涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「言えないよ」で検索した結果

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  • 言えないよ
    ...ターに表示された。『言えないよ』…? 「ほう、郷ひろみですか」 「でもこれ、割と最近の曲だよな。聞き覚えあるし。 これならなんとか歌えそうか」 イントロを聞いたキョンも、そう呟く。ふふん、言ったわね? それじゃあせいぜい期待させて貰おうかしら? 腕組み足組みをしたあたしの視線の先で、曲に合わせて キョンが歌い始める。最初はみくるちゃんたちもノリノリで 声援やら手拍子やらを送っていたけれど、 ゆるやかに曲が流れていく内にそれは次第にまばらになり、 そしていつしかあたしを始め、全員がキョンの歌に 静かに耳を傾けていた。 別に、キョンの歌が特別うまかったわけじゃない。歌自体は 可も無く不可も無く、十人並みといったレベルだ。 ただ、その歌詞が―― 『言えないよ 好きだなんて 誰よりもきみが近すぎて 悲しいよ 夢だなんて きみに届きそうな くちびるがほら空回り』 しっとりとしたスロー...
  • 言いたい事は言えない話
         言いたい事は言えない話      道行く人が着る上着と同じ様に、外吹く風もその色を変えてきた――今は十一月。  週末恒例となっているこの市内散策も、ただ目的も無く歩くだけでは凍えてしまう季節がや ってきていた。  日に日に寒さが強くなるにつれ、どうせ何も見つかりっこない不思議探索などはこの際止め て、長門か俺の部屋でのんびりゲームでもしていればいいんじゃないかと俺はかなり本気で思 っているのだが、 「みんな~いい? 今日こそ宇宙人を見つけてくるのよ! ノルマは一人宇宙人一匹、未来人 でも超能力者でもいいからね!」  乾いた大気を震わせるハルヒの声。  人で溢れる駅前で高らかに妄言を叫んで見せたハルヒには、状況に合わせて行動内容を改め る等といった考えは、そもそも存在していない様だ。  それでもまあ、物は試し、百聞は一見に如かず。 「なあ、ハルヒ」 「え、何」 「今日の活動について...
  • 消えない雪
    土曜日の早朝、いつもの集合場所へと向かう。薄く汗を滲ませながらたどり着くと、貴重な私服姿の長門がすでに到着していた。 しかもダッフルコートに白いニット帽のおまけつきだ。 うむ、小柄な長門にはぴったりな服装だな。そんなことを考えつつ近づいていく。 ちなみに他の団員はいない。 「すまん、待ったか?」 「平気。」 平気ってことは待ったってことだよな。長門の小さな手を取るとやはり冷えきっていた。こりゃ宇宙人とはいえまずいな。 「とりあえず暖かい場所に行くか?いつもの喫茶店にでも。」 「いい。それよりも早く駅へ。」 そういうと長門はさっさと歩き始めた。待ちきれないみたいだな。苦笑しながら俺はあとに続いた。さて状況を説明するとだな… 「消えない雪」 ~回想~ 「今日も汗が滲んできたか。」上り坂の中ほどで俺はそうぼやいた。 今年はまれに見る暖冬で、冬の寒さに凍えながらシャミセンとコタツで丸くなるよ...
  • 「ありえない」のニュアンス
    「やれやれだ」  それが、キョンの口癖だった。  それに律儀に突っ込みを入れるのが私の日課だった。 「ぼやきたくなる気持ちは分かるけど、ぼやいたところで事態に変化があるわけでもない。非生産的な行為だよ」 「分かっちゃいるけどな。ったく、あいつらの目は節穴か? 俺たちのどこが付き合ってるように見えるってんだよ」 「主観的な思い込みというものは、一度それにはまってしまうと、容易には抜け出しがたいものだ。物事を客観的に見るというのは、よほど鍛錬しないと、なかなか身につかないものなのだよ」 「おまえは、よく平然としてられるな」 「僕は何と言われようと気にしないことにしているからね。客観的な事実は不動だ。ならば、他人の主観的な認識なんて、どうでもいいことだ」 「ああ、そうかい。俺もそんなふうに考えられれば、少しは気が楽になれるんだけどな」 「ご希望とあらば、その秘訣を教えてさしあげないこともないの...
  • 長編・涼宮ハルヒ
    ...意) 浴衣とお祭り 言えないよ 愛のかたち 渋皮やさしく剥いたなら 涼宮ハルヒのライバル クリスマスプレゼント 教科書と嫉妬 涼宮ハルヒの告白 完全ウリジナルストーリー 涼宮ハルヒの労い
  • 涼宮ハルヒの追憶 chapter.5
    涼宮ハルヒの追憶 chapter.5 ――age 25 「じゃあ、行ってくるな長門」 俺は長門に出がけの挨拶を済ませ、ドアを開けた。 いつもなら、彼女が「いってらっしゃい」って笑顔で送ってくれるんだがな。 でも、無言で送ってくれるのも嬉しいぞ、長門。 花はもう飾ってあるから。 鍵を閉め、言われたとおりに郵便受けに鍵を入れておく。 じゃあ、学校にでも向かうか。 マンションを出るとき、センサーが反応しないので、人が来るのを待った。 その時、人とすれ違ったが、見えていないようなので安心した。 そういえば、これからあの坂を上るのか。 車で行きてえな、最近ろくに運動もしてないし、疲れるだろ。 まあ、過去の俺の為に頑張ってやるか。 坂を上るぐらい、あの時の苦しさに比較にもならんからな。 学校へと向かう。 その間、いろいろな人とすれ違ったが、やはり誰も気付かないようだった。 なんか悪戯したく...
  • 小さな初恋
    ...ど、最後なの」   言えないよ。大好きなキョンくんを諦めるためなんて。 自分のお兄ちゃんを好きでいられるのは《こども》の間だけだから。それを諦めるため、《おとな》になるためにキョンくんを諦めるから最後なんて言えない。 「ごめんなさい……」 わたしがキョンくんに言えるのはこの言葉しかない。 キョンくんはわたしの頭を撫でながら言った。 「まぁ、お前にも何か考えがあるんだろう。しょうがない、今日だけは好きなだけ甘えていいぞ。よく考えるとハルヒと付き合いだしてからは構ってやれなかったからな」 よかった、わかってくれた。今日だけはたっぷり甘えさせてもらおう。……最後だから。 「ほんと!?ありがとうキョ……お兄ちゃん!!」 そして、今日だけは《お兄ちゃん》って呼ばせてもらおう。   それから、わたしとキョンくんは散歩に出た。 手をつないで、街や、公園や、川沿いの道を遊んだり休憩したりしながら歩...
  • 長門有希の憂鬱
    人間は、集団を作る。その中で核となる人物や手足として動く人間もいれば 余計な存在としてあぶれる人間も現れる。 そしてあぶれた人間は、稀に集団の中で陰湿な目に遭い、それを黙認される。 それがいじめ。私が今受けている屈辱。   「ブス~なに読んでんの?」 「無視すんなよ」 「オタクくさっ、邪魔なんだけど」   邪魔、と言われて大人しく退室に従う。途中で足を引っ掛けられて転ぶ。 本が取られないように抱き抱えていたため、制服がほこりにまみれる。 事前に床にほこりをまいていたようだ。   「ダサっ」 「ほこりすごーい」   一度、足を避けてみたことがある。不自然に思われぬよう注意して、ごく自然に 足を避けた。すると、私が転ぶまでみんなで蹴る。 最近は大人しく足に引っ掛かり無様に転んで見せる。そうすることで彼女たちは安心し、 次からはもっと無様に、更に派手に私が情けない姿を晒すようにと張り切っている。...
  • コーヒーふたつ【おかわり】
    俺も、お前の事が大好きだ・・・ 時が止まった気がした。 俺は・・・自分で言うのもなんだが、普段なら色々と考えてしまうと思うんだ。 ある意味、内向的なのかもしれないな。 ただ、今は一つの気持ちで頭の中が爆発しそうだ。 ハルヒが好きだ。 そして、欲しい。 ハルヒは黙ったまま瞳を閉じた。 トクン・・・トクン・・・ 二人の心臓の音だけがこの部屋を支配している。 俺はハルヒを抱き締めたまま、離す事が出来ないでいる。 そしてハルヒも・・・ 電気ストーブの灯りが揺れていた。 「ねえ・・・」 この部屋を、二人の心臓の音の支配から解放したのは、ハルヒだった。 あ、すまない。 慌てて離れようとする俺の腕をハルヒが再び抱き寄せる。 「私だって・・・」 何? 「私だって・・・男と二人きりで一晩過ごす事の意味くらい知ってる・・・。」 ! 俺は戸惑いを隠せない。いや隠せていな...
  • 結婚しよう 佐々木某の結婚生活
    ... 「全く、呆れて物が言えないよ」 「はあ、どういう意味だ?」 「そのまんまの意味さ。キョン君は成長ということを知らないのかい? はっきり言って君の鈍感さは学生時代から何一つ進歩していない」 「だったら、それが俺っていう人間だってことだ。違うか?」 「いや、確かに君の言わんとすることは分からなくも無い。しかし、今はそのことを話しているんじゃない」 「じゃあ何なんだよ!?」  ああ、こいつはぐちぐちと…  そろそろ、俺はきてるぜ。  色々ぶちまけるぜ。  理不尽な位ぶちまけるぜ。 「これだからキョンは… 仕方が無い。いいだろう教えてあげよう僕の不満を」  そうしてくれ。  とっととぶちまけてくれ。 「なんで君は僕の事を名前でよんでくれないんだ?」  んな………… 「どうして何時も何時も『お前』ってしか呼んでくれないんだ?」  いやですね… あのー… 「あ、勘違いしないでくれ『お前』って呼...
  • 宇宙人じゃない長門
    『午後七時。光陽園駅前公園にて待つ』 栞に導かれて、今、長門のマンションの一室にいる。 学校では話せないことがあるらしいのだが……長門はなかなか話を切り出そうとしない。 部屋に通され最初の茶に手をつけてから、長門はずっと俺を見ている。なんだか観察されている気分だ…。 興味深そうに向けられる長門の視線に耐えきれず、俺から「学校では話せない話」とやらを引き出すことにした。 「お茶はいいから、俺をここまで連れてきた理由を教えてくれないか」 ………答えない。 「学校ではできないような話って何だ?」 水を向ける。ようやく長門は薄い唇を開いた。 「あなたのこと」 俺? 「あなたの正体」 俺の…正体…?何が言いたいんだ? 「あなたは普通の人間じゃない」 …いきなり失礼だな。 「そういう意味じゃない。性格に普遍的な性質を持っていないという意味ではなく、文字通り純粋な意味で、あなたはわたしのような大多数の人...
  • ハルキョン的10のキス保守
    **非常に甘い保守ネタです。**   ☆0.ファーストXXXX 果てしなく続く空を見上げて共に笑いましょう。 手を繋ぐよりも近く抱き締め合うよりも遠い。 あなたはそんな存在でいて下さい。 ファーストキスはレモンの味って言うけど、どうだったかしら? 灰色の空の下で初めて交した唇は少しかさついていました。   (それが全てのはじまり)   ――――――― ☆1.喫茶店 喫茶店を出た後にいつもの様に下らない口喧嘩。 それに終止符を打つのはいつもあんたで。 ほろ苦いコーヒーの薫りが唇に乗ってあたしまで運ばれる。 あたし、苦手なのよ。コーヒーって。なんか苦いじゃない。 でもあんたから貰うコーヒーの薫りは嫌いじゃないのよね。 何故かしら?   (これが恋するということ) ――――――― ☆2.指 「キョンくんの指って綺麗ですね」 オセロを指すキョンの指を見つめてみくるちゃんが言った。...
  • hug
      カッチ コッチ   今日は1月1日、いやすでに時計の短い針が右に傾いてるから、もう1月2日だね。 ハルにゃん達SOS団の冬合宿最終日。   「そろそろかな。」   ガラガラガラガラ   「う~、さぶさぶっ。さすがに真冬の夜中の寒さは堪えるっさ。」 そんなことを言いながらあたしは自分の部屋を抜け出した。   これは冬合宿が始まってから―と言っても3日間だけど―のあたしの日課になのさっ。 あたしは昨日や一昨日のように目的の場所へと足音を立てないよう静かに向かう。 これは部屋の中で寝てる人を起こさないようの配慮でもあるけど…、 「いた、いたっ。」 目的地には先客が一人いた。いや、と言うよりここで何かしているのはその先客さんだけで、 あたしはその人物目当てで毎晩通っているだけどね。 そしてこれまた昨日や一昨日のようにあたしは物陰からその人物を眺めている。 “先客”とか”その人物”何か回りくどい...
  • ファーストキス
    「なんなのよあれはっ!!」 「……」 さて、誰が怒ってるか、なんて今更説明するまでもないだろうな。 ついに怒りをおさえきれなくなったハルヒが、喫茶店への移動中にそう叫んだ。 「仕方ないだろ。大きく宣伝して回ってる映画でも、 つまらないものは世の中いっぱいあるんだ。今回はハズレだっただけだろ?」 そう、俺達は今日映画を見にきていた。 けっこう有名で奇抜な作品だということで、団長様の目に止まったのだ。 実際に見ての感想は見てのとおりだが。 「そうですかぁ?わたしはけっこう、おもしろかったですけど」 我等がSOS団のエンジェル、朝比奈さんがそう言った。 しかしハルヒは聞く耳もたず、一気にまくしたてる。 「おまけに女のほうは21歳でラストシーンのアレが初キス? ありえないでしょ?」 映画の監督さんも、お前にだけは常識について語られたくないと思うぞ。 ──そう言ったら2発殴られた。 ...
  • 内なるハルヒの応援
    こんにちは、涼宮ハルヒです!  ……って言うよりは、涼宮ハルヒの中にある、4年前になくなった、現実的で、乙女チックな心があたしなの。  あたしはご主人様が幸せになったら消えちゃうんだけど、それがあたしの喜びだからいいわ。  だからね、あたしの役目は一つ! いつも素直になれないご主人様の背中を押してあげること!  いっつも、いっつもご主人様の心はキョンくんでいっぱいなんだけどね、それが態度に出ないみたいなの。  むしろ、気が無いみたいな態度を取っちゃってる。  それをあたしが応援して、ご主人様を幸せにしてあげるの!  ……あ、言ってるそばからキョンくんが登校してきたみたい。 「よう、ハルヒ。今日はなんだか機嫌が良さそうだな。顔がニヤついてるぞ」  ふふふ、いつもと違うご主人様を演出することで、キョンくんに興味をひかせちゃった。  あたしは《涼宮ハルヒ》の一部だから、体や表情や言葉も思い通りな...
  • Lost my love
    家に帰り着く頃には、すっかり暗くなっていた。 空を見上げても、星は見当たらない。 舞い降りてくるのは、私と同じ名を持つもの、ユキ。   『星空見上げ 私だけのヒカリ教えて あなたはいまどこで 誰といるのでしょう? 』   彼と涼宮ハルヒが付き合うことになったのは昨日。 最近では涼宮ハルヒの能力も衰え、世界も安定してきた。 彼と一緒に居られる時間も、あと少しなのだろうか? エラー、私の任務も、終わりが近づいてきているのだろうか。   『楽しくしてるコト思うと さみしくなって 一緒に観たシネマひとりきりで流す』   いつもならSOS団の活動があるはずだった今日、 活動の中止を伝える涼宮ハルヒの電話の声は、どこか弾んでいた。 きっと、彼とデートするのだろう。 エラー 気がつくと私は、街に出て一人映画を見ていた。 彼と一緒に見た映画。 エラー、エラー 前に小説で読んでいたものが映画化されたというこ...
  • カカオ
    文字サイズ小で上手く表示されると思います  甘甘 より      部屋のドアを閉めた時、あたしはやっと逃げ切れた気がした。  力なくベットへと歩いていき……そのまま倒れこむ様に布団に飛び込む。  あたしの下敷きになった抱き枕が苦そうだけど……ごめんね、今は体をずらすだけの力が出ないのよ。  落ち着いてくるにつれて浮かんでくる、ついさっきの事。  ――今日のお前、可愛かったぞ。  思い出したその言葉に、布団で隠れていない耳が赤くなるのがわかる。 『焼き芋のお礼』そんなこじつけでしかない理由で、今日のあたしは素直になれた。  いつもは恥ずかしくて出来ない事もできて、言えなかった言葉も言えたわ……。キョンはなんだかく すぐったそうだったけど、絶対気に入ってくれたはずよ。  ――当たり前、だろ?  いつもより優しい顔をして、キョンはあたしに言ってくれた。  凄く、嬉しくて。  凄く、どきどきして...
  • 一年前からの気持ち
    *分裂ネタバレあり*   妹「キョンく~ん電話~だ~よ♪」 また意味の分からん歌をそろそろ精神的に成長してほしいとお兄ちゃんはおもってるぞ キョン「誰からだ?」 妹「女の人♪」 子機を受けとる キョン「もしもし?」 佐々木「やあキョン、この前はどうも」 キョン「佐々木?どうしたこんな時間に」 佐々木「明日の日曜日暇かなと思ってね、どうだい?」 明日か…暇と言えば暇だ なぜならハルヒが月一のアレの日らしく探索は休みらしい、え?なんで知ってるかって? 古泉が言ってたんだからしかたがない それにハルヒにアレがこなくなってみろ ハルヒ「キョンできちゃった」 キョン「まて何もしてないだろ」 ハルヒ「想像妊娠よ!責任とりなさい、とらないと死刑だから//」 とか…言わないな などと三流いやこのさい十流のコントを頭の中で考えていると 佐々木「僕も一応女なんだデートのお誘いをしてるのに返事がないと不安に...
  • 悪くない人生
    無事、大学受験も乗り切り、高校生活も残り一週間をきったある日のこと、いまだ律儀にも部室に足を運んでいた。 なんの因果かハルヒに長門に古泉、それにおれも、去年朝比奈さんが進んだした大学に進学が決まっているためか 高校の卒業に対してそれほどの感慨もなく、ハルヒはネットサーフィン、長門は読書、俺と古泉はボードゲーム そして卒業してからもちょくちょく部室に姿を現す朝比奈さんが給仕と、卒業間近とは思えないようにいつも通りの光景のなか、 ハルヒが発した言葉が事の起こりだった。 ハ「ねえ、キョン、この三年間楽しかった?」 キ「なんだ、突然、まあ退屈だけはしなかったな。」 ハ「あんた、高校生活の最後にもっとほかに言いようはないの?」 キ「そういうおまえはどうなんだ?」 ハ「あたしは楽しかったわよ。相変わらず素直じゃないわね。楽しかったならそう言えばいいのに。」 キ「いつもそこそこ素直なつもりだ...
  • 悩みの種~悩みの種の潰えぬ世界~
    <悩みの種の潰えぬ世界> 私は病院に着いた。もう行くのも慣れたものだ。 腫れた目…みんなにバレないかしら?大分引いたものの、まだ腫れが残っていた。 キョンの病室に着くと、もうすでにみんなは揃っていた。 「涼宮さんが最後とは…ある意味、キョンくんも嬉しがっているかもしれませんよ?」 古泉くんが悪戯そうに言った。 「この人、今までずっと最後で奢り続けてましたからねえ…涼宮さんより早く来ることは願望だったようですし。ほら、僅差で涼宮さんが先だったときあるでしょう?あの時彼、かなり悔しがっていましたから。」 そうしてキョンを見ると、心なしか笑っているようにも見えた。 起きたら私が奢るわよ…負けちゃったしね! 私達は準備にかかった。宴会の準備や部屋の飾り付け…だけど今回の飾り付けはいつもと違った。 キョンが外が見れないため、その気分だけでもと、病室の中を真っ暗にするようにした。黒い紙...
  • 第四章『消えなさい!あたしの弱さ!』
    第四章『消えなさい!あたしの弱さ!』      キョンの机やあたしの机を懐かしむ暇はない。おぼつかない足取りを正しながら、一年五組の出入り口を跨いだ。 ――ピンポンカンコーン。  いきなり鳴り響くチャイムの無機質な音。 『みなさんこんにちわ、ENOZです』  五組の黒板上に取り付けられたスピーカーから流れてきたのは、あたしの声だった。 『Lost my music!』  同時に、体育館のある方角から、かすかにドラムの軽快な音が聞こえてきた。 「誰かいる……わけないわね。でも、なにかがある」  足は自然と体育館へと進み出した。    体育館の中には予想通り誰もいなかったが、今すぐにもバンドがライブを行うかのように、ステージに楽器一式が設置されていた。 「懐かしいな……。もう三年か」  ステージによじ登り、マイクとギターを軽く握った。高一の文化祭でのライブは本当に楽しかった。ただ、もうちょ...
  • 遠距離恋愛 第六章 2年生最終日
    第六章 2年生最終日   終業式当日。   俺は朝イチで職員室にいた。朝のHRで岡部と一緒に教室に入って「みんなも知っていると思うが……」というお定まりの『アレ』をやるからだ。小学校から今まで何度も『アレ』を見てきたが、まさか自分がやる事になるとはね。何だか妙な気分だ。 ……先日のハルヒとのすったもんだが起こった翌日には、俺の転校のことは既にクラス全員に知れ渡っていた。谷口と国木田が広めたらしいが、事実なので別にそれは良い。ただ、驚いたクラスメイトが休み時間ごとに俺の側に来て、別れの挨拶をするのには少々閉口した。   「キョンくん、もうすぐ転校しちゃうのねん?残念だわ……あっちで落ち着いたら連絡欲しいのねん?」 ああ、わかったよ阪中。そんなに泣くな。   「環境が変わると体調崩すって言うから、気をつけてね」 せいぜい風邪でも引かないようにするさ。ありがとな、成崎。   「私たちのこと忘...
  • 夜行性の超能力者とインターフェイスのブギー
    ※このSSは「I don t choose, but decide.」の後日談的SSです※ 「……ではここに、おや?」 「わたしの勝ち」 「参りましたね、ダブルリーチでしたか」 「……そう。ダブルリーチだった」 何をしているかと言うと、えぇとこれは何て言うんだろう?立体五目ならべのようなゲームだ。どこでかと言うと、長門さんのマンション。 カレーパーティーのあとすることがないので僕が持参したこれをやっていたのだけど、長門さんが強すぎる。 ……あの一件で僕達はお互いの間に残っていた壁-薄皮と言ってもいいかもしれない-を破り、彼いわく『本当の仲間』になった。 思ったよりすんなり涼宮さんが僕達の告白を信じ、受け入れてくれたのには少し驚いた。数々の証拠と過去の例があったから当然と言えば当然かもしれないけれど。 そう考えると彼の方こそよく信じてくれたなぁ。あんなに唐突だったのに……。北高の木製の...
  • エロ物無題2
    キッカケは些細な事だった そう、何かの拍子に机の角で股間がこすれて、それが今まで感じた事がない快楽だったのだ それから長門有希は人目のない時はぐいぐいと角を股間を押しつけていた それにもコツとかがあるらしく、初めは教室の机とかだったが、部室になり、キョンの鞄や所有物でするようになっていた 色々試してみたが、彼の持ち物以上の快楽は得られなかった その日もキョンが使ったシャープペンで刺激していたときの事だった 今日は涼宮ハルヒは帰宅、朝比奈みくるは友人に連れていかれ、古泉一樹は組織の会議 彼も今は涼宮ハルヒに言われた仕事をこなしている だから長門有希は気を抜いてしまった 部室に鍵もかけずに行為に耽ってしまった 「……ふぁ……ん……はぅ」 長門有希の行為はそう激しいモノではない、下着越しに性器を刺激する程度のモノだった それ以上先の事なんて知らなかったし、この行為だけで十分に満...
  • 朝比奈みくるの日常
    「きょ、今日は皆さん、遅い…ですね」   「…そう」   困った。今日は部室に行ったら私と有希ちゃんの二人だった。 いつも明るくて、騒がしいって思ってた部室だけど、私と有希ちゃんの二人だと本当に静か。 …いつも騒がしいのは涼宮さん…だからかな。 あ、いけないいけない。こんなこと思ってたら怒られちゃう。   「…ふふっ」   そう考えたら自然と笑みがこぼれてしまった。   「………」   あ、有希ちゃんが見てる。   「………」   かと思ったらまた本に視線を戻してしまった。 うぅ…こんなんじゃ変な人だと思われちゃうよね。   有希ちゃんは苦手っていうんじゃないけど… 二人だと何を話していいのか分からなくなる。   うー…どうしたらいいんだろ………あ、そうだ!   「ねぇ、有希ちゃん、今は何を読んでるの?」   有希ちゃんの手に持っている本の事を聞いてみた。 うん、我ながらいい考えかもしれな...
  • 主役は長門×古泉
    キョン「なぁ、ハルヒ」 ハルヒ「何よ」 キョン「お前いっつもテスト中時間余るみたいで寝てるけど ちゃんとテストやってんのか?」 ハルヒ「やってるに決まってるじゃない。やってなくても あんたより成績は良いわ」 キョン「だがいくら時間余るからって寝ることはないだろ」 ハルヒ「・・・・・あたしの勝手でしょ!?」 キョン「そりゃ・・・お前の勝手だが・・・・・」 ハルヒ「・・・・・何よ。何か言いたい事でもあるの?」 キョン「いや・・・・(ぶっちゃけ寝顔可愛いお^w^)・・・」 ハルヒ「うそつきなさい!団長に隠し事なんて100万年早いわ!」 キョン「・・・・(ここで「ぶっちゃけ寝顔可愛いお^w^」なんて言えない しな)・・」 ハルヒ「何黙ってんのよ?・・・・・まさか・・・あんた・・・・」 キョン「!?(ギクッ)」 ハルヒ「・・・あたしの顔に何か書いた・・・?」 キョン「ふ...
  • 寝ぐせ byキョン
    ...やる。 もちろん親に言えないような事も秘密厳守で受け付けてやるぞ。 まぁ、解決出来るかどうかは別だが…とにかく聞く事は出来る。 だれかに聞いてもらうだけでも、案外スッキリするもんだからな。  だから今まで通り、素直なままでいてくれ。 積み木を崩すような事があれば、お兄ちゃんは本気でいくからな。 …ただ一つだけ頼みだ。 いい加減「キョンくん」はやめてくれ。  高校に入ってからというもの、五月は特別な月になってしまった。  それまではゴールデンウィークしか特色を見いだせなかったこの月に、 俺はSOS団という超独裁的治外法権組織に強制参加させられ、 そこでどこかの教授が徹底的に否定しまくるような属性を持つ三人と邂逅し、 そして絶対的権力者と自負する団長と不思議空間でキス… ゲホッ、ゲホッ。  と、とにかく…ということはもう一年になるんだな。 …俺の日常が壊れだしてから。  今日あたり、あ...

  • 佐々木「キョン…」 キョン「ん、どうした?」 佐々木「いや、いい」 キョン「そうか」 佐々木(うう…また言えなかった…) 自宅 佐々木「はあ…何で言えないのかな…」 佐々木「私はキョンのことが好きなのに…」 佐々木「うん、次会えるようになったら言わなきゃ!!」 翌日 キョンの方 キョン「はぁ…毎度毎度疲れるな…この坂は」 佐々木の方 佐々木「今日はキョンに会えるかな…」 佐々木いいや、メールしておこう」 Pi…Pi… 北高 キョン「お、メールだ」 ハルヒ「誰から?」 キョン「佐々木だ」 ハルヒ「珍しいこともあるもんね、あんたにメールなんて」 キョン「余計なお世話だ」 キョン「今日はSOS団に顔出せないから」 ハルヒ「え…なんで?」 キョン「佐々木が話があるんだとよ」 ハルヒ「そ」 キョン(いつもの事ながらそっけねぇな) 光陽園駅 キョン「すまん、遅れた」 佐々木「いいさキョン、君さえ来てく...
  • 四月の雪
     僕は今、一通の手紙を手にベッドに寝転がっている。  飾りっ気の全く無い、業務用とでも言うべき差出人の名前の無い封筒に、一枚きりの便箋。  差出人の名前がないという時点でちょっとおかしいなと感じたけれども、宛名は普通に僕の住所氏名だったし、切手も張ってあったし消印も押してあったから、きっと、知り合いの誰かが名前を書き忘れただけだろうと思った。消印の場所にも心当たりがあったし。  それは、僕が高校時代の三年間を過ごした場所。  たくさんの想い出の詰まった、今は遠い場所。  元々とある目的を持ってその学校に転校して行った僕は、高校卒業と同時に、遠方への進学を選んだ。  進路を決めるときには、それほど深いことは考えていなかったんだと思う。  どこでも良いというのなら、別れは少し寂しいけれど、違うところへ行ってみよう。  きっと、それだけのことだった。  けれど僕は、無事進学先も決まり卒業式の直...
  • 女古泉’ちゃん’の憂鬱 第四話「涙の宅配CoCo」
    第四話 「マッGIRL!!」   「・・・・・」 何となく屋上で寝っ転がって空を見上げる。   ――――――――――――。   誰も居ない屋上だから当然静かで、   ――ザワ――ザワ――――。   足音も喧騒も聞こえるのは校庭からのみ。 そんな感じだからだろうか。少し寂しい。 早く放課後の喧騒が欲しい。そして何よりも彼の顔が見たい。 最近とても僕の中で彼の存在が大きくなっていく。 好きだった気持ちが更に好きになって、もっと好きになって好きになる。 キョンくんが僕を占領していくのだ。 手を空に伸ばしてみる。あんなに雲が近くに見えるのに、実際は凄い遠くにある。だから掴めない。 まるで、僕とキョンくんのように。 いつもあんなに近いから手を伸ばして掴んではいるけど、本当のキョンくんを掴んだことは無い。 どうしたら捕まえられるのかな。機関に居る限りは無理なのかな。 愛されたいって願ったら駄目だよね。...
  • I don't choose, but decide. chapter01
     涼宮ハルヒの能力が失われた。 -それに至るプロセスを詳細に具体的に語るのは俺の精神衛生上大変よろしくないので割愛させてもらう。 一文で言うならば、あいつと俺の関係性がどうでもいいクラスメート →団長と雑用 →次の段階へと変化していく過程でそうなったというわけだ。 たいてい(今だから言えるのだが)こういう関係性になる為の最後の行動というのは単なる確認行為であるわけで、 表見的な関係の呼称が変わるのみで実際の状況はそう変わりはしない。 つまり相変わらず俺はハルヒに振り回される役回りなのだ。 強いていえば振り回し方が理解しやすくなったのが一番の変化かもしれんな。 ともかく、もしかしたらさっきから俺が「確認行為」だの「表見的」だのという妙な言葉を使ったことから分かるヤツもいるかもしれんが、 ここに到達するまでは北高を卒業し、奇跡的に俺がある大学の法学部に入学するまでの時間を要した。 当然と言...
  • 黒みくるの憂鬱な日々
    私の名前は朝比奈みくる。私には人には言えない秘密がある。 実は、私はこの時代の人間ではない。この時代の遥か先の未来からやって来た未来人である。 こういうと頭のイタい子と思われるかもしれないが、事実なので仕方がない。 それでは、何故こんな原子力で電気を発電している化石のような時代に 私がいるのかそれには深い、ふかぁ~~い理由がある。 今から少し過去のこと、あ、これは私のいた未来でのこと。 そこで起こりえない事が起こった。それは、今から3年前(これはこの時代)より 昔の過去にどうしても遡れなくなってしまったのである。 私たちは混乱し、原因を究明したところひとつの原因にあたる存在が浮き上がった。 それが、『涼宮ハルヒ』である。彼女は過去に遡れなくなった時間振動のその歪みの中心にいた少女だ。 私たちは驚愕した。それもそうだ私たちは今より更に高い科学力も持っているが、 それでも、一人の人間が時間平...
  • コーヒーふたつ【another side】
    いや、なんというか・・・俺は昨日に続いてまたハルヒを『おひめさまだっこ』している。 雰囲気と勢いでハルヒを抱き抱えてしまったものの・・・ 先程交した会話が会話なだけに、なんともいえない心境だ。 ハルヒも同じ心境なのだろうか、黙って前を向いたままだ。 すると突然、ハルヒが何かを思い出したように・・・ 「ねえ、キョン。」 !? 「もういいわ、痛み止も効いてるし。歩けそう。」 あ、 あああそうか。 今ゆっくり、下ろしてやるから・・・。 俺はハルヒと並んで歩いた。 極力、ハルヒの歩くペースに合わせて。 しかし、あれだ・・・会話が続かない。 いや、続かないどころか気まずい沈黙のままだ。 何でも良いから話しを! 俺は、たいした話題も無いままハルヒに話かけた。 なあ、ハルヒ・・・ 「ねえ、キョン。『付き合う』って何」 え? 「私は・・・昨日気付いた。たぶんキョンが好き。今ま...
  • 国木田少年の純愛
    ...きますよ。……なんて言えないよ。 三人を玄関まで送った後、すぐに布団に入った。 早く風邪を治してもう一度あの笑顔を見たいから。 今日は僕の心に変化が起こった日だったなぁ……これから学校が楽しくなればいいけど。 そんなことを考えていると、睡魔に取り込まれた。 また明日、鶴屋さんに会えますように……。   ピンポーン ん……お客さん……っていうかキョンかな。頭が重いけど起きなくちゃ……。 ゆっくりと起きて、自分でもわかるくらいのふらついた足取りで玄関まで歩く。 これじゃ今日は休まなきゃダメかな……。 「おっはよー!大丈夫……じゃなさそうだねぇ。あたしが朝ご飯とお薬と準備してやるから寝てるっさ!」 「鶴屋……さん?なんでここに?キョンは?」 「昨日のキミの様子見てたら心配でキョンくんだけには任せてられなくてさ!あたしのが早かったみたいだねっ」 優しいなぁ、鶴屋さんは。ますます惹かれちゃった...
  • 涼宮ハルヒの分身 エピローグ
      エピローグ   朝起きれば何故だかハルヒの声がして、その理由が掴めぬまま独りもだえた後に学校へ行く支度をした。あー、眠いねえ。 いつも通りえっちらおっちら坂道を登っていき、朝っぱらから元気な谷口と合流。とるに足らない会話をした。しょうもない内容でも話していれば坂道の苦も幾分か忘れることが出来、気づけば教室前に着いていた。無意識ってのも凄いもんだな。 「キョン、客だぞ」 「ん? 俺にか?」 ドアに手をかけた所で谷口からそう言われた。俺に用なんて、誰だよ。古泉ぐらいしか思い浮かばん。 だがそれは以外にも長門だった。 「どうした、長門」 「‥‥‥昼休み」 それだけ言って立ち去っていく。なんだなんだ。なんかまたハルヒが起こそうとしてるのか? 「おいキョン」 「なんだよ」 「昼休みに、あの長門有希と何する気だよ」 「さあな‥‥‥」 わき腹を小突かれ、顔見ればニヤニヤし...
  • 水晶の夜⑥
      絶対にあそこにはあいつの家族がいなければならなかったんだ!。 誰だって、明日世界が終わると知っていたら、 それでいて自分が助ける手段を持っていたとしたら、 何はともあれ家族を逃がそうとするに決まってるじゃねえか! 「あなたは、涼宮さんが虐待を受けていたとかそういう…、」 「そんなわけがあるか!」 「やめましょう! これは我々が踏み込んでいいことじゃありません!」 かなりぼかした表現をしていたはずだったが、古泉が「虐待」という言葉を使ったせいで一気に露骨なものになってしまった。 今、不特定多数の人が聞いている。 店内の女どもが居心地悪そうにこちらを見ている。 あとでなんとかしなきゃならんな。 「わかった。」 あいつは宇宙人、未来人、超能力者、異世界人に会いたがっていた。 なぜ? 本来あいつはガチガチの不思議マニアというわけではない。 その証拠に今は不思議探索も当初の目的とは違い、なん...
  • Back Door
    卒業式を間近に控えた俺は受験が終了しているにもかかわらず、塾へと向かうため自転車を走らせていた。 これもそれも中学生のまとめとやらを塾が行うせいであり、それをうちの親が聞きつけたからに間違いなかった。 何故かにやにやしながら俺を追い立てるものだから、おちおちテレビを見てもいられない。 こっちは受験で散々勉強をやってきて、無事に桜も咲き、高校入学までのモラトリアムを楽しもうと思っていた ところだったから、がっかりしたね。 憂鬱な気分のまま自転車を走らせているとうちの親がその塾が開講されるということを知ってしまった 原因である女がゆっくりと前を歩いていた。 「君のことだから母上にそのようなことは言わないと思ってね。たまたまスーパーで会ったときに そのような講義があることを進言したわけさ」 まったくその進言のせいで俺は貴重な時間を勉強と言う名の魔物に食い荒らされることになるんだぞ。 俺は彼女の前...
  • 卒業式の約束
    今日は中学生活最後の日、つまり卒業式の日だ。 いつもより早く起きた俺は、感慨深い気持ちを感じながら学校へ向かっていた。     小学校を卒業するとき、俺は別に何とも思っちゃいなかった。 実際中学なんて小学校の延長のようなもんだったしな、通学路だって小学校のときと同じ道を通る、強いて言えば歩く距離が少し長くなったぐらいだ。 もちろんクラスメートはみんな小学校のときからの知った顔である。 いや、みんなというのは語弊が生じるな。 うちの中学は基本的にうちの小学校の生徒がほとんどだが、もう一つ小さい小学校からも少人数だが来ることになっている。 そんなわけで、俺には多少なりよく知らない生徒がいたわけだ。   中学生活にもなれてきたある日、隣の組にとんでもねー美少女がいると聞いた。 その頃俺はそういうことにあまり興味がなかったが、友達が見に行こうと言うので付き添うことにした。 隣の教室を覗き込むと、誰...
  • ゆずれない
    「有希とキョンと一緒か……なかなかない組み合わせよね」 くそう、古泉の奴め。朝比奈さんと二人きりとは実に羨ましい。 こっちは宇宙人とトンデモ団長との三人旅だってのに。 「さ、行くわよ!二人とも早くするっ!」 俺はとりあえず会計を済ませ、先を歩く二人の背中を追いかけた。 「どっちに行こうかしら。西側?それとも東側?二人ともどっちがいい?」 どうせどっちに行っても何も見つかりゃしないんだ。楽な道が多い方を選ぶか。 そう思って俺が口を開こうとした時だった。 意外な人物がハルヒを怒らすような台詞を吐いたのだ。 「図書館」 長門よ……頼むからゴタゴタだけはやめてくれ。 「ほほーう、有希。あんたいい度胸してるじゃない。図書館にどんな不思議があるのか今すぐ言いなさい」 ハルヒは少し怒っているようだ。そういえばハルヒが長門に怒ることは珍しいな。 「不思議はない。だけど読書で知識を得ることと、心の平穏を得る...
  • テドドンの憂鬱
    ガチャ 古泉「おやめずらしいお一人ですか? キョン「ああそうだよ」 いつものようにそっけないキョンタン、でも知ってるよそれは属に言うツンデレなんでしょ? ああ、急いで座らなくちゃ僕のテドドンが膨れ上がってきた。 いつものようにキョンタンの正面に座る。これでゆっくり見つめ合えるねキョンタン♪ 沈黙じゃだめだ、キョンタンを退屈させちゃいけない 「オセロでもしますか?」 本当はオセロなんかよりもキョンタンとじゃれあいたいんだけどね、言えないな キョン「ああ、オセロでいいよ」 僕が困ってたとおもったのかな?、やっぱキョンタンかわいいw キョンタンと二人のところを機関の人に見られたらどうなるかな? 皆キョンタンのこと好きだからね、僕リンチになっちゃうかな♪ 「どうした?はやくやろうぜ?」 「あ、すいません少し考え事をしてまして」 くるみ「ねえねえおばあちゃん。それからハルヒたちはどうなっ...
  • かんざし
         大勢の人がのんびりと歩を進め、どこからか聞こえる祭囃子の響く夜の祭り会場には、いっ たい普段は何処に隠れているのかと思うほどの香具師の出店が軒を連ねている。  昼間の酷暑も一休みなのか、夜の祭り会場には過ごしやすい風と夏の匂いが流れていた。  さて、今俺は市内で開催されていた夜祭に来ている。  夏休みの残り時間に気づいてしまったハルヒによる提案、というか強制によって渋々足を運 んだ訳なのだが……数年振りに来てみれば、これはこれで悪くないと思えてくるから不思議だ。  最後にここへ来たのがいつだったっけな。  確か、誰かと一緒に来た様な気がするんだが。 「ちょっと、何をしんみりした顔してんのよ」  ん、そんな顔してたか。 「してた。そんな感傷に浸るような顔、あんたに似合わないわよ」  へいへい、そうかい。  普段は勘に触るハルヒの口調も、浴衣姿と夏祭りの雰囲気のおかげで幾分和らいで感...
  • 蜃気楼
    「あ、こんにちは、キョンくん」 俺の愛しの天使様、朝比奈みくるさんが今日も部室で出迎えてくれた。 俺はいつも言い過ぎとも言える表現で朝比奈さんを比喩するが、あながち言い過ぎとは言えない。 何故なら……俺は、完全に心奪われていたからだ。 あれは先週だったか?SOS団全員が俺の家に来たときだった。 ゲームに夢中になってる奴等から少し離れて、シャミセンと戯れる朝比奈さんの笑顔を見た時に俺は恋に落ちた。 穏やかで、かわいくて、それでいて守りたくなるような笑顔に俺は完全に惹かれたのさ。 ともかく、俺はいつものようにお茶をもらった。 今まではそんなに気にしていなかった距離、今じゃお茶を受け渡す距離でさえ俺の鼓動は早くなる。 本気で恋に落ちたのは初めてだ……。それを悟られないようにするのも一苦労なんだな。片思いの奴の気持ちがよくわかるぜ。 「あの……お茶、美味しくなかったですか?」 とても不安げな表情で...
  • キョンの切望Ⅱ
    涼宮ハルヒの切望Ⅱ―side K―  いったい夕べ何があったのか。  実は俺の記憶は途中から完全に飛んでいる。確か、蒼葉さんが部屋に現われたとき、いったいあの小さな体のどこにこんな力があるんだろうというくらい彼女の姿が見えなくなるほどの酒樽を、それも二つほど重ねて持ってきていて、あっという間になし崩しに酒盛りが始まって、俺は元の世界では二十歳過ぎないと酒は飲んじゃいけないと言ったけど、なんともいつの間にか目が据わっていたリラさんに「ここは元の世界ではない」とか言われて無理矢理ビールっぽい外見の結構ウイスキーっぽいあと口のそれでいてアルコールのきっついお酒をジョッキ一杯呑まされて……  そこでぱったり記憶が途切れたのである。  んで、朝日の光とともに目が開いたのだが、正直言ってどうやってベッドに行ったのかも覚えていない。 「目が覚めた?」  って、居たのかよ!? 「むろん。私の役目はあ...
  • 「学校に行きたくない○○」
     古泉曰く、外見の変化に気づけないってのは何気に女子の機嫌を損ねる事らしい。  そんな事を聞いたからって訳じゃないが俺はその頃、朝比奈さんや長門、ついでにハルヒの変化に多少ではあったが気を使う様にしてみていた。  でもまあ、そんな一般常識が通用する相手じゃないよな。ハルヒは。  ハルヒの髪、結構伸びてきたよな。  放課後の部室、俺は朝比奈さんの髪型をいじっていたハルヒを見てそう呟いた。  当たり前だが朝比奈さんの髪程長くはないにしろ、短かった髪はいつの間にか肩に触れる程度までの長さになっている。 「え、そうね。……また、前髪だけ切ろうかな?」  前髪をつまみながら俺の顔を見て動きを止めるハルヒ。なんだろう、お前はいったいここでどんな台詞を期待してるんだ?  しばらく誰も口を開かない時間が続いた後、ハルヒはつまらなそうな顔をして朝比奈さんの髪型いじりに戻っていった。  さて、今のはなんだ...
  • 涼宮ハルヒの追憶 Intermission.2
    ――Asahina Mikuru とても綺麗な春の夜空を見上げ、わたしは思います。 このあと未来に帰らなきゃいけないこと。 そして、あの人のことを。 わたしがこの時間に来て、もう五年になるかなぁ? なぜわたしみたいな役に立たない人が送られたんだろう? わたしは初め、不思議に思っていました。 でも今なら、分かります。 『役に立たない』わたしを時間が必要としているんだって。 わたしはなんであの人を好きになってしまったんだろう? 顔なら古泉君のが何倍もかっこいいし、 背だって高くって、笑顔も素敵だしね。 でもわたしはあの人が好き。大好き。 でもでも、この時間での恋愛は最重要の禁則なの。 障害が大きいほど恋は燃え上がるって言うけど、そんなの嘘。 だって、あの人は絶対振り返ってはくれないもん。 胸の大きさは彼女に負けてないし、 顔だって彼女よりかわいいと思うんだけどな。どうしてだろう。 わた...
  • バカップル日記―いじわるキョン×森さん―
    ...  小悪魔風……とは言えないような無邪気な笑いがかわいい。けど、そりゃないだろう?  ……俺もこういう気持ちにさせたからおあいこか。だけど納得いかないぞ。 「やっぱり帰ろうかな……」と、後ろを向いて歩きだした。いじわるされるのは嫌いなんだよ。 「あぁ! ごめんなさい、冗談ですって!」  ……やれやれ。次からは俺もほどほどにしておこう。  その後、落ち着いて部屋の中に入るとすぐに料理が出てきた。 「仕事も嘘で、遅刻も料理のせいだったんです。怒ったふりも料理を食べさせたかったからなんです。ごめんなさい」  メイドの格好をしている時のように深々と頭を下げられた。  そんな回りくどいことをしなければならない理由はなんなんだ? 言ってくれればよかったのに。 「ふふ、本当に鈍感なんですね。古泉の言う通りです」  なんなんだよ……どいつもこいつも俺を鈍感って。そんなに俺は鈍感か?  空気の読め...
  • 二人だけの時間
       わたしは今、先生に頼まれて、下級生の教室まで向かっています。  えっと、プリントを届けないと行けないんですよね。  一年九組、うん、ここですね。 「あのう……」  扉の外から呼びかけてみましたけど、返事はありません。  おかしいなあと思いながら、わたしは空いている方の手で扉を開きました。  そうしたら、教室には誰もいませんでした。 「あれ……」  ううん、何ででしょう。休み時間とはいえ午前中ですから、誰もいないなんてことは……、そう思って教室中を見渡したわたしは、黒板の横にかかっていた時間割を見てその理由に気づきました。ちょうど今、このクラスは、二時限連続での授業の途中みたいです。  そっかあ、だから誰も居なかったんですね。 「えっと、これで良いですよね」  プリントを置いて、わたしは教室を立ち去ろうとしました。  ちょうど、そのときのことです。  教室のどこからか、音楽が聞こえて...
  • SOS団の無職13
    ...てみなさいよ。私には言えないような用事なの?    夢の中でキョンは、誰だったっけ、なんだか見覚えのある女性と二人で、バイトを休んでまで仲よさげに出歩いていた。  私はそんなキョンを問い詰めた。自分の中の動揺を看破されまいとして、強がって。    ────な、なんだよ。何マジになってんだよ? お前には関係ないだろ。    夢の中のキョンは私にそう返答した。そりゃそうだ。私には関係ないことだもんね。あんたが何をしようが。まして、夢の中だし。  でも、私は、それが気にくわなかった。私は怒っていたわけじゃない。苛立ってはいたけれど、それは怒りとは違った感情。  けど、キョンには、それが怒っている態度のように見えていたわけで。    ────なあハルヒ、俺……何か悪いことしたか?    後はもう、ただただ惨めなだけ。  公園に逃げ込んだ私は、水道から出した水で浴びるように顔を洗って、押しつぶ...
  • A Jewel Snow (キョンVer)前編
    高校生活も早いものでもうすぐ2年が経とうとしていた。 ハルヒの無限地獄に付き合わされながらも悪くないと思うようになり、 いろんな活動をしている内に12月に入ってしまっていた。 なんでも今年は学校側の都合で休みが早まるそうだ。どうせ終わるのも早くなるのだし、 休みになったからと言ってハルヒが活動を休止するはずもないだろう。 その話をしたら冬でも元気いっぱいの団長様は案の定こう言いやがった。 「休みの間もSOS団の活動はもちろん継続よ!絶対不思議を見つけるんだから!」 そう言うならハルヒ、土曜の不思議探索だけすればいいじゃないか。 「何言ってるの!団員皆の団結は普段の活動無くしては得られないわ!」 はぁ…普段の活動にそんな効力があるとは知らなかったな… 「いいから!明日も朝10時に部室集合よ!」 へいへい… ささやかな日常と言える会話だった。 しかし、この「ささやかの日常」の脆さを、この一週間...
  • 長門有希無題1
    長門「・・・・・・」   女子A「へぇ~アンタでも微笑むことってあるんだ。何眺めてんの?ちょっと貸しなさいよ!」   長門「!!」   女子B「何ソレェ?入部届ェ??」   長門「やめて・・・・!」   女子A「もう書き込んであるじゃない。物好きな奴もいるもンねぇ~」   女子B「こんな根暗しかいない部活に入りたいヤツがいるなんてネェ」   長門「お願い・・・・返して・・・・!」   女子A「キモッ!あんた何必死になってんのぉ?」   女子B「いいじゃない、どうせこれ冷やかしでしょ?ちょうどいいわ。これ私達が捨てといてあげるわwww」   長門「!!・・・・やめて!お願いだから返して!!」   女子A「アァッ?触るんじゃねえよ!この根暗女!」ドゴッ   長門「っつ!!・・・うぅっ・・・!」   女子A「あ~キモイキモイ。根暗がうつるってーの。あ~っなんか冷めたっ!根暗がうつる前に行こっ!」...
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