に止まった。エレベーターから降りて、708号室へと向かう。鍵穴に鍵をさしこみ、ドアを開ける。中は、暗闇につつまれていた。   私は、壁についたスイッチで電気をつけ、本の他には何もない、閑散とした部屋に座り込んだ。 一人暮らしはつい最近始めたわけではないので、一人でこの部屋にいることも、もう慣れた。だけど、たまに一人でいることがたまらなく寂しく感じることがある。   今日はそんな日だ。   朝倉涼子でも呼ぼうか。いや、彼女は今日は塾があるとかいってたっけ・・・。   私は...
  • 君の太陽
       『君の太陽』           一面の白が僕を包んでいた。 起伏のない平面の世界。果ては見えず空さえも白いここでは地平線は存在しない。 降り積もる雪はこの世界の音を全て吸い込んで、ただ自分の呼吸だけが聞こえる。 自分と、この雪の他に何も見えない。存在を感じさせるものもない。 ただ雪が降り続ける世界。   だが僕には、確信があった。   ここは彼女の世界だ。何故という疑問もない。ただ、わかるのだ。 僕がそう理解したのが、自分の超能力者としての力によるものではないこともわかった。 ぴたりとはまったのだ。 この世界を形作るものが、僕の中にある、ピースが欠けたそこに、すとんと。まるではじめからそこにあったかのように。 そして僕は理解した。 彼女の願いと、絶望を。           予兆がなかったといえば嘘になる。 涼宮さんの能力の減衰が明らかになった2年の冬、そのきっかけとなった彼の告...
  • 夢見ぬ蛙は終末に鳴く5
    穏やかな終業のチャイム。 終礼後、何らかの部に所属しているのだろう生徒達は、鞄を引っ掴んで、我先にと教室を後にしていく。居残り組は班別の掃除当番にあたった週の担当者で、運悪く僕の班は今週に割り振られていた。 さすがにサボるという選択肢は取れそうにもない。僕は仮にも成績優良児としての信用を、「古泉一樹像」のために維持しているのだから。心は急いていたが、多少の遅刻で彼らが居なくなってしまうわけではないのだからと、己を納得させた。 今日は、彼と涼宮さんの両人から、「お付き合い」に関しての報告が予定されている。その後、長門さんを含め朝比奈さんや「彼」と話す機会を求めるには、涼宮さんの下校時刻まで待たねばならないだろう。 未来と連絡すら取れなくなっているという朝比奈さんの件もあることだし、悠長にしている暇はなかった。最低機関を巻き込むことになってでも、長門さんから事の詳細を聞き出さなければな...
  • Different World's Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その七)~
        今、俺の前には2人の長門有希がいる。 2人は、何もかもが一緒でまったく見分けが・・・いや、1つだけ違うところがあった。 今さっき玄関から入ってきた長門は、眼鏡をかけている。 つまり、普段は眼鏡をかけていない宇宙人長門が、眼鏡をかけていて、普段は眼鏡をかけている普通人長門が、今は眼鏡をかけていないというわけだ。 ああ、ややこしい・・・・・・。   俺は、2人の長門の顔を見比べた。   眼鏡っ娘長門は、あいかわらず、雪解け水のような冷たい無表情をしている。昔は、液体窒素ぐらいだったな。それに比べると、だいぶ暖かくなったもんだよ。   一方、さっきまで、俺と行動を共にしていた方の長門はというと、俺と目があうと、すぐに目をそらした。そればかりか全身から、こっちを見んな的なオーラを発している。 何だ?やっぱり、さっきの事を気にしているのか?   俺自身も、さっきのタイミングで何故あ...
  • 橘京子の消失(中編)
     波乱に満ちた高校生活を送っている人は数少なくないと思われるのだが、それでも一年生の春を3回も経験した人は留年あるいは再度高校に入学し直した人を除いては滅多にいないだろう。  しかも同じ高校の入学式を3回を経験したとなると、それこそ作り話ですら疑わしい。  だが。  厳密に同じ世界とは言えないとは言え、それをやってのけた人物がいた。  実と言うとそれは俺だ。  どうしてタイムローテーションのような真似事をする羽目になってしまったかと言うと、非常に複雑且つ怪奇な理由と成り行きがあったりするのだが、そこんところの部分は思いっきり省略して簡単に説明しよう。  時空の狭間に迷い込んだ橘京子を救出するためだ。  時は四月の末。  3回目の入学式やホームルームを無事に終了させた俺達はその後特に目立った行動をするでもなく連々と時を重ね、一ヶ月近くが過ぎようとしていた。今週学校に通った後は、長期連休...
  • 長門有希の消失 第一章
    第一章    冷え切った坂道を登る。歩く度に吐く息は白い煙となって冷たい冬の外気へと消えた。  寒さをしのぐためカーディガンに首をうずめる。わたしの通う高校である北高は、この山の頂上にあった。  結局、朝の奇妙な感覚は次に起きたときにはなくなっていた。少し残念だったけれど、あの物語の続きはあの感覚がなくてもきっと書ける。そんな予感がした。たぶん、あの感覚はその文章の鉱脈を見つけるためだけの役割だったのだろう。それを、たとえカオスであってもちゃんとした形にするのはわたし自身の仕事なのだ。  坂の上の北高に目を戻した。  朝のことを考えると頭が疼くような気がする。しばらく考えるのはやめようと思った。  気を紛らわすために誰かと話すのも今日に限っては悪くはなかったけれど、あいにく横で歩いているはずの朝倉涼子はいなかった。  今日はわたしと同じような生徒がちらほらと目につく。つまり、ひとりで歩...
  • キョンの消失
    注意書き この作品は通常のようなキョン視点ではありません。 また最初は予告のような感じですが最後のほうになると文体が変わります。 ご観賞される方はそのことをご理解の上でご観賞ください。 つたない文章ですがお楽しみいただければ幸いです。では始めます。 ついに情報統合思念体を支配した強硬派 そしてキョンに迫るヒューマノイドインターフェース達 彼らの凶刃がキョンを襲うとき、長門が敵の前に立ちふさがる 「貴方は殺させない」 しかし、情報統合思念体との接続を断たれた長門には戦う力はなかった そして傷つき倒れる長門 その姿を見て体中の血が熱くなるのを感じるキョン そして彼は自ら三年前に記憶と共に封じた神の力を解放する 改変される世界、全ての人が平凡な人間として暮らす当たり前な世界 そんな世界の中、一人ハルヒは世界に違和感を感じていた 彼女はわずかながらに改変から逃れていたのだった そんな悩みから教室に...
  • 橘京子の消失(前編)
    「…………、……きて……」  ――声が……聞こえる―― 「……くん、………ったら……」  ――俺を呼ぶ声―― 「……むー、……おき……よ……」  ――どこかで、聞いたことのある―― 「……おき…………なら……」  ――しかも毎日聞くこの声は―― 「えいっ!」 「ぐふぉ!!」  朦朧としている頭で必死に状況把握をしている俺は、砲丸投げの玉を腹部に直撃したかのような鈍い痛みを伴って、完全に覚醒した。 「ってえな! 起こす時はもっと優しくしろって言ってるだろうが!」 「だって、キョンくんったらなかなか起きないんだもん」  ぷくっと膨れる顔はいつもよりも殊更幼く見えるが、それもこいつが今まで行ってきた業というものだろう。怒られたくなかったら無茶な起こし方をするなと再三言い聞かせているのに、この癖だけは一向に治る気配を見せない。  間違いなく俺の妹である。 「ごはんだよ~ あっさごっ...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ
     翌日の朝。俺は懐かしい早朝ハイキングコースを歩いて学校へと向かっていた。  とは言っても、向こうの世界じゃ毎日のように往復していたけどな。    北高に入り、下駄箱で靴を履き替えていると、 「おっ。キョンくん。おはようっさ。今日もめがっさ元気かい?」 「キョンくん、おはようございます」  鶴屋さんの元気な声と朝からエンジェル降臨・朝比奈さんの可憐なボイスが俺を出迎えてくれた。 何か向こうの世界じゃ何度も聞いていたのに、帰ってきたという実感があるだけで凄く懐かしい気分になるのはなぜだろう?    靴を履き替え終わった頃、長門が昇降口に入ってきた。 「よう、今日も元気か?」 「問題ない」  声をかけてやったが、やっぱり帰ってきたのは最低限の言葉だけだ。ただし、全身から発しているオーラを見る限り 今日の朝は気分はそこそこみたいだな。    階段を上がっている途中で、なぜか生徒会長と共にいる古泉...
  • HOME…SWEET HOME 最終話
    …━━俺が朝比奈さんが消えた公園を後にしたのは、それから随分と後の事だ。 彼女を追い掛けようにも一体何処に消えてしまったのか見当が付かず、かといって自分からはどうする事も出来ないままに結局時間だけが過ぎた。 ただその間に俺は、俺なりに色々考えたんだ。 忘れてはいけない此れ迄の事やこれからの事、自分が今何をどうするべきかを。 そして日が沈み夜の訪れを告げた事で、ようやく俺はその場から離れる事を決めた。 暮れなずむ木立ちの中をゆっくりと歩き、車を停めてある公園の駐車場へと向かう。 やがて駐車場に近付いた俺は、広く舗装された敷地の中にポツリと1台だけとりのこされた自分の車を見付けた。そしてそれと同時にその側に立つ小さな人影も━━━… 【HOME…SWEET HOME】 最終話・もう一度、あの頃の様に ―1― 夕日を背にして佇むその人影は逆光の所為で陰にしか見えない。 しかし俺にはも...
  • 涼宮ハルヒの団結 第四章
     ……と、いかん。回想にかまけているうちにすっかり日が暮れちまった。  ハルヒは雨が降ってるからという理由で朝比奈さんを連れてとっくに帰っている。俺と長門はポエム作成を仰せつかり部室に残っていて、古泉は……こいつもまだ居残りながら、前回の小説誌をなにやら思わしげな表情で読みふけっていた。時々長門に話しかけていたりしたので、長門の不思議小説の解読でもやっていたんだろう。あれの内容では古泉のような登場人物が意味深な発言をしているので、俺よりも更に気にかかるんだろうね。しかし、何故今頃になって。  それはともかくポエムの方なのだが、明日が金曜日であるにも関わらず長門も俺も未だにテキストエディタを活用することなく、パソコンにはまっさらな画面が広がっているのみだった。ホントにどうすりゃいいんだよ。これ。  しかし、今はそれも隅においておこう。朝からずっと言いつぐんでいたのだが、俺はまた朝比奈さん...
  • 夏の日より エピローグ
     エピローグ  ……暑い。  俺の意識が最初に感知したのは不快感であった。前髪が汗でべったりと額にくっついている。うだるような暑さ。俺は否応なしに目を覚まし――そう、確かに俺は目を覚ましたのだ。眼は見慣れた、自分の部屋の天井を映している。何度見上げたか解らない自室の天井。俺はその不思議さよりもまず汗が気持ち悪くて、手の甲で額を拭った。拭った手を目の前にかざすと、寝汗でキラキラと光っている。  俺が横たわっていたのは、もう何年使っているか解らない俺のベッドであるようだった。水色のシーツ。もちろん他に目覚めるべき場所のあてなどなかったわけだが、この時の俺には、その当たり前のことがひどく新鮮なことのように感じられた。ごろりと寝返りを打つと、勉強机の上にほったらかしになった夏課題が見えて、床にはシャミセンがべったりと伸びており、ここが正真正銘、自分の部屋であることを示していた。外の様子はカ...
  • 古泉一樹の動揺
    おれはベッドで眠りふけっていたはずだ・・・。 少なくとも学校の校庭なんかで寝ちまうほどのマヌケでもないつもりだ。 灰色の空、灰色の風景、どこかで見たことがある風景だ。 ここは・・・・・閉鎖空間だ。 何故か隣には古泉が寝ている。またこいつがおれをここに連れてきたのか? 「おい起きろ古泉。」 古泉の頬を何度かペチペチと叩く。 「ん・・・・?ここは・・・?」 とぼけてないでさっさと事情を説明しろ。 「これは・・・どういうことでしょう・・・僕の能力は今・・・完全に消えています」 「何?ここにおれを連れてきたのはお前じゃないのか?」 おれは少しばかり動揺していた。しかしそれは古泉にも同じだったらしい。 「いいえ。今回のことは僕にも全くわかりません・・・なぜ貴方と僕がここにいるのか、そしてなぜ僕の能力が消えてしまったのか・・・。」 ふいに昨日朝比奈さん(大)に言われた言葉を思い出した。 ...
  • 長門有希の消失 第二章
    第二章   夢を見た。  実はわたしの場合、夢にもいろいろな区分があって、まったく意味不明なもの、何か心当たりがある内容のもの、長く頭に残るものなどがある。どのような条件が揃うとどんな夢を見るのか、まだわたしには解らない。ひとつ言えることは、どの夢にも何かしら種類分けができそうな要素が含まれているということだった。  ところが、わたしが今日見た夢はそれらのどこにも属さなかった。わたしは目を覚ましたとき今までいた空間が夢の中だったことに気づいたが、しかしよく考えるうちにそれが夢だったと言い切れるだけの証拠がないことが解った。混沌さ、夢の中の会話、起きたときの感覚。どれをとってもわたしが今まで見てきた夢とは異なるものだった。だから正確に言うと、これは夢ではないのだ。  わたしが夢の中で眠りから醒めたとき、目の前には黒い空間がはてしなく広がっていた。上も下も横も、すべてが黒。その黒がどん...
  • 涼宮ハルヒの遡及Ⅰ
    涼宮ハルヒの遡及Ⅰ     『ただの人間には興味ありません。この中に、宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい』  と、高校入学の初顔合わせの自己紹介の場で、至極真剣な表情でのたまった女がいたとするならば、たとえ、そいつがどんなに可愛くてスタイルが良かろうとも、大多数の男はコナをかけるのに二の足どころか三の足、四の足を踏む……いや、それ以前に、決して関わらないようにしよう、と心に固く誓うことだろう。  むろん、俺もそうだった。いや、そのはずだったんだが…… 「こらキョン! あんた聞いてるの? 今、大事な話をしてるところなのよ!」 「心配するな。ちゃんと聞いている。明日の不思議探索パトロールのことだろ」 「そうよ。で、あたしが何て言ったのかも聞いてたの?」  それはまだだろ。と言うか、それを今から言う気だったろうが。 「あら、ちゃんと聞いていたのね。意外だわ。な...
  • 人生最悪の四日間 第七章 ~神の条件~
    さて、目の前に血まみれの人間が倒れていたらどうする? もちろん、ポケットの中の携帯電話を取り出し電話を掛ける。 掛ける相手は保健室の保険医ではなく、119だ。そこで「消防ですか? 救急ですか?」とこっちはパニックだっていうのにムカつくくらい落ち着いた声で聞かれるから自分も落ち着いて「救急です」と答える。 「どうしました?」と聞かれるから、その場の状況を小説が一冊書けるほど事細かに語る。 その後、場所を聞かれるのでそこの住所という名の個人情報を漏らす。 救急車がサイレンを鳴らしながらやってきて、血まみれの人間をストレッチャーに乗せて、救急車の中へと吸い込まれていくのをひたすら眺める。 救急車がその場を去るので、今起きたショッキングな出来事を自分の記憶の中から削除する。 もし明日のホームルームか朝会で残念な話を聞いたら、静かに目を瞑り手を合わせる。これだけだ。   これは俺流の非常時マニュア...
  • 涼宮ハルヒの遡及ⅩⅡ
    涼宮ハルヒの遡及ⅩⅡ      どれだけの時間が経過しただろうか。  しかし、俺たちはボロボロになりながらも踏ん張り続けた。 「艦首超必殺撃滅砲発射!」  ハルヒが手を翳し、この砲撃だけは俺から撃たなきゃならない。  深遠なる闇を一閃の光が走る!  長門とアクリルさんが放つスターダストエクスプロージョン以上の威力が怪鳥群を殲滅し、しかし数が数であるし、しかも前の第一波と違い、今度はひっきりなしに増えてくる!  さらには艦首超必殺撃滅砲はエネルギー充電砲撃だけあって連射が効かず、また他の武器も一時使用不能となるという欠点がある。  じゃあなぜ使わなきゃいけなかったかというと、完全に俺たちが取り囲まれたからだ。  もちろん、相手も艦首超必殺撃滅砲の後は戦艦が単なる鉄の棺桶と化すことを知っている。こっちの戦艦のダメージはほとんどその時に受けるものだ。  もっとも! 『グレイトフルサンライズフェ...
  • 長門有希の消失 第四章
    第四章    学校を休もうと思っていた。  あの文章を読んで、わたしが独立した存在ではないと悟ってしまったとき、本当に立ち上がれなかった。茫然自失としていた。どんなことを思い、考えたのかも記憶にない。ただ気がつくと窓の外の空が明るくなっていて、わたしの部屋もかすかながら太陽に照らされていたのだった。パソコンはカーソルを物語の最後の文字で点滅させたまま、何十分も前と同じ状態の画面を表示していた。  涙は止まっていた。枯れてしまったのかもしれない。頬を伝った部分には少しだけ違和感があった。  でも確かに、涙に浄化作用はあったらしい。カタルシス。わたしは黙って泣いているうちに、いったい何が哀しいのか解らなくなってしまったのだ。一人暮らししていることなのか、あの物語が『わたし』のものだったことなのか、わたしは存在的に独立した人間ではなかったということなのか、あるいはその全部か。  悲しさも涙...
  • 長門有希に花束を
    4月第1週 今日から高校生。 本が好きだから文芸部に入る。 でも部員はわたし一人。 暇だから部室にあったパソコンで小説でも書く。 恋愛小説。登場人物はわたしと一目ぼれした5組の男子。   「長門好きだ。」 「私も好き。」   あとが続かない。才能のなさに絶望する。   4月第3週 わたしの好きな人のあだ名はキョンというらしい。 本名はわからないけど、それでいいかなと思う。 小説もわかりやすく名前を入れてみる。   キョン「長門、好きだ。」 わたし「わたしも好き。」   ちょっと心が温かくなった気がする。   5月第2週 恋愛小説なのに感情が無い。 ためしに顔文字を入れてみる。   キョン「長門、好きだ!( ゜д ゜) わたし「私も好き(///)」   ちょっとは感情が入ったかな?   6月第2週 いろんな本を読んで私なりに小説の勉強をしてみた。 その場の説明や雰囲気なんかをセリフの合間に入...
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