涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「運命と選択 第三章」で検索した結果

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  • 運命と選択
    運命と選択 第一章 運命と選択 第二章 運命と選択 第三章 運命と選択 第四章 運命と選択 エピローグ
  • 北高附属大学入試問題 第一問
    この作品はフィクションであり、問題の選択肢は作者の思想・心情に全く関わりはありません。       「うーん、俺は1だと思うんだがな」 1枚の紙切れを見ながら、俺はそうつぶやいた。 「はあ、あんた何言ってんのよ! 2に決まってるでしょ!! そんなんだからあんたはいつまでたっても赤点ぎりぎりなのよ!」 「わたしも2が最も適切であると考える。加えて言うなら、この選択肢に出てくる”女性”とは、わたしのことであると思われる」 「あ、あの~、わたしも2じゃないかと思うんです。でも…、この選択肢の”女性”っていうのは、長門さんではなくてわたしのことだと……」 ギロリ ハルヒと長門に睨まれ、朝比奈さんは、一瞬身体をビクッとさせた後、俺から目を逸らした。 「まあ、正答は2で間違いないわ。それと、この選択肢に出てくる”女性”は有希やみくるちゃんではないってことは確かね」 ハルヒが得意気にこう宣言する様子を、...
  • 未来からのエージェント 第一部 朝比奈みくるの真実
    未来からのエージェント 第一部 朝比奈みくるの真実 プロローグ 時間とは不思議なものだ。かつて、とある科学者はこういった。 「時間について聞かれなければわたしは知っている。聞かれるとわたしは知らない」 実のところ、時間についての理解がそれほど進んだとは言えない。それは、 時間旅行が可能になった今の時代でもそう変わらない。 あの時間平面に常駐的な観察者を派遣することには多くの議論もあり、 反対も多かった。派遣が決した後も人選は難航した。 派遣するエージェントをどの様な人物にすべきか。 徹底的に優秀なエリートを送るという選択もあった。が、実際に時間管理局がした 選択は徹底的に無垢な観察者を送る、という決定だった。 人間にはミスがつき物だった。だが、何も知らなければ、真実をもらすこともなく、 間違った行動もとりようが無かった。実際、彼女が「禁則事項」として 教えられている『秘密』の殆どが嘘...
  • Break the World
    Break the World   第一話 ― 発端 ― 第二話 ― 選択 ― 第三話 ― 悲愴 ― 第四話 ― 笑顔 ―
  • 未来からのエージェント 第二部 セカンドエージェント
    未来からのエージェント 第二部 セカンドエージェント プロローグ 時間管理局の暗い一室。何人かの人間が密談している。 ひとりは、かつて、キョンとみくるが朝比奈さん(大)の意をうけて 様々な工作を行ったとき、出現して妨害を図ったあの、目つきの悪い 未来人の青年だった。年配の男性がその青年に言った。 「結局、うまくいかなかったではないか」 「まあまあ、次の手段はちゃんと考えられていますよ。御安心を」 「そうかね。口ばかりでないことを祈るよ」 「何、純真無垢なエージェントを送るなどと言う非常識な選択をした 連中を見返してやりますよ」 第一章 マナ その日は朝から、みくるのクラスはちょっと騒がしかった。どうやら転校生が来る らしかったのだ。どのクラスにもひとりはいる情報通の生徒がやってきて、 「すっげえ美少女らしい」とやったもんだから騒ぎは大きくなった。鶴屋さん、 みくるに続いて第三の...
  • 恋は盲目 第二章
    第ニ章 銃声が屋上に響く。 背後から撃たれたみくるちゃんは、前に仰け反るように倒れた。キョンが驚愕の表情でこちらを睨んでいるのがわかった。 キョンの表情とは対称的に、古泉君の表情は、普段の笑みは浮かべていないものの、冷静そのものだった。 「古泉! 貴様」 キョンが古泉君に掴みかかる。 しかし、古泉君は見事な体裁きでキョンの攻撃をかわすと、反対にキョンの腕を掴み、地面にねじ伏せた。 「武道の心得も無い一般人のあなたでは、僕にかないっこありませんよ」 不適な笑みを浮かべ古泉君はキョンにそう言い放った。 キョンはあたしの方を睨みつけ 「ハルヒ!」 と怒りを込めて叫んだ。 「おやおや、あなたは涼宮さんではなく、朝比奈みくるを選んだのではないですか」 そう言いながら、古泉君はキョンの腕を離すと、あたしの方に歩み寄ってくる。 「なのに、朝比奈みくるがいなくなった途端にまた、涼宮さんに乗り換えるつもり...
  • 恋は盲目 第三章
    第三章 ふと、我に返るとあたしは保健室のベッドの上にいた。一瞬、自分の置かれている状況が理解できなかった。 しばらくすると、混乱した頭から断片的に記憶がよみがえってくる。 閉鎖空間から戻った後、屋上で泣き叫んでいたあたしを見回りに来た教師が見つけ、保健室まで連れて来たのだ。 授業中にもかかわらず、屋上にいたあたしを咎めもせずに保健室に連れてきたことから、 そのときのあたしの様子が、とても尋常ではなかっただろうことは、容易に想像できた。 時計を確認すると、もう授業はすべて終了しており、普段であれば部室で過ごしている時間だった。 あたしはベッドから起き上がるとよろよろとした足取りで部室に向かった。 「もう大丈夫なの、涼宮さん。もう少し休んでいったほうがいいんじゃない」 あたしの様子を見て心配したのか保険の先生が声をかけてくれた。あたしはその呼びかけに返事をせずに保健室を後にした。 部室に行く...
  • 赤い絲 後篇
    『赤い絲 後篇』  夜空に歪な形の白い月が浮かんでいる。月だけぽつんと。不思議なことに星が見えない。  晧晧とした明りの中、あたしは一人頭上の月をただぼんやりと眺めた。  一体あたしは何でここにいるんだろう。こんな暗闇の中たった一人で。  周りには何もない。あったとしても闇に紛れてしまって見えないのかもしれない。  気付いたらあたしは制服姿でこの暗闇に立ち尽くしていた。  そういえばいつ着替えたっけ。いつの間にかパジャマではなく制服を着ている。  自分の身なりをぐるりと一通り点検して──気がついた。  右の小指に糸が絡み付いている。  でもそれは『白い糸』だった。  その白い糸は自分の小指から見る見る伸びていき、闇の方に消えていく。  あたしはその白い糸を誘われるかのようにふらふらと追いかけた。  月明りに照らされた白い糸は真っ直ぐ真っ直ぐ延びていく。  あたしはただそれに従うように...
  • はるかぜふくまえに・第三章
    第三章   昨日がどんな日であっても、夜が来れば朝が来る。 夢にまで長門有希が出てきてしまった気がするがそれこそ気のせいだと思いたい。じゃないとやってられん。 「キョンくん起きたー? 朝ご飯たべよー」 妹がさっきからこの調子である。長門も余計な事を言ってくれたものだ。 「ミヨキチもくるってー!」 何だって!? 友達呼んでとか長門は言ってたがほんとに呼んだのか妹よ!? 「だめ?」 いやダメと言えるわけないのだが、あぁそうか。そうですか。どうやら今回も俺は巻き込まれ型の本分を発揮しないといけないらしい……。しかし野球ね。何着ていけばいいか聞いてないなそういや。 俺の心の声を聞いたかのように携帯が鳴った。ハルヒからだ。 「いろいろ言い忘れてたけど、集合場所は六月のグランドね。時間は十時。あと、今回は私服でいいわ。ただし、 運動しやすそうなね。それじゃ」 俺が一言も喋らないうちに通話は終了した...
  • ある晴れた休日
    俺は古泉と待ち合わせをしていた。場所はいつもの喫茶店だ。 古泉と二人で話すなんてときは大抵あいつが話を持ちかけてくるんだが、今回は勝手が違う。 俺が古泉を呼び出した。”あること”を相談したくてな。 本来あんな怪しいやつに相談なんてしたくないのだが、今回の相談事はあいつの得意分野だからな。 変態エスパー野郎の得意分野と言えば、涼宮ハルヒについてのことだ。 長門もハルヒのことならいろいろ教えてくれそうなもんだが、相談事には長門に理解できなさそうな概念が含まれるからな。   「おや、待たせてしまいましたか」 そうこうしているうちに古泉がやってきた。ほぼ時間通りだな。ん? 「古泉、お前いつもの集まりはもっと早いんじゃないか」 「ああ、いつもは涼宮さんがいらっしゃいますからね。皆さんにおごるお金まで機関が面倒見てくれるわけでもないですしね」 「ふん、遅かったほうがおごるって約束しておけばよかったぜ」...
  • 涼宮ハルヒの交流 第三章
     学校で二人と別れ、そのまま長門の家に着くまで二人とも口を開くことはなかった。    これから俺はどうなるんだろうか。  未来から来たというわけでもないってことは、やはりおかしいのは俺の方なのか。そうなんだろうな。  古泉の言うように俺はハルヒの力によって創られた存在なのだろうか。  だとしたら俺に帰る場所はない?そのうち消えてしまうさだめなのか?そんなのは嫌だ。  仕方ない……なんて簡単には思えない。くそっ、どうすりゃいい。何も出来ないのか?       『涼宮ハルヒの交流』 ―第三章―       「入って」 「ん?ああ」  正面に長門の姿。どうやらいつの間にか長門の家に到着していたようだ。 「あまり焦って考えることはない」  確かにそのとおりなのだろうが。 「すまんな。わかってはいるつもりなんだが」  まぁあんまり暗い顔してたら長門も気分悪いよな。「いい」  それにしてもやっぱり長門...
  • 第三章『なぜならあたしは、天下無敵宇宙最強のSOS団の団長様だからよ!』
    第三章『なぜならあたしは、天下無敵宇宙最強のSOS団の団長様だからよ!』     「いたたたたたた……って、嘘ぉ!?」  九階から投げ出されたはずなのに、あたしの体は骨折どころか傷一つ付いてなかった。 「どうなってるのよ……それにここはどこ?」  百歩譲って無傷だとしても、あたしは病院の敷地に落ちるはずだ。だけどここは病院ではない。 「どっかのマンションかしら?」  あたしは病院の敷地ではなく、どこか見覚えのあるマンションの一室のベッドの上で目を覚ました。  とにかくここを出よう。フローリングの床に、病院の廊下で落としたはずの鉄パイプとデイバッグあったが、それをを拾い上げて部屋を出た。    その部屋を出ると、奥歯と奥歯の間に挟まった銀紙みたいな既視感の謎が解けた。 「ここ、有希と朝倉が住んでいたマンションだ……」  確かに北高には近づいたが、不気味すぎる。あの病院からここまで何百メー...
  • Break the World 第三話
      第三話 ― 悲愴 ―    待て待て、とりあえず考えろ、俺。  大体こんな極端な二択しかないってのがバカげてる。  ハルヒのとんでもパワーだったら少しどころか大いに我が侭を通せるはずだろ。  自分達の住んでいた世界をハルヒが否定でもしない限り……  そこまで考えて思い当たった。そうだ。こいつは否定する奴だ。  かつて閉鎖空間に閉じこもったのは、自分の望まない世界を否定した結果らしいし、  その中で俺だけは一緒にいたいと願われたからあの場所に呼ばれた。   俺と自分以外の世界は「要らない」って深層心理では思っていたって事だ。  つまり、ハルヒと力は今繋がりが無くなりかけていて、  力の暴走の結果もまた、ハルヒの願望なのだ。俺と二人で生きるという願望。 「なあ、ハルヒ」 「なに」 「世界を壊してまで、お前は俺を選ぶのか……?」 「…………」ハルヒは黙ってる。 「……答えてくれよ。俺にそこま...
  • 第二章『何言ってるの?キョンは三年前に死んじゃったじゃない』
    第二章『何言ってるの?キョンは三年前に死んじゃったじゃない』      文字通り死ぬ思いで手に入れたレンチでハンドルの鎖をねじ切り、シャッターを全開にした。 「……何よこれ」  全開のシャッターから見える空は、とことん色味が抜けた灰色だった。 「あの巨人の夢の時とおんなじ空……」  SOS団結成して一ヵ月後、あたしはキョンと学校に閉じ込められる夢を見た。青い巨人が北高の校舎を薙ぎ倒して、そして夢の最後には……      あたしは夢の終わりにキョンにされた行為を思い出し、無性に恥ずかしくなった。 「な、何考えてるのよ!!あ、あれはただの夢で、キョンとはなんでも無いんだから!!」 ――ガーガー。  いきなり鳴ったノイズに、あたしは情けないくらい体をビクつかせた。な、な、な、何よ!?また怪物!? 『ガーガー――ピー――ハルヒ――ピー――ガー』  汚いノイズの途中に、確かに「ハルヒ」という言葉が...
  • Break the World 第二話
      第二話 ― 選択 ―    知りたくない現実だ。だが、こいつらの会話から見て間違いも無さそうだ。  どうやらあの時に何かが起き、俺達はそろって死んでしまったらしい。  今ここにあるのは魂だけがあるとかそんな感じなんだろう。  しかも、ハルヒが死んだことでとんでもパワーが暴走しかけてるらしい。  何がなんだか分からない。いっそ夢オチだったりしてくれないか? 「キョンは知ってるの……?有希達の事……あたしの事……」  どうやら説明しないとならなそうだ。このままごまかすのは無理だろうし、  俺が説明しないと、2秒後くらいに世界が消えちまうかも知れん。  俺は全てを話した。  話す合間に、古泉達は今後の展開に不安を抱きつつ、その日は帰る事にしたらしい。  追いかけたかったのだが、座り込んだままのハルヒが俺を引き止めた。 「そんな……本当に有希は宇宙人で、みくるちゃんが未来人で、古泉君が超能力者...
  • 涼宮ハルヒのお願い!ランキング
    新川「涼宮ハルヒのお願い!ランキング!!」  多丸兄「今回のテーマはこちら!!」  森「本当に可愛い北校生がしりたーい!!」  多丸弟「そしてそれらの美少女たちを審査する美食家アカデミーはこちらぁっ!!」   キョン「どうも、キョンです。座右の銘はポニーテールは人類の宝です」  古泉「これはこれは……古泉です。今回はよろしくお願いしますよ、んっふ」  谷口「女の審査は任せろ!!!なんなら俺的北校美少女ランキングを公開してm」  国木田「国木田です。始めまして」  多丸弟「以上の四人の美食家アカデミーが、それぞれ10点ずつの持ち点、合計40点満点で審査してランキングを作成するぞ!!」  新川「機関のブレインたちが汗水垂らして作成した予想ランキングはこちらぁっ!!」  第一位 涼宮ハルヒ  第二位 朝比奈みくる  第三位 長門有希  第四位 鶴屋さん  第五位 喜...
  • 神聖モテモテ憂鬱
    ファーザー「キョンスキーよ、時代は強い女なのじゃよ!」 ハルヒ「いいから、黙ってとんかつ食え」 ファーザー「いただきます」   10分後   ファーザー「キョンスキーよ、時代は強い女なのじゃよ!」 ハルヒ「またなの…」 ファーザー「いいかキョンスキーよ今の時代は強く自立心が強い女がもてるのじゃよ」 ハルヒ「何言ってるのあんた?」 ファーザー「男ってものは95%はマザコン、ならばそこに包容力たっぷりの女性が現れればころりってわけよ」 ハルヒ「まったく下らない」 ファーザー「もちろんあのキョンって男も例外じ「続けなさい」   (中略)   ファーザー「―というわけなのじゃよ」 ハルヒ「なるほどよくわかったわ(肝臓の仕組みが)それにしてもあんた、その格好はなんなのよ?」   八百屋ボクサー   ファメ田興毅   ファメ田興毅は世界を股にかける超A級ボクサー今日もとんかつと 引き換え...
  • 涼宮ハルヒの団結 第二章
         そんな感慨を抱きつつ、放課後、文芸部室。  今週の頭に生徒会から突如として課せられた、というかハルヒが課したポエム創作に紛糾していたSOS団員であったが、本日その内の二人の悲鳴は安堵の溜息となって開放された。   一人はもちろんであろう古泉だ。  そして残す一人は長門……ではなく、朝比奈さんである。  それぞれの詩を端的に紹介すると、古泉のはこいつが超能力者になる以前、自分の胸に秘めていた世界に対する本音を夢見がちな視点から書き綴ったもので、つまり少年の頃に密かに抱いていた願望をポエムにしたものだった。  朝比奈さんのはテーマが未来予想なものであるにも関わらずほとんど創世記のような内容で、後半に少しだけ未来の世界像が抽象的に書かれているという感じであった。俺の読解によるところでは、本来人間は諸々の管理や調整を行うために生まれており、未来では自然と人間の調和が実現するといった隠...
  • 消滅の代償
    プロローグ 「ジョン=スミスは俺なんだ!」 俺はハルヒに向かって叫ぶ、ハルヒは目を丸くして驚き、女子トイレに明らかなおかまのおっさんが入ってきたのを見たような表情をしている。 それを見ていた朝比奈さんは怯えた顔で、古泉はいつもの微笑で見守っていた。 「…え…ちょっと待ってよ!あの頃はあんただって中学生でしょ!ジョンは明らかに高校生だったわよ!」 くそっ!時は一刻を争うというのに、変なところで常識的な奴だ、すべてをハルヒに教える前に今回、なんでこうなっちまったのか急ぎ足で振り返ろう。   一章 季節は春。 寒かった冬も終わり、雪が溶けて川になって流れていったり、つくしの子が恥ずかしげに顔を出すそんな季節である。 だがしかし、今の地球の異常気象はそんなことはお構いなし、と、いうのも3月になるというのにまだ寒かった、というわけだ。 そうそれは先月ハルヒ達からやたら凝った方法で渡されたチョコレート...
  • 涼宮ハルヒのダメ、ゼッタイ 六章
    六章 無音…暗闇。まあ、真っ暗なのは俺が目をつぶっているからに他ならないのだが。 かすかに手術中と書かれた扉の向こう側から聞こえて来る三つの電子音だけが、あいつらが生きている事を俺に教えてくれる。 他にも医者や看護士が駆け回る音やカチャッという金属と金属がぶつかりあったような音が聞こえているようだが、 今や俺の聴覚は三つの電子音を拾うのが精一杯のようだ。病院の待ち合い席に俺はいる。 両の手を祈るように組み合わせ、それは俯いた額を支えていた。 相手はトラックらしい。正面衝突は避けられたようだが、そのせいで相手は依然、逃亡中だ。 「ね、ねぇ…キョン…」 おや、ハルヒの声がする。ハルヒが近くにいるようだ。そういえばこいつは俺と一緒に電話に立ち会ったんだっけ。 「今は…そっとしておくべきかと…」 忌々しいことに古泉もいるようだ。この分だと朝比奈さんと長門もいるのかもな。 はは、全然気付かな...
  • 藤原くんの溜息
    ※周防九曜の溜息の続編っぽい話です      三年前の今頃。木枯らし吹き荒ぶ寒の候、暦の上の春とははやり旧暦に則った季節であると感じた二月の上旬。 三保の松原に降り立った天女の如き麗姿なお方が、あろうことか双子になるという至福且つ至高を感じ、しかし同時に発生した不謹慎且つ憤懣な事件によって地獄の底に突き落とされるという表裏一体の出来事があった。 言うまでもない。波瀾に満ち溢れた俺の高校生活の中でも三指に入るほど腹立たしいであろう彼の事件、『朝比奈みちる誘拐事件』である。 羽衣だけならばともかく本人そのものを奪い取るあの所業には、流石の俺も怒ゲージMAX230パーセントを32個分くらい溜め込んでもなお余りあるほどの怒りが込み上げてきたってもんだ。 その後も時々夢に出ては胸糞悪い目覚めで幾度となく学校をサボろうと何度思ったことか。もちろん、実際にはサボってなどないがな……。 と、それはと...
  • ラジカルメッセージ 前編
    “元気にしているか?そっちの様子はどんなもんだ?ハルヒ。” “通常ならこんな手紙を書いている場合じゃないんだがな。” “リーダーという肩書きが異常なほどに当てはまっていたお前がいなくなってから” “にわかに落ち着かなくなってな。…なかなか慣れないな。”        この文章は一体何か?そう質問されたなら、これは手紙だと答える他ない。紛れもなく俺の筆跡であり、文中にハルヒと書かれているからにはこれがハルヒに向けて書かれた手紙なのだ、ということは分かるのだが…。しかし俺の脳味噌が非日常に晒され続けた結果不具合を起こしていないなら、この手紙を書いた覚えは全くもって記憶にない。それ以上に気になる点はどういう訳かこの4行の文章だけで、続きが何も書かれていないことにある。   「一体これは何なんだ?」  と聞いてみた場所はこの手紙を発見した俺の部屋であり、話の相手は毎度のごとく長門、古泉、朝比奈さん...
  • 涼宮ハルヒの消失ー長門有希の憂鬱
    私は情報思念体が作り出した対有機生命体用インターフェースのひとつである。 太陽系、と本人たちによって呼ばれる辺境の惑星系の第三惑星に発生した有機生命体のなかに、全宇宙の中でもユニークな一個体が発生した。 そしてそれは進化の袋小路に閉じ込められた情報思念体になんらかの脱出口となる要素を抽出できる可能性がある、と判断された。 単体という概念を持たず、いかなる光学的手段を持っても不可視である情報思念体にとって、一地球人固体を観察し、必要ならば彼らの言語による意思疎通を可能にするインターフェースが不可欠であることから作られたものの一体である。 同時に作られたバックアップと比べて、私というインターフェースは一見して他のインターフェースとは際立った地球人的な「個性」が与えられている。 そう。被観察者涼宮ハルヒによって、私に必要とされた属性。 極端な無口、非情動的で非社交的なキャラクター。 彼女にと...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦  ―争奪戦当日~開会式・適性検査~ ―
    「れでぃーす えぁんど じぇんとるめん 皆様 めがっさながっっらくお待たせしたっかな? 只今より 『SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦』を 開催しちゃうっさー!!」 鼓膜が張り裂けそうな程の声をあげ、鶴屋さんは開会宣言をした。 時は8月7日。争奪戦当日となった。ハルヒの機嫌の様に雲一つ無く、絶好の天候となったようだ。 会場は鶴屋邸の一角にある庭園である。鶴屋さんも面白いことには飢えているのだろうか、二つ返事で協力を了承してくれた。 学校内で行うにはリスクがありすぎるからな。生徒会への根回しも杞憂に終わったな。古泉。 鶴屋さんは場所だけでなく、会場や必要な大道具・小道具・機材・人材を確保してくれた。その上、進んで司会まで努めてくれた。さすがは名誉顧問である。 『なぁに、他ならぬハルにゃんの頼みだからね!聞かないわけにはいかないっさ!ハルにゃんは大勝負に出たみたいだから尚更だね! ...
  • お弁当
    直列ネタ、ネタバレ注意  しんと静まり返ったマンションの一室。必要最低限の家具だけが置かれた部屋は酷く殺風景だ。  その家具ですら使われた形跡は無く、人の住んでいる気配を感じさせなかった。  部屋の中央には小柄な少女が一人。正座をしたままぴくりとも動かない身体は、精巧な人形のようだ。  それは長い長い夏休みが終わり、少女――長門有希が膨大な量となった記憶を整理している最中だった。  情報の取捨選択。溜まりに溜まった記憶の中の、不必要と判断された情報を隔離していく。  とある夏の記録に差し掛かると、滞りなく行われていた作業が急に止まった。  その夏はとびきりのイレギュラーで、他のシークエンスでは見られなかった様々な出来事が起こった。  希少なケースではあったが今となっては重要性は限りなく低い。特別、記憶しておかなければならない事象は何も無い。  学校での合宿。七不思議探し。それを記憶してい...
  • 長門喫茶
    月曜日だと思って大学に行ったが今日は火曜日だった。 小学生でもあるまいし、まさか自分がこんな初歩的なミスをするとは夢にも思わなかったな。 もしも俺がタイムマシンとか、超能力とか、時間を越えるための何かを持ってたなら俺は間違いなく 数時間前の俺を殴りに行くね。そんなものは無いので不可能だが。 火曜は午後まで取っている講義が無いので俺は暇つぶしにそこらをぶらぶらすることにした。 ぶらぶらするというものの、勝手知ったる地元の街並み。そんな二、三日で周囲の環境が 変わるはずも無く…… 「……ん?こんな所に喫茶店があったか?」 この辺りは俺の庭だと吹聴している自分なので、見知らぬ建物があっては同級生達に示しがつかない。 幸い講義までは軽く三時間ほどの猶予があるのでとりあえずこの喫茶店に入ってみることにした。 その喫茶店の店先には『長門喫茶』と書いてあった。 「……ちょうもん……いや、ながもんきっさ?...
  • 古泉一樹の誤算 二 章
      二 章      俺はその晩、砂漠を越えてアカバ要塞に戦いを挑む前夜のアラビアのロレンスのようにまったく寝付けなかった。    考えてみりゃハルヒがジョンスミスを探していたのは当然のことで、真夏の夜にどこからともなくふっと現れ、宇宙人や未来人がいるなどと吹聴した挙句、影も形もなくふつと姿を消したりすればあいつでなくても追いかけてみたくなるってもんだ。ことハルヒにかかれば奇妙な存在というものに対する執着心は尋常じゃない。    それがどこをどう間違って憧れの彼なんかになっちまったのか、やっぱあれかな、揺れるつり橋の上で心拍数が上がるのを惚れたと勘違いする、血中のアドレナリンとホルモンを混同してしまうのと同じ現象か。最初の未来人との遭遇が俺だってだけでそこまで決意を固めてしまう理由が理解できん。俺?俺の場合は……まあ朝比奈さんには一目ぼれした……かもな。けど八年もずっと想いつづけるな...
  • Project512_Part11
    Project512_Part11-もくじ- クイックメニュー     ○<本スレに9月に書いた分を収録しているのです!      【 休んでいない夏休みが開け、鈍った体を残暑が激しく蝕む九月初めの出来事だった、  退屈を持て余しいっそ俺自身が立てちまおうかと思った矢先に奴は立っていた。 ───やれやれ  既に口癖となった単語を溜息と共に紡ぎだしつつも、俺は心の中でこう思っていた。 『 1、乙だぞ』、と。】   【チャック・古泉一樹が一緒にお風呂に入れる】   【●<ロスタイムはウキウキウォッチン!アッチコッチソッチコッチいいとも(デレッテテッテテ!)】 (第一次ロスタイム暴動)   【●<ウホリロ!】   【歴史】   【保守小ネタ・깍두기】    【●<自分でかけば許可もいりません】   【お題?・もっこり】   【○<あたし緑だったのですか!?】   【チャック・キョンに禁則事項...
  • シュール短編75
    ハルヒ「SOS団員諸君、明けましておめでとう御座います!」 長門「おめでとう」 みくる「はっぴーにゅーいやーでしゅ」 古泉「初春です」 ハルヒ「折角皆で不思議探索初詣巡りしようと思ってたのに、キョンたらまた遅刻!?」 キョン「ようお前ら、おめでとさん(;^ω^)」ゼハーゼハー ハルヒ「キョン!!?正月早々顔色最悪よ、どうしたの!!?」 キョン「いやいや何でも、それよりもホラお前らにお年玉だ」つ日 長門「ありがとう…これは」 みくる「ぴえっ諭吉さんがいっぱい入ってましゅ!!」 古泉「こんな大金、一体どうしたんですか!?」 キョン「去年はお前らには本当世話になったからな、せめてものお返しだ」 ハルヒ「そんな事訊いてんじゃないわよ!これだけのお金どこから出したの!!?」 キョン「なあに冬休み中ずーっとバイトしてただけだ、ほとんど一日中」 ハルヒ「え゛ーーー!!?」 長門「私が見た所体温が39...
  • 銀河SOS伝説~射手座の光芒~第五章前編
       宇宙暦2003年、SOS帝国暦一年、十一月二十九日、十四時三十分。 SOS団員およびSOS帝国軍首脳部は総旗艦ブリュンヒルトの会議室に顔をそろえた。戦闘は開始されていなかったが、星系内に布陣した無数の無人偵察艇により敵艦隊の大まかな位置は判明しており、事前に散布した宇宙機雷による妨害も成功している。まずはSOS帝国に有利な状況が作られているように見えていた。 しかし、敵艦隊による電子妨害は刻々と強化されていて、偵察艇も発見され次第破壊されており、状況が不利に傾かないうちに戦端を開くことが好ましく思われたが、それに先立って新人類連邦軍時代からの恒例になっている戦前スピーチが行われることとなった。部下達に無茶な作戦を理解してもらう目的で始まった戦前スピーチだが、最近ではキョンに言わせると誇大妄想的とんでも演説を聞かせることで、全軍の士気を無理やりにでも高揚させることが目的となっていた。...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 6
    12,セカイ系青春ウォーカー  支払いを終えた古泉と一緒に外に出ると、タイミングを見計らったかのように俺たちの前でリムジンが静かに停車した。古泉が呼んだお迎えとやらなのは容易く察しが付いたが、駅前の雑居ビルでごった返す一角にリムジンは不釣合い過ぎて軽くファンタジイ入ってるよな、これ。客観的に見て。 「乗って下さい」  古泉が後部座席のドアを開けて俺を車内に促す。断る理由も躊躇う理由もさっきの古泉の一言で木っ端微塵にぶち壊されていた。  長門が? 危ない?  理由はまだ説明されちゃいないが、しかしてこういった類で嘘を吐くような男では古泉はないのを――一年半の付き合いなんだ、俺はよく知っている。だとすれば信じて全乗っかりする以外に道は無い訳で。  リムジンを運転していたのは老齢の紳士、いつぞやSOS団全員でお世話になった新川さんだった。去年の五月を思い起こさせるようなスーツ姿は本職...
  • SOS団の無職16
    前回のあらすじ  キョンたちSOS団団員たちは、無事過去の世界から帰還することができました。明確な理由はサッパリなままですが。  しかし涼宮ハルヒが時間を巻き戻した理由は判明しました。キョンも、自分が佐々木と一緒に買い物をしていて、その現場を涼宮ハルヒに見られたからだ、と時間遡行の原因を納得できないまでも理解はしました。  キョンは佐々木と一緒に、涼宮ハルヒの誕生日プレゼントを買いに出かけていたのですが、残念ながら彼女の誕生日はまだまだ先です。  もうすぐ誕生日おめでとう!になるのは、古泉一樹だったのです。なんという悲しい勘違い。     ~~~~~      新車特有の接着剤を思わせるにおいをぷんぷん漂わせる車内で、なんで買いたての車ってこんなにくさいんだろう、と疑問に思いながら助手席に座る私はシートを倒して寝そべった。  隣でハンドルを握るお手伝いさんに訊いてみたら、この...
  • 涼宮ハルヒの団結 第十二章
    「……あなた、一体何をしているの?」  凶刃を停止させて、朝倉は自分を遮る俺の長門に話しかける。 「あのね、今のあなたには何の能力もないの。何をやろうともそれは無駄なことでしかないわ。邪魔だから、早くそこをどきなさい」  俺の長門はわずかずつ後退し、後方のハルヒを守らんとする姿勢を崩さない。しかし、それは何処かプログラムを遂行しているかのような動きだ。  ……正体不明の頭痛も治まり、俺は緊迫した空気のなかにある朝倉と長門の姿を目にいれながら、必死にこの状況を打開する方策を探っていた。……すると自分の記憶とポケットの中に小さな引っ掛かりを感じ、それにゆっくりと手をやってみる。  ――金属棒。いつかこれを使う日がくるのかもしれない、と過去に俺が無根拠にそう感じた代物がそこにはあった。その正体はTPDDの部品で………周防九曜を制御した髪飾りの原料だ。だが……。これはこのままだと意味がないはずだ...
  • 男の戦い・第六話
     やや薄暗くなってきた会長宅の裏庭。  僕は懐中電灯を片手に来たるべき戦いへ向けての『仕込み』を続けていた。 「よし、これは無事ですね。こっちは……駄目だ、パーツが劣化して壊れてる」  今仕込んでいる『これ』も例の武器と一緒に森さんに押し付けられたものですが、まさかその森さんと敵対しているこの状況で役に立つとは。  いやはや、人生の巡り合わせというのは分からないものです。 「スペアがないので破棄、と。次」  久しぶりの作業だったが『仕込み』の大半は以前設置していた物を仕掛け直すだけなので、然程手間は掛からなかった。 「ふむ、こっちはすぐに直せそうですね」  それに壊れていた場合も――森さんのイジメにも似た厳しい指導のお陰か――頭と指先はしっかり手順を覚えていたので、部品さえあれば特に問題なく修理出来た。 「よし、次です」  ポンポンと土を均して次の設置に取り掛かる。こうして作業をしていると...
  • 涼宮ハルヒの団結 第七章
     午前中。休み時間とは名ばかりの、次の授業への移行時間かつ執行猶予時間の際。  俺は……古泉は登校しているのだろうか、長門はどうしているだろうかなどを自分の席に着いたまま黙考していた。 「どうしたんだい? あまり元気がないみたいだけど。なにか悩みでもあるの?」  国木田はこちらへと近づきつつ俺に問いかけ、俺は背後にハルヒが居ないことを確認すると、 「……悩みが多すぎるのが悩みだな。正直まいってるよ」 「ふうん。てかさ、涼宮さんも何だか元気がないみたいだね。ひょっとしてケンカした?」  普通は聞きにくいようなことを飄々と聞いてきた。国木田よ、俺とハルヒはケンカするほど仲が良いわけじゃ……。  いや、あるのか。いつも俺がボッコボコにされてるが。国木田はなおも飄々と、 「聞きにくいって? もしかして、キョンと涼宮さんのケンカは犬も食わない感じになってるの? それなら、僕がそれを聞いちゃったのは野...
  • キョンとキョン 二章
    さて、区切りが良いからここで俺の気の動転っぷりを見てもらおう。 「なっなんだあれ!シッCMで見た!見たけど映画のあれはフィクションだがなんで登場人物、地名は全てノンフィクションな出来事が超一般Peopleな俺の目の前で起こってんだ!?」 どうだこの素晴らしい狂乱ぶりは。正直言ってあのグレムルらしきものは気持ち悪い。蛇腹でヌメヌメ光ってて内臓みたいなのが薄く透けて見えて… 「あー……とりあえず落ち着け俺。いいから落ち着け」 俺に慰められても落ち着くわけないだろうが! 「だろうな。それ俺も言った」 「ど、どうしろって…うぐっげほっげほっうぇ゛ええええ!」 思わず吐いちまった俺。ここまでテンパるのは初体験だ。処女だ処女。俺の胃液が貫通させました。いや本当におめでたいな。いろんな意味で。 「それおれもやった」 そんなことは聞いてないんだが?とりあえず俺は落ち着こう。お前は説明をしてくれ。 「まず...
  • 涼宮ハルヒの抹消 第六章
     月曜の朝はいつにも増してうだるい朝だった。俺は基本的に冬より夏のほうが好みの人間だが、こんなじめじめした日本の夏となると、どちらが好きか十秒程度考え直す可能性も否定できないくらいに微妙である。途中で出くわした谷口や国木田とともにハイキングコースを登頂したが、校門に辿り着く頃にはシャツが既に汗ばんでいた。ハルヒの判断は懸命である。長門がいない上にこの暑さでは、映画撮影などやってられん。  二年の教室に入って自分の席に着くと、後ろでスタンバっていたハルヒが肩を叩いてきた。 「ねえキョン、夏休みにやらなきゃいけないことって何だと思う?」 「ああ、そういや、もうそんな季節だな。俺にとってはどーでもいいことだけどよ」 「何よそれ」 「失言だ。忘れてくれ。それで何だって?」  俺は教室内を見回しながら訊いた。今日もとりあえず危険人物はいないが、このままいったら夏休み中の俺はブルー一色に染まる...
  • 涼宮ハルヒの団結 第十一章
    「……無事に出発されたようですね」 「ええ。キョンくんとみゆきなら、無事に涼宮さんを連れて来てくれるはずです」   ――古泉一樹。朝比奈みくる、異時間同位体。 「そして……これからの古泉くんの行動ですが、あなたには長門さんの思念体を過去のキョンくんの元へと送り届けて欲しいの。その、古泉くんはこちらの意図を理解してくれていますよね?」 「概要は掴めているつもりです。僕の有するファクターと過去への時間遡行、そして長門さんの記憶を取り戻すという事柄から、僕の行動は必然的に導き出されていますから。つまり、僕の精神探訪の能力をもって時間を止められている彼の精神領域へと長門さんの思念体をダイブさせ、そして過去……去年の七夕から、長門さんには彼の目を通して世界を見てきてもらう。彼女が抱える自分自身の悩みを、まさしく第三者的客観を通して見つめ直してもらうためにね。もしかして、彼を長門さんの部屋に寝か...
  • 古泉一樹の誤算 四 章
      四 章      それからいくつかのチェックポイントを見てきたのだが、このところ部室の様子がおかしい。いつもは窓際に座っているはずの長門が古泉の横にぴったり寄り添うように座っている。俺だけがぽつんと窓際でいびきをかいていた。しかしこの姿勢でよく眠れるもんだ。そんな長門と古泉の異様な雰囲気に、ハルヒはもちろん気が付いているようでチラチラと二人を見ていた。異様というか普通じゃないというか。 「今日は帰る」 ハルヒがぼそりと言った。かなり機嫌が悪そうだ。朝比奈さん(小)はなにが起こるかとオロオロするばかりで、古泉(小)は僕はなにも悪いことはしてません的スマイルを崩さなかった。    俺(小)、朝比奈さん(小)と続いて出て行き、長門(小)と古泉(小)が連れ添って帰った。そして部室は空になった。あのハルヒの仏頂面、この分だと半径十キロ以上の閉鎖空間が発生するな。今の俺なら閉鎖空間予報がで...
  • 涼宮ハルヒの驚愕γ(ガンマ)
    ※注意書き※  涼宮ハルヒの分裂γ(ガンマ) ↑ の続きになります。 「驚愕」のネタバレを含みますのでご注意ください。 γ-7に入る前に、独自の幕間が入ります。       分裂γから驚愕γへの幕間劇──プロローグに代えて 「この件に関する我々の見解は一致すると理解してよいか?」 『だいたい、よい』 「それは天蓋領域も同様か?」 『私の主も同意』 「了解した。この件に関して、私の監視下の組織は解決案をもっている。ただし、一点だけ困難な問題が残っている」 『データを送信して』 「圧縮データを送信した」 『受領……解析中…………その問題は解決可能』 「そうしてもらえるとありがたい」 『了解。そちらは朝比奈みくる?』 「そう」 『こちらは藤原』 「了解した。この件を解決して次の段階に移るまでは、互いに敵対行動は抑止する。それでよいか?」 『よい。ただし、同位体の行動は関知しない』 「それ...
  • 朝比奈みくるの挑戦 その4
     水先案内人が必要である。  過去へ、過去のわたし宛てに指示を送る。  時間の操作を行うことに罪悪感を感じていた時期もあった。必要悪だと割り切っていた頃もあった。  今は、何も感じない。ただ、やるべきことをやるだけ。笑うことも泣くことも忘れた。   「あ、気が付いた。おかえりなさい」  あいたた、ここはどこだ?なぜ朝比奈さんがここにいる?   「キョンくん、まずはかるく息を吸って。深呼吸して。」  落ち着いて周りをみると、ここは屋上前の物置。目の前にいるのは朝比奈(大)さんだ。  あなたがここにいるということは、やはりあの別世界の出来事は未来の既定事項ってやつですか。 「今は**月**日。お昼休みよ。」  確かに時計にもそう表示されている。あのハルヒは俺の希望通り時間移動させてくれたようだ。 「おちついたようね。まだ少し時間あるから簡単に事情を説明させてね。今回もキョンくんにお願いしたい...
  • 長門有希の憂鬱IV 一章
      一 章  Illustration どこここ    我が社の社員旅行、じゃなくてSOS団夏の強化合宿から帰ってきてからやっと仕事のペースが戻った八月。ゲームと業務支援ソフトの開発とメンテで寝る間もない開発部の連中に気を使ってのことか、俺たち取締役も夏休み返上で出社していた。お盆はどこも営業してないんだからせめて三日くらいは休みをくれと上訴してみたのだが、「社員旅行楽しかったわよねぇ」ニヤリ笑いをしながらのたまう社長にむなしく却下された。俺は合宿でCEOの権利を得たはずなのだが、ハルヒの言う次期ってのが四半期のことを言っているのか営業年度を言っているのか分からず、結局はまだまだ先の話だ。    そういやこの会社に入ってまともな休みはなかった気がするが、それはハルヒが土日にやる突発的イベントのためで、そのほとんどは市内不思議探索パトロールなのだが、疲れ果てた体に鞭打ってまで駅...
  • ハリネズミな僕たち
    SOS団部室。   授業が終わり放課後になると、約束があるわけでもなく誰ともなく所属団員は集まってくる集いの場。 今日もそれは違えず、団長を含む四人は全員出席していた。 涼宮ハルヒ。キョン。古泉一樹。長門有希。 去年までなら唯一年上の先輩だった朝比奈みくるも居たはずなのだが、学校を卒業してしまった為に、部室には顔を見せなくなっている。 無論、SOS団に一度入部させられたからには卒業如きでは簡単に解放されず、土日に開催される不思議探索には行動を共にしているのだが。少なくとも彼女達が卒業してSOS団が解散するまでは、付き合うことは規定事項だろう。 「ちょっとキョン、次の探索日なんだけどみくるちゃんにコレを着させてみない?」 「お前は朝比奈さんに一生物のトラウマをこれ以上刻み付ける気か? 却下だ馬鹿者」 「なによっ――!! 団長の意見に反対する気?」 仲良く肩を並べながらパソコンの画面を覗き見...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 5
    10,時空管理者の憂鬱  あれよあれよと時間は流れ、期末テスト準備期間が始まった。テストが終わればすぐそこにクリスマスが待っている。  クリスマス、か。いやはや、どうするべきだろうな。去年に倣うならもうそろそろハルヒが騒ぎ出すはずだ。しかし、今年は俺に「予定」が有る、らしい。本人の意思がそこに介在しないのがこの場合の悩みであり。もしもその予定をぶん投げてSOS団主催のクリスマスパーティに出たとしたら、どうだ?  世界はそれで呆気無く本当に終わってしまうのだろうか? はあ、真面目に考えるのも阿呆らしい話だが、しかし俺が真摯に向き合わなければ他の誰がこの不条理な超時空的現実に向き合うっていうんだ。古泉は早々に楽観論者に成り下がっちまってたしな。全く、肝心な時に使えない。  ドイツもコイツも俺の都合なんかちっとも考えちゃくれないのは、世界に蔓延る悪癖だ。  ま、今更って話だけどさ。 ...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 2
    4,三十分の一  氷雨の中を逃げるように帰ってきた。制服の上着とコートを椅子の背凭れに放り投げて、ノンストップでベッドに四肢を投げ出す。ズボンに皺が出来るがそんなのは知ったことか。  自室を片付けて掃除をして――といった当初の予定をこなす気も起こらない。教室を出る時、ハルヒの顔を見ておけばよかったかと思う。……いや、見なくてよかった。見ていたらきっと……なんでもない。  ケータイにいつの間にか来ていた着信は古泉から。「何かありましたか?」という簡素なショートメールは修飾や回りくどさといったものを極限まで削り取ったようで、あの話好きからのメールとは思えない。とりあえず「お前には関係ない」と返信。  即座に返信。「いつでもご相談下さい」との内容。どこまでも胡散臭さが付きまとうのは、これはもうあの男の持って生まれた性質なんだろうさ。とりあえず、ケータイは床に投げ捨てた。  ……俺の部屋...
  • 涼宮ハルヒの奇妙な憂鬱
    涼宮ハルヒの奇妙な憂鬱       1.  百聞は一見にしかずと昔の人は良く言ったもので、ついさっきまで車の中で俺に向かって長々と持論を浴びせてきたこの男──古泉一樹──が言った事に間違いは無かった。ここは…この世界は、物理法則が全てを支配する超常識的な俺達の世界とはかけ離れていたのだ。今目の前で起きている事実を端的に説明するとなると次のとおりだ。   “古泉は、赤色に鈍く光る球体に包まれ、ビルを一心不乱になぎ倒している巨人相手に空中を自在に舞いながら攻撃している”    俺の生きてきた十何年もの間にこのような夢のような出来事は一切起こらなかった。…そんな出来事があって欲しいと心から願っていた時期もあるにはあったが、しかしこんな夢まぼろしな光景なんぞ、『起こりえる訳がないッ』と考えるのが正解だと既にお子様を卒業した20代目前の俺の頭は解答した。  この常識ハズレな展開が今まさに起こってい...
  • 橘京子の憂鬱(前編)
    『助けて…… 助けて……』 『おい、一体どうしたんだ?』 『ああ、よかった。変な人に追われてて……』 『変な人?』 『ええ。そうなの。鎌をもった、全身血だらけの人があたしを……』 『ははは、そんなのいるもんか。第一真っ暗で何もみえやしなしな』 『そんなことはないわ! 現に今、あの血の滴るような音が聞こえてくるじゃない』  ポチャン。 『ほら、今もあなたの方から……え??』  チャプン。 『……ね、ねえ……この音……どうして……あなたの方から聞こえてくるの……?』 『ふふふ…………』 『ねえ、どうしてよ。答えてよっ! あなたは一体何者なの!?』 『キミが見たって言う、変な人……それはもしかして……こんなものを振り回していなかったかい?』  ザンッ! 『い…………』 「いやああああぁぁあぁぁあああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!!!!」 「うるせーぞ!! さっきから何...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 8
    15,フリープレイ(R)  呆けた人間に有事を理解させるにはショック療法が一番手っ取り早いなんてのは経験から言って間違いじゃない。それに朝倉は急進派だしな。急いては事を仕損じると昔から言うが、しかし今回に限れば少女の目論見は成功に終わったと言ってやってもいいだろう。  お陰で大分目が覚めた。  人の出入りが奇跡的に無いマンションのエントランスは冬でありながら、その体感気温を上昇させ続けていた。心臓を始めとして血管一本一本に至るまで血と共にカンフル剤が巡っているように脈拍は速い。これは俺の意識の在り方の違いでしかないのだろうが。  昨日までとは違う。ついに「始まった」、そう直感的に理解する。具体的に何が始まったかは朝倉にでも聞かないと只の一般人である俺には分からない。だけどもう、何かが確かに始まっているというそれだけはこんな俺にも言い切れた。  十二月、クリスマス。ワールドエンド。...
  • 橘京子の陰謀(合宿二日目)
       俺は悩んでいた。どうしてこんな事になったのだろうか?どうしてこんな目にあわなければいけないのだろうか?  艱難辛苦を引き起こすその原因は言うまでもない。橘京子のことである。  最初の出会いは最悪なものであった。あいつは非道にも朝比奈さんを誘拐した。そして佐々木をハルヒに取って代わる神だと主張し、俺に対し協力せよと要請してきたのだ。  ここまではまだよかった。いや、十分良くないのであるが、それ以降の振る舞いからすればずいぶんまともな物であったと徳川綱吉も東条英機も認めてくれるであろう。  しかしその後の立ち回りは度を超えていた。佐々木の閉鎖空間に侵入してブートキャンプを行ったり、朝比奈さんの胸にヒステリーを起こしたり、そして今回のように意味不明な旅行に誘ったり……  十分頭のネジが緩みきったその言動は、さながら風車に立ち向かうドンキホーテである。  こいつのアレっぷりもそ...
  • 擬人化保守
    since2008.9.22   ・完全な「擬人化」ではありません、予めご了承ください。 ・投下当時の季節や時事などを反映しているものもあります。 ・修正、削除されたのもあります。 ・あくまでも保守ネタ。 ***   長門「夕飯作りを開始する」 俎板「そろそろ出番?」 「玉葱を…」 包丁「おや? 今日はゴーグル無しかい?」 「見た目が悪い。これから耐性をつけるよう努力する」 包丁「頑張るね~、でも玉葱は容赦ないよ」 玉葱「切ったら泣かすよ」 「……」 包丁「……」 玉葱「泣かすよ」 俎板「ねえ、やっぱりやめとけば?」 「いい」 「目が…開かない…」 包丁「大丈夫? 真っ赤だよ」 俎板「あ~あいわんこっちゃない」 「…っ」 俎板「でも、どうして一人暮らしなのに見た目を気にするの? まさか彼に…」 「それ以上言うならば、貴方を薪にする」 俎板「ごめんなさいごめんなさい」 *** キョン「ふ...
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