ハルヒと親父 @ wiki内検索 / 「かなしいうた」で検索した結果

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  • かなしいうた
    母さん ハル、考えごと? ハルヒ うん。 母さん 昨日はキョン君とデートだったんでしょ? ハルヒ デートじゃないわ。二人で出掛けて、街の中歩いたり、買い物したり、帰りにちょっとカラオケに行っただけよ。 母さん それにしては、浮かない顔ね。かといって悩んでるわけでもなさそうだし。 ハルヒ だから、まさに「考えごと」よ。 母さん そうなの? ハルヒ キョンってあんまり歌がうまくないの。音痴って訳じゃないけど、淡々としすぎてるというか、情感がこもってないっていうか。ついでにレパートリーもそんなに多くなくって、いつも決まって歌う曲があるの。それを、いつものように、昨日も歌ったんだけどね。 母さん ええ、それで? ハルヒ ううん、昨日はそれだけ。何かあったのはさっきよ。めったに聞かないラジオをつけたら、昨日、キョンが歌った歌が流れてきたの。本物のが。曲も歌詞も自分で書く人みたいね。ものすごく悲しい歌...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー6
    ...通用しなかった!/「かなしいうた」のメッセージは「泣くことができる場所が此処にあるということを教えてあげなさい」的メッセージでしょうか? ニアミスでもしていることを祈りつつ送信。 -- nov (2009-11-09 00 19 49) >novさん >同じ事を繰り返して飽きることがないのがバカップルの定義/読み手はそれを共有しないわけで江口寿志が描いてましたね。ミュージシャンはアンコールに、同じ曲を演奏してもブーイングが起きないけど、漫画家はそうはいかない、と(笑)。書き手もまた、同じことを繰り返す訳にはいかないんで、円の中心を少しずつズラしながら、と思ってるんですが、これが「2人は暮らし始めました」が30日分書けたら天狗になるだろう、という根拠です。 >カツマー長官がカツマーからハルヒになっていくのが可笑しくて仕方ないです(笑)。オヤジはどんな顔して、このシナリオを書いて...
  • SS(二次創作)「ハルヒと親父」シリーズの物置
    ...マジで恋する5秒前 かなしいうた 夢魔が降る夜 +その他のSS かなりばか系 その男、文系につき SOS団がカラオケへ行く スモール・トークス ラブレターズ 歴史改変阻止シリーズ 技術の長門 おれがあいつであいつがおれで 背中合わせ 逆チョコ バカップル度チェック 7月20日 Tシャツの日 一言違いシリーズー伝染病 一言違いシリーズークラークの法則 長門有希の解答ーおっぱい 技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走 ミルク搾りの女の子 青少年愛護条例 ハルキョン版アリとキリギリス 銀河の中心で愛を叫ぶ バカップル度チェック(初心者篇) ならんでる +その他のSS カオス系 涼宮ハルヒの禁欲 涼宮ハルヒのいちゃつき 涼宮ハルヒの中継 かつてなく積極的な ツンデレエンザ キス銀行 6月6日 かえるの日 クイズ大会 アルプスの少女ハルヒ ハルヒ番長 こちら七曲署SOS課 ...
  • 先延ばしの詩(うた)
    ハルヒ このバカキョン! あんたはいつもいつも、なんでぎりぎりになるまで放っておくのよ! あんたのその「ぐずぐず主義」はアメリカあたりじゃもう立派に治療の範囲よ! キョン そんな、オーバーな。 ハルヒ オーバーでもなんでもないわ。ぐずぐず主義ってのは、procrastinationの訳語よ。アマゾンで探してみなさい。200を優に超える「なおし方本」が見つかるわ。ちなみにあんたみたいなのはprocrastinatorっていうのよ。日本語に訳せば「ぐず」ね。 キョン 英語を経由する意味がない! オヤジ 休日に騒がしいぞ、ハルキョン。まったくおまえら「トムとジェリー」か? ハルヒ 何よ、それ? オヤジ 往年のスラップスティック・アニメだ。ちなみにスラップスティック・コメディを「ドタバタ喜劇」と訳したのは淀川長治だ。 ハルヒ どうでもいいのよ、そんな雑誌の一行知識みたいなのは! オヤジ ついでにラ...
  • 二人でドライブ
     居間でごろごろしながら携帯でネットを見ていると、母さんが声をかけて来た。 「ハル、午後、3時間くらい時間ある?」 「いいわよ。車でしょ? 買い出し?」 「悪いわね。キョン君はいいの?」 「それくらい離れて暮らした方が愛も深まるってもんよ!」 「あの……3時間だけでいいのよ」  最近、車の免許を取った。キョンと一緒にだけどね。  母さんも免許は持っているけれど、運転は得意でないらしい(大抵の事は何でもこなすのに、めずらしいこともあるもんだ)。  親父は、居れば居るでうっとうしいくらい構ってくるけど、普段は滅多に家にいることがないから、あたしが小さい頃を除けば、うちには車は無い期間が長かった。  で、免許取得と同時に、新車がやってきた訳。 「どうせ3分も経たないうちに、ぶつけてぺしゃんこになるんだから、紙製でいいぞ、紙で」 と親父はまた馬鹿な事を言ってたけれど、も...
  • ラブひげ危機一髪(二人は暮らし始めました)
    「なんだ、また古泉から小荷物か。今度はどこの強壮剤だ?……『ラブひげ危機一発』?」 「あんた、なにしてんの?」 「ハルヒ、いや、古泉からまた怪しげな小荷物がとどいてな。中身をたしかめようと開けたところだ」 「今度はどこの精力剤?」 「いや、どうも、そうじゃないらしい。『ラブひげ危機一発』ってなんだ?」 「あんた、「黒ひげ危機一発」も知らないの?」 「それは知ってる。ナイフを順番に刺していって、『当たり』の場所に刺すと黒ひげが飛びだすゲームだろ」 「黒ひげがが飛びだしたら、そいつの負けだから、むしろ『はずれ』ね」 「こいつは、そのアレンジ版か?」 「そうね。簡単に言うと、『黒ひげ危機一発』に『王様ゲーム』を足しこんだみたいなものね。まあ、試しにやれば、どういうものか、察しの悪いあんたにも分かるでしょ」 「おう、やってみるか。……ハルヒ、突き刺すナイフになんか書いてあるぞ」...
  • スポンサーから一言 その6
    スポンサーから一言 その5から 《登場人物のおさらい》 絵描き:女Dの転落させ殺した疑いで起訴中 女A:7年前、絵描きと心中 女B:絵描きの現在の愛人。手首を切り自殺。 女C:女Aの妹。女Bと同じ日に転落死(自殺?) 女D:女B、Cと同日に転落死。  「探偵小説にいまでも時々あるだろ。『あるべきものが、そこにない方が不思議だ』ってやつ。絵描きの部屋は当然調べられたが、押収品にAを描いたものだけが一切なかった、スケッチすらもだ。心中ですでに関係は精算されて、今や新しい愛人が居る身だ。ない方が当然か? そもそも何故、こいつは心中なんてしたのか、じゃまになったAを殺すだけが目的だったのか? それなら今回はなぜ心中してないのか? 同時に複数を「自殺」させるなんて手間のかかる手段をとったんだ? 今や愛人が複数居て、順番に殺していくと、他の愛人に企みを気付かれると思ったか...
  • ハルヒ先輩9(最終回)
    ハルヒ先輩8から  「じゃあ、おねがいします」 「はい、確かに。いってらっしゃい」 「……母さん、いまのキョン?」 「ええ。毎朝、けなげにお弁当を届けに来る子なんて他にいないわ」 「もう、自宅にいるんだから、必要ないのに……」 「とは言うものの、毎日しっかり食べるのね」 「だって……残したりしたら、あいつ、悲しそうな顔するもの」 「はいはい。ごちそうさま」 「……母さん、あたしって、わがままかな?」 「どういう意味で言ってるのか分からないけど……そうね、多分」 「キョンは何であたしみたいなのと、付き合ってくれてるの?」 「さあ、そればっかりは。……わたしも、お父さんがどうしていっしょにいてくれるんだろうって、ときどき思うわ」 「あたしは母さんが、あの親父といっしょにいるのが、いまだに理解できない」 「そう? 前にお父さんが言ってたわ。『好きってやつだけは...
  • 親父さんと谷口くん3
    親父さんと谷口くん2から 「今度は思い出した。素人童貞の谷口だな」 「すみません。そんな、いきなり謝らなきゃなくなるような冠は、まだ付いてないです」 「それがいい。若いうちからエッチしてると、男と女のことを『わかった』ものとして軽く考えがちだ。『わかりきった』と思っているところにドリームは生まれないし、子供も生まれない、とみうらじゅんも言っている」 「いや、あの、すみません。直裁に言います。女の子にもてたい、否、女の子をものにしたいんです! どうか、俺みたいな者にも、すぐに役立つお知恵を」 「つまり、こういうことか。熱愛中のラブラブ・カップルの女性側の記憶を書き換えて、恋心のあて先を、そのうらやましい男からおまえに振りかえて、恋人を横取りする方法とか、そういうのが知りたいのか?」 「げ、外道ですね。そんなことが、できるんですか?」 「できるかどうかの問題じゃない。して...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その20)?
    一番シビアな評価をするのは自分でしょう。ですから他人のシビアな評価なんて、本当は必要ないんですね。ウソでもいいから、持ち上げた評価が欲しいんです。それでなくても倒れようとしているところですから、シビアな評価されたら、本当に倒れちゃう。    -----井上陽水『ラインダンス』(新潮文庫)  いやもう、陽水のこのコトバをメモしておくためだけに、このページを立てたようなものです。  「的外れだけれど辛辣な批評」というのは、どうでもいい、というか、どうしようもないのですが、同じくらいヘタな場合、より辛辣な方が批評っぽく見えるらしいんです。でも、これはまったく誰の役にも立たない。人は、悪意や敵意を満たすためなら、もう少しましな手を選べるはずなんです。その努力をすべきです。  ドゥルーズ&ガタリという、哲学のサーカス団みたいなコンビがいるのですが、いつも、いくつかの涙がこぼ...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その4)?
    ハルヒと親父3 — 家族旅行プラス1の場合  最初に浮かんだのは、 「よお、ベルちゃん久しぶり」 「何度も言うが、おれは鈴宮じゃなくて涼宮だ」 という耳で聞いたら全然分からないやり取りです。これは会うたびに繰り返されている軽口なんでしょう。これだけで「親父と怪しい仲間たち」の短くない、冗談みたいな本気みたいな付き合いが、親父書きの頭に、ぱあと広がりました。  この無意味にハードボイルドっぽい(とそのときは思った)設定を生かすには、逃げる者と追う者の追っかけサスペンスだ、ということで、親父にキョンが拉致られてハルヒに追っかけられる話を思いつきました。「スピンアウトもの」とした話です。  ただこれは挫折しました。はじめとおわりはすぐ決まったのですが、サスペンスは、中盤の持続というか、どう話を進ませず読み手を引っ張るかがキモでそこのところがうまく書けませんでした。...
  • できちゃった エピローグ
    できちゃった その6(最終回)から  墜落事故から1年後、キョンに双子の娘、母さん、それにあたしは、カルフォルニア州バークレー市の地を踏んでいた。親父は仕事が忙しくて(ざまあみろ)日本に置いていかれることになった。 「なんて逆=単身赴任だ!」 「キョンをこき使って、サボってるから、こういう目に合うのよ」 「おまえなあ、どの口でいうんだ?」 「この口よ」 「アヒル口かよ。だいたいサボってないだろ。入院してただろ」 「その間もキョンはバイトしてたじゃないの!」 「そのかわりTOEFL&SAT対策にエッセイの添削、留学向け受験勉強をキョンとお前の二人分、見てやっただろ!」 「最後の方は、マサカドさんとアカザキさんに押しつけてたじゃない」 「直前には経験者の方がいいだろうと思ったんだ」 「お父さん、いい考えがあるわ」 「なんだ、母さん?」 「会社をやめて、アメリカ...
  • 親父の英会話 Lesson 1
    オヤジ 英会話だあ、キョン? お前も特訓でそこそこ読み書きできるようになったろ。あとはカンとフィーリングと根性だ。あと、ハルヒにまかせとけば、ずっと喋ってるぞ。 キョン いや、向こうへ行くのに、それじゃあんまりかと思って。 極小の英会話 オヤジ まあ、あんまりだけどな。うーん、いいか、キョン。極端な話、無人島では言葉はいらん。逆に言えば、どうしても言葉が必要になるのは、つまるところ自分一人ではダメで、誰か(がちゃんと存在して、そいつ)に何か頼みたいときだ。だから、英語圏のガキはまず最初に「Please」と「Thank you」を学ぶ。 何か欲しい時は、指差して「This one, please.(これ、ほしい)」だ。これさえ知っときゃ、最低限なんとかなる。現にパック旅行できてる連中なんか、プリーズとハウマッチしか言わん。あとは金にモノをいわせるんだ。 キョン 極論ですが、なるほど。 ...
  • 二人は暮らし始めました 8日目
    ハルヒ あー、昨日の焼肉はおいしかったわね。ついつい食べ過ぎちゃったわ。 キョン 食い放題に底なしモードで挑めば当然だな。それにしても太らないな。 ハルヒ あんた、こないだから、そればっかりだけど、あたしに太って欲しいの? スレンダーと言えば聞こえは良いけれど、実は抱きしめると骨があたって痛いとか? キョン モデル体型の意外な盲点だな。いや、おまえの場合は、いろんな場合と場所で、それぞれに何かもかもが、ちょうどいい具合だと思うが。まあ、太っても痩せてても、ハルヒはハルヒだけどな。 ハルヒ そ、そんな、よく言うような頻出で月並みなこと言ってもダメだからね! キョン ダメって、何がダメなんだ? ハルヒ うっさい。と、とにかくダメ、ダメなの! キョン たとえダメと言われようが、ハルヒはハルヒだけどな。 ハルヒ あんた、重ね重ね、そういうことを。あたしを憤死させよ...
  • 親父の英会話 Lesson 9
    親父の英会話 Lesson 8から 英単語をバラす/組み立てる オヤジ 「意味の幅が広くて、文脈ごとに相手が意味を汲み取ってくれる、日本人なら中学英語で習うような単語」の話を何度かしたな(Lesson 3、Lesson 4、Lesson 6)。 キョン ええ。おなじみで意味の幅が広くて、応用が効くし、毎日出会うから、学べば成果がすぐ感じられる、て。 オヤジ もしも、おまえさんが科学論文なんぞ書くのなら、その業界の、その文脈ならそれしかあり得ない単語、って奴を使わないとまずい。言葉遣いは、どこでも「仲間」か否かを判断する最重要なサインだ。それをはずすと撥ねられる。厳粛な宗教儀礼でヘマをするようなもんだ。科学への冒涜とすら思われかねん。書く英語は、互いに顔色や追加のやり取りをして、真意を確かめようがないから、文脈依存の度合いが高い多義語は使わない方が無難だ。逆に日常会話では使われる。...
  • For piano four hands
    腕の腫れ、氷の癒しから 「ハル、もう筋肉痛はいいの?」 「すっかり全快よ! 今ならリストの超絶技巧練習曲どころか、ソラプジの超絶技巧百番練習曲だって楽勝よ!」 「うーん。ソラプジを楽勝で弾くのはソラプジ本人にも無理っぽいけど。それに100曲あるから、全部弾くと7時間以上かかるわね」 「で、母さん、やる曲は決まったの?」 「演奏したいのは、いくつかあるのだけれど。……そうねえ。ハル、ドビュッシーの『牧神の午後への前奏曲』を、ラヴェルが連弾用に編曲したのがあるのだけど」 「母さん、前に一人で弾いてたことあったね」 「ボーウィックがピアノ独奏用に編曲した方ね。10本の指の限界に挑戦、みたいな感じだったけど」 「あれ、よかったわ。ちゃんとドビュッシーに聞こえたもの」 「ありがと。あなたに褒められるのが一番うれしいわ。私たちもドビュッシーに聞こえるかどうか、やってみましょう...
  • ほめられちゃった
    Haruphilic SS で「ハルヒと親父」シリーズがほめられてました 「涼宮ハルヒのSS in VIP雑談所」で 「収束」(『涼宮ハルヒ』シリーズの二次小説ブログ)さんにほめられました 「ほめられちゃった」というより「ばれちゃった」? 龍泉堂奇譚の蔵人さんに褒めてもらっていた ブログ モンゴル猿が皿鍵と日常を語るさんに「ほめられちゃった」というより「脳みそがキャストオフするような衝撃」をあたえた? Haruphilic SS で「ハルヒと親父」シリーズがほめられてました そうなんです、そういうのを狙って書いてます。 それが届いてるみたいなのが、うれしい。 Haruphilic SS というブログさんなのですが、 そのブログは、はすでになく、この度、復活されましたが(当wikiへリンクいただいているばかりか、「定点観測」され、SS毎にコメントをいただいてます。)、...
  • 留守番(二人は暮らし始めました)
     「……ハルヒ?」  手が隣が居る誰かを探していた。  気が付いて、目が覚める。 「そうか。あいつ、帰ってたっけ」  あの親父さんがインフルエンザだとかで、「タダでさえ体の弱い母さんにうつしたら大変」だからと、親父さんは一室に隔離され、食事を出したり着替えを出し入れしたりをハルヒがやることになった。 「おまえにうつったら意味ないだろ?」 「あたしはそんなマヌケじゃないわ。親父のタミフルひったくって先に飲んでおくから。親父? タミフルなんかに頼らず気合で治させるわ。この暮れの忙しいときに呼び付けるんだから、それぐらい当然よ。それにタミフルの服用は、症状は劇的に改善するけど、治癒についていえば平均で1日だけ治りが早くなるくらいの効果しかないの」  あわれ、親父さん……。  あいつと暮らし始めて、8ヶ月。  のべつまくなし、ほとんどあらゆる時間を一緒に居...
  • 涼宮ハルヒの中継
     新聞部・放送部の合同企画、後援北高生徒会でお送りしております「北高、あの人に聞け」。  今回は第50回を記念し、何人もなしえなかった危険極まりない暴挙、見た目はスレンダーなくせに出るとこ出たどえらい美少女、中身は修羅か般若か阿鼻叫喚奇天烈魔人と称されるSOS団団長に単独独占インタビューを試みんばかりのラグナレク神々のたそがれだあ! 部室棟の廊下を一歩、また一歩と近づく先には、おおっと、北高七不思議をすでに五つも塗り替えた、あのSOS団に、占拠占領された、これが文芸部部室かあ!  さあ、今まさにドアノブに手をかけようとしているしているところだあ! ん、固い、開かないぞ、これはどうしたことだ!? さっそく唯我独尊平成の金剛曼陀羅卍固め涼宮ハルヒの逆鱗にふれたのか、部室のドアまで金しばりだ! おっと、ドアが今ものすごい勢いで、蹴り開けられた!中からは、成層圏を突き破らんばかりに...
  • 親父語録保管庫
     本シリーズの親父さんは、ほっといてもどんどん喋ってくれる、作者にとっては、こんなに楽なキャラクターもないのですが、いかんせんその発言の廃棄率は高いです。  使えないもの、ストーリーには要らないのでカットされるもの、使いたくないもの、と様々ですが、  「もったいないもの」をトップページに表示して、あとはこの「保管庫」に保管していこうかと、思います。 「人生の98%はゴミみたいなもんだ。だが最悪なのはそこじゃない。残りの2%があることに気付かないまま、そして、あきらめたまま死んでいく。これこそ最悪だ。 おい、目を覚ませ。立って支度しろ。人生の2%がはじまるぞ。 」 (2010.04.01) 「もうすぐ時計を飲み込んだワニの野郎がやって来て、聞きたくもないことを告げに来る。お互いネバーランドで暮らすには手足が伸び過ぎた。----大人になる時間だ、ってな」 (2010.03...
  • 親父の英会話 Lesson 7
    親父の英会話 Lesson 6から 節約する英語ーワーキング・メモリを溢れさせないために 定型フレーズをつかう目的 キョン 一番最初のときに、親父さんは、ちゃんとした文を作ろうとするからつまるんだ、と言ってましたね。 オヤジ そうだな。今日は少し趣向を変えて、英会話の理想と現実、の話をするか。  まず英語の処理能力が小さいうちは、単語数個、ヘタすりゃ2〜3個で脳のワーキング・メモリがいっぱいになる。これは日本語を英語に訳してたり、文法的に正しいか気にしたり、発音を気にしてたり、英語以外のことにも使ってる(メモリが消費されている)ことがある。「ちゃんとした文を作ろうとする」ってことは、こういう側面もある訳だ。  無論、英語が「できるようになる」とワーキング・メモリをもっと効率的に使えるようになるんで、長い文章でも聞きながらどんどん処理していけるようになるんだが、こうなるには、...
  • ツンデロイド
     このどうみても人間にしか見えない、いやもうはっきり言ってしまおう、あの涼宮ハルヒにしか見えないロボットが、俺の部屋で今、目を閉じて床に横たわっている。何故かは分からん。とりあえずマニュアルを読むぞ。 「これはツンデロイドよ。そこ、間違ってもロボットなんて呼ばないように。呼んだら死刑だからね!  新型のアンドロイドと考えてもらって間違えじゃないわ。従来型とは、人間っぽさが段違いだけどね。入手したら、まずリセットボタンを押してちょうだい。これで再起動するわ。  再起動して間なしのツンデロイドは、簡単に言うとツン成分が100%の状態ね。愛情を注いでやさしく接してあげると、次第にデレ成分の割合が増えていくというわけ。デレ100%までいくと、地上に一組バカップルが誕生することになるわ。  とにかくやさしく接すること。わかりにくいのはダメよ。ストレートでないと通じないんだからね。あと...
  • 掲示板/足跡帳
    お立ち寄りいただいた方々のための足跡帳 ([+]をクリックで展開、[-]をクリックで畳込み) -2009-05-16〜2009-06-07の分 2009-05-16〜2009-06-30の分(別ページ) -2009-07-01〜2009-07-31の分 2009-07-01〜2009-07-31の分(別ページ) -2009-08-01〜2009-08-31の分 2009-08-01〜2009-08-31の分(別ページ) -2009-09-01〜2009-09-30の分 2009-09-01〜2009-09-31の分(別ページ) -2009-10-01〜2009-10-31の分 2009-10-01〜2009-10-31の分(別ページ) -2009-11-01〜2009-11-30の分 2009-11...
  • 彼と彼女と彼女のメール
    To:キョン  4月に入って1週間も経ったわ。なのにキョン、あんたから一通もメールがないって、どういうこと!?   あたしだって入学式だの単位登録だの、その他で忙しいかったわよ!  このアホキョン、なんとか言いなさい!! To:ハルヒ  すまん  大学が始まって早々事故っちまった。  相手も俺も大した怪我じゃないから心配すんな。 To:キョン  ちょっと事故ってどう言うこと?相手って、誰かに怪我させたの?人身事故じゃないの?なんで、そんな大事なことを。 To:ハルヒ  相手は同じ大学の学生だ。怪我も、もう大丈夫だから。 To:キョン  そう。無事なら無事で、それでいいわ。  それより、G.W.には帰ってくるんでしょうね? To:ハルヒ  ああ。 To:キョン  わかったわ。詳しくはその...
  • 二人は暮らし始めました 4日目
    「ハルヒ、いつもネットで何見てるんだ?」 「内緒」 「おいおい。『一緒に暮らす以上お互い隠し事はなし』っていったのは、おまえだぞ。といっても、俺の方は、すでに隠すような余地は何もないわけだが。『あたしと住むんだから、この手のものは必要ないわね』って随分捨てられたし(谷口すまんな)。で、今は何見てるんだ?」 「プライバシー」 「けんもほろろ、かよ。んなこと言われると、余計に見たくなるんだよ。えーい、実力行使!」 「あー、後悔するわよ」 「誰だ、このマヌケ面? って、俺かよ! というか、ライブカメラな現在の俺かよ! どこで撮ってるんだ?」 「そんなの、アングルでわかるでしょ」 「って、パソコンのディスプレイのすぐ上に乗ってるじゃないか。なんで、気付かなかった、おれ?」 「灯台下暗しってとこね」 「いや、まて。高校時代もか。部室でも、おまえ……」 「ふっ。ご想像にお任せする...
  • 二人は暮らし始めました 10日目
    ハルヒ うちは女二人に男一人よ。 キョン 俺のところは、男女二人づつだな。 ハルヒ うちではトイレの便座は、普通降ろしてあるわ。 キョン おれのところは、上げてある。 ハルヒ あんたん家は、なんで便座を上げてるの? キョン 知らん。父親に対する、わずかばかりの敬意の表現じゃないか。 ハルヒ 妹ちゃんは、あんたと結構歳が離れてるわよね。上げたままだと、小さい頃危なくなかったの? キョン ああ、トイレトレーニング用の奴があるだろ。あれ取り付けるには、便座を上げとかないといけなかった。その名残かもしれんな。……しかし、これは今決めなきゃならない問題なのか? ハルヒ 甘いわね、キョン。新婚、同棲に関わらず、男と女が暮らし始めたとき、もめごとの種になる第3位が、この「トイレの便座は上げたまま(男性優位)それとも降ろしたまま(女性優位)」問題よ。事は生物の根幹に関わること、しかもはっきり口するのが憚ら...
  • Sweet Pain
     「ただいまぁ……」 「不機嫌な声で、バカ娘がご帰還だ。やれやれ。キョンの奴、へまやったかな?」 「そうかしら。たくさん笑った日ほど、帰り道はさびしいものよ」 「なるほど。……だったら送らせりゃいい」 「そして、その先は『泊まらせりゃいい』、『いっしょになればいい』ね」 「うーん。母さん、失言した」 「……何、バカなこと言ってんのよ?」 「おかえりさない、ハル」 「ただいま、母さん」 「息災か、バカ娘?」 「大きなお世話よ」 「どうだ、この違い?」 「仲のいい父と娘だって、ご近所でも評判よ」 「「どこが!?」」 「……そういうところも」 「「……」」 「ハル、お夕飯は?」 「あ、ごめん。食べてきたの。連絡忘れてたわ」 「そう。次は思いだしてくれるとうれしいわ」 「ごめんなさい」 「あら、お父さん、お風呂?」 「いや、上でラブプラスでもしてくる」 ...
  • 涼宮オヤジの20冊
    ホメロス『オデュッセイア』 エリック・ホッファー『波止場日記』 ホメロス『オデュッセイア』  ホメロスは世界で最初の、しかも最高の文学者だ。ここで神話と文学は分かれる。  古代ギリシアの悲劇も叙事詩も、ともに神の血を引く人間たちの姿が英雄的に描かれる。  だが、『オデッセイア』は違う。この主人公は、どんな英雄も、巨人も、精霊も、神をも向こうに回すが、その終始違わぬその望みは、愛するものがいる故郷へ、我が家へ帰り着くことだけだ。なにしろ戦争に駆り出されたくなくて、アホの振りをしたくらいだ。  多くの神に愛され守られていたトロイアは、この男オデッセウスの知謀なしには、決して攻略されなかっただろう。そのせいで神の恨みを買ったこいつは、10年間の戦争の後、さらに10年、世界中の海を彷徨い、恐ろしい一つ目の巨人や歌声で魅了し船という船を難破させるセイレーンなんかに遭遇する羽目になる...
  • 新落語シリーズ「松山鏡」
     越後の国は松山(まつのやま)村に、キョンという、へんな名前の、まことに素朴で孝行者がおったそうでございます。  さて、その評判が領主にも聞こえ、褒美を与えようという話になりました。  「松山村のキョン、ならびに村役人一同、ばっちり付き添ってるねっ!」 領主役はいうまでもなく鶴屋さんでありまして。 「ははあ、一同、付き添いましてございます」 「キョン、面(おもて)をちょいと、上げてくれないかなー」 「はい」 「なるほど、なるほど。キョン、って顔してるねえ。なんでも、めがっさ親孝行なんだってねえ?」 「いえ、両親とも、十分な孝行をしないうちに、亡くなりました。何分、貧乏暮らし故、うまい酒を飲ませたことを、うまい魚を食べさせたこともありません」 「ふーん、随分早いうちに親を亡くしたんだねえ。で、それ以来、墓参りを欠かせたことがないって言うじゃないかぁ! まったく領...
  • 二人は暮らし始めましたー場外ー親父が来る その1
     夕食後のコーヒーを楽しみながら、いつものように、どうでもいいことを話していると、ハルヒがふと、思い出した、といった顔をしてみせた。 「そういえば、こないだは花火見にでかけちゃて、あんたの怪談を聞かずじまいだったわね」 「別におれの方は、聞かせたくなるような怖い話はないぞ。だいたいおまえを怖がらすメリットがない」  むしろデメリットの方が激しくあるんじゃないだろうか。怖がっておれに抱きついてくるタイプじゃないし(ああ、そんなゆるいツンデレなら、世界は幾度も危機に陥ったりせん)、むしろパニックに陥って手当たり次第(おれを含めた)周囲のものに攻撃をし出すことの方を危惧するぞ。 「このあたしを震えあがらせるようなやつを希望するわ」 「だからおれの話を聞けって!」 「団長に二言なし!どっからでもかかってらっしゃい!」 「聞く耳なしだろ!……やれやれ。その言葉、後悔するなよ」 ...
  • ハルヒ先輩
     「キョン、あんた、ちゃんと弁当つくってきたんでしょうね?」  デカイ声でいうなよ。まったく、ちょっとは気を使って欲しいぞ。 「ふふん、相変わらずうまそうね。あんたに先に料理を仕込んだのは大正解だったわ! ほら、あんたの分もあるんだから、しっかり食べなさい!」 「『あんたの分』じゃなくて、どっちも俺が作ったんだ! あと、俺たちはまだ4限目、授業があるんだよ」 「却下。アホ教師の授業なんて聞く意味なし。遅れないように、後でしっかり教えてあげるから、とにかく座りなさい」 「授業に遅れなくても、出席日数に響くんだよ」 「そんなもの、なんとかなる。いざとなったら、なんとかし・て・あ・げ・る」 「それが怖いんだよ」 「まだ、何か?」 「わかったよ、食べる、食べるから」 「待った、あんたの席は、ここ」  うわ、この人、自分の太もも叩いてますよ。おれたち、どこのバカップルですか? ...
  • 涼宮親父の修業時代
     ああ、親とケンカはいつものことだったが、いい頃合だし、18で勘当ってことになってな。  ドイツの大学は学費がいらねえ、ってのを誰かに聞いてたんだ。かなり後になってからフランスもそうだったと知ったんだが、大失敗だったな。食うものにはこだわらない方だが、フランスのめしの方がうまいくらいは俺にも分かる。  そう、ドイツ語どころか、英語も怪しいもんだ。知ってたのはハロー、プリーズ、サンキューだけだ。金があるうちは、パック旅行の旅行者と一緒で、その程度でもなんとかなるが、金がなくなるとな。ホワットとハウを知って、飛躍的に語彙が増えた。「今、なんて言った?」「そりゃ、なんだ?」「どんな風に(どこで、だれに、どんな場合に)使うんだ?」としつこく聞くんだ。ヘボンって医者は、それだけで最初の和英辞典を作ったらしいが。  ドイツ語はもうちょっとましで、大学に付属してる留学生向けの語学コース...
  • ハルキョン家を探す その2
     涼宮家の魅惑の夕食が終わり(今夜は和食、とっても大変そうな懐石風だった)、ハルヒがガリガリ引いたばかりの豆で入れたコーヒーを飲み、今度は俺たちがなんだか皿の上に乗せられているような心持ちだった。人生で起こることは、すべて皿の上でも起こる、と言ったのはだれだったか。 「うん、おもしろい」  ハルヒの親父さんが発した一声はこれだった。 「ひさびさに早く帰って来たら、夕食は魅惑の懐石料理で、その上願ってもないスペシャル・ゲストがいて、バカ娘までしおらしい、と来る。俺は今日のを最後の晩餐にしてもいいくらいの心持ちだよ、母さん」 「なんですか、お父さん」 「キョン君のふとんを敷いてやってくれ。今日は寝ずに語り明かそうな、なっ、キョン君」 「すみません。その前に、お話が」 「おお、何だろう? 俺の向かいにはキョン君がいて、その左隣にはうちのバカ娘。母さんはどこにすわるんだ?...
  • できちゃった その5
    できちゃった その4から 「両親教室? 何だ、それは?」 「実質は父親教室みたいなものらしいんですが。いままで妊婦さん向けの母親教室は、どこの産婦人科でもやってたんですが、それだと父親になる側が、母親になる側と、知識にしろモチベーションにしろギャップが広がってしまうんで、両方が参加する教室を導入しているところが増えているみたいなんです。両親教室への参加が、立ち合い出産の条件になっているところも多くて」 「まあ、何も知らんバカを出産に立ち合わせても、騒ぐだけで役には立たんしな」 「あんたの場合、役に立たないどころか、追いだされたんでしょ?」 「バカ娘、それは正確とは言えん。母さんから『もう大丈夫』サインが出たんで、おとなしく退散したんだ。な、母さん」 「ええ。さすがにわたしもハルヒを生むのに集中したくって」 「ほら、見なさい。キョン、あたしたちは二の轍は踏まないで行く...
  • スポンサーから一言 その3
    スポンサーから一言 その2から  親父さんは、その後ずっと無言だった。弁護士先生の事務所に立ち寄り、資料をものすごい速さで捲っているときも、その後も。  帰り際、弁護士先生は、弁解がましく、こう言った。 「悪く思わんでくれよな、キョン君。おれは金が好きだし、負けるのは嫌いだが、そっちは俺の人生(しゅみ)だ。おれの力の及ぶ限り自分の汗を流せばいいと思ってる。だが、負けること以上に、冤罪って奴が嫌いでね。誰がどう考えても、いけすかない野郎だが、だからといって、罪をそいつに背負わせればいいって考えに虫酸が走る。親友と呼ぶのはおこがましいが、それでも親父は、大事な友人だし恩人だ。巻き込むのは本意じゃないが、この事件は俺の手に負えないと、俺の中の何かが言ってる。親父の手を借りなきゃいかん、とな。トラウマに手を出すようなやり方はしたくなかったが、これ以上の手が思いつけなかった」 「トラ...
  • ロール・プレイング その9
    ロール・プレイング その8から 西の国の王女 西の塔に出した軍から、飛竜が戻りました。 ??? 連絡用に連れていった奴ね。それで? 西の国の王女 司令官からの書簡が届きました。「外の力を持つたった一人の男が、我が軍勢を圧し帰した」とあります。……あなたの言うとおりになりましたね。 ??? やる気が、傍目にはものすごく分かりにくいけど、やる時はやる奴だって言ったでしょ。さあ、今度はあんたの番よ! 西の国の王女 約束したことは守ります。……でも、私に本当にできるのでしょうか? ??? できるできないじゃなくて、や・る・の! ここまで来たら、腹を決めるしかないわ。 西の国の王女 ……ここまでやってきたことも、あなたが来なければ、どれもできないことでした。 ??? そうね。あんたには不可能に思えた。でも、あんたはそれをやったのよ。 西の国の王女 ……。 ??? あんたが思いを固めてやり抜...
  • できちゃった その3
    できちゃった その2から  母子手帳がいつからもらえるか、ご存知だろうか。  正解は「妊娠がわかったら」すぐにでももらえる、である。 「そんなことも知らないで、父親になろうなんて、うかつすぎるわよ、バカキョン!」  うかつなことは認めるが、そういう「うっかり」ではないような気がするぞ、ハルヒ。 「どういうことよ?」  だいたい、母子手帳が妊娠がわかったらすぐにもらえる、なんてことを知ってる高校生なんていないと思うぞ。ハルヒ、お前は知ってたのか? 「あたりまえでしょ!」  うぐ。 「子供ができたらどうなるか、どんな準備をして何をしなきゃならないのか、知らないのはまだしも、知らないでも良いと思ってるのは許し難いわね。だったら、ちゃんと避妊しなさい!」  いや、それは、あれだろ、おまえが「生」の方が良いって言って……。 「あたしは知ってるからいいのよ」  ぐう。...
  • 一人旅に必要な事 エピローグ1
    アキとハルヒ  「ねえ、ハルヒー。赤ちゃんって、いつ来るの?」 アキはハルヒの隣に座りながら、足をぱたぱたと上下に動かしてる。 「半年は先ね。それと来るんじゃなくて、生まれるの。そしてあたしが生むの」 「えー、コウノトリとか、そういうのは?」 「関与せず」 「死んでもお花畑に行く訳じゃないんだ」 「最終的には水と二酸化炭素に分解されるわね。魂はこの際、置いとくにしても」 「えーっ、アキの死生観、根底から崩壊だよ」 「大丈夫。あんたはまだ若いから、十分建て直せるわ」 「ママって随分とあたしにウソ教えたんだね。パパなんか優柔不断の二股掛け男だって教わったし、ハルヒなんかすごいヤリマン女扱いだったよ」 「ヤリマンとコウノトリね。確かにバランス悪いわね。でもウソっていうのとは、ちょっと違うのよ。アキ、蜘蛛って嫌い?」 「んー、人気無いけど、あたしは結構好き。蜘蛛の巣ってよ...
  • ハルキョン家を探す その1
     駅前の不動産屋の前で、掲示されている物件情報を親の敵のように睨みつけている奴に出会った。  誰であろう、涼宮ハルヒである。  ハルヒは自分の行為によほど集中していたのか、俺が声をかけられるほど近づいても、まるでこちらに気付かないでいた。  やれやれ、今度は何を考えついたんだ? 大方、SOS団の駅前屯所を作るのよ!これから地の利ってのがものをいうんだからね、といったようなことだろう。  悪の芽は早めに摘むに限るな。といっても大げさなものじゃない、ちょっとばかり小言を言うだけさ。だいたい、こいつは物わかりが悪い奴じゃない(逆に物わかりが激しすぎるきらいはあるが)。ただ正面から否定すると意地になって、自分でもわかっちゃいるくせに上げた手が下ろせなくなるだけの話だ。  周りの迷惑を少々過小評価するきらいはなくはないが、こいつはこいつなりに自分を含めた「みんな」のためを...
  • ホワイトデー
    母さん あ、ハル、おかえりなさい。 ハルヒ ただいま。……母さん、あれ何? 母さん ん?お父さん? ハルヒ おやじ、何してるの? 母さん さあ。よくわからないけど、ホワイト・デーの準備かしら? ハルヒ 毎年、不思議で仕方がないわ。義理でも、あれにチョコを渡す人の気が知れない。世の中、よっぽど変わり者好きが多いのね。 母さん 手近に不思議が見つかってよかったわね。 ハルヒ よくない! あれは不思議というより、ただの不気味よ。 母さん あれだけの量だもの、返すのも大変ね。 ハルヒ どこの新人王よ?アイドルよ?……母さん、聞き飽きたと思うけど、あんなののどこがいいの? 母さん どこといわれても……全部、かしら? ハルヒ 母さん、しっかりして! 母さん 飽きっぽい母さんが、これだけ一緒に居ても飽きないのだもの。それだけで、替わりは見つからないと思わない? ハルヒ 珍しいだけなら、ガラパゴスにいけば...
  • 新落語シリーズ「出来心」
     大盗賊石川五右衛門の辞世の句に「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の種は尽きまじ」と申しますが、落語のほうに出てくる泥棒は、あまり後世に名を残すような立派な泥棒はおりません。もっとも立派な泥棒、成功して功成り名を遂げたなんていうのは、ちょっとおだやかじゃあない。これをやりそこなうところが噺のネタになるようで。 「みくる、みくる」 「はあい。なんでしゅか、鶴屋の親分しゃん」 「いやさあ、『仕事』の方はどんな具合だろうと思ってね。みくるのドジっ子ぶりはよく知ってるし、かわいいとは思うんだけどさ、これだけの大所帯だと若い連中がいろいろ言ってくるっさ。『あの娘は見こみがないんじゃないですか? 今のうちに足洗わせて堅気にしてやった方がいい。なんなら俺が……』とかなんとか。いやあ、みくる、モテモテだねっ!」 「そんなあ。ドロボーはまだできないけれど、きっと覚えましゅ。 わたし、...
  • 親父さんと谷口くん2
    親父さんと谷口くんから 「えーと、前にも尋ねた覚えがあるんだが、誰だっけ?」 「このあいだ、親父さんの教えを受けた谷口です」 「おー、そうだった。その後、どうだ? もてたか?」 「おばあさん相手に100人切りを完遂しました。どっちかというと、返り討ちにされた気がしますが、勉強になりました」 「で、今はどうしてる?」 「はい、それが高じて、介護施設にボランティアへ」 「そうか。人生何が幸いするかわからんな」 「親父さん、もう一度、チャンスをください!」 「ん?何の?」 「大変充実した日々を送りましたが、本来のナンパ道から遠ざかっている気が。それに、おれ、正直言って、若い女が好きなんです!」 「それで、なんか、アドバイスすればいいんだな?」 「ぜひともお願いします!」 「アーリー・ラーニング・セットって知ってるか?」 「いや、いいえ」 「20世紀最大の催眠...
  • 自転を逆に回して
     ひょんなことから小金が入った。  悪銭身に付かずというわけで、俺たちは小さな戦闘機を買うことにした。  そして今日が処女飛行という訳だ。  小さくても複座(2人乗り)で、ワープは出来ないが、音速なら超えることができる。 「まったく、生きてるうちにこんなものが買えるなんてな」 「あんた、年寄りくさいわよ、キョン」 「しょうがないだろ。実際、年寄りなんだから」 「あたしが言ってるのはね、あんたは昔からかわんないってこと」 「そういうおまえは変わったか。以前なら人に操縦カンを任せるなんてなかったろ?」 「いらいらするほど分かりが悪いのも、相変わらずね。あんたがハンドル握るなら話は別よ。あたしがあんたの運転に文句言ったことなんてあった?」 「他の文句を言うのに忙しいのかと思ってた」 「バカキョン」  旧式といっても、21世紀の軍需品だ。操縦桿を握ってる時間より...
  • オヤジ野球7
    オヤジ野球6から  4回裏の親父チームの攻撃は、 「ふやああ!」 という絹を割くような(?)悲鳴と共にしゃがみこみ頭をかばったはずのグローブに、ショート強襲のライナーが偶然(?)にも自ら飛びこんでくれることで終わりとなった。  よくできた科学は魔術と、できすぎた科学はご都合主義と、それぞれ見分けがつかないと言ったのは誰だったか。  誰も不幸にならないこの程度のご都合主義なら歓迎すべきだろう。  だが、打者一巡して、ハルヒの投球に、親父チームの打線はタイミングが合ってきたのも、逃れようのない事実だ。  そして、5回表のおれたちの攻撃。  「少しお話が。いえ、世界的な危機と言うより、我々の打線、つまり攻撃についてです」 「おきまりだが、顔が近い。あと言うまでもないが、今日はズルはなしだぞ」 「ええ、涼宮さんも入れて相談できる内容です。提案者...
  • ヰタ・セクスアリス/雨宿りのつづき
    ヰタ・セクスアリス/雨宿りから  「低気圧が近づくと発情する」というハルヒの理論には、納得できないところがある。  たとえば雨の日、大抵の人間がそうかもしれないが、俺の体はいよいよ脱力と倦怠の極みに達し、頭脳は小停止とフリーズを繰り返し、気分にいたってはブルー一色の憂鬱に沈み込むだろう------もし、涼宮ハルヒという存在がこの世になければ。そして、よりにもよって俺の席の後ろにいなければ、確実にそうだっただろう。  精神状態に作用する薬物には、大まかに分けて、気分や精神状態を高揚・興奮させるいわゆるアッパー系と、逆にけだるい気分を提供するダウナー系がある。覚せい剤は、その名のとおりアッパー系であり、身近なところではタバコに含まれるニコチンなどがこの仲間だ。ダウナー系には、悪名高いヘロインからアルコール、アヘン、シンナーなんかもこっちに入る。  「阿片は余を裏切らないが、余...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その14)?
    そろそろ全部のSSにコメントするのに飽きて来たので、いくつかだけ。 思いついたら、あとからコメントしてもよい訳だし。 新落語シリーズ「二十四孝」  落語「二十四孝」というのは、親孝行をさとす話でして、説教されるのはドメスティック・バイオレンスな息子(もういい歳なのに母親をすぐ殴るんです)、そんな息子を夜中じゅう蚊を追い払ってやるのは母親、どんないい説教話も、母親の子を思う心には勝てない、というのが原作です。  自分で書いているのに何ですが、原作を忘れるほどに、自然にバカップル夫婦ものになっていて、記憶が改変されるのかと思って確認しました(笑)。バカップルに敵なし、って感じですね。  この話に出てくる、全然話を聞いてもらえない古泉というのも、地味に好きです。 涼宮ハルヒの格闘 涼宮ハルヒの格闘2  会話しか書けない、と言われる親父書きが、何故か戦闘シーンの描写を必...
  • 涼宮ハルヒの格闘
     その日もいつもの不思議探索。  めずらしく組になった俺とハルヒは一通りの探索を終えて、いつもの公園のベンチにいた。正確にはベンチにどかっと座り込んだのはハルヒだけで、おれはいつもの通り二人分の飲み物を買いに、最寄りの自動販売機に向かった。  自販機からベンチに戻る途中、公園の中を横切っていた俺は、最近では少年誌でもお目にかかれないような、それはそれは古風な格好をしたレッド・データ的不良数人が、ベンチに座っている少女二人に「ちょっかい」をかけているところに出くわしてしまった。消極的平和主義者を自認する俺はもちろん、そのまま通りすぎようと思ったが、お人よし的良心回路がおそらく誤作動したんだろう、意識を介することなく、俺の口を勝手に操って、こんなことを口走らせた。 「取り込み中のところすまないが」 「だれだ、てめえ?」 「通りすがりの雑用係だ。どうせ聞いちゃくれない...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その2)?
    ハルヒと親父1  ハルヒと親父シリーズ第一作目です。  ハルヒの親を出すことについては2つありました。  ひとつは、原作では最強のハルヒに、それ以上のカードをぶつけてみると、ハルヒのかわいさに別の角度から光が当たるのではないか、ということ。  これは、原作では唯一ハルヒに意見する、ノーと言えるキョンとハルヒとのやり取りが(キョンの語りという、強力なフィルターを介してさえも)、デレ成分が見え隠れするほどのものになっていることからの類推です。  もうひとつはライトノベルにありがちですが、登場する大人たちが「書き割り」のようで、主人公たち少年少女を遠くから見守りはするものの、暑苦しく絡んできたり、乱入して迷惑をかけたりは、あまりしないが、これはつまらないという考えです。  大人というのは、実はけっこう迷惑なものだ(若い人は誰だってそう思ってるだろ)とい...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その9)?
     「ハルヒと親父」以外の話を、《バカ順》に整理してみたのだけれど、改めて「とてもバカ」な話が多いように思う。要するに好きなのだ。「ハルヒと親父」は、「ちょっといい話」の流れにバンバン「バカなやりとり」を入れられるので、一番のお気に入りなのだろう。  しかし好事魔多し。最近、キョンも言うようになって来ているので、さっきキョンが親父にバックドロップを習う話を書いてみたら、あまりにカオスなことになってしまった。三沢(プロレスラー)が試合中のバックドロップで亡くなっちゃうし(合掌)、立ち直せて公開可能となるかは結構微妙。バックドロップの考案者、「鉄人」ルー・テーズは、相手の実力に応じて投げる(落とす)角度をかなり変えてたんですが。合掌。 閑話休題。 みぞのの鏡 辞書シリーズ/英和辞典:I love you.  この辺りは、スレに投下した際に「キザキョンだ」「キザキョンだ」と言われ...
  • ヰタ・セクスアリス/雨宿り
     梅雨入りが宣言されて以来カラカラの晴天が数日続いた次の日。  どうやらそれも昨日までの気まぐれらしく、ようやく空に暗雲が立ちこめ、こりゃ一雨どころか雷様だってやって来そうな放課後、俺はまだ教室に居て、窓からおどろおどろしい灰色の渦巻き模様を眺めていた。  「おい、キョン。帰らないのか? こりゃ一雨どころか雷だって来るぜ」 だったら俺になんぞ声をかけずにさっさと帰りゃいいのに、谷口はへそを手で隠しながら、気が早すぎて鞄をアタマの上に乗っけている。 「谷口、おまえ、傘忘れたのか?」 「な、なんで分かった?」 「ほらよ」 置き傘を谷口に放ってやる。折りたたみだが、雨が激しくならないうちに帰れば、十分役に立つだろう。 「ほらよ、って。ありがたく借りてやるが、おまえはどうすんだ? 涼宮が休みだから、SOS団だって休業だろ?」 ああ、なんで俺は帰らないんだろうね。 「雨...
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