涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「虫歯と歯医者」で検索した結果
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虫歯と歯医者
虫歯と歯医者 虫歯と歯医者-下校編 虫歯と歯医者-公園受付編 虫歯と歯医者-治療編
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虫歯と歯医者
昼休み急に歯が痛くなった俺は谷口と国木田に別れをつげ気分転換に校内をぶらつくことにした 屋上にあがると古泉が相変わらずのスマイルで俺を出迎えた 「こんにちは、浮かない顔ですがどうかされましたか」 あぁ実は歯が痛くてな、この前の歯科検診では問題なかったのに急に痛み出したんだ 「それは災難ですね、よろしければ知り合いの歯科医を紹介しましょうか?」 どうせ機関御用達なんだろ遠慮しておく、それに今日は保険証持ってきてないしな ところでそういうお前も心なしか疲れているように見えるぞ 古泉のいつものスマイルもいささか曇りがちにみえた 「ええまぁこのところ断続的に閉鎖空間が発生してまして」 確かにハルヒはこのところ時々黙り込んでいるときがあるが、で今度は何が原因なんだ? 「原因は虫歯です、この前の歯科検診で見つかったとか」 あぁそういえばハルヒがそんな話をしていたな、虫歯が痛くて閉鎖空間とはね 俺もそ...
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虫歯と歯医者-治療編
「軽い貧血ですね、暫くこのままにしていれば意識は戻るでしょう」 ハルヒは大丈夫なんですか? ハルヒの診察が終わり俺への診察中のことだった、若干緊張し不安気な様子を見せていたハルヒだったが 不安に耐え切れなくなったのかとうとう気を失ってしまったのだ。 「安心してください、彼女は歯科衛生士だけでなく看護師の資格も持っています」 とお母さん先生が補足する、機関の人選に抜かりはないようだった。 俺はハルヒの不安感を軽く見ていたのだろうか? あいつの不安な気持ちに気づいてやれなかった自分がちょっと情けなかった。 「涼宮さんのことは彼女に任せてあなたはこちらへ、レントゲンを撮る必要があります」 とお母さん先生が言ってきたが俺はハルヒのそばにいてやりたかったので躊躇した。 「涼宮さんは大丈夫です、それに今回の依頼主からの伝言を伝える必要がありますが 涼宮さんがいる場所では禁じられています」 機関...
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虫歯と歯医者-下校編
泣く子とハルヒには勝てないんだろうなと思いながら俺はハルヒと一緒に坂道を下った。 時代劇で領民に無理難題を押し付ける悪旗本役の募集があったらハルヒを真っ先に推薦したいね。 悪代官役でもOKだ。 さて並んで下校する高校生男女二人連れの俺とハルヒ 字面だけなら青春の熱き血潮が爆走中といったところだがそうは問屋が卸さないだろう。 俺達の前後左右を歩く北高生達に俺達がどう見えるかと質問しても 例のヤバイ女とその手下の変な二人連れという答えしかかえってこない筈だからだ。 じゃぁ俺達のことを知らない人ならどうなのかというと まわりに北高生以外の通行人がいやしないとあっては変な二人連れ以外のなにものでもない。 と自分でだした結論になんとなく理不尽さを感じつつハルヒの様子を伺うと 「全くキョンったら高校生にもなって歯医者が怖いだなんて団長として恥ずかしいわ」 などと相変わらずの妄言三昧だ。 それもこれも...
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虫歯と歯医者-公園受付編
後ろにハルヒをのせ、ハルヒが指し示す歯医者の方向へと俺は自転車を押して公園内を移動した。 自転車に乗らないのは自転車に乗るなという公園の注意書きに従ってのことだったりする。 そしてさっきから何かいいたそうにしていたハルヒがやっと口を開いた。 「ねぇキョン」 ん、なんだハルヒ。 「キョンは何色が好きなの?」 さっきいわなかったっけか、青だな。しかしハルヒの声なんだか上ずってないか? 「青以外でよ、例えば黄色とかピンクとか白だとどれが好き」 おいそれってさっき俺がSOS団のみんなを例えた奴じゃ… ハルヒお前はなんてわかりやすいんだ? たしかハルヒが黄色で朝比奈さんがピンク、長門が白だったよな。 それにしてもさっきスーパーで言いかけてたのはこれだったのか。 ここで黒とか答えるほど空気が読めないわけではない俺だが さてなんて答えたものか……。 ハルヒの様子を伺うと不安と期待が入り混じったような...
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長編・キョン2
...ット(微鬱描写有) 虫歯と歯医者 恋愛お試しお手伝い! 涼宮ハルヒの中秋 ハルヒになっちゃった 月で挙式を 三者面談 とびだせ大作戦はサイケデリック 親愛の情 デッサン パレット 涼宮ハルヒの台湾 a unique solution 幸せのカテゴリー 涼宮ハルヒの終焉 ロリキョンが出来るまで ハロウィン! 涼宮ハルヒの戦場 世界の終わり 夏のある日の思い出 水無月の雨 A Jewel Snow (キョンVer) 華 ファーストキス ハジメテノヒト ストレス解消大会 ホットレモン エトランゼ 上機嫌 Lost my …? 『不思議の定義』 傷つけあい仲直り 友達から彼女へ、彼女から友達へ コンビニデザート ホームシック Missing Ring -失われる7日間- 恋愛初心者 予防注射 涼宮ハルヒの聖書 自由への奔走 涼宮ハルヒの夢幻 サプライズ・クリスマス 名前でしりとり 在り来た...
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橘京子の退屈(前編)
それから数十分後…… 「…………」 「――――」 「…………」 「――――」 「……むにゃ……」 「――――」 「……た、助けて……」 「――――」 「……うわ……捕ま……」 「――いい加減――起きろ――」」 「へぶぅ!!!」 あたしは突然九曜さんに殴られました。しかもグーで。 「何をするんですか九曜さん!」 「暇だ――からといって――時間を――蔑ろに――すべきではない――」 「無駄になんかしてません! あたしは……その……」 徐々に昇りつつある太陽を眺め、ふんっと鼻を鳴らし、気合を一発注入しました。 「今まで別世界の旅人となってアナザーワールドをさまよっていたのです。そして異世界の悪魔に追いかけられていたのです!」 そう、そうなのです。あたしは異世界へと降り立ち、右も左も分からないこの世界を彷徨っていると、突然この世のものとは思えない何か――悪魔が、あたしに襲い掛かってきたので...
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医者も匙を投げ出す病気の話
部室の窓から見上げた空は清々しく晴れ渡り、朝比奈さんの煎れてくれたお茶も美味い。 長門は定位置でページを繰り、古泉はオセロのコマを片手に爽やかスマイル。 この上なく平和な放課後。 なのに俺の気分が晴れないのはどうしてだろうね。 いや、原因はわかってるんだが。 つまり…… どうやら俺は普通の人間には興味のない、恋愛感情なんて精神病の一種だと言い切る女のことが好きらしい。 自分のことなのに伝聞形はおかしいと思った奴は俺の複雑な心境を察してくれ。 告白? そんなことしてみろ。精神病の烙印を押されて可哀相な目で見られるのは目に見えている。 あいつの興味を引く要素なんてひとつも持ち合わせていないと胸を張って断言できる、 機関とやらのお墨付きまでいただいた正真正銘普通の人間である俺は溜息を吐くしかない。 現在全力でなかったことにしようと努力中なんだが、一旦自覚してしまうとどうにも上手く行かない。 ...
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長門有希の死亡
~長門有希の過労~ 「それじゃ、今日は終了ね!また明日!」 いつもの活動を終え、私は本をしまって、帰ろうとしていた。 いつもの道を通って、私は自宅に着いた。 夕食の支度をしようと立ち上がろうとしたとき、目眩がした。そのまま、倒れこんだ。 「彼」に助けをもとめようと、電話をとる。 意識が朦朧とするなか、ダイヤルをかけて電話する。 プルルルル・・・プルル、ガチャッ 「おう、長門か。どうした?」 「彼」とは、そう、キョン。 「お願い・・・助けて・・・」 「ん、んん!?どうした長門!」 「あう・・・来・・・て・・・」 「おい長門!なg・・・」 プツッ 電話は切れた。 5分後、息を切らして「彼」がやってきた。そのほか、朝比奈みくる、古泉ー樹が来ていた。彼が呼んだのだろう。 「な・・・長門さん・・・」 朝比奈みくるは倒れこんだ。古泉ー樹が支える。 「長門さん!どうしたんですか!」 古泉ー樹がたず...
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●えもん
第1話 「アッー!の世界からはるばると」 第2話 「ホモでもドア」 第3話 「ソノうほホント」 第4話 「うほールライト」 第5話 「タイムマシン」 第6話 「BL本入りこみぐつ」 第7話「古泉だらけ」 第8話「ホモ訳コンニャク」 第9話「ウホタケ」 第10話 大長編「●えもん キョンの恐竜」前編 第10話 大長編「●えもん キョンの恐竜」後編 第11話「空気うほっ」 第12話「アッーンキパン」 第13話「お医者さんカバン」 第14話「時限バカ弾」 第15話「スペアブリーフ」 第16話「ホモ達の輪」 第17話「夢テレビ」 第18話「裏シマキャンディー」 第19話「変態ドリンク」
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記憶喪失
「・・・キョ・・・ね・・・キョン・・・」 …ぼんやりとした頭の中で、突然誰かの声が響いてくる。妙に聞き慣れた声だ。 「キョン・・・起き・・・よっ・・・」 なんだか意識がはっきりとしない。目の前は真っ白だった。 一体俺は何をしているんだ? 「・・・キョン!ねぇったら!」 …キョン? 突然女の大声が耳に届いたと思ったら、なんだか大きく身体を揺さぶられていることに気付く。 おいおい、一体何してるんだよ? 「ねぇ、起きなさいよ!キョン!起きてぇ!」 キョン・・・キョン?誰だよそれ。 というかこれは一体どういう状況なんだ?なんだか意識も朦朧としているし、まぶたが妙に重い。 「落ち着いてください涼宮さん!とりあえず救急車をよびましょう!」 あー・・・また新たな声が聞こえてきた。今度は男の声だ。 「キョ、キョン君!あわわぁ~~~~!!!」 …まだいるのか。それにし...
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あま~い短編置場
www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/16.htmlここにはあま~い短編を置いてください 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 【題名付き・短編保管庫】 1 たまにはコンピ研部長だって! 幸せの連鎖 抱き枕と二人のコミュニケーション 長門有希の贈呈 嘘とエネルギーの等価性 ハルキョン的10のキス保守 花言葉シリーズ? 鶴のロンド 魔法の言葉~would you marry me?~ 勝ち?負け? 「カレンダー」 カレンダー(H-side) ミイラ盗りのミイラは犬も喰わない (古泉×阪中) 谷口の恋心 hug(古泉×鶴屋さん) シフォンの幸福論(藤原・橘) 言葉にできない (長門×朝倉) かき氷(あま~い話?それとも…) 医者も匙を投げ出す病気の話 谷口の痴漢 結婚しよう ハルヒと春日 甘いのは飴かそれとも… 二年越し勘違い ゆきどけ デートしよう アイ...
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缶コーヒー、ふたつ1
はァハァハァハァ・・・ 「ちょっと、キョン!もっとスピードだしなさいよ?だらしがないわね!」 ハァハァ・・煩いぞハルヒ・・荷台に座っているだけのお前には判らんだろうが、さっきから延々と緩い登り坂が続いているんだ・・・。 今、俺は自転車の荷台にハルヒを乗せ、この一見平坦に見える心臓破りの坂道を往年のスポ根ドラマも真っ青なくらいの汗を流しながら登っている。 「しかし、オシリが痛いわね。自転車にも後部座席の必要性を感じるわ。」 勝手な事を。 仮にそんな自転車があったとして、おまえは一体だれに運転させる気・・・って俺か。 ああ・・本気で疲れてきた・・・もうマジメに後ろの煩い荷物に取り合うのはやめよう。 感情を捨てマシンになるんだ。 頑張れ、オーバーヒート寸前のエンジンな俺・・・ ところで、俺が何故オーバーヒートでエンジンなのかを説明する必要があるな。 話は、つい先程の放課後の部室へ...
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ノンフィクション・ストーリー
(この日付以前のページは空白となっている。また、目次のページは破り捨てられている。) 2001年6月23日 私はいじめられている。 私は暗いから、教室にいると周りがみんな暗くなるから学校に来るなと言われた。 私の給食に虫が入っていた。 靴がなかった。 明日も学校だ。 新しい靴を買わなければ。 2001年6月24日 虫食い女と言われた。 気持ち悪いから近寄るなと言われた。 転校しろと言われた。 全て私が悪いらしい。 机の中にゴミが入っていた。 椅子が水浸しになっていた。 明日は休みだ。 嬉しい。 2001年7月17日 男子に乱暴された。 服を脱がされた。 血が出た。 気持ち悪かった。 全て私が悪いらしい。 ■してやる。 殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる■■■やる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺して■る殺してやる...
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あま~い短編7
キョン「なぁ、長門」 長門「…なに?」 キョン「動くなよ?」 ぎゅっ 長門「…なに?」 キョン「ん?だっこしてる。抱き心地いいな、長門は。」 長門「…そう」 キョン「もうちょっとこうしてていいか?」 長門「………いい」 キョン「なぁハルヒ、俺とお前で新しい部活を作らないか?」 ハルヒ「え?なんていう部よ?」 キョン「2人でラブラ部だ」 ハルヒ「キョン・・・」 古泉「あまああああああああああああああい」 部屋に入るといささか意外な光景が、俺の目に入ってきた。寝ている。ハルヒが長机の端に、空気が抜けた浮き輪のように垂れている。 「部屋に入ったら、すぐにつっぷしてしまったんです。具合悪いのかな」 心配そうな声で朝比奈さんは言う。 「ハルヒ、どうした。具合悪いのか」 ハルヒは答えない。それどころか微動だにしない...
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遠距離恋愛 第十七章 閉鎖空間
第十七章 閉鎖空間 月も星もない、灰色の空。 がばと跳ね起きて、あたりを見渡す。見覚えの無い灰色のビル街、ホテル。直行する道路。 俺はそのど真ん中に仰向けになっていた。 ……閉鎖空間。 やれやれ。 またここに来ちまった。通算3回目……いや、橘のアレも含めると4回目か?いい加減にして貰いたいね。 とりあえず、自分の服装を確認する。 ブレザー、ネクタイ……って、あれ?これ北高の制服じゃねーか。ああ、そっか、ハルヒは今の高校の制服は知らなかったんだっけか。だから俺今、北高ブレザーなのな。 次に場所の確認だが……ここ、どこ? 以前住んでいた場所じゃない。もちろん、今住んでいるところでもない。あっちにはこんな高いビルとか、こんな豪華なホテルとかはないからな。 豪華なホテル……?? そうか。アレは確か、ハルヒや国木田達が投宿していたホテルだ。 古泉が手配した...
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第五章 25番目のイブ
第五章 25番目のイブ いつのまにか早いもので息子は高校生に、娘は中学生になった。 早熟で色気づいた娘は、クリスマスイブを家族と過ごす習慣を早々に切り上げた。 気に入った男の子とイブを過ごすために。 「恋愛なんて精神病の一種よ」 などと看破していたかつての奇人美少女の娘としては随分まっとうな展開だな。 俺もハルヒも40歳を過ぎ、そろそろ髮に白いものが混じり始めた。それでも、 ハルヒは依然として魅力的な若々しさを保っていたし、長門ほどじゃないにせよ 随分と加齢が遅いたちらしかった。 今度のクリスマスイブは長門が待機モードに入ってから25度めだという時期に、 俺たちの家族、正確には息子、によくある話と言えば話だが、まさか自分に 降り掛かるとは誰も思っていない事態がふりかかった。 それはちょうど明日はUSJに行くというクリスマスイブの前日のことだった。 冬休みの特別部活動に行くために息子が登校...
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遠距離恋愛 第二十三章 スイートルーム
第二十三章 スイートルーム 灰色一色の、現実味のない空間。豪奢なシャンデリアや大画面テレビなどが配置された部屋。 俺は今、キングサイズのダブルベッドに座っている少女を見ている。 白いコートを肩に掛け、ロングヘアをポニーテールに纏めている。 少女は手元の携帯電話を取り出し、何処かへと電話を掛けた。 「……」 「……」 「……」 「……やっと出てくれた」 「……」 「どうしちゃったの?どうしてパーティに来てくれなかったの?」 「……」 「ウソ!だって、発車時刻まで3時間もあったじゃない!」 「……」 「そんなに佐々木さんとデートしたかったの?まあいいわ。今日は大事な発表があったのよ。それなのに」 「……」 「……一番上の階」 「……」 「うん」 「……」 「……来てくれないの?アタシ、キョンのこと待ってるんだよ?」 「……」 「……何よ」 「………………」 「な……」...
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下衆谷口のなくころに ~かつおぶし編~
谷口「ブログなんてのはノリノリの時なら1日に何度でも書けるけど、ヘナチンの時は1ヶ月でも2ヶ月でも更新とまっちゃうよね」 谷口「赤外線のようにやさしくあなたを包み込む包容力の持ち主と名高き谷口です」 鶴屋「いいからそこに、座りなさい」 谷口「はい、おおせのままに。今日は鶴屋さまの方からご指名いただき、ありがとうございます。勝負パンツでやって参りました」 谷口「どんなパンツかと言うと、ノーパンです。ええ、そうです。ノーパンです。お察しの通り、穿いておりません」 鶴屋「キミがノーパン健康法に取り組んでいようが飲尿健康法に精を出していようがどうでもいいにょろ」 鶴屋「それよりも。今日なんで私に呼ばれたか分かってるのかい?」 谷口「さて。何故でございましょう。新しい下着を買ったからドレスアップ後の姿を品評してくれ、とかでござんしょうか」 谷口「おいどんならいつでもOKです! さあ、...
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Remedy of love
おれはやっぱりこの季節が嫌いだ、しかも風邪なんかひいた日にはもう震えは止まら ないし鼻水は溢れるしどうしようもない。 「ちょっとあんた大丈夫なの?」 こいつが心配してくれるとはめずらしいね、それほどおれの見た目がひどかったんだろう 「・・・ああ死にはしないと思う」 いや下手したら死ぬかもしれない・・・死ぬ前に押入れの奥の物品を処分しなくては やっと帰りのHRが終わった 「すまんな・・・今日は部室に行けそうにない」 朝比奈さんのお茶を飲んでも回復できそうにないからな 「送っていこうか?」 妙にやさしい・・・そーいえば長門が倒れた時は 嬉しそうに看病してたしな・・・しかし今はなにより静かに睡眠をとりたい 「いや一人で帰れるから心配するな・・・じゃあな」 心配そうな顔でこっち見るな・・・お前には似合わないぜ とは言ったもののやばいな、無事に家にたどり着けるだろうか。 校門をくぐり坂を下って...
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長門有希の報告Extra.5
Extra.5 涼宮ハルヒの戦後 わたしは喜緑江美里から、涼宮ハルヒと朝比奈みくるが戦闘を開始したという連絡を受けると、『彼』と古泉一樹を先に帰した。 「今日の活動は無くなったと言われた。」 「そうか。ほな、先に帰るわ。また明日な。」 【そうか。じゃあ、先に帰るぞ。また明日な。】 「ほんなら、お先に帰らしてもらいますよって。」 【それじゃあ、お先に失礼いたします。】 そう言うと、二人は帰途につく。それからしばらくして、 『終わりましたよ。』 江美里から連絡が入った。 『部室の中は凄まじい有様ですね。二人もぼろぼろです。』 『余り大規模な情報改変は推奨できない。』 『分かってますよ。致命的な損傷や損壊だけ修復して、後はそのままにします。』 しばし間。 『二人を保健室に連れて行きます。あなたはどうしますか? 長門さん。』 『わたしも保健室に向かう。』 わたしは、保健室に向かった。扉...
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遠距離恋愛 第二十四章 約束
第二十四章 約束 「お疲れ様でした」 検査室脇の長いすに座って先ほどの事を思い出していると、古泉が缶コーヒーを持ってやってきた。 「どうぞ」 「おう、サンキュ」 今日2本目の缶コーヒーだが、旨かった。この時期は、やっぱり温かい飲み物に限るね。 「流石ですね、あなたという人は」 「……何のこった」 「いえ、我々……いやこれは『機関』だけではありません。長門さんですら為し得なかったことを、あなたはあっさりとやってのけたのですから。地球を代表して、お礼を申し上げます」 「……私は宇宙の代表として、あなたに礼を述べたい」 古泉は俺の前に立って深々と一礼した。俺が驚いたのは、長門もそれに合わせてお辞儀をしたことだ。 古泉の大げさな身振りと芝居がかった台詞回しには慣れていたが、長門がそれに付き合うとはな。 ……待て、宇宙の代表?何のことだ?俺はただ、ハルヒを閉鎖空間から連れ戻しに行っただ...
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グサデレ その4
第71話 キョン「よっ、…と」 朝倉「ちょっとキョン君?」 キョン「ん?」 朝倉「今あなたペットボトルどこに捨てたの?」 キョン「燃えるゴミだけど?」 朝倉「あなたねぇ、ペットはちゃんと専用の場所があるでしょ?」 キョン「あぁ、うっかり忘れちゃうんだよなw」 朝倉「ペットを燃やしちゃったら危ないのよ?」 キョン「そんなに気にすんなよw」 朝倉「あなたみたいに地球に優しくない人は最早生ゴミ行きよ?じゃ死んで♪」 キョン「ちょww環境保全www」 朝倉「地球を大切にね♪」 キョン「(さすが朝倉、人だけでなく地球にも優しいぜ…はぁはぁ)グフッ」 第72話 キョン「あ”-…風邪っぽいな」 朝倉「あら、もしかして麻疹かしら?」 キョン「いや、ただの風邪だろ」 朝倉「その油断が命取りになるわよ?あたしが治してあげるわ、細胞ごと死滅させればいいわね? じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwヤブ医者www」 ...
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遠距離恋愛 第二十二章 ハルヒ
第二十ニ章 ハルヒ ビジネスジェット「Tsuruya」号は、滑走路に滑り込んだ。 機体が制止すると共に、お馴染みの黒塗りハイヤーが側にやってきた。 「とうちゃ~~く!さあ、客室の皆さんは、とっとと降りるにょろよ!」 通常の旅客機ならば1時間半は優に掛かる行程を、僅か50分でかっとんで来た「Tsuruya」号の搭乗口に立ちながら、客室乗務員姿の鶴屋さんは俺たちを促す。俺たちはぞろぞろと昇降口から滑走路に降り立ち、黒塗りハイヤーに向かった。だが、その前に。 俺は、昇降口に立ちこちらを見送っている鶴屋さんのところに駆け寄った。 「鶴屋さん?」 「何かなっ?」 「今回はご協力ありがとうございました。このご恩は一生忘れませんから」 「……良いってことさ。こんな事しか、あたしは出来ないからねっ!そんな事改めて言われると照れるっさ!キョン君もこれから頑張ってねっ!あ、それから」 鶴屋さんは、とびっ...
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プリンのスレタイ
以前ここにあった目次は移動しました お題+他 目次 文字サイズ小でうまく表示されると思います 「プリンスレのスレタイをテーマに1レスSS」 ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」 俺がリビングに置かれたPCで何気なく映画情報を調べていた時、その声は聞こえてきた。 振り向いて見れば、冷蔵庫の扉を開けたままハルヒはこっちを見て睨んでいる。そうか、このプリンは俺が夕飯の買い物 ついでに買ってきた物なのだが、いつの間にかハルヒの物になっていたんだな。ポルナレフもびっくりだ。 まだ食べ終わってない。それと、冷蔵庫は早く閉めた方がいい。 「あ~もう半分以上ないじゃない?」 駆け寄ってきたハルヒは俺の手にある容器を見て本気で悲しそうな顔をしている、そんなにプリンが好きだったのか。 俺は使っていたスプーンでハルヒの口なら入るであろう分量をすくうと、その...
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待たせたな。
関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ 「………。」 言っておくがこの三点リーダ3連発の主は長門ではない。 ……ハルヒだ。 何も言わず、ジトっとした目で俺を見るハルヒは唇をいつものあのアヒルのくちばしのようにしている。 悪かった。 悪かったって。 ……いや、マジでごめんなさい。 3時間の遅刻はないよな、うん。 俺だってそんなことされたらキレるね。 いや、本当一体どう謝ればいいのやら……。 こういう時、古泉なら都合のいい言い訳がぽんぽん思いつくんだろうな。 「今、何時かしら?」 やっと口を開いたSOS団団長兼俺の彼女さんは、妙にひんやりとした口調で小首を傾げた。 いつものカチューシャがゆっくりと品よく揺れる。 それがハルヒの白い首にかかるかかからないかでそのコントラストがううん、色っぽいね。 そのパステルカラーのワンピースも似合ってる。 うん、解かってる。 そんな...
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由良内科
朝、布団から抜け出そうとすると世界がぐるぐるしていた。 上下が逆になり、視界が揺れる。 ………どうやらヒドい目眩と熱を併発させてしまったようだ。 ちなみに今日は土曜日で学校はないのだけどな… せっかくの休日が丸一日潰れてしまうのはもったいない気がするな。 ぼんやりとした意識の中、親が俺の異変に気づいたのか、 車に乗せられて近くの内科に俺は運ばれた。 近くにあったものの初めて来た内科だ。 なかなか大きな建物に、それ相応の看板。そこにはこう書いてあった… 『由良内科』 ま、まさかな…俺は朦朧とする意識のなか、1人のクラスメイトの顔を思い浮かべていた。 俺って、予知能力者だったっけ…?いや、ただの妄言だ。気にしないでくれ。 院内にはいると俺が思い浮かべた顔と寸分の違いもない、少女が、そこにいた。 「あら?こんなところで会うなんて珍しいね」 「な、なんでお前がこんなところに?」 「あれ?言...
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悩みの種3
あの日…私がキョンを誘って映画…他にも行ったけど…それに行った日。 私は自分に素直になれなくて…キョンが心配してくれてたのを振り切って…私は一人家に帰った。 そこで私は凄く後悔したの… なんで私はいつもこうなんだろう…って。 明日こそは素直になろう…。そして素直に謝ろう。そう考えてたの。 だけど…私の携帯に電話が鳴った。 その画面からは…公衆電話?誰だろ急に…わからないまま電話に出た… そこで聞いた一つ一つの言葉が信じられなかった… 電話の相手はキョンの妹ちゃんだった。凄く慌ててる様子で。 「あの…っ…ねっ……ハルにゃん…っ!今…私…っ…ねっ…お母さんからっ…」 明らかに様子がおかしい事を覚るのにそんなに時間はいらなかった。 「妹ちゃん!?どうしたの!?なにかあったの!?お母さんがどうしたの!?落ち着いて話して!?」 私も最初わけわかんなくてパニ...
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長門有希の妊婦生活2
長門有希の妊婦生活の続きです 「…あ…。」 「んー?どしたー?」 リビングの隅にあるパソコンを弄っている彼。 顔をこちらに向けずに画面に食いついてる。 「…動いた。」 「なにィィィィ!!?」 一瞬彼の顔が劇画チックに見えた。昼に読んだ漫画のせいかも。 「このッ!俺にもッ!『命』を体験させろッ!」 リビングの絨毯をずらす勢いでスライディング。…ユニーク。 「…もう動いてない。」 「…うー、悔しいなぁ…。」 「きっとすぐ動く。…来て。」 彼を抱きしめて、耳を私のお腹に当てる。 ぽっこりと大きくなった私のこのお腹には、彼との愛の結晶がいる。 どくん 「あ…。…今の?」 「…動いた。」 どくん、どくん 「あ…また……ウヒヒヒ…!」 感極まっているのか、私が妊娠を告げた時のように子供のような笑い声をあげた。 「…ふふふ…。ほーら、パパだよー。元気に育てよー。」 私のお腹をぽふ...
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ゾクゾクする谷口
谷口「今日、諸君らに集まってもらったのは他でもない。実はさっき、一考に値する噂を小耳にはさんだのだ」 中河「ほほう。それは大変に興味深い。して、その話とは?」 谷口「今、SS界では空前のゾクゾクブームらしいですぞ」 藤原「ゾクゾクとな? ゾクゾクというからには、ゾクゾクするSSがはやっているということなのか?」 谷口「そうだ。ゾクゾクだ。空前のゾクゾクフェスタ2008なのだ」 谷口「しこうして! 流行に超敏感なイケメソであるところの我々が、この一時的ブームに便乗せずしていかんとする!?」 藤原「なるほど。そういう事情だったのか。それは確かに、便乗せざるをえない事態であるな」 谷口「そういうワケで。今日は3人で流行に乗るべくゾクゾク祭を開催したいと思う次第である!」 藤原「うおー!!」 中河「ばんざーい!!」 ~~~~~ 谷口「まず一番手は俺が行こう。俺のゾクゾク道を...
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白有希姫 後篇
学校祭まであと20日、演劇は6割方進行した。俺は王子役の台詞、そして何故かアクロバットな運動を命じられ、そしてスポットライトの練習までやらされることになっている。 これならまだ『その他雑用』の方が良かったぜ…畜生。 コンピ研の奴らが素直に演技の練習を続けているのが少し気がかりだが…まぁ俺は自分の事で精一杯だ。 いまいち進度が遅い為、ハルヒは文芸部室にメンバーを集め、ミーティングを開始した。 「うーん…皆はよく頑張ってくれてるんだけど…ちょっと練習時間が短いのかしら?」 いや、十分にハードなスケジュールだと俺は自負してたんだが? 「そもそも、お前のシナリオが無理矢理すぎるからいけないんじゃないか?」 「まぁ大変ではあるけど…これが成功すれば、きっと素晴らしいものになる事間違いなしよ!」 この自信はどこから沸いてくるのか。もし沸き場所を知っている方が居れば連絡を取り合...
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長門有希の憂鬱III The ecstasy of Yuki Nagato
The ecstasy of Yuki Nagato 長門の夢を見た。ほっそりとしたお姫様の格好をした長門が白いドレスを着て、悪の帝王に捕まっていた。 「悪の帝王、ユキ姫を返せ!」 「キッヒヒヒ。欲しかったら力ずくで取り返してみなさい」 「おう!望むところだ」 俺は蛍光灯のように光るサーベルをブンブンと振り回して、ハルヒ扮する悪の帝王を倒した。 「ユキ姫、俺とケッコンしてくれ」 「……それは、できない」 「なんでだよ。ほかに好きな男がいるのか」 「……わたしは、あなたの妹」 まさかそんな。今になってそれはないだろう。 長門の顔が妹の顔とダブった。 「キョン君、早く起きて」 昨日ハルヒがあんなことをやらせるから悪いんだ。俺はブツブツ言いながらベットから這いずり出た。おかげで学校に遅刻してしまった。 気が付くと、いつのまにか四限が終わっていた。授業中の記憶がない。俺は...
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ある日の出来事
はい、準備はいいですね。 今日は僕の過去について話をしようと思います。 僕が北高に転校するよりも前、高校生でもなく、 機関の存在など夢にも思わない3年前の春― ―僕はいつものように目を覚まし、部屋のカーテンを開けます。と同時に、 急激な吐き気が僕の胃を満たしました。 すぐに洗面台に駆けつけ、部屋に戻った僕は、 新しい環境に慣れないための体調不良か何かだろうと思いました。 念のため医者にいってみたのですが、医師の診断はまったく問題なし、 健康であるというものでした。 その夜、僕は夢を見ました。そこは灰色の空間で、景色は僕の住む街そのものなのに、 人は誰一人としておらず、僕はそこをあてどもなく歩いていました。 僕はビルの中に入り、気がつけば屋上に登っていました。 そこから遠くを見ると、ずっと向こう、いくつも町を隔てたあたりで、 もやのような影が見えたような気がしまし...
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橘京子の退屈(後編)
「全く……九曜さんのおかげで偉く恥をかいちゃいましたよ。頼みますからあまり変なことはしないで下さい」 「――――」 宴会で、受けると思ってやった一発ギャグが案外受けなくて、しんみりと席上を後にしたしがないサラリーマンのような顔を浮かべながら、あたし達はデパートを逃げるかのように出て行きました。 今はデパートから少し離れた、桜並木を歩いています。 「はあ……」 九曜さんのおかげで被害が被りまくりです。あたしへの精神的ダメージは、ボス戦で8回逃げた後に発生する改心の一撃ラッシュ1ターン分に相当します。 今日の九曜さん、ツッコミ具合が滅茶苦茶です。ひどすぎます。何でここまでキワどいことをするのかしら? 「あなたも――彼に――対しては――迷惑を――かけ過ぎ―ー」 え……? あたしが、彼に迷惑をかけてるですって? 根も葉もないことを言わないで下さい! 「根も葉も――ある……――あなたは―...
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ハルヒ「釈迦はイイ人だったから!」
キョン「おい、持ってきたぞ」 ハルヒ「遅いわよ!どうせタラタラ歩いてきたんでしょう!」 キョン「この重量を持ってダッシュできるとでも思ってか」 古泉「ふぅ、腰が痛いです」 ハルヒ「二人とも情けないわね。まぁいいわ!さっそく組み立てよ!」 キョン「頑張ってくれ」 ハルヒ「なにいってんの、あんたがやるのよ」 キョン「…お前こそなに言ってんだ。俺と古泉はもうクタクタなんだ」 古泉「さすがに今すぐというわけには…」 ハルヒ「これだけ部品があるんだから、今すぐにでもやらないと 完成するの夜になっちゃうじゃないの!」 みくる「すみません遅れま…ひゃ、なんですかコレ!」 ハルヒ「アンテナよ!」 キョン「正確にはその部品です」 みくる「こんなにたくさん…いったいどうしたんですか?」 ハルヒ「有希が見つけてきたのよ。 へんな宗教団体の建物の跡地から」 ...
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鶴屋さんと古泉
「ここはカメラ屋……というよりも写真屋ですか」 文芸部部室から半ば強引に連れ出された古泉一樹がたどり着いた場所は、大手のカメラ メーカーが運営を委託しているような店とは違い、建物の造りも古風な個人経営の写真屋 だった。 店先に飾られた人物写真や風景写真は、店主の写真好きが高じて店を開いた……そんな 雰囲気が漂っている。今ではひとつの街に一件あるかないかというその場所に彼を連れて 来たのは──SOS団のメンバーではなかった。 「さっすが古泉くんっ! いやぁ~、物わかりがよくて助かるよっ!」 はっはっはーっと笑いながら、こんなところまで古泉を連れてきた張本人の鶴屋は、い つものハイテンションを維持したまま、「じゃっ、行くよーっ」と宣言して写真屋の中に 突撃していった。 鶴屋がこの店にどんな用事があるのか、いまだに分からない。そもそもどうして自分が ここへ連れてこられたのかさえも...
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遠距離恋愛 プロローグ
プロローグ 季節は初春、3月中旬。先週行われた期末試験明けの球技大会も、我ら2年5組は男子サッカー・一回戦敗退/女子バスケットボール・優勝と、旧1年5組と全く同じ結果となってしまったのは、昨年と競技種目が違うとはいえ、なんとなく想定内ではあった。これで高校2年生としての行事は全て消化し、あとは来るべき春休みまで短縮授業という、来年は受験戦争という監獄に放り込まれること確定な我々の学校では最後のオアシスたる怠惰な時間を満喫することになる……はずなのだが、残念ながら、現在の俺はそのような穏やかな心境ではない。 何が何でも今日は部室に行き、おそらく、今日もそこに勢揃いしているであろう非日常的存在に、折り入って相談しなければならないことがあったからだ。 ああ、ちなみにハルヒは用事があるとかで本日は部室には来ない。 一応ノックをする。先月末に卒業してしまわれたとはいえ、それ以降も健気に毎日...
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壊れた記憶
病院 古泉「キョンたん、僕のことがわからないんですか?」 キョン「うん・・・っ」 古泉「困りましたね…」 キョン「…あなたの名前はなに?」 古泉「僕は古泉、あなたの恋人です」 古泉「本当に?」 キョン「…うちに…帰りたい、ハルヒは?」 古泉「おや、涼宮さんはわかるんですか?」 キョン「長門…、朝比奈さん…」 古泉「キョンたん…」 キョン「みんなどこへいったの?」 古泉「…みんな元気ですよ、それより医師を呼んできましょう」 キョン「うん…」 僕は、医師と話す古泉という人の顔を見た なかなかいい顔をしていてモデルのようにも見える 医師は簡単な質問をしていく 医師「この人のことがわかりますか?」 キョン「ううん…わかんない」 古泉「……」 医師は渋いような顔をして出て行った 古泉「涼宮さんや他のみなさんのことはわかるんですか?」 キョン「うん…名前はわかるんだけど、もやもやしてよくわから...
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遠距離恋愛 第十八章 佐々木
第十八章 佐々木 卒業式も終わった3月中旬。大学の合格発表が行われた。 佐々木はもちろん合格した。流石だね。伊達に3年間勉強に身を費やしていた訳じゃない。 朝倉は予定通り、高校卒業後に海外の両親の元へと行くと言うことで俺たちの前から姿を消した。 俺はと言えば……簡潔に言うと、落ちた。いや、落ちたというのは正確じゃないな。 補欠合格という曖昧な立場だ。合格したものの、他の私立大学等に行くために入学を辞退する人間が毎年多少居るので、次点の不合格者を補欠と言う形で「仮合格」させる。しかし、国内でも有数の超一流大学だから、毎年補欠で入学できるのは1人か2人なのだという。だからこの場合「落ちた」と同義な訳だ。 「キョン、残念だよ。キミとまた一緒に学舎に通いたかったのだが」 「……そうだな。約束を守れなくて、すまない」 いよいよ向こうに出発する佐々木を見送りに来ていた俺は、搭乗待合室...
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長門有希の妊婦生活
(長門有希の結婚生活 [R-18]の続き) 「おめでたです。」 産婦人科の先生にそう告げられた。 結婚してから一年半、ようやく私も母親になれるのだ。 彼にはどうやって伝えよう? 昔の私なら単調に事実を告げるだけだったかもしれないけど、今は違う。 どうにかして彼を喜ばせたい。 方法1:数日間思いきり冷たくしてそれから発表 …駄目。 冷たくしたら彼の私に対する態度も冷たくなるだろう。 そんなの堪えられないし、胎教に悪い。 方法2:以前のように豪華な夕飯、お風呂の後にラブラブ発表 …いい。 けどいつも通り過ぎて思い切り喜ばせるのには向かないかもしれない。 最悪の場合これでいこう。 方法3:いつも通り普通に過ごし、夜寝る前に発表 …これ? いつも通りだからかなりのハプニングになるはずだ。 取り乱す彼を想像するとつい口元が緩む。 方法4:妊娠検査の紙を「あのー…」 「…?」...
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平行記憶
雪山から帰ってくると、 俺達が早速ハルヒによって初詣名義の神社巡りをさせられたのは想像に難しくないだろう。 古泉によると、神社の神主の中にも「機関」の関係者が居て、 ハルヒがお参りに来た時は神様のお参りだという事で大変だったらしい。 ハルヒもハルヒで調子に乗り、朝比奈さんを連れて巫女衣装を着て祭壇で怪しげな祈りを捧げていた。 古泉はその随分適当な「神様」を補佐する役割として、昔の貴族衣装を着て横に座っている。 3人共おこれでもかと言うほどお似合いだ。そのままタイムスリップして祭られてるといい。 あ、朝比奈さんはいいですよ。 この時点で残ったのは俺と長門だけになったのだが、 長門はそのマイナス50度の視線で俺に言ってきた。 「この前の事は私の責任。あなたは気にしないで欲しい」 感情が出来たばかりと思われるこいつでもかなり気になっていたらしい。 心配はするな。お前に任せすぎた俺も悪い。 「そう...
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教科書文通7
「クリームあんみつ。」 甘味屋の店員がしずと運んできたガラスの器の中にきらめく小豆の赤と、白玉とアイスクリームの白、彩の抹茶の緑にフルーツの暖色。 長門さんの視線が、先ほどまでべらべらとあんみつの歴史なんぞを長引かせていた僕からこの食べられる宝石箱に移ったのは言うまでもない。 彼女の瞳がガラスの中のあんみつ同様、キラキラとしている。 あんみつを発明した二代目森半次郎に感謝だ。 彼はあんみつを特許申請せず、どの甘味屋でもその味を提供できるようにしたというが、 僕は彼ほど欲のない人間ではないので、あんみつに輝く長門さんの瞳を見る権利に特許を申請したい。 「はい。 これが、クリームあんみつです。 これは抹茶と白玉も乗っているので、宇治白玉クリームあんみつですね。 どうぞ、お召し上がり下さい。」 「お召し上がり、下さいとは不可解。 結局上がるの? 下がるの?」 そこで揚げ...
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涼宮ハルヒの記憶
「あんた・・・誰?」 俺に向かってそう言ったのは涼宮ハルヒだ。 あんた?誰?ふざけてるのか?嘘をつくならもっとわかりやすい嘘をついてくれよ! だがハルヒのこの言葉は嘘でも冗談でもなかった。 この状況を説明するには昨日の夕刻まで遡らなければならない。 その日も俺はいつものように部室で古泉とチェスで遊んでいた。 朝比奈さんはメイド服姿で部屋の掃除をし、長門はいつものように椅子に座って膝の上で分厚いハードカバーを広げている。 ハルヒは団長机のパソコンとにらめっこしている。 いつものSOS団の日常だった。 「チェックメイト。俺の勝ちだな古泉!」 俺はいつものように勝利する。 「また負けてしまいましたか。・・・相変わらずお強いですね。」 微笑みながらこっちをみる古泉。 俺が強い?言っておくが俺は特別強くなんかないぞ!おまえが弱すぎるんだよ古泉! まぁこの微笑野郎が本気でやっているかどうか...
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2 はじめての休日
~2 はじめての休日~ ふふふ……うふふふふふ。ついにこの日が来たわ。今日は二人暮らしをして初の土曜日。 即ち休日。どこに連れて行ってやろうかしら? 足りない物の買い出し? 雰囲気のいい公園探し? ふふ、キョンと外出デートなんて久しぶりだわ。楽しみでたまんない! あたしは体を起こして隣りに寝るキョンを眺めた。あたし達は一つの布団、一つの枕で寝てる。 わざと布団を持って来なかったのはあたし。キョンと一緒に寝たかったし、腕枕が気持ちいいんだもん。 それにしても……起きないわね。出かける時間が無くなっちゃうじゃない。 「こらー、キョン。起きなさーい。食べちゃうわよー」 あんまり起こす気のない起こし方をしてみる。だって食べちゃいたいから。 「……食われたくないから起きるよ。ふぁ……おはよう、ハルヒ」 起きちゃったわね……残念だわ。そういえば寝起きのキョンの顔をしっかり見るのは初...
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これもまた、1つのハッピーエンド
文字サイズ小で上手く表示されると思います カカオ から繋がったかもしれないSSです あたしには、それは苦痛じゃなかったの。 自分の上に圧し掛かるキョンの体重や匂い、汗ばんだ肌も切なげな吐息も…… その何もかもが愛しくてしかたがない。 この部屋はあたし達だけの物、誰の邪魔も入らない。 「ハルヒ……ハルヒ」 大丈夫、あたしはここに居るから。ね? 彷徨っていたキョンの手を掴んであげると、その手の震えはすぐに止まった。 ほら、大丈夫。 あたしと付き合い始めてから、キョンはまるで人が変わってしまったみたいに 家に篭りがちになってしまった。 それまでの穏やかな性格を思い出せないくらいに荒んでしまって、一時期はS OS団のみんなや家族まで近づけない程だったわ。 あたしはそんなキョンを放っておけなくて、2人で同棲したいとキョンの両親 に頼んでみたの。まともに会話...
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長門有希の報告Report.6
Report.06 長門有希の陥落 いつもと違う、ちょっとおかしい(主に服装が)彼女と、いつもと違う、ちょっとおかしい(主に言動が)わたしの、いつもと違う、ちょっとおかしい(主に空気が)風景。 お茶を霧にしたり、お菓子の袋を引きちぎったりと忙しい彼女だったが、それでも次第にくつろぎ、話をし始めていた。 わたしはお茶のお替りを淹れたり、飲み物を取ってきたり、お菓子を食べたりしながら、彼女の話を聞いていた。 正確に言うと、話をしている彼女を見ていた、となるかもしれない。 彼女の話す内容は様々だった。普段部室やSOS団の活動中に話しているような内容もあれば、自分の身の上話、国際政治や領土問題から、芸能に今夜のおかずまで。彼女の興味の対象は幅広い。聞いていて飽きない、という感想を相対した人間は持つだろうと予想された。 ただ、それでも全体的な傾向としては、平均的な女子高生の会話の内...
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スノーホワイト・レクイエム4
かたかた、かた。 単調なタイプの音。ブラインドタッチが出来るほど、慣れているわけでもなかった。手慰みに始めて、今はほんの少しだけ上達した。旧式のデスクトップパソコンだからそれほど機能があるわけでもない。インターネットにも繋がっていない、開いて使えるのはペイントソフトやワードソフトや、それくらいのものだ。 わたしは人気のない部室で、文章を打っている。何の気なしに初めて、それから誰もいないときに、密かに少しずつ打つようになった。単語が並ぶ、接続詞がつながる、変換キーを押す。途切れ途切れに書き始めた、拙いなりの物語。誰も知らない、わたしだけの作品。完成の目処も立ってはいないし、ほとんど勢いで始めたものだから起承転結もぐちゃぐちゃで、とても人に見せられたものじゃない。それでも。 ――着想は、とても単純。 以前、改めて読み直してみたグリム童話に、子供だましと思っていてもいつのまにか引...
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一本の樹 後編
・・・・・ ・・・ ・ 月日は流れ、彼女と出会ってから僕の年輪は2つの輪を重ねている。中学卒業は間近だ。 僕は一度落ち着きを取り戻してからは、当初の臆病さの質が変わり、年齢に見合わない思慮深さと慎重さを備えた超能力者として、その立ち位置を明確にしていた。 周囲はこれを成長と言うが、これを成長と言うなら世の中には新しい辞書が必要だ。成長と妥協という語彙を再定義する必要がある。 理由も無いのにいつの間にか気にならなくなっていた自分の境遇や『彼女』への憎しみ、それに伴って変わった自分・・・これらは成長と言うよりただの妥協と言った方が的確だ。 自分は何も成長してなどいない。ただ考えるのを投げ出しただけだ。妥協を繰り返しただけだ。 一方で彼女はと言うと、こう言うと失礼かもしれないが、何も変わらない。 純粋に真直ぐで、許容性と弾力性に富んでいて剛胆、それらは出会った頃と変わら...
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4レスSS こなキョン
チョココロネの頭が細い方と太い方のどっちかなんて、 世間話にもならないくらいのどーでもいい話だが、 あえてその疑問を口にする女と、俺は出会っちまった。 こなた「ねえ前の席の人」 キョン「なんつう呼び方だ……何だ?」 こなた「チョココロネってどっちから食べる?」 キョン「……頭から、だな」 こなた「ふうん。頭ってどっち?」 キョン「太い方だと思うぞ。芋虫っぽいし」 こなた「あ、私と同じだ」 キョン「そうか」 こなた「そう」 キョン「…………」 こなた「ムグムグ」 キョン「……いや、だから何?」 こなた「貝だと思えば、細い方が頭なんだってさ」 キョン「何の話だ?」 こなた「チョココロネ」 キョン「ああ……ってお前今日も昼食チョココロネか」 こなた「燃料だからね。摂取しないと死んじゃうよ私」 キョン「何だその設定」 こなた「……ムグムグ」 キョン「おい、チョコ垂れてる」 ...
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貧乏SOS団 借金地獄変
もし長門が貧乏だったら 朝倉「ねえ、買い物いかない?」 喜緑「いいねえ」 長門「あ、お金足りない……」 朝倉「じゃあ、地球寄ってく?」 喜緑「いいねえ」 らららむじんくん らららむじんくん らららむじんくんらららら♪ 長門「それがわたしがここにいる理由、あなたがここにいる理由」 キョン「待ってくれ。正直言おう。お前が何を言ってるのか、俺にはさっぱり解らない」 長門「お金貸して」 キョン「ふざけんな」 長門「あなたは涼宮ハルヒにとっての鍵。わたしにとっての連帯保証人」 キョン「絶対、判なんか押さねーからな」 長門「危機が迫るとしたらまず……お金」 キョン「だったらもうちょっと安いところに住めよ」 長門「ご利用が計画的じゃなかった」 キョン「オチは?」 長門「計画的じゃなかった」 もし朝倉が貧乏だったら 朝倉「人間はさぁ、よく『借金しなくて生活保護を受けるよりも借金して破産...
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