ハルヒと親父 @ wiki内検索 / 「その男、文系につき」で検索した結果

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  • その男、文系につき
    その男、文系につき その1 その男、文系につき その2 その男、文系につき その2 アフター その男、文系につき その1 「ねえ、有希。この『すがるおとめ』ってどう言う意味?」  辞書を引くのがめんどうくさいのか、近頃、ハルヒは長門にこうした質問をする。ユキペディアと、こっそり俺は名づけているのだが、さすがに長門の回答は正確無比で速い。一時の集中力は何ものをも上回る感があるハルヒだが、その分飽きっぽく面倒くさがりだ。しかし、団員を辞書代わりにするなど、あんまり感心しないな。  なんてことを考えていたので、長門が顔をあげてこちらを見ているのに気づくのが遅れた。この手の質問は迷うまでもないから、いつもなら瞬時に答えるのだが、今日はどうした? 俺に許可を求めるような、微妙な問題ではないと思うぞ。 「その質問なら彼に」  長門は目を俺からハルヒに移し、それから再び自分の本に視線を...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その10)?
    その男、文系につき 口上に、ハルヒスレSSまとめwikiに収録の、 「涼宮ハルヒのリラックス」「涼宮ハルヒの結合」、「涼宮ハルヒの電磁波」みたいに、医学論文を縦横無尽に引用してエッチを語るハルヒに萌えなのだが、これに対して、無駄な文系知識を開陳してドツボにはまって殴られるキョンの姿を受信した。 などと書いてあるのだけれど(笑)、991@Haruphilic SSさんがブログでご指摘のとおり、キョンの雑学/ムダ知識って、本や辞書の中にエロい言葉を見つけると赤鉛筆で線を引く(笑)ことによって培われた感じがしますね。 ちなみに、「四つ目屋のネット・ショップ」は実在します。リンクを貼っても、しょうがない気がするけれど。「落語の舞台を歩く」という内容充実サイトにも「落語四つ目屋の舞台を歩く」に登場(あ、艶笑落語につき18歳未満は閲覧禁止とある)。このサイトは(そういう意味で...
  • 閲覧回数上位SS
    ...2 (11095) その男、文系につき (10967) あるSS書きの個人的七つ道具ー書物篇 (10850) 技術の長門 (10755) ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その3 (10736) できちゃった その4 (10713) ハルキョン家を探す その1 (10677) できちゃった その3 (10669) できちゃった その1 (10658) 涼宮ハルヒのリフォーム その1 (10537) あるSS書きの個人的七つ道具(アイデア篇) (10307) 涼宮家の一族(前編) (10100) ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その1 (10048) ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その7 (10038) ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その8 (10028) ダンス・ダンス・ダンス (10025) 涼宮ハルヒの禁欲 (9979) バカップル度チェック (9964) ハルキョン家...
  • SS(二次創作)「ハルヒと親父」シリーズの物置
    ...S かなりばか系 その男、文系につき SOS団がカラオケへ行く スモール・トークス ラブレターズ 歴史改変阻止シリーズ 技術の長門 おれがあいつであいつがおれで 背中合わせ 逆チョコ バカップル度チェック 7月20日 Tシャツの日 一言違いシリーズー伝染病 一言違いシリーズークラークの法則 長門有希の解答ーおっぱい 技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走 ミルク搾りの女の子 青少年愛護条例 ハルキョン版アリとキリギリス 銀河の中心で愛を叫ぶ バカップル度チェック(初心者篇) ならんでる +その他のSS カオス系 涼宮ハルヒの禁欲 涼宮ハルヒのいちゃつき 涼宮ハルヒの中継 かつてなく積極的な ツンデレエンザ キス銀行 6月6日 かえるの日 クイズ大会 アルプスの少女ハルヒ ハルヒ番長 こちら七曲署SOS課 字マンガぬこハルにゃん 資本戦隊キャピタル・ファイブ 資本戦隊キャピ...
  • そのとき親父書きは何を思ったか?
    そのとき親父書きは何を思ったか? その1:親父シリーズ短編について その2:「ハルヒと親父1」(シリーズ第一作目)について その3:「あるSS書きの個人的七つ道具」シリーズについて その4:「ハルヒと親父3ー家族旅行プラス1」について その5:「ハルヒと親父2ーおとまり」について その6:「できちゃった」について その7:「一人旅に必要な事」について その8:親父シリーズ以外(二人は暮らし始めました、新落語シリーズ「出来心」他)について その9:親父シリーズ以外(みぞのの鏡、辞書シリーズ/英和辞典、他)について その10:親父シリーズ以外(その男文系につき、ツンデロイド、他)について その11:親父シリーズ以外(彼と彼女と彼女のメール、電波の日 Nowhere、他)について その12:親父シリーズ以外(「パソコンが砂糖と化してアリがたかる」カオス篇)について その13:親父シリーズ以外(手...
  • あるSS書きの個人的七つ道具の使い方(事例編)
    0.お題は「SOS探偵団」 1.まずはタロットを開いてみる 2.キャラクターを具体化/整理する 3.キャラクターの動機、行動、目指すところを考える 4.動機を掘り下げるべきか? 5.キャラクターの動機、行動、目指すところを考える(その2) 0.お題は「SOS探偵団」  という訳で、SOS団に依頼が持ち込まれて推理する、という鉄板なストーリーを道具箱を駆使してやっつけてみたいと思います。 1.まずはタロットを開いてみる  ところがどっこい、ミステリーなんて見当もつかないので、とりあえずタロット×グレマスに聞いてみました(何度も)。  これなら行けるかな? と思ったのが、次のものです。  いつもはマルセイユ版という古いタイプのタロットを例にしてたのですが「絵がかわいくない」と不評なので、標準的なウェイト版を使ってみました。  無理矢理に読むとこんな...
  • ミルク搾りの女の子
     むかしむかし、あるところに、とてもかわいい女の子が暮らしていました。  女の子は空想することが大好きで、その日も楽しいことを空想しながら、牛からしぼったばかりのミルクの入った桶を、頭に乗せて運んでいました。 「そうね。このミルクを売ったお金で、少なくとも300個の卵が買えるわ。 そして、どんなに悪くても、卵からは200羽のヒナが生まれるわ。 そして、そのうちの50羽は、親鳥に成長するわ。 そう、ちょうどその頃はクリスマス前で、トリ肉が一番高く売れる時期だわ。 高く売れると、そのお金で新しいドレスが買えるわね。 真っ赤なドレス、とってもすてきな真っ赤なドレスよ。 当然、クツもおそろいでね。 そしてそのドレスを着て、クリスマスパーティーに出かけるのよ。 すてきなドレスを着た美人のあたしが登場すれば、みんな、あたしにプロポーズしてくるわね。 でも、すぐに受けてはダメ。 ...
  • 一人旅に必要な事
    「大丈夫か、ひとりで?」 「大丈夫よ。子供じゃないんだから」 「子供じゃないから、心配してるんだがな」 「エロ親父」 「昔からことわざにもあるだろ?『お父さんの親心は、おじさんの下心』って。根はいっしょなんだ」 「はいはい。もう行くわよ」 「定期連絡を忘れるな。母さんが泣くぞ」  思うところがあって、あたしは一人で旅に出ることにした。  感傷的な理由も考えられなくはないけれど、要は、日に日に心の中で大きく重くなる、あいつの存在にケリをつけたいというのが本当のところだった。  珍しく、あいつからハガキが届いた。それも写真付きのやつ。  よくない予感はしたわ。でも、これはあたし宛よね。あたしが読まないわけにいかないじゃない。  文面はものぐさそのものだった。 「結婚しました」 まったく「ものぐさ」とシンプルはまったく違う別物だ、とあれほど言ったのに...
  • 或る日の出来事
    ハルヒ 親父、今日はやけに恋愛映画ばっかり見てるわね。 親 父 これで4本目だ。 ハルヒ ったく、胸焼けしないの? 親 父 とりあえず必ず泣くことにしてるからな。見る度に心が清らかになるようだ。 ハルヒ あ、そう。 親 父 おまえこそ、さっきからうろちょろしてるな。いっしょに見るか? ハルヒ 誰が!? 親 父 恋愛映画なんて役には立たんぞ。映画が教えてくれるのは、映画ならこの先どうなるか観客なら誰だってわかるのに、当人たちにはそれがわからないってことだけだ。 ハルヒ 知らないわよ! 親 父 「恋愛は精神病」主義者だもんな。 ハルヒ 別に「主義者」じゃないわよ。 親 父 ところで、キョンの奴は元気か? ハルヒ うるさいわね! 親 父 何を怒ってるんだか。 ハルヒ 怒ってないわよ! 親 父 知ってるか? こういうのは母さんがくわしいんだが、古代ギリシアの名医ヒポクラテスが「恋は精神病の一種」と...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その1
    ハルヒと親父2 ー おとまりから 親父 ハルヒ、悪いが、次の土曜の夜、空けておけ。 ハルヒ 悪いがって……、親父、悪い事でもするの? 親父 するか!あとキョンも呼んどけよ。 ハルヒ いったい何なのよ? 親父 1周年だ。 ハルヒ 何が? 親父 おまえらが初エッチしてから。 ハルヒ は? え? って、何で知ってんのよ! 親父 バカ娘、語るに落ちるとはことのことだ。親父を舐めるな。あと言った本人が傷つくようなことを言わせるな。 ハルヒ 勝手にそっちが言ってたんじゃないの! 親父 ああ、そっちじゃない。知り合いの店が1周年なんだ。ほんとは1年前に連れてくはずだったんだが、予定がかち合ったな。 ハルヒ って? あ、母さんが前に言ってたような。あたしが生まれたとき、お祝いもらった? 親父 ああ。今はその娘が継いでるんだがな。 ハルヒ わかったわ。空けとく。 親父 いい心がけだ。そういう娘には...
  • 涼宮オヤジの20冊
    ホメロス『オデュッセイア』 エリック・ホッファー『波止場日記』 ホメロス『オデュッセイア』  ホメロスは世界で最初の、しかも最高の文学者だ。ここで神話と文学は分かれる。  古代ギリシアの悲劇も叙事詩も、ともに神の血を引く人間たちの姿が英雄的に描かれる。  だが、『オデッセイア』は違う。この主人公は、どんな英雄も、巨人も、精霊も、神をも向こうに回すが、その終始違わぬその望みは、愛するものがいる故郷へ、我が家へ帰り着くことだけだ。なにしろ戦争に駆り出されたくなくて、アホの振りをしたくらいだ。  多くの神に愛され守られていたトロイアは、この男オデッセウスの知謀なしには、決して攻略されなかっただろう。そのせいで神の恨みを買ったこいつは、10年間の戦争の後、さらに10年、世界中の海を彷徨い、恐ろしい一つ目の巨人や歌声で魅了し船という船を難破させるセイレーンなんかに遭遇する羽目になる...
  • オヤジラジオ その4
    オヤジラジオ その3から ハルヒ それ、どういうこと? じゃあ、発信機を探しだせても、何にもならないの? キョン そういうことだ。 ハルヒ ちょっと、キョン、どうすんのよ!? キョン ハルヒ、落ち着け。 ハルヒ って、あんたは何でそんなに落ち着いてんのよ!? キョン ハルヒ、これって、いろいろ周囲を巻きこんで多少傍迷惑ではあるが、要するに、お前と親父さんの親子ゲンカだろ。 ハルヒ う、うぐ。た、確かに、そう言えなくもないけど。 キョン だから、だ。俺たちが背負ってるのは世界の破滅でも、誰かの不幸でもない。相手は超常現象でも不条理でもない。いくらか常軌を逸しているが、親父さんの悪知恵と悪戯心に勝てばいいんだろ。 ハルヒ ぶっちゃけ、そうよ!  キョン だったらな、ハルヒ、おれたちは多分、答えの鍵をすでに手にしてると思うぞ。 ハルヒ どういうこと? キョン それも、後でなんで気付かなか...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その23)?
    ひさびさに短い目の「そのとき親父書きは何を思ったか」をお届けします。 乱歩の日  乱歩なら他にもいくらでもあるだろう、との当然過ぎるご指摘がありましたが、ハルヒなら、絶対『人間椅子』だろうと迷いもしませんでしたwww。  というか、これを書いてはじめて『人間椅子』の何が嬉しいのか/何を欲望しているのかが、理解できたような気がします。  暑苦しくても、視覚と動き回る自由を失ってでも得たいもの。キョンは反省して、もっと「だっこ」してあげるべきですねwww。 夏氷(なつごおり)の日 ゲリラ雷雨 夏の自転車  歳時記を見てネタを考えたような、夏の掌編。  省略に省略を重ねて、削りに削ってるのは、描く力量と時間がないせいです。  それでも読み手の想像力が救ってくれるのに賭けるという、文字でやってる強みに完全に寄りかかってますね。だから、感想がもらえると、このあたりのは本当に...
  • スポンサーから一言 その6
    スポンサーから一言 その5から 《登場人物のおさらい》 絵描き:女Dの転落させ殺した疑いで起訴中 女A:7年前、絵描きと心中 女B:絵描きの現在の愛人。手首を切り自殺。 女C:女Aの妹。女Bと同じ日に転落死(自殺?) 女D:女B、Cと同日に転落死。  「探偵小説にいまでも時々あるだろ。『あるべきものが、そこにない方が不思議だ』ってやつ。絵描きの部屋は当然調べられたが、押収品にAを描いたものだけが一切なかった、スケッチすらもだ。心中ですでに関係は精算されて、今や新しい愛人が居る身だ。ない方が当然か? そもそも何故、こいつは心中なんてしたのか、じゃまになったAを殺すだけが目的だったのか? それなら今回はなぜ心中してないのか? 同時に複数を「自殺」させるなんて手間のかかる手段をとったんだ? 今や愛人が複数居て、順番に殺していくと、他の愛人に企みを気付かれると思ったか...
  • ハルヒ先輩
     「キョン、あんた、ちゃんと弁当つくってきたんでしょうね?」  デカイ声でいうなよ。まったく、ちょっとは気を使って欲しいぞ。 「ふふん、相変わらずうまそうね。あんたに先に料理を仕込んだのは大正解だったわ! ほら、あんたの分もあるんだから、しっかり食べなさい!」 「『あんたの分』じゃなくて、どっちも俺が作ったんだ! あと、俺たちはまだ4限目、授業があるんだよ」 「却下。アホ教師の授業なんて聞く意味なし。遅れないように、後でしっかり教えてあげるから、とにかく座りなさい」 「授業に遅れなくても、出席日数に響くんだよ」 「そんなもの、なんとかなる。いざとなったら、なんとかし・て・あ・げ・る」 「それが怖いんだよ」 「まだ、何か?」 「わかったよ、食べる、食べるから」 「待った、あんたの席は、ここ」  うわ、この人、自分の太もも叩いてますよ。おれたち、どこのバカップルですか? ...
  • 辞書シリーズ/和英辞典:ただいま/おかえり
    キョン なあ、ハルヒ。英語で「ただいま」ってなんていうんだ? ハルヒ とくにないわね。I m back.とかI m home.とかいうけど。 キョン それだと、ただ「家にいます」ってことじゃないのか。 ハルヒ 出かけてたのは家族なら知ってるから「家につきました」って感じね。「ただいま」だってその後に「つきました」「もどりました」が省略されているようなものでしょ。それ以外だと普通にGood eveningって言っちゃうけど。旦那さんが帰って来て、"Good evening, wife."とかね。 キョン 普通に「こんばんは」だな。「こんばんは、奥さん」。 ハルヒ 普通に「こんばんは」よ。 キョン じゃあ、「おかえり」は? ハルヒ Helloよ。 キョン 普通に「こんにちは」じゃないか。 ハルヒ 普通に「こんにちは」よりも意味は広いけど...
  • 涼宮ハルヒのいちゃつき
    ハルヒスレに投下された無自覚夫婦に出てくる 酒の入った涼宮とキョンの想像を絶するいちゃつき具合 をやっぱり書いちまった。ので、投下してみる。 団員1 ハルヒ〜。前から一度言ってやらないといかんと思ってたんだ。今日こそ言ってやるから覚悟しろ。 団長 なによお〜、キョンのくせに生意気ねえ。あたしも常々あんたには言いたいことがあったのよ。今日こそはっきり言ってあげるわ。覚悟しなさい。 団員1 言っとくがな、愛の告白なんか受け付けんぞ。 団長 こっちこそ、願い下げよ。誰が、あんたなんか。 団員1 今日の俺は酔ってるからな、普段言えないようなことも言ってしまうぞ。 団長 お酒の力を借りないと言えないなんて、とんだヘタレね。あたしも酔ってるけど、いつも通り言いたいことを言うわ。 団員1 じゃあ、おまえ、先に言えよ。 団長 いやよ、あんた先に言い...
  • スポンサーから一言 その1
    「ハルヒ」 「親父! なによ、いきなり来て。連絡くらい入れなさいよ!」 「借用書だ」 「はあ?あんたからモノ借りた覚えはないわよ」 「よく見ろ、これからおれがおまえから借りる、という内容になってる。さあキョンを出せ」 「あんたねえ、イヌかネコの子みたいに。だいたい彼氏ってのは親に貸すようなもんじゃないでしょ!」 「彼氏という自覚ができたか、それはめでたい。実を言えばお前の所有でもないから、借りるなんていわなくていいんだがな。で、キョンはどこだ?」 「いないわよ」 「いないのは見れば分かる」 「なんであんたに、あいつの行き先を言わなきゃいけないのよ?」 「そりゃもっともだ。邪魔したな」 「こら、借用書! こんなもの、置いて行くな!」 「……よう、キョンか? おれだ、親父だ。手借りたい。どこで会える? ああ、そこなら10分以内だ。今? ああ、おまえたちの部屋だ。汗水流し...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その5)?
    ハルヒと親父2 ー おとまり  これは絶対に、ハルヒの一人称でいこうと思ってました。  ハルキョンものの前提として、相思相愛で、そのうち告白して、エッチして、同棲して、結婚して、子供ができて……、というのがあると思います。この中で「告白もの」とか「無自覚だがどう考えてもつきあってるだろお前らもの」のSSはたくさんありますが、わりとすっとばされるというか、前提にされたり一行で済まされたりするシーンやイベントを、丁寧にやってみたい、というのがありました。  たとえば、他の方の書いた「無自覚夫婦」というSSの中に出てくる、 >酒の入った涼宮とキョンの想像を絶するいちゃつき具合 というのを、具体的に書いてみたり(このバカSSがそれですが)とか、 これも、他の方の書いたエピソードというか断片ですが、 ハルヒがおもちゃの手錠をつかって朝比奈さんで遊んでいたので...
  • オヤジラジオ その2
    オヤジラジオ その1から オヤジ 周波数不明、発信地不定、一日限りのオヤジ・ラジオだ。 バチカン市国、サン・ピエトロ寺院前広場から絶賛生中継でお送りする。 じゃあ、まず最初のハガキを読むか。匿名希望、西宮市の谷口君からのメッセージ。 「どうしたら、モテるようになりますか?」 って、おまえ、こればっかりだな。もっと人が読まないような難しげな本でも読んだ方が、将来後悔しないぞ。 ああ、モテる方法だったな。とりあえず大枚はたいて、等身大の熊のぬいぐるみを買え。そして毎日そいつを連れて登校するんだ。教師やクラスメイトからは引かれるだろうが、2週間もすれば痛いウワサが行き渡って、周囲の学校から女生徒のみが見物に来るぞ。サインしてやるときに、メアドくらい聞けるだろ。まあ、がんばれ。 じゃあ、最初の曲。我が相棒、長門有希のリクエストで、ムソルグスキー作曲、編曲と演奏はうちの母さんで「禿山の一夜...
  • できちゃった 外伝ーミッドナイト・ミルク
    オヤジ よし、今日も「ミルク訓練」やるぞ。時間計るからな。 キョン はい。 オヤジ 目をつぶってできるようになるまで反復練習だ。下手すると火傷するから気を抜くな。 キョン はい。 オヤジ まず、手を洗ってこい。手順は「厚生労働省指針 手洗いマニュアル 外食・飲食業者篇」に準拠してある。  1. 水で手をぬらし石鹸をつける。  2. 指、腕を洗う。特に指の間、指先をよく洗う。(30秒程度)  3. 石鹸をよく洗い流す。(20秒程度)  4. 0.2%逆性石鹸液又はこれと同等の効果を有するものをつけ、手指をよくこする。(又は1%逆性石鹸液又はこれと同等の効果を有するものに手指を30秒程度つける。)  5. よく水洗いする。  6. タオルペーパー等でふく。 以上だ。 キョン はい。 オヤジ それから蒸し器に必要なものを入れろ。 キョン 広い口の哺乳瓶(ガラス製)、ゴム乳首(穴小さめ)、びんはさ...
  • オヤジラジオ その3
    オヤジラジオ その2から ハルヒ なによ、このヘタクソなピアノは!? オヤジの奴ね! キョン 確かにがんがんぶっ叩き系だが、ノリノリだな。お、グリッセント。 ハルヒ これくらい、あたしにだって弾けるわよ! キョン そりゃ、おまえは弾けるだろうがな。あ、長門のボーカル。 古泉 お取り込み中のところ、申し訳ありません。 キョン 別に取り込んじゃいないぞ。 ハルヒ いないわ。 古泉 ……送信機の奪取に一応の目処が着きましたので、ご報告を。 キョン 随分、速いな。 古泉 探すべき場所が無線LANスポットに限定されたので、捜索に当たる人員を増員しました。市内の公衆LANスポットを手分けして一斉に当たらせてます。あ、ご心配なく。突然駆りだされたボランティアのみなさんですので。 キョン 駆りだされたら、ボランティアじゃないだろ。 鶴屋 と、言う訳なのさ。目処もついたみたいだしさ、ハルニャンた...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その13)?
    I wish you were here.(アナタガココニイテホシイ) タイトルは、ピンクフロイドの曲名と、その新井素子訳から。 いわゆる仮定法なんで、「あなたにここにいてほしいのに、でもあなたはいない」という意味になります。 ハルヒの問いかけと不安は、いわゆる胡蝶の夢です。 これに対するキョンの解答は実は2パターン考えていて、使わなかったもうひとつは、 「鰥(クワン)は決して眠らない魚だ。世界は、こいつが見ている夢だそうだ」 「眠らない鰥の夢は、決して覚めることがない。だからこの世界は果てなく続く。……『鰥』は「魚」偏に「眔」(とう)と書く。「眔」は目から涙が落ちている形、涙の象形文字で、「魚」の方はこの場合は女を表す。古代中国では、妻が死ぬと魚を捧げる儀式があったんじゃないかって学者もいるが、とにかく『鰥』の文字は、普通は「連れ合いをなくした男」のことを指すんだ。そし...
  • オヤジラジオ その1
    (ある日の涼宮家) ハルヒ ミニFM局?だれがすんのよ、そんなもの? オヤジ おれがDJ、そのほかのめんどいことはすべて長門のサポートだ。 ハルヒ こら、前途ある女子高生を悪の道に誘いこむんじゃない! だいたい、あんた、娘の友人を呼び捨てにするって、えらく不評なんだからね。 オヤジ 言いたい奴には言わせておけ。「ちゃん付け」「さん付け」が入り用なら、のび太のオヤジでも連れて来い。それとも何か? いまさら「キョン君」なんて呼んで欲しいのか? ハルヒ うぐ、き、キョンは別腹よ。 オヤジ 食うのか? ハルヒ 食わない! オヤジ ああ、もう食ったのか。 ハルヒ 話が進まないでしょ! オヤジ 悪の道うんぬんは濡れ衣だ。そもそも今回の話は長門からだ。ほれ、これが企画書。 ハルヒ あいかわらず印刷したみたいな明朝体ね。有希の字だわ。 オヤジ 昔作った鉱石ラジオの話をしたらな、興味が湧いたそうだ。...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その12)?
    「パソコンが砂糖と化してアリがたかる」カオス篇の言い訳を書かないと(笑)。 くっついていたものが離れるのが悲劇、離れていたものがくっつくのが喜劇ですが、くっついていたものがさらにくっつくのが《バカップルもの》で、動きが無いので、基本的にはすべて同じ話です(笑)。へんなシチュエーションとか言葉の勢いでひっぱらないと、どうしようもない、というか。 涼宮ハルヒの禁欲  キョンがおもいっきり釣れてる(笑)。こんなんでいいのか? 涼宮ハルヒのいちゃつき  酔ってるのが、唯一の言い訳か。ハルキョンがお互いに好きなところを100個言い合うんですが、削りましたけど、ほんとに100個書きました。自分で何やってんだろうと思ったけれど。ここで100個出しとけば、先回りしてあらゆる「バカップルもの」を同工異曲にできるのではないか、という野望が。まあ、先回りしなくても、「バカップルもの」はみな同じ...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その2
    ハルヒと親父2その後 一周年 その1から ハル母 さて、明日も平日だし、そろそろ今日はお開きにしましょう。 親父 キョン、客間に客用布団と着替え一式、用意しといた。先に風呂を使ってくれ。あー、それからバカ娘。 ハルヒ 何よ? 親父 「湯加減見ようか」とか「背中流そうか」とか、ラブコメな振る舞いは慎むように。親父はもう体力の限界だ。 ハルヒ どんなラブコメよ! 親父 詳しいことは言えないが、男性用だ。少年誌とはいえ、侮れんぞ。 ハルヒ いい加減にしないと、殴るわよ。 親父 もう、いい奴を2、3発もらっちまっているが。それじゃ解散。 キョン 親父さん、風呂あがりました。先にすみません。 親父 今、風呂はバカ娘か? キョン はい。 親父 じゃあ、ちょっと座っていけ。 キョン はい……。 親父 といっても、話すネタは特にないんだけどな。 キョン はあ。 親父 二人に「共通の話題」...
  • ハルキョン家を探す その5
     「あ、母さん。うん、合格したわ! もちろん、キョンも一緒よ! じゃあ、これからキョンと不動産屋さんに行くから。うん、帰りにまた電話する。じゃ」  「あ、俺だ。なんだ、おまえか。母さんは? 買い物か。ああ、受かったぞ。ハルヒも一緒だ。帰って来たら、そう伝えてといてくれ。帰りに不動産屋に寄ってくから。ああ、ありがとよ。じゃな」  ほとんど同時に携帯電話をしまうと、俺たちは顔を見合わせた。 「キョン、電話は済んだの?」 「ああ。出たのは妹だったが」 「妹ちゃんなら代わってくれたらよかったのに」 「どうせ今晩、会えるさ」 「そうね。不動産屋が終わったら両方の家に報告アンド挨拶に行くわよ!」 「はあ。ダブル晩餐になりそうだな」 「なによ、うれしくないの?」 「もちろんうれしいが、……正直、実感が沸かん」 「じゃあ、その実感ってやつを沸かせてあげるわ(にじり)」 ...
  • 親父さんと谷口くん
    「すまん、人の名前が覚えられない質でな。誰だっけ?」 「あの、谷口です。涼宮さんと中学から同じクラスの」 「あー、5分で振られた恋愛スプリンターの。娘がとんだ失礼を。あの顔であの性格だし、ろくな死に方しねえな、と常々思ってるんだ」 「いや、でも、いまラブラブで幸せ一杯に見えるんですが」 「キョンって、パッとしないように見えて偉大なんだな」 「いや、それはいいんですが。実はご相談があって参りました」 「なんだ、そうと早く言ってくれれば。俺は、若い奴の相談事が三度の飯より好きなんだ。経験談にはろくなネタがないけどな」 「ほっ。人に頼るなんて、と叱られるかもドキドキしてました」 「実際は自立した人間ほど、たくさんの人間に依存してるんだ。依存っぽい奴は、依存する相手が一人とか、家族だけとか、限られてるから問題を起こす。で、相談ってのは?」 「はい、俺は常々ナンパ道を極めようと日々...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その1
    ハルキョン家を探す その5から  「あたしたち、幽霊屋敷に住むわ。SOS団のみんなも一緒よ!」  いやハルヒ、『前回までのあらすじ』を強引に一言で言ってしまえば、確かにそういう風にもまとめられるかもしれないが、それだと誰も安心も納得もできないぞ。  俺は、例の不動産屋の店主との出会いのいきさつから、ついさっき訪れた古い洋館のだいたいの部屋数まで、差し障りのなさそうな部分をかいつまんで話したが、それでも主賓クラスのスピーチの長さになってしまった。ハルヒの親父さんが「ジー・ジェイ」とかなんとか言ってた気がするが。  頃は合格発表の晩、ところは涼宮オヤジの縁が深い、俺とハルヒも再開店1周年の際に訪れたことのある洋館風のレストラン、主催俺の家アンド涼宮家、協賛SOS団と愉快な仲間たちでもって開催された「ハルキョン超合格宿がパーティ」(誰だタイトル考えた奴?)は、ハルヒと俺に...
  • 親父さんと谷口くん2
    親父さんと谷口くんから 「えーと、前にも尋ねた覚えがあるんだが、誰だっけ?」 「このあいだ、親父さんの教えを受けた谷口です」 「おー、そうだった。その後、どうだ? もてたか?」 「おばあさん相手に100人切りを完遂しました。どっちかというと、返り討ちにされた気がしますが、勉強になりました」 「で、今はどうしてる?」 「はい、それが高じて、介護施設にボランティアへ」 「そうか。人生何が幸いするかわからんな」 「親父さん、もう一度、チャンスをください!」 「ん?何の?」 「大変充実した日々を送りましたが、本来のナンパ道から遠ざかっている気が。それに、おれ、正直言って、若い女が好きなんです!」 「それで、なんか、アドバイスすればいいんだな?」 「ぜひともお願いします!」 「アーリー・ラーニング・セットって知ってるか?」 「いや、いいえ」 「20世紀最大の催眠...
  • ロール・プレイング その9
    ロール・プレイング その8から 西の国の王女 西の塔に出した軍から、飛竜が戻りました。 ??? 連絡用に連れていった奴ね。それで? 西の国の王女 司令官からの書簡が届きました。「外の力を持つたった一人の男が、我が軍勢を圧し帰した」とあります。……あなたの言うとおりになりましたね。 ??? やる気が、傍目にはものすごく分かりにくいけど、やる時はやる奴だって言ったでしょ。さあ、今度はあんたの番よ! 西の国の王女 約束したことは守ります。……でも、私に本当にできるのでしょうか? ??? できるできないじゃなくて、や・る・の! ここまで来たら、腹を決めるしかないわ。 西の国の王女 ……ここまでやってきたことも、あなたが来なければ、どれもできないことでした。 ??? そうね。あんたには不可能に思えた。でも、あんたはそれをやったのよ。 西の国の王女 ……。 ??? あんたが思いを固めてやり抜...
  • 保健室へ行こう
     「先生、生理痛がひどくて」 「クスリ飲んで寝てなさい」 「……」 「なんだ?」 「……あんた、だれ?」 「保健室の先生(正式名称:養護教諭)だが」 「なんで男がそんなのやってんのよ!?」 「失礼な。まだまだ少ないとはいえ、少しずつ増えつつある全国の男性養護教諭に謝れ」 「高校生といえば多感な時期よ。それを何? 恋愛の悩みとか性の悩みとか、と、とにかく相談しにくいじゃないの!」 「ここは男女共学だろ。女性の養護教諭に男子高校生がそういう相談をするのも、うれしはずかしいだろ。同じだ」 「全然違うわよ! こうなったら、あんたを追い出すまで、保健室登校するからね! 覚悟しなさい!」 「保健室登校ってのは、そういうんじゃないんだが。まあ、別に構わんぞ。そういう生徒の胸の内を聞くのも仕事だ」 「む、胸の内って!……く、覚えてなさい、明日は今日みたいには行かないわよ!」 「お...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その2
    涼宮ハルヒのリフォーム その1から  元々は善良な街角の不動産屋であったのが、ひょんなことからSOS団熱に感染してしまい、不思議探索だけでは開き足らず、不思議物件を手に入れ、それをハルヒと俺に貸してくれるという。  ハルヒが断定するところの、その「お化け屋敷」の間取り図をつくるために、俺はハルヒの親父さんとともに、あの不動産屋がある駅へと電車で向かっていた。  「相談があるんだ」 家を出てから数分を待たずに親父さんは言った。 「はい」 なんだろう? 「さぼろう」 「はい?」 いきなりですか? 「大の男が雁首そろえて、かび臭い古屋で巻尺ふりまわしてるってのも、様にならん」 まあ、それはそうかもしれませんが。 「しかし、なんの策もなしに、たださぼるというのは、どうも……」 「しっかり尻に敷かれてるな」 周囲からすると、そう見えるかもしれんが、おれに言わせる...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その後ー腕の腫れ、氷の癒し
     最初は一通のメールだった。 「あれ、ハルヒの母さんだ」 『技量の不足を努力と根性で埋めようとする娘ですがよろしくね』 なんだ、これは。判じ物にしては分かりやすいし、心当たりもありまくりだが、なんでハルヒの母さんからこの文面なんだ?  その答えは、次の日の教室でわかった。  ブン、という音がしそうな勢いで、ハルヒが両腕を突き出してきた。 「なんのまねだ?」 「揉んで」 は?いま、ここ教室でか?おまえ、何言ってる? 「揉みほぐして、って言ってるの。いいから触ってみなさい! 聞くより見るより、よおく分かるから」 おれは何故か恐る恐るといった手つきになって、ハルヒの指先、手の甲、二の腕、と触っていく。ハルヒはどちらかといえば着痩せするタイプだが(何故こういうコメントができるかは、ストーリーの進行に何の関係もないから割愛するぞ)、それでもその馬鹿力から想定されるほど...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その3
    ハルヒと親父2その後 一周年 その2から  朝が来たのは分かった。  おれの精神(こころ)及び肉体(からだ)は、まだ完全には覚醒しておらず、周囲の状況を把握するには至ってなかった。おれの右手は、そこにいるはずの誰かを無意識に探していたが、成果ははかばかしくなかった。それで、人の気配を感じたとき、おれの肺は空気を喉と口蓋に送りこみ、この世のものとは思えぬ音を出すという失態をやらかした。だが音の方がしでかしたことは、よくよく考えればはるかにマシで、更なる大問題は音声信号の内容の方だった。 「ん……ハルヒ?」 「残念。はずれ」  この似ているが確かに違う声について、脳髄が前頭前野と側頭野と海馬に鞭を入れ、最高速度の検索を要求する。結果:この声は確かに・・・ 「って、ハルヒのお母さん!」 「おはよう、キョン君」 「お、おはようございます!」 「誰かお探し?」  ハルヒの...
  • できちゃった その4
    できちゃった その3から ハルヒ母 どうしたの、ハル? 部屋の隅で膝なんか抱えて。アンニュイな雰囲気が出てるわ。 ハルヒ そんなの出したくない。 ハルヒ母 体育座りは、確かに妊婦さんにはお勧めではないわね。キョン君はどうしたの? ハルヒ オヤジにとられた。 ハルヒ母 あらあら。 ハルヒ 「進路指導」なんだって。何やって将来食って行くつもりなんだ、とか、なんとか。 ハルヒ母 そんなの『ハルヒの嫁、ハルヒの嫁、ハルヒの嫁』でいいのにね。 ハルヒ いや、いきなり、そこまでは私も割り切れてないというか、切り込めてないというか。 ハルヒ母 どんな風に働くかなんて、何のために働くかがはっきりしないと決められないでしょ? ハルヒ むー、オヤジも母さんも「出たとこ勝負400戦全勝」だからいいけど。 ハルヒ母 誰だって負けることはあるわ。でも大人は多少...
  • デカンショ
    天抜きの日から 親父 おう、キョン。小腹がすかねえか? キョン そうですね。 親父 蕎麦くらいなら入るだろ。いつものとこ、寄っていこうぜ。 キョン この後、もうひとつ相手先とのミーティングがありますから、ビールはなしですよ。 親父 ちぇっ。雑用係というより風紀委員だな。 キョン 雑用係でも止めますよ。涼宮の人間は酒癖悪いといったのは、親父さんですよ。 親父 でも、ハルヒみたいにおぶって帰ってはくれんわな。 キョン あれは、あいつ限定です。 親父 やれやれ。さあ、着いた。なに、頼む? キョン じゃ、天ざるで。 親父 頼むもんまで同じかよ、このバカップルめ。悔しいから、おれも同じのだ。 キョン そういや、ハルヒと食事してて、「天抜き」でスノッブの話をした、と言ってました。 親父 スノッブな。訳せば「俗物」、いまじゃ完全に悪口だが、た...
  • 一人旅に必要な事 その後
    「あ、キョン君、おひさしぶり。え、ハル? んー、あ、お父さんがちょっとしゃべりたいって、かまわない?」 「よお、キョン、元気か? ああ、ハルヒは、絶賛一人旅中だ。ん、バイクだ。雪国で役立つ、スーパーカブ(ポストマン仕様)だ。心配? ああ、心配だ。親のできることは、いつだって心配することぐらいしかない」  何年も経つというのに、電話の向こうの親父さんは、あの時のままの親父さんだった。  そのことが余計に胸を締め付けた。 「で、どうした? 電話してくれたのはうれしいが」 「親父さん、おれ……」 「ああ、聞かない方がいいか」 「いや、俺の方が聞きたい事が。……ハルヒに会ってもかまいませんか?」 「やれやれ。『これ以上あいつを傷つけるな』とか言った方がいいか? おまえさんは何もやっちゃいない。バカ娘がひとりで派手に転んだだけさ。大手を振って会えばいい。それに親父的には、...
  • ヰタ・セクスアリス/雨宿りのつづき
    ヰタ・セクスアリス/雨宿りから  「低気圧が近づくと発情する」というハルヒの理論には、納得できないところがある。  たとえば雨の日、大抵の人間がそうかもしれないが、俺の体はいよいよ脱力と倦怠の極みに達し、頭脳は小停止とフリーズを繰り返し、気分にいたってはブルー一色の憂鬱に沈み込むだろう------もし、涼宮ハルヒという存在がこの世になければ。そして、よりにもよって俺の席の後ろにいなければ、確実にそうだっただろう。  精神状態に作用する薬物には、大まかに分けて、気分や精神状態を高揚・興奮させるいわゆるアッパー系と、逆にけだるい気分を提供するダウナー系がある。覚せい剤は、その名のとおりアッパー系であり、身近なところではタバコに含まれるニコチンなどがこの仲間だ。ダウナー系には、悪名高いヘロインからアルコール、アヘン、シンナーなんかもこっちに入る。  「阿片は余を裏切らないが、余...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その4)?
    ハルヒと親父3 — 家族旅行プラス1の場合  最初に浮かんだのは、 「よお、ベルちゃん久しぶり」 「何度も言うが、おれは鈴宮じゃなくて涼宮だ」 という耳で聞いたら全然分からないやり取りです。これは会うたびに繰り返されている軽口なんでしょう。これだけで「親父と怪しい仲間たち」の短くない、冗談みたいな本気みたいな付き合いが、親父書きの頭に、ぱあと広がりました。  この無意味にハードボイルドっぽい(とそのときは思った)設定を生かすには、逃げる者と追う者の追っかけサスペンスだ、ということで、親父にキョンが拉致られてハルヒに追っかけられる話を思いつきました。「スピンアウトもの」とした話です。  ただこれは挫折しました。はじめとおわりはすぐ決まったのですが、サスペンスは、中盤の持続というか、どう話を進ませず読み手を引っ張るかがキモでそこのところがうまく書けませんでした。...
  • できちゃった その5
    できちゃった その4から 「両親教室? 何だ、それは?」 「実質は父親教室みたいなものらしいんですが。いままで妊婦さん向けの母親教室は、どこの産婦人科でもやってたんですが、それだと父親になる側が、母親になる側と、知識にしろモチベーションにしろギャップが広がってしまうんで、両方が参加する教室を導入しているところが増えているみたいなんです。両親教室への参加が、立ち合い出産の条件になっているところも多くて」 「まあ、何も知らんバカを出産に立ち合わせても、騒ぐだけで役には立たんしな」 「あんたの場合、役に立たないどころか、追いだされたんでしょ?」 「バカ娘、それは正確とは言えん。母さんから『もう大丈夫』サインが出たんで、おとなしく退散したんだ。な、母さん」 「ええ。さすがにわたしもハルヒを生むのに集中したくって」 「ほら、見なさい。キョン、あたしたちは二の轍は踏まないで行く...
  • その次の日
     ハルヒの力が無くなったという知らせを、あの3人が三様に告げに来た日の翌朝。  夢にしがみつくように頑固に眠っていたおれを起こしたのは、いつもの妹のボディ・プレスだった。  いつも通りの、いつもの朝。  違っていたのは、それに続くセリフがなくて、妹がそのままベッドの脇に立ち尽していたことだった。 「……」 「ん、どうした?」 「あ、うん、古泉君が来てるよ。……キョン君を呼んで欲しいって」 「そうか……」  用件は分かってる。 「キョン君!」 「ん?」 「あ……な、なんでもない。ごめんなさい」  おれはぽんぽんと、手のひらで妹の頭を軽く叩いた。 「ちょっと、出掛けて来る。昼飯には帰るから」 「うん。……いってらっしゃい」  そうとも、用件なら分かってる。  「悪い。待たせたな」 「いえ、こちらこそ早朝に押しかけて申し訳ありません。あまり……」 ...
  • 通り魔
     血のにおいがした。  そのとき、あたしたちは、人ごみの中にいた。  雑踏のざわめきの中で聞こえたのは、あいつの鼓動だった。  はじめて抱きしめられた。はじめて耳元で、あいつがあたしの名前を呼んだ。  次の瞬間、あいつは砂山のように崩れ落ちた。背中に刃物が刺さっていた。  血を浴びた男は、自分が何をしたのか分からないという顔をしていた。  それでも、あいつの背中に刺さった刃物に手を伸ばし、たった今、自分がやったことを、他の誰か相手に繰り返そうとしていた。  「さわるな!」  あたしの中で血が沸騰した。何かが目覚めたみたいに体が動いた。  あたしはその男に向かって跳び、その勢いすべてを右の掌底で相手のあごに叩きこんだ。そのまま、あごをつぶすくらいににぎりしめ、崩れる男の体を、アスファルトにぶちまけてやろうと思って、叩きつけようとした。  「ハルヒ!」 ...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その17)?
    「彼女は赤面した」はなぜNGなのか?/「描写」について 今日はものすごく細かい話です。 (例文1)ハルヒは赤面した。 (例文2)顔をトマトにように真っ赤にしてうろたえるハルヒ…… (例文3) 「(略)あんたにじっと見られると副交感神経が刺激されて顔面特有の神経血管反射が起こって血管が拡張して……」 「いや、もういい。おまえの顔見てたら、何が起こってるか、俺にもわかる」 「……顔が……真っ赤になるんだからね……」  描写というのは、近代に入ってから(二葉亭四迷がツルゲーネフの「あいびき」を訳したのが画期だとされてます)日本の文芸に輸入された技法で、親父書きにとっては「天敵」です。  未だに、これといった工夫をしてない描写(いまだに小説の地の文の大部分を占めるものです)を読むのはつらいです。私が会話ばかりをお話を多く書くのは、実はこういう理由です。...
  • ロール・プレイング その7
    ロール・プレイング その6から 老人 なんじゃ、もうギャーギャー騒がんのか? つまらん。 オヤジ 勢いに任せてオトコマエなことを言っちまったら、へんに腹がすわったらしくてな。 老人 便利な腹じゃ。 オヤジ 残る恐怖は、怒った女房だけだが、こいつは克服したくない。 老人 そしてよく回る口じゃ。 オヤジ このまま王宮まで飛ぶのか? 老人 降りると余計に時間がかかる。王都は人が多すぎる。都を抜けようとすると丸1日はかかるわい。 オヤジ 都市計画がなってないな。公衆衛生の観念もないだろ? 向こうに戻ったら、ヨハン・ピーター・フランクの10巻本を届けてやる。 老人 王都は確かに死亡率が高いが、それでも人が押し寄せるよう来る。それで釣り合いがとれておるのじゃ。 オヤジ マルサスの罠にどっぷりかよ。東の巫女が戦を避けたがってたのも、その口か? まあ、この世界の戦で、それほど人が死ぬかは疑問だが。...
  • ダンス・ダンス・ダンス
    「あれ? 母さん、めずらしいね」 「そう?」 「うん。新聞の切りぬきなんて」 「ええ、知ってる人がね」 「ふーん、出てるの?」 「訃報なの。昔の知りあい。ピアノの学校でね……ん?」 「母さん?」 「そんなに心配かけるような顔してた? 母さんも修行が足りないわ」 「そんな修行はしなくていいわよ。たまには心配ぐらいさせなさい」 「ありがと。ほんと、ハルはいい子に育ったわ」 「な、なに、言ってるのよ」 「うん、かわいい、かわいい。……ハル、夕飯頼めるかしら? 炒めものでないとありがたいわ。小鉢は2種類、ごはんは炊きこみごはんがうれしいかしら」 「わかった。……聞いていい?」 「ええ」 「その人、そんなに親しい人?」 「そうね、ピアノの学校で知りあった親友の……元旦那様。ちょっとは名の知れた人よ。一人で亡くなられたそうだから、それでちょっとね」 「パーティ...
  • I wish you were here.(アナタガココニイテホシイ)
    「ねえ、こなたが言ってたんだけど」 「『こなた』って、『らき☆すた』のか?」 「うん。ギャルゲーの主人公って何の取り柄もないのに、出てくる女の子という女の子がみんな、なんでそんなのに惚れるわけ?」 「じゃないとギャルゲーにならんだろ。『何の取り柄もないから、まったくもてません』では、現実と区別がつかん」 「あんた、区別ついてる?」 「どういう意味だ?」 「あんたも、無意味に全方位的にもててるじゃない」 「自慢じゃないが、俺はもてた試しなど一度もないぞ」 「……自覚ないんだ。どうりで」 「どうりで、何だ?」 「……なんでもない」 「いいか、ハルヒ。『外の人』にとってはラノベかもしれんが、俺たちにとっては、いや少なくとも俺にとっては、これが不二にして唯一の現実だ」 「あんたさ、夢見たことある?」 「夢って、どんな夢だ?」 「質問に質問で返さない! 夢っていったら、夜...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その3
    涼宮ハルヒのリフォーム その2から  「すごい鍵束だな」 と親父さんは俺が持っているものを見て言った。 「マスター・キーってものがないんだそうです」 「扉ひとつに、ひとつずつか。よく、玄関の鍵がそれだとわかるな」 「ええ、これひとつだけ飾りが付いていて。残りの扉は、面倒なんで、昨日来た時に鍵は開けておきました」 「ふーん」  洋館内部の実測と点検は、てきぱきと進められた。  部屋の内側の形と面積を知るのが主な目的だったが、親父さんが指示を出し、巻き尺の端を持って俺を走らせる。軽口も冗談も休まないが、親父さんは判断が速くて正確で、たとえ間違っても「ああ、やっちまった」と認めるのも修正するのも躊躇がない。おかげで作業は驚くほど速く、それに気持ちよく進んだ。  親父さんは、俺が走る間にも、壁を叩いたり、床を蹴ったりしつつ、建物本体の具合をチェックしているみたいだっ...
  • 王様とあたしたち その1
    prologue  「父上、うれしそうですね」 「ん? ああ、顔に出てるかな?」 「ええ、珍しく」 「息子の結婚だ。もちろん嬉しいとも」 「歳のはなれた、政略結婚でも、ですか?」 「君たちには時間がある。愛情はこれから育んでいけるだろう」 「さて、どうですか。……それよりも、来賓にあの方をお呼びしているとか」 「ああ。君はまだ会ったことがなかったね」 「ええ、楽しみですよ。聞けば私と同じ歳の娘がいるとか」 「家族ともどもお呼びしてある。私の恩人だからね」 Act-1  「結婚される息子さんって、おいくつ?」 「うちのバカ娘と同じだ。まあ、嫁さんの方は6歳らしいがな」 「大変ね」 「まったく。えらい奴はいろいろ面倒だ。王さまなんかやめてこっちに来いと言ったんだがな。俺とちがって真面目なんだ」 「ほんと義理がたい人ね」 「まあ、出会った...
  • ロール・プレイング その5
    ロール・プレイング その4から 兵士A キョン、とか言ったな。 キョン あ、はい。 兵士B 我々が口を出す筋合いではないが。 兵士A しかし命を助けてもらったのは事実だ。だからこそ聞いておきたい。 兵士B あの者、おまえが「親父」と呼んでいた人物、信用できるのか? 兵士A あいつに着いて行って大丈夫なのか、という話だ。 キョン はあ。その質問に答えるのは、一生かかりそうと言うか……。 兵士B ぬるい! そんな悠長な事で大丈夫なのか? 兵士A 突き落とされたから言うのでは無いが、あの者、悪とは言い切れぬにせよ、普通じゃないぞ! キョン ああ、それは、確かに、……認めます。 兵士B あいつに何か弱みでも握られてるのか? キョン うーん、完全に間違っている訳ではない気がするけど……。 兵士A どっちなんだ!? キョン いや、「握られてる」のとは違います。……おれたちは、人を捜しに来ま...
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