涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「雪解けの想い」で検索した結果

検索 :
  • 雪解けの想い
     『わたし』は今、高校三年間通い慣れた通学路を一人で登っている。  『わたし』の内面はあの頃の延長線上に存在すると言えるけれども、今の『わたし』の外見は、あの頃とは違う。  これは『わたし』がこの世界にもう一度存在するために必要な、訓練の時間。  『わたし』が『わたし』の外見を持ってこの世界に再構成されるには、もう少しだけ、時間がかかる。  そう『わたし』は一度、この世界から消滅している。  同一個体としての連続性を保つ限界が来てしまったから、それは、仕方の無いことだった。  不可避の運命を受け入れることしか出来なかったわたしは、最後の最後に、自分の心に降り積もった感情の全てを凝縮し、たった一言だけ、彼に、想いを伝えることが出来た。  それは前へは続かない、未来を築かない、誰かを縛ることさえ許されない、そのとき限りの、愛の言葉。  そう、なるはずだった。  運命は、変えられないはずだった...
  • 長編・古泉一樹
    ...揺れる四ツ葉ふたつ 雪解けの想い もりのこいずみくん 戦士達の休日 【K.B.F.】 秘密の音色 若葉の頃 新米保父さん一樹は大童 古泉一樹の私情 小さな、親切 Kiss&Kiss 魔法少女フェアリーユキ 刹那主義 赤ク染マル こいずみくん一斉大売り尽くし そらをとぶこいずみくん 『僕』の覚醒 届かぬ想い 古泉一樹の災難 桃色空間奮闘日記 僕は誰だろう 僕と森さんと時々2ch 夏の少女 教科書文通 うそつきの本音 闇に降る雨 笑顔は癖のような感じですよ 一夏の恋 あらしのよるに 恋愛相談 遊園地と花火 それぞれの愛のかたち 古泉一樹の消失 ゲ泉記 スノーホワイト・レクイエム 私の選んだ人(古森)リスト 2月14日の出来事 3月14日の出来事 古泉一樹の約束 買い物日和 killing me セイブザ・クイーン 違う!恐くない!(古泉×長門) 古泉一樹の休日 紫の髪の女の子  古泉一樹...
  • ハルヒの想い
    『ハルヒの想い』 放課後 いつも通りSOS団部員は部室へ向かった ハルヒ「よし!みんな集まったわね!会議を始めるわ」 当然この日が会議の日など決まっていない ハルヒ「いい?明日は休日なんだから町に行くわよ!」 キョン「なにしに行くんだ?」 予想はついてるが聞いてみる ハルヒ「決まってんでしょうが、明日は思いっきり遊ぶのよ」 え・・・ 宇宙人や未来人探索ではないのか? キョン「宇宙人や・・・」 ここで口を止めた 余計なこと言わない方がいいな。 古泉は俺を見ている。 いつみても憎いほど笑ってやがる 朝比奈さんは少し残念そうな顔をしていた 未来から来たから起きる事はわかってるのか? 長門は読書。 ハルヒ「・・・・とにかく明日は絶対遅刻しないように 特にキョンっ!あんたはいつも遅刻するんだから気をつけなさいよ」 …時間は遅れてないんだがな ハルヒの解散と言う声と共に俺た...
  • この想い伝えたくて
    このSSはニコニコ動画のボーカロイドオリジナル曲「この想い伝えたくて~ココロノ花ビラ~」を勝手にハルヒSS化したものです。 そういうのが嫌いな方やニコニコ動画が嫌いな方は無理して読まないでいいです   「思ったんだけど、涼宮さんてキョン君のこと好きなんじゃないかと思うんだけど」 「「…はっ?」」 いつもの日常の何気ない休み時間。唐突な坂中の発言に、俺とハルヒの声がはもる。 「そっそんなわk」 「いきなりなにを言い出すんだ坂中、そんなわけないだろ」 何か言おうとしたハルヒの声を遮りつつ、坂中の発言を否定する。 「実際に涼宮さんに聞いてみたらいいのね」 まぁ、論より証拠ってことか。 「ハルヒ、どうなんだ?」 「えっ?あっ…」 なぜそこで言葉につまる。だいたい坂中、なにをそんなにニヤニヤしてるんだ。 「どうなんだよ」 「っ…すっ好きなわけないじゃない!」 「あんたなんか、だいっきらいよ!」  ...
  • ハルヒの想い 
    ハルヒに頼まれて、この糞寒い中しぶしぶストーブを取りに行ったわけだが、途中で激しい雨に会い、俺はびしょ濡れで部室に帰ってきたのである。 自分で言うのもおかしな話だが、相当疲れていたのだろう…ストーブをつけて、そのまま机に伏して熟睡してしまった。 どれくらい時間が経ったのだろうか…目を覚ますとそこには、驚いた顔をしているハルヒがいた。どうやら俺が起きるのを待っていたらしい。 とりあえず俺も目が覚めたので、立ち上がって身支度をしようとした…その時だった。   頭がクラクラして目の前がだんだん暗くなっていくのがわかった。強烈な立ちくらみだと思ったのだが、 そうではなかったらしく、俺はそのまま床にバタっと倒れてしまった。   ハルヒ「ちょっと…キョン?」   俺は何か言おう言葉を探したのだが、それよりも意識を失うことのほうが速かった。   ハルヒ「キョン…キョン!?どうしたの!?目を覚まして!!」...
  • お題+他 目次
    トリップ ◆1/dtGJfhU6.F ◆TZeRfwYG76(企画用) ◆Yafw4ex/PI (旧トリップ仕様)   以下のSSは全て文字サイズ小の環境で編集しています 背面が灰色になっているSSがあるのは仕様です(等幅フォントを使いたいので書式付き設定)     更新SS  11/22 未来の古泉の話   11/6 簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」 7食目 「ふわふわ」「天麩羅」   10/25  罪の清算 「朝比奈さん大活躍(微糖)」 「かんざし」 「時限爆弾」 言いたい事は言えない話         停滞中の連載SS   甘 1 甘甘 2 カカオ → IFエンド 「これもまた、1つのハッピーエンド」 注意! 欝展開あり 3 甘甘甘 4 HERO  5 「お酒」「紙一重」 *微エロ注意     森さんと古泉の話  カプ:森古泉 注意! 森さんのキャラがオリジナル設定...
  • 長編・キョン
    キョン無題1   キョン無題2 キョン無題3 キョン無題4 キョン無題5 キョン無題6 キョン無題7 キョン無題8 キョン無題9 キョン無題11 涼宮ハルヒの消失(偽) ハルヒ能力喪失・SOS団解散編 キョンいじめ 超能力テスト 朝倉涼子の逆襲 改造人間キョン サイレント・ホスピタル ワークテイカー・ラヴァ―ズ ハルヒの想い ~アニメ版エンディングの延長版~ 記憶喪失 影の世界 (BADEND注意) 王様ゲーム キョンの決意 想い 試験勉強 北斗のキョン 残された時間 洞窟にて 俺とハルヒと古泉の生きる道 (BADEND) 許婚と最愛の人 Another Story 涼宮ハルヒの変質 ストレンジデイ イン ザ レイン キョンの死、そしてその後 クリスマスイブ 憂鬱アナザーエンド 涼宮ハルヒの旅路 グラップラーキョン ハルヒが残した希望 1枚の写真 涼宮ハルヒの海遊 Verywhiteday...
  • 想い出は、雪とともに 第一章
    俺はいま小高い丘の上にある公園のベンチに腰掛けて、眼下にある街を見下ろしている。公園とはいっても遊具はひとつもなく、ベンチと自動販売機、そして一本の大きな桜の木があるだけの寂れた場所だ。 だが、ここは俺にとって思い出深く、大切な場所。俺が最愛の人と一年間を過ごし、そして最後に別れた場所。 いまでも、俺はこうやって待ち続けている。彼女がいつか俺のもとに帰ってくることを。もう二度と戻ってくることはないことを知っていながら。 彼女との別れは避けられない運命のようなものだったのだろうか。それとも、あのとき何か俺にもできることがあったのだろうか。 聞いて欲しい。俺の高校時代の最愛の人との一幕を、そしてその結末を。あれは、朝比奈さんが北高を卒業し、俺が高校三年生になったころのことだった。         俺は北高に入学し、涼宮ハルヒに出会った。そして、涼宮ハルヒの監視役としてそれぞれの勢力から派遣さ...
  • ハルヒとボカロオリジナル曲の歌詞をあわせてみた
    初めての恋が終わる時 ボーカロイドオリジナル曲「初めての恋が終わる時」 この想い伝えたくて ボーカロイドオリジナル曲「この想い伝えたくて~ココロノ花ビラ~」 Just Be Friends ニコニコ動画のボーカロイドオリジナル曲「Jast Be Frends」
  • 遠距離恋愛 第四章 想い
    第四章 想い   『もう少しましな伝え様は無かったのですか?』 心底疲れたといった声で、携帯の向こうの古泉が呟く。   『今日の1時限目の授業中に、突然閉鎖空間が複数発生しました。一つ一つの規模や速度はそれほど大きくないのですが、一つを崩壊させるとまたすぐに別の空間が発生するというイタチごっこでして……現在、機関総出で対応していますが、この発生ペースだといずれはまずいことになりそうです』 そうか、本当にすまんな……しかし、あいつの不思議パワーは減少しているんじゃなかったのか?   『確かに、我々の調査結果を見る限り、最近では最盛期の半分程度まで落ちていました。閉鎖空間発生も希な状態になってきていましたしね。しかし、今回のこの閉鎖空間の数は過去最大です。涼宮さんには、まだこれほどの力が残っていたんですね、驚きです』 あいつの力が復活したと言うことなのか?   『それは分かりませんが、今は...
  • 君の太陽
       『君の太陽』           一面の白が僕を包んでいた。 起伏のない平面の世界。果ては見えず空さえも白いここでは地平線は存在しない。 降り積もる雪はこの世界の音を全て吸い込んで、ただ自分の呼吸だけが聞こえる。 自分と、この雪の他に何も見えない。存在を感じさせるものもない。 ただ雪が降り続ける世界。   だが僕には、確信があった。   ここは彼女の世界だ。何故という疑問もない。ただ、わかるのだ。 僕がそう理解したのが、自分の超能力者としての力によるものではないこともわかった。 ぴたりとはまったのだ。 この世界を形作るものが、僕の中にある、ピースが欠けたそこに、すとんと。まるではじめからそこにあったかのように。 そして僕は理解した。 彼女の願いと、絶望を。           予兆がなかったといえば嘘になる。 涼宮さんの能力の減衰が明らかになった2年の冬、そのきっかけとなった彼の告...
  • 悲痛
    「よかったら…………持って云って」 またあの夢だ。 あの世界はもうないんだ。全部解決したはずだ。それなのに! 気付けばあいつのことを考えている俺がいる。 俺はあの世界ではなくこの世界に戻ることを選んだんじゃないのか! 恥ずかしがり屋で内気な文学部の少女ではなく 寡黙な対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースを選んだのは俺だ! 部室のすみで本を読む長門を見るたびに、 騒ぐハルヒの後ろにたたずむ長門を見るたびに、 朝比奈さんにお茶をもらう長門を見るたびに、 俺の心はかき乱される。 おどおどとした気の小さい長門、 目を泳がす長門、 ちいさなちいさな力でそっと俺の袖をつまむ長門、 俺の返した白紙の入部届けを震えながら受け取る長門、 薄く、だがはっきりと微笑む長門……。 長門よ、お前はとんでもないものを盗んでいったな。それは俺の心だ。 幾多の名台詞の中でこれほど俺の心情を表わす...
  • 想い出は、雪とともに 最終章
    あたしが公園へと駆けつけたとき、キョンはいつものようにベンチに座り、あたし達の住む街を見下ろしているように見えた。 その姿を見て、あたしだけでなく、家族やクラスメート、キョンを知るみんなが心配しているというのに、そんなことはお構いなしと言わんばかりに、この公園にきて有希との思い出に耽っているキョンにイラつきを覚えた。 「キョン!」 少し怒り気味に声を荒げて、背後からキョンに向かって叫ぶ。しかし、キョンはあたしの声に全く反応しない。 その光景を見て、あたしの胸にますます怒りの感情がこみ上げてきた。いまから思えば、このときのあたしの怒りには多分に有希への嫉妬の感情も含まれていたのかもしれない。 あたしは、ツカツカとキョンへと近づき、キョンの背後から正面に回りながら、あたしが高校生だった頃と同じぐらいの激しい口調でキョンを指差しながら再び声をかける。 「キョン!! あんた何やってるのよ!」...
  • Different World's Inhabitants YUKI~カヨウビ(その二)~
        目が覚める。 辺りを見回す。 何もない部屋を。   現在、午前7時。 普段なら、布団から抜け出して、学校へ行くための準備をするのだが、何故だか気が進まない。   頭が痛い、様な気がする。 風邪を引いている、みたいだ。 いや、体調自体は悪くないのだろう。至って健康だ。 これは1種の、気の病のようなものだ。   じゃあ、何故? 何が私の気を病ませているの?   答えは簡単だった。 でも、答えたくなかった。   昨日の、彼と涼宮ハルヒの姿を思い浮かべる。 怒っていても、溜息をつきつつも、心の奥底の楽しさを隠しきれていないあの2人。   それは、今まで私が読んだ、恋愛小説の中の『恋人同士』の関係に近かった。 いや、本人達には自覚はないのかもしれない。 しかし、周りから見るとそれは紛れもなく『恋人』の関係だった。   この時、私が感じた思い。 悲しくて、苦しくて、心を貫きそうな感情。  ...
  • 涼宮ハルヒの消失ー長門有希の憂鬱
    私は情報思念体が作り出した対有機生命体用インターフェースのひとつである。 太陽系、と本人たちによって呼ばれる辺境の惑星系の第三惑星に発生した有機生命体のなかに、全宇宙の中でもユニークな一個体が発生した。 そしてそれは進化の袋小路に閉じ込められた情報思念体になんらかの脱出口となる要素を抽出できる可能性がある、と判断された。 単体という概念を持たず、いかなる光学的手段を持っても不可視である情報思念体にとって、一地球人固体を観察し、必要ならば彼らの言語による意思疎通を可能にするインターフェースが不可欠であることから作られたものの一体である。 同時に作られたバックアップと比べて、私というインターフェースは一見して他のインターフェースとは際立った地球人的な「個性」が与えられている。 そう。被観察者涼宮ハルヒによって、私に必要とされた属性。 極端な無口、非情動的で非社交的なキャラクター。 彼女にと...
  • 恋の編み物
    あたしは今、ベッドに腰掛けてセーターを編んでいる。 元々はアイツにクリスマスプレゼントとしてあげようと思っていたのだけれども、実際に編んでみたらこれがまた大変で、延びに延びて結局未だに編んでいるというわけ。 仕方ないじゃない。こんなに難しいなんて知らなかったんだから。 唐突だけど、あたしは恋ってセーターと同じなんじゃないかと思う。 セーターは毛糸の玉から毛糸の端っこを見つけて、それを伸ばして丁寧に編んで次第に形にしていく。 それと同じ。 モヤモヤした気持ちの端っこには「好き」があって、それが少しずつ少しずつ大きくなって次第に形になっていく。 そしてどっちも最後は相手にあったものになる。相手にしかあわないものになる。 セーターなら着る人にぴったりの大きさのものに。着る人ぴったりの色に。 恋なら・・・言うのも恥ずかしいけれど「愛」に。 ほら、やっぱり一緒じゃない。 仕上げだってそうよ。 時間を...
  • 絡まった糸、繋がっている想い 第三章
    *7*   もう半分の理由…? ハルヒは語りだした。おれたちの知らない2ヶ月を…   「…あたしはみんなが怖かったの」 「怖かった?」 「そう…もっといえばみんなに嫌われていることをしるのが怖かった…」 ハルヒは顔を少しだけ上げて続けた。   「自分が傷つくのがいやだった。あたしって弱いわね…」 鼻で笑いながらいう。 「あたしこと嫌いなんでしょ?いつもやりたい放題やってみんな振り回して…本当のことをいえばそうなんでしょ?」 おれはひとつ言いたいことができたが我慢した。最後までハルヒの話を聞くことにしよう。 「有希もみくるちゃんも古泉くんも…あたしのこと嫌いに決まってる…」 「有希だって急に来たあたしに無理やり部室奪われていろんなもの置いて…休日まで呼び出して連れまわして… みくるちゃんもそう… 着たくもない服無理やり着せて、勝手にお茶くみさせて…ほんとは嫌なはずなのに… 古泉くんなんて、学...
  • 涼宮ハルヒの憂鬱 キョンとハルヒの絆
    俺は、ハルヒの事が好きだが、告白するなんぞ出来ない…… 何故なら、俺はツンデレだと自覚している。 それなのに、いつものように生活している……  「涼宮ハルヒの憂鬱キョンとハルヒの絆」 今の季節は夏、俺は今、学校へ行ってる所である。 谷口「よぅ!キョン!」 声掛けるな、暑苦しい 谷口「何言ってんだ?クールな口調になってるぞ」 なってない、なってない 場所変わって、教室 入ると、ハルヒがいる かなり暇なようだ 「よぅ」 ハルヒ「あ、キョン、放課後ミーティングあるからね、遅れないように!」 「はいはい」 と、言う時に岡部が来た 放課後、俺はいそいそとSOS団部室へ行った。 入る前にノックして入るのが俺のルールだ みくる「は~い、どうぞ」 我らアイドル、朝比奈みくるの声である。 う~ん、可愛い声ですね! 入ると、朝比奈さんと古泉と長門……そして、ハルヒがいた。 古泉...
  • 悩みの種~悩みの種の潰えた世界~
    <悩みの種の潰えた世界> 病院に着き、病室を目指し歩いた。さすがになれたものだ。二年間毎日通ったんだ。 病室に着くと…なんだみんな揃ってるじゃない。でも何故かみんな病室の前で立ったままだ。 みんなどうしたの?中入らないの? 「あっ…あの…まだ診察中らしいのですよ…終わるまで入れないそうです。一度外へ…」 ?いやいいわよ。ここのが涼しいし、ここで待ちましょう。 何故か古泉君の表情がおかしい。いつも爽やかスマイルを決めているのに… 私は待った…けどしばらくしても診察が終わった様子が見られなかった。 すると…突然みくるちゃんが泣き出した。大声で。 どうしたのみくるちゃん? 「キョンくんが…キョンくんが…!」 …ものすごい嫌な予感を感じた。 私は病室に入ろうとしたが、 「涼宮さん!まだ診察が…」 無理やり制止を振り切り、病室に入った。 そこで見た光景…そこには紛れもないキョンの姿だ...
  • 悩みの種2
    お前昼間からおかしいぞ?なんか体の調子でもおかしいのか? 俺はハルヒに尋ねた。だがこれからが問題になってしまったのだ。 「えっ、だっ、大丈夫よ!なんでもないわよ!そんな心配そうにしないでよ…」 『そんなこと言ったって私…いろいろ考え過ぎて胸が苦しくて何も喉が受け付けないぐらいなのに… 昼間だって、これからが不安で何も受け付けなかったのに…』 そんなこと言ったってだな。お前がなにか食べないなんておかしいじゃないか?あんなに食欲旺盛なお前が? 「なんでもないって言ってるでしょう!!」 『…またやっちゃった。なんで私ってこう素直になれないんだろう…出来ることなら~を伝えたい。だけど素直になれない…なんで?』 『相手がキョンだから?…違う。それは私の弱さ。今まで絶対に他人に見せなかった自分の弱さ。見せなかったからこそ、もう後戻りは出来ない。』 『でもキョンはいつも付いてきてくれた。...
  • 雨がすべてを
    ※この作品はそれぞれの愛のかたちの続編に当たる作品です。 北高を卒業してから二度目の夏を迎えたその日、あたしは集合場所の光陽園駅前の公園へと急いでいた。 今日は、あたし達が卒業してから、初めてのSOS団の再活動の日である。本当であれば大学一年の夏か冬に帰って来る予定だったのだが、あたしの思うところがあって、帰って来れなかった。 大学生活も一年と四ヶ月が過ぎ、大学生活にもなれてきたため、みんなの近況が知りたくなって今回のSOS団の再会を思いついたのだ。 副団長の古泉くんに連絡をとると「わかりました、みんなとの連絡や手はずのほうは僕のほうでやっておきます」との返答が帰ってきて、あたしが帰ってくるときには、準備はすべて整っているとの連絡があった。 さすがに古泉くんは頼りになるわね。副団長に選任したあたしの目にくるいは無かったわ。 あたしが集合場所に着いた時、有希とみくるちゃ...
  • 缶コーヒー、ふたつ8・前編
    ━━━━沈みかけた夕日が、一日の終わりを告げている。 それにもかかからず僕は、まるで今から一日が始まるかの様に心を踊らせながら、駐車場へと向かっていた。 真冬の夜の訪れを告げる冷たい風が、時たま足早に歩く僕の頬を撫でるが、今はそれさえも心地よい。 そして歩きながら少しだけ、彼女の笑顔を思い出して胸が熱くなるのを感じる。 おそらく…この想いは、何度目かの…━━━━━━━━ 【コーヒーふたつ8・前編】  駐車場へ着いた僕は車に乗り込むと、制服の上着とともに『北高の古泉君』である自分を脱ぎ捨てて、後部座席に用意してあった上着に着替えた。 そして、キーを回してエンジンを始動させながら、ステレオにMDを差し込む。 静かに音楽が始まり、イルミネーションに「JUST A TWO OF US」と表示されたのを確かめると、僕はゆっくりとアクセルを踏み込んだ。 ふと、ハンドルを回しながらどうしようもな...
  • 秘めてた想い
    この作品は基本的にキョンと谷口の視点を行ったり来たりなのですが、一回だけストーリーの都合上ハルヒ視点がありますがあまり気にしないでください。 これがいわゆるデビュー作なので、まだ実力がないので「これはダメかなぁ」とか思った人はすぐに読むのを中断しちゃってください。 また、いくつかのほかの作品の文章と似ている文や、ほとんど同じ文があるかもしれませんが、ご容赦ください。 あと、前半で「後藤」という名のオリキャラが出ますが朝比奈さんの中の人とは一切関係があるわけではありません。たまたま思いついた名前を使っただけですので気にしないでください。 それでも読むというお方はどうぞご覧ください。 秘めてた想い(前編) 秘めてた想い(後編)
  • 長門の日々 第7.5話『淡い想い』
    第7.5話『淡い想い』   今日、あたしは掃除当番だから、部室に行くのが遅れる。 それをキョンに伝えると、キョンはいつもの仏頂面で返事をする。 キョンは有希の方ばっかり見てる気がする。 なんで有希ばっかり。 あたしは無意識に、キョンにいつも言っているようなセリフを吐く。 すると、キョンは嫌そうな顔をして、「しねぇよ」と言ってきた。 有希も何か言っている。いつも思うんだけど、聞き取りにくいのよね。   キョンが教室から出て行く。有希も後を追っていく。 あぁもう、早くこの忌々しい掃除を終わらせて部室に行かなきゃ!   あたしはパパッと掃除を済ませた。 さてと、我がSOS団の部室に行かなきゃね! みんなはあたしがいないとものすごく寂しいみたいだから!   部室の前まで来た。 誰かが叫んでるみたいね。誰? まぁ、いいわ。とりあえず入ってみれば分かることよ。   「うきゃっ!」 やっほー!遅れちゃっ...
  • 涼宮ハルヒの鬱憤
    季節はもう秋。 空模様は冬支度を始めるように首を垂れ、 風はキンモクセイの香りと共に頬をそっと撫でていく。 彼女は夏に入る前に切った髪がその風に乱れて 思いの外、伸びているのに時の流れを感じている。 夏休みから学園祭まで一気に進んでいた時計の針は 息切れをしたかのように歩を緩め、 学校全体が熱を冷ますようにこれまでと変わらない日常という空気を 堅く静かに進めていく――――   「腹減ってんのか?」 腑抜けた声と間抜け面。 「何言ってんのよ?」 「いや、随分沈んでるからひょっとしてダイエット中で 朝飯でも抜いてんのかと思ってな。飴食うか?」 「うっさいわね!大体、私みたいな若くて可愛い女の子にはそんなもの全っ然必要ないの。 飴は一応、貰っとくけど。」 「はいはい、自分で言いますか。まぁ、お前は人一倍食い意地張ってるしな。」 「あんた、馬鹿なだけならまだしも的外れでデリカシーも無いなんて駄目に...
  • 第一章『ゲ泉一樹』
          辛く寒い冬が終わりを告げ、春一番が女の子達のスカートをチラつかせる頃 僕はキョンたんの事ばかりを考えていました     早く今日の授業を終え、一刻も早くキョンたんのいる文芸部室・・・・いえ正確にはSOS団の団室に向かいたいものです     おや? 靴箱に手紙が入っていますね? どうやら僕宛ての恋文のようです     ================昼休み==============   女生徒「あ・・・古泉くん」   ゲ泉「少々遅れてしまったようですね。申し訳ございません」   女生徒「ん・・・大丈夫」   ゲ泉「いえいえ、気を使って頂く必要はございませんよ。それで話と言うのは?」   女生徒「わ・・・わたし・・・・古泉くんの事が・・・」       やはりですか・・・ しかし僕の答えは決まっているのです     ゲ泉「申し訳ありませんが・・・」     その言葉を聞いた彼女は...
  • くたばっちまえ
    どこまでも澄み渡る青空、心地よい風が吹き、空には雲ひとつない六月のある日。 いつもは梅雨のため、じめじめとして鬱陶しい季節であるが、この日はからっとした晴天に恵まれ、日差しのわりに暑くもなく過ごし易い一日だった。 いま、僕は教会にいる。そして、目の前では僕が中学生だったあの日から夢にまで見た幸せな光景が広がっている。 教会の窓から差し込む陽光は穏やかで、まるでふたりの幸せを祝福しているように見えた。 どこからともなくオルガンの音が聞こえてきて、その音色は僕の心の奥へと溶け込んでくるようであった。 僕の足元から続くバージンロードの向こうには白いタキシードに身を包んだキョンの姿がある。 いつのころからだっただろうか、僕がキョンに淡い恋心を抱いたのは。いつだったかははっきりと思い出せないが、確かにそれは中学生だった僕の心の中に存在していた。       中学生だった頃、僕は学習塾が終わると、キ...
  • 【罪と罰】番外編/長門有希の幸福
    「…んぅ…」 彼の手が、わたしの髪をそっと梳くように撫でる。思わず声が漏れる。 片腕は背中に回されたまま。背中にかかる優しい圧力が、少しくすぐったい。 「有希…」 耳に届く、彼の囁くような声。 抱き締められたまま名前を呼ばれると、それだけでわたしの身体はぞくぞくする感覚に支配される。 彼に呼ばれたことが嬉しくて、頭を彼の胸に軽く押し付ける。 こんなにも彼に甘えることができるなんて、少し前だったら考えもしなかったこと。 ヒトの感じる幸福というものが何なのか、今ならば理解できる気がする。 「有希、俺のこと好きか?」 彼の言葉にわたしは顔を上げる。意地悪そうな笑み。 本来なら訊くまでもないこと。答えなど分かりきっているはずだから。 でも、わたしは知っているのだ。これが彼を喜ばせる為の一つの手段であるということを。だから、わたしは言う。 「…好き」 声が震える。昔のわたしなら感じるはずのなかったも...
  • 想い出は、雪とともに
      想い出は、雪とともに   目 次    想い出は、雪とともに 第一章  想い出は、雪とともに 第二章  想い出は、雪とともに 最終章
  • こころここにあらず
    情報の渦。 【わたし】は【わたしたち】と共にここにいる。   ――全ては終ったこと。涼宮ハルヒはただの人間になった。   そう、涼宮ハルヒが持っていた能力は全て消えた。   ――彼女はもう、観測対象ではない。   そう、価値は無い。観測する意味を見出せない。   でも、わたしのわたしが感じられないわたしの奥の部分に、残るわずかな感じ。   ――【わたしたち】は情報であり、『奥』などといった概念は無い。   情報と名のつくあらゆるものを知るのがわたしたち。   でも。   ――帰りたい?   その疑問を持つことが無意味。【わたし】は【わたしたち】でもあるのだから。   もう全ては終っている。   ――でも、帰りたい?   帰るというのは不適切。【わたし】の存在すべき場所はここ。   ――全ては終った。情報は書き換えられた。彼らの記憶から、【わたし】は最初から存在しない。   …。   ――帰...
  • 長編・涼宮ハルヒ
    涼宮ハルヒ無題1 涼宮ハルヒ無題3 涼宮ハルヒの停学 涼宮ハルヒの改竄 涼宮ハルヒの入学 涼宮ハルヒの異変 涼宮ハルヒの悲調 花嫁消失 ハルヒの想い 世界の終わりに 涼宮ハルヒの赤面 ‐ 涼宮ハルヒの羨望 ‐ ハルヒの実験 涼宮ハルヒの秘密 プリンとケーキ 星に願いを 涼宮ハルヒの猛暑 涼宮ハルヒの結婚前夜 涼宮ハルヒの泥酔 長すぎる10分間 涼宮ハルヒの願望 涼宮ハルヒの憂鬱キョンとハルヒの絆 10月8日、曇りのち雨 閃光のハルヒ 涼宮ハルヒの預かり物 涼宮ハルヒのデート騒ぎ? それは誤解で勘違い 何よりも宝物 超能力 涼宮ハルヒの計算  涼宮ハルヒの嫉妬 ミニチュアハルヒ ベル 3点セット 涼宮ハルヒのネコ にわか雨の訪問者 ハルヒの寝言 涼宮ハルヒの独善(シュール・BadEnd?) 涼宮ハルヒの情熱  涼宮ハルヒの出産 あの日からの願い Amemorywithouttheend 涼宮...
  • 一夏の恋2
    懐かしむにもこそばゆい記憶が一つ、ある。 三年前、突如芽生えた力に慄き、戦いに明け暮れねばならぬ生涯を嘆き、周囲に対して心を閉ざした中学一年の春。機関に迎え入れられてからもそれは変わらず、無愛想とよく称された、拗ねた物分りの悪い子供であった僕。寄せられる微笑さえ、甘言を弄して手酷く裏切られる前兆のように思い、孤独に身を固くしてさえいれば己だけは護れると――そんな、保身じみた考え方で、自己を哀れんでいた。そんな僕の顔を覗き込んで、彼女、出遭った頃から上司であった森園生は笑った。 「つまらない顔ね」 彼女の笑みは今思い起こしてみても夢ではないかと疑うくらい、慈愛に満ちたものだった。母親のように、薄い唇から紡がれる声は優しかった。 「確かに貴方は可哀相ね。運命を呪うなら好きなだけ呪いなさい。それでも貴方は選ばれ、神人を狩る力を与えられた、その事実はどう足掻こうと変移し得るものではないわ」  ...
  • 長編・その他2
    再会と再開、そして開始 テレビ出演 パラレルワールズ プレゼント ツイスト・オブ・フェイト-キョン殺害命令 SONGOF KUNIKIDA -MELTY CADENZA OF SECRET- ノンフィクション・ストーリー ひぐらしの憂鬱 鶴の舞 朝倉と 一日おにいちゃん 一日おにいちゃん 後日談 涼宮ハルヒの怪談 fixed mind 狙われた憂鬱 One Day.... ハルヒ親父シリーズ ずるい二人 ササッキーシリーズ ●えもん 朝倉涼子の再誕 幸福な鶴屋さん そしてイブはリンゴを齧る えれべーたー☆あくしょん 生徒会長の悪辣 いつも曜日は九曜日 佐々木さんの憂鬱 眠たくないけど……シリーズ crane love 橘の香り 月間佐々木さん 佐々木の囁き Lolita s Love Complex ネクストジェネレーションの憂鬱 谷口探偵の事件簿 SOS団が家族に? えれべーたー☆あく...
  • スノーホワイト・レクイエム最終話
    気まぐれに打ち始めた物語は佳境に入った。そこで、指が止まる。プロットなんてない、展開も決めていない。無心でただ、場面場面を繋ぐように文を補足していけば、どうしたって、ラストに近付くにつれ進捗は下がっていった。とにかく先へ進める為にキーを押そうとしても、指は思う様に軽快に動いてはくれない。至って当然の話だ。だってわたしは白雪姫がどうなるのかをまだ、決めかねている。毒林檎を食べて伏せてしまった哀れな白雪姫が、王子様に出遭えず仕舞いで、どんな結末を迎えるのか。 「愛しいひと」にも巡り合えぬままに、生涯を閉じようとする、薄幸の少女。 ――ハッピーエンドに、してあげたいのに。 「長門さんどうしたの?こんな時間まで居残りなんて、珍しいわね」 「あ……」 部室の扉を開けて、堂々と踏み込んできたのは、朝倉涼子――朝倉さん。セミロングの綺麗な髪。優等生らしく背筋の伸びた、頼れる女性を思わせる温和な微笑...
  • 魔法の言葉~would you marry me?~
    「僕がこの時間平面で行ったことは無駄に終わったが、一つだけ言えることがある。……キミと過ごした時間は、無意味じゃない」 「限られた条件下でなくとも、キミには私の傍にいてもらいたい―――そう思っているのは、こちらだけだろうか? ああ、人はそれを確かめるために……自分の気持ちを伝えようとするのだな」 「もしこれが叶わぬ想いだとしても、僕にはそれを捨てることなど出来ないのですよ。願いは届かないかもしれない――そう思ってしまえば、人は星に願うことを止めてしまいますから」 ―――藤原くん。会長。……古泉くん。 「わたしは、人を好きになるという感情を知りませんでした。でもそれは人も同じで、みんな誰かから愛情を教えて貰うのですね。あなたは……わたしにそれを教えてくれました」 「人間はさあ、よく『愛とは求めるものでなく、惜しみなく与えるものだ』って言うけど、わたしには無理。だってあなたにあ...
  • 第5話~then...Happy End?~
    第5話 then...Happy End?  あれから、一ヶ月。  一人の少女が欠けた世界は、何事もなかったかのように回り続ける。  俺の通う北高も例外ではなく、今日も今日とて平常授業が行われている。  それも当然だろう。  「朝倉涼子」という名の生徒は、もとより存在などしていなかったのだから。 § 「・・・情報操作を行う」  あの後、長門は涙を拭いて、最後の仕上げに取り掛かった。 「涼子は、父親の仕事の都合で―――」 「待ってくれ、長門」  呼び止める。  怪訝そうな顔をして、長門は振り返った。 「・・・なに?」 「朝倉の記憶を―――、みんなの頭から消してくれないか?」  絶句する長門。いやまぁ、言葉がないのはいつものことなのだが。 「・・・どうして?」 「・・・これ以上あいつの名前を聞くことが俺には耐えられないから、かな」  そう、俺には耐えられなかった。  こうして自分が...
  • 繋がる絆、絶ちがたい想い
    家族の絆の続きです。 高校とは違うベクトルに慌ただしかった大学を無事卒業してから四年あまりの月日が経った現在おれたち家族は騒がしくも楽しく平穏な日々を過ごしていた。 それなりに色々あったわけだが、高校卒業から一年して生まれたハルカとハルキのヨチヨチ歩きの可愛さに打ちのめされていたおれが、うっかり やっぱり子供はたくさんいたほうが賑やかでいいな なんて口にしてしまったからかはわからんが次に生まれた子供もまたしても男女の双子だったりとか、普通の会社勤めを望んでいたおれに対し、ハルヒの 普通の会社勤めなんてつまらない なんて一言で会社を立ち上げるハメになり、ハルヒや有希の人知を越えた万能さを見込んだ鶴屋さんの資金面や仕事の斡旋などの全面支援でうまく立ち上がり、その後鶴屋家の全面支援という信用からか仕事が途絶えることもなく、この歳では破格の収入を得るまでになっていた。 まぁ、トントン拍子にう...
  • 想い
    カチ…コチ…カチ…コチ… 時計の秒針動く度、聞き慣れた時計の音が部屋の中で響き渡る。 光も何も無い暗闇の空間に時計の音だけが鳴り響く 眠い。眠い。眠い… だけど眠れない…。 俺落ち着くんだ。 深呼吸をしてひとまず落ち着け我が心臓よ…。 ん?何でこんな落ち着きが無いのかって? それは明日の事を考えてたら眠れないんだよ。 明日…それはある黒い物を渡され一日中天国のような気分でいられるか、渡されず一日中ブルーな気分のままいるか… このどちらかが絶対に訪れる日だ。 ん? まだ分からないって?? バレンタインに決まっているだろう!! そう…明日はバレンタインデー 俺はその明日の心配をしている。 過去の自分ならこんな事で眠れないなどとそんな事になるはずが無かった。 しかし今年の俺は違った。 全ては アイツ のせいだ… SOS団団長!! 【涼宮ハルヒ!!】 そう… 俺がアイツに話しかけた事が全ての始まり...
  • 絶対に…
    「ハルヒ信じてくれ!!」   「嫌よ!!信じれる訳ないじゃない!」   え、何やってるかって? わかった、順を追って説明する。         俺は1ヶ月前ハルヒのことを好きだと気付いた。 きっかけは些細なものだ。 俺が学校を風邪で休んだとき、ハルヒがお見舞いにきた。 そのときにあいつは、「キョンがいないとつまんないんだからね。」と言って、微笑んだ。 その微笑みは俺がハルヒのことを好きだと気付かせるのに充分な威力を持っていた。   その日以来、そのことを妙に意識してしまい、まともにハルヒの顔を見ることができなかった。 そしてある日の放課後のこと、俺とハルヒ以外の奴は用事があるらしく来ていなかった。 俺はハルヒと2人きりになったのでソワソワしていた。 すると、ハルヒがいきなり口を開いた。   「あんた何か隠してるでしょ。」   大正解。隠してることはな、お前のことが好きなんだよ。   なんて...
  • 涼宮ハルヒに首っ丈
    「遅い罰金」  皆々様ごきげんよう。  本日は大抵の日本人なら惰眠を貪る事でお馴染みの日曜日だ。  が、しかし今日の俺はその人間の枠からしっかりと外れている。  勘違いするな、だからと言って何も禁術を使って人外の存在になったとかそんなんじゃあない。  単純に早起きをしたってだけだ。  日曜日に早起きなんてって声が聞こえてきそうだが、そんな嘲笑は今俺が手にしている幸福感その1、その2にを前にしたら粗末な息子の粗末なカスみたいなもんだ。  「な、何であんたがあたしより先に着いてるのよ!それに罰金って何よ!!」  幸福その1。涼宮ハルヒに罰金刑を言い渡す。 「何でってお前より先に着いたからに決まってるだろ?それとも何か、この世界にはお前より先に集合場所に着いて罰金を言い渡しちゃならない決まりでもあるのか?」  積年の恨み?をここぞとばかりにぶちまかすってのは実に心地が良いもんだ。  今なら禁...
  • それぞれの愛のかたち
    その日、僕は普段と変わることなく、SOS団の本拠地となった、文芸部室の片隅にいた。 涼宮さんはいつもと同じように団長席に座ってネットサーフィンをし、長門さんは、これまたいつもと同じように、指定席にて本を読んでいた。 今日は珍しく卒業された朝比奈さんが文芸部室に顔を見せていて、一年前のようにメイド服ではないものの、僕達のためにお茶を煎れる準備をしていた。 いつもと変わらぬ日常の一コマがそこにあった。この光景だけ見れば、今日が特別な日とは誰も思わないだろう。 だが、今日は僕達にとっては何よりも特別な日、僕達の卒業式の日だった。つまり、僕達がこの部屋に集うのは今日が最後である。 そのためか、外見上は平静を装っているように見えるものの、涼宮さんの心がいつも以上に激しく浮き沈みしているようだった。もしかしたら、この後重大な発表があるのかもしれない。 そんなことを考えながら、僕はSOS団のメンバーが...
  • 第七章 ラストバトル
    長門ふたり 第七章 ラストバトル 涼宮さんが僕を『好きになる』という珍事が終息してから数週間後の日曜日、 長門さんは僕達を呼び出した。「僕達」というのはいうまでもなく、涼宮さんを 除く、SOS団の面々である。思えば、長門さんがふたりになってから、既に数ヵ月が 経過していた。いろいろなことがあった。世界の改変、彼の二重化、未来からの刺客と 情報統合思念体が放った暗殺者。最初はあまりにも異常と思えた長門さんが二人いると 言う状況にも、僕等は何時の間にかなれてしまい、あたりまえに感じるようにさえ、 なり始めていた。もともと、長門さんは人間ではないのだし、これが涼宮さんが二人とか、 朝比奈さんが二人、とかいうことになるとなかなかきびしかったかもしれないが、 長門さんだとそれなりに許されてしまう。人間とはいい加減と言えばいい加減なものだ。 今回の呼び出しもまた、何かの「事件」の発端であることは間...
  • 今夜はブギー・バック 笹mix
    鈴の音、響き渡る。 靴音。 近づいてくる。 この店は貸切。 ウェイタすらいない店で一人佇んでいた僕は侵入者に声を掛ける。 「お一人様かな?」 「知らん。後から誰か来るのかも知っているのは俺じゃない。お前だ」 僕は微笑む。君も苦笑い。 「注文は?」 「何が有るんだよ」 「何でも有るさ」 まるで手品の様に。 「望むなら、何だって。君の手に入るだろう?」 「そっか。そうだな。そんなつまらない生き方はお断りだが」 「相変わらず欲の無い人だね」 「俺が欲なんざ持ってたら、きっとお前は今でもあの制服を着てるかも知れんぜ」 「君も、ね」 とりあえず、と僕はグラスを差し出す。氷が揺れる。硬質の音を立てる。 「ロックでよかったかい?」 「尋ねるまでも無いよな。望むものが出て来るだろ?」 「それが、この店の売りだからね」 二つのグラスを打ち鳴らす。 「お帰り、キョン」 「遅いんだよ、連絡が」 君は微笑む。僕も...
  • 絡まった糸、繋がっている想い 第一章
    *1* まず、何から話せばいいのだろうか… ことの始まりは2ヶ月前だった。 おれはいつものように、掃除が終わると部室に向かって歩いていた。 ハルヒは掃除当番ではなかったので部室にいるものだと思っていた。 おれはいつも通り部室に着くと扉をノックした。 トントン ノックしたが声が聞こえない… おれはおそるおそる部屋に入った。 すると中にいたのは長門だけだった。 キョン「あれ?長門だけか?」 すると長門が 長門「涼宮ハルヒからあなたに伝言を預かっている」 長門は読んでいるぶ厚いSF本を閉じた。 長門「今日は…………休み」 キョン「………休み?」 長門「そう」 呟くようにそういうと本を鞄にしまった。 キョン「朝比奈さんと古泉は……?」 長門「ふたりはあなたが来るまえに来てこのことを伝えた」 キョン「そうか」 長門「だから…休み」 そういい終わると長門とは扉を開け出て行った。 いま思えば、こ...
  • 届かぬ想い
     耳障りな着信音。僕のつかの間の眠りはそれによって破られた。 「神人」を退治するために機関に所属している以上、  緊急の呼び出しには慣れていたはずなのにスッキリと目が覚めていない事にちょっとした驚きを覚える。  ……でも、真夜中に閉鎖空間が出現――すなわち彼女が悪夢を見る――のは確かに久々だ。 「やれやれ」とは彼の口癖だが、ちょっとくらい拝借しても問題はないだろう。  携帯を手元に引き寄せ、相手をろくに確かめず通話を始める。 『あ、もしもし。古泉くん?』  受話器から流れる声は想像もしていなかった人の物だった。 「はい、古泉です。どうしました、涼宮さん?」  そう、相手は紛れもなく涼宮さんだった。電話を耳に当てたまま時計を確認する。  ……午前二時。ええ、あなたが望むのなら望遠鏡を担いで踏み切りまで行きますよ?  それが僕の『仕事』ですから。でもちょっと非常識な時間ですよね。 『うん、ごめ...
  • ミヨキチの暴走~ミヨキチend
    「今の俺には三人を選ぶことは出来ない。でも俺はミヨキチが好きだ」 俺の言葉にハルヒも佐々木も信じられないという顔をしている。当たり前だろ?相手は小学生だぜ? ミヨキチは俯いていてどんな表情をしているかわからない。 「キョン、君は本気で言っているのかい?」佐々木が真剣な顔で聞いてきた。 ああ、本気だ。「あんた…正気?」スマン、ハルヒに佐々木。俺はいたって正気だ。 「いいかい?キョン…」「アンタね!下手すれば…」二人して俺に説教してくる。 二人とも落ち着け!俺はまだ全部言い切ってない! 「「へ?」」間抜けな顔をするハルヒと佐々木。ミヨキチも顔を上げてこっちを見ている。 「いいか?口を挟まずに、まずは俺の話を聞け。確かに、俺は高校生でミヨキチは小学生だ。付き合うわけには行かない」 ハルヒと佐々木はうんうんと頷く。ミヨキチは不安そうに俺の話を真剣に聞いている。 「だから、ミヨキチには、ミヨキ...
  • 繋ぎとめる想い
    『A Jewel Snow』の後日談的話です。   時は12月の24日。世間がクリスマスイヴだと賑やかになり、 幸福に過ごす者、それに嫉妬する者、働くことに追われる者。 様々な人たちがいる。そして今、俺は珍しく昼から街に出ている。 つい1週間と少し前、晴れて恋人となった人と歩いているからだ。 俺と腕を組んで満面の笑顔を浮かべている美少女、涼宮ハルヒである。   「繋ぎとめる想い」   「ねぇ、キョン。次はどこ行こうか?」 満面の笑顔を浮かべながらハルヒが聞いてくる。 昼に会ってからこの調子でずっと連れまわされている。 「あ、ちょっと見てキョン!あれ面白そうじゃない?」 とハルヒが指差したのは置時計だ。中からサンタが出てくる仕掛けらしい。 随分と期間限定でしか使えない感じの時計だが、売れるのだろうか。 しかし、腕を組みながらあっちこっち歩き回るその様は目立つカップルである。 ついでに女の方...
  • 涼宮ハルヒの日記
    いつもの放課後のSOS団の活動中の事だ。 日頃のフラストレーション溜まっていたのだろうか? 自分でも理解不能なイライラの全てを我等が団長涼宮ハルヒにぶつけていた。 俺が冷静さを取り戻した時にはもう部室にハルヒの姿は無く、背後に3つの憤怒のオーラを感じた。 俺は恐る恐るそのオーラがする方へ振り向いた。 その瞬間、いきなり長門が広辞苑の角で俺の頭を殴った。 なにしやがる!?と言おうとしたら今度は朝比奈さんがお茶入りの湯飲みを投げつけてきた。 それから逃げようとしたら古泉が俺の前に立ちはだかり俺の胸倉を掴んでこう言った。 「何やってるんですか!?今回の事はどう見てもあなたに全ての非がありますよ!今度こんな事したら閉鎖空間に置き去りにしますからね!!」 見事なジェット○トリームアタックだな。 いや、そうじゃない・・・ 「何やってるのかだと!?それは俺自身が一番知りたいさ!!」 そう言って古泉の手を...
  • 想い出は、雪とともに 第二章
      長門が俺の前から姿を消してから、四回目の春を迎えようとしていた。俺は大学に進学したものの、長門と別れて以来何もする気が起こらず、留年を繰り返していた。 そして、暇さえあれば長門と別れたこの公園へ来て、ベンチに腰掛け、長門と過ごした日々を思い返している。 最初のころは、谷口や国木田や古泉等が俺のことを心配して、ありきたりなアドバイスを色々してくれたが、やがてみんな諦めて俺の前から去って行った。ただ一人を除いては…… こうやって長門との思い出に浸り街を眺めていると、そのただ一人の例外が、高校生だったころと同じように坂道を登ってくる。そして、あの頃とおなじように笑顔で俺に声をかけるのだ。 「お待たせ!」 「別にお前を待っていたわけじゃないぞ」 俺もあの時と同じようにぶっきらぼうに答える。そんな俺の様子を見て、ハルヒはあきれたように両手を広げて首を左右に振った。 「まあ、別にいいけどね」 ...
  • サムデイ・イン・ザ・スコール
     ザァア─────ーー……‥‥    土砂降りの雨。  とある駅前。  周防九曜は、濡れるのもかまわずに、ただ突っ立っていた。  天蓋領域の指示に基づき、観測を行なっているのであった。天蓋領域の関心は地球上の様々な事象に及んでおり、その観測は唯一の端末である彼女の仕事となるのである。  ずぶ濡れで突っ立っていれば、それだけで周囲の注目を集めそうなものだが、周囲の人間たちは誰も彼女を気に止めない。彼女は、デフォルトが半ステルスモードであるからだ。  そんな彼女を目にとめることができる人間は非常に限られていて、今日は偶然にもそのごく限られた人間がそこを通りかかった。   「九曜さん。そんなところで何をしてるのかしら?」  周防九曜は、顔をあげて、相手を認識した。  佐々木と呼ばれる人間であることを認識するまでにかかった時間は、3秒ほど。 「────観測────」 「九曜さんは風邪を引くとい...
  • @wiki全体から「雪解けの想い」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索