ハルヒと親父 @ wiki内検索 / 「ロール・プレイング その3」で検索した結果

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  • ロール・プレイング その3
    ロール・プレイング その2から オヤジ あいつらは? キョン ええ、火に当たって濡れた体を乾かしてます。親父さんそれは? オヤジ ん?ああ、タロットだ。おれたちの世界で言うと、マルセイユ版って奴だ。酒場でやたら絡んでくる奴がいてな、ちょっとした賭けをして巻き上げた。 キョン 大丈夫ですか? 占い師なら、商売あがったりじゃ? オヤジ 残念だが、タロットは占いもカバラも無関係のあとからのこじつけ、って結論が出てる。ダメットって学者が分厚い本を書いててな。今度貸してやる。 キョン は、はい。 オヤジ で、どう思う? キョン 何がです? オヤジ とぼけるな。おまえが気付いてないはずがない。 キョン ……。 オヤジ じゃあ聞くが、さっき斬り方が分かったとか言ってたが、その時「あいつ」の声はしたか? キョン ……親父さん、実は……。 オヤジ ちょっと待て。「実は」ってんなら、おれの方が先に話...
  • ロール・プレイング その4
    ロール・プレイング その3から オヤジ じいさん、天下の往来で、幾何学の証明なんてするな。流行ったら、どうする気だ? 古代アテネを襲った、プラトンの幾何学公害を知らねえのか? 暇にあかして自由民がこぞって砂浜に出かけて図形を描きまくったから、アテネ市街じゃ砂ぼこりで目を開けたれなかったんだぞ。 老人 言ってる事の半分は分からぬが、これを証明だと一見して見抜きおった。どこから来た? オヤジ ぶっちゃけ、こことは別の世界からだ。 老人 なるほど。 オヤジ いや、そこはつっこめ。話が続かん。 老人 ご客人、茶などどうかね? いろいろ話をしたいが、老人の相手は嫌かね? オヤジ 好きか嫌かでいえば、嫌だ。だが、今は選択肢を選んでる場合じゃなさそうだな。 老人 急いでいるのかの? オヤジ おれが、じゃなく、世界がな。 老人 さて、息災にみえるがの。 オヤジ おれには、あんたがそう思っているよ...
  • ロール・プレイング その2
    ロール・プレイング その1から キョン でも、手配書なんて、どこで手に入れたんですか? オヤジ 街だ。酒場があったろ。お前が寝てから行ってみた。で、酒場にベタベタ貼ってあるのを見て、こっちは仰天だ。一枚ひっぺがして、こう言った。『このべっぴんさんは誰だ? どこに行けば会える?』。よっぱらい連中が、ああかわいそうな奴って感じで、いろいろ教えてくれたぞ。 キョン さすがです。……おれも、そこまでは、とても……。 オヤジ うちのバカ娘がブスだと言うのか? キョン いや、そっちじゃなくて! オヤジ 冗談だ。 キョン だいたい酒場なんて、お金はどうしたんですか? オヤジ 飲んでもないのに、金なんか払えるか。 キョン 飲みもしないで、よく追い出されませんでしたね。 オヤジ よっぱらい連中を乗せて乗せて、酒場の雰囲気を盛り上げて、いつもの倍は飲ませたろう。おれ一人分の酒代じゃおつりが来る。 キ...
  • ロール・プレイング その5
    ロール・プレイング その4から 兵士A キョン、とか言ったな。 キョン あ、はい。 兵士B 我々が口を出す筋合いではないが。 兵士A しかし命を助けてもらったのは事実だ。だからこそ聞いておきたい。 兵士B あの者、おまえが「親父」と呼んでいた人物、信用できるのか? 兵士A あいつに着いて行って大丈夫なのか、という話だ。 キョン はあ。その質問に答えるのは、一生かかりそうと言うか……。 兵士B ぬるい! そんな悠長な事で大丈夫なのか? 兵士A 突き落とされたから言うのでは無いが、あの者、悪とは言い切れぬにせよ、普通じゃないぞ! キョン ああ、それは、確かに、……認めます。 兵士B あいつに何か弱みでも握られてるのか? キョン うーん、完全に間違っている訳ではない気がするけど……。 兵士A どっちなんだ!? キョン いや、「握られてる」のとは違います。……おれたちは、人を捜しに来ま...
  • ロール・プレイング その8
    ロール・プレイング その7から 兵士A おい、あいつ、本当にやっちまいやがった。 兵士B ああ。たった一人であの軍勢を押し戻した。 兵士A 人っ子一人いないぞ。西のやつら、逃げ帰るのも迅速だ。 兵士B あれだけの兵に、竜までいて……。それが気にかかるがな。しかし、今は先にすべきことがある。 兵士A ああ、そのとおりだ。 皇太子 「そこまでやっていいのか」ですって? つまらないことを考えるのですね。 オヤジ やっと入れ替わったか、デブ王子。 皇太子 不敬の罪は問わないでおきましょう。 オヤジ 口の聞き方を覚えるのはそっちだろ。おれは大人だぞ。 皇太子 それが何か? オヤジ 自分が世界を支えてる訳じゃないと知ってもなお、その「つまらないこと」に命投げ出して考えられるようになったら、赤飯を炊いてやる。 皇太子 支えるのは民草の役目でしょう。この世界が変わるのを、あるべき姿に変...
  • ロール・プレイング その7
    ロール・プレイング その6から 老人 なんじゃ、もうギャーギャー騒がんのか? つまらん。 オヤジ 勢いに任せてオトコマエなことを言っちまったら、へんに腹がすわったらしくてな。 老人 便利な腹じゃ。 オヤジ 残る恐怖は、怒った女房だけだが、こいつは克服したくない。 老人 そしてよく回る口じゃ。 オヤジ このまま王宮まで飛ぶのか? 老人 降りると余計に時間がかかる。王都は人が多すぎる。都を抜けようとすると丸1日はかかるわい。 オヤジ 都市計画がなってないな。公衆衛生の観念もないだろ? 向こうに戻ったら、ヨハン・ピーター・フランクの10巻本を届けてやる。 老人 王都は確かに死亡率が高いが、それでも人が押し寄せるよう来る。それで釣り合いがとれておるのじゃ。 オヤジ マルサスの罠にどっぷりかよ。東の巫女が戦を避けたがってたのも、その口か? まあ、この世界の戦で、それほど人が死ぬかは疑問だが。...
  • ロール・プレイング その6
    ロール・プレイング その5から 老人 そう、あわてるな。王宮とまではいかぬが、王都には、懐疑論者のファランジュもある。東の巫女の侍従にも懐疑論者がおる。 オヤジ その女スパイが手引きしてくれるのか? 老人 いや、「外の者」なら、巫女が直接会うと言っておる。この意味がわかるか? オヤジ 懐疑論者も歳をくうと探偵を始めるのか? 老人 人探しを請け負ったのは初めてじゃ。これで最期にしたいがの。 オヤジ 世界が終わればそうなるさ。 老人 そうならんために、おまえさんたちが来た。そうじゃないかの? オヤジ で、巫女がいるところまで、何日かかる? 老人 さよう、人の足なら10日と、かからんじゃろ。 オヤジ 話にならんぞ。「どこでもドア」はないのか?「瞬きの鏡」でもいい。 老人 半分以上分からんが、竜の翼なら、1昼夜で着く。 オヤジ ああ、いやな展開になってきたぞ。おれまで虎のパンツで武装する...
  • ロール・プレイング その1
    ...長がある。 ロール・プレイング その2へ
  • ロール・プレイング その9
    ロール・プレイング その8から 西の国の王女 西の塔に出した軍から、飛竜が戻りました。 ??? 連絡用に連れていった奴ね。それで? 西の国の王女 司令官からの書簡が届きました。「外の力を持つたった一人の男が、我が軍勢を圧し帰した」とあります。……あなたの言うとおりになりましたね。 ??? やる気が、傍目にはものすごく分かりにくいけど、やる時はやる奴だって言ったでしょ。さあ、今度はあんたの番よ! 西の国の王女 約束したことは守ります。……でも、私に本当にできるのでしょうか? ??? できるできないじゃなくて、や・る・の! ここまで来たら、腹を決めるしかないわ。 西の国の王女 ……ここまでやってきたことも、あなたが来なければ、どれもできないことでした。 ??? そうね。あんたには不可能に思えた。でも、あんたはそれをやったのよ。 西の国の王女 ……。 ??? あんたが思いを固めてやり抜...
  • SS(二次創作)「ハルヒと親父」シリーズの物置
    ...6 その7 その8 ロール・プレイング その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7  +ハルヒと親父(親父もしくは母さんメイン) ハルヒと親父(親父もしくは母さんメイン) 涼宮親父の修業時代 ハルヒ母の遍歴時代 親父と母さんの格闘 オヤジ狩り 王様とあたしたち その1 +小さいハルヒと親父 小さいハルヒと親父 ファーストキス・ショット 生まれた理由 涼宮ハルヒの特訓 キスキス 夏休みの工作 しふぉん 捨て猫と会った日のこと High Moon:真夜中の親父 +親父さんと谷口くん 親父さんと谷口くん  その1 その2 その3 その4 その5(最終回)  エピローグ +ハルヒと親父(小品) ハルヒと親父(小品) とある七夕の前日 なれそめ チョコレート・パニック ハルヒとその母:共に居る理由 What s Love? 子犬...
  • 閲覧回数上位SS
    今日の閲覧回数ベスト20 留守番(二人は暮らし始めました) あるSS書きの個人的七つ道具の使い方ータロット篇 ハルキョン家を探す その3 閲覧累積回数ベスト100 あるSS書きの個人的七つ道具ー魔道具篇 (21591) あるSS書きの個人的七つ道具ー表(タブロー)篇 (17105) ハルヒと親父1 (17040) できちゃった その6(最終回) (15946) ハルキョン家を探す その3 (15228) ハルキョン家を探す その2 (14788) ハルキョン家を探す その5 (14426) ハルヒと親父2 ー おとまり (14120) あるSS書きの七つ道具 (13762) 夏休みの工作 (13497) あるSS書きの個人的七つ道具の使い方ータロット篇 (12724) あるSS書きの個人的七つ道具の使い方(事例編) (12199) ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 そ...
  • 二人は暮らし始めましたー場外ー親父が来る その3
    親父が来る その2から   ……この親父、家族愛に訴えてまで、娘を怖がらせようとしている。しかし怖がらせたところで、この親父に何の見返りがあるというのか。ある意味なけなしの父娘の絆をまた損なうだけじゃないのか。  それにしても、こいつもまたダブル・バインドだ。まともに受け取れば冗談にして茶化すことができるし、相手にしなければ親の死に冷淡な態度を非難できる。いずれを選んでも、向こうに負ける余地はない。  おれはハルヒの反応を見ようと後ろを振り返った。 「ふう。で、その不幸の手紙は何人に出せばいいの?」 おい、ハルヒ。いきなり《肝心なことは聞いてない》攻撃か? 「バカ娘、そうじゃない。死を回避する方法はないんだ」 そうだ、そういう設定だろ。 「人間いつかは死ぬわよ!」 一般論!! 「だからいつ死んでもいいように、今日の今この時を一生懸命生きるの! キョン、あたし何か...
  • 二人は暮らし始めましたー場外ー親父が来る その2
    親父が来る その1から  計画なき逃亡をぶち上げたハルヒに、おれは首を振った。  「ハルヒ、ダメだ。前にも言ったろ。恐怖と不安は逃げれば逃げるほど、大きく強くなるって」 「じゃあ、どうすんのよ」 「馴化だ、簡単に言えば、馴れるんだ。詳しいやり方は、今教えてやる。使えるものは3つあるんだが、まずは……ハルヒ、拳をつくってみろ」 「こ、こう」 「シャドウ(・ボクシング)まではいらん。今、鼻をかすめたぞ」 「ごめん」 「ぐっと握って、腕に、二の腕に、肩にありったけの力を入れてみろ。ぶるぶる震えるくらい。……そしたら、ぱっと一度に力を抜く」 「ふう」 「これを全部の手足、胴体でやる。筋弛緩法って奴だ。恐怖や不安と両立しない感情や生理状態があるって話も、前にしたな。怒りや食欲や性欲の満足もそうだが、リラックスってのも恐怖や不安と両立しない。怖がってるときは、体もこわばって...
  • 親父さんと谷口くん5
    親父さんと谷口くん4から 谷口 親父師匠! 親父 誰かと思えば谷口か。今日は何だか悩んでなさそうだな。 谷口 はい。あれからいろいろ紆余曲折ありましたが、なんとかデートの約束までこぎつけるところまで行きました。 親父 そうか、100人斬りナンパ・エクスポージャまでやったのか。 谷口 はい、断られるのが前提で声をかけるのは、なかなかきついものがありましたが、確かにたかだか断られるだけ、誰も声をかけるなりゲロを吐いたり殴ったりする人はなかったです。  自分が内気だとは思ってませんでしたが、それに気付いて克服することができました。今では鼻からスパゲッティ食べて逆立ちでグランド1周くらいできそうです。 親父 そうか。しかし鼻からパスタはやめておけ。で、今日は? 谷口 はい。ご報告と、最後のアドバイスをいただきに参上つかまつりました。 親父 うむ。まあ、ドタキャンされても泣かないようにな。 ...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その25)?
    親父さんと谷口くんシリーズ  光るあるところに影がある。  普段、主としてハルキョンのバカップルものを書いている親父書きですが、多分、「親父さんと谷口くん」は、ハルキョンを光とするところの影、陰画です。  原作では付き合ってるどころか告白さえしていないハルキョンですが、二次創作におけるバカップルものは、当人たちがどれほど否定しようとも、どれほど無自覚であろうとも、デフォルトが「付き合ってる」ことになっています。  一方で、原作の谷口氏は5分とはいえハルヒと「付き合った」こともある訳ですが、本シリーズの谷口くんは《永遠の恋の探求者》です。ぶっちゃけ、永遠にカップルになれないが故に永遠に恋を追い求めると運命づけられている神話的人物です(笑)。カッコイイ、でもなりたくない(笑)。  オリキャラであるところの涼宮夫妻は言うまでもなくバカップルですが、その片割れである親父さんは、図書館で...
  • オヤジのバスケ
     誰と、どうした訳で、こういう事態になったかを説明し始めると、『オデッセイア』を上回る大叙事詩になる恐れがあるので割愛したい。  「3on3? って誰が? あいつらと?」 「おれが出よう。キョンを出すよりはマシだろう」 「ちょっと、キョン、こんなこと言われてるわよ!」 「今は勝つ事に集中しろ。作戦だ。長門は3ポイント・シュートを打ちまくれ。お前なら、コートのどこからでも狙えるだろ?」 「わかった」 「だが、得点源が誰だかすぐにばれる。長門が狙われるぞ」 「親父さんは、長門がシュートを打ち終えるまで、敵と長門の間に入ってガードしてください。バスケでは相手にぶつかっていくとファールを取られますから」 「なるほど。先に体を間に入れちまえば、こっちのものって訳か」 「あたしは何をすればいいの?」 「ハルヒ、おまえは指令塔だ。基本的にお前からボールが出て、こっちの攻撃が始ま...
  • 資本戦隊キャピタル・ファイブ3
    資本戦隊キャピタル・ファイブ2から キャピタル・ファイブOP主題歌 「資本がもしも無かったら 世界はたちまちコルホーズ  物流とまり 取り付け騒ぎ  人はその職 なくすだろう  イェー  資本は おお 社会の火だ  幸せを おお 守る時もある  レッド ブルー イエロー(2代目) ブラック グリーン  俺達の尻に火がついた  キャッシュ フロー キャッチ アンド リリース  資本戦隊 キャピタル・ファイブ」  資本戦隊キャピタル・ファイブ3 ??? カツマー長官だな? カツマー長官 なによ、あんたたち? ??? 我々と一緒に来てもらおう! カツマー長官 ちょっと、SP! あんたら弱過ぎ! こうなったらあたしが闘るわ。 ??? 痛い,痛い。待て待て。おれたちは怪しいもんじゃない。 カツマー長官 本当に怪しくない奴は、「怪しくない」なんて断らず、...
  • 親父さんと谷口くん3
    親父さんと谷口くん2から 「今度は思い出した。素人童貞の谷口だな」 「すみません。そんな、いきなり謝らなきゃなくなるような冠は、まだ付いてないです」 「それがいい。若いうちからエッチしてると、男と女のことを『わかった』ものとして軽く考えがちだ。『わかりきった』と思っているところにドリームは生まれないし、子供も生まれない、とみうらじゅんも言っている」 「いや、あの、すみません。直裁に言います。女の子にもてたい、否、女の子をものにしたいんです! どうか、俺みたいな者にも、すぐに役立つお知恵を」 「つまり、こういうことか。熱愛中のラブラブ・カップルの女性側の記憶を書き換えて、恋心のあて先を、そのうらやましい男からおまえに振りかえて、恋人を横取りする方法とか、そういうのが知りたいのか?」 「げ、外道ですね。そんなことが、できるんですか?」 「できるかどうかの問題じゃない。して...
  • オヤジラジオ その4
    オヤジラジオ その3から ハルヒ それ、どういうこと? じゃあ、発信機を探しだせても、何にもならないの? キョン そういうことだ。 ハルヒ ちょっと、キョン、どうすんのよ!? キョン ハルヒ、落ち着け。 ハルヒ って、あんたは何でそんなに落ち着いてんのよ!? キョン ハルヒ、これって、いろいろ周囲を巻きこんで多少傍迷惑ではあるが、要するに、お前と親父さんの親子ゲンカだろ。 ハルヒ う、うぐ。た、確かに、そう言えなくもないけど。 キョン だから、だ。俺たちが背負ってるのは世界の破滅でも、誰かの不幸でもない。相手は超常現象でも不条理でもない。いくらか常軌を逸しているが、親父さんの悪知恵と悪戯心に勝てばいいんだろ。 ハルヒ ぶっちゃけ、そうよ!  キョン だったらな、ハルヒ、おれたちは多分、答えの鍵をすでに手にしてると思うぞ。 ハルヒ どういうこと? キョン それも、後でなんで気付かなか...
  • マジで恋する5秒前
     「みくるちゃんがネット見てるなんてめずらしいわね」 「あ、涼宮さん」 「みんなはまだ?」 「ええ。私以外はまだ誰も」 「有希までいないのね」 「長門さんは、コンピ研です」 「ふーん。で、みくるちゃん、何見てたの?」 「えーと……」 「どれどれ」 「うわわ、急にのぞかないで下さい」 「コイシテイルジブンニキガツイタシュンカン9パターン? 恋している自分に気が付いた瞬間9パターン! ……はあ、みくるちゃんも意外と『乙女』ね」 「(ど、どっちが、とは言えません……)す、涼宮さんも、興味ありますか?」 「ないわ」 「そ、そうですか」 「……でも、そこまで言うなら見てあげなくもないわ!」 「(いや、そこまでもなにも……)」 「なになに、『その1.メールの返信を心待ちにしていた瞬間。……何気ないメールでも、返信がくることを「楽しみ」にしていたら、恋に落ちたサインでしょ...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-ハルキョン温泉旅行 その2
    その1から 「というわけで、痛いエロカップルが部屋つき露天風呂でどんなことするか、リサーチしたわ。といっても、半分以上が盗撮ネタだったけど」 「……ハルヒ、聞こうと思ってたんだがな。俺でさえ毎日3時間しか寝てないのに、いつそんなこと調べてるんだ?」 「あんたが寝静まってからに決まってんでしょ、エロキョン」 「だから、お前、毎日ちゃんと寝てんのか?」 「むう」 「ちなみに夕べか明け方か知らんが、直近の睡眠時間は、何時間、いや何分だ?」 「15分ほど、うとうと……したかしら?」 「俺たちがここに来て11日になるが、その間の、のべ時間だと?」 「あーえー、全部足せば5、いいえ、6時間にはなるはずよ!」 「ハ・ル・ヒ」 「な、なによお?」 「ちょっと来い」 「こら、耳ひっぱるな! って、どこ触ってんのよ!」 「いいから、ここ座れ」 「す、座ったわよ」 「人...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-二人はひきこもりました その3
    その2から  バカップル的ひきこもり生活も10日を越えると、さながらル・マン24時間耐久レース(あるいは1万円で1ヶ月生活)の様相を呈してきた。  本家のバイオスフィア実験−水も空気も出入りしない人工閉鎖系で、植物や家畜を持ちこみ、究極のショート・レンジリサイクルを行いつつ人がどこまで生きていけるかという過酷な実験も、予想外の、しかしシステム的な要因による慢性的な酸素不足、収穫不足、家畜の全滅に加えて、実験期間後半には、メンバー間のいさかいが耐えなかったという。  おれたち二人の間でも、いつものように、いさかいは耐えなかったが、これもおそらく谷口あたりに言わせれば、痴話ケンカの域にも達しない「いちゃつき」と判定されるレベルであり、ここに国木田、阪中を加えても、満場一致にして判定は覆らなかったであろう。  おっとハルヒが呼んでいる。後世に書き残し、何かの教訓にしてもらおうとい...
  • そのとき親父書きは何を思ったか?
    そのとき親父書きは何を思ったか? その1:親父シリーズ短編について その2:「ハルヒと親父1」(シリーズ第一作目)について その3:「あるSS書きの個人的七つ道具」シリーズについて その4:「ハルヒと親父3ー家族旅行プラス1」について その5:「ハルヒと親父2ーおとまり」について その6:「できちゃった」について その7:「一人旅に必要な事」について その8:親父シリーズ以外(二人は暮らし始めました、新落語シリーズ「出来心」他)について その9:親父シリーズ以外(みぞのの鏡、辞書シリーズ/英和辞典、他)について その10:親父シリーズ以外(その男文系につき、ツンデロイド、他)について その11:親父シリーズ以外(彼と彼女と彼女のメール、電波の日 Nowhere、他)について その12:親父シリーズ以外(「パソコンが砂糖と化してアリがたかる」カオス篇)について その13:親父シリーズ以外(手...
  • 6月6日 かえるの日
    6月6日 かえるの日  かえるの鳴き声「けろ(6)けろ(6)」の語呂合わせから、「かえるの友の会」の会員である作家の矢島さらが1998(平成10)年に提唱しました。って、それだけ? (改作グリム童話「かわいい女の子とカエル君」)  むかしむかし、あるところに、名古屋弁で言うと、どえりゃー美人で、スレンダーなくせに出るとこ出てる女の子がいました。  女の子は、思いつきで行動するのが大好きです。その日は1000本ノックとピッチング練習をすることにしました。  ところが、あたりどころが良すぎて、800本目のノックはフェンスを越えて、ホームラン級の打球になって飛んで行きました。 「まあいいわ」  夕焼け空に消えていく白球を見送って、女の子は帰り支度を始めました。  すると、 「泣いたりして、どうしたんだ?」  なんと、モブ(群衆)の中から雑用係のカエ...
  • スポンサーから一言 その6
    スポンサーから一言 その5から 《登場人物のおさらい》 絵描き:女Dの転落させ殺した疑いで起訴中 女A:7年前、絵描きと心中 女B:絵描きの現在の愛人。手首を切り自殺。 女C:女Aの妹。女Bと同じ日に転落死(自殺?) 女D:女B、Cと同日に転落死。  「探偵小説にいまでも時々あるだろ。『あるべきものが、そこにない方が不思議だ』ってやつ。絵描きの部屋は当然調べられたが、押収品にAを描いたものだけが一切なかった、スケッチすらもだ。心中ですでに関係は精算されて、今や新しい愛人が居る身だ。ない方が当然か? そもそも何故、こいつは心中なんてしたのか、じゃまになったAを殺すだけが目的だったのか? それなら今回はなぜ心中してないのか? 同時に複数を「自殺」させるなんて手間のかかる手段をとったんだ? 今や愛人が複数居て、順番に殺していくと、他の愛人に企みを気付かれると思ったか...
  • 二人は暮らし始めましたー場外ー親父が来る その1
     夕食後のコーヒーを楽しみながら、いつものように、どうでもいいことを話していると、ハルヒがふと、思い出した、といった顔をしてみせた。 「そういえば、こないだは花火見にでかけちゃて、あんたの怪談を聞かずじまいだったわね」 「別におれの方は、聞かせたくなるような怖い話はないぞ。だいたいおまえを怖がらすメリットがない」  むしろデメリットの方が激しくあるんじゃないだろうか。怖がっておれに抱きついてくるタイプじゃないし(ああ、そんなゆるいツンデレなら、世界は幾度も危機に陥ったりせん)、むしろパニックに陥って手当たり次第(おれを含めた)周囲のものに攻撃をし出すことの方を危惧するぞ。 「このあたしを震えあがらせるようなやつを希望するわ」 「だからおれの話を聞けって!」 「団長に二言なし!どっからでもかかってらっしゃい!」 「聞く耳なしだろ!……やれやれ。その言葉、後悔するなよ」 ...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その4
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その3から  飛行機は快調に空を飛び、涼宮ハルヒは俺の二の腕に盛大に頭をぶつけて眠っている。 「おい、ハルヒ。起きろ、飯だ、機内食だぞ」 「ん……あ?」 「どっちにしろ寝ちまうんだな」 「"What would you like, beef or fish? 」 「ああ、うん。……キョン、あんた、魚とお肉、どっちがいい?」 「ああ、肉にするか」 「Can I have the fish meal ? He says he d like to have the beef.(わたしは魚料理をちょうだい、彼は肉料理を食べたいそうよ)」 「いまさら驚かんが、英語もできるのか?」 「親父の持論だと、ハロー、プリーズ、サンキュの3つとクレジット・カードがあれば、どこへ行ってもなんとかなるらしいけどね」  ハルヒがト...
  • 親父とRPG その2
    親父とRPGから  「なんで、今度はあたしが行商人なのよ!」 「おまえみたいな、はっちゃけた奴をな、ピラミッドの上の方に置いとくと下が大変なんだ。昔の殿様なんか、食事に石ころが入ってても、表沙汰にすれば、味見係以下、食事に携わってる連中が処分されるだろ。だから、知らんぷりして、誰も見てないうちに吐き出すくらいでないと、上のものは勤まらなかった」 「うー、聞くだけで、ストレスの溜まりそうな話ね」 「おまえなんか、化け物を殴ってりゃストレス発散できるじゃねえか」 「あたしが言いたいのはね、なんであんたと親子連れかってことよ!」 「事実、親子なんだから仕方がない。恨むなら神を恨め、バカ娘」 「事実と2次元をごっちゃにするな。これはゲームの内でしょ!」 「最初からパーティが揃ってたら、モチベーションが沸かんだろ。そのうち仲間と合うんじゃないか? それまでおれがお前のお守りだ...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-二人はひきこもりました その2
    その1から ハルヒ 今日からやっと夏休みよ。これで思う存分いちゃラブできわね! キョン なんだ、その、いたラブって?イタ車みたいなものか? ハルヒ そう、アニメ・キャラをでっかくプリントした続き柄のおそろいを着て、って何でやねん! キョン おお、乗りツッコミ。しかも関西弁だ。 ハルヒ 確かにあれは痛いカップルだったわ。 キョン !実在するのか? ハルヒ あの世界は深いわ、キョン。まだまだこんなもんじゃないわよ。 キョン いや、その話題はストーリーとも関係ないし、なんだか帰って来れない気がするから、やめとけ。 ハルヒ そうね。話を戻すと、夏休みよ!学校に行かなくて済むし、寝る以外のすべての時間を、強い意味でのイチャイチャにつぎこむつもりでいくから覚悟しなさい! キョン なんだ、その「強い意味」って? ハルヒ ハードな内容になるってことだけは言えるわね。 キョン 具体的には? ハルヒ...
  • 親父さんと谷口くん4
    親父さんと谷口くん3から 谷口 親父先生!谷口、一生のお願いがあって参りました。これが誓いの唐笠血判状です。 親父 いや、もともと一揆の首謀者が分からぬよう、どっちが上かわからんようになってるのが、唐笠血判状なんだが。谷口、谷口と、自分の名前で埋められてもなあ。まあいいや。おまえの本気を信じよう。言ってみろ。 谷口 結局、王道しかないと悟りました。俺にモテるための地味な努力を教えてください! 親父 分かってるのか?地味な努力は牛歩の歩みだ。たとえば、1ヶ月でHな女の子の住所氏名が集まる裏技と、地味な努力があったとする。おまえはどっちを選ぶんだ? 谷口 も、もちろん地味な努力であります!!  親父 なるほど。では、おまえの本気に応えるように、おれも本気でかかろう。しかし言うまでもないが、地味な努力はスモール・ステップだ。ひとつひとつの段階は実現可能なほどに小さいが、しかしそれ故にま...
  • あるSS書きの個人的七つ道具ー魔道具篇
    1 マインドマップ 2 ルルスのアルス・マキナ 3 タロット 4 ロジェのシソーラス 5 時空計算尺ガリバー 6 猿の手(Monkey's Paw) 7 Dramatica(ストーリー作成・分析ソフト) 1 マインドマップ  本式(マインドマップ(R))にはいろいろちゃんとしたやり方があるようだが、個人的には、ひとりブレインストーミングの道具。アイデアやプロットやキャラクター設定を膨らませていくのに使える。  大きめの紙の真ん中にメインとなるアイデアなどを書いて、枝を生やして思いついたものをどんどん追加していく。手書きで十分だが、フリーソフトなどもある。  一覧性と追記が容易なところがミソか。   国語力世界一のフィンランドの小学生は、これでお話をつくる練習をするようだ(誰が?なにを?なんのために?といった枝を最初から生やしておいて、そこから広げさせるらしい)。...
  • 二人は暮らし始めました 4日目
    「ハルヒ、いつもネットで何見てるんだ?」 「内緒」 「おいおい。『一緒に暮らす以上お互い隠し事はなし』っていったのは、おまえだぞ。といっても、俺の方は、すでに隠すような余地は何もないわけだが。『あたしと住むんだから、この手のものは必要ないわね』って随分捨てられたし(谷口すまんな)。で、今は何見てるんだ?」 「プライバシー」 「けんもほろろ、かよ。んなこと言われると、余計に見たくなるんだよ。えーい、実力行使!」 「あー、後悔するわよ」 「誰だ、このマヌケ面? って、俺かよ! というか、ライブカメラな現在の俺かよ! どこで撮ってるんだ?」 「そんなの、アングルでわかるでしょ」 「って、パソコンのディスプレイのすぐ上に乗ってるじゃないか。なんで、気付かなかった、おれ?」 「灯台下暗しってとこね」 「いや、まて。高校時代もか。部室でも、おまえ……」 「ふっ。ご想像にお任せする...
  • ネーミング・ライツ
     「SOS団の新しい活動を発表するわ」 「おお、すばらしい」 「古泉、まだ何も言っとらんぞ」 「やっぱりわかる、古泉君? この企画のすばらしさが!」 「勝手にやってくれ」 「キョン、話に集中しなさい。あんたは、今回の目玉なんだから」 「外させてもらおう。おれは真ん中より隅っこが好きなんだ」 「SOS団も、ついにネーミング・ライツ事業に乗り出すわよ!」 「ほえー、ネーミング・ライツって何ですか?」 「いい質問ね、みくるちゃん。そういう読者の目線に立った疑問を打ち上げてもらえると、説明的なセリフも自然に流れるってものよ!」 「メタに説明したら、何にもならんだろ。いまはgoogleもウィキペディアもあるんだし、わからん言葉は自分で調べるさ」 「ネーミング・ライツってのはね、日本語で言えば『命名権』のことよ。最近よくいうのは、スポーツ施設や文化施設等の名称に、企業名が入ってい...
  • その次の日
     ハルヒの力が無くなったという知らせを、あの3人が三様に告げに来た日の翌朝。  夢にしがみつくように頑固に眠っていたおれを起こしたのは、いつもの妹のボディ・プレスだった。  いつも通りの、いつもの朝。  違っていたのは、それに続くセリフがなくて、妹がそのままベッドの脇に立ち尽していたことだった。 「……」 「ん、どうした?」 「あ、うん、古泉君が来てるよ。……キョン君を呼んで欲しいって」 「そうか……」  用件は分かってる。 「キョン君!」 「ん?」 「あ……な、なんでもない。ごめんなさい」  おれはぽんぽんと、手のひらで妹の頭を軽く叩いた。 「ちょっと、出掛けて来る。昼飯には帰るから」 「うん。……いってらっしゃい」  そうとも、用件なら分かってる。  「悪い。待たせたな」 「いえ、こちらこそ早朝に押しかけて申し訳ありません。あまり……」 ...
  • 親父さんと谷口くん
    「すまん、人の名前が覚えられない質でな。誰だっけ?」 「あの、谷口です。涼宮さんと中学から同じクラスの」 「あー、5分で振られた恋愛スプリンターの。娘がとんだ失礼を。あの顔であの性格だし、ろくな死に方しねえな、と常々思ってるんだ」 「いや、でも、いまラブラブで幸せ一杯に見えるんですが」 「キョンって、パッとしないように見えて偉大なんだな」 「いや、それはいいんですが。実はご相談があって参りました」 「なんだ、そうと早く言ってくれれば。俺は、若い奴の相談事が三度の飯より好きなんだ。経験談にはろくなネタがないけどな」 「ほっ。人に頼るなんて、と叱られるかもドキドキしてました」 「実際は自立した人間ほど、たくさんの人間に依存してるんだ。依存っぽい奴は、依存する相手が一人とか、家族だけとか、限られてるから問題を起こす。で、相談ってのは?」 「はい、俺は常々ナンパ道を極めようと日々...
  • 資本戦隊キャピタル・ファイブ2
    資本戦隊キャピタル・ファイブから オヤジ バカ娘。 ハルヒ 何よ、オヤジ。 オヤジ 次のシナリオだ。 ハルヒ あ、あんたね、あんなもの、映画にできる訳がないでしょ! オヤジ Vシネマでもいいぞ。 ハルヒ だから、こんなもの置いて行くな!! 資本戦隊キャピタル・ファイブ2 キャピタル・レッド……リーダー、でもスパイ キャピタル・ブルー……クールな一匹狼 キャピタル・イエロー……調子がよい太鼓持ち、二重スパイ キャピタル・ブラック……「イエス、ユー・キャン」が口癖 キャピタル・グリーン……葉緑素を体内に持ち、菜食主義を地でいく半植物人間、エコロジスト、青臭い言動が持ち味 ゴールド司令官……戦隊をあずかる。必殺技ゴールド・ラッシュ。出番なし。 カツマー長官……キャピタリズムを体現した初の女性長官。爆弾発言が得意。愛読書はミルトン・フリードマン『選択と自由』。 カツマー...
  • そのとき親父-書きは何を思ったか(その23)?
    ひさびさに短い目の「そのとき親父書きは何を思ったか」をお届けします。 乱歩の日  乱歩なら他にもいくらでもあるだろう、との当然過ぎるご指摘がありましたが、ハルヒなら、絶対『人間椅子』だろうと迷いもしませんでしたwww。  というか、これを書いてはじめて『人間椅子』の何が嬉しいのか/何を欲望しているのかが、理解できたような気がします。  暑苦しくても、視覚と動き回る自由を失ってでも得たいもの。キョンは反省して、もっと「だっこ」してあげるべきですねwww。 夏氷(なつごおり)の日 ゲリラ雷雨 夏の自転車  歳時記を見てネタを考えたような、夏の掌編。  省略に省略を重ねて、削りに削ってるのは、描く力量と時間がないせいです。  それでも読み手の想像力が救ってくれるのに賭けるという、文字でやってる強みに完全に寄りかかってますね。だから、感想がもらえると、このあたりのは本当に...
  • あるSS書きの個人的七つ道具ー表(タブロー)篇
    前口上 1.マンダラート 2.5w1h表 3.対人関係マトリクス 4.主人公−ライバル対照表キャラクター設定表は? 5.テーマ設計表 6.ストーリー構成表 7.プロット細分表 発展型A キャラクター対照表+ストーリー構成表 おまけノースロップ・フライの物語分類 前口上  欧米だと、物書きの必需品にアウトライン・プロセッサ(WIN用;mac用というのがあるけれど、日本ではあまり普及してないみたいだ。  アウトライン・プロセッサというのは、インデント付きの箇条書き作成ソフトで、ある項目を移動すれば、それより下位レベルの項目は一緒に移動してくれる。あるレベル以下を一時的に見えなくしたり、逆に見えなくしておいたものを展開したり、と箇条書きであれこれ考えるのに便利なソフトである。  樹木(トゥリー)状のデータというのは、インデント付きの箇条書きで表現できるし、マインド・マップ(R)のよ...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その3
    ハルヒと親父2その後 一周年 その2から  朝が来たのは分かった。  おれの精神(こころ)及び肉体(からだ)は、まだ完全には覚醒しておらず、周囲の状況を把握するには至ってなかった。おれの右手は、そこにいるはずの誰かを無意識に探していたが、成果ははかばかしくなかった。それで、人の気配を感じたとき、おれの肺は空気を喉と口蓋に送りこみ、この世のものとは思えぬ音を出すという失態をやらかした。だが音の方がしでかしたことは、よくよく考えればはるかにマシで、更なる大問題は音声信号の内容の方だった。 「ん……ハルヒ?」 「残念。はずれ」  この似ているが確かに違う声について、脳髄が前頭前野と側頭野と海馬に鞭を入れ、最高速度の検索を要求する。結果:この声は確かに・・・ 「って、ハルヒのお母さん!」 「おはよう、キョン君」 「お、おはようございます!」 「誰かお探し?」  ハルヒの...
  • 図書館で−オヤジラジオ・プロローグ
    親父 今日は、スピノザに、トゥキディデスに、聖ヒルデガルト、ディラックに、鈴木邦夫かよ。 長門 ……? 親父 俺だ、ハルヒんとこの親父だ。 長門 ……オヤジ。 親父 そう、親父。……借りた本、重そうだな。半分持とうか? 長門 大丈夫。問題ない。 親父 そうか。それじゃあ、何か飲まないか? 長門 飲む? 親父 図書館の下に学食みたいな喫茶室があったろ。おごってやるからつきあえ。 長門 ……わかった。 親父 日曜は大抵来てるのか? 長門 そう。 親父 一言多い司書がいてな、ちょっと顔なじみなんで、教えてくれたんだ。さっき目の端にお前さんが映ってな、そっちを見てたら「毎週日曜日、セーラー服で一日中本を読んでる娘がいるんだが、知り合いか?」ってな。 長門 ……そう。 親父 俺は借りてたDVDを返しにきた。休みがいい加減でな、2週間ばかり延滞だ。俺の見る映画なんて見る奴は少ないけどな。 長...
  • 掲示板/足跡帳
    ...コメへのレスを。 ロール・プレイング、いいですね! そしてハルヒの独白にも弱い私。  親父書きも、ハルヒの独白に激弱ですw。キョンの一人称以外認めねえ、というスタンスもあるかに思うんですが、SSは自由だ。ここはおれのwikiだw。また書いてしまうかもしれません。  ただ、あの2つを書いてから、妙に涙腺がゆるくてねえ。つい先日も松任谷由実の「ダンデライオン」で泣きましたw。もうひどい歌詞でw。もともと原田知世の「あしながおじさん」(ミュージカルね)のテーマソングですよ。それがこともあろうか、「ふるさとの両親がよこす手紙のような ぎこちないぬくもりほど泣きたくなる」って、主人公みなし子だろ! わーい! 続きだー! シリアスなんだか何なんだかw キョンと親父さんのコンビ良いですね SOS団の面々だと良くも悪くも若さが前に出てくるもんで、加えて観察を任務...
  • はじめての方へ:ハルヒと親父 @ wikiのご紹介
     このwikiもどきは、ハルヒスレSSまとめwikiに掲載された『涼宮ハルヒ』シリーズの二次創作物(SS)である、「ハルヒと親父」(オリキャラ全開)シリーズとその周辺的二次創作の物置です。  あまりにも二次創作の域を逸脱してしまってスレに投下し損なったもの、言い訳、後悔、ツール、その他企画物を含みます。  このwikiでのSSは、涼宮家を中心とした日常系おはなしです。  超常的な出来事はほとんど起こりません。SOS団の面々も(すみません)あまり活躍も登場もしません。あしからず。  なお、当サイトはリンクフリーです。「リンクしましたよ」と、お知らせいただくと、こちらからもリンクさせていただきたいと思います。 written by 親父書き 主な登場人物 涼宮ハルヒタイトル・ロールです。原作ではほとんど無敵の彼女ですが、彼女を生み育てた父母はそれに輪を...
  • 保健室へ行こう4
    保健室へ行こう3から 「ねえ、キョン」 「ん、なんだ、ハルヒ?」 「あたしたちってさ、週に5日しか会わないわね」 「学校のある日だけだからな」 「……で、明日、あんた暇?」 「仕事のない日は、たいてい暇だが」 「学校の外で会う分は、生徒でも教師でもないわよね」 「どうだろうなあ……。痴漢しても、教師は教師って書かれるしな」 「ほう、あたしに痴漢しようっての?」 「もののたとえだ。……淫行には、なるかもな」 「なによ、それ?」 「年端の行かない、物心の付いてない青少年を悪い大人がそそのかして、いけないことをすること、らしい。ほら」 「……最高裁判例によると、 (1)青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為 (2)青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認め...
  • あるSS書きの個人的七つ道具の使い方ーマインドマップ篇
    マインドマップのよいところは、 思いついた順にどこからでも書いていけるところ 追加が簡単なところ 連想や試行錯誤の跡が残せるところ これらを一覧できること あたりだろうか。  アイデアの膨らまし方や物語の展開には、複数の選択肢があり得る。  結局は使わなかった選択肢にも、使えるアイデアが結構あるものだ。  考えるのも記録するのも自分だけの「ひとりブレインストーミング」に、使えそうなのはそんなところである。  以下では、SSづくりのどんなところで使えるか、いくつか例示してみた。 1.キャラはじまり 2.行動はじまり 3.妄想「もし〜だったら」はじまり 1.キャラはじまり  (とりあえず、まだ何も思い浮かばない場合)  キャラを中心に書いて、そのキャラがする行動、しそうな行動、しそうもないけどやったらおもしろそうな行動を回りに書いていく。  行...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その4
    涼宮ハルヒのリフォーム その3から リフォーム4  涼宮夫妻合作のツナキャベツ・サンドを食べ終えた後も、ハルヒと俺は、ひなたぼっこともおしゃべりともつかぬ何かをしつつ、庭の隅にあったベンチに腰かけていた。  ハルヒが会話を切って横を向き、俺もハルヒの顔から視線を外してそっちを見ると、気配を消してきた親父さんがすぐそこまで来ていた。 「おまえら、ほんとに仲良いな。離れ離れになったら、ダメダメになっちまうんじゃないか?」 「なるわけないでしょ」  いつものオヤジ・トークだ。声にもからかいの色が乗ってるし、口元もニヤリとしてる。ハルヒが適当に受け流して、それでいつものように終わるものだと思っていた。  ところが、今日に限って、親父さんは食い下がった。多分、ハルヒの返事の些細な違い、たとえば「おおきなお世話よ」と無視を決めこむのか、それとも今日のように明確な否定を...
  • 資本戦隊キャピタル・ファイブ
    オヤジ 娘。 ハルヒ 何よ、オヤジ。 オヤジ シナリオだ。 ハルヒ シナリオって何の? オヤジ 映画だ。また撮るんだろ? ハルヒ はあ? オヤジ おまえら5人だから、とりあえず戦隊ものにしといた。 ハルヒ しといたって、こら、こんなもの押し付けんな!! 資本戦隊キャピタル・ファイブ キャピタル・レッド……リーダー、でもスパイ キャピタル・ブルー……クールな一匹狼 キャピタル・イエロー……調子がよい太鼓持ち、二重スパイ キャピタル・ブラック……「イエス、ユー・キャン」が口癖 キャピタル・グリーン……葉緑素を体内に持ち、菜食主義を地でいく半植物人間、エコロジスト、青臭い言動が持ち味 ゴールド司令官……戦隊をあずかる。必殺技ゴールド・ラッシュ。 カツマー長官……キャピタリズムを体現した初の女性長官。爆弾発言が得意。愛読書はミルトン・フリードマン『資本主義と自由』。 カツマー長官 ...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その後ー腕の腫れ、氷の癒し
     最初は一通のメールだった。 「あれ、ハルヒの母さんだ」 『技量の不足を努力と根性で埋めようとする娘ですがよろしくね』 なんだ、これは。判じ物にしては分かりやすいし、心当たりもありまくりだが、なんでハルヒの母さんからこの文面なんだ?  その答えは、次の日の教室でわかった。  ブン、という音がしそうな勢いで、ハルヒが両腕を突き出してきた。 「なんのまねだ?」 「揉んで」 は?いま、ここ教室でか?おまえ、何言ってる? 「揉みほぐして、って言ってるの。いいから触ってみなさい! 聞くより見るより、よおく分かるから」 おれは何故か恐る恐るといった手つきになって、ハルヒの指先、手の甲、二の腕、と触っていく。ハルヒはどちらかといえば着痩せするタイプだが(何故こういうコメントができるかは、ストーリーの進行に何の関係もないから割愛するぞ)、それでもその馬鹿力から想定されるほど...
  • 長門有希の解答ーおっぱい
    「だいたい、なんで、おっぱいなんてものがあんのよ?」 「知らん。哺乳類だからだろ、きっと」 「まったくあてになんないわね。イヌとかブタとかはどうなるの? 乳房なんかなくて、乳首がおなかにならんでるだけじゃないの?」  おっぱいの起源なんてものについて、あてにされても困るぞ。と思いながら、「ほんとのとこ、どうなんだ?」とでも言う風に、おれは長門の方を見た。 「発達した乳房は、ホモ・サピエンスが直立歩行することと言語コミュニケーションをとることになった両方に原因を求めることができる」 「そうなの、有希?」 「(こくり)」  長門は頷いて、俺の方を見た。説明を続けていいのか、と問うような目で。構わん、やっちまえ。 「四足歩行する哺乳類のメスの生殖器は、後ろに回ることで容易に観察できるが、直立歩行によってこれが不可能になった。かわりに類人猿のメスは、頭を下げ腰を高く上げたり、臀部を...
  • ハルキョン家を探す その2
     涼宮家の魅惑の夕食が終わり(今夜は和食、とっても大変そうな懐石風だった)、ハルヒがガリガリ引いたばかりの豆で入れたコーヒーを飲み、今度は俺たちがなんだか皿の上に乗せられているような心持ちだった。人生で起こることは、すべて皿の上でも起こる、と言ったのはだれだったか。 「うん、おもしろい」  ハルヒの親父さんが発した一声はこれだった。 「ひさびさに早く帰って来たら、夕食は魅惑の懐石料理で、その上願ってもないスペシャル・ゲストがいて、バカ娘までしおらしい、と来る。俺は今日のを最後の晩餐にしてもいいくらいの心持ちだよ、母さん」 「なんですか、お父さん」 「キョン君のふとんを敷いてやってくれ。今日は寝ずに語り明かそうな、なっ、キョン君」 「すみません。その前に、お話が」 「おお、何だろう? 俺の向かいにはキョン君がいて、その左隣にはうちのバカ娘。母さんはどこにすわるんだ?...
  • スポンサーから一言 その4
    スポンサーから一言 その3から  「食うもの食ったし、食後の歓談までやった。バカップルにしては上出来だ。オヤジは気をきかせて、ここらで退散する」 「キョン」 とハルヒが言った。 「ああ、そうだな。……親父さん、送ります」 「お前に送られてもなあ。この辺りは、まだ馬賊でも出るのか?肉弾戦だったら、正直、ハルヒの方が役に立つぞ」 おれもそう思う。だが、親父さんの話が、あれで終わりだとは思えなかった。ハルヒも同じだろう。そしてハルヒと親父さんの間には、いつしか結ばれた、互いに弱みを見せないという相互不可侵条約があるらしい。だったら、今ここに居る人間で、その続きを聞くのは俺の役割ってことになる。  親父さんはハルヒの顔を見て、それからおれを見た。 「なるほど。じゃあ、キョン、ついてこい。ハルヒ、こいつを借りてくぞ。馬車がかぼちゃに戻る前には帰す」  部屋を出て、大通...
  • @wiki全体から「ロール・プレイング その3」で調べる

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