涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「選択肢の無い世界で」で検索した結果

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  • 長編・古泉一樹
    ...うに 世界の反対側 選択肢の無い世界で スノウマーチ 月光 一樹ちゃん☆スマイル 女古泉 ちゃん の憂鬱 四月の雪 キャッチボールwith古泉球 一樹くんに女神の祝福を! 温泉と札幌 前髪に揺れる四ツ葉ふたつ 雪解けの想い もりのこいずみくん 戦士達の休日 【K.B.F.】 秘密の音色 若葉の頃 新米保父さん一樹は大童 古泉一樹の私情 小さな、親切 Kiss&Kiss 魔法少女フェアリーユキ 刹那主義 赤ク染マル こいずみくん一斉大売り尽くし そらをとぶこいずみくん 『僕』の覚醒 届かぬ想い 古泉一樹の災難 桃色空間奮闘日記 僕は誰だろう 僕と森さんと時々2ch 夏の少女 教科書文通 うそつきの本音 闇に降る雨 笑顔は癖のような感じですよ 一夏の恋 あらしのよるに 恋愛相談 遊園地と花火 それぞれの愛のかたち 古泉一樹の消失 ゲ泉記 スノーホワイト・レクイエム 私の選んだ人(古森)リ...
  • 3つの選択肢
      「本当に……よろしいのですか?」 「いい。……私も、あなたという固体と親密になりたいと願っている。」 「ありがとうございます。……愛しています、長門さん。」 「……わたしも。」   団活終了後、帰り道古泉一樹と二人きりになった時、思いもよらぬことが起こった。 古泉一樹に、私に対する想いを伝えられた。 心拍数上昇。体温上昇。膨大なエラー発生。でもこのエラーは……不快では無い。 そしてこの時私も、古泉一樹と同じように感じていることに気付いた。彼を……愛していると。   こうして私達は、世間一般でいう「恋人」という関係になった。 翌日、私達は一緒に部室へと足を踏み入れた。……手を繋いで。 部室には朝比奈みくるだけが居た。心なしか、表情が暗いように思える。   「こんにちは、朝比奈さん。」 「あっ、こんにちは。あれ?手を繋いでる?」 「ええ。お恥ずかしながら、長門さんとお付合いさせて頂くこと...
  • 第四章 ダブル消失
    長門ふたり   第四章 ダブル消失   長門さんが二人いるのにもすっかり慣れてしまった今日このごろ。 なにしろ、二人いたおかげで命拾いまでしてしまった以上、 もはや、文句をいう筋合でもなくなってしまった。 彼も、自分の二重化が起きてからは下手に二人のうちどちらかを 帰らせようとするのは問題があると思い直したようだ。 長門さんも一日交替で登校してくるし、記憶は完全に同期しているので 僕や彼の様に二人の長門さんを区別できる人物以外にとっては、 事実上、何の問題もない。もともと、長門さんはSOS団員以外とはろくに 接点もないわけだし、そうそう強烈なことなど起きようもなかったのかもしれない。 結局、人間の慣れとは恐ろしいもので我々SOS団員は、事の次第にまったく 気づいていない涼宮さんをふくめて、長門さんが二人いる状況に適応しつつあった。   文芸部室に赴くと、早く来すぎたのか、長門さんしかいなか...
  • 涼宮ハルヒの日記
    いつもの放課後のSOS団の活動中の事だ。 日頃のフラストレーション溜まっていたのだろうか? 自分でも理解不能なイライラの全てを我等が団長涼宮ハルヒにぶつけていた。 俺が冷静さを取り戻した時にはもう部室にハルヒの姿は無く、背後に3つの憤怒のオーラを感じた。 俺は恐る恐るそのオーラがする方へ振り向いた。 その瞬間、いきなり長門が広辞苑の角で俺の頭を殴った。 なにしやがる!?と言おうとしたら今度は朝比奈さんがお茶入りの湯飲みを投げつけてきた。 それから逃げようとしたら古泉が俺の前に立ちはだかり俺の胸倉を掴んでこう言った。 「何やってるんですか!?今回の事はどう見てもあなたに全ての非がありますよ!今度こんな事したら閉鎖空間に置き去りにしますからね!!」 見事なジェット○トリームアタックだな。 いや、そうじゃない・・・ 「何やってるのかだと!?それは俺自身が一番知りたいさ!!」 そう言って古泉の手を...
  • 北高附属大学入試問題 第一問
    この作品はフィクションであり、問題の選択肢は作者の思想・心情に全く関わりはありません。       「うーん、俺は1だと思うんだがな」 1枚の紙切れを見ながら、俺はそうつぶやいた。 「はあ、あんた何言ってんのよ! 2に決まってるでしょ!! そんなんだからあんたはいつまでたっても赤点ぎりぎりなのよ!」 「わたしも2が最も適切であると考える。加えて言うなら、この選択肢に出てくる”女性”とは、わたしのことであると思われる」 「あ、あの~、わたしも2じゃないかと思うんです。でも…、この選択肢の”女性”っていうのは、長門さんではなくてわたしのことだと……」 ギロリ ハルヒと長門に睨まれ、朝比奈さんは、一瞬身体をビクッとさせた後、俺から目を逸らした。 「まあ、正答は2で間違いないわ。それと、この選択肢に出てくる”女性”は有希やみくるちゃんではないってことは確かね」 ハルヒが得意気にこう宣言する様子を、...
  • ウソがホントになる世界で
    きっかけはたいしたことじゃなかった。 文芸部室の不法占拠を続けるSOS団が、いつものように活動しているところから、話は始まる。 長門は本を読んでて、朝比奈さんは編み物を楽しんでいる。 俺と古泉は、昭和初期のすごろくに興じている。なかなか新鮮だが、時が読みずらいのが欠点だ。 ハルヒはといえば、団長席でPCとにらめっこだ。大方オカルトサイトで興味深い文章でも見つけたのだろうな。 俺がサイコロを投げようとした瞬間のことだった。 「ねえ、キョン」ハルヒの声が飛んだ。 「どうした?」 ハルヒは招き猫のように手招きで俺を呼んでいる。古泉が苦笑を浮かべ、俺はそんな古泉を睨みつける。 サイコロを机におき、ハルヒの横に立った。甘酸っぱい柑橘系の香りが鼻をくすぐった。 「どうしたんだ?」 ハルヒはディスプレイを見るのをやめて、俺の顔を見上げた。 「これ、なにかしら?」 ハルヒはそう言って、ディスプレイを指差し...
  • Break the World 第二話
      第二話 ― 選択 ―    知りたくない現実だ。だが、こいつらの会話から見て間違いも無さそうだ。  どうやらあの時に何かが起き、俺達はそろって死んでしまったらしい。  今ここにあるのは魂だけがあるとかそんな感じなんだろう。  しかも、ハルヒが死んだことでとんでもパワーが暴走しかけてるらしい。  何がなんだか分からない。いっそ夢オチだったりしてくれないか? 「キョンは知ってるの……?有希達の事……あたしの事……」  どうやら説明しないとならなそうだ。このままごまかすのは無理だろうし、  俺が説明しないと、2秒後くらいに世界が消えちまうかも知れん。  俺は全てを話した。  話す合間に、古泉達は今後の展開に不安を抱きつつ、その日は帰る事にしたらしい。  追いかけたかったのだが、座り込んだままのハルヒが俺を引き止めた。 「そんな……本当に有希は宇宙人で、みくるちゃんが未来人で、古泉君が超能力者...
  • 北高附属大学入試問題 第ニ問
    「まあいいわ、次の問題に移りましょう。次の問題は?」 ハルヒがそう言ってその場を仕切りなおし、部屋に居るみんなが次の問題文に目を落とす。 しばらく沈黙が流れた後、SOS団の女性陣と佐々木が、ほぼ同時に、自らの選んだ選択肢を宣言した。 「これは簡単ね、4で間違いないわ」 「さ、3だと思います」 「2」 「おそらく1だろうね、間違いないよ」 各々の選択した答えが違っていたため、彼女達は相手の選んだ選択肢の誤りを指摘し始めた。 「ちょ、みくるちゃん、3なんてありえないでしょ! ”も”ってどういう意味よ。普通”だけ”でしょ」 「いや、確かに涼宮さんの言ってることは正しいが、”だけ”というのは常識的な事だから、敢えて問題文にあるのはおかしい。だから3や4はない」 「そう、さらに付け加えるなら、”が”ではなく”は”が文法上正しい。よって正答は2になる」 「で、でも待ってください。1や2は姓がそのままで...

  • 長門はぼんやりと暗い周りをみていた。 気がつけば私は穴の中に入っていた。 穴の中はじめじめとしており、結構な深さがある。 体を起こすと、長門の影に入っていた虫達が次の影を求めて慌てて逃げ出した。 穴から出ようと手を伸ばそうとするが手がなかった。 少し手を伸ばせば出られるような穴だが、手がない長門には開ける事はできない。 顔を下に向ける、下肢も無い。 まるでだるまだ。 処置が良かったのか出血はあまりない。 誰かが切断してその後裁縫道具が何かで縫ったのだろう。 出来損ないのぬいぐるみのように糸が出ている肩と腰が見えた。 出ようともがいたが、それは徒労に終わる。体中が痛む、無い足、無い腕がむずがゆさと強い痛みを伴う。 何時間たったか、長門は夜空を見上げていた。穴の真上は綺麗に空がひらけているのだ。 「たすけて」 長門の無表情な顔に涙が伝う。 ガサガサと音がした。穴の上から知らない男が見下ろし...
  • 『有希の横顔』
    「あなたに相応しいのはわたし。涼宮ハルヒではない……」 普段どおりの日常のはずだった。いつもの文芸部室。放課後に皆で集まり、 俺と古泉はオセロに興じ、ハルヒはネットサーフィン、朝比奈さんは お茶を入れた後マフラーを編んでいる。そのマフラー誰にあげるんですか 朝比奈さん? いや、それどころじゃない。 長門だ。   俺には100年かかっても理解できそうも無い本を、いつもと変わらず 読んでいた長門が、突然立ち上がり俺に向かって言い放ったのが冒頭の 台詞だ。部室内が凍りついた。 「えっ、有希? 今なんて言ったの?」 ハルヒはきょとんとした顔で長門を見つめる。次の瞬間。   「邪魔者は排除する」 長門が冷徹な声で呟いたかと思えば、一瞬にしてハルヒはその姿を変え 形容しがたい物体と化していた。 「ひぃぃぃぃぃぃ!!!」 朝比奈さんが変わり果てたハルヒを見て尻餅をつき、その場所に おおきな水溜りを作る。...
  • 第七章 ラストバトル
    長門ふたり 第七章 ラストバトル 涼宮さんが僕を『好きになる』という珍事が終息してから数週間後の日曜日、 長門さんは僕達を呼び出した。「僕達」というのはいうまでもなく、涼宮さんを 除く、SOS団の面々である。思えば、長門さんがふたりになってから、既に数ヵ月が 経過していた。いろいろなことがあった。世界の改変、彼の二重化、未来からの刺客と 情報統合思念体が放った暗殺者。最初はあまりにも異常と思えた長門さんが二人いると 言う状況にも、僕等は何時の間にかなれてしまい、あたりまえに感じるようにさえ、 なり始めていた。もともと、長門さんは人間ではないのだし、これが涼宮さんが二人とか、 朝比奈さんが二人、とかいうことになるとなかなかきびしかったかもしれないが、 長門さんだとそれなりに許されてしまう。人間とはいい加減と言えばいい加減なものだ。 今回の呼び出しもまた、何かの「事件」の発端であることは間...
  • 2人の不思議探索
    薄暗いダンジョンで無数の怪物に囲まれている僕と長門さん。 …僕達は生きて戻れるのでしょうか…。 …。 …。 状況が飲み込めませんか? OKです。 では今回の事を最初から振り返ってみましょう。 …。 …。 …。 あの惨劇(覚醒のおまけ参照)から一週間近くたった。 幸い死者は出ずまた普段の生活を送れるようになりました。 …三途の川渡りかけましたけどね…。 …。 今日は土曜日、恒例の不思議探索の日、いつも通り彼の奢りでコーヒーを飲み、これまたいつも通り爪楊枝を使い組み分けが行われた。 最初は彼とのペアでした。 特に何もなく終わりました。 そして2回目の組み分け…印有りですか。 さて、僕のパートナーは…。 見ると長門さんの持つ爪楊枝に印があった…彼女ですか。 …そんな訳で僕は今長門さんと2人、肩を並べて歩いている。 …実は最近…前回死にかけた時から謎の記憶が僕の頭をよぎっていた。 断片的な記憶...
  • キョンの消失
    注意書き この作品は通常のようなキョン視点ではありません。 また最初は予告のような感じですが最後のほうになると文体が変わります。 ご観賞される方はそのことをご理解の上でご観賞ください。 つたない文章ですがお楽しみいただければ幸いです。では始めます。 ついに情報統合思念体を支配した強硬派 そしてキョンに迫るヒューマノイドインターフェース達 彼らの凶刃がキョンを襲うとき、長門が敵の前に立ちふさがる 「貴方は殺させない」 しかし、情報統合思念体との接続を断たれた長門には戦う力はなかった そして傷つき倒れる長門 その姿を見て体中の血が熱くなるのを感じるキョン そして彼は自ら三年前に記憶と共に封じた神の力を解放する 改変される世界、全ての人が平凡な人間として暮らす当たり前な世界 そんな世界の中、一人ハルヒは世界に違和感を感じていた 彼女はわずかながらに改変から逃れていたのだった そんな悩みから教室に...
  • 普通短編49
    ハルヒ「新部員連れてきたわよ!」 キョン「そうか…」 ハルヒ「その名もアキラ!」 キョン「ああ、よろしく」 ハルヒ「アキラはいつもマフラーをねじってるのよ」 落ちナス   「キョンくぅん、わたし上○大学に合格してましたぁ」 「えっ、朝比奈さんでも合格なんて○智ってそんなレベルか… じゃ、俺は東大にしときますね」     「野球大会に出るわよ!」 六月の湿気。 雨が降っても生暖かく、風は少しも吹きやしない。 ったくこれだから盆地は嫌になる。 俺の至福の瞬間・・・ 安眠”を妨げるには十分だった。 寝たい。 ・・・? 何? 野球大会・・・? いやな予感がする、寝よう。 「こら、キョン。 寝たふりをしても無駄よ!」 おそらく母猫が子猫をくわえて移動するような光景であることは明らかである。 つまり俺は首根っこを掴まれ引き摺られている所なんだ。 目を開ければ厳しい世界が待ってい...
  • 橘京子の消失(前編)
    「…………、……きて……」  ――声が……聞こえる―― 「……くん、………ったら……」  ――俺を呼ぶ声―― 「……むー、……おき……よ……」  ――どこかで、聞いたことのある―― 「……おき…………なら……」  ――しかも毎日聞くこの声は―― 「えいっ!」 「ぐふぉ!!」  朦朧としている頭で必死に状況把握をしている俺は、砲丸投げの玉を腹部に直撃したかのような鈍い痛みを伴って、完全に覚醒した。 「ってえな! 起こす時はもっと優しくしろって言ってるだろうが!」 「だって、キョンくんったらなかなか起きないんだもん」  ぷくっと膨れる顔はいつもよりも殊更幼く見えるが、それもこいつが今まで行ってきた業というものだろう。怒られたくなかったら無茶な起こし方をするなと再三言い聞かせているのに、この癖だけは一向に治る気配を見せない。  間違いなく俺の妹である。 「ごはんだよ~ あっさごっ...
  • 長門の日々 第9話『新たな世界』
    第9話『新たな世界』   暗い。たぶんもう8時くらいになってるだろうな。 吹きすさむ風がほんの少し肌寒く感じられる。 それは体感温度ではなく、精神的なものかもしれない。 俺は鳥肌が立ってしまっている。 公園のベンチには誰もいない。 見渡す限り道路には車も通ってないし、 夜中を散歩しているような人も見当たらない。 まるでその静けさは、ハルヒが創り出した、あの世界を連想させる。 俺は錯覚に陥る。ここは本当に現実世界か? もしかしたらここは閉鎖空間ではないのか? しかし、そんな俺の疑問はすぐに晴れた。   公園内の灯りが二人の少女を照らす。 どちらも長門。 それが俺の思考を現実へと引き戻してくれた。 常識や、一般論からいくと、この二人は双子、または姉妹に予想されるだろう。 俺は真実を知っている。知ってしまっている。 あの二人は、どちらも長門有希だ―――   今までに幾度か感じたことのあるような、...
  • Starry Sentimental Venus 1
    目次     未来ってーのは柑橘系の香りがするらしい。 きっと纏めてしまえばそれだけの話。     六月三十日、茹だる様な暑さは夏の到来をこれでもかと声高に俺へ教えてくれる。 季節は初夏。とは言いながらも一週間の内に日本列島のあちこちでは真夏日がちらほら見掛けられたりと中々に季節感溢れる今日この頃である。最近よく耳にする地球温暖化とやらの影響だろうか。 冬の頃こそもっと温暖化を全世界的に進めるべきだなどと下らない事を内心思わないでもなかった俺だが、そのツケとでも言うべきか俺の疚(ヤマ)しい考えに天罰を下そうと空の上の何かが考えたのかは知らないが……シャツが肌に張り付くのは気持ち悪い事この上ないぞ。 ああ、馬鹿な考えは今日を限りで悔い改めますのでどうか太陽さんよ、ここらでのんびり長期休暇でも取ってみたらどうだい? 窓際後方二番目というポジションは、頼んでもいないのに日焼けサロンに通って...
  • 望まれた世界
    この状況はまたも俺の意向に関係無く降って湧いた様だ。   俺は確かに2年目の夏の休暇を有意義に楽しんでいた(まぁ半ば惰眠を貪っていた様なものだが)。 そう確かに俺は、自分の部屋の、ベッドで、下着姿のまま、眠りこけていたはずなのに。   1年通い続け見慣れた校舎、そこに似合わない活気を忘れた無音、色を忘れた灰色の世界。   またなのか?と考える理性と、その考えを拒絶したい、俺の本心とが交錯する。   ハルヒが創り出した世界、と アイツら は言うのだが実の所、いまだここの所は半信半疑であるのも事実だ。   いや、まぁ知覚という点では理解しているつもりだが、道理という面で見ればそうはいかない。 世間様から見てもハルヒは単なる1健全な女子であるのは周知の事実であり、 世界の創造主などという不似合いな称号とは無縁の様に思える。   だからこの世界(もとい現実世界)がハルヒによって創られた(操作された...
  • Break the World 第三話
      第三話 ― 悲愴 ―    待て待て、とりあえず考えろ、俺。  大体こんな極端な二択しかないってのがバカげてる。  ハルヒのとんでもパワーだったら少しどころか大いに我が侭を通せるはずだろ。  自分達の住んでいた世界をハルヒが否定でもしない限り……  そこまで考えて思い当たった。そうだ。こいつは否定する奴だ。  かつて閉鎖空間に閉じこもったのは、自分の望まない世界を否定した結果らしいし、  その中で俺だけは一緒にいたいと願われたからあの場所に呼ばれた。   俺と自分以外の世界は「要らない」って深層心理では思っていたって事だ。  つまり、ハルヒと力は今繋がりが無くなりかけていて、  力の暴走の結果もまた、ハルヒの願望なのだ。俺と二人で生きるという願望。 「なあ、ハルヒ」 「なに」 「世界を壊してまで、お前は俺を選ぶのか……?」 「…………」ハルヒは黙ってる。 「……答えてくれよ。俺にそこま...
  • 結婚しよう 喜緑恵美里の結婚生活
     SAWという映画をご存知だろうか?  俺自身この映画を見たことはない。  何故だって?  簡単な理由さ… グロは嫌いだからだ。  しかし俺には理解できないことだが、この映画がシリーズ化していることからも分かるように、世の中にはそういうのを好む奴が沢山いるらしい。  加虐志向ってやつかな?  全く、よく分からん世界だ。  で、そんなよく分からん類の奴が俺をこれまた何だかよく分からない縛り方で俺を縛って目の前に笑顔で、それも超のつく良い笑顔でいるんだな。 「ね~ あなた~ どうしてさっきは逃げたのですか~?」  ぬはっ、乳首を指で転がすな!  いや、かといって摘むんじゃありません! 「ふふ、かわいい。あんなお店に行かなくても私がもっと気持ちいことしてあげますよ」  そうか… なら、是非そうしてk… って駄目だ駄目だ!  思わず恵美里の術中にはまるとこだったぜ。 「お店? 一体全体なんのことだ...
  • 「涼宮ハルヒのビックリ」第五章α‐11 β‐11
    α-11  光っている物体を手にしている長門は、なにか考えていた。いや考えていたのではない。こいつが今してる表情を何度か見かけたことがある。人間にはわかりえない、宇宙人同士で何かやり取りしているときの表情だ。危険ではないんだよな、長門。しかし数十秒後その物体は発光し終えたらしく、長門は風呂敷を解いた。そしてこう言ったんだ。  「異世界の喜緑江美里との同期を完了」  喜緑江美里ってのはお前の仲間の人だよな?それに異世界ってなんだ?すると長門こう説明し始めた。  「異世界の喜緑江美里によると、あちらの世界にも私たちが存在している。世界を構成する物質はこちらと同じ。ただ異なる事象がいくつか存在する。それらを踏まえ推測すると数日前、今私たちが存在している世界と異世界の喜緑江美里が存在する世界の二つに分裂していると思われる。しかしその原因は不明」  長門が言い終えた瞬間、部室の...
  • 10月8日、曇りのち雨 後編6
    …硬い。 まず始めに思ったのはそれだ。 ジャリジャリとしていて、それでいて妙に冷たい。 次に思ったのは暗い。 あまりに暗い。真っ暗だ。 そりゃそうだ。俺は目を瞑っていたらしい。 それに気付いたのは、俺の体が意識の覚醒より早く、自然と目を開けた時。 だが。 目を開けた先も。 薄暗い灰色の空間だった。 …おいおいおいおいおいおい。 「………マジかよ」 その光景に瞬時に頭が冷える。 思わず額に手をやり、再び目を閉じてしまった。 …頼む。夢なら覚めてくれ。 …夢だっつっても一級品の悪夢だけどな。 肌に感じるのは冷たいのか暖かいのかも分からないような空気。 音がまるっきり聞こえない。 世界から隔絶された空間。 しかし、目を開けても頬を叩いても灰色の世界にそびえる校舎は消えなかったし、俺の制服姿も変わらなかった。 …やれやれ。 …こんな所に何度も来るハメになるとはな...
  • 冬風のマーチ 第二章
     俺は部室を出る。陰鬱な雰囲気を醸す寒空に、俺は先程とは全く違う印象を抱いていた。  上履きを靴箱に放り込む。入れ替わりに自分の靴を出し、白い息を吐きながら体を揺らす。本当に寒い。でも…それだけじゃない気がする。まぁいい。とにかく、寒い。 足早に俺は昇降口から外に出た。目の前には既に全員が揃っている。そこで何故か安堵してしまう自分に違和感を抱きながら、俺は足並みを揃えて歩き出した。 すぐそこでハルヒが何か喚いている。よく聞こえなかったが、まぁ気にすることもないだろう。 そして全員揃って学校を出た。校門をくぐり、家路を辿っていく。 それぞれが他愛の無い会話を楽しみながら、冬の風にそれぞれの表情を織り交ぜていく。どこから見ても平和な冬の夕刻だった。  だがなぜだろう。俺はどうにも笑う気になれなかった。これは…何だ?この感覚は一体なんだろう。これまで生きてきた中で感じたことの無いものだ。 それ...
  • >>DEAR.0.5
    ハァと深い溜め息をつく。部室に向かう足取りが重いのは気のせいではないはずだ。 ずっしりとした鉛をつけた足を酷使して部活棟へ向かう僕。 頭の中では涼宮さんの晴々しい笑顔とキョン、と彼女に呼ばれる彼の顔が交互に浮かんでは消える。 ハァ。 僕はもう一つ大きく溜め息をついた。     「古泉、状況が大きく変わったわ」 夜中だというのに電話越しに伝わる森さんのテンションはいつになく高かった。 また酒に酔っているのだろうか。この前のように無理矢理家から引きずり出して夜通しカラオケに付き合わされるのだけは勘弁してほしいのですが。 「何言ってんのよ、ふざけている場合じゃないわ」 どうやら酒には酔っていないらしい。そういえば酔うと僕のこといっちゃんって恥ずかしい愛称で呼ぶんでしたっけ。この人は。 「では、なんでしょうか。また閉鎖空間が発生しましたか?」 そんな気はしなかったのだけど。 森さんは電話の向こう...
  • 恋は盲目 第三章
    第三章 ふと、我に返るとあたしは保健室のベッドの上にいた。一瞬、自分の置かれている状況が理解できなかった。 しばらくすると、混乱した頭から断片的に記憶がよみがえってくる。 閉鎖空間から戻った後、屋上で泣き叫んでいたあたしを見回りに来た教師が見つけ、保健室まで連れて来たのだ。 授業中にもかかわらず、屋上にいたあたしを咎めもせずに保健室に連れてきたことから、 そのときのあたしの様子が、とても尋常ではなかっただろうことは、容易に想像できた。 時計を確認すると、もう授業はすべて終了しており、普段であれば部室で過ごしている時間だった。 あたしはベッドから起き上がるとよろよろとした足取りで部室に向かった。 「もう大丈夫なの、涼宮さん。もう少し休んでいったほうがいいんじゃない」 あたしの様子を見て心配したのか保険の先生が声をかけてくれた。あたしはその呼びかけに返事をせずに保健室を後にした。 部室に行く...
  • 朝比奈みくるの憂鬱
    ふと、気がつくと、俺はひとりで公園のベンチに座っていた。 光陽園駅前公園、古泉が転校してきた日に長門と待ち合わせをした場所。 そして、三年前に戻ったあの日には、朝比奈さんの膝枕で眠り、朝比奈さん(大)と会った、俺にとっては思い出の多い場所でもある。 だが、どうやらここは現実の光陽園駅前公園ではないようだ。 周囲を見渡しても、人っ子ひとり居らず、空は灰色の雲に覆われ、薄ボンヤリとした光を放っている。 閉鎖空間 いままでの人生で数えるほどしか入り込んだことのない、現実の世界とは少しだけズレた場所にある異世界、ハルヒが無意識のストレスを発散させる空間に、いま俺はいる。 俺は大きくため息をついた。 ハルヒの無意識が俺をこの空間へと導いたことを瞬時に悟ったからだ。 そして、このようなハルヒの我侭に起因する、微妙にズレた日常に慣れてしまっている自分に、ほとほとあきれていた。 さて、今回ハルヒはどのよ...
  • シャミセンの徒然なる祝日
    私は猫である。 それ以上でもそれ以下でも無い。   私は面倒臭がり屋であり気分屋だ。     それ故、日常のほとんどを主人の部屋で惰眠を貪る事に費やす。 時たま、主人とその妹と共にのらりくらり散歩を楽しむ。 ごく稀に、1人で窓から抜け出すなんて行動を起こす事もある。     基本的に私は面倒臭がり屋であり気分屋だ。     ただごく稀にふらと外に1人で出掛ける事もあるが、それはまた何もしないという一興である。     今回はそんな一興のお話である。         太陽の光が焼ける様に熱くて暑い。         私は日差しから逃げるかの如く、家や木の影の上を歩き、行く。 最近の私の1人旅はそうゆう怠慢の中にある。主人達との散歩では味わえない快楽の1つだ。     だが、今日は少し場合が違う。     やがて私は開けた場所に出る。 ここはこの界隈の中でも一際栄えている場所、人間世界で言うと...
  • 反英雄 第四章
         蹴破った引き戸が板張りの床に直撃し、付属のガラスが網目状に割れた。  夕日が教室で佇む女の黒髪を照らし、不覚にも絵になると思ってしまった。  俺の物語も最終ステージだ。 「こんにちわ。西野君」  朝倉涼子はマネキンみたく不気味に頬を歪ませる。  そして、その手に握られているのは夕日色に煌く刀身を持つサバイバルナイフ。  それを見て思わずほくそ笑んでしまったのはなぜだ?いや、そんなことは分かっている。  俺が笑っちまったのは虚勢でも発狂でもない。純粋に、目の前の女へ拳を叩き込める覚悟決まったからだ。  朝倉涼子は俺の命を奪う気に満ちている。俺を殺さなけれキョン殺害の障壁となる。  もちろんさせてたまるか。例え宇宙人が許しても、俺の魂が許さない。    朝倉涼子の物語は、ここで潰える。   「来いよ朝倉。それがお前の役割だろ」 「あなたの役割でもあるわよ?」  ああ、その通りだよ...
  • 反英雄 第三章
           俺のせいだ。全部俺のせいだ。  俺が国家権力に守ってもらえば安心だと安易に考えなければよかった。そうすりゃ、少なくとも森園生は死ななかった。  生死の確認なんかできなかったが、あのケガだ。今頃は…… 「ちくしょう!」  床を叩き、切創から血が滲む。  だが森園生はこの痛みの何百倍も傷ついた。なのに俺は生きている。俺だけが生き残ってしまった。  なぜだ?なぜ俺がこんな目に合わないとならないんだ?  そもそも、この物語の始まりは何だ?  母の死?なぜ母が殺された?  いままでは殺人鬼の妄想くらいにしか思っていなかった。ならばなぜ森園生が殺される?警官である彼女まで殺す理由がどこにある。  その瞬間、絶対に認めたくないことがアタマをよぎった。まさか!? 「俺……なのか?」  嘘だ。そんなのはありえない。俺はあんな女知らない。素性も接点も知らない女に、なんで狙われなならん。  だがこ...
  • あらしのよるに
    暴風のせいでがたがたと不規則に鳴るサッシに目を向ける。カーテンを閉める前に確認した限り、帰宅した夕方にくらべてずいぶん風も雨も強くなっていた。 台風が近づいているせいで天気が不安定になっているらしい。 こういう日には、閉鎖空間には発生して欲しくないと特別強く思ってしまう。 暴風雨の吹き荒れる夜と、あの空間の中の色はとてもよく似ているから尚更。 ああ、でも最近はずいぶん閉鎖空間の発生頻度も規模もおさまってきている。 良い傾向だ。 軽く頭を振って思考を切り替え、数学の予習をしようと教科書とノートをひらいた時、時計がわりに手元においてあった携帯電話が着信を伝えた。 短いメロディが五秒間だけ流れて止まる。メールだ。 閉鎖空間の発生は感知されていないし、そもそも機関からの連絡は電話で来るのが常だったし確実なはず。 涼宮さんがまたなにか思いつきでもしたのだろうか。それとも、彼がなにか悩み事でも相談しよ...
  • 涼宮ハルヒの遡及Ⅰ
    涼宮ハルヒの遡及Ⅰ     『ただの人間には興味ありません。この中に、宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい』  と、高校入学の初顔合わせの自己紹介の場で、至極真剣な表情でのたまった女がいたとするならば、たとえ、そいつがどんなに可愛くてスタイルが良かろうとも、大多数の男はコナをかけるのに二の足どころか三の足、四の足を踏む……いや、それ以前に、決して関わらないようにしよう、と心に固く誓うことだろう。  むろん、俺もそうだった。いや、そのはずだったんだが…… 「こらキョン! あんた聞いてるの? 今、大事な話をしてるところなのよ!」 「心配するな。ちゃんと聞いている。明日の不思議探索パトロールのことだろ」 「そうよ。で、あたしが何て言ったのかも聞いてたの?」  それはまだだろ。と言うか、それを今から言う気だったろうが。 「あら、ちゃんと聞いていたのね。意外だわ。な...
  • 消失世界
    俺が無口、無感動な長門がいる世界とちゃんとした人間である長門(会話では有希とします)のいる世界、 つまり改変世界のどちらかを選択した時から一ヶ月・・・ 俺は変わった世界を選んでいた。   キョン「始めは元の世界に戻そうと思ってたんだ。」 本当だ。あの日前の長門が用意してくれていたプログラム・・・俺は実行しようとしていた。 俺は前の世界が好きだった。   有希「そう・・・」   長門は悲しそうな表情をする。前ではほんの少ししかわからなかったことだ。表情がよくわかるぶん辛いものもある。   有希「どうして戻さなかったの?」   キョン「長門。」   有希「え?」   キョン「元の世界に戻そうとした時の長門の顔。寂しそうな長門の顔。だから。」   我ながらダメな答だと思った。   有希「それ・・・同情じゃないの?」   寂しげな表情がいっそうに増す。胸がいたい。   キョン「でも今は違う。わかっ...
  • 青の世界 キョン
    青の世界 キョン  ここ最近、朝が待ち遠しいと感じることが多い。というか毎日。 夜遅くまでハルヒとメールをしていた。携帯の存在に感謝しつくせりだ。 俺は2週間前、ハルヒに思いを告げられた。OK,はっきり言おう。 「あんたが好き」 こんなことをはっきり言った。よし、もう一回言おうか、気持ち悪いか。 奇遇だな、俺もそう思っていた。 たった六文字でこんなに感激したことは今までになかった。 ハルヒの顔は何かを我慢しているようだったな。俺には分かるさ。 俺だってものすごく顔が赤くなっていたからな。 一年間も一緒にいたのだから、こういう気持ちになるものなのか。 人間の心理に驚く。なんて単純なんだろうか。 俺はハルヒを抱きしめた。ハルヒは何か言いたそうだったが、 俺が口を塞いだ。さすがに中に入れようとしたら鉄槌を食らったが。 俺たちはもう離れない。そう誓った。 こんな毎日が幸せでないとか言う奴、ちょ...
  • 雲を食むもの
    目次       ぶち上げろ、たった一人の少女がその心に持つ夢の為に。   ぶち撒けろ、神様が夢を否定する世界を全力で否定する為に。   でっち上げろ、テメェの我が侭は我が侭なんかじゃ決して俺達が終わらせない事を、ソイツの心に刻み付けろ!   打ち上げろ、盛大に。夢に掛かった分厚い雲を!   吹き飛ばせ、只の人間のその両の手で!!     「放てっ! 雲をその腹の内から食い破っちまえっ!!」     瞬間、世界の総意が夜の空に轟音と光を振り撒いて弾けた。 無数の星を伴って、人の作り出した一秒の奇跡が暗い世界に大輪の華を咲かせた。 俺の隣で神様が震えたのが、俺にはしっかりと分かった。見なくても分かった。 だって、俺も震えていたんだから。   たった一人の少女の為に。優しい世界は後から後から夜天に星を散らせた。 涙が、零れた。自分で計画しておきながら。それでも。 俺の居るココは、たった一人の...
  • キョンの切望Ⅱ
    涼宮ハルヒの切望Ⅱ―side K―  いったい夕べ何があったのか。  実は俺の記憶は途中から完全に飛んでいる。確か、蒼葉さんが部屋に現われたとき、いったいあの小さな体のどこにこんな力があるんだろうというくらい彼女の姿が見えなくなるほどの酒樽を、それも二つほど重ねて持ってきていて、あっという間になし崩しに酒盛りが始まって、俺は元の世界では二十歳過ぎないと酒は飲んじゃいけないと言ったけど、なんともいつの間にか目が据わっていたリラさんに「ここは元の世界ではない」とか言われて無理矢理ビールっぽい外見の結構ウイスキーっぽいあと口のそれでいてアルコールのきっついお酒をジョッキ一杯呑まされて……  そこでぱったり記憶が途切れたのである。  んで、朝日の光とともに目が開いたのだが、正直言ってどうやってベッドに行ったのかも覚えていない。 「目が覚めた?」  って、居たのかよ!? 「むろん。私の役目はあ...
  • 橘京子の消失(中編)
     波乱に満ちた高校生活を送っている人は数少なくないと思われるのだが、それでも一年生の春を3回も経験した人は留年あるいは再度高校に入学し直した人を除いては滅多にいないだろう。  しかも同じ高校の入学式を3回を経験したとなると、それこそ作り話ですら疑わしい。  だが。  厳密に同じ世界とは言えないとは言え、それをやってのけた人物がいた。  実と言うとそれは俺だ。  どうしてタイムローテーションのような真似事をする羽目になってしまったかと言うと、非常に複雑且つ怪奇な理由と成り行きがあったりするのだが、そこんところの部分は思いっきり省略して簡単に説明しよう。  時空の狭間に迷い込んだ橘京子を救出するためだ。  時は四月の末。  3回目の入学式やホームルームを無事に終了させた俺達はその後特に目立った行動をするでもなく連々と時を重ね、一ヶ月近くが過ぎようとしていた。今週学校に通った後は、長期連休...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 5
    10,時空管理者の憂鬱  あれよあれよと時間は流れ、期末テスト準備期間が始まった。テストが終わればすぐそこにクリスマスが待っている。  クリスマス、か。いやはや、どうするべきだろうな。去年に倣うならもうそろそろハルヒが騒ぎ出すはずだ。しかし、今年は俺に「予定」が有る、らしい。本人の意思がそこに介在しないのがこの場合の悩みであり。もしもその予定をぶん投げてSOS団主催のクリスマスパーティに出たとしたら、どうだ?  世界はそれで呆気無く本当に終わってしまうのだろうか? はあ、真面目に考えるのも阿呆らしい話だが、しかし俺が真摯に向き合わなければ他の誰がこの不条理な超時空的現実に向き合うっていうんだ。古泉は早々に楽観論者に成り下がっちまってたしな。全く、肝心な時に使えない。  ドイツもコイツも俺の都合なんかちっとも考えちゃくれないのは、世界に蔓延る悪癖だ。  ま、今更って話だけどさ。 ...
  • 私の選んだ人 第5話
    (消失を読んでない方は、ネタバレ危険です。一応) 私の選んだ人 第5話 「:古泉一樹」 一樹の体を触診していた私は、あまりにも酷いソレに気付いた。 ……彼は助からない…… 私の中で何かが弾けたような感覚と共に、世界が静止した。 私が正気に返るまでに掛かった時間は恐らく1秒以下だった筈。でも、その間に自分の頭から完全に血の気が失せていた事に気付く。 恐ろしい予感と気配、そして貧血性の眩暈を感じながら、一樹の顔を確認する。 私の首は、焦る私の意識に反して緩慢な動きしかしない。地面が揺れている。 ……しまった。 一樹が目を開けている。私の顔色に気付かれた! 私自ら彼の生き残ろうとする気力に止めを刺すような事を……。 こうなる事を恐れ、救護班を押し退けてまで私がやったというのにッ! 悔恨の念、自責の念が押し寄せてくるのを、私は唇を噛み締め、手首に爪を立てて、痛みで脳の覚醒を図り、...
  • chapter2
    「くそっ、どうなってんだ?」 なんで1時間弱で部室がこんなことになってんだ? 考えられるのは、 ・俺が時間跳躍した? ・誰かが時間平面の改変を行った? ・俺が異世界に来た? まあ、こんなところだが…。どれが正解なんだ? さて、俺はいったいどれだけ疑問符を使ったかね、暇なやつは数えてくれ。 あいにくだが今の俺にそんな暇は無い。 「考えても分からんなら、わかりそうなやつに聞くか。」 頼むから以前のハルヒ消失事件のときみたいに 皆俺を知らないってのは勘弁してくれよ。 俺はそんな思いを抱きつつ携帯を握った。 ----------------------------------------------------- 「だめか…。」 本命の長門のマンションにかけたら知らない人がでるし、 対抗馬の古泉の携帯にかけたら圏外、 大穴の朝比奈さんの携帯にかけたら『この電話番号は現在使われておりません。』 だっ...
  • HOME…SWEET HOME 最終話
    …━━俺が朝比奈さんが消えた公園を後にしたのは、それから随分と後の事だ。 彼女を追い掛けようにも一体何処に消えてしまったのか見当が付かず、かといって自分からはどうする事も出来ないままに結局時間だけが過ぎた。 ただその間に俺は、俺なりに色々考えたんだ。 忘れてはいけない此れ迄の事やこれからの事、自分が今何をどうするべきかを。 そして日が沈み夜の訪れを告げた事で、ようやく俺はその場から離れる事を決めた。 暮れなずむ木立ちの中をゆっくりと歩き、車を停めてある公園の駐車場へと向かう。 やがて駐車場に近付いた俺は、広く舗装された敷地の中にポツリと1台だけとりのこされた自分の車を見付けた。そしてそれと同時にその側に立つ小さな人影も━━━… 【HOME…SWEET HOME】 最終話・もう一度、あの頃の様に ―1― 夕日を背にして佇むその人影は逆光の所為で陰にしか見えない。 しかし俺にはも...
  • 長編・キョン
    キョン無題1   キョン無題2 キョン無題3 キョン無題4 キョン無題5 キョン無題6 キョン無題7 キョン無題8 キョン無題9 キョン無題11 涼宮ハルヒの消失(偽) ハルヒ能力喪失・SOS団解散編 キョンいじめ 超能力テスト 朝倉涼子の逆襲 改造人間キョン サイレント・ホスピタル ワークテイカー・ラヴァ―ズ ハルヒの想い ~アニメ版エンディングの延長版~ 記憶喪失 影の世界 (BADEND注意) 王様ゲーム キョンの決意 想い 試験勉強 北斗のキョン 残された時間 洞窟にて 俺とハルヒと古泉の生きる道 (BADEND) 許婚と最愛の人 Another Story 涼宮ハルヒの変質 ストレンジデイ イン ザ レイン キョンの死、そしてその後 クリスマスイブ 憂鬱アナザーエンド 涼宮ハルヒの旅路 グラップラーキョン ハルヒが残した希望 1枚の写真 涼宮ハルヒの海遊 Verywhiteday...
  • 無限の剣製2
    まったくをもって突然だが、俺とハルヒは今世間で言うところの゛彼氏彼女〝の関係になっている。まあ、何故かと言われてもただただ回答に困るが、少しだけ語れる事があるなら告白したのは俺のほう、と言うことだけだ。 しかし、そんな関係になったところであの天上天下優雅独尊及び俺を独占な態度は地球の公転周期ほども変わらず、相変わらずこき使われている。 谷口からは゛かかあ天下〝とまで称されてしまった。……別にいやではないが、まだ籍を入れた覚えはない。 ちなみに俺の彼女曰く、゛神聖にして不可侵の象徴たる私が団活をやめるなんて言語道断よ!〝とのことで、そこも相変わらず継続中だ。 ガチャリ、といつもの如く(元?)文芸部室の扉を開けて―――無論ノック後の「はぁい」という語尾にハートマークがつきそうな声を聞いた後にだが―――俺はいつもの面々の顔を確かめる。 メイド、 無表情、 ニヤケ、 団ちょ…彼女。 …箇条書...
  • 長門の日々 第10話『長門"有希"の憂鬱Ⅰ』
    第10話『長門 有希 の憂鬱Ⅰ』   サンタクロースをいつまで信じていたか、 などというたわいも無い世間話にもならないくらいのどーでもいいような話だが、 それでも俺がいつまでサンタなどという想像上の赤服じーさんを信じていたかというと これは確信を持って言えるが最初から信じてなどいなかった。   小さい頃、俺は未来人・宇宙人・超能力者や、 またはそれに準ずる何かの存在を認めたかった。 だが、いつまで経っても俺の目の前には出てこない。 もしかしたら存在しないんじゃないかという、 俺の中の疑問の答えが「存在しない」になった頃、つまり俺が中学を卒業する頃には、 俺はもうテレビが組むようなUFO特番などはそう熱心に見なくなっていた。   いるワケねー……でもちょっとは居て欲しい、 みたいな最大公約数的な事を考えるくらいにまで成長したって事さ。   学校に着いた。 すると俺と他の俺と同じクラスの奴等は...
  • 反転世界の運命恋歌(Ver.キョン)Ⅱ
     反転世界の運命恋歌Ⅱ  そう言えば、俺と古泉一姫がペアを組んだのが午後の部だってことを言ってなかったな。  そうだな。俺がこの世界に来てから今日の午前の部までのことを少し話そうか。  結構、不思議な気分に包まれたからな。それと涼宮ハルヒコが妙なことを聞いてきたことを紹介するのもいいだろう。  …… …… ……  …… ……  ……  唐突だがまず、この状況を表現するにはぴったりの言葉はこれだ。  俺は眼前の光景に絶句した。  まあ、これは仕方がないことなんだ。誰だって俺の立場になれば絶対に言葉を失くす。断言してもいいぞ。  目が覚めたら、見知った部屋で、どこか既視感を感じようが俺にも馴染みの北高のブレザーを着ていようが見知らぬ奴が目の前に現れたんだ。しかも自室に居たはずが全然違う場所に居れば間違いなく愕然とする。 「貴方は別世界で情報連結を解除され、この世界で再構築され...
  • 橘京子の消失(後編)
     月曜日。  この日がダウナーでメランコリーな気分なのは何もハルヒに限ったことでなく、全世界の8割以上の人が大凡不快感を露にしているんじゃないかと思う今日この頃であるが、俺はその一周りも二周りも、いいやグロス単位で絶望のどん底に陥っていた。  その理由は、喫茶店やファーストフード屋をハシゴした胃もたれが原因でもなく、かといって日曜日にむりやり付き合わされた妹の買い物が原因でもなく、では何が原因かというと、朝方下駄箱に入っていた一通の手紙である。  いや、手紙なんて大層なものじゃないな。ノートの切れ端に慌てて書いたような、しかし女の子然とした文字は、どう読んでも『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室にきて』としか読めなかった。  差出人の名前は無く、ついでに言うと宛先もかかれていない。こじつけるなら、俺以外の人間に送るはずだったラブレターを、間違えて俺の下駄箱に入れてしまったお茶目...
  • 笑顔の向く先
     えっと……ど、どうしよう……。  わたしは今、涼宮さんに押し倒された状態で部室にいます。もちろん、二人きり。 「もう、いや……」  そして、涼宮さんは泣いてます。どうしたらいいのか、わたしはわからない。  ……なんでこんなことになっちゃったのかなぁ?  わたしの知ってる未来は、SOS団はみんな幸せそうに暮らしていた。  キョンくんは涼宮さんと、わたし達3人はそれぞれ幸せを見つけていた。  ……でも、それが変わっちゃったのが三日前だった。 「悪い、ハルヒ。お前とは付き合えない」  嫌だけど監視・盗聴をしてた涼宮さんの告白シーンで、キョンくんはそう言った。 「そ、そう。……なんで? あたしのこと、嫌い?」 「嫌いじゃないけどな。好きでもない……って訳じゃないが、俺が中途半端な気持ちじゃ付き合いたくないんだ」 ――つまり、友達のままで――  それがキョンくんの出した結論だった。  もちろん...
  • 失ったもの・得たもの 最終話分岐:失った心、得た強さ
    「…ん…朝だな」 変わり映えしない部屋で目を覚ます。 一服をすませてから、部屋を出て洗面所へ向かう。   「おはようお兄ちゃん」   「ああ、はよ」   佐々木を泣かせて早数ヶ月、もう俺に対し文句を言う奴なんていなくなっていた。 それどころか、周囲の俺に対する評価は格段にあがっていた。   「おはようキョン、お前またテストでクラス一位だったんだって?凄いなぁ」   「そうよ、キョンはこの家の自慢なんだから」   真面目に勉強を続けていたらいつの間にか俺はクラス一番の学力を手にしていた。 それを知ったとたん親は俺をひいきするようになった、馬鹿らしい。 テストの点を誉める前にもっと言うことがあるだろうに…くだらない。 息子がテストでいい点をとる、たったそれだけで笑顔を取り戻したつまらない朝の食卓をさっさと離れ、俺は学校に向かった。   「今日もいい朝だな…くだらない」   快晴だからなんだって...
  • SOS団の無職13
    前回のあらすじ  なんだか生々しい夢だな、と思ったら実は現実でした。自分はごくごく普通の、一介の男子高校生に過ぎないと思い込んでいたキョンは大ショックです。  ショックではあるけれど、それが事実である以上、目を背けるわけにはいきません。世界の命運がかかっているかもしれないのです。  キョンには理解しづらい理屈をぶつけ合い、討論を交わす古泉一樹と長門有希。  さすがにそんな二人の会話にはついていけないキョンでしたが、なにもついていけていないのはキョンだけではありません。朝比奈さんも全く分かっていませんでした。  でも、議論についていけない人が正しいことを言えないというわけでは、決してありません。むしろ、あまり状況が分かっていない人の方が的を得た発言ができる事もあるのです。     ~~~~~      朝起きた時から本調子じゃなかったのは感じていたが、登校して教室に入っても、授業...
  • シスターパニック! 第4話
    4話      真っ白な世界にただ一人立っていた。  なんだよ、これ。まさかハルヒの閉鎖空間で押しつぶされた世界か? 『キョン、楽しい? この世界はさ。あたしは楽しいよ、ずっとあんたと一緒だから……』  脳に直接響いて来るようなハルヒの声がした。  まぁまぁ楽しいな。でも、元の世界の方が楽しいけどな。 『そうかな? あたしはね、このままでもいいよ。あんたに告白してフラれるかもしんないなら、妹としてずっと仲良くしたいから』  そんなこと言うなよな。一緒に授業を受ける日々に帰ろうぜ? 『……じゃあさ、あんたのあたしに対する気持ちを教えてよ』  そ、それは……。 『答えられないの? じゃあ、そっちの世界でいいじゃない』  ち、ちょっと待て! おい、ハルヒ!      …………夢?  おいおい、なんて夢を見てるんだよ。  ハルヒの言葉は俺の夢妄想か? しかも『一緒に授業を受ける日々に帰ろう』だ? ...
  • 悩みの種~悩みの種の潰えた世界~
    <悩みの種の潰えた世界> 病院に着き、病室を目指し歩いた。さすがになれたものだ。二年間毎日通ったんだ。 病室に着くと…なんだみんな揃ってるじゃない。でも何故かみんな病室の前で立ったままだ。 みんなどうしたの?中入らないの? 「あっ…あの…まだ診察中らしいのですよ…終わるまで入れないそうです。一度外へ…」 ?いやいいわよ。ここのが涼しいし、ここで待ちましょう。 何故か古泉君の表情がおかしい。いつも爽やかスマイルを決めているのに… 私は待った…けどしばらくしても診察が終わった様子が見られなかった。 すると…突然みくるちゃんが泣き出した。大声で。 どうしたのみくるちゃん? 「キョンくんが…キョンくんが…!」 …ものすごい嫌な予感を感じた。 私は病室に入ろうとしたが、 「涼宮さん!まだ診察が…」 無理やり制止を振り切り、病室に入った。 そこで見た光景…そこには紛れもないキョンの姿だ...
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