涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「長門有希の報告Extra.3」で検索した結果

検索 :
  • 長門有希の報告Extra.3
    Extra.3 長門有希の夢想 ~Report.07 追加報告~  Report.07の夜に見た、夢の内容を報告する。  この夢を見る以前に、『彼』の夢の内容を聞いていたため、その記憶が影響して、内容の一部がその夢と酷似している。  夢の内容は、自分が経験したものの中で特に印象深いものが反映される傾向にある。つまり、わたしが『彼』から聞いた夢の内容が、わたしにとって非常に印象深いものであったことを意味する。これは換言すると、わたしの『願望』が現れていると解釈できるかもしれない。  ただし、その点について、わたしはコメントできない。したくないから。  涼宮ハルヒが自らの力を自覚した。彼女はすべてを受け入れる覚悟を完了した。  SOS団員は、それぞれその正体を明かす。  朝比奈みくるは、未来を固定するためにやってきた、未来人。  古泉一樹は、涼宮ハルヒの作り出す閉鎖空間に対処する、超能力...
  • 長門有希の報告
    はじめに  この作品は、キャラクターの台詞を一部『現地語』で表記してあります。その場合は、“【 】”で囲まれた斜体の部分が、対応する台詞の共通語訳(字幕)です。 もしも涼宮ハルヒたちの会話を、舞台のモデルとなった兵庫県西宮市の言葉で表現したら? そんなifの世界をのぞいてみてください。  字幕付きPDF版はこちら(PDF/610ページ/3.43MB)又はこちら 注意事項  この作品には、オリジナルキャラクター、暴力シーン及び女性同士による性的な表現が含まれています。 作品構成 Report.01 単独の序。以降の話とのつながりはありません。 Report.02~09 ある出来事と、それにまつわる涼宮ハルヒと長門有希の交流記です。 Report.10 もしも彼女が、こんな性格だったら? Report.11 もしも彼らが、こんな人物と出会ったら? Report.12~25 SOS団全員+...
  • 長門有希の資料
    長門有希の資料 ~『長門有希の報告』別冊資料~ この報告は、かつて別の名前、別の文言で存在していた。それらをまとめた、いわゆる『初出リスト』。 ■本編 Report.01 長門有希の流血 原題 『長門有希の報告』 初出 2006/09/05 51スレ目 754 Report.02 涼宮ハルヒの認識(前編) 原題 涼宮ハルヒの気付き(前編) 初出 2006/09/09 53スレ目 70 Report.03 涼宮ハルヒの認識(中編) 原題 涼宮ハルヒの気付き(中編) 初出 2006/09/13 54スレ目 85 Report.04 涼宮ハルヒの認識(後編) 原題 涼宮ハルヒの気付き(後編) 初出 2006/09/15 54スレ目 407 Report.05 涼宮ハルヒの困惑 原題 同じ 初出...
  • 長門有希の報告Extra.6
    Extra.6 長門有希の対訳 ~Report.01 対訳版~  現地語表記による報告は、当該観測対象の行動の把握に一定の成果を挙げた。  しかし、情報伝達に想定以上の齟齬が認められたので、会話部分を従前通り表記した報告を行う。  Report.01の内容をそのままに、会話部分を従前通りの表記とした。 【追記】  本報告後、試行として現地語表記と一般表記を併記した形での報告を求められたため、本報告を元にReport.01を改稿した。その結果が良好だったため、すべての報告について、同様の形で改稿している。   「アルー晴レータ日ーノコト~♪ んんーんんーんんーんんん~♪」  涼宮ハルヒが歌を口ずさみながら部室に入ってきた。普段の学生鞄とは別に、大きな鞄を肩に掛けている。 「んっん~♪ みくるちゃんっ! 今日も相変わらず可愛いわね♪」  笑顔、『彼』の表現を借りると『100Wの笑顔』で...
  • 長門有希の報告Extra.2
    Extra.2 長門有希の思惑  いろいろな事件やらごたごたやら、すべてが終わった後。俺の目の前には朝比奈さん(大)がいる。  そう。俺達は『すべてが終わった後』の、公園にいる。 「すべてが……終わりました。」 「……そうですね。」  静かに、これまでの数々の出来事に思いを馳せる。 「いろいろ……ありました。」 「そうね。わたしはあなたより更に長い時間を掛けているんだけどね。」  きっと、そうなのだろう。俺は一時的にとはいえ過去と現在を行ったり来たりし、三年ほどそのまま待つことになった時もあった。さらには、一万数千回も繰り返す夏の二週間、年換算で590年以上を過ごしたこともあった。  だが、これらは俺の意識の上では経過していないことになっていて、見かけ上は、一繋がりの時の流れになっている。これは俺も、朝比奈さん(大)も同様だ。  だが、朝比奈さん(大)が過ごした時間はそれだけではない。...
  • 長門有希の報告Extra.4
    Extra.4 喜緑江美里の報告 こん××は、皆さん。 ご存知の通り、長門さんが自分の分の報告で精一杯の状態なので、代わりに今回はわたし、喜緑江美里が報告します。 題するなら、そうですね……『朝比奈みくるの死闘』とでもしましょうか。なお、わたしは長門さんほど現地語の表記に慣れていないので、一般的な表記で報告します。 何分このような形での報告は慣れていないので、至らない点もあるかとは思いますが、よろしくお願いします(任務の一環として、議事録はよく取ってるんですけどね。)。   文芸部部室。地響きがしている――と思ってください。そして人の声。激しい物音。 ふむ。もうしばらく掛かりそうですね。 遮音領域を展開しているので周囲に音が漏れることはありませんが、このままではわたしもここを離れられません。この部屋に集う面々には、長門さんに足止めしてもらうようお願いしてあります。その他に人が来るこ...
  • 長門有希の報告 あとがき
    あとがき この作品は、『涼宮ハルヒの憂鬱』の舞台が兵庫県西宮市であることを知った時に着想を得ました。 舞台が西宮ということで、キャラクターの台詞をいわゆる「関西弁」にしたSSはないかと思い、色々とSSを読んでいましたが、単発の雑談ネタで原作の一場面を「関西弁」に訳した例があるくらい。二次創作で「関西弁」を使ったものはありませんでした。 「ないんだったら作ればいいのよ!」とは原作のハルヒの弁ですが、ちょうど担当者は大阪府出身で、兵庫県下にある西宮の近くの街に住んでいた時期もあるし、北口駅のモデルとなった阪急西宮北口駅も行ったことはある。加えて、身近には西宮市出身の友人もいる。条件は揃っていました。 もっとも、後に「関西弁」を使ったSSが皆無な理由を痛感することになりますが。 また、当時職場で大量の文書を校正する必要に迫られていて、校正の練習にもなって趣味と実益を兼ねられるかもと、軽い気...
  • 長門有希の報告Extra.5
    Extra.5 涼宮ハルヒの戦後  わたしは喜緑江美里から、涼宮ハルヒと朝比奈みくるが戦闘を開始したという連絡を受けると、『彼』と古泉一樹を先に帰した。 「今日の活動は無くなったと言われた。」 「そうか。ほな、先に帰るわ。また明日な。」 【そうか。じゃあ、先に帰るぞ。また明日な。】 「ほんなら、お先に帰らしてもらいますよって。」 【それじゃあ、お先に失礼いたします。】  そう言うと、二人は帰途につく。それからしばらくして、 『終わりましたよ。』  江美里から連絡が入った。 『部室の中は凄まじい有様ですね。二人もぼろぼろです。』 『余り大規模な情報改変は推奨できない。』 『分かってますよ。致命的な損傷や損壊だけ修復して、後はそのままにします。』  しばし間。 『二人を保健室に連れて行きます。あなたはどうしますか? 長門さん。』 『わたしも保健室に向かう。』  わたしは、保健室に向かった。扉...
  • 長門有希の報告Extra.7
    Extra.7 古泉一樹の報告  人間の行動は、我々には理解できないことが多い。  基本的には『利害関係』を基に、利害が一致する場合に行動を共にするなどすることが原則であるように思われる。しかし、時に人間は利害関係によらない行動をする。その機構は複雑。  そのような理解できない行動の一つに、『機関』の行動がある。 『なぜ古泉一樹ら「機関」の人間は、何の見返りもなく閉鎖空間に向かうのか』  この疑問を解決するために、直接本人に事情聴取したので、インタビュー形式でその内容を報告する。    ――今日はあなたに聞きたい事があって、このような場を設けた。よろしく。  こちらこそ、よろしくお願いします。それで、何を聞きたいのですか?  ――なぜあなた達『機関』の人間は、何の見返りもなく閉鎖空間に向かうの。  なるほど、確かにそこは外部からは分かりにくいことですね。良いでしょう、お答えします。...
  • 長門有希の報告Extra.1
    Extra.1 現地語版担当者の憂鬱 キ「なぁ、古泉。前々から思(おも)てたんやけど、ちょぉ、聞きたいことがあるんや。」  【なぁ、古泉。前々から思ってたんだが、ちょっと、聞きたいことがあるんだ。】 古「何(なん)でおまっしゃろ。」  【何(なん)でしょう。】 キ「お前、よその地域の人間やろ。そんなエセ関西弁を現実に喋るヤツ、おらへん。」  【お前、よその地域の人間だろ。そんなエセ関西弁を現実に喋るヤツ、いねえ。】 古「これはこれは……自分としては完璧に現地に溶け込んだと思っていたのですがね。」 キ「嘘つけ(笑)。お前、絶対わざと変な喋り方してるやろ。アレか? ツッコミ待ちか?」  【嘘つけ(笑)。お前、絶対わざと変な喋り方してるだろ。アレか? ツッコミ待ちか?】 古「おやおや、これは異なことを。」 キ「最初から気ぃ付いてたけど、ツッコんだら負けや思(おも)て、今まで放置しとった。」  ...
  • 長編・長門有希
      長門有希無題 長門有希無題2 長門有希無題3 長門有希無題4 長門有希のうっかり 長門有希の奇妙な冒険 【鍵の消失】 消失長門いじめ 長門有希の退屈 長門有希の憂鬱 カーディガン 地獄少女 笑顔を見せて それがあなたの望み? 長門有希のきまぐれ どんでん返し 【Lost My Name】 長門消失 にゃがとさん 長門有希の深淵 ナガト~彼方から来た天才~ *麻雀ものです 消失世界 リスペクト・ザ・ハイテンションユッキー ユキは好き? 長門と猫 よっこらせっと 長門平手打ち編 消失版 長門有希の感情 ハイテンションユッキー【黒版】 ミステリックサイン保管ネタ お茶 こころここにあらず 『長門有希の遅刻』 涼宮ハルヒの別れ 長門有希の誕生 長門有希の看病 長門有希の情報操作/長門有希のコンタクト オーディナリ ホリデー ミステリック・サイン後日談 やる気のない長門有希 望まれた世界 最終...
  • 長門有希の退屈
    長門有希の退屈 1話 長門有希の退屈 2話 長門有希の退屈 3話 長門有希の退屈 4話 長門有希の退屈 5話
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ
    目次長門有希の憂鬱Ⅰプロローグ 長門有希の憂鬱Ⅰ一章 長門有希の憂鬱Ⅰ二章 長門有希の憂鬱Ⅰ三章 長門有希の憂鬱Ⅰ四章 長門有希の憂鬱Ⅰおまけ 関連作品(時系列順)長門有希の憂鬱II 長門有希の憂鬱III 涼宮ハルヒの常駐(◆eHA9wZFEww氏による外伝) 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算 元テキスト(AAData形式) 青空文庫版
  • 長門有希の報告Appendix
    Appendix 長門有希の母親  『長門有希の報告』を読み終えた「わたし」は、深い思考に入った。  『長門有希』達は、「わたし」が作成した情報収集端末である。この惑星に生息する知的有機生命体――ヒト――を模して作成した。しかし、我々にはヒトの行動その他は未知の概念であるため、どうしてもヒトにとっての不自然さは残ってしまったようだ。  そこで「わたし」は、その不自然さを逆手に取ることにした。一方は、外から観測したヒトの行動様態を精密に再現した個体。もう一方は、基本的な生活を行える能力以外はすべて未調整の個体。これらを観測対象のそばに配置し、どのような変化が起こるかを同時に観測することにした。  結果、一体は暴走してもう一体に抹消された。そして残った一体も後に暴走した。後に暴走したその一体は、何と「わたし」達をも消滅させたのである。  このような、「わたし」達にとっても苦難を乗り越えた...
  • 長門有希の憂鬱II
      長門有希の憂鬱II 目次    長門有希の憂鬱II プロローグ 長門有希の憂鬱II 一章 長門有希の憂鬱II 二章 長門有希の憂鬱II 三章 長門有希の憂鬱II 四章 長門有希の憂鬱II 五章 長門有希の憂鬱II 六章 長門有希の憂鬱II エピローグ 長門有希の憂鬱II 外伝 長門有希の憂鬱II おまけ 未公開シーン(外部リンク)   関連作品(時系列順) 長門有希の憂鬱Ⅰ 長門有希の憂鬱Ⅱ 長門有希の憂鬱III 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算    共著: ◆kisekig7LI ◆nomad3yzec   青空文庫版(携帯電子ブック,PDAブンコビューワルビ対応) 元テキスト(Nami2000データ形式)   Special thanks to どこここ プロローグへ  
  • 長門有希の憂鬱III
      長門有希の憂鬱III   長門有希の憂鬱III 恋するウィルス 長門有希の憂鬱III The melancholy of Cupid 長門有希の憂鬱III Someday over the rainbow 長門有希の憂鬱III A new romance 長門有希の憂鬱III The ecstasy of Yuki Nagato   関連作品: 長門有希の憂鬱Ⅰ 長門有希の憂鬱II 長門有希の憂鬱Ⅲ 涼宮ハルヒの常駐(◆eHA9wZFEww氏による外伝) 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算   共著: ◆kisekig7LI ◆nomad3yzec   青空文庫版(携帯電子ブック,PDAブンコビューワルビ対応)   恋するウィルスへ
  • 長門有希のカラオケ
    ・長門有希の歌声1 ・長門有希の歌声2 ・長門有希の歌声3 前
  • 長門有希の○○生活
      長門有希の妊婦生活  長門有希の妊婦生活2 長門有希の嫉妬生活
  • 長門有希の報告Report.12
    Report.12 長門有希の憂鬱 その1 ~長門有希の消失~ 「うりゃあぁぁぁ! 今日もみくるちゃんは可愛いなっ! 胸もまたおっきくなったん違(ちゃ)う!?」 【うりゃあぁぁぁ! 今日もみくるちゃんは可愛いなっ! 胸もまたおっきくなったんじゃない!?】 「わひいぃぃ!?」  涼宮ハルヒが朝比奈みくるの胸を揉む。みくるはいつもなら嫌がるが、今日は余り嫌がっていない。 「はふぅ……涼宮さん、ほんまに胸揉むん好きですね……しかも妙に上手いし……」 【はふぅ……涼宮さん、ほんとに胸揉むの好きですね……しかも妙に上手いし……】  頬を上気させて、荒い息をしながらみくるは言った。 「いや~、みくるちゃんの胸はほんまに揉み応えがあって癖になるわ。」 【いや~、みくるちゃんの胸はほんとに揉み応えがあって癖になるわ。】  ようやくみくるを解放したハルヒは、一仕事終えたかのような表情で言った。 「うふ。じ...
  • 長門有希の憂鬱IV もくじ
    長門有希の憂鬱IV 「お前のために世界を失うことがあっても、世界のためにお前を失いたくない」                               ジョージ バイロン もくじ プロローグ 一 章 二 章 三 章 四 章 五 章 六 章 七 章 エピローグ おまけ(外部リンク) 関連作品(時系列順) 長門有希の憂鬱Ⅰ 長門有希の憂鬱II 長門有希の憂鬱III 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算 長門有希の憂鬱IV そのほか 共著:kisekig7LI nomad3yzec イラスト:どこここ 連載期間:2008年9月28日~10月4日 データ類 青空文庫版 プロット(Nami2000データ形式)  Special thanks to どこここ このSSはTFEIキャラスレで連載されたものです
  • 長門有希の異聞
    長門有希の異聞  『長門有希の報告』では敢えて報告しなかった部分を書き抜いて、ここに保管しておく。  情報統合思念体は、この部分についての内容は一切把握していない。言わばわたしの……『隠し事』。  斜体部分は、本報告で報告した部分。     Report.06 長門有希の陥落 より抜粋  今度は彼女がわたしを洗う。 「うわ~。有希の肌って、ほんま白いなぁ~。それにめっちゃすべすべやし。」 【うわ~。有希の肌って、ほんと白いわね~。それにすっごくすべすべだし。】  彼女は背中だけでは終わらせなかった。 「……そこは自分で洗える。」 「ま、ええから、ええから。気にしたらあかん♪」 【ま、良いから、良いから。気にしちゃだめよ♪】  彼女の手が、わたしの腕を、腹を、脚を、洗ってゆく。彼女は、わたしの身体を撫で回しながら、怪しく囁いた。 「……やっぱりここは、敏感なとこやから、素手やんな?」...
  • 長編・長門有希2
    長門有希の憂鬱Ⅰ ユキ×ムネ 『Hirundo rustica』 恋する?いちご練乳 すき焼きミッドナイト 長門有希の憂鬱II 長門有希の些細な願望 雪、無音、窓辺にて。 長門有希の憂鬱III 3つの選択肢 長門有希 銀河を超えた戦い(スターウォーズクロス) 文芸部室の幽霊 もうこんなのいやだ 長門有希の変化 もう一つの12月18日 スノースマイル・バースデイ 白有希姫 Different World s Inhabitants YUKI 長門有希の雨雫 長門有希への復讐  ※微オリキャラ注意 幻惑小説 Close Ties(クロース・タイズ) センター前日 涼宮ハルヒの経営I 射手座の日、再び 寡黙大騒動 「こわれもの」(陰謀でのフラクラが許せず) 想い出は、雪とともに 春先の風物詩 涼宮ハルヒの消失ー長門有希の憂鬱 長門有希の再会 長門有希の三日間 おかえり、ただいま。 長門有希の失踪...
  • 長門有希の報告Report.1
    Report.01 長門有希の流血  観測経過を報告する。  より正確に有機生命体の行動様態を把握するための試行の一環として、特定波形の音波(以下、『音声』という。)による意思疎通(以下、『会話』という。)の内容の表現を一部変更するようにとの要望が情報統合思念体からあったため、今回の報告では試験的に変更する。  まず、今回の要望の背景を説明する。  この惑星に生息する『人間』という有機生命体は、主に『言語』という、音声を用いた会話によって意思疎通を行うが、言語の種類は人間の生息する地域等により、複数の類型に分かれる。  本報告は、より正確に観測対象の行動様態を把握するために、観測対象である『涼宮ハルヒ』らが使用する『言語』(以下、『日本語』という。)を用いて記述している。しかし、同じ言語でも、使用される地域によって『方言』と呼ばれる差異が複数存在することが確認されている。  また、言...
  • 長門有希の報告Report.17
    Report.17 長門有希の憂鬱 その6 ~朝比奈みくるの報告(前編)~   件名:閉鎖空間式空間封鎖内における戦闘について  パーソナルネーム長門有希の要請を受けて、朝比奈みくるが観測経過を報告します。    空間封鎖された生徒会室。  ここ『長門有希消失緊急対策本部』では、「朝倉涼子を信用してほしい」という喜緑さんの要請にキョンくんが同意した後も、会議が続いていました。  その会議のさなか、喜緑さんが急に立ち上がりました。 「大規模な閉鎖空間を感知しました。同時に、涼宮ハルヒ、朝倉涼子両名の反応が消えました。」 「何ですと!?」  キョンくんも釣られて立ち上がりました。会議室が騒然とします。 「これは……」  見る見る喜緑さんの表情が困惑に変わりました。 「この閉鎖空間は、涼宮ハルヒの力によるものではありません。別口です。」 「その別口の正体、分かりまっか?」 【その別口の正体...
  • 長門有希の報告Report.7
    Report.07 長門有希の幸福  わたしの寝室は、彼女の『今の』希望に応えることはなかった。 「……ほんま、何(なん)もないなぁ……」 【……ほんと、何もないわね……】  和室、布団一式。以上。  『実用本位』『質実剛健』  人間の言葉で表現するとそのように形容される。『寝』るための『室』と書いて『寝室』。その部屋は『寝る』ことに特化した、それ以外の機能を一切廃した潔い部屋。 「まぁ、この方が有希らしくてええかも。」 【まぁ、この方が有希らしくて良いかも。】  それはあなたが望めば……またエラーが発生しそうなので、考えるのはやめておく。  彼女は布団に入ると、布団の自分の横の部分をぽんぽん叩きながらわたしを呼んだ。 「さ、有希♪ 早(はよ)こっち来(き)ぃ♪」 【さ、有希♪ 早くこっちにいらっしゃい♪】  彼女の顔はにやけている。わたしは、これから彼女にされるであろう行為を想像し、...
  • 長門有希の報告Report.22
    Report.22 長門有希の憂鬱 その11 ~涼宮ハルヒの手記(前編)~  わたしは観測対象の内面、『心情』を理解する上で超一級の資料を入手した。観測対象が自ら書いた、個人的な心情を綴った文書。  その中から、今回の一連の出来事に関連する部分を抜粋して報告する。  本文書の内容にわたる部分は、すべて原文を記述した観測対象本人の思考によるものであるが、内容の理解及び構造の把握に資するため、報告者が小見出しを付加するなどしている。誤字脱字その他の、通常の日本語の文法に即していない記述は、すべて原文に起因するものである。 (涼宮ハルヒの序文)  キョンもすなる書き物を、あたしもしてみむとてするなり。  な~んてね。『土佐日記』風の書き出しにしてみたけど、毎日書くつもりはない。だから、「日記」というよりは「手記」かな。  題して、『涼宮ハルヒの手記』!  ……別に誰かに見せるわけで...
  • 長門有希の報告Report.10
    Report.10 長門有希の実験  ある実験が行われた。  日常接している人物がある日突然豹変したら、人間はどのような反応をするのか。  日頃との変化が大きい方がより有意な情報が得られるため、わたしが実験台に使用された。これから、わたしの性格が一時的に改変される。    Interface Mode Setup...  Download High tension Yukky Database  Extract High tension Yukky Database YUKKY.N  CREATE TABLE Y.NAGATO AS SELECT * FROM YUKI.N  INSERT Y.NAGATO SELECT * FROM YUKKY.N  OPTIMIZE TABLE Y.NAGATO  SELECT * FROM Y.NAGATO  Starting High...
  • 長門有希の死亡
    ~長門有希の過労~   「それじゃ、今日は終了ね!また明日!」 いつもの活動を終え、私は本をしまって、帰ろうとしていた。 いつもの道を通って、私は自宅に着いた。 夕食の支度をしようと立ち上がろうとしたとき、目眩がした。そのまま、倒れこんだ。 「彼」に助けをもとめようと、電話をとる。 意識が朦朧とするなか、ダイヤルをかけて電話する。 プルルルル・・・プルル、ガチャッ 「おう、長門か。どうした?」 「彼」とは、そう、キョン。 「お願い・・・助けて・・・」 「ん、んん!?どうした長門!」 「あう・・・来・・・て・・・」 「おい長門!なg・・・」 プツッ 電話は切れた。 5分後、息を切らして「彼」がやってきた。そのほか、朝比奈みくる、古泉ー樹が来ていた。彼が呼んだのだろう。 「な・・・長門さん・・・」 朝比奈みくるは倒れこんだ。古泉ー樹が支える。 「長門さん!どうしたんですか!」 古泉ー樹がたず...
  • 長門有希の報告Report.11
    Report.11 涼宮ハルヒの遭遇  SOS団集団下校。それは何も変わらない、いつもの光景だった。 「あれっ!?」  涼宮ハルヒは驚き、声を上げた。 「どないしたんや、ハルヒ。」 【どうしたんだ、ハルヒ。】  『彼』が問い掛ける。 「ほら、あそこ、踏み切りの向こう。あそこにおるの、朝倉違(ちゃ)う!?」 【ほら、あそこ、踏み切りの向こう。あそこにいるの、朝倉じゃない!?】 「何(なん)やと!?」 【何(なん)だと!?】  『彼』は驚愕した表情で彼女の指す方向を見た。しかし、その視線はちょうど走ってきた電車に阻まれる。電車が通り過ぎると、そこには誰もいなかった。 「見間違いか、他人の空似と違(ちゃ)うか?」 【見間違いか、他人の空似じゃないか?】 「いや、あれは間違いない!」  こうして、翌日の不思議探索ツアーは、『朝倉涼子の捜索』に決定した。ここでも彼女の力は遺憾なく発揮され、捜索開始...
  • 長門有希の報告Report.13
    Report.13 長門有希の憂鬱 その2 ~朝倉涼子の交渉~  午後の授業を見学しながら、朝倉涼子は喜緑江美里と遠隔通信で今後の対応を協議した。 喜緑『まずは、古泉一樹と朝比奈みくるに説明して、協力を求めるという方針で、問題ないと思います。』 朝倉『わたしはしばらく謹慎中で、人間社会から離れていたから、勝手が分からないの。そう言ってもらえると助かるわ。』 喜緑『彼らは我々に協力的ではないものの、涼宮ハルヒが関係することとなれば、利害が一致します。ひいては彼らの利益にもなることを納得させられれば、彼らも協力を惜しまないと思います。』 朝倉『そうね。朝比奈みくる……「未来人」勢力は禁則事項と既定事項に縛られてるから、どう動くかはちょっと分からないけど、少なくとも古泉一樹……「機関」の協力は得たいところね。長門さんの観測データによれば、彼は「人間の常識の範囲内への収束担当」といった役回りら...
  • 長門有希の出張
    『長門有希の出張』 SOS団一同は、休日を利用して、彼らの住む街を離れ、とある場所に来ていた。 電車を乗り継ぎ約4時間。本とカレーとスポーツ用品の街、東京・神田神保町。 地下鉄の駅から上がり、初めての街に足を踏み入れる一同。 少し歩いて街の様子が分かった頃、キョンは長門有希に訊ねた。 「どうだ、長門。この街の印象は。」 「……いんたれすてぃんぐ。」 「interestingて。そんなに興味深いのか?」 「正直、たまらない。」 有希は、漆黒の瞳を輝かせて言った。 「大量の本と、大量のカレー店。ここまでわたしの嗜好に適合する空間は、そうそうない。」 ---------- *つづかない * *保守がてら、勝手に拾わせて貰ってみる ---------- 『長門有希の出張2』 恐ろしいことに、数メートル歩く度に、あの長門が右にフラフラ左にフラフラとしている。 カレー屋と本屋の現れる頻度の多さに...
  • 長門有希のコンタクト
    長門がいなくなって数日経ったが気になることがある。 手紙の最後の言葉・・・。”新しいインターフェースとコンタクトをとって”   結果から言えば呆気なくどういうことなのか判明した。   俺にとっていつも通りではない文芸部室で古泉とオセロでやっていた時。 いつも通りの勢いでドアが開いた。   「みんな~!まった~?」 「今日は紹介したい子がいるのよ~!その名は!」 「長門有希でーす!今日転校してきたばかりだけど面白そうだからこの部に入ろうと思ってまーす。」 「古泉君の次にまたもや謎の転校生よ!」   な、長門!?いや、どう考えても違うだろ。見た目はもしかしたら長門かもしれないが。中身がおかしいって。   「あっ、キョンくーん。会いたかった~!」   こ、こら。抱きつくな!   「キョンその娘と知り合いなの?」 「えっと・・・まぁ遠い親戚みたいなのかな・・・。」 「ふーん。」   どうなってんだ...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰプロローグ
    長門有希の憂鬱Ⅰ プロローグ 窓の外は曇っていた。 今年ももうすぐクリスマスだねー、などとクラスの女子がのたまっているのを、 俺はぼんやりと眺めながら次の授業がはじまるのを待っていた。 高校に入って二度目の文化祭を終え、やっと落ち着いたとため息をついたばかりだ。 そういやハルヒのやつ、今年もやるんだろうなクリパ。また俺にトナカイやらせるつもりじゃあるまいな。 長門が暴走したりSOS団が消えちまったり、朝倉に二度も襲われたり、去年はいろいろあった。 俺も長門には気を配るようになった。あいつは感情が希薄なわけじゃなくて、 実は表に出ないだけなんだと知ってからは。おかげさまで落ち着いてるようだが。 振り向いて後ろの席にいるやつに、今年のクリパはやっぱ部室でやるのか、と尋ねようとしたらいきなり首根っこを掴まれた。 「キョン、あんた進学するの?」 いきな...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ二章
    長門有希の憂鬱Ⅰ 二 章 目の前に、口をあんぐり開けたおっさんがいた。 よれよれの服を着てベンチに座っている。 「あんた……今、そこに現れなかった?」前歯が一本欠けている。 「え……ええ」 「ワシゃずっと見てたんだが。あんた、そこに、いきなり現れた」 「そうですか……?たいしたことじゃありません」人がいきなり出現したなんて全然たいしたことだろうよ。 ホームレスっぽいおっさんは俺をまじまじと見つめていた。 やがて飽きたのか、目を閉じ、うとうとしはじめた。 ここはいったいどこだろうか。俺は目をこすって周りを見た。 ほっぺたをパシパシと叩いてみた。これは夢じゃない。人が大勢歩いてる。閉鎖空間でもないようだ。 どこからか列車の発車を告げるアナウンスが聞こえた。どうやら駅のコンコースらしい。 駅の名前は見慣れない、俺の知らない地名だった。 さて...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ一章
    長門有希の憂鬱Ⅰ 一 章 やれやれだぜ。俺は朝比奈さんを待ちながら呟いた。このセリフ、何回言ったことだろう。 ハルヒがSOS団を立ち上げてからというもの、このセリフを吐かなかったことはない。 俺はきっと死ぬまでこの言葉を言いつづけるに違いない。 さて、今年も残すところあと数日だが、年が明ける前に俺は朝比奈さんに折り入っての頼みごとをしなければならなかった。 俺は十日前の十二月十八日に戻らなければならないことになっている。 戻ってなにをするのかと言えば、特別なことをするわけじゃない。 ただ自宅から学校に通って、一度やった期末試験を受けなおさなければならないだけだ。 試験はどうでもいいんだが、考えようによっちゃこれ、百点満点を取るチャンスかもしれないな。 ハルヒに国立を受けろと言われたので、ここで成績アップしといても天罰はくだらないだろう。 本当は俺...
  • 長門有希の報告Report.15
    Report.15 長門有希の憂鬱 その4 ~過激派端末の強襲~  部室での会話の後、なし崩しに涼宮ハルヒと朝倉涼子は、一緒に帰ることになった。 「何であんたと一緒に帰らなあかんのよ……」 【何であんたと一緒に帰らなきゃならないのよ……】 「まあまあ。たまにはええやん。」 【まあまあ。たまには良いじゃない。】  ふてくされたようなハルヒと対照的に、涼子は上機嫌に見えた。  涼子は、見かけ上、喜怒哀楽がはっきり現れるように設定されている。その点では長門有希と対照的。しかしその内実は、あくまで基礎的な人間の観測データに基づき計算された、『恐らくこのようなものだろう』というモデルを基に構築されたものに過ぎなかった。過ぎなかったが。  二度の『死亡』と『復活』を経て、今や涼子は人間に存在する『感情』に限りなく近いものを獲得した。その『感情』が、涼子を上機嫌な表情にさせていた。涼子の誘導は成功し...
  • 長門有希の報告Report.23
    Report.23 長門有希の憂鬱 その12 ~涼宮ハルヒの手記(後編)~  前回に引き続き、観測対象が綴った文書から報告する。 (朝倉涼子の幻影I)  最近、朝倉が出てくる夢を見る。  最初は変な空間だった。 「ようこそ、涼宮さん。ここはわたしの情報制御下にある。」  朝倉は、意味不明なことを宣言した。と思ったら、おもむろにごっつい軍用ナイフを取り出した。そして、あたしに向けてナイフを構えた。 「ちょ、ちょっと! 何の冗談よ、それ!? 面白くないし笑えないって!」  朝倉はあたしの呼び掛けを完全に無視すると、一直線にあたしを刺してきた。 「……っ!」  あたしは紙一重で、朝倉の攻撃をかわした。 「性質の悪い冗談はやめて! 玩具でも危ないって!」  あたしは叫びながら、あたしを掠めていった朝倉に向き直った。  ……ナニ、コレ。  朝倉のナイフが、何もない空間に突き刺さっているように...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ四章
    長門有希の憂鬱Ⅰ 四 章 長門有希の日記 こちらの世界へ来て二年が過ぎた。 情報統合思念体からの連絡はない。支援もない。誰も助けに来ない。 このまま時が過ぎれば、わたしの有機サイクルはいつか性能の限界に達し寿命を遂げる。 それまで、色がない世界でわたしの思考回路は物理的に機能するだろう。 それならばわたしはいっそ、目を閉じ、耳を塞ぎ、口をつぐんだ生命体として生きようと思う。 わたしは長期の待機モードを起動させた。 果たして奇蹟は起きるのだろうか。 タクシーの運転手に住所を棒読みで伝えると、十分くらいでそのアパートの前に着いた。 二階建ての二階、二〇五号室……。郵便受けにもドアにも表札らしきものはなかった。 呼び鈴を押した。こんなにドキドキするのは久しぶりだ。 赤の他人だったらなんとごまかすか、新聞の...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰおまけ
    長門有希の憂鬱Ⅰ おまけテキスト集 谷川流の憂鬱: 「二人とも行ってしまったなぁ……」 グランドに広がる炎の絵文字をぼんやりと眺めながら僕は、ここ数日の出来事を思い返していた。 思えば、あのときはびっくりしたよなぁ。 コスプレどころじゃない、キョン成りきりなんてとんでもないアニヲタだと思ったが 実は本人だったなんてなあ。 これからはもっとまともな話の展開を考えてやろう。いや、それじゃ面白くないか。 そうだな……煮て食うも焼いて食うも僕次第か。僕はニヤリと笑った。 もう実際に会うことはないんだろうな。もっと向こうの世界の話を聞いておけばよかった。 それにしても長門有希があんなに美人だったとは。 やっぱり僕の思い入れが他のキャラクタとは違うからかもしれない。 もしハルヒが来たら、やおら胸ぐらを掴んで「ちょっと谷川!もっとあたしを活躍さ...
  • 長門有希の報告Report.14
    Report.14 長門有希の憂鬱 その3 ~涼宮ハルヒの追想~  活動後の部室。ハルヒは独り佇んでいた。他の団員達は先に帰した。夕日に照らされ、オレンジ色に染まった部室。あの日と同じ風景。思い出す、あの日の出来事。  本棚に歩み寄る。ここは本来文芸部室。だから、本棚の蔵書数は北高の全部室中随一だろう。蔵書には、SFのハードカバーが目立つ。その多数の厚い本を読む人物は、今はこの部室にいない。  あの日起こった、不幸な心のすれ違い。ハルヒは忘れられない。自分が突き飛ばしたせいで、負傷して血を流す彼女の姿を。そして、その彼女を置き去りにして、逃げるようにその場を立ち去った自分の行動を。  彼女はいつも通りの無表情だった。自分はどんな顔をしていたのだろうか。  ハルヒは、自らの行動を悔いていた。そして、だからこそ、彼女に合わせる顔がないと思っていた。だから、翌日彼女が事情により学校に来てい...
  • 長門有希の妊婦生活2
    長門有希の妊婦生活の続きです 「…あ…。」 「んー?どしたー?」 リビングの隅にあるパソコンを弄っている彼。 顔をこちらに向けずに画面に食いついてる。 「…動いた。」 「なにィィィィ!!?」 一瞬彼の顔が劇画チックに見えた。昼に読んだ漫画のせいかも。 「このッ!俺にもッ!『命』を体験させろッ!」 リビングの絨毯をずらす勢いでスライディング。…ユニーク。   「…もう動いてない。」 「…うー、悔しいなぁ…。」 「きっとすぐ動く。…来て。」 彼を抱きしめて、耳を私のお腹に当てる。 ぽっこりと大きくなった私のこのお腹には、彼との愛の結晶がいる。   どくん   「あ…。…今の?」 「…動いた。」   どくん、どくん   「あ…また……ウヒヒヒ…!」 感極まっているのか、私が妊娠を告げた時のように子供のような笑い声をあげた。 「…ふふふ…。ほーら、パパだよー。元気に育てよー。」 私のお腹をぽふ...
  • 長門有希の誕生
    私が対人用ヒューマノイド・インターフェースである以上、人間との接触、コミュニケーションをとるにあたっての基本的な知識は持っている。 でも、それを応用するキッカケがない。私には話を盛り上げる知識は納められている、だが、話をかけるための体の知識はない。 だから私は、用もなく人に話をかけるというコミュニケーション方法はとれなかった。とる必要性もないと感じていた。 ごく稀に私に話をかけてくる人はいた。クラスメイトの女生徒が、稀に私に質問形式で話をかけてくる。 私はその質問に不都合がない範囲で簡潔に答える。不都合がある場合は答えず聞こえないふりをする。 それが終わると必ず、女生徒は自分のいるべき集団に戻る。そして私の反応を口頭で簡単に述べる。 たまに私の方をチラチラ見ながら。私にはそれがなにを表すのかわからなかった。わからなかったけれど、少しだけ悲しかった。 三度目のそれから三日と一時間後に、廊下で...
  • 長門有希の報告Report.26
    Report.26 長門有希の報告  観測結果に対する所見を述べる。まず、以下に挿話を示す。    未来からの監視員、朝比奈みくる。  彼女には大変世話になった。多大な迷惑も掛けた。何かお礼をしたいと思った。どうすれば良いか、様々な検討を行う。  その時、わたしの記憶領域に、彼女がお茶を淹れる姿が映し出された。それは、いつもの風景。SOS団の日常。そして、それに見合う、あるものが『連想』された。  わたしは答えを見付けた。わたしはすぐに行動を開始した。  数日後。放課後の部室で、わたしはみくるに、部活後少し残ってほしい旨を書いた栞をそっと渡した。わたしが本を閉じると、それを合図に活動が終了した。着替えるみくるを残して、他の皆は帰途についた。  皆が退室した後、みくるは言った。 「長門さん……『アレ』ですか?」  わたしは首を横に振った。 「ちがう。」  そして彼女の瞳を見つめて...
  • 長門有希の妊婦生活
    (長門有希の結婚生活 [R-18]の続き)   「おめでたです。」 産婦人科の先生にそう告げられた。 結婚してから一年半、ようやく私も母親になれるのだ。 彼にはどうやって伝えよう? 昔の私なら単調に事実を告げるだけだったかもしれないけど、今は違う。 どうにかして彼を喜ばせたい。   方法1:数日間思いきり冷たくしてそれから発表 …駄目。 冷たくしたら彼の私に対する態度も冷たくなるだろう。 そんなの堪えられないし、胎教に悪い。   方法2:以前のように豪華な夕飯、お風呂の後にラブラブ発表 …いい。 けどいつも通り過ぎて思い切り喜ばせるのには向かないかもしれない。 最悪の場合これでいこう。   方法3:いつも通り普通に過ごし、夜寝る前に発表 …これ? いつも通りだからかなりのハプニングになるはずだ。 取り乱す彼を想像するとつい口元が緩む。   方法4:妊娠検査の紙を「あのー…」   「…?」...
  • 朝倉涼子と長門有希の日常
    暮れてゆく年 去年よりものの増えた部屋 窓から見える変わらぬ景色 空から降り行く無数の粉雪 あの人から、あの人たちからもらったたくさんの大切なもの 言葉にはできないけど、とても大切なもの 私は私の部屋でゆっくりと感じていた - ピンポーン - 突如鳴り響く来訪者のベル 私はゆっくり席を立ち、来訪者を迎え入れた 「おでんできたから一緒に食べましょ?晩御飯はまだだよね?」 「まだ」 前のような偽りではない笑顔 紺色の長い髪 朝倉涼子を、部屋に招きいれる             If Story - 朝倉涼子と長門有希の日常 - ……… …… … 「相変わらず、殺風景な部屋ね」 「そう」 朝倉涼子は部屋を見渡し、呆れる様に語る 「ま、キョン君が来てから多少物は増えたかな」 クスクスと笑ってコタツの上におでんの入った鍋を置いた 私は台所から二人分の食器を運んでく...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰ三章
    長門有希の憂鬱Ⅰ 三 章 俺はひどい頭痛と轟音とともに目が覚めた。 自分がどこにいるのかしばらく分からず、起き上がったところで天井に頭をぶつけた。 あれ、こんなところに天井があったかな。 そうだった。俺は泊まるところがなくてホームレスに段ボール箱を借りたんだった。 頭上では電車がひっきりなしに行き来している。 俺はそろそろと箱の外に出た。寒い。震え上がってまた中に戻った。 段ボール箱の中、意外に保温性があるんだな。手放せないわけだ。 俺はジャンパーを着込み、身をすくめてやっと外に出た。 一晩の宿は冷蔵庫の箱だった。それを見てまた寒気がした。 時計を見ると七時だった。おっさんたちはまだ寝息を立てているようだ。 俺はサンちゃんの家に、その玄関らしきところからありがとうと書いたメモに千円札を挟んで差し込んだ。 もしかしたら明日も世話になるかもしれない、などと不安と期待の入り混じった気...
  • 長門有希の再会
    公園に居た。 目の前に両手でダンボールを持つ女の子 しかし彼女は石に躓いてバランスを崩してしまう 私はダンボールの中から散らばった荷物を手に取る そこで私は言うのだ 「私も手伝おう」   と しかし女の子は私の手を退けながら言う 「うるさい人殺し」   と 私を冷たい目で見上げる 憎悪 直感がそう教えた 彼女の目に篭る感情を しかし私にはそれを理解することができなかった 散らばった荷物を集める 最後の荷物を集めると、女の子はそこには居なかった。 変わりに現れたのは男 見覚えが無かった。 男は私に尋ねる あなたが長門有希かと 私がそうだと告げると ニヤリと笑った。 私が首を傾げると彼はなんでもないと言い   しかし、その瞬間。男はみるみるその容姿を変化させ 人間が畏怖すべき対象として見るものへと姿を変えた   「朝倉涼子は消えるべきではなかった」 ...
  • 長門有希の協定
     宇宙人同士が激しく戦っていた。  俺たち人間には到底理解不能な力を使って。    経緯を説明すると長くなるから省略する。  とにかく、情報統合思念体のやり方には、さすがの長門も忍耐力の限界に達したということだ。そして、長門のその怒りは、俺も古泉も共有するところだった。  だから、長門は、ハルヒの力を使って情報統合思念体を消そうとした。  だが、情報統合思念体とやらも馬鹿ではない。12月18日のあの出来事のことを忘れるわけもなく、充分に対策は練られていた。  長門が用いるハルヒの力に全力で対抗しつつ、長門を始末すべく、なんたらインターフェースを大量に送り込んできた。その中には、あの喜緑さんも、そして復活した朝倉もいた。  長門と利害が一致した「機関」が味方についてくれたが、現状では足手まといとまではいわないが戦闘の役には立ってない。  朝比奈さんはこの場にはいない。その方がいい。言っちゃ...
  • 長門有希の報告Report.6
    Report.06 長門有希の陥落  いつもと違う、ちょっとおかしい(主に服装が)彼女と、いつもと違う、ちょっとおかしい(主に言動が)わたしの、いつもと違う、ちょっとおかしい(主に空気が)風景。  お茶を霧にしたり、お菓子の袋を引きちぎったりと忙しい彼女だったが、それでも次第にくつろぎ、話をし始めていた。  わたしはお茶のお替りを淹れたり、飲み物を取ってきたり、お菓子を食べたりしながら、彼女の話を聞いていた。  正確に言うと、話をしている彼女を見ていた、となるかもしれない。  彼女の話す内容は様々だった。普段部室やSOS団の活動中に話しているような内容もあれば、自分の身の上話、国際政治や領土問題から、芸能に今夜のおかずまで。彼女の興味の対象は幅広い。聞いていて飽きない、という感想を相対した人間は持つだろうと予想された。  ただ、それでも全体的な傾向としては、平均的な女子高生の会話の内...
  • 長門有希の報告Report.19
    Report.19 長門有希の憂鬱 その8 ~涼宮ハルヒの告白~  部室の扉がノックされる音が響いた。わたし、涼宮ハルヒ、朝倉涼子の三人は、互いに顔を見合わせた。 「どうぞー。」  結局、ハルヒが返答した。扉が開き、四人の人物が入ってきた。 「ちょっと失礼しますよ。」  喜緑江美里、古泉一樹、朝比奈みくる、『彼』……通称キョン。 「あんたは、生徒会の……何でここに?」 「実は我々は、長門さんが北高に向かっていたという話を聞いて、戻ってきたところなのですが、そこでたまたま彼女に会いまして。彼女……生徒会の方でも、何やら長門さんに用があるとかで、御一緒した、というわけなんですよ。」  古泉一樹が答えた。……話し方が変わっている。 「そんなに睨まないでくださいな。活動状況を簡単に確認するだけですから。」  ハルヒが江美里を睨み付けているのは、先の文芸部会誌を作成した時のことを踏まえてのものだ...
  • @wiki全体から「長門有希の報告Extra.3」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索