ハルヒと親父 @ wiki内検索 / 「ともコレ」で検索した結果

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  • ともコレ
    ...くるちゃん、あなた『ともコレ』って知ってる?」 「と、も、こ、れ、ですか?」 「そう『ともコレ』。某携帯ゲーム機でやるゲームなんだけどね」 「はあ」 「近所の小学生が、あ、みくるちゃんも知ってる、あの子よ、あのメガネの。その子がね、やってるのを見せてくれたの」 「どういうゲームなんですか?」 「『ともだちコレクション』、略して『ともコレ』ね。あたしが見たところ、とっても危険なゲームよ。今に殺人事件が起きるわね」 「ふええ。そ、そんなに怖いゲームなんですか?」 「別にホラー系って訳じゃないけどね。まあ、名前通り、友達をゲームの中につくるのよ。最初に姿カタチだけでなく、声や性格的なものまで入力するわけ。細かく設定するから、大抵は本当の友達とか、周囲の知ってる人になることが多いわね。そうやって、ゲームの中に、キャラクターが増えていくとね、そいつら同士がいろいろ交流したり、『...
  • ハルキョンのともコレ
    ... ハルヒ で、この「ともコレ」は何? あんた以外、女の子しか入ってないじゃないの!! キョン いや、待て。おれはおまえだけだって! その証拠に…… ハルヒ 好物をみろ? 『1位 涼宮ハルヒ』は、わかるわよ。なによ、『光陽園ハルヒ』っ てのは? 大好物『中学生ハルヒ』ってのは!? キョン なにぃ! いつのまに順位が入れ替わった? ハルヒ ってことは、あんたが入力したのね。そして他のハルヒも、ランクインしてたっ て訳ね。 キョン ……。 ハルヒ 大好物って、あんた、……食べるの? (これ以上は書けません) ともコレ
  • 閲覧回数上位SS
    ...ん4 (8765) ともコレ (8752) できちゃった その2 (8743) 辞書シリーズ/和英辞典:ただいま/おかえり (8714) 輪になってマッサージ (8704) 一人旅に必要な事 その後 (8703) 王様とあたしたち その1 (8676) 白みかける空 (8620) 親父書きがSSを読む (8387) 二人は暮らし始めました-外伝-ハルキョン温泉旅行 その3 (8377) 掲示板/足跡帳バックナンバー4 (8335) ハルヒと親父2その後 一周年 その後ー腕の腫れ、氷の癒し (8333) 家族旅行で見る夢は (8258) ハルヒ先輩8 (8254) 司書は休日、魔女になる (8240) できちゃった 外伝ーミッドナイト・ミルク (8184) 明日のお弁当 (8092) 二人は暮らし始めました-外伝-ハルキョン温泉旅行 その4 (8071) For piano four ...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー5
    ...) 最速といえば、ともコレがわずか15日間で1076ビューかせいで、いきなり100位以内に登場。時事ネタだから?ひさしぶりにSOS団メンバーがでてくるしね。名誉顧問が最後しめてるし。で、実は実話に取材したハルキョンのともコレは現在378 ビューです。うーん(笑)。 -- 親父書き (2009-10-31 17 11 57) 一方で、『夏の自転車』は1048 ビューで100位落ち。盛者必衰の理。でも作者が愛してるから、ナントカ復活をはかろうと思う。 -- 親父書き (2009-10-31 20 18 58) -現在の掲示板 現在の掲示板(別ページ)
  • SS(二次創作)「ハルヒと親父」シリーズの物置
    ... 涼宮ハルヒの正夢 ともコレ マジで恋する5秒前 かなしいうた 夢魔が降る夜 +その他のSS かなりばか系 その男、文系につき SOS団がカラオケへ行く スモール・トークス ラブレターズ 歴史改変阻止シリーズ 技術の長門 おれがあいつであいつがおれで 背中合わせ 逆チョコ バカップル度チェック 7月20日 Tシャツの日 一言違いシリーズー伝染病 一言違いシリーズークラークの法則 長門有希の解答ーおっぱい 技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走 ミルク搾りの女の子 青少年愛護条例 ハルキョン版アリとキリギリス 銀河の中心で愛を叫ぶ バカップル度チェック(初心者篇) ならんでる +その他のSS カオス系 涼宮ハルヒの禁欲 涼宮ハルヒのいちゃつき 涼宮ハルヒの中継 かつてなく積極的な ツンデレエンザ キス銀行 6月6日 かえるの日 クイズ大会 アルプスの少女ハルヒ ハル...
  • チョコレート・パニック
    父「ほれ」 娘「親父、何よ、その手は?」 父「チョコレートだ。もらってやる」 娘「はあ?なんであんたにやらなきゃいけないの?」 父「じゃあ、くれ」 娘「ない」 父「ください」 娘「ないものはない」 父「チロル・チョコでいいから」 娘「自分で買え」 父「母さん、ハルヒがいじめる」 娘「いいから、そこどきなさい。通れないでしょ」 父「チョコ、チョコ、チョコ」 娘「あー、うっとうしい!ついてくんな!」 父「ちょこー」 娘「どこからか知らないけど、いつも山のように持って帰ってくるんだから、いいでしょ?」 父「あれは全部偽装だ、もとい義理だ」 娘「娘にどんなマジ・チョコ、期待してんのよ?」 父「どうせやる奴いないなら、くれ」 娘「いるわよ!相手くらい……」 父「ストップ!それ以上言うな。相打ちになりそうだ」 娘「……ふん。たまにはいいこと言うじゃない」 父「キョンのやつにやるのか?」 娘「ぐっ。……...
  • ほめられちゃった
    Haruphilic SS で「ハルヒと親父」シリーズがほめられてました 「涼宮ハルヒのSS in VIP雑談所」で 「収束」(『涼宮ハルヒ』シリーズの二次小説ブログ)さんにほめられました 「ほめられちゃった」というより「ばれちゃった」? 龍泉堂奇譚の蔵人さんに褒めてもらっていた ブログ モンゴル猿が皿鍵と日常を語るさんに「ほめられちゃった」というより「脳みそがキャストオフするような衝撃」をあたえた? Haruphilic SS で「ハルヒと親父」シリーズがほめられてました そうなんです、そういうのを狙って書いてます。 それが届いてるみたいなのが、うれしい。 Haruphilic SS というブログさんなのですが、 そのブログは、はすでになく、この度、復活されましたが(当wikiへリンクいただいているばかりか、「定点観測」され、SS毎にコメントをいただいてます。)、...
  • 一人旅に必要な事 エピソード2
    幸せと笑顔 アキ ねえ、ナツキは、ハルヒに似てるよね。 ハルヒ そうね。キョンにも似てるけどね。 アキ 惜しいね。すごい美人になれたかもしれないのに。普通の美人どまりかも。 ハルヒ それはキョンを愛するあたしへの挑戦と受け取っていいわね、アキ。キョンはああ見えても、もてるのよ。 アキ 知ってる。素で親切で、自分の行為を親切ともなんとも思ってないから、相手が感謝して好意を持ったとしても気付かないんでしょ。フラクラっていうんだよね。 ハルヒ その下らない豆知識の発信源は、親父ね。 アキ うん、親父ちゃんって、ほんと物知りだね。何、尋ねても答えちゃうから、アキ、びっくりだよ。いーーっぱい説明してくれるから、ときどき自分が何を質問したから忘れちゃうけど。 ハルヒ だいたい親父は、いつも百言くらい多いのよ! オヤジ 人間は知りたがりの動物だと、アリストテレスも言っている。あきらめろ。 ハルヒ ア...
  • ハルヒ先輩6
    ハルヒ先輩5から  「ちょっと待て、ハルヒ。なんだ、その格好は?」 「あんたの高校の体操着(女子用)よ」 「なんで、おまえがそんなものを着てる?」 「加えて言うなら、あたしの母校でもあるわ」 「それは知ってる。尋ねてるのは理由だ」 「どこかの誰かさんみたいに、卒業後、使用済みの制服その他を売り捌いたりしてないの、あたしは」 「思い出は心に、衣類はタンスにしまっておけよ」 「普段はしまってあるわよ」 「今日もしまっておけよ」 「そうはいかないわ。今日はいつもと違うもの」 「何が違うんだ?」 「あんたの誕生日でしょ」 「それって、まさか……」 「そ。『プレゼントはあたし』ってやつよ」 「まてまて。それは一旦置いておくことにしよう。だが、なんで、よりにもよって体操着なんだ?」 「あんたの、その反応がすべてを物語っていると思うけど」 「あう」 「どうして...
  • ホワイトデー
    母さん あ、ハル、おかえりなさい。 ハルヒ ただいま。……母さん、あれ何? 母さん ん?お父さん? ハルヒ おやじ、何してるの? 母さん さあ。よくわからないけど、ホワイト・デーの準備かしら? ハルヒ 毎年、不思議で仕方がないわ。義理でも、あれにチョコを渡す人の気が知れない。世の中、よっぽど変わり者好きが多いのね。 母さん 手近に不思議が見つかってよかったわね。 ハルヒ よくない! あれは不思議というより、ただの不気味よ。 母さん あれだけの量だもの、返すのも大変ね。 ハルヒ どこの新人王よ?アイドルよ?……母さん、聞き飽きたと思うけど、あんなののどこがいいの? 母さん どこといわれても……全部、かしら? ハルヒ 母さん、しっかりして! 母さん 飽きっぽい母さんが、これだけ一緒に居ても飽きないのだもの。それだけで、替わりは見つからないと思わない? ハルヒ 珍しいだけなら、ガラパゴスにいけば...
  • スポンサーから一言 その5
    スポンサーから一言 その4から  警察署を出ると、黒塗りの車が止まっていた。 「大使館ナンバーの車だな」 「絵描きは物知りだな。叔父が大使館員なんだ」 「まるっきり私用じゃねえか」 「邦人を助けるのが大使館の仕事だ。大まかには間違ったことはしてない」 「なにが法律で助けてやる、だ」 「司法研修生なのはほんとだ。いまは病気療養中ってことになってるが」 「何かやったのか?」 「ケンカだ。売った相手が悪かった。で、ほとぼり覚めるまで国外に放りだされた」 「ブルジョワ(おぼっちゃん)め」 「フランスじゃ、誉め言葉だぞ」 「言いなおそう。キャピタリスト(資本家)め!コロニアリスト(植民地主義者)もつけてやろうか?」 「よしてくれ。勲章が重くて前に倒れそうだ」  後ろに乗れと言って、自分もあとから乗り込んできた。 「パリで一番うまい店でおごってやる」 「どうせマ...
  • 涼宮ハルヒの脱衣ー第1回お礼SS
    「い、言い出したのは、おまえだからな」 とおれ、何を言ってる? 「わ、わかったわよ。別に……どうってことないわ」  どうってこと、あるだろうが、その顔は? 「何よ?」  やめろ、考え直せ。 「な、なんでもない……」  そうじゃない! 何かあるだろ!?  なんでもいい。部屋が寒いとか、風邪気味だとか、じいさんの遺言だとか、 学校に来る途中黒い猫に前を横切られたとか、なんかそういう、 それこそどーでもいい、断る理由が、だ。 「お、おまえ、さ、寒くないのか?」 「さ、寒いわけないでしょ! それがこれから服を脱ぐ人間に対して言うセリフ!?」 いや、まったく、そのとおり。って、だから、それ、既定事項かよ! 「ハルヒ!」 「ちょっと離して! あんたに脱がされるくらいなら!」  おれはハルヒの腕を取り、引き寄せようとして失敗して、 それならと自分の方から近づいた。  ...
  • 技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走2
    技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走より  「古泉、『ワッフル・デコーダー』を壊せないか、という話をしてたろう。長門の答えは『近づくのは危ない』ってことだったが、いずれにせよ、危険は伴うんじゃないのか?」 「長門さんが言いたかったのは恐らく……、失礼ですが『クレタ人のバラドクス』をご存知ですか?」 「『クレタ人は嘘つきだ、とクレタ人が言った』って奴だろ。『おまえもクレタ人だろ!』と突っ込めばいいんじゃないのか?」 「違います。それこそがかえって我々をパラドクスに落とし込む罠ですよ。クレタ人が嘘つきだとしたら、『クレタ人は嘘つきだ』と言っているクレタ人もまた嘘をついている。となれば、『クレタ人は嘘つきだ』は嘘なのですから、『クレタ人は嘘つきでない』ことになります。ですが、『クレタ人は嘘つきでない』以上、『クレタ人は嘘つきだ』と言っているクレタ人もまた本当のことを言っている訳...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その5
    涼宮ハルヒのリフォーム その4から  「で、どうすんの?」 と尋ねるハルヒの眼の中に、往年の某野球マンガにまで遡れるメラメラと燃える炎が見えたのは気のせいか? いずれにしろ、今やこいつの気分は絶好調に高揚し、アドレナリンが分泌され、「オラ、わくわくしてきたぞ」状態になっているのは間違いない。 「マグライト振り回して、相手の侵入経路を調べて回るのが手堅いが、そんなことでもすれば、相手が人間であれ物の怪の類いであれ、間違いなく勘付かれる」 「そうね」  ハルヒは頷いた。 「とっと逃げられて、ほんとに居たのか居なかったのかも、よくわからない、ってのが最悪のケースね」  そういうと思ったぞ。二手に分かれるのはリスクがある。かといって一方から追い込んでも、窓から外に飛ばれでもしたら、それでおしまいだ。  「手、貸そうか?」  後ろから、聞き覚えのありすぎる声。そして予想がつ...
  • 司書はある朝、魔女になる
    司書はなにゆえ魔女になる?から  ある日の放課後。  いつものようにSOS団部室(本当は文芸部部室)の前まで来ると、ひょっとすると文芸部の方に入りたくてやってきたような、文学少女オーラを放つ小さな女子生徒が、その人外魔境と化している(とうわさされる)部屋の中へ、入ろうか入るまいかと逡巡(しゅんじゅう)を続けていた。 「もしかして、長門に用か? 多分、中にいると思うから入っても構わないぞ」 とおれが声をかけると、すがるような助けを求めるような目でこっちを見た。やれやれ。  おれはドアを開け、そいつが中にいるのを確認して言った。 「長門、図書委員がまた来てるぞ」 「そう」 と言って長門は本を閉じて立ち上がり、おれは長門とすれ違うように部室の中に入った。  二、三言だろうか、この距離でも聞き取れないような小さな声で、図書委員と言葉を交わした長門は、 「図書室へ行って...
  • 雪洞の親父
     「あ、キョンか? 親父だ。しくじっちまった。ああ、俺の方はピンピンしてるが、バカが一人、足首をひねってな。おれの見立てじゃ骨まではいってない。今夜は腫れるだろうが、周りは雪だらけで冷やすものには事欠かん。今か? スキー板ででっかい雪胴を掘った。その中にいる。雪は断熱性も遮音性も抜群だからな、中は静かなもんだ。天井もちゃんと滑らかにしたし、壁の下には溝を掘ったから、溶けた雪が垂れて来て悩まされる心配もない。で、用件だ。ついさっき、母さんの携帯にGPSのデータを送った。だが、おれのカンだと、2、3日、低気圧が居座りそうだ。となると、母さんの能力は半減だ。すまんがサポートしてやってくれ。バカと話すか?」 「早く貸しなさい! ……キョン? 親父が大げさなこと言ってたけど、あたしは全然平気だから、あんたはつまんない心配はしないように。この通り、ピンピンしてるわ。この歳で親父とビバークするとは思わ...
  • 保健室へ行こう5
    保健室へ行こう4から  「あの人、三年でしょ? どうして白衣なんか着てるの?」 「知らないの? 保健室の先生のコレよ、コレ」 「えっ! あの、ぼーとした?」 「そう。しばらくずっと保健室登校してたらしいわよ。中で何やってたか、知らないけど」 「で、『彼氏』の仕事着を、これ見よがしに着てるんだ? すごーい」  階段の上から振ってくる声。さっきすれ違った一年生らしい。聞こえてないと思ってるのね。  めんどうくさいし、いつもなら放っておくところだけど、今日のあたしは機嫌が悪い。寝坊したせいで、朝の分のキス、してないしね。  立ち止まって、お腹に力を入れて声を出す。階段にちょうど反響するくらいの大きさで。 「な・ん・か・用?」  凍り付く3人組の表情が、見なくてもわかる。  数秒遅れて返ってくる声。 「「「い、いえ、あの、すみません、失礼します!!」」」  ばたば...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その23)?
    ひさびさに短い目の「そのとき親父書きは何を思ったか」をお届けします。 乱歩の日  乱歩なら他にもいくらでもあるだろう、との当然過ぎるご指摘がありましたが、ハルヒなら、絶対『人間椅子』だろうと迷いもしませんでしたwww。  というか、これを書いてはじめて『人間椅子』の何が嬉しいのか/何を欲望しているのかが、理解できたような気がします。  暑苦しくても、視覚と動き回る自由を失ってでも得たいもの。キョンは反省して、もっと「だっこ」してあげるべきですねwww。 夏氷(なつごおり)の日 ゲリラ雷雨 夏の自転車  歳時記を見てネタを考えたような、夏の掌編。  省略に省略を重ねて、削りに削ってるのは、描く力量と時間がないせいです。  それでも読み手の想像力が救ってくれるのに賭けるという、文字でやってる強みに完全に寄りかかってますね。だから、感想がもらえると、このあたりのは本当に...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー6
    お立ち寄りいただいた方々のための足跡帳バックナンバー6 ([+]をクリックで展開、[-]をクリックで畳込み) -2009-05-16〜2009-06-07の分 2009-05-16〜2009-06-30の分(別ページ) -2009-07-01〜2009-07-31の分 2009-07-01〜2009-07-31の分(別ページ) -2009-08-01〜2009-08-31の分 2009-08-01〜2009-08-31の分(別ページ) -2009-09-01〜2009-09-30の分 2009-09-01〜2009-09-31の分(別ページ) -2009-10-01〜2009-10-31の分 2009-10-01〜2009-10-31の分(別ページ) -2009-11-01〜2009-11-15の分 ...
  • その男、文系につき
    その男、文系につき その1 その男、文系につき その2 その男、文系につき その2 アフター その男、文系につき その1 「ねえ、有希。この『すがるおとめ』ってどう言う意味?」  辞書を引くのがめんどうくさいのか、近頃、ハルヒは長門にこうした質問をする。ユキペディアと、こっそり俺は名づけているのだが、さすがに長門の回答は正確無比で速い。一時の集中力は何ものをも上回る感があるハルヒだが、その分飽きっぽく面倒くさがりだ。しかし、団員を辞書代わりにするなど、あんまり感心しないな。  なんてことを考えていたので、長門が顔をあげてこちらを見ているのに気づくのが遅れた。この手の質問は迷うまでもないから、いつもなら瞬時に答えるのだが、今日はどうした? 俺に許可を求めるような、微妙な問題ではないと思うぞ。 「その質問なら彼に」  長門は目を俺からハルヒに移し、それから再び自分の本に視線を...
  • ハルヒ母の遍歴時代
     そうねえ。  15歳とか、それくらいまでしか生きられないって、小さい頃からお医者さまにも家族にも言われていた話は前にしたわね。  実際、すぐに熱出して、学校も欠席の方が多かったくらい。そのうち、行かなくなっちゃったけど。  だって時間がもったいないって思ったの。15歳までしか時間がないなら、やりたいこと全部やるのに、余計なことをする暇なんてないと思ったのね。  学校抜き、勉強抜きで、ピアノとバレエだけの毎日だったわ。もっとも、どちらも、体力がなかったから、そんなに練習できたわけじゃないけど。  だから、あんなに好きだったけれど、バレエは一度も舞台を踏んだことはなかったの。ピアノは座っていられるから、まだましね。実際は、ものすごく体力勝負だけど。ついた先生がね、朝から昼までの3時間以上練習しちゃいけない、って方針の人だったの。日本の先生は、8時間でも10時間でも弾けるだけ弾け、と...
  • ハルキョン家を探す その4
     父親が帰宅し両親が揃ってから話をした方がいいだろうと、俺とハルヒはファミレスで時間をつぶし、それから俺の家へと向かった。  予想していたことではあったが、うちの家の反応は、鷹揚にして寛容な涼宮家のそれにほど遠く、当惑と難詰とからなる、よくもわるくも、ごく常識的のものだった。 「仲がいいのは結構な話だが、正面切って『同棲』したいんだと言われても、反対だとしか言えないな」  俺の父親がついたため息を引きとって、今度は母親が口を開く。 「ふたりはまだ高校生なんだし、その歳にふさわしいお付きあいの仕方があるとおもうわ。それにハルヒちゃんのご両親だって心配なさると思うし」  ハルヒは顔を上げて、いつもの二割増で目に力をこめて言う。 「あの、うちの両親には話しました、ふたりで」 「そう、どうおっしゃっていらしたの?」 「するなら自分たちの甲斐性と責任で、と言われました」 「そ...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その7
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その6から  真夜中にはまだ間がある時間にコテージを飛び出し、結局、空の一角が明るくなるまで、ハルヒと俺は、東を向いて歩いた。  俺には自分たちがどこに向かっているのか、それにどれだけ進んだのかさえ、見当もつかなかったが、俺の手を引くハルヒの手は、大丈夫こっちで間違いない、とずっと言い張っていた。   あとで知ったことだが、俺たちが歩いていたのは、この島の一番長い道だった。  元はレールが敷いてあったらしい砂利道で、今はなくなった鉄道は、最初の夜に食事をした繁華街の外れにあるセントラル・ステーションを発着駅にしていたそうだ。 「キョン、お腹がすいたわ。しかも小腹ってレベルじゃなくて」 「俺も腹ぺこだ、ハルヒ。ここで『だから、おまえの太ももをよこせ』といえないのが全年齢対応のつらいところだ」 「言えたら、それはそれで、別の意味でつ...
  • 一人旅に必要な事 その後
    「あ、キョン君、おひさしぶり。え、ハル? んー、あ、お父さんがちょっとしゃべりたいって、かまわない?」 「よお、キョン、元気か? ああ、ハルヒは、絶賛一人旅中だ。ん、バイクだ。雪国で役立つ、スーパーカブ(ポストマン仕様)だ。心配? ああ、心配だ。親のできることは、いつだって心配することぐらいしかない」  何年も経つというのに、電話の向こうの親父さんは、あの時のままの親父さんだった。  そのことが余計に胸を締め付けた。 「で、どうした? 電話してくれたのはうれしいが」 「親父さん、おれ……」 「ああ、聞かない方がいいか」 「いや、俺の方が聞きたい事が。……ハルヒに会ってもかまいませんか?」 「やれやれ。『これ以上あいつを傷つけるな』とか言った方がいいか? おまえさんは何もやっちゃいない。バカ娘がひとりで派手に転んだだけさ。大手を振って会えばいい。それに親父的には、...
  • 技術の長門
    ガジェット 1:「相合い傘」 ガジェット2:ワッフル・デコーダー ガジェット3:ひみつ道具「シナリオライター」 ガジェット3:ひみつ道具「シナリオライター」その後 ガジェット4:僕らの夢「KFディアクティベイター」 ガジェット4:僕らの夢「KFディアクティベイター」つづき ガジェット 1:「相合い傘」 「あ、くそ。降ってきやがった」 「梅雨に雨が降るのは当たり前でしょ。はい、これ」 「なんだ、この傘?」 「雑用係が濡れねずみになって風邪でも引かれたら、団長のあたしが困るの! どうせ、どっかからかっぱらってきた奴だから、返さなくてもいいわよ」 「じゃあ、ハルヒ、おまえはどうすんだ?」 「あ、あたしはちゃんとこのとおり……あれ?」 「やれやれ。……これは、おまえが使え。じゃあな」 「ちょっと、キョン、待ちなさい! これじゃ全然、この傘の意味がないじゃない!」 「『こ...
  • スポンサーから一言 その3
    スポンサーから一言 その2から  親父さんは、その後ずっと無言だった。弁護士先生の事務所に立ち寄り、資料をものすごい速さで捲っているときも、その後も。  帰り際、弁護士先生は、弁解がましく、こう言った。 「悪く思わんでくれよな、キョン君。おれは金が好きだし、負けるのは嫌いだが、そっちは俺の人生(しゅみ)だ。おれの力の及ぶ限り自分の汗を流せばいいと思ってる。だが、負けること以上に、冤罪って奴が嫌いでね。誰がどう考えても、いけすかない野郎だが、だからといって、罪をそいつに背負わせればいいって考えに虫酸が走る。親友と呼ぶのはおこがましいが、それでも親父は、大事な友人だし恩人だ。巻き込むのは本意じゃないが、この事件は俺の手に負えないと、俺の中の何かが言ってる。親父の手を借りなきゃいかん、とな。トラウマに手を出すようなやり方はしたくなかったが、これ以上の手が思いつけなかった」 「トラ...
  • よくあるデートの誘い方
    古泉 デートの誘い方……ですか? キョン ……まあ、有り体に言えばそうだ。 古泉 なるほど。では場所を移しませんか? 長門さん、僕たち二人は、お茶菓子の買い出しに出たと、涼宮さんにお伝えください。デートうんぬんはご内密に願います。 長門 わかった。 古泉 あなたが《普通》に、というのはNGワードでしたか、《真面目》に誘えば、十中十は了解が得られると思いますが。 キョン 真面目にか。 古泉 いつもはふざけているとか、そういうことではありません。ただお二方とも、うやむやにするのに慣れていらっしゃるので。 キョン ……まあな。 古泉 あえてひとつ付け加えるなら、企画には具体性があったほうがよろしいかと。例えば、ただ『飲みに行かないか』よりも『外人しか来ない秘密のバーに行ってライム入りのコロナビールをストローで飲みながらSMショーを見よう』といった方が、...
  • 嫁いだ日
    オヤジ 行っちまったか。 ハルヒ母 ええ。 オヤジ 騒がしい奴らだったな。 ハルヒ母 いなくなるとさびしくなりますね。 オヤジ 自分たちの住処を見つけて、越していっただけだぞ、母さん。 ハルヒ母 ええ。私たちもそうして一人立ちしたのよ。 オヤジ 今のあいつらよりは、歳くってたけどな。 ハルヒ母 今ごろになって、お父さんの気持ちが少し分かった気がするの。 オヤジ どの気持ちだ? ハルヒ母 「惜しくってたまらん。美人に育ちすぎたぞ」って。 オヤジ そんなこと言ったのか、おれ。 ハルヒ母 ええ。 オヤジ 馬鹿オヤジ、ここに極まれリ、だな。 ハルヒ母 そういうところも好きですよ。 オヤジ あいつらが出ていったら、犬でも飼おうかと思ったんだけどな。 ハルヒ母 そうなの? オヤジ だが、やめた。こんな気持ちは一度でたくさんだ。 ハルヒ...
  • I wish you were here.(アナタガココニイテホシイ)
    「ねえ、こなたが言ってたんだけど」 「『こなた』って、『らき☆すた』のか?」 「うん。ギャルゲーの主人公って何の取り柄もないのに、出てくる女の子という女の子がみんな、なんでそんなのに惚れるわけ?」 「じゃないとギャルゲーにならんだろ。『何の取り柄もないから、まったくもてません』では、現実と区別がつかん」 「あんた、区別ついてる?」 「どういう意味だ?」 「あんたも、無意味に全方位的にもててるじゃない」 「自慢じゃないが、俺はもてた試しなど一度もないぞ」 「……自覚ないんだ。どうりで」 「どうりで、何だ?」 「……なんでもない」 「いいか、ハルヒ。『外の人』にとってはラノベかもしれんが、俺たちにとっては、いや少なくとも俺にとっては、これが不二にして唯一の現実だ」 「あんたさ、夢見たことある?」 「夢って、どんな夢だ?」 「質問に質問で返さない! 夢っていったら、夜...
  • High Moon:真夜中の親父
     「ただいま」 「お父さん、お帰りなさい」 「……」 「ん?ハルヒ、闘(や)ったのか?」 「中学生3人と。クラスメイトが脅されて、お金取られそうだったんだって」 「バカな連中だ。小学生、おどしても、いくらもならんだろ。襲うなら大人を襲え」 「……」 「それも少し違うと思うけど」 「……負けた顔じゃないな。まあ、負ける訳はないか。だが、こいつ、怒りを押し殺してるって顔してるぞ」 「そうなの。でも、何にも教えてくれなくて」 「母さんにも話さんとは珍しい。……どれ、その怒り、おれが買ってやろう」 「!さわるな!」 「なるほど。……男を殺したくなるようなものを見たか。クラスメイトが取られそうだったのは、どうやら金だけじゃないらしいぞ。母さんに言いたくない訳だ」 「……」 「ハルヒが帰ってきたのはいつだ?」 「午後6時ごろかしら」 「この季節じゃもう暗い時間だ。……こ...
  • 親父の一番長い日
    親 父 おちつけよ、キョン。 キョン いや、大丈夫、大丈夫です。 親 父 まあ男は結局気をもむくらいしかできんけどな。 キョン 大丈夫、大丈夫。 親 父 おいおい。そんなに心配なら、ラマーズ法とかあったろ。中に入って手でも握ってやればよかったんだ。 キョン 「あんたがいたって役に立たないんだから」って言われて。 親 父 まあ、実際、そうだけどな。 キョン (ぶつぶつ) 親 父 まだ何時間か続くぞ。そんなに気を張ってたら、痩せこけて腹も引っ込んじまう。 キョン 大丈夫、大丈夫です。 親 父 時間つぶしに、何か面白おかしい話でもしてやろうか。たとえばあいつが生まれた日のこととか。 キョン ハルヒが? 親 父 あんときは、どっちか片方は死ぬとか、物騒なこと言われたなあ。 男  どっちか、あきらめろ? それが医者のいうことか! 医者 おまえだからいうんだ。このままだと両方が危険だ。 男 ...
  • オヤジのバスケ
     誰と、どうした訳で、こういう事態になったかを説明し始めると、『オデッセイア』を上回る大叙事詩になる恐れがあるので割愛したい。  「3on3? って誰が? あいつらと?」 「おれが出よう。キョンを出すよりはマシだろう」 「ちょっと、キョン、こんなこと言われてるわよ!」 「今は勝つ事に集中しろ。作戦だ。長門は3ポイント・シュートを打ちまくれ。お前なら、コートのどこからでも狙えるだろ?」 「わかった」 「だが、得点源が誰だかすぐにばれる。長門が狙われるぞ」 「親父さんは、長門がシュートを打ち終えるまで、敵と長門の間に入ってガードしてください。バスケでは相手にぶつかっていくとファールを取られますから」 「なるほど。先に体を間に入れちまえば、こっちのものって訳か」 「あたしは何をすればいいの?」 「ハルヒ、おまえは指令塔だ。基本的にお前からボールが出て、こっちの攻撃が始ま...
  • ロール・プレイング その8
    ロール・プレイング その7から 兵士A おい、あいつ、本当にやっちまいやがった。 兵士B ああ。たった一人であの軍勢を押し戻した。 兵士A 人っ子一人いないぞ。西のやつら、逃げ帰るのも迅速だ。 兵士B あれだけの兵に、竜までいて……。それが気にかかるがな。しかし、今は先にすべきことがある。 兵士A ああ、そのとおりだ。 皇太子 「そこまでやっていいのか」ですって? つまらないことを考えるのですね。 オヤジ やっと入れ替わったか、デブ王子。 皇太子 不敬の罪は問わないでおきましょう。 オヤジ 口の聞き方を覚えるのはそっちだろ。おれは大人だぞ。 皇太子 それが何か? オヤジ 自分が世界を支えてる訳じゃないと知ってもなお、その「つまらないこと」に命投げ出して考えられるようになったら、赤飯を炊いてやる。 皇太子 支えるのは民草の役目でしょう。この世界が変わるのを、あるべき姿に変...
  • 朝食の情景
    オヤジ よう、キョン。早いな。 キョン あ、親父さん。おはようございます。 オヤジ なんか、おまえがうちで朝飯食ってても、不思議ともなんとも思わなくなったな。 ハルヒ 何がどう不思議なのよ? オヤジ おまえには父親の気持ちなんぞ一生分からん。 ハルヒ 当たり前でしょ! って、キョン、あんた何、胸に手をあてて考えてんの? オヤジ 朝食後のスピーチか? どうせなら聖書に手を置いてやれ。 ハルヒ つっこみどころが多過ぎて、一行に収まんないでしょ! 母さん ハル、ご飯食べて行くんでしょ。すわったら? ハルヒ ……はーい。……親父、覚えてなさい! オヤジ おれが何かしたか? ……キョン、真剣に答えなくていいぞ。 ハルヒ 母さん、おかわり! オヤジ おまえは芸人か!? もっと味わって食え。 ハルヒ 事は一刻を争うの! 一秒一秒を真剣に生きてたら、そんな悠長なこと言ってられないわ! オヤジ ずーっと、ふ...
  • 技術の長門−ワッフル・デコーダーの暴走
    技術の長門より  時間も、空間すらも定かでない場所を、おれは走っていた。  宇宙規模の危機は、何度か体験し、その都度なんとかやり過ごしてきた。  だが、今度という今度ばかりは、話は違う。  宇宙はおそらく無事だろう。太陽も紫外線をまき散らしながら自重を支え切れず崩壊することもないだろう。  だが、俺たちは? そう、危機に陥っているのは、世界ではなく、俺たちの方だった。  「メタの視点からいえば、我々の存在は言語によって構築されている」 長門は言った。 「作者が死んだとしても、言語構築体が残れば、再生は無論、続編を続けることも、無数の変種を創造することも可能」 「その、すべての大本がヤバいっていうんだな」 「こうした危険は当然予見されるべきだった。すべて私のミス」 「誰もおまえを責めたりせん。だが、まだ何か手があるはずだ。そうだろ、長門?」 「破壊して...
  • あいつについてあたしが話せる2、3の事項
    (ポクロウタさんのブログに掲載されてる http //pokurouta.blog99.fc2.com/blog-entry-219.html 「翌年からあの事件の日が近くなると無意識の不安からハルヒに抱きついちゃうキョンそしてわけがわからないハルヒ」の絵に殴られたような衝撃を受けて書きました。)  この時期、あいつは決まってどこかおかしくなる。  もともと何考えてるか、いまいちわからないし、最初からおかしなやつだけど、この時期はそれに輪をかけて変だ。  普段は、あたしが声をかけても、何かに誘っても、決まってめんどくさそうな顔するくせに、この時期だけは反対で、何かといえば、あたしに声をかけてくる。「何の用?」と尋ねると、「いや別に」とか「いや、いい」とか、まったく要領を得ない。  それに、この時期になると、どういうわけか、いっつもあたしの方を見てる。 ...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-ハルキョン温泉旅行 その1
    「あー、やっとあんたも、ゼリーとプリンの日々にお別れできるわね」  とはいうものの、おれはゼリー生活に少しだけ未練があった。ゼリーだけであれだけの種類のものが作れるのも驚異だが、そのすべてが極ウマだったのだ。栄養なんかのことは、味付け以上に考えてあったんだろう。それ以外のものを口にしてないのに、2キロ太ったぐらいだからな。 「あんたのおなかの具合もよくなったことだし、買い出しに行くわよ!」  買い出し、は少々大げさでも、ハルヒはずっと付き添っていたせいで、おれが熱を出してからの買い物はすべてネットスーパーで済ませていた。数日ぶりに買い物に《出かける》ことになるな。 「おれも行こう。その勢いだと、おまえだけだと持ちきれんほど買っちまうだろう」 「あんたは病み上がりなんだし、……うーん、まあ、そこまでいうなら、お供に連れて行かないこともないわ」  いや、単なる買い物だ。それ以上のご...
  • 新落語シリーズ「松山鏡」
     越後の国は松山(まつのやま)村に、キョンという、へんな名前の、まことに素朴で孝行者がおったそうでございます。  さて、その評判が領主にも聞こえ、褒美を与えようという話になりました。  「松山村のキョン、ならびに村役人一同、ばっちり付き添ってるねっ!」 領主役はいうまでもなく鶴屋さんでありまして。 「ははあ、一同、付き添いましてございます」 「キョン、面(おもて)をちょいと、上げてくれないかなー」 「はい」 「なるほど、なるほど。キョン、って顔してるねえ。なんでも、めがっさ親孝行なんだってねえ?」 「いえ、両親とも、十分な孝行をしないうちに、亡くなりました。何分、貧乏暮らし故、うまい酒を飲ませたことを、うまい魚を食べさせたこともありません」 「ふーん、随分早いうちに親を亡くしたんだねえ。で、それ以来、墓参りを欠かせたことがないって言うじゃないかぁ! まったく領...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その6アナザー
    涼宮ハルヒのリフォーム その5から 「やれやれ、見覚えのある顔だぞ。今日は、執事のコスプレは? 忘れてきたのか?」 「あまり感心しませんな。住居侵入に対して、少々やりすぎでは?」 「わるいな、臆病なんでな。長い間、空家で忍び込み放題だったこの家に、昨日の今日ってタイミングで、真夜中の住居侵入だ。どう考えたって、どれかの意味で、関係者だろ?」 「なるほど。しかし地縛霊の類も考えられますな」 「実家は神職もやっててな、お祓いは門前の小僧だ」 「長い間、戦争を生業にしてきましたが、エトランジェ(フランス外人部隊)に入って、アルジェリアに着いた途端、『人殺しは嫌いだから一抜けた』と言った方は、後にも先にもあなただけでしたな」 「反省してる。旅費を浮かそうとせこい思いつきだったんだが、悪いことをしたな。誰だって好きでやってる訳じゃねえのに。若気の至りだ」 「その後、私の記憶が...
  • 保健室へ行こう4
    保健室へ行こう3から 「ねえ、キョン」 「ん、なんだ、ハルヒ?」 「あたしたちってさ、週に5日しか会わないわね」 「学校のある日だけだからな」 「……で、明日、あんた暇?」 「仕事のない日は、たいてい暇だが」 「学校の外で会う分は、生徒でも教師でもないわよね」 「どうだろうなあ……。痴漢しても、教師は教師って書かれるしな」 「ほう、あたしに痴漢しようっての?」 「もののたとえだ。……淫行には、なるかもな」 「なによ、それ?」 「年端の行かない、物心の付いてない青少年を悪い大人がそそのかして、いけないことをすること、らしい。ほら」 「……最高裁判例によると、 (1)青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為 (2)青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認め...
  • 保健室へ行こう3
    保健室へ行こう2から 「おまえ、ずっとそれ着て授業受けてるのか?」 「わるい?」 「悪くはないが、洗濯とかどうしてるんだ?」 「そんなことしちゃ《意味ない》じゃない!」 「やれやれ。そんなことじゃないかと思った自分がちょっと嫌だな。ほら、これ」 「何よ?」 「洗い替え用の白衣だ。あ、ちゃんと一度、袖を通してあるからな。これなら《意味ある》だろ?」 「うー」 「どした?」 「こんなことも気付かなかった自分に腹立ててんの!」 「今着てるやつ、よこせ。洗ってくるから」 「ダメ! あたしが言い出しっぺなんだから、あたしが洗濯するの! あんたの情けは受けないわ! ……洗い替え用の白衣は、ありがたく頂戴するけど」 「それじゃ、洗濯してきたのを持って来い。袖を通してやるから」 「……バカにしてんでしょ?」 「いいや」 「めんどくさい女だと思ってんでしょ?」 「あ...
  • 終電車
     「あ、キョン? 随分遅いけど、今から出て来れない? ううん、今、駅。あ、駄目ならいい」  らしくない電話だった。『今すぐ駅まで来なさい! 30秒以内!』ってのがハルヒのハルヒたるところであって、殊勝な内容は、いつもと違って聞こえる声と相まって、何か俺を不安にさせた。 「わかった。すぐ行ってやる。自転車で行くから、そんなにはかからん。ちゃんと待ってろよ!」  この時、俺もまた、いつもなら言いそうにもないことを言っていた。  俺たちは、違い過ぎていて、そして似過ぎていた。  あいつの努力は空回りすることが多かったし、俺の苦労も大抵は報われなかった。  思えば、俺たちはずっと近すぎる距離にいた。同じ教室の、すぐ後ろと前の席。  ハルヒが望んだことなのだろうが、俺の方も異存はなかった。だがそれが、物事を複雑にしていた。  それ以上近づこうとすれば、お互いに触れ合わざるを得な...
  • ロール・プレイング その5
    ロール・プレイング その4から 兵士A キョン、とか言ったな。 キョン あ、はい。 兵士B 我々が口を出す筋合いではないが。 兵士A しかし命を助けてもらったのは事実だ。だからこそ聞いておきたい。 兵士B あの者、おまえが「親父」と呼んでいた人物、信用できるのか? 兵士A あいつに着いて行って大丈夫なのか、という話だ。 キョン はあ。その質問に答えるのは、一生かかりそうと言うか……。 兵士B ぬるい! そんな悠長な事で大丈夫なのか? 兵士A 突き落とされたから言うのでは無いが、あの者、悪とは言い切れぬにせよ、普通じゃないぞ! キョン ああ、それは、確かに、……認めます。 兵士B あいつに何か弱みでも握られてるのか? キョン うーん、完全に間違っている訳ではない気がするけど……。 兵士A どっちなんだ!? キョン いや、「握られてる」のとは違います。……おれたちは、人を捜しに来ま...
  • あるSS書きの個人的7つ道具(文房具篇)
    「情報をうまく整理できれば、泉のごとくすばらしいアイデアが生まれ、幸福な人生をおくれる」などと夢を描いて、《ロディア》や《モレスキン》と戯れながら人生を送るべきではないと考えるSS書きの、せこい文房具たち。 たとえばロディアはこういうの たとえばモレスキンはこういうの ポストイット 筆ペン クリップ付き4色ボールペン 方眼スパイラル・ノート ブックスタンド 手帳と1ヶ月インデクス 携帯電話 ポストイット  メモする→張り替えて整理(孤独なKJ法)      →手帳からさらにノートへ→さらに模造紙へ      (溢れればさらにでかい紙へ)(個人作業から集団作業まで)      →再整理が楽 →不要になれば捨てる  本のしおり兼書き込みメモも、ポストイット。分厚さが倍になることもある(ここまでいくと本が壊れる)。これも、張り替えてノートや手帳へ...
  • 8月2日 パンツの日
    ○8月2日 パンツの日  奈良の下着メーカー磯貝布帛工業(イソカイ)が自社ブランド「シルビー802」の商品名にちなんで制定しました。  後に、大坂の下着メーカー、オグランも「パン(8)ツ(2)」の語呂合わせから、この日を記念日にしました。 オヤジ 今日はパンツの日だな。 キョン そうですか。知りませんでした。 オヤジ かといって、どうしようもないがな。 キョン そうですね。贈るとか飾るとか、なんかそういうのでもないと。 オヤジ キョン、お前はパンツを贈る癖とか飾る癖があるのか? キョン いや、ないです。 オヤジ なんだ、つまらん。行動を喚起しない記念日なんぞ、なんのネタにもなりゃしないな。 キョン ちなみに、「パンツを贈る癖」から、どういう展開があったんですか? オヤジ 知りたいか? キョン そう聞かれて、知りたかったことも、断れたことも、ない気がするんですが。 オヤジ そう...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-ハルキョン温泉旅行 その3
    その2から  一泊二日の宿の予約を済ませ、互いにたっぷりと睡眠をむさぼった数日後、俺たちはその、やたらと交通の不便なところにある温泉旅館に向けて出発した。  乗り継ぎの面倒さにも関わらず、ハルヒは終始上機嫌で、 「やっぱり人間寝ないとダメねえ、キョン!」 などと勝ち誇ったように語ってみせる。 「見なさい、いいえ、触れてみなさい、このみずみずしい張りとつやの肌!」 「どれどれ」 「ど、どこさわってんのよ!! 時と場所をわきまえなさい!」 「グーで殴るな。ほっぺただろ!」 「あたしが無抵抗なのをいい事に、人のほっぺを『たこやき』にしたわね」 「抵抗どころか、おもいっきり反撃してるだろ! あと知らない奴には絵でもないと伝えにくいぞ、このいたずら」 「あんたがやったんでしょうが!」  長い旅のはずだったが、くだらない話をする時間というのは、なんでこうも短く感じ...
  • オヤジ野球3
    オヤジ野球2から キョン うちが先攻か。向こうは親父さんが投げるんだな。 ハルヒ あたしが、各自の適性と実績をもとに最高のオーダーを考えて来たわ。 キョン 1番ピッチャー、ハルヒ。……。 ハルヒ 打順は打率のいい順よ。それが一番合理的だって長嶋総監督も言ってたわ。 キョン ……それはいい。2番でキャッチャーが、俺ってのは? ハルヒ そ、それは、さっきも言ったとおりよ! それとも、あたしの球を捕るのが不服とでも? オヤジ おおい、キョン、カーブの握りはこれでいいのか? キョン ……親父さん、せめてグラウンドに着く前に確認して下さい。 ハルヒ キョン、敵に塩を送る気? 古泉 歴史上かつ一般的には賞賛される行為ですが、今は控えていただいた方が。わがチームは9人ぎりぎりだということをお忘れなく。 キョン いっそ誰かに急なバイトが入って、メンバー不足で放棄試合というのを狙わないか? 古泉 ...
  • しふぉん
    小学生のハルヒ(以下、ハルヒ) 母さん、母さん! 母さん おかえりなさい、ハル。 ハルヒ ただいま!母さん、あたし、ケーキを焼くわ! 母さん まあまあ。好きな子でもできたの? だったらお赤飯炊かなきゃ。 ハルヒ ちがう! ケーキよ、ケーキ。 母さん もちろんケーキの焼き方は教えるけど。 ハルヒ 赤飯いらない。友達のお母さんが作ったらしいんだけど、ものすごくおいしかったの!これはあたしも焼くしかないわね、と思ったわ! 母さん そうなの。で、どんなケーキに挑戦するの? ハルヒ あたしも、いきなりあのケーキに挑戦するほど向こう見ずじゃないわ。まずは堅実に、シフォンケーキあたりね。 母さん うーん、上級とは言わないけれど、初心者向き、とも言えないわ。膨らまなくてぺしゃんこになったり、失敗が誰の目にも分かりやすいしね。なかなかハルらしい選択ね。 ハルヒ え、そうなの? 母さん お菓子づくりは、料理と...
  • 涼宮ハルヒの正夢
     「い、息ができないじゃないの、このエロキョン!!」  狭い教室に(物理的な意味で)大反響を引き起すゴージャスかつラウドネスな寝言だった。少なくとも、うとうとしかけてた俺が一気に過覚醒しちまうぐらいには、な。 「……で、できなくても、いいけどぉ。むにゃむにゃ」  はた迷惑な誰かさんの夢の内容については、あえて触れず、想像するのも止めておく。だから推測も無用だ。背景色でのリクエストも受け付けない。5組の連中にならって、肩をすくめてやり過ごしてくれ。以上だ。  が、次の寝言&寝アクション(俺を後ろに引き倒す)は、事なかれ主義者として事態をスルーしようとしてた俺の中の、なんというか名付け難いメーターの針を振り切れさせた。 「早く起きなさい、って言ってんのよ、あたしは!!」 「うお!痛ーっ。……ハ、ハルヒ!! 起きるのは、お・ま・え・だ!!」 「んが?」 「……目が、覚めた、か?」...
  • 同じ夢の中
     親父とケンカした。  ケンカ自体はいつものことだったけど、テーマが最悪だった。  親父は、大抵のことは適当にやってしまうくせに、ケンカだけは手を抜かない。  相手が子供だろうが、自分の娘だろうが、とことんやる。  今日のケンカは、あたしが今一番触れて欲しくないと思っていることを巡って行われた。もちろん手加減なしで。  あたしは自分としては最悪の選択を、敵前逃亡を選び、自分の部屋に駆け上がった。  そして、あたしは最悪な気分でとにかく眠ろうとした。  いつもとどこか違う目覚め。  夜中に目が覚めてしまうのは、よくあることだ。  時には、夜中の街を誰にも邪魔されずに、闊歩する。今のあたしに、心安らぐ時があるとしたら、このときだった。  でも、『今夜』は違っていた。  今夜? 確かに窓から光は入ってこない。外は暗い。  あたしはただならぬ予感がして、カーテンを一気...
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